JP2014081297A - Qcmセンサとその製造方法 - Google Patents

Qcmセンサとその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014081297A
JP2014081297A JP2012229828A JP2012229828A JP2014081297A JP 2014081297 A JP2014081297 A JP 2014081297A JP 2012229828 A JP2012229828 A JP 2012229828A JP 2012229828 A JP2012229828 A JP 2012229828A JP 2014081297 A JP2014081297 A JP 2014081297A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
qcm sensor
water
qcm
environment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012229828A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6075002B2 (ja
Inventor
良三 ▲高▼須
Ryozo Takasu
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2012229828A priority Critical patent/JP6075002B2/ja
Publication of JP2014081297A publication Critical patent/JP2014081297A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6075002B2 publication Critical patent/JP6075002B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

【課題】QCMセンサとその製造方法において、環境中におかれた電子機器の表面状態をQCMセンサの測定結果に反映させること。
【解決手段】水晶板2と、水晶板2の主面2a、2bの上に設けられた電極3と、所定の規則に従って電極3の表面3aに設けられた複数のパターン3bとを備えたQCMセンサによる。
【選択図】図3

Description

本発明は、QCMセンサとその製造方法に関する。
コンピュータ等の電子機器は、サーバルームや工場等の様々な環境中において使用されるが、その環境に含まれる腐食性ガスによって電子機器が腐食して故障することがある。特に、社会のインフラストラクチャに組み込まれた電子機器が故障すると、その影響が社会に与える損害は大きくなる。
そのため、電子機器が設置される環境中がどの程度の腐食性を有するのかを測定し、腐食性が強いと分かった場合には、電子機器の設置を中止したり環境中の腐食性ガスの濃度を低減したりする措置を講ずるのが好ましい。
環境が有する腐食性を測定する方法としてクーポン法が知られている。クーポン法では、銅板やアルミニウム板等の金属板を環境中に曝し、腐食によって金属板の質量がどの程度変化するのかを測定することで、環境中の腐食性を測定する。ただし、定量可能な程度の重量変化が金属板に現れるまで一か月程度の長期間を要するので、クーポン法では迅速に腐食性を測定するのが難しい。
クーポン法よりも迅速に腐食性を測定できるデバイスとしてQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサがある。QCMセンサは、水晶振動子の電極の質量が腐食により変化するとその腐食量に応じて共振周波数が減少する性質を利用し、極めて微量な質量変化を測定する質量センサである。電極の質量変化は高い感度で検出できるので、QCMセンサを用いるとクーポン法よりも短時間で環境の腐食性を測定することが可能となる。
QCMセンサを用いる場合、その電極の表面が、環境中に設置される電子機器の表面と同一の状態であるとみなして環境の腐食性を測定することになる。
しかし、電子機器の表面には様々な状態があるため、市販のQCMセンサをそのまま用いたのではその測定結果に電子機器の表面状態が正確に反映されず、環境中において電子機器がどのように腐食するのかを的確に把握するのが難しい。
特開2001−99777公報 特開2003−121329号公報 特開平5−296907号公報
QCMセンサとその製造方法において、環境中におかれた電子機器の表面状態をQCMセンサの測定結果に反映させることを目的とする。
以下の開示の一観点によれば、水晶板と、前記水晶板の主面の上に設けられた電極と、所定の規則に従って前記電極の表面に設けられた複数のパターンとを備えたQCMセンサが提供される。
以下の開示によれば、電極の表面に設けられたパターンにより毛管凝縮現象が生じて当該表面に水が凝縮する。そのため、実際の電子機器のように凹凸や塵埃を有する表面での水の凝縮を電極上で再現でき、環境中におかれた電子機器の表面状態をQCMセンサの測定結果に反映させることが可能となる。
図1は、第1実施形態に係るQCMセンサの平面図である。 図2(a)は図1のI−I線に沿う断面図であり、図2(b)は図1のII−II線に沿う断面図である。 図3は、第1実施形態に係るQCMセンサが備える電極の拡大断面図である。 図4(a)〜(c)は、第1実施形態において電極に形成される孔の平面形状の様々な例について示す拡大平面図である。 図5(a)〜(c)は、第1実施形態に係るQCMセンサの製造途中の断面図である。 図6は、第2実施形態に係るQCMセンサが備える電極の拡大断面図である。 図7は、第3実施形態に係るQCMセンサが備える電極の拡大断面図である。 図8は、第3実施形態において電極に形成される溝の断面形状の別の例について示す断面図である。 図9(a)〜(c)は、第3実施形態において電極に形成される溝の平面形状の様々な例について示す拡大平面図である。 図10(a)〜(c)は、第3実施形態に係るQCMセンサの製造途中の断面図である。 図11は、第3実施形態で使用する露光装置の模式図である。 図12は、第4実施形態に係るQCMセンサが備える電極の拡大断面図である。
本実施形態の説明に先立ち、本願発明者が行った検討事項について説明する。
環境中で生じる腐食は、その環境に含まれる腐食性ガスの濃度や種類以外にも様々な機構が関与している。例えば、平滑な表面では腐食が起きにくいのに対し、凹凸の激しい表面や塵埃の付着した表面では腐食が起きやすく、表面形状が腐食のし易さを決める一因となる。
このように腐食のし易さが表面形状に依存するのは、一つには毛管凝縮現象のためと考えられる。毛管凝縮現象は、毛細管又は細孔において、平滑な表面におけるよりも低い蒸気圧で環境中の水が凝縮する現象であって、次の式(1)のKelvin方程式により説明される。
Figure 2014081297
式(1)において、Pは物質の蒸気圧、P0は飽和蒸気圧、γは表面張力[N/m]、Vmはモル体積[m3/mol]、rはKelvin半径(液滴半径)[m]、Rは気体定数[J/mol K]、Tは温度[K]である。
式(1)によれば、左辺の液滴半径rが小さくなるほど右辺の蒸気圧Pが小さくなる。このことから、凹凸によって表面に生じた凹部や、塵埃と表面との隙間においては、平滑な表面におけるよりも低い蒸気圧で水が凝縮し得ることが分かる。
表面に付着した水は、環境中の腐食ガスが溶解することで当該表面の腐食を促すので、上記の凹部や塵埃によって表面の腐食が速められることになる。
コンピュータ等の電子機器の表面にも凹凸がある部分があったり、埃の多い環境ではその表面に多くの塵埃が付着することがある。この場合、QCMセンサの電極表面が平滑だと、QCMセンサで測定した環境の腐食性と、実際にその環境におかれた電子機器の腐食の程度とが乖離してしまい、腐食が原因で電子機器が故障になる可能性を把握するのが難しくなってしまう。
以下、各実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係るQCMセンサの平面図である。
このQCMセンサ1は、水晶板2と、その両主面に設けられて環境中に暴露された電極3と、各電極3に接続された導電性のリード4とを有する。水晶板2の形状やカットは特に限定されないが、本実施形態ではATカットの水晶板2を用いると共に、その水晶板2の平面形状を直径が約7mm〜10mmの円形とする。
また、電極3の材料は、環境中に含まれる腐食性ガスによって腐食され易い金属材料が使用される。例えば、腐食性ガスが硫化水素の場合には電極3の材料として銀を使用し得る。また、腐食性ガスが塩素の場合には電極3の材料として銅を使用し得る。
更に、電極3の形状も特に限定されない。本実施形態では、電極3の厚さを約100nmとすると共に、電極3の平面形状を直径を約3mm〜8mmの円形とする。
図2(a)は図1のI−I線に沿う断面図であり、図2(b)は図1のII−II線に沿う断面図である。
図2(a)、(b)の例では、電極3は水晶板2の両主面2a、2bに直接形成されるが、両主面2a、2bと電極3との間にこれらの密着性を高めるチタン膜やクロム膜を形成してもよい。
実使用下においては、リード4(図1参照)から各電極3に所定の周波数の電圧を印加することにより水晶板2をその共振周波数で振動させる。電極3が腐食してその質量が増加すると共振周波数も変化するため、共振周波数を測定することにより、QCMセンサ1が置かれている環境がどの程度の腐食性を有するのかを判断することができる。
図3は、上記したQCMセンサ1が備える電極3の拡大断面図である。
図3に示すように、本実施形態では電極3の表面3aに複数の孔3bを設ける。各孔3bは、毛管凝縮現象で水Wの凝縮を促すためのパターンとして設けられるが、ランダムに各孔3bを設けたのでは電極3の場所によって水Wの凝縮量が異なってしまい、実際の電子機器の表面の状態を表面3aで再現するのが難しくなる。
そのため、複数の孔3bを所定の規則に従って設けるのが好ましく、本実施形態では深さDと半径Rを各孔3bで同一にすると共に、隣り合う孔3b同士の間隔Pも各孔3bで同一にすることで、複数の孔3bの規則性を担保する。
なお、各孔3bの深さDは特に限定されないが、本実施形態では電極3の厚さの半分以下の深さ、例えば50nm以下とする。
また、電極3に各孔3bを粗に設けたのでは電極3に凝縮する水Wの量が少なくなり、各孔3bを設けた効果が十分に現れないおそれがあるので、各孔3bをなるべく密に設けるのが好ましい。例えば、間隔Pを各孔3bの直径よりも小さくすることで各孔3bを密に設け、十分な量の水を電極3に凝縮させるようにするのが好ましい。
一方、各孔3bの半径Rは、実際の電子機器の表面における凹凸の大きさに応じて適宜設定すればよい。
次の表1は、式(1)に基づいて、20℃のときの様々な相対湿度におけるKelvin半径rを計算して得られた表である。なお、計算に際しては、γ=0.07275 [N/m]、Vm=18.032×10-6 [m3/mol]、R=8.31441 [J/mol K]、T=293.15 [K]とした。
Figure 2014081297
平滑な表面では湿度が100%近くにならないと液相の水は発生しないが、表1に示したように、表面3aに設ける孔3bの半径Rをおおむね数nmから数十nmの範囲とすることで、100%よりも低い湿度でも液相の水を発生させることができる。また、表1によれば、液相の水が発生する相対湿度が半径Rの値によって変わり、半径Rを調節することで腐食性ガスに対するQCMセンサ1の感度を調節できることも分かる。
QCMセンサ1の使用方法も特に限定されない。例えば、半径Rが異なる複数のQCMセンサ1を用意し、そのなかから電子機器の凹凸の大きさに近い直径RのQCMセンサ1を選択することにより、様々な表面状態の電子機器に対応できるようにしてもよい。
また、孔3bの平面形状も特に限定されない。
図4(a)〜(c)は、孔3bの平面形状の様々な例について示す拡大平面図である。
このうち、図4(a)は孔3bを円形にした場合の図であり、図4(b)は孔3bを四角形にした場合の図である。そして、図4(c)は孔3bを六角形にした場合の図である。
次に、このQCMセンサ1の製造方法について説明する。
図5(a)〜(c)は、本実施形態に係るQCMセンサ1の製造途中の断面図である。
まず、図5(a)に示すように、主面2aに電極3が形成された水晶板2を用意し、その電極3の上にフォトレジストを塗布して、それを露光、現像することによりレジスト膜8を形成する。
次いで、図5(b)に示すように、レジスト膜8をマスクにしながら、BCl3ガス等の塩素系ガスをエッチングガスに用いて電極3をドライエッチングし、電極3に複数の孔3bを形成する。
このようにドライエッチングにより孔3bを形成することで、図3に示したような深さD、間隔P、及び半径R等の形状パラメータを簡単に制御することができ、所望の規則性を有する複数の孔3bを形成することができる。
その後に、図5(c)に示すように、レジスト膜8をアッシングして除去することにより、本実施形態に係るQCMセンサ1の基本構造が完成する。
以上説明したように、本実施形態によれば、毛管凝縮現象によって複数の孔3b内に水が凝縮するので、実際の電子機器のように凹凸や塵埃を有する表面での水の凝縮を電極3上で再現できる。その結果、水が原因の腐食の促進が電極3でも生じ、環境中に置かれた電子機器の表面状態をQCMセンサ1の測定結果に反映させることが可能となる。
特に、毛管凝縮現象で生じた水は、環境中の腐食性ガスを取り込んで電子機器が故障する程度にその腐食を促進させるので、毛管凝縮現象が生じる本実施形態では環境中で電子機器が故障する蓋然性を事前に把握することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、図5(c)に示したように、電極3のエッチングのマスクとなるレジスト膜8(図5(b)参照)を除去した。これに対し、本実施形態では、そのレジスト膜8を除去せずに残す。
図6は、本実施形態に係るQCMセンサが備える電極の拡大断面図である。
図6に示すように、隣り合う孔3bの間の表面3bにレジスト膜8を残すことで、当該表面3aがレジスト膜8で覆われた状態となり、表面3aが腐食性ガスから隔離される。これにより、孔3b内では毛管凝縮現象により溜まった水Wで腐食が促されるのに対し、表面3aでは腐食が防止される。
そのため、QCMセンサの測定結果には毛管凝縮現象が起きる孔3bの寄与のみが現れ、平滑面がない電子機器の表面での水の凝縮を電極3上で再現できるようになる。
特に、図5(b)の工程でエッチングのマスクに使用したレジスト膜8を除去せずにそのまま用いることで、腐食性ガスから表面3aを隔離するための膜を形成する工程が不要となり、QCMセンサの製造工程が増大するのを避けることができる。
(第3実施形態)
第1、第2実施形態では、毛管凝縮現象を引き起こすためのパターンとして、QCMセンサ1の電極3に複数の孔3bを形成した。
これに対し、本実施形態では孔3bに代えて溝を形成する。
図7は、本実施形態に係るQCMセンサ1が備える電極の拡大断面図である。
図7に示すように、電極3の表面には複数の溝3cが形成される。
各溝3cは、毛管凝縮現象で水Wの凝縮を促すためのパターンとして設けられるが、ランダムに各溝3cを設けたのでは電極3の場所によって水Wの凝縮量が異なってしまい、実際の電子機器の表面の状態を電極3で再現するのが難しくなる。
そのため、複数の溝3cを所定の規則に従って設けるのが好ましく、本実施形態では各々の溝3cの断面形状を同一にすることで、複数の溝3cの規則性を担保する。
なお、溝3cの断面形状は特に限定されないが、本実施形態ではその断面形状をV字型とする。V字型の溝3cでは、その頂点3dの近傍に狭い空間を作ることができるため、頂点3dにおいて水の毛管凝縮現象を促すことができる。
更に、電極3の法線方向nと溝3cの側面3eとの成す角θを制御することにより頂点3dの近傍でのKelvin半径を制御でき、電子機器が有する様々な表面の凹凸を各溝3cで再現できるようになる。
また、電極3に多くの水を凝縮させるには、各溝3cをなるべく密に設けるのが好ましい。例えば、図7のように、隣り合う溝3cの各側面3e同士で角部3gが形成される程度に各溝3cを密に設けることで、電極3に十分な量の水を凝縮させることができる。
なお、溝3cの断面形状は上記のV字状に限定されない。
図8は、溝3cの断面形状の別の例について示す断面図である。この例では、溝3cの側面3eを表面3aに対して垂直にすると共に、底面3fを表面3aと平行にする。
隣り合う溝3c同士の間隔Tや各溝3cの幅Sは特に限定されないが、本実施形態では間隔Tを20nm〜100nm程度とし、幅Sを20nm〜100nm程度とする。また、深さLについては20nm〜50nm程度とする。
このような溝3cを設ける場合、間隔Tを全ての溝3cで同一にし、各溝3cを等間隔に設けることで、複数の溝3cの規則性を更に高めるのが好ましい。
更に、間隔Tを幅Sよりも狭くすることで各溝3cを密に設け、電極3に十分な量の水が凝縮するようにしてもよい。
このような断面形状の溝3cでも、実際の電子機器の表面の状態を再現することができる。
溝3cの平面形状も特に限定されない。
図9(a)〜(c)は、溝3cの平面形状の様々な例について示す拡大平面図である。
図9(a)は、平面視で各溝3cを同一の方向Xに延在させた場合の図であり、図9(b)は、平面視で各溝3cを互いに垂直な方向X、Yに延在させることにより各溝3cを格子状にした場合の図である。
そして、図9(c)は、方向X、Y、Zを互いに傾け、これらの各々方向に各溝3cを延在させることにより、各溝3cで三角形を形成した場合の図である。
図9(a)〜(c)のいずれの場合でも、複数の溝3cの規則性をそれらの延在方向X、Y、Zによって担保することができる。
次に、本実施形態に係るQCMセンサの製造方法について説明する。
図10(a)〜(c)は、本実施形態に係るQCMセンサの製造途中の断面図である。
まず、図10(a)に示すように、主面2aに電極3が形成された水晶板2を用意し、その電極3の上にフォトレジストを塗布し、それをベークしてレジスト膜9を形成する。
次に、図10(b)に示すように、ホログラフィック・フォトリソグラフィ法によりレジスト膜9を露光、現像することにより、電極3の上にレジスト膜9をストライプ状に残す。
図11は、そのホログラフィック・フォトリソグラフィ法で使用する露光装置の模式図である。
その露光装置10は、ArFエキシマレーザ等のレーザ光Lを発生させるレーザ光源11と、ハーフミラー12と、第1及び第2の全反射ミラー13、14とを有する。
レーザ光Lは、その一部がハーフミラー12を透過して第1の全反射ミラー13に照射され、残りが第2の全反射ミラー14に照射される。各全反射ミラー13、14で反射したレーザ光Lは、レジスト膜9の上で互いに干渉してストライプ状の干渉縞を作る。その干渉縞の濃淡に対応してレジスト膜9にストライプ状の露光部や未露光部が形成されるため、現像の後には上記のようにレジスト膜9が電極3の上にストライプ状に残ることになる。
なお、ホログラフィック・フォトリソグラフィに代えて、レチクル等の露光マスクを用いるフォトリソグラフィや、ナノインプリント・リソグラフィを用いてもよい。
次に、図10(c)に示すように、レジスト膜9をマスクにしながら、反応性イオンビームエッチングにより電極3をエッチングして複数の溝3cを形成する。
そのエッチングで使用し得る反応性イオンビームのイオン種としては塩化物イオンがある。また、本工程ではその反応性イオンビームによってレジスト膜9の側面が後退するため、エッチングの進行と共にレジスト膜9の幅が徐々に狭くなって側面3eが傾斜し、断面形状がV字型の溝3cを形成することができる。
なお、このエッチングの終了後にレジスト膜9が残存している場合には、アッシングによりレジスト膜9を除去する。
以上により、本実施形態に係るQCMセンサ1の基本構造が完成する。
上記した本実施形態によれば、実際の電子機器の表面と同様に、毛管凝縮現象によって複数の溝3c内に水が凝縮するため、実際の電子機器の表面状態をQCMセンサ1の測定結果に反映させることが可能となる。
(第4実施形態)
図12は、本実施形態に係るQCMセンサが備える電極の拡大断面図である。
図12に示すように、本実施形態では、毛管凝縮現象で水Wの凝縮を促すためのパターンとして電極3の表面3aに複数の粒子17を付着させる。
なお、粒子17の大きさや形がランダムだと、電極3の場所によって水の凝縮量が異なってしまい、実際の電子機器の表面の状態を電極3で再現するのが難しくなる。そのため、所定の規則に従って複数の粒子17の大きさと形を定めるのが好ましく、本実施形態では各々の粒子17を同一の直径の球形とすることで、複数の粒子17の規則性を担保する。
また、この例では毛管凝縮現象によって電極3と粒子17との隙間に水Wが溜まるが、水Wを溜めやすくするために、粒子17の材料としてはその表面17aが親水性になる材料を使用するのが好ましい。そのような材料としては、例えばラテックスがある。ラテックスを材料とする粒子17を用いる場合、電極3の表面3aに粒子17を散布し、その粒子17を加熱してラテックスを溶融させることで表面3aに粒子17を付着させ得る。
なお、隣り合う粒子17同士の間隔Uや各粒子17の直径Vは特に限定されないが、本実施形態では間隔Uを20nm〜100nm程度とし、直径Vを20nm〜100nm程度とする。また、間隔Uを直径Vよりも狭くすることで各粒子17を密に設け、電極3に十分な量の水が凝縮するようにしてもよい。
上記した本実施形態によれば、実際の電子機器の表面と同様に、毛管凝縮現象によって電極3と粒子11との隙間に水が凝縮するため、実際の電子機器の表面状態をQCMセンサ1の測定結果に反映させることが可能となる。
特に、粒子11は、実際の電子機器の表面に付着する塵埃に似ているため、塵埃が付着した電子機器の表面状態を再現することができる。
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 水晶板と、
前記水晶板の主面の上に設けられた電極と、
所定の規則に従って前記電極の表面に設けられた複数のパターンと、
を備えたQCMセンサ。
(付記2) 複数の前記パターンは、前記規則によって同一の間隔とされた複数の孔であることを特徴とする付記1に記載のQCMセンサ。
(付記3) 隣り合う前記孔の間の前記表面に膜が設けられたことを特徴とする付記2に記載のQCMセンサ。
(付記4) 前記膜はレジスト膜であることを特徴とする付記3に記載のQCMセンサ。
(付記5) 複数の前記パターンは、前記規則によって同一の断面形状とされた複数の溝であることを特徴とする付記1に記載のQCMセンサ。
(付記6) 前記溝の前記断面形状はV字型であることを特徴とする付記5に記載のQCMセンサ。
(付記7) 複数の前記パターンは、前記規則によって等間隔に設けられた複数の溝であることを特徴とする付記1に記載のQCMセンサ。
(付記8) 複数の前記パターンは、前記規則によって平面視で同一方向に延在するように設けられた複数の溝であることを特徴とする付記1に記載のQCMセンサ。
(付記9) 複数の前記パターンは、前記規則によって同一の形とされた複数の粒子であることを特徴とする付記1に記載のQCMセンサ。
(付記10) 前記粒子の表面は親水性であることを特徴とする付記9に記載のQCMセンサ。
(付記11) 水晶板の主面の上に設けられた電極の表面に、所定の規則に従って複数のパターンを形成する工程を有するQCMセンサの製造方法。
1…QCMセンサ、2…水晶板、2a、2b…主面、3…電極、3a…表面、3b…孔、3c…溝、3d…頂点、3e…側面、3f…底面、4…リード、8、9…レジスト膜、10…露光装置、12…ハーフミラー、13、14…全反射ミラー、17…粒子、17a…表面。

Claims (5)

  1. 水晶板と、
    前記水晶板の主面の上に設けられた電極と、
    所定の規則に従って前記電極の表面に設けられた複数のパターンと、
    を備えたQCMセンサ。
  2. 複数の前記パターンは、前記規則によって同一の間隔とされた複数の孔であることを特徴とする請求項1に記載のQCMセンサ。
  3. 複数の前記パターンは、前記規則によって同一の断面形状とされた複数の溝であることを特徴とする請求項1に記載のQCMセンサ。
  4. 複数の前記パターンは、前記規則によって同一の形とされた複数の粒子であることを特徴とする請求項1に記載のQCMセンサ。
  5. 水晶板の主面の上に設けられた電極の表面に、所定の規則に従って複数のパターンを形成する工程を有するQCMセンサの製造方法。
JP2012229828A 2012-10-17 2012-10-17 Qcmセンサとその製造方法 Expired - Fee Related JP6075002B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012229828A JP6075002B2 (ja) 2012-10-17 2012-10-17 Qcmセンサとその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012229828A JP6075002B2 (ja) 2012-10-17 2012-10-17 Qcmセンサとその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014081297A true JP2014081297A (ja) 2014-05-08
JP6075002B2 JP6075002B2 (ja) 2017-02-08

Family

ID=50785603

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012229828A Expired - Fee Related JP6075002B2 (ja) 2012-10-17 2012-10-17 Qcmセンサとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6075002B2 (ja)

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5295291A (en) * 1976-02-06 1977-08-10 Mitsubishi Electric Corp Corrosion resistance testing method in atmosphere
JPH02234046A (ja) * 1989-03-08 1990-09-17 Hitachi Ltd 記録媒体の腐食試験方法
JPH02272347A (ja) * 1989-04-14 1990-11-07 Hitachi Ltd 腐食環境監視方法及びその装置
JPH06194290A (ja) * 1992-12-22 1994-07-15 Hitachi Ltd 水質評価方法および装置
JP2005315604A (ja) * 2004-04-27 2005-11-10 Honda Motor Co Ltd 水素検出装置
WO2006025358A1 (ja) * 2004-08-31 2006-03-09 Japan Science And Technology Agency 化学センサ装置用の検出子およびその利用
JP2006275864A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Citizen Watch Co Ltd Qcmセンサーを用いた定量方法
WO2009142045A1 (ja) * 2008-05-20 2009-11-26 日本電波工業株式会社 圧電センサ及び感知装置
JP2009281939A (ja) * 2008-05-23 2009-12-03 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 圧電センサー及び感知装置
JP2010020820A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Toshiba Storage Device Corp 磁気ディスク装置、ガスセンサ、及びその製造方法
JP2012237696A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Seiko Epson Corp センサー装置
JP2012237697A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Seiko Epson Corp センサー装置
JP2013011500A (ja) * 2011-06-29 2013-01-17 Seiko Epson Corp センサー装置

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5295291A (en) * 1976-02-06 1977-08-10 Mitsubishi Electric Corp Corrosion resistance testing method in atmosphere
JPH02234046A (ja) * 1989-03-08 1990-09-17 Hitachi Ltd 記録媒体の腐食試験方法
JPH02272347A (ja) * 1989-04-14 1990-11-07 Hitachi Ltd 腐食環境監視方法及びその装置
JPH06194290A (ja) * 1992-12-22 1994-07-15 Hitachi Ltd 水質評価方法および装置
JP2005315604A (ja) * 2004-04-27 2005-11-10 Honda Motor Co Ltd 水素検出装置
WO2006025358A1 (ja) * 2004-08-31 2006-03-09 Japan Science And Technology Agency 化学センサ装置用の検出子およびその利用
JP2006275864A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Citizen Watch Co Ltd Qcmセンサーを用いた定量方法
WO2009142045A1 (ja) * 2008-05-20 2009-11-26 日本電波工業株式会社 圧電センサ及び感知装置
JP2009281939A (ja) * 2008-05-23 2009-12-03 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 圧電センサー及び感知装置
JP2010020820A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Toshiba Storage Device Corp 磁気ディスク装置、ガスセンサ、及びその製造方法
JP2012237696A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Seiko Epson Corp センサー装置
JP2012237697A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Seiko Epson Corp センサー装置
JP2013011500A (ja) * 2011-06-29 2013-01-17 Seiko Epson Corp センサー装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
瀬尾眞浩: "水晶マイクロバランスによる極微量腐食計測", まてりあ, vol. 35, JPN6016032677, 1996, pages 255 - 260, ISSN: 0003456991 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP6075002B2 (ja) 2017-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101741191B1 (ko) 표면미세구조 계측방법, 표면미세구조 계측데이터 해석방법 및 x선 산란 측정장치
TWI236698B (en) Pattern size correction apparatus and pattern size correction method
TW200308037A (en) Metrology diffraction signal adaptation for tool-to-tool matching
US7368208B1 (en) Measuring phase errors on phase shift masks
US9690212B2 (en) Hybrid focus-exposure matrix
US10006885B2 (en) QCM sensor and method of manufacturing the same
TWI447527B (zh) 用於預測光阻圖案形狀之方法,儲存用於預測光阻圖案形狀之程式的電腦可讀取媒體,以及用於預測光阻圖案形狀之電腦
US8336005B2 (en) Pattern dimension calculation method and computer program product
KR20120047871A (ko) 플라즈마 챔버의 자격을 위한 에칭 레이트 균일성을 예측하는 방법 및 장치
US8347469B2 (en) Crystal oscillator piece and method for manufacturing the same
US8663487B2 (en) Method for manufacturing crystal oscillator
JP2500423B2 (ja) 位相シフトマスクの検査方法
TW201921128A (zh) 判定週期性結構的邊緣粗糙度參數
JP6075002B2 (ja) Qcmセンサとその製造方法
US9606452B2 (en) Lithography metrology method for determining best focus and best dose and lithography monitoring method using the same
JP5552776B2 (ja) ナノインプリント用モールドの製造方法と検査方法
JP2004163670A (ja) 露光マスクの補正方法、及び露光管理方法
JP4208686B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2012017994A (ja) パターン形成部材の検査方法及び装置、並びにパターン形成部材
JP2015129703A (ja) 基板の反り測定方法
JP4726935B2 (ja) 焦点計測方法及び装置
TWI454939B (zh) 光阻圖案計算方法及計算程式儲存媒體
JP2004319790A (ja) 相補分割条件決定方法、相補分割方法およびプログラム
JP2009251500A (ja) パターンの検証方法、パターンの形成方法、半導体装置の製造方法及びプログラム
JP2004079911A (ja) 線幅管理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6075002

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees