JP2014081511A - 反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置 - Google Patents

反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014081511A
JP2014081511A JP2012229701A JP2012229701A JP2014081511A JP 2014081511 A JP2014081511 A JP 2014081511A JP 2012229701 A JP2012229701 A JP 2012229701A JP 2012229701 A JP2012229701 A JP 2012229701A JP 2014081511 A JP2014081511 A JP 2014081511A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
optical system
image
catadioptric
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012229701A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Maezawa
功児 前澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2012229701A priority Critical patent/JP2014081511A/ja
Publication of JP2014081511A publication Critical patent/JP2014081511A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Microscoopes, Condenser (AREA)
  • Lenses (AREA)

Abstract

【課題】 広い視野領域にわたり、高い光学性能を有した反射屈折光学系を得ること。
【解決手段】 物体からの光束を集光して物体の中間像を形成する反射屈折部を含む第1結像光学系と、中間像を像面に結像させる屈折部を含む第2結像光学系を有する反射屈折光学系であって、第1結像光学系は、光軸周辺が光透過部、周辺部のうち物体側の面に反射膜を施し、裏面反射部とした第1の光学素子と、光軸周辺が光透過部、周辺部のうち像側の面に反射膜を施し、裏面反射部とした第2の光学素子を有し、第2結像光学系は複数のレンズと、最も像面側に光路中から挿脱可能な光学補正素子を有し、光学補正素子は中心部から周辺部にかけて正の屈折力が増大する形状の非球面を有し、非球面の光線有効径2h、光軸からの高さhにおける非球面の近軸曲率半径を延長したときのサグ量の非球面形状のサグ量に対する差Δ、光学補正素子の材料のアッベ数νを適切に設定したこと。
【選択図】 図1

Description

本発明は試料(物体)を拡大し、観察する際に好適な反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置に関するものである。
現在の病理検査では、光学顕微鏡を用いて病理標本(試料)を直接、人の目で観察している。近年、病理標本を画像データとして取り込み、ディスプレイ上で観察するバーチャル顕微鏡と呼ばれるものが利用されている。バーチャル顕微鏡では病理標本の画像データをディスプレイ上で観察できるため、複数人で同時に観察することができる。またこのバーチャル顕微鏡を用いると画像データを遠方の病理医と共有して診断を仰ぐこともできるなど多くの利点がある。しかし、この方法は病理標本を撮像して画像データとして取り込むためには時間がかかるという問題があった。
時間がかかる原因の1つとして、大きな撮像範囲の病理標本を顕微鏡の狭い撮像領域を用いて画像データとして取り込まねばならないことが挙げられる。顕微鏡の撮像領域が狭い場合、複数回撮像して、もしくはスキャンしながら撮像してそれらを繋げることで一枚の画像とする必要がある。従来より撮像回数を少なくして画像データを取り込む時間を短縮するために、広い撮像領域を持った光学系(撮像光学系)が求められている。
また、撮像する病理標本、及び、撮像素子の光軸方向の位置誤差に因る画像データへの解析の悪影響(倍率変化など)を低減するためには、両側テレセントリックの光学系であることが望ましい。この他、病理標本を観察する上で、広い撮像領域が求められていると同時に可視領域(広い波長域)での高い解像力を持った光学系が要望されている。高い解像力を持った光学系は病理診断の用途に限らず様々な用途の光学系に要望されている。
生体細胞などを観察する顕微鏡においては、可視光全域に渡って収差を良好に低減した屈折光学系が知られている(特許文献1)。また集積回路やフォトマスクにある欠陥を検査するため、紫外の広波長帯域に渡って高い解像力を有する反射屈折光学系が知られている(特許文献2)。また、半導体露光装置においては広い領域に微細なパターンを高精度に露光するようにした反射屈折光学系が知られている(特許文献3)。
またマスク上のパターンを感光基板上に走査露光する際に、走査方向については投影領域内の幅に渡ってスタティックな像歪み特性が平均化されてダイナミックな像歪み特性になることが知られている。そしてそのダイナミックな像歪み特性のうちの少なくともランダムな成分についは、透明な平行平板の表面を局所的に研磨加工した像歪みを補正する収差補正板を投影光路内に配置することで補正している。
また、その他の収差についても走査露光時に平均化されてダイナミックに収差特性になることを考慮して、事前に他の収差が最小となるような収差補正板を投影光路内に装着して特定の収差を補正するような投影露光装置が知られている(特許文献4)。
特公昭60−034737号公報 特表2001−517806号公報 特開2002−082285号公報 特開平11−45842号公報
特許文献1に開示されている屈折光学系は、可視光全域に渡って収差を良好に低減しているが観察視野領域が狭い。また、特許文献2に開示されている反射屈折光学系は、紫外の広波長帯域に渡って収差を良好に低減し、高い解像力を有しているが観察視野領域が狭い。
また、特許文献3に開示されている反射屈折光学系は広い領域に渡って収差を良好に低減し、高い解像力を有しているが、レンズ全長が長かった。レンズ全長が長いと装置が大型化してしまい、装置を設置したりや操作するのが困難になる。また、特許文献4では収差補正手段を用いて、像面補正を行っているが像面補正できるのが、単一波長であるため、波長領域の広い可視光に対して十分に対応できない。
一般に反射屈折光学系において光路中に光学系の収差を補正する光学補正素子(収差補正手段)を配置すると、広い撮像領域で高い解像力を得るのが容易になる。しかしながら光学補正素子の配置する位置や構成等を適切に設定しないと広い撮像領域で、しかも可視領域全般で高い解像力を得るのが難しい。
本発明は、広い視野領域にわたり、高い光学性能を有した反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置の提供を目的とする。
本発明の反射屈折光学系は、物体からの光束を集光して前記物体の中間像を形成する反射屈折部を含む第1結像光学系と、前記中間像を像面に結像させる屈折部を含む第2結像光学系を有する反射屈折光学系であって、前記第1結像光学系は、光軸周辺が光透過部、周辺部のうち物体側の面に反射膜を施し、裏面反射部とした第1の光学素子と、光軸周辺が光透過部、周辺部のうち像側の面に反射膜を施し、裏面反射部とした第2の光学素子を有し、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子は互いに裏面反射部が対向するように配置されており、前記物体からの光束は、順に前記第1の光学素子の光透過部、前記第2の光学素子の裏面反射部、前記第1の光学素子の裏面反射部、前記第2の光学素子の光透過部を介した後に前記第2結像光学系に出射しており、前記第2結像光学系は複数のレンズと、最も像面側に光路中から挿脱可能な光学補正素子を有し、前記光学補正素子は中心部から周辺部にかけて正の屈折力が増大する形状の非球面を有し、該非球面の光線有効径を2h、光軸からの高さhにおける非球面の近軸曲率半径を延長したときのサグ量の非球面形状のサグ量に対する差をΔ、前記光学補正素子の材料のアッベ数をνとするとき、
30<h/Δ
50<ν
なる条件式を満足することを特徴としている。
本発明によれば、広い視野領域にわたり、高い光学性能を有した反射屈折光学系が得られる。
本発明の撮像装置の概略断面図である。 実施例1における反射屈折光学系の光学概略図である。 実施例1における反射屈折光学系の収差図である。 (A)、(B) 実施例1において光学補正素子を用いたときのディストーション図である。 実施例1の反射屈折光学系において屈折率1.52、アッベ数64.14の材料を用いた場合の倍率色収差の説明図である。 実施例1の反射屈折光学系において屈折率1.53、アッベ数48.84の材料を用いた場合の倍率色収差の説明図である。 実施例1の反射屈折光学系において屈折率1.59、アッベ数39.24の材料を用いた場合の倍率色収差の説明図である。 実施例2における反射屈折光学系の光学概略図である。 実施例2における反射屈折光学系の対物レンズの収差図である。 (A)、(B) 実施例2において光学補正素子に平板を用いたときと、光学補正素子に非球面を用いたときのディストーションの説明図である。 実施例2の反射屈折光学系において屈折率1.48、アッベ数70.04の材料を用いた場合の倍率色収差の説明図である。 実施例2の反射屈折光学系において屈折率1.59、アッベ数39.24の材料を用いた場合の倍率色収差である。
以下、図面を用いて本発明の反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置の実施形態にたいて説明する。
本発明の撮像装置は、光源手段と、光源手段からの光束で物体を照明する照明光学系と、物体を結像する反射屈折光学系を有している。更に反射屈折光学系によって結像された物体像を光電変換する撮像素子と、撮像素子からのデータより画像情報を生成する画像処理系と画像処理系で生成した画像データを表示する表示手段とを有する。反射屈折光学系の環境変化によって生ずる収差変動を補正するために反射屈折光学系を構成する複数の収差補正レンズ成分を光軸方向へ移動する駆動手段を有する。
また反射屈折光学系の光学性能を良好に維持するために光学補正素子を光路中から挿脱する駆動手段を有する。また本発明の反射屈折光学系は、物体からの光束を集光して物体の中間像を形成する反射屈折部を含む第1結像光学系と、中間像を像面に結像させる屈折部を含む第2結像光学系を有する。そして第1結像光学系は、光軸周辺が光透過部、周辺部のうち物体側の面に反射膜を施し、裏面反射部とした第1の光学素子と、光軸周辺が光透過部、周辺部のうち像側の面に反射膜を施し、裏面反射部とした第2の光学素子とを有する。
本発明の反射屈折光学系は直径3mm以上の視野領域を撮像する。図1は本発明の撮像装置の要部概略図である。図2は本発明の反射屈折光学系の実施例1の要部概略図である。図3は本発明の反射屈折光学系の実施例1の収差図である。本実施例の反射屈折光学系は、例えば反射屈折型顕微鏡対物レンズとして好適なものである。
以下、図1を参照して、本発明の反射屈折光学系104を有する撮像装置1000の構成について説明する。撮像装置1000は、光源手段101からの光を照明光学系102によって集光して試料としての物体103を均一に照明する。このとき使用する光は可視光(例えば、波長400nm〜波長700nm)が用いられる。結像光学系は物体103の像を撮像素子105上に結像する反射部と屈折部を有する反射屈折光学系104より成っている。
撮像素子105で取得したデータ(画像情報)は、画像処理系106によって画像データを生成し、生成した画像データを表示手段107などに表示する。この他、記憶手段110に記憶している。画像処理系106では反射屈折光学系104で補正しきれなかった収差を補正したり、または、撮像位置の異なった画像データを繋げて一枚の画像データに合成したりするなど用途に応じた処理が行われる。
反射屈折光学系104内に配置された収差補正用の収差補正レンズ成分107、108、109は、各々を光軸に沿って移動させる駆動系(駆動手段)111を備えた保持機構(不図示)によって保持されている。レンズ成分は単一レンズ又は複数のレンズより成っている。
収差補正レンズ成分により球面収差、コマ収差、非点収差などの諸収差を良好に低減し、これにより広い視野領域全域に渡って良好な画質を得るのを容易にしている。また、反射屈折光学系104の収差が良好に低減されることで、画像処理系106における収差補正の処理が軽減されるなど、画像処理の計算負荷を低減している。
図2は図1の本発明に係る反射屈折光学系104の要部断面図である。図2において、104Aは反射屈折光学系、103は試料としての物体面である。105は撮像素子であり、像面に配置されている。ASは開口絞りである。SGは反射屈折光学系104Aの収差を補正する光路中から挿脱可能な光学補正素子である。IMは中間像である。AXは反射屈折光学104Aの光軸である。
反射屈折光学系104Aは物体103からの光束を集光し、所定面(屈折部の中)に中間像IMを形成する反射面を含む第1結像光学系L1を有する。そして中間像IMを撮像素子105に結像する屈折面と開口絞りASと遮光部SHと光学補正素子SGを含む第2結像光学系L2を有する。
第1結像光学系L1は、物体側から順に第1の光学素子(マンジャンミラー)M1、第2の光学素子(マンジャンミラー)M2、及び、レンズ群(フィールドレンズ)G1、G2を有している。第2結像光学系L2は、物体側から順にレンズ群G3〜レンズG5、開口絞りAS、レンズ群G6〜レンズG16を有している。ここで開口絞りASを第1結像光学系L1側に設けても良い。
図2は、物体面103から像面105に至る軸外光束が模式的に示されている。第1結像光学系G1の第1の光学素子M1は、物体103側の面が凸形状で、光軸周辺が正の屈折力の光透過部M1T、周辺部のうち物体側の面M1aに反射膜を施し、裏面反射部としている。
第2の光学素子M2は物体側に凹面を向けたメニスカス形状で、光軸周辺が負の屈折力の光透過部M2T、周辺部のうち像側の面M2bに反射膜を施し、裏面反射部としている。フィールドレンズG1、G2は正の屈折力を有する。第1の光学素子M1と第2の光学素子M2は互いに裏面反射部M1a、M2bが対向するように配置されている。第2の結像光学系G2は物体103からの光束のうち光軸近傍の光束を遮光し、撮像素子105に入射するのを防止する遮光板SHが開口絞りAS又はその近傍に配置されている。
図2に示す反射屈折光学系104では、照明光学系102からの光束で照明され、物体103から出射した光束は第1の光学素子M1の中央透過部M1Tを通過する。その後、第2の光学素子M2の屈折面M2aに入射し、その後裏面反射部M2bで反射し、屈折面M2aを通過して第1の光学素子M1の屈折面M1bに入射する。その後、第1の光学素子M1の裏面反射部M1aで反射する。そして屈折面M1bを通過し、第2の光学素子M2の中央透過部M2Tを通過し、第2結像光学系L2側へ出射してフィールドレンズG1、G2の内部に試料103の中間像IMを形成する。
本実施例において、第1結像光学系L1の構成はこれに限定されるものではない。例えば、マンジャンミラーより成る第1、第2の光学素子M1、M2の替わりに、中心部に透過部を有する表面反射ミラーとレンズとの組み合わせで構成しても構わないし、また、フィールドレンズG1、G2を配置せずに中間像IMを形成する構成としても構わない。
ここで、第1結像光学系L1に含まれる第1の光学素子M1の裏面反射部M1aと第2の光学素子M2の裏面反射部M2bはいずれも非球面形状より成っている。これにより、色収差の発生を抑えつつ、球面収差を良好に補正している。また高NA(口径比)でも、可視の広波長帯域に渡って諸収差を良好に低減している。
また、第1の光学素子M1の裏面反射部M1aと第2の光学素子M2の裏面反射部M2bは、いずれも正の屈折力の反射面としている。これにより、第2結像光学系L2のレンズの正の屈折力を強くして光学系全長を短くしたときのペッツバール和の増大を軽減している。これはペッツバール和への効き方が反射面と屈折面で反対となるためである。
中間像IMからの光は、順に、正の屈折力のレンズ群G3〜レンズG5、開口絞りAS、負の屈折力のレンズG6、正の屈折力のレンズG7〜レンズG10を通過する。更に負の屈折力のレンズG11、G12、正の屈折力のレンズG13、レンズG14、接合レンズG15、G16、光学補正素子SGを通過する。そして撮像素子105上に物体103を拡大結像している。
本実施例では、物体側と像側の両方ともテレセントリックになっている。遮光部SHは、レンズG6の物体103側の面をRa面、撮像素子105側の面をRb面としたとき、レンズG6のRa面上に配置されている。そして、物体103からの光が、第1の光学素子M1、及び、第2の光学素子M2で反射されることなく、第1、第2の光学素子M1、M2の中心透過部M1T、M2Tを通過して直接撮像素子105に到達することを防いでいる。
この実施例1の反射屈折光学系104Aにおいて、物体側の開口数NAは0.7、視野領域は直径7.0mmである。瞳の中抜けの割合は面積比で3割以下に抑えられている。物体103の像は反射屈折光学系104Aによって撮像素子105上に拡大結像される。その際に、光線は光学補正素子SGを通過する。光学補正素子SGは、非球面を有し、最も像側の撮像素子105に対向し、光路中から挿脱可能に配置されている。光学補正素子SGは撮像素子105からの発熱が反射屈折光学系104Aの光学素子に伝達しないようにしている。
更に反射屈折光学系104Aの収差補正を行っている。例えばディストーション補正、像側がテレセントリックとなるようにしている。収差、ディストーション、テレセントリック性はさまざまな外的要因に対して変動する。このため、像面付近に光学補正素子SGを光路中から挿脱可能に配置することにより、外的要因による光学性能の変動を軽減している。光学補正素子SGは不要なときは光路中から退避している。
本実施例において、最も像面側に光路中から挿脱可能に配置した光学補正素子SGは中心部から周辺部にかけて正の屈折力が増大する形状の非球面を有している。非球面の光線有効径を2h、光軸からの高さhにおける非球面の近軸曲率半径を延長したときのサグ量の非球面形状のサグ量に対する差をΔとする。光学補正素子SGの材料のアッベ数をνとする。このとき、
30<h/Δ ・・・(1)
50<ν ・・・(2)
なる条件式を満足する。
サグ量はレンズ面頂点から光軸に対して立てた垂線からの距離と定義し、符号は該垂線から光の進行方向に測った量を正とする。近軸曲率半径からのサグ量をΔ(球)、非球面形状のサグ量をΔ(非)とするとき、サグ量の差Δは、
Δ=Δ(球)−Δ(非)
である。レンズ面が平面のとき、サグ量Δ(球)は0である。
次に前述の条件式(1)、(2)の技術的意味について説明する。条件式(1)を満足する非球面形状とすることによって、反射屈折光学系の収差、特にディストーションの外的要因による変動を軽減している。条件式(2)を満足する材料を用いることによって、倍率色収差の補正を容易にしている。
図3の収差図に示すように実施例1は、軸上、軸外どちらにおいても良好に補正されている。図4(A)、(B)は光学補正素子SGの一面を球面形状から条件式(1)を満足する非球面形状にしたことによるディストーションの変化量を示す。図4(B)から十分にディストーションが補正されていることがわかる。
本実施例の反射屈折光学系104Aは両側ともテレセントリックな光学系であり、仮に外的要因により像側のテレセントリック性が損なわれたとしても、光学補正素子SGの一面を非球面形状にすることにより、補正することが容易である。
本実施例の光学補正素子の非球面の形状は光軸上から軸外に向けて正のパワーをもつ形状である。表1および表2のr44に示すように近軸曲率半径rは4329.6、非球面係数A-1.90E-07、B1.30E-11、C7.34E-15、D-9.38E-19、E3.83E-23、F-5.99E-27である。前述したサグ量の差Δは0.59mmである。有効半径は72mmである。条件式(1)の値h/Δは、
h/Δ=122.0
である。
光学補正素子SGはアッベ数νの値が50以上とするものを用いている。これは、像面付近に光学補正素子SGが配置されているため、材料に倍率色収差に影響があるためである。
図5は光学補正素子SGに屈折率1.52、アッベ数64.14の材料を用いた場合の倍率色収差を示す。縦軸は像高、横軸は倍率色収差量を示す。2つのグラフはそれぞれ長波長680nm(λL)と短波長480nm(λS)の場合の曲線であり、基準波長580nmを0とした場合のずれ量を示している。図5では像高3mmで0.00157mm(短波長)が最大値である。
同様に図6では屈折率1.53、アッベ数48.84の材料を用いた場合、図7では屈折率1.59、アッベ数39.24の材料を用いた場合の倍率色収差を示す。図6では像高4mmで0.00205mm(短波長)が最大値である。また、図7では像高4.5mmで0.00318mm(短波長)が最大値である。この結果から、アッベ数νが50以上の分散の低い材料は倍率色収差低減という意味で効果があることがわかる。よって、アッベ数が50以上の材料を光学補正素子SGに用いるのが良い。
図8は本発明の実施例2の反射屈折光学系104Bの要部概略図である。本実施例は実施例1と次の点が異なっている。
・レンズG10が負の屈折力であること。
・レンズG15、レンズG16が接合された接合レンズでなく、単一の正レンズG15よりなること
・光学補正素子が1つでなく、2つの光学補正素子SG、SG2を有すること、2つの光学補正素子SG、SG2は少なくとも1つが光路中から挿脱可能であること
である。
この他の構成及び光学作用は実施例1と同じである。図9の収差図に示すように実施例2は軸上、軸外どちらにおいても良好に補正されている。図10(A)は光学補正素子を平板としたとき、図10(B)は条件式(1)を満足する非球面形状にしたことによるディストーションの変化量を示す。図10(B)から理想格子に近い状態まで十分にディストーションが補正されていることがわかる。
実施例2の反射屈折光学系104Bは両側ともにテレセントリックな光学系であり、仮に外的要因により像側のテレセントリック性が損なわれたとしても、光学補正素子の一面を非球面形状にすることが容易である。
本実施例の光学補正素子SG2は平行平板よりなっている。また、本実施例の光学補正素子SGの非球面の形状は光軸上から軸外に向けて正のパワーをもつ形状である。表3および表4のr45に示すように近軸曲率半径rは1.0E+18、非球面係数A-5.55E-08、B8.79E-12、C-2.24E-15、D6.31E-19、E-5.91E-23、であり、前述したサグ量の差Δは0.42mmである。有効半径は72mmである。条件式(1)の値h/Δは、
h/Δ=171.4
である。
次に、光学補正素子SG2、SGは材料のアッベ数νの値が50以上とするものを用いている。これは、像面付近に光学補正素子が配置されているため、材料に倍率色収差に影響があるためである。図11は光学補正素子SGに屈折率1.48、アッベ数70.04の材料を用いた場合の倍率色収差を示す。縦軸は像高、横軸は倍率色収差量を示す。2つのグラフはそれぞれ長波長680nm(λL)と短波長480nm(λS)の場合の曲線であり、基準波長580nmを0とした場合のずれ量を示している。
図11では像高6.5mmで0.00214mm(短波長)が最大値である。同様に図12では屈折率1.59、アッベ数39.24の材料を用いた場合の倍率色収差を示す。図12では像高5mmで0.00307mm(短波長)が最大値である。この結果から、分散の低い硝材は倍率色収差低減という意味で効果があることがわかる。よって、アッベ数が50以上の材料を光学補正素子に用いるのが良い。
以上のように各実施例によれば、高NAで広い視野領域に渡って収差が良好に低減されたコンパクトな両側テレセントリックの反射屈折光学系が得られる。更に、波長領域の広い可視領域に対応して、色収差及びおよびディストーションを低減することが容易な反射屈折光学系が得られる。
以下、実施例1、2の数値実施例1、2を示す。面番号は物体面(試料面)から像面まで数えた光学面の順である。rは第i番目の光学面の曲率半径である。dは第i番目と第i+1番目の間隔である(符号は物体側から像面側へ測ったときを(光が進行するときを)正、逆方向を負としている)。Nd、νdは波長587.6nmに対する材料の屈折率とアッベ数をそれぞれ示している。非球面の形状は、以下の式に示す一般的な非球面の式で表される。
以下の式において、Zは光軸方向の座標、cは曲率(曲率半径rの逆数)、hは光軸からの高さである。kは円錐係数、A、B、C、D、E、F、G、H、J・・・は各々、4次、6次、8次、10次、12次、14次、16次、18次、20次、・・・の非球面係数である。
「E−X」は「10-X」を意味する。数値実施例1、2において物体面22、23は設計上用いたダミー面である。球面と表示し、曲率半径1.00E+18としている面は平面であることを示す。
(表1)[数値実施例1]
図2に示す反射屈折光学系の曲率半径(r)、面間隔(d)、屈折率(Nd)、アッベ数(νd)
物体面 r d ND νd
1 非球面 491.7 11.8 1.52 64.14
2 球面 1.00E+18 68.7
3 球面 -85.6 7.1 1.52 64.14
4 非球面 -114.0 -7.1 1.52 64.14
5 球面 -85.6 -68.7
6 球面 1.00E+18 -11.8 1.52 64.14
7 非球面 491.7 11.8 1.52 64.14
8 球面 1.00E+18 68.7
9 球面 -85.6 7.1 1.52 64.14
10 非球面 -114.0 3.0
11 非球面 -178.2 9.3 1.62 64.14
12 球面 -20.3 5.0 1.74 32.26
13 球面 -41.2 1.5
14 非球面 77.3 9.0 1.64 55.38
15 球面 -71.3 6.8
16 球面 34.0 14.7 1.49 70.23
17 球面 -112.1 4.0
18 球面 1.00E+18 6.5 1.75 35.28
19 非球面 -89.2 8.8
20 球面 -24.8 5.0 1.62 36.26
21 非球面 -416.8 2.1
22 球面 1.00E+18 5.1
23 球面 1.00E+18 0.0
24 球面 750.4 10.2 1.49 70.23
25 非球面 -94.0 1.0
26 球面 77.0 16.2 1.76 48.72
27 非球面 -80.9 0.1
28 球面 1.00E+18 8.8 1.59 61.13
29 球面 -113.6 5.9
30 非球面 59.9 10.8 1.74 32.26
31 球面 94.1 17.1
32 球面 -34.0 5.0 1.80 40.52
33 非球面 89.2 25.2
34 非球面 -39.0 5.0 1.51 64.14
35 球面 -136.1 15.0
36 球面 -112.9 13.9 1.74 44.85
37 非球面 -81.7 1.2
38 球面 -477.2 28.4 1.71 53.86
39 球面 -97.2 1.3
40 球面 1208.0 7.0 1.81 25.82
41 球面 139.8 39.8 1.71 53.86
42 非球面 -219.0 1.5
43 球面 1.00E+18 4.0 1.52 64.14
44 非球面 4329.6 4.0
像面
(表3)[数値実施例2]
図8に示す反射屈折光学系の曲率半径(r)、面間隔(d)、屈折率(Nd)、アッベ数(νd)
物体面 r d ND νd
1 非球面 630.9 9.4 1.52 58.36
2 球面 -1476.4 72.1
3 球面 -85.0 7.2 1.52 58.36
4 非球面 -114.4 -7.2 1.52 58.36
5 球面 -85.0 -72.1
6 球面 -1527.6 -9.4 1.52 58.36
7 非球面 630.9 9.4 1.52 58.36
8 球面 -1476.4 72.1
9 球面 -85.3 7.2 1.50 58.36
10 非球面 -114.4 3.0
11 非球面 -122.1 5.7 1.63 57.13
12 球面 -21.6 5.2 1.74 29.30
13 球面 -47.3 1.0
14 非球面 55.8 9.0 1.61 60.68
15 球面 -61.3 8.7
16 球面 40.7 10.2 1.54 55.42
17 球面 -145.6 5.0
18 球面 -317.4 8.4 1.75 30.10
19 非球面 -48.5 6.6
20 球面 -25.7 5.0 1.65 33.13
21 非球面 -215.3 6.7
22 球面 1.00E+18 6.6
23 球面 1.00E+18 0.0
24 球面 93.6 10.0 1.50 59.57
25 非球面 -690.3 0.9
26 球面 105.6 15.2 1.71 47.48
27 非球面 -58.9 0.5
28 球面 43.6 9.6 1.61 60.52
29 球面 62.2 7.1
30 非球面 52.0 7.8 1.75 31.33
31 球面 39.6 22.7
32 球面 -28.1 5.0 1.74 35.59
33 非球面 916.4 18.0
34 非球面 -39.4 5.0 1.49 68.89
35 球面 -115.2 11.9
36 球面 -70.2 15.8 1.74 44.85
37 非球面 -61.7 1.0
38 球面 -136.9 23.1 1.74 44.85
39 球面 -77.4 1.0
40 球面 2315.0 21.1 1.74 37.55
41 非球面 -230.0 1.5
42 球面 1.00E+18 3.0 1.48 70.40
43 球面 1.00E+18 1.0
44 球面 1.00E+18 3.0 1.48 70.40
45 非球面 1.00E+18 2.0
像面
101 光源 102 照明光学系 103 試料 104 結像光学系
105 撮像素子 106 画像処理系 107〜109 収差補正レンズ
AS 開口絞り IM 中間像 AX 光軸 L1 反射屈折部
L2 屈折部 G1〜G16 レンズ M1、M2 マンジャンミラー
SH 遮光部 SG 光学補正素子 SG2 光学補正素子

Claims (4)

  1. 物体からの光束を集光して前記物体の中間像を形成する反射屈折部を含む第1結像光学系と、
    前記中間像を像面に結像させる屈折部を含む第2結像光学系を有する反射屈折光学系であって、
    前記第1結像光学系は、光軸周辺が光透過部、周辺部のうち物体側の面に反射膜を施し、裏面反射部とした第1の光学素子と、光軸周辺が光透過部、周辺部のうち像側の面に反射膜を施し、裏面反射部とした第2の光学素子を有し、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子は互いに裏面反射部が対向するように配置されており、前記物体からの光束は、順に前記第1の光学素子の光透過部、前記第2の光学素子の裏面反射部、前記第1の光学素子の裏面反射部、前記第2の光学素子の光透過部を介した後に前記第2結像光学系に出射しており、前記第2結像光学系は複数のレンズと、最も像面側に光路中から挿脱可能な光学補正素子を有し、
    前記光学補正素子は中心部から周辺部にかけて正の屈折力が増大する形状の非球面を有し、該非球面の光線有効径を2h、光軸からの高さhにおける非球面の近軸曲率半径を延長したときのサグ量の非球面形状のサグ量に対する差をΔ、
    前記光学補正素子の材料のアッベ数をνとするとき、
    30<h/Δ
    50<ν
    なる条件式を満足することを特徴とする反射屈折光学系。
  2. 前記反射屈折光学系は物体側と像側の両方ともにテレセントリックであることを特徴とする請求項1に記載の反射屈折光学系。
  3. 前記中間像は、前記第2の光学素子より像面側に配置された屈折部の内部に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射屈折光学系。
  4. 光源手段と、前記光源手段からの光束で物体を照明する照明光学系と、前記物体を結像する請求項1乃至3のいずれか1項の反射屈折光学系と該反射屈折光学系によって結像された物体像を光電変換する撮像素子と、該撮像素子からのデータより画像情報を生成する画像処理系とを有することを特徴とする撮像装置。
JP2012229701A 2012-10-17 2012-10-17 反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置 Pending JP2014081511A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012229701A JP2014081511A (ja) 2012-10-17 2012-10-17 反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012229701A JP2014081511A (ja) 2012-10-17 2012-10-17 反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014081511A true JP2014081511A (ja) 2014-05-08

Family

ID=50785737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012229701A Pending JP2014081511A (ja) 2012-10-17 2012-10-17 反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014081511A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015036706A (ja) * 2013-08-12 2015-02-23 キヤノン株式会社 撮像装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015036706A (ja) * 2013-08-12 2015-02-23 キヤノン株式会社 撮像装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7253972B2 (en) Telephoto lens system
JP2016075860A (ja) 顕微鏡結像レンズ、顕微鏡装置、及び、撮像光学系
JP5479206B2 (ja) 反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置
JP5479224B2 (ja) 反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置
JP5836686B2 (ja) 反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置
JP5868063B2 (ja) 撮像装置
US20130063650A1 (en) Catadioptric system and image pickup apparatus equipped with same
JPH05341185A (ja) 内視鏡用対物光学系
JP4160270B2 (ja) 撮影光学系および鏡筒
JP2006276609A (ja) 結像レンズ
JP2011242610A (ja) 撮影レンズ及びこの撮影レンズを備えた検査装置
JP2014081511A (ja) 反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置
JP2019128527A (ja) 観察装置
US8947774B2 (en) Catadioptric optical system and image pickup apparatus having the same
US20150043063A1 (en) Catadioptric system and image pickup apparatus including the system
JP2015036706A5 (ja)
JP2015184544A (ja) 反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置
JP2013015718A (ja) 反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置
JP2019133055A (ja) 接眼光学系及びそれを有する観察装置、撮像装置
US20240011920A1 (en) Panel inspection device and method for inspecting a panel
JP2008026226A (ja) 表面検査装置
US9097883B2 (en) Catadioptric optical system and image-pickup apparatus having the same
JP2015176134A (ja) 撮像装置
JP2014056172A (ja) 対物光学装置および撮像装置
JP2013015717A (ja) 反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置