JP2014073916A - Sogシリコン製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2N純度金属シリコンから溶融金属シリコンを製造し、その溶融金属シリコン中に含まれる不純物を除去して、純度6N〜7N程度の太陽電池用途シリコン(SOGシリコン)を超低コストで製造する技術を提供する。
【解決手段】2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンの中に、酸化性ガス、窒息性ガス、不活性ガス、還元性ガスの中の少なくとも一種以上のガスを吹き込むことにより前記溶融金属シリコン中から、太陽電池性能に影響を与える不純物の濃度を低減する及び/又は当該不純物を除去することを特徴とする太陽電池用途シリコンの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は2N純度シリコンから太陽電池用途シリコン(本明細書において「SOGシリコン」と表すことがある)を製造する際に、太陽電池性能に悪影響を与える主要な不純物を除去する目的で、精錬用坩堝と精錬ガス吹き込み装置を用いて、2N純度金属シリコンから太陽電池用途シリコンを連続的に生産する技術に関する。
結晶シリコン系太陽電池用途として使用される太陽電池用再溶解シリコンでは、太陽電池性能に大きな影響を与える、B(ボロン)、C(炭素)、O(酸素)、P(リン)、Al(アルミニウム)、Fe(鉄)、Ti(チタン)、をそれぞれ、B:0.1〜0.3ppmw、C:5ppmw、O:10ppmw、P:0.1ppmw、Al :1ppmw 、Fe:0.1ppmw、Ti:0.1ppmw以下に低減する必要がある。
半導体用途(SEGシリコン)の金属シリコンを製造するシーメンス法の代替法として、2N純度金属シリコンを出発原料として、冶金的手法を用いて、2N純度金属シリコン中の不純物を除去し、太陽電池用途シリコン(SOGシリコン)原料を製造するいくつかの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1〜6、非特許文献1〜3)。しかし、いずれの方法も高額設備、過剰電力消費、環境負荷などの問題を抱えている。
例えば、特許文献1(特開2003−12317号公報)には、B(ボロン)100ppmw以下の熔融金属シリコンに塩基性フラックスを添加し、更に酸化性ガスを吹き込んでBを酸化させ、酸化ボロンをフラックスに吸収させる方法が開示されている。
特許文献2(特開2005−247623号公報)には、大気型融解炉で融解した熔融シリコン中に二酸化珪素とアルカリ金属炭酸塩を直接投入してスラグを形成し、このスラグにB(ボロン)を吸収させる方法が開示されている。
特許文献4(特開2007−191341号公報)には、溶湯シリコン中にアルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属炭酸塩と二酸化珪素、酸化アルミニウムからなるスラグ用材料を添加することにより、熔融シリコン上にスラグ層を形成しシリコンを高純度化する方法が開示されている。
特許文献5(特開2007−191346号公報)には、アルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属炭酸塩の水和物と二酸化珪素の混合物を、熔融シリコン上部から熔融シリコンの湯面上に添加し、スラグを形成してシリコン中のB(ボロン)を除去する方法が開示されている。
これらの方法はいずれもB(ボロン)をスラグに吸収させて除去するものである。
しかしながらこれらの方法では、金属シリコン中のP(リン)は除去出来ず、金属シリコン中のB(ボロン)除去後、膨大なスラグ廃棄物が発生し、スラグ廃棄物の分離、保管、輸送、処理の費用が必要となるので、スラグ廃棄物処理による環境負荷が増大する。
特許文献6(特表2009−535289号公報)には、窒素ガス、Al(アルミナ)、SiO(シリカ)、CaO(カルシア)、MgO(マグネシア)を用いた2N金属シリコンの精錬法が提示されているが、液化窒素ではなく一般用窒素ガスボンベを使用している為に、窒素ガス中の酸素を除去する酸素除去装置を必要とする。Al(アルミナ)、SiO(シリカ)、CaO(カルシア)、MgO(マグネシア)等のスラグ発生剤を使用するので同様にスラグ廃棄物処理による環境負荷が増大する。
例えば、特許文献3(特開2007−51047号公報)には、グロー放電型電子銃を用いて真空チャンバー内の容器中の金属シリコンを熔融し、適切な真空度でB(ボロン)、P(リン)除去する高純度シリコン製造法が開示されているが、太陽電池性能に大きな影響を与える、B(ボロン)、C(炭素)、O(酸素)、P(リン)の除去性能に関する記述が無く、技術実用化が未確認である。
特開2003−12317号公報 特開2005−247623号公報 特開2007−51047号公報 特開2007−191341号公報 特開2007−191346号公報 特表2009−535289号公報
「シャフト式アーク炉を用いた熱炭素還元による高純度シリコンの製造」鉄と鋼 第77年(1991)第10号 P118〜P125 「鉄鋼スクラップと元素循環に関する考察」多元物質科学研究所 素材工学研究彙報 第63巻1,2号 P1〜P5 純物質と臭素、塩素、弗素、水素、沃素、窒素、酸素、硫黄のエリンガム・ダイヤグラムEllingham Diagrams Binder_All_2009_12_06 ( Stanley M. Howards, SD School of Mines and Technology)
2N純度金属シリコンから溶融金属シリコンを製造し、その溶融金属シリコン中に含まれる不純物を除去して、純度6N〜7N程度の太陽電池用途シリコン(SOGシリコン)を超低コストで製造する技術を提供する。
太陽電池用途のSOGシリコンを製造する際に、2N金属シリコン精錬において、膨大なスラグ廃棄物が発生し環境負荷が大きいスラグ精錬法や、高価格な真空チャンバー及び真空排気装置が必要な電子ビーム真空溶解法ではなく、単一の装置でB(ボロン)、C(炭素)、O(酸素)、P(リン)、Al(アルミニウム)Ti(チタン)、Ca(カルシウム)等を連続的に除去し超低コストで太陽電池用途シリコン(SOGシリコン)を製造する技術を提供する。
本発明では、溶融状態の2N純度シリコン又は収納容器の坩堝内で融解した2N純度金属シリコン中に数種類の液化ガス及び非液化ガスを吹き込み、非金属不純物、金属不純物を除去している。
本発明では、不純物元素を太陽電池レベル(B:0.1〜0.3ppmw、C:5ppmw以下、O:10ppmw以下、P:0.1ppmw以下、Al :1ppmw以下、Fe:0.1ppmw以下、Ti:0.1ppmw以下)まで低減、除去後、更に凝固精製を経て太陽電池用途シリコン(SOGシリコン)を製造している。
このようにすることによって、太陽電池用途のSOGシリコンを製造する際に、2N金属シリコン精錬において、膨大なスラグ廃棄物が発生し環境負荷が大きいスラグ精錬法や、高価格な真空チャンバー及び真空排気装置が必要な電子ビーム真空溶解法ではなく、単一の装置でB(ボロン)、C(炭素)、O(酸素)、P(リン)、Al(アルミニウム)Ti(チタン)、Ca(カルシウム)等を連続的に濃度低減、除去し、超低コストで太陽電池用途シリコン(SOGシリコン)を製造することができる。
前記における数種類の液化ガス及び非液化ガスとは不活性ガス、酸化性ガス、窒息性ガス、還元性ガスである。
上述したように、本発明においては、溶融状態の2N純度シリコン又は収納容器の坩堝内で融解した2N純度金属シリコン中に数種類の液化ガス及び非液化ガスを順次吹き込み、不純物元素を太陽電池レベルに低減、除去している。このように溶融2N金属シリコンを精錬するにあたって、溶融金属シリコンを精錬温度まで加熱する際、本発明では、誘導加熱を利用している。すなわち、坩堝の周囲に配置した誘導コイルに高周波電流を流し、該誘導コイルが発生する電磁エネルギーにより、坩堝に収容した溶融金属シリコンに熱エネルギーを与えている。
この誘導加熱の電力消費を極小化して、太陽電池用途シリコン(SOGシリコン)を超低コストで製造する為に、本発明では、窒素雰囲気又は大気雰囲気中で誘導加熱を行う方式を採用している。このようにすることによって、真空排気装置や、真空チャンバーを使用する必要がなくなり、より低コストで太陽電池用途シリコン(SOGシリコン)を製造することが可能になっている。
前記の、真空排気装置や、真空チャンバーを使用せずに、窒素雰囲気又は大気雰囲気中で誘導加熱を行う方式は、例えば、窒素雰囲気又は大気雰囲気中で誘導加熱を行う大気型誘導加熱炉により行うことができる。
本願の請求項1記載の発明は、
2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンの中に、酸化性ガス、窒息性ガス、不活性ガス、還元性ガスの中の少なくとも一種以上のガスを吹き込むことにより前記溶融金属シリコン中から、太陽電池性能に影響を与える不純物の濃度を低減する及び/又は当該不純物を除去することを特徴とする太陽電池用途シリコンの製造方法である
である。
請求項2記載の発明は、
誘導加熱が行われる黒鉛製坩堝に2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンを収容し、当該溶融金属シリコンの中に、酸化性ガス、窒息性ガス、不活性ガス、還元性ガスの中の少なくとも一種以上のガスを吹き込むことにより当該溶融金属シリコン中から、太陽電池性能に影響を与える不純物の濃度を低減する及び/又は当該不純物を除去する工程を行う太陽電池用途シリコンの製造方法であって、
前記黒鉛製坩堝は、内面に窒化珪素皮膜を焼成した黒鉛製坩堝の当該窒化珪素皮膜面をブラスト後、洗浄、スラリー化窒化珪素のスプレー塗布を行い、その後、電気炉焼成したものであることを特徴とする太陽電池用途シリコンの製造方法
である。
請求項3記載の発明は、
誘導加熱が行われるムライト質坩堝を用い、外部より移送してきた2N純度金属シリコンを溶融してなる溶融金属シリコンを当該ムライト質坩堝容積の1/3の容量投入した後、固体状の2N純度金属シリコン塊を当該ムライト質坩堝容積の2/3の容量投入して誘導加熱することにより生成した溶融混合金属シリコン中に、酸化性ガス、窒息性ガス、不活性ガス、還元性ガスの中の少なくとも一種以上のガスを吹き込むことにより前記溶融混合金属シリコン中から、太陽電池性能に影響を与える不純物の濃度を低減する及び/又は当該不純物を除去する工程を行う太陽電池用途シリコンの製造方法であって、
前記ムライト質坩堝の材質は、重量比で、アルミナ(Al)を94.04%、二酸化珪素(SiO)を5.62%、酸化鉄(Fe)を0.03%、酸化ナトリウム(NaO)を0.22%含んでいるものであることを特徴とする太陽電池用途シリコンの製造方法
である。
請求項4記載の発明は、
前記誘導加熱が、窒素雰囲気又は大気雰囲気中で行われることを特徴とする請求項2又は3記載の太陽電池用途シリコンの製造方法
である。
請求項5記載の発明は、
太陽電池性能に影響を与える不純物の濃度を低減する及び/又は当該不純物を除去する工程を行った後の前記溶融金属シリコンを鋳型に移送し、凝固精製することにより前記溶融金属シリコン中のFe(鉄)の濃度を低減する及び/又は当該Fe(鉄)を除去することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の太陽電池用途シリコンの製造方法
である。
請求項6記載の発明は、
前記鋳型は、鋳型内面に高純度アルミナ粉末を塗布した鋳型であって、凝固後のシリコン塊と分離可能で、繰返し使用可能な鋳型であることを特徴とする請求項5記載の太陽電池用途シリコンの製造方法
である。
この発明によれば、2N純度金属シリコンから溶融金属シリコンを製造し、その溶融金属シリコン中に含まれる、太陽電池性能に影響を与える不純物である、B(ボロン)、C(炭素)、Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、P(リン)、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、O(酸素)を、また、更には、Fe(鉄)を、太陽電池レベル(B:0.1〜0.3ppmw、C:5ppmw以下、O:10ppmw以下、P:0.1ppmw以下、Al :1ppmw以下、Fe:0.1ppmw以下、Ti:0.1ppmw以下)まで低減、除去して、純度6N〜7N程度の太陽電池用途シリコン(SOGシリコン)を超低コストで製造することができる。
この発明によれば、太陽電池用途のSOGシリコンを製造する際に、2N金属シリコン精錬において、膨大なスラグ廃棄物が発生し環境負荷が大きいスラグ精錬法や、高価格な真空チャンバー及び真空排気装置が必要な電子ビーム真空溶解法ではなく、単一の装置でB(ボロン)、C(炭素)、O(酸素)、P(リン)、Al(アルミニウム)Ti(チタン)、Ca(カルシウム)等を連続的に除去し超低コストで太陽電池用途シリコン(SOGシリコン)を製造することができる。
本発明に関する溶融シリコン(2N純度金属シリコン)を精錬し、SOGシリコンを製造する精錬方法の実施の一形態を示す概要図である。 本発明に関する溶融シリコン(2N純度金属シリコン)を精錬し、SOGシリコンを製造する精錬方法の実施の他の一形態を示す概要図である。
本願の発明者はスラグを使用しない、スラグ発生の非常に少ない金属シリコン精錬の手段として、乾式精製法(臭素、塩素、弗素、水素、沃素、窒素、酸素、硫黄)を調査・検討した。
非特許文献3は純物質と臭素、塩素、弗素、水素、沃素、窒素、酸素、硫黄のエリンガム・ダイヤグラムである。
2N純度金属シリコン中に含まれる不純物元素とその不純物元素に対応する純物質のエリンガム・ダイヤグラムを検討した結果、不純物元素と反応するガス種を見出した。
ガス種のなかでも窒素又はアンモニアを使用した、B、P等の非金属不純物元素、Al、Ti等の金属不純物元素の除去を可能にする窒化反応について述べる。
熔融シリコン中に吹き込まれた窒素又はアンモニアの分子同士が衝突し活性構造体を形成し窒素ラジカル、水素ラジカルを発生する。
この窒素ラジカル、水素ラジカルが2N金属シリコン中の不純物元素と反応し、反応生成物として不純物元素が除去される。
+ 2 →2N:窒素ラジカルの生成
2NH→ N + 3H :アンモニアの分解反応
中間生成物:NH 、NH 、NH、H、N
2(NH⇔NH
2(NH → NH +H)水素ラジカルの生成
2(NH ⇔ NH+H)水素ラジカルの生成
2(NH ⇔ N+H):窒素ラジカル、水素ラジカルの生成
3(2H ⇔H+2
2N → N+2
2N金属シリコン中の不純物元素と窒素ガスとの反応
窒素ガスと反応する不純物元素:B、P、Al、Ti、Ca、V、Mg、Nb、Zr等である
2B+N→2BN
2P+N→2PN
2Al+N→2AlN
2Ti+N→2TiN
3Ca+N→Ca
2V+N→2VN
3Mg+N→Mg
2Nb+N→2NbN、又は、4Nb+N→2Nb
2Zr+N→2ZrN
2N金属シリコン中の不純物元素とアンモニアとの反応
アンモニアと反応する不純物元素:B、P、Al、Ti 、Cr、Mn、Ca、V等
2B+2NH→2BN+3H
2P+2NH→2PN+3H
2Al+2NH→2AlN+3H
2Ti+2NH→2TiN+3H
4Cr+2NH→2CrN+3H
4Mn+8NH→2Mn+12H、又は10Mn+4NH→2MnN+6H
3Ca+2NH→Ca+3H
2V+2NH→2VN+3H
更にB、Pは水素ラジカルと反応してBH、BH、BH、PH、PH、PHを生成するので、B、Pはその他の不純物元素よりも除去割合が大きくなる。表1にガス種と除去される不純物元素の一例を示す。
発明者は課題を解決する為に、それぞれのガス種の性質、溶融シリコン中の不純物との反応性について研究を重ねその研究成果を具体化した。即ち、単一の装置でガス種を切り替え、それぞれのガス種の効果を利用して不純物を除去し、太陽電池性能に大きな影響を与える、B(ボロン)、C(炭素)、O(酸素)、P(リン)及び金属不純物を除去する本発明を完成させた。
以上の検討を踏まえて、本発明が提案する太陽電池用途シリコンの製造方法は、2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンの中に、酸化性ガス、窒息性ガス、不活性ガス、還元性ガスの中の少なくとも一種以上のガスを吹き込むことにより前記溶融金属シリコン中から、太陽電池性能に影響を与える不純物の濃度を低減する及び/又は当該不純物を除去するものである。
上述したように、2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンの中に吹き込むガス種に応じて、溶融金属シリコン中における濃度が低減される、あるいは、溶融金属シリコン中から除去される、若しくは、溶融金属シリコン中における濃度が低減されると共に溶融金属シリコン中から除去される、太陽電池性能に影響を与える不純物の種類が異なっている。
例えば、2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンの中に吹き込む酸化性ガスをOガス、HOガス、あるいは、COガスにすると、溶融金属シリコン中における濃度が低減され及び/又は溶融金属シリコン中から除去される前記不純物は、B(ボロン)及び、C(炭素)になる。
また、2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンの中に吹き込む酸化性ガスをOガスにすると、溶融金属シリコン中における濃度が低減され及び/又は溶融金属シリコン中から除去される前記不純物は、Ca(カルシウム)及び、Mg(マグネシウム)になる。
2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンの中に吹き込む窒息性ガスをNガス、又は、NHガスにすると、溶融金属シリコン中における濃度が低減され及び/又は溶融金属シリコン中から除去される前記不純物は、B(ボロン)、P(リン)、Al(アルミニウム)、Ca(カルシウム)及び、Ti(チタン)になる。
2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンの中に吹き込む不活性ガスを希ガスにすると、溶融金属シリコン中における濃度が低減され及び/又は溶融金属シリコン中から除去される前記不純物は、O(酸素)になる。なお、前記の希ガスには、例えば、Arガスを例示することができる。
2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンの中に吹き込む還元性ガスをHガスにすると、溶融金属シリコン中における濃度が低減され及び/又は溶融金属シリコン中から除去される前記不純物は、B(ボロン)、P(リン)になる。
前述した酸化性ガス、窒息性ガス、不活性ガス、還元性ガスを、任意の順番で、2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンの中に、順次、吹き込む工程を行うことにより各ガス種に応じて、溶融金属シリコン中における前述した不純物の濃度を低減させ及び/又は除去することができる。また、濃度を低減させる及び/又は除去すべき前記不純物の種類に応じて吹き込むガス種を選択して使用することもできる。
いずれにしても、本発明によれば、単一の装置を用い、2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンの中に吹き込むガス種を切り替えることにより、それぞれのガス種の効果を利用して不純物を連続的に濃度低減させ及び/又は除去することができる。
本発明の太陽電池用途シリコンの製造方法は、誘導加熱が行われる黒鉛製坩堝に2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンを収容し、当該溶融金属シリコンの中に、酸化性ガス、窒息性ガス、不活性ガス、還元性ガスの中の少なくとも一種以上のガスを吹き込むことにより当該溶融金属シリコン中から、太陽電池性能に影響を与える不純物の濃度を低減する及び/又は当該不純物を除去するものである。ここで、前記黒鉛製坩堝として、内面に窒化珪素皮膜を焼成した黒鉛製坩堝の当該窒化珪素皮膜面をブラスト後、洗浄、スラリー化窒化珪素のスプレー塗布を行い、その後、電気炉焼成したものを用いるものである。
なお、前記において、誘導加熱が行われる黒鉛製坩堝に収容される溶融金属シリコンは、2N純度金属シリコン塊を前記黒鉛製坩堝内に投入して加熱溶解したものとすることができる。また、溶融状態になっている2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンを前記黒鉛製坩堝内に投入することもできる。また、2N純度金属シリコン塊を前記黒鉛製坩堝内に投入すると共に、溶融状態になっている2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンを前記黒鉛製坩堝内に投入し、誘導加熱により、溶融金属シリコンを準備することもできる。
2N純度金属シリコン塊を誘導加熱する場合、固体状の金属シリコン塊は室温では絶縁性を示し、直接に誘導加熱で溶融することができない。従って誘導加熱で加熱できる黒鉛坩堝中に2N純度金属シリコン塊を投入する。この様にすることで黒鉛坩堝を加熱して、2N純度金属シリコン塊の温度を昇温させて溶融シリコンを準備できる。しかし、溶融シリコンが黒鉛坩堝内面に接触すると、黒鉛坩堝内面からC(炭素)が溶融シリコン中へ不純物元素として溶出しSOGシリコン品質を低下させる。このC(炭素)溶出を防止するために黒鉛坩堝内面に溶融シリコンに対し安定な窒化珪素皮膜を焼成する。
本発明の太陽電池用途シリコンの製造方法は、誘導加熱が行われるムライト質坩堝を用い、外部より移送してきた2N純度金属シリコンを溶融してなる溶融金属シリコンを当該ムライト質坩堝容積の1/3の容量投入した後、固体状の2N純度金属シリコン塊を当該ムライト質坩堝容積の2/3の容量投入して誘導加熱することにより生成した溶融混合金属シリコン中に、酸化性ガス、窒息性ガス、不活性ガス、還元性ガスの中の少なくとも一種以上のガスを吹き込むことにより前記溶融混合金属シリコン中から、太陽電池性能に影響を与える不純物の濃度を低減する及び/又は当該不純物を除去する工程を行うものである。ここで、前記ムライト質坩堝の材質は、重量比で、アルミナ(Al)を94.04%、二酸化珪素(SiO)を5.62%、酸化鉄(Fe)を0.03%、酸化ナトリウム(NaO)を0.22%含んでいるものにすることができる。前記ムライト質坩堝の材質の残余0.09重量%は前記アルミナ、等の構成成分によってムライト質坩堝を調製する際に不可避的に混入する不可避的材料物質である。
ムライト質坩堝中の2N純度金属シリコンを誘導加熱する場合、ムライト質坩堝は絶縁体であるので誘導加熱の作用を受けず、ムライト質坩堝自体は加熱されない。2N純度金属シリコンを誘導加熱するには、450℃以上の温度の固体状2N金属シリコン塊又は液体状のシリコンでないと誘導加熱ができない。その為に当該ムライト質坩堝容積の1/3容量の溶融金属シリコンに続けて、当該ムライト質坩堝容積の2/3容量の固体状の2N純度金属シリコン塊を投入して誘導加熱を行い、当該ムライト質坩堝の全容積の溶融シリコンを準備できる。
本発明において、前述した誘導加熱が行われる黒鉛製坩堝及び、ムライト質坩堝における前記の誘導加熱は、窒素雰囲気又は大気雰囲気中で行われる。
前記の誘導加熱を、窒素雰囲気又は大気雰囲気中で行うことにより、太陽電池用途シリコン(SOGシリコン)を製造する為に、真空排気装置、真空チャンバーを使用する必要がなくなる。これによって、超低コストでの太陽電池用途シリコン(SOGシリコン)製造を可能にしたものである。真空排気装置や、真空チャンバーを使用せずに、窒素雰囲気又は大気雰囲気中で誘導加熱するには、例えば、大気型誘導加熱炉を使用することができる。
以上に説明した本発明のいずれの太陽電池用途シリコンの製造方法においても、太陽電池性能に影響を与える不純物の濃度を低減する及び/又は当該不純物を除去する工程を行った後の前記溶融金属シリコンを鋳型に移送し、凝固精製することにより前記溶融金属シリコン中のFe(鉄)の濃度を低減する及び/又は当該Fe(鉄)を除去するようにすることができる。
この場合、前記鋳型は、鋳型内面に高純度アルミナ粉末を塗布した鋳型であって、凝固後のシリコン塊と分離可能で、繰返し使用可能な鋳型にすることが望ましい。
鋳型内面に高純度アルミナ粉末を塗布した鋳型を用いない場合、精錬した溶融シリコンを鋳型に移送後、冷却固化すると固化シリコンと鋳型内面が固着し、固化シリコンと鋳型を分離する為に鋳型を破壊して固化シリコンを取り出すことになり、シリコンの一部が鋳型に付着して失われる。この事はシリコンの収率を著しく低下し、又鋳型が使い捨てとなる為にSOGシリコンの生産コストが増大する。
高純度アルミナ粉末を鋳型内面に塗布すると、溶融シリコンと高純度アルミナは反応しないため、固化シリコンと鋳型内面の間に高純度アルミナ層が形成され、固化シリコンが鋳型内面に固着する事を防止し、固化シリコンと鋳型内面との分離が可能となる。固化シリコンと鋳型を容易に分離することが出来るので、SOGシリコンの生産コストを低減できる。
本発明のプロセスフロー
本発明のプロセスフローの一例を示すと次のようになる。
(1)2N純度金属シリコン塊を、窒素又は大気雰囲気に保持可能な大気型誘導加熱炉内に配置されていて誘導加熱される坩堝に投入後、誘導加熱し溶融シリコンを得る。又は予め準備した溶融シリコン(2N純度金属シリコン)を前記の大気型誘導加熱炉内に配置されていて誘導加熱される坩堝へ移送する。
(2)移送した溶融シリコン(2N純度金属シリコン)の温度を誘導加熱により1600〜1700℃に維持する。
(3)窒素又は大気雰囲気下で、溶融シリコン中へ酸化性ガス(水蒸気)吹き込みを行い、溶融シリコン中のB、Cを除去する。
(4)窒素又は大気雰囲気下で、溶融シリコン中へ酸化性ガス(酸素)吹き込みを行い、Ca、Mgを除去する。
(5)窒素又は大気雰囲気下で、溶融シリコン中へ不活性ガス(Ar)吹き込みを行い、溶融シリコン中の酸素を除去する。
(6)窒素又は大気雰囲気下で、溶融シリコン中へ窒息性ガス(窒素及び/又はアンモニア)吹き込みを行い、溶融シリコン中のB、P、Al、Ca、Ti及びその他の金属不純物を除去する。
(7)以上の(6)までの処理で得た溶融シリコンを鋳型へ移送し、溶融シリコンを冷却固化する。
この様な手順で、低コストで太陽電池用途シリコン(SOGシリコン)を製造する。
図1及び図2に、それぞれ、本発明の溶融シリコン(2N純度金属シリコン)精錬を実施する装置の一例を示す。
その装置は、溶融シリコン(2N金属シリコン)の加熱手段(誘導加熱手段)と、溶融シリコンを保持する精錬容器と、精錬雰囲気を維持するチャンバーと、ガス種を溶融シリコン中吹き込む手段と、チャンバーの排気手段と、排気ガス中の有害物質の除外装置と、溶融シリコンを冷却固化する手段とで構成されている。
図1中の坩堝11としては、黒鉛坩堝、ムライト製坩堝、あるいは、この技術分野で公知の石英坩堝を用いることができる。なお、黒鉛坩堝、ムライト製坩堝に関しては、次のような構成からなるものを使用することが望ましい。
黒鉛坩堝は、内面に窒化珪素皮膜を焼成した黒鉛製坩堝の当該窒化珪素皮膜面をブラスト後、洗浄、スラリー化窒化珪素のスプレー塗布を行い、その後、電気炉焼成したものである。
ムライト製坩堝は、その材質が、重量比で、アルミナ(Al)を94.04%、二酸化珪素(SiO)を5.62%、酸化鉄(Fe)を0.03%、酸化ナトリウム(NaO)を0.22%含み、残余0.09重量%を不可避的材料物質とするものである。
以下の工程で太陽電池用途シリコンを製造した。
(1)
精錬炉(大気型誘導加熱炉)内の黒鉛坩堝に溶融シリコン(2N純度金属シリコン)を準備する。溶融シリコン(2N純度金属シリコン)投入量:1Kg
(2)
溶融シリコン(2N純度金属シリコン)を誘導加熱し、溶融液温度を1600〜1700℃で一定させる
(3)
窒素ガス吹き込みを行い、溶融シリコン中のB、P、Al、Ca、Ti、その他の金属不純物を除去する。窒素ガス吹き込み流量:0.5〜1リットル/分
窒素ガス吹き込み時間:60〜90分間
(4)
溶融シリコン温度を1450℃付近まで徐々に降温する
(5)
以上の(4)までの処理で得た溶融シリコンをそのまま精錬容器中で一方向凝固させた。
実施の結果について、冷却固化したシリコン結晶の不純物分析を行い評価したところ、太陽電池用再溶解シリコンの原料として満足するものであった。
表2にこの実施例で達成した結晶シリコン中の不純物濃度を示す。
以上述べてきた本発明により、窒素又は大気雰囲気下で、水蒸気によるB、Cの除去、酸素吹込みによるCa、Mgの除去、Arガス吹込みによるOの除去、窒素ガス及び/又はアンモニア吹込みによるB、P、Al、Ca、Tiの除去を連続的に行うことで、溶融シリコン(2N純度金属シリコン)中の太陽電池性能に大きな影響を与える殆どの不純物元素を濃度低減させ、また、除去できる。
この結果、太陽電池用途シリコン(SOGシリコン)の製造コストを著しく低減することが可能となる。
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。

Claims (6)

  1. 2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンの中に、酸化性ガス、窒息性ガス、不活性ガス、還元性ガスの中の少なくとも一種以上のガスを吹き込むことにより前記溶融金属シリコン中から、太陽電池性能に影響を与える不純物の濃度を低減する及び/又は当該不純物を除去することを特徴とする太陽電池用途シリコンの製造方法。
  2. 誘導加熱が行われる黒鉛製坩堝に2N純度金属シリコンを溶融した溶融金属シリコンを収容し、当該溶融金属シリコンの中に、酸化性ガス、窒息性ガス、不活性ガス、還元性ガスの中の少なくとも一種以上のガスを吹き込むことにより当該溶融金属シリコン中から、太陽電池性能に影響を与える不純物の濃度を低減する及び/又は当該不純物を除去する工程を行う太陽電池用途シリコンの製造方法であって、
    前記黒鉛製坩堝は、内面に窒化珪素皮膜を焼成した黒鉛製坩堝の当該窒化珪素皮膜面をブラスト後、洗浄、スラリー化窒化珪素のスプレー塗布を行い、その後、電気炉焼成したものであることを特徴とする太陽電池用途シリコンの製造方法。
  3. 誘導加熱が行われるムライト質坩堝を用い、外部より移送してきた2N純度金属シリコンを溶融してなる溶融金属シリコンを当該ムライト質坩堝容積の1/3の容量投入した後、固体状の2N純度金属シリコン塊を当該ムライト質坩堝容積の2/3の容量投入して誘導加熱することにより生成した溶融混合金属シリコン中に、酸化性ガス、窒息性ガス、不活性ガス、還元性ガスの中の少なくとも一種以上のガスを吹き込むことにより前記溶融混合金属シリコン中から、太陽電池性能に影響を与える不純物の濃度を低減する及び/又は当該不純物を除去する工程を行う太陽電池用途シリコンの製造方法であって、
    前記ムライト質坩堝の材質は、重量比で、アルミナ(Al)を94.04%、二酸化珪素(SiO)を5.62%、酸化鉄(Fe)を0.03%、酸化ナトリウム(NaO)を0.22%含んでいるものであることを特徴とする太陽電池用途シリコンの製造方法。
  4. 前記誘導加熱が、窒素雰囲気又は大気雰囲気中で行われることを特徴とする請求項2又は3記載の太陽電池用途シリコンの製造方法。
  5. 太陽電池性能に影響を与える不純物の濃度を低減する及び/又は当該不純物を除去する工程を行った後の前記溶融金属シリコンを鋳型に移送し、凝固精製することにより前記溶融金属シリコン中のFe(鉄)の濃度を低減する及び/又は当該Fe(鉄)を除去することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の太陽電池用途シリコンの製造方法。
  6. 前記鋳型は、鋳型内面に高純度アルミナ粉末を塗布した鋳型であって、凝固後のシリコン塊と分離可能で、繰返し使用可能な鋳型であることを特徴とする請求項5記載の太陽電池用途シリコンの製造方法。
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