JP2014080824A - 既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法及び基礎構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】既設建物の屋上部分の躯体を利用して、改修工事等に使用するタワークレーン等を設置するための基礎構造を構築する。防水層の修復を容易に確実に行えて疵を残さない構成の構築工法及び構築した基礎構造を提供する。
【解決手段】既設構造物の躯体上面を覆うコンクリートを剥ぎ取り、鉄骨大梁の上側フランジの上面を剥き出す。その上側フランジの上面へ、望ましい配置でスタッドボルトを垂直に立てる。その後、コンクリートを剥ぎ取った凹部へコンクリートを埋め戻し、防水層を修復し、防水層押さえコンクリートを埋め戻して躯体上面を覆う床コンクリートの修復を行う。前記スタッドボルトを利用して目的の機械類を据え付け可能とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、既設建物の屋上等に存在する鉄骨鉄筋コンクリート造(以下、SRC造と略す場合がある。)又は鉄骨造(以下、S造と略す場合がある。)の躯体、即ち、床コンクリート等で覆われた鉄骨大梁や鉄骨柱頭部の塞ぎ板を利用して、各種の改修・改築工事等に使用する大型のタワークレーンやジブクレーンその他の機械類、建築用設備類や構造物等(以下、機械類と総称する。)を設置して支持させる基礎構造(機械基礎)を構築する工法、とりわけ前記鉄骨大梁より下方の下階構造部分の供用や営業の継続に支障を来すことのない施工が可能な基礎構造の構築工法と、同工法により構築される基礎構造の技術分野に属する。
上記既設建物の改修や改築工事、或いは建物の屋上設備機器などの改修等の必要に応じて、従来、例えば樹脂アンカーで対応できる小型クレーンを設置して施工することが往々検討された。しかし、工事範囲が大きいと、小型クレーンの作業範囲が限られるため、クレーンを2台以上設置したり、或いはクレーンを解体して組み直す盛り替え作業が発生するなど、工事が錯綜する要因となる。
異なる対案として、地上の道路上に大型重機を設置して夜間作業を行う施工も検討されるが、作業工程上の遅延の一因ともなる。このように工程や工費が増加する問題があり、建築主の予算と折り合わず、工事規模の縮小や工事を断念する事例も起こり得る。
とりわけ外壁のプレキャストコンクリート板の付け替えや、屋上の設備機器を入れ替えするような大規模改修工事を行う場合には、大きな引き抜き反力を要する大型クレーン設置を必要とするが、この場合、下階の供用や営業に支障が生ずることは、建築主にとって厳禁であり、避けねばならない。
既存建物の屋上部分の躯体、即ち床コンクリートで覆われた鉄骨大梁等の構造材を支持材に利用して、その上に改修工事等に使用する大型のタワークレーンやジブクレーンその他必要とする機械類を設置する場合は、先ず相応の機械基礎を構築する必要がある。
そうした機械基礎の構築に関する従来技術として、例えば下記の特許文献1に開示された発明「屋根上又は床上の設置物固定装置」は、建物の屋根上、又はベランダ等の床上に、バルコニー用手摺り、受変電用のキュウビクル、エアコンの室外機、階段等を設置する際に実施する技術である。床版と梁材で床が構成され、床版の上面に防水シートによる防水層が形成されている場合に、同床版の要所に、梁材の上側フランジの上面へ達する凹所を切り欠き、前記切り欠き部(凹所)を通じて支柱の下部フランジ(固定フランジ)を差し入れ、梁材の上側フランジの上面へ接触させる。そして、同支柱の下部フランジと梁材の上側フランジの双方へ貫通させたボルトへナットを締結して当該支柱を固定し直立させた上で、同支柱の上端部へ手摺り支柱を立てる構成が開示されているに過ぎない。
つまり、梁材の上側フランジにボルト孔を所要数貫通させて設ける構成であり、その孔開け作業の期間中は、同梁材より下方の下階部分の安全性を確保するため作業空間を用意する必要がある。のみならず、支柱の下部フランジと梁材の上側フランジとをボルト、ナットで締結する際にも、それなりの作業空間が必要になる。その結果、工事期間中は梁材より下方の下階部分の供用や営業に支障を来すことは必定である。
また、床版の上面は防水層で被覆されているが、同床版に、梁材の上側フランジの上面へ達する切り欠き部(凹所)を設けるから、その後の防水処理として、前記防水層に繋がる防水シールを支柱の外周へ施して密封すると説明されている。しかし、梁材の上面へ到達する切り欠き部が空洞として残存する構成と認められる。また、梁材の上側フランジに貫通させたボルト孔も、バルコニー用手摺り等が実用に供されるかぎり、シール材等で隙間を埋めた程度の防水処理では疵が残ることに変わりがなく、防水効果と機能及び寿命に悪影響を及ぼすと考えられる。
従来、鉄筋コンクリート造等の躯体では、上述した樹脂製後打ちアンカーボルト工法(ケミカルアンカー)の採用も検討される。しかし、SRC造やS造の場合は、直下位置に鉄骨梁が存在する。そうした構造条件では、アンカーの定着長さが短くなって、負荷の荷重能力が小さくなる。この欠点を補うには多数のアンカーボルトが必要となり、配置的に無理が生ずる問題点が指摘される。
その他、引っ張り反力を小さく構成したクレーンの基礎構造を採用するケースもあるが、この場合には架台スパンを大きく構成したクレーン基礎が納まらないケースも多く、コスト高になる問題点が指摘されている。
次に、下記の特許文献2に開示された発明「屋上またはバルコニー用手摺り固定構造」は、床上にバルコニーの手摺りを固定して設置する技術に関するもので、床は、梁材の上に床版を敷設して構成され、同床版の上面にモルタル層と防水層を施工している。この公知発明の場合も、床版に、梁材の上側フランジの上面へ達する切り欠き部を凹状に設けて、支柱の下部フランジと梁材の上部フランジの双方に貫通させたボルトへナットを締結して固定する。その上で、床版の防水層に繋がる防水材で前記支柱の外周を覆い、この支柱の上端の台座に手摺り子を固定する構成と認められる。
要するに、特許文献1、2は出願人が同一であるため、技術思的想が多く共通する発明を開示している。したがって、上記特許文献1の発明について説明した内容と全く同様な欠点、問題点が認められる。
次に、下記の特許文献3に開示された発明「柱脚部の防水構造」は、屋上やバルコニー、ベランダ等の屋外部分の床を支える梁に固定されて、前記床の周縁部に設置される腰壁や手摺りを支持する支持柱を固定する柱脚部構造に関するもので、前記柱脚部構造の底部は躯体の梁に固定されている。その固定構造は、柱脚部の下部ベース板と梁の上側フランジの双方へ上下方向に貫通させたボルトへナットを締結して固定した構造と認められる。
したがって、上記の特許文献1、2に開示された発明と同様に、梁の上側フランジにボルト孔を貫通させる加工が必要であり、貫通させたボルト孔が後々の防水処理の疵として残る問題点を避けられない。そして、同梁の下方部分にボルト、ナットの締結作業に必要な作業空間を確保しなければならないから、工事期間中は梁より下方の下階部分の供用や営業に支障を来す問題点が認められる。
次に、本願の図6には、従来一般的に実施される基礎構造の例を示している。即ち、鉄骨大梁1と梁鉄筋2とを補強材とするSRC造梁10によって支持された屋上の床スラブ11の上に、クレーン架台12を設置する機械基礎を構築した例を示している。
屋上床スラブ11を上下方向に貫通するボルト孔を設けて、同ボルト孔へ長いアンカーボルト13を通し、同アンカーボルト13の下端部へ、前記SRC造梁10の下面を支持するアングル又は溝形鋼状の押さえ金物14がダブルナット15で取り付けられている。
前記屋上床スラブ11の上に敷設したコンクリート造のベース40の上に、所謂ゲタと呼ばれる鋼構造の支持台16を設置し、その上にクレーン架台12が設置されている。前記コンクリート造のベース40の敷設に際して予め埋設したスタッドボルト17により、鋼構造の支持台16における下側フランジが固定されている。なお、前記スタッドボルト17は、支持台16の位置決め用として仮に設けられたもので、クレーン架台12から浮き上がり荷重(引っ張り力)を受けた場合に、同荷重を負担できる構成ではない。
上記鋼構造の支持台16の上側フランジと、クレーン架台12における下側フランジとが、双方のフランジへ貫通させたボルト18と、これに締結したナット19とで固定されている。更に、上記したように屋上床スラブ11を上向き方向へ貫通させた長いアンカーボルト13は、クレーン架台12の下側フランジから上側フランジへ貫通させた上で、同クレーン架台12の上方へ突出させ、その上端部へ押さえ金物20を当てがい、ダブルナット21を締結して固定した構成とされている。
図6に例示した基礎構造の場合も、屋上床スラブ11を上下方向に貫通するボルト孔を設ける孔開け作業、および前記ボルト孔へSRC造梁10の下方から長いアンカーボルト13を上向きに貫通させ、その下端部に押さえ金物14をダブルナット15で取り付ける作業の必要上、SRC造梁10より下方の下階部分に作業空間の確保が不可欠である。従って、同下階部分の供用や営業に支障を来す問題点を解決できない。また、屋上床スラブ11を上下方向に貫通させたボルト孔は、アンカーボルト13を通した上で防水処理を行うとしても、屋上床スラブ11の防水層に孔を開けていることに変わりがなく、防水処理の疵として残ることが問題である。
上記したとおり、既往の技術水準によれば、既設建物の改修や改築工事、或いは屋上の設備機器などの改修等を行うにあたり、建物の屋上部分の躯体である、床コンクリートで覆われたSRC造梁等の構造部材(鉄骨大梁)を利用して大型のタワークレーン等の機械類を設置し、大きな引き抜き反力が働く大規模な改修工事等を実施する考えはある。
しかし、その手段としては、例えば図6のように、床コンクリート11を上下方向に貫通するボルト孔を設け、同ボルト孔へ通したアンカーボルト13でクレーンの引き抜き反力に耐える構成とされる。そのため床コンクリート11にボルト孔を設けてアンカーボルト11を通し、クレーン架台12を設置する作業工程の必要上、当該床コンクリート11より下方に作業用スペースを確保することが必須となる。その結果、下階部分の供用や営業に支障を来すという問題が発生するので、是非とも解決するべき問題点とされる。
特開平5−263506号公報 特許第3378902号公報 特許第3646955号公報
本発明の目的は、既設建物の改修工事等の必要に応じて、屋上部分の躯体、例えば床コンクリートで覆われた鉄骨大梁、或いは鉄骨柱頭部の塞ぎ板(以下、鉄骨造躯体と総称する。)を利用して、その上に、改修工事等に使用する大型のタワークレーンやジブクレーンその他の機械類、或いは建築用設備類や構造物等を設置するための基礎構造(機械基礎)を構築すること、とりわけ前記鉄骨大梁より下方の下階部分の供用や営業に支障を与えず、工事期間中も従前通りの供用や営業を行える内容で施工でき、しかも屋上の床コンクリートに施工されている防水層の修復を容易に確実に完全に行えて疵を残さない基礎構造の構築工法と、及び前記構築工法により構築した基礎構造を提供することである。
上記課題を解決する手段として、請求項1に記載した発明に係る既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法は、
A)既設構造物の鉄骨造躯体の鉄骨上面を覆う床コンクリートを一定の広さ範囲まで破砕 して剥ぎ取り、同鉄骨造躯体1の鉄骨上面を剥き出す工程と、
B)前記鉄骨造躯体の鉄骨上面へ、望ましい配置で1本又は複数本のスタッドボルト3を 垂直に立てて固定する工程と、
C)前記床コンクリートを破砕して剥ぎ取った凹部4へコンクリート5を埋め戻し、防水 層22を修復して躯体上面を覆う床コンクリート11の修復を行う工程とで成り、
D)前記スタッドボルト3を利用して目的とする機械類12を据え付け可能としたことを 特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法において、
鉄骨造躯体を被覆する床コンクリートを破砕して剥ぎ取った凹部4へコンクリート5を埋め戻し、防水層を修復する工程は、凹部4中へ充填コンクリート5を防水層レベルまで埋め戻し、同埋め戻しコンクリート5の天端で埋設型防水層22の修復を行い、更に防水層押えコンクリート6等の保護層で前記防水層22の上面を覆って修復することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載した既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法において、
鉄骨造躯体を覆う床コンクリートを破砕して剥ぎ取った凹部4へコンクリート5を埋め戻し、防水層を修復する工程は、凹部4中へ充填コンクリート5を埋め戻すと共に、同埋め戻しコンクリート5により床コンクリートの表面から一定の高さ立ち上がる防水ベース部31を形成して、この防水ベース部31の上端面からスタッドボルト3が一定長さ突き出す構成とし、前記防水ベース部31の側壁外周面の上方部に水返し板32を設置し、前記床コンクリートの上面に施工した露出型防水層22’と一連に接合した修復用防水層22”を前記防水ベース部31の側壁外周面に沿って立ち上げ、その上端部は水返し板32の遮水辺32aの下面近傍位置まで配置し、シーリング材33で止め付けて修復を行うことを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1に記載した既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法において、
剥き出した鉄骨造躯体1の鉄骨上面へ、望ましい配置で1本又は複数本のスタッドボルト3を垂直に立てて固定する工程は、スタッドボルト3の下端を鉄骨造躯体1の鉄骨上面へ垂直に立て、その下端をアークスタッド溶接により鉄骨上面へ接合して樹立させることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれかに記載した既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法において、
鉄骨造躯体の鉄骨上面を覆う床コンクリートの修復を行った後に、前記床コンクリートの表面又は防水ベース部31の上面から突き出すスタッドボルト3へ、その上方から束材16の下側フランジ16aに設けたボルト孔の位置を合わせて通し、同スタッドボルト3へナット7をねじ込み締結して束材16の固定を行い、同束材16の上側フランジ16bの上へ目的の機械類12を据え付け可能に構成することを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項1〜5に記載した既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法において、
既設構造物の鉄骨造躯体としては、鉄骨大梁1の上側フランジ1a又は鉄骨造柱の上端面を塞いだ天端プレートを利用することを特徴とする。
請求項7に記載した発明に係る既設構造物の躯体を利用して構築された基礎構造は、
a)既設構造物の鉄骨造躯体の鉄骨上面を覆う床コンクリートを一定の広さ範囲まで破砕 し剥ぎ取って鉄骨造躯体の鉄骨上面が剥き出され、
b)前記鉄骨造躯体の鉄骨上面へ、望ましい配置で1本又は複数本のスタッドボルト3が 垂直に立てて固定され、
c)前記鉄骨造躯体を覆う床コンクリートを破砕して剥ぎ取った凹部4へ、充填コンクリ ート5を一定レベルまで埋め戻し、防水層22の修復が行われ、その上に防水層押えコ ンクリート6を埋め戻して躯体上面を覆う床コンクリートの修復が行なわれ、
d)前記床コンクリートの表面上へ露出したスタッドボルト3を利用して、目的とする機 械類12を据え付け可能としたことを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、請求項8に記載した既設構造物の躯体を利用して構築された基礎構造において、
鉄骨造躯体の上面を覆う床コンクリートを破砕して剥ぎ取った凹部4へ、充填コンクリート5を埋め戻し、防水層を修復する工程は、前記凹部4へ充填コンクリート5を埋め戻すと共に、同埋め戻しコンクリート5により床コンクリートの表面から一定の高さ立ち上がらせた防水ベース部31を形成し、この防水ベース部31の上端面からスタッドボルト3が一定長さ突き出す構成とされ、前記防水ベース部31の側壁外周面の上方部位に水返し板32が設置され、前記床コンクリートの上面に施工された被覆型の防水層22’と一連に接合した修復用防水層22”を前記防水ベース部31の側壁外周面に沿って立ち上がらせ、上端部を水返し板32の遮水辺32aの下面近傍位置にまで配置し、シーリング材33で止め付けて防水層の修復が行われ、前記防水ベース部31の上端面から突き出したスタッドボルト3を利用して、目的とする機械類12を据え付け可能にしたことを特徴とする。
請求項1〜6に記載した発明に係る既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法、及び請求項7、8に記載した発明に係る基礎構造(機械基礎)は、既設構造物の躯体上面を覆う床コンクリートを一定の広さ範囲まで破砕し剥ぎ取って鉄骨造躯体(鉄骨大梁1など)の鉄骨上面1aを剥き出し、その鉄骨上面1aへ、望ましい配置で必要数本のスタッドボルト3を垂直に立てて固定し、このスタッドボルト3を利用して目的とする大型クレーンその他の機械類12を設置する構成であるから、鉄骨造躯体の例えば鉄骨大梁1の上側フランジ1aに対しては、その上面側のみから基礎構造の構築作業、および目的とする機械類12の設置作業を行うことができる。
よって、当該鉄骨造躯体、例えば鉄骨大梁1より下方の下階構造部分の供用や営業は、基礎構造の構築作業やそれを利用した改修工事等による悪影響を一切受けないで済む。
しかも鉄骨造躯体、例えば鉄骨大梁1のフランジにボルト孔を一切設けない(貫通させない)構成で、防水性能に疵を生じさせたり、残さないから、この意味でも同鉄骨大梁1の下方部(下階部分)の供用や営業に支障を来さない。要するに改修工事等の期間中のいずれの時点でも、鉄骨大梁1より下方の下階部分の供用や営業行為に一切の支障を来さない。
したがって、必要が認められている既設建物の改修や改築工事、或いは建物屋上の設備機器類などの改修を不安なく促進する技術として期待できる。
また、鉄骨造躯体の上面を覆う床コンクリートは、一旦は一定の広さ範囲までを破砕し剥ぎ取って鉄骨造躯体の鉄骨上面を露出させるが、スタッドボルト3を垂直に立てて固定した後には、床コンクリートを剥ぎ取った凹部4へ充填コンクリート5を埋め戻し、埋設型の防水層22又は被覆型の防水層22’のいずれでも、必要十分な修復を完全に行なって、防水層に疵を一切残さず、防水効果及び防水寿命に懸念を生じさせない実施を行える。
その上、鉄骨造躯体、例えば鉄骨大梁1のフランジ1aを貫通するボルト孔等は一切開けないので、この観点からも防水性能に疵を生じさせない実施ができるのである。
左側位置には本発明による基礎構造の構築工法を実施した初期段階を示し、右側位置には完成した基礎構造の使用状態をそれぞれ示した正面方向の立面図である。 図1のII-II線矢視の平面図である。 図1のIII-III線矢視の立面図である。 上記の基礎構造を利用してクレーン架台を設置した使用状態を示す斜視図である。 本発明により構築した異なる実施例の基礎構造と、それを利用してクレーン架台を設置した使用状態を少し拡大して示した図3と同様な視点の断面図である。 従来の基礎構造とその使用例を示した断面図である。
以下に、本発明を図示した実施例1に基づいて説明する。
図1〜図4は、本発明による既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法により構築した基礎構造の実施例1を示している。更に具体的に言えば、既設構造物の鉄骨造躯体がSRC造梁10で、その鉄骨大梁1を利用する実施例を示している。
なお、具体的に図示することを省略したが、本発明による既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法を実施する場合にも、工事現場は通例既設建物の屋上部分であるから、雨水を避け、或いは雨水が施工部位へ浸入することを防止するために、施工現場の上空を覆う仮設屋根を構築して養生を行う。しかし、仮設屋根の構築は、この種の工事に必至の養生として当業者に周知であるから、その図示は省略した。
図1の左側部分には、所謂ビルの如き既設建物の屋上等に存在する鉄骨造躯体の一例として、本発明によれば、具体的には図3に断面図を例示した通り、床コンクリート11で上部を覆われたSRC造梁10の鉄骨大梁1を、鉛直荷重を支持する躯体に利用する構成を示した。
即ち、本発明によれば、SRC造梁10の上面を覆う床コンクリート11は一定の広さ範囲まで破砕して剥ぎ取り、鉄骨大梁1の上側フランジ1aの上面を剥き出しにする凹部4の形成が行われる。そして、前記凹部4を利用して鉄骨大梁1の上側フランジ1aの上面へ必要本数のスタッドボルト3を望ましい配置で垂直に立てて固定した段階を、図1の左側部位に示している。
上記凹部4の形成は、図1及び図2の左側部分に例示したとおり、樹立するスタッドボルト3の本数と配置を中心にして、左右対称なすり鉢形状を基本形として形成する。更に具体的に言えば、凹部4内には、床コンクリート11の中間層に埋設施工されている防水層22(以下、これを埋設型防水層と呼ぶ場合がある。)の埋設位置と同じレベルの位置に、一定広さの平坦面部4aを形成する。この平坦面部4aは、後の埋設形防水層の修復作業を容易にする基準面として利用することになる。そのためこの平坦面部4aを境に凹部4の形態は深さ方向の上下に二分した構成とされる。
前記平坦面4aより以深の凹部(下半部)の形成は、鉄骨大梁1の上側フランジ1aの上面に向かって、スタッドボルト3の外周側の根本近傍位置に向かって下辺(稜線)が接近するように、且つ左右対称な傾斜面によるすり鉢形状に形成されている。
また、前記平坦面4aより上方の凹部(上半部)は、平坦面4aにおいて防水層22を修復する作業に必要十分な広さ、形状を確保した平坦面4aの外周縁位置から、上方に向かって拡大する傾斜面によち左右対称なすり鉢形状に形成されている。
因みに、上記平坦面4aとして必要十分な広さを確保するとは、後述するように平坦面4aの面上に修復用の防水材を敷設して防水層22を修復する際、新・旧の防水層22が端々まで密接に馴染んで切れ目等の傷を生ずることなく一元化でき、そしかも続いて充填する防水層押さえコンクリート6できっちりと一様に押さえ付けることができ、防水層22の修復状態を完全ならしめる上で必要十分な広さであることを意味する。
もっとも、鉄骨大梁1の上面を覆うコンクリートを破砕して剥ぎ取り、鉄骨大梁1の上側フランジ1aの上面を剥き出しにする凹部4の平面形状と広さ、或いは周側面の角度及び平坦面4aの位置などは、当該基礎構造の用途、或いは施工の容易さなどを考慮して適宜に決定すればよいことで、上記の形状、構成には限らない。
上記のようにして鉄骨大梁1の上側フランジ1aの上面を剥き出す凹部4を形成した後の工程として、図1の左側位置に示すように、望ましい配置で必要本数のスタッドボルト3を垂直に立てて固定する。ここでいう望ましい配置および必要本数は、当該基礎構造の用途に応じて定められる。
図示例の場合でいえば、後述する束材16の取り付け固定を前提にして、同束材16の下側フランジ16aに予め設けられたボルト孔の配置及び個数と一致させることを意味している。つまり、スタッドボルト3で固定するべき相手(設置する機械類12)によって異なる。図示した実施例1の場合、スタッドボルト3の配置と本数は、図2に平面図を示したとおり、合計8本である。使用するスタッドボルト3の仕様に関して言えば、図示例の場合、外径がφ24で、長さ35cm程度であるが、一般的に外径φ16〜φ36程度のボルトが使用される。
なお、上記のように剥き出した鉄骨大梁1の上側フランジ1aの上面へ、スタッドボルト3を垂直に立てて下端を固定する手段としては、現状、アークスタッド溶接により固定して樹立させる方法の実施が好適である。
但し、アークスタッド溶接に限定する意味ではない。更に優れた、又は実用的な溶接法等が開発されたときは、そうした技術を実施するのが良い。
因みに、上記のアークスタッド溶接は、JASS6付則4「スタッド溶接工技術検定試験」により、工事に対応した技量を有すると認定された者が行う。しかし、更に念のために、スタッドボルト3のアークスタッド溶接が終了した後に、使用時の安全性を予め確認する目的で、各スタッドボルト3の引っ張り試験を厳格に実施し、各ボルトの引っ張り強度が、安全設計の数値を満たしているか否かを確認することが好ましい。
上記のようにして鉄骨大梁1の上側フランジ1aの上面へ望ましい配置で必要本数のスタッドボルト3を垂直に立てて固定した後の工程として、防水層22及び床コンクリートの修復工程を行う。
その手順としては、先ず前記床コンクリートを破砕し剥ぎ取って形成した凹部4のうち、床コンクリートの中間部に埋設された防水層22の設置レベルに等しい前記平坦面4aの位置までを充填コンクリート5で埋め戻す。
凹部4へ充填コンクリート5を防水層22の埋設レベルまで平坦に均してきっちりと埋め戻した後に、防水層22を修復する工程を行う。その手法としては、平坦面4a及び埋め戻しコンクリート5の上へ、所定のアスファルトを浸透させ含浸被覆させた有機天然繊維製のフェルトやルーフィングを溶融アスファルトにより下地へ接着積層して防水層22を形成し、既存の防水層22との接合を一元的に綿密に行う。特に前記防水層の上へ溶融アスファルトを流し込む際には、既に立っている各スタッドボルト3のねじ山と谷部を完全に埋め尽くすように、丁寧に防水層22の修復を行い、防水層22に断裂や疵が残らない修復処理を行う。
上記のアスファルトが硬化した後の工程として、更に、防水層押さえコンクリート6を凹部4内へ埋め戻し、躯体上面を覆う床コンクリート11の表面と均一状態に均す修復工程を行って、実質的に床コンクリート11の修復を行う。
上記のようにして床コンクリート11の修復を行い、同床コンクリート11の表面へスタッドボルト3が突き出た状態になり、床コンクリート11が一定の強度を発現するに至った段階で、基礎構造の構築が完成したことになる。
上記各スタッドボルト3を利用して、目的とする機械類12を据え付ける工程を行う要領及び手法として、最も単純な利用例は、上記スタッドボルト3を利用して、使用目的である機械類12を直接床コンクリート11へ据え付け設置して使用することができる。
即ち、床コンクリート11の表面へ突き出た上記の各スタッドボルト3を通すボルト孔を用意した機械類12の取付座を、上方から各スタッドボルト3へボルト孔を通す要領で下降させ、床コンクリート11の上面へ直置きして据え付け使用することが可能である。
もっとも、ビル等の既設構造物の屋上には、たいてい各種の設備機器やそれに付属する配管類が所狭しと多数設置されている。したがって、上記のように床コンクリート11の表面へ突き出したスタッドボルト3を利用して、目的とする機械類12を床コンクリートの上面へ直置きして利用方法の実施が困難な場合も多々予想される。
その対策法として、図示した実施例1では、目的とする機械類の一例であるクレーン架台12は、床コンクリート11の上面へ嵩上げして支持させる背の高さを有する束材16を使用する実施態様を示している。
即ち、躯体上面を覆う床コンクリート11の修復を行った後の工程として、前記床コンクリート11の表面から突き出た各スタッドボルト3と一致する配置で下側フランジ16aへボルト孔を設けた束材16を、上方から各ボルト孔位置を合わせて下ろし、各スタッドボルト3を下側フランジ16aのボルト孔へ通して床コンクリート11の上面へ載置する。そして、各スタッドボルト3へナット7をねじ込み締結して束材16の固定を行う。
なお、束材16の下側フランジ16aの水平レベル出しを正確に行う手段として、下側フランジ16aの下面位置を決めてレベル出しを行うナット30を、予め各スタッドボルト3へねじ込んで高さ位置のレベル出しを行っておく。その上で、前記レベル出し用ナット30の上へ束材16の下側フランジ16aを載せて設置する手法の実施が有効的である。
その後、前記束材16の上側フランジ16bの上へ目的のクレーン架台12を載置し、双方のフランジへ貫通させたボルト18へナット19を締結し固定して設置が行われている。
もとより、上記構成の基礎構造を利用して設置する機械類12の構造如何によっては、更に異なる使用例、使用構造が実施される。例えば下記の実施例2も有力な実施態様である。
上記図1の右側部分に示した実施例1が、既設構造物の躯体であるSRC造梁10の上部を覆う床コンクリート11は、防水層22が内部(中間層)に埋設した埋設型の構成であるのに対して、図5に示した実施例2では、床コンクリート11の表面に露出する防水層22’(以下、露出型防水層という。)が施工された構成である場合に好適な実施態様を示している。
この実施例2の場合も、上記床コンクリート11の表面に露出状態に施工された防水層22’及び床コンクリートを破砕し剥ぎ取って鉄骨大梁1の上側フランジ1aの上面を剥き出す凹部4を形成する工程までは、上記実施例1とほぼ共通する。
しかし、その凹部4を充填コンクリート5で埋め戻し、露出型防水層22’を修復する工程に相違点がある。
本実施例2の場合は、上記凹部4中へ充填コンクリート5を床コンクリート11の上面まで埋め戻すだけでなく、図示することを省略した縦型枠を予め床コンクリート11の上面へ設備しておいて、同埋め戻しコンクリート5により、床コンクリートの表面から防水効果に好適な一定の高さまで立ち上がらせた防水ベース部31を一体的に形成し、この防水ベース部31の上端面から前記スタッドボルト3が一定長さ突き出す構成とする。そして、前記防水ベース部31の側壁外周面の上方部に水返し板32が設置される。
一方、前記床コンクリート11の上面に施工した露出型の防水層22’と一連の防水層を形成するように接合した修復用防水層22”を施工し、該修復用防水層22”の中央部は、前記防水ベース部31の側壁外周面に沿って立ち上がらせる。そして、防水ベース部31の側壁外周面の上方部位に設置された前記水返し板32の遮水辺32aの下面近傍の位置まで修復用防水層22”の上端を配置し、その上端部をシーリング材33できっちり止め付けて、防水層22’の修復が行われる。
こうして前記防水ベース部31のコンクリートが強度を発現した後に、束材16の下側フランジ16aを、その各ボルト孔の位置を合わせて下降させ、防水ベース部31の上面へ載置して、各スタッドボルト3へナット7をねじ込み締結して固定する。そして、前記束材16の上側フランジ16bの上に、目的とする機械類12を据え付け設置して使用する構成は、上記実施例1と同様である。
上記した通りであって、本発明による既設構造物の鉄骨造躯体を利用する基礎構造の構築工法で構築した基礎構造は、当該基礎構造を構築する工法の全作業工程、及びその基礎構造を利用して目的の機械類12を設置し使用する工程の全部を、全て既設構造物の躯体を構成する床コンクリート11ないし鉄骨大梁1の上方側位置において実施できる。
そのため当該鉄骨大梁1(SRC造梁10)より下方の下階構造部分の供用や営業には一切の支障を及ぼさない。したがって、鉄骨大梁1より下方の下階構造部分の供用、営業を、工事期間中を通して自由に安全に支障なく行うことが可能であるから、既存構造物に必要とされる改修、改築工事などを積極的に実施する気運の向上に寄与できる。
また、鉄骨大梁1の上面を覆う床コンクリート11について、一旦は鉄骨大梁1の上側フランジの上面へ必要本数のスタッドボルト3を望ましい配置で垂直に立てて固定する工程上、同床コンクリート11に施工された埋設型又は露出型の防水層22、22’を一定の広さ範囲まで破砕して剥ぎ取るけれども、スタッドボルト3の設置後には、再び完全に修復することができ疵跡を残さない。
しかも、鉄骨大梁1の上側フランジへボルト孔を貫通させる加工は一切必要ないから、この意味でも爾後に防水機能を損なう疵跡を生じさせないという大きな利点を発揮する。
なお、以上に図示して説明した実施例1、2では、鉄骨造躯体の一例としてSRC造梁10の鉄骨大梁1の上側フランジを利用する場合を示したが、この限りではない。
同じ鉄骨造躯体の異なる例として、鉄骨造柱の柱頭部上端を塞ぐ「塞ぎ板」を鉄骨大梁のフランジと全く同様に利用して同様に実施することができる。
しかし、「塞ぎ板」を利用する実施例については、上記実施例1、2に比して実施上の差異点は格別見当たらない。そこで、上記実施例1、2の説明を援用することとし、実施例を図示して説明したことは省略した。
そして、本発明は、以上に図示した実施例1、2に基づいて説明したが、もとより本発明は各実施例の構成に限定されない。いわゆる当業者が必要に応じて行うであろう設計変更その他の応用、改変の範囲まで含むことは当然である。
1 鉄骨大梁
1a 上側フランジ
3 スタッドボルト
4 凹部
10 SRC造梁(鉄骨造躯体)
11 床コンクリート
5 充填コンクリート
22 防水層(埋設型)
22’ 防水層(露出型)
22” 修復用防水層
6 防水層押さえコンクリート
16 束材
16a 束材の下側フランジ
16b 束材の上側フランジ
7 ナット
12 設置目的の機械類(クレーンその他の機械類、建築用設備類、構造物)
31 防水ベース部
32 水返し板
32a 水返し板の遮水辺
33 シーリング材

Claims (8)

  1. A)既設構造物の鉄骨造躯体の鉄骨上面を覆う床コンクリートを一定の広さ範囲まで破砕 して剥ぎ取り、同鉄骨造躯体の鉄骨上面を剥き出す工程と、
    B)前記鉄骨造躯体の鉄骨上面へ、望ましい配置で1本又は複数本のスタッドボルトを垂 直に立てて固定する工程と、
    C)床コンクリートを破砕して剥ぎ取った前記凹部へ、コンクリートを埋め戻し、防水層 を修復し、躯体上面のコンクリートを修復する工程とで成り、
    D)前記スタッドボルトを利用して目的とする機械類を据え付け可能としたことを特徴と する、
    E)既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法。
  2. 鉄骨造躯体面の被覆コンクリートを破砕して剥ぎ取った凹部へコンクリートを埋め戻し、防水層を修復する工程は、凹部4中へ充填コンクリートを防水層のレベルまで埋め戻し、同埋め戻しコンクリート天端で埋設型防水層の修復を行い、更に防水層押さえコンクリート等の保護層で前記防水層の上面を覆って修復することを特徴とする、請求項1に記載した既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法。
  3. 鉄骨造躯体を覆うコンクリートを破砕して剥ぎ取った凹部へコンクリートを埋め戻し、防水層を修復する工程は、前記凹部中へ充填コンクリートを埋め戻すと共に、同埋め戻しコンクリートにより床コンクリートの表面から一定の高さ立ち上がる防水ベース部を形成して、この防水ベース部の上端面からスタッドボルトが一定長さ突き出す構成とし、前記防水ベース部の側壁外周面の上方部に水返し板を設置し、前記床コンクリートの上面に施工した露出型防水層と一連に接合した修復用防水層を前記防水ベース部の側壁外周面に沿って立ち上げ、その上端部は水返し板の遮水辺の下面近傍位置まで配置し、シーリング材で止め付けて修復することを特徴とする、請求項1に記載した既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法。
  4. 剥き出した鉄骨造躯体の鉄骨上面へ、望ましい配置で1本又は複数本のスタッドボルトを垂直に立てて固定する工程は、スタッドボルトの下端を鉄骨造躯体の鉄骨上面へ垂直に立て、その下端をアークスタッド溶接により鉄骨上面へ接合して樹立させることを特徴とする、請求項1に記載した既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法。
  5. 鉄骨造躯体の鉄骨上面を覆う床コンクリートの修復を行った後に、前記床コンクリートの表面又は防水ベース部の上面から突き出すスタッドボルトへ、その上方から束材の下側フランジに設けたボルト孔の位置を合わせて通し、同スタッドボルトへナットをねじ込み締結して束材の固定を行い、同束材の上側フランジの上へ目的の機械類を据え付け可能に構成することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載した既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法。
  6. 既設構造物の鉄骨造躯体としては、鉄骨大梁の上側フランジ、又は鉄骨造柱の上端面を塞いだ天端プレートを利用することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載した既設構造物の躯体を利用する基礎構造の構築工法。
  7. a)既設構造物の鉄骨造躯体の鉄骨上面を覆う床コンクリートを一定の広さ範囲まで破砕 し剥ぎ取って鉄骨造躯体の鉄骨上面が剥き出され、
    b)前記鉄骨造躯体の鉄骨上面へ、望ましい配置で1本又は複数本のスタッドボルトが垂 直に立てて固定され、
    c)前記鉄骨造躯体を覆う床コンクリートを破砕して剥ぎ取った凹部へ、充填コンクリー トを一定レベルまで埋め戻し、防水層の修復が行われ、その上上に防水層押さえコンク リートを埋め戻して鉄骨造躯体の上面を覆う床コンクリートの修復が行なわれ、
    d)前記床コンクリートの上面へ突き出したスタッドボルトを利用して、目的とする機械 類が据え付け可能としたことを特徴とする、
    e)既設構造物の躯体を利用して構築された基礎構造。
  8. 鉄骨造躯体の上面を覆う床コンクリートを破砕して剥ぎ取った凹部へコンクリートを埋め戻し、防水層を修復する工程は、前記凹部へ充填コンクリートを埋め戻すと共に、同埋め戻しコンクリートにより床コンクリートの表面から一定の高さ立ち上がらせた防水ベース部を形成し、この防水ベース部の上端面からスタッドボルトが一定長さ突き出す構成とされ、前記防水ベース部の側壁外周面の上方部位に水返し板が設置され、前記床コンクリートの上面に施工された被覆型防水層と一連に接合した修復用防水層を前記防水ベース部31の側壁外周面に沿って立ち上がらせ、上端部を水返し板の遮水辺の下面近傍位置に配置し、シーリング材で止め付けて修復が行われ、前記防水ベース部の上端から突き出したスタッドボルトを利用して、目的とする機械類を据え付け可能としたことを特徴とする、請求項7に記載した既設構造物の躯体を利用して構築された基礎構造。
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