JP2014078636A - パルス光発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一回の共振につき複数の超短パルス光を出力することができ、且つ、複数の超短パルス光のパルス数やパルス列の長さを任意に且つ精度良く制御できるパルス光発生装置を提供する。
【解決手段】パルス光発生装置10は、パルス光P1を共振させる光共振器と、パルス光P1を増幅するゲイン媒質21と、ゲイン媒質21に励起エネルギを供給するエネルギ供給部14と、パルス光P1の元となるパルス状の種光P2を周期的に光共振器へ提供する種光源12と、電気光学効果によってパルス光P1の偏光状態を制御する電気光学素子23と、パルス光P1をその偏光状態に応じて選択的に反射または透過する偏光ビームスプリッタ25と、電気光学素子23にパルス状の駆動電圧Vdを印加する電圧供給部15とを備える。電圧供給部15は、階段状の電圧波形を有する駆動電圧Vdを電気光学素子23に印加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、パルス光発生装置に関するものである。
特許文献1には、超短パルスレーザ装置が記載されている。この超短パルスレーザ装置は、光共振器内にトリガ光を入射し、この光共振器内でモード同期した光を偏光ビームスプリッタを通して超短パルスレーザとして出力する。また、光共振器内に配置されたポッケルスセルに対する印加電圧の印加時間、立上がり時間、及び立ち下がり時間をポッケルスセルドライバにより可変制御することにより、光共振器内でモード同期した光の偏光状態を制御する。
特開平8−255941号公報
例えばピコ秒からフェムト秒程度のパルス幅を有する超短パルス光を発生するパルス光発生装置として、再生増幅器がある。再生増幅器は、ゲイン媒質を光路上に含む光共振器の内部に超短パルス光を閉じ込め、一定時間後に、ゲイン媒質により増幅された超短パルス光を光共振器から取り出すものである。
このような再生増幅器では、光共振器の内部に超短パルス光をタイミング良く閉じ込め、取り出すための仕組みが必要となる。この仕組みのために用いられるのが、結晶の電気光学効果によって超短パルス光の偏光状態を変化させる、ポッケルスセル等の電気光学素子である。このような電気光学素子と偏光ビームスプリッタとを光共振器内の光路上に配置し、種光(シードレーザ)の入力タイミングに同期して電圧を印加すると、光共振器内に導入された種光の偏光が回転し、光共振器の内部に閉じ込められる。また、一定時間後に再び電圧を印加すると、ゲイン媒質により増幅された超短パルス光の偏光が回転し、偏光ビームスプリッタを介して取り出される。
通常、このような再生増幅器を備えるパルス光発生装置から出力される超短パルス光は、一回の共振につき1パルスのみである。しかしながら、一回の共振につき複数の超短パルス光を出力することが望まれる場合がある。
例えば、超短パルス光を用いて多層膜を除去する際、1パルスのみでは複数層にわたって膜材料を完全に除去することが難しい場合がある。このような場合、複数の超短パルス光を多層膜に照射することにより、複数層にわたる膜材料を好適に除去することができる。そして、除去すべき多層膜が広範囲に存在し、多層膜を含む加工材料を可動ステージ上に載せた状態で多層膜の除去を行う際に、パルス光発生装置から出力される超短パルス光が一回の共振につき1パルスのみであると、複数の超短パルス光を同一箇所に照射するために、照射毎に可動ステージを停止させる必要があり、加工時間が長くなってしまう。一回の共振につき複数の超短パルス光を出力することができれば、このように照射毎に可動ステージを停止させる必要がなくなり、加工時間を短縮することができる。
また、上記のように一回の共振につき複数の超短パルス光を出力する場合、複数の超短パルス光のパルス数やパルス列の長さを、任意に且つ精度良く制御できることが望まれる。例えば上記の例では、多層膜を構成する各膜の厚さや膜材料によって、好適なパルス数やパルス列の長さが異なるからである。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、一回の共振につき複数の超短パルス光を出力することができ、且つ、複数の超短パルス光のパルス数やパルス列の長さを任意に且つ精度良く制御できるパルス光発生装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明によるパルス光発生装置は、パルス光を共振させる光共振器と、光共振器の共振光路上に配置されパルス光を増幅するゲイン媒質と、ゲイン媒質に励起エネルギを供給するエネルギ供給部と、パルス光の元となるパルス状の種光を周期的に光共振器へ提供する種光源と、共振光路上に設けられ、電気光学効果によってパルス光の偏光状態を制御する電気光学素子と、共振光路上に設けられ、パルス光をその偏光状態に応じて選択的に反射または透過する偏光ビームスプリッタと、電気光学素子にパルス状の駆動電圧を印加する電圧供給部とを備え、電圧供給部が、階段状の電圧波形を有する駆動電圧を電気光学素子に印加することにより、一回の共振につき複数のパルス光が光共振器から偏光ビームスプリッタを介して取り出されることを特徴とする。
このパルス光発生装置では、種光源からパルス状の種光が出力されると、この種光を光共振器内に取り込むべきタイミングで、電気光学素子に駆動電圧が印加される。これにより、種光が光共振器内に取り込まれる。種光は共振しながらゲイン媒質のエネルギを吸収し、徐々に増幅してピークパワーが高められたパルス光となる。パルス光が十分に増幅された一定期間の後、偏光ビームスプリッタを介してパルス光が光共振器から取り出される。なお、駆動電圧が電気光学素子に印加されていないときは、エネルギ供給部からの励起光によってレーザ媒質にエネルギが蓄積される。
そして、このパルス光発生装置では、電圧供給部が、階段状の電圧波形を有する駆動電圧を電気光学素子に印加する。これにより、一回の共振動作(すなわち一回の種光入力)につき複数のパルス光が光共振器から偏光ビームスプリッタを介して取り出される。その動作の一例を説明する。まず、電圧供給部から電気光学素子に駆動電圧が印加されていないとき、光共振器のQ値が低いので共振は生じない。次に、階段状の駆動電圧の一段目(電圧V1とする)が電気光学素子に印加されると、光共振器のQ値が瞬時に高まり、種光が光共振器内に閉じ込められて徐々に増幅される。続いて、ゲイン媒質に蓄積されたエネルギを使い切る前に、二段目の駆動電圧(電圧V2<V1)が印加される。このとき、二段目の電圧V2によって或る程度の光量のパルス光が偏光ビームスプリッタを介して取り出される一方、共振動作が継続してパルス光の増幅が続くこととなる。以降、この二段目の電圧V2が継続するか、或いは異なる大きさの階段状の駆動電圧が更に印加されることにより、このようなパルス光の取り出しと共振動作の継続とが連続して行われる。また、取り出されるパルス光のパルス数やパルス列の長さは、階段状の駆動電圧の段数、各段の電圧、および各段の時間幅によって、任意に、且つ極めて精度良く制御可能である。
このように、上記のパルス光発生装置によれば、一回の共振につき複数の超短パルス光を出力することができ、且つ、複数の超短パルス光のパルス数やパルス列の長さを任意に且つ精度良く制御することができる。
なお、前述した特許文献1に記載された超短パルスレーザ装置では、ポッケルスセルへの駆動電圧の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を制御しており、その結果、台形状の駆動電圧をポッケルスセルに印加している。この場合、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりにおいて電圧値が徐々に変化するので、共振中のパルス光がポッケルスセルを通過するタイミングが僅かでもずれると、その瞬間における駆動電圧の電圧値が所定の大きさからずれてしまい、所望の光強度のパルス光を出力させることができない。これに対し、上記のパルス光発生装置では、駆動電圧が階段状の電圧波形を有するので、或る段の時間内であれば電圧値はほぼ一定である。したがって、共振中のパルス光が電気光学素子を通過するタイミングが多少ずれた場合であっても、その瞬間の駆動電圧の電圧値は所定の大きさに維持される。このように、上記のパルス光発生装置によれば、パルス光が電気光学素子を通過するタイミングに対する許容幅が大きいので、特許文献1に記載された装置と比較してパルス光の光強度をより高い精度で制御することができる。
また、パルス光発生装置は、電圧供給部において、階段状の電圧波形の段数、各段の電圧、および各段の時間幅のうち少なくとも一つが可変であることにより、一回の共振動作毎に光共振器から取り出される複数のパルス光のパルス数および複数のパルス光からなるパルス列の長さのうち少なくとも一方を変更可能であってもよい。
また、パルス光発生装置は、電圧波形が、第1の電圧値が印加される第1の期間と、第1の電圧値よりも低い第2の電圧値が印加される第2の期間とを含み、第2の期間の長さが可変であることにより、一回の共振動作毎に光共振器から取り出される複数のパルス光のパルス数および複数のパルス光からなるパルス列の長さを変更可能であってもよい。
また、パルス光発生装置は、一回の共振動作毎に光共振器から取り出される複数のパルス光が、互いに光強度が異なる2以上のパルス光を含んでもよい。これにより、例えば各層の厚さや膜材料が層毎に異なる多層膜を除去する際に、各層毎に適した光強度のパルス光を照射することができる。
また、パルス光発生装置は、電圧供給部が、電気光学素子に駆動電圧を出力する出力端と、第1の定電圧を供給する第1の定電位線と、出力端に一方の電流端子が接続され、第1の定電位線に他方の電流端子が接続された第1のトランジスタと、入力側コイル及び出力側コイルを有し、出力側コイルが第1のトランジスタの制御端子に接続された第1の変圧器と、第1の変圧器の入力側コイルの一端に第1の容量素子を介して接続され、第1のパルス電圧が入力される第1の入力端と、第1の定電圧より低い第2の定電圧を供給する第2の定電位線と、出力端に一方の電流端子が接続され、第2の定電位線に他方の電流端子が接続された第2のトランジスタと、入力側コイル及び出力側コイルを有し、出力側コイルが第2のトランジスタの制御端子に接続された第2の変圧器と、第2の変圧器の入力側コイルの一端に第2の容量素子を介して接続され、第2のパルス電圧が入力される第2の入力端とを備え、第1及び第2のパルス電圧によって第1及び第2のトランジスタの制御端子に入力されるパルス電圧の大きさが、第1及び第2のトランジスタそれぞれの閾値電圧以上であってもよい。これにより、前述した階段状の電圧波形を有する駆動電圧を好適に生成することができる。
本発明によるパルス光発生装置によれば、一回の共振につき複数の超短パルス光を出力することができ、且つ、複数の超短パルス光のパルス数やパルス列の長さを任意に且つ精度良く制御することができる。
本発明の一実施形態に係るパルス光発生装置の構成図である。 電圧供給部から出力される駆動電圧の波形の例を示すグラフである。 電圧供給部の構成例を概略的に示す図である。 電圧供給部の具体例を示す回路図である。 電圧供給部の動作を模式的に示す図である。 (a)電圧供給部の一方の入力端に入力される電圧の時間波形を示している。(b)電圧供給部の他方の入力端に入力される電圧の時間波形を示している。(c)電圧供給部の出力端における駆動電圧の時間波形を示している。 電圧供給部の動作を模式的に示す図である。 (a)電圧供給部の一方の入力端に入力される電圧の時間波形を示している。(b)電圧供給部の他方の入力端に入力される電圧の時間波形を示している。(c)電圧供給部の出力端における駆動電圧の時間波形を示している。 電圧供給部の動作を模式的に示す図である。 (a)電圧供給部の一方の入力端に入力される電圧の時間波形を示している。(b)電圧供給部の他方の入力端に入力される電圧の時間波形を示している。(c)電圧供給部の出力端における駆動電圧の時間波形を示している。 電圧供給部の動作を模式的に示す図である。 (a)電圧供給部の一方の入力端に入力される電圧の時間波形を示している。(b)電圧供給部の他方の入力端に入力される電圧の時間波形を示している。(c)電圧供給部の出力端における駆動電圧の時間波形を示している。 4段の階段状波形を有する駆動電圧を電気光学素子に印加して、任意のエネルギを有する4本のパルス光を出力させる場合の駆動電圧の計算結果を示すグラフである。 4段の階段状波形を有する駆動電圧を電気光学素子に印加して、任意のエネルギを有する4本のパルス光を出力させる場合の駆動電圧の計算結果を示すグラフである。 4段の階段状波形を有する駆動電圧を電気光学素子に印加して、任意のエネルギを有する4本のパルス光を出力させる場合の駆動電圧の計算結果を示すグラフである。 矩形状波形を有する駆動電圧を電気光学素子に印加して、1本のパルス光を出力させる場合の計算結果を示すグラフである。 実施例として、複数本のパルス光の出力結果を示すグラフである。 実施例として、パルス光の実測結果を示すグラフである。 実施例として、パルス光の実測結果を示すグラフである。 実施例として、パルス光の実測結果を示すグラフである。 実施例として、パルス光の実測結果を示すグラフである。 実施例として、パルス光の実測結果を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら本発明によるパルス光発生装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るパルス光発生装置10の構成図である。本実施形態に係るパルス光発生装置10は、再生増幅器としての構成を有しており、光増幅部11、種光源(シードレーザ)12、光取り出し部13、エネルギ供給部14、及び電圧供給部15を備える。
光増幅部11は、パルス光P1を共振させながら増幅する部分である。本実施形態の光増幅部11は、ゲイン媒質21、ミラー22、電気光学素子23、及びλ/4波長板24を含む。ゲイン媒質21及びミラー22はファブリペロ型の光共振器を構成しており、この光共振器は、パルス光P1を共振させる。また、ゲイン媒質21は、この光共振器の共振光路上に配置される部分を含み、励起光の供給を受けて、パルス光P1を増幅する。エネルギ供給部14は、ゲイン媒質21に励起エネルギ(例えば励起光)E1を供給する。ゲイン媒質21としては、レーザー媒質と呼ばれるHe−Neなどの気体、色素などを溶解した液体、Nd:YAG、Yb:YAG等の固体を用いることができる。
電気光学素子23は、電気光学効果によってパルス光P1の偏光状態を制御する素子であって、光共振器の共振光路上に配置される。電気光学素子23としては、例えばポッケルスセルが好適である。電気光学素子23の電気光学効果を発生させるためのパルス状の駆動電圧Vdは、階段状の電圧波形を有しており、電圧供給部15から印加される。駆動電圧Vdは、例えば種光P2の繰り返し周波数である数十メガヘルツが分周された数キロヘルツないし数百キロヘルツの繰り返し周波数を有する、例えば電圧4kVといった高電圧のパルスである。また、λ/4波長板24は、光共振器の共振光路上に配置され、パルス光P1の偏光成分間に90°の位相変化を与える。
種光源12は、上述した光共振器の共振光路における光の往復時間より短いパルス幅を有するパルス状の種光P2を、周期的に光増幅部11へ提供する。この種光P2は、パルス光P1の元となるものであり、ゲイン媒質21において光増幅され得る波長のものである。種光源12としては、例えばモードロックファイバレーザ光源が好適である。種光源12から出力される種光P2のパルス幅は、例えば100fs〜1nsであることが望ましい。また、種光源12から出力される種光P2の繰り返し周波数は、例えば1MHz〜1GHzであることが望ましい。種光源12から出力された種光P2は、シャッタ16を通って光取り出し部13に提供される。
光取り出し部13は、一定期間に亘って光共振器内において光増幅されたパルス光P1を光共振器の外部へ取り出す。なお、本実施形態の光取り出し部13は、光共振器の外部の種光源12からパルス状の種光P2を共振光路内に取り込む機能も有する。本実施形態の光取り出し部13は、偏光ビームスプリッタ25及び26、偏光回転子27、並びにファラデーローテータ28を含む。
偏光ビームスプリッタ25は、パルス光P1及び種光P2を、それらの偏光状態に応じて選択的に反射または透過する。偏光ビームスプリッタ25は光共振器の光路上に設けられ、偏光ビームスプリッタ26は、種光源12と偏光ビームスプリッタ25との間の光路上に設けられる。偏光ビームスプリッタ25及び26は、光共振器内のパルス光P1をパルス光発生装置10の外部へ反射するとともに、種光源12から出力された種光P2を透過して光共振器内へ取り込む。偏光回転子27は、偏光ビームスプリッタ25と偏光ビームスプリッタ26とを結ぶ光路上に設けられ、ファラデーローテータ28は、該光路上において偏光ビームスプリッタ26と偏光回転子27との間に設けられる。
以上の構成を備えるパルス光発生装置10の動作は、次のとおりである。まず、種光源12からパルス状の種光P2が出力される。種光P2は、偏光ビームスプリッタ26通過し、ファラデーローテータ28及び偏光回転子27を通過する際にその偏光面が回転する。その後、種光P2は偏光ビームスプリッタ25において反射し、ゲイン媒質21とミラー22との間の光共振器内に取り込まれる。偏光ビームスプリッタ25で反射した種光P2は、λ/4波長板24及び電気光学素子23を通過し、ミラー22で反射したのち、再び偏光ビームスプリッタ25へと戻る。
ここで、或る種光P2が、偏光ビームスプリッタ25で反射し、ミラー22によって反射したのち再び偏光ビームスプリッタ25へと戻るまでのタイミングで、電気光学素子23に駆動電圧が印加されると、光共振器のQ値が瞬時に高まり、このタイミングにおける種光P2が光増幅部11の光共振器内に取り込まれる。その後は、この種光P2を元にしたパルス光P1が、光増幅部11の光共振器内で共振する。種光P2は共振しながらゲイン媒質21のエネルギを吸収し、徐々に増幅してピークパワーが高められたパルス光P1となる。
そして、種光P2を取り込んでから一定時間経過した後の或るタイミングで、電気光学素子23への印加電圧に変化が与えられる。これにより、パルス光P1の偏光が変化してパルス光P1が偏光ビームスプリッタ25において反射し、光共振器の外部へ取り出される。このパルス光P1は、偏光ビームスプリッタ26で再度反射し、パルス光発生装置10の外部へ出力される。なお、駆動電圧Vdが電気光学素子23に印加されていないときは、光共振器のQ値が低く共振状態とはならないので、種光P2は光共振器内に閉じ込められない。このとき、エネルギ供給部14からの励起光によってゲイン媒質21にエネルギが蓄積される。
パルス光発生装置10は、以上のような動作によって、種光P2と同等な質であって且つエネルギの大きなパルス光P1を生成することが可能であり、光を増幅するための再生増幅機能を好適に実現することができる。
ここで、図2(a)〜図2(c)は、電圧供給部15から出力される駆動電圧Vdの波形の例を示すグラフである。これらの図において、横軸は時間を表し、縦軸は電圧値又は光強度を表している。図2(a)に示される駆動電圧Vdは、矩形状の電圧波形を有している。また、図2(b)及び図2(c)に示される駆動電圧Vdは、立ち上がり一段・立ち下がり二段の階段状の波形を有している。
図2(a)に示されるように駆動電圧Vdの電圧波形が矩形状である場合、駆動電圧Vdが電圧値V0から電圧値V1(但し、V1>V0)に立ち上がると、光共振器のQ値が瞬時に高まり、種光P2が光共振器内に取り込まれて共振および増幅が行われる。その後、駆動電圧Vdが電圧値V1から電圧値V0に立ち下がると、光共振器内の殆ど全てのパルス光P1が偏光ビームスプリッタ25で反射し、光共振器の外部に取り出される。したがって、一本の強いパルス光P1がパルス光発生装置10から出力される。
これに対し、図2(b)に示されるように駆動電圧Vdの電圧波形が階段状である場合、まず一段目の駆動電圧(第1の電圧値V1)が第1の期間T1にわたって印加されると、光共振器のQ値が瞬時に高まり、種光P2が光共振器内に取り込まれて共振および増幅が行われる。その後、二段目の駆動電圧(第2の電圧値V2、但しV0<V2<V1)が第2の期間T2にわたって印加されると、共振状態にあるパルス光P1の偏光状態がやや変化する。これにより、光共振器内のパルス光P1の一部が偏光ビームスプリッタ25で反射し、光共振器の外部に取り出される。また、残りのパルス光P1は光共振器内に留まり、共振動作を継続して増幅を繰り返す。なお、期間T2において増幅動作を繰り返す為には、ゲイン媒質21に蓄積されたエネルギが、期間T1から期間T2に移行するときに残存している必要がある。以降、この二段目の電圧値V2が継続するか、或いは三段目以降の電圧値が更に印加されることにより、このようなパルス光P1の取り出しと共振動作の継続とが連続して行われる。
このように、図2(b)に示された階段状の電圧波形を有する駆動電圧Vdによって、複数本のパルス光P1が光共振器から取り出され、パルス光発生装置10の外部へ出力される。このとき、パルス光P1の本数、及び複数本のパルス光P1から成るパルス列の時間長さは、電圧波形の二段目の期間T2の長さに依存する。すなわち、図2(c)に示されるように、期間T2が長くなるほどパルス光P1の本数が多くなる。また、各パルス光P1の強度は、主に二段目の電圧値V2の大きさに依存する。そして、パルス光P1の本数が多くなるほど、各パルス光P1の強度が小さくなるように駆動電圧Vdの電圧値が制御されることが好ましい。このように、図2(b)や図2(c)に示されたような駆動電圧Vdが印加される場合、期間T2の長さと駆動電圧Vdの電圧値とを調整することにより、光共振器から取り出されるパルス光P1の本数やパルス列の時間長さを任意に変更することができる。なお、複数のパルス光P1同士の時間間隔は、主に光共振器の光路長に依存し、例えば10nsといった長さである。
本実施形態では、電圧供給部15が、例えば図2(b)や図2(c)に示されたような、階段状の電圧波形を有する駆動電圧Vdを電気光学素子23に印加する。これにより、1パルスの種光P2の入力に基づく1回の共振動作につき、複数本のパルス光P1が光共振器から偏光ビームスプリッタ25,26を介して取り出される。このとき、取り出されるパルス光P1の本数やパルス列の長さは、階段状の駆動電圧Vdの段数、各段の電圧、および各段の時間幅によって、任意に、且つ極めて精度良く制御可能である。したがって、本実施形態のパルス光発生装置10によれば、一回の共振につき複数(例えば数十本)のパルス光P1を出力することができ、且つ、複数のパルス光P1の本数やパルス列の長さを任意に且つ精度良く制御することができる。
例えば、パルス光P1を用いて多層膜を除去する際、1パルスのみでは複数層にわたって膜材料を完全に除去することが難しい場合がある。このような場合、本実施形態のパルス光発生装置10によって複数のパルス光P1を多層膜に照射することにより、複数層にわたる膜材料を好適に除去することができる。また、除去すべき多層膜が広範囲に存在し、多層膜を含む加工材料を可動ステージ上に載せた状態で多層膜の除去を行う際に、パルス光発生装置から出力されるパルス光P1が一回の共振につき1パルスのみであると、複数のパルス光P1を同一箇所に照射するために、照射毎に可動ステージを停止させる必要があり、加工時間が長くなってしまう。これに対し、本実施形態のパルス光発生装置10によれば、可動ステージの移動速度をほぼ無視できるほどの短い時間に複数のパルス光P1を出力することができるので、パルス光P1の照射毎に可動ステージを停止させる必要がなくなり、加工時間を短縮することができる。
また、本実施形態のパルス光発生装置10は、Siなどの半導体材料と、ガラス、サファイア、或いは樹脂などの透明材料とが張り合わされたような、混合材料を加工する際に好適に用いられる。特に、このような混合材料を割断する際に好適に用いられる。また、パルス光発生装置10の構成は比較的単純であるため、小型、高信頼性、メンテナンスフリー、及び低コストのパルス光発生装置を実現することができる。
また、本実施形態では、電圧供給部15において、階段状の電圧波形の段数、各段の電圧、および各段の時間幅のうち少なくとも一つが可変であることが好ましい。特に、図2(b)及び図2(c)に示された電圧波形において第2の期間T2の長さが可変であるとよい。これにより、一回の共振動作毎に光共振器から取り出される複数のパルス光P1の本数やパルス列の長さを任意に変更可能なパルス光発生装置10を提供することができる。
なお、本実施形態のパルス光発生装置10において、種光P2の光増幅部11への入射を止めることによって、光増幅部は発振器として動作し、共振器長によって定まるパルス幅の光を出力する。このとき、電圧供給部15に階段状の電圧を印加することで、任意のパルス幅の光を出力できる。このような動作のための構成として、本実施形態では、種光源12と光取り出し部13の間にシャッタ16が設けられている。シャッタ16は、機械的なシャッタであっても良く、或いはAO(音響光学)変調器やEO(電気光学)変調器であっても良い。
ここで、階段状の電圧波形の段数、各段の電圧、および各段の時間幅を任意に制御可能な電圧供給部15の一例について説明する。図3は、電圧供給部15の構成例を概略的に示す図である。図3に示されるように、この電圧供給部15は、電気光学素子23に接続される出力端41と、パルス電圧生成回路17に接続される第1の入力端42a及び第2の入力端42bとを備えている。電圧供給部15は、入力端42a,42bから入力されたパルス信号に基づいて、階段状の電圧波形を出力端41から出力することによって、電気光学素子23を駆動する。なお、パルス電圧生成回路17は、種光P2の出力タイミングに同期したトリガ信号を種光源12から受ける。トリガ信号は、例えば、種光源12から出力される種光の一部を光検出器等によって光電変換することにより得られる。パルス電圧生成回路17は、このトリガ信号に基づいて、光増幅部11への種光P2の入力タイミングに同期して駆動電圧Vdを出力させるためのパルス信号を生成し、電圧供給部15に与える。
本実施形態の電圧供給部15は、第1のスイッチング回路50と、第2のスイッチング回路60と、第1の高電圧電源43と、第2の高電圧電源44とを備えている。高電圧電源43は、本実施形態における第1の定電位線であって、例えば1000ボルト以上の定電圧を供給する。スイッチング回路50は、パルス電圧生成回路17から入力端42aを介して入力される第1のパルス電圧VP1を受けるとともに、高電圧電源43から第1の定電圧(電圧VH)の供給を受ける。スイッチング回路50は、パルス電圧VP1に応じて電流I1を流す。スイッチング回路50を流れる電流I1は、パルス電圧VP1のパルス時間幅に応じた時間幅を有し、且つパルス電圧VP1のパルス電圧に応じた大きさを有する。電流I1は、高電圧電源43からスイッチング回路50及び出力端41を介して、容量性負荷としての電気光学素子23の一方の電極に入力され、該一方の電極において蓄積する。なお、本実施形態では、電気光学素子23の他方の電極は定電位線(例えば基準電位線)に接続されている。
スイッチング回路60は、パルス電圧生成回路17から入力端42bを介して入力される第2のパルス電圧VP2を受けるとともに、高電圧電源44から第1の定電圧より低い第2の定電圧(電圧VL<VH)の供給を受ける。スイッチング回路60は、パルス電圧VP2に応じて電流I2を流す。スイッチング回路60を流れる電流I2は、パルス電圧VP2のパルス時間幅に応じた時間幅を有し、且つパルス電圧VP2のパルス電圧に応じた大きさを有する。電流I2は、容量性負荷としての電気光学素子23の一方の電極から出力端41及びスイッチング回路60を介して高電圧電源44へ流れる。なお、高電圧電源44は、本実施形態における第2の定電位線である。
図4は、本実施形態に係る電圧供給部15の具体例を示す回路図である。図4に示されるように、スイッチング回路50は、高耐圧の第1のトランジスタ(本実施形態ではFET)51と、第1の変圧器52と、第1の容量素子(コンデンサ)53とを含んで構成されている。FET51は、高電圧電源43と出力端41との間に直列に接続されており、高電圧電源43から出力端41を介して電気光学素子23へ流れる電流I1を制御する。具体的には、FET51の一方の電流端子(本実施形態ではソース)は出力端41に接続されており、他方の電流端子(本実施形態ではドレイン)は高電圧電源43に接続されている。
変圧器52は、低電圧領域と高電圧領域とを相互に絶縁するためのものであり、例えば絶縁トランスによって構成される。変圧器52は、入力側コイル及び出力側コイルを有する。入力側コイルの一端は、容量素子53を介して第1の入力端42aに接続されており、入力側コイルの他端は基準電位線70(第3の定電位線)に接続されている。なお、ここでいう基準電位とは、例えば接地電位である。また、出力側コイルの一端は、FET51の制御端子(ゲート)に接続されており、出力側コイルの他端は、FET51のソースに接続されている。このような構成において、第1の入力端42aにパルス電圧VP1が入力されると、容量素子53をパルス電圧VP1の成分のみが通過し、直流成分が除去される。そして、このパルス電圧VP1により、変圧器52を介してFET51のゲートとソースとの間にパルス電圧が印加される。このパルス電圧は、パルス電圧VP1のパルス時間幅と同じ時間幅を有し、パルス電圧VP1のパルス電圧に比例する電圧を有する。これにより、FET51のドレイン−ソース間に、パルス電圧VP1のパルス電圧に比例する大きさの電流I1が流れる。
また、図4に示されるように、スイッチング回路60は、スイッチング回路50と同様に、高耐圧の第2のトランジスタ(本実施形態ではFET)61と、第2の変圧器62と、第2の容量素子(コンデンサ)63とを含んで構成されている。FET61は、高電圧電源44と出力端41との間に直列に接続されており、電気光学素子23から出力端41を介して高電圧電源44へ流れる電流I2を制御する。具体的には、FET61の一方の電流端子(本実施形態ではドレイン)は出力端41に接続されており、他方の電流端子(本実施形態ではソース)は高電圧電源44に接続されている。
変圧器62は、低電圧領域と高電圧領域とを相互に絶縁するためのものであり、例えば絶縁トランスによって構成される。変圧器62は、入力側コイル及び出力側コイルを有する。入力側コイルの一端は、容量素子63を介して第2の入力端42bに接続されており、入力側コイルの他端は基準電位線70(第3の定電位線)に接続されている。なお、この基準電位線70は、スイッチング回路50において変圧器52の入力側コイルが接続される基準電位線70と共通の配線とすることができる。また、出力側コイルの一端は、FET61の制御端子(ゲート)に接続されており、出力側コイルの他端は、FET61のソースに接続されている。このような構成において、第2の入力端42bにパルス電圧VP2が入力されると、容量素子63をパルス電圧VP2の成分のみが通過し、直流成分が除去される。そして、このパルス電圧VP2により、変圧器62を介してFET61のゲートとソースとの間にパルス電圧が印加される。このパルス電圧は、パルス電圧VP2のパルス時間幅と同じ時間幅を有し、パルス電圧VP2のパルス電圧に比例する電圧を有する。これにより、FET61のドレイン−ソース間に、パルス電圧VP2のパルス電圧に比例する大きさの電流I2が流れる。
なお、図4に示されるように、高電圧電源43及び高電圧電源44は、電荷供給用高耐圧コンデンサ43a及び44aをそれぞれ有しても良い。コンデンサ43aは、電圧VHを供給する配線と基準電位線70との間に接続され、電流I1のための電荷を配線に提供する。また、コンデンサ44aは、電圧VLを供給する配線と基準電位線70との間に接続され、電流I2のための電荷を配線に提供する。
また、図4に示されるように、高電圧電源44と出力端41との間には、高耐圧抵抗45が接続されても良い。この高耐圧抵抗45によって、高電圧電源44の電圧VLを出力端41における基準電圧とすることができる。更に、パルス電圧VP1,VP2が入力端42a、42bに長時間入力されない場合に、出力端41の電圧がVLとなり、電気光学素子23にかかる電位差が0となるので、パルス電圧生成回路17(図3参照)の不調時に、電圧供給部15や電気光学素子23を含む装置全体を安全に停止させることができる。
以上の構成を備える電圧供給部15の動作について説明する。図5は、電圧供給部15の動作を模式的に示す図である。また、図6(a)は入力端42aに入力される電圧の時間波形を示しており、図6(b)は入力端42bに入力される電圧の時間波形を示しており、図6(c)は出力端41における電圧の時間波形を示している。なお、図5において、FET51,61が模式的に一つのスイッチとして示されている。また、図6(a)〜図6(c)において、横軸は時間を示しており、そのスケールは各図において一致している。一方、縦軸は電圧を示しているが、そのスケールは各図において必ずしも一致していない。
本実施形態では、パルス電圧VP2のピーク電圧を、FET61のゲート閾値電圧以上の低い値に設定することにより、パルス1回当たりの電流I2の電流量を制限する。そして、電気光学素子23の一方の電極に対し、複数回に分けて電荷を少量ずつ放電することにより、駆動電圧Vdの立ち下がり時における階段状の電圧波形を生成する。
具体的には、図6(a)に示されるように、まずパルス電圧生成回路17からパルス電圧VP1が1つだけ入力される。スイッチング回路50では、このパルス電圧VP1に応じて、FET51がオン状態となり、パルス電圧VP1のピーク電圧値に比例する大きさの電流I11が、パルス電圧VP1の時間幅と同じ時間だけ電気光学素子23に供給され、電気光学素子23の一方の電極に蓄積される。このとき、図6(c)に示されるように、出力端41から出力される駆動電圧Vdの電圧値(すなわち電気光学素子23の電極電位)は、電流I11の大きさとその時間幅との積に応じた値を示すこととなる。具体的には、パルス電圧VP1が入力されると、出力端41における電圧値は、電流I11の大きさと時間幅との積に応じた電圧値を電圧値VLに加えた電圧値V1となる。なお、階段波パルスのピーク電圧である電圧値V1は、電圧VHと電圧VLとの電位差に近い(すなわち、電気光学素子23が飽和している)ことが望ましい。
その後、図6(b)に示されるように、パルス電圧生成回路17からパルス電圧VP2が複数回(図6(b)では2回)にわたって入力される。スイッチング回路60では、これらのパルス電圧VP2に応じて、複数回にわたってFET61がオン状態となり、パルス電圧VP2のピーク電圧値に比例する大きさの電流I21,I22が、パルス電圧VP2の時間幅と同じ時間だけ電気光学素子23から流出する。このとき、図6(c)に示されるように、出力端41における電圧値は、電流I21,I22の大きさとこれらの時間幅との積に応じた値を示すこととなる。具体的には、まず最初のパルス電圧VP2が入力されると、出力端41における電圧値は、先に述べた電圧値V1から、電流I21の大きさと時間幅との積に応じた電圧値を差し引いた電圧値V2となる。次に、所定の時間間隔を置いて2回目のパルス電圧VP2が入力されると、出力端41における電圧値は、電圧値V2から、電流I22の大きさと時間幅との積に応じた電圧値を差し引いた電圧値(例えばVLと同値)となる。
本実施形態では、例えば上述した構成を備える電圧供給部15をパルス光発生装置10が備えることによって、図2(b)や図2(c)に示されたような階段状の電圧波形を有する駆動電圧Vdを電気光学素子23に好適に印加することができる。
(第1の変形例)
上記実施形態の第1変形例として、電圧供給部15から印加される駆動電圧Vdの電圧波形の別の例について説明する。図7は、本変形例における電圧供給部15の動作を模式的に示す図である。また、図8(a)は入力端42aに入力される電圧の時間波形を示しており、図8(b)は入力端42bに入力される電圧の時間波形を示しており、図8(c)は出力端41における駆動電圧Vdの時間波形を示している。
本変形例では、上記実施形態と同様に、パルス電圧VP2のピーク電圧を、FET61のゲート閾値電圧以上の低い値に設定することにより、パルス1回当たりの電流I2の電流量を制限する。そして、電気光学素子23の一方の電極に対し、複数回に分けて電荷を少量ずつ放電することにより、駆動電圧Vdの立ち下がり時における階段状の電圧波形を生成する。
具体的には、図8(a)に示されるように、まずパルス電圧生成回路17からパルス電圧VP1が1つだけ入力される。これにより、図8(c)に示されるように、出力端41における駆動電圧Vdは電圧値V1となる。その後、図8(b)に示されるように、パルス電圧生成回路17からパルス電圧VP2が3回入力される。スイッチング回路60では、これらのパルス電圧VP2に応じて、3回にわたってFET61がオン状態となり、パルス電圧VP2のピーク電圧値に比例する大きさの電流I21,I22,I23が、パルス電圧VP2の時間幅と同じ時間だけ電気光学素子23から流出する。このとき、図8(c)に示されるように、出力端41における駆動電圧Vdは、まず電流I21の流出によって電圧値V3(<V1)となり、次に、電流I22の流出によって電圧値V4(<V3)となり、電流I23の流出によって電圧値VL(<V4)となる。
図4に示された電圧供給部15によれば、本変形例のように、パルス電圧VP2の入力回数を変更することによって、階段状の電圧波形の段数を任意に設定することができる。
(第2の変形例)
上記実施形態の第2変形例として、電圧供給部15から印加される駆動電圧Vdの電圧波形の更に別の例について説明する。図9は、本変形例における電圧供給部15の動作を模式的に示す図である。また、図10(a)は入力端42aに入力される電圧の時間波形を示しており、図10(b)は入力端42bに入力される電圧の時間波形を示しており、図10(c)は出力端41における駆動電圧Vdの時間波形を示している。
本変形例では、上記実施形態と異なり、駆動電圧Vdの立ち下がり時だけでなく、立ち上がり時においても階段状の電圧波形を生成する。すなわち、パルス電圧VP1のピーク電圧をFET51のゲート閾値電圧以上の低い値に設定することにより、パルス1回当たりの電流I1の電流量を制限する。そして、電気光学素子23の一方の電極に対し、複数回に分けて電荷を少量ずつ充電することにより、駆動電圧Vdの立ち上がり時における階段状の電圧波形を生成する。
具体的には、図10(a)に示されるように、まずパルス電圧生成回路17からパルス電圧VP1が複数回(図10(a)では3回)にわたって入力される。スイッチング回路50では、これらのパルス電圧VP1に応じて、複数回にわたってFET51がオン状態となり、パルス電圧VP1のピーク電圧値に比例する大きさの電流I11,I12,I13が、パルス電圧VP1の時間幅と同じ時間だけ電気光学素子23に供給され、電気光学素子23の一方の電極に蓄積される。このとき、図10(c)に示されるように、出力端41から出力される駆動電圧Vdは、電流I11,I12,I13の大きさとこれらの時間幅との積に応じた値を示すこととなる。具体的には、まず最初のパルス電圧VP1が入力されると、出力端41における駆動電圧Vdは、電流I11の大きさと時間幅との積に応じた電圧値を電圧値VLに加えた電圧値V5となる。次に、所定の時間間隔を置いて2回目のパルス電圧VP1が入力されると、出力端41における駆動電圧Vdは、電流I12の大きさと時間幅との積に応じた電圧値を電圧値V5に加えた電圧値V6となる。そして、更に所定の時間間隔を置いて3回目のパルス電圧VP1が入力されると、出力端41における駆動電圧Vdは、電流I13の大きさと時間幅との積に応じた電圧値を電圧値V6に加えた電圧値V7となる。
その後、上記実施形態と同様、パルス電圧生成回路17からパルス電圧VP2が複数回(図10(b)では2回)にわたって入力される。スイッチング回路60では、これらのパルス電圧VP2に応じて、複数回にわたってFET61がオン状態となり、電流I21,I22が電気光学素子23から流出する。そして、出力端41における駆動電圧Vdは、先に述べた電圧値V7から電流I21の大きさと時間幅との積に応じた電圧値を差し引いた電圧値V8となり、次いで、電圧値V8から電流I22の大きさと時間幅との積に応じた電圧値を差し引いた電圧値(例えばVLと同値)となる。
本変形例のように、例えば図4に示された電圧供給部15へのパルス電圧VP1の入力回数を複数回とすることによって、駆動電圧Vdの立ち上がり時における電圧波形を階段状にすることができ、また、パルス電圧VP1の入力回数に応じてその段数を任意に設定することができる。なお、本変形例において、パルス電圧VP2の入力回数を1回のみとし、駆動電圧Vdの立ち下がりを階段状ではなく瞬時に行ってもよい。
(第3の変形例)
上記実施形態の第3変形例として、電圧供給部15から印加される駆動電圧Vdの電圧波形の更に別の例について説明する。図11は、本変形例における電圧供給部15の動作を模式的に示す図である。また、図12(a)は入力端42aに入力される電圧の時間波形を示しており、図12(b)は入力端42bに入力される電圧の時間波形を示しており、図12(c)は出力端41における駆動電圧Vdの時間波形を示している。
本変形例では、駆動電圧Vdの階段状の電圧波形として、複数の段のそれぞれにおいて任意の電圧値を有する波形を生成する。すなわち、パルス電圧VP1及びVP2のピーク電圧を、FET51,61のゲート閾値電圧以上の低い値に設定することにより、パルス1回当たりの電流量を制限する。そして、電気光学素子23の一方の電極に対し、充電と放電とを任意の順番で繰り返すことにより、複数の段のそれぞれにおいて任意の電圧値を有する電圧波形を生成する。
一例を挙げると、図12(a)に示されるように、まずパルス電圧生成回路17からパルス電圧VP1が2回入力される。スイッチング回路50では、これらのパルス電圧VP1に応じて、2回連続してFET51がオン状態となり、パルス電圧VP1のピーク電圧値に比例する大きさの電流I11,I12が、パルス電圧VP1の時間幅と同じ時間だけ電気光学素子23に供給され、電気光学素子23の一方の電極に蓄積される。このとき、図12(c)に示されるように、出力端41から出力される駆動電圧Vdは、まず電流I11の供給によって電圧値V9(>VL)となり、次に、電流I12の供給によって電圧値V10(>V9)となる。
続いて、パルス電圧生成回路17からパルス電圧VP2が1回入力され、その後、パルス電圧VP1が1回入力される。スイッチング回路60,50では、これらのパルス電圧VP2,VP1に応じて、FET61,51が断続的にオン状態となる。これにより、パルス電圧VP2のピーク電圧値に比例する大きさの電流I21がパルス電圧VP2の時間幅と同じ時間だけ電気光学素子23から流出したのち、パルス電圧VP1のピーク電圧値に比例する大きさの電流I13がパルス電圧VP1の時間幅と同じ時間だけ電気光学素子23に供給される。このとき、図12(c)に示されるように、出力端41から出力される駆動電圧Vdは、まず電流I21の流出によって電圧値V9(<V10)となり、次に、電流I13の供給によって電圧値V10(>電圧値V9)に戻る。
最後に、パルス電圧生成回路17からパルス電圧VP2が2回入力される。スイッチング回路60では、これらのパルス電圧VP2に応じて、2回にわたってFET61がオン状態となり、電流I22,I23が電気光学素子23から流出する。このとき、図12(c)に示されるように、出力端41における駆動電圧Vdは、まず電流I22の流出によって電圧値V9(<V10)となり、次に、電流I23の流出によって電圧値VL(<V9)となる。
なお、図11及び図12に示された動作は本変形例の一例であって、パルス電圧生成回路17は、パルス電圧VP1及びVP2の各入力を、任意の順序で繰り返すことができる。そして、任意のタイミングで電圧値の上昇若しくは下降を繰り返す、任意の階段状電圧波形を好適に生成することができる。
(第1の実施例)
ここで、上述した第3変形例に関する実施例について説明する。いま、n段(nは2以上の整数)の電圧波形を有する駆動電圧Vdを電気光学素子23に印加したとき、パルス光発生装置10から出力される第n番目で出力されるパルス光P1のエネルギGは、
n=2のとき:G=A×(I−I)/I
n≧3のとき:G=B×Gn−1×In−1×(I−I)/(I−In−1)/I
となる。但し、Aは1段目で増幅されたパルス光P1のエネルギ、Bは光共振器を1往復した際の利得、Iは駆動電圧Vdの第n段目における電圧値である。なお、上式では、光共振器を1往復した際の利得は常に一定であり、駆動電圧Vdの電圧値と光共振器内のQ値は比例関係にあると仮定している。また、IはQ値が最も高くなる最大電圧値を仮定している。
図13〜図15は、一例として、4段(すなわちn=4)の階段状波形を有する駆動電圧Vdを電気光学素子23に印加して、任意のエネルギを有する4本のパルス光P1を出力させる場合の駆動電圧Vdの計算結果を示すグラフである。また、図16は、比較例として、矩形状波形(すなわちn=1)を有する駆動電圧Vdを電気光学素子23に印加して、1本のパルス光P1を出力させる場合の計算結果を示すグラフである。図13〜図16において、横軸は時間を表し、縦軸は駆動電圧Vdの電圧値およびパルス光P1の光強度(共に任意単位。駆動電圧Vdの電圧値は、第1段目の電圧値を1としている)を表している。なお、この例では、利得Bを2として計算した。
図13は、4本のパルス光P1のエネルギG〜Gの比G:G:G:Gを1:1:1:1として駆動電圧Vdを計算した結果を示している。また、図14は、比G:G:G:Gを4:1:3:2として駆動電圧Vdを計算した結果を示している。また、図15は、比G:G:G:Gを1:4:2:3として駆動電圧Vdを計算した結果を示している。図13〜図15に示されるように、上記第3変形例では、階段状電圧波形の各段における電圧値を適切に設定することによって、複数本のパルス光P1それぞれのエネルギ比(光強度比)を自在に制御することができる。換言すれば、一回の共振動作毎に光共振器から取り出される複数のパルス光P1が、互いに光強度が異なる2以上のパルス光を含むこととなる。
例えば、パルス光P1を用いて多層膜を除去する際、多層膜を構成する各層の膜材料がそれぞれ異なると、1パルスのパルス光P1のみではこれらの膜材料を十分に除去することが難しい。本実施例によれば、複数本のパルス光P1のエネルギをそれぞれ任意の大きさに設定することができるので、各層の膜材料に適したエネルギのパルス光P1を各層に照射することができる。
(第2の実施例)
図17は、上記実施形態に関する実施例として、複数本のパルス光P1の出力結果を示すグラフである。図17において、横軸上段は、一回の共振動作で生成されたパルス光P1の本数を表しており、横軸下段は、一回の共振動作で生成された複数のパルス光P1から成るパルス列の時間幅(単位:ns)を表している。また、縦軸は、パルス列の総エネルギ(単位:μJ)を表している。なお、丸形のプロットは繰返し周波数1kHzでの結果を示しており、菱形のプロットは繰返し周波数10kHzでの結果を示している。
また、繰返し周波数1kHzでの動作条件及び結果を以下に示す。なお、本実施例では、図6(c)に示された電圧波形を有する駆動電圧Vdを電気光学素子23に印加した。そして、駆動電圧Vdの第1段目の電圧値V1を3.6kVとし、第2段目の電圧値V2を1.3kVとした。
(パターン1)
駆動電圧Vdの第1段目の時間幅:100ns
駆動電圧Vdの第2段目の時間幅:50ns
パルス列エネルギ:770μJ
パルス列幅:40ns
LD電流:40.5A
(パターン2)
駆動電圧Vdの第1段目の時間幅:100ns
駆動電圧Vdの第2段目の時間幅:100ns
パルス列エネルギ:890μJ
パルス列幅:92ns
LD電流:40.5A
(パターン3)
駆動電圧Vdの第1段目の時間幅:100ns
駆動電圧Vdの第2段目の時間幅:150ns
パルス列エネルギ:1120μJ
パルス列幅:140ns
LD電流:40.5A
(パターン4)
駆動電圧Vdの第1段目の時間幅:100ns
駆動電圧Vdの第2段目の時間幅:200ns
パルス列エネルギ:1460μJ
パルス列幅:186ns
LD電流:40.5A
(パターン5)
駆動電圧Vdの第1段目の時間幅:100ns
駆動電圧Vdの第2段目の時間幅:400ns
パルス列エネルギ:1300μJ
パルス列幅:376ns
LD電流:34.5A
(パターン6)
駆動電圧Vdの第1段目の時間幅:100ns
駆動電圧Vdの第2段目の時間幅:900ns
パルス列エネルギ:1045μJ
パルス列幅:350ns
LD電流:31A
図17に示されるように、パルス列の時間幅を40ns〜400nsの間で変化させることができ、また、パルス光P1の数を4〜30の間で変化させることができた。また、繰返し周波数1kHzのとき、最大で総エネルギ1.4mJの出力が得られた。なお、繰返し周波数10kHzのときは、総エネルギの最大値は300uJ程度であった。
図18〜図22は、繰返し周波数1kHzのときの上述したパターン1,2,4〜6に対応するパルス光P1の実測結果を示すグラフである。図中のグラフG11は増幅過程を示す。共振器のエンドミラーの裏に設置されたフォトダイオードの電気信号であり、共振器内に閉じ込められた種パルスが徐々に増幅されていく様子を示す。グラフG12はパルス光発生装置10から出力された光の強度変化(具体的には、出力光を受けたフォトダイオードから出力された電気信号量)を示し、グラフG13は駆動電圧Vdの印加時間(第1段目の時間幅と第2段目の時間幅との和)を示す信号値を示している。但し、第1段目の時間幅(100ns)は一定である。
図18〜図22に示されるように、上記実施形態のパルス光発生装置10によって、任意のパルス列幅およびパルス本数を有する複数のパルス光P1を好適に生成することができる。また、駆動電圧Vdの第2段目の時間幅を長くすることにより、パルス列幅を例えば共振器長よりも長い数百nsといった長さにすることができる。
本発明によるパルス光発生装置は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上述した実施形態において、種光源12と光増幅部11との間に、パルス伸張器が設置されていても良い。この場合、種光P2のパルス幅が10ps〜1000ps程度に伸張されていることが望ましい。
また、上述した実施形態において、光取り出し部にパルス圧縮器が設置されていても良い。パルス圧縮器は、光増幅部11から光増幅されて出力されるパルス光P1のパルス幅を圧縮して、その圧縮後のパルス光を出力する。パルス圧縮器から出力されるパルス光は、ピークパワーが高いものとなる。なお、パルス圧縮器では、グレーティング間の距離が自動的に変更可能であることが望ましい。そして、パルス幅は、100fs〜1000psの間で変更可能であることが望ましい。
また、上述した実施形態では、第1及び第2のトランジスタとして電界効果トランジスタ(FET)が例示されているが、第1及び第2のトランジスタは、例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)であってもよい。IGBTでは、FETと同様に、コレクタ−エミッタ電圧が高い場合にはゲート入力電圧に応じて電流量が増加するからである。その場合、上述した各実施形態において、ドレインはコレクタに置き換えられ、ソースはエミッタに置き換えられる。
10…パルス光発生装置、11…光増幅部、12…種光源、13…光取り出し部、14…エネルギ供給部、15…電圧供給部、16…シャッタ、17…パルス電圧生成回路、21…ゲイン媒質、22…ミラー、23…電気光学素子、24…λ/4波長板、25,26…偏光ビームスプリッタ、27…偏光回転子、28…ファラデーローテータ、50,60…スイッチング回路、70…基準電位線、P1…パルス光、P2…種光、Vd…駆動電圧、VP1,VP2…パルス電圧。

Claims (5)

  1. パルス光を共振させる光共振器と、
    前記光共振器の共振光路上に配置され前記パルス光を増幅するゲイン媒質と、
    前記ゲイン媒質に励起エネルギを供給するエネルギ供給部と、
    前記パルス光の元となるパルス状の種光を周期的に前記光共振器へ提供する種光源と、
    前記共振光路上に設けられ、電気光学効果によって前記パルス光の偏光状態を制御する電気光学素子と、
    前記共振光路上に設けられ、前記パルス光をその偏光状態に応じて選択的に反射または透過する偏光ビームスプリッタと、
    前記電気光学素子にパルス状の駆動電圧を印加する電圧供給部と
    を備え、
    前記電圧供給部が、階段状の電圧波形を有する前記駆動電圧を前記電気光学素子に印加することにより、一回の共振につき複数の前記パルス光が前記光共振器から前記偏光ビームスプリッタを介して取り出されることを特徴とする、パルス光発生装置。
  2. 前記電圧供給部において、前記階段状の電圧波形の段数、各段の電圧、および各段の時間幅のうち少なくとも一つが可変であることにより、一回の共振動作毎に前記光共振器から取り出される前記複数のパルス光のパルス数および前記複数のパルス光からなるパルス列の長さのうち少なくとも一方を変更可能であることを特徴とする、請求項1に記載のパルス光発生装置。
  3. 前記電圧波形は、第1の電圧値が印加される第1の期間と、前記第1の電圧値よりも低い第2の電圧値が印加される第2の期間とを含み、
    前記第2の期間の長さが可変であることにより、一回の共振動作毎に前記光共振器から取り出される前記複数のパルス光のパルス数および前記複数のパルス光からなるパルス列の長さを変更可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載のパルス光発生装置。
  4. 一回の共振動作毎に前記光共振器から取り出される前記複数のパルス光が、互いに光強度が異なる2以上のパルス光を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパルス光発生装置。
  5. 前記電圧供給部は、
    前記電気光学素子に前記駆動電圧を出力する出力端と、
    第1の定電圧を供給する第1の定電位線と、
    前記出力端に一方の電流端子が接続され、前記第1の定電位線に他方の電流端子が接続された第1のトランジスタと、
    入力側コイル及び出力側コイルを有し、前記出力側コイルが前記第1のトランジスタの制御端子に接続された第1の変圧器と、
    前記第1の変圧器の前記入力側コイルの一端に第1の容量素子を介して接続され、第1のパルス電圧が入力される第1の入力端と、
    前記第1の定電圧より低い第2の定電圧を供給する第2の定電位線と、
    前記出力端に一方の電流端子が接続され、前記第2の定電位線に他方の電流端子が接続された第2のトランジスタと、
    入力側コイル及び出力側コイルを有し、前記出力側コイルが前記第2のトランジスタの制御端子に接続された第2の変圧器と、
    前記第2の変圧器の前記入力側コイルの一端に第2の容量素子を介して接続され、第2のパルス電圧が入力される第2の入力端とを備え、
    前記第1及び第2のパルス電圧によって前記第1及び第2のトランジスタの制御端子に入力されるパルス電圧の大きさが、前記第1及び第2のトランジスタそれぞれの閾値電圧以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパルス光発生装置。
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