JP5743969B2 - ラミネート接着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ラミネート用接着剤、詳しくは、複合フィルムのラミネート加工に用いられるラミネート用接着剤に関する。
従来より、各種フィルムを接着剤によって貼り合わせて得られる複合フィルムは、各種溶液を収容する包装袋として用いられることが広く知られている。
そのような接着剤としては、例えば、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを含有しており、ポリイソシアネート成分が、炭素数が4以上のモノオールとポリイソシアネートとから得られるアロファネート基含有ポリイソシアネートを含有し、および/または、ポリオール成分が、アロファネート基含有ポリイソシアネートとポリオールとから得られるアロファネート基含有ポリウレタンポリオールを含有し、ポリオール成分および/またはポリオールが、ナフタレン環を含有しているラミネート用接着剤が、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2011−102387号公報
しかしながら、特許文献1に記載のラミネート用接着剤は、高極性溶媒への耐性が十分でなく、高極性溶媒を収容する場合などに、高温下においては長時間その接着性を維持することができない場合がある。また、特許文献1に記載の接着剤組成物は、耐アルカリ性が十分ではなく、例えば、強アルカリ性の溶液を収容する場合などには、デラミネーションを起こす場合がある。
そこで、本発明の目的は、優れた高極性溶媒への耐性および耐アルカリ性を備え、フィルムおよび接着剤層間における優れた接着強度を有するラミネート用接着剤を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のラミネート接着剤は、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを含有するラミネート用接着剤であって、前記ポリオール成分が、アロファネート基含有ポリイソシアネートと、分子末端に水酸基を有する、ジエン単量体の重合体とを反応させて得られるポリウレタンポリオールを含有することを特徴としている。
また、本発明のラミネート接着剤では、前記ポリイソシアネート成分の平均官能基数が、2を超過していることが好適である。
また、本発明のラミネート接着剤では、前記重合体の数平均分子量が、4000以上であることが好適である。
また、本発明のラミネート接着剤では、前記重合体が、ポリブタジエンポリオールであることが好適である。
また、本発明のラミネート接着剤では、前記ポリオール成分が、低分子量ジオールを含有することが好適である。
また、本発明のラミネート接着剤では、前記ポリイソシアネート成分が、芳香族ジイソシアネートの変性体を含有することが好適である。
本発明のラミネート用接着剤を用いて各フィルム間を接着して得られる複合フィルムは、高極性溶媒への耐性に優れるため、高極性溶媒を収容する場合などに、高温下においても長時間その接着強度を維持することができる。
また、本発明のラミネート用接着剤を用いて各フィルム間を接着して得られる複合フィルムは、耐アルカリ性にも優れるため、強アルカリ性の溶液を収容する場合などにも用いることができる。
さらに、本発明のラミネート用接着剤は、フィルムおよび接着剤層間における優れた接着強度を有する。
そのため、本発明のラミネート用接着剤によれば、信頼性に優れる包装袋を得ることができる。
本発明のラミネート用接着剤は、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを含有する。
ポリイソシアネート成分としては、例えば、ポリイソシアネート単量体、ポリイソシアネート変性体などが挙げられる。
ポリイソシアネート単量体としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートなどのポリイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TDI)、フェニレンジイソシアネート(m−、p−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物)、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ジフェニルメタンジイソシネート(4,4’−、2,4’−または2,2’−ジフェニルメタンジイソシネートもしくはその混合物)(MDI)、4,4’−トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TMXDI)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼンなどの芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプエートなどの脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
また、脂肪族ポリイソシアネートには、脂環族ポリイソシアネートが含まれる。脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート)、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロジイソシアネート)(IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(4,4’−、2,4’−または2,2’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート、これらのTrans,Trans−体、Trans,Cis−体、Cis,Cis−体、もしくはその混合物))(H12MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート(各種異性体もしくはその混合物)(NBDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物)(HXDI)などの脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
これらポリイソシアネート単量体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリイソシアネート変性体としては、上記したポリイソシアネート単量体の、例えば、多量体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、オキサジアジントリオン変性体、ポリオール変性体(アルコール付加(アダクト)体)などが挙げられる。
多量体としては、例えば、二量体(ウレットジオン基含有ポリイソシアネート、ダイマー変性体)、三量体(イソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、トリマー変性体)、五量体、七量体もしくはこれらの混合物などが挙げられる。ポリイソシアネート単量体の多量体として、好ましくは、ポリイソシアネート単量体の三量体が挙げられる。
三量体は、上記したポリイソシアネート単量体を公知のイソシアヌレート化触媒の存在下において反応させ、三量化することにより得ることができる。
ビウレット変性体は、上記したポリイソシアネート単量体と、例えば、水、第三級アルコール(例えば、t−ブチルアルコールなど)、第二級アミン(例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミンなど)などとを反応させた後、公知のビウレット化触媒の存在下でさらに反応させることにより得ることができる。
アロファネート変性体は、詳しくは後述するが、上記したポリイソシアネート単量体と、モノオール(後述)とを、公知のウレタン化触媒の存在下でウレタン化反応させた後、さらに、公知のアロファネート化触媒の存在下で、アロファネート化反応させることにより得ることができる。
オキサジアジントリオン変性体は、ポリイソシアネート単量体と二酸化炭素との反応により得ることができる。
ポリオール変性体は、上記したポリイソシアネート単量体と、低分子量ポリオール(後述)との反応により得ることができる。
ポリイソシアネート変性体のうち、好ましくは、ポリオール変性体が挙げられる。
これらポリイソシアネート変性体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリイソシアネート成分として、好ましくは、ポリイソシアネート変性体、より好ましくは、芳香族ジイソシアネートの変性体、芳香脂肪族ジイソシアネートの変性体、さらに好ましくは、芳香族ジイソシアネートの変性体が挙げられる。
ポリイソシアネート成分として芳香族ジイソシアネートの変性体を用いれば、優れた高極性溶媒への耐性および耐アルカリ性を確保することができる。
また、ポリイソシアネート成分としては、例えば、上記したポリイソシアネート単量体とポリイソシアネート変性体とを併用することもできる。ポリイソシアネート単量体とポリイソシアネート変性体とを併用する場合において、それらの配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
ポリイソシアネート成分の平均官能基数は、例えば、2以上、好ましくは、2を超過、より好ましくは、3以上であり、また、例えば、10以下、好ましくは、5以下である。
ポリイソシアネート成分の平均官能基数が2を超過していれば、高極性溶媒への耐性および耐アルカリ性をより一層向上させることができる。
また、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基含有率(NCO%)は、例えば、1以上、好ましくは、5以上であり、例えば、50以下、好ましくは、30以下である。
なお、イソシアネート基含有率は、JIS K7301に記載のイソシアネート基含有率試験により求めることができる(以下同様)。
また、ポリイソシアネート成分は、有機溶媒(後述)で希釈して用いることができる。
有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、例えば、アセトニトリルなどのニトリル類、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのアルキルエステル類、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのグリコールエーテルエステル類、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、例えば、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミドなどの極性非プロトン類などが挙げられる。
これら有機溶媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、ポリイソシアネート成分が有機溶媒で希釈される場合において、ポリイソシアネート成分の固形分濃度は、例えば、10質量%以上、好ましくは、30質量%以上、例えば、95質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。
なお、ポリイソシアネート成分は、有機溶媒で希釈することなく、すなわち、固形分濃度100質量%で用いることもできる。
本発明において、ポリオール成分は、アロファネート基含有ポリイソシアネートと、分子末端に水酸基を有するジエン単量体の重合体(以下、ポリジエンポリオールと称する。)とを反応させて得られるポリウレタンポリオールを含有している。
アロファネート基含有ポリイソシアネートは、上記したポリイソシアネート単量体のアロファネート変性体であって、例えば、上記したポリイソシアネート単量体とモノオールとを反応させるとともに、アロファネート化させることにより得ることができる。
ポリイソシアネート単量体としては、上記したポリイソシアネート単量体が挙げられ、好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
モノオールとしては、例えば、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール(ラウリルアルコール)、トリデシルアルコール、テトラデシルアルール(ミリスチルアルコール)、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール(セチルアルコール)、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール(ステアリルアルコール、オクタデカノール)、ノナデシルアルコール、およびそれらの異性体(2−メチル−1−プロパノール(iso−ブタノール)を含む)、さらには、その他のアルカノール(C20〜50アルコール)や、例えば、オレイルアルコールなどのアルケニルアルコール、例えば、オクタジエノールなどのアルカジエノール、例えば、ポリエチレンブチレンモノオールなどの脂肪族モノオールが挙げられる。また、モノオールとして、例えば、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールなどの脂環族モノオール、例えば、ベンジルアルコールなどの芳香脂肪族モノオールなども挙げられる。
モノオールの炭素数は、4以上、好ましくは、5以上、さらに好ましくは、6以上、通常、50以下である。
モノオールは、単独使用または2種以上併用することができる。
これらモノオールのうち、好ましくは、炭素数4以上の脂肪族モノオールが挙げられる。
そして、アロファネート基含有ポリイソシアネートを得るには、まず、モノオールとポリイソシアネート単量体とを、モノオールの水酸基に対するポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/水酸基)が、例えば、2以上、好ましくは、5以上、例えば、100以下、好ましくは、50以下となる割合で、それらを配合して、反応させる。
モノオールとポリイソシアネートとは、公知の反応条件で反応させることができる。
具体的には、反応温度が、例えば、40℃以上、100℃以下であり、反応時間が、0.5時間以上、100時間以下の反応条件で、ウレタン化反応させる。
続いて、反応温度が、例えば、0℃以上、好ましくは、20℃以上、例えば、160℃以下、好ましくは、120℃以下で、反応時間が、0.5時間以上、20時間以下の反応条件で、アロファネート化反応させる。
上記したウレタン化反応では、必要により、公知のウレタン化触媒(後述)を添加することができ、また、上記したアロファネート化反応では、必要により、公知のアロファネート化触媒を添加することができ、さらに、上記した各反応において、必要により、上記した公知の有機溶媒を添加することができる。
アロファネート化触媒としては、例えば、オクチル酸ビスマスなどの有機カルボン酸ビスマス塩、例えば、オクチル酸鉛などの有機カルボン酸鉛塩などが挙げられる。
これらアロファネート化触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
アロファネート化触媒の配合割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、上記したアロファネート反応の前に、反応系に、有機亜リン酸エステル(例えば、トリス(トリデシル)ホスファイトなど)などの助触媒を予め添加することにより、アロファネート化触媒および助触媒の共存下で、アロファネート化反応させることもできる。
さらに、アロファネート化反応を終了させるときには、反応系に、公知のアロファネート化反応停止剤を添加することにより、アロファネート化触媒を失活させる。アロファネート化反応停止剤としては、例えば、リン酸、モノクロル酢酸、塩化ベンゾイル、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、オルトトルエンスルホンアミドなどが挙げられる。
また、反応後の反応系における未反応のモノオールやポリイソシアネートの濃度(残存モノマー濃度)が高い場合には、好ましくは、反応系から未反応のそれらを除去し、残存モノマー濃度を低減する。
未反応のモノオールやポリイソシアネートを除去する方法としては、例えば、薄膜蒸留法などの蒸留法や、例えば、液−液抽出法などの抽出法などが挙げられる。好ましくは、薄膜蒸留法が挙げられる。
薄膜蒸留法では、例えば、真空度0.02〜0.2kPa、100〜200℃の温度条件に調整される。
これにより、アロファネート基含有ポリイソシアネートを得ることができる。
アロファネート基含有ポリイソシアネートのイソシアネート基含有率(NCO%)は、例えば、1以上、好ましくは、5以上であり、例えば、50以下、好ましくは、30以下である。
ポリジエンポリオールにおいて、ジエン単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、シアノブタジエン、ペンタジエンなどの共役ジエン単量体などが挙げられ、好ましくは、ブタジエンが挙げられる。
これらジエン単量体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、ジエン単量体の重合体は、上記のジエン単量体を、例えば、懸濁重合、塊状重合、溶液重合、乳化重合などの公知の重合方法で重合することにより得ることができる。そのような重合体としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリシアノブタジエン、ポリペンタジエンなどが挙げられる。
また、ポリジエンポリオールは、上記のジエン単量体の重合体の分子末端を公知の方法により水酸基に変性することにより得ることができ、そのようなポリジエンポリオールとして、具体的には、例えば、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリクロロプレンポリオール、ポリシアノブタジエンポリオール、ポリペンタジエンポリオールなどが挙げられ、好ましくは、ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオールが挙げられ、より好ましくは、ポリブタジエンポリオールが挙げられる。
ポリブタジエンポリオールを用いれば、優れた高極性溶媒への耐性および耐アルカリ性を確保することができる。
ポリジエンポリオールの水酸基価は、例えば、4mgKOH/g以上、好ましくは、5mgKOH/g以上であり、例えば、250mgKOH/g以下、好ましくは、100mgKOH/g以下である。
なお、水酸基価は、JIS K 1557−1のA法またはB法に準拠するアセチル化法やフタル化法などから求めることができる。
また、ポリジエンポリオールの数平均分子量は、例えば、500以上、好ましくは、2000以上、より好ましくは、4000以上であり、例えば、25000以下、好ましくは、20000以下、より好ましくは、15000以下である。
ポリジエンポリオールの数平均分子量が上記範囲、とりわけ、4000以上であれば、優れた高極性溶媒への耐性および耐アルカリ性を確保することができる。
なお、数平均分子量の測定方法は、後の実施例にて詳述する。
また、ポリウレタンポリオールの製造においては、ポリジエンポリオールとともに、低分子量ポリオールを、アロファネート基含有ポリイソシアネートと反応させることができる。
低分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量400未満の化合物であって、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,2−トリメチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、アルカン(C7〜22)ジオール、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの混合物、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオールおよびそれらの混合物、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価アルコール(低分子量ジオール)、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール(低分子量トリオール)、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価アルコール、例えば、キシリトールなどの5価アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコール、例えば、ペルセイトールなどの7価アルコール、例えば、ショ糖などの8価アルコールなどが挙げられる。
これら低分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
低分子量ポリオールとして、好ましくは、2価アルコール(低分子量ジオール)が挙げられる。
ポリウレタンポリオールの製造において、低分子量ジオールを用いれば(すなわち、ポリオール成分が低分子量ジオールを含有すれば)、優れた接着性を確保することができる。
ポリオール成分に低分子量ポリオールが含有される場合において、低分子量ポリオールの含有割合は、ポリジエンポリオール100質量部に対して、低分子量ポリオールが、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、例えば、200質量部以下、好ましくは、100質量部以下である。
そして、ポリウレタンポリオールを得るには、まず、上記したアロファネート基含有ポリイソシアネートと、ポリジエンポリオール(さらに、必要により低分子量ポリオール)とを、アロファネート基含有ポリイソシアネートのイソシアネート基に対する、ポリジエンポリオール(さらに、必要により低分子量ポリオール)の水酸基の当量比(水酸基/イソシアネート基)が、例えば、1を超過する割合、好ましくは、2〜100となる割合で、それらを配合して、ウレタン化反応させる。
アロファネート基含有ポリイソシアネートと、ポリジエンポリオール(さらに、必要により低分子量ポリオール)とは、公知の反応条件で反応させることができ、具体的には、反応温度が、例えば、40〜100℃で、反応時間が、0.5〜100時間の反応条件で、ウレタン化反応させる。
上記したウレタン化反応では、必要に応じて、公知のウレタン化触媒を添加することができ、また、必要により、上記した有機溶媒を添加することができる。
ウレタン化触媒としては、例えば、アミン類や有機金属化合物などの公知のウレタン化触媒などが挙げられる。
アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチルモルホリンなどの3級アミン類、例えば、テトラエチルヒドロキシルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩、例えば、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などが挙げられる。
有機金属化合物としては、例えば、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジメチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメルカプチド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジメルカプチド、ジオクチル錫ジラウリレート、ジブチル錫ジクロリドなどの有機錫系化合物、例えば、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛などの有機鉛化合物、例えば、ナフテン酸ニッケルなどの有機ニッケル化合物、例えば、ナフテン酸コバルトなどの有機コバルト化合物、例えば、オクテン酸銅などの有機銅化合物、例えば、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどの有機ビスマス化合物、オクチル酸ジルコニウム、ネオデカン酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)などの有機ジルコニウム化合物、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシドなどの有機チタン化合物、オクチル酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、アセチルアセトン亜鉛、ジブチルジチオカルバメート亜鉛、p−トルエンスルホネート亜鉛などの有機亜鉛化合物などが挙げられる。
これらウレタン化触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ウレタン化触媒の配合割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、この方法では、好ましくは、ジ−n−ブチルアミンによる滴定法や、FT−IR分析などの公知の方法によって、イソシアネート基の消失を確認し、反応の終点を決定する。
これにより、アロファネート基を含有するポリウレタンポリオールを得ることができる。
このようにして得られるポリウレタンポリオールの数平均分子量は、例えば、550〜45000、好ましくは、600〜35000である。
また、ポリオール成分は、上記した有機溶媒で希釈して用いることができる。
ポリオール成分が有機溶媒に希釈される場合において、ポリオール成分の固形分濃度は、例えば、10質量%以上、好ましくは、30質量%以上、例えば、95質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。
なお、ポリオール成分は、有機溶媒で希釈することなく、すなわち、固形分濃度100質量%で用いることもできる。
また、ポリオール成分には、さらに、その他のポリオール、具体的には、例えば、上記した低分子量ポリオールや、例えば、上記したポリジエンポリオールおよびその水素添加物などを、ポリウレタンポリオールとは別途添加することもできる。
このような場合において、その他のポリオールの配合割合は、ポリウレタンポリオール100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、例えば、100質量部以下、好ましくは、90質量部以下である。
そして、本発明のラミネート用接着剤においては、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを、後述するラミネート加工時に配合し、混合撹拌して用いる。
ポリイソシアネート成分とポリオール成分との配合割合は、ポリオール成分の水酸基に対するポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/水酸基)が、例えば、0.4以上、好ましくは、0.5以上であり、例えば、10.0以下、好ましくは、5.0以下となる割合に調整される。
また、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とには、必要に応じて、そのいずれか一方またはその両方に、例えば、エポキシ樹脂、硬化触媒、塗工改良剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定剤、可塑剤、界面活性剤、顔料、充填剤、有機または無機微粒子、防黴剤、シランカップリング剤などの添加剤を配合してもよい。これらの添加剤の配合割合は、その目的および用途により適宜決定される。
そして、このラミネート用接着剤は、複合フィルムのラミネート加工、具体的には、複合フィルムの各フィルム間の接着に用いられる。
すなわち、ラミネート加工では、例えば、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を公知の有機溶剤で希釈して配合し、ラミネート用接着剤を調製した後、溶剤型ラミネータによって、このラミネート用接着剤を各フィルム表面に塗布し、溶剤を揮散させた後、塗布面を貼り合わせ、その後、常温または加温下において養生して硬化させる方法や、あるいは、ポリイソシアネート成分とポリオール成分との配合粘度が、常温〜100℃で、例えば、約100〜10000mPa・s、好ましくは、約100〜5000mPa・sの場合には、例えば、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分をそのまま配合し、ラミネート用接着剤を調製した後、無溶剤型ラミネータによって、このラミネート用接着剤を各フィルム表面に塗布し、塗布面を貼り合わせ、その後、常温または加温下において養生して硬化させる方法などが採用される。
通常、塗布量は、例えば、溶剤型の場合、溶剤揮散後の坪量(固形分)で、約2.0〜8.0g/m、無溶剤型の揚合、約1.0〜3.0g/mである。
接着されるフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン(例えば、未延伸ポリプロピレンや延伸ポリプロピレン)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどからなるプラスチックフィルム、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、鉛などからなる金属箔などが挙げられる。また、上記したフィルムの表面には、必要により、コロナ処理、UV処理、プラズマ処理などの公知の活性化処理を施すこともできる。
各フィルムの厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、9μm以上であり、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
そして、本発明のラミネート用接着剤は、高極性溶媒への耐性に優れるため、高極性溶媒を収容する場合などに、高温下においても長時間その接着性を維持することができ、さらに、耐アルカリ性にも優れるため、強アルカリ性の溶液を収容する場合などにも用いることができる。
また、ラミネート用接着剤が各フィルム間の接着に用いられた複合フィルムは、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートおよびジメチルカーボネートを1/1/1の質量比で含有する混合溶媒に、85℃で、168時間、浸漬後(直後)の接着強度が、例えば、1.0N/15mm以上、好ましくは、1.5N/15mm以上、さらに好ましくは、2.0N/15mm以上であり、通常、20N/15mm以下である。
また、上記のように浸漬し、24時間乾燥させた後の接着強度が、例えば、3.5N/15mm以上、好ましくは、5.0N/15mm以上、さらに好ましくは、6.5N/15mm以上であり、通常、20N/15mm以下である。
なお、浸漬前、つまり、ラミネート加工直後における複合フィルムの接着強度は、例えば、2.0N/15mm以上、好ましくは、4.0N/15mm以上、さらに好ましくは、6.0N/15mm以上であり、通常、20N/15mm以下である。
そして、ラミネート用接着剤が各フィルム間の接着に用いられた複合フィルムは、耐アルカリ性に優れている。具体的には、ラミネート用接着剤が各フィルム間の接着に用いられた複合フィルムをヒートシールし、強アルカリ性(例えば、pH10.0〜14.0)の溶液を充填して、50℃で2週間保存した場合にも、デラミネーションなどを惹起することなく、優れた外観を維持することができる。
また、そのような場合における複合フィルムの接着強度は、例えば、2.0N/15mm以上、好ましくは、3.0N/15mm以上、さらに好ましくは、4.0N/15mm以上であり、通常、20N/15mm以下である。
なお、上記した複合フィルムの接着強度の測定方法は後の実施例にて詳述する。
そのため、上記した複合フィルムは、例えば、アルカリ性の溶液を封入する、各種の産業分野において使用される包装袋として用いられ、具体的には、食品、飲料、農薬、医薬品および医薬部外品などの包装袋、あるいは、電子部品の外装袋など、さらには、リチウムイオン電池などの2次電池の外装袋として用いられる。
そして、本発明のラミネート用接着剤を用いて各フィルム間を接着して得られる複合フィルムは、高極性溶媒への耐性に優れるため、高極性溶媒を収容する場合などに、高温下においても長時間その接着強度を維持することができる。
また、本発明のラミネート用接着剤を用いて各フィルム間を接着して得られる複合フィルムは、耐アルカリ性にも優れるため、強アルカリ性の溶液を収容する場合などにも用いることができる。
さらに、本発明のラミネート用接着剤は、フィルムおよび接着剤層間における優れた接着強度を有する。
そのため、本発明のラミネート用接着剤によれば、信頼性に優れる包装袋を得ることができる。
以下に、実施例および比較例を参照して、本発明をさらに具体的に説明するが、これらは、本発明を何ら限定するものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。
また、以下において記載される数平均分子量は、以下の通り測定した。
すなわち、試料40mgを、テトラヒドロフラン4mLに溶解させ、1w/v%溶液として調製した後、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にて、下記条件で測定し、標準ポリスチレン換算により、数平均分子量(Mn)を測定した。
データ処理装置:品番EMPOWER2(Waters社製)
示差屈折率検出器:2414型示差屈折検出器
カラム:PLgel5μmMixed‐C 品番1110−6500(Polymer Laboratories製)3本
移動相:テトラヒドロフラン
カラム流量:1mL/min
試料濃度:10g/L
注入量:100μL
測定温度:40℃
分子量校正:TOSOH社製 TSKstandard Polystyrene
<ポリイソシアネート成分の調製>
調製例1
(ポリイソシアネート成分Aの調製)
トリレンジイソシアネート変性体(「タケネートD−103H」、トリメチロールプロパンによるアルコール変性体、平均官能基数3以上、イソシアネート基含有量12.6%、固形分75%(酢酸エチル溶媒)、三井化学株式会社製)をポリイソシアネート成分Aとした。
調製例2
(ポリイソシアネート成分Bの調製)
ヘキサメチレンジイソシアネート変性体(「タケネートD−170N」、三量体、平均官能基数3以上、イソシアネート基含有量21.0%、三井化学株式会社製)750gに、トルエン250.0g加え、均一に混合することにより、固形分75%、イソシアネート基含有量15.8%のポリイソシアネート成分Bを調製した。
調製例3
(ポリイソシアネート成分Cの調製)
トリレンジイソシアネートの単量体(「コスモネートT−80」、2,4−異性体/2,6−異性体比=80/20のトリレンジイソシアネート、平均官能基数2、三井化学株式会社製)をポリイソシアネート成分Cとした。
<アロファネート基含有ポリイソシアネートの合成>
合成例1
(ポリイソシアネートaの合成)
攪拌機、温度計、冷却器および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)860g、オクタデカノール139.5g、および、トリス(トリデシル)ホスファイト0.5gを仕込み、80℃で2時間、ウレタン化反応させた。次に、反応液にオクチル酸ビスマス(Bi含有量:18質量%)を0.05g添加し、100℃で10時間、アロファネート化反応させ、ウレタン結合のアロファネート結合への変換がほぼ完了したことをFT−IRにより確認し、オルトトルエンスルホンアミド0.03gを添加してアロファネート化反応を停止させた。
得られた反応液を薄膜蒸留装置(真空度:0.05kPa、温度150℃)を用いて未反応のオクタデカノールおよびヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、アロファネート基含有ポリイソシアネート(HDI/C18OHアロファネート変性体)からなるポリイソシアネートaを得た。ポリイソシアネートaのイソシアネート基含有率(NCO%)は13.1%であった。
なお、NCO%は、JIS K7301に記載のイソシアネート基含有率試験により測定した。
<ポリウレタンポリオールの合成>
合成例2
(ポリオールaの合成)
ポリブタジエンポリオール(「Poly bd R−45HT」、水酸基価46.6mgKOH/g、分子量4877、出光興産株式会社製)270.4g、エチレングリコール27.2g、ポリイソシアネートa302.4gをそれぞれ添加し、窒素気流下、反応温度を60〜70℃の範囲に調整しながら1時間ウレタン化反応を行った。次に、反応液にオクチル酸錫0.06gを添加し、反応温度を70〜80℃の範囲に調整しながら、さらにウレタン化反応を行った。FT−IRによりイソシアネート基のピークが完全に消失するまで反応させ、ポリオールaを得た。
合成例3
(ポリオールbの合成)
ポリブタジエンポリオール(「Poly bd R−15HT」、水酸基価102.7mgKOH/g、分子量2281、出光興産株式会社製)159.8g、エチレングリコール36.2g、ポリイソシアネートa404.0gをそれぞれ添加し、窒素気流下、反応温度を60〜70℃の範囲に調整しながら1時間ウレタン化反応を行った。次に、反応液にオクチル酸錫0.06gを添加し、反応温度を70〜80℃の範囲に調整しながら、さらにウレタン化反応を行った。FT−IRによりイソシアネート基のピークが完全に消失するまで反応させ、ポリオールbを得た。
合成例4
(ポリオールcの合成)
ポリイソプレンポリオール(「Poly ip」、水酸基価46.6mgKOH/g、分子量4162、出光興産株式会社製)270.4g、エチレングリコール27.2g、ポリイソシアネートa302.4gをそれぞれ添加し、窒素気流下、反応温度を60〜70℃の範囲に調整しながら1時間ウレタン化反応を行った。次に、反応液にオクチル酸錫0.06gを添加し、反応温度を70〜80℃の範囲に調整しながら、さらにウレタン化反応を行った。FT−IRによりイソシアネート基のピークが完全に消失するまで反応させ、ポリオールcを得た。
合成例5
(ポリオールdの合成)
「Poly bd R−45HT」518.2g、ポリイソシアネートa81.8gをそれぞれ添加し、窒素気流下、反応温度を60〜70℃の範囲に調整しながら1時間ウレタン化反応を行った。次に、反応液にオクチル酸錫0.06gを添加し、反応温度を70〜80℃の範囲に調整しながら、さらにウレタン化反応を行った。FT−IRによりイソシアネート基のピークが完全に消失するまで反応させ、ポリオールdを得た。
合成例6
(ポリオールeの合成)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(NDCM)390.7g、プロピレングリコール(PG)67.3g、ネオペンチルグリコール(NPG)137.5g、および、チタンテトラブトキシド0.1gをそれぞれ添加し、窒素気流下180〜220℃で、エステル交換反応させた。所定量のメタノールを留出後、系内を徐々に減圧し、13.3Pa以下、220℃で、縮合反応させて、数平均分子量が約5000のナフタレンジカルボン酸含有ポリエステルポリオール(NDCM//PG/NPG)からなるポリオールeを得た。
合成例7
(ポリオールfの合成)
攪拌機、温度計、冷却器および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、ポリオキシプロピレングリコール(「Diol−1000」、数平均分子量1000、三井化学株式会社製)314g、ジプロピレングリコール36g、ポリイソシアネートa147gおよびコスモネートT−80を81g仕込み、窒素気流下、反応温度60〜70℃の範囲に調整しながら1時間ウレタン化反応を行った。次に、反応液にオクチル酸錫0.06gを添加し、反応温度を70〜80℃の範囲に調整しながら、さらに4時間ウレタン化反応を行った。その後、1,4−ブチレングリコール22gとオクチル酸錫0.12gを添加した。FT−IRによりイソシアネート基のピークが完全に消失するまで反応させ、ポリオールfを得た。
<ポリオール成分の調製>
調製例4〜10
(ポリオール成分A〜Fの調製)
合成例2〜8のポリオールa〜f600gをトルエン400gで希釈して、固形分60%の調製例4〜10のポリオール成分A〜Fをそれぞれ調製した。
調製例12
(ポリオール成分Gの調製)
「Poly bd R−45HT」をポリオール成分Gとした。
<複合フィルムの作製>
実施例1
ポリイソシアネート成分A100質量部にポリオール成分A750質量部を混合し、ラミネート用接着剤とした。ラミネート用接着剤をトルエンで希釈し、バーコーターを用いて、坪量4g/m(固形分)となるように厚さ40μmのアルミニウム箔(表面未処理)の上に常温下において塗布し、有機溶剤を揮散させた。その後、アルミニウム箔におけるラミネート用接着剤の塗布面と、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(片面コロナ処理品)におけるコロナ処理面とを貼り合わせ、60℃で5日間養生することにより、ラミネート用接着剤を硬化させて、アルミニウム箔および未延伸ポリプロピレンフィルム間を接着させて、複合フィルムIを得た。
また、ラミネート用接着剤をトルエンで希釈し、バーコーターを用いて、坪量3.5g/m(固形分)となるように厚さ15μmのナイロンフィルム(片面コロナ処理品)におけるコロナ処理面の上に常温下において塗布し、有機溶剤を揮散させた。その後、ナイロンフィルムにおけるラミネート用接着剤の塗布面と、厚さ130μmの未延伸ポリエチレンフィルム(片面コロナ処理)におけるコロナ処理面とを張り合わせ、40℃で5日間養生することにより、ラミネート用接着剤を硬化させて、ナイロンフィルムおよび未延伸ポリエチレンフィルム間を接着させて複合フィルムIIを得た。
実施例2
実施例1のポリイソシアネート成分Aの代わりに、ポリイソシアネート成分Bを使用した以外は実施例1と同様にして、複合フィルムIおよび複合フィルムIIを得た。
実施例3〜5
実施例1のポリオール成分Aの代わりに、ポリオール成分B〜Dを使用した以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムIおよび複合フィルムIIを得た。
実施例6
実施例1のポリイソシアネート成分A100質量部の代わりにポリイソシアネート成分C100質量部を使用し、また、ポリオール成分A750質量部の代わりにポリオール成分A3000質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムIおよび複合フィルムIIを得た。
比較例1、2
実施例1のポリオール成分Aの代わりに、ポリオール成分E、Fを使用した以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムIおよび複合フィルムIIを得た。
比較例3
実施例1のポリオール成分A750質量部の代わりにポリオール成分Gを250質量部使用した以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムIおよび複合フィルムIIを得た。
(評価)
(1)接着強度
複合フィルムIおよびIIを、長さ150mm、幅15mmの大きさに切り出し、万能引張測定装置を用いて、クロスヘッド速度300mm/分にてT型剥離試験を実施して、複合フィルムの接着強度を測定した。その結果を、表1および表2に示す。また、剥離時の破壊モードを、併せて示す。
(2)耐内容物性試験1
複合フィルムIを、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートおよびジメチルカーボネートを1/1/1の質量比で含有する混合溶剤に、85℃で、168時間、浸漬した。浸漬後、複合フィルムを取り出し、混合溶剤を拭き取った。その後、直ちに万能引張測定装置を用いて、クロスヘッド速度300mm/分にてT型剥離試験を実施して、浸漬後の複合フィルムの接着強度を測定した。また、混合溶剤を拭き取り24時間乾燥させた後、同様にして複合フィルムの接着強度を測定した。その結果を、表1および表2に示す。また、剥離時の破壊モードを、併せて示す。
(3)耐内容物性試験2
複合フィルムIIの一端をヒートシールして、170mm×65mmのパウチを作製し、このパウチに強アルカリ性洗剤(「マジックリン」、花王株式会社製)を充填した。これを50℃で2週間保存し、保存後のパウチの外観を観察した。また、上記接着性試験と同様にして保存後のパウチ(複合フィルムII)の接着強度を測定した。その結果を、表1および表2に示す。また、剥離時の破壊モードを、併せて示す。
Figure 0005743969
Figure 0005743969
なお、表中の略号の詳細を下記する。
TDIアダクト:トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンによるアルコール変性体、平均官能基数3以上、タケネートD−103H(三井化学株式会社製)
HDIトリマー:ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、平均官能基数3以上、タケネートD−170N(三井化学株式会社製)
TDIモノマー:トリレンジイソシアネートの単量体(2,4−異性体/2,6−異性体比=80/20)、平均官能基数2、コスモネートT−80(三井化学株式会社製)
HDIアロファネート:合成例1で得られたポリイソシアネートa(HDI/C18OHアロファネート変性体)
ナフタレン含有アロファネート:合成例6で得られたポリオールe(ナフタレンジカルボン酸含有ポリエステルポリオール(NDCM//PG/NPG))
PPG:ポリオキシプロピレングリコール、Diol−1000(三井化学株式会社製)
また、剥離時の破壊モードにおける略号の詳細は下記の通りである。
Ad:ラミネート用接着剤
CPP:未延伸ポリプロピレンフィルム
AL:アルミニウム箔
NY:ナイロンフィルム
LLDPE:未延伸ポリエチレンフィルム
なお、表中の「:(コロン)」は、その両側に記載の層間(界面)において界面剥離していたことを示す。
また、「NY表層剥離」は、ラミネート用接着剤とナイロンフィルムとの間において剥離したが、ラミネート用接着剤にナイロンフィルムの表層が薄く付着していたことを示し、「NY切れ」は、剥離試験中にナイロンフィルム層が破断されたことを示す。

Claims (6)

  1. ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを含有するラミネート用接着剤であって、
    前記ポリオール成分が、
    アロファネート基含有ポリイソシアネートと、分子末端に水酸基を有する、ジエン単量体の重合体とを反応させて得られるポリウレタンポリオールを含有することを特徴とする、ラミネート接着剤。
  2. 前記ポリイソシアネート成分の平均官能基数が、2を超過していることを特徴とする、請求項1に記載のラミネート接着剤。
  3. 前記重合体の数平均分子量が、4000以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のラミネート接着剤。
  4. 前記重合体が、ポリブタジエンポリオールであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のラミネート接着剤。
  5. 前記ポリオール成分が、低分子量ジオールを含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のラミネート接着剤。
  6. 前記ポリイソシアネート成分が、芳香族ジイソシアネートの変性体を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のラミネート接着剤。
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