JP2014077205A - 綿繊維の顔料染色方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水洗により顔料微粒子が脱落しにくい綿繊維の顔料染色方法を提供する。
【解決手段】 まず、酸化チタン微粒子又はプルシアンブルー微粒子が分散している分散液を準備する。この分散液中に、晒処理された原綿又は晒処理前の原綿を浸漬する。原綿を分散液に浸漬した状態で、分散液及び原綿に超音波を照射する。超音波の照射条件は、20〜40kHzの周波数で10〜40分である。この超音波処理により、分散液中の酸化チタン微粒子又はプルシアンブルー微粒子は一次粒子になって分散される。しかも、顔料微粒子の振動及び原綿中の一本々々の綿繊維の振動により、一次粒子となった顔料微粒子が強く綿繊維に衝突する。したがって、綿繊維表面の凹部の中まで深く、酸化チタン微粒子又はプルシアンブルー微粒子が入り込み、顔料微粒子が脱落しにくい綿繊維が得られる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、綿繊維を顔料で染色する方法に関し、特にバインダー樹脂を使用しないで綿繊維を顔料で染色する方法に関する。
従来より、繊維を染色する方法として、染料を用いる方法と顔料を用いる方法がある。前者の染色方法は、繊維を構成する高分子に染料分子を化学結合により結合する方法で、水洗しても色落ちしにくいものである。一方、後者の染色方法は繊維表面に顔料粒子を物理的に吸着する方法であるため、水洗により色落ちしやすいという欠点があった。このため、後者の染色方法においては、バインダー樹脂を用いて、繊維表面に顔料粒子を接着させて、水洗による色落ちを防止することが行われている。
しかしながら、バインダー樹脂を用いると、顔料粒子表面もバインダー樹脂で被覆される。単なる顔料染色の場合は、顔料粒子表面がバインダー樹脂で被覆されても問題はないが、機能性顔料を用いた場合には、その機能が阻害されてしまうということがあった。すなわち、光触媒活性を持つ酸化チタン顔料を用い、繊維を白色に染色すると共に、光触媒活性を利用して脱臭効果や抗菌効果を発現させようとする場合、その光触媒活性を十分に発現せしめることができないのである。これは、酸化チタン顔料表面がバインダー樹脂で被覆されているため、酸化チタン固有の特性である光触媒活性が発現しにくくなるのである。
バインダー樹脂を使用しないで、顔料染めをする方法として、顔料粒子を粉砕し微粒子にして染色する方法が提案されている(特許文献1)。すなわち、顔料を微粒子とすることにより、繊維表面の微細な凹部や孔に顔料微粒子を入り込ませて、水洗による色落ちを防止しようというものである。
特許文献1記載の顔料染めは、顔料微粒子を分散させた分散液に、麻糸や木綿糸等の繊維製品を浸漬するという方法を用いている。しかしながら、かかる方法では、繊維表面の微細な凹部や孔に顔料微粒子を入り込ませようとしても、その内部まで顔料微粒子が十分に入り込まないという欠点があった。この理由は以下のとおりであると考えられる。すなわち、麻糸や木綿糸の如く繊維を紡績した繊維製品を単に分散液に浸漬するだけであるため、一本々々の繊維は拘束されていて自由に顔料微粒子と接触しにくいからであると考えられる。したがって、特許文献1記載の方法を採用しても、未だに水洗によって多量の顔料微粒子が脱落するという欠点があった。
本発明の課題は、バインダー樹脂を使用しない顔料染色方法において、繊維表面の微細な凹部や孔の内部まで顔料微粒子を入り込ませ、水洗により顔料微粒子が脱落しにくい顔料染色方法を提供することにある。
本発明は、被染色材料を原綿とし、かつ、分散液に浸漬している原綿に特定の処理を施すことにより、上記した課題を解決したものである。すなわち、本発明は、顔料微粒子が分散している分散液に、原綿を浸漬すると共に、該分散液及び該原綿に超音波を照射することを特徴とする綿繊維の顔料染色方法に関するものである。
本発明においては、まず、顔料微粒子が分散している分散液を準備する。顔料微粒子としては、従来公知の顔料を用いることができる。顔料微粒子は、公知の顔料を粉砕処理したものでもよく、また、もともと微粒子として製造されたものでもよい。本発明においては、単に染色のための顔料だけではなく、染色の他に種々の機能を持つ顔料を採用するのが好ましい。たとえば、光触媒活性を持つ酸化チタンや、セシウムを吸着する機能を持つプルシアンブルーを採用するのが好ましい。光触媒活性を持つ酸化チタンの場合、染色される綿繊維に、消臭機能や抗菌機能を付与することができる。また、セシウムを吸着する機能を持つプルシアンブルーの場合、放射性物質であるセシウムを含有する汚染水の処理に用いることができる。
顔料微粒子の一次粒子の平均粒径は、1nm〜100nm程度であるのが好ましい。かかる顔料微粒子を水に分散させて分散液を得る。分散液中の顔料微粒子の濃度は、1〜10質量%程度であるのが好ましい。なお、分散液中の顔料微粒子は、凝集している場合が多く、二次粒子以上の粒径になった状態で分散している場合が多い。
被染色材料として、本発明では原綿を用いる。原綿を用いる理由は、原綿を構成している綿繊維の横断面が複雑な異形断面となっていて、繊維表面に微細な凹部を多数持っており、顔料微粒子を凹部に入り込ませやすいためである。また、本発明でいう原綿とは、一本々々の綿繊維の集合体であって、各綿繊維が拘束されていないものを意味している。すなわち、本発明でいう原綿には、綿繊維を紡績した紡績糸、綿繊維を集積して綿繊維相互間を何らかの手段で結合した不織布、或いは綿紡績糸を製編織してなる織物や編物は含まない。原綿は、綿繊維一本々々が拘束されておらず、比較的自由に動きうるので、顔料微粒子を綿繊維表面に吸着させやすいためである。原綿は、綿花から採集した綿繊維を精練したものでもよいし、精練後にさらに晒処理したものであってもよい。
準備した分散液に原綿を浸漬する。分散液に原綿を浸漬する場合、一般的に、分散液1L中に、5〜50g程度の原綿を浸漬する。そして、分散液と原綿に超音波を照射する。超音波を照射する方法としては、分散液及び原綿が収納されている容器の外に超音波発振装置を置いて、容器の壁を通して超音波を照射してもよいし、容器中に超音波発振装置の端子を入れて、超音波を照射してもよい。超音波の周波数は20〜40kHz程度が好ましい。また、超音波を照射する時間は、10〜40分程度が好ましい。
超音波照射を終えた原綿は、水洗した後乾燥する。以上のようにして、顔料染色された綿繊維が得られるのである。顔料染色された綿繊維は、綿紡績糸、綿不織布又は綿編織物の原料として、用いることができる。また、本発明において、機能性顔料を用いた場合、顔料染色された綿繊維をそのまま容器に入れて、種々の用途に用いることができる。たとえば、顔料微粒子として光触媒活性を持つ酸化チタンを用いた場合、通気性容器に顔料染色された綿繊維を収納し、脱臭剤として使用することができる。また、顔料微粒子してセシウム吸着能を持つプルシアンブルーを用いた場合、カラムに充填して、放射性物性で汚染された汚染水の浄化装置して使用することもできる。
本発明は、顔料微粒子が分散された分散液に、原綿を浸漬すると共に、分散液及び原綿に超音波を照射するというものである。超音波の照射によって、分散液中の顔料微粒子が凝集していたとしても一次粒子になって分散されると共に、顔料微粒子の振動及び原綿中の一本々々の綿繊維の振動により、一次粒子となった顔料微粒子が強く綿繊維に衝突し、綿繊維表面の凹部の中まで深く顔料微粒子が侵入する。したがって、本発明に係る方法で染色された綿繊維は、その表面に吸着された顔料微粒子が脱落しにくいという効果を奏する。
実施例1
一次平均粒径が10nmの酸化チタン(テイカ株式会社製「MT−05」)を、濃度2質量%で常温の水道水に分散させた分散液を準備した。そして、この分散液700mlを1Lのビーカーに入れて、分散液中に、晒処理された原綿15gを浸漬させた。この状態で、超音波発振装置(株式会社島津製作所製「USP−400A」)の発振端子をビーカー中に入れて、20kHzで30分間の条件で、超音波を分散液及び原綿に照射した。
一次平均粒径が10nmの酸化チタン(テイカ株式会社製「MT−05」)を、濃度2質量%で常温の水道水に分散させた分散液を準備した。そして、この分散液700mlを1Lのビーカーに入れて、分散液中に、晒処理された原綿15gを浸漬させた。この状態で、超音波発振装置(株式会社島津製作所製「USP−400A」)の発振端子をビーカー中に入れて、20kHzで30分間の条件で、超音波を分散液及び原綿に照射した。
その後、原綿をビーカーからピンセットで取り出し、水道水700mlを入れたビーカー中で水洗した。水洗は、原綿をピンセットで挟んだまま、左右に5回振って行った。この水洗を10回行って、顔料染色された綿繊維を得た。
比較例1
超音波を照射せず、原綿を30分間分散液中に浸漬させておいた他は、実施例1と同一の条件で顔料染色された綿繊維を得た。
超音波を照射せず、原綿を30分間分散液中に浸漬させておいた他は、実施例1と同一の条件で顔料染色された綿繊維を得た。
実施例2
一次平均粒径が10nmの酸化チタン(テイカ株式会社製「MT−05」)に代えて、一次平均粒径が35nmの酸化チタン(テイカ株式会社製「MT−500」)を用いた他は、実施例1と同一の条件で顔料染色された綿繊維を得た。
一次平均粒径が10nmの酸化チタン(テイカ株式会社製「MT−05」)に代えて、一次平均粒径が35nmの酸化チタン(テイカ株式会社製「MT−500」)を用いた他は、実施例1と同一の条件で顔料染色された綿繊維を得た。
比較例2
超音波を照射せず、原綿を30分間分散液中に浸漬させておいた他は、実施例2と同一の条件で顔料染色された綿繊維を得た。
超音波を照射せず、原綿を30分間分散液中に浸漬させておいた他は、実施例2と同一の条件で顔料染色された綿繊維を得た。
実施例1で得られた綿繊維の顕微鏡写真を図1に、比較例1で得られた綿繊維の顕微鏡写真を図2に示した。図1及び図2を対比すれば明らかなとおり、実施例1で得られた綿繊維表面には、比較例1で得られたものよりも、多量の酸化チタン微粒子が吸着されていることが分かる。また、実施例2で得られた綿繊維の顕微鏡写真を図3に、比較例1で得られた綿繊維の顕微鏡写真を図4に示した。図3及び図4を対比すれば明らかなとおり、実施例2で得られた綿繊維表面には、比較例2で得られたものよりも、多量の酸化チタン微粒子が吸着されていることが分かる。以上の結果、実施例1及び2に係る方法を採用すれば、水洗しても顔料微粒子の脱落しにくい綿繊維が得られる。
Claims (2)
- 顔料微粒子が分散している分散液に、原綿を浸漬すると共に、該分散液及び該原綿に超音波を照射することを特徴とする綿繊維の顔料染色方法。
- 顔料微粒子が酸化チタン微粒子又はプルシアンブルー微粒子である請求項1記載の綿繊維の顔料染色方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012223723A JP2014077205A (ja) | 2012-10-06 | 2012-10-06 | 綿繊維の顔料染色方法 |
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JP2012223723A JP2014077205A (ja) | 2012-10-06 | 2012-10-06 | 綿繊維の顔料染色方法 |
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ID=50782737
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JP2012223723A Pending JP2014077205A (ja) | 2012-10-06 | 2012-10-06 | 綿繊維の顔料染色方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109824060A (zh) * | 2019-04-01 | 2019-05-31 | 西北工业大学 | 一种富氨凹面普鲁士蓝材料及制备方法 |
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2012
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CN109824060A (zh) * | 2019-04-01 | 2019-05-31 | 西北工业大学 | 一种富氨凹面普鲁士蓝材料及制备方法 |
CN109824060B (zh) * | 2019-04-01 | 2022-07-05 | 西北工业大学 | 一种富氨凹面普鲁士蓝材料及制备方法 |
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