JP2014077410A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロータリ圧縮機1は、シャフト123の回転に伴って冷媒を圧縮する圧縮機構20と、圧縮機構20に対向してシャフト123の周りに設けられるとともに、圧縮機構20から吐出される冷媒を受け止めるマフラ30と、を備えている。マフラ30内の冷媒を吐出するためのマフラ出口38は、シャフト123の外周に沿って環状に開口している。マフラ30内のシャフト123の周りには、マフラ出口38に向かう冷媒の流路がシャフト123の長さ方向に狭められた絞り36が形成されている。
【選択図】図2
Description
圧縮室に吸入された冷媒は、ピストンロータの回転に伴って圧縮され、軸受に形成された吐出ポートから周期的に吐出される。その吐出ポートから噴出される冷媒を受け止めて圧力脈動を低減するため、軸受を覆うようにマフラが設けられている。マフラは、軸受から離れる向きに膨らんだ形状をしており、その膨出した壁を貫通する円形のマフラ出口が形成されている。
ここで、圧力脈動は、マフラの内部空間の形状に応じて定まる固有の共鳴特性に関係する。特許文献1では、騒音を低減するため、マフラの2つの出口をマフラ内の1次共鳴モードの節の近傍に配置するとともに、それらの出口を2次共鳴モードの腹の位置からずらすため、マフラの平面形状を非対称としている。
なお、以上で述べた課題は、スクロール圧縮機などの他の種類の圧縮機でも同様に存在する。
そこでなされた本発明の圧縮機は、シャフトの回転に伴って冷媒を圧縮する圧縮機構と、圧縮機構に対向してシャフトの周りに設けられるとともに、圧縮機構から吐出される冷媒を受け止めるマフラと、を備えている。
そして、本発明は、マフラ内の冷媒を吐出するためのマフラ出口が、シャフトの外周に沿って環状に開口し、マフラ内のシャフトの周りには、マフラ出口に向かう冷媒の流路がシャフトの長さ方向に狭められた絞りが形成されていることを特徴とする。
本発明における絞りは、マフラ内に、シャフトの外周を包囲する包囲部を配置することで形成することができる。その絞りは、包囲部の長さ方向の端部に臨んでいる。
本発明における「シャフトの周り」には、軸受など、シャフトの周りに配置される部材の周りも含まれる。
しかも、絞りの作用により冷媒の圧力脈動を低減し、その冷媒をシャフトの周りの節近傍を通し、圧力脈動が低い状態のままマフラ出口から吐出することができる。
その結果、マフラ出口から吐出される冷媒の圧力脈動が共鳴モードの節の位置と同等に小さくなるので、マフラ外部の騒音を低減する高い効果が得られる。
さらに、本実施形態では、あらゆる共鳴モードの節の近傍からマフラ内の冷媒を吐出できるので、マフラの形状を特定のモードに基づいて非対称にする必要がない。これにより、マフラの設計自由度を向上させることができる。
こうすれば、絞りからマフラ出口までの間の流路により、冷媒がシャフトに沿って整流されるので、騒音低減に寄与できる。
あるいは、包囲部は、マフラの本体とは別体の筒体として構成することもできる。こうすると、マフラ本体に包囲部を固定するだけでマフラを製作できるので、加工性が良好となる。また、包囲部を深絞りにより形成するのよりも、包囲部とシャフトとの間の隙間の寸法精度が高くなるので、品質を安定させ易い。
さらに、包囲部の軸長を長くすれば、絞りを容易に狭められるので、圧力脈動をより十分に低減できる。
〔第1実施形態〕
空気調和機や冷凍機などに用いられるロータリ圧縮機1は、図1に示すように、略円筒状のケース11と、ケース11内に収容されるモータ12と、ケース11内でモータ12によって駆動される圧縮機構20とを備えており、図示しない冷媒回路に接続されている。
胴体110には、冷媒を圧縮機構20に吸入するための吸入管15が設けられている。吸入冷媒は、圧縮機構20により圧縮され、ケース11内に放出されて充満する。その高圧冷媒は、上蓋111に設けられる吐出管17を通じて冷媒回路へと吐出される。
モータ12による回転駆動力は、ロータ122に固定されたシャフト123に出力される。シャフト123は、鉛直方向に沿って配置されており、ロータ122よりも下方に延出している。
ピストンロータ22は、偏心軸部21の旋回に伴ってシリンダ23内で回転される。
シリンダ23には、図示を省略するが、シリンダ23の内部を吸入側と吐出側とに仕切るブレード、およびブレードを押さえるバネが設けられている。そのブレードの近傍には、シリンダ23の側壁を貫通する吸入ポート26が形成されている。吸入ポート26は、吸入管15に接続されている。
このシリンダ23は、ケース11の内壁に固定されており、シリンダ23の上下端面に第1軸受24および第2軸受25が固定されている。
固定部241には、シリンダ23内に開口する吐出ポート27(破線で示す)が厚み方向に貫通して形成されている。ピストンロータ22の回転により圧縮室20Pが最小の容積となると、シリンダ23の内周面の近くに形成された吐出ポート27を通じて、圧縮室20P内の冷媒が吐出される。吐出ポート27には、圧縮室20P内の冷媒圧力が所定値以上になると開くリード弁(図示せず)が設けられている。
摺動部242の周りには、固定部241の上面に対向してマフラ30が設けられている。マフラ30は、冷媒の圧力脈動を低減し、そのマフラ出口38からケース11内に冷媒を吐出する。
平面視で略環状に形成されるマフラ30は、吐出ポート27から噴出される冷媒を受け止めるマフラ本体31と、摺動部242の外周を包囲する包囲部32と、マフラ出口38を形成する整流部33とを備えている。マフラ30は、深絞りにより、マフラ本体31、包囲部32、および整流部33が一体に形成されている。
マフラ本体31の内周縁部312には、マフラ30の内側に向けて括れるように、包囲部32が連続している。
包囲部32は、マフラ本体31の内周縁部312から下方に屈曲し、さらに、固定部241の上面の近傍で上方に折り返すように屈曲し、そして、マフラ本体31よりも上方に位置する円筒状の整流部33に連続するように形成されている。包囲部32の先端32Aは曲面状とされている。この先端32Aと、固定部241の上面との間に残される高さ方向の隙間が、冷媒を通過させる絞り36に相当する。絞り36は、摺動部242の周囲に全周に亘り形成されている。
ここで、マフラ出口38が摺動部242の外周に沿って配置されることにより、マフラ出口38はいずれの共鳴モードでも節Nの近傍に位置する。
しかも、包囲部32により形成される絞り36の作用により冷媒の圧力脈動を低減し、その冷媒をシャフト123の周りの節N近傍を通し、圧力脈動が低い状態のままマフラ出口38から吐出することができる。
したがって、マフラ出口38から吐出される冷媒の圧力脈動が共鳴モードの節Nの位置と同等に小さくなるので、マフラ30外部の騒音を低減する高い効果が得られる。
また、絞り36からマフラ出口38までの間の流路37により、冷媒がシャフト123に沿って整流されることも、騒音低減に寄与する。
そして絞り36の方向(高さ方向)と、マフラ出口38の絞りの方向(平面方向)とが交差しており、マフラ30の入り口(吐出ポート27)からマフラ出口38に向けて冷媒圧力が伝搬する間に、水平方向に進行する平面波成分が、絞り36で絞られた上に、マフラ出口38に向けて方向転換されるので,その分、圧力脈動の低減に寄与できる。
さらに、本実施形態では、あらゆる共鳴モードの節Nの近傍からマフラ30内の冷媒を吐出できるので、マフラ30の形状を特定のモードに基づいて非対称にする必要がない。本実施形態のマフラ30は、包囲部32を備えているほかは、任意の形状とできるので、マフラ30の設計自由度を向上させることができる。
そして、マフラ30を固定するボルトの位置にも制約がない。例えば、図3(c)に示すように、ボルトが挿入される複数のボルト孔39を形成するために、マフラ本体31が円周上の複数箇所で平面中心に向けて括れた形状とすると、マフラ30の共鳴特性が変わるが、節および腹の位置を考慮することなく、ボルト孔39を任意の位置に設定できる。
次に、本発明の第2実施形態について図4を参照して説明する。
以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第2実施形態におけるマフラ40は、別体とされるマフラ本体41および包囲部42を備えている。
マフラ本体41は、深絞りにより、第1実施形態のマフラ本体31とほぼ同様に形成されており、中央に、包囲部42が挿通される開口41Aが形成されている。マフラ本体41の開口41Aの内周面に、締まり嵌め、焼き嵌め等で包囲部42が固定されている。
包囲部42は、押し出し加工などにより、内径が摺動部242の外径よりも大きい円筒体に形成されている。包囲部42の下端42A側が上述の包囲部32に相当するとともに、包囲部42の上端42B側が上述の整流部33に相当する。
包囲部42の内周面と摺動部242の外周面との間には、流路37が形成されている。
包囲部42の下端42Aと固定部241の上面との間には、絞り36が形成されている。
また、包囲部32を深絞りにより形成するのよりも、包囲部42と摺動部242との間の隙間の寸法精度が高いので、品質を安定させ易い。
さらに、本実施形態では、包囲部42を軸方向に長くすれば、絞り36の開口を容易に小さくできるので、圧力脈動をより十分に低減できる。
図5(a)に示すように、固定部241から立ち上がる包囲部52を設けることもできる。包囲部52と摺動部242との間に流路は形成されていない。一方、マフラ本体41の内周部とシャフト123の外周面との間には流路57が形成されており、その流路57の終端が、摺動部242の外周に沿って円環状に開口するマフラ出口58とされている。
包囲部52の先端52Aは、流路57の近くまで延び、マフラ本体41との間に絞り56を形成している。絞り56は、摺動部242の周囲に全周に亘り形成されている。
以上のような構成によっても、絞り56の作用により圧力脈動を十分に低減できる上、マフラ本体41に包囲部52が連続していないので、マフラの加工性を向上させることができる。
このような構成によっても、包囲部53が固定部241の上面との間に形成する絞り36の作用により、圧力脈動を十分に低減できる。
この図5(b)に示すように、流路37をマフラ本体41よりも上方には形成しないようにしてもよい。上述の実施形態および他の変形例の流路37,57についても同様である。
本発明における絞りは、固定部241の上面近傍、またはマフラ本体41の内周部近傍には限らず、マフラの高さの中間の位置に形成することもできる。その場合、例えば、固定部241から立ち上がる包囲部と、マフラ本体41に固定されて下方に延びる包囲部とを形成し、両者の端部の間に絞りを形成すればよい。
また、図5(a)に示す包囲部52を設けるのに代えて、マフラ内に位置する摺動部242の部分を大径としても等価となる。
11 ケース
12 モータ
15 吸入管
17 吐出管
20 圧縮機構
22 ピストンロータ
23 シリンダ
24 第1軸受
25 第2軸受
26 吸入ポート
27 吐出ポート
30,40 マフラ
30A 吐出チャンバ
31 マフラ本体
32 包囲部
33 整流部
36,56 絞り
37,57 流路
38 マフラ出口
39 ボルト孔
41 マフラ本体
42,52 包囲部
53 包囲部
121 ステータ
121A 縦溝
122 ロータ
123 シャフト
241 固定部
242 摺動部
AN 腹
N 節
Claims (5)
- シャフトの回転に伴って冷媒を圧縮する圧縮機構と、
前記圧縮機構に対向して前記シャフトの周りに設けられるとともに、前記圧縮機構から吐出される冷媒を受け止めるマフラと、を備え、
前記マフラ内の冷媒を吐出するためのマフラ出口が、前記シャフトの外周に沿って環状に開口し、
前記マフラ内の前記シャフトの周りには、前記マフラ出口に向かう冷媒の流路が前記シャフトの長さ方向に狭められた絞りが形成されている、
ことを特徴とする圧縮機。 - 前記絞りは、前記マフラ内で前記シャフトの外周を包囲する包囲部の長さ方向の端部に臨んで形成されている、
請求項1に記載の圧縮機。 - 前記包囲部は、前記マフラの本体に設けられて前記マフラ内に突出し、
前記包囲部と前記シャフトとの間には、前記シャフトに沿って流路が形成され、
前記絞りは、前記流路を介して前記マフラ出口に連通する、
請求項2に記載の圧縮機。 - 前記包囲部は、前記マフラの本体に一体に連続し、前記マフラの内側に向けて括れている、
請求項3に記載の圧縮機。 - 前記包囲部は、前記マフラの本体とは別体の筒体とされている、
請求項3に記載の圧縮機。
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