JP2014077868A - 反射スクリーン、映像表示システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反射スクリーン10は、映像光Lを反射する反射層12と、反射スクリーン10の厚み方向において反射層12よりも映像源側に設けられ、単位光学形状141が映像源側の面に複数配列された表面層14とを備えるものとした。単位光学形状141は、第1の面142と、第2の面143とを有し、映像源側に凸となり、反射スクリーン10の使用状態において、第1の面142の方が第2の面143よりも単位光学形状141の配列方向において映像源側に位置し、スクリーン面に平行な面と第1の面142及び第2の面143とがなす角度をそれぞれ、α、βとするとき、α<βという関係を満たすものとした。
【選択図】図2
Description
このような短焦点型の映像投射装置によって投射された映像光を良好に表示するために、単位レンズが複数配列されて形成されたリニアフレネルレンズ形状やサーキュラーフレネルレンズ形状を有するレンズ層の表面に反射層を形成した反射スクリーン等が様々に開発されている(例えば、特許文献1)。
このような天井への映像光の反射は、特に暗室環境下等ではその明るさが目立って視認され、映像の快適な視認の妨げとなるという問題があった。また、投射された映像が特に動画である場合には、天井の映り込み部分にも不明瞭ではあるが動画が視認されるため、映像の快適な視認の妨げとなるという問題があった。
特許文献1には、そのような天井への映像光の反射や映像の写り込みに対する対策は、開示されていない。
請求項1の発明は、映像源から投影された映像光を反射させて観察可能に表示する反射スクリーンであって、映像光を反射する反射層(12)と、前記反射層よりも該反射スクリーンの厚み方向において映像源側に設けられ、単位光学形状(141)が映像源側の面に複数配列されて形成された表面層(14)と、を備え、前記単位光学形状は、レンズ面(142)と、非レンズ面(143)とを有し、映像源側に凸であり、該反射スクリーンの使用状態における前記単位光学形状の配列方向において、前記レンズ面が前記非レンズ面よりも映像源側に位置し、スクリーン面に平行な面と前記レンズ面及び前記非レンズ面とがなす角度をそれぞれ、α、βとするとき、α<βという関係を満たすこと、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、前記単位光学形状(141)は、画面左右方向を稜線方向とし、画面上下方向に複数配列され、リニアフレネルレンズ形状を形成していること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項3の発明は、請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、前記単位光学形状(141)は、同心円状に配列され、サーキュラーフレネルレンズ形状を形成していること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記反射層(12)は、その反射面がスクリーン面に平行又は略平行な平面状であること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーン(10)と、前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示システム(1)である。
また、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、このような使い分けには、技術的な意味は無い。従って、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
また、本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
図1は、本実施形態の映像表示システム1を示す図である。図1(a)は、映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示システム1の側面図である。
映像表示システム1は、反射スクリーン10、映像源LS等を有している。本実施形態の映像表示システム1は、映像源LSから投影された映像光Lを反射スクリーン10が反射して、その画面上に映像を表示する一般的な映像表示システムである。
この映像表示システム1は、フロントプロジェクションテレビシステム等として用いることが可能である。また、映像表示システム1は、反射スクリーン10と映像源LSと反射スクリーンの観察画面上の入力部の位置を検出する位置検出部やパーソナルコンピュータ等を備えたインタラクティブボードシステムとしてもよい。
なお、スクリーン面とは、この反射スクリーン10全体として見たときにおける、反射スクリーン10の平面方向となる面を示すものであるとする。
映像源LSは、反射スクリーン10の画面に直交する方向(反射スクリーン10の厚み方向)における反射スクリーン10との距離が、従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から映像光Lを投射できる。即ち、この映像源LSは、従来の汎用プロジェクタに比べて、反射スクリーン10までの投射距離が短く、その映像光Lの反射スクリーン10に対する入射角度が大きい。
この反射スクリーン10は、例えば、対角80インチや100インチ等の大きな画面(表示領域)を有している。また、この反射スクリーン10に入射する映像光の入射角度は、画面上下方向において、約40〜80°であり、前述のように、従来の反射スクリーンに比べて、その入射角度が大きい形態となっている。
反射スクリーン10は、その映像源側(観察者側)から順に、表面層14、基材層13(着色層132、光拡散層131)、反射層12、光吸収層11等を備えている。
この基材層13は、光拡散層131と着色層132とを備えている。本実施形態の基材層13は、光拡散層131と着色層132とが一体に積層されており、図2に示すように、光拡散層131が背面側であり、着色層132が映像源側に位置している。なお、この例に限らず、光拡散層131が映像源側に位置し、着色層132が背面側に位置する形態としてもよい。
光拡散層131の母材となる樹脂は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、アクリル系樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂等を用いることができる。
光拡散層131に含まれる拡散材としては、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコン系等の樹脂製の粒子や無機粒子等であり、その平均粒径が約1〜50μmであるものを用いることができる。
この光拡散層131の厚さは、反射スクリーン10の画面サイズ等にも依るが、100〜200μmとすることが好ましい。
着色層132の着色剤としては、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等を用いることができる。
着色層132の母材となる樹脂は、PET樹脂や、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、アクリル系樹脂、TAC樹脂、PEN樹脂等を用いることができる。
着色層132は、反射スクリーン10の画面サイズ等にも依るが、厚さを30〜3000μmとすることが好ましい。
さらに、光拡散層131と着色層132とは、それぞれ別々に成形され、不図示の接合層等で貼合されていてもよいし、反射スクリーン10の厚み方向における位置も、適宜自由に選択してよい。
反射層12は、基材層13の背面側の面に、アルミニウムや銀、ニッケル等の光反射性の高い金属を蒸着することにより形成することができる。また、反射層12は、これに限らず、例えば、アルミニウムや銀、ニッケル等の光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、これらの金属箔を転写して形成してもよいし、白色又は銀色系の塗料や、白色又は銀色系の顔料やビーズ等を含有する紫外線硬化型樹脂又は熱硬化性樹脂、銀やアルミニウム等の金属蒸着膜や金属箔等を粉砕した粒子や微小なフレークを含む塗料等を、基材層13の背面側の面に塗布又は印刷して硬化させることにより形成してもよい。
光吸収層11は、黒色等の暗色系の塗料等や、黒色等の暗色系の顔料や染料及び光吸収作用を有するビーズ等を含有する熱硬化型樹脂もしくは紫外線硬化型樹脂を、反射層12の背面側(フレネルレンズ形状側)に塗布して硬化させることにより、形成される。この光吸収層11の厚さは、例えば、約30〜200μmとすることができる。
図3は、本実施形態の表面層14を説明する図である。
図3(a)は、表面層14の一部をスクリーン面の法線方向の映像源側から見た図であり、図3(b)は、表面層14の画面上下方向及び厚み方向に平行な断面の一部の拡大図である。
表面層14の映像源側表面には、複数の単位光学形状141が配列された表面形状を有している。
単位光学形状141は、映像源側に凸となる形状である。本実施形態では、単位光学形状141は、画面左右方向を長手方向(稜線方向)とし、画面上下方向に複数配列されている。即ち、本実施形態の表面層14の映像源側表面には、所謂、リニアフレネルレンズ形状が形成されている。
また、図3(b)に示すように、第1の面142がスクリーン面に平行な面となす角度は、αであり、第2の面143がスクリーン面に平行な面となす角度は、β(ただし、β>α)である。
また、単位光学形状141の配列ピッチは、Pであり、単位光学形状141のレンズ高さ(スクリーンの厚み方向における頂点tから単位光学形状141間の谷底となる点vまでの寸法)は、Hである。
映像源LSから投射された映像光は、主として第1の面142に入射して、第1の面142と空気との界面で屈折して反射スクリーン10内を背面側へ進む。また、反射層12で反射された映像光は、第1の面142と空気との界面で屈折して、観察者O側へ出射する。
なお、これに限らず、配列ピッチPが、単位光学形状141の配列方向に沿って次第に変化する形態としてもよく、映像光を投影する映像源LSの画素(ピクセル)の大きさや、映像源LSの投射角度(反射スクリーン10のスクリーン面への映像光の入射角度)、反射スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
さらに、表面層14は、熱可塑性樹脂を用いてプレス成形等により形成してもよい。このような表面層14の場合には、不図示の接合層等を介して、基材層13の映像源側に一体に積層される形態としてもよい。表面層14の形成方法は、単位光学形状141の形状や、単位光学形状141によって表面層14に形成される光学形状に応じて適宜選択してよい。
図4は、別の実施形態の表面層14について説明する図である。
図4に示すように、表面層14は、点Cを中心として単位光学形状141が同心円状に複数配列された形態としてもよい。このとき、表面層14は、所謂、サーキュラーフレネルレンズ形状をその映像源側に有している。このサーキュラーフレネルレンズ形状は、その光学的中心(フレネルセンター)である点Cが、反射スクリーン10の画面(表示領域)の領域外であって、反射スクリーン10の下方に位置している形態とすることが、本実施形態の短焦点型の映像源LSに対応した反射スクリーン10において、映像の明るさの面内均一性を向上させる等の観点から好ましい。
図2に示すように、映像源LSから投影された大部分の映像光L1は、反射スクリーン10の下方から入射し、表面層14の単位光学形状141の第1の面142と空気との界面で屈折し、反射スクリーン10内を背面側へ進む。そして、基材層13を透過して反射層12によって反射され、映像源側へ進み、単位光学形状141の第1の面142と空気との界面で屈折して、反射スクリーン10から出射する。従って、映像光L1は、効率よく反射され、観察者Oに届く。また、映像光L1は、光拡散層131によって拡散されるので、十分な視野角を実現できる。
また、表面層の映像源側の表面にマット形状等のような拡散作用を有する形状を付与して、天井への映り込みを抑制しようとする反射スクリーン等に比べて、本実施形態の反射スクリーン10では、表面層14が複数の単位光学形状141からなる表面形状を備えているので映像光L1が不要に拡散されることがなく、像ぼけやコントラストの低下等を防止できる。
従って、照明光等の外光は、観察者O側には直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。従って、反射スクリーン10では、外光による映像のコントラスト低下を抑制できる。
以上のことから、本実施形態の反射スクリーン10によれば、明室環境下であっても、コントラストが高く明るく良好な映像を表示できる。
図5は、本実施形態の表面層14の作用を説明する図である。図5(a)は、本実施形態の反射スクリーン10での映像光の反射の様子を示し、図5(b)は、本実施形態の反射スクリーン10の表面層14での映像光の反射を説明する図であり、図5(c)は比較例の表面層74を備える反射スクリーン70での映像光の反射の様子を示し、図5(d)は、比較例の反射スクリーン70の表面層74での映像光の反射を説明する図である。図5では、実施例及び比較例の反射スクリーン10,70の画面上下方向及び厚み方向に平行な断面において、その層構成を適宜簡略化して示している。
従って、天井に到達する反射光L4の光束密度が小さくなるので、本実施形態では、天井へ到達する反射光の光量が減り、また、天井で結像する映像の鮮明性が低下し、天井への映像光の映り込みを低減することができる。
また、本実施形態によれば、表面層14の単位光学形状により、映像光の光線方向が制御されるので、従来の短焦点型の反射スクリーンのように反射層12をフレネルレンズ形状のレンズ面等に形成しなくともよく、層を少なくして薄型化、低コスト化を実現することができる。
さらに、本実施形態によれば、表面にマット形状を有する表面層を備えたもの等に比べて、観察者に届く映像光L1の不要な拡散を防止でき、像ボケを抑制できる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態において、表面層14は、ハードコート機能、天井への映像光の映り込み低減機能等を備える例を示したが、これに限らず、反射防止機能や防眩機能、紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等を適宜選択してさらに付与してもよい。これらの層は、その機能に応じて表面層14と基材層13との間に別層として設けてもよいし、表面層14を形成する樹脂に、上述の機能を有するものを選択して形成してもよい。
図6は、変形形態の反射スクリーンの層構成を示す図である。
例えば、反射スクリーン10は、図6(a)に示すように、基材層13の背面側に設けられ、その背面側に、単位レンズ251が配列されて形成されるリニアフレネルレンズ形状やサーキュラーフレネルレンズ形状を有するレンズ層25を備え、反射層22がその単位レンズの少なくともレンズ面に形成される反射スクリーン20のような形態としてもよい。このような形態とすることにより、より正面方向から見た場合の映像の明るさや、画面の明るさの均一性等を向上することができる。
単位レンズ251は、図6(a)に示すように、スクリーン面に直交する方向(反射スクリーン10の厚み方向)に平行であって単位レンズ251の配列方向に沿った断面における断面形状が、略三角形形状である。この単位レンズ251は、背面側に凸であり、レンズ面252と、非レンズ面253とを備え、反射スクリーンの使用状態において、レンズ面252が頂点を挟んで非レンズ面253よりも鉛直方向上側に位置している形態となっている。
この異方性拡散層は、例えば、針状や楕円状等の拡散材を含有し、その拡散材の長手方向や長軸方向が画面上下方向に平行となるように配向されて形成された樹脂製の層である。
このような異方性拡散層を備えることにより、映像光は画面左右方向に拡散され、画面左右方向の視野角を十分確保することができる。
さらに、本実施形態において、反射スクリーン10は、使用時及び不使用時には略平板状である例を示したが、これに限らず、不使用時には巻き取って保管できる巻き取り可能な形態としてもよい。このような形態の場合には、支持板50等を設けず、反射スクリーン10の背面側を、光を透過しにくい布製又は樹脂製の遮光幕や耐傷性を向上させる保護層等で被覆する形態としてもよい。
このとき、反射スクリーン10は、図2等に示す表面層14の上下方向を反転させた形態とすればよい。この場合には、上方から投射された映像光が反射スクリーン表面で反射することによる床面等への映像の映りこみを低減できる。
10 反射スクリーン
11 光吸収層
12 反射層
13 基材層
131 光拡散層
132 着色層
14 表面層
141 単位光学形状
LS 映像源
Claims (5)
- 映像源から投影された映像光を反射させて観察可能に表示する反射スクリーンであって、
映像光を反射する反射層と、
前記反射層よりも該反射スクリーンの厚み方向において映像源側に設けられ、単位光学形状が映像源側の面に複数配列されて形成された表面層と、
を備え、
前記単位光学形状は、レンズ面と、非レンズ面とを有し、映像源側に凸であり、該反射スクリーンの使用状態における前記単位光学形状の配列方向において、前記レンズ面が前記非レンズ面よりも映像源側に位置し、
スクリーン面に平行な面と前記レンズ面及び前記非レンズ面とがなす角度をそれぞれ、α、βとするとき、α<βという関係を満たすこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
前記単位光学形状は、画面左右方向を稜線方向とし、画面上下方向に複数配列され、リニアフレネルレンズ形状を形成していること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
前記単位光学形状は、同心円状に配列され、サーキュラーフレネルレンズ形状を形成していること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層は、その反射面がスクリーン面に平行又は略平行な平面状であること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンと、
前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源と、
を備える映像表示システム。
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- 2012-10-10 JP JP2012225045A patent/JP6127435B2/ja active Active
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