JP2014075942A - 同期電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】高効率化を図りつつ、より低振動化、低騒音化を図ることができる同期電動機を得ること。
【解決手段】電気角で90°位相の異なる2相の交流電流により駆動される同期電動機であって、軸心を中心とする円環状の鉄心に4n(nは自然数)個のティースが軸心に向かって周方向に等角度間隔で形成され、各ティース2a,2b,2c,2dに巻線が集中巻きで巻回された固定子1と、軸心を中心とする円柱状の軟磁性材料のバックヨーク5の外周面に、異なる極性の磁極を交互にして周方向に等角度間隔で形成された6n極の極配向の永久磁石6が配置され、固定子1に対向配置された回転子4と、を備え、各ティース2a,2b,2c,2dの回転子4に対向する部分の幅は、機械角で略(75/n)°である。
【選択図】図1

Description

本発明は、同期電動機に関する。
小型の送風機に用いられる電動機としては、一般に、安価で小型の単相誘導電動機が用いられることが多い。この単相誘導電動機は、効率が低いため、出力が小さい割には、消費電力が大きいという欠点がある。このような欠点を改善するものとして、一般的な固定子の巻線が異なる相同志をラップさせる分布巻き構造に対し、巻線のコイルを小さくできる集中巻き構造としたかご形3相誘導電動機があるが、回転子のかご形導体に電流を発生させるためのエネルギーを固定子側より供給するため、回転子から発生する磁束を永久磁石から供給する同期電動機に比べると効率が低く、消費電力の削減にも限界がある。
一方、OA機器や設備の冷却用に用いられる、所謂「軸流ファン」の電動機としては、単相同期電動機が用いられることが多い。この単相同期電動機は、集中巻き構造の固定子と、固定子のティースと同数の磁極の回転子とを組み合わせて構成され、一般に、駆動回路のコストを抑制するために半波整流後の電流を用いて駆動されるが、通電する相を切り替えるタイミングで出力トルクが大きく落ち込み、リップルが大きくなるため、振動や騒音が大きいという欠点がある。
集中巻き構造の同期電動機において、トルクリップルを抑制して低振動化、低騒音化を図る技術としては、例えば、回転子の極数に対して固定子の突極(ティース)を少なくし、2相の巻線に90°の位相差を有する2相の交流電流を通電して駆動することで、高効率化、高トルク化を図りつつ、低振動化、低騒音化を図るものがある(例えば、特許文献1)。
特開2006−340487号公報
永久磁石を用いた同期電動機では、振動や騒音の別の要因として、回転子の永久磁石と固定子のティースとの間に働く磁気吸引力に起因して発生するコギングトルクがある。このコギングトルクは、回転子の機械的な1回転中にスロット数と磁極数との最小公倍数で発生するトルク脈動成分である。この回転子の1回転中に発生するコギングトルクの脈動数が多いほど、エネルギーが分散され、これに伴ってコギングトルクの振幅が小さくなり、振動や騒音が小さくなる。逆に、コギングトルクの脈動数が少ないほど、コギングトルクの振幅が大きくなり、振動や騒音が大きくなる。上記従来技術は、回転子の極数に対してティースの数を少なくする、つまりスロット数を少なくすることで、巻線を巻回するスペースを拡大して高効率化を図るものであるので、スロット数と磁極数との組み合わせによっては、コギングトルクの脈動数が少なくなり、これに伴ってコギングトルクの振幅が大きくなり、振動や騒音が大きくなる場合がある、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高効率化を図りつつ、より低振動化、低騒音化を図ることができる同期電動機を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる同期電動機は、電気角で90°位相の異なる2相の交流電流により駆動される同期電動機であって、軸心を中心とする円環状の鉄心に4n(nは自然数)個のティースが軸心に向かって周方向に等角度間隔で形成され、前記各ティースに巻線が集中巻きで巻回された固定子と、軸心を中心とする円柱状の軟磁性材料のバックヨークの外周面に、異なる極性の磁極を交互にして周方向に等角度間隔で形成された6n極の極配向の永久磁石が配置され、前記固定子に対向配置された回転子と、を備え、前記各ティースの前記回転子に対向する部分の幅は、機械角で略(75/n)°であることを特徴とする。
本発明によれば、高効率化を図りつつ、より低振動化、低騒音化を図ることができる、という効果を奏する。
図1は、実施の形態にかかる同期電動機の横断面図である。 図2は、実施の形態にかかる同期電動機の駆動電流の一例を示す図である。 図3は、図2に示す駆動電流の各状態において各コイルに流れる電流方向を示す図である。 図4は、図1に示す同期電動機のティースの先端部の拡大図である。 図5は、図1に示す同期電動機のティースの先端幅をパラメータとして、コギングトルクの振幅を比較した図である。 図6は、永久磁石の磁束の流れを示す図である。 図7は、ティースの先端幅と誘起電圧との関係を示す図である。 図8は、実施の形態にかかる同期電動機におけるティースの先端幅と鉄損との関係を示す図である。
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態にかかる同期電動機について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、実施の形態にかかる同期電動機の横断面図である。図1に示すように、本実施の形態では、固定子1の内周面に対向して極配向の永久磁石を配置した回転子4を用いた同期電動機である場合の例について説明する。
固定子1は、軸心を中心とする円環状の鉄心に4n(nは自然数)個の突起状の鉄心(以下、「ティース」という)2a,2b,2c,2dが軸心に向かって周方向に等角度間隔で形成され、この各ティース2a,2b,2c,2dに巻線が集中巻きで巻回され4n個のコイル3が形成されている。
各ティース2a,2b,2c,2dは、2n個ずつの2組に区分される。このとき、一方の組を成す各ティース(ここでは、各ティース2a,2c)と他方の組を成す各ティース(ここでは、各ティース2b,2d)とが交互に配置されるように区分される。各ティース2a,2b,2c,2dに巻回される巻線は、一方の組を成す各ティース(ここでは、各ティース2a,2c)に巻回される巻線と、他方の組を成す各ティース(ここでは、各ティース2b,2d)に巻回される巻線との2つに分離した2相の巻線としており、同じ組内において隣接する各ティース(ここでは、各ティース2a,2c、あるいは、各ティース2b,2d)に巻回する巻線の巻回方向を軸心から見て互いに逆方向としている。
なお、図1に示す実線矢印は、各コイル3を形成する各巻線(A相(+)巻線、A相(−)巻線、B相(+)巻線、B相(−)巻線)に流れる正方向電流の向きを示している。この固定子1の構成は、集中巻きの誘導電動機の固定子の構成と同様である。また、各ティース2a,2b,2c,2dの回転子4に対向する部分の幅(以下、「先端幅」という)は、軸心を中心として機械角で略(75/n)°あるいは略(45/n)°〜略(55/n)°としている。
回転子4は、軸心を中心とする円柱状の軟磁性材料のバックヨーク5の外周面に、異なる極性の磁極を交互にして周方向に等角度間隔で形成された6n極の極配向の永久磁石6が配置され、各ティース2a,2b,2c,2dの内側に固定子1に対向して回転可能に配置されている。
なお、図1に示す例では、n=1、つまり、固定子1の突極数(ティース数)が4、回転子4の極数が6、各ティース2a,2b,2c,2dの先端幅が軸心を中心として機械角で略45°である例を示している。また、以下の説明において、各ティース2a,2b,2c,2dを特に区別する必要のない場合には、ティース2と称する。
つぎに、実施の形態にかかる同期電動機の動作について、図2および図3を参照して説明する。図2は、実施の形態にかかる同期電動機の駆動電流の一例を示す図である。また、図3は、図2に示す駆動電流の各状態において各コイルに流れる電流方向を示す図である。
図2に示すように、本実施の形態にかかる同期電動機では、電気角で90°位相の異なる2相(A相、B相)の交流電流(図2中において一点鎖線で示す)により駆動されるが、ここでは、説明を容易とするため、90°ずつ位相を区切った矩形波電流(図2中において実線で示す)を与える例について説明する。また、ここでは、B相巻線に正方向に電流を通電した状態を状態a、A相巻線に負方向に電流を通電した状態を状態b、B相巻線に負方向に電流を通電した状態を状態c、A相巻線に正方向に電流を通電した状態を状態dとする。
状態aでは、B相(+)巻線を巻回したティース2bにN極の磁極が発生し、B相(−)巻線を巻回したティース2dにS極の磁極が発生する。ここで、図3(a)に示すように、各ティース2b,2dに対向する回転子4の表面にN極およびS極の両方の磁極が存在する場合、各ティース2b,2dに発生した磁極との吸引、反発によって、回転子4は時計回り(図3(a)中に破線矢印で示す)に回転する。
ティース2bに発生したN極の磁極と回転子4のS極の磁極、および、ティース2dに発生したS極の磁極と回転子4のN極の磁極とが対向する角度まで回転子4が回転すると、図3(b)に示すように、A相(+)巻線を巻回したティース2aおよびA相(−)巻線を巻回したティース2cには、回転子4のN極およびS極の両方の磁極が対向する。このタイミングで状態bに移行、つまり、A相巻線に負方向に電流を通電すると、A相(+)巻線を巻回したティース2aにS極の磁極が発生し、A相(−)巻線を巻回したティース2cにN極の磁極が発生し、回転子4の各磁極との吸引、反発によって、回転子4は時計回り(図3(b)中に破線矢印で示す)に回転する。
ティース2aに発生したS極の磁極と回転子4のN極の磁極、および、ティース2cに発生したN極の磁極と回転子4のS極の磁極とが対向する角度まで回転子4が回転すると、図3(c)に示すように、B相(+)巻線を巻回したティース2bおよびB相(−)巻線を巻回したティース2dには、回転子4のN極およびS極の両方の磁極が対向する。このタイミングで状態cに移行、つまり、B相巻線に負方向に電流を通電すると、B相(+)巻線を巻回したティース2bにS極の磁極が発生し、B相(−)巻線を巻回したティース2dにN極の磁極が発生し、回転子4の各磁極との吸引、反発によって、回転子4は時計回り(図3(c)中に破線矢印で示す)に回転する。
ティース2bに発生したS極の磁極と回転子4のN極の磁極、および、ティース2dに発生したN極の磁極と回転子4のS極の磁極とが対向する角度まで回転子4が回転すると、図3(d)に示すように、A相(+)巻線を巻回したティース2aおよびA相(−)巻線を巻回したティース2cには、回転子4のN極およびS極の両方の磁極が対向する。このタイミングで状態dに移行、つまり、A相巻線に正方向に電流を通電すると、A相(+)巻線を巻回したティース2aにN極の磁極が発生し、A相(−)巻線を巻回したティース2cにS極の磁極が発生し、回転子4の各磁極との吸引、反発によって、回転子4は時計回り(図3(d)中に破線矢印で示す)に回転する。
以降、上述した状態a〜状態dを繰り返すことにより、回転子4の回転が持続される。
一般に、軸流ファン等に用いられる単相同期電動機では、ティースの数と磁極の数を一致させることが多く、この場合は、ティースと回転子の磁極の位置によっては、どの巻線に通電しても回転子が回転できない位置や、どちらの方向に回転するか特定できない位置が存在する。
これに対し、本実施の形態にかかる同期電動機では、固定子1のティース2の数と回転子4の磁極数とが異なっているため、回転子4の磁極位置を把握していれば、確実に回転方向を特定して電動機を駆動することができる。また、2相の巻線に通電される電流は、90°位相がずれているため、同時に0となるタイミングは不要である。このため、トルクが大きく落ち込むことを抑えることができ、振動、騒音を抑えることができる。
つぎに、永久磁石を用いた同期電動機で発生するコギングトルクについて説明する。上述したように、永久磁石を用いた同期電動機では、その原理上、スロット数と磁極数との最小公倍数の脈動数のコギングトルクが発生する。図1に示すように、固定子1のティース数が4、つまり、スロット数が4であり、回転子4の極数が6(4スロット6極)である場合には、回転子4の1回転中に12回の脈動、つまりコギングトルクが発生する。このコギングトルクの数が多いほど、これに伴ってコギングトルクの振幅が小さくなり、振動や騒音が小さくなる。
一般に、ティースに発生する磁極と回転子の磁極との位置関係において、磁気回路上、安定しやすい位置と不安点になる位置とが存在し、コギングトルクは、不安定な状態から安定な状態へと回転子が移動しようとする力として発生する。脈動数が小さいということは、複数ある磁気回路上安定する位置が少ないということとなり、安定する位置間の距離が大きくなる。安定する位置間の距離が大きいほど、不安定な位置から安定する位置へ回転しようとする力が大きくなるため、脈動数が小さいと、コギングトルクの振幅は大きくなる。
また、ティース間の鉄心が存在しない領域(スロットオープニング)が大きく(広く)なると、回転子表面の磁気回路のアンバランスが大きくなるため、コギングトルクは大きくなる。
また、逆にスロットオープニングが小さく(狭く)なると、回転子表面の磁気回路のアンバランスが小さくなるため、コギングトルクは小さくなる。
本実施の形態では、極配向の永久磁石を配置した回転子4を用いた同期電動機において、ティース2の回転子4に対向する先端幅を、機械角で略(75/n)°あるいは略(45/n)°〜略(55/n)°とすることにより、高効率化およびコギングトルクの低減による低振動化、低騒音化を図るものである。以下、この技術的根拠について、図4〜図8を参照して説明する。なお、以下の説明では、n=1、つまり、固定子1の突極数(ティース数)が4、回転子4の極数が6、各ティース2a,2b,2c,2dの先端幅が軸心を中心として機械角で略45°である例について説明する。
図4は、図1に示す同期電動機のティースの先端部の拡大図である。また、図5は、図1に示す同期電動機のティースの先端幅をパラメータとして、コギングトルクの振幅を比較した図である。図5において、実線で示す線は極配向の永久磁石を用いた場合の特性例を示し、破線で示す線は、ラジアル配向の永久磁石を用いた場合の特性例を示している。なお、図5に示す例では、横軸はティースの先端幅を機械角で示し、縦軸はコギングトルクの振幅を示している。また、図6は、永久磁石の磁束の流れを示す図である。図6(a)は、ラジアル配向の場合の永久磁石の磁束の流れを示し、図6(b)は、極配向の場合の永久磁石の磁束の流れを示している。
ラジアル配向の永久磁石を用いた場合、ティースの先端幅が90°の場合には、隣り合うティースが接することとなり、スロットオープニングは0となる。図5に示すように、ティースの先端幅が60°のときは、コギングトルクの振幅は極大値をとり、ティースの先端幅が45°のとき、コギングトルクの振幅は極小値をとっている。また、ティースの先端幅が45°よりも小さく(狭く)なると、コギングトルクの振幅は大きくなる。
ティースの先端幅が60°のとき、ティースの先端幅と、回転子4の磁極の幅とが一致する。このため、回転子4の磁極とティースが対向した位置、磁極間とティースの中央の位置が一致した位置で、磁気回路上、非常に安定するため、コギングトルクの振幅は大きくなる。
一方、ティースの先端幅が45°のときには、ティースの先端幅が45°以上である場合のコギングトルクとティースの先端幅が45°以下である場合のコギングトルクとが互いに打ち消し合うこととなり、コギングトルクの振幅は小さくなる。これは、別の観点では、スロット数が8である場合の脈動数(8スロット6極である場合の8と6との最小公倍数24)と等しくなるため、コギングトルクの振幅が小さくなっているとも言える。
これに対し、極配向の永久磁石を用いた場合、ティースの先端幅が65°近辺でコギングトルクの振幅は極大値をとり、ティースの先端幅が50°近辺でコギングトルクの振幅は極小値をとっている。また、ティースの先端幅が50°よりも小さく(狭く)なると、またコギングトルクの振幅は大きくなる。また、ラジアル配向の場合も同様であるが、ティースの先端幅が60°近辺よりも大きくなると、コギングトルクの振幅は小さくなる。
上述したように、ラジアル配向の永久磁石を用いた場合と極配向の永久磁石を用いた場合とでは、コギングトルクが極大値や極小値をとるティースの先端幅が異なっている。これは、図6に示すように、ラジアル配向の永久磁石を用いた場合と極配向の永久磁石を用いた場合とでは、回転子の内部に流れる永久磁石の磁束の経路が異なっていることに起因している。
ラジアル配向の永久磁石を用いた場合には、図6(a)に示すように、永久磁石が発生する磁束は、バックヨークの内部で磁気抵抗の低い経路を選択して通過できるのに対し、極配向の永久磁石を用いた場合には、図6(b)に示すように、永久磁石の内部を通過する磁束は、必ず隣り合う磁極の表面に向かって流れる。つまり、極配向の永久磁石を用いた場合には、ラジアル配向の永久磁石を用いた場合よりも、磁束が流れる経路が限定されやすい。
図7は、ティースの先端幅と誘起電圧との関係を示す図である。図7において、実線で示す線は極配向の永久磁石を用いた場合の特性例を示し、破線で示す線は、ラジアル配向の永久磁石を用いた場合の特性例を示している。なお、図7に示す例では、横軸はティースの先端幅を機械角で示し、縦軸は誘起電圧の最大値を100%とした誘起電圧比率を示している。
ラジアル配向の永久磁石を用いた場合は、ティースの先端幅を小さくしていくと、誘起電圧は大きくなっていき、45°付近で最大となる。
巻線係数の観点からは、ティースの先端幅と磁極の幅とが一致する60°付近で誘起電圧は最大となると考えられるが、一方で、スロットオープニングに対向する磁極から発生した磁束がスロットオープニングの空間(空気)から最も距離の近いティースの先端へと流入し、スロットオープニングに対向する磁極とティースの先端とで短絡する磁気回路が生じるため、ティースに対向する磁極からティースに流入する磁束の一部がこの磁気回路で消費されてティースの巻線に鎖交する磁束が減少することが考えられる。本実施の形態では、ティースの先端幅を縮小すると、スロットオープニングが大きくなるため、ティースの先端幅が小さくなり、スロットオープニングが大きくなると、スロットオープニングに対向する磁極からの短絡磁束の影響が少なくなって誘起電圧が大きくなり、45°付近で最大となるという現象が発生しているものと考えられる。
一方、極配向の永久磁石を用いた場合は、ラジアル配向の永久磁石を用いた場合とは異なる傾向になっており、ティースの先端幅が82°で最大の値を取り、ティースの先端幅を小さくしていくと、誘起電圧は徐々に減少し、60°では1%低下している。これは、極配向の永久磁石内部の磁束の経路がラジアル配向の永久磁石を用いた回転子と異なることに起因している。
ラジアル配向の永久磁石を用いた回転子の場合には、磁束の経路に永久磁石の背面のバックヨークが含まれる。このため、例えば、スロットオープニングが大きい場合、ティースに対向する磁極を通過する磁束は、図6(a)に示すように、バックヨークを通って反対側の永久磁石や、隣の磁極でもティースに対向している部分へと流れることができるため、磁極自体から十分大きな磁束が発生することができる。
これに対して、極配向の永久磁石を用いた回転子の場合には、ティースに対向する磁極を通る磁束は、必ず隣の磁極へと流れる経路をとる(図6(b)参照)。ティースの先端幅を小さく、つまり、スロットオープニングを大きくすると、隣の磁極がスロットオープニングに対向する領域が多くなる。上述したように、極配向の永久磁石を用いた回転子の場合には、ティースに対向する磁極を通る磁束は、必ず隣の磁極へと流れる経路をとるため、ティースに対向している磁極の磁気回路がスロットオープニングの空気を経由することが多くなり、磁気回路内の磁気抵抗が大きい。このため、ティースの先端幅が小さく(狭く)、つまり、スロットオープニングが大きくなるに従い、磁極から発生する磁束自体が減少し、誘起電圧が低下していく。
図8は、実施の形態にかかる同期電動機におけるティースの先端幅と鉄損との関係を示す図である。図8に示す例では、横軸はティースの先端幅を機械角で示し、縦軸は鉄損の最大値を100%とした鉄損比率を示している。なお、ここで示す鉄損は、同期電動機を無負荷で回転させたときに固定子で発生する鉄損、および、回転子の永久磁石から発生する磁束が回転によって変化することにより発生する鉄損を示している。
回転子に永久磁石を用いる同期電動機では、回転子に対向するティースの先端部において磁束密度が高く、変化も大きいため、鉄損が発生しやすい。このため、ティースの先端幅を小さく(狭く)していくと、ティースの先端部の鉄心の体積が減少していくため、鉄損が減少していく。図5に示したコギングトルクの振幅が小さくなるティースの先端幅が45°〜55°の範囲では、ティースの先端幅が大きい場合に対して、鉄損は30%〜40%程度低くなっている。
上述したコギングトルク、誘起電圧および鉄損とティースの先端幅との関係から、同期電動機の用途に応じて、最適なティースの先端幅を決定すればよい。
例えば、比較的大きなトルクを必要とする負荷条件に用いる同期電動機の場合には、ティースの先端幅は、誘起電圧の低下が少ない(例えば、1%以内)60°以上とすると、トルクを出力するのに必要な電流の増加を抑えることができ、損失の少ない同期電動機を実現することが可能である。さらには、コギングトルクの振幅が小さい(例えば、極大値の1/2以下)75°以上とすることで、同期電動機の振動や騒音を抑えることができる。
また、例えば、トルクが比較的小さく回転数が高い負荷条件に用いる同期電動機の場合には、同期電動機の損失としては、銅損よりも鉄損の比率が高くなることが多い。このため、誘起電圧の低下によるトルクの低下を招く電流の増加や銅損の増加を考慮するよりも、鉄損をより低く抑えることの方が損失低減効果が大きいため、ティースの先端幅は、鉄損が低く、且つ、コギングトルクの振幅が極小値付近となる45°〜55°とすることで、損失が少なく、低振動、低騒音な同期電動機を実現することが可能である。
以上説明したように、実施の形態の同期電動機によれば、電気角で90°位相の異なる2相の交流電流により駆動される同期電動機において、軸心を中心とする円環状の鉄心に4n(nは自然数)個のティースが軸心に向かって周方向に等角度間隔で形成され、各ティースに巻線が集中巻きで巻回された固定子と、軸心を中心とする円柱状の軟磁性材料のバックヨークの外周面に、異なる極性の磁極を交互にして周方向に等角度間隔で形成された6n極の極配向された永久磁石が配置され、固定子に対向配置された回転子とを備え、トルクが比較的小さく回転数が高い負荷条件に用いる同期電動機の場合には、各ティースの先端幅を、誘起電圧の低下やトルクの低下を抑制しつつ、コギングトルクの低減を図ることが可能な略(75/n)°としたので、高効率化、高トルク化を図りつつ、より低振動化、低騒音化を図ることができ、トルクが比較的小さく回転数が高い負荷条件に用いる同期電動機の場合には、各ティースの先端幅を、鉄損の発生を抑制しつつ、コギングトルクの低減を図ることが可能な略(45/n)°〜略(55/n)°としたので、高効率化を図りつつ、より低振動化、低騒音化を図ることができる。
なお、上述した実施の形態の固定子の構成は、集中巻きの誘導電動機の固定子の構成と同様であるので、集中巻きの誘導電動機の固定子と共用化することができ、生産切り替えに伴う新規の設備コストを抑えることができる。
また、上述した実施の形態の回転子に用いる極配向の永久磁石は、ボンド磁石で構成することにより、回転軸との一体成形が可能となる等、製造コストを抑えることができ、安価な同期電動機の提供が可能となる。
また、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
1 固定子、2,2a,2b,2c,2d ティース、3 コイル、4 回転子、5 バックヨーク、6 永久磁石。

Claims (3)

  1. 電気角で90°位相の異なる2相の交流電流により駆動される同期電動機であって、
    軸心を中心とする円環状の鉄心に4n(nは自然数)個のティースが軸心に向かって周方向に等角度間隔で形成され、前記各ティースに巻線が集中巻きで巻回された固定子と、
    軸心を中心とする円柱状の軟磁性材料のバックヨークの外周面に、異なる極性の磁極を交互にして周方向に等角度間隔で形成された6n極の極配向の永久磁石が配置され、前記固定子に対向配置された回転子と、
    を備え、
    前記各ティースの前記回転子に対向する部分の幅は、機械角で略(75/n)°であることを特徴とする同期電動機。
  2. 電気角で90°位相の異なる2相の交流電流により駆動される同期電動機であって、
    軸心を中心とする円環状の鉄心に4n(nは自然数)個のティースが軸心に向かって周方向に等角度間隔で形成され、前記各ティースに巻線が集中巻きで巻回された固定子と、
    軸心を中心とする円柱状の軟磁性材料のバックヨークの外周面に、異なる極性の磁極を交互にして周方向に等角度間隔で形成された6n極の極配向の永久磁石が配置され、前記固定子に対向配置された回転子と、
    を備え、
    前記各ティースの前記回転子に対向する部分の幅は、機械角で略(45/n)°〜略(55/n)°であることを特徴とする同期電動機。
  3. 前記固定子は、周方向に等角度間隔で形成された前記各ティースを2n個ずつの2組に区分する際に、一方の組を成す各ティースと他方の組を成す各ティースとが交互に配置されるように区分し、前記各ティースに巻回される巻線を、前記一方の組を成す各ティースに巻回される巻線と、前記他方の組を成す各ティースに巻回される巻線との2つに分離した2相の巻線とし、同じ組内において隣接する各ティースに巻回する巻線の巻回方向を軸心から見て互いに逆方向としたことを特徴とする請求項1または2に記載の同期電動機。
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