JP2014074457A - 油圧式無段変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第一プランジャ・第一斜板を有する油圧ポンプ部と、第二プランジャ・第二斜板を有する油圧モータ部を、入力軸に被嵌したシリンダブロックを挟んで軸方向前後に配置し、該シリンダブロックに、両プランジャ間を連通するメイン油路を設けた油圧式無段変速装置では、入力軸と第二斜板間に介設するころ軸受の外部に向けて潤滑油路の吐出口が開口され、ころの転動面で潤滑不足による油膜切れが生じる等の問題があった。
【解決手段】入力軸2と第二斜板22との間にニードルベアリング28を介設し、ニードルベアリング28は、複数のニードル78と、ニードル78を回転自在に収納保持するリテーナ79とを備えると共に、入力軸2内には、潤滑油85を供給する潤滑油路70を設け、潤滑油路70に連通する入力軸側面2aの吐出口72a・73aを、リテーナ79内に向けて開口した。
【選択図】図4

Description

本発明は、産業機械や車両等に用いられ、各種の産業分野で広く利用可能な油圧式無段変速装置に関し、特に、該油圧式無段変速装置への入力軸を支持するころ軸受に潤滑油を供給するための油路構成に関する。
従来より、第一プランジャと該第一プランジャが当接する第一斜板とを有する油圧ポンプ部と、第二プランジャと該第二プランジャが当接する第二斜板とを有する油圧モータ部を、入力軸に被嵌したシリンダブロックを挟んで入力軸の軸方向前後に配置し、該シリンダブロックには、前記第一プランジャと第二プランジャとの間を連通する一対のメイン油路を設けた油圧式無段変速装置において、前記入力軸と第二斜板との間にころ軸受を介設する技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
該技術では、前記プランジャが摺動するプランジャ孔と前記メイン油路との間の開閉動作を行うスプール弁が設けられ、該スプール弁の動作を制御するスプールカムが前記第二斜板の内端に位置する入力軸上に外嵌固定され、該スプールカムと前記ころ軸受との間の空間に向けて潤滑油路の吐出口が開口されている。そして、該潤滑油路は、不足した作動油を前記メイン油路に補給するためのチャージ回路に連通されており、これにより、該チャージ回路内の余分な作動油を、ころ軸受の潤滑油として供給できるようにしている。
特開2012−7675号公報
しかしながら、前記技術では、変速比1を跨ぐ正逆転時のようにトルクや回転速度が急激に変動する際には、前記吐出口からころ軸受までの距離が長くて潤滑油の供給が間に合わず、ころの転動面で油膜切れが発生する。あるいは、高負荷時には、エンジン回転数が低下してチャージ回路内の油圧が低下し、ころを収納保持する保持器内に潤滑油を圧入できずに、ころに供給可能な潤滑油そのものが不足する。このような原因で、ころの異常摩耗や損傷が発生し、ころ軸受の寿命が悪化する、という問題があった。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、第一プランジャと該第一プランジャが当接する第一斜板とを有する油圧ポンプ部と、第二プランジャと該第二プランジャが当接する第二斜板とを有する油圧モータ部を、入力軸に被嵌したシリンダブロックを挟んで入力軸の軸方向前後に配置し、該シリンダブロックには、前記第一プランジャと第二プランジャとの間を連通する一対のメイン油路を設けた油圧式無段変速装置において、前記入力軸と第二斜板との間にころ軸受を介設し、該ころ軸受は、複数のころと該ころを回転自在に収納保持する環状の保持器とを備えると共に、前記入力軸内には、潤滑油を供給する潤滑油路を設け、該潤滑油路に連通する入力軸側面の吐出口を、前記保持器内に向けて開口したものである。
請求項2においては、前記潤滑油路は、前記入力軸の軸心上に延設される軸心油路部と、該軸心油路部から前記入力軸側面に向かって互いに逆方向に分岐される2本の放射油路部とから構成し、該放射油路部の各外端に前記吐出口を形成すると共に、該吐出口のいずれも、軸心方向同一端側におけるころ端面と保持器との間の内部隙間に向けて開口するものである。
請求項3においては、前記潤滑油路は、前記入力軸の軸心上に延設される軸心油路部と、該軸心油路部から前記入力軸側面に向かって互いに逆方向に分岐される2本の放射油路部とから構成し、該放射油路部の各外端に前記吐出口を形成すると共に、該吐出口のいずれも、ころの転動面の軸心方向略中央部に向けて開口するものである。
請求項4においては、前記潤滑油路は、前記入力軸の軸心上に延設される軸心油路部と、該軸心油路部から前記入力軸側面に向かって互いに逆方向に分岐される2本の放射油路部とから構成し、該放射油路部の各外端に前記吐出口を形成すると共に、該吐出口の一方は、軸心方向同一端側におけるころ端面と保持器との間の内部隙間に向けて開口すると共に、前記吐出口の他方は、ころの転動面の軸心方向略中央部に向けて開口するものである。
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、請求項1により、保持器内に潤滑油を直接供給することができ、潤滑油を外部の吐出口からころ軸受までの長い距離流動させたり、潤滑油をころ軸受の保持器内に圧入させる必要がない。このため、たとえ、トルクや回転速度が急激に変動したり、高負荷時にエンジン回転数が低下してチャージ回路内の油圧が低下する場合であっても、保持器内に十分な量の潤滑油を迅速に供給することができ、ころの異常摩耗や損傷の発生を防止し、ころ軸受の軸受寿命を大きく向上させることができる。更に、吐出口を入力軸側面に開口するので、入力軸の回転に伴って発生する遠心力を利用して、該吐出口から潤滑油を勢いよく吐出させることができ、潤滑油の供給量・供給速度の一層の向上を図ることができる。
請求項2により、遠心力の影響の小さい軸心油路部を通って流れてきた潤滑油を、放射油路部を通る間に遠心力によって半径外方向に加速し、吐出口から勢いよく吐出させることができ、吐出口近くまで潤滑油の油圧変動を抑えてチャージ回路の安定動作を確保しつつ、潤滑油の供給量・供給速度の向上を可能としている。更に、一方の吐出口から吐出された潤滑油を、入力軸側面に沿うようにして、入力軸回転方向と逆方向に流動させて他方の吐出口まで到達させ、その結果、内部隙間を通る外周部の全周に渡って潤滑油を供給することができ、潤滑油は、該外周部から、ころの端部と入力軸側面との間を伝って、ころの転動面全面に浸透していき、全てのころにおける油膜形成が優位となって、ころの異常摩耗や損傷の発生を確実に防止することができる。
請求項3により、遠心力の影響の小さい軸心油路部を通って流れてきた潤滑油を、放射油路部を通る間に遠心力によって半径外方向に加速し、吐出口から勢いよく吐出させることができ、吐出口近くまで潤滑油の油圧変動を抑えてチャージ回路の安定動作を確保しつつ、潤滑油の供給量・供給速度の向上を可能としている。更に、一方の吐出口から吐出された潤滑油を、入力軸側面に沿うようにして、入力軸回転方向と逆方向に流動させて他方の吐出口まで到達させ、その結果、ころの転動面の軸心方向略中央部を通る外周部の全周に渡って潤滑油を供給することができ、潤滑油は、該外周部から、ころの転動面全面に浸透していき、全てのころにおける油膜形成が優位となって、ころの異常摩耗や損傷の発生を確実に防止することができる。加えて、ころの端部から転動面全面に潤滑油を浸透させることが必要な場合と異なり、潤滑油を転動面に直接供給することができ、浸透する前に潤滑油が周囲に飛散したり、浸透に時間がかかることがなく、潤滑油の供給量・供給速度の更なる向上を図ることができる。
請求項4により、遠心力の影響の小さい軸心油路部を通って流れてきた潤滑油を、放射油路部を通る間に遠心力によって半径外方向に加速し、吐出口から勢いよく吐出させることができ、吐出口近くまで潤滑油の油圧変動を抑えてチャージ回路の安定動作を確保しつつ、潤滑油の供給量・供給速度の向上を可能としている。更に、一方の吐出口から吐出された潤滑油を、入力軸側面に沿うようにして、入力軸回転方向と逆方向に流動させ、内部隙間を通る外周部の半周に渡って潤滑油を供給することができ、潤滑油は、該外周部から、ころの端部と入力軸側面との間を伝って、半周分のころの転動面全面に浸透していく。同時に、他方の吐出口から吐出された潤滑油を、入力軸側面に沿うようにして、入力軸回転方向と逆方向に流動させ、ころの転動面の軸心方向略中央部を通る外周部の半周に渡って潤滑油を供給することができ、潤滑油は、該外周部から、残り半周分のころの転動面全面に浸透していく。その結果、全てのころで油膜形成が優位となって、ころの異常摩耗や損傷の発生を確実に防止することができる。加えて、ころが受ける負荷に軸方向で偏りがある場合でも、吐出口の一方を、負荷が大きい端部側の内部隙間に向けて開口することにより、該端部側の転動面に潤滑油を集中して供給することで、偏負荷部での油膜形成を促進し、ころの異常摩耗や損傷の発生を更に確実に防止することができる。
本発明に係わる油圧式無段変速装置の全体構成を示す前方斜視図である。 同じく側面図である。 同じく側面一部断面図である。 ニードルベアリング近傍の側面断面図である。 潤滑油路70の構成を示す断面図であって、図5(a)は潤滑油の吐出状況を示す断面模式図、図5(b)は図4のA−A矢視断面図である。 別形態の潤滑油路70Aの構成を示す断面図であって、図6(a)はニードルベアリング近傍の側面断面図、図6(b)は図6(a)のB−B矢視断面図である。 別形態の潤滑油路70Bの構成を示す断面図であって、図7(a)はニードルベアリング近傍の側面断面図、図7(b)は図7(a)のC−C矢視断面図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
なお、図1の矢印Fで示す方向を油圧式無段変速装置1の前方向とし、以下で述べる各部材の位置や方向等はこの前方向を基準とするものである。
まず、本発明に関わる油圧式無段変速装置1の全体構成について、図1乃至図3により説明する。
該油圧式無段変速装置1は、図示せぬエンジンに連結される入力軸2上に配置されると共に、該入力軸2の前端側、すなわち入力軸2への入力側と同じ側には、図示せぬ出力軸に連結される出力ケース3が配置されている。そして、前記入力軸2上の前後略中央には、シリンダブロック4がスプラインにて相対回転不能に被嵌され、該シリンダブロック4を挟んで入力軸2の入力側には、油圧モータ部6が配置される一方、シリンダブロック4を挟んで入力側と反対側には、油圧ポンプ部5が配置されている。
該油圧ポンプ部5には、前記入力軸2の後端に係合されるハウジング7と、該ハウジング7の前部にボルトによって締結固定される斜板ホルダ8と、該斜板ホルダ8の前端部の略半円状の凹部8aにメタル軸受9を介して支軸10cが摺動可能に支持される第一斜板10と、該第一斜板10に摺動自在に設けるシュー11と、該シュー11に球体自在継手により連結する第一プランジャ12と、該第一プランジャ12を前方のシリンダブロック4に後方から出入自在に配置する第一プランジャ孔13とが備えられる。
そして、前記第一プランジャ12の後端側は、第一プランジャ孔13内に収容するバネ部材14の弾性力により、シリンダブロック4の後面から前記第一斜板10に向かって突出して当接されており、これにより、シリンダブロック4が回転すると、第一斜板10の斜板面10bから受ける押動力により、第一プランジャ12が往復動できるようにしている。
更に、前記入力軸2とハウジング7との間においては、入力軸2後部にスリーブ16が外嵌され、該スリーブ16の前部とハウジング7との間に、細長い円柱を転動体とするニードルベアリング17が介設されると共に、前記スリーブ16より後方の入力軸2とハウジング7との間には、円錐形の転動体を使ってラジアル荷重とスラスト荷重を支持可能なテーパベアリング18が介設され、更に、該テーパベアリング18の抜け止め防止用のナット19が入力軸2の後端部に螺嵌されている。そして、該入力軸2上の前記シリンダブロック4には、前記第一プランジャ12と同数の第一スプール弁20が設けられている。
前記油圧モータ部6には、前記出力ケース3と、該出力ケース3にボルト21によって締結固定されて傾斜角が一定の第二斜板22と、該第二斜板22に摺動自在に設けるシュー23と、該シュー23に球体自在継手により連結する第二プランジャ24と、該第二プランジャ24を前記シリンダブロック4に前方から出入自在に配置する第二プランジャ孔25とが備えられる。
そして、前記第二プランジャ24の前端側は、第二プランジャ孔25内に収容するバネ部材26の弾性力によって、シリンダブロック4の前面から前記第二斜板22に向かって突出して当接されており、これにより、第二プランジャ24の往復動によって、傾斜状態にある第二斜板22に対して回転力を付与できるようにしている。そして、該第二斜板22、該第二斜板22に締結固定した前記出力ケース3、及び図示せぬ出力軸とは、一体化した状態で、前記入力軸2上を回転自在に配置されている。
更に、前記入力軸2と第二斜板22との間においても、ニードルベアリング28とテーパベアリング29が設けられ、該テーパベアリング29の抜け止め防止用のナット30が入力軸2の前端部に螺嵌されている。そして、本発明に係わる潤滑油路70とは、前記ニードルベアリング28への潤滑油を供給するものである。なお、前記シリンダブロック4には、前記油圧ポンプ部5と同様に、第二プランジャ24と同数の第二スプール弁31が設けられている。
前記シリンダブロック4には、前記第一プランジャ孔13と第二プランジャ孔25が、シリンダブロック4の回転中心の同一円周上に交互に形成されると共に、該シリンダブロック4で前記入力軸2が挿入される軸孔4aには、後から順に、輪溝形状の第一油路41と第二油路42が形成されている。
更に、シリンダブロック4には、前記第一スプール弁20と第二スプール弁31をそれぞれ収容する第一弁孔32と第二弁孔33も、シリンダブロック4の回転中心の同一円周上で交互に形成されている。
加えて、前記第一油路41と第二油路42のいずれも、第一スプール弁20の第一弁孔32を介して第一プランジャ孔13に連通されると共に、第二スプール弁31の第二弁孔33を介して第二プランジャ孔25に連通されている。
一方、第一スプール弁20から後方に突出したガイド軸110の先部には、円盤状の係合部111が形成され、該円盤状の係合部111は、前記シリンダブロック4の後面から突出され、前記ハウジング7の先端に連結固定したリング状の第一スプールカム34のカム溝34aに係合されている。
これにより、前記シリンダブロック4が一回転すると、カム溝34aに沿って係合部111が移動し、第一スプール弁20が第一弁孔32内を往復摺動して第一油路41または第二油路42に対する開閉動作を行い、第一プランジャ孔13が第一油路41または第二油路42と交互に連通されるようにしている。
同様に、第二スプール弁31から前方に突出したガイド軸112の先部には、円盤状の係合部113が形成され、該係合部113は、前記シリンダブロック4の前面から突出され、前記第二斜板22の後端に連結固定したリング状の第二スプールカム35のカム溝35aに係合されている。
これにより、前記シリンダブロック4が一回転すると、カム溝35aに沿って係合部113が移動し、第二スプール弁31が第二弁孔33内を往復摺動して第一油路41または第二油路42に対する開閉動作を行い、第二プランジャ孔25が第一油路41または第二油路42と交互に連通されるようにしている。
以上のような構成において、油圧式無段変速装置1では、スプールカム34・35に従って往復摺動するスプール弁20・31により、第一プランジャ孔13と第二プランジャ孔25が、第一油路41と第二油路42から成る閉回路を介して、所定の回転位置で流体接続されており、入力軸2の回転に伴い、第一斜板10の斜板面10bから受ける押動力によって第一プランジャ12が往復動すると、流体接続されている第二プランジャ24も往復動し、該第二プランジャ24から傾斜状態の第二斜板22に対して所定の回転力が付与される。
更に、第一プランジャ12と該第一プランジャ12が当接する第一斜板10とを有する油圧ポンプ部5と、第二プランジャ24と該第二プランジャ24が当接する第二斜板22とを有する油圧モータ部6を、入力軸2に被嵌したシリンダブロック4を挟んで入力軸2の軸方向前後に配置し、該シリンダブロック4には、前記第一プランジャ12と第二プランジャ24との間を連通する一対のメイン油路である第一油路41と第二油路42を設けているので、油圧式無段変速装置1への入力軸2と図示せぬ出力軸を内外二重構造にする等して、油圧式無段変速装置1の軸方向長さを短縮することができ、油圧式無段変速装置1の小型化・軽量化が可能となっている。
次に、以上のような油圧式無段変速装置1の油圧回路の構成について、図2、図3により説明する。
前記入力軸2の軸心上には、作動油のチャージ油路43が形成され、該チャージ油路43と前記第一油路41との間には、第一チェックリリーフ弁36が介設され、チャージ油路43と前記第二油路42との間には第二チェックリリーフ弁37が介設される。一方、チャージ油路43は、外部配管等を介して図示せぬチャージポンプの吐出側に連通されており、該チャージポンプからの作動油を、チャージ油路43を介して、前記チェックリリーフ弁36・37に供給するようにしている。
該チェックリリーフ弁36・37は、前記第一油路41・第二油路42の作動油が不足して圧力が低下すると、該第一油路41・第二油路42に前記チャージ油路43から作動油を補給するチェック弁として機能し、逆に、前記第一油路41・第二油路42の作動油の圧力が過剰になると、該第一油路41・第二油路42からチャージ油路43に作動油を排出するリリーフ弁として機能する。
更に、前記ハウジング7の上部には、リリーフ弁50が前後方向に嵌設され、該リリーフ弁50では、その一次側は、内部油路48と外部配管86を介して、前記チャージ油路43に連通される。一方、該リリーフ弁50の二次側は、リリーフ油路49を介して、前記第一斜板10の後面の油溜まりに連通されており、前記チャージポンプからチャージ油路43内に供給される作動油の圧力を、所定の設定圧に保持するようにしている。
また、前記ハウジング7の下部には、前記第一斜板10の傾斜角を変更するための傾倒アクチュエータ54が設けられている。
該傾倒アクチュエータ54は、前後方向に形成されたシリンダ7aと、該シリンダ7aの前部開口を閉塞するシリンダ蓋104と、前記シリンダ7a内に前後摺動可能に内挿されるピストン55とから構成される。
該ピストン55は、軸心上のロッド部55bと、該ロッド部55bの後端に形成される拡径部55aとから成り、このうちのロッド部55bは、前記シリンダ蓋104を摺動可能に貫通して前方に突出され、その前端部には、ピストンピン105により、係止フック56が固設される。
該係止フック56には、前記第一斜板10の下部から前方に延出された係止部10aが係合されており、前記ピストン55の前後方向への往復摺動動作によって、第一斜板10が、図示せぬ傾転中心軸線を中心にして前後に傾倒されるようにしている。
一方、前記拡径部55aの前端面とシリンダ7aとによって前側油室57が構成され、拡径部55aの後端面とシリンダ7aとによって後側油室58が構成されており、これらの油室57・58は、それぞれ図示せぬ油路を介して、前記ハウジング7の上下途中部に設けた傾倒切替弁61に接続される。
該傾倒切替弁61には、往復摺動可能なスプール61aが備えられ、該スプール61aの一端側の油室は、図示せぬサーボ油路と該サーボ油路途中に設けた比例調整弁65とを介してサーボポンプの吐出側に連通されており、図示せぬ変速操作レバーを操作すると、ケーブル77を介してコントローラが作動され、該コントローラからの変速信号が前記比例調整弁65に送信され、サーボポンプからの作動油によってスプール61aが往復摺動される。
すると、同じサーボポンプからの作動油が、傾倒切替弁61の図示せぬパイロットポートを介して前記油室57・58のうちの一方の油室に流入し、他方の油室からは作動油が排出される。これにより、前記油室57・58内の作動油に差圧を生じさせて、傾倒アクチュエータ54のピストン55を前後方向に往復摺動し、第一斜板10を前後に傾倒させることができる。
以上のような構成において、変速操作レバーを操作して傾倒アクチュエータ54を作動し、第一斜板10の傾斜角を無段階で変化させると、第一プランジャ孔13内を往復動する第一プランジャ12の振幅量が変化し、該往復動に伴って給排される作動油量が変化する。
すると、該第一プランジャ孔13と前記第一油路41または第二油路42を介して接続される第二プランジャ孔25に給排される作動油量も変化して、第二プランジャ24の振幅量も変化する。これにより、該第二プランジャ24に当接している第二斜板22の回転数と回転方向が可変となり、該第二斜板22と一体回転する図示せぬ出力軸より、無段の変速動力を出力することができる。
次に、このような油圧回路内を流れる作動油を使った潤滑構成について、図3乃至図5により説明する。
図3に示すように、前記チャージ油路43の前後途中部からは、後ろから順に、2本の潤滑油路68・69が、下方半径方向に分岐される。そして、このうちの潤滑油路68の吐出口68aは、前記スリーブ16の後部内面において、前記テーパベアリング18が当接するスリーブ16後部に開口されると共に、前記潤滑油路69の吐出口は、前記スリーブ16の前部内面において、該スリーブ16の半径方向に穿孔された油孔16aの内側口に向けて開口されている。該油孔16aの外側口は、前記ニードルベアリング17の前方に設けたリング状の空間(以下、「外部隙間」とする)44と連通されている。
これにより、前記チャージ油路43内の作動油を、潤滑油路68・69から、入力軸2の側面(以下、「入力軸側面」とする)2aとスリーブ16との間の間隙や、前記外部隙間44を通って、前記テーパベアリング18やニードルベアリング17に対し、潤滑油として供給することができる。なお、該ニードルベアリング17は、後で詳述する前記ニードルベアリング28のように、トルクや回転速度の急激な変動が作用しないため、このような潤滑油路69であっても、十分な潤滑が得られる。
また、このようなチャージ油路43は、前述の如くチェックリリーフ弁36・37に連通されるが、該チェックリリーフ弁36・37は、更に、本発明に係わる潤滑油路70に連通される。
図3、図4、図5(b)に示すように、該潤滑油路70は、前記チャージ油路43の前方で入力軸2の軸心上に延設され、その後端が前記チェックリリーフ弁37と連通する軸心油路部71と、該軸心油路部71の先端部から入力軸側面2aに向かって、半径一方向、図中では上方に分岐される第一放射油路部72と、同様に前記軸心油路部71の前端部から前記入力軸側面2aに向かって、半径他方向、図中では下方に分岐される第二放射油路部73とから構成される。
ここで、前述の如く、前記入力軸2と第二斜板22との間には、ニードルベアリング28が設けられている。
該ニードルベアリング28は、入力軸2の外周に側面を当接するようにして等間隔で環状に配列される複数の細長い円柱状のニードル78と、該ニードル78が内部に配設される環状のリテーナ79とから構成される。
該リテーナ79は、太く短い筒部79cの前後開口端に、それぞれ、環状の前板部79aと後板部79bを覆設することによって形成される。そして、前記筒部79cの内壁には、軸方向に長い半割円柱状の保持溝80が凹設され、該保持溝80に、前記ニードル78の外側の半割部が回転自在に保持されている。
更に、前記前板部79a・後板部79bは、それぞれ、前記保持溝80の前後端から離間して配置されており、該保持溝80に前記ニードル78を保持して入力軸2に外嵌させた状態(以下、「組み付け状態」とする)では、該ニードル78の前端面78aとリテーナ79の前板部79aとの間、及びニードル78の後端面78bとリテーナ79の後板部79bとの間に、それぞれ、前後の内部隙間81a・81bを形成するようにしている。
加えて、この組み付け状態では、環状の前板部79a・後板部79bの各内側縁部は、いずれも、前記入力軸側面2aから離間して形成されており、前板部79a・後板部79bには、それぞれ、前後の給排隙間82a・82bを形成するようにしている。なお、該給排隙間82a・82b、前記内部隙間81a・81bのいずれも、各隙間を通る、入力軸2の外周部の全周に渡って連通されている。
このような構造のニードルベアリング28に対し、前記第一放射油路部72の外端で入力軸側面2aに設けた吐出口72aと、前記第二放射油路部73の外端で入力軸側面2aに設けた吐出口73aとは、いずれも、前記後側の内部隙間81bに向けて開口されている。
これにより、前記チャージ油路43から流れてきた作動油は、回転する入力軸2の遠心力の影響が小さい状態で、前記軸心油路部71の先端まで圧送された後、該先端部では、互いに逆方向に分岐された前記放射油路部72・73の中に、潤滑油として流れ込む。
すると、第一放射油路部72内の潤滑油85は、該第一放射油路部72を通る間に遠心力によって半径外方向に加速され、吐出口72aに向かって高速で圧送される。そして、該吐出口72aから勢いよく吐出された潤滑油85は、例えば図5(a)に示すように、入力軸2が矢印83の方向に回転すると、該矢印83と逆方向の矢印84の方向に、内部隙間81bを通る外周部2bに沿って入力軸側面2a上を流動する。
同様にして、第二放射油路部73内の潤滑油85も、該第二放射油路部73を通る間に遠心力によって半径外方向に加速され、吐出口73aに向かって高速で圧送される。そして、該吐出口73aから勢いよく吐出された潤滑油85は、前記矢印84の方向に、外周部2bに沿って入力軸側面2a上を流動する。
従って、潤滑油85の供給量、吐出口72a・73aの構造、入力軸2の回転速度の調整等により、一方の吐出口から吐出された潤滑油85が他方の吐出口まで到達可能とすることで、前記外周部2bの全周に渡って潤滑油85を供給することができる。そして、該潤滑油85は、転動面78cと入力軸側面2aとの間を伝って、全てのニードル78で転動面78c全面に浸透する。
なお、前記ニードル78は、円柱状であり、通常はクラウニングが施されているため、その側面が入力軸側面2aに当接して転動する際、該転動面78cと前記入力軸側面2aとの間の面圧は、ニードル78の軸心方向の端部と略中央部で低下する。このため、前述のようにして外周部2b全周に供給された潤滑油85は、低面圧の後端部を介して、転動面78c全面に迅速に浸透される。
すなわち、第一プランジャ12と該第一プランジャ12が当接する第一斜板10とを有する油圧ポンプ部5と、第二プランジャ24と該第二プランジャ24が当接する第二斜板22とを有する油圧モータ部6を、入力軸2に被嵌したシリンダブロック4を挟んで入力軸2の軸方向前後に配置し、該シリンダブロック4には、前記第一プランジャ12と第二プランジャ24との間を連通する一対のメイン油路である第一油路41・第二油路42を設けた油圧式無段変速装置1において、前記入力軸2と第二斜板22との間にころ軸受であるニードルベアリング28を介設し、該ニードルベアリング28は、複数のころであるニードル78と該ニードル78を回転自在に収納保持する環状の保持器であるリテーナ79とを備えると共に、前記入力軸2内には、潤滑油85を供給する潤滑油路70を設け、該潤滑油路70に連通する入力軸側面2aの吐出口72a・73aを、前記リテーナ79内に向けて開口したので、リテーナ79内に潤滑油85を直接供給することができ、潤滑油85を外部の吐出口からニードルベアリング28までの長い距離流動させたり、潤滑油85をニードルベアリング28のリテーナ79内に圧入させる必要がない。このため、たとえ、トルクや回転速度が急激に変動したり、高負荷時にエンジン回転数が低下してチャージ回路内の油圧が低下する場合であっても、リテーナ79内に十分な量の潤滑油を迅速に供給することができ、ニードル78の異常摩耗や損傷の発生を防止し、ニードルベアリング28の軸受寿命を大きく向上させることができる。更に、吐出口72a・73aを入力軸側面2aに開口するので、入力軸2の回転に伴って発生する遠心力を利用して、該吐出口72a・73aから潤滑油85を勢いよく吐出させることができ、潤滑油85の供給量・供給速度の一層の向上を図ることができる。
更に、前記潤滑油路70は、前記入力軸2の軸心上に延設される軸心油路部71と、該軸心油路部71から前記入力軸側面2aに向かって互いに逆方向に分岐される2本の放射油路部72・73とから構成し、該放射油路部72・73の各外端に前記吐出口72a・73aを形成すると共に、該吐出口72a・73aのいずれも、軸心方向同一端側、本実施例では後側におけるころ端面である後端面78bと保持器であるリテーナ79との間の内部隙間81bに向けて開口するので、遠心力の影響の小さい軸心油路部71を通って流れてきた潤滑油75を、放射油路部72・73を通る間に遠心力によって半径外方向に加速し、吐出口72a・73aから勢いよく吐出させることができ、吐出口72a・73a近くまで潤滑油85の油圧変動を抑えてチャージ回路の安定動作を確保しつつ、潤滑油85の供給量・供給速度の向上を可能としている。更に、一方の吐出口72a(または73a)から吐出された潤滑油85を、入力軸側面2aに沿うようにして、矢印83に示す入力軸回転方向と逆方向である矢印84に示す方向に流動させて他方の吐出口73a(または72a)まで到達させ、その結果、内部隙間81bを通る外周部2bの全周に渡って潤滑油85を供給することができ、潤滑油85は、該外周部2bから、ニードル78の端部、本実施例では後側の端部と入力軸側面2aとの間を伝って、ニードル78の転動面78c全面に浸透していき、全てのニードル78における油膜形成が優位となって、ころの異常摩耗や損傷の発生を確実に防止することができる。
次に、前記潤滑油路70の別形態について、図6、図7により説明する。
なお、以下では、前記潤滑油路70と異なる点を中心に説明すると共に、各要素に用いた符号と同じ符号は、同一または同等の機能を有する要素を指すものであり、同じ符号を付した要素については、特に必要としない限り、その説明は省略する。
図6に示す潤滑油路70Aでは、前記放射油路部72・73の吐出口72a・73aのいずれも、前記内部隙間81bではなく、前記ニードル78の転動面78cの軸心方向略中央部に向けて開口することにより、潤滑油の供給量・供給速度の更なる向上を図ったものである。
該潤滑油路70Aにおいては、前記軸心油路部71を更に前方に延出して軸心油路部71Aとし、該軸心油路部71Aの先端部から前記入力軸側面2aに向かって上下に分岐されて、前記放射油路部72・73が形成される。そして、該放射油路部72・73の吐出口72a・73aは、いずれも、ニードル78の転動面78cの軸心方向略中央部に向けて開口されている。
これにより、前記チャージ油路43から流れてきた作動油は、前記放射油路部72・73の中に潤滑油として流れ込んだ後、該放射油路部72・73を通る間に遠心力によって半径外方向に加速され、吐出口72a・73aに向かって高速で圧送される。そして、該吐出口72a・73aから吐出された潤滑油85は、軸心方向略中央部を通る外周部2cに沿って入力軸側面2a上を流動する。従って、一方の吐出口から吐出された潤滑油85が他方の吐出口まで到達できるようにすることで、前記外周部2cの全周に渡って潤滑油85を供給することができる。なお、前述の如く、通常のニードル78では、軸心方向略中央部での面圧も低いため、外周部2cに沿った入力軸側面2a上の流動は迅速に行われる。
すなわち、前記潤滑油路70Aは、前記入力軸2Bの軸心上に延設される軸心油路部71Aと、該軸心油路部71Aから前記入力軸側面2aに向かって互いに逆方向に分岐される2本の放射油路部72・73とから構成し、該放射油路部72・73の各外端に前記吐出口72a・73aを形成すると共に、該吐出口72a・73aのいずれも、ころであるニードル78の転動面78cの軸心方向略中央部に向けて開口するので、遠心力の影響の小さい軸心油路部71Aを通って流れてきた潤滑油85を、放射油路部72・73を通る間に遠心力によって半径外方向に加速し、吐出口72a・73aから勢いよく吐出させることができ、吐出口72a・73a近くまで潤滑油85の油圧変動を抑えてチャージ回路の安定動作を確保しつつ、潤滑油85の供給量・供給速度の向上を可能としている。更に、一方の吐出口72a(または73a)から吐出された潤滑油85を、入力軸側面2aに沿うようにして、矢印83に示す入力軸回転方向と逆方向である矢印84に示す方向に流動させて他方の吐出口73a(または72a)まで到達させ、その結果、ニードル78の転動面78cの軸心方向略中央部を通る外周部2cの全周に渡って潤滑油85を供給することができ、潤滑油85は、該外周部2cから、ニードル78の転動面78c全面に浸透していき、全てのニードル78における油膜形成が優位となって、ニードル78の異常摩耗や損傷の発生を確実に防止することができる。加えて、ニードル78の端部から転動面78c全面に潤滑油85を浸透させることが必要な場合と異なり、潤滑油85を転動面78cに直接供給することができ、浸透する前に潤滑油85が周囲に飛散したり、浸透に時間がかかることがなく、潤滑油85の供給量・供給速度の更なる向上を図ることができる。
また、図7に示す潤滑油路70Bでは、前記放射油路部72・73の吐出口72a・73aのうち、吐出口72aを内部隙間81bに向けて開口する一方、吐出口73aをニードル78の転動面78cの軸心方向略中央部に向けて開口することにより、様々な負荷状況に応じた潤滑油供給を可能とし、ころの異常摩耗や損傷の発生の更に確実な防止を図ったものである。
該潤滑油路70Bにおいては、前記軸心油路部71Aの先端部から下方に分岐する第二放射油路部73はそのままで、該第二放射油路部73より後方の軸心油路部71A上から、入力軸側面2aに向かって第一放射油路部72が上方に分岐され、該第一放射油路部72の吐出口72aは、前記内部隙間81bに向けて開口されている。
これにより、前記チャージ油路43から流れてきた作動油は、前記放射油路部72・73の中に潤滑油として流れ込んだ後、吐出口72a・73aに向かって高速で圧送され、このうちの吐出口73aから吐出された潤滑油85は、軸心方向略中央部を通る外周部2cに沿って、入力軸側面2a上を、吐出口73aの反対側まで流動する。これにより、半周分のニードル78の転動面78c全面に潤滑油85が浸透される。
同時に、吐出口72aから吐出された潤滑油は、同じ矢印84の方向に、前記内部隙間81bを通る外周部2bに沿って、入力軸側面2a上を、吐出口72aの反対側まで流動した後、転動面78cと入力軸側面2aとの間を伝って、ニードル78で転動面78c全面に浸透する。これにより、残り半周分のニードル78の転動面78c全面に潤滑油85が浸透され、その結果、全てのニードル78の転動面78c全面に潤滑油85が浸透させることができる。
更に、ニードル78への負荷が軸方向で偏りがある場合、例えば、負荷がニードル78の後側で大きい場合には、本実施例のように、吐出口72aを後側の内部隙間81bに向けて開口することで、過負荷部分に潤滑油85を集中して供給し、油膜形成を促進させることができる。
すなわち、前記潤滑油路70Bは、前記入力軸2Bの軸心上に延設される軸心油路部71Aと、該軸心油路部71Aから前記入力軸側面2aに向かって互いに逆方向に分岐される2本の放射油路部72・73とから構成し、該放射油路部72・73の各外端に前記吐出口72a・73aを形成すると共に、該吐出口72a・73aの一方である吐出口72aは、軸心方向同一端側、本実施例では後側におけるころ端面である後端面78bと保持器であるリテーナ79との間の内部隙間81bに向けて開口すると共に、前記吐出口の他方である吐出口73aは、ニードル78の転動面78cの軸心方向略中央部に向けて開口するので、遠心力の影響の小さい軸心油路部71Aを通って流れてきた潤滑油85を、放射油路部72・73を通る間に遠心力によって半径外方向に加速し、吐出口72a・73aから勢いよく吐出させることができ、吐出口72a・73a近くまで潤滑油85の油圧変動を抑えてチャージ回路の安定動作を確保しつつ、潤滑油85の供給量・供給速度の向上を可能としている。更に、一方の吐出口である吐出口72aから吐出された潤滑油85を、入力軸側面2aに沿うようにして、矢印83に示す入力軸回転方向と逆方向である矢印84に示す方向に流動させ、内部隙間81bを通る外周部2bの半周に渡って潤滑油85を供給することができ、潤滑油85は、該外周部2bから、ニードル78の端部と入力軸側面2aとの間を伝って、半周分のニードル78の転動面78c全面に浸透していく。同時に、他方の吐出口である吐出口73aから吐出された潤滑油85を、入力軸側面2aに沿うようにして、矢印83に示す入力軸回転方向と逆方向である矢印84に示す方向に流動させ、ニードル78の転動面78cの軸心方向略中央部を通る外周部2cの半周に渡って潤滑油85を供給することができ、潤滑油85は、該外周部2cから、残り半周分のニードル78の転動面全面に浸透していく。その結果、全てのニードル78で油膜形成が優位となって、ニードル78の異常摩耗や損傷の発生を確実に防止することができる。加えて、ニードル78が受ける負荷に軸方向で偏りがある場合でも、吐出口72aを、負荷が大きい端部側、本実施例では後側の内部隙間81bに向けて開口することにより、後側の転動面78cに潤滑油85を集中して供給することで、偏負荷部での油膜形成を促進し、ニードル78の異常摩耗や損傷の発生を更に確実に防止することができる。
本発明は、第一プランジャと該第一プランジャが当接する第一斜板とを有する油圧ポンプ部と、第二プランジャと該第二プランジャが当接する第二斜板とを有する油圧モータ部を、入力軸に被嵌したシリンダブロックを挟んで入力軸の軸方向前後に配置し、該シリンダブロックには、前記第一プランジャと第二プランジャとの間を連通する一対のメイン油路を設けた、全ての油圧式無段変速装置に適用することができる。
1 油圧式無段変速装置
2 入力軸
2a 入力軸側面
4 シリンダブロック
5 油圧ポンプ部
6 油圧モータ部
10 第一斜板
12 第一プランジャ
22 第二斜板
24 第二プランジャ
28 ニードルベアリング(ころ軸受)
41 第一油路(メイン油路)
42 第二油路(メイン油路)
70・70A・70B 潤滑油路
71・71A 軸心油路部
72・73 放射油路部
72a・73a 吐出口
78 ニードル(ころ)
78a 前端面(ころ端面)
78b 後端面(ころ端面)
78c 転動面
79 リテーナ(保持器)
81a・81b 内部隙間
85 潤滑油

Claims (4)

  1. 第一プランジャと該第一プランジャが当接する第一斜板とを有する油圧ポンプ部と、第二プランジャと該第二プランジャが当接する第二斜板とを有する油圧モータ部を、入力軸に被嵌したシリンダブロックを挟んで入力軸の軸方向前後に配置し、該シリンダブロックには、前記第一プランジャと第二プランジャとの間を連通する一対のメイン油路を設けた油圧式無段変速装置において、前記入力軸と第二斜板との間にころ軸受を介設し、該ころ軸受は、複数のころと該ころを回転自在に収納保持する環状の保持器とを備えると共に、前記入力軸内には、潤滑油を供給する潤滑油路を設け、該潤滑油路に連通する入力軸側面の吐出口を、前記保持器内に向けて開口したことを特徴とする油圧式無段変速装置。
  2. 前記潤滑油路は、前記入力軸の軸心上に延設される軸心油路部と、該軸心油路部から前記入力軸側面に向かって互いに逆方向に分岐される2本の放射油路部とから構成し、該放射油路部の各外端に前記吐出口を形成すると共に、該吐出口のいずれも、軸心方向同一端側におけるころ端面と保持器との間の内部隙間に向けて開口することを特徴とする請求項1に記載の油圧式無段変速装置。
  3. 前記潤滑油路は、前記入力軸の軸心上に延設される軸心油路部と、該軸心油路部から前記入力軸側面に向かって互いに逆方向に分岐される2本の放射油路部とから構成し、該放射油路部の各外端に前記吐出口を形成すると共に、該吐出口のいずれも、ころの転動面の軸心方向略中央部に向けて開口することを特徴とする請求項1に記載の油圧式無段変速装置。
  4. 前記潤滑油路は、前記入力軸の軸心上に延設される軸心油路部と、該軸心油路部から前記入力軸側面に向かって互いに逆方向に分岐される2本の放射油路部とから構成し、該放射油路部の各外端に前記吐出口を形成すると共に、該吐出口の一方は、軸心方向同一端側におけるころ端面と保持器との間の内部隙間に向けて開口すると共に、前記吐出口の他方は、ころの転動面の軸心方向略中央部に向けて開口することを特徴とする請求項1に記載の油圧式無段変速装置。
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