JP2014075929A - 回転電機 - Google Patents

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Kenji Nakayama
賢治 中山
Hiroshi Kanazawa
宏至 金澤
Yasuhisa Hamada
泰久 濱田
Shozo Kawasaki
省三 川崎
Masahiro Hosoya
昌宏 細谷
Masatsugu Yamashita
将嗣 山下
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Abstract

【課題】本発明は、車載用回転電機及びモータシステムに用いられるボビン3構造及びコイル4巻線構造の改善に関する内容である。
【解決手段】本発明は、車載用電動機のコイル4巻線を行うためのボビン3構造及びコイル4巻線構造において、ボビン3の巻線部、軸方向端面3aの形状を凸状のR部3cで形成し、更に前記、軸方向端面3aに形成する凸状のR部3cと径方向のボビン3形状をボビン3の巻線部中央に向かって減少させ、コイル4とボビン3の密着性向上及びコイル3の被覆破損を防止する。また、巻線時のテンションを大きくしなくても巻崩れし難い密着巻線ができる。また、ボビン3の側面(巻線部の側面)に爪部3bを設け、巻線を狙った位置に保持させ、巻乱れを抑制し、巻崩れを防止する。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転電機及びモータシステムに関し、特に固定子にコイル巻線を集中巻するボビン構造及び、巻線構造に関するものである。
従来の技術として、以下の6件の文献がある。特許文献1はボビンの内径側から壁を押し当てながらコイル巻線を行い巻崩れを防止している構造が開示されている。また、特許文献2にはボビンにコイル巻線を実施後、コイル巻線のスペースに専用部材を詰め込み、巻崩れを防止しているものが開示されている。特許文献3においてはボビンの内径側から外径側に向かって巻線スペースが次第に大きくなるように、軸方向の両端面に傾斜を設けて、巻崩れを防止しているものが開示されている。特許文献4においてはボビン角部の曲率半径Rが、ボビンの内径側(根元部)から外径側(先端部)に向かって次第に減少させて傾斜を設け、巻崩れ防止とコイル巻線の占積率を高めたものが開示されている。特許文献5においては、ボビンの内径側の壁と外径側の壁を供に巻芯側(中央部)へ向けて傾斜させ、更にボビンの内径側から外径側に向かって大きくなるような傾斜を設けて巻崩れを防止しているものが開示されている。特許文献1および特許文献6では、共にボビンに集中巻されたコイルを複数層巻き重ねる際に、俵積み状に巻くことで、巻太りを減らして占積率を上げられる製造方法が開示されている。
特開2009−106103号公報 特開2008−61368号公報 特開2002−272048号公報 特開2008−92700号公報 特開2012−59944号公報 特開2006−254524号公報
これらの特許文献1、2、3、5に記載のものは、ボビンのコイル巻線部の角部にRが無く、巻線の際にコイルとボビンの密着性を向上させるためテンションを大きくして高占積率を狙うと、コイル被覆部が破損することが考えられる。また、特許文献1、2、3、4、5に記載のものは、ボビンに1層目のコイル巻線位置を保持できる構造が無く、1層目のコイル巻線が狙った位置に保持することができず、2層目のコイル巻線位置がずれて、巻乱れ、巻崩れが起きることが考えられる。特許文献1においては、巻線治具をボビンの内径側から押し当てながら、ボビンにコイル巻線を行うため、コイルが動いてしまい、コイル間の被覆が破壊してしまうことが考えられる。特許文献2においては、ボビンにコイル巻線を実施後、コイル巻線とボビンのスペースに専用部材を詰め込み、巻崩れを防止しており、専用部材追加によるコストアップが発生する。
一方、特許文献1、2、3、6に記載のものでは、ステータコア間の限られた空間に、より多くのコイルを巻く(占積率を高める)ために、ステータコア間に配置されるコイルが俵積み状態となることを要件としている。しかし、多層に巻かれ互いに重なり合う層の間では、上層のコイルひと巻き毎に下層のコイルと交差する点が発生し、その交差点をステータコアが隣接しないボビンの軸方向端面に形成する必要があると共に、俵積みの下層となるコイルと上層のコイルの相対位置が一定に配置されないと、規定の巻数を確保できなくなることが考えられる。また、特許文献1、2、3、6に記載の俵積みが実現できた場合でも、太線化によりコイルの可とう性が悪化するため、ボビン軸方向端面のコイル巻終わり部分から俵積み部分にかけてコイルに膨らみができることで、層間のコイルが密着しない巻太りが発生し、ステータコア間のコイル接触による絶縁被覆破壊が発生することが考えられる。
本発明は、ステータコアと該ステータコアに取付けられたボビンと該ボビンの巻線部に巻装されるコイルとを有する固定子と、固定子の内周側に回転可能に備えられた回転子と、を有する回転電機であって、巻線部は、回転電機の回転に対する軸方向端面の形状が、回転電機の回転に対し径方向に直行する断面において、凸状の曲線であることを特徴とする回転電機である。
さらに、巻線部は、回転電機の回転に対する軸方向端面の形状が、回転電機の回転に対し周方向に直行する断面において、凹状の曲線であることとするとよい。
さらに、巻線部は、回転電機の回転に対する軸方向端面の形状が、回転電機の回転に対し軸方向に直行する断面において、径方向内側及び外側の端面における厚みより小さい厚みを中腹部に持ったくびれ部を有することとすると良い。
本発明では巻崩れ防止用の専用部材の追加を行わず、ボビンの巻線部、軸方向の形状を凸状のRで形成しコイル巻線時のボビンとの密着性向上と被覆破損防止を行う。巻線時のコイルとの接触面にRが大きくとれるため、コイルとボビンの密着性を上げるための巻線テンションを小さくすることができる。
更に、軸方向に形成した、コイルを巻線する方向にそってできた、凸状のRにおいてはボビンの内径側から中央部、ボビンの外径側から中央部に向かって高さを次第に減少させている。また、ボビンの巻線部、径方向の形状をボビンの内径側から中央部、外径側から中央部に向かって次第に幅を減少させ、軸方向、径方向の2方向でコイル巻線をボビン中央部に集中させている。
更にボビンの側面(巻線部の側面)に1層目の巻線を狙った位置に保持させるための爪部を設け、2層目の巻乱れを抑制し、巻崩れ防止を行う。爪部を設けずとも、巻線の順番、配置を工夫することで爪部と同様の効果を得ることもできる。
更に、1層目の巻線位置を保持する爪部は、ボビンの軸方向端面で交差した上層のコイルが張力により巻崩れしない俵積みを形成するためのコイル間隙を確保し、2層目以上の上層の巻乱れが発生しない俵積み状態を形成でき、更に占積率の向上も可能となる。
一方、太線化でコイルの可とう性が悪化することによる巻太りを抑制するため、巻線時にコイルを繰り出すノズルを利用して、ステータコアに巻付ける方向と逆のカール癖をつけながら巻線を行うことで、コイルに過大なテンションを掛けることなく、ボビン軸方向端部のコイル巻終わり部分から俵積み部分にかけて、ボビンとの密着および層間コイルの密着が可能となる。
本発明によれば、ボビンの巻線部の巻き方向にそってできた、軸方向の形状を凸状のRで形成する事により、コイル巻線時にコイルとボビンの密着性を向上させることができる。また、ボビンの角Rが大きくとれることから、コイルとボビンの接触面にかかる応力が減少して、コイルの被覆破損を防止する効果がある。更に、ボビンの角Rが大きくなっているため、コイル巻線時のテンションを大きくする必要が無くなる。更に、ボビンの巻線部の巻き方向にそってできた、軸方向に形成する凸状のRと巻き線部の径方向の形状をボビンの巻線部中央に向かって減少させることにより、コイル巻線時のテンションを大きくしなくともコイル巻線後の巻崩れを抑制できる効果がある。また、本発明によれば、ボビンの側面(巻線部の側面)に爪部を設け、1層目の巻線を狙った位置に保持させる効果がある。
また、1層目の巻線を狙った位置で実施できることにより、2層目の巻乱れを抑制できる効果がある。巻乱れを防止することにより、結果的に巻崩れを防止する効果があり、爪部を設けずとも巻線の順番、配置を工夫することで、爪部と同様の効果を得ることを可能としている。また、本発明によれば、巻崩れ防止を行うための専用部材を使用しないため、コスト低減効果がある。また、本発明はコイル材質(銅材、その他)及び形状(丸線、角線)、線径(コイルサイズ)に関係無く効果があり、太線や硬いコイルなどを巻線する際において、とくに効果が期待でき、太線巻線によりコイル抵抗を低減化させ、モータトルクを向上させる効果がある。更に、丸線コイルの太線化に対し、コイルの巻き方向と逆のカール癖をつけながら俵積み状態に巻くことで、コイルに過大なテンションを掛けることなく、巻太りの無い密着巻きが可能となり、占積率の向上を図ることができ、ステータコア間のコイル接触による絶縁被覆破壊の原因を抑制することができる。
EPSモータの構成を説明する断面図 実施例1の回転子及び固定子の斜視図 実施例1の(a)ボビンの斜視図、(b)ボビンの径方向断面図、(c)コイル配置図 実施例1のボビンの六面図と斜視図 実施例1のボビンの正面図、ボビンの径方向及び幅方向の断面図 実施例1の(a)丸線コイル巻線斜視図、(b)角線コイル巻線斜視図 実施例1の巻線テンションから受けるボビンの応力図 実施例2のボビンの六面図と斜視図 実施例2の(a)丸線コイル巻線斜視図、(b)角線コイル巻線斜視図 テーパー状の断面に巻線されたステータコア間のコイル配置図 実施例1のボビンを用いて、(a)に示す不安定な2層目巻始めコイルを、(b)に示す間隙に安定して俵積み巻線を形成するコイル配置図、(c)間隙を直線状ではなく傾斜状に設けたコイル配置図 実施例1のボビンに拠らず、巻崩れのない俵積み巻線を形成するコイル配置図 膨らみの無い密着巻きを形成する、ノズルによる逆カール癖付けの図 ステータコアの回転角度とノズルでの癖付け角度の相関図
本発明の実施例について図1〜図14を用いて説明する。
本発明の一実施例である、電動パワーステアリング用モータを用いてボビン構造及びコイル巻線の製造方法について説明していく。図1は電動パワーステアリング用モータ100の軸方向断面図を示したものである。先ず、全体の構成について説明する。ハウジング1の内周側には分割されたステータコア2が、溶接または溶接レスでリング形状を保持し圧入または焼嵌めされている。このステータコア2にボビン3を取り付け、ボビン3の外周部にコイル4を巻いて固定子を形成する。コイル4の口出し線(コイル口出し線4a)はバスバーモールド14に設けられたバスバーターミナル15に接続され、バスバーターミナル15の端面は、別のバスバーモールド16に設けられたバスバーターミナル17の端面と溶接により接続される。ステータコア2の内周側には、シャフト5、ロータコア6、磁石7、磁石カバー8から構成される回転子が設けられており、回転子はFベアリング9及びRベアリング10により支持され、Fベアリング9はハウジング1に、Rベアリング10はカバーモータ13にそれぞれ固定される。カバーモータ13は貫通穴が設けられバスバーターミナル15が通っており、ねじ18によりバスバーモールド16と接続される。更に、バスバーターミナル17は各相の接続を3相出力できるように配線され、UVWの3相出力となっている。この3相出力端子19にインバータから電力を給電することでモータは回転する。
トメワ12はシャフト5の周りにFベアリングと接して備えられ、与圧ばね11はシャフト5の周りにRベアリング10に接して備えられている。
次に、図2を用いてハウジング1内部の構成について説明する。最外周にはステータコア2が配置されている。ステータコア2はT型の分割コアで構成されており、2つのティースに1つのコイル4が集中的に巻かれる2連続巻線構造となっている。各ステータコア2はコアバック外周部で溶接により連結される。
図3(a)はステータコア2とボビン3を組付けた状態、図3(b)は巻線後の径方向断面、図3(c)は巻線のコイル配置を示したものである。先ず、巻線の概略構成について説明する。ステータコア2の軸方向からボビン3が2個反転されるように挿入され、ボビン3の軸方向端面3aと爪部3bにコイル4を引っ掛けながら集中巻きされる巻線構成となっている。
ボビン3の軸方向端面3aはRで形成される。回転子の回転に対し、径方向に直行する断面にける軸方向端面3aは、凸状のR部3c形状(以降凸状のR部3cと記載する)となることで、コイル4とボビン3の接触面が増加し、巻線の際にコイル4に発生する応力が減少して、コイル4の被覆破損を防止する。更に、ボビン3の軸方向端面の凸状のR部3cを形成したことにより、コイル巻線時のテンションを大きくすること無く、ボビン3とコイル4の密着性を保った巻線ができ、ボビン3の側面(巻線部の側面)に設けた爪部3bに1層目の巻線を狙った位置で実施し、2層目の巻乱れを無くして巻崩れを防止する。本実施例では巻崩れ防止を行うために専用部材を使用していないため、専用部材を削減でき、コストを低減できる。
また、巻線後のボビン3の軸方向端面3aを周方向に直行する断面から見た場合、軸方向端面3aの形状はボビン3の内外径側から中央部になるにつれて高さが減少する傾斜部3dが設けられ、コイルがボビン中央部に自然と寄っていく構造(以降凹状のR部3eと記載する)となっている。
更に、巻線後のコイル配置をボビン3を軸方向に直行する断面から見た場合、軸方向端面3aの形状はボビン3の径方向内側及び外側から中央部になるにつれて幅が減少する傾斜部3fが設けられ、コイルがボビンのくびれ部に自然と寄っていく構造(以降、弓状の形状3gと記載する)となっている。軸方向及び径方向の両方向でコイルがくびれ部に自然と寄っていく構造とすることで、コイル4巻線をボビン3中央部に集中させ、コイル4巻線後の巻崩れを抑制する。
ここで、本実施例では、凸状のR部c、凹状のR部e、弓状の傾斜部3fを形作る曲線を、単調に増加した後、単調に減少(あるいは単調に減少した後、単調に増加)として説明しているが、全体として単調に増加した後、単調に減少(あるいは単調に減少した後、単調に増加)する曲線を描くことで全体として凸状、凹状、弓状であればよい。途中で小さな凸凹を設けることで、巻崩れを防止することもできる。また、凸状、凹上、弓状の曲線の極大、極小となる部分は中央部でなくとも良い。
図4を用いてボビン3の構造について説明を行う。前述で述べた通り、ボビン3の軸方向端面3aは、ボビン3とコイル4の絶縁破壊防止及び低テンションでの密着性を向上させるため、凸状のR部3cで形成されており、凸状のR部3cはコイル4をボビン3中央部に寄せるため、軸方向に傾斜部3dを設け、凹状のR部3eを形成している。凹状のR部3eの高さ寸法は、ボビンの外径側をAとし中央部をB、内径側をCで表すと、A>B、B<Cとして中央部のBにコイルを巻線を集中させるようにしている。更に、凸状のR部3cの径方向に傾斜部3Fを設け、弓状の形状3gを形成している。弓状の形状3gの幅寸法は、ボビンの外径側をDとし、中央部をE、内径側をFで表すと、D>E、E<Fとして中央部のEにコイルを巻線を集中させるようにしており、軸方向及び径方向の2方向で巻線を中央部に集中させ、コイル4が巻崩れないように、傾斜部3eと傾斜部3Fでコイル4を中央部で挟み込んでコイル4を保持し、巻崩れを防止させる。また、ボビン3とステータコア2の絶縁部3hの厚みを均一に薄くしており、コイル4の巻線スペースを拡大できるようにしている。また、1層目のコイルを保持させるための爪部3bをボビン3の側面に設け、2層目の巻線を安定させている。
図5にボビンの正面図と径方向断面(A−A)及び幅方向の断面(B−B)を示す。前述で述べてきたように、断面(A−A)の形状は凹状のR部3e、断面(B−B)の形状は凸状のR部3cとなっていることがわかる。
図6(a)にボビン3に丸線コイル4を巻いた状態を示す。先に述べたように、ボビン3の中央部に集中してコイル4が巻かれている。図7にボビン3にコイル4を巻いたときの断面を示す。図の斜線矢印で示す通り、ボビン3の巻線部端面のRが大きいほど、ボビン3及びコイル4への巻線応力を少なくすることができる。また、コイル4の被覆破損防止やボビン3にコイル4を密着して巻きやすくすることができ、作業性も向上する。図6(b)に角線コイルを巻いた状態を示す。角線コイルを用いた場合も丸線コイルと同様の効果を得ることができる。
以上述べたように、ボビン3の巻線部の凸状のR形状を、軸方向と径方向の2方向で、巻線部の中央に傾斜させ、更に、ボビン3の側面(巻線部の側面)にコイル4保持用の爪部3bを設けることで、巻線時のテンションを過大に掛けることなく、ボビン3とコイル4の密着性向上とボビン3角部とコイル4の接触での被覆破損を防止し、巻乱れや巻崩れを抑制することが出来る。
図8は図4で示したボビン3と同様、側面(巻線部の側面)に1層目の巻線を保持させるための爪部3bと軸方向端面3aに凸状のR部3cを設けているが、巻線をボビン3の中央部に寄せるような傾斜は設けない形状を示している。先に述べた通り、軸方向端面3aに凸状のR部3cと側面に巻線保持用の爪部3bが設けられているため、ボビン3及びコイル4への巻線応力を少なくすることができ、巻線時のテンションを大きくすることなくコイル4の被覆破損の防止や、巻線後の巻崩れを抑制できる。また、1層目の巻線を狙った位置で実施し、2層目以降の巻乱れを無くして巻崩れを抑制することができる。本実施例においても、巻崩れ防止を行うために専用部材を使用していないため、専用部材を削減でき、コストを低減できる。また、ボビン3とステータコア2の絶縁部3hの厚みを均一に薄くしており、コイル4の巻線スペースを拡大できるようにしている。
図9(a)にボビン3に丸線コイル4を巻いた状態を示す。先に図7を用いて述べたように、ボビン3の巻線部端面の凸状のRが大きいため、ボビン3及びコイル4への巻線応力を少なくすることができる。また、コイル4の被覆破損防止やボビン3にコイル4を密着して巻きやすくすることができ、作業性も向上する。図9(b)に角線コイルを巻いた状態を示す。角線コイルを用いた場合も丸線コイルと同様の効果を得ることができる。丸線コイルを用いた場合も同様な効果を得ることができる。
以上述べたように、ボビン3の巻線部の凸状のR形状と側面(巻線部の側面)の巻線保持用の爪部3bを設けることで、ボビン3及びコイル4への巻線応力を少なくでき、巻線時のテンションを大きくすることなくコイル4の被覆破損の防止やコイル4の巻乱れや巻崩れを抑制することが出来る。
図10に占積率を最大にするために必要なステータコア2間のコイル4配置の一例を示す。ステータコア2の外周側から巻始めたコイル4は、ボビン3の内周端で折り返して2層目の巻線をステータコア2の外周側に向かって巻く。3層目以降も層を重ねる毎に巻進める方向を反転しながら、ステータコア2の外周側により多くの層を巻くよう、テーパー状断面20に巻線することで占積率を高めている。
図11には、図10においてボビン3の内周端で折り返して2層目の巻線をステータコア2の外周側に向かって巻始める当該コイルの状態を示す。ここでテーパー状断面20に巻線するために、2層目巻始めコイル21はボビン3の軸方向端部で1層目巻終わりから複数本のコイル4と交差した位置から巻く必要がある。この場合、図11(a)に示すように、俵積みを形成する下層のコイルが密着し(コイル密着部22)、2層目巻始めコイル21が巻線張力に抗して所定の位置に留まることができない場合、巻崩れ23となり、図10で示すテーパー状断面5を形成できない。これに対し図11(b)に示すとおり、1層目のコイルをボビン3に設けた爪部3bで所望の位置に保持し、俵積みを形成する下層のコイルに間隙を形成することで、2層目巻始めコイル21は所望の位置に安定して留まることができる。これにより、巻崩れのないテーパー状断面20の俵積みを形成することができる。また、図11(c)に1層目のコイル間隙を図11(b)に示すように直線状に設けたものではなく、傾斜状にコイル間隙をもたせた例を示す。この場合においても、前述で述べたように、2層目巻始めコイル21は所望の位置に安定して留まることができ、巻崩れの無いテーパー状断面20の俵積みを形成することができる。
図12にはボビン3に爪部3bが無い場合の、巻崩れの無い巻線の実施例を示す。
本実施例では、先ず図12(a)に示すとおり、1層目の巻線において所定の位置に間隙24を設けた配置の巻線を形成する。次に図12(b)に示すとおり、1層目の巻終りコイルをボビンの軸方向端面3aで既存コイルと交差し、図12(a)で形成した間隙24に割り込ませる形で2層目巻始めコイル21を形成する。当該コイル4を起点に2層目をステータコア2の外周側に向かって俵状に巻くことで、巻崩れの無い安定した巻線が形成される。
図13にはボビン軸方向端面3aのコイル巻終り部25から俵積み部26にかけて、コイル4の膨らみが無く、密着して巻く方法の実施例を示す。
図13(a)には、ステータコア2の中心を回転軸27とし、コイル4を巻取ることにより巻線を形成している状態を示す。この場合、コイルの可とう性の影響で、コイル巻終り部25から俵積み部26にかけてコイル4に膨れ28が発生し、層間のコイルが密着しない巻太りが発生してしまう。
そこで図13(b)に示すとおり、ステータコア2の回転軸27から一定の距離L29にあるノズル30(コイルの繰り出し口)を介して、ステータコア2に巻付ける方向と逆のカール癖をコイル4に付けることで、俵積み部26の層間のコイルが密着した巻線を形成することができる。
このとき、回転軸27とノズル30の距離L29とステータコアの回転角度ω31およびノズル先端の癖付け角度θ32の間には図14に示す相関関係がある。
図14にステータコアの回転角度ω31に伴ってコイル4の癖付け角度θ32が変化する様子を示す。該図において、癖付け角度θ32が最大になる領域(癖付け最大域33)で繰り出されたコイル位置が俵積み部26の中心に位置するよう距離L29を設定することでコイル4の膨らみを解消し、俵積みしたコイル4が層間で密着した巻線が可能となる。
なお、ここでノズル30の先端は、コイル4を繰り出す際にコイル被覆に損傷を負わさないよう滑らかな曲面としている。また、ノズル30との擦過によるコイル被覆への負荷を軽減するためには、当該ノズル先端に、コイル4の送り出しに倣って回転するプーリーを設けても、同様のカール癖付け効果が得られる。
本発明は、電動パワーステアリングモータに用いられるブラシレスモータや各種発電機等の車載用回転電機及びモータシステムのボビン構造及びコイル巻線の構造として利用することができる。
100…電動パワーステアリングモータ
1…ハウジング
2…ステータコア
3…ボビン
4…コイル
5…シャフト
6…ロータコア
7…磁石
8…磁石カバー
9…Fベアリング
10…Rベアリング
11…予圧ばね
12…トメワ
13…カバーモータ
14…バスバーモールド
15…バスバーターミナル
16…バスバーモールド
17…バスバーターミナル
18…ねじ
19…3相出力端子
20…テーパー状断面
21…2層目巻始めコイル
22…コイルが密着
23…巻崩れ
24…間隙
25…コイル巻終わり部
26…俵積み部
27…回転軸
28…膨れ
29…距離L
30…ノズル
31…回転角度ω
32…癖付け角度θ
33…癖付け最大域
4a…コイル口出し線
3a…軸方向端面
3b…爪部
3c…凸状のR
3d…傾斜部
3e…凹状のR
3F…傾斜部
3g…弓状の形状
3h…絶縁部

Claims (8)

  1. ステータコアと該ステータコアに取付けられたボビンと該ボビンの巻線部に巻装されるコイルとを有する固定子と、
    前記固定子の内周側に回転可能に備えられた回転子と、を有する回転電機であって、
    前記巻線部は、前記回転電機の回転に対する軸方向端面の形状が、前記回転電機の回転に対し径方向に直行する断面において、凸状の曲線であることを特徴とする回転電機。
  2. 前記巻線部は、前記回転電機の回転に対する軸方向端面の形状が、前記回転電機の回転に対し周方向に直行する断面において、凹状の曲線であることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記巻線部は、前記回転電機の回転に対する軸方向端面の形状が、前記回転電機の回転に対し軸方向に直行する断面において、径方向内側及び外側の端面における厚みより小さい厚みを中腹部に持ったくびれ部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機。
  4. 請求項1、請求項2、請求項3に記載のボビンにおいて、巻線部端面の凸状のR部及び側面に、巻線コイルを保持する形状(爪部)を形成し、形成した形状(爪部)に巻線コイルを保持させる構造としたことを特徴とする車載用回転電機及びモータシステムのボビン構造及び巻線構造。
  5. 請求項4に記載のボビンにおいて、1層目のコイルをボビンの形状(爪部)で所望の位置に保持し、2層目の巻始めコイルが巻線張力に抗して所定の位置に留まることができるようなコイル間隙を形成することで、巻崩れのないテーパー状の俵積みを形成する車載用回転電機及びモータシステムのボビン構造及び巻線構造。
  6. 車載用に用いられる集中巻で構成される回転電機であって、コイルの絶縁を樹脂(絶縁物)で、1個、又は数個一体で製作したボビン(又はステータコアをインサートモールドしたもの)を用いた構成におけるボビンに爪部が無い場合において、1層目の巻線の所定の位置に間隙を設けた巻線を行い、2層目の巻始めコイルをその間隙に割り込ませる形で巻始めることで、1層目の間隙を埋めると共に、2層目を俵状に安定した密着巻きを可能とする車載用回転電機及びモータシステムのボビン構造及び巻線構造。
  7. 請求項1から請求項4に記載のボビンにおいて、ボビン鞍部のコイル巻終わり部分から俵積み部分に、コイルを繰り出すノズルを介してコイルに逆のカール癖付けを行い、更に癖付けの程度がきつくなるステータコア回転軸とノズルの相対位置を最適化することで、膨らみの無い密着巻を可能とする、車載用回転電機及びモータシステムのボビン構造及び巻線構造。
  8. 車載用に用いられる集中巻で構成される回転電機であって、コイルの絶縁を樹脂(絶縁物)で、1個、又は数個一体で製作したボビン(又はステータコアをインサートモールドしたもの)を用いた構成において、巻線の前工程として、コイルを繰り出し、逆のカール癖付けをすノズルを介してコイルに逆のカール癖付けを行い、更に癖付けの程度がきつくなるステータコア回転軸とノズルの相対位置を最適化することで、膨らみの無い密着巻を可能とする、車載用回転電機及びモータシステムのボビン構造及び巻線構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016021822A (ja) * 2014-07-15 2016-02-04 株式会社ミツバ ブラシレスモータ
JP2018107989A (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 日本電産株式会社 モータ
JP2022124746A (ja) * 2021-02-16 2022-08-26 山洋電気株式会社 モータの電機子巻線構造及びモータの電機子巻線巻回方法

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