JP2014072763A - 無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 無線通信装置が外部装置と対象データの無線通信を適切に実行するための技術を開示すること。
【解決手段】 MFP10は、MFP10と携帯端末50との間にWFD方式に従った接続C1が確立されている状況で、WFD接続操作が加えられる場合に、接続C1が確立されている状態を維持しながら、MFP10と携帯端末50との間に通常Wi−Fi方式に従った接続C2を確立する。MFP10は、接続C2が確立された後に、接続C1を切断する。MFP10は、さらに、接続C1が切断された後に、MFP10と携帯端末100との間にWFD方式に従った接続C3を確立し、接続C3を利用して、携帯端末100から印刷データを受信する。
【選択図】図6

Description

本明細書では、外部装置と対象データの無線通信を実行するための無線通信装置を開示する。
非特許文献1には、WFD(Wi-Fi Directの略)方式に従った無線通信に関する技術が開示されている。WFD方式では、一対の無線通信装置は、新たな無線ネットワークを形成すべき際に、G/O(Group Ownerの略)ネゴシエーションと呼ばれる無線通信を実行する。これにより、一方の無線通信装置が無線ネットワークのG/O機器として動作すると共に、他方の無線通信装置が無線ネットワークのクライアント機器として動作すべきことが決定される。
特開2010−288208号公報
「Wi−Fi Peer−to−Peer(P2P) Technical Specification Version1.1」、Wi−Fi Alliance、2010年
本明細書では、無線通信装置が外部装置と対象データの無線通信を適切に実行するための技術を開示する。
本明細書によって開示される無線通信装置は、第1の接続部と、第2の接続部と、切断部と、を備える。第1の接続部は、第1の外部装置と無線通信装置との間に、第1の無線通信方式に従った第1の接続を確立する。第2の接続部は、第1の接続が確立されている第1の状況で、第1の外部装置とは異なる第2の外部装置と対象データの無線通信を実行するための特定の指示が与えられる第1の場合に、第1の接続が確立されている状態を維持しながら、第1の外部装置と無線通信装置との間に、第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式に従った第2の接続を確立する。切断部は、第2の接続が確立された後に、第1の接続を切断する。第1の接続部は、さらに、第1の接続が切断された後に、第2の外部装置と無線通信装置との間に、第1の無線通信方式に従った第3の接続を確立し、第3の接続を利用して、第2の外部装置と対象データの無線通信を実行する。
上記の構成によると、無線通信装置は、上記の第1の場合に、第1の接続が確立されている状態を維持しながら第2の接続を確立し、その後、第1の接続を切断する。従って、第1の外部装置と無線通信装置との間に接続が確立されていない期間が発生するのを抑制することができる。そして、無線通信装置は、第1の無線通信方式に従った第1の接続を切断するので、第1の無線通信方式に従った新たな接続を確立することができる。このために、無線通信装置は、第1の接続が切断された後に、第1の無線通信方式に従った第3の接続を確立し、第3の接続を利用して、第2の外部装置と対象データの無線通信を実行する。従って、無線通信装置は、第2の外部装置と対象データの無線通信を適切に実行することができる。
第1の接続部は、無線通信装置に割り当てられる第1のMACアドレスを利用して、第1の接続及び第3の接続のそれぞれを確立してもよい。第2の接続部は、無線通信装置に割り当てられる第2のMACアドレスを利用して、第2の接続を確立してもよい。第1のMACアドレスと第2のMACアドレスとは異なっていてもよい。この構成によると、無線通信装置は、第1及び第2のMACアドレスを利用して、各接続を適切に確立することができる。
第1の接続部は、特定の無線設定情報を利用して、第1の接続を確立してもよい。第2の接続部は、特定の無線設定情報と同じ無線設定情報を利用して、第2の接続を確立してもよい。この構成によると、無線通信装置は、第2の接続を適切に確立することができる。
第1の無線通信方式は、一対の機器の間に第1の無線通信方式に従った接続が確立されて、無線ネットワークが形成されるべき際に、一対の機器が無線ネットワークの親局及び子局を決定するための無線通信を実行する仕組みを有する方式であってもよい。第1の状況は、第1の外部装置が親局として動作し、かつ、無線通信装置が子局として動作する第1の無線ネットワークに、無線通信装置が所属するための第1の接続が確立されている状況であってもよい。この構成によると、無線通信装置は、無線通信装置自身が第1の無線ネットワークの子局として動作する第1の状況で、上記の特定の指示が与えられる第1の場合に、第2の外部装置と対象データの無線通信を適切に実行することができる。
第1の外部装置が子局として動作し、かつ、無線通信装置が親局として動作する第2の無線ネットワークに、無線通信装置が所属するための第1の接続が確立されている第2の状況で、特定の指示が与えられる第2の場合に、第2の接続部は、第2の接続を確立せず、切断部は、第1の接続を切断せず、第1の接続部は、第2の無線ネットワークに第2の外部装置を参加させるために、第2の外部装置と無線通信装置との間に、第1の無線通信方式に従った第4の接続を確立し、第4の接続を利用して、第2の外部装置と対象データの無線通信を実行してもよい。この構成によると、無線通信装置は、無線通信装置自身が第2の無線ネットワークの親局として動作する第2の状況で、上記の特定の指示が与えられる第2の場合に、第2の外部装置と対象データの無線通信を適切に実行することができる。
切断部は、さらに、対象データの無線通信が終了した後に、第3の接続を切断してもよい。第1の接続部は、さらに、第3の接続が切断された後に、第1の外部装置と無線通信装置との間に、第1の無線通信方式に従った第5の接続を確立してもよい。切断部は、さらに、第5の接続が確立された後に、第2の接続を切断してもよい。この構成によると、無線通信装置は、第1の無線通信方式に従った第3の接続を切断するので、第1の無線通信方式に従った新たな接続を確立することができる。このために、無線通信装置は、第3の接続が切断された後に、第1の無線通信方式に従った第5の接続を確立する。さらに、無線通信装置は、第5の接続が確立された後に、第2の接続を切断する。従って、第1の外部装置と無線通信装置との間に接続が確立されていない期間が発生するのを抑制することができる。しかも、無線通信装置は、無線通信装置自身の状態を、第1の外部装置と無線通信装置との間に、第1の無線通信方式に従った接続(即ち第5の接続)が確立されている状態に復帰させることができる。
特定の指示は、ユーザによって無線通信装置に特定の操作が加えられることによって、与えられてもよい。特定の指示は、第2の外部装置から、第1の無線通信方式に従った接続を確立するための接続要求を受信することによって、与えられてもよい。
第1の無線通信方式は、一対の機器の間に第1の無線通信方式に従った接続が確立されて、無線ネットワークが形成されるべき際に、一対の機器が無線ネットワークの親局及び子局を決定するための無線通信を実行する仕組みを有する方式であってもよい。第2の無線通信方式は、上記の仕組みを有さない方式であってもよい。
また、上記の無線通信装置を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、上記の無線通信装置、第1の外部装置、及び、第2の外部装置のうちの2個以上のデバイスを備える通信システムも、新規で有用である。
通信システムの構成を示す。 MFPの操作監視処理のフローチャートを示す。 MFPの受信監視処理のフローチャートを示す。 MFPの復帰処理のフローチャートを示す。 各デバイスによって実行される各処理のシーケンス図を示す。 図5のケースAの続きのシーケンス図を示す。 図6の続きのシーケンス図を示す。 図5のケースBの続きのシーケンス図を示す。 図5のケースAの続きのシーケンス図を示す。
(通信システム2の構成)
図1に示されるように、通信システム2は、AP(Access Pointの略)4と、PC(Personal Computerの略)6と、多機能機(以下では「MFP(Multi-Function Peripheralの略)」と呼ぶ)10と、複数個の携帯端末50,100と、を備える。
(MFP10の構成)
MFP10は、印刷機能及びスキャン機能を含む多機能を実行可能な周辺機器である。MFP10は、操作部12と、表示部14と、印刷実行部16と、スキャン実行部18と、無線LANインターフェース(以下ではインターフェースのことを「I/F」と記載する)20と、制御部30と、を備える。各部12〜30は、バス線(符号省略)に接続されている。
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をMFP10に与えることができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。印刷実行部16は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。スキャン実行部18は、CCD、CIS等のスキャン機構である。
無線LANI/F20は、無線通信を実行するためのインターフェースであり、物理的には1個のインターフェース(即ち1個のICチップ)である。ただし、無線LANI/F20には、WFD(Wi-Fi Directの略)方式に従った無線通信(以下では「WFD通信」と呼ぶ)で利用されるMACアドレス(以下では「WFDMAC」と呼ぶ)と、通常Wi−Fi方式に従った無線通信(以下では「通常Wi−Fi通信」と呼ぶ)で利用されるMACアドレス(以下では「通常Wi−FiMAC」と呼ぶ)と、の両方が割り当てられる。
具体的に言うと、無線LANI/F20には、通常Wi−FiMACが予め割り当てられている。制御部30は、通常Wi−FiMACを利用して、通常Wi−FiMACとは異なるWFDMACを生成して、WFDMACを無線LANI/F20に割り当てる。従って、制御部30は、通常Wi−FiMACを利用した通常Wi−Fi通信と、WFDMACを利用したWFD通信と、の両方を同時的に実行し得る。
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラムに従って、様々な処理(例えば後述の図2〜図4の各処理)を実行する。CPU32が上記のプログラムに従って処理を実行することによって、第1の接続部41、第2の接続部42、及び、切断部43の各機能が実現される。メモリ34は、ROM、RAM、ハードディスク等によって構成される。
(WFDと通常Wi−Fi)
上述したように、MFP10によって利用されるMACアドレスという観点では、WFD通信、WFD方式は、それぞれ、WFDMACが利用される無線通信、無線通信方式である。また、通常Wi−Fi通信、通常Wi−Fi方式は、それぞれ、通常Wi−FiMACが利用される無線通信、無線通信方式である。
(WFD)
WFD方式は、Wi−Fi Allianceによって作成された規格書「Wi−Fi Peer−to−Peer(P2P) Technical Specification Version1.1」に記述されている無線通信方式である。WFD方式は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば、802.11a,11b,11g,11n等)に従って、無線通信を実行するための無線通信方式である。
MFP10は、通常Wi−FiMACを利用する場合には、WFD方式に従って無線ネットワークに所属することができないが、WFDMACを利用する場合には、WFD方式に従って無線ネットワークに所属することができる。以下では、MFP10のように、WFD方式に従って無線ネットワークに所属することができる機器のことを「WFD対応機器」と呼ぶ。上記のWFDの規格書では、WFD対応機器の状態として、Group Owner状態(以下では「G/O状態」と呼ぶ)、クライアント状態(以下では「CL状態」と呼ぶ)、及び、デバイス状態の3つの状態が定義されている。WFD対応機器は、上記の3つの状態のうちの1つの状態で選択的に動作可能である。
デバイス状態の一対のWFD対応機器が無線ネットワークを新たに形成すべき際に、通常、当該一対のWFD対応機器は、G/Oネゴシエーションと呼ばれる無線通信を実行する。G/Oネゴシエーションでは、当該一対のWFD対応機器のうちの一方は、G/O状態(即ちG/O機器)になることを決定し、当該一対のWFD対応機器のうちの他方は、CL状態(即ちCL機器)になることを決定する。その後、当該一対のWFD対応機器は、接続を確立して、無線ネットワークを形成する。以下では、G/Oネゴシエーションの結果として形成される無線ネットワークのことを「WFDNW」と呼ぶ。
G/OネゴシエーションによってWFDNWが新たに形成された段階では、1個のG/O機器及び1個のCL機器のみがWFDNWに所属している。ただし、G/O機器は、他の機器と接続を確立して、当該他の機器をCL機器としてWFDNWに新たに参加させることができる。この場合、2個以上のCL機器がWFDNWに所属している状態になる。即ち、WFDNWでは、1個のG/O機器と1個以上のCL機器とが存在し得る。G/O機器は、1個以上のCL機器を管理する。具体的に言うと、G/O機器は、1個以上のCL機器のMACアドレスを、G/O機器のメモリ内の管理リストに登録する。また、G/O機器は、CL機器がWFDNWから離脱すると、CL機器のMACアドレスを管理リストから削除する。なお、G/O機器は、CL機器の数がゼロになると(即ち、管理リストに登録されているMACアドレスの数がゼロになると)、G/O状態からデバイス状態に移行して、WFDNWを消滅させる。
G/O機器は、管理リストに登録されているCL機器と、他の機器を介さずに、目的データの無線通信を実行可能である。目的データは、OSI参照モデルのネットワーク層の情報、及び、ネットワーク層よりも上位層(例えばアプリケーション層)の情報を含むデータであり、例えば、印刷データ、スキャンデータ等を含む。また、G/O機器は、複数個のCL機器の間の目的データの無線通信を中継可能である。換言すると、一対のCL機器は、G/O機器を介して、目的データの無線通信を実行可能である。
上述したように、WFDNWでは、目的データの送信元のWFD対応機器と、目的データの送信先のWFD対応機器と、の間で、これらのWFD対応機器とは別体に構成されているAP(例えばAP4)を介さずに、目的データの無線通信を実行することができる。即ち、WFD通信、WFD方式は、それぞれ、APを介さない無線通信、APが利用されない無線通信方式であると言える。なお、AP(例えばAP4)は、無線アクセスポイント、無線LANルータ等と呼ばれる通常のAPであり、WFD方式のG/O機器や通常Wi−Fi方式のいわゆるSoftAPとは異なる。
また、G/O機器は、目的データの無線通信をデバイス機器(即ちデバイス状態のWFD対応機器)と実行不可能であるが、接続を確立するための接続用データの無線通信をデバイス機器と実行可能である。即ち、G/O機器は、接続用データの無線通信をデバイス機器と実行することによって、デバイス機器と接続を確立して、デバイス機器をWFDNWに新たに参加させることができる。換言すると、デバイス機器は、接続用データの無線通信をG/O機器と実行することによって、G/O機器と接続を確立して、WFDNWに新たに参加することができる。この場合、デバイス機器は、デバイス状態からCL状態に移行する(即ち、CL機器としてWFDNWに参加する)。接続用データは、OSI参照モデルのネットワーク層よりも下位層(例えば、物理層、データリンク層)の情報を含むデータ(即ち、ネットワーク層の情報を含まないデータ)であり、例えば、Probe Request信号、Probe Response信号、Association Request信号、Association Response信号、Authentication Request信号、Authentication Response信号、4-Way Handshake信号等を含む。
また、G/O機器は、目的データの無線通信をWFD非対応機器と実行不可能であるが、接続用データの無線通信をWFD非対応機器と実行可能である。なお、WFD非対応機器は、WFD方式に従って無線ネットワークに所属することができないが、通常Wi−Fi方式に従って無線ネットワークに所属することができる機器である。G/O機器は、接続用データの無線通信をWFD非対応機器と実行することによって、WFD非対応機器と接続を確立して、WFD非対応機器をWFDNWに新たに参加させることができる。換言すると、WFD非対応機器は、接続用データの無線通信をG/O機器と実行することによって、G/O機器と接続を確立して、WFDNWに新たに参加することができる。WFD非対応機器は、3つの状態(即ち、G/O状態、CL状態、デバイス状態)のいずれかの状態で選択的に動作するものではないが、WFDNWに所属している間には、CL状態と同様の状態で動作する。
上述したように、G/O機器は、デバイス機器又はWFD非対応機器と接続を確立して、デバイス機器又はWFD非対応機器をWFDNWに新たに参加させることができる。しかしながら、CL機器は、G/O機器とは異なり、デバイス機器又はWFD非対応機器と接続を確立して、デバイス機器又はWFD非対応機器をWFDNWに新たに参加させることができない。
(通常Wi−Fi)
通常Wi−Fi方式は、Wi−Fi Allianceによって定められた無線通信方式であって、WFD方式とは異なる無線通信方式である。通常Wi−Fi方式は、WFD方式と同様に、IEEEの802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば、802.11a,11b,11g,11n等)に従って、無線通信を実行するための無線通信方式である。
ただし、上述したように、WFD方式は、通常、AP4を介さない無線通信を実行するための無線通信方式であるが、通常Wi−Fi方式は、通常、AP4を介して無線通信を実行するための無線通信方式である。また、WFD方式は、G/Oネゴシエーションの仕組みを有する無線通信方式であるが、通常Wi−Fi方式は、当該仕組みを有さない無線通信方式である。また、WFD方式は、3つの状態(即ち、G/O状態、CL状態、デバイス状態)のいずれの状態で選択的に動作することを許容する無線通信方式であるが、通常Wi−Fi方式は、このような選択的な動作を許容しない無線通信方式である。これらの点において、WFD方式と通常Wi−Fi方式とは異なる。
MFP10は、通常Wi−FiMACを利用して、AP4とMFP10との間に、通常Wi−Fi方式に従った接続を確立することができる。これにより、MFP10は、AP4によって形成されている無線ネットワーク(以下では「通常Wi−FiNW」と呼ぶ)に新たに参加することができる。この過程において、MFP10は、G/Oネゴシエーションを実行しないし、G/O状態又はCL状態で動作することを選択的に決定しない。MFP10は、通常Wi−FiNWに所属する他の機器(例えばPC6)と、AP4を介して、目的データの無線通信を実行することができる。なお、AP4は、AP4自身に接続されている各機器のMACアドレスを、AP4の管理リストに登録する。
(MFP10が無線ネットワークに所属するための手法)
上述したように、MFP10は、WFD方式又は通常Wi−Fi方式に従って、無線ネットワークに所属することができる。ここでは、MFP10が無線ネットワークに所属するための手法について、まとめておく。
(第1の手法;G/Oネゴシエーション)
MFP10がWFDMACを利用して無線ネットワークに所属していない状況では、MFP10は、WFD方式のデバイス状態である。ユーザは、デバイス状態のMFP10をWFD方式に従って無線ネットワークに所属させるためのWFD接続操作を、操作部12に加えることができる。即ち、ユーザは、操作部12を操作して、表示部14に表示される複数個の項目(例えば、「WFDの無線接続」、「通常Wi−Fiの無線接続」)の中から「WFDの無線接続」を選択する。この場合、MFP10は、SLS(Scan Listen Searchの略)を実行する。
SLSは、MFP10の周囲に存在する1個以上の機器(即ち、G/O機器、デバイス機器、及び、AP)を見つけるための無線通信であり、Scan処理と、Listen処理と、Search処理と、を含む。Scan処理は、Probe Request信号を送信してProbe Response信号を受信することによって、MFP10の周囲に存在するG/O機器及びAPを見つけるための処理である。Listen処理は、Probe Request信号を受信してProbe Response信号を送信することによって、MFP10の周囲に存在する機器にMFP10の存在を知らせるための処理である。Search処理は、Probe Request信号を送信してProbe Response信号を受信することによって、MFP10の周囲に存在するデバイス機器を見つけるための処理である。本手法のScan処理及びSearch処理では、Probe Request信号は、MFP10のWFDMACを送信元として含む。なお、SLSでは、通常、MFP10の周囲に存在するCL機器を見つけることはできない。
MFP10は、SLSで見つかった1個以上の機器に関する情報を示す機器リストを表示部14に表示させる。ユーザは、操作部12を操作して、機器リストの中からデバイス機器(以下では「対象デバイス機器」と呼ぶ)を選択する。この場合、MFP10は、WFDMACを送信元として含む接続要求(即ちAssociation Request信号)を対象デバイス機器に送信し、その後、対象デバイス機器とG/Oネゴシエーションを実行する。
G/Oネゴシエーションでは、MFP10は、MFP10のG/O優先度を示す情報を対象デバイス機器に送信すると共に、対象デバイス機器のG/O優先度を示す情報を対象デバイス機器から受信する。MFP10のG/O優先度は、MFP10がG/O状態になるべき程度を示す指標であり、MFP10において予め決められている。同様に、対象デバイス機器のG/O優先度は、対象デバイス機器がG/O状態になるべき程度を示す指標である。
MFP10は、MFP10のG/O優先度と対象デバイス機器のG/O優先度とを比較して、優先度が高い方の機器(MFP10又は対象デバイス機器)がG/O状態になることを決定し、優先度が低い方の機器(対象デバイス機器又はMFP10)がCL状態になることを決定する。対象デバイス機器は、MFP10と同じ手法を利用して、MFP10のG/O優先度と対象機器のG/O優先度とに基づいて、G/O状態及びCL状態を決定する。
G/Oネゴシエーションにおいて、MFP10がG/O状態になることが決定される場合には、MFP10は、対象デバイス機器と接続を確立してWFDNWを形成するが、それに先立って、当該WFDNWで利用されるべきWFD無線設定情報を準備して、WFD無線設定情報を対象デバイス機器に供給する。WFD無線設定情報は、認証方式、暗号化方式、パスワード、SSID(Service Set Identifierの略)、BSSID(Basic Service Set Identifierの略)等を含む。WFD無線設定情報に含まれる認証方式、暗号化方式、及び、パスワードは、WFDNWにおいて、認証及び暗号化のために利用される情報である。WFD無線設定情報に含まれるSSIDは、WFDNWを識別するためのネットワーク識別子である。WFD無線設定情報に含まれるBSSIDは、G/O機器のMACアドレスである。なお、以下では、無線設定情報のことを「WSI(Wireless Setting Informationの略)」と呼ぶ。
MFP10がG/O状態になることが決定される場合には、MFP10は、予め決められている認証方式及び暗号化方式を特定する。MFP10は、予め決められているパスワードを特定するか、あるいは、パスワードを新たに生成することによって、パスワードを準備する。MFP10は、予め決められているSSIDを特定するか、あるいは、SSIDを新たに生成することによって、SSIDを準備する。本実施例では、MFP10は、予め決められているWFDMACをBSSIDとして特定する。
MFP10がWFDWSIを対象デバイス機器に供給すれば、対象デバイス機器は、WFDWSIに従った認証の実行をMFP10に要求する(即ちAuthentication Request信号)。MFP10が認証を実行して、当該認証が成功すれば、MFP10と対象デバイス機器との間に接続が確立される。MFP10は、対象デバイス機器のMACアドレスを、MFP10の管理リストに登録する。これにより、MFP10は、G/O機器としてWFDNWに新たに所属し(即ち、WFDNWを新たに形成し)、対象デバイス機器は、CL機器としてWFDNWに新たに所属する。
一方において、G/Oネゴシエーションにおいて、MFP10がCL状態になることが決定される場合には、対象デバイス機器は、WFDWSIを準備して、WFDWSIをMFP10に供給する。MFP10は、対象デバイス機器からWFDWSIを取得して、WFDWSIに従った認証の実行を対象デバイス機器に要求する。対象デバイス機器が認証を実行して、当該認証が成功すれば、MFP10と対象デバイス機器との間に接続が確立される。対象デバイス機器は、MFP10のWFDMACを、対象デバイス機器の管理リストに登録する。これにより、対象デバイス機器は、G/O機器としてWFDNWに新たに所属し(即ち、WFDNWを新たに形成し)、MFP10は、CL機器としてWFDNWに新たに所属する。
(第2の手法;WFDMACを利用して既存のWFDNWに所属する)
上述したように、デバイス状態のMFP10は、WFD接続操作が操作部12に加えられると、機器リストを表示部14に表示させる。ユーザは、操作部12を操作して、機器リストの中からG/O機器(以下では「対象G/O機器」と呼ぶ)を選択する。この場合、MFP10は、G/Oネゴシエーションを実行せずに、CL状態になることを決定する。
MFP10は、WFDMACを送信元として含む接続要求(即ちAssociation Request信号)を対象G/O機器に送信する。この結果、MFP10は、対象G/O機器から、WFDNWで現在利用されているWFDWSIを取得して、WFDWSIに従った認証の実行を対象G/O機器に要求する。対象G/O機器が認証を実行して、当該認証が成功すれば、MFP10と対象G/O機器との間に接続が確立される。対象G/O機器は、MFP10のWFDMACを、対象G/O機器の管理リストに登録する。これにより、MFP10は、WFDMACを利用して、CL機器として既存のWFDNWに新たに所属する(即ち参加する)。
(第3の手法;通常Wi−FiMACを利用して既存の通常Wi−FiNWに所属する)
ユーザは、MFP10を通常Wi−Fi方式に従って無線ネットワークに所属させるための通常Wi−Fi接続操作を、操作部12に加えることができる。即ち、ユーザは、操作部12を操作して、表示部14に表示される複数個の項目の中から「通常Wi−Fiの無線接続」を選択する。この場合、MFP10は、上記のSLSのうちのScan処理のみを実行して(即ち、G/O機器及びAPを見つけるための処理を実行して)、機器リストを表示部14に表示させる。本手法のScan処理では、Probe Request信号は、MFP10の通常Wi−FiMACを送信元として含む。ユーザは、操作部12を操作して、機器リストの中からAP(以下では「対象AP」と呼ぶ)を選択する。この場合、MFP10は、WFD接続操作が実行される上記の第1及び第2の手法とは異なり、MFP10の状態(即ちG/O状態又はCL状態)を選択的に決定しない。
MFP10は、通常Wi−FiMACを送信元として含む接続要求(即ちAssociation Request信号)を対象AP(例えばAP4)に送信する。この結果、MFP10は、対象APから、通常Wi−FiNWで現在利用されている通常Wi−FiWSIを取得して、通常Wi−FiWSIに従った認証の実行を対象APに要求する。対象APが認証を実行して、当該認証が成功すれば、MFP10と対象APとの間に接続が確立される。対象APは、MFP10の通常Wi−FiMACを、対象APの管理リストに登録する。これにより、MFP10は、通常Wi−FiMACを利用して、既存の通常Wi−FiNWに新たに所属する(即ち参加する)。
なお、通常Wi−FiWSIは、対象APによって準備される無線設定情報であり、WFDWSIと同様に、認証方式、暗号化方式、パスワード、SSID、BSSID等を含む。これらの各情報は、通常Wi−FiNWで利用される点を除くと、WFDWSIに含まれる各情報と同様である。なお、通常Wi−FiWSIに含まれるBSSIDは、APのMACアドレスである。
上記の第1〜第3の手法では、MFP10は、WFDMACを利用してWFDNWに所属し、通常Wi−FiMACを利用して通常Wi−FiNWに所属する。即ち、上記の第1〜第3の手法は、MFP10が利用するMACアドレスの種類(WFDMAC、通常Wi−FiMAC)と、MFP10が所属する無線ネットワークの種類(WFDNW、通常Wi−FiNW)と、が一致する典型的なケースである。ただし、本実施例では、MFP10は、さらに、通常Wi−FiMACを利用して、WFDNWに所属することができる(以下の第4の手法)。
(第4の手法;通常Wi−FiMACを利用して既存のWFDNWに所属する)
MFP10は、通常Wi−Fi接続操作が操作部12に加えられると、上記の第3の手法と同様に、SLSのうちのScan処理のみを実行して、機器リストを表示部14に表示させる。本手法のScan処理では、Probe Request信号は、MFP10の通常Wi−FiMACを送信元として含む。ユーザは、操作部12を操作して、機器リストの中からG/O機器(以下では「対象G/O機器」と呼ぶ)を選択する。この場合、MFP10は、WFD接続操作が実行される第1及び第2の手法とは異なり、MFP10の状態(即ちG/O状態又はCL状態)を選択的に決定しない。
MFP10は、通常Wi−FiMACを送信元として含む接続要求を対象G/O機器に送信し、上記の第2の手法と同様に、対象G/O機器からWFDWSIを取得して、認証の実行を対象G/O機器に要求する。これにより、MFP10と対象G/O機器との間に接続が確立される。対象G/O機器は、MFP10の通常Wi−FiMACを、対象G/O機器の管理リストに登録する。これにより、MFP10は、通常Wi−FiMACを利用して、既存のWFDNWに新たに所属する(即ち参加する)。
上記の第4の手法では、MFP10は、ユーザによって通常Wi−Fi接続操作が加えられるにも関わらず、当該操作に対応する通常Wi−FiNWとは異なるWFDNWに所属することになる。ただし、MFP10は、ユーザによって機器リストから選択された機器(即ち対象G/O機器)と接続を確立して、WFDNWに所属する。従って、MFP10は、結局のところ、ユーザの意図に応じた無線ネットワーク(即ちWFDNW)に所属することができる。
(MFP10のメモリ34に記憶される情報)
MFP10のメモリ34は、MFP10がWFDMACを利用して無線ネットワークに所属している場合(例えば上記の第1及び第2の手法)には、WFDMACに対応付けて、WFD状態値と、WFDWSIと、を格納する。WFD状態値は、WFD方式に関するMFP10の現在の状態(即ちG/O状態又はCL状態)を示す値である。
メモリ34は、さらに、MFP10が通常Wi−FiMACを利用して無線ネットワークに所属している場合(例えば上記の第3及び第4の手法)には、通常Wi−FiMACに対応付けて、WSIを格納する。通常Wi−FiMACに対応付けられるWSIは、上記の第3の手法では通常Wi−FiWSIであり、上記の第4の手法ではWFDWSIである。
(携帯端末50,100の構成)
携帯端末50,100は、例えば、携帯電話(例えばスマートフォン)、PDA、ノートPC、タブレットPC、携帯型音楽再生装置、携帯型動画再生装置等の可搬型の端末装置である。携帯端末50,100のそれぞれは、MFP10と同様に、WFD通信と通常Wi−Fi通信とを実行可能である。
携帯端末50,100のそれぞれは、MFP10に機能(例えば印刷機能、スキャン機能等)を実行させるためのアプリケーション(以下では「MFP用アプリケーション」と呼ぶ)格納している。MFP用アプリケーションは、例えば、MFP10のベンダによって提供されるサーバから携帯端末50,100にインストールされてもよいし、MFP10と共に出荷されるメディアから携帯端末50,100にインストールされてもよい。
(MFP10によって実行される処理)
続いて、MFP10によって実行される処理の内容を説明する。本実施例では、上記のWFD接続操作が加えられる場合の処理(図2)と、後述の接続要求が受信される場合の処理(図3)と、を中心に説明する。従って、例えば、上記の通常Wi−Fi接続操作が加えられる場合の処理については、説明を省略する。
(MFP10によって実行される操作監視処理;図2)
例えば、携帯端末(例えば50,100)のユーザが、携帯端末に格納されているデータによって表される画像の印刷を望む状況を想定する。この場合、ユーザは、携帯端末とMFP10との間に接続を確立させるために、上記のWFD接続操作をMFP10の操作部12に加える。以下では、MFP10と接続が確立されるべき携帯端末のことを「対象携帯端末」と呼ぶ。
S10では、MFP10の制御部30は、WFD接続操作が操作部12に加えられることを監視している。制御部30は、WFD接続操作が操作部12に加えられると、S10でYESと判断して、S12に進む。
S12では、第1の接続部41は、MFP10の状態がデバイス状態であるのか否かを判断する。具体的に言うと、第1の接続部41は、WFDMACに対応付けられているWFD状態値(即ちG/O状態を示す値又はCL状態を示す値)がメモリ34に格納されていない場合には、MFP10の状態がデバイス状態であると判断し(S12でYES)、S14に進む。一方において、第1の接続部41は、WFDMACに対応付けられているWFD状態値がメモリ34に格納されている場合には、MFP10の状態がデバイス状態でないと判断し(S12でNO)、S20に進む。
S14では、第1の接続部41は、SLSを実行する。上述したように、第1の接続部41は、Probe Request信号を送信してProbe Response信号を受信することによって、MFP10の周囲に存在するG/O機器、デバイス機器、及び、AP4を見つけることができる。より具体的に言うと、Probe Response信号は、当該信号の送信元のMACアドレス、デバイス名等を含む。また、G/O機器又はAP4から受信されるProbe Response信号は、さらに、当該信号の送信元が形成している無線ネットワーク(WFDNW又は通常Wi−FiNW)のSSIDを含む。
S14では、第1の接続部41は、さらに、SLSで見つかった各機器の情報(SSID、デバイス名、MACアドレス等)を示す機器リストを生成して、機器リストを表示部14に表示させる。ユーザは、操作部12を操作して、機器リストの中から対象携帯端末を選択する。第1の接続部41は、対象携帯端末が選択されると、S16に進む。
S16では、第1の接続部41は、対象携帯端末に接続要求(即ちAssociation Request信号)を送信する。当該接続要求は、MFP10のWFDMACを送信元として含むと共に、S14のSLSで取得された対象携帯端末のMACアドレスを送信先として含む。
ユーザは、S14で表示される機器リストの中から対象携帯端末を選択した後に、さらに、対象携帯端末を操作してMFP用アプリケーションを起動させる。そして、ユーザは、MFP用アプリケーションの画面に従った印刷操作(以下では「接続印刷操作」と呼ぶ)を、対象携帯端末に加える。対象携帯端末は、接続印刷操作が加えられると、MFP10から接続要求を受信して、接続可能であることを示す情報を含む応答(即ちAssociation Response信号)をMFP10に送信する。
S16では、第1の接続部41は、さらに、対象携帯端末から応答を受信すると、対象携帯端末の状態に応じた処理を実行する。例えば、対象携帯端末がデバイス状態である場合(S16の(1)の場合)には、第1の接続部41は、G/Oネゴシエーションを対象携帯端末と実行して、MFP10がG/O状態になるのかCL状態になるのかを決定する。
第1の接続部41は、G/Oネゴシエーションの結果として、MFP10がG/O状態になることを決定する場合には、WFDWSIを準備する。WFDWSIを準備する手法は、上述のとおりである(例えば、MFP10のWFDMACをBSSIDとして準備する)。そして、第1の接続部41は、WPS(Wi-Fi Protected Setup)のいわゆるプッシュボタン方式(即ちPBC方式)に従った無線通信(即ちWPS通信)を対象携帯端末と実行して、WFDWSIを対象携帯端末に供給する。プッシュボタン方式は、いわゆるPINコード方式とは異なる方式であり、一対のデバイスのそれぞれに予め決められた操作が実行される場合に、当該一対のデバイスにおいてPINコードの表示及び入力がなされなくても、一方のデバイスから他方のデバイスにWSIを供給する(即ちWPS通信を実行する)ための方式である。本実施例では、上記の予め決められた操作は、MFP10でのWFD接続操作と、対象携帯端末での接続印刷操作と、に対応する。
なお、変形例では、WPSのPBC方式を採用せずに、AOSS(登録商標)、AOSS2、SES(Secure Easy Setupの略;登録商標)等を採用してもよい。これらのいずれも、WPSのPBC方式と同様の方式である。また、別の変形例では、WPSのPINコード方式が採用されてもよい。PINコード方式は、一方のデバイスにおいてPINコードが表示され、かつ、他方のデバイスに上記のPINコードが入力される場合に、一方(又は他方)のデバイスから他方(又は一方)のデバイスにWSIを供給する(即ちWPS通信を実行する)ための方式である。
次いで、第1の接続部41は、対象携帯端末から受信される認証要求(即ちAuthentication Request信号)に応じて、認証通信(即ち4-Way Handshake信号等の通信)を実行して、対象携帯端末の認証を実行する。これにより、第1の接続部41は、MFP10と対象携帯端末との間に、WFD方式に従った接続を確立する。そして、第1の接続部41は、対象携帯端末のMACアドレスを、MFP10の管理リストに登録する。これにより、MFP10は、WFDNWを新たに形成することができる。なお、第1の接続部41は、さらに、WFDMACに対応付けて、G/O状態を示すWFD状態値と、準備済みのWFDWSIと、をメモリ34に格納する。これらの各処理が終了すると、S40に進む。
一方において、第1の接続部41は、G/Oネゴシエーションの結果として、MFP10がCL状態になることを決定する場合には、WPS通信を実行して、対象携帯端末からWFDWSIを取得する。次いで、第1の接続部41は、認証要求(即ちAuthentication Request信号)を対象携帯端末に送信して、認証通信を実行する。この結果、第1の接続部41は、MFP10と対象携帯端末との間に、WFD方式に従った接続を確立する。そして、対象携帯端末の管理リストにWFDMACが登録される。これにより、MFP10は、対象携帯端末によって新たに形成されるWFDNWに所属することができる。なお、第1の接続部41は、さらに、WFDMACに対応付けて、CL状態を示すWFD状態値と、取得済みのWFDWSIと、をメモリ34に格納する。これらの各処理が終了すると、S40に進む。
また、S16が開始される時点で、対象携帯端末が既にG/O状態である場合(S16の(2)の場合)には、第1の接続部41は、G/Oネゴシエーションを実行せずに、MFP10がCL状態になることを決定する。そして、第1の接続部41は、WPS通信を実行して、対象携帯端末からWFDWSIを取得し、次いで、認証通信を実行する。この結果、第1の接続部41は、MFP10と対象携帯端末との間に、WFD方式に従った接続を確立する。これにより、対象携帯端末の管理リストにWFDMACが登録される。MFP10は、対象携帯端末が形成している既存のWFDNWに所属(即ち参加)することができる。なお、第1の接続部41は、さらに、WFDMACに対応付けて、CL状態を示すWFD状態値と、取得済みのWFDWSIと、をメモリ34に格納する。これらの各処理を終えると、S40に進む。
一方において、S20では、第1の接続部41は、MFP10の状態がCL状態であるのか否かを判断する。具体的に言うと、第1の接続部41は、メモリ34内のWFD状態値がCL状態を示す値である場合には、MFP10の状態がCL状態であると判断し(S20でYES)、S22に進む。一方において、第1の接続部41は、メモリ34内のWFD状態値がG/O状態を示す値である場合には、MFP10の状態がCL状態でない(即ちG/O状態である)と判断し(S20でNO)、S30に進む。
MFP10の状態がG/O状態である場合(S20でNO)には、MFP10は、G/O機器としてWFDNW(以下では「WFDNW(MFP=G/O)」と呼ぶ)に所属しており、対象携帯端末をWFDNW(MFP=G/O)に新たに参加させることができる。従って、後述のS30において、MFP10は、対象携帯端末をWFDNW(MFP=G/O)に新たに参加させるための処理を実行する。
一方において、MFP10の状態がCL状態である場合(S20でYES)には、MFP10は、CL機器としてWFDNW(以下では「WFDNW(MFP=CL)」と呼ぶ)に所属しており、対象携帯端末をWFDNW(MFP=CL)に新たに参加させることができない。WFDNW(MFP=CL)に対象携帯端末を新たに参加させる権限は、WFDNW(MFP=CL)を形成しているG/O機器(以下では「特定のG/O機器」と呼ぶ)のみに与えられるからである。このために、MFP10は、次のS22〜S26の処理を実行する。
S22では、第2の接続部42は、通常Wi−FiMACを利用して、通常Wi−Fi方式に従った接続を特定のG/O機器と確立する。具体的には、第2の接続部42は、まず、特定のG/O機器に接続要求(即ちAssociation Request信号)を送信する。当該接続要求は、MFP10の通常Wi−FiMACを送信元として含み、特定のG/O機器のMACアドレスを送信先として含む。なお、MFP10のメモリ34は、WFDMACに対応付けて、WFDNW(MFP=CL)で現在利用されているWSI(以下では「特定のWSI」と呼ぶ)を格納している。従って、第2の接続部42は、メモリ34内の特定のWSIに含まれるBSSID(即ち特定のG/O機器のMACアドレス)を取得して、特定のG/O機器のMACアドレスを送信先として含む接続要求を送信することができる。
メモリ34に特定のWSIが格納されているので、第2の接続部42は、特定のG/O機器から特定のWSIを取得しなくても(即ちWPS通信を実行しなくても)、認証要求を特定のG/O機器に送信して、上記の特定のWSIと同じWSIに従った認証通信を特定のG/O機器と実行することができる。このようにWPS通信を実行しなくてもよい状況では、特定のG/O機器にWFD接続操作が加えられなくても、MFP10と特定のG/O機器とは、認証通信を適切に実行することができる。そして、第2の接続部42は、MFP10の状態をG/O状態又はCL状態に選択的に決定することなく(即ち通常Wi−Fi方式に従って)、MFP10と特定のG/O機器との間に接続を確立する。これにより、特定のG/O機器の管理リストに通常Wi−FiMACが登録される。なお、第2の接続部42は、さらに、通常Wi−FiMACに対応付けて、上記の特定のWSIをメモリ34に格納する。
S22が実行されると、MFP10のWFDMAC及び通常Wi−FiMACの両方が、特定のG/O機器の管理リストに登録されている状態になる。換言すると、MFP10と特定のG/O機器との間に、WFD方式に従った接続(即ち、WFDMACが利用される接続)と、通常Wi−Fi方式に従った接続(即ち、通常Wi−FiMACが利用される接続)と、の両方が確立されている状態になる。さらに換言すると、MFP10が、WFD方式に従って(即ちWFDMACを利用して)、WFDNW(MFP=CL)に所属していると共に、通常Wi−Fi方式に従って(即ち通常Wi−FiMACを利用して)、WFDNW(MFP=CL)に所属している状態になる。なお、以下では、WFD方式に従った接続、通常Wi−Fi方式に従った接続を、それぞれ、「接続(WFD)」、「接続(通常Wi−Fi)」と呼ぶ。S22が終了すると、S24に進む。
S24では、切断部43は、MFP10と特定のG/O機器との間の接続(WFD)を切断する。具体的に言うと、切断部43は、WFDNW(MFP=CL)から離脱することを示す離脱信号を、特定のG/O機器に送信する。当該離脱信号は、WFDMACを送信元として含む。特定のG/O機器は、特定のG/O機器の管理リストから、離脱信号に含まれるWFDMACを削除する。これにより、MFP10と特定のG/O機器との間の接続(WFD)が切断される。そして、切断部43は、MFP10の状態をCL状態からデバイス状態に移行させる。即ち、切断部43は、WFDMACに対応付けてられているWFD状態値及び上記の特定のWSIを、メモリ34から削除する。
上述したように、WFDの規格では、G/O機器は、CL機器の数がゼロになると、G/O状態からデバイス状態に移行して、WFDNWを消滅させる。従って、仮に、WFDNW(MFP=CL)に所属しているCL機器がMFP10のみであり、かつ、上記のS22が実行されずにS24が実行されると、WFDNW(MFP=CL)が消滅してしまう。この場合、MFP10と特定のG/O機器とが、目的データ(例えば印刷データ)の通信を実行することができなくなる。そして、MFP10と特定のG/O機器との間に接続(WFD)を再び確立させるためには、ユーザが、MFP10と特定のG/O機器とのそれぞれにおいて、予め決められた操作を実行しなければならない。
このような事象が発生するのを避けるために、本実施例では、MFP10は、S22において、MFP10と特定のG/O機器との間に接続(通常Wi−Fi)を確立し、その後、S24において、MFP10と特定のG/O機器との間の接続(WFD)を切断する。S22が実行されると、特定のG/O機器の管理リストは、MFP10のWFDMAC及び通常Wi−FiMACの両方を含む。即ち、特定のG/O機器は、少なくとも2個のCL機器が存在していると認識することになる。従って、S24において、MFP10と特定のG/O機器との間の接続(WFD)が切断されても、特定のG/O機器は、少なくとも1個のCL機器が存在していると認識し、WFDNWを消滅させない。そして、MFP10と特定のG/O機器との間に接続(通常Wi−Fi)が確立されているので、MFP10と特定のG/O機器とは、目的データ(例えば印刷データ)の通信を実行することができる。本実施例では、MFP10は、S22及びS24の順序で処理を実行することによって、MFP10と特定のG/O機器との間に接続が確立されていない期間が発生するのを抑制し、この結果、特定のG/O機器によって形成されているWFDNWが消滅するのを避けることができる。
次いで、S26において、切断部43は、メモリ34内の復帰フラグの値を「0」から「1」に変更する。詳しくは後述するが、復帰フラグが「1」である場合には、制御部30は、印刷データの通信が終了した後に、復帰処理(S50、図4)において、S22が実行される前の状態(即ち、MFP10が、特定のG/O機器によって形成されているWFDNWに、CL状態で存在している状態)にMFP10を復帰させる。
S26が終了すると、上記のS14及びS16に進む。上述したように、S24において、MFP10がデバイス状態に移行するので、第1の接続部は、上記のS14及びS16を実行して、MFP10と対象携帯端末との間に接続(WFD)を確立することができる。
一方において、MFP10の状態がG/O状態である場合(S20でNO)には、S22〜S26が実行されずに、S30が実行される。ユーザは、例えば、MFP10の操作部12にWFD接続操作(S10)を加えた後に、対象携帯端末に接続印刷操作を加える。この場合、対象携帯端末は、SLSを実行して、機器リストを表示させる。当該機器リストは、G/O機器であるMFP10に関する情報を含む。ユーザは、機器リストからMFP10を選択する。これにより、対象携帯端末は、MFP10に接続要求(即ちAssociation Request信号)を送信する。
S30では、第1の接続部41は、対象携帯端末から接続要求を受信して、接続可能であることを示す情報を含む応答(即ちAssociation Response信号)を対象携帯端末に送信する。そして、第1の接続部41は、WPS通信を対象携帯端末と実行して、WFDNW(MFP=G/O)で現在利用されているWSI(即ち、WFDMACに対応付けられているメモリ34内のWSI)を対象携帯端末に供給する。次いで、第1の接続部41は、認証通信を実行して、対象携帯端末の認証を実行する。この結果、第1の接続部41は、MFP10と対象携帯端末との間に接続(WFD)を確立する。そして、第1の接続部41は、対象携帯端末のMACアドレスを、MFP10の管理リストに登録する。これにより、MFP10は、対象携帯端末をWFDNW(MFP=G/O)に参加させることができる。これらの各処理が終了すると、S40に進む。
S40では、第1の接続部41は、S16又はS30で確立された接続(WFD)を利用して、対象携帯端末から印刷データを受信する。なお、印刷データは、対象携帯端末に格納されているデータ(例えば、画像データ、ウェブデータ等)であって、ユーザによって印刷対象として指定されるデータである。
S42では、制御部30は、印刷データを印刷実行部16に供給する。これにより、印刷実行部16は、印刷データによって表される画像を印刷媒体に印刷する。対象携帯端末のユーザは、印刷済みの印刷媒体を取得することができる。S42が終了すると、S50の復帰処理(図4)に進む。S50の復帰処理が終了すると、図2のS10に戻る。
(復帰処理;図4)
図4に示されるように、S60において、制御部30は、メモリ34内の復帰フラグが「1」であるのか否かを判断する。制御部30は、メモリ34内の復帰フラグが「1」である場合には、S60でYESと判断して、S62に進み、メモリ34内の復帰フラグが「0」である場合には、S60でNOと判断して、S62〜S68をスキップして復帰処理を終了する。
上述したように、図2のS20でYESの場合(即ち、MFP10がCL状態である場合)には、MFP10は、MFP10と特定のG/O機器との間に接続(通常Wi−Fi)を新たに確立し(S22)、MFP10と特定のG/O機器との間の接続(WFD)を切断し(S24)、復帰フラグを「0」から「1」に変更し、MFP10と対象携帯端末との間に接続(WFD)を新たに確立する(S16)。S62〜S68では、制御部30は、図2のS22が実行される前の状態(即ち、MFP10が、特定のG/O機器によって形成されているWFDNWに、CL状態で存在している状態)にMFP10を復帰させる。
S62では、切断部43は、図2のS16で確立された接続(WFD)を切断する。具体的に言うと、切断部43は、WFDMACを送信元として含む離脱信号を対象携帯端末に送信する。これにより、MFP10と対象携帯端末との間の接続(WFD)が切断される。なお、図2のS16では、MFP10の状態がG/O状態又はCL状態に移行する。切断部43は、さらに、MFP10の状態をG/O状態又はCL状態からデバイス状態に移行させる。即ち、切断部43は、WFDMACに対応付けてられているWFD状態値及びWSIを、メモリ34から削除する。
S64では、第1の接続部41は、WFDMACを利用して、MFP10と特定のG/O機器との間に接続(WFD)を確立する。具体的には、第1の接続部41は、特定のG/O機器に接続要求を送信する。当該接続要求は、MFP10のWFDMACを送信元として含むと共に、特定のG/O機器のMACアドレスを送信先として含む。なお、MFP10のメモリ34は、通常Wi−FiMACに対応付けて、上記の特定のWSI(即ち、特定のG/O機器が形成しているWFDNWで利用されているWSI)を格納している(図2のS22)。従って、第1の接続部41は、メモリ34内の上記の特定のWSIに含まれるBSSID(即ち特定のG/O機器のMACアドレス)を取得して、特定のG/O機器のMACアドレスを送信先として含む接続要求を送信することができる。
上述したように、メモリ34に上記の特定のWSIが格納されているので、第1の接続部41は、WPS通信を実行しなくても、上記の特定のWSIに従った認証通信を特定のG/O機器と適切に実行することができる。第1の接続部41は、MFP10の状態をCL状態に決定して(即ちWFD方式に従って)、MFP10と特定のG/O機器との間に接続(WFD)を確立する。これにより、特定のG/O機器の管理リストにWFDMACが登録される。第1の接続部41は、さらに、WFDMACに対応付けて、CL状態を示すWFD状態値と、上記の特定のWSIと、をメモリ34に格納する。S64が実行されると、MFP10のWFDMACと通常Wi−FiMACとの両方が、特定のG/O機器の管理リストに登録されている状態になる。S64が終了すると、S66に進む。
S66では、切断部43は、MFP10と特定のG/O機器との間の接続(通常Wi−Fi)を切断する。具体的に言うと、切断部43は、通常Wi−FiMACを送信元として含む離脱信号を特定のG/O機器に送信する。特定のG/O機器は、特定のG/O機器の管理リストから、離脱信号に含まれる通常Wi−FiMACを削除する。これにより、MFP10と特定のG/O機器との間の接続(通常Wi−Fi)が切断される。切断部43は、さらに、通常Wi−FiMACに対応付けられている上記の特定のWSIを、メモリ34から削除する。
S68では、制御部30は、メモリ34内の復帰フラグを「1」から「0」に変更する。S68が終了すると、復帰処理が終了する。
上述したように、本実施例では、MFP10は、S64において、MFP10と特定のG/O機器との間に接続(WFD)を確立し、その後、S66において、MFP10と特定のG/O機器との間の接続(通常Wi−Fi)を切断する。MFP10は、S64及びS66の順序で処理を実行することによって、MFP10と特定のG/O機器との間の接続が確立されていない期間が発生するのを抑制し、この結果、特定のG/O機器によって形成されているWFDNWが消滅するのを避けることができる。
(MFP10によって実行される受信監視処理;図3)
図2のフローチャートでは、MFP10と対象携帯端末との間で接続要求の通信が実行される前に、MFP10にWFD接続操作が加えられる状況を想定している。これに対し、図3のフローチャートでは、MFP10にWFD接続操作が加えられる前に、MFP10と対象携帯端末との間で接続要求の通信が実行される状況を想定している。
対象携帯端末のユーザは、MFP10にWFD接続操作を加える前に、デバイス状態の対象携帯端末に接続印刷操作を加える。この場合、対象携帯端末は、SLSを実行して、MFP10に関する情報を含む機器リストを表示させる。上述したように、SLSでは、通常、G/O機器、デバイス機器、及び、APを見つけることができるが、CL機器を見つけることができない。ただし、対象携帯端末(即ちMFP用アプリケーション)は、CL機器を見つけることができる。即ち、対象携帯端末は、G/O機器を見つけることができると、当該G/O機器が管理しているCL機器に関する情報(MACアドレス、デバイス名等)を供給するように、当該G/O機器に要求する。対象携帯端末は、当該G/O機器からCL機器に関する情報を取得することによって、CL機器を見つけることができる。従って、仮に、MFP10がCL機器としてWFDNWに所属している状況でも、対象携帯端末は、MFP10を見つけることができる(即ち、MFP10のWFDMACを取得することができる)。
ユーザは、対象携帯端末に表示される機器リストから、MFP10を選択する。この場合、対象携帯端末は、MFP10に接続要求(即ちAssociation Request信号)を送信する。当該接続要求は、対象携帯端末のMACアドレスを送信元として含むと共に、MFP10のWFDMACを送信先として含む。
S110では、MFP10の制御部30は、MFP10のWFDMACを送信先として含む接続要求を受信することを監視している。制御部30は、接続要求を受信すると、S110でYESと判断して、S112に進む。
S112及びS120は、図2のS12及びS20と同様である。MFP10の状態がデバイス状態である場合(S112でYES)には、S116において、第1の接続部41は、MFP10の操作部12にWFD接続操作が加えられるまで待機する。そして、第1の接続部41は、WFD接続操作が加えられると、接続可能であることを示す情報を含む応答(即ちAssociation Response信号)を対象携帯端末に送信する。その後、G/Oネゴシエーション、WPS通信、及び、認証通信が実行される点は、図2のS16と同様である。S116が終了すると、S140に進む。
MFP10の状態がCL状態である場合(S120でYES)には、第2の接続部42及び切断部43は、図2のS22及びS24と同様に、S122及びS124を実行する。その後のS126及びS116は、図2のS26及びS16と同様である。
MFP10の状態がG/O状態である場合(S120でNO)には、S130において、第1の接続部41は、MFP10の操作部12にWFD接続操作が加えられるまで待機する。そして、第1の接続部41は、WFD接続操作が加えられると、接続可能であることを示す情報を含む応答を対象携帯端末に送信する。その後、WPS通信及び認証通信が実行される点は、図2のS30と同様である。S130が終了すると、S140に進む。
S140、S142、及び、S150は、図2のS40、S42、及び、S50と同様である。S150が終了すると、S110に戻る。
なお、図2〜図4のフローチャートには示していないが、図2のS20又は図3のS120でYESの段階で、MFP10とAP4との間に接続(通常Wi−Fi)が確立されている可能性がある。このような状況では、以下の(1)及び(2)のどちらが実行されてもよい。
(1)図2のS22又は図3のS122において、切断部43は、MFP10とAP4との間の接続(通常Wi−Fi)を切断し、その後、第2の接続部42は、MFP10と特定のG/O機器との間に接続(通常Wi−Fi)を確立する。そして、図4のS64において、第2の接続部42は、さらに、MFP10とAP4との間に接続(通常Wi−Fi)を再び確立する。
(2)制御部30は、図2のS20又は図3のS120でYESの場合に、以降の処理(即ち、図2のS22〜S26,S14,S16、又は、図3のS122〜S126,S116)を実行せずに、WFD方式に従った接続を確立することができないことを示すメッセージを、表示部14に表示させる。
(具体例)
続いて、図5〜図9を参照して、MFP10及び携帯端末50,100によって実現される具体例を説明する。図5〜図9は、MFP10が図2〜図4の各処理を実行することによって実現される。なお、以下では、MFP10がWFDMACを利用する状況では、「MFP(WFD)10」と表現し、MFP10が通常Wi−FiMACを利用する状況では、「MFP(通常Wi−Fi)10」と表現する。
(図5;G/Oネゴシエーション)
図5の初期状態では、MFP10及び携帯端末50,100は、それぞれ、デバイス状態である。携帯端末50のユーザは、MFP10に印刷を実行させることを望む場合に、MFP10の操作部12にWFD接続操作を加える(図2のS10でYES)。この場合、MFP(WFD)10は、SLSを実行して、機器リストを表示させる(S12でYES、S14)。
ユーザは、MFP10の操作部12を操作して、機器リストから携帯端末50を選択する。この場合、MFP(WFD)10は、WFDMACを送信元として含む接続要求を、携帯端末50に送信する(S16)。ユーザは、さらに、携帯端末50に接続印刷操作を加える。この場合、携帯端末50は、MFP(WFD)10から接続要求を受信して、接続可能であることを示す応答をMFP(WFD)10に送信する。この結果、MFP(WFD)10は、G/Oネゴシエーションを携帯端末50と実行する(S16)。
図5のケースAは、G/Oネゴシエーションの結果として、MFP(WFD)10がCL状態になると共に携帯端末50がG/O状態になるケースである。携帯端末50は、SSID「a1」、パスワード「b1」等を含むWSIを準備する(S16)。MFP(WFD)10は、WPS通信を実行して、携帯端末50からWSIを取得する(S16)。次いで、MFP(WFD)10は、認証通信を携帯端末50と実行して、WFD方式に従った接続C1を確立する(S16)。これにより、G/O状態の携帯端末50が無線ネットワーク(以下では「NW1」と呼ぶ)を形成し、CL状態のMFP(WFD)10がNW1に参加する。そして、MFP(WFD)10は、接続C1を利用して、携帯端末50から印刷データを受信し(S40)、印刷データに従って印刷処理を実行する(S42)。
図5のケースBは、G/Oネゴシエーションの結果として、MFP(WFD)10がG/O状態になると共に携帯端末50がCL状態になるケースである。MFP(WFD)10は、SSID「a2」、パスワード「b2」等を含むWSIを準備する(S16)。MFP(WFD)10は、WPS通信を実行して、WSIを携帯端末50に供給する(S16)。次いで、MFP(WFD)10は、認証通信を携帯端末50と実行して、WFD方式に従った接続C1’を確立する(S16)。これにより、G/O状態のMFP(WFD)10が無線ネットワーク(以下では「NW2」と呼ぶ)を形成し、CL状態の携帯端末50がNW2に参加する。そして、MFP(WFD)10は、接続C1’を利用して、携帯端末50から印刷データを受信し(S40)、印刷データに従って印刷処理を実行する(S42)。
(図6;図5のケースAの続き)
上述したように、図5のケースAでは、MFP(WFD)10と携帯端末50との間にWFD方式に従った接続C1が確立される(即ちNW1が形成される)。NW1では、MFP(WFD)10がCL状態であり、携帯端末50がG/O状態である。この状況において、携帯端末100のユーザは、MFP10に印刷を実行させることを望む場合に、MFP10の操作部12にWFD接続操作を加える(図2のS10でYES)。この場合、MFP(通常Wi−Fi)10は、通常Wi−FiMACを送信元として含む接続要求を、携帯端末50に送信する(S20でYES、S22)。
MFP(通常Wi−Fi)10は、NW1のWSI(即ち、SSID「a1」、パスワード「b1」等を含むWSI(図5参照))をメモリ34に格納済みであるので、WPS通信を携帯端末50と実行せずに済む(即ち、認証通信に必要な情報を携帯端末50から取得せずに済む)。そして、ユーザは、携帯端末50に接続印刷操作を加えずに済む。次いで、MFP(通常Wi−Fi)10は、NW1のWSIと同じWSIに従った認証通信を携帯端末50と実行して、通常Wi−Fi方式に従った接続C2を確立する(S22)。これにより、MFP(通常Wi−Fi)10は、接続C1が確立されている状態を維持しながら、接続C2を確立して、既存のNW1に参加することができる。即ち、MFP(WFD)10とMFP(通常Wi−Fi)10との両方がNW1に所属している状態になる。
次いで、MFP(WFD)10は、WFDMACを含む離脱信号を携帯端末50に送信して、接続C1を切断する(S24)。これにより、MFP(WFD)10は、NW1から離脱する。ただし、MFP(通常Wi−Fi)10がNW1に所属しているので、携帯端末50は、NW1を消滅させない。
次いで、MFP(WFD)10は、SLSを実行して、機器リストを表示させる(S22〜S26経由のS14)。ユーザは、MFP10の操作部12を操作して、機器リストから携帯端末100を選択する。この場合、MFP(WFD)10は、WFDMACを送信元として含む接続要求を、携帯端末100に送信する(S16)。ユーザは、さらに、携帯端末100に接続印刷操作を加える。この場合、携帯端末100は、MFP(WFD)10から接続要求を受信して、接続可能であることを示す応答をMFP(WFD)10に送信する。この結果、MFP(WFD)10は、G/Oネゴシエーションを携帯端末100と実行する(S16)。
図6では、G/Oネゴシエーションの結果として、MFP(WFD)10がG/O状態になると共に携帯端末100がCL状態になる。MFP(WFD)10は、SSID「a3」、パスワード「b3」等を含むWSIを準備する(S16)。MFP(WFD)10は、WPS通信を実行して、WSIを携帯端末100に供給する(S16)。次いで、MFP(WFD)10は、認証通信を携帯端末100と実行して、WFD方式に従った接続C3を確立する(S16)。これにより、G/O状態のMFP(WFD)10が無線ネットワーク(以下では「NW3」と呼ぶ)を形成し、CL状態の携帯端末100がNW3に参加する。そして、MFP(WFD)10は、接続C3を利用して、携帯端末100から印刷データを受信し(S40)、印刷データに従った印刷処理を実行する(S42)。
(図7;図6の続き)
上述したように、図6では、MFP(通常Wi−Fi)10と携帯端末50との間に通常Wi−Fi方式に従った接続C2が確立される。また、MFP(WFD)10と携帯端末100との間にWFD方式に従った接続C3が確立される(即ちNW3が形成される)。MFP10は、接続C3を確立する過程で、復帰フラグを「0」から「1」に変更する(図2のS26)。従って、MFP10は、図4のS60でYESと判断する。図7は、このような状況で実行される各処理を示す。
MFP(WFD)10は、WFDMACを含む離脱信号を携帯端末100に送信して、接続C3を切断する(図4のS62)。これにより、NW3が消滅する。次いで、MFP(WFD)10は、WFDMACを送信元として含む接続要求を、携帯端末50に送信する(S64)。MFP(WFD)10は、NW1のWSI(即ち、SSID「a1」、パスワード「b1」等を含むWSI(図5参照))をメモリ34に格納済みであるので、WPS通信を携帯端末50と実行せずに済む。そして、ユーザは、携帯端末50に接続印刷操作を加えずに済む。次いで、MFP(WFD)10は、NW1のWSIと同じWSIに従った認証通信を携帯端末50と実行して、WFD方式に従った接続C5を確立する(S64)。これにより、MFP(WFD)10は、既存のNW1に再び参加する。即ち、MFP(WFD)10とMFP(通常Wi−Fi)10との両方がNW1に所属している状態になる。
次いで、MFP(通常Wi−Fi)10は、通常Wi−FiMACを含む離脱信号を携帯端末50に送信して、接続C2を切断する(S66)。これにより、MFP(通常Wi−Fi)10は、NW1から離脱する。ただし、MFP(WFD)10がNW1に所属しているので、携帯端末50は、NW1を消滅させない。上記の各処理が実行されると、図6の初期状態、即ち、MFP(WFD)10と携帯端末50との間にWFD方式に従った接続が確立されている状態に復帰する。
(図8;図5のケースBの続き)
上述したように、図5のケースBでは、MFP(WFD)10と携帯端末50との間にWFD方式に従った接続C1’が確立される(即ちNW2が形成される)。接続C1’に対応するNW2では、接続C1に対応するNW2とは異なり、MFP(WFD)10がG/O状態であり、携帯端末50がCL状態である。この状況において、携帯端末100のユーザは、MFP10に印刷を実行させることを望む場合に、MFP10の操作部12にWFD接続操作を加える(図2のS10でYES)。この場合、MFP(WFD)10は、WFDMACを送信先として含む接続要求を受信するまで待機する(S20でNO、S30)。
ユーザは、さらに、携帯端末100に接続印刷操作を加える。この場合、携帯端末100は、SLSを実行して、機器リストを表示させる。ユーザは、携帯端末100を操作して、機器リストからMFP(WFD)10を選択する。この場合、携帯端末100は、WFDMACを送信先として含む接続要求を、MFP(WFD)10に送信する。
MFP(WFD)10は、携帯端末100から接続要求を受信して、接続可能であることを示す応答を携帯端末100に送信する(S30)。MFP(WFD)10は、WPS通信を実行して、NW2のWSI(即ち、SSID「a2」、パスワード「b2」等を含むWSI(図5参照))を携帯端末100に供給する(S30)。これにより、携帯端末100は、認証通信に必要な情報を取得することができる。次いで、MFP(WFD)10は、認証通信を携帯端末100と実行して、WFD方式に従った接続C4を確立する(S30)。これにより、携帯端末100がNW2に参加する。そして、MFP(WFD)10は、接続C4を利用して、携帯端末100から印刷データを受信し(S40)、印刷データに従って印刷処理を実行する(S42)。
(図9;図5のケースAの続き)
図6のケースは、MFP(WFD)10と携帯端末100との間で接続要求が通信される前に、MFP10にWFD接続操作が加えられるケースである。これに対し、図9のケースは、MFP10にWFD接続操作が加えられる前に、MFP(WFD)10が携帯端末100から接続要求を受信するケースである。
ユーザは、携帯端末100に接続印刷操作を加える。この場合、携帯端末100は、SLSを実行して、機器リストを表示させる。ユーザは、携帯端末100を操作して、機器リストからMFP(WFD)10を選択する。この場合、携帯端末100は、WFDMACを送信先として含む接続要求を、MFP(WFD)10に送信する。これにより、MFP(WFD)10は、携帯端末100から接続要求を受信する(図3のS110でYES)。そして、MFP(通常Wi−Fi)10は、通常Wi−FiMACを送信元として含む接続要求を、携帯端末50に送信する(S122)。
MFP(通常Wi−Fi)10は、WPS通信を実行せずに、認証通信を携帯端末50と実行して、通常Wi−Fi方式に従った接続C2を確立する(S122)。これにより、MFP(通常Wi−Fi)10は、既存のNW1に参加する。即ち、MFP(WFD)10とMFP(通常Wi−Fi)10との両方がNW1に所属している状態になる。
次いで、MFP(WFD)10は、WFDMACを含む離脱信号を携帯端末50に送信して、接続C1を切断する(S124)。これにより、MFP(WFD)10は、NW1から離脱する。ただし、MFP(通常Wi−Fi)10がNW1に参加しているので、携帯端末50は、NW1を消滅させない。
ユーザは、MFP(WFD)10にWFD接続操作を加える。この場合、MFP(WFD)10は、接続可能であることを示す情報を含む応答(即ち接続要求に対する応答)を携帯端末100に送信して、G/Oネゴシエーションを携帯端末100と実行する(S122〜S126経由のS116)。
図9では、G/Oネゴシエーションの結果として、MFP(WFD)10がG/O状態になると共に携帯端末100がCL状態になる。MFP(WFD)10は、SSID「a3」、パスワード「b3」等を含むWSIを準備する(S116)。MFP(WFD)10は、WPS通信を実行して、WSIを携帯端末100に供給する(S116)。次いで、MFP(WFD)10は、認証通信を携帯端末100と実行して、WFD方式に従った接続C3を確立する(S116)。これにより、G/O状態のMFP(WFD)10が無線ネットワーク(以下では「NW3」と呼ぶ)を形成し、CL状態の携帯端末100がNW3に参加する。そして、MFP(WFD)10は、接続C3を利用して、携帯端末100から印刷データを受信し(S140)、印刷データに従って印刷処理を実行する(S142)。その後、上記と同様に、図7の復帰処理が実行される。
(本実施例の効果)
図6及び図9に示されるように、CL状態のMFP10にWFD接続操作が加えられたり、CL状態のMFP10が接続要求を受信したりすると、MFP(通常Wi−Fi)10は、接続C1が確立されている状態を維持しながら、接続C2を確立する。その後、MFP(WFD)10は、接続C1を切断する。従って、MFP10と携帯端末50との間に接続が確立されていない期間が発生するのを抑制することができ、この結果、NW1が消滅するのを抑制することができる。MFP(WFD)10は、接続C1を切断するので、WFD方式に従った新たな接続を確立することができる。このために、MFP(WFD)10は、接続C1が切断された後に、接続C3を確立し、接続C3を利用して、携帯端末100から印刷データを受信する。本実施例によると、MFP10は、NW1が消滅するのを抑制しながら、印刷データの無線通信を適切に実行することができる。
また、図7に示されるように、MFP(WFD)10は、接続C3を切断するので、WFD方式に従った新たな接続を確立することができる。このために、MFP(WFD)10は、接続C3が切断された後に、接続C5を確立する。さらに、MFP(WFD)10は、接続C5が確立された後に、接続C2を切断する。従って、従って、MFP10と携帯端末50との間に接続が確立されていない期間が発生するのを抑制することができ、この結果、NW1が消滅するのを抑制することができる。本実施例によると、MFP10は、NW1が消滅するのを抑制しながら、元の状態(図6又は図9の初期状態)に復帰させることができる。
(対応関係)
MFP10、携帯端末50、携帯端末100が、それぞれ、「無線通信装置」、「第1の外部装置」、「第2の外部装置」の一例である。WFD方式、通常Wi−Fi方式が、それぞれ、「第1の無線通信方式」、「第2の無線通信方式」の一例である。WFDMAC、通常Wi−FiMACが、それぞれ、「第1のMACアドレス」、「第2のMACアドレス」の一例である。MFP10に加えられるWFD接続操作、及び、WFDMACを送信先として含む接続要求が、「特定の指示」の一例である。WFD接続操作が、「特定の操作」の一例である。印刷データが、「対象データ」の一例である。G/O機器、CL機器が、それぞれ、「親局」、「子局」の一例である。G/Oネゴシエーションが、「親局及び子局を決定するための無線通信」の一例である。
図6(又は図9)の初期状態、図8の初期状態が、それぞれ、「第1の状況」、「第2の状況」の一例である。図6において、SSID「a1」、パスワード「b1」等を含むWSIが、「特定の無線設定情報」の一例である。NW1、NW2が、それぞれ、「第1の無線ネットワーク」、「第2の無線ネットワーク」の一例である。また、図6〜図9において、接続C1(又は接続C1’)、接続C2、接続C3、接続C4、接続C5が、それぞれ、「第1の接続」、「第2の接続」、「第3の接続」、「第4の接続」、「第5の接続」の一例である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
(変形例1)「対象データ」は、印刷データではなく、スキャンデータであってもよい。本変形例では、例えば、図6において、携帯端末100に接続スキャン操作が加えられる。そして、第1の接続部41は、接続C3が確立された後に、スキャン実行部18にスキャンを実行させてスキャンデータを生成し、接続C3を利用して、スキャンデータを携帯端末100に送信する。なお、「対象データ」は、印刷データ及びスキャンデータとは異なる種類のデータ(例えば音声データ、動画データ等)であってもよい。
(変形例2)「親局」は、WFDのG/O機器に限られず、無線ネットワークに属する各機器を管理する機器(例えば、無線ネットワークに属する各機器の間の無線通信を中継可能な機器)であれば、どのような機器であってもよい。また、「子局」は、WFDのCL機器に限られず、無線ネットワークの親局から管理される状態であれば、どのような機器であってもよい。
(変形例3)「第1の無線通信方式」は、WFD方式でなくてもよく、無線ネットワークに所属する子局状態の機器がゼロになれば、当該無線ネットワークが消滅する方式であれば、どのような方式であってもよい。また、「第2の無線通信方式」は、通常Wi−Fi方式に限られず、AP等の中継機器に接続するための方式であれば、どのような方式であってもよい。そして、一般的に言うと、「第1の無線通信方式」と「第2の無線通信方式」とは、異なる方式であればよい。
(変形例4)図2及び図3において、S50,S150の復帰処理を省略してもよい。即ち、MFP10は、以下の構成(1)〜(4)を備えていればよい。(1)第1の接続部41が接続C1を確立する(図5)。(2)第2の接続部42が接続C2を確立する(図6)。(3)切断部43が接続C1を切断する(図6)。(4)第1の接続部41が接続C3を確立する(図6)。そして、印刷データの通信が終了した後に、上記の実施例のように、接続C2及び接続C3が切断されてもよいし、本変形例のように、接続C2及び接続C3が維持されてもよい。
(変形例5)「無線通信装置」は、MFP10に限られず、他の通信装置(例えば、プリンタ、スキャナ、FAX装置、コピー機、電話機、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、サーバ、携帯電話、PDA端末等)であってもよい。また、「第1(又は第2)の外部装置」は、携帯端末50(又は100)に限られず、他の通信装置(例えば、MFP、プリンタ、スキャナ、FAX装置、コピー機、電話機、デスクトップPC等)であってもよい。
(変形例6)上記の実施例では、MFP10のCPU32がメモリ34内のプログラム(即ちソフトウェア)を実行することによって、各部41〜43が実現される。これに代えて、各部41〜43のうちの少なくとも1つは、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:通信システム、4:AP、6:PC、10:MFP、12:操作部、14:表示部、16:印刷実行部、18:スキャン実行部、20:無線LANI/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、50,100:携帯端末

Claims (10)

  1. 無線通信装置であって、
    第1の外部装置と前記無線通信装置との間に、第1の無線通信方式に従った第1の接続を確立する第1の接続部と、
    前記第1の接続が確立されている第1の状況で、前記第1の外部装置とは異なる第2の外部装置と対象データの無線通信を実行するための特定の指示が与えられる第1の場合に、前記第1の接続が確立されている状態を維持しながら、前記第1の外部装置と前記無線通信装置との間に、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式に従った第2の接続を確立する第2の接続部と、
    前記第2の接続が確立された後に、前記第1の接続を切断する切断部と、を備え、
    前記第1の接続部は、さらに、前記第1の接続が切断された後に、前記第2の外部装置と前記無線通信装置との間に、前記第1の無線通信方式に従った第3の接続を確立し、前記第3の接続を利用して、前記第2の外部装置と前記対象データの無線通信を実行する、無線通信装置。
  2. 前記第1の接続部は、前記無線通信装置に割り当てられる第1のMACアドレスを利用して、前記第1の接続及び前記第3の接続のそれぞれを確立し、
    前記第2の接続部は、前記無線通信装置に割り当てられる第2のMACアドレスを利用して、前記第2の接続を確立し、
    前記第1のMACアドレスと前記第2のMACアドレスとは異なる、請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記第1の接続部は、特定の無線設定情報を利用して、前記第1の接続を確立し、
    前記第2の接続部は、前記特定の無線設定情報と同じ無線設定情報を利用して、前記第2の接続を確立する、請求項1又は2に記載の無線通信装置。
  4. 前記第1の無線通信方式は、一対の機器の間に前記第1の無線通信方式に従った接続が確立されて、無線ネットワークが形成されるべき際に、前記一対の機器が前記無線ネットワークの親局及び子局を決定するための無線通信を実行する仕組みを有する方式であり、
    前記第1の状況は、前記第1の外部装置が前記親局として動作し、かつ、前記無線通信装置が前記子局として動作する第1の無線ネットワークに、前記無線通信装置が所属するための前記第1の接続が確立されている状況である、請求項1から3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  5. 前記第1の外部装置が前記子局として動作し、かつ、前記無線通信装置が前記親局として動作する第2の無線ネットワークに、前記無線通信装置が所属するための前記第1の接続が確立されている第2の状況で、前記特定の指示が与えられる第2の場合に、
    前記第2の接続部は、前記第2の接続を確立せず、
    前記切断部は、前記第1の接続を切断せず、
    前記第1の接続部は、前記第2の無線ネットワークに前記第2の外部装置を参加させるために、前記第2の外部装置と前記無線通信装置との間に、前記第1の無線通信方式に従った第4の接続を確立する、請求項4に記載の無線通信装置。
  6. 前記切断部は、さらに、前記対象データの無線通信が終了した後に、前記第3の接続を切断し、
    前記第1の接続部は、さらに、前記第3の接続が切断された後に、前記第1の外部装置と前記無線通信装置との間に、前記第1の無線通信方式に従った第5の接続を確立し、
    前記切断部は、さらに、前記第5の接続が確立された後に、前記第2の接続を切断する、請求項1から5のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  7. 前記特定の指示は、ユーザによって前記無線通信装置に特定の操作が加えられることによって、与えられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  8. 前記特定の指示は、前記第2の外部装置から、前記第1の無線通信方式に従った接続を確立するための接続要求を受信することによって、与えられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  9. 前記第1の無線通信方式は、一対の機器の間に前記第1の無線通信方式に従った接続が確立されて、無線ネットワークが形成されるべき際に、前記一対の機器が前記無線ネットワークの親局及び子局を決定するための無線通信を実行する仕組みを有する方式であり、
    前記第2の無線通信方式は、前記仕組みを有さない方式である、請求項1から8のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  10. 無線通信装置のためのコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータプログラムは、前記無線通信装置に搭載されるコンピュータに、以下の各処理、即ち、
    第1の外部装置と前記無線通信装置との間に、第1の無線通信方式に従った第1の接続を確立する処理と、
    前記第1の接続が確立されている第1の状況で、前記第1の外部装置とは異なる第2の外部装置と対象データの無線通信を実行するための特定の指示が与えられる第1の場合に、前記第1の接続が確立されている状態を維持しながら、前記第1の外部装置と前記無線通信装置との間に、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式に従った第2の接続を確立する処理と、
    前記第2の接続が確立された後に、前記第1の接続を切断する処理と、
    前記第1の接続が切断された後に、前記第2の外部装置と前記無線通信装置との間に、前記第1の無線通信方式に従った第3の接続を確立し、前記第3の接続を利用して、前記第2の外部装置と前記対象データの無線通信を実行する処理と、
    を実行させる、コンピュータプログラム。
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