JP2014075272A - 太陽光発電システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】太陽電池モジュール12により太陽光発電した直流電力を、接続箱14を介してパワーコンディショナ16により交流電力に変換して商用交流系統30に連系する。蓄電装置18は、複数のリチウムイオン電池を収納した電池モジュール48を備え、太陽光発電した直流電力及び又は商用交流系統30の交流電力から変換した直流電力を電池モジュール48に蓄電する。蓄電装置18の電池モジュール38に発煙消火装置48を設け、リチウムイオン電池の異常による火災を検出した場合に、固形消火剤の点火による燃焼で発生した消火用エアロゾルを電池モジュール収納容器内に噴出して消火する。
【選択図】図3
Description
本発明は、
建物に設置され、太陽光を受光して発電した直流電力を交流電力に変換して商用交流系の負荷に供給する太陽光発電装置と、
複数のリチウムイオン電池を収納した電池モジュールを備え、太陽光発電装置で発電した直流電力を電池モジュールに蓄電して利用する蓄電装置と、
を備えた太陽光発電システムに於いて、
蓄電装置に配置され、リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出した場合に、消火用エアロゾルを噴出して消火する発煙消火装置を設けたことを特徴とする。
発煙消火装置は、複数のリチウムイオン電池を収納した電池モジュールの収納容器の内側又は外側に配置され、リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出した場合に、固形消火剤に点火して燃焼させることにより発生した消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する。
蓄電装置は、円筒形状を備えた複数のリチウムイオン電池を、電池モジュールの収納容器内の電池収納部に配列して収納し、
発煙消火装置は、リチウムイオン電池と同じ形状を備えると共に電池収納部の空き位置に配置し、リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出した場合に、固形消火剤に点火して燃焼させることにより発生した消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する。
発煙消火装置は、
収納容器内に消火用エアロゾルを噴出する噴出口を備えた筐体と、
筐体に収納され、燃焼により消火用エアロゾルを発生する固形消火剤と、
収納容器内に配置し、リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出する火災検出部と、
火災検出部により収納容器内の火災を検出した場合に、ヒータの通電加熱により固形消火剤に点火して燃焼させる点火回路部と、
点火回路部に電源を供給する電池電源と、
を備える。
火災検出部は、筐体から収納容器内に引き込んで布設し、火災による熱を受けた場合の絶縁被覆の溶融により一対の信号線を短絡状態に接触させる熱感知ケーブルであり、
点火回路部は、熱感知ケーブルの短絡を検出した場合に、ヒータの通電加熱により固形消火剤に点火して燃焼させる。
発煙消火装置は、固形消火剤に点火して燃焼させた場合に、消火起動信号を外部に出力する。
建物内に、
火災を検出した場合に連動元を示す火災警報を出力すると共に火災連動信号を無線又は有線送信し、他の火災警報器が無線又は有線送信した火災連動信号を受信した場合に連動先を示す火災警報を出力する火災警報器と、
火災警報器との間で無線又は有線により信号を送受信するアダプタ装置と、
を設置し、
発煙消火装置は、固形消火剤に点火して燃焼させた場合に出力した消火起動信号を、アダプタ装置を経由して火災警報器に無線又は有線送信して、蓄電装置の火災と発煙消火装置の消火起動を報知させる。
建物内の警戒区域に設置され、火災検知端末機器により火災を検知した場合に防災受信機から火災警報を出力すると共に火災連動信号を外部へ無線又は有線送信する自動火災報知設備と、
自動火災報知設備との間で無線又は有線により信号を送受信するアダプタ装置と、
を設置し、
発煙消火装置は、固形消火剤に点火して燃焼させた場合に出力した消火起動信号を、アダプタ装置を経由して自動火災報知設備に無線又は有線送信して、蓄電装置の火災を報知させる。
発煙消火装置は、
蓄電装置における電池モジュールの収納容器外壁を貫通して配置され、固形消火剤の燃焼により発生した消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する発煙消火部と、
収納容器外壁を貫通して配置され、収納容器内に収納したリチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出する火災検出部と、
収納容器の外部に配置され、火災検出部により火災を検出した場合又は他の装置から点火制御信号を受信した場合に、発煙消火部の固形消火剤に点火して燃焼させる消火制御部と、
を備える。
本発明の太陽光発電システムは、蓄電装置に設けている複数のリチウムイオン電池を配列し収納された電池モジュールの収納容器に発煙消火装置を配置し、リチウムイオン電池が、内部ショートや過充電等の種々の原因で熱暴走して、電池温度が著しく上昇し、その結果、リチウムイオン電池の破裂や発火が起きた場合に、リチウムイオン電池の異常に伴う電気火災を検出して発煙消火装置から消火用エアロゾルを収納容器内に噴出し、電気火災をリチウムイオン電池の収納容器内で消火抑制し、蓄電装置を火元とした火災に拡大することを未然に防止することを可能とする。
また電池モジュールの収納容器の外側又は内側に発煙消火装置を配置するようにしたため、複数の収納容器を蓄電装置の筐体内に並べたり重ねたりして配置する場合、収納容器の搭載や並べ方に対し、これを妨げない適切な収納容器本体又は収納容器蓋の内側又は外側に配置することを可能とする。
また、発煙消火装置をリチウムイオン電池と同じ円筒形状又は扁平箱形状とし、収納容器内にリチウムイオン電池と同様に収納配置することを可能としたため、電池モジュールの収納容器内に電池収納区画を一つ余計に確保して、そこに発煙消火装置を収納するだけでよく、発煙消火装置の配置スペースを最小限に抑え、収納容器への組み込みを簡単且つ容易に行うことを可能とする。また、収納容器を単体で蓄電装置に筐体内に組み込む場合や、複数の収納容器を並べたり重ねたりして蓄電装置の筐体内に組み込む場合、発煙消火装置を設けても、これを妨げることがない。
また、発煙消火装置を、発煙消火部、火災検出部及び消火制御部に分離し、電池モジュールの収納容器外壁を貫通して発煙消火部と火災検出部を個別に配置し、これに外部に配置した消火制御部を信号線接続するようにしたため、発煙消火部と火災検出部を独立したユニットに分離したことで、様々な構造をとる電池モジュールの収納容器に対し、収納容器内に消火用エアロゾルを噴出可能な位置を選択して発煙消火部を適切に取付け配置することを可能とし、同様に、収納容器内に収納したリチウムイオン電池の火災を検出するために適切な位置を選択して火災検出部を取付け配置することを可能とし、発煙消火装置を構成する発煙消火部、火災検出部及び消火制御部を電池モジュールの収納容器に実装する場合の自由度を高めることができる。
また、発煙消火装置は、リチウムイオン電池の火災を検出して固形消火剤を燃焼させることにより消火用エアロゾルを収納容器内に噴出した場合には、消火起動信号を出力し、これを、アダプタ装置を経由して建物内に設置している無線連動型の火災警報器に無線又は有線送信して、蓄電装置の火災と発煙消火装置の消火起動を報知させることにより、住宅への設置が義務付けられた火災警報器を活用して、蓄電装置の火災と消火起動を居住者に報知し、迅速な対処を可能とする。
また、発煙消火装置は、リチウムイオン電池の火災を検出して固形消火剤を燃焼させることにより消火用エアロゾル収納容器内に噴出した場合には、消火起動信号を出力し、これをアダプタ装置を経由して建物内に設置している防災受信機に無線又は有線送信して、蓄電池装置の火災を報知させることにより、建物内の人に蓄電装置の火災を報知し、迅速な対処を可能とする。
図1は住宅に設置した本発明の太陽光発電システムを示した説明図である。図1において、本発明の太陽光発電システムは、太陽光発電装置と蓄電装置で構成する。太陽光発電装置は、住宅10の屋根に太陽電池モジュール12を設置し、太陽光エネルギーを直流電力に変換して出力する。なお、太陽電池モジュール12は太陽電池パネルともいう。
[太陽光発電装置の構成]
図3は本発明による太陽光発電装置の実施形態を蓄電装置と共に示したブロック図である。なお、電力線を実線で示し、信号線は点線で示している。
太陽光発電装置は、更に、蓄電装置18をパワーコンディショナ16の一次側に接続している。蓄電装置18には、複数のリチウムイオン電池を直列接続して容器内に収納した1又は複数の電池モジュール38、電池モジュール38に設けた複数のリチウムイオン電池を制御する電池制御部40及び発煙消火装置48を備える。
システム制御部46は、太陽光発電システムのシステム運転制御を行う。システム制御部46のシステム運転制御は、例えば昼間の太陽光発電が行われている場合には、太陽光で発電した電力を住宅10の負荷に供給し、余った電力は蓄電装置18に充電し、住宅の電力使用量が増加する電力ピークの時間帯や太陽光発電が停止する夜間の時間帯に、蓄電装置18から放電して住宅10で使用する制御を行う。
図4は無線連動型の住警器26の機能構成の概略を示したブロック図である。図4において、住警器26は、警報制御部58、センサ部60、アンテナ64を接続した無線通信部62、報知部66、操作部68を備え、図示しない電池電源により動作する。
警報制御部58は、センサ部60から出力される温度又は煙濃度の検出信号をAD変換により読み込み、所定の閾値以上の場合に火災を検出し、報知部66から連動元を示す火災警報を出力させる制御を行う。この場合の火災警報として例えば「ピー ピー ピー 火事です 火事です」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共にLEDを例えば点灯して行う。
警報制御部58は、センサ部60の検出信号に基づき温度又は煙濃度が閾値を下回る状態が例えば所定時間継続した場合或いは例えば所定回数連続した場合、火災の復旧(火災検出状態が解消したこと)を検出し、報知部66からの連動元を示す火災警報出力を停止させると共に、火災復旧連動信号を生成し、無線通信部62に指示し、当該火災復旧連動信号を他の住警器へ送信させる制御を行い、これを受信した他の住警器に、連動先を示す火災警報出力を停止させる。
警報制御部58は、連動元として火災警報の出力中に操作部68の警報停止スイッチで受け付けた警報停止操作を検出した場合、報知部66からの連動元を示す火災警報出力を停止させると共に、警報停止連動信号を生成し、無線通信部62に指示し、当該警報停止連動信号を他の住警器へ送信させる制御を行い、これを受信した他の住警器に、連動先を示す火災警報出力を停止させる。
警報制御部58は、蓄電装置18に設けた発煙消火装置48が火災を検出して、ヒータの通電加熱により固形消火剤に点火して燃焼させ、消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火を開始し、アダプタ装置28から送信された消火起動信号を受信した場合には、報知部66からの蓄電装置の火災と消火起動を示す警報を出力する制御を行う。この場合の警報は例えば「ピー ピー ピー 蓄電装置で火災発生 消火装置が作動しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共に警報表示LEDを例えば点灯して行う。
図5はアダプタ装置28の機能構成の概略を示したブロック図である。図5において、アダプタ装置28は、アンテナ72を接続した無線通信部70、制御部74及び有線通信部76を備え、図示しない電池電源により動作する。制御部74は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
図6は蓄電装置に収納する電池モジュールの第1実施形態における外観を示した斜視図、図7は電池モジュールの内部構造を示した断面図、図8は収納容器本体内を示した平面図、図9は収納容器蓋の内側を示した説明図であり、本実施形態は、発煙消火装置を電池モジュール収納容器の内部に配置したことを特徴とする。
図6、図7、図8及び図9に示すように、電池モジュール38は、上部に開口した箱型の収納容器本体111と、収納容器本体111の開口に装着してボルト113で固定した収納容器蓋112を備え、収納容器本体111と収納容器蓋112で電池モジュール38の収納容器を構成する。収納容器本体111の長手方向の一端に位置する手前側の側壁には、電池モジュール38の正極出力端子114aと負極出力端子114bを取付けている。
図6、図7及び図9に示すように、電池モジュール38における収納容器蓋112の内側には、発煙消火装置48を取付けている。発煙消火装置48は、収納容器内に収納したリチウムイオン電池126の異常に伴う火災を検出した場合に、固形消火剤の燃焼により発生した消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する。なお、本実施形態では、発煙消火装置48を収納容器蓋112の内側に取付けているが、収納容器本体111の内側に取り付けるようにしても良い。
図10は発煙消火装置の外観を示した斜視図、図11は発煙消火装置の縦断面を示した断面図、及び図12は発煙消火装置の横断面を示した断面図である。
図13は、図10の筐体内部に配置した点火回路部の実施形態を示した回路図である。図13に示すように、点火回路部142は、プラグ152及びコネクタ130を介して電池モジュール38の収納容器内に布線した熱感知ケーブル132、点火制御信号を入力する信号線133、及び消火起動信号を出力する信号線134を接続している。なお、点火制御信号を入力する信号線133は通常監視状態で開放状態にあり、点火制御信号を入力する場合は、短絡状態となる。
図14は発煙消火装置の動作を示した説明図である。図14において、発煙消火装置48は、収納容器蓋112の内側に取付固定している。発煙消火装置48に収納した点火回路部142が電池モジュールの収納容器内に布設した熱感知ケーブル132の火災による短絡状態を検出した場合、又は外部から点火制御信号が入力した場合、ヒータ140に通電加熱して固形消火剤138に点火し、固形消火剤138が燃焼して消火用エアロゾルを発生する。
図15は発煙消火装置を外付けした電池モジュールの第2実施形態を示した説明図及び図16は電池モジュールの内部構造を示した断面図である。
図15及び図16に示すように、電池モジュール38は、上部に開口した箱型の収納容器本体211と、収納容器本体211の開口に装着してボルト213で固定した収納容器蓋212を備え、収納容器本体211と収納容器蓋212で電池モジュール38の収納容器を構成する。
図15及び図16に示すように、電池モジュール38における収納容器蓋212の外側には、発煙消火装置48を取付けている。発煙消火装置48は、収納容器内に収納したリチウムイオン電池226の異常に伴う火災を検出した場合に、固形消火剤の燃焼により発生した消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する。なお、本実施形態では、発煙消火装置48を収納容器蓋212の外側に取付けているが、収納容器本体211の側面の外側に取り付けるようにしても良い。
図17は、図15に示した発煙消火装置の内部断面構造を示した説明図である。図17に示すように、本実施形態の発煙消火装置48は、一端に開口した箱形の筐体本体218と蓋部材220で構成し、筐体本体218の開口にシールパッキン(図示せず)を介して蓋部材220を装着し、ビス235により固定している。筐体218の収納容器装着面となる図示の底面には、ノズル228を溶接などにより取り付け、ノズル228の先端を外部に突出している。また筐体本体218の収納容器装着面となる図示の底面にはコネクタ230を外側に露出して取付けている。
図18は発煙消火装置の動作を示した説明図である。図18において、発煙消火装置48は、収納容器蓋212の外側に、シールパッキン275を介して取付固定している。発煙消火装置48に収納した点火回路部242が電池モジュールの収納容器内に布設した熱感知ケーブル232の火災による短絡状態を検出した場合、又は外部から点火制御信号が入力した場合、ヒータ240に通電加熱して固形消火剤238に点火し、固形消火剤238が燃焼して消火用エアロゾルを発生する。
図19は円筒形電池と同じ発煙消火装置を備えた電池モジュールの第3実施形態を示した分解組立図、図20は収納容器本体内を示した平面図である。
図19及び図20に示すように、電池モジュール38は、上部に開口した箱型の収納容器本体311と、収納容器本体311の開口に装着してボルト313で固定した収納容器蓋312を備え、収納容器本体311と収納容器蓋312で電池モジュール38の収納容器を構成する。
図19及び図20に示すように、電池モジュール38における収納容器本体311側には、リチウムイオン電池326と同じ円筒形状、即ちリチウムイオン電池326と同じ直径R及び高さHを持った円筒形状の発煙消火装置48を、組電池325を構成する複数のリチウムイオン電池326と共に電池収納箱315に収納している。
図22は発煙消火装置の上部端面を示した説明図である。図21及び図22に示すように、本実施形態の発煙消火装置48は、上部に開口したリチウムイオン電池と同じサイズの円筒形状を備えた筐体本体318と、筐体本体318の上部開口に嵌合固定する蓋部材320で構成する。
図23は、図21に示した発煙消火装置の動作を示した説明図である。図23において、発煙消火装置48は、収納容器本体311に組み込んだ電池収納箱315の消火装置収納区画315bに収納しており、隣接した電池収納区画315aの各々にはリチウムイオン電池326を収納している。発煙消火装置48に収納した点火回路部342が電池モジュールの収納容器内に布設した熱感知ケーブル332の火災による短絡状態を検出した場合、又は外部から点火制御信号が入力した場合、ヒータ340に通電加熱して固形消火剤338に点火し、固形消火剤338が燃焼して消火用エアロゾルを発生する。
図24は扁平箱形電池と同じ発煙消火装置を備えた電池モジュールの第4実施形態を示した分解組立図、図25は収納容器本体内を示した平面図である。
図24及び図25に示すように、電池モジュール38は、上部に開口した箱型の収納容器本体411と、収納容器本体411の開口に装着してボルト413で固定した収納容器蓋412を備え、収納容器本体411と収納容器蓋412で電池モジュール38の収納容器を構成する。
図24及び図25に示すように、電池モジュール38における収納容器本体411側には、リチウムイオン電池426と同じ扁平箱形状、即ちリチウムイオン電池426と同じ横幅L、縦幅W及び高さHを持った発煙消火装置48を、組電池425を構成する複数のリチウムイオン電池426と共に収納している。
図26は発煙消火装置の外観を示した斜視図、図27は発煙消火装置の縦幅方向の断面を示した断面図である。
図28は、図26及び図27に示した発煙消火装置の動作を示した説明図である。図28において、発煙消火装置48は、収納容器本体411に設けた消火装置収納区画415bに収納しており、隣接した電池収納区画415aの各々にはリチウムイオン電池426を収納している。発煙消火装置48に収納した点火回路部442が電池モジュールの収納容器内に布設した熱感知ケーブル432の火災による短絡状態を検出した場合、又は外部から点火制御信号が入力した場合、ヒータ440に通電加熱して固形消火剤438に点火し、固形消火剤438が燃焼して消火用エアロゾルを発生する。
図29は発煙消火部と火災検出部に分離した発煙消火装置を設けた電池モジュールの第5実施形態を示した説明図、図30は電池モジュールの分解組立図である。
図29及び図30に示すように、電池モジュール38は、上部に開口した箱型の収納容器本体511と、収納容器本体511の開口に装着してボルト513で固定した収納容器蓋512を備え、収納容器本体511と収納容器蓋512で電池モジュール38の収納容器を構成する。
図29及び図30に示すように、本実施形態の発煙消火装置は、発煙消火部48a、火災検出部48b及び消火制御部48cで構成する。
図31は発煙消火部を一部軸方向の断面で示した説明図である。図31に示すように、本実施形態の発煙消火部48aは、消火部本体520、消火部筐体522、消火剤収納ケース536、固形消火剤538、点火部として機能するヒータ540、及び火炎防止部材546で構成している。
図29に示した消火制御部48cには、点火回路部を収納している。この点火回路部は、図13に示した第1実施形態の場合と同様と基本的に同様であるが、図13のヒータ140を取出し、図31のように発煙消火部48aに収納した固形消火剤538の中に設けて信号線接続している点で相違するだけである。
図32は発煙消火部の動作を示した説明図である。図32に示すように、発煙消火部48aは、消火部本体520を収納容器蓋512における側面外壁の消火部取付穴にねじ込み固定することで、先端の消火部筐体522を収納容器内に配置しており、外部のコネクタ530にはプラグ531により消火制御部48cからの信号線552を接続している。
(点火回路部の電源)
上記の実施形態にあっては、発煙消火装置に一次電池を用いた電池電源を内蔵して点火回路部を動作しているが、電池モジュールの収納容器内に収納しているリチウムイオン電池(二次電池)から電源を供給するようにしても良い。
また、点火回路部は、上記の実施形態に限定されず、火災による熱感知ケーブルの短絡を検出して固定消火剤に点火する回路機能、外部から点火制御信号を入力して固形消火剤に点火する回路機能、及び消火起動信号を外部に出力する回路機能を備えれば、適宜の回路とすることができる。
また、上記の実施形態にあっては、電池モジュールの収納容器内に発煙消火装置を1台設けているが、必要に応じ、複数台の発煙消火装置を収納容器内に設けるようにしても良い。
また、上記の実施形態は、リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出する火災検出部として熱感知ケーブルを設けているが、これ以外に、熱電対、サーミスタ等の温度センサ、レーザパルス光を入射した場合の後方散乱光の強度から温度測定する光ファイバーセンサなどの適宜の火災検出部を設けても良い。
また、本実施形態の蓄電装置に組み込むリチウムイオン電池は、電池容器内のガス圧異常により作動してガスを排出するガス排出弁を設けている場合があり、これに伴い電池モジュールの収納容器にリチウムイオン電池の異常に伴い噴出した一酸化炭素ガスなどの有毒ガスを排ガスする排ガス機構、例えば収納容器内圧が所定値以上の場合に外部に開放する逆止弁を備えている場合があるが、発煙消火装置から電池モジュールの収納容器内に消火用エアロゾルを噴出しても、電池モジュールの収納容器内の内圧は排ガス機構を作動する圧力までは上昇せず、消火用エアロゾルが外部に漏れ出して消火効果が下がることはない。
また、上記の実施形態は、一般住宅に設置する太陽光発電システムを例にとっているが、公共施設や工場などに設置する規模の大きな太陽光発電装置に、リチウムイオン電池を収納した蓄電装置を組み合わせた場合についても、同様に適用することができる。
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
11−1〜11−n:太陽電池ストリングス
12:電池モジュール
14:接続箱
16:パワーコンディショナ
18:蓄電装置
20:モニタ装置
22:分電盤
24:電力メータ
26:住警器
28:アダプタ装置
30:商用交流系統
32−1〜32−n:DC/DCコンバータ
34:DC/ACインバータ
36:双方向DC/DCコンバータ
38:電池モジュール
40:電池制御部
45:制御ユニット
46:システム制御部
48:発煙消火装置
48a:発煙消火部
48b:火災検出部
48c:消火制御部
50:筐体
111,211,311,411:収納容器本体
112,212,312,412:収納容器蓋
126,226,326,426,526:リチウムイオン電池
132,232,332,432,532:熱感知ケーブル
138,238,338,438,538:固形消火剤
140,240,340,440,540:ヒータ
142,242,342,442:点火回路部
160:電池電源
168:トランジスタ
170:リレー
Claims (9)
- 建物に設置され、太陽光を受光して発電した直流電力を交流電力に変換して商用交流系の負荷に供給する太陽光発電装置と、
複数のリチウムイオン電池を収納した電池モジュールを備え、前記太陽光発電装置で発電した直流電力を前記電池モジュールに蓄電して利用する蓄電装置と、
を備えた太陽光発電システムに於いて、
前記蓄電装置に配置され、前記リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出した場合に、消火用エアロゾルを噴出して消火する発煙消火装置を設けたことを特徴とする太陽光発電システム。
- 請求項1記載の太陽光発電システムに於いて、前記発煙消火装置は、複数のリチウムイオン電池を収納した前記電池モジュールの収納容器の内側又は外側に配置され、前記リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出した場合に、固形消火剤に点火して燃焼させることにより発生した前記消火用エアロゾルを前記収納容器内に噴出して消火することを特徴とする太陽光発電システム。
- 請求項1記載の太陽光発電システムに於いて、
前記蓄電装置は、複数のリチウムイオン電池を、前記電池モジュールの収納容器内の電池収納部に配列して収納し、
前記発煙消火装置は、前記リチウムイオン電池と同じ形状を備えると共に前記電池収納部の空き位置に配置し、前記リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出した場合に、固形消火剤に点火して燃焼させることにより発生した前記消火用エアロゾルを前記収納容器内に噴出して消火することを特徴とする太陽光発電システム。
- 請求項2又は3記載の太陽光発電システムに於いて、
前記発煙消火装置は、
前記収納容器内に消火用エアロゾルを噴出する噴出口を備えた筐体と、
前記筐体に収納され、燃焼により前記消火用エアロゾルを発生する固形消火剤と、
前記収納容器内に配置し、前記リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出する火災検出部と、
前記火災検出部により前記収納容器内の火災を検出した場合に、ヒータの通電加熱により前記固形消火剤に点火して燃焼させる点火回路部と、
前記点火回路部に電源を供給する電池電源と、
を備えたことを特徴とする太陽光発電システム。
- 請求項4記載の太陽光発電システムに於いて、
前記火災検出部は、前記筐体から前記収納容器内に引き込んで布設し、火災による熱を受けた場合の絶縁被覆の溶融により一対の信号線を短絡状態に接触させる熱感知ケーブルであり、
前記点火回路部は、前記熱感知ケーブルの短絡を検出した場合に、ヒータの通電加熱により前記固形消火剤に点火して燃焼させることを特徴とする太陽光発電システム。
- 請求項4記載の太陽光発電システムに於いて、前記発煙消火装置は、前記固形消火剤に点火して燃焼させた場合に、消火起動信号を外部に出力することを特徴とすることを特徴とする太陽光発電システム。
- 請求項5記載の太陽光発電システムに於いて、
前記建物内に、
火災を検出した場合に連動元を示す火災警報を出力すると共に火災連動信号を無線又は有線送信し、他の火災警報器が無線又は有線送信した火災連動信号を受信した場合に連動先を示す火災警報を出力する火災警報器と、
前記火災警報器との間で無線又は有線により信号を送受信するアダプタ装置と、
を設置し、
前記発煙消火装置は、前記固形消火剤に点火して燃焼させた場合に出力した前記消火起動信号を、前記アダプタ装置を経由して前記火災警報器に無線又は有線送信して、前記蓄電装置の火災と前記発煙消火装置の消火起動を報知させることを特徴とする太陽光発電システム。
- 請求項5記載の太陽光発電システムに於いて、
前記建物内の警戒区域に設置され、火災検知端末機器により火災を検知した場合に防災受信機から火災警報を出力すると共に火災連動信号を外部へ無線又は有線送信する自動火災報知設備と、
前記自動火災報知設備との間で無線又は有線により信号を送受信するアダプタ装置と、
を設置し、
前記発煙消火装置は、前記固形消火剤に点火して燃焼させた場合に出力した前記消火起動信号を、前記アダプタ装置を経由して前記自動火災報知設備に無線又は有線送信して、前記蓄電装置の火災を報知させることを特徴とする太陽光発電システム。
- 請求項1記載の太陽光発電システムに於いて、
前記発煙消火装置は、
前記蓄電装置における電池モジュールの収納容器外壁を貫通して配置され、固形消火剤の燃焼により発生した消火用エアロゾルを前記収納容器内に噴出して消火する発煙消火部と、
前記収納容器外壁を貫通して配置され、前記収納容器内に収納した前記リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出する火災検出部と、
前記収納容器の外部に配置され、前記火災検出部により火災を検出した場合又は他の装置から点火制御信号を受信した場合に、前記発煙消火部の前記固形消火剤に点火して燃焼させる消火制御部と、
を備えたことを特徴とする太陽光発電システム。
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