以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図10にしたがって説明する。
図1に示すように、遊技者が操作可能な携帯端末CMとの間で情報を送受信可能なサーバー100を介したシステムにより遊技機としてのパチンコ遊技機10における遊技履歴を保存可能にして管理する遊技システムを構築している。
このような遊技システムでは、所定の集計期間中にパチンコ遊技機10で行った変動ゲームに係る遊技履歴が「日本工業規格(JIS)X−0510」にしたがってコード(記録)した多次元コード(本実施形態では、二次元コードNC)で遊技者に発行される。このような遊技履歴として本実施形態では、集計期間中に行った累積ゲーム数、大当り回数等を対象としている。
本実施形態では、パチンコ遊技機10が発行する二次元コードNCを読取可能なカメラ付き携帯電話(スマートフォン)や、携帯電話でなくてもカメラ機能と通信機能を有した携帯情報端末(モバイルコンピュータ等)を携帯端末CMとして想定している。
また、本実施形態では、携帯端末CMからの命令を受けて特定の機能やデータを提供するコンピュータであって、このような処理を行うサーバーコンピュータ100aと、このような処理に必要なデータを記録して読み書き可能なサーバーメモリ100bとを備えたサーバー100を想定している。また、このサーバーメモリ100bには、遊技者の登録行為により遊技者毎に専用の記憶領域(以下、「個別領域」という)が確保されるとともに、該個別領域で該登録行為の対象となる遊技者に関する遊技履歴が記録(管理)される。
また、本実施形態では、パチンコ遊技機10の電源投入後、後述する履歴集計モードの設定、又は後述するパスワードの入力を遊技履歴の集計の開始としてから、集計された遊技履歴が二次元コードNCでパチンコ遊技機10から発行される。
そして、パチンコ遊技機10から発行された二次元コードNCは、携帯端末CMのカメラにより読み取ることができ、携帯端末CMを媒介して遊技者に取得される。この二次元コードNCには、遊技履歴に関する情報に加えサーバー100のURL(uniform resource locator)、すなわちインターネット上のアドレスであって該遊技履歴を記録するためのサーバーメモリ100bのアドレスがコード(記録)されている。
この二次元コードNCを携帯端末CMで読み取ると、該携帯端末CMの表示部CHには、サーバー100であって対象となる個別領域のURLが表示される。このように表示されるURLが指定されることで、インターネットを介して携帯端末CMは該URLに対するサーバー100に接続(アクセス)することができる。このサーバー100の接続に合わせて携帯端末CMは、二次元コードNCに記録されている遊技履歴に関する情報をサーバー100に対して送信するとともに、該遊技履歴に関する情報を対象となる個別領域に記録することができる。なお、この個別領域には、既に記録されていた遊技履歴に対して携帯端末CMが新たに送信する遊技履歴を反映させた最新の状態の遊技履歴が記録される。
このように最新の状態の遊技履歴が対象となる個別領域に記録されている場合、該最新の状態の遊技履歴を示す複数桁(本実施形態では、6桁)の文字からなるパスワードがサーバー100から携帯端末CMに対して発行されて該携帯端末CMの表示部CHに表示される。このように表示されたパスワードを所定の手順でパチンコ遊技機10に入力してから遊技を開始させることで、該パチンコ遊技機10は該パスワードに基づく遊技履歴(現時点で最新の遊技履歴)を引き継いで遊技を開始することができる。
このパスワードの入力に合わせてパチンコ遊技機10は、該パスワードに基づく遊技履歴を引き継げるようにこれまでの変動ゲームの累積ゲーム数、大当り回数等の遊技履歴を設定する。また、このパスワードの入力に合わせてパチンコ遊技機10は、遊技者の登録行為に基づく識別情報となる固有の情報(登録名等)を特定する。そして、このパチンコ遊技機10は、固有の情報(登録名等)に基づく遊技者の遊技履歴として、設定した遊技履歴にこれから行う遊技の履歴を反映させて保存可能に管理(集計)するとともに、後述する集計期間の状況での遊技履歴(変動ゲームの回数や大当り回数等)を保存可能に管理(集計)する。
なお、パスワードを入力するための所定の手順とは、例えば、パチンコ遊技機10で変動ゲームが行われていない待機状態において、パチンコ遊技機10に備えられた切替・入力用ボタンBTを遊技者が操作して、パチンコ遊技機10の演出表示装置21の表示内容をパスワードの入力可能画面に切り替える。このパスワードの入力可能画面の表示中に、切替・入力用ボタンBTを遊技者が操作して所定のパスワードを入力し、さらに切替・入力用ボタンBTを遊技者がさらに操作して所定のパスワードをパチンコ遊技機10に確定的に入力する。なお、切替・入力用ボタンBT及び演出表示装置21については、後述する。
このようにして携帯端末CMを所有するとともに登録行為によりサーバーメモリ100bにて個別領域の割り当てられている遊技者は、その時点で最新の遊技履歴を割り当てられている個別領域(サーバー100)に保存(記録)することができる。また、このような遊技者は、その時点で最新の遊技履歴を引き継いでパチンコ遊技機10で遊技を開始することができるとともに、該パチンコ遊技機10でこれから行う遊技履歴を記録していくことができる。
また、サーバー100は、インターネットの情報サービスとして各種情報を提供するコンテンツサイトCSを提供するようになっている(コンテンツ提供)。このコンテンツサイトCSでは、サーバー100が受信する遊技者(登録者)の遊技履歴に基づき、遊技者の遊技履歴のうち特定の情報(大当り回数など)を公開する情報サービスなどが提供される。そして、携帯端末CMの表示部CHには、URLの指定によりコンテンツサイトCSが表示され、該コンテンツサイトCSを遊技者が閲覧(コンテンツ閲覧)できる。なお、コンテンツサイトCSの閲覧に関しては、本実施形態で想定する携帯端末CMでなくても通信機能を有した情報端末(パーソナルコンピュータ等)であれば閲覧もできる。
このようにして携帯端末CMを所有する遊技者は、コンテンツサイトCSを閲覧して情報サービスを受けることで、自身の遊技履歴に加えて他の携帯端末CMの使用者(他の遊技者)の遊技履歴のうち特定の情報の記録も閲覧(確認)することができる。その結果、他の遊技者の記録を閲覧して自身の記録と比較したり、自信のある記録を他の遊技者にも公開したりといった楽しみを遊技者に提供することができる。
次に、図2に基づき、パチンコ遊技機について説明する。
パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠13が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠13の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図2に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠13に重なるように組み付けられている。このため、中枠13は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口15を有するとともに、該窓口15の下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)16を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口15を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠13に装着される。また、前枠14には、窓口15のほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う枠用ランプ17が配置されている。
前枠14には、窓口15の左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行うスピーカ18が配置されている。スピーカ18は、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であってスピーカ18の装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
中枠13の前面側であって前枠14の下部には、上皿16から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)19が装着されている。また、中枠13の前面側であって下皿19の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル20が装着されている。
上皿16には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口が設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路が連設されており、さらに右方側に貯留通路内の遊技球を機内部に取り込む上皿取込口が設けられている。上皿16に貯留された遊技球は、貯留通路により前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル20の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿19には、上皿16から溢れ出て流下した遊技球の出口19aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部が遊技球の出口19aに連設されている。
また、上皿16には、切替・入力用ボタンBTが配設されている。この切替・入力用ボタンBTは、演出表示装置21の表示内容を切り替える際に操作される表示切替ボタンBT1と、メニューの切り替えやパスワードを入力する際に操作される入力ボタンBT2と、各種入力結果を確定させる際に操作される確定ボタンBT3とから構成され、各ボタンBT1〜BT3が所定の位置に設けられている。
次に、遊技盤YBの構成について詳しく説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤YBのほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示手段としての演出表示装置21が配設されている。演出表示装置21では、複数列(本実施形態では、3列)の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームと、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が実行される。本実施形態の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置21で実行される図柄変動ゲームでは、表示演出を多様化するための飾り図柄を用いて行われる。
また、演出表示装置21の左下には、8セグメント型の特図表示装置22が配設されている。特図表示装置22では、複数種類の特別図柄(特図)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否か(大当り抽選)などの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。
本実施形態において特図表示装置22には、複数種類の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が確定停止表示される。特図は、大当りを認識し得る図柄となる大当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となるはずれ図柄と、に分類される。また、大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
また、本実施形態において演出表示装置21には、各列に[1]〜[8]の8種類の数字が飾り図柄として表示されるようになっている。そして、演出表示装置21には、特図表示装置22の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的には、特図表示装置22に大当り図柄が確定停止表示される場合、原則として、演出表示装置21にも大当り図柄(大当りの図柄組み合わせ)が確定停止表示されるようになっている。本実施形態の大当りの図柄組み合わせは、全列の飾り図柄が同一の図柄組み合わせ([222][777]など)である。また、特図表示装置22にはずれ図柄が確定停止表示される場合、原則として、演出表示装置21にもはずれ図柄(はずれの図柄組み合わせ)が確定停止表示されるようになっている。本実施形態のはずれの図柄組み合わせは、全列の飾り図柄が異なる図柄組み合わせ([123]など)、又は1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄と異なる図柄組み合わせ([122][767]など)である。
また、本実施形態において、演出表示装置21における各列の飾り図柄は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置21において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に、変動表示された飾り図柄が一旦停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では、左列と右列)の飾り図柄が同一となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では、中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
なお、「変動表示」とは、演出表示装置21と、特図表示装置22に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態である。一方で、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が再び変動表示される可能性があることを示す状態、例えば、ゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態(図柄変動ゲーム終了時に表示されている図柄で停止した状態)である。そして、特図表示装置22における図柄変動ゲームと、演出表示装置21における図柄変動ゲームは、その図柄変動ゲームに係る表示演出が同時に開始されるとともに、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
また、遊技盤YBの左下方であって、特図表示装置22の下方に、2つのLEDから構成される普通図柄表示装置23が配設されている。この普通図柄表示装置23では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普通図柄による図柄組み合わせゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す場合がある)が行われるようになっている。本実施形態では、普図を2つのLEDの発光態様にて3種類示しており、具体的には、2つのLEDが共に点灯する、右側LEDだけが点灯する、左側LEDだけが点灯することにより、複数種類の普図を示している。なお、以下では、説明の都合上、2つのLEDが共に点灯することにより示す普図を普図「0」とし、右側LEDだけが点灯することにより示す普図を普図「1」とし、左側LEDだけが点灯することにより示す普図を普図「2」とする。
遊技者は、普図ゲームで最終的に表示された図柄組み合わせ(普図ゲームで導出された表示結果)から普通当り又ははずれを認識できる。普通図柄表示装置23に表示された普図が「1」「2」の場合には、普通当りを認識できる。この普通当りを認識できる普図が普通当りの表示結果となる。普通当りの表示結果が表示された場合、遊技者には、普通当り遊技が付与される。また、普通図柄表示装置23に表示された普図が「0」である場合には、その普図からはずれを認識できる。このはずれを認識できる普図がはずれの表示結果となる。
図3に示すように、演出表示装置21の下方には、常時遊技球が入球可能な第1始動用入球口を有する第1始動入賞口24が配設されている。第1始動入賞口24の奥方には、入球した遊技球を検知する始動入賞手段としての第1始動口センサSE1が設けられている。第1始動口センサSE1は、第1始動入賞口24に入球した遊技球を検知することを契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、演出表示装置21の右下方であって、第1始動入賞口24の右上方には、遊技球が入球可能な第2始動用入球口と、普通電動役物ソレノイドSOLの作動により開閉動作を行う開閉部材としての開閉羽根(普通電動役物)25とを備えた第2始動入賞口26が配設されている。
第2始動入賞口26の奥方には、入球した遊技球を検知する始動入賞手段としての第2始動口センサSE2が設けられている。第2始動口センサSE2は、第2始動入賞口26に入球した遊技球を検知することを契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。第2始動入賞口26の第2始動用入球口は、常には開閉羽根25が閉状態とされて閉鎖されている。第2始動用入球口が閉鎖されている状態において第2始動入賞口26は、入球不能な状態(入球が規制された状態)とされる。そして、第2始動用入球口は、予め定めた開放条件が成立すると、開閉羽根25が閉状態から開状態に作動することにより、1回又は複数回だけ予め定めた開放時間の間、開放される。第2始動用入球口が開放されている状態において第2始動入賞口26は、入球可能な状態(入球が許容された状態)とされる。
また、第1始動入賞口24の右方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉27aを備えた特別入賞手段としての大入賞口27が配設されている。大入賞口27の奥方には、入賞した遊技球を検知するカウントセンサSE3が配設されている。大入賞口27は、入賞した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば、13個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口27は、大当り遊技中に大入賞口扉27aの開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
なお、図示しない発射装置により遊技盤YB上の遊技領域に遊技球が発射され、予め決められた第1流下経路Y1を遊技球が流れた場合に、当該遊技球の一部が第1始動入賞口24に誘導されるように、遊技盤YB上に配置された遊技球の流下態様を変化させることが可能な遊技釘や、演出表示装置21等の障害部材や第1始動入賞口24が配置されている。つまり、図示しない発射装置により遊技盤YB上に発射され、演出表示装置21の左側を通過する遊技球の一部は、遊技盤YBを流下する際、遊技盤YB上に配置された遊技釘等により第1始動入賞口24に誘導される。また、発射装置により遊技盤YB上の遊技領域に遊技球が発射され、第1流下経路Y1とは異なる予め決められた第2流下経路Y2を遊技球が流れた場合に、当該遊技球の一部が第2始動入賞口26や大入賞口27に誘導されるように、遊技盤YB上に配置された遊技釘等の障害部材や、第2始動入賞口26及び大入賞口27が配置されている。つまり、発射装置により遊技盤YB上に発射され、演出表示装置21の右側を通過する遊技球の一部は、遊技盤YBを流下する際、遊技盤YB上に配置された遊技釘等により第2始動入賞口26や大入賞口27に誘導される。
また、第1流下経路Y1を遊技球が流れた場合、第2始動入賞口26や大入賞口27に遊技球が誘導されないように障害部材や、第2始動入賞口26、大入賞口27が配置されている。それと共に、第2流下経路Y2を遊技球が流れた場合、第1始動入賞口24に遊技球が誘導されないように、障害部材や、第1始動入賞口24が配置されている。また、発射ハンドル20を操作することにより、遊技球が発射される方向を調整することができるようになっている。すなわち、遊技者は、流下経路を任意に選択することができるようになっている。
また、特図表示装置22の下方には、複数個の特図保留発光部を備えた特図保留記憶表示装置28が配設されている。特図保留記憶表示装置28は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤YBに配設した第1始動入賞口24又は第2始動入賞口26に遊技球が入球(入賞)することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に第1始動入賞口24又は第2始動入賞口26へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では、4個)まで累積される。そして、本実施形態における特図保留発光部は、保留記憶数に応じて点灯又は消灯する。
また、演出表示装置21の右方には、作動ゲート29が配設されている。作動ゲート29の奥方には、入賞(通過)した遊技球を検知するゲートセンサSE4が設けられている。作動ゲート29は、遊技球の入賞検知(通過検知)を契機に、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、第2始動入賞口26を開状態とするか否か(第2始動入賞口26に遊技球を入賞可能とするか)の抽選結果を導出するために行われる演出である。第2始動入賞口26は、開閉羽根25により常には入り口が閉鎖された閉状態となっており、この閉状態では遊技球を入賞させることができない。その一方で、第2始動入賞口26は、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根25が開放されることにより第2始動入賞口26が開状態となり、遊技球を入賞させることができる。即ち、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根25の開放によって第2始動入賞口26に遊技球を入賞させることができるため、第2始動入賞口26に遊技球を入賞させやすくなり、遊技者は、図柄変動ゲームの始動条件を容易に獲得できるチャンスを得ることができる。なお、第1始動入賞口24へは常に同じ条件で遊技球を入賞させることができるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ機は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な特別遊技状態として確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)である通常確率から高確率に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。
また、本実施形態のパチンコ機は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な特別遊技状態として変動時間短縮(以下、「変短」と示す)状態を付与する変短機能を備えている。変短状態が付与されると、開閉羽根25を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される、及び普図ゲームの普通当り確率が通常確率から高確率に変動する入球率向上状態(入賞率向上状態)が特典として付与される。この入球率向上状態において、開閉羽根25は、普図ゲームにおいて当選した際、通常状態(非変短状態)である場合とは異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、通常状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根25が1回開放し、開放してから200ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方、入球率向上状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根25が4回開放するとともに、1回の開放において開放してから900msが経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根25は、入球率向上状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、本実施形態の変短状態(入球率向上状態)は、大当り遊技の種類及び大当り遊技となる図柄変動ゲームがどのような遊技状態で行われたかによって付与されるか否か、及びいつまで付与されるかが決定されるようになっている。また、確変状態が付与される場合に、上述した変短状態(入球率向上状態)も合わせて付与される場合がある。
次に、図4に基づき、本実施形態のパチンコ機に規定する大当り遊技について、詳しく説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて大当り図柄が停止表示されて該ゲームが終了した後、開始される。大当り遊技が開始すると、大当り遊技の種類に応じて、オープニング時間が設定される。このオープニング時間において、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。また、オープニング時間が終了すると、大入賞口27が開放されるラウンド遊技が、予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に大入賞口27は、入球上限個数(本実施形態では8個)の遊技球が入賞するまでの間、又はラウンド遊技毎に決められた規定時間(大入賞口27の開放時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、すべてのラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の種類に応じて、エンディング時間が設定される。大当り遊技の種類によっては、このエンディング時間において、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われる。また、エンディング時間が終了すると、大当り遊技は終了される。
そして、本実施形態のパチンコ機では、大当り抽選に当選した場合、図4に示す複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、複数種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において特図表示装置22に表示される特別図柄の大当り図柄は、図柄A〜図柄Cの3つのグループに分類されている。
そして、図柄Aに分類される大当り図柄が特図表示装置22に表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当り遊技である。以下、「16R確変大当りZA」と示す。16R確変大当りZAにおける16回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口27の大入賞口扉27aを開放させるように設定されている。また、16R確変大当りZAでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで変短状態が付与されるようになっている。なお、図4では、確変状態が付与されてから次回の大当りまで変短状態が付与される場合を「次回まで」と表記している。
図柄Bに分類される大当り図柄が特図表示装置22に表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当り遊技である。以下、「4R確変大当りZB」と示す。また、4R確変大当りZBでは、大当り抽選の当選時における遊技状態が、変短状態でない場合、大当り終了後においても非変短状態(通常状態)を付与する(図では、「無」と示す)。その一方、4R確変大当りZBでは、大当り抽選の当選時における遊技状態が、変短状態である場合、確変状態の終了時まで変短状態が付与されるようになっている。
図柄Cに分類される大当り図柄が特図表示装置22に表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない大当り遊技である。以下、「4R非確変大当りZC」と示す。また、4R非確変大当りZCでは、大当り抽選の当選時における遊技状態が、変短状態でない場合、大当り終了後においても非変短状態(通常状態)を付与する。その一方、4R非確変大当りZCでは、大当り抽選の当選時における遊技状態が、変短状態である場合、100回の図柄変動ゲームが実行されるまで変短状態が付与されるようになっている。
次に、図5にしたがってパチンコ遊技機の制御構成を説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置21の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)や各種の演出装置を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、第1始動口センサSE1、第2始動口センサSE2、カウントセンサSE3、ゲートセンサSE4等の各種センサが遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特図表示装置22、特図保留記憶表示装置28が接続されている。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、主制御用RAM30cには、保留記憶が記憶される。このため、主制御用RAM30cは、保留記憶数を更新して記憶する保留記憶手段となる。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値など)や、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出時間(変動時間)を特定し得る。
変動パターンには、大当りのときに決定される大当り演出用の変動パターンと、はずれのときに決定されるはずれ演出用の変動パターンがある。また、はずれ演出用の変動パターンには、リーチ演出を演出内容に含むはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチ演出を演出内容に含まないはずれ通常演出用の変動パターンと、がある。
また、リーチ演出は、演出表示装置21の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが表示されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り、はずれの図柄組み合わせ)が導出されるまでの間に行われる演出である。なお、はずれ通常演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせが確定停止表示させるように展開される。また、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせが確定停止表示させるように展開される。また、大当り演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせが確定停止表示させるように展開される。
次に、図5に示す演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置21、枠用ランプ17、スピーカ18等が接続されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、第1始動入賞口24又は第2始動入賞口26へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した第1始動口センサSE1又は第2始動口センサSE2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数(本実施形態では、「4」)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を1加算(+1)し、保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU30aは、書き換え後の保留記憶数を指定する保留指定コマンドを出力する。なお、主制御用CPU30aは、保留判定の判定結果が否定の場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わない。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、つまり、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中である場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行条件判定の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、且つ大当り遊技ではない)の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数が1以上であるか否かを判定する。当該判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定を実行する。また、この際、主制御用CPU30aは、保留記憶数から1減算すると共に、保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU30aは、書き換え後の保留記憶数を指定する保留指定コマンドを出力する。
この大当り判定の判定結果が肯定の場合、つまり、大当りの場合、主制御用CPU30aは、大当りとなる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、特図表示装置22に確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄に基づき、大当り遊技の種類を決定する。
また、大当り変動処理において主制御用CPU30aは、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。そして、主制御用CPU30aは、大当り変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
一方、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、はずれを認識する。そして、主制御用CPU30aは、リーチ判定(リーチ抽選)を行う。このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選に当選したことから、リーチ演出が行われてはずれとなる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特図表示装置22に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれ図柄を決定した主制御用CPU30aは、複数種類のはずれリーチ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。そして、主制御用CPU30aは、リーチ変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ演出が行われないではずれとなる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特図表示装置22に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれ図柄を決定した主制御用CPU30aは、複数種類のはずれ通常演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。そして、主制御用CPU30aは、はずれ変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定した内容にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力するとともに、特別図柄を変動表示させるように特図表示装置22の表示内容を制御する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理にて決定した特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(飾り図柄の確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力するとともに、決定した特別図柄を確定停止表示させるように特図表示装置22の表示内容を制御する。
次に、大当り抽選に当選した場合に主制御用CPU30aが実行する当り遊技処理を説明する。
まず、主制御用CPU30aは、決定した大当り遊技の種類に応じて、オープニング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、オープニング時間が開始したことを指示するオープニングコマンドを演出制御基板31に出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の終了後、各ラウンド遊技を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始時にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御基板31に出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技毎に、大入賞口27の開放及び閉鎖を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、入球上限個数(本実施形態では8個)の遊技球が入賞するまでの間、又はラウンド遊技毎に予め決められた規定時間が経過するまでの間、大入賞口27を開放する。そして、主制御用CPU30aは、大入賞口27を閉鎖した場合には、ラウンド遊技毎に予め決められたインターバル時間を経過するまで、閉鎖を維持し、その後、ラウンド遊技を終了する。これらの一連の制御を、規定ラウンド数に達するまで実行する。規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、主制御用CPU30aは、決定した大当り遊技の種類に応じて、エンディング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、エンディング時間が開始したことを指示するエンディングコマンドを演出制御基板31に出力する。そして、エンディング時間を経過すると、主制御用CPU30aは、大当り遊技を終了させる。
また、大当り遊技の終了する際、主制御用CPU30aは、付与された大当り遊技の種類に応じて、確変状態を付与するか否かを示す確変フラグと、変短状態を付与するか否かを示す作動フラグにそれぞれ値を設定する。すなわち、主制御用CPU30aは、16R確変大当りZA又は4R確変大当りZBが付与された場合には、確変フラグに、確変状態が付与されていることを示す値を設定する。一方、主制御用CPU30aは、4R非確変大当りZCが付与された場合には、確変フラグに、確変状態が付与されていないことを示す値を設定する。
また、主制御用CPU30aは、16R確変大当りZAが付与された場合、作動フラグに変短状態が付与されたことを示す値を設定すると共に、変短状態が付与される回数を示す変短残回数として、次回の大当り遊技が付与されるまで変短状態を付与することを示す値を設定する。
また、主制御用CPU30aは、4R確変大当りZBが付与された場合であって、大当り当選時の遊技状態が非変短状態である場合、作動フラグに変短状態が付与されていないことを示す値を設定する。その一方、主制御用CPU30aは、4R確変大当りZBが付与された場合であって、大当り当選時の遊技状態が変短状態である場合、作動フラグに変短状態が付与されたことを示す値を設定すると共に、変短状態が付与される回数を示す変短残回数として、次回の大当り遊技が付与されるまで変短状態を付与することを示す値を設定する。
また、主制御用CPU30aは、4R非確変大当りZCが付与された場合であって、大当り当選時の遊技状態が非変短状態である場合、作動フラグに変短状態が付与されていないことを示す値を設定する。その一方、主制御用CPU30aは、4R非確変大当りZCが付与された場合であって、大当り当選時の遊技状態が変短状態である場合、作動フラグに変短状態が付与されたことを示す値を設定すると共に、変短状態が付与される回数を示す変短残回数として、100回を示す値を設定する。なお、変短残回数として100回が設定された場合、図柄変動ゲーム毎に変短残回数が1減算されるようになっており、変短残回数が0回となったとき、主制御用CPU30aは、作動フラグに変短状態が付与されていないことを示す値を設定する。なお、確変フラグ、作動フラグ、変短残回数は、いずれも主制御用RAM30cに記憶されている。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて演出表示装置21に確定停止表示させる飾り図柄を決定する。以下、演出表示装置21に確定停止表示させる飾り図柄の決定について説明する。
演出制御用CPU31aは、大当り演出用の変動パターンが指定された場合、数字図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせ([111]〜[888])の中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されるとともに、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせ(例えば、[323])の中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されるとともに、はずれ通常演出用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせ(例えば、[426]や[211])の中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各列の飾り図柄を変動表示させて図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置21の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、確定停止表示させると決定した飾り図柄の図柄組み合わせを演出表示装置21に確定停止表示させる。
次に、大当り遊技における大当り演出を実行させるための制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、大当り遊技が開始され、オープニングコマンドを入力すると、大当り遊技の種類に応じたオープニング演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンドコマンドによりラウンド数を特定する。そして、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の種類及びラウンド数に応じたラウンド演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、大当り遊技の種類に応じたエンディング演出を実行させる。
また、本実施形態では、図柄変動ゲームが実行される場合において、演出モードを実行可能に構成されている。演出モードには、確変状態が付与されていることを遊技者に報知する「確変確定モード」と、変短状態が付与されていないときに、確変状態が付与されていることに対して期待できることを遊技者に報知する「確変秘匿モード」が存在する。また、演出モードには、変短状態が付与されており、且つ、確変状態が付与されていることに対して期待できる「チャンスモード」と、変短状態及び確変状態が付与されていないことを遊技者に報知する「通常演出モード」が存在する。また、本実施形態では、通常演出モードには、第1通常演出モードと、第2通常演出モードが存在する。
本実施形態において、演出表示装置21では、背景画像に重なるように各列の飾り図柄が表示されて、これら飾り図柄が変動表示されることで図柄変動ゲームが実行されるようになっている。そして、本実施形態では、演出表示装置21に表示される背景画像の種類から遊技者に現在滞在している演出モードの種類を遊技者に把握させて確変状態が付与されていることに対して期待できるか否かを報知したり、確変状態が付与されていることを報知したりするようになっている。本実施形態のパチンコ遊技機10における背景画像は、図柄変動ゲームで表示される飾り図柄を除いて構成し得る画像である。
本実施形態において実行中(滞在中)の演出モードが確変確定モードである場合、確変確定モード専用の画像が背景画像として表示されるとともに、確変確定モードに滞在していることが認識できるように「確変確定モード」の文字画像が画像表示部GHの上部に表示されるようになっている。また、本実施形態において実行中の演出モードが確変秘匿モードである場合、確変秘匿モード専用の画像が背景画像として表示されるとともに、確変秘匿モードに滞在していることが認識できるように「確変秘匿モード」の文字画像が画像表示部GHの上部に表示されるようになっている。また、本実施形態において実行中の演出モードがチャンスモードである場合、チャンスモード専用の画像が背景画像として表示されるとともに、チャンスモードに滞在していることが認識できるように「チャンスモード」の文字画像が画像表示部GHの上部に表示されるようになっている。また、本実施形態において実行中の演出モードが第1通常演出モードである場合、第1通常演出モード専用の画像が背景画像として表示されるようになっており、第2通常演出モードである場合、第2通常演出モード専用の画像が背景画像として表示されるようになっている。
次に、図6に従って、演出モードの移行態様について説明する。図6では、破線部の内部を変短状態が付与されていない場合のモード移行態様を示しており、破線部の外部を変短状態が付与されている場合のモード移行態様を示している。また、現在、どの演出モードが設定されているかについては、演出制御用RAM31cに記憶される。
第1通常演出モード及び第2通常演出モードは、変短状態が付与されていないときに実行される(滞在する)演出モードである。実行中(滞在中)の演出モードが第1通常演出モード又は第2通常演出モードである場合に、16R確変大当りZAが付与されると、演出制御用CPU31aは、当該大当り遊技終了後、確変確定モードを設定する。また、実行中の演出モードが第1通常演出モード又は第2通常演出モードである場合、4R確変大当りZB又は4R非確変大当りZCが付与されると、演出制御用CPU31aは、当該当り遊技終了後、確変秘匿モードを設定する。また、実行中の演出モードが第1通常演出モードである場合に、所定回数の図柄変動ゲームが実行されると、演出制御用CPU31aは、第2通常演出モードを設定する。同様に、実行中の演出モードが第2通常演出モードである場合に、所定回数の図柄変動ゲームが実行されると、演出制御用CPU31aは、第1通常演出モードを設定する。なお、所定回数として、複数の回数が設定可能となっており(本実施形態では、20回、40回、60回)、移行時に抽選により決定されるようになっている。
また、確変秘匿モードは、変短状態が付与されていないときに実行される演出モードである。実行中の演出モードが確変秘匿モードである場合に、16R確変大当りZAが付与されると、演出制御用CPU31aは、当該大当り遊技終了後、確変確定モードを設定する。また、実行中の演出モードが確変秘匿モードである場合に、4R確変大当りZB又は4R非確変大当りZCが付与されると、演出制御用CPU31aは、当該当り遊技終了後、確変秘匿モードを継続する。また、実行中の演出モードが確変秘匿モードである場合であって、確変状態が付与されていない場合、演出制御用CPU31aは、確変秘匿モードが設定されてから予め決められた回数の図柄変動ゲームが実行された際、第1通常演出モードを設定する。移行するまでの回数は、確変秘匿モード開始時に予め抽選により決定されるようになっており、本実施形態では、20回、40回、60回の中のいずれかが決定される。
そして、確変確定モードは、変短状態及び確変状態が付与されているときに実行される演出モードである。実行中の演出モードが確変確定モードである場合、16R確変大当りZAが付与されると、演出制御用CPU31aは、当該大当り遊技終了後、確変確定モードを継続する。また、実行中の演出モードが確変確定モードである場合、4R確変大当りZB又は4R非確変大当りZCが付与されると、演出制御用CPU31aは、当該当り遊技終了後、チャンスモードを設定する。
そして、チャンスモードは、変短状態が付与されているときに実行される演出モードである。実行中の演出モードがチャンスモードである場合、16R確変大当りZAが付与されると、演出制御用CPU31aは、当該大当り遊技終了後、確変確定モードを設定する。また、実行中の演出モードがチャンスモードである場合、4R確変大当りZB又は4R非確変大当りZCが付与されると、演出制御用CPU31aは、当該当り遊技終了後、チャンスモードを継続する。また、実行中の演出モードがチャンスモードである場合であって、変短状態が終了した場合、演出制御用CPU31aは、第1通常演出モードを設定する。以上のことから、演出制御用CPU31aは、遊技演出の演出態様を特定する演出モードを、複数種類の演出モードの中から設定するモード設定手段となる。
また、図7に示すように、本実施形態では、保留記憶数を示す保留表示画像HGを演出表示装置21に表示させるようになっている。詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから保留指定コマンドを入力すると、保留指定コマンドにより指定された保留記憶数を特定する。そして、演出制御用CPU31aは、特定した保留記憶数を演出制御用RAM31cに記憶すると共に、保留記憶数に相当する数の保留表示画像HGを表示させる。
また、本実施形態では、実行中の演出モードの種類により、保留表示画像HGの種類が異なるようになっている。つまり、演出モード毎に保留表示画像HGの表示態様が変更されるようになっている。例えば、図7(a)に示すように、第1通常演出モードが設定されている場合には、保留表示画像HGとして「○」が保留記憶数分表示される。また、図7(b)に示すように、第2通常演出モードが設定されている場合には、保留表示画像HGとして「□」が保留記憶数分表示される。従って、本実施形態の演出制御用CPU31aは、情報提供画像を含む遊技画像を演出表示手段に表示させる遊技画像制御手段となる。
また、演出制御用CPU31aは、電源投入後や変動ゲームの終了後、図柄変動ゲームの開始が指示されない状態、すなわち変動パターン指定コマンドを入力していない待機状態が所定期間続くことを条件に、デモンストレーション演出(以下、「デモ演出」という)を行わせるように演出表示装置21等の各種装置を制御する。なお、デモ演出は、パチンコ遊技機10が待機状態(デモ状態)であることを、演出表示装置21等の装置を利用して報知し、客寄せ効果を得るための演出である。そして、演出制御用CPU31aは、待機状態中、切替・入力用ボタンBTの操作の入力を受付けることができるよう有効に設定し、切替・入力用ボタンBTの操作に基づいた処理を行う。
すなわち、図8(a)に示すように、演出制御用CPU31aは、待機状態中に表示切替ボタンBT1の操作信号を入力すると、「メニュー画面」に切り替えるように演出表示装置21の表示内容を制御する。「メニュー画面」には、「履歴集計モード」、「パスワード入力」、「二次元コード発行」、「終了」の4種類が表示される。本実施形態において、「履歴集計モード」は、遊技履歴の集計の開始を設定するためのメニューであり、登録行為に基づくパスワードの入力を要さずとも遊技履歴の集計を可能とする。また、「パスワード入力」は、サーバー100から発行されるパスワードを入力するためのメニューであり、パスワードの入力により遊技履歴の集計の開始を設定する。また、「二次元コード発行」は、二次元コードNCを発行するためのメニューである。また、「終了」は、メニュー画面を終了するためのメニューである。なお、演出制御用CPU31aは、メニュー画面や後述する各種メニューの表示中、変動ゲームの開始に伴って該変動ゲームの表示内容へと切り替えるように演出表示装置21の表示内容を制御する。
そして、演出制御用CPU31aは、メニュー画面の表示中に入力ボタンBT2の操作信号を入力すると、選択するメニューを示すカーソルKの位置を切り替えるように演出表示装置21の表示内容を制御する。なお、演出制御用CPU31aは、メニュー画面の表示中、入力ボタンBT2の操作毎にカーソルKの位置を切り替える。また、演出制御用CPU31aは、メニュー画面の表示中に確定ボタンBT3の操作信号を入力すると、カーソルKの示すメニューの選択を確定させて対応する処理を行う。
すなわち、演出制御用CPU31aは、履歴集計モードの選択を確定させる場合、演出制御用RAM31cの所定の記憶領域に記憶している遊技履歴の集計中を示す履歴集計モードフラグに[1]を設定する。演出制御用CPU31aは、遊技履歴の集計中、履歴集計モードフラグに[1]を設定している。なお、演出制御用CPU31aは、遊技履歴の集計の終了を契機に、演出制御用RAM31cに記憶している履歴集計モードフラグに[0(零)]を設定する。
また、図8(b)に示すように、演出制御用CPU31aは、パスワード入力のメニューの選択を確定させる場合、「パスワード入力画面」に切り替えるように演出表示装置21の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、パスワード入力画面の表示中に入力ボタンBT2の操作信号を入力すると、操作に基づくパスワードを入力させるように演出表示装置21の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、確定ボタンBT3の操作信号を入力すると、入力済みのパスワードを受付けるとともに、該パスワードに基づくこれまでの遊技履歴に係る情報を設定する。さらに演出制御用CPU31aは、パスワードの受付けを契機に、演出制御用RAM31cに記憶している履歴集計モードフラグに[1]を設定する。これにより、演出制御用CPU31aは、パスワードの受付けた後からの遊技履歴を該パスワードに基づく遊技履歴に引き続き集計することができる。なお、演出制御用CPU31aは、パスワード入力画面の表示中に表示切替ボタンBT1の操作信号を入力すると、「メニュー画面」に戻るように演出表示装置21の表示内容を制御する。
また、図8(c)に示すように、演出制御用CPU31aは、二次元コード発行を確定させる場合、「二次元コード発行画面」に切り替えるように演出表示装置21の表示内容を制御する。「二次元コード発行画面」には、「保存用二次元コード発行」、「サイトアクセス用二次元コード発行」の2種類が表示される。本実施形態において、「保存用二次元コード発行」は、遊技を終了して遊技履歴を保存(取得)するためのメニューである。また、「サイトアクセス用二次元コード発行」は、コンテンツサイトのログイン画面にアクセスするためのメニューである。
そして、演出制御用CPU31aは、二次元コード発行画面の表示中に入力ボタンBT2の操作信号を入力すると、選択するメニューを示すカーソルKの位置が切り替えるように演出表示装置21の表示内容を制御する。なお、演出制御用CPU31aは、二次元コード発行画面の表示中、入力ボタンBT2の操作毎にカーソルKの位置を切り替える。また、演出制御用CPU31aは、二次元コード発行画面の表示中に確定ボタンBT3の操作信号を入力すると、カーソルKの示すメニューの選択を確定させて対応する処理を行う。なお、演出制御用CPU31aは、二次元コード発行画面の表示中に表示切替ボタンBT1の操作信号を入力すると、「メニュー画面」に戻るように演出表示装置21の表示内容を制御する。
そして、演出制御用CPU31aは、サイトアクセス用二次元コード発行の選択を確定させる場合、コンテンツサイトのログイン画面を表示させるのに必要なアドレス情報(コンテンツサイトCSのログイン画面のアドレス等)を含んだサイトアクセス用二次元コードNCを生成(作成)して演出表示装置21にて発行するための処理を行う。このように発行されたサイトアクセス用二次元コードNCは、遊技者の携帯端末CMで読み取られる結果、該携帯端末CMの表示部CHにアドレスを表示させる。このアドレスが携帯端末CMで指定されることで、サーバー100に接続する結果、携帯端末CMの表示部CHには、コンテンツサイトCSのログイン画面が表示される。
図8(d)に示すように、コンテンツサイトCSのログイン画面では、「ログインネーム」、「ユーザ登録」などの複数種類のメニューが表示される。すでに登録行為が行われ、遊技履歴に関する情報を対象となる個別領域が確保されている場合には、「ログインネーム」を選択して、ログインネーム(登録名)を入力することにより、「コンテンツメニュー画面」を表示させることができる。一方、登録行為が行われていない場合には、「ユーザ特録」を選択して、ユーザ登録を行う。これにより、登録名に対応する遊技履歴に関する情報を対象となる個別領域が確保される。その後、「コンテンツメニュー画面」が表示される。
図8(e)に示すように、「コンテンツメニュー画面」には、「パスワード表示」、「遊技履歴表示」、「履歴公開広場」、「アプリダウンロード」等の複数種類が表示される。本実施形態において、「パスワード表示」は、パチンコ遊技機10に入力するパスワードを取得するためのメニューであり、サーバー100の個別領域で保存中の遊技履歴の引き継ぎを可能とする。すなわち、パスワードには、コンテンツメニュー画面を表示させる際に入力(又は登録)した登録名に対応する個別領域で保存中の遊技履歴に関する情報が含まれている。なお、ユーザ登録後、最初にコンテンツメニュー画面が表示されたときにおいては、遊技履歴となる各値に初期値(すなわち、「0」)が設定されている。
また、「遊技履歴表示」は、サーバー100で保存中の遊技履歴を閲覧するためのメニューである。また、「履歴公開広場」は、サーバー100が受信する各遊技者の遊技履歴を示す公開情報を閲覧するためのメニューであり、各遊技者の公開する公開情報を閲覧可能とする。「アプリダウンロード」は、アプリケーションソフトウェア(以下、単にアプリと示す)を携帯端末CMにダウンロードするためのメニューである。当該アプリを携帯端末CMにインストールすることにより、アプリによる機能を利用することができる。なお、本実施形態におけるアプリの機能は後述する。
一方、演出制御用CPU31aは、保存用二次元コード発行の選択を確定させる場合、演出制御用RAM31cの所定の記憶領域に記憶している遊技履歴の情報に基づき保存用二次元コードNCを生成(作成)して演出表示装置21にて発行するための処理を行う。その際、演出制御用CPU31aは、各遊技履歴をサーバー100へ送信するのに必要なアドレス情報(個別領域のアドレスやコンテンツサイトCSのアドレス等)を含んだ保存用二次元コードNCを生成する。なお、「メニュー画面」で「履歴集計モード」が選択されたことにより、登録行為を行わずに遊技履歴が集計された場合(すなわちパスワードにより遊技履歴を引き継がなかった場合)、所定の登録名(例えば、「ゲスト」)に対応する個別領域のアドレスが保存用二次元コードNCのアドレス情報に含まれる。その一方、「パスワード入力画面」にてパスワードが入力されたことにより、パスワードに含まれる遊技履歴が引き継がれた場合、当該パスワードに含まれる登録名に対応する個別領域のアドレスが保存用二次元コードNCのアドレス情報に含まれる。
このように発行された保存用二次元コードNCは、遊技者の携帯端末CMで読み取られる結果、該携帯端末CMの表示部CHにアドレスを表示させる。このアドレスが携帯端末CMで指定されることで、保存用二次元コードNCに記録された遊技履歴がサーバー100へと送信される。そして、保存用二次元コードNCに記録された遊技履歴は、サーバー100の個別領域に記録されるとともに、サーバー100の管理するコンテンツサイトCSにて公開される。そして、図8(e)に示すように、保存用二次元コードNCに基づきサーバー100に接続する結果、携帯端末CMの表示部CHには、前述同様「コンテンツメニュー画面」が表示される。このとき、「パスワード表示」が選択されたことにより、表示されるパスワードには、「コンテンツメニュー画面」を表示させる際に取得された保存用二次元コードNCが示す登録名に対応する個別領域で保存中の遊技履歴に関する情報が含まれている。
次に、本実施形態の遊技履歴の集計の手法について説明する。
本実施形態では、パチンコ遊技機10での履歴集計モードの設定やパチンコ遊技機10へのパスワードの入力を契機に、遊技履歴の集計が開始される。そして、演出制御用CPU31aは、遊技履歴の集計中、実行された変動ゲームの回数を示す累積ゲーム数と、発生した大当り回数等を示す情報を演出制御用RAM31cの所定の記憶領域にそれぞれ設定して集計する。また、演出制御用CPU31aは、遊技履歴の集計中、変動ゲームの開始の指示毎に、演出制御用RAM31cに記憶している累積ゲーム数に「1」を加算する。また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の開始毎に、演出制御用RAM31cに記憶している大当り回数に「1」を加算する。
また、本実施形態では、パチンコ遊技機10による保存用二次元コードNCの発行を契機に、遊技履歴の集計が終了される。そして、演出制御用CPU31aは、保存用二次元コードNCの発行を契機に、演出制御用RAM31cに記憶している遊技履歴をクリアする。さらに演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶している履歴集計モードフラグに[0(零)]を設定して遊技履歴の集計を終了させる。
そして、サーバー100は、パチンコ遊技機10で発行された保存用二次元コードNCに基づく遊技履歴に係る情報を受信すると、受信に応じた処理を行う。すなわち、サーバー100は、保存用二次元コードNCに基づく遊技履歴に係る情報を受信すると、該情報から登録名に関係付けられた個別領域の遊技履歴を更新する。なお、保存用二次元コードNCに基づく遊技履歴に係る情報の中に、登録名が記されていない場合(履歴集計モードの設定により遊技履歴の集計が開始された場合)、サーバー100が遊技履歴に係わる情報を受信する毎に所定の登録名を決定すると共に、所定の登録名に関係付けられた個別領域を確保し、当該個別領域の遊技履歴を記憶する。
また、サーバー100は、累積ゲーム数及び大当り回数に関する公開情報を生成(作成)し、公開情報を生成(情報を受信)した順に、コンテンツサイトCSの表示内容に反映させる。この反映結果は、携帯端末CMからコンテンツサイトCSに接続することで、閲覧することができる。
具体的に、サーバー100は、携帯端末CMの表示部CHに各遊技者の公開情報が登録名とともに時系列に表示されるように処理する。なお、サーバー100は、携帯端末CMの表示部CHに各遊技者の公開情報が該表示部CHの下から順に時系列に表示されるように処理する。また、サーバー100は、公開情報を追加する場合、携帯端末CMの表示部CHに表示される公開情報の最上層に追加されるように処理する。また、サーバー100は、公開情報の追加に際し、既存の公開情報を一層ずつ下層にずらして表示されるように処理する。
なお、サーバー100は、登録行為のされていない遊技者の公開情報に対し、所定の登録名(例えば、「ゲスト」)の表示を伴わせる。また、サーバー100は、同一の遊技者(登録名)の公開情報を追加する場合、時系列で最新の公開情報のみ残して更新する。すなわち、同一の遊技者(登録名)による公開情報の複数同時の公開を防止している。
その結果、図9(a)に示すように、携帯端末CMの表示部CHでは、各遊技者の様々な登録名による公開情報が時系列に表示される。なお、公開情報は、[累積・・・]の文字列により累積ゲーム数の内容が公開されるとともに、[大当り回数・・・]の文字列により大当り回数の内容が公開される。これにより、遊技者は各遊技者が公開する公開情報を時系列に沿って閲覧できる。さらに図9(b)に示すように、携帯端末CMの表示部CHでは、遊技者「XYZ(登録名)」の公開情報が追加されると、最も上層に追加される。
そして、本実施形態では、演出表示装置21の表示内容に応じた楽曲が出力される楽曲再生アプリが用意されている。以下、このアプリについてその作用と共に説明する。
サーバー100のサーバーメモリ100bには、予め楽曲再生アプリが記憶されている。そして、携帯端末CMにて「コンテンツメニュー画面」を表示させ、「コンテンツメニュー画面」の「アプリダウンロード」が選択されると、サーバー100は、楽曲再生アプリを携帯端末CMに送信(ダウンロード)する。そして、携帯端末CMが、ダウンロードした当該アプリをインストールすると、当該アプリが実行可能となる。すなわち、携帯端末CMは、アプリを記憶する端末記憶手段を備えている。
そして、図10に示すように、携帯端末CMが、当該アプリを実行すると、携帯端末CMに備えられたカメラ機能が起動して、撮影手段としてのカメラにより撮影した画像を携帯端末CMの表示部CHに表示させる。このときに、遊技者が、携帯端末CMの位置やカメラの撮影方向を調整することで、演出表示装置21の画像表示部GHの表示内容を表示させると、表示内容に応じて携帯端末CMに備えられた音声出力手段としてのスピーカSPから楽曲が出力される。
より詳しく説明すると、図柄変動ゲーム中、保留記憶数が存在する場合に表示される保留表示画像HGには、予め楽曲再生用二次元コードNC(図示略)が埋め込まれている。この楽曲再生用二次元コードNCは、演出モード毎に異ならせていると共に、それぞれ演出モード毎に異なる楽曲データを指定するようになっている。そして、携帯端末CMが、アプリ起動中に、カメラにより保留表示画像HGを撮影し、当該保留表示画像HGに含まれている楽曲再生用二次元コードNCを取得すると、当該楽曲再生用二次元コードNCに応じた楽曲データを読み込み、当該楽曲データに基づき、楽曲を再生する。なお、楽曲データは、アプリと共にダウンロードされ、インストールされるようになっている。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)携帯端末CMの表示部CHにて、遊技中に表示された保留表示画像HGに含まれた楽曲再生用二次元コードNC(情報提供画像)に応じて楽曲(音声出力)が開始される。このように、保留表示画像HGを携帯端末CMのカメラ機能により、撮影するだけで楽曲を再生できるため、デモ演出を実行させて二次元コードNCを発行させる必要がなくなる。すなわち、遊技を中断することなく、携帯端末CMからサービスを受けることができる。また、楽曲再生用二次元コードNCに応じて楽曲再生が行われるため、遊技に直接関係なく、パチンコ遊技機10において遊技が継続しても邪魔とならない。その一方で、携帯端末CMから画像(情報提供画像)に応じた楽曲が出力されるため、遊技の興趣を向上することができる。
(2)、遊技演出の演出態様を特定する演出モード毎に異なる楽曲が再生されるため、遊技の興趣を向上することができる。また、本実施形態においては、確変確定モード、確変秘匿モード、チャレンジモード、通常演出モードと、遊技状態に応じて演出モードが変更されるようになっており、遊技者は、再生された楽曲により、演出モードの種類を用意に判断することができる。また、通常演出モードにも、第1通常演出モードと、第2通常演出モードの複数種類の演出モードが用意されており、第1通常演出モードと、第2通常演出モードとで再生される楽曲が異なっている。このため、通常演出モード中でも飽きさせることがない。
(3)携帯端末CMは、アプリをサーバー100からダウンロードして、携帯端末CMに備えられるメモリなどの記憶手段に記憶すると共に、記憶したアプリをインストール可能に構成されている。このため、携帯端末CMが、サーバー100と通信不可能な状態であっても、一旦インストールした場合には、いつでも携帯端末CMからアプリを起動して、楽曲再生サービスを受けることができる。
(4)保留表示画像HGに含まれる楽曲再生用二次元コードNCを取得することにより、楽曲が再生される。このように、演出モードに関係なく、同じ位置に表示される保留表示画像HGに楽曲再生用二次元コードNCを含ませたため、楽曲再生用二次元コードNCの位置を特定しやすく、音声出力をさせやすい。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態では、大当りの種類を、特別図柄に基づき決定していたが、特別図柄に基づかなくても良い。例えば、乱数に基づき、大当りの種類を決定しても良い。
・上記実施形態では、保留表示画像HGに楽曲再生用二次元コードNC(情報提供画像)を含ませたが、保留表示画像HG以外の画像に情報提供画像を含ませても良い。例えば、キャラクタ画像や、図柄(リーチ図柄や大当り図柄など)、背景画像などに含ませても良い。また、情報提供画像の位置を任意に変更しても良い。例えば、画面の上部に移動させても良い。
・上記実施形態において、情報提供画像として楽曲再生用二次元コードNCを採用したが、それ以外の画像により再生する楽曲を区別できるようにしても良い。例えば、所定のキャラクタ画像又は背景画像を認識できるようにして、認識した画像に対応する楽曲を再生できるようにしても良い。
・上記実施形態において、動画の中に情報提供画像を含ませても良い。
・上記実施形態において、楽曲再生用二次元コードNCは、演出モードに対応させたが、遊技演出の演出態様に対応するものであれば、任意に変更しても良い。例えば、リーチ演出や大当り演出の演出態様に対応させても良い。
・上記実施形態において、楽曲再生用二次元コードNCを取得することにより、演出モードに対応する楽曲を再生させたが、効果音などのメロディーを有する楽曲以外の音声でも良い。例えば、イヌの鳴き声、パトカーのサイレン、拍手の音などでもよい。
・上記実施形態において、遊技履歴として累積ゲーム数、及び大当り回数が記憶されていたが、それ以外の任意の情報を履歴として記憶しても良い。例えば、払い出された賞球数や、確変状態又は時短状態が付与され続けた状態で当選した大当り回数(所謂、連チャン回数)、所定のスーパーリーチが実行された回数、リーチ回数、所定の大当り予告の実行回数、プレミア演出の回数などを履歴として記憶しても良い。
・上記実施形態において、携帯端末CMは、カメラにより撮影された情報提供画像の寸法に応じてスピーカが出力する音声の大きさを調整する音声調整手段を備えてもよい。すなわち、演出表示装置21までの距離に応じて情報提供画像の寸法(サイズ)は、変更されるため、カメラにより撮影された情報提供画像の寸法に応じてスピーカが出力する音声の大きさを調整することにより、音声の大きさから演出表示装置21までの距離を知ることができる。また、パチンコ遊技機10の演出表示装置21の近くで撮影するほど、迫力のある音声出力を行うことができる。
・上記実施形態において、保留記憶数が予め決められた数である場合に、音声出力を開始するようにしてもよい。これにより、保留記憶数について注目させることができる。
・上記実施形態において、携帯端末CMにスピーカSPが出力した音声を記憶する音声記憶手段を備えてもよい。そして、一度再生された楽曲の種類を記憶しておき、遊技者の操作に応じて再出力可能にしても良い。このようにすれば、一旦、出力された音声は、操作に応じて再出力させることができ、聞き逃した場合や、良く聞こえなかった場合であっても、再出力させて楽しませることができる。また、様々な音声を出力させて音声出力の種類を収集すること(コレクションすること)について興味を持たせることができる。
・上記実施形態において、演出制御用CPU31aは、大当り遊技が付与される可能性を示す大当り信頼度に応じて情報提供画像の種類を決定するようにしてもよい。例えば、主制御用CPU30aは、遊技球が第1始動口センサSE1又は第2始動口センサSE2に入賞検知された場合、取得した乱数に基づき、保留された図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを示す大当り判定結果、又は図柄変動ゲームの演出内容などを事前に判定し、その判定結果を演出制御用CPU31aに通知する。そして、演出制御用CPU31aは、通知された判定結果に基づき、大当り信頼度を決定し、保留表示画像を表示する際、当該大当り信頼度に応じて情報提供画像の種類を決定するようにすればよい。これにより、音声の種類により、大当り信頼度を知ることができ、より注目させることができる。また、積極的に携帯端末にて遊技画像を撮影させることができ、携帯端末からのサービスを受けさせることができる。
・上記実施形態において、演出制御用CPU31aは、大当りとなる当選確率が通常よりも高確率となる確変状態が付与されている可能性を示す確変期待度に応じて情報提供画像の種類を決定するようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから通知された大当り図柄に基づき、確変状態が付与されているか否かを記憶しておき、情報提供画像を表示する際、当該記憶内容に基づき、確変期待度を特定し、当該確変期待度に応じて情報提供画像の種類を決定すればよい。これにより、音声の種類により、確変期待度を知ることができ、より注目させることができる。また、積極的に携帯端末CMにて遊技画像を撮影させることができ、携帯端末からのサービスを受けさせることができる。
・上記実施形態において、携帯端末CMは、カメラが撮影した情報提供画像の寸法が予め決められた範囲である場合には、音声出力を開始するようにしてもよい。このため、撮影距離についてより注目させることができる。
・上記実施形態において、演出制御用CPU31aは、大当り信頼度に応じて情報提供画像の種類を決定すると共に、携帯端末CMは、カメラが撮影した情報提供画像の寸法が予め決められた範囲である場合には、当該情報提供画像の種類に応じた大当り信頼度に応じた態様で音声出力を開始するようにしてもよい。演出表示装置21まで距離が予め決められた距離である場合には、音声の種類により、大当り信頼度を知ることができる。このため、音声の種類と、撮影距離についてより注目させることができる。
・上記実施形態では、パチンコ遊技機10の演出表示装置21に、情報提供画像を表示させたが、パチンコ式スロットマシン(所謂、パチスロ)の表示装置に、情報提供画像を表示させても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記携帯端末は、前記撮影手段が撮影した情報提供画像の寸法に応じて前記音声出力手段が出力する音声の大きさを調整する音声調整手段を備えた請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技システム。
(ロ)前記遊技機は、図柄変動ゲームの始動条件を付与する始動入賞手段と、前記始動入賞手段により遊技球が検知される毎に、実行が保留されている図柄変動ゲーム数を示す保留記憶数を更新して記憶する保留記憶手段を備え、前記遊技画像制御手段は、保留記憶数を示す保留表示画像を遊技演出の演出態様に応じて表示させると共に、当該保留表示画像を情報提供画像として表示させ、前記音声出力手段は、保留表示画像を情報提供画像とし、当該保留表示画像の表示態様に応じた音声出力を開始する請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技システム。
(ハ)前記音声出力手段は、保留表示画像により特定された保留記憶数が予め決められた数である場合に、音声出力を開始する技術的思想(ロ)に記載の遊技システム。
(ニ)前記携帯端末は、前記音声出力手段が出力した音声を記憶する音声記憶手段を備え、前記音声出力手段は、前記音声記憶手段に記憶された音声を遊技者の操作に応じて再出力する請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技システム。
(ホ)前記遊技画像制御手段は、大当り遊技が付与される可能性を示す大当り信頼度に応じて情報提供画像の種類を決定する請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技システム。
(ヘ)前記遊技画像制御手段は、大当りとなる当選確率が通常よりも高確率となる確変状態が付与されている可能性を示す確変期待度に応じて情報提供画像の種類を決定する請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技システム。
(ト)前記遊技画像制御手段は、大当り遊技が付与される可能性を示す大当り信頼度に応じて情報提供画像の種類を決定し、前記音声出力手段は、前記撮影手段が撮影した情報提供画像の寸法が予め決められた範囲である場合には、当該情報提供画像の種類に応じて大当り信頼度を特定し、特定した大当り信頼度に応じた態様で音声出力を開始する請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技システム。