JP2014077099A - ラミネート用接着剤およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた初期接着強度および耐久性を有するラミネート用接着剤およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】ラミネート用接着剤は、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を含有し、ポリオール成分が、ポリカーボネート骨格を有するポリオール、および、カーボネート骨格を有するポリオールとモノイソシアネートとを反応させて得られるモノオールを含有する。
【選択図】なし
【解決手段】ラミネート用接着剤は、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を含有し、ポリオール成分が、ポリカーボネート骨格を有するポリオール、および、カーボネート骨格を有するポリオールとモノイソシアネートとを反応させて得られるモノオールを含有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、ラミネート用接着剤およびその製造方法、詳しくは、屋外およびそれに準ずる環境下で使用される複合シートの積層に、好適に用いられるラミネート用接着剤およびその製造方法に関する。
複合シートは、各種プラスチックフィルム、アルミニウムなどの金属箔、金属蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルムなどから選択される複数のシート材料を、接着剤でラミネートすることにより、製造されている。
複合シートのラミネートに使用される接着剤として、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を配合する二液型ポリウレタン接着剤が、優れた接着性能を有することから、広く使用されている。
このような二液型ポリウレタン接着剤として、例えば、ポリエステルポリオールなどのポリオール成分を主剤とし、ポリイソシアネート成分を硬化剤とする2液硬化型ラミネート用接着剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、複合シートは、レジャーシート、テント、ビニールハウス、ベランダ用シート、雨合羽、雨傘、幌、防水布、自動車用カバーシート、建築用カバーシート、太陽電池バックシートなどの、屋外環境で使用される屋外用シート(以下、屋外用複合シートとする。)としても利用されている。
しかし、上記特許文献1に記載の接着剤組成物を屋外用複合シートに使用すると、主剤に含まれるポリエステルポリオールは、屋外環境(例えば、雨水や太陽熱)によって加水分解を生じるため、経時的に接着強度が劣り、耐久性が低いという不具合が生じる。
この耐久性を改良するために、ポリカーボネートジオールなどのポリオール成分とポリイソシアネート成分とを含むラミネート用接着剤が提案されている(例えば、特許文献2)。
しかし、上記特許文献2のラミネート用接着剤を用いて作製した複合シートを屋外に設置する場合、その設置直後の接着強度(初期接着強度)が不十分な場合があり、さらなる改良が求められている。
本発明の目的は、優れた初期接着強度および耐久性を兼ね備える、ラミネート用接着剤およびその製造方法を提供することにある。
本発明のラミネート用接着剤は、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を含有するラミネート用接着剤であって、前記ポリオール成分が、ポリカーボネート骨格を有するポリオール、および、前記カーボネート骨格を有するポリオールとモノイソシアネートとを反応させて得られるモノオールを含有することを特徴としている。
また、本発明のラミネート用接着剤は、前記ポリカーボネート骨格を有するポリオールが、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタンポリオールを含有することが好適である。
また、本発明のラミネート用接着剤は、前記ポリカーボネートポリオールが、常温で結晶性を有するポリカーボネートジオールを含有することが好適である。
また、本発明のラミネート用接着剤は、前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量が、1000以下であることが好適である。
また、本発明のラミネート用接着剤は、前記ポリオール成分の数平均分子量が、2000以上8000以下であることが好適である。
また、本発明のラミネート用接着剤は、屋外用複合シートの積層に使用されることが好適である。
また、本発明のラミネート用接着剤の製造方法では、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分をそれぞれ用意する工程を備え、前記ポリオール成分を用意する工程では、ポリカーボネートポリオールと、ポリイソシアネートとを、前記ポリイソシアネートのイソシアネート基に対する、前記ポリカーボネートポリオールの水酸基の当量比が、1を超過する割合で、反応させることにより、ポリウレタンポリオールを得る工程と、前記ポリウレタンポリオールと、モノイソシアネートとを、前記モノイソシアネートのイソシアネート基に対する、前記ポリウレタンポリオールの水酸基の当量比が、1を超過する割合で、反応させることにより、ポリオール成分を得る工程を備えることを特徴としている。
本発明のラミネート用接着剤によれば、優れた初期接着強度および優れた耐久性を兼ね備えている。そして、本発明のラミネート用接着剤は、屋外用複合シートの積層に好適に使用することができる。
また、本発明のラミネート用接着剤の製造方法によれば、優れた初期接着強度および耐久性を備えるラミネート用接着剤を好適に製造することができる。
本発明のラミネート用接着剤は、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを含有する。
ポリイソシアネート成分としては、例えば、ポリイソシアネート単量体、ポリイソシアネート変性体などが挙げられる。
ポリイソシアネート単量体としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TDI)、フェニレンジイソシアネート(m−、p−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物)、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ジフェニルメタンジイソシネート(4,4’−、2,4’−または2,2’−ジフェニルメタンジイソシネートもしくはその混合物)(MDI)、4,4’−トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TMXDI)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼンなどの芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプエートなどの脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
また、脂肪族ポリイソシアネートには、脂環族ポリイソシアネートが含まれる。脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート)、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロジイソシアネート)(IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(4,4’−、2,4’−または2,2’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート、これらのTrans,Trans−体、Trans,Cis−体、Cis,Cis−体、もしくはその混合物))(H12MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート(各種異性体もしくはその混合物)(NBDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物)(H6XDI)などの脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
これらポリイソシアネート単量体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリイソシアネート変性体としては、上記したポリイソシアネート単量体の、例えば、多量体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、オキサジアジントリオン変性体、ポリオール変性体(アルコール付加(アダクト)体)などが挙げられる。
多量体としては、例えば、二量体(ウレットジオン基含有ポリイソシアネート、ダイマー変性体)、三量体(イソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、トリマー変性体)、五量体、七量体もしくはこれらの混合物などが挙げられる。ポリイソシアネート単量体の多量体として、好ましくは、ポリイソシアネート単量体の三量体が挙げられる。
三量体は、上記したポリイソシアネート単量体を、必要によりモノオールと反応させた後、公知のイソシアヌレート化触媒の存在下において反応させ、三量化することにより得ることができる。
ビウレット変性体は、上記したポリイソシアネート単量体と、例えば、水、第三級アルコール(例えば、t−ブチルアルコールなど)、第二級アミン(例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミンなど)などとを反応させた後、公知のビウレット化触媒の存在下でさらに反応させることにより得ることができる。
アロファネート変性体は、上記したポリイソシアネート単量体と、モノオールとを、公知のウレタン化触媒の存在下でウレタン化反応させた後、さらに、公知のアロファネート化触媒の存在下で、アロファネート化反応させることにより得ることができる。
オキサジアジントリオン変性体は、ポリイソシアネート単量体と二酸化炭素との反応により得ることができる。
ポリオール変性体は、上記したポリイソシアネート単量体と、後述の多価アルコール(好ましくは、脂肪族ジオール)との反応により得ることができる。
ポリイソシアネート変性体のうち、好ましくは、多量体、ポリオール変性体が挙げられる。
これらポリイソシアネート変性体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリイソシアネート成分として、好ましくは、ポリイソシアネート変性体、より好ましくは、芳香脂肪族ジイソシアネートの変性体、脂肪族ジイソシアネートの変性体、脂環族ジイソシアネートの変性体が挙げられる。
また、ポリイソシアネート成分としては、例えば、上記したポリイソシアネート単量体とポリイソシアネート変性体とを併用することもできる。ポリイソシアネート単量体とポリイソシアネート変性体とを併用する場合において、それらの配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
ポリイソシアネート成分の平均官能基数は、例えば、2以上、好ましくは、2を超過、より好ましくは、3以上であり、また、例えば、10以下、好ましくは、5以下である。
また、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基含有率(NCO%)は、例えば、1以上、好ましくは、5以上であり、例えば、50以下、好ましくは、30以下である。
なお、イソシアネート基含有率は、JIS K7301に記載のイソシアネート基含有率試験により求めることができる。
また、ポリイソシアネート成分は、有機溶媒で希釈して用いることができる。
有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、例えば、アセトニトリルなどのニトリル類、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのアルキルエステル類、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのグリコールエーテルエステル類、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、例えば、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミドなどの極性非プロトン類などが挙げられる。
これら有機溶媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、ポリイソシアネート成分が有機溶媒で希釈される場合において、ポリイソシアネート成分の固形分濃度は、例えば、10質量%以上、好ましくは、30質量%以上、例えば、95質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。
なお、ポリイソシアネート成分は、有機溶媒で希釈することなく、すなわち、固形分濃度100質量%で用いることもできる。
ポリオール成分は、ポリカーボネート骨格を有するポリオール、および、カーボネート骨格を有するポリオールとモノイソシアネートとを反応させて得られるモノオール(以下、単に「ポリカーボネートモノオール」と略称することもある。)を含有する。
ポリカーボネート骨格を有するポリオールは、複数のカーボネート基および複数の水酸基を有する重合体であり、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとの反応により得られるポリウレタンポリオールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、例えば、多価アルコールを開始剤として、触媒の存在下または不在下に、ホスゲン、ジアルキルカーボネート、ジアリルカーボネート、アルキレンカーボネートなどを反応させることにより、得ることができる。
多価アルコールとしては、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、多官能性ポリオール、芳香族または芳香脂肪族ジオールなどが挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール,2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、3,3′−ジメチロールヘプタン、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、12−ヒドロキシステアリルアルコールなどのC2〜18(好ましくは、C2〜8)のアルカンジオールなどが挙げられる。
脂環族ジオールとしては、例えば、水添ビスフェノールAおよびそのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド付加物、水添キシリレンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ダイマージオールなどが挙げられる。
多官能性ポリオールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど3つ以上の水酸基を有する脂肪族ポリオールが挙げられる。
芳香族または芳香脂肪族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールAおよびそのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド付加物、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、1,3−または1,4−キシリレンジオールなどが挙げられる。
多価アルコールとして、好ましくは、脂肪族ジオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとして、具体的に、好ましくは、常温(25℃)で結晶性(固体の性状)を有する結晶性ポリカーボネートポリオールが挙げられる。
結晶性ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールベースポリカーボネートジオールなどの結晶性ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。これにより、屋外シートとして用いるときの耐久性の点で良好となる。
ポリカーボネートポリオールの数平均分子量としては、例えば、2000以下、好ましくは、1500以下、より好ましくは、1000以下であり、また、例えば、200以上、好ましくは、300以上、より好ましくは、500以上である。数平均分子量をこの範囲とすることにより、初期接着強度の点で良好となる。ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、アセチル化法またはフタル化法などの公知の水酸基価測定方法、および、開始剤または原料の官能基数から算出することができる。
ポリカーボネートポリオールは、単独使用または2種以上併用することもできる。
ポリウレタンポリオールは、ポリウレタンポリカーボネートポリオール(ウレタン変性ポリカーボネートポリオール)であって、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより得られる。
ポリカーボネートポリオールとしては、上記したポリカーボネートと同一のものが挙げられ、好ましくは、結晶性ポリカーボネートポリオールであり、さらに好ましくは、結晶性ポリカーボネートジオールが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、上記したポリイソシアネートと同一のものが挙げられ、好ましくは、脂環族ポリイソシアネートが挙げられる。
そして、ポリウレタンポリオールを得るには、ポリカーボネートポリオールと、ポリイソシアネートとを、ポリイソシアネートのイソシアネート基に対する、ポリカーボネートポリオールの水酸基の当量比(水酸基/イソシアネート基)が、例えば、1を超過し、好ましくは、1.3以上、また、例えば、2.0以下となる割合でそれらを配合して反応させる。当量比を上記範囲とすることにより、水酸基末端のポリウレタンポリオールを得ることができる。
ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとは、公知の反応条件で反応させることができる。
具体的には、反応温度が、例えば、80℃以上(好ましくは、90℃以上)、100℃以下(好ましくは、95℃以下)であり、反応時間が、例えば、2時間以上(好ましくは、3時間以上)、12時間以下(好ましくは、10時間以下)の反応条件で、ウレタン化させる。
このポリイソシアネートでのウレタン化反応では、必要により、公知のウレタン化触媒を添加することができ、また、上記した反応において、必要により、上記した公知の有機溶媒を添加することができる。
ウレタン化触媒としては、例えば、アミン類や有機金属化合物などの公知のウレタン化触媒などが挙げられる。
アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチルモルホリンなどの3級アミン類、例えば、テトラエチルヒドロキシルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩、例えば、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などが挙げられる。
有機金属化合物としては、例えば、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジメチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメルカプチド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジメルカプチド、ジオクチル錫ジラウリレート、ジブチル錫ジクロリドなどの有機錫系化合物、例えば、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛などの有機鉛化合物、例えば、ナフテン酸ニッケルなどの有機ニッケル化合物、例えば、ナフテン酸コバルトなどの有機コバルト化合物、例えば、オクテン酸銅などの有機銅化合物、例えば、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどの有機ビスマス化合物、オクチル酸ジルコニウム、ネオデカン酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)などの有機ジルコニウム化合物、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシドなどの有機チタン化合物、オクチル酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、アセチルアセトン亜鉛、ジブチルジチオカルバメート亜鉛、p−トルエンスルホネート亜鉛などの有機亜鉛化合物などが挙げられる。
これらウレタン化触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ウレタン化触媒の配合割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、上記のウレタン化反応では、ポリカーボネートポリオールとともに、多価アルコールをポリイソシアネートに反応させることもできる。
この場合、ポリウレタンポリオールは、ポリウレタンポリカーボネートポリエーテルポリオール(ウレタン変性ポリカーボネートポリエーテルポリオール)となる。
併用するときの多価アルコールとして、例えば、上記した多価アルコールが挙げられ、好ましくは、芳香族または芳香脂肪族ジオール、より好ましくは、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。芳香族または芳香脂肪族ジオールを併用することにより、ラミネート用接着剤の凝集力が向上し、初期接着強度がより一層良好となる。
多価アルコールを併用する場合、その配合割合は、ポリカーボネートポリオール100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、1.0質量部以上であり、また、例えば、50質量部以下、好ましくは、20質量部以下である。
そして、この方法では、好ましくは、ジ−n−ブチルアミンによる滴定法や、FT−IR分析などの公知の方法によって、イソシアネート基の消失を確認し、反応の終点を決定する。
これにより、ポリウレタンポリオールを得ることができる。
ポリカーボネートモノオールは、上記のカーボネート骨格を有するポリオール(すなわち、ポリカーボネートポリオールおよび/またはポリウレタンポリオール、好ましくは、ポリウレタンポリオール)とモノイソシアネートとを反応させて得られる。
モノイソシアネートは、例えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、n−ヘキシルイソシアネート、n−オクチルイソシアネート、2−エチルヘキシルイソシアネート、メトキシプロピルイソシアネートなどの脂肪族モノイソシアネート、例えば、シクロヘキシルイソシアネートなどの脂環族モノイソシアネート、例えば、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、トリルイソシアネート、p−トルエンスルホニルイソシアネートなどの芳香族または芳香脂肪族モノイソシアネートが挙げられる。
そして、ポリカーボネートモノオールを得るには、ポリカーボネート骨格を有するポリオールと、モノイソシアネートとを、モノイソシアネートのイソシアネート基に対する、ポリカーボネート骨格を有するポリオールの水酸基の当量比(水酸基/イソシアネート基)が、例えば、1を超過し、好ましくは、1.5以上、より好ましくは、2.0以上、例えば、5.0以下となる割合でそれらを配合して反応させる。
このような割合で反応させることにより、ポリカーボネート骨格を有するポリオールと、モノオールとの両方を後述する所定割合でポリオール成分に含ませることができる。
ポリカーボネート骨格を有するポリオールとモノイソシアネートとは、公知の反応条件で反応させることができる。
具体的には、反応温度が、例えば、80℃以上(好ましくは、90℃以上)、100℃以下(好ましくは、95℃以下)であり、反応時間が、例えば、1時間以上(好ましくは、2時間以上)、10時間以下(好ましくは、8時間以下)の反応条件で、ウレタン化させる。
このモノイソシアネートでのウレタン化反応では、必要により、上記した公知のウレタン化触媒を添加することができ、また、上記した反応において、必要により、上記した公知の有機溶媒を添加することができる。
このようにして得られたポリオール成分において、カーボネート骨格を有するポリオールの含有割合は、ポリオール成分(固形分)に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは、40質量%以上であり、例えば、80質量%以下、好ましくは、60質量%以下でもある。また、カーボネート骨格を有するポリオールの含有割合は、モノオール100質量部に対して、例えば、20質量部以上、好ましくは、60質量部以上であり、例えば、500質量部以下、好ましくは、200質量部以下でもある。
一方、モノオールの含有割合は、ポリオール成分(固形分)に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは、40質量%以上であり、例えば、80質量%以下、好ましくは、60質量%以下でもある。また、モノオールの含有割合は、カーボネート骨格を有するポリオール100質量部に対して、例えば、20質量部以上、好ましくは、60質量部以上であり、例えば、500質量部以下、好ましくは、200質量部以下でもある。
このようにして得られたポリオール成分の数平均分子量は、例えば、3000以上、好ましくは、4000以上であり、例えば、10000以下、好ましくは、8000以下、より好ましくは、6000以下でもある。
ポリオール成分の数平均分子量が3000未満であると、初期接着強度が低くなる場合があり、10000を超えると、溶液の粘度が高くなり、作業性が劣る場合がある。なお、数平均分子量の測定方法は、後の実施例にて詳述する。
ポリオール成分の水酸基当量(OH当量)は、固形分に対して、例えば、1000g/mol以上、好ましくは、4000g/mol以上であり、また、例えば、10000g/mol以下、好ましくは、6000g/mol以下でもある。
また、ポリオール成分は、上記した有機溶媒で希釈して用いることができる。
ポリオール成分が有機溶媒に希釈される場合において、ポリオール成分の固形分濃度は、例えば、10質量%以上、好ましくは、30質量%以上、例えば、95質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。
なお、ポリオール成分は、有機溶媒で希釈することなく、すなわち、固形分濃度100質量%で用いることもできる。
また、ポリオール成分には、さらに、その他のポリオール、具体的には、例えば、上記した多価アルコールを、ポリカーボネート骨格を有するポリオールとは別途添加することもできる。
このような場合において、その他のポリオールの配合割合は、ポリカーボネート骨格を有するポリオール100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、例えば、100質量部以下、好ましくは、90質量部以下である。
また、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分には、必要に応じて、そのいずれか一方またはその両方に、シランカップリング剤を配合することができる。
シランカップリング剤は、例えば、構造式R−Si≡(X)3またはR−Si≡(R’)(X)2(式中、Rはビニル基、エポキシ基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基またはメルカプト基を有する有機基を示し、R’は低級アルキル基を示し、Xはメトキシ基、エトキシ基またはクロル原子を示す。)で示される。
シランカップリング剤として、具体的には、例えば、ビニルトリクロルシランなどのクロロシラン、例えば、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−プロピルメチルジメトキシシラン、n−(ジメトキシメチルシリルプロピル)エチレンジアミン、n−(トリエトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ジ(γ−グリシドキシプロピル)ジメトキシシランなどのエポキシシラン、例えば、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン、例えば、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネートシランなどが挙げられる。シランカップリング剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
シランカップリング剤の配合割合は、例えば、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分(固形分)の総量100質量部に対して、0.001〜10質量部、好ましくは、0.01〜6質量部である。
さらに、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分には、必要に応じて、そのいずれか一方またはその両方に、例えば、エポキシ樹脂、触媒、塗工性改良剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定剤、可塑剤、界面活性剤、顔料、充填剤、有機または無機微粒子、防黴剤などの添加剤を配合することができる。これらの添加剤の配合量は、その目的および用途により適宜決定される。
なお、接着性向上のためにエポキシ樹脂を配合する場合には、耐黄変性をより向上させる目的で、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂を配合させることができる。
そして、本発明のラミネート用接着剤は、ポリイソシアネート成分を硬化剤とし、ポリオール成分を主剤とする二液型ポリウレタン接着剤として使用される。すなわち、本発明のラミネート用接着剤は、予め、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を別々に調製しておき、使用時(ラミネート時)にポリイソシアネート成分およびポリオール成分を配合して、被着体(シート材料)に塗布する。
ポリイソシアネート成分およびポリオール成分の配合割合は、ポリオール成分中の水酸基に対するポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)で、例えば、0.6以上、好ましくは、0.8以上であり、また、例えば、10以下、好ましくは、6以下となる割合である。
本発明のラミネート用接着剤は、具体的には、溶剤タイプまたは無溶剤タイプとして調製され、主として、複合シートのラミネートに使用される。
例えば、溶剤タイプとして調製する場合には、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を有機溶剤で希釈して配合し、それを溶剤型ラミネータによって、一方のシート材料の表面に塗布する。そして、溶剤を揮散させた後、他方のシート材料と貼り合わせ、その後、常温または加温下において養生して硬化させる。なお、塗布量は、溶剤揮散後で、例えば、2.0〜10.0g/m2に設定される。
また、ポリイソシアネート成分(A)およびポリオール成分(B)の配合粘度が、常温〜100℃で、100〜10000mPa・s、好ましくは、100〜5000mPa・sの場合には、無溶剤タイプとして調製できる。
例えば、無溶剤タイプとして調製する場合には、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分をそのまま配合し、それを無溶剤型ラミネータによって、一方のシート材料の表面に塗布する。そして、他方のシート材料と貼り合わせ、その後、常温または加温下において養生して硬化させる。なお、塗布量は、例えば、0.5〜5.0g/m2に設定される。
シート材料としては、複合シートとしてラミネートできるシートであれば、特に制限されないが、例えば、金属箔や、プラスチックシートなどが挙げられる。
金属箔の金属としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、鉛などが挙げられる。金属箔の厚みは、通常、5μm以上、好ましくは、7μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
プラスチックシートのプラスチックとしては、例えば、オレフィン系重合体(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル系重合体(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレートや、それらのポリアルキレンアリレート単位を主成分とするコポリエステルなど)、ポリアミド系重合体(例えば、ナイロン6、ナイロン66など)、ビニル系重合体(例えば、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)などが挙げられる。
また、プラスチックシートには、少なくとも一方の表面に無機質層を形成することもできる。無機質層は、蒸着、スパッタリング、ゾル−ゲル法などで形成することができる。無機質層を形成する無機物としては、例えば、チタン、アルミニウム、ケイ素などの単体またはこれらの元素を含む無機化合物(酸化物など)などが挙げられる。具体的には、アルミナ蒸着シートやシリカ蒸着シートが挙げられる。
プラスチックシートの厚みは、通常、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、150μm以下である。
なお、金属箔およびプラスチックシートの表面には、コロナ放電処理やプライマー処理などの表面処理を施すこともできる。また、金属箔およびプラスチックシートには、適宜印刷を施すこともできる。
本発明のラミネート用接着剤が各フィルムの間に接着されて得られる複合フィルムの初期接着強度(T型剥離試験)は、例えば、4.0N/mm以上、好ましくは、5.0N/mm以上、より好ましくは、6.0N/mm以上である。なお、上記した複合フィルムの初期接着強度の測定方法は後の実施例にて詳述する。
そして、本発明のラミネート用接着剤では、ポリオ―ル成分が、ポリカーボネート骨格を有するポリオールを含有する。そのため、ポリカーボネート骨格が水に対して強固な結合であり、耐湿熱性などの耐久性を有する。また、ポリオール成分が、カーボネート骨格を有するポリオールとモノイソシアネートとを反応させて得られるモノオールを含有する。そのため、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との重合反応によりシートを密着する際に、重合反応により得られるポリマー(接着剤)の3次元架橋のネットワーク(網目構造)が適度に調整され、ポリマーのタック力が向上し、接着初期における接着力を向上させることができる。したがって、ラミネート用接着剤は、優れた初期接着強度および耐久性を兼ね備えることができる。
本発明のラミネート用接着剤は、とりわけ、屋外環境で使用される複合シート、すなわち、屋外用複合シートの積層に、好適に用いられる。
より具体的には、本発明のラミネート用接着剤は、例えば、レジャーシート、テント、ビニールハウス、ベランダ用シート、雨合羽、雨傘、幌、防水布、自動車用カバーシート、建築用カバーシート、太陽電池バックシートなど、屋外環境で使用される屋外用複合シートの積層に、好適に用いられる。
以下に、実施例および比較例を参照して、本発明をさらに具体的に説明するが、これらは、本発明を何ら限定するものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。
また、ポリオール成分の数平均分子量は、以下の通り測定した。
すなわち、試料40mgを、テトラヒドロフラン4mLに溶解させ、1w/v%溶液として調製した後、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にて、下記条件で測定し、標準ポリスチレン換算により、数平均分子量(Mn)を測定した。
データ処理装置:品番EMPOWER2(Waters社製)
示差屈折率検出器:2414型示差屈折検出器
カラム:PLgel5μmMixed‐C 品番1110−6500(Polymer Laboratories製)3本
移動相:テトラヒドロフラン
カラム流量:1mL/min
試料濃度:10g/L
注入量:100μL
測定温度:40℃
分子量校正:TOSOH社製 TSKstandard Polystyrene
データ処理装置:品番EMPOWER2(Waters社製)
示差屈折率検出器:2414型示差屈折検出器
カラム:PLgel5μmMixed‐C 品番1110−6500(Polymer Laboratories製)3本
移動相:テトラヒドロフラン
カラム流量:1mL/min
試料濃度:10g/L
注入量:100μL
測定温度:40℃
分子量校正:TOSOH社製 TSKstandard Polystyrene
実施例1
(ポリウレタンポリオールの合成)
3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)64.3g、数平均分子量1000の1,6−ヘキサンジオールベースポリカーボネートジオール(宇部興産社製、常温固体)396.3gを反応容器にそれぞれ添加し、窒素気流下90〜95℃で6時間撹拌し、ウレタン化反応させることにより、ポリウレタンポリオールを合成した。
(ポリウレタンポリオールの合成)
3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)64.3g、数平均分子量1000の1,6−ヘキサンジオールベースポリカーボネートジオール(宇部興産社製、常温固体)396.3gを反応容器にそれぞれ添加し、窒素気流下90〜95℃で6時間撹拌し、ウレタン化反応させることにより、ポリウレタンポリオールを合成した。
このポリウレタンポリオールについて、IR測定によりNCOピークがないことを確認した。
(ポリオール成分の調製)
次に、p−トルエンスルホニルイソシアネート(PTSI)23.0gを反応容器に添加し、窒素気流下90〜95℃で3時間撹拌し、ポリウレタンポリオールの一部とウレタン化反応させることにより、ポリウレタンポリオールとモノオールとの混合物を得た。
次に、p−トルエンスルホニルイソシアネート(PTSI)23.0gを反応容器に添加し、窒素気流下90〜95℃で3時間撹拌し、ポリウレタンポリオールの一部とウレタン化反応させることにより、ポリウレタンポリオールとモノオールとの混合物を得た。
この混合物について、IR測定によりNCOピークがないことを確認した。また、得られた混合物の数平均分子量を測定した。なお、OH当量は理論値である。この結果を表1に示す。
次に、この混合物に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBM−403」、信越シリコーン社製)14.5gおよび酢酸エチル500gを添加して、固形分50質量%のポリオール成分を得た。
(ポリエステル成分の調製)
1,6−ヘキサンジオール136.3g、ネオペンチルグリコール92.4g、エチレ
ングリコール95.6g、イソフタル酸292.6g、酢酸亜鉛0.2gを、窒素気流下
180〜220℃でエステル化反応させた。所定量の水を留出後、アジピン酸85.8g
を加え、さらに、180〜220℃でエステル化反応し、数平均分子量約10,000の
ポリエステルポリオールを得た。これに、酢酸エチル381.9g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の酢酸エチル溶液(東都化成社製、YD−902LEA60)45.3g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越シリコーン社製)31.3g、リン酸1.1gを加えて均一になるまで撹拌し、ポリエステル成分を調製した。
1,6−ヘキサンジオール136.3g、ネオペンチルグリコール92.4g、エチレ
ングリコール95.6g、イソフタル酸292.6g、酢酸亜鉛0.2gを、窒素気流下
180〜220℃でエステル化反応させた。所定量の水を留出後、アジピン酸85.8g
を加え、さらに、180〜220℃でエステル化反応し、数平均分子量約10,000の
ポリエステルポリオールを得た。これに、酢酸エチル381.9g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の酢酸エチル溶液(東都化成社製、YD−902LEA60)45.3g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越シリコーン社製)31.3g、リン酸1.1gを加えて均一になるまで撹拌し、ポリエステル成分を調製した。
(接着剤の調製)
ポリイソシアネート成分として、タケネートD−120N(三井化学社製、H6XDIのポリオール変性体)を用い、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを表1に示す割合で配合し、実施例1のラミネート用接着剤とした。
ポリイソシアネート成分として、タケネートD−120N(三井化学社製、H6XDIのポリオール変性体)を用い、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを表1に示す割合で配合し、実施例1のラミネート用接着剤とした。
実施例2〜6および比較例1〜3
ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、表1に示す処方および割合で配合し、ラミネート用接着剤を調製した。
ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、表1に示す処方および割合で配合し、ラミネート用接着剤を調製した。
(評価)
(複合フィルムの作製)
各実施例および各比較例のラミネート用接着剤を、約8g/m2の塗布量で、PETシート(東レフィルム加工製ルミラーX10S、50ミクロン)に塗布し、溶剤揮散後、同PETシート(東レフィルム加工製ルミラーX10S、50ミクロン)と貼り合わせ、60℃で2日間養生して、各複合シートを得た。
(複合フィルムの作製)
各実施例および各比較例のラミネート用接着剤を、約8g/m2の塗布量で、PETシート(東レフィルム加工製ルミラーX10S、50ミクロン)に塗布し、溶剤揮散後、同PETシート(東レフィルム加工製ルミラーX10S、50ミクロン)と貼り合わせ、60℃で2日間養生して、各複合シートを得た。
(初期接着強度の測定)
各複合シートを、それぞれ、長さ150mm、幅15mmの大きさに切り出し、室温下で、剥離試験(インテスコ精密万能材料試験機201B型)を用いて、引張速度300mm/分にて、T型剥離試験および180度剥離試験のそれぞれを実施して、複合フィルムの初期接着強度を測定した。この結果を表1に示す。
各複合シートを、それぞれ、長さ150mm、幅15mmの大きさに切り出し、室温下で、剥離試験(インテスコ精密万能材料試験機201B型)を用いて、引張速度300mm/分にて、T型剥離試験および180度剥離試験のそれぞれを実施して、複合フィルムの初期接着強度を測定した。この結果を表1に示す。
(耐湿熱試験:耐久性)
各複合シートを、高度加速寿命試験機(型番:TPC−411、TABAI ESPEC社製)にセットし、121℃、100%RH、1.6気圧の条件にて、24時間、試験を実施した。
各複合シートを、高度加速寿命試験機(型番:TPC−411、TABAI ESPEC社製)にセットし、121℃、100%RH、1.6気圧の条件にて、24時間、試験を実施した。
試験後、複合シートを高度加速寿命試験機から取り出し、それぞれ、長さ150mm、幅15mmの大きさに切り出し、室温下で、剥離試験(インテスコ精密万能材料試験機201B型)を用いて、引張速度300mm/分にて、T型剥離試験および180度剥離試験のそれぞれを実施して、複合フィルムの接着強度(24h)を測定した。
また、高度加速寿命試験機における試験時間を48時間または72時間にした以外は、上記と同様に試験を実施し、複合フィルムの接着強度(48h、72h)を測定した。
これらの結果を表1に示す。
(耐光試験)
各実施例および各比較例のラミネート用接着剤を、約8g/m2の塗布量で、日本テストパネル製JIS R 3202ガラス板の表面に塗布し、CPPシート(東レフィルム加工トレファンNO ZK−99、60ミクロン)の未処理面と貼り合わせ、60℃で2日間養生した。
各実施例および各比較例のラミネート用接着剤を、約8g/m2の塗布量で、日本テストパネル製JIS R 3202ガラス板の表面に塗布し、CPPシート(東レフィルム加工トレファンNO ZK−99、60ミクロン)の未処理面と貼り合わせ、60℃で2日間養生した。
その後、CPPフィルムを剥がして、QUV装置にて50時間連続で光照射し、取り出し後、色彩計でb値を測定した。光照射前と照射後のb値の差Δb値にて、硬化したラミネート用接着剤の黄変度合を評価した。
また、QUV装置における光照射時間を、100時間、300時間および500時間とした以外は上記と同様に測定し、黄変度合いを評価した。
これらの結果を表1に示す。
QUV装置:デューパネル光コントロールウェザーメーターFDP(スガ試験機株式会社製、連続照射、70℃、10%RH、放射照度設定28W/m2)
色彩計:分光式色彩計SE−2000(日本電色工業株式会社製)
測定方法:透過法
QUV装置:デューパネル光コントロールウェザーメーターFDP(スガ試験機株式会社製、連続照射、70℃、10%RH、放射照度設定28W/m2)
色彩計:分光式色彩計SE−2000(日本電色工業株式会社製)
測定方法:透過法
なお、表中の略号の詳細を下記する。
IPDI:3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート
PCD−1:宇部興産社製、1,6−ヘキサンジオールベースポリカーボネートジオール、数平均分子量500、常温固体
PCD−2:宇部興産社製、1,6−ヘキサンジオールベースポリカーボネートジオール、数平均分子量1000、常温固体
PCD−3:宇部興産社製、1,6−ヘキサンジオールベースポリカーボネートジオール、数平均分子量2000、常温固体
PTSI:p−トルエンスルホニルイソシアネート
PI:プロピルイソシアネート
CHI:シクロヘキシルイソシアネート
PHI:フェニルイソシアネート
BPX−11:アデカポリエーテルBPX−11、アデカ社製、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物
KBM−403:信越シリコーン社製、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
D−120N:タケネートD−120N、三井化学社製、H6XDIのトリメチロールプロパンによるアルコール変性体、平均官能基数3以上、NCO%11、酢酸エチル溶液、固形分50質量%
D−170N:タケネートD−170N、三井化学社製、HDIのトリマー変性体、平均官能基数3以上、NCO%16、酢酸エチル溶液、固形分75質量%
A−50:タケネートA−50、三井化学社製、XDIのトリメチロールプロパンによるアルコール変性体とIPDIのトリメチロールプロパンによるアルコール変性体との混合物、平均官能基数3以上、NCO%11、酢酸エチル溶液、固形分75質量%
IPDI:3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート
PCD−1:宇部興産社製、1,6−ヘキサンジオールベースポリカーボネートジオール、数平均分子量500、常温固体
PCD−2:宇部興産社製、1,6−ヘキサンジオールベースポリカーボネートジオール、数平均分子量1000、常温固体
PCD−3:宇部興産社製、1,6−ヘキサンジオールベースポリカーボネートジオール、数平均分子量2000、常温固体
PTSI:p−トルエンスルホニルイソシアネート
PI:プロピルイソシアネート
CHI:シクロヘキシルイソシアネート
PHI:フェニルイソシアネート
BPX−11:アデカポリエーテルBPX−11、アデカ社製、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物
KBM−403:信越シリコーン社製、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
D−120N:タケネートD−120N、三井化学社製、H6XDIのトリメチロールプロパンによるアルコール変性体、平均官能基数3以上、NCO%11、酢酸エチル溶液、固形分50質量%
D−170N:タケネートD−170N、三井化学社製、HDIのトリマー変性体、平均官能基数3以上、NCO%16、酢酸エチル溶液、固形分75質量%
A−50:タケネートA−50、三井化学社製、XDIのトリメチロールプロパンによるアルコール変性体とIPDIのトリメチロールプロパンによるアルコール変性体との混合物、平均官能基数3以上、NCO%11、酢酸エチル溶液、固形分75質量%
「凝集」とあるのは、接着剤の凝集剥離であり、接着剤とシート界面との接着力よりも、接着剤の凝集力が弱いことを示す。
「PH」とあるのは、PETシートの表層剥離を示す。
Claims (7)
- ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を含有するラミネート用接着剤であって、前記ポリオール成分が、ポリカーボネート骨格を有するポリオール、および、前記カーボネート骨格を有するポリオールとモノイソシアネートとを反応させて得られるモノオールを含有することを特徴とする、ラミネート用接着剤。
- 前記ポリカーボネート骨格を有するポリオールが、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタンポリオールを含有することを特徴とする、請求項1に記載のラミネート用接着剤。
- 前記ポリカーボネートポリオールが、常温で結晶性を有するポリカーボネートジオールを含有することを特徴とする、請求項2に記載のラミネート用接着剤。
- 前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量が、1000以下であることを特徴とする、請求項3に記載のラミネート用接着剤。
- 前記ポリオール成分の数平均分子量が、2000以上8000以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のラミネート用接着剤。
- 屋外用複合シートの積層に使用されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のラミネート用接着剤。
- ポリイソシアネート成分およびポリオール成分をそれぞれ用意する工程を備え、
前記ポリオール成分を用意する工程では、ポリカーボネートポリオールと、ポリイソシアネートとを、前記ポリイソシアネートのイソシアネート基に対する、前記ポリカーボネートポリオールの水酸基の当量比が、1を超過する割合で、反応させることにより、ポリウレタンポリオールを得る工程と、前記ポリウレタンポリオールと、モノイソシアネートとを、前記モノイソシアネートのイソシアネート基に対する、前記ポリウレタンポリオールの水酸基の当量比が、1を超過する割合で、反応させることにより、ポリオール成分を得る工程を備えることを特徴とする、ラミネート用接着剤の製造方法。
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