JP2014080662A - 塊成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化鉄含有物質と炭材とを含む塊成物を加熱して還元鉄とスラグの混合物を製造した後、還元鉄とスラグに分離して夫々を回収するにあたり、還元鉄とスラグに分離するときの分離性が良好となる塊成物を提供する。
【解決手段】還元鉄とスラグの混合物を製造するための塊成物であって、酸化鉄含有物質、炭材、および界面活性剤を含む原料混合物を塊成化した塊成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、還元鉄とスラグの混合物を製造するための塊成物に関するものである。
鉄鉱石などの酸化鉄含有物質から還元鉄を製造する製鉄法としては、
(1)鉄鉱石を含む焼成ペレットをシャフト炉内で約1000℃に加熱して還元ガスによって焼成ペレットに含まれる酸化鉄を還元する方法や、
(2)鉄鉱石と炭材(固体還元材)とを混合して塊成化した塊成物を移動炉床炉(ロータリーハース)に供給して約1300℃で加熱し、該塊成物に含まれる酸化鉄を還元する方法(FASTMET法と呼ばれることがある)や、
(3)鉄鉱石と炭材(固体還元材)とを混合して塊成化した塊成物を移動炉床炉に供給して加熱し、該塊成物に含まれる酸化鉄を還元したのちに、さらに約1450℃まで加熱して還元鉄を溶融させ、表面張力の差などにより還元鉄とスラグに分離する方法(ITmk3法と呼ばれることがある)、
等が知られている。こうした還元鉄の製造方法について、例えば、特許文献1〜4の技術が知られている。
上記(1)の方法について、例えば、特許文献1に、鉄鉱石を直接還元して粉砕し、鉄と脈石を分離後、更に両者を粉砕して、それぞれから鉄を回収することが記載されている。還元ガスとしてはCOガスやH2ガスを使用できること、加熱温度は700〜1200℃とすること、粉砕は還元鉄を片状に延ばすことのできるロールクラッシャ等を使用できること、鉄と脈石の分離には、20メッシュ篩による分離や、磁選分離を組み合わせて行うことが記載されている。
上記(2)の方法について、例えば、特許文献2に、鉄原料と石炭とを含有する混合物を高温度雰囲気下で加熱還元処理し、得られた還元鉄を粉砕処理し、次いで、所定の粒径を境に粒度選別することが記載されている。具体的には、粒度選別機にて平均粒径100μmを超える粒子と平均粒径100μm以下の粒子に分離・選別している。そして平均粒径100μm以下の還元鉄粒子を、磁力により、鉄分を多く含む強磁着物粒子と鉄分の少ない弱磁着物粒子とに分離し、粒度選別された上記所定粒径を超える還元鉄粒子と上記強磁着物粒子とを還元鉄として用いている。一方、弱磁着物粒子には、鉄分は少なく、スラグ分を多く含むため、そのままセメントやアスファルトとして再利用されている。
上記(3)の方法について、例えば、特許文献3や特許文献4の技術が知られている。これらのうち特許文献3には、複数種のダストおよび炭材で構成される含炭ペレットを製造し、これを回転炉床方式の焼成炉で1250〜1350℃の温度で還元処理することにより、ペレット内部のダストは炭材で還元され、粒内物質移動によって凝集したメタリック鉄粒子が、ダストの脈石から生成したFeOを含む低融点のスラグ部分から、自然に分離する作用を利用してメタリック鉄粒子を抽出し高品位粒状還元鉄を製造する製鉄ダストからの高品位還元鉄の製造方法が記載されている。この文献には、回転炉床方式の焼成炉で得られた還元鉄をスクリーンを用いて篩分けし、直径5mm以上の還元鉄を製品として回収することが記載されている。
特許文献4には、鉄鉱石および炭材で構成される含炭ペレットを製造し、これを回転炉床方式の焼成炉で1250〜1350℃の温度で還元した後に、さらに炉内温度を1400〜1500℃に上昇させ溶融し、還元鉄を凝集させることで高純度の粒状還元鉄を得る方法が記載されている。
米国特許公報第6048382号 特開2002−363624号公報 特開平10−147806号公報 特開2009−91664号公報
上記特許文献1〜4に記載されているように、酸化鉄含有物質を加熱還元すると還元鉄が生成するが、このときスラグが副生する。そのため還元鉄を高収率で回収するには、還元鉄とスラグとの分離性が良好であることが求められる。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、酸化鉄含有物質と炭材とを含む塊成物を加熱して還元鉄とスラグの混合物を製造した後、還元鉄とスラグに分離して夫々を回収するにあたり、還元鉄とスラグに分離するときの分離性が良好となる塊成物を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る塊成物とは、還元鉄とスラグの混合物を製造するための塊成物であって、酸化鉄含有物質、炭材、および界面活性剤を含む原料混合物を塊成化したものである点に要旨を有している。
前記界面活性剤は、芳香族官能基、炭素−炭素二重結合、および炭素−炭素三重結合よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有している化合物であることが好ましい。また、前記界面活性剤は、カルボキシル基、スルホ基、またはこれらの塩を少なくとも1つ含有している化合物であることが好ましい。前記界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウムおよび/またはパラスチレンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。前記界面活性剤の含有量は、例えば、前記塊成物全体の質量に対して0.1〜10%とすることが好ましい。
本発明には、上記原料混合物を塊成化して塊成物を製造する工程と、得られた塊成物を加熱する工程とを含む還元鉄とスラグの混合物の製造方法も包含される。また、本発明には、上記還元鉄とスラグの混合物を粉砕した後、磁選分離し、磁着物として還元鉄を回収する還元鉄の製造方法も包含される。
本発明によれば、酸化鉄含有物質と炭材に、更に界面活性剤を配合しているため、酸化鉄含有物質と炭材とのすべり性が改善される。そのため塊成化したときに酸化鉄含有物質と炭材とが密な状態で凝集する。その結果、酸化鉄の還元が速やかに進行し、粗大な還元鉄が生成すると共に、スラグも粗大化するため、得られた混合物は、例えば、粉砕、磁選分離することによって還元鉄とスラグに容易に分離でき、夫々、所望の用途に利用できる。
本発明者らは、酸化鉄含有物質と炭材を含む塊成物を加熱して還元鉄とスラグの混合物を製造し、得られた混合物を還元鉄とスラグに分離するときの分離性を向上させるために、鋭意検討を重ねてきた。その結果、酸化鉄含有物質と炭材に、更に界面活性剤を配合すれば、還元鉄とスラグとの分離性が向上することを見出し、本発明を完成した。
界面活性剤を配合することによって還元鉄とスラグとの分離性が向上する理由は、次のように考えている。即ち、界面活性剤は、分子内に、水性成分になじみやすい部分(親水基)と油性成分になじみやすい部分(疎水基)を有している。一方、酸化鉄含有物質は水性成分となじみやすく、炭材は油性成分となじみやすい。そのため酸化鉄含有物質と炭材に界面活性剤を配合することによって、界面活性剤が酸化鉄含有物質と炭材の表面に配列するため、塊成化するために造粒する際に、酸化鉄含有物質同士や炭材同士、酸化鉄含有物質と炭材間などのすべり性が改善されると考えられる。そのため酸化鉄含有物質同士や炭材同士、酸化鉄含有物質と炭材間などのブリッジングが生じにくくなり、酸化鉄含有物質と炭材が界面活性剤を介して密な状態で配列すると考えられる。そこで酸化鉄含有物質、炭材、および界面活性剤を含む原料混合物を塊成化すれば、気孔率が低く(換言すると、かさ密度が高い)塊成物が得られる。塊成物の気孔率が低くなると、熱伝導率が高くなるため、界面活性剤を配合していない従来の塊成物と比べて塊成物の昇温速度が大きくなり、塊成物に含まれる酸化鉄の還元が速やかに進行する。酸化鉄の還元が速やかに進行すれば、還元鉄が溶融、凝集する時間が長くなるため、粗大な還元鉄が生成する。このとき副生するスラグも互いに凝集するため粗大化する。このように還元鉄とスラグが粗大化した混合物が得られることによって、粉砕および磁選分離し易くなり、還元鉄とスラグとの分離性が向上すると考えられる。
以下、本発明に係る塊成物について説明する。
本発明の塊成物は、還元鉄とスラグの混合物を製造するために用いられるものであって、上述したように、酸化鉄含有物質、炭材、および界面活性剤を含む原料混合物を塊成化したものである。
上記界面活性剤は、芳香族官能基、炭素―炭素二重結合、および炭素―炭素三重結合よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有している化合物であることが好ましい。界面活性剤が、芳香族官能基、炭素―炭素二重結合、または炭素―炭素三重結合を含有することによって、界面活性剤と炭材との親和性が一層良好となり、塊成物の気孔率が一段と低下する。その結果、還元鉄とスラグとの分離性が向上する。
上記界面活性剤は、カルボキシル基、スルホ基、またはこれらの塩を少なくとも1つ含有している化合物(即ち、カルボン酸、スルホン酸、またはこれらの塩)であることが好ましい。カルボキシル基、スルホ基、またはこれらの塩は、酸化鉄の表面にキレートを形成し易いため、界面活性剤と酸化鉄含有物質との親和性が一層良好となり、塊成物の気孔率が一段と低下する。その結果、還元鉄とスラグとの分離性が向上する。
上記カルボキシル基またはスルホ基の塩としては、例えば、1族の金属元素(Li、Na、K、Rb、Cs、Fr)や2族の金属元素(Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)が挙げられる。これらのうち好ましくは、Naである。
上記界面活性剤としては、具体的には、オクタン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パラスチレンスルホン酸、パラスチレンスルホン酸ナトリウムなどが例示される。これらのなかでも、オレイン酸ナトリウムおよび/またはパラスチレンスルホン酸ナトリウムを配合することが推奨される。オレイン酸ナトリウムとパラスチレンスルホン酸ナトリウムは、夫々、単独で配合してもよいし、両方配合してもよい。
上記界面活性剤の含有量は、特に限定されるものではないが、上記塊成物全体の質量に対して0.1〜10%であることが好ましい。上記塊成物全体の質量に対して0.1%以上含有させることによって、酸化鉄含有物質と炭材との間のすべり性を一段と向上させることができる。上記界面活性剤の含有量は、1%以上であることがより好ましい。界面活性剤の含有量は、多くするほど還元鉄とスラグの分離性を高めることができるが、過剰に含有すると、すべり性が高くなり過ぎて塊成物が変形し易くなり、取扱い性が悪くなる。従って界面活性剤の含有量は10%以下であることが好ましい。また、界面活性剤の含有量が5%を超えると、塊成物の成形方法によっては内容物が型から漏れることがあり、成形性が劣化することがある。よって界面活性剤の含有量は5%以下であることがより好ましい。
上記酸化鉄含有物質としては、例えば、鉄鉱石、砂鉄、製鉄ダスト、非鉄精錬残渣、製鉄廃棄物などを用いることができる。
本発明では、従来では通常用いることのなかった低品位な鉄鉱石を用いることができる。例えば、SiO2を6質量%以上含有している低品位な鉄鉱石(以下、高SiO2含有鉄鉱石ということがある。)を準備し、この高SiO2含有鉄鉱石と炭材と界面活性剤とを含む原料混合物を塊成化して塊成物を製造してもよい。低品位な鉄鉱石と炭材と界面活性剤を含む塊成物を加熱することによって、炭材中の灰分を融剤として利用し、塊成物内に溶融スラグを部分生成し、還元鉄の凝集化を図ることができ、還元鉄を短時間で製造できる。即ち、本発明のように低品位な鉄鉱石と炭材と界面活性剤を含む塊成物を加熱する場合には、塊成物内にFeO−SiO2系溶融スラグが生成してもFeOが近傍の炭材に含まれる炭素と反応し、速やかに還元鉄が製造される。そのため塊成物内では、還元鉄とSiO2等の脈石が分離して生成しているため、還元鉄とスラグが混在していても、これらを粉砕することによって脈石が容易に破砕され、還元鉄とスラグ(脈石成分)とに分離できる。従って従来では上記高SiO2含有鉄鉱石は、脈石の含有量が多いため、商用の鉄鉱石としては用いられていなかったが、本発明によれば高SiO2含有鉄鉱石を鉄源として用いることができる。
上記高SiO2含有鉄鉱石としては、SiO2を6質量%以上含有している鉄鉱石を準備すればよく、鉄鉱石は、SiO2以外の脈石として、通常、Al23などを含有している。なお、本発明では、SiO2の含有量が6質量%未満の高品位な鉄鉱石を用いることもできる。この場合は、高品位な鉄鉱石にSiO2を配合し、該鉄鉱石とSiO2との混合物に含まれるSiO量が合計で6質量%以上となるように、SiO2を外部から添加してもよい。
上記低品位な鉄鉱石を用いる場合は、上記原料混合物に、後述する融点調整剤を更に配合することが推奨される。
上記炭材としては、例えば、石炭やコークスなどを用いることができる。上記炭材は、上記酸化鉄含有物質に含まれる酸化鉄を還元できる量の固定炭素を含有していればよい。具体的には、上記酸化鉄含有物質に含まれる酸化鉄を還元できる固定炭素量に対して、±5モル%の範囲で含有していればよい。
本発明の塊成物は、酸化鉄含有物質、炭材、および界面活性剤以外の成分として、バインダーや融点調整剤などを含有していてもよい。上記バインダーとしては、例えば、多糖類(例えば、コーンスターチや小麦粉等の澱粉など)などを用いることができる。
上記融点調整剤とは、鉄の融点に影響する物質は除き、塊成物に含まれる鉄以外の成分(特に、脈石)の融点に影響する物質を意味する。即ち、上記原料混合物に、更に融点調整剤を配合することによって、塊成物に含まれる酸化鉄以外の成分(特に、脈石)の融点に影響を与え、例えばその融点を降下させることができる。それにより脈石成分は、溶融が促進され、溶融スラグを形成する。このとき酸化鉄の一部は溶融スラグに溶解し、溶融スラグ中で還元されて還元鉄となる。溶融スラグ中で生成した還元鉄は、他の還元鉄と接触することにより、固体の還元鉄として凝集する。
上記融点調整剤としては、少なくともCaO供給物質を含有することが好ましい。上記CaO供給物質としては、例えば、CaO(生石灰)、Ca(OH)2(消石灰)、CaCO3(石灰石)、およびCaMg(CO32(ドロマイト)よりなる群から選ばれる少なくとも一つを配合することが好ましい。
上記融点調整剤としては、上記CaO供給物質のみを用いても良いし、上記CaO供給物質に加えて、例えば、MgO供給物質、Al23供給物質、SiO2供給物質などを用いることができる。MgO、Al23、およびSiO2も、上記CaO同様、塊成物に含まれる鉄以外の成分(特に、脈石)の融点に影響する物質である。
上記MgO供給物質としては、例えば、MgO粉末、天然鉱石や海水などから抽出されるMg含有物質、MgCO3よりなる群から選ばれる少なくとも一つを配合することが好ましい。上記Al23供給物質としては、例えば、Al23粉末、ボーキサイト、ベーマイト、ギブサイト、ダイアスポアなどを配合することが好ましい。上記SiO2供給物質としては、例えば、SiO2粉末や珪砂などを用いることができる。
次に、本発明に係る塊成物を用いて還元鉄とスラグの混合物を製造できる方法について説明する。
本発明における還元鉄とスラグの混合物の製造方法は、酸化鉄含有物質、炭材、および界面活性剤を含む原料混合物を塊成化して塊成物を製造する工程(以下、塊成化工程という)と、得られた塊成物を加熱する工程(以下、加熱工程という)とをこの順で含むことが重要である。以下、各工程を順に説明する。
[塊成化工程]
上記塊成化工程では、酸化鉄含有物質、炭材、および界面活性剤を含む原料混合物を塊成化して塊成物を製造する。
上記原料混合物には、上述したように、必要に応じて更にバインダーや融点調整剤を配合してもよい。
上記酸化鉄含有物質、炭材、および界面活性剤、並びに必要に応じて配合するバインダーや融点調整剤等は、塊成化する前に、充分に混合しておくことが好ましい。
上記界面活性剤は、界面活性剤をそのまま配合してもよいし、溶媒(例えば、水)で希釈した溶液を配合してもよい。
上記原料混合物を混合する混合機としては、例えば、回転容器形混合機や固定容器形混合機を用いることができる。上記回転容器形混合機としては、例えば、回転円筒形、二重円錐形、V形などの混合機を用いることができる。上記固定容器形混合機としては、例えば、混合槽内に回転羽(例えば、鋤など)を設けた混合機を用いることができる。
上記酸化鉄含有物質、炭材、および必要に応じて配合する融点調整剤は、混合する前に予め粉砕しておくことが好ましい。
上記酸化鉄含有物質は、例えば、平均粒子直径が10〜60μm、上記炭材は、例えば、平均粒子直径が10〜60μm、上記融点調整剤は、例えば、平均粒子直径が5〜90μmとなるように粉砕することが推奨される。
上記酸化鉄含有物質等を粉砕する方法は特に限定されず、公知の方法を採用でき、例えば、振動ミル、ロールクラッシャやボールミルなどを用いればよい。
上記原料混合物を塊成化する塊成機としては、例えば、皿形造粒機(ディスク形造粒機)、ドラム形造粒機(円筒形造粒機)、双ロール型ブリケット成型機、タブレット成型機などを用いることができる。好ましくは、双ロール型ブリケット成型機またはタブレット成型機を用いることが推奨され、これらの成型機を用いると、気孔率が低く、かさ密度の高い塊成物を製造できる。そのため酸化鉄の還元を促進でき、生産性を向上できる。
上記塊成物の形状は特に限定されず、例えば、塊状、粒状、ブリケット状、ペレット状、タブレット状、棒状などであればよく、好ましくはブリケット状やタブレット状であればよい。
[加熱工程]
上記加熱工程では、上記塊成化工程で得られた塊成物を加熱し、該塊成物に含まれる酸化鉄を還元する。このときスラグが副生するため、加熱後には、還元鉄とスラグの混合物が得られる。
上記加熱は、塊成物内で成分の一部が溶融するが、融液の染み出しが殆どなく、塊成物の形状を保って塊成物全体は溶融しない温度で行ってもよいし、塊成物が完全に溶融する温度で行ってもよい。上記加熱は、具体的には、加熱炉に上記塊成物を供給し、例えば、1200〜1450℃の温度域で行えばよい。
上記加熱炉としては、公知の炉を用いればよく、例えば、移動炉床式加熱炉を用いればよい。上記移動炉床式加熱炉とは、炉床がベルトコンベアのように炉内を移動する加熱炉であり、具体的には、回転炉床炉が例示できる。上記回転炉床炉は、炉床の始点と終点が同じ位置になるように、炉床の外観形状が円形(ドーナツ状)に設計されており、炉床上に供給された塊成物は、炉内を一周する間に加熱還元されて還元鉄を生成する。従って、回転炉床炉には、回転方向の最上流側に塊成物を炉内に供給する装入手段が設けられ、回転方向の最下流側(回転構造であるため、実際には装入手段の直上流側になる)に排出手段が設けられる。
上記加熱工程で得られた還元鉄とスラグの混合物は、必要に応じて粉砕した後、磁選により還元鉄とスラグに分離して夫々を回収すればよい。磁選分離することによって磁着物として還元鉄、非磁着物としてスラグを分離回収できる。磁着物として回収した還元鉄は、鉄純度の高いものとなる。
上記混合物を粉砕する方法としては、公知の方法を採用でき、例えば、振動ミル、ボールミル、ローラーミルなどを用いればよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実験例1]
実験例1では、鉄鉱石、石炭、界面活性剤、および融点調整剤を含む原料混合物をタブレット状に塊成化し、得られた塊成物を電気炉で加熱し、得られた還元タブレットを粉砕し、粉砕物を磁選分離して還元鉄を製造した。即ち、下記表1に示す成分組成の鉄鉱石、石炭、界面活性剤、および融点調整剤を混合して得られた原料混合物を、タブレット成型機にて5ton圧で加圧成型し、約15g、φ25mm×約13mmの塊成物を製造した。得られた塊成物における各成分の配合割合を下記表2に示す。下記表2において、鉄鉱石、石炭、および融点調整剤の量は、用いた質量(g)を示しており、界面活性剤の量は、塊成物全体の質量を100%としたときの質量割合(質量%)を示している。
下記表1に示した鉄鉱石は、SiO2を8.21質量%含有しているため、一般的には、低品位鉄鉱石と呼ばれている。この鉄鉱石は、Al23も含有している。なお、下記表1において、T.Feは、全鉄量を意味している。
上記炭材としては、上記鉄鉱石に含まれている酸化鉄として結合している酸素量のモル数に対し、±2%の固定炭素を有する石炭を配合した。上記界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウムまたはパラスチレンスルホン酸ナトリウムを配合した。なお、下記表2のNo.1は、界面活性剤を配合していない例である。上記融点調整剤としては、生石灰(CaO)とアルミナ(Al23)を配合した。
次に、得られた塊成物を電気炉へ装入し、18分間加熱して塊成物に含まれる酸化鉄を還元して還元タブレットを製造した。この還元タブレットは、還元鉄と、副生したスラグを含んでいる。電気炉内の温度は1300℃とし、電気炉内はN2ガス雰囲気とした。得られた還元タブレットを、ディスクミルを用いて粉砕した後、磁石を用いて磁選分離した。磁選分離により得られた磁着物の成分組成を下記表2に示す。なお、M.Feは、金属鉄量、T.Cは炭素量を示している。
下記表2から次のように考察できる。界面活性剤を配合しなかったNo.1と、界面活性剤を配合したNo.2〜4を比較すると、No.2〜4の方が、T.FeとM.Feが高く、SiO2量の少ない磁着物を回収できることが分かる。また、No.2とNo.3を比較すると、界面活性剤として用いたオレイン酸ナトリウム量を多くするほど、T.FeとM.Feが一段と高く、SiO2量が一段と少ない磁着物を回収できることが分かる。また、No.3とNo.4を比較すると、界面活性剤の配合量が同じ場合には、パラスチレンスルホン酸ナトリウムを用いるよりも、オレイン酸ナトリウムを用いた方が、T.FeとM.Feが一段と高く、SiO2量が一段と少ない磁着物を回収できることが分かる。
Figure 2014080662
Figure 2014080662
[実験例2]
実験例2では、鉄鉱石、石炭、界面活性剤、バインダー、および融点調整剤を含む原料混合物をペレット状に塊成化し、得られた塊成物を電気炉で加熱し、得られた還元ペレットを粉砕し、粉砕物を磁選分離して還元鉄を製造した。即ち、上記表1に示す成分組成の鉄鉱石、石炭、界面活性剤、バインダー、および融点調整剤を混合して得られた原料混合物を、ペレット成型機にて直径が約20mmの塊成物を製造した。得られた塊成物における各成分の配合割合を下記表3に示す。下記表3において、鉄鉱石、石炭、界面活性剤、バインダー、および融点調整剤の量は、塊成物全体の質量を100%としたときの質量割合(質量%)を示している。
上記炭材としては、鉄鉱石に含まれている酸化鉄として結合している酸素量のモル数に対し、±2%の固定炭素を有する石炭を配合した。上記界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウムを配合した。なお、下記表3のNo.5は、界面活性剤を配合していない例である。上記バインダーとしては、小麦粉を配合した。上記融点調整剤としては、生石灰(CaO)とアルミナ(Al23)を配合した。
次に、得られた塊成物を電気炉へ装入し、上記実験例1と同じ条件で加熱還元して還元ペレットを製造した。得られた還元ペレットを、上記実験例1と同様、粉砕および磁選分離した。磁選分離により得られた磁着物の成分組成を下記表3に示す。
下記表3から次のように考察できる。界面活性剤を配合しなかったNo.5と、界面活性剤を配合したNo.6、7を比較すると、No.6、7の方が、T.FeとM.Feが高い磁着物を回収できることが分かる。なお、オレイン酸ナトリウムの配合量が1質量%の場合には、得られた磁着物に含まれるSiO2量は、オレイン酸ナトリウムを配合しないときよりも多くなるが、オレイン酸ナトリウムの配合量を5質量%とすることによって、得られた磁着物に含まれるSiO2量を、オレイン酸ナトリウムを配合しないときよりも低減できる。また、No.6とNo.7を比較すると、界面活性剤として用いたオレイン酸ナトリウム量を多くするほど、T.FeとM.Feが一段と高く、SiO2量が一段と少ない磁着物を回収できることが分かる。
Figure 2014080662
実験例1と実験例2の結果を比較すると、原料混合物に界面活性剤を配合することによって、実験例2に示したように、加圧成型しなくても還元鉄とスラグの混合物から、還元鉄を高収率で回収できるようになる。
以上の通り、本発明によれば還元鉄とスラグとの分離性が向上する。従って、本発明の塊成物を用いて還元鉄とスラグの混合物を製造すれば、還元鉄の回収率を向上できると考えられる。

Claims (7)

  1. 還元鉄とスラグの混合物を製造するための塊成物であって、
    酸化鉄含有物質、炭材、および界面活性剤を含む原料混合物を塊成化したものであることを特徴とする塊成物。
  2. 前記界面活性剤は、芳香族官能基、炭素−炭素二重結合、および炭素−炭素三重結合よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有している化合物である請求項1に記載の塊成物。
  3. 前記界面活性剤は、カルボキシル基、スルホ基、またはこれらの塩を少なくとも1つ含有している化合物である請求項1または2に記載の塊成物。
  4. 前記界面活性剤は、オレイン酸ナトリウムおよび/またはパラスチレンスルホン酸ナトリウムである請求項1〜3のいずれかに記載の塊成物。
  5. 前記界面活性剤の含有量が、前記塊成物全体の質量に対して0.1〜10%である請求項1〜4のいずれかに記載の塊成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の原料混合物を塊成化して塊成物を製造する工程と、
    得られた塊成物を加熱する工程と
    を含むことを特徴とする還元鉄とスラグの混合物の製造方法。
  7. 請求項6に記載の製造方法で得られた還元鉄とスラグの混合物を粉砕した後、磁選分離し、磁着物として還元鉄を回収することを特徴とする還元鉄の製造方法。
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JP2007191748A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Nippon Steel Corp 炭材含有ペレットの製造方法

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