JP2014074795A - レンズ部品及びそれを備えた光モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い光結合効率を得ることが可能なレンズ部品を提供する。
【解決手段】発光素子52aと送信用光ファイバ7aとを光接続する第一のレンズ組と、受光素子52bと受信用光ファイバ7bとを光接続する第二のレンズ組と、を備え、送信用ファイバ側レンズ62Aの送信用ファイバ側レンズ形成面72Aからの突出量Paは、送信用素子側レンズ65Aの送信用素子側レンズ形成面75Aからの突出量Pbより大きく、受信用素子側レンズ65Bの受信用素子側レンズ形成面75Bからの突出量Pcは、受信用ファイバ側レンズ62Bの受信用ファイバ側レンズ形成面72Bからの突出量Pdより大きい、レンズ部品1が提供される。
【選択図】 図5
【解決手段】発光素子52aと送信用光ファイバ7aとを光接続する第一のレンズ組と、受光素子52bと受信用光ファイバ7bとを光接続する第二のレンズ組と、を備え、送信用ファイバ側レンズ62Aの送信用ファイバ側レンズ形成面72Aからの突出量Paは、送信用素子側レンズ65Aの送信用素子側レンズ形成面75Aからの突出量Pbより大きく、受信用素子側レンズ65Bの受信用素子側レンズ形成面75Bからの突出量Pcは、受信用ファイバ側レンズ62Bの受信用ファイバ側レンズ形成面72Bからの突出量Pdより大きい、レンズ部品1が提供される。
【選択図】 図5
Description
本発明は、レンズ部品及びそれを備えた光モジュールに関する。
電気信号を光信号に変換する、あるいは、光信号を電気信号に変換する光モジュールが知られている。このような光モジュールは、光ファイバと、発光素子と、受光素子と、発光素子および受光素子と光ファイバとを光接続するレンズ部品とを備えている(例えば特許文献1参照)。
近年の電子機器の省電力化、処理速度の高速化により、光結合効率の高いレンズ部品が求められるようになってきている。
本発明は、光結合効率の高いレンズ部品、および光モジュールを提供する。
上記課題を解決することのできる本発明のレンズ部品は、
発光素子と送信用光ファイバとを光接続する第一のレンズ組と、受光素子と受信用光ファイバとを光接続する第二のレンズ組と、を備えるレンズ部品であって、
前記第一のレンズ組は、発光素子と向かい合う位置に設けられる送信用素子側レンズと、送信用光ファイバと向かい合う位置に設けられる送信用ファイバ側レンズと、を有し、
前記第二のレンズ組は、受光素子と向かい合う位置に設けられる受信用素子側レンズと、受信用光ファイバと向かい合う位置に設けられる受信用ファイバ側レンズと、を有し、
前記送信用素子側レンズは送信用素子側レンズ形成面から突出して形成されており、
前記受信用素子側レンズは受信用素子側レンズ形成面から突出して形成されており、
前記送信用ファイバ側レンズは送信用ファイバ側レンズ形成面から突出して形成されており、
前記受信用ファイバ側レンズは受信用ファイバ側レンズ形成面から突出して形成されており、
前記送信用ファイバ側レンズの前記送信用ファイバ側レンズ形成面からの突出量は、前記送信用素子側レンズの前記送信用素子側レンズ形成面からの突出量より大きく、
前記受信用素子側レンズの前記受信用素子側レンズ形成面からの突出量は、前記受信用ファイバ側レンズの前記受信用ファイバ側レンズ形成面からの突出量より大きい。
発光素子と送信用光ファイバとを光接続する第一のレンズ組と、受光素子と受信用光ファイバとを光接続する第二のレンズ組と、を備えるレンズ部品であって、
前記第一のレンズ組は、発光素子と向かい合う位置に設けられる送信用素子側レンズと、送信用光ファイバと向かい合う位置に設けられる送信用ファイバ側レンズと、を有し、
前記第二のレンズ組は、受光素子と向かい合う位置に設けられる受信用素子側レンズと、受信用光ファイバと向かい合う位置に設けられる受信用ファイバ側レンズと、を有し、
前記送信用素子側レンズは送信用素子側レンズ形成面から突出して形成されており、
前記受信用素子側レンズは受信用素子側レンズ形成面から突出して形成されており、
前記送信用ファイバ側レンズは送信用ファイバ側レンズ形成面から突出して形成されており、
前記受信用ファイバ側レンズは受信用ファイバ側レンズ形成面から突出して形成されており、
前記送信用ファイバ側レンズの前記送信用ファイバ側レンズ形成面からの突出量は、前記送信用素子側レンズの前記送信用素子側レンズ形成面からの突出量より大きく、
前記受信用素子側レンズの前記受信用素子側レンズ形成面からの突出量は、前記受信用ファイバ側レンズの前記受信用ファイバ側レンズ形成面からの突出量より大きい。
上記の本発明に係るレンズ部品において、
前記受信用素子側レンズの前記受信用素子側レンズ形成面からの突出量は、前記送信用ファイバ側レンズの前記送信用ファイバ側レンズ形成面からの突出量よりも大きく設定してもよい。
前記受信用素子側レンズの前記受信用素子側レンズ形成面からの突出量は、前記送信用ファイバ側レンズの前記送信用ファイバ側レンズ形成面からの突出量よりも大きく設定してもよい。
上記の本発明に係るレンズ部品において、
前記送信用素子側レンズと前記受信用素子側レンズの配列されている方向と、前記送信用ファイバ側レンズと前記受信用ファイバ側レンズの配列されている方向は同一のレンズ配列方向であり、
前記レンズ部品は樹脂成形品であり、樹脂成形のゲート痕が、前記レンズ部品の前記レンズ配列方向の一端側に設けられていてもよい。
前記送信用素子側レンズと前記受信用素子側レンズの配列されている方向と、前記送信用ファイバ側レンズと前記受信用ファイバ側レンズの配列されている方向は同一のレンズ配列方向であり、
前記レンズ部品は樹脂成形品であり、樹脂成形のゲート痕が、前記レンズ部品の前記レンズ配列方向の一端側に設けられていてもよい。
上記の本発明に係るレンズ部品において、
前記ゲート痕は前記一端側のうち、前記送信用ファイバ側レンズと前記受信用ファイバ側レンズが並ぶファイバ側配列線と、前記送信用素子側レンズと前記受信用素子側レンズとが並ぶ素子側配列線の間の領域に含まれるように形成されていてもよい。
前記ゲート痕は前記一端側のうち、前記送信用ファイバ側レンズと前記受信用ファイバ側レンズが並ぶファイバ側配列線と、前記送信用素子側レンズと前記受信用素子側レンズとが並ぶ素子側配列線の間の領域に含まれるように形成されていてもよい。
上記の本発明に係るレンズ部品において、
前記ゲート痕は、前記送信用素子側レンズ、前記受信用素子側レンズ、前記送信用ファイバ側レンズおよび前記受信用ファイバ側レンズのうち、最も突出量の大きいレンズから最も遠い位置に設けられていてもよい。
前記ゲート痕は、前記送信用素子側レンズ、前記受信用素子側レンズ、前記送信用ファイバ側レンズおよび前記受信用ファイバ側レンズのうち、最も突出量の大きいレンズから最も遠い位置に設けられていてもよい。
上記の本発明に係るレンズ部品において、
前記レンズ部品の外周面の一部には、前記レンズ配列方向と交差する方向に凹んだ凹部が形成されており、
前記凹部の一面が反射面とされており、
前記送信用素子側レンズと前記送信用ファイバ側レンズとは前記反射面を介して光接続され、前記受信用素子側レンズと前記受信用ファイバ側レンズとは前記反射面を介して光接続され、
前記レンズ部品は、前記反射面を境にして、前記送信用素子側レンズ、前記受信用素子側レンズ、前記送信用ファイバ側レンズおよび前記受信用ファイバ側レンズを含むレンズ側領域と、前記反射面よりも前記レンズ側領域と反対側の充填領域と、に区分けされ、
前記レンズ側領域の体積は、前記充填領域の体積よりも小さく設定されていてもよい。
このとき、前記ゲート痕が前記レンズ側領域に形成されていてもよい。
前記レンズ部品の外周面の一部には、前記レンズ配列方向と交差する方向に凹んだ凹部が形成されており、
前記凹部の一面が反射面とされており、
前記送信用素子側レンズと前記送信用ファイバ側レンズとは前記反射面を介して光接続され、前記受信用素子側レンズと前記受信用ファイバ側レンズとは前記反射面を介して光接続され、
前記レンズ部品は、前記反射面を境にして、前記送信用素子側レンズ、前記受信用素子側レンズ、前記送信用ファイバ側レンズおよび前記受信用ファイバ側レンズを含むレンズ側領域と、前記反射面よりも前記レンズ側領域と反対側の充填領域と、に区分けされ、
前記レンズ側領域の体積は、前記充填領域の体積よりも小さく設定されていてもよい。
このとき、前記ゲート痕が前記レンズ側領域に形成されていてもよい。
上記の本発明に係るレンズ部品において、
前記ゲート痕と、前記送信用素子側レンズ形成面、前記受信用素子側レンズ形成面、前記送信用ファイバ側レンズ形成面および前記受信用ファイバ側レンズ形成面の少なくともひとつの間には、体積付加部が形成されており、
前記レンズ配列方向と直交する断面において、前記体積付加部の断面積は、前記送信用素子側レンズ形成面、前記受信用素子側レンズ形成面、前記送信用ファイバ側レンズ形成面および前記受信用ファイバ側レンズ形成面の少なくとも一つを含む領域の断面積よりも大きく設定されていてもよい。
前記ゲート痕と、前記送信用素子側レンズ形成面、前記受信用素子側レンズ形成面、前記送信用ファイバ側レンズ形成面および前記受信用ファイバ側レンズ形成面の少なくともひとつの間には、体積付加部が形成されており、
前記レンズ配列方向と直交する断面において、前記体積付加部の断面積は、前記送信用素子側レンズ形成面、前記受信用素子側レンズ形成面、前記送信用ファイバ側レンズ形成面および前記受信用ファイバ側レンズ形成面の少なくとも一つを含む領域の断面積よりも大きく設定されていてもよい。
また、本発明に係る光モジュールは、
発光素子および受光素子が搭載された基板と、
前記送信用素子側レンズが前記発光素子と向かい合い、前記受信用素子側レンズが前記受光素子と向かい合うように、前記基板に搭載されたレンズ部品と、を備える。
発光素子および受光素子が搭載された基板と、
前記送信用素子側レンズが前記発光素子と向かい合い、前記受信用素子側レンズが前記受光素子と向かい合うように、前記基板に搭載されたレンズ部品と、を備える。
本発明に係るレンズ部品によれば、送信用ファイバ側レンズおよび受信用素子側レンズの設計の自由度が大きく、光結合効率の高いレンズ部品を提供することができる。
以下、本発明に係るレンズ部品及びそれを備えた光モジュールの実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る光モジュールは、光通信技術などにおいて信号(データ)の伝送に用いられるものであり、接続先のパソコンなどといった電子機器に電気的に接続され、入出力される電気信号を光信号に変換して光信号を伝送するものである。
本実施形態に係る光モジュールは、光通信技術などにおいて信号(データ)の伝送に用いられるものであり、接続先のパソコンなどといった電子機器に電気的に接続され、入出力される電気信号を光信号に変換して光信号を伝送するものである。
図1から図4に示すように、光モジュール1は、光ケーブル3の端部に取り付けられている。この光ケーブル3は、単芯或いは多芯の光ケーブルである。
光ケーブル3は、複数本(ここでは4本)の光ファイバ心線(光素子)7と、この光ファイバ心線7を被覆する樹脂製の外被9と、光ファイバ心線7と外被9との間に介在された極細径の抗張力繊維(ケブラー)11と、外被9と抗張力繊維11との間に介在された金属編組13とを有している。つまり、光ケーブル3では、光ファイバ心線7、抗張力繊維11、金属編組13及び外被9が、その中心から径方向の外側に向けてこの順に配置されている。
光ケーブル3は、複数本(ここでは4本)の光ファイバ心線(光素子)7と、この光ファイバ心線7を被覆する樹脂製の外被9と、光ファイバ心線7と外被9との間に介在された極細径の抗張力繊維(ケブラー)11と、外被9と抗張力繊維11との間に介在された金属編組13とを有している。つまり、光ケーブル3では、光ファイバ心線7、抗張力繊維11、金属編組13及び外被9が、その中心から径方向の外側に向けてこの順に配置されている。
光ファイバ心線7は、コアとクラッドが石英ガラスである光ファイバ(AGF:All Glass Fiber)、クラッドが硬質プラスチックからなるプラスチック光ファイバ(HPCF:Hard Plastic Clad Fiber)、等を用いることができる。ガラスのコア径が80μmの細径HPCFを用いると、光ファイバ心線7が小径に曲げられても破断しにくい。光ファイバ心線7は、送信側の光信号である発光素子から発せられた信号を伝送する送信用光ファイバ7aと、受信側の光信号である受光素子に入力する光信号を伝送する受信用光ファイバ7bとを含んでいる(図5参照)。以降の説明において、特に送信用光ファイバ7aと受信用光ファイバ7bとを区別せずに呼ぶ場合は、単に光ファイバ7と呼ぶことがある。
外被9は、ノンハロゲン難燃性樹脂である例えばPVC(poly vinyl chloride)から形成されている。外被9の外径は、4.2mm程度である。抗張力繊維11は、例えば、アラミド繊維であり、束状に集合された状態で光ケーブル3に内蔵されている。
金属編組13は、例えば錫めっき導線から形成されており、編組密度が70%以上、編み角度が45°〜60°である。金属編組13の外径は、0.05mm程度である。
光モジュール1は、ハウジング20と、ハウジング20の前端(先端)側に設けられる電気コネクタ22と、ハウジング20に収容される回路基板24とを備えている。
ハウジング20は、金属ハウジング26と、樹脂ハウジング28とから構成されている。金属ハウジング26は、収容部材30と、収容部材30の後端部に連結され、光ケーブル3を固定する固定部材32とから構成されている。
収容部材30は、断面が略矩形形状を呈する筒状の中空部材である。収容部材30は、回路基板24などを収容する収容空間を画成している。収容部材30の前端側には、電気コネクタ22が設けられ、収容部材30の後端側には、固定部材32が連結される。
固定部材32は、板状の基部34と、光ケーブル3側へ突出する筒部(図示略)と、基部34の両側から前方に張り出す一対の第1張出片38と、基部34の両側から後方に張り出す一対の第2張出片40とを有している。一対の第1張出片38は、収容部材30の後部からそれぞれ挿入され、収容部材30に当接して連結される。一対の第2張出片40は、後述する樹脂ハウジング28のブーツ46に連結される。なお、固定部材32は、基部34、筒部、第1張出片38及び第2張出片40が板金により一体に形成されている。
筒部は、略円筒形状をなしており、基部34から後方に突出するように設けられている。筒部は、カシメリング(図示略)との協働により光ケーブル3を保持する。具体的には、外被9を剥いだ後、光ケーブル3の光ファイバ心線7を筒部の内部に挿通させると共に、抗張力繊維11を筒部の外周面に沿って配置する。そして、筒部の外周面に配置された抗張力繊維11上にカシメリングを配置して、カシメリングをかしめる。これにより、抗張力繊維11が筒部とカシメリングとの間に挟持されて固定され、固定部材32に光ケーブル3が保持固定される。
基部34には、光ケーブル3の金属編組13の端部がはんだにより接合されている。具体的には、金属編組13は、固定部材32においてカシメリング(筒部)の外周を覆うように配置されており、その端部が基部34の一面(後面)にまで延ばされてはんだにより接合されている。これにより、固定部材32と金属編組13とは、熱的に接続されている。さらに、収容部材30の後端部に固定部材32が結合することにより、収容部材30と固定部材32とが物理的且つ熱的に接続される。つまり、収容部材30と光ケーブル3の金属編組13とが熱的に接続される。
樹脂ハウジング28は、例えばポリカーボネートなどの樹脂材料から形成されており、金属ハウジング26を覆っている。樹脂ハウジング28は、外装ハウジング44と、外装ハウジング44と連結するブーツ46とを有している。外装ハウジング44は、収容部材30の外面を覆うように設けられている。ブーツ46は、外装ハウジング44の後端部に連結され、金属ハウジング26の固定部材32を覆っている。ブーツ46の後端部と光ケーブル3の外被9とは、接着剤(図示しない)により接着される。
電気コネクタ22は、接続対象(パソコンなど)に挿入され、接続対象と電気的に接続される部分である。電気コネクタ22は、ハウジング20の前端側に配置されており、ハウジング20から前方に突出している。電気コネクタ22は、接触子22aにより回路基板24に電気的に接続されている。
図4の(a)は回路基板24の上面図であり、図4の(b)は回路基板24の側断面図である。なお、電気コネクタ22およびコネクタ部品54を、図4の(b)にのみ示し、図4の(a)では省略している。
回路基板24は、金属ハウジング26(収容部材30)の収容空間に収容されている。回路基板24には、制御用半導体50と、受発光素子52とが搭載されている。回路基板24は、制御用半導体50と受発光素子52とを電気的に接続している。
図4の(a)に示すように、回路基板24は平面視で略矩形形状を呈しており、所定の厚みを有している。回路基板24は、例えば、ガラスエポキシ基板、セラミック基板などの絶縁基板であり、その表面又は内部には、金(Au)、アルミ(Al)又は銅(Cu)などにより回路配線が形成されている。制御用半導体50と受発光素子52とは、光電変換部を構成している。
図4の(b)に示すように、制御用半導体50は、駆動IC(Integrated Circuit)50aや波形整形器であるCDR(Clock Data Recovery)装置50bなどを含んでいる。制御用半導体50は、回路基板24において、表面24aの前端側に配置されている。制御用半導体50は、電気コネクタ22と電気的に接続されている。
受発光素子52は、複数(ここでは2つ)の発光素子52aと、複数(ここでは2つ)の受光素子52bとを含んでいる。発光素子52a及び受光素子52bは、回路基板24において、表面24aの後端側に配置されている。発光素子52aとしては、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、レーザダイオード(LD:Laser Diode)、面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting LASER)などを用いることができる。受光素子52bとしては、例えば、フォトダイオード(PD:Photo Diode)などを用いることができる。
受発光素子52は、レンズ部品60を介して光ケーブル3の光ファイバ心線7と光学的に接続されている。図4の(b)に示すように、レンズ部品60は、回路基板24に、受発光素子52及び駆動IC50aを覆うように設けられている。
光ファイバ心線7の末端には、コネクタ部品54が取り付けられている。コネクタ部品54に設けられたガイド孔54aと、レンズ部品60に設けられたガイドピン61とが嵌合することにより、光ファイバ心線7とレンズ部品60とが結合される。
上記構成を有する光モジュール1は、電気コネクタ22から回路基板24の配線を介して制御用半導体50に電気信号が入力される。制御用半導体50に入力された電気信号は、レベルの調整やCDR装置50bにより波形整形などが行われた後に、制御用半導体50から回路基板24の配線を介して発光素子52aに出力される。発光素子52aに電気信号が入力されると、電気信号を光信号に変換し、発光素子52aからレンズ部品60を介して送信用光ファイバ7aに光信号を出射する。
また、光ケーブル3の受信用光ファイバ7b中を伝送された光信号は、レンズ部品60を介して受光素子52bに入射される。受光素子52bは、入射された光信号を電気信号に変換し、この電気信号を回路基板24の配線を介して制御用半導体50に出力する。制御用半導体50は、電気信号に所定の処理を施した後、電気コネクタ22にその電気信号を出力する。
図4から図9を用いて、レンズ部品60について説明する。図5は、本実施形態に係るレンズ部品60の上面図である。図5において、レンズ部品60の下面側の部材を破線で示している。図6は図5のA−A断面図である。図7は図5のB−B断面図、図8は図5のC−C断面図、図9は図5のD-D断面図である。
このレンズ部品60は、透明樹脂の樹脂成形により形成される部品である。レンズ部品60は、発光素子52aと送信用光ファイバ7aとを光接続する送信側のレンズ組(第一のレンズ組)と、受光素子52bと受信用光ファイバ7bとを光接続する受信側のレンズ組(第二のレンズ組)とを備えている。
図4に示したように、送信側のレンズ組は、発光素子52aと向かい合う位置に設けられる送信用素子側レンズ65Aと、送信用光ファイバ7aの端面と向かい合う位置に設けられる送信用ファイバ側レンズ62Aと、を備えている。
また、受信側のレンズ組は、受光素子52bと向かい合う位置に設けられる受信用素子側レンズ65Bと、受信用光ファイバ7bの端面と向かい合う位置に設けられた受信用ファイバ側レンズ62Bと、を備えている。
なお、以降の説明において、送信用ファイバ側レンズ62Aおよび受信用ファイバ側レンズ62Bとを合わせて、ファイバ側レンズ62と呼ぶことがある。また、送信用素子側レンズ65Aおよび受信用素子側レンズ65Bとを合わせて、素子側レンズ65と呼ぶことがある。
図4に示したように、受発光素子52は回路基板24上に光軸が上向きに搭載されている。このため、図6に示したように、レンズ部品60は、回路基板24と向かい合う下面に、送信用素子側レンズ形成面75Aと、受信用素子側レンズ形成面75Bとが形成されている。
送信用素子側レンズ65Aは、送信用素子側レンズ形成面75Aから突出するように形成されている。また、受信用素子側レンズ65Bは、受信用素子側レンズ形成面75Bから突出するように形成されている。なお、以降の説明において、送信用素子側レンズ形成面75Aと受信用素子側レンズ形成面75Bとをまとめて、素子側レンズ形成面75A,75Bと呼ぶことがある。
また、図4に示したように、光ファイバ心線7は、その光軸が回路基板24の面と平行に延びるように設けられている。このため、図5に示したように、レンズ部品60は、回路基板24の面と交差し、光ファイバ心線7の端面と向かい合う面に送信用ファイバ側レンズ形成面72Aおよび受信用ファイバ側レンズ形成面72Bとが形成されている。
送信用ファイバ側レンズ62Aは、送信用ファイバ側レンズ形成面72Aから突出するように形成されている。また、受信用ファイバ側レンズ62Bは、受信用ファイバ側レンズ形成面72Bから突出するように形成されている。なお、以降の説明において、送信用ファイバ側レンズ形成面72Aと受信用ファイバ側レンズ形成面72Bとをまとめて、ファイバ側レンズ形成面72A,72Bと呼ぶことがある。
図5に示したように、ファイバ側レンズ62は、仮想的なファイバ側配列線L1に沿って配列されている。また、素子側レンズ65は、仮想的な素子側配列線L2に沿って配列されている。これらファイバ側配列線L1と素子側配列線L2は同一のレンズ配列方向L3に延びている。
図5から図8に示すように、回路基板24と反対側の上面(外周面の一部)には、レンズ配列方向L3と交差する方向である下方に凹んだ凹部63が形成されている。この凹部63の一面が反射面64とされている。この反射面64を介して、送信用素子側レンズ65Aと送信用ファイバ側レンズ62Aとが光接続されている。また、この反射面64を介して、受信用素子側レンズ65Bと受信用ファイバ側レンズ62Bとが光接続されている。
図5に示したように、レンズ部品60の下面の外周には、素子側レンズ65を囲むように脚部66が形成されている。この脚部66は図6に示したように、この脚部66は、素子側レンズ形成面75A,75Bから回路基板24側に突出している。この脚部66の下面が回路基板24と当接し、レンズ部品60が回路基板24に固定されている。これにより、回路基板24と素子側レンズ65との間に、素子側レンズ65の焦点距離を確保している。また、脚部66により、その内側に設けられた受発光素子52を外部から保護している。
ファイバ側レンズ形成面72A,72Bのレンズ配列方向L3の両側には、ガイドピン形成面71が形成されている。このガイドピン形成面71からは、光ファイバ心線7と同じ方向に延びるガイドピン61が形成されている。このガイドピン61は、光ファイバ心線7の末端に取り付けられたコネクタ部品54のガイド孔54aと嵌合可能に形成されている。
図5に示したように、ファイバ側レンズ形成面72A,72Bは、ガイドピン形成面71よりも光ファイバ心線7から遠い位置に形成されている。これにより、ファイバ側レンズ62と光ファイバ心線7とを離間させて、その間にファイバ側レンズ62の焦点距離を確保している。また、ファイバ側レンズ62にコネクタ部品54などが接触しにくいように、ファイバ側レンズ62が保護されている。
また、ファイバ側レンズ形成面72A,72Bは、ガイドピン形成面71よりも光ファイバ心線7から遠い位置に形成されているので、ファイバ側レンズ形成面72A,72Bのレンズ配列方向L3の両側に位置する脚部66の肉厚Ta(図5および図9参照)は、ファイバ側レンズ形成面72A,72Bの脚部66の肉厚Tb(図5、図7、図8参照)よりも大きく形成されている。なお、ここでいう肉厚とは、図5のように、内壁と外壁との間の厚みである。
なお、ファイバ側レンズ形成面72A,72Bのレンズ配列方向L3の両側に位置する脚部66の一部分を、厚肉脚部67と呼ぶ。厚肉脚部67の肉厚がTaである。また、ファイバ側レンズ形成面72A,72Bを含んで下方に延びる脚部66の一部分を、薄肉脚部68と呼ぶ。薄肉脚部68の肉厚がTbである。
図4の(b)に示したように、レンズ部品60には、反射面64を挟んでファイバ側レンズ62A,62Bと反対側に、平坦部69が設けられている。平坦部69は、凹部63からファイバ側レンズ62A,62Bと反対側に延びている。この平坦部69は、回路基板24の垂直方向の厚みが一様である。この凹部63からファイバ側レンズ62A,62Bと反対側に延びる平坦部69が、回路基板24に設けられた受発光素子52を覆っている。これにより、受発光素子52を保護することができる。
<レンズの突出量>
図7に示したように、送信用ファイバ側レンズ62Aの送信用ファイバ側レンズ形成面72Aからの突出量Paは、送信用素子側レンズ65Aの送信用素子側レンズ形成面75Aからの突出量Pbより大きく設定されている(Pa>Pb)。
また、図8に示したように、受信用素子側レンズ65Bの受信用素子側レンズ形成面75Bからの突出量Pcは、受信用ファイバ側レンズ62Bの受信用ファイバ側レンズ形成面72Bからの突出量Pdより大きく設定されている(Pc>Pd)。
図7に示したように、送信用ファイバ側レンズ62Aの送信用ファイバ側レンズ形成面72Aからの突出量Paは、送信用素子側レンズ65Aの送信用素子側レンズ形成面75Aからの突出量Pbより大きく設定されている(Pa>Pb)。
また、図8に示したように、受信用素子側レンズ65Bの受信用素子側レンズ形成面75Bからの突出量Pcは、受信用ファイバ側レンズ62Bの受信用ファイバ側レンズ形成面72Bからの突出量Pdより大きく設定されている(Pc>Pd)。
ところで、上述したように、レンズ部品60が搭載される光モジュール1は、例えば、コンピュータの接続端子などに取り付けて用いられる。このため、レンズ部品60には小型化、高密度化、高効率化が求められている。このような状況の下で、本発明者らは、レンズの大きさを大型化することなく、レンズ部品60のレンズ形状を複雑化することにより、高い光の結合効率を実現することを検討した。
本発明者らは、レンズ部品60に含まれるレンズを、光を出射する側のレンズと、光が入射される側のレンズと、に分けて考えた。光を出射する側のレンズとは、送信用光ファイバ7aに光を出射する送信用ファイバ側レンズ62A、および受光素子52bに光を出射する受信用素子側レンズ65Bである。光が入射される側のレンズとは、発光素子52aからの光が入射される送信用素子側レンズ65A、および受信用光ファイバ7bからの光が入射される受信用ファイバ側レンズ62Bである。
光の結合効率を考慮すると、光を出射する側のレンズは、光が入射される側のレンズと比べて、レンズ形状を工夫する必要があることに注目した。受光素子52Bの受光面や送信用光ファイバ7aのコア領域など、狙った領域に焦点を結ぶように、光を出射する側のレンズ形状を工夫しないと、光の結合効率が大きく低下することに気が付いたためである。
そこで、本実施形態に係るレンズ部品60によれば、送信側のレンズ組62A,65Aについて、光を出射する側の送信用ファイバ側レンズ62Aの突出量Paを、光が入射される側の送信用素子側レンズ65Aの突出量Pbよりも大きく設定した。また、受信側のレンズ組62B,65Bについて、光を出射する側の受信用素子側レンズ65Bの突出量Pcを、光が入射される側の受信用ファイバ側レンズ62Bの突出量Pdよりも大きく設定した。
これにより、光を出射する側のレンズである、送信用ファイバ側レンズ62Aおよび受信用素子側レンズ65Bを、光の結合効率が高くなる複雑な形状に設計することができる。例えば、レンズの中央領域を球面形状に、レンズの周辺領域を非球面形状に設計することができる。これにより、高次モード光を、受光素子52bの受光面や送信用光ファイバ7aのコア領域に正確に結合させることができる。このように、レンズの突出量を大きくしたことにより、レンズの設計の自由度を高め、レンズの形状を複雑化することができる。これにより、光結合効率の高いレンズ部品を提供することができる。
なお、本実施形態に係るレンズ部品60においては、受信用素子側レンズ65Bの受信用素子側レンズ形成面75Bからの突出量Pcは、送信用ファイバ側レンズ62Aの送信用ファイバ側レンズ形成面72Aからの突出量よりも大きく設定されている(Pc>Pa)。
受光素子52bには、その性能に起因して、受光感度の制約がある場合がある。このため、受光素子52bに入射させる光の強度を正確に調整する必要がある。ここで上述したように、受信用素子側レンズ65Bの突出量Pcが、送信用ファイバ側レンズ62Aの突出量Paよりも大きく設定されている(Pc>Pa)。つまり、レンズ部品60に設けられているレンズのうち、受信用素子側レンズ65Bの突出量Pcが最も大きい。
このため、受信用素子側レンズ65Bの設計の自由度がレンズの中で最も大きく、受光素子52bの受光感度に適合した強度で光を受光素子52bに入射させることができる。これにより、受光感度の制約の範囲内の光の強度で受光素子52bに光を入射させることができ、長期にわたって安定した通信品質を維持できる光モジュール1を提供できる。
<ゲート位置>
上記のようなレンズ部品60は、樹脂成形によって形成することができる。樹脂成形は、各々のレンズ形状を含んだレンズ部品60を形成するキャビティを構成する金型を用意し、このキャビティに透明樹脂を注入し、キャビティから成形されたレンズ部品60を取り出す、という工程を含む。
上記のようなレンズ部品60は、樹脂成形によって形成することができる。樹脂成形は、各々のレンズ形状を含んだレンズ部品60を形成するキャビティを構成する金型を用意し、このキャビティに透明樹脂を注入し、キャビティから成形されたレンズ部品60を取り出す、という工程を含む。
ここで、キャビティへの樹脂の注入口となるゲートは、キャビティ中のレンズ配列方向L3の一端側に配置することが好ましい。この場合、レンズ部品60には、図5に示したように、レンズ部品60のレンズ配列方向L3における一端側の側面にゲート痕Gが形成される。
キャビティ中のレンズ配列方向L3の一端側にゲートを設けると、樹脂成形時の樹脂は、レンズ62A,62B,65A,65Bをレンズ配列方向L3の方向に順次一つずつ形成していくようにキャビティ内に充填されていく。このとき、キャビティ内を流れる樹脂の先端面はレンズ配列方向L3に交差する方向に沿っている。したがって、ウェルド線Wはレンズ配列方向L3と交差する方向に沿って形成される。このため、レンズ62A,62B,65A,65B上にウェルド線Wが形成されることを抑制できる。
なおウェルド線Wとは、キャビティ中で例えば二手に分かれて流れる樹脂が、樹脂の温度が低下して再び合流するときに形成される筋状の痕跡である。ウェルド線Wがレンズ62A,62B,65A,65B上に形成されてしまうと、レンズ62A,62B,65A,65Bの形状が所望の形状に形成されず、また、所望の形状に形成されたとしても光の伝送が乱れてしまい、所望の光結合効率を有するレンズ部品60が得られないことがある。
またゲートは、キャビティ中のレンズ配列方向L3の一端側のうち、送信用ファイバ側レンズ62Aと受信用ファイバ側レンズ62Bが並ぶファイバ側配列線L1と、送信用素子側レンズ65Aと受信用素子側レンズ65Bとが並ぶ素子側配列線L2の間の領域に含まれるように配置されていることが好ましい。この場合、図5に示したように、ゲート痕Gはファイバ側配列線L1と素子側配列線L2との間の領域に含まれるように形成される。
ゲートをファイバ側配列線L1と素子側配列線L2との間に設けたことにより、ゲートと各々のレンズ62A,62B,65A,65Bとの距離を短く設定することができる。このため、ゲートから注入された樹脂は、まずレンズ62A,62B,65A,65Bを形成する部位に充填される。このため、ウェルド線Wがレンズ62A,62B,65A,65Bから離れた位置に形成されやすい。これにより、レンズ62A,62B,65A,65B上にウェルド線Wが形成されることを抑制できる。
さらに、図5に示したように、ゲートからの樹脂の注入方向が、レンズ配列方向L3と同一方向とされていることが好ましい。この場合、レンズ部品60においては、面状のゲート痕Gの法線方向がレンズ配列方向L3と一致している。これにより、樹脂の流れの方向が大きく変わることなくレンズ62A,62B,65A,65Bを形成する部位に樹脂が流れ込む。これにより、レンズ62A,62B,65A,65Bを形成する部位で乱流が生じにくい。
またゲートは、キャビティのうち受信用素子側レンズ65Bを形成する部位から最も離れた位置に配置することが好ましい。つまりゲートは、送信用素子側レンズ65A、受信用素子側レンズ65B、送信用ファイバ側レンズ62Aおよび受信用ファイバ側レンズ62Bを形成する部位のうちで、最も突出量の大きいレンズを形成する部位から最も遠い位置に配置されることが好ましい。この場合には、図5に示したように、ゲート痕Gは、受信用素子側レンズ65Bから最も遠い位置に設けられる。
レンズの外表面を形成する金型の内表面は、キャビティの内壁から凹んでいる。このため、樹脂成形時に、金型の内表面に沿って流れてきた樹脂が内壁から剥離して、レンズを形成する部位で乱流を引き起こす虞がある。このとき、形成するレンズの突出量が大きいほど金型の内表面は大きく凹んでいるため、乱流を引き起こす可能性が大きくなる。乱流が生じた領域の下流側に位置するレンズの形成部では、レンズの微細な形状に緻密に樹脂が充填されなかったり、レンズ表面に微細な皺が生じてしまう虞がある。
ここで本実施形態に係るレンズ部品60においては、上述したように、最も突出量の大きい受信用素子側レンズ65Bを形成する部位をゲート痕Gから最も遠い位置に配置している。つまり、最も突出量の大きいレンズの下流側には、他のレンズを形成する部位を設けないようにされている。
したがって樹脂成形時に、仮に最も突出量の大きい受信用素子側レンズ65Bを形成する部位において乱流が発生したとしても、ここで生じた乱流が他のレンズの形成に影響を及ぼすことがない。このため、光結合効率の高いレンズ部品を提供することができる。
また、図7および図8に示すように、本実施形態に係るレンズ部品60は、反射面64を境にして、レンズ側領域81と充填領域82と、に区分けして考えることができる。レンズ側領域81とは、反射面64を境にして、送信用素子側レンズ65A、受信用素子側レンズ65B、送信用ファイバ側レンズ62Aおよび受信用ファイバ側レンズ62Bを含む領域である。また、充填領域82とは、反射面64に対してレンズ側領域81と反対側の領域である。例えば、図7においては、反射面64を境にして、左側がレンズ側領域81であり、右側が充填領域82である。
このようにレンズ部品60を区分けして考えたときに、本実施形態に係るレンズ部品60において、レンズ側領域81の体積は、充填領域82の体積よりも小さく設定されている。より具体的には、平坦部69の回路基板24と平行な方向に延びる寸法が、反射面64とガイドピン形成面71との間の距離よりも大きく設定されている。これにより、充填領域82の体積がレンズ側領域81の体積よりも大きく設定されている。
これにより、レンズ部品の樹脂成形時に、充填領域82を充填するために要する時間が、レンズ側領域81を充填するために要する時間よりも長くなる。このため、レンズ側領域81を充填した樹脂と充填領域82を充填した樹脂とを、充填領域82で合流させることができる。これにより、各々のレンズ62A,62B,65A,65Bにウェルド線Wが形成されることがなく、光結合効率の高いレンズ部品60を提供することができる。
また、ゲートをレンズ側領域81を形成する部位に配置することが好ましい。この場合、レンズ部品60には、ゲート痕Gがレンズ側領域81に形成される。これにより、ゲートとレンズ62A,62B,65A,65Bとの距離を短く設定することができ、充填領域82よりも先にレンズ側領域81を樹脂で充填することができる。これにより、確実にウェルド線Wがレンズ62A,62B,65A,65Bに形成されることを防止できる。
特に本実施形態においては、素子側レンズ形成面75A,75Bの近傍に凹部63が設けられている。このため、素子側レンズ65を形成する部位での樹脂の流路の断面積が小さくされている。これにより、素子側レンズ65を形成する部位を迅速に充填することができ、ウェルド線Wが素子側レンズ65に形成されることを抑制できる。
同様に、ファイバ側レンズ形成面72A,72Bは、ガイドピン形成面71よりも反射面64側に凹んだ位置に形成されており、ファイバ側レンズ62を形成する部位での樹脂の流路の断面積が小さくされている。これにより、ウェルド線Wがファイバ側レンズ62に形成されることを抑制できる。
また本実施形態に係るレンズ部品60において、ゲートと、送信用素子側レンズ形成面75A、受信用素子側レンズ形成面75B、送信用ファイバ側レンズ形成面72Aおよび受信用ファイバ側レンズ形成面72Bの少なくともひとつを形成する部位の間に、脚部66の一部(体積付加部)を形成する部位が位置するように、ゲートが配置されていることが好ましい。
この場合、図5に示したように、レンズ部品60において、ゲート痕Gと、送信用素子側レンズ形成面75A、受信用素子側レンズ形成面75B、送信用ファイバ側レンズ形成面72Aおよび受信用ファイバ側レンズ形成面72Bの少なくともひとつの間に、脚部66の一部(体積付加部)が形成される。
その上で、図7から図9に示したように、レンズ配列方向L3と直交する断面において、脚部66の一部の断面積を、送信用素子側レンズ形成面75A、受信用素子側レンズ形成面75B、送信用ファイバ側レンズ形成面72Aおよび受信用ファイバ側レンズ形成面72Bの少なくとも一つを含む領域の断面積よりも大きく形成することが好ましい。
本実施形態に係るレンズ部品60においては、ファイバ側レンズ形成面72A,72Bのレンズ配列方向L3の両側に位置する肉厚Taの厚肉脚部67が、ゲート痕Gと、ファイバ側レンズ形成面72A,72Bを含む肉厚Tbの薄肉脚部68との間に形成されている。すなわち、厚肉脚部67が上記大きな断面積を有する領域(体積付加部)である。また、薄肉脚部68が、厚肉脚部67より断面積が小さく、ファイバ側レンズ形成面72A,72Bを含む領域である。
樹脂成形の際に、キャビティ中のレンズ62A,62B,65A,65Bが形成される部位では、樹脂はレンズ配列方向L3に流れる。このとき、レンズ配列方向L3に直交する断面の断面積の大きな厚肉脚部67が、ゲート痕Gとレンズ62A,62B,65A,65Bを形成する部位との間に設けられている。このため、レンズ62A,62B,65A,65Bを形成する部位に流れこむ樹脂の流速が、厚肉脚部67を通過する際に低下する。これにより、レンズ62A,62B,65A,65Bを形成する部位での樹脂の流速が低くなり、乱流が生じにくくなる。これにより、高品質のレンズ部品60を形成することができる。
特に、図5に示したように、受信用素子側レンズ65Bをゲート痕Gから最も遠い位置に設けた場合には、樹脂成形の際に、送信用素子側レンズ65Aよりも突出量の大きい送信用ファイバ側レンズ62Aを形成する部位を、ゲートの近くに配置せざるを得ない。この場合でも、厚肉脚部67で樹脂の流速を低減させることにより、送信用ファイバ側レンズ62Aの形成部で乱流が生じることを抑制できる。これにより、送信用ファイバ側レンズ62Aの形成部の下流側に位置する受信用ファイバ側レンズ62Bが乱流の影響を受けることを抑制できる。
なお、本実施形態においては、送信用素子側レンズ形成面75Aと受信用素子側レンズ形成面75Bとが同一面上に共通の面として形成した例を挙げて説明したが、本発明はこの例に限られない。例えば、レンズ部品60の外周面に、送信用素子側レンズ形成面75Aと受信用素子側レンズ形成面75Bをそれぞれ個別に設けてもよい。あるいは、送信用素子側レンズ形成面75Aと受信用素子側レンズ形成面75Bとの間に段差が生じるように構成してもよい。
もっとも、送信用素子側レンズ形成面75Aと受信用素子側レンズ形成面75Bとを共通の面として形成した場合には、樹脂成形時に乱流が生じにくい。このため、送信用素子側レンズ形成面75Aと受信用素子側レンズ形成面75Bとを共通の面上に設けることが好ましい。送信用ファイバ側レンズ形成面72Aと受信用ファイバ側レンズ形成面72Bについても、上記の送信用素子側レンズ形成面75Aと受信用素子側レンズ形成面75Bと同様である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1:光モジュール、7:光ファイバ心線、7a:送信用光ファイバ、7b:受信用光ファイバ、24:回路基板(基板)、52:受発光素子、52a:発光素子、52b:受光素子、54:コネクタ部品、54a:ガイド孔、60:レンズ部品、61:ガイドピン、62A:送信用ファイバ側レンズ、62B:受信用ファイバ側レンズ、65A:送信用素子側レンズ、65B:受信用素子側レンズ、63:凹部、64:反射面、66:脚部、67:厚肉脚部、68:薄肉脚部、69:平坦部、71:ガイドピン形成面、72:素子側レンズ形成面、72A:送信用ファイバ側レンズ形成面、72B:受信用ファイバ側レンズ形成面、75:ファイバ側レンズ形成面、75A:送信用素子側レンズ形成面、75B:受信用素子側レンズ形成面、81:レンズ側領域、82:樹脂充填領域、Pa:送信用ファイバ側レンズの突出量、Pb:送信用素子側レンズの突出量、Pc:送信用素子側レンズの突出量、Pd:受信用ファイバ側レンズの突出量、G:ゲート痕、W:ウェルド線、L1:ファイバ側配列線、L2:素子側配列線、L3:レンズ配列方向、Ta:厚肉脚部の肉厚、Tb:薄肉脚部の肉厚
Claims (9)
- 発光素子と送信用光ファイバとを光接続する第一のレンズ組と、受光素子と受信用光ファイバとを光接続する第二のレンズ組と、を備えるレンズ部品であって、
前記第一のレンズ組は、発光素子と向かい合う位置に設けられる送信用素子側レンズと、送信用光ファイバと向かい合う位置に設けられる送信用ファイバ側レンズと、を有し、
前記第二のレンズ組は、受光素子と向かい合う位置に設けられる受信用素子側レンズと、受信用光ファイバと向かい合う位置に設けられる受信用ファイバ側レンズと、を有し、
前記送信用素子側レンズは送信用素子側レンズ形成面から突出して形成されており、
前記受信用素子側レンズは受信用素子側レンズ形成面から突出して形成されており、
前記送信用ファイバ側レンズは送信用ファイバ側レンズ形成面から突出して形成されており、
前記受信用ファイバ側レンズは受信用ファイバ側レンズ形成面から突出して形成されており、
前記送信用ファイバ側レンズの前記送信用ファイバ側レンズ形成面からの突出量は、前記送信用素子側レンズの前記送信用素子側レンズ形成面からの突出量より大きく、
前記受信用素子側レンズの前記受信用素子側レンズ形成面からの突出量は、前記受信用ファイバ側レンズの前記受信用ファイバ側レンズ形成面からの突出量より大きい、レンズ部品。 - 前記受信用素子側レンズの前記受信用素子側レンズ形成面からの突出量は、前記送信用ファイバ側レンズの前記送信用ファイバ側レンズ形成面からの突出量よりも大きい、請求項1に記載のレンズ部品。
- 前記送信用素子側レンズと前記受信用素子側レンズの配列されている方向と、前記送信用ファイバ側レンズと前記受信用ファイバ側レンズの配列されている方向は同一のレンズ配列方向であり、
前記レンズ部品は樹脂成形品であり、樹脂成形のゲート痕が、前記レンズ部品の前記レンズ配列方向の一端側に設けられている、請求項1または2に記載のレンズ部品。 - 前記ゲート痕は前記一端側のうち、前記送信用ファイバ側レンズと前記受信用ファイバ側レンズが並ぶファイバ側配列線と、前記送信用素子側レンズと前記受信用素子側レンズとが並ぶ素子側配列線の間の領域に含まれるように形成されている、請求項3に記載のレンズ部品。
- 前記ゲート痕は、前記送信用素子側レンズ、前記受信用素子側レンズ、前記送信用ファイバ側レンズおよび前記受信用ファイバ側レンズのうち、最も突出量の大きいレンズから最も遠い位置に設けられている、請求項3または4に記載のレンズ部品。
- 前記レンズ部品の外周面の一部には、前記レンズ配列方向と交差する方向に凹んだ凹部が形成されており、
前記凹部の一面が反射面とされており、
前記送信用素子側レンズと前記送信用ファイバ側レンズとは前記反射面を介して光接続され、前記受信用素子側レンズと前記受信用ファイバ側レンズとは前記反射面を介して光接続され、
前記レンズ部品は、前記反射面を境にして、前記送信用素子側レンズ、前記受信用素子側レンズ、前記送信用ファイバ側レンズおよび前記受信用ファイバ側レンズを含むレンズ側領域と、前記反射面よりも前記レンズ側領域と反対側の充填領域と、に区分けされ、
前記レンズ側領域の体積は、前記充填領域の体積よりも小さい、請求項3から5の何れか一項に記載のレンズ部品。 - 前記ゲート痕が前記レンズ側領域に形成されている、請求項6に記載のレンズ部品。
- 前記ゲート痕と、前記送信用素子側レンズ形成面、前記受信用素子側レンズ形成面、前記送信用ファイバ側レンズ形成面および前記受信用ファイバ側レンズ形成面の少なくともひとつの間には、体積付加部が形成されており、
前記レンズ配列方向と直交する断面において、前記体積付加部の断面積は、前記送信用素子側レンズ形成面、前記受信用素子側レンズ形成面、前記送信用ファイバ側レンズ形成面および前記受信用ファイバ側レンズ形成面の少なくとも一つを含む領域の断面積よりも大きい、請求項3から7の何れか一項に記載のレンズ部品。 - 発光素子および受光素子が搭載された基板と、
前記送信用素子側レンズが前記発光素子と向かい合い、前記受信用素子側レンズが前記受光素子と向かい合うように、前記基板に搭載された、請求項1から8の何れか一項に記載のレンズ部品と、を備えた光モジュール。
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- 2012-10-04 JP JP2012222043A patent/JP2014074795A/ja active Pending
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