JP2014077675A - 放射性物質による汚染土の除染用ミニプラント - Google Patents

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Abstract

【課題】放射性物質を周囲に拡散させるおそれがきわめて少ない放射性物質による汚染土の除染用ミニプラントを提供する。
【解決手段】ミニプラント10によれば、防護カバー5で覆った状態の除染システム1を構成する除染撹拌機、撹拌吸着フロックタンクなどと、サブシステム500を構成する焼却炉、乾燥炉などとを4トントラック4の荷台に搭載して現地に向かい、該現地にて、除染システム1で放射性物質による汚染土を除染するとともに、サブシステム500で浮遊物等の木質系材料を焼却し、スラッジを乾燥する。
【選択図】図2

Description

本発明は、放射性物質による汚染土を除染するためのミニプラントに関するものである。
去る平成23年3月11日にわが国の東北・関東地方を襲ったマグニチュード(M)9もの大地震では、原子力発電の安全神話があっさりと覆されてしまった、すなわち、原子力発電所での核燃料のメルトダウンの結果、環境、特に原子力発電所まわりの広大な領域の土壌が放射性物質(セシウム等)で汚染されるにいたった。
これらの地域を有効に除染することが試みられているが、多量の土壌の処理と貯蔵とを必要とするため困難である。すなわち、除染とは、通常汚染土を掘り出して別の貯蔵場所に移動するという時間と費用のかかるプロセスのことであった。
しかし、わが国は世界で唯一の被爆国であることから、放射性物質に対する国民感情は完全に否定的なものである。このため、汚染土を掘り出して別の貯蔵場所に移動するにしても、貯蔵場所を提供しようとする周辺自治体は現在のところ皆無である。
従来、その種の問題を解決するべく、汚染土から放射性物質を除去する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
ここでは、汚染土をふるい分けた上で、これと液体でスラリーを作り、スラリーを洗浄して大径粒子の表面から微粒子を洗い落とし、向流状態の液体を利用してスラリー中の大径粒子から微粒子を分粒し、それにより微粒子を廃棄流の一部として液体に同伴させ、微粒子からデブリを除去して汚染微粒子流を生じさせ、密度分離器等により、汚染微粒子から放射性物質を分離する。
しかしながら、上記特許文献1では、汚染土をふるい分けた上で、これと液体でスラリーを作っているので、そのふるい分け中に放射性物質を周囲に拡散させるおそれがある。
また、汚染土を掘り出して当該方法の実施場所に移動することとなるが、その移動中においても放射性物質を周囲に拡散させるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、放射性物質を周囲に拡散させるおそれがきわめて少ない放射性物質による汚染土の除染用ミニプラントを提供することを目的とする。
ところで、汚染土の除染により発生する固体廃棄物は減容等することになるが、そのために当該固体廃棄物を専用施設に移動したのでは、その移動中において放射性物質を周囲に拡散させるおそれがある。そこで、本発明は、放射性物質による汚染土を除染するためのミニプラントであって、少なくとも放射性物質による汚染土に水を加えて撹拌機で撹拌する撹拌手段を防護カバーで覆った状態で備えた除染システムと、この除染システムから発生する可燃性の固体廃棄物を燃焼する燃焼手段と、この燃焼手段から発生する排ガスをフィルタリングするフィルタ手段とを移動手段に搭載したことを特徴とするものである。
本発明によれば、少なくとも放射性物質による汚染土に水を加えて撹拌機で撹拌する撹拌手段を防護カバーで覆った状態で備えた除染システムと、この除染システムから発生する可燃性の固体廃棄物を燃焼する燃焼手段と、この燃焼手段から発生する排ガスをフィルタリングするフィルタ手段とを移動手段に搭載したので、汚染土の除染により発生する可燃性の固体廃棄物をその場で処理することにより、放射性物質の閉じ込め性能と機動性とを確保できるミニプラントを構築することができる。
また、前記除染システムから発生する不燃性又は難燃性の固体廃棄物を乾燥する乾燥手段を前記移動手段にさらに搭載するとともに、この乾燥手段から発生する排ガスを前記フィルタ手段でフィルタリングするように構成することが好ましい。
この場合、前記除染システムから発生する不燃性又は難燃性の固体廃棄物を乾燥する乾燥手段を前記移動手段にさらに搭載するとともに、この乾燥手段から発生する排ガスを前記フィルタ手段でフィルタリングするように構成したので、汚染土の除染により発生する不燃性又は難燃性の固体廃棄物をもその場で処理することにより、放射性物質の閉じ込め性能と機動性とをより確保できるミニプラントを構築することができる。
また、前記除染システムから発生する可燃性の固体廃棄物は、例えば前記撹拌機で撹拌された汚染土に微細気泡を加えて該撹拌機内で比重分級したときに分離された汚染水中の木質系材料である。
この場合、前記除染システムから発生する可燃性の固体廃棄物は、前記撹拌機で撹拌された汚染土に微細気泡を加えて該撹拌機内で比重分級したときに分離された汚染水中の木質系材料であるので、かかる木質系材料を焼却して大幅に減容することができる。
また、前記不燃性又は難燃性の固体廃棄物は、例えば前記分離された汚染水に凝集剤を加えてタンク内で撹拌するとともに、この撹拌した汚染水を前記タンク内で静置したときに分離されたスラッジである。
この場合、前記不燃性又は難燃性の固体廃棄物は、前記分離された汚染水に凝集剤を加えてタンク内で撹拌するとともに、この撹拌した汚染水を前記タンク内で静置したときに分離されたスラッジであるので、かかるスラッジを乾燥して中間貯蔵に適した形態とすることができる。
また、前記移動手段はトラックであることが好ましい。
この場合、前記移動手段はトラックであるので、機動性をより確保できる。
本発明によれば、少なくとも放射性物質による汚染土に水を加えて撹拌機で撹拌する撹拌手段を防護カバーで覆った状態で備えた除染システムと、この除染システムから発生する可燃性の固体廃棄物を燃焼する燃焼手段と、この燃焼手段から発生する排ガスをフィルタリングするフィルタ手段とを移動手段に搭載したので、汚染土の除染により発生する可燃性の固体廃棄物をその場で処理することにより、放射性物質の閉じ込め性能と機動性とを確保できるミニプラントを構築することができる。
本発明の一実施形態に係る放射性物質による汚染土の除染システムの概念図である。 本実施形態に係るサブシステムの概念図である。 本実施形態に係る除染システム等を用いたミニプラントの概念図である。 本実施形態に係る除染システムの前段部分を示す説明図である。 本実施形態に係る除染システムの後段部分を示す説明図である。 撹拌機の構成を示す説明図であって、(a)は平面図、(b)は側断面図である。 本実施形態に係る除染システムの動作例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る除染システムの予備試験結果を示す説明図である。
本発明者は、後述する除染システム1を構築するにあたり、予備試験を行った。図7はその予備試験結果を示す説明図である。以下、図7を参照して説明する。
まず、放射性物質による汚染土を10gだけ用意した。その線量は、ゲルマニウム半導体検出器を用いて測定したものであり(以下、同じ)、セシウムで45,900Bq/kgであった。これに100gの水を加えて、撹拌・混合した。この撹拌・混合後に濾過して除染された土を6g分離した。
その線量はセシウムで3,500Bq/kgであった。残部にフロック(凝集剤)を2g加えて、凝集・沈殿した。この凝集・沈殿後にその沈殿物を濾過してスラッジを6g分離した。その線量はセシウムで47,400Bq/kgであった。残部は処理水となって、その線量はセシウムで0Bq/kgであった。
すなわち、汚染土に水を加えての混合・撹拌により除染された土の線量が1/10程度にまで下がり、それを元の土壌に戻すことができる目処がついた。また、汚染水については、さらにフロックを加えての凝集・沈殿によりスラッジを分離した後の除染水の線量が測定限界以下となったことも確認できた。
前記予備試験結果を踏まえ、除染システム1を構築する目処が一応ついた。しかしながら、かかる除染システム1を大災害の直後に現地に大規模なプラントとして建設するのでは、交通事情が悪化しており、作業員の確保、建設資材の調達等が非常に困難である。このため、緊急事態に到底対応できない。その一方で、現地から遠く離れたプラントまで、汚染土をトラックで運搬するとなると、運搬中に放射性物質が拡散してしまうおそれがあるから、その運搬自体が困難となるおそれがある。周囲よりも線量が著しく高い、いわゆるホットスポットが点在する場合には、なおさらである。また、汚染土の除染により発生する固体廃棄物は減容等して最終処分することになるが、そのために当該固体廃棄物を専用施設に移動したのでは、その移動中において放射性物質を周囲に拡散させるおそれがある。
そこで、本発明者は、発想の転換を図り、予めトラック4に搭載可能なミニプラント10を多数作っておき、それらのトラック4を必要な台数だけ現地(ホットスポット)に配送することで、真に実用的な除染システム1とサブシステム500とを構築することとした。以下詳述する。図1Aは本発明の一実施形態に係る放射性物質による汚染土の除染システム1の概念図、図1Bは本実施形態に係るサブシステム500の概念図、図2はそれらを搭載したトラック4からなるミニプラント10の概念図である。
本発明の一実施形態に係る除染システム1は、図1Aに示すように、主たる要素としての除染撹拌機(撹拌手段、撹拌機に相当する。)12、振動ふるい14、撹拌吸着フロックタンク(タンクに相当する。)17、清水タンク19を、防護カバー5で覆われた状態で備えている。また、サブシステム500は、図1Bに示すように、焼却炉(燃焼手段に相当する。)510と、焼却灰容器515と、乾燥炉(乾燥手段に相当する。)と、乾燥スラッジ容器525と、セラミックフィルタ(フィルタ手段に相当する。)540aと、オフガス冷却器530と、オフガスフィルタ(フィルタ手段に相当する。)540と、オフガスブロア550とを備えている。ただし、サブシステム500は、その使用時に高温となるが気密性は担保されているから、除染システム1とは異なり、防護カバーで覆われていない。そして、除染システム1とサブシステム500の前記各要素を、図2に示すように、トラック(移動手段に相当する。)4の荷台に搭載している。このトラック4は、機動性のよい、いわゆる4トントラックであり、前記防護カバー5の外部に、ブロア6、フィルタ7、発電機2、電工ドラム3等をも備えている。
防護カバー5は、いわゆるグリーンハウスのように、透明フィルムなどからなっている。これにより、除染システム1の運転状況などを容易に視認できる。また、防護カバー5内の空気(雰囲気)をブロア6で吸引し、フィルタ7を通して外部に排出することにより、該防護カバー5内を換気可能としたので、防護カバー5内の空気中の放射性物質を除去して、安全に除染システム1の休止を行うとともに、メンテナンスをも行うことができる。フィルタ7としては、例えば高性能フィルタや(活性)炭などを利用するとよい。
発電機2は、除染システム1の200V電源を供給し、この発電機2から分電された電工ドラム3は、除染システム1の100V電源を供給するものである。200V電源の供給先は、振動ふるい14であり、100V電源の供給先は、除染撹拌機12、撹拌吸着フロックタンク17、清水タンク19のモータ、ポンプなどである。ただし、すべて100V(あるいは200V)電源から供給するようにしてもよい。ここでは、各要素(12,14,17,19)の発停操作等は、発電機2と電工ドラム3の機側で行うこととしているが、図示しない線量計の表示などを含めて前記各要素の発停操作等を包括的に行えるような専用の制御盤等を防護カバー5の外部に備えることとしてもよい。なお、サブシステム500の各要素(510,520,550)についても、発電機2、電工ドラム3からの電源供給を受けるとともに、同様の発停操作等を行うようになっている。
図3は本実施形態に係る除染システム1の前段部分を示す説明図、図4は本実施形態に係る除染システム1の後段部分を示す説明図である。また、図5は除染撹拌機12の詳細構成を示す説明図であって、(a)は平面図、(b)は側断面図である。
除染撹拌機12は、図3,図5に示すように、放射性物質による汚染土に水を加えて撹拌するものである。例えば蓋付のホッパ121だけが防護カバー5から突設しており、そこから投入された汚染土に加水して、最初から土ぼこりなどを極力発生させにくくしている。この加水された汚染土をホッパ121から本体122内に重力落下させて、該本体122内でモータ123により回転駆動される回転軸134に固定された複数枚のウィング124で、撹拌するようになっている。
また、本体122の内側には縦向きの抵抗板133が適宜位置に設けられており、この撹拌時に縦向きの水流を生じるようにしている。さらに、前記回転軸134にチェーンを介して連結された複数のアングル材130が揺れながら回転駆動されるようになっている。これにより、本体122の底部127aにたまった大径の固形物でその回転が邪魔されることなく、浮遊物等をキャッチして破砕するようになっている。
また、バブル発生装置127を、本体122の天井板128に形成された注入口129に接続している。この注入口129から本体122内の適所に配置されたノズル129aを介して、前記バブル発生装置127で発生させたマイクロバブル(微笑気泡に相当する。)を本体122内に注入することができるようになっている。これにより、撹拌後汚染水を比重分級して、除染後土砂と汚染水とに分離するようになっている。
そして、この除染後土砂は、本体122の底部127aの排出口131に接続された遠隔弁125を遠隔操作(或いは手動操作)で開くことで、その下方の振動ふるい14に排出するようになっている。また、この汚染水は、本体122の周面の排水口132に接続された遠隔弁126を遠隔操作(或いは手動操作)で開くことで、その下方の撹拌吸着フロックタンク17に直接排出するようになっている。なお、排出口131、排水口132等の具体的な数や配置等は、そこから排出される対象物の量や性質等に応じて適切に設定されている。
振動ふるい14は、図3に示すように、本体140上に弾性支持されて、振動モータ141で振動される振動スクリーン142を備えたものである。ここでは、前記遠隔弁125を介して排出された撹拌後汚染水を、振動モータ141で振動される振動スクリーン142にかけることにより、粒径砂以上の除染後土砂と、汚染水・粘土・シルト・微砂(汚染水等、単に汚染水ということもある。)とに分離するようになっている。この分離された除染後土砂はコンテナ143に収集され、汚染水等はコンテナ144に収集されるようになっている。そして、コンテナ143に収集された除染後土砂はそのまま搬出され、コンテナ144に収集された汚染水等はポンプ145で吸引して排出されるようになっている。
撹拌吸着フロックタンク17は、図4に示すように、タンク本体170の側面に上下3段のノズル171,171,171を備えるとともに、タンク本体170の上面に設けた撹拌モータ172で、タンク本体170内に設けた撹拌用インペラ173を回転駆動するようになっている。ここでは、前記ポンプ145で排出された汚染水等に、フロック(凝集剤)を加えて撹拌し、この撹拌した汚染水等を静置することにより、スラッジと除染後清水(除染水)とに分離するようになっている。
この分離されたスラッジはタンク本体170の下段のノズル171から排出されて、スラッジタンク174内に設置されたコンテナ175に収集される一方、除染後清水はタンク本体170の上段と中段のノズル171,171からそのまま排水されるようになっている。コンテナ175は水を加えられて洗浄されるようにもなっており、このコンテナ175からスラッジタンク174内に排出された除染後清水はポンプ176で吸引して排出されるようにもなっている。
清水タンク19は、図4に示すように、前記タンク本体170の上段と中段のノズル171,171から排出された除染後清水をタンク本体191内に収集するとともに、スラッジタンク174から排出された除染後清水をもタンク本体191内に収集するようになっている。そして、タンク本体191内に収集された除染後清水は、ポンプ192で吸引して前記ホッパ121等に排出されることで、循環されるようになっている。
焼却炉510は、攪拌機12のオーバーフロー水から除去された浮遊物等の木質系材料(可燃性の固体廃棄物)を、水切り後、焼却するものである。この焼却炉510は、例えばストーカ式の燃焼室と補助バーナとを備えており、燃焼室内のストーカ上に投入された木質系材料を、それ自体を燃料として燃焼させるか又は適宜補助バーナを用いて燃焼させるようになっている。焼却温度は、ダイオキシンの発生を防止するために800℃以上とすることが好ましい。したがって、燃焼室は、その焼却時の高温にも耐えうるように耐火煉瓦やセラミックなどで構成されているものとする。そして、焼却灰は、燃焼室内から取り出されて焼却灰容器515に詰めるようになっているが、その際に、砂利・モルタルなどで固化することにより、中間貯蔵に適した安定形態にすることが好ましい。
乾燥炉520は、フロックタンク17で分離されたスラッジ(不燃性又は難燃性の固体廃棄物)を、水切り後、乾燥するものである。この乾燥炉520は、例えばロータリキルン式の乾燥室と加熱装置(バーナ、ヒータ等)とを備えており、乾燥室内に投入されたスラッジを、回転させながら乾燥させるようになっている。乾燥室は、その乾燥時の高温にも耐えうるように耐火煉瓦やセラミックなどで構成されているものとする。そして、乾燥したスラッジは、乾燥室内から取り出されて乾燥スラッジ容器525に詰めるようになっているが、その際に、砂利・モルタルなどで固化することにより、中間貯蔵に適した安定形態にすることが好ましい。
焼却炉510、乾燥炉520から排出されるオフガスは、セラミックフィルタ540aと、オフガス冷却器530と、オフガスフィルタ540とを通してオフガスブロア550で吸引することで大気開放するようになっている。セラミックフィルタ540aは、オフガス中の放射性物質のほとんどを除去するものである。オフガス冷却器530は、オフガス内に水をスプレーすることにより、該オフガスを冷却するものである。オフガスフィルタ540は、冷却されたオフガス中の放射性物質をほぼ完全に除去するものであって、例えば高性能フィルタが使用される。オフガスブロア550は、放射性物質がほぼ完全に除去されたオフガスを大気放出するものであるが、その大気開放前に図示しないオフガスセンサでオフガス中の線量等を確認し、基準値を超える場合はオフガスブロア550を停止させるか、あるいは、オフガスをセラミックフィルタ540aの入口側に戻して再循環させることで、基準値をクリアするまで大気開放を行わないようになっている。
図6は本実施形態に係る除染システム1の動作を示すフローチャートである。以下、説明する。なお、実際の線量は、例えばゲルマニウム半導体検出器を用いて測定するが、ここでは、前記予備試験での測定値を目安として示している。
まず、除染システム1とサブシステム500とをトラック4の荷台に搭載したミニプラント10を現地に向かわせるものとする。現地到着後、図示しないクレーンを用いてサブシステム500のみをトラック4の荷台から地上に降ろす。サブシステム500は使用時に高温となるためである。そして、発電機2を起動させて、除染システム1の各要素を動作させることで、通常運転に入るが、このときには、原則として防護カバー5内の換気は行わないこととしている。そして、該現地におけるホットスポット土壌の表土(汚染土)をスキとる(ステップS1)。このときの線量はセシウムで45,900Bq/kgである。
ついで、除染撹拌機12で汚染土に水を加えつつ撹拌する(ステップS2)。ここでは、ホッパ121の蓋を開け、そこから汚染土を本体122内に投入しつつ、加水する。この加水した汚染土を、本体122内で、モータ123により回転駆動されるウィング124で撹拌する。このとき、同時に回転駆動されるアングル材130で汚染土に含まれる枯草等の植物はカットして微細化することが好ましい。なお、後述するメンテナンス時などに、本体122内に浮遊する枯草等の植物を除去するとともに、本体122内に沈殿したコケ類や植物の根部分を除去する。除去植物等(浮遊物等)は、焼却炉510で焼却処分する。その焼却灰は、焼却灰容器515に詰めて砂利・モルタルで固化する。
ついで、バブル発生装置127で発生させたマイクロバブルを、本体122内に注入することで、撹拌後汚染水を比重分級して、除染後土砂と汚染水とに分離する(ステップS3)。すなわち、本発明者による実験では、最初は茶色であった撹拌後汚染水が白色に変化することが確認された。このことから、除染撹拌機12の本体内に注入されたマイクロバブルは、そこでの圧力減少により、バブル径が成長して可視化されたものと考えられる。このときのバブルに生じる浮力が汚染土に作用する結果、その汚染土の大径のものは底部127aに沈降し、その汚染土の小径のものは水面側に浮き上がっていることが容易に理解される。
そして、この除染後土砂は、必要に応じて水やリンス等を加えて撹拌した上で、本体122の底部127aの排出口131に接続された遠隔弁125を遠隔操作(或いは手動操作)で開くことで、その下方の振動ふるい14に排出する。なお、除染後土砂が本体122内で固着していれば、別途容易された高圧水で洗浄する。また、汚染水は、本体122の周面の排水口132に接続された遠隔弁126を遠隔操作(或いは手動操作)で開くことで、その下方の撹拌吸着フロックタンク17に直接排出する。
ついで、振動ふるい14で除染後土砂をさらに分級する(同じくステップS3)。ここでは、前記排出された撹拌後汚染水を、振動モータ141で振動される振動スクリーン142にかけることにより、粒径砂以上の除染後土砂と汚染水等とに分離する。この分離された除染後土砂をコンテナ143に収集し、汚染水等をコンテナ144に収集する。コンテナ143に収集された除染後土砂は、線量がセシウムで3,500Bq/kgである。この除染後土砂は、そのまま搬出してもとの土壌に戻す。
ついで、コンテナ144に収集された汚染水等を、ポンプ145で吸引して、撹拌吸着フロックタンク17のタンク本体170内に排出し、前記除染撹拌機12から直接排出された汚染水とともに、ここで凝集分離する(ステップS4)。具体的には、前記排出された汚染水等に、フロックを加えて撹拌する。そして、この撹拌した汚染水等をタンク本体170内で静置することにより、スラッジと除染後清水とに分離する。
この分離されたスラッジを、スラッジタンク174内に設置されたコンテナ175に収集し、このコンテナ175に収集されたスラッジは線量がセシウムで47,400Bq/kgである。このスラッジは、乾燥炉520で乾燥させてから乾燥スラッジ容器525に詰めて砂利・モルタルで固化する。
焼却炉510、乾燥炉520からのオフガスは、セラミックフィルタ540aと、オフガス冷却器530と、オフガスフィルタ540とを通してオフガスブロア550で吸引することで大気開放する。ただし、その大気開放前に前記オフガスセンサでオフガス中の線量等を確認し、基準値を超える場合はオフガスブロア550を停止するか、あるいは、オフガスをセラミックフィルタ540aやオフガスフィルタ540の入口側に戻して再循環することで、基準値をクリアするまで大気開放を行わない。
一方、タンク本体170の上段と中段のノズル171,171から排出された除染後清水を、清水タンク19のタンク本体191内に収集し、この除染システム1内で循環させる(ステップS5)。すなわち、除染後清水が、線量がセシウムで0Bq/kgであることを確認してから、ポンプ192で吸引し、前記汚染土に加える水としてホッパ121に排出して、前記汚染土が最初から湿式で処理されるようにする。これにより、放射性物質を閉じ込めることのできるクローズドサイクルを確立することができる。
そして、除染システム1を休止させるときには、防護カバー5内の空間線量が規定値を超えているか否かを確認する。ここで、規定値を超えているとすると、ブロア6を起動して、防護カバー5内の空気(雰囲気)を、フィルタ7を介して外部に排出する。この換気により、防護カバー5内の空間線量が規定値を下回ったことを確認してから、防護カバー5を取り外して、所定のメンテナンス等を行う。運転中に故障等があった場合も同様である。すべての作業が終了した段階で、前記クレーンを再度用いてサブシステム500をトラック4の荷台に搭載する。そして、除染システム1とサブシステム500とについてはもちろんのこと、それを搭載しているトラック4を含むミニプラント10全体を清水で除染し、現地から引き上げる。
以上説明したように、本除染システム1によれば、放射性物質による汚染土に水を加えて除染撹拌機12で撹拌し、この撹拌した汚染土をマイクロバブルで比重分級することにより、除染後土砂と汚染水等とに分離し、このうちの除染後土砂を振動ふるい14にかけることにより、除染後土砂と汚染水等とにさらに分離し、これらの分離された汚染水等を撹拌吸着フロックタンク17のタンク本体170内で、フロックを加えて撹拌してから静置する、いわゆる凝集・沈殿を行うことにより、スラッジと除染後清水とに分離するので、放射性物質を周囲に拡散させることなく、汚染土を除染して減容することができる。除染後土はもとの土地に戻して、その中間貯蔵を省略することができる。また、前記凝集・沈殿により、大量に発生する汚染水等の処理が可能となる。スラッジは中間貯蔵する。しかも、本除染システム1によれば、基本的には除染撹拌機12だけで除染を行うことができるので、ミニプラント10に最適な小型で簡単かつ安価なシステムが得られる。
すなわち、前記除染システム1の各要素(12,14,17,19)を防護カバー5で覆った状態でトラック4の荷台に搭載しているので、放射性物質の閉じ込め性能と機動性とを確保できるミニプラント10を構築することができる。
また、サブシステム500によれば、除染システム1から発生する浮遊物等の木質系材料が焼却炉510で焼却され、スラッジが乾燥炉520で乾燥され、これらで発生するオフガスがセラミックフィルタ540aでフィルタリンクされ、このフィルタリングされたオフガスがオフガス冷却器530で冷却され、この冷却されたオフガスがオフガスフィルタ540で再度フィルタリングされるので、汚染土の除染により発生する浮遊物等の木質系材料とスラッジとをその場で処理することできる。
しかも、前記サブシステム500の各要素(510,520,・・・)をトラック4の荷台に搭載して移動するので、汚染土の除染により発生する浮遊物等の木質系材料とスラッジとを移動する必要がなくなり、これにより放射性物質の閉じ込め性能と機動性とを確保できるミニプラント10を構築することができる。
なお、上記実施形態では、移動手段として機動性に優れる4トントラックを例示して、被災地での交通事情や緊急性に対応することができるようにしているが、場合によっては、トレーラや船舶などであってもよい。ただし、汚染土の処理容量の増大等によりシステム全体が大きくなって、1台のトラック等では搬送不可能な場合は、そのシステムを複数個のユニットに分割して搬送し、それを搬送先で組み立てることとしてもよい。
また、上記実施形態では、除染システム1の休止又はメンテナンス時に防護カバー5内の換気を行っているが、運転時にも防護カバー5内の換気を行うようにすれば、放射性物質の拡散をより確実に防ぐことができるようになる。
また、上記実施形態では、発電機2、電工ドラム3をも備えているが、電源がある場所であればそれらは省略できる。また、水源がない場合を想定して、清水タンク19のタンク本体191内には予め水を入れておき、それを循環利用できる。
また、上記実施形態では、除染システム1の各要素の配置は自然落下などを考慮して設定されているが、それらをトラック4の荷台等に搭載する場合には、公道通行時の高さ・幅などの制限を考慮してそれが必要な要素を適宜昇降可能としてもよい。
また、上記実施形態では、除染撹拌機12に投入された汚染土に水を加えて撹拌した後、その除染撹拌機12の本体122内でマイクロバブルを注入して比重分級し、さらに振動ふるい14で分級をしているが、この振動ふるい14による分級を省略することとしてもよい。或いは、除染撹拌機12の本体122内でのマイクロバブル注入による比重分級を省略してもよい。
また、上記実施形態では、除染撹拌機12に投入された汚染土に水を加えて撹拌しているが、さらにシュウ酸等を加えることで、汚染土に付着した放射性物質を汚染水側へ効率よく移行できるのはいうまでもない。
また、上記実施形態では、サブシステム500として、焼却炉510と乾燥炉520とを備え、焼却炉510と乾燥炉520とのオフガスを合流しているが、焼却炉510のオフガスで乾燥炉520や前記補助バーナへの供給空気を加熱してもよい。その場合は、乾燥炉520の加熱装置を省略してもよい。また、放射性物質のレベルによっては、セラミックフィルタ540aを省略してもよい。さらに、焼却炉510に代えて、蒸気ボイラや温水ボイラを備えて、その燃料として木材を使用するようにしてもよいし、木材を炭化するための炭化炉を備えて、木炭を製造するとともに、そのオフガスから木酢を抽出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、サブシステム500の焼却炉510で浮遊物等の木質系材料を焼却しているが、例えば使用済みのフィルタ類などを焼却してもよい。また、乾燥炉520でスラッジを乾燥しているが、例えば前記木質系材料などを乾燥してから焼却炉510で焼却するようにしてもよい。また、サブシステム500の動作タイミングは、必ずしも除染システム1のそれに合わせる必要性はなく、除染システム1の動作により発生する木質系材料やスラッジが所定量だけ溜まったときに、サブシステム500をバッチ動作させるのが現実的である。
また、上記実施形態では、現地でサブシステム500をトラック4の荷台から降ろしてから使用し、作業が終了するとサブシステム500をトラック4の荷台に再度搭載して移動するようにしているが、サブシステム500を牽引台車などに搭載したまま使用することができるようにしてもよい。その場合は、クレーン作業がなくなって現地作業がより効率的なものとなるとともに、サブシステム500の焼却炉510の燃焼室や乾燥炉520の乾燥室を構成する耐火壁の損傷を防止して長寿命化を図るためにも好ましい。
1 除染システム
12 除染撹拌機(撹拌手段、撹拌機に相当する。)
14 振動ふるい
17 撹拌吸着フロックタンク(タンクに相当する。)
19 清水タンク
2 発電機
3 電工ドラム
4 トラック(移動手段に相当する。)
5 防護カバー
6 ブロア
7 フィルタ
10 ミニプラント
500 サブシステム
510 焼却炉(燃焼手段に相当する。)
515 焼却灰容器
520 乾燥炉(乾燥手段に相当する。)
525 乾燥スラッジ容器
530 オフガス冷却器
540 オフガスフィルタ
540a セラミックフィルタ
550 オフガスブロア
特開平7−185513号公報

Claims (5)

  1. 放射性物質による汚染土を除染するためのミニプラントであって、
    少なくとも放射性物質による汚染土に水を加えて撹拌機で撹拌する撹拌手段を防護カバーで覆った状態で備えた除染システムと、この除染システムから発生する可燃性の固体廃棄物を燃焼する燃焼手段と、この燃焼手段から発生する排ガスをフィルタリングするフィルタ手段とを移動手段に搭載したことを特徴とする放射性物質による汚染土の除染用ミニプラント。
  2. 前記除染システムから発生する不燃性又は難燃性の固体廃棄物を乾燥する乾燥手段を前記移動手段にさらに搭載するとともに、この乾燥手段から発生する排ガスを前記フィルタ手段でフィルタリングするように構成したことを特徴とする請求項1記載の放射性物質による汚染土の除染用ミニプラント。
  3. 前記除染システムから発生する可燃性の固体廃棄物は、前記撹拌機で撹拌された汚染土に微細気泡を加えて該撹拌機内で比重分級したときに分離された汚染水中の木質系材料であることを特徴とする請求項1又は2記載の放射性物質による汚染土の除染用ミニプラント。
  4. 前記不燃性又は難燃性の固体廃棄物は、前記分離された汚染水に凝集剤を加えてタンク内で撹拌するとともに、この撹拌した汚染水を前記タンク内で静置したときに分離されたスラッジであることを特徴とする請求項3記載の放射性物質による汚染土の除染用ミニプラント。
  5. 前記移動手段はトラックであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射性物質による汚染土の除染用ミニプラント。
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