JP2014075757A - 遅延推定方法とその装置とプログラムとその記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】遅延前信号の信号レベルが小さい、又は無い場合でも遅延推定が行え、且つ、想定される遅延量が多い場合でも少ない演算量で遅延推定が行える遅延推定方法を提供する。
【解決手段】遅延前信号揺らぎ推定過程は、予め定めた数の遅延前信号保存時刻の平均間隔を求め、当該平均間隔と遅延前信号保存時刻との差から、遅延前信号の揺らぎを推定し、当該揺らぎの最大値を遅延前信号揺らぎ量として推定する。また、遅延後信号揺らぎ推定過程は、予め定めた数の遅延後信号保存時刻の平均間隔を求め、当該平均間隔と遅延後信号保存時刻との差から、遅延後信号の揺らぎを推定し、当該揺らぎの最大値を遅延後信号揺らぎ量として推定する。そして加算過程が、遅延前信号揺らぎ量と遅延後信号揺らぎ量を加算して推定遅延量として出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばエコー消去装置等に利用することができる遅延推定方法とその装置とプログラムとその記録媒体に関する。
エコー消去装置は、受話信号をスピーカから音響信号として出力し、マイクロホンで収音した送話信号に回り込んでくるエコー信号成分を適応フィルタにより推定し、送話信号からエコー信号成分を消去するものである。ディジタルテレビやスマートフォンなどの機器では、音声を途切れないようにする目的で受話信号と送話信号のそれぞれにバッファが挿入される場合がある。また、ディジタルテレビの映像のコーデックで発生する映像と音声のずれを調整するリップシンク機能で用いられるバッファ等が知られている。
図14に、受話信号と送話信号の双方にバッファを挿入したエコー消去装置900の概略的な機能構成例を示す。エコー消去装置900は、適応フィルタ901と、加算回路902と、受話信号バッファ903と、送話信号バッファ904と、を備える。受話信号バッファ903は、遠端話者からの受話信号を、数10ms〜数100msの間保存し、保存した順に受話信号をスピーカに出力する。送話信号バッファ904は、マイクロホンで収音した近端話者からの送話信号を、一時的に保存し、保存した順に送話信号を加算回路902に出力する。なお図14において、ディジタル信号をアナログ信号に変換するA/D変換器や、その逆の変換をするD/A変換器等の機能部の表記は省略している。
この受話信号バッファ903と送話信号バッファ904は、例えば複数のアプリケーションを並行して実行するためにCPUの負荷が重くなり、エコー消去処理が間に合わない場合でも音声が途切れないようにする目的で設けられたものである。よって、このバッファ部分で遅延が発生する。一般にエコー消去装置の持つ適応フィルタは100ms程度の長さであり、この適応フィルタの長さを超える遅延時間のエコー成分を消去することができない。
そこで、従来から図15に示すような遅延推定を用いたエコー消去装置950が考えられている。エコー消去装置950は、上記したエコー消去装置900に対して遅延推定部951と遅延挿入部952を備える点で異なる。遅延推定部951は、受話信号バッファ903に入力される前の受話信号である遅延前信号と、送話信号バッファ904から出力される送話信号である遅延後信号との間の遅延時間を推定し、推定した遅延時間を適応フィルタの前の遅延挿入部952に与えることで、大きな遅延時間があっても適応フィルタ901でエコー信号成分の消去を可能にするものである。
図16に、特許文献1に開示された従来の遅延推定装置960の機能構成図を示して、その動作を簡単に説明する。FFT部111〜111は、マイクロホン11〜11からの収音信号を周波数領域に変換する。白色化部112〜112は、周波数領域に変換された収音信号を、周波数スペクトルで白色化(フラット)する。次に、マイクロホン対選択部113は、白色化部112〜112の出力信号のうち2つを選択する。乗算部114は、マイクロホン対選択部113で選ばれた信号のうち一方だけ共役をとり、2つの信号を周波数成分ごとに乗算し、クロススペクトルを求める。乗算部114の出力信号をIFFT部115により、時間領域に変換し、白色化相互相関を求める。次に、最大ピーク検出部116で、IFFT部115の出力の相互相関の最大ピークを検出し、その最大ピークの地点を収音信号間遅延時間差として出力する。
遅延推定装置960の考えを、上記した遅延推定部951に適用すると、遅延前信号が例えばFFT部111、遅延後信号が例えばFFT部111、にそれぞれ入力される関係になる。以下、数式を用いて更に遅延推定装置960の動作原理を説明する。
まず、遅延前信号の時間領域信号をx(t)、遅延後信号の時間領域信号をy(t)、推定したい遅延経路のインパルス応答をh(t)とすれば式(1)の関係が成立する。
Figure 2014075757
ここで*は畳み込み演算を表す。
遅延経路のインパルス応答h(t)が求められれば、そのピークの位置から遅延を推定することができる。h(t)を求めるには、観測可能な遅延前信号の時間領域信号x(t)と、遅延後信号の時間領域信号y(t)を用いて、式(1)をh(t)について解けばよい。しかし、式(1)は畳み込み演算となっているため、解くには信号点数の2乗のオーダの演算が必要となる。そこで、遅延推定装置960は、式(1)の信号を周波数領域の信号に変換して解くことで計算量を削減する。
遅延前信号の周波数領域信号をX(ω)、遅延後信号の周波数領域信号をY(ω)、推定したい遅延経路の周波数領域のインパルス応答をH(ω)とすれば式(1)は式(2)に変形される。
Figure 2014075757
式(2)をH(ω)について解けば、式(3)となる。
Figure 2014075757
式(3)によりH(ω)を求め、H(ω)を逆FFTすれば、h(t)を求めることができる。FFTの演算量のオーダはN・logNであるので、時間領域で解くよりも少ない演算量となる。
具体的な計算方法について説明する。上記したNは、遅延前信号と遅延後信号をFFT処理するデータ点数であり、白色化相互相関を求める信号長である。乗算部114は、遅延前信号の周波数領域信号X(ω)の共役を取ったものと遅延後信号の周波数領域信号Y(ω)とを周波数ビンごとに乗算して、式(3)の分子(クロススペクトル)を計算する。また、白色化部112において計算された遅延前信号の周波数領域信号X(ω)のノルムの2乗(式(3)の分母)の逆数を、クロススペクトルに乗算する。乗算部114の出力信号を、IFFT部115で、N点逆FFTすれば白色化相互相関が求められ、これが遅延経路のインパルス応答h(t)となる。最大ピーク検出部116は、その遅延経路のインパルス応答h(t)の最大ピーク位置を求め、推定遅延量として出力する。
このように、従来の遅延推定装置960は、N点のFFTと逆FFTを用いて計算することで、時間領域で計算するよりも演算量を削減することができる。
特開2007−81455号公報
従来の遅延推定装置で遅延推定するためには、十分な振幅の受話信号があり、それがスピーカから出力されてマイクロホンで収音された信号が十分な振幅がないと遅延推定が行えない課題がある。例えば、従来の遅延推定装置を通話装置に適用した場合を考えると、相手からの音声が到達している信号レベルの在る区間のみの遅延推定が可能であり、それ以外の非音声区間では遅延推定を行うことができない。また、想定される遅延量が多い場合には、その遅延以上のFFT演算を用いて遅延推定を行う必要があり、演算量も多く必要になる課題がある。
本発明は、この課題に鑑みてなされたものであり、遅延前信号の信号レベルが小さい、又は無い場合でも遅延推定が行え、且つ、想定される遅延量が多い場合でも少ない演算量で遅延推定が行える遅延推定方法とその装置とプログラムとその記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の遅延推定方法は、遅延前信号バッファ過程と、遅延前信号保存時刻計測過程と、遅延前信号揺らぎ推定過程と、遅延後信号バッファ過程と、遅延後信号保存時刻計測過程と、遅延後信号揺らぎ推定過程と、加算過程と、を備える。遅延前信号バッファ過程は、遅延前信号を一時的に保存して当該遅延前信号を保存した順に順次出力する。遅延前信号保存時刻計測過程は、遅延前信号バッファ過程において遅延前信号を保存した遅延前信号保存時刻を計測する。遅延前信号揺らぎ推定過程は、予め定めた数の遅延前信号保存時刻の平均間隔を求め、当該平均間隔と遅延前信号保存時刻との差から、遅延前信号の揺らぎを推定し、当該揺らぎの最大値を遅延前信号揺らぎ量として推定する。遅延後信号バッファ過程は、遅延後信号を一時的に保存して当該遅延後信号を保存した順に順次出力する。遅延後信号保存時刻計測過程は、遅延後信号バッファ過程において遅延後信号を保存した遅延後信号保存時刻を計測する。遅延後信号揺らぎ推定過程は、予め定めた数の遅延後信号保存時刻の平均間隔を求め、当該平均間隔と遅延後信号保存時刻との差から、遅延後信号の揺らぎを推定し、当該揺らぎの最大値を遅延後信号揺らぎ量として推定する。加算過程は、遅延前信号揺らぎ量と遅延後信号揺らぎ量を加算して推定遅延量として出力する。
本発明の遅延推定方法によれば、遅延前信号と遅延後信号を、それぞれバッファに保存した時刻の揺らぎから推定遅延量を求める。よって、遅延前信号と遅延後信号の信号レベルが小さい、又は無い場合でも遅延推定が行える。また、想定される遅延量が多い場合でも、時刻の揺らぎから遅延量を求める方法なので演算量が少ない。
この発明の遅延推定装置100の機能構成例を示す図。 遅延推定装置100の動作フローを示す図。 揺らぎの推定方法について説明する図。 推定揺らぎ量について説明する図。 遅延前信号揺らぎ推定部40の機能構成例を示す図。 遅延前信号揺らぎ推定部40の動作フローを示す図。 揺らぎ量の異常値を示す図。 遅延前信号揺らぎ推定部240の機能構成例を示す図。 この発明の遅延推定装置300の機能構成例を示す図。 遅延推定装置300の動作フローを示す図。 この発明の遅延推定装置400の機能構成例を示す図。 この発明の遅延推定装置500の機能構成例を示す図。 この発明のエコー消去装置600の機能構成例を示す図。 従来のエコー消去装置900の機能構成を示す図。 従来のエコー消去装置950の機能構成を示す図。 従来の遅延推定装置960の機能構成を示す図。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。複数の図面中同一のものには同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
図1に、この発明の遅延推定装置100の機能構成例を示す。その動作フローを図2に示す。図1は、遅延推定装置100を通話装置に用いた場合の例を示す。遅延前信号は、例えば遠端話者からの受話信号であり、その受話信号は遅延推定装置100を介してスピーカによって音響信号に変換される。遅延後信号は、例えば近端話者の発話をマイクロホンで収音した送話信号である。
遅延推定装置100は、遅延前信号バッファ部10と、遅延後信号バッファ部20と、遅延前信号保存時刻計測部30と、遅延前信号揺らぎ推定部40と、遅延後信号保存時刻計測部50と、遅延後信号揺らぎ推定部60と、加算部70と、制御部80と、を具備する。遅延推定装置100は、例えばROM、RAM、CPU等で構成されるコンピュータに所定のプログラムが読み込まれて、CPUがそのプログラムを実行することで実現されるものである。
上記したようにディジタルテレビやスマートフォンなどの機器では、その送受話部にバファを備え、受話信号の書き込み時刻や送話信号の読み出し時刻に揺らぎがあっても音声が途切れないようになっている。音声が途切れないということは、書き込み揺らぎや読み出し揺らぎよりも、バッファリングしている信号長が長いということである。すなわち、バッファによる遅延量は、少なくとも書き込み揺らぎと読み出し揺らぎを加算した値よりも大きいということになる。よって、書き込み揺らぎと読み出し揺らぎを推定し、それらを加算することで遅延量を推定することができる。
遅延前信号バッファ部10は、遅延前信号を一時的に保存して当該遅延前信号を保存した順に順次出力する(ステップS10)。遅延前信号保存時刻計測部30は、遅延前信号バッファ過程において遅延前信号を保存した遅延前信号保存時刻を計測する(ステップS30)。
遅延前信号揺らぎ推定部40は、予め定めた数の遅延前信号保存時刻の平均間隔を求め、当該平均間隔と遅延前信号保存時刻との差から、遅延前信号の揺らぎを推定し、当該揺らぎの最大値を遅延前信号揺らぎ量として推定する(ステップS40)
遅延後信号バッファ部20は、遅延後信号を一時的に保存して当該遅延後信号を保存した順に順次出力する(ステップS20)。遅延後信号保存時刻計測部50は、遅延後信号バッファ過程において遅延後信号を保存した遅延後信号保存時刻を計測する(ステップS50)。
遅延後信号揺らぎ推定部60は、予め定めた数の遅延後信号保存時刻の平均間隔を求め、当該平均間隔と遅延後信号保存時刻との差から、遅延後信号の揺らぎを推定し、当該揺らぎの最大値を遅延後信号揺らぎ量として推定する(ステップS60)。
加算部70は、遅延前信号揺らぎ量と遅延後信号揺らぎ量を加算して推定遅延量として出力する(ステップS70)。制御部80は、遅延前信号と遅延後信号が無くなるまで、或いは動作を停止されるまで上記した各部の時系列的な動作を制御する(ステップS80)。
以上説明したように、遅延推定装置100は、遅延前信号と遅延後信号を、それぞれバッファに書き込む時刻の時間差の揺らぎから推定遅延量を求める。従って、遅延前信号と遅延後信号の信号レベルが小さくても推定遅延量を求めることが可能である。
図3を参照して揺らぎの推定方法について説明する。図3の横軸は遅延前信号の保存順を表す番号、縦軸は書き込み時刻である。例えば、揺らぎが全く無い状態では一定間隔で遅延前信号が遅延前信号バッファ部10に保存されるので、保存順を表す番号と書き込み時刻との関係は、図3に示すように直線となる。この直線との実際の書き込み時刻との差分が揺らぎとなる。
図4に、実際の書き込み時刻との差分を例示する。横軸は遅延前信号の保存順を表す番号、縦軸は差分の時間である。差分の時間は、最小と最大の間に分布する。この最小値と最大値との差分が揺らぎの最大量であるので、この値を遅延量として扱うことができる。
図5に、遅延前信号揺らぎ推定部40のより具体的な機能構成例を示して、更に詳しくその動作を説明する。遅延前信号揺らぎ推定部40は、遅延前信号保存時刻記録手段41と、平均間隔計算手段42と、乗算手段43と、第1の減算手段44と、最大値検出手段45と、最小値検出手段46と、第2の減算手段47と、を備える。その動作フローを図6に示す。
遅延前信号保存時刻記録手段41は、遅延前信号保存時刻計測部30で計測した遅延前信号バッファ部10に遅延前信号を保存した時刻を記録する(ステップS41)。平均間隔計算手段42は、予め定められた数の遅延前信号保存時刻の平均間隔を計算する(ステップS42)。
乗算手段43は、平均間隔に遅延前信号を保存した順番を表す番号を乗じる(ステップS43)。第1の減算手段44は、遅延前信号保存時刻記録手段41に記録した順の遅延前信号保存時刻から、その順と同じ番号の乗算ステップの出力を減じて遅延前信号の揺らぎ量を求める(ステップS44)。
遅延前信号最大値検出手段45は、遅延前信号の揺らぎ量の最大値を検出する(ステップS45)。遅延前信号最小値検出手段46は、遅延前信号の揺らぎ量の最小値を検出する(ステップS46)。第2の減算手段47は、遅延前信号の揺らぎ量の最大値から遅延前信号の揺らぎ量の最小値を減じた値を遅延前信号の揺らぎ最大値として求める(ステップS47)。
遅延後信号揺らぎ推定部60も、対象とする信号が遅延後信号である点のみが異なるだけで全く同じ処理を行って遅延後信号の揺らぎ最大値を求める。遅延後信号揺らぎ推定部60の機能構成例は、遅延前信号揺らぎ推定部40と同じであることから、その構成を図示した説明は省略する。なお、遅延後信号揺らぎ推定部60の第1の減算手段と第2の減算手段は、遅延前信号揺らぎ推定部40の減算手段と区別するために、それぞれを第3の減算手段、第4の減算手段と称しても良い。
遅延推定装置100の加算部70は、遅延前信号の揺らぎ最大値と遅延後信号の揺らぎ最大値を加算して推定遅延量として出力する。このように遅延推定装置100は、遅延前信号を遅延前信号バッファに保存する時刻の揺らぎと、遅延後信号を遅延後信号バッファ部20に保存する時刻の揺らぎとから遅延量を推定する。よって、遅延前信号と遅延後信号の信号レベルが小さくても、又は無い場合でも遅延量を推定することが可能である。
なお、遅延前信号揺らぎ推定部40は、予め定めた数の遅延前信号保存時刻の平均間隔を求めて遅延前信号揺らぎ量を推定する例で説明を行ったが、平均間隔を求める処理は移動平均で求めても良い。つまり、予め定められた数になるまでは、その数毎に平均間隔を求めてその都度、遅延前信号揺らぎ量を推定するようにしても良い。
パソコンやスマートフォン等の機器のアプリケーションでは、稀ではあるが、複数のアプリケーションの処理の影響により、遅延前信号バッファ部10への信号の書き込み、又は遅延後信号バッファ部20からの信号の読み出しが遅れてしまい、音声が途切れてしまうことがある。このような場合、遅延前信号バッファ部10への書き込み時刻の揺らぎ、又は遅延後信号バッファ部20からの読み出し時刻の揺らぎは、各バッファ部が持つバファ長(遅延量)を越えている。したがって、このような場合に推定した揺らぎ量を用いて遅延推定すると推定した遅延量は、実際の遅延量を超えてしまう場合がある。このような大きな揺らぎに対応するためには大きなバッファを用意する必要があるが、無駄に遅延が大きくなってしまう課題がある。
そこで、この問題を解決するための揺らぎ推定部を実施例2として説明する。図7に、揺らぎ量の異常値を示す。横軸は信号をバッファに保存する順番を表す番号、縦軸は差分の時間である。3番目の差分の時間が、平均的な値よりも大きく揺らいでいる。このように分布の中心から大きく外れたものを排除することで、音の途切れが発生するような大きな揺らぎの結果を削除することができる。具体的には、予め設定した区間で揺らぎ量を平均して揺らぎの平均値を求め、揺らぎの平均値から最も離れた結果から順に、予め設定した個数の結果を削除することで、音声の途切れが発生するような大きな揺らぎの結果を削除する。
図8に、音声の途切れが発生するような大きな揺らぎの結果を削除するようにした遅延前信号揺らぎ推定部240の機能構成例を示す。遅延前信号揺らぎ推定部240は、上に示した遅延前信号揺らぎ推定部40に対して、遅延前信号特異データ削除手段241を備える点で異なる。遅延前信号揺らぎ推定部240における処理は、遅延前信号揺らぎ推定部40の揺らぎ量を求めるステップS44と揺らぎ量の最大値を求めるステップS45の間に、遅延前信号特異データ削除ステップが挿入される。遅延前信号揺らぎ推定部240の動作フローを参照した説明は省略する。
遅延前信号特異データ削除手段241は、第1の減算手段44と最大値検出手段45との間に設けられる。遅延前信号特異データ削除手段241は、第1の減算手段44が出力する揺らぎ量の平均値を求め、その平均値からもっとも離れた値から順に、あらかじめ設定した個数の揺らぎ量を削除して残りの揺らぎ量を出力する。
遅延前信号特異データ削除手段241を設けることで、音声が途切れてしまうような誤った揺らぎ量を排除することが出来るので、遅延推定をより正確に行うことが可能になる。
なお、誤った揺らぎ量を排除する動作を遅延前信号で説明したが、遅延後信号についても同様な処理を行う必要がある。遅延後信号については、遅延後信号特異データ削除ステップを、第3の減算ステップと遅延後信号最大値検出ステップとの間に設ければ良い。その動作は、遅延前信号に対する動作と全く同じである。
なお、特異データの削除は、予め設定した個数の結果を削除する例で説明したが、その設定した個数は自動的に決定するようにしても良い。その個数とはフレーム数であり、1フレームの長さは例えば10ms/フレーム程度である。推定する遅延は音の場合、例えば数百ms程度の範囲なので、フレーム数としては200〜300個程度の数になり統計的な処理を行うのに十分な数である。よって、予め設定した個数は、例えば3シグマの区間(99.7%)を越える数に自動的に設定されるようにしても良い。
遅延量を推定する方法としては、背景技術で説明したように信号間の白色化相互相関を求めて遅延を推定する方法が知られているが、その方法は各信号を周波数領域の信号に変換するための演算量が多いのが課題である。その演算量は、この発明の遅延推定方法を組み合わせることで減らすことが可能である。
図9に、この発明の遅延推定方法と従来の白色化相互相関法を組み合わせた遅延推定装置300の機能構成例を示す。遅延推定装置300は、実施例1と2で説明した遅延推定装置100,200に、相関遅延推定部301を追加した構成である。
相関遅延量推定部301は、この発明の遅延推定装置100,200で推定した遅延量を入力とする。相関遅延量推定部301は、入力される遅延量を最小遅延量とし、その最小遅延量と、予め設定した最大遅延量との範囲で、遅延前信号と遅延後信号との間の白色化相互相関を求め、その白色化相互相関の最大値の位置を探索し、探索したその値を推定遅延量として出力する。ここで、最大遅延量とは、遅延を推定する範囲の上限であり、例えば200〜300ms程度の時間である。
図10に、遅延推定装置300の動作フローを示す。遅延推定装置100の遅延前信号バッファ過程(ステップS10)〜加算過程(ステップS70)の後に、最小遅延量から、予め設定した最大遅延量の範囲で遅延前信号と遅延後信号の相関を求めて遅延時間を推定する相関遅延推定過程(ステップS301)が挿入されている。なお、作図の都合で相関遅延推定過程(ステップS301)は、動作終了の判断の処理継続の部分に挿入されているが、ステップS70とステップS380の間に在っても良い。
遅延推定装置によれば、最大遅延量から最小遅延量を減じた範囲の白色化相互相関を演算するので、最大遅延時間の全ての範囲の白色化相互相関を求めるよりも演算量を削減することができる。
パソコンやスマートフォン等の機器の遅延前信号バッファ部10と遅延後信号バッファ部20の動作は、それぞれ独立に非同期で動作する場合が多い。そこで、各信号の非同期処理に好適な構成とした遅延推定装置400を次に説明する。
図11に、遅延推定装置400の機能構成例を示す。遅延推定装置400は、遅延後信号推定部60と加算部70との間に、設けられるデータ保持部401を具備する点に特徴がある。データ保持部401は、遅延後信号揺らぎ推定部60が出力する最新の遅延後信号揺らぎ量を保持する。そして、加算部70は、遅延前信号揺らぎ推定部40が出力する遅延前信号の揺らぎ量に、データ保持部401に保持された最新の遅延後信号の揺らぎ量を加算して推定遅延量として出力する。
このようにデータ保持部401を具備することで、遅延前側と遅延後側の処理を同期させて処理する必要がなくなる。つまり、遅延前側の処理と遅延後側の処理にタイムラグが生じても推定遅延量を容易に出力することができる。
なお、データ保持部401を遅延後信号の側に設ける例で説明したが、遅延前信号側に設けても良い。その場合、遅延前信号揺らぎ推定部40と加算部70との間にデータ保持部401が設けられ、遅延前信号の最新の揺らぎ量を保持する。そして、加算部70は、遅延後信号揺らぎ推定部40が出力する遅延後信号の揺らぎ量に、データ保持部401に保持された最新の遅延前信号の揺らぎ量を加算して推定遅延量として出力する。
このようにデータ保持部401の配置される位置を、遅延後信号側と遅延前信号側のどちらの側にしても、両者の間にタイムラグが生じても推定遅延量を容易に出力可能な遅延推定装置を構成することができる。
図12に、実施例3で説明した遅延推定装置300を、両信号の非同期処理に好適な構成とした遅延推定装置500の機能構成例を示す。遅延推定装置500は、遅延推定装置400の構成に加えて第1遅延部501と、相関遅延推定部301と、第1遅延量保持部502と、加算部503と、を具備する。
第1遅延部501は、遅延前信号を遅延推定装置400の出力する推定遅延量分の時間遅らせて相関遅延推定部301に出力する。また、遅延推定装置400の出力する推定遅延量は第1遅延量保持部502で保持される。
相関遅延推定部301は、第1遅延部501が出力する遅延された遅延前信号と、遅延後信号との間の白色化相互相関を求めて遅延量を推定する。加算部503は、第1遅延量保持部502に保持された遅延量と相関遅延推定部301が出力する遅延量とを加算して、推定遅延量として出力する。
このように構成することで白色化相互相関法を用いた遅延推定装置においても、遅延前側の処理と遅延後側の処理にタイムラグが生じても推定遅延量を容易に出力することができる。
〔応用例〕
この発明の遅延推定装置100〜500は、エコー消去装置に用いることができる。図13に、この発明の遅延推定装置を用いたエコー消去装置600の機能構成例を示す。エコー消去装置600は、遅延推定装置100と、遅延挿入部601と、適応フィルタ602と、加算部603と、を具備する。遅延推定装置100は、上記した遅延推定装置200,300,400,500の何れであっても良い。
遅延推定装置100は、受話信号である遅延前信号と、送話信号である遅延後信号と、を入力としてその両信号間の推定遅延量を求める。遅延挿入部601は、遅延推定装置100で推定された推定遅延量分の時間遅延させる。
適応フィルタ部602は、遅延挿入部601で遅延が挿入された遅延前信号を入力として擬似エコー信号を生成する。加算部603は、遅延後信号から擬似エコー信号を除去する。
この発明の遅延推定方法で推定した遅延時間を利用するエコー消去装置600は、長い遅延があってもエコー成分を消去することができる。また、その推定した遅延時間は、遅延前信号と遅延後信号の信号レベルが小さい又は無い場合でも推定できるので、エコー消去装置600はその様な信号の状態でもエコーキャンセルを行うことが可能である。
上記装置における処理手段をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、各装置における処理手段がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記録装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
また、各手段は、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより構成することにしてもよいし、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (12)

  1. 遅延前信号を一時的に保存して当該遅延前信号を保存した順に順次出力する遅延前信号バッファ過程と、
    上記遅延前信号バッファ過程において上記遅延前信号を保存した遅延前信号保存時刻を計測する遅延前信号保存時刻計測過程と、
    予め定めた数の上記遅延前信号保存時刻の平均間隔を求め、当該平均間隔と上記遅延前信号保存時刻との差から、上記遅延前信号の揺らぎを推定し、当該揺らぎの最大値を遅延前信号揺らぎ量として推定する遅延前信号揺らぎ推定過程と、
    遅延後信号を一時的に保存して当該遅延後信号を保存した順に順次出力する遅延後信号バッファ過程と、
    上記遅延後信号バッファ過程において上記遅延後信号を保存した遅延後信号保存時刻を計測する遅延後信号保存時刻計測過程と、
    予め定めた数の上記遅延後信号保存時刻の平均間隔を求め、当該平均間隔と上記遅延後信号保存時刻との差から、上記遅延後信号の揺らぎを推定し、当該揺らぎの最大値を遅延後信号揺らぎ量として推定する遅延後信号揺らぎ推定過程と、
    上記遅延前信号揺らぎ量と上記遅延後信号揺らぎ量を加算して推定遅延量として出力する加算過程と、
    を備える遅延推定方法。
  2. 請求項1に記載した遅延推定方法において、
    上記遅延前信号揺らぎ推定過程は、
    上記遅延前信号バッファ過程において上記遅延前信号を保存した遅延前信号保存時刻を記録する遅延前信号保存時刻記録ステップと、
    予め定められた数の上記遅延前信号保存時刻の平均間隔を計算する平均間隔計算ステップと、
    上記平均間隔に上記遅延前信号を保存した順番を表す番号を乗じる乗算ステップと、
    上記遅延前信号保存時刻記録ステップで記録した順の遅延前信号保存時刻から、上記順と同じ番号の乗算ステップの出力を減じて揺らぎ量を求める第1の減算ステップと、
    遅延前信号の上記揺らぎ量の最大値を検出する遅延前信号最大値検出ステップと、
    遅延前信号の上記揺らぎ量の最小値を検出する遅延前信号最小値検出ステップと、
    上記最大値から上記最小値を減じた値を遅延前信号の揺らぎ最大値として求める第2の減算ステップと、を含み、
    上記遅延後信号揺らぎ推定過程は、
    上記遅延後信号バッファ過程において上記遅延後信号を保存した遅延後信号保存時刻を計測して記録する遅延後信号保存時刻記録ステップと、
    予め定められた数の上記遅延後信号保存時刻の平均間隔を計算する平均間隔計算ステップと、
    上記平均間隔に上記遅延後信号を保存した順番を表す番号を乗じる乗算ステップと、
    上記遅延前信号保存時刻記録ステップで記録した順の遅延後信号保存時刻から、上記順と同じ番号の乗算ステップの出力を減じて揺らぎ量を求める第3の減算ステップと、
    遅延後信号の上記揺らぎ量の最大値を検出する遅延後信号最大値検出ステップと、
    遅延後信号の上記揺らぎ量の最小値を検出する遅延後信号最小値検出ステップと、
    上記最大値から上記最小値を減じた値を遅延後信号の揺らぎ最大値として求める第4の減算ステップと、を含むことを特徴とする遅延推定方法。
  3. 請求項2に記載した遅延推定方法において、
    上記第1の減算ステップと上記遅延前信号最大値検出ステップとの間に、遅延前信号特異データ削除ステップを備え、
    当該遅延前信号特異データ削除ステップは、上記第1の減算ステップで求めた揺らぎ量の平均値を求め、当該平均値からもっとも離れた値から順に、予め設定した個数の揺らぎ量を削除して残りの揺らぎ量を出力し、
    上記第3の減算ステップと上記遅延後信号最大値検出ステップとの間に、遅延後信号特異データ削除ステップを備え、
    当該遅延後信号特異データ削除ステップは、上記第3の減算ステップで求めた揺らぎ量の平均値を求め、当該平均値からもっとも離れた値から順に、予め設定した個数の揺らぎ量を削除して残りの揺らぎ量を出力する、
    ことを特徴とする遅延推定方法。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載した遅延推定方法と、
    上記遅延推定方法の各過程に加えて、
    上記遅延推定方法で推定した遅延量を最小遅延量とし、当該最小遅延量と予め設定した最大遅延量との範囲で、上記遅延前信号と遅延後信号との間の白色化相互相関を求め、当該白色化相互相関の最大値の位置を探索し、その値を推定遅延量として出力する相関遅延推定過程を、
    更に備える遅延推定方法。
  5. 遅延前信号を一時的に保存して当該遅延前信号を保存した順に順次出力する遅延前信号バッファ過程と、
    上記遅延前信号バッファ過程において上記遅延前信号を保存した遅延前信号保存時刻を計測する遅延前信号保存時刻計測過程と、
    予め定めた数の上記遅延前信号保存時刻の平均間隔を求め、当該平均間隔と上記遅延前信号保存時刻との差から、上記遅延前信号の揺らぎを推定し、当該揺らぎの最大値を遅延前信号揺らぎ量として推定する遅延前信号揺らぎ推定過程と、
    遅延後信号を一時的に保存して当該遅延後信号を保存した順に順次出力する遅延後信号バッファ過程と、
    上記遅延後信号バッファ過程において上記遅延後信号を保存した遅延後信号保存時刻を計測する遅延後信号保存時刻計測過程と、
    予め定めた数の上記遅延後信号保存時刻の平均間隔を求め、当該平均間隔と上記遅延後信号保存時刻との差から、上記遅延後信号の揺らぎを推定し、当該揺らぎの最大値を遅延後信号揺らぎ量として推定する遅延後信号揺らぎ推定過程と、
    上記遅延後信号揺らぎ推定過程で推定された最新の遅延後信号揺らぎ量を保持するデータ保持過程と、
    上記遅延前信号揺らぎ量と上記最新の遅延後信号揺らぎ量を加算して推定遅延量として出力する加算過程と、
    を備える遅延推定方法。
  6. 遅延前信号を一時的に保存して当該遅延前信号を保存した順に順次出力する遅延前信号バッファ部と、
    上記遅延前信号バッファ過程において上記遅延前信号を保存した遅延前信号保存時刻を計測する遅延前信号保存時刻計測部と、
    予め定めた数の上記遅延前信号保存時刻の平均間隔を求め、当該平均間隔と上記遅延前信号保存時刻との差から、上記遅延前信号の揺らぎを推定し、当該揺らぎの最大値を遅延前信号揺らぎ量として推定する遅延前信号揺らぎ推定部と、
    遅延後信号を一時的に保存して当該遅延後信号を保存した順に順次出力する遅延後信号バッファ部と、
    上記遅延後信号バッファ過程において上記遅延後信号を保存した遅延後信号保存時刻を計測する遅延後信号保存時刻計測部と、
    予め定めた数の上記遅延後信号保存時刻の平均間隔を求め、当該平均間隔と上記遅延後信号保存時刻との差から、上記遅延後信号の揺らぎを推定し、当該揺らぎの最大値を遅延後信号揺らぎ量として推定する遅延後信号揺らぎ推定部と、
    上記遅延前信号揺らぎ量と上記遅延後信号揺らぎ量を加算して推定遅延量として出力する加算部と、
    を具備する遅延推定装置。
  7. 請求項6に記載した遅延推定装置において、
    上記遅延前信号揺らぎ推定部は、
    上記遅延前信号バッファ部に保存した遅延前信号保存時刻を記録する遅延前信号保存時刻記録手段と、
    予め定められた数の上記遅延前信号保存時刻の平均間隔を計算する平均間隔計算手段と、
    上記平均間隔に上記遅延前信号を保存した順番を表す番号を乗じる乗算手段と、
    上記遅延前信号保存時刻記録部に記録した順の遅延前信号保存時刻から、上記順と同じ番号の乗算ステップの出力を減じて揺らぎ量を求める第1の減算手段と、
    遅延前信号の上記揺らぎ量の最大値を検出する遅延前信号最大値検出手段と、
    遅延前信号の上記揺らぎ量の最小値を検出する遅延前信号最小値検出手段と、
    上記最大値から上記最小値を減じた値を遅延前信号の揺らぎ最大値として求める第2の減算手段と、を含み、
    上記遅延後信号揺らぎ推定部は、
    上記遅延後信号バッファ部に保存した遅延後信号保存時刻を計測して記録する遅延後信号保存時刻記録手段と、
    予め定められた数の上記遅延後信号保存時刻の平均間隔を計算する平均間隔計算手段と、
    上記平均間隔に上記遅延後信号を保存した順番を表す番号を乗じる乗算手段と、
    上記遅延前信号保存時刻記録部に記録した順の遅延後信号保存時刻から、上記順と同じ番号の乗算手段の出力を減じて揺らぎ量を求める第3の減算手段と、
    遅延後信号の上記揺らぎ量の最大値を検出する遅延後信号最大値検出手段と、
    遅延後信号の上記揺らぎ量の最小値を検出する遅延後信号最小値検出手段と、
    上記最大値から上記最小値を減じた値を遅延後信号の揺らぎ最大値として求める第4の減算手段と、を具備することを特徴とする遅延推定装置。
  8. 請求項7に記載した遅延推定装置において、
    上記第1の減算手段と上記遅延前信号最大値検出手段との間に、遅延前信号特異データ削除手段を備え、
    当該遅延前信号特異データ削除手段は、上記第1の減算手段が出力する揺らぎ量の平均値を求め、当該平均値からもっとも離れた値から順に、予め設定した個数の揺らぎ量を削除して残りの揺らぎ量を出力し、
    上記第3の減算手段と上記遅延後信号最大値検出手段との間に、遅延後信号特異データ削除手段を備え、
    当該遅延後信号特異データ削除手段は、上記第3の減算手段が出力する揺らぎ量の平均値を求め、当該平均値からもっとも離れた値から順に、予め設定した個数の揺らぎ量を削除して残りの揺らぎ量を出力する、
    ことを特徴とする遅延推定装置。
  9. 請求項6乃至8の何れかに記載した遅延推定装置と、
    上記遅延推定装置の各構成に加えて、
    上記遅延推定方法で推定した遅延量を最小遅延量とし、当該最小遅延量と予め設定した最大遅延量との範囲で、上記遅延前信号と遅延後信号との間の白色化相互相関を求め、当該白色化相互相関の最大値の位置を探索し、その値を推定遅延量として出力する相関遅延推定部を、
    更に具備する遅延推定装置。
  10. 遅延前信号を一時的に保存して当該遅延前信号を保存した順に順次出力する遅延前信号バッファ部と、
    上記遅延前信号バッファ部に上記遅延前信号を保存した遅延前信号保存時刻を計測する遅延前信号保存時刻計測部と、
    予め定めた数の上記遅延前信号保存時刻の平均間隔を求め、当該平均間隔と上記遅延前信号保存時刻との差から、上記遅延前信号の揺らぎを推定し、当該揺らぎの最大値を遅延前信号揺らぎ量として推定する遅延前信号揺らぎ推定部と、
    遅延後信号を一時的に保存して当該遅延後信号を保存した順に順次出力する遅延後信号バッファ部と、
    上記遅延後信号バッファ部に上記遅延後信号を保存した遅延後信号保存時刻を計測する遅延後信号保存時刻計測部と、
    予め定めた数の上記遅延後信号保存時刻の平均間隔を求め、当該平均間隔と上記遅延後信号保存時刻との差から、上記遅延後信号の揺らぎを推定し、当該揺らぎの最大値を遅延後信号揺らぎ量として推定する遅延後信号揺らぎ推定部と、
    上記遅延後信号揺らぎ推定過程で推定された最新の遅延後信号揺らぎ量を保持するデータ保持部と、
    上記遅延前信号揺らぎ量と上記最新の遅延後信号揺らぎ量を加算して推定遅延量として出力する加算部と、
    を具備する遅延推定装置。
  11. 請求項6乃至10の何れかに記載した遅延推定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  12. 請求項11に記載した何れかのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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