JP2014072855A - 画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザが所望する画質調整が反映されかつ自然に見える画像を、ユーザへの負担を軽減しつつ表示可能とする。
【解決手段】本発明の一態様としての画像表示装置は、設定手段と、補正手段と、表示部とを備える。前記設定手段は、入力画像の色相のうちの1つの色相について明度および彩度の少なくとも一方を補正量に従って補正した場合に、明度と彩度に基づいて定まる評価値の前記色相間の相対関係が補正の前後で変動するのを抑制するように、前記1つの色相以外の色相について明度および彩度の少なくとも一方の補正量を定める。前記補正手段は、前記入力画像の色相毎に、前記補正量に従って前記明度および彩度の少なくとも一方を補正した補正画像を算出する。前記表示部は、前記補正画像を表示する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、画像表示装置およびその方法に関し、たとえば明度や彩度等の画質項目を調整して表示画像を補正する画質調整技術に関わる。
さまざまな画像出力装置において、出力画像の画質を調整するために、ユーザが画質項目を調整して出力画像を補正する画質調整技術について研究が行われている。例えば、従来技術として、出力画像の色相毎の彩度特性を示したグラフを画面上に表示し、ユーザがグラフ上の各色相の彩度特性を調整することで、出力画像における指定した色相の彩度を補正するものがある。また、別の従来技術として、ユーザが入力画像で指定した任意の画素に対し、画面上に3次元色空間を示すウィンドウを表示し、当該画素の色の座標の変化を見ながら、明度、彩度、色相を調整するものがある。
特開2006−157162号公報 特開2006−215146号公報
しかしながら、上述したいずれの従来技術も、特定の色相のみの明るさや彩度を補正した場合、特定の色相のみ彩度や明るさが強調され、色相間での明るさや彩度のバランスが崩れて不自然に見えるという問題がある。また、色相間での彩度や明るさのバランスを保つためには、色相毎に明るさや彩度をユーザが細かく調整する必要がありユーザへの負担が大きくなる。
本発明の一側面は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、ユーザが所望する画質調整が反映されかつ自然に見える画像を、ユーザへの負担を軽減しつつ表示可能とすることを目的とする。
本発明の一態様としての画像表示装置は、設定手段と、補正手段と、表示部とを備える。
前記設定手段は、入力画像の色相のうちの1つの色相について明度および彩度の少なくとも一方を補正量に従って補正した場合に、明度と彩度に基づいて定まる評価値の前記色相間の相対関係が補正の前後で変動するのを抑制するように、前記1つの色相以外の色相について明度および彩度の少なくとも一方の補正量を定める。
前記補正手段は、前記入力画像の色相毎に、前記補正量に従って前記明度および彩度の少なくとも一方を補正した補正画像を算出する。
前記表示部は、前記補正画像を表示する。
第1の実施形態の画像表示装置を示す。 第1の実施形態の画像表示装置の動作の流れを示す。 表示部における表示画面と画質調整画面の例を示す。 画質調整画面を拡大した状態を示す。 明度、彩度、色相を調整可能な色相が12個の画質調整画面の例を示す。 色相毎に個別にスライドバーを配置した画質調整画面の例を示す。 赤の色相について、彩度を上げる方向に調整した時の画質調整画面を示す。 スライドバーが自動的に移動する様子を示す。 第2の実施形態に関わる表示部に表示された表示画面と画質調整画面を示す。 第3の実施形態に関わる表示部に表示された表示画面と画質調整画面を示す。 第4実施形態に関わる表示部に表示された表示画面と画質調整画面を示す。 第5実施形態に関わる表示部に表示された表示画面と画質調整画面を示す。 第6実施形態に関わる表示部に表示された表示画面と画質調整画面を示す。 第7実施形態における画像表示装置の構成を示す。 第8実施形態における画像表示装置の構成を示す。 第9実施形態における画像表示装置の構成を示す。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態の画像表示装置100を示す図である。
本実施系形態の画像表示装置100は、変換部102と、設定部104と、画質調整部105と、補正部108と、表示部110と、を備えている。
表示部110は画像を表示する装置であって、本実施形態では、例として表示部が液晶ディスプレイである場合について説明する。ただし、表示部はプラズマディスプレイやCRTディスプレイであってもよく、またプロジェクタなどの投射型の装置であってもよい。
変換部102は、入力画像信号101に対して色変換を行い明度、彩度、色相を表す変換信号103に変換し、変換信号103を設定部104に送る。画質調整部105は、表示部110の表示画面上に画質調整画面を表示し、ユーザの操作によって入力された画質調整量106を設定部104に送る。設定部104は、変換信号103と画質調整量106とから、入力画像信号101に対する画質補正量107を算出し、画質調整部105と補正部108に送る。画質調整部105は、画質補正量107に従って、画質調整画面に表示される画質調整量106を自動的に変更して表示する。補正部108は、変換信号103を画質補正量107に従って補正し、補正画像信号109を表示部110に送る。表示部110は補正画像信号109を表示する。
次に、本実施形態の画像表示装置100の動作の詳細について説明する。
図2は、本実施形態の画像表示装置100の動作を示すフローチャートである。
まず、変換部102は、入力画像信号101を明度、彩度、色相を表す変換信号103に変換する(S201)。具体的には、変換部102はまずRGB形式で入力された入力画像信号101の各画素のR、G、Bサブピクセル毎の階調値に対して、数式1のガンマ変換を行う。
Figure 2014072855
ここで、Rin'、Gin'、Bin'は入力映像信号のR,G,B各サブピクセルの階調値であり、階調値は8ビット(0〜255)で表現されているとする。Rin、Gin、Binは、Rin'、Gin'、Bin'に対してガンマ変換を行った階調値であり、0から1の相対的な値で表現されているとする。γはガンマ係数を表す。
本実施形態では、数式1によってガンマ変換を行う構成としたが、予め入力される階調値とガンマ変換後の階調値とを対応付けたルックアップテーブルを用意しておき、参照することでガンマ変換演算を行ってもよい。
入力映像信号の全画素のR、G、B各サブピクセルの値に対して上記の変換を行う。
変換部102はさらに、Rin、Gin、Binを三刺激値Xin、Yin、Zinに変換する。三刺激値Xin、Yin、ZinはRin、Gin、Binから数式2によって求められる。
Figure 2014072855
ここで、Mは3×3の色変換マトリックスを示し、Mは表示する画像の色再現域によって定まる。本実施の形態では、表示部が再現できる最大の色再現域に合わせて入力映像信号を変換する変換マトリックスなどを用いる。
また、三刺激値Xin、Yin、Zinを算出するには、数式2のように色変換マトリクスを保持しておき、画素毎にRin、Gin、Binから算出しても良い。あるいは、ルックアップテーブルに色変換によるXin、Yin、ZinとRin'、Gin'、Bin'の関係を保持しておき、画素毎にRin'、Gin'、Bin'からルックアップテーブルを参照してXin、Yin、Zinを求めてもよい。また、入力画像信号がYUVなどのRGB以外のフォーマットで入力される場合は、YUVなどの入力信号値から直接XYZ三刺激値に変換するLUTを参照することによって、XYZ三刺激値を求めてもよい。
次に、色変換によって求められた三刺激値Xin、Yin、Zinは、CIE L*a*b*色空間のL*in,a*in,b*inに変換される。L*in,a*in,b*inは数式3に従って算出される。
Figure 2014072855
また、Xw,Yw,Zwは完全拡散反射面の三刺激値を示す。さらに、a*in,b*inは数式5によって彩度C* in、色相h inに変換される。
Figure 2014072855
求められた明度L* in、彩度C* in、色相h inは、変換信号103として設定部104に送られる。
次に、画質調整部105は、表示画面上に画質調整用の画面を表示し、ユーザが画質調整用の画面を利用して、画質の調整を行う(S202)。図3に表示部110における表示画面301と画質調整画面302の表示例を示す。図3では、画面の右下部に画質調整画面302を表示させ、ユーザが画質調整を行える状態にする。
図4に画質調整画面302を拡大した図を示す。図4には、色相毎に、明度、彩度、色相を調整可能な3種類のレーダーチャートが表示されている。図4の401は、色相毎に明度を調整可能なチャート、402は色相毎に彩度を調整可能なチャート,403は色相を調整可能なチャートである。本実施の形態では画質調整項目として明度、彩度、色相の3種類を挙げたが、これに限るものではない。
図4の状態は、明度、彩度、色相ともに基準状態にあり、調整されていない(調整量=0)の状態である。ユーザは図4の画質調整画面302に対し、色相毎に表示されているスライドバー404を動かすことで、各色相の明度、彩度、色相を調整することが可能である。
明度と彩度を調整するチャート402と403においては、レーダーチャートの外側にスライドバーを動かせば、プラス方向に調整量を設定し、レーダーチャートの内側にスライドバーを動かせば、マイナス方向に調整量を設定することになる。また、色相を調整するチャート403においては、スライドバーを外側に動かすと色相がチャート403において時計回りに、内側に動かすと反時計回りに色相が変化するような調整量を設定する。
図4では、明度、彩度、色相を調整可能な色相が6個の場合の例を示したが、調整を行う色相の数はこれに限ったものではなく、図5に示すように12個であってもよいし、それ以上であってもよい。また、図4および図5では、調整用のスライドバーをレーダーチャート状に配置したが、図6のように色相毎に個別にスライドバーを配置してもよい。ユーザは画質調整画面302を利用して、任意の色相の明度、彩度、色相のいずれかを調整することが出来る。
例として、図7にユーザが赤の色相について、彩度を上げる方向に調整した時の画質調整画面を示す。図7の画質調整画面において、彩度を制御するレーダーチャート701の赤の色相のスライドバー702が基準位置から外側へ移動していることがわかる。
画質調整部105は、ユーザが画質調整画面302を使用して調整した画質の調整量から、ユーザが選択した色相と該色相における明度、彩度、または色相の変化量を特定し、調整量106として設定部104に送る。
次に、設定部104は変換信号103と調整量106とから、入力画像に対して明度と彩度の補正量107を色相毎に設定する(S203)。具体的には、まず、調整量106が示す色相に対して、変換信号の明度、彩度、または色相を調整量106に従って補正した補正変換信号を求める。
本実施形態では、ユーザが行った調整として赤の色相について彩度をΔC*in変化させた場合について以下説明を行う。赤の色相において、明度がL*in、彩度がC*inである変換信号を(L*in、C* in、hin(R))と表すと、調整量106によって補正された補正変換信号(L*in'C*in'hin(R)')は数式6のように算出される。
Figure 2014072855
さらに、設定部104は、変換信号(L*in、C*in、hin(R))と補正変換信号(L*in'C*in'hin(R)')のそれぞれについて知覚される明るさを算出する。ここで、知覚される明るさについて説明する。Helmholtz-Kohlrausch効果で知られるように、一般的に人間の目は明度が同じであれば、無彩色よりも有彩色の方が明るく感じ、さらに鮮やかであれば鮮やかであるほど明るく知覚する。本発明においては、Helmholtz-Kohlrausch効果に基づいて、人間の目に知覚される明るさB*が、対象物体の明度L*、彩度C*、色相hに依存して数式7に従って定まるものとする。
Figure 2014072855
ただしFは色相に依って異なる値を出力する関数であり、kは定数である。数式7に従って、ユーザによって調整された色相の調整前の知覚される明るさB*inと、調整後の知覚される明るさB*in'は、数式8のように算出される。
Figure 2014072855
さらに、ユーザによって調整された色相の調整前後の知覚される明るさの比率Pを明度と彩度の値ごとに算出する。明度がL*in、彩度がC*inの時のユーザ調整による知覚される明るさの比率P(L*in ,C*in ,hin(R))は、数式9のように算出される。
Figure 2014072855
さらに、数式10に示すように、ユーザによって調整された色相hin(R)の調整前後の知覚される明るさの比率P(L*in ,C*in ,hin(R))を、明度と彩度が等しい全ての色相において共通に適用する。そこで、この比率を以下のように、比率Pmax(L*in ,C*in)として設定する。
Figure 2014072855
ここで、ユーザが彩度の調整を行った色相hin(R)は、ユーザの調整によって知覚される明るさが比率Pmax(L*in,C*in)だけ増加している。このため、ユーザが画質の調整を行っていないその他の色相についても知覚される明るさに比率Pmax(L*in,C*in)を乗じることで、明度と彩度が等しい全ての色相間の知覚される明るさの比率を、ユーザが調整を行う前と同じにすることが出来る。すなわち、調整前後で、色相間における評価値(ここでは、知覚される明るさ)の相対関係の変動を抑制できる。ここで、色相hinにおいて、明度がL*in、彩度がC*inの時の知覚される明るさB*in(L*in,C*in,hin)に対して、比率Pmax(L*in,C*in)を乗じた時に知覚される明るさB*out (L*in,C*in,hin)は、数式11のように求められる。
Figure 2014072855
更に、知覚される明るさB*in(L*in,C*in,hin)とB*out(L*in,C*in,hin)の差分ΔB*out(L*in,C*in,hin)は数式12のように算出される。
Figure 2014072855
ここで、知覚される明るさの差分ΔB*out(L*in,C*in,hin)は、数式13のように、数式8で求めたユーザの調整前後の色相hin(R)における知覚される明るさの差を設定することで、近似的に求めてもよい。数式13で設定する場合、計算量が少なくて済む利点がある。
Figure 2014072855
次に、知覚される明るさの差分ΔB*out(L*in ,C*in ,hin)から明度と彩度の補正量を設定する。例えば、知覚される明るさの差分を全て明度で補正する場合、明度の補正量ΔL*out、彩度の補正量ΔC* outは数式14のように求められる。
Figure 2014072855
一方で、知覚される明るさの補正量を全て彩度で補正する場合、明度の補正量ΔL*out、彩度の補正量ΔC*outは数式15のように求められる。
Figure 2014072855
また、数式16のように知覚される明るさの補正量を明度と彩度に一定の割合で分配することもできる。ここでαは0〜1の変数である。αはユーザが設定できるようにしてもよい。
Figure 2014072855
明度と彩度の補正量107は画質調整部105と補正部108に送られる。
画質調整部105は設定部104から送られた画質補正量107に従って、画質調整部105の明度と彩度の調整用スライドバーを移動させる(S204)。つまり、画質補正量107をスライドバーの移動量へ変換し、当該移動量だけスライドバーを移動させる。これにより設定部104が設定した明度と彩度の補正量107を可視化することが出来る。
図7に示すようなユーザによる赤の色相の彩度調整に対して、各色相の明度と彩度の補正量107が設定部104で算出され、図8に示すように、画質調整部105は補正量107の分だけ各色相の明度が増加した状態にスライドバーが自動的に移動する。図8の例では、赤の色相の彩度調整に対して、全色相の明度のみを補正したが、全色相の彩度のみを補正しても良いし、明度と彩度を合わせて補正しても良い。
補正部108は、補正量107と変換信号103から補正画像信号109を算出し、表示部110送る(S205)。
まず、明度補正量ΔL*outと彩度補正量ΔC*outと変換信号(L* in、C* in、hin)から補正変換信号(L*out、C*out、hout)が、数式17に従って求められる。
Figure 2014072855
Xout、ZoutについてもYout同様に算出する。ただし、f(X/Xw)、f(Y/Yw)、f(Z/Zw)は数式20のように求められる。
Figure 2014072855
さらに、Xout、Yout、Zoutは表示部の色再現域に従って数式21に示すようにRGB形式の出力信号Rout、Gout、Boutに変換され、補正画像信号109は表示部110に送られる。
Figure 2014072855
ただし、Nは表示部の色再現域によって定まる3×3マトリックスである。
最後に、表示部110は表示画面に出力画像信号110を表示する(S206)。
以上、本実施の形態によれば、ユーザが明度、彩度、または色相を調整した際に、元画像の色相間の知覚される明るさの相対関係を維持するように、あるいは、当該相対関係の変動を抑制するように、明度または彩度を色相毎に補正する。これによって、ユーザの所望する画質調整を行いつつ、色相間の知覚される明るさを維持した自然な画像表示が可能となる。
[第2の実施形態:ユーザが全色相一括して明度、彩度、または色相を調整]
第2の実施形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施形態と全体的な構成は同様であり、調整部が異なっているため、調整部について詳細に説明する。
図9に、本実施形態に関わる表示部に表示された表示画面と画質調整画面を示す。本実施形態の画質調整画面は、第1の実施形態の画質調整画面302に加えて、全色相の明度、彩度、または色相を一括して調整可能な画質調整画面901を有する。
本実施形態では、ユーザが画質調整画面901において、全色相を一括して彩度を増加させる場合について説明する。ユーザが全色相を一括して制御する彩度のスライドバー902を増加させる方向に動かすと、画質調整部105は、全色相の彩度がユーザが指定しただけ増加したという内容の調整量106を設定部104に送る。
次に、設定部104は、全色相に対して、変換信号103の明度、彩度、または色相を調整量106に従って補正した際の補正変換信号を求める。ユーザが全色相を一括して調整した彩度の調整量をΔC*inとすると、補正変換信号(L*in'、C*in'、hin')は、変換信号(L*in、C*in、hin)と調整量ΔC*inから数式22のように求められる。
Figure 2014072855
色相hinにおける調整量106による補正前の知覚される明るさB*in(L*in ,C*in ,hin)と補正後の知覚される明るさB*in'(L*in ,C*in ,hin)は数式23のように求められる。
Figure 2014072855
さらに、各色相において調整量106による補正前後の知覚される明るさの比率Pを明度と彩度の値ごとに算出する。色相hinにおいて、明度がL*in、彩度がC*inの時のユーザ調整による知覚される明るさの比率P(L*in ,C*in ,hin)は、数式24のように算出される。
Figure 2014072855
Helmholtz-Kohlrausch効果は、色相によってその効果の度合いが異なり、例えば赤やマゼンタ色はより明るく見える効果が大きいが、黄色や緑色はより明るく見える効果は小さい。従って、知覚される明るさの比率P(L*in ,C*in ,hin)の値は、色相hinに依って異なる値をとる。そこで、数式25に示すように、調整量106による補正前後の知覚される明るさの比率P(L*in ,C*in ,hin)が全色相の中で最大となる色相の比率を、明度と彩度が等しい全ての色相における知覚される明るさの比率の最大値Pmax(L*in ,C*in)として設定する。ここでは最大値を採用したが、最小値、平均値、中央値など、最小値から最大値の間の代表値でもよい。
Figure 2014072855
調整量106による補正前後で、色相間の知覚される明るさの相対関係が同じになるように、明度がL*in、彩度がC* in、色相hinの時に知覚される明るさB*in(L*in,C*in,hin)に対して比率Pmax(L*in,C*in)を乗じた時に知覚される明るさB*out(L*in,C*in,hin)を数式26に示すように算出する。
Figure 2014072855
ここで、知覚される明るさB*in(L*in,C*in,hin)とB*out(L*in,C*in,hin)との差分ΔB*out(L*in,C*in,hin)は数式27のように算出される。
Figure 2014072855
代替的に、ΔB*out(L*in ,C*in ,hin)は、調整量106による補正前後の知覚される明るさの差分ΔB*in(L*in ,C*in ,hin)を数式28によって算出し、数式29のように知覚される差分ΔB*in(L*in ,C*in ,hin)の全色相中の最大値をΔB*out(L*in ,C*in ,hin)と設定してもよい。ここでは最大値を採用したが、最小値、平均値、中央値など、最小値から最大値の間の代表値でもよい。
Figure 2014072855
さらに、第1の実施形態と同様にして、知覚される明るさの差分ΔB*out(L*in ,C*in ,hin)から明度の補正量ΔL*outと彩度の補正量ΔC*outを補正量107として設定し、補正量107を調整部105と補正部108に送る。調整部105は補正量107に従って、調整画面302上の調整量の表示を自動的に変更する。補正部108は、補正量107に従って変換信号103を補正し、補正画像信号109を求め、表示部110に送る。表示部110は、表示画面に補正画像信号109を表示する。
以上、本実施の形態によれば、ユーザが明度、彩度、または色相を調整した際に、元画像の色相間の知覚される明るさの相対関係を維持するように、あるいは当該相対関係の変動を抑制するように、明度または彩度を色相毎に補正する。これによって、ユーザの所望する画質調整を行いつつ、色相間の知覚される明るさを維持した画像表示が可能となる。
[第3の実施形態:ユーザが画面上の任意の点を指定して画質調整する]
第3の実施形態について説明する。本実施の形態は、第2の実施形態と全体的な構成は同様であり、調整部が異なっているため、調整部について詳細に説明する。
図10に、本実施形態に関わる表示部に表示された画像と画質調整画面を示す。本実施形態の画質調整画面は、画質調整画面302と901に加えて、画面上の任意の画素を指定することが出来るポインタ1001を有する。本実施形態では、ユーザがポインタ1001を用いて画質調整を行いたい画素を指定することが出来る。その後、ユーザが指定した画素について、画質調整画面901を用いて、明度、彩度、または色相の調整を行う。
本実施形態では、ユーザがポインタ1001で指定した画素に対して、画面901において、彩度をΔC*in増加させる場合について説明する。ユーザが彩度のスライドバー902を増加させる方向に動かすと、画質調整部105は、ポインタ1001が指す画素が示す色相の彩度がユーザが指定しただけ増加したという内容の調整量106を設定部104に送る。
設定部104において、ユーザがポインタ1001で指定した画素の色相がhpであるとすると、明度がL*in、彩度がC*in、色相がhpである変換信号は、調整量106によって数式30のように補正変換信号(L*in'C*in'hp')に変換される。
Figure 2014072855
さらに、設定部104は、変換信号(L*in、C*in、hp)と補正変換信号(L*in'C*in'hp')のそれぞれについて知覚される明るさを算出する。ユーザがポインタ1001で指定した画素が表す色相hpの調整前の知覚される明るさB*in(L*in、C*in、hp)と、調整後の知覚される明るさB* in'(L*in、C*in、hp)は数式31のように算出される。
Figure 2014072855
さらに、ユーザがポインタ1001で指定した画素が表す色相hpの調整前後の知覚される明るさの比率Pを明度と彩度の値ごとに算出する。明度がL*in、彩度がC* inの時のユーザ調整による知覚される明るさの比率P(L* in ,C* in ,hp)は、数式32のように算出される。
Figure 2014072855
さらに、数式33に示すように、ユーザがポインタ1001で指定した画素が示す色相hpの調整前後の知覚される明るさの比率P(L*in ,C*in ,hp)を、明度と彩度が等しい全ての色相において共通に適用する比率とする。そこで、この比率を、Pmax(L*in ,C*in)として設定する。
Figure 2014072855
ここで、ユーザがポインタ1001で指定した画素は、ユーザの調整によって知覚される明るさが比率Pmax(L*in,C*in)だけ増加しているため、その他の色についても知覚される明るさに比率Pmax(L*in,C*in)を乗じることで、明度と彩度が等しい全ての色相間の知覚される明るさの比率を、ユーザが調整を行う前と同じにすることが出来る。
ここで、色相hinおいて、明度がL*in、彩度がC*inの時の知覚される明るさB*in(L*in,C*in,hin)に対して、比率Pmax(L*in,C*in)を乗じた時に知覚される明るさB*out(L*in,C*in,hin)は数式34のように算出される。
Figure 2014072855
更に、知覚される明るさB*in(L*in,C*in,hin)とB*out(L*in,C*in,hin)の差分ΔB*out(L*in,C*in,hin)は数式35のように算出される。
Figure 2014072855
代替的に、ΔB*out(L*in ,C*in ,hin)は、数式36のように、ユーザがポインタ1001で指定した画素の色相hpにおける知覚される明るさの差を設定しても良い。
Figure 2014072855
さらに、第1の実施形態と同様にして、知覚される明るさの差分ΔB*out(L*in, C*in, hin)から明度の補正量ΔL*outと彩度の補正量ΔC*outを補正量107として設定し、補正量107を調整部105と補正部108に送る。調整部105は補正量107に従って、調整画面302上の調整量の表示を自動的に変更する。補正部108は、補正量107に従って変換信号103を補正し、補正画像信号109を求め、表示部110に送る。表示部110は、表示画面に補正画像信号109を表示する。
以上、本実施の形態によれば、ユーザが明度、彩度、または色相を調整した際に、元画像の色相間の知覚される明るさの相対関係を維持するように、あるいは当該相対関係の変動を抑制するように、明度または彩度を色相毎に補正する。これによって、ユーザの所望する画質調整を行いつつ、色相間の知覚される明るさを維持した画像表示が可能となる。
[第4の実施形態:ユーザが色相毎に知覚される明るさを調整]
第4の実施形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施形態と全体的な構成は同様であり、調整部が異なっているため、調整部について詳細に説明する。
図11に、本実施形態に関わる表示部に表示された画像と画質調整画面を示す。本実施形態の画質調整画面は、第1の実施形態の画質調整画面302に加えて、色相毎の知覚される明るさを調整可能な画質調整画面1101を有する。ユーザは、図11に示す調整画面1101において、任意の色相の知覚される明るさを調整することが出来る。
本実施形態では、ユーザが画質調整画面1101において、赤の色相の知覚される明るさをΔB*in増加させる場合について説明する。ユーザが赤の色相の知覚される明るさのスライドバー1102を増加させる方向に動かすと、画質調整部105は、赤の色相の知覚される明るさがΔB*in増加したという内容の調整量106を設定部104に送る。赤の色相における明度L*in、彩度C*inに対するユーザの調整前後の知覚される明るさはそれぞれ数式37のように表される。
Figure 2014072855
さらに、ユーザによって調整された色相hin(R)の調整前後の知覚される明るさの比率Pを明度と彩度の値ごとに算出する。色相hin(R)において、明度がL*in、彩度がC*inの時のユーザ調整による知覚される明るさの比率P(L*in ,C*in ,hin(R))は、数式38のように算出される。
Figure 2014072855
さらに、数式39に示すように、ユーザによって調整された色相hin(R)の調整前後の知覚される明るさの比率P(L*in ,C*in ,hin(R))を、明度と彩度が等しい全ての色相において共通に適用する比率とする。そこで、この比率を、Pmax(L*in ,C*in)として設定する。
Figure 2014072855
ここで、色相hin(R)は、ユーザの調整によって知覚される明るさが比率Pmax(L*in,C*in)だけ増加している。このため、ユーザが画質の調整を行っていないその他の色相についても数式40に示すように知覚される明るさに比率Pmax(L*in,C*in)を乗じることで、明度と彩度が等しい全ての色相間の知覚される明るさの比率を、ユーザが調整を行う前と同じにすることが出来る。
ここで、色相hinおいて、明度がL*in、彩度がC*inの時の知覚される明るさB*in(L*in,C*in,hin)に対して、比率Pmax(L*in,C*in)を乗じた時に知覚される明るさB*out(L*in,C*in,hin)は数式40のように算出される。
Figure 2014072855
更に、知覚される明るさB*in(L*in,C*in,hin)とB*out(L*in,C*in,hin)の差分ΔB*out(L*in,C*in,hin)は数式41のように算出される。
Figure 2014072855
代替的に、知覚される明るさの差分ΔB*out(L*in,C*in,hin)は数式42のように、ユーザが調整した色相hin(R)における知覚される明るさの差を設定しても良い。
Figure 2014072855
さらに、第1の実施形態と同様にして、知覚される明るさの差分ΔB*out(L*in ,C*in ,hin)から明度の補正量ΔL*outと彩度の補正量ΔC*outを補正量107として設定し、補正量107を調整部105と補正部108に送る。調整部105は補正量107に従って、調整画面302上の調整量の表示を自動的に変更する。補正部108は、補正量107に従って変換信号103を補正し、補正画像信号109を求め、表示部110に送る。表示部110は、表示画面に補正画像信号109を表示する。
以上、本実施の形態によれば、ユーザが知覚される明るさを調整した際に、元画像の色相間の知覚される明るさの相対関係を維持するように、あるいは当該相対関係の変動を抑制するように、明度または彩度を色相毎に補正する。これによって、ユーザの所望する画質調整を行いつつ、色相間の知覚される明るさを維持した画像表示が可能となる。
[第5の実施形態:全色相一括で知覚される明るさを調整]
第5の実施形態について説明する。本実施の形態は、第4の実施形態と全体的な構成は同様であり、調整部が異なっているため、調整部について詳細に説明する。
図12に、本実施形態に関わる表示部に表示された画像と画質調整画面を示す。本実施形態の画質調整画面は、第4の実施形態の画質調整画面302、1101に加えて、全色相の知覚される明るさを一括して調整可能な画質調整画面1201を有する。
本実施形態では、ユーザが画質調整画面1201において、全色相を一括して知覚される明るさをΔB*in増加させる場合について説明する。ユーザが全色相を一括して制御する知覚される明るさのスライドバー1102を増加させる方向に動かすと、画質調整部105は、全色相の知覚される明るさがΔB*in増加したという内容の調整量106を設定部104に送る。
次に、色相hinにおいて、明度L*in、彩度C*inに対するユーザの調整前後の知覚される明るさはそれぞれ数式43のように表される。
Figure 2014072855
さらに、全色相の調整前後の知覚される明るさの比率Pを明度と彩度の値ごとに算出する。色相hinにおいて、明度がL*in、彩度がC*inの時のユーザ調整による知覚される明るさの比率P(L*in ,C*in ,hin)は、数式44のように算出される。
Figure 2014072855
さらに、数式45に示すように、全色相の調整前後の知覚される明るさの比率P(L*in ,C*in ,hin)の中で値が最大となる色相の比率を、明度と彩度が等しい全ての色相における知覚される明るさの比率の最大値Pmax(L*in ,C*in)として設定する。ここでは最大値を採用したが、最小値、平均値、中央値など、最小値から最大値の間の代表値でもよい。
Figure 2014072855
Helmholtz-Kohlrausch効果は、色相によってその効果の度合いが異なり、例えば赤やマゼンタ色はより明るく見える効果が大きいが、黄色や緑色はより明るく見える効果は小さい。従って、知覚される明るさの比率P(L*in ,C*in ,hin)の値は色相に依って異なる値をとり、全色相中で最大となる値をPmax(L*in ,C*in)と設定する。ここで、色相hinおいて、明度がL*in、彩度がC*inの時の知覚される明るさB*in(L*in,C*in,hin)に対して、比率Pmax(L*in,C*in)を乗じた時に知覚される明るさB*out(L*in,C*in,hin)は数式46のように算出される。
Figure 2014072855
更に、知覚される明るさB*in(L*in,C*in,hin)とB*out(L*in,C*in,hin)の差分ΔB*out(L*in,C*in,hin)は数式47のように算出される。
Figure 2014072855
代替的に、知覚される明るさの差分ΔB*out(L*in,C*in,hin)として、知覚される明るさの調整量ΔB*inを設定しても良い。
さらに、第1の実施形態と同様にして、知覚される明るさの差分ΔB*out (L*in ,C*in ,hin)から明度の補正量ΔL*outと彩度の補正量ΔC*outを補正量107として設定し、補正量107を調整部105と補正部108に送る。調整部105は補正量107に従って、調整画面302上の調整量の表示を自動的に変更する。補正部108は、補正量107に従って変換信号103を補正し、補正画像信号109を求め、表示部110に送る。表示部110は、表示画面に補正画像信号109を表示する。
以上、本実施の形態によれば、ユーザが知覚される明るさを調整した際に、元画像の色相間の知覚される明るさの相対関係を維持するように、あるいは当該相対関係の変動を抑制するように、明度または彩度を色相毎に補正する。これによって、ユーザの所望する画質調整を行いつつ、色相間の知覚される明るさを維持した画像表示が可能となる。
[第6の実施形態:ユーザが画素と知覚される明るさを指定]
第6の実施形態について説明する。本実施の形態は、第5の実施形態と全体的な構成は同様であり、調整部が異なっているため、調整部について詳細に説明する。
図13に、本実施形態に関わる表示部に表示された画像と画質調整画面を示す。本実施形態の画質調整画面は、画質調整画面302、1101、1201に加えて、画面上の任意の画素を指定することが出来るポインタ1301を有する。本実施形態では、ユーザがポインタ1301を用いて画質調整を行いたい画素を指定することが出来る。その後、ユーザが指定した画素について、画質調整画面1201を用いて、知覚される明るさの調整を行う。
本実施形態では、ユーザがポインタ1301で指定した画素に対して、画面1201において、知覚されるをΔB*in増加させる場合について説明する。ユーザが明るさのスライドバーを増加させる方向に動かすと、画質調整部105は、ポインタ1301が指す画素が示す色相の明るさがΔB*in増加したという内容の調整量106を設定部104に送る。
設定部104において、ユーザがポインタ1301で指定した画素の色相がhpであるとすると、明度がL*in、彩度がC*in、色相がhpである変換信号の調整前の知覚される明るさB*inと、調整後の知覚される明るさB*in'は数式48のように算出される。
Figure 2014072855
さらに、ユーザがポインタ1301で指定した画素が表す色相hpの調整前後の知覚される明るさの比率Pを明度と彩度の値ごとに算出する。明度がL*in、彩度がC*inの時のユーザ調整による知覚される明るさの比率P(L*in ,C*in ,hp)は、数式49のように算出される。
Figure 2014072855
さらに、数式50に示すように、ユーザがポインタ1301で指定した画素の色相hpの調整前後の知覚される明るさの比率P(L*in ,C*in ,hp)を、明度と彩度が等しい全ての色相において共通に適用する比率とする。そこで、この比率を、Pmax(L*in ,C*in)として設定する。
Figure 2014072855
ここで、ユーザがポインタ1301で指定した画素は、ユーザの調整によって知覚される明るさが比率Pmax(L*in,C*in)だけ増加しているため、その他の色相についても知覚される明るさに比率Pmax(L*in,C*in)を乗じることで、明度と彩度が等しい全ての色相間の知覚される明るさの比率を、ユーザが調整を行う前と同じにすることが出来る。
ここで、色相hinおいて、明度がL*in、彩度がC*inの時の知覚される明るさB*in(L*in,C*in,hin)に対して、比率Pmax(L*in,C*in)を乗じた時に知覚される明るさB*out(L*in,C*in,hin)は数式51のように算出される。
Figure 2014072855
更に、知覚される明るさB*in(L*in,C*in,hin)とB*out(L*in,C*in,hin)の差分ΔB*out(L*in,C*in,hin)は数式52のように算出される。
Figure 2014072855
代替的に、知覚される明るさの差分ΔB*out(L*in,C*in,hin)は数式53のように、ユーザがポインタ1301で指定した画素の知覚される明るさの差ΔB*inを設定しても良い。
Figure 2014072855
さらに、第1の実施形態と同様にして、知覚される明るさの差分ΔB*out(L*in ,C*in ,hin)から明度の補正量ΔL*outと彩度の補正量ΔC*outを補正量107として設定し、補正量107を調整部105と補正部108に送る。調整部105は補正量107に従って、調整画面302上の調整量の表示を自動的に変更する。補正部108は、補正量107に従って変換信号103を補正し、補正画像信号109を求め、表示部110に送る。表示部110は、表示画面に補正画像信号109を表示する。
以上、本実施の形態によれば、ユーザが知覚される明るさを調整した際に、元画像の色相間の知覚される明るさの相対関係を維持するように、あるいは当該相対関係の変動を抑制するように、明度または彩度を色相毎に補正する。これによって、ユーザの所望する画質調整を行いつつ、色相間の知覚される明るさを維持した画像表示が可能となる。
[第7の実施形態:基準色域がパネル色域と異なる場合]
第7の実施形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施形態と全体的な構成は同様であるため、第1の実施例との差分について詳細に説明する。
図14に本実施形態における画像表示装置の構成を示す。本実施の形態では、第1の実施形態に加えて色域情報保持部1401を有する。本実施の形態では、ITU-R BT.709など規格化された色再現域を基準色再現域として、基準色再現域における色相間の知覚される明るさの相対関係が画像表示部に表示した際も維持できるように、各色相の彩度または明度を補正する。本実施の形態では、ITU-R BT.709で定められた色再現域を基準色再現域とする場合について説明する。
変換部102は、色域情報保持部から基準色再現域であるBT.709の色域情報を受け取り、入力画像信号101からBT.709で定められた色再現域に基づいて変換された三刺激値(X709、Y709、Z709)と、画像表示部の色再現域に基づいて変換された三刺激値(Xd、Yd、Zd)を数式54に従って求める。
Figure 2014072855
ここで、Mは画像表示部の色再現域に基づいた3×3の色変換マトリックスで、LはITU-R BT.709で定められる色再現域に基づいた3×3の色変換マトリックスを示す。Lは、色域情報保持部1401に保持されている。なお、Mは、変換部102内に保持さているか、変換部102がアクセス可能な記憶部に保持されている。
変換部はさらに、(X709、Y709、Z709)、(Xd、Yd、Zd)から、CIEL*a*b*空間の明度、彩度、色相(L*709、C*709、h709)、(L*d、C*d、hd)を求める。XYZ三刺激値からCIEL*a*b*空間の明度、彩度、色相への変換は第1の実施形態と同じであるため、算出方法の説明は省略する。
画質調整部は105は、第1の実施形態と同様に色相毎に明度、彩度、または色相の調整量を調整可能であり、ユーザが調整した調整量106を設定部104に送る。本実施の形態では、ユーザは赤の色相の彩度をΔC*in調整した場合について説明する。
設定部104ではまず、調整量ΔC*inを反映させて画像表示部に表示させた画像の赤の色相の知覚される明るさB*d' (L*d, C*d, hd(R))と基準色再現域であるBT.709の色再現域における知覚される明るさB*709(L*709, C*709, h709(R))はそれぞれ数式55のように算出される。
Figure 2014072855
赤の色相における基準色域BT.709の知覚される明るさと調整量ΔC*inを反映させた表示画面上での知覚される明るさの比率P(L*709, C*709, h709(R))は数式56のように表される。
Figure 2014072855
また、ユーザが彩度を調整した赤以外の任意の色相h709については、基準色域BT.709の知覚される明るさと表示画面上での知覚される明るさの比率P(L*709, C*709, h709)は数式57のように表される。
Figure 2014072855
ここで、数式58に示すように、基準色域BT.709の知覚される明るさと表示画面上で調整量ΔC*inを反映させた知覚される明るさとの比率P(L*709 ,C*709 ,h709)について、ユーザが彩度を調整した赤を含めた全色相中の最大値をPmax(L*709 ,C*709)として設定する。ここでは最大値を採用したが、最小値、平均値、中央値など、最小値から最大値の間の代表値でもよい。
Figure 2014072855
基準色域BT.709の色再現域と調整量ΔC*inを反映させた表示画面の色再現域で、色相間の知覚される明るさの相対関係が同じになるように、色相h709において、明度がL*709、彩度がC*709の時の知覚される明るさB*709(L*709,C*709,h709)に対して比率Pmax(L*709,C*709)を乗じた時に知覚される明るさB*out(L*709,C*709,h709)を数式59のように算出する。
Figure 2014072855
更に、知覚される明るさB*709(L*709,C*709,h709)と、B*out(L*709,C*709,h709)の差分ΔB*out(L*709,C*709,h709)は数式60のように算出される。
Figure 2014072855
代替的に、知覚される明るさの差分ΔB*out(L*709,C*709,h709)は数式61のように、ユーザが調整した色相h709(R)における知覚される明るさの差を設定しても良い。
Figure 2014072855
さらに、第1の実施形態と同様にして、知覚される明るさの差分ΔB*out(L*709 ,C*709 ,h709)から明度の補正量ΔL*outと彩度の補正量ΔC*outを補正量107として設定し、補正量107を調整部105と補正部108に送る。調整部105は補正量107に従って、調整画面302上の調整量の表示を自動的に変更する。補正部108は、補正量107に従って変換信号103である(L*709、C*709、h709)を補正し、補正画像信号109を求め、表示部110に送る。表示部110は、表示画面に補正画像信号109を表示する。
以上、本実施の形態によれば、ユーザが明度、彩度、または色相を調整した際に、元画像の色相間の知覚される明るさの相対関係を維持するように、あるいは当該相対関係の変動を抑制するように、明度または彩度を色相毎に補正する。これによって、ユーザの所望する画質調整を行いつつ、色相間の知覚される明るさを維持した画像表示が可能となる。
[第8の実施形態:基準色域がパネル色域と異なる場合]
第8の実施形態について説明する。図15に本実施形態における画像表示装置の構成を示す。本実施の形態の画像表示装置100は、第7の実施形態に対して画質調整部105を有していない点が異なる。本実施の形態では、画質調整部105は無く、ユーザによる画質の調整は行わず、規格化された基準色再現域における色相間の知覚される明るさの相対関係が、画像表示部に表示した際も維持できるように、各色相の彩度または明度を補正する。本実施の形態では、ITU-R BT.709で定められた色再現域を基準色再現域とする場合について説明する。
変換部102は、色域情報保持部1401から基準色再現域であるBT.709の色域情報1402を受け取る。変換部102は、入力画像信号101から、BT.709で定められた色再現域と画像表示部の色再現域とのそれぞれに基づいて変換された明度、彩度、色相である(L*709、C*709、h709)と(L*d、C*d、hd)を求める。変換部102は、 (L*709、C*709、h709)と(L*d、C*d、hd)を、変換信号103として設定部104に送る。明度、彩度、色相への変換は第7の実施形態と同じであるため、算出方法の説明は省略する。
設定部104ではまず、入力画像信号値(Rin, Gin, Bin)を画像表示部に表示させた時の知覚される明るさB*d (L*d、C*d、hd)と、基準色再現域であるBT.709の色再現域における知覚される明るさB*709(L*709、C*709、h709)を、それぞれ数式62のように算出する。
Figure 2014072855
基準色域BT.709の知覚される明るさと表示画面上での知覚される明るさの比率P(L*709、C*709、h709)は数式63のように表される。
Figure 2014072855
ここで、数式64に示すように、基準色域BT.709の知覚される明るさと表示画面上の知覚される明るさとの比率P(L*709、C*709、h709)について、全色相中の最大値をPmax(L*709 ,C*709)として設定する。ここでは最大値を採用したが、最小値、平均値、中央値など、最小値から最大値の間の代表値でもよい。
Figure 2014072855
基準色域BT.709の色再現域と表示画面の色再現域で、色相間の知覚される明るさの相対関係が同じになるように、色相h709において、明度がL*709、彩度がC*709の時の知覚される明るさB*709(L*709,C*709,h709)に対して比率Pmax(L*709,C*709)を乗じた時に知覚される明るさB*out(L*709,C*709,h709)を数式65のように算出する。
Figure 2014072855
更に、知覚される明るさB*709(L*709,C*709,h709)と、B*out(L*709,C*709,h709)の差分ΔB*out(L*709,C*709,h709)は数式66のように算出される。
Figure 2014072855
代替的に、ΔB*out(L*709,C*709,h709)は、数式62で求めたB*d (L*d、C*d、hd)とB*709(L*709、C*709、h709)との差分ΔB*709(L*709、C*709、h709)を数式67のように算出し、数式68のように差分ΔB*709(L*709 ,C*709 ,h709)の全色相中の最大値をΔB*out(L*709 ,C*709 ,h709)と設定してもよい。ここでは最大値を採用したが、最小値、平均値、中央値など、最小値から最大値の間の代表値でもよい。
Figure 2014072855
さらに、第1の実施形態と同様にして、知覚される明るさの差分ΔB*out(L*709 ,C*709 ,h709)から明度の補正量ΔL*outと彩度の補正量ΔC*outを補正量107として設定し、補正量107を補正部108に送る。補正部108は、補正量107に従って変換信号103である(L*709、C*709、h709)を補正し、補正画像信号109を求め、表示部110に送る。表示部110は、表示画面に補正画像信号109を表示する。
以上、本実施の形態によれば、表示画面の色再現域における色相間の知覚される明るさの相対関係が基準色域における色相間の知覚される明るさの相対関係と同じになるように明度または彩度を色相毎に補正することによって、色再現域の異なる表示装置に対しても、基準色再現域の色相間の知覚される明るさの相対関係を維持した画像表示が可能となる。
[第9の実施形態:基準色域がパネル色域と異なる場合]
第9の実施形態について説明する。図16に本実施形態における画像表示装置の構成を示す。本実施の形態の画像表示装置100は、LUT保持部1601と補正部108と表示部110を有する。
第8の実施形態において、入力画像信号値(Rin, Gin, Bin)に対して知覚される明るさの補正量ΔB*out(L*709,C*709,h709)に従って補正した補正画像信号値を(Rout, Gout, Bout)と表すとする。第8の実施形態では、ユーザによる画質の調整が無いため、基準色域情報(具体的には変換マトリクスM)と、表示画面の色域情報(具体的には変換マトリクスL)がわかれば、入力画像信号値(Rin, Gin, Bin)に対する明るさの補正量ΔB*out(L*709,C*709,h709)は一意に定まり、さらには補正画像信号値 (Rout, Gout, Bout)が一意に求められる。
そこで、基準色域情報と表示画面の色域情報から、あらかじめ入力画像信号値(Rin, Gin, Bin)に対する補正画像信号値(Rout, Gout, Bout)を算出し、(Rin, Gin, Bin)と(Rout, Gout, Bout)の関係をLUTに保持しておく。そして、LUTを参照することで、入力画像信号値(Rin, Gin, Bin)から補正画像信号値(Rout, Gout, Bout)を直接算出する。
ここで、とり得る全ての入力画像信号値(例えばRGB各サブピクセルが8ビットで表現される場合は256×256×256通りの信号値)に対してすべて補正画像信号値を算出し、それらの対応関係を保持したLUTを使用して補正画像信号値を求めても良い。あるいは,入力画像信号値の代表値とそれに対応する補正画像信号値の対応関係を保持したLUTを用意し、LUTを参照して得られた複数の補正画像信号値を補間することで最終的な補正画像信号値を求めても良い。
入力画像信号値から補正画像信号値を求める処理内容については第8の実施形態と同様であるため、補正画像信号値算出の詳細な説明については省略する。本実施の形態は、補正画像信号値を演算で求める第8の実施形態に対して、あらかじめ用意したLUTを参照することで補正画像信号値を求めることが違いである。
補正部108は、LUT1602を参照して入力画像信号101から補正画像信号109を算出し、表示部110に送る。表示部110は表示画面に補正画像信号109を表示する。
以上、本実施の形態によれば、入力画像に対して、知覚される明るさを補正した補正画像情報をLUTに予め保持しておくことで、複雑な処理を行うことなく、色再現域の異なる表示装置に対しても、基準色再現域の色相間の知覚される明るさの相対関係を維持した画像表示が可能となる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。

Claims (10)

  1. 入力画像の色相のうちの1つの色相について明度および彩度の少なくとも一方を補正量に従って補正した場合に、明度と彩度に基づいて定まる評価値の前記色相間の相対関係が補正の前後で変動するのを抑制するように、前記1つの色相以外の色相について明度および彩度の少なくとも一方の補正量を定める設定手段と、
    前記入力画像の色相毎に、前記補正量に従って前記明度および彩度の少なくとも一方を補正した補正画像を算出する補正手段と、
    前記補正画像を表示する表示部と
    を備えた画像表示装置。
  2. 前記評価値は、明度と彩度に基づいて定義された明るさを表す
    請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記設定手段は、前記明度と前記彩度の組ごとに、前記色相間で前記明るさの相対関係の変動を抑制するように前記補正量を定め、
    前記補正手段は、前記色相毎に、前記明度と前記彩度の値に応じた前記補正量を用いる
    請求項2に記載の画像表示装置。
  4. 前記設定手段は、
    前記入力画像の2つ以上の色相についてそれぞれの補正量で明度または彩度を補正した場合の明るさと、補正前の明るさとの差分をそれぞれ算出し、
    前記明るさの差分の代表値に基づき、前記色相毎に前記明度および彩度の少なくとも一方の補正量を決定する
    請求項2または3に記載の画像表示装置。
  5. 前記設定手段は、前記表示部で再現可能な第1色再現域における前記補正画像の色相毎の明るさの相対関係が、前記第1色再現域と異なる第2色再現域における前記入力画像の色相毎の明るさの相対関係から変動するのを抑制するように、前記補正量を決定する
    請求項2ないし4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  6. 少なくとも1つの色相について明度または彩度または明るさの調整をユーザにより指定可能な調整画面を前記表示部に表示する調整手段をさらに備え、
    前記設定手段は、前記ユーザにより指定された調整量に基づき、前記1つの色相の明度または彩度の補正量を決定する
    請求項2または3に記載の画像表示装置。
  7. 前記調整手段は、前記設定手段により決定された前記1つの色相以外の色相の補正量に応じた調整量を表す情報を前記調整画面に表示する
    請求項6に記載の画像表示装置。
  8. 前記1つの色相は、前記入力画像上でユーザにより指定された任意の画素の色相である
    請求項6または7に記載の画像表示装置。
  9. 前記設定手段は、
    2つ以上の色相に対して指定された調整量に応じた補正量で、前記入力画像の前記複数の色相の明度または彩度を補正した場合の補正前との明るさの差分を前記2つ以上の色相毎に算出し、
    前記明るさの差分の代表値に基づき、前記入力画像の色相毎の前記補正量を決定する
    請求項6ないし8のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  10. 前記設定手段は、前記表示部で再現可能な第1色再現域における前記補正画像の色相毎の明るさの相対関係が、前記第1色再現域と異なる第2色再現域における前記入力画像の色相毎の明るさの相対関係から変動するのを抑制するように、前記色相毎の補正量を決定する
    請求項6ないし8のいずれか一項に記載の画像表示装置。
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