JP2014071221A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像品質を低下させることなく、低コスト化を図ることができる光走査装置を提供する。
【解決手段】 走査レンズ15Bは、樹脂成型部材151及び複屈折膜152を有している。そして、Y軸方向に関する複数位置において、複屈折膜152の主軸方位と樹脂成型部材151の主軸方位とが同一となるように設定されている。また、走査レンズ15Bでの位相差δ0(−180°≦δ0≦+180°)と樹脂成型部材151での位相差δ1(−180°≦δ1≦+180°)は、|δ0|<|δ1|の関係が満足されるように設定されている。この場合は、偏光分離素子における偏光分離特性が従来よりも向上し、ゴースト光の発生を従来よりも低減することができる。
【選択図】図18
【解決手段】 走査レンズ15Bは、樹脂成型部材151及び複屈折膜152を有している。そして、Y軸方向に関する複数位置において、複屈折膜152の主軸方位と樹脂成型部材151の主軸方位とが同一となるように設定されている。また、走査レンズ15Bでの位相差δ0(−180°≦δ0≦+180°)と樹脂成型部材151での位相差δ1(−180°≦δ1≦+180°)は、|δ0|<|δ1|の関係が満足されるように設定されている。この場合は、偏光分離素子における偏光分離特性が従来よりも向上し、ゴースト光の発生を従来よりも低減することができる。
【選択図】図18
Description
本発明は、光走査装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、光により被走査面を走査する光走査装置及び該光走査装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真の画像記録では、レーザを用いた画像形成装置が広く用いられている。この画像形成装置は、感光性を有するドラム(以下では、「感光体ドラム」ともいう)、及び該感光体ドラムの表面に潜像(静電潜像)を形成する光走査装置などを備えている。
光走査装置は、レーザ光を射出する光源、該光源から射出されたレーザ光を偏向する光偏向器(例えば、ポリゴンミラー)、及び光偏向器で偏向されたレーザ光を感光体ドラムの表面に集光する走査光学系などを有している。
近年、画像形成装置において、カラー化、高速化が進み、感光性を有するドラムを複数(通常は4つ)有するタンデム方式の画像形成装置が普及してきている。
タンデム方式の画像形成装置は、感光体ドラムの数の増加に伴って大型化する傾向にあり、光走査装置を含め小型化が求められている。光走査装置の小型化には、光偏向器から各感光体ドラムに向かう複数のレーザ光の光路を部分的に重ね合わせること、及び複数のレーザ光に対して光学部材の共用化を図ることが有効である(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されている装置では、画像品質を低下させることなく、低コスト化を図ることは困難であった。
本発明は、被走査面を光によって主走査方向に走査する光走査装置であって、光源装置と、前記光源装置からの光を偏向する光偏向器と、複屈折部材及び前記光偏向器で偏向された光を集光する樹脂成型部材を含み、前記光偏向器で偏向された光を前記被走査面に導光する走査光学系と、を備え、前記主走査方向に関する複数位置において、前記複屈折部材の主軸方位と前記樹脂成型部材の主軸方位とが同一であり、前記複屈折部材及び前記樹脂成型部材での位相差δ0(−180°≦δ0≦+180°)、及び前記樹脂成型部材での位相差δ1(−180°≦δ1≦+180°)を用い、|δ0|<|δ1|である光走査装置である。
なお、本明細書では、複屈折材料における「進相軸」と「遅相軸」を総称して「主軸」と呼び、該主軸の所定の基準方向からの傾き角を「主軸方位」と呼ぶ。
本発明の光走査装置によれば、画像品質を低下させることなく、低コスト化を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図25に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、増幅回路、アナログデータをデジタルデータに変換するA/D変換器などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの画像情報を光走査装置2010に送る。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて色毎に変調された光束により対応する帯電された感光体ドラムの表面をそれぞれ走査する。これにより、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジ(図示省略)からのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出す。該記録紙は、所定のタイミングで転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出される。これにより、転写ベルト2040上のトナー画像が記録紙に転写される。トナー画像が転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。トナーが定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
この光走査装置2010は、一例として図2及び図3に示されるように、2つの光源ユニット(100A、100B)、2つのシリンドリカルレンズ(22A、22B)、ポリゴンミラー14、2つの走査レンズ(15A、15B)、2つの偏光分離素子(16A、16B)、2つの反射ミラー(17A、17B)、4つの折り返しミラー(18a、18b、18c、18d)、4つの防塵ガラス(19a、19b、19c、19d)、及び不図示の走査制御装置などを有している。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向(回転軸方向)に沿った方向をY軸方向、ポリゴンミラー14の回転軸に沿った方向をZ軸方向として説明する。
また、以下では、便宜上、各光学部材における主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
2つの光源ユニット(100A、100B)は、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。
光源ユニット100Aは、一例として図4に示されるように、2つの光源(110a、110b)、2つのコリメートレンズ(113a、113b)、及び光合成素子114Aなどを有している。
光源110aは、該光源110aを駆動する光源駆動回路を含む駆動用チップ111aとともに回路基板112aに実装されている。光源110bは、該光源110bを駆動する光源駆動回路を含む駆動用チップ111bとともに回路基板112bに実装されている。
光源110aは、一例として図5に示されるように、1つの半導体レーザ101aを含んでいる。該半導体レーザ101aは、偏光方向がZ軸方向に平行な直線偏光が射出されるように設置されている。なお、以下では、便宜上、偏光方向がZ軸方向に平行な直線偏光を「縦偏光」という。そして、半導体レーザ101aから射出される光束を光束LBaと表記する。
ところで、半導体レーザ101aの設置角度を調整する代わりに、半導体レーザ101aと光合成素子114Aとの間に、半導体レーザ101aから射出された光束の偏光方向を縦偏光の方向にするための1/2波長板等の光学素子を配置しても良い。
光源110bは、一例として図6に示されるように、1つの半導体レーザ101bを含んでいる。該半導体レーザ101bは、偏光方向がZ軸に直交する直線偏光が射出されるように設置されている。なお、以下では、便宜上、偏光方向がZ軸に直交する直線偏光を「横偏光」という。そして、半導体レーザ101bから射出される光束を光束LBbと表記する。
ところで、半導体レーザ101bの設置角度を調整する代わりに、半導体レーザ101bと光合成素子114Aとの間に、半導体レーザ101bから射出された光束の偏光方向を横偏光の方向にするための1/2波長板等の光学素子を配置しても良い。
ここでは、半導体レーザ101a及び半導体レーザ101bにおける各発光部のZ軸方向に関する位置は同じである。
図4に戻り、コリメートレンズ113aは、光源110aからの光束LBaの光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
コリメートレンズ113bは、光源110bからの光束LBbの光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
ここでは、コリメートレンズ113aを介した光束LBaの光路とコリメートレンズ113bを介した光束LBbの光路は、互いに直交している。
光合成素子114Aは、コリメートレンズ113aを介した光束LBa及びコリメートレンズ113bを介した光束LBbの光路上に配置されている。この光合成素子114Aは、縦偏光を反射し、横偏光を透過させる面を有しており、光束LBaと光束LBbを合成する。ここでは、光束LBaの主光線と光束LBbの主光線は、Z軸方向に関して重なっている。光合成素子114Aから射出される光束LBaと光束LBbが、光源ユニット100Aから射出される。
光源ユニット100Bは、一例として図7に示されるように、2つの光源(110c、110d)、2つのコリメートレンズ(113c、113d)、及び光合成素子114Bなどを有している。
光源110cは、該光源110cを駆動する光源駆動回路を含む駆動用チップ111cとともに回路基板112cに実装されている。光源110dは、該光源110dを駆動する光源駆動回路を含む駆動用チップ111dとともに回路基板112dに実装されている。
光源110cは、一例として図8に示されるように、1つの半導体レーザ101cを含んでいる。該半導体レーザ101cは、横偏光が射出されるように設置されている。なお、半導体レーザ101cから射出される光束を光束LBcと表記する。
ところで、半導体レーザ101cの設置角度を調整する代わりに、半導体レーザ101cと光合成素子114Bとの間に、半導体レーザ101cから射出された光束の偏光方向を横偏光の方向にするための1/2波長板等の光学素子を配置しても良い。
光源110dは、一例として図9に示されるように、1つの半導体レーザ101dを含んでいる。該半導体レーザ101dは、縦偏光が射出されるように設置されている。なお、半導体レーザ101dから射出される光束を光束LBdと表記する。
ところで、半導体レーザ101dの設置角度を調整する代わりに、半導体レーザ101dと光合成素子114Bとの間に、半導体レーザ101dから射出された光束の偏光方向を縦偏光の方向にするための1/2波長板等の光学素子を配置しても良い。
ここでは、半導体レーザ101c及び半導体レーザ101dにおける各発光部のZ軸方向に関する位置は同じである。
図7に戻り、コリメートレンズ113cは、光源110cからの光束LBcの光路上に配置され、該光束LBcを略平行光とする。
コリメートレンズ113dは、光源110dからの光束LBdの光路上に配置され、該光束LBdを略平行光とする。
ここでは、コリメートレンズ113cを介した光束LBcの光路とコリメートレンズ113dを介した光束LBdの光路は、互いに直交している。
光合成素子114Bは、コリメートレンズ113cを介した光束LBc及びコリメートレンズ113dを介した光束LBdの光路上に配置されている。この光合成素子114Bは、縦偏光を反射し、横偏光を透過させる面を有しており、光束LBcと光束LBdを合成する。ここでは、光束LBcの主光線と光束LBdの主光線は、Z軸方向に関して重なっている。光合成素子114Bから射出される光束LBcと光束LBdが、光源ユニット100Bから射出される。
図2に戻り、シリンドリカルレンズ22Aは、光源ユニット100Aから射出された光束LBa及び光束LBbを、ポリゴンミラー14の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ22Bは、光源ユニット100Bから射出された光束LBc及び光束LBdを、ポリゴンミラー14の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
ポリゴンミラー14は、一例として4面鏡を有し、各鏡面がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー14は、Z軸方向に平行な軸まわりに等速回転し、シリンドリカルレンズ22Aからの光束LBa及び光束LBb、シリンドリカルレンズ22Bからの光束LBc及び光束LBdを、Z軸に直交する平面内で等角速度的に偏向する。
光束LBa及び光束LBbはポリゴンミラー14の−X側に偏向され、光束LBc及び光束LBdはポリゴンミラー14の+X側に偏向される。
なお、ポリゴンミラー14の偏向反射面で偏向された光束が経時的に形成する光線束面は、「偏向面」と呼ばれている(特開平11−202252号公報参照)。ここでは、偏向面はXY面に平行である。
図3に示されるように、走査レンズ15Aは、ポリゴンミラー14の−X側であって、ポリゴンミラー14で偏向された光束LBa及び光束LBbの光路上に配置されている。
走査レンズ15Bは、ポリゴンミラー14の+X側であって、ポリゴンミラー14で偏向された光束LBc及び光束LBdの光路上に配置されている。各走査レンズの詳細については後述する。
偏光分離素子16Aは、走査レンズ15Aの−X側であって、走査レンズ15Aから射出された光束の光路上に配置されている。
偏光分離素子16Bは、走査レンズ15Bの+X側であって、走査レンズ15Bから射出された光束の光路上に配置されている。
各偏光分離素子は、ワイヤーグリッドによって形成された偏光分離面を有している。該偏光分離面は、ワイヤーグリッドの線方向に平行な偏光成分を反射し、垂直な偏光成分を透過させる。ここでは、ワイヤーグリッドの線方向がY軸方向に平行となるように設定されており、各偏光分離素子は、縦偏光を透過させ横偏光を反射する。
そこで、偏光分離素子16Aは、光束LBaを透過させ、光束LBbを−Z方向に反射することで、光束LBaと光束LBbを分離する(図10参照)。
また、偏光分離素子16Bは、光束LBdを透過させ、光束LBcを−Z方向に反射することで、光束LBcと光束LBdを分離する(図11参照)。
ワイヤーグリッドの構成の一例が図12(A)〜図12(C)に示されている。ワイヤーグリッドは、板状の基体上に形成され、その格子ピッチが入射光の波長よりも小さい微細構造格子である。なお、図12(C)は、図12(A)のA−A断面図である。
ワイヤーグリッドの格子ピッチは、一例として0.15μm、「格子幅/格子ピッチ」であるデューティ(Duty)比は50%、格子の深さは0.05μmなどが選定される。また、ワイヤーの素材はアルミニウム、銀、白金等の高導電性材料が選ばれる。また、基体としてはガラス、硬質プラスチック等の透明材料が選ばれる。
なお、偏光分離素子を透過もしくは反射した光束の光路上に、その透過軸が光束の偏光方向と一致している偏光子を追加しても良い。該偏光子により、ゴースト光の発生をさらに抑制できる。
図3に戻り、偏光分離素子16Aを透過した光束(ここでは、光束LBa)は、折り返しミラー18aと防塵ガラス19aを介して感光体ドラム2030aの表面に照射される。
偏光分離素子16Aで−Z方向に反射された光束(ここでは、光束LBb)は、反射ミラー17Aで+X方向に反射された後、折り返しミラー18bと防塵ガラス19bを介して感光体ドラム2030bの表面に照射される。
また、偏光分離素子16Bで−Z方向に反射された光束(ここでは、光束LBc)は、反射ミラー17Bで−X方向に反射された後、折り返しミラー18cと防塵ガラス19cを介して感光体ドラム2030cの表面に照射される。
偏光分離素子16Bを透過した光束(ここでは、光束LBd)は、折り返しミラー18dと防塵ガラス19dを介して感光体ドラム2030dの表面に照射される。
走査レンズ15Aと偏光分離素子16Aと折り返しミラー18aは、「Kステーション」の走査光学系である。走査レンズ15Aと偏光分離素子16Aと反射ミラー17Aと折り返しミラー18bは、「Cステーション」の走査光学系である。すなわち、走査レンズ15Aと偏光分離素子16Aは、2つの画像形成ステーションで共用されている。
走査レンズ15Bと偏光分離素子16Bと反射ミラー17Bと折り返しミラー18cは、「Mステーション」の走査光学系である。走査レンズ15Bと偏光分離素子16Bと折り返しミラー18dは、「Yステーション」の走査光学系である。すなわち、走査レンズ15Bと偏光分離素子16Bは、2つの画像形成ステーションで共用されている。
また、各折り返しミラーは、各画像形成ステーションでの光路長が互いに等しくなるように設けられている。
各感光体ドラム上の光スポットは、ポリゴンミラー14の回転に伴って感光体ドラムの長手方向に移動する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」であり、感光体ドラムの回転方向が「副走査方向」である。
ところで、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる領域は「有効走査領域」、「画像形成領域」、あるいは「有効画像領域」などと呼ばれている。
走査制御装置は、ブラック画像情報に応じて光源110aを駆動し、シアン画像情報に応じて光源110bを駆動し、マゼンタ画像情報に応じて光源110cを駆動し、イエロー画像情報に応じて光源110dを駆動する。
ところで、走査レンズとして、樹脂性の走査レンズ(以下、「樹脂走査レンズ」ともいう)が一般的に用いられている。樹脂走査レンズは、ガラス性の走査レンズに比べて、非球面形状への加工が容易で、所望の光学性能が得られやすく、更に安価に製造することができる。
但し、樹脂走査レンズは、複屈折を生じやすいという不都合がある。この場合、複屈折によって入射光の偏光状態が変化し、例えば直線偏光が楕円偏光に変化したり、偏光方向が回転したりする現象が生じる。
一例として、図13には、ポリゴンミラーで偏向された縦偏光が、樹脂走査レンズから射出されるときに楕円偏光となる場合が示されている。この楕円偏光の程度は、樹脂走査レンズの材質、形状、及びφによって異なる。なお、φは、樹脂走査レンズから射出された光の進行方向とX軸方向とのなす角である。
ここでは、説明を分かりやすくするため、光の進行方向をx軸方向、x軸方向及びポリゴンミラーの回転軸に沿った方向(Z軸方向)のいずれにも直交する方向をy軸方向とするローカルな座標系を導入する。
複屈折材料における複屈折は、屈折率差、位相差δ、及び主軸方位θで表されることが多い。ここでは、走査レンズにおける複屈折の主軸方位θは、+y方向に対する時計回りの角度を正とする。但し、−180°≦θ≦180°である。位相差δについても、−180°≦δ≦180°とする。なお、この範囲を超えるときは、360×m(mは任意の整数)を加算あるいは減算し、上記範囲内となるように調整する。
上記樹脂走査レンズの後段に偏光分離素子が設けられている場合に、該樹脂走査レンズで偏光状態が変化すると、偏光分離素子で所望の偏光分離を行うことができなくなる。例えば、図13では、楕円偏光のy成分が偏光分離不良となる。この成分を以下では「ゴースト光」という。また、偏光分離素子に入射する光の光強度に対するゴースト光の光強度を単に「ゴースト光強度」ともいう。
次に、本実施形態における走査レンズ15A及び走査レンズ15Bについて説明する。なお、走査レンズ15Aと走査レンズ15Bは、同じ形状、同じ構造、及び同じ材質である。そこで、ここでは、代表として走査レンズ15Bについて説明する。
なお、走査レンズ15Bにおけるレンズ高さは、Y軸方向に関する走査レンズ15Bの中心を0とする。また、走査レンズ15BのY軸方向における有効走査範囲は±50mmである。
走査レンズ15Bは、一例として図14に示されるように、樹脂成型部材151及び複屈折膜152を有している。
樹脂成型部材151は、溶融状態の透明な樹脂を金型のキャビティに注入し、所定の形状に成型したものであり、入射光学面及び射出光学面を有している。なお、入射光学面は、ポリゴンミラー14で偏向された光束が入射する面であり、射出光学面は、入射光学面に入射した光束が偏光分離素子に向けて射出される面である。
樹脂成型部材151単体について、検光子回転法を用いて、主軸方位θ及びリタデーションR1を測定した。なお、測定に用いた光の波長λは655nmである。
図15には、樹脂成型部材151単体での主軸方位θとレンズ高さHとの関係の測定結果が示されている。この場合は、主軸方位θは±4°以内に収まっている。ここでは、一例として走査レンズ複屈折測定装置(森田展弘、「走査レンズ複屈折測定装置の開発」、Ricoh Technical Report、NOVEMBER、2000、No26、p.115−120参照)を用いて、主軸方位θを測定した。なお、主軸方位θの測定は、これに限定されるものではない。
図16には、樹脂成型部材151単体でのリタデーションR1とレンズ高さHとの関係の測定結果が示されている。リタデーションR1は中央付近で大きくなる傾向にあるが、110nm以内に収まっている。なお、リタデーションR1と樹脂成型部材151での位相差δ1は、測定波長λを用いて、R1/λ=δ1/360、で表すことができる。
図17には、走査レンズ15Bに代えて、樹脂成型部材151単体を用いたときの、上記ゴースト光強度Pgとレンズ高さHとの関係の測定結果が示されている。ゴースト光強度Pgは、主軸方位θ及び位相差δの大きさに依存する。
図14に戻り、複屈折膜152は、樹脂成型部材151の入射光学面上に設けられている。
この複屈折膜152は、一例として図18に示されるように、誘電体の微小な針状物(「針状誘電体」ともいう)を複数有している。なお、複屈折膜152を強拡大して観察したとき、複数の針状誘電体が個々に独立した状態で形成されていても良い(図19参照)。すなわち、複屈折膜152は、必ずしも樹脂成型部材151の入射光学面の全面を覆っていなくても良い。
そして、該複数の針状誘電体は、Y軸方向に関する複数位置において、主光線に直交する面に正射影したときの方向が樹脂成型部材151の主軸方位と同一である(図20参照)。なお、この主光線に直交する面に正射影したときの針状誘電体の方向が、複屈折率膜152の主軸方位である。
また、複屈折膜152は、Y軸方向に関する複数位置において、複屈折膜152での位相差が樹脂成型部材151での位相差と逆位相となるように、複屈折膜152の厚さ(図21参照)又は複数の針状誘電体のチルト角(図21参照)が設定されている。
図22には、複屈折膜152のリタデーションR2とレンズ高さHとの関係が示されている。リタデーションR2は、レンズ高さHによらず、−65nm程度となるように設計されている。
複屈折膜152は、一例として図23に示されるように、いわゆる斜方蒸着法によって樹脂成型部材151の表面に形成することができる。
そして、樹脂成型部材151に向かう蒸着材料の進行方向がほぼ一様となるように、スリットが形成されているマスクが、蒸着源と樹脂成型部材151との間に配置されている。そして、樹脂成型部材151を、Y軸方向に沿って往復移動させつつ、X軸まわりに回動させ、樹脂成型部材151の主軸方向に応じて、スリットを通過した蒸着材料の入射角をレンズ高さ毎に変化させる。
上記往復移動の回数、移動速度、針状誘電体の長さ及びチルト角は、必要とされる位相差の大きさに応じて設定される。なお、複屈折膜152のリタデーションR2は、レンズ高さHによらず一定であるので、スリットを通過した蒸着材料の入射角以外は一定で良い。
複屈折膜152における誘電体としては、SiO2、Ta2O3などの透明な無機材料を用いることができる。
図24には、走査レンズ15BのリタデーションR0とレンズ高さHとの関係が示されている。樹脂成型部材151での位相差と複屈折膜152での位相差とが互いに逆特性の関係にあることから、R0はR1より小さい。従って、走査レンズ15Bでの位相差δ0(−180°≦δ0≦+180°)と樹脂成型部材151での位相差δ1(−180°≦δ1≦+180°)は、|δ0|<|δ1|の関係にある。
図25には、走査レンズ15Bを用いたときの、ゴースト光強度Pgとレンズ高さHとの関係の測定結果が示されている。走査レンズ15Bにおける位相差δ0が樹脂成型部材151におけるδ1より小さいため、走査レンズ15Bを用いたときのゴースト光強度Pgは、樹脂成型部材151単体を用いたときのゴースト光強度Pgよりも小さい。
そこで、光走査装置2010は、各感光体ドラムの表面に高品質の潜像を形成することができる。そして、その結果、カラープリンタ2000は、高品質の画像を形成することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置2010によると、2つの光源ユニット(100A、100B)、2つのシリンドリカルレンズ(22A、22B)、ポリゴンミラー14、2つの走査レンズ(15A、15B)、2つの偏光分離素子(16A、16B)、2つの反射ミラー(17A、17B)、4つの折り返しミラー(18a、18b、18c、18d)、及び不図示の走査制御装置などを有している。
各走査レンズは、樹脂成型部材151及び複屈折膜152を有している。そして、Y軸方向に関する複数位置において、複屈折膜152の主軸方位と樹脂成型部材151の主軸方位とが同一となるように設定されている。また、各走査レンズは、走査レンズでの位相差δ0(−180°≦δ0≦+180°)と樹脂成型部材151での位相差δ1(−180°≦δ1≦+180°)が、|δ0|<|δ1|の関係を満足するように設定されている。
この場合は、各偏光分離素子における偏光分離特性が従来よりも向上し、ゴースト光(ノイズ光)の発生を従来よりも低減することができる。
さらに、走査レンズとは別体で位相補償板を設けるのに比べ、組み付け時の位置合わせ工程が不要となる。
また、走査レンズと偏光分離素子が、2つの画像形成ステーションで共用されているため、小型化を図ることができる。
そこで、高コスト化及び大型化を招くことなく、ゴースト光の発生を安定的に抑制することができる。
また、被走査面でのいわゆるビーム太りの改善、及びシェーディング特性の改善を図ることができる。
従って、画像品質を低下させることなく、低コスト化を図ることが可能である。
そして、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、光走査装置2010を備えているため、高コスト化を招くことなく、小型で、高品質の画像を形成することができる。
なお、上記実施形態では、複屈折膜152のリタデーションR2が、レンズ高さHによらず一定の場合について説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、図26に示される走査レンズ15B_1のように、レンズ高さHによって針状誘電体の長さを異ならせても良い。
このとき、一例として図27に示されるように、複屈折膜152のリタデーションR2を、樹脂成型部材151単体でのリタデーションR1(図16参照)を打ち消すような値とすることができる。
図28には、走査レンズ15B_1のリタデーションR0_1とレンズ高さHとの関係が示されている。樹脂成型部材151での位相差と複屈折膜152での位相差とが打ち消し合い、リタデーションR0_1は上記リタデーションR0(図24参照)よりも更に小さい。
図29には、走査レンズ15B_1を用いたときの、ゴースト光強度Pgとレンズ高さHとの関係の測定結果が示されている。走査レンズ15B_1での位相差δ0が樹脂成型部材151での位相差δ1より小さいため、走査レンズ15B_1を用いたときのゴースト光強度Pgは、樹脂成型部材151単体を用いたときのゴースト光強度Pg(図17参照)よりも小さい。
また、上記実施形態では、複屈折膜152が、複数の針状誘電体を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。一例として図30に示されるように、複屈折膜152が、配向膜及び液晶層を有していても良い。配向膜の配向規制方向は、樹脂成型部材151の主軸方位に対し平行あるいは垂直である。
液晶材料としては、(1)液晶モノマを架橋して得られる高分子液晶、(2)液晶自体は低分子状態で、液晶分子の周囲を高分子でキュアして得られるスタビライズド液晶、を用いることができる。
いずれの場合も、配向膜上に、ディッピング法等により液晶材料を塗布する。これにより、液晶分子が配向される。その後、紫外線照射処理等により液晶材料を高分子化する。
ところで、走査レンズの光学面は曲面であるため、印刷法やスピンコーティング法での膜形成は困難であり、蒸着法やディッピング法が適している。配向膜もディッピング法で形成することが好ましい。
なお、ディッピング法を用いる場合、樹脂成型部材151の耐薬品性を高めるため、無機材料からなる誘電体膜等を下地層としても良い。
また、いわゆる光配向法を用いて配向処理を行っても良い。この場合、配向規制方向が、樹脂成型部材151の主軸方位に対し平行あるいは垂直となるように、紫外光の入射角をレンズ高さに応じて局所的に変化させながら照射する。これにより、所望の配向規制方向を得ることができる。
複屈折膜152に液晶を用いると、走査レンズの光学面が大面積化あるいは長尺化しても、製造コストを低く抑えることができる。
また、上記実施形態では、複屈折膜152が、樹脂成型部材151の入射光学面に設けられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。複屈折膜152が、樹脂成型部材151の射出光学面に設けられても良いし(図31参照)、複屈折膜152が、樹脂成型部材151の入射光学面と射出光学面の両方に設けられても良い(図32参照)。
また、上記実施形態では、複屈折部材が樹脂成型部材と一体化されている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、複屈折部材及び樹脂成型部材が個別に設けられても良い。
また、上記実施形態では、Y軸方向に関する少なくとも2つの位置において、複屈折膜152の主軸方位と樹脂成型部材151の主軸方位とが同一であれば良い。例えば、Y軸方向に関する中央部と一の端部とにおいて、複屈折膜152の主軸方位と樹脂成型部材151の主軸方位とが同一であっても良い。
また、上記実施形態では、走査光学系が偏光分離素子を含む場合について説明したが、これに限定されるものではなく、一例として図33に示されるように、走査光学系が偏光分離素子を含まなくても良い。この走査光学系では、前記走査レンズ15に代えて、走査レンズ15aと走査レンズ15bが用いられている。そして、走査レンズ15a及び走査レンズ15bは、いずれも前記走査レンズ15と同様な樹脂成型部材と複屈折膜を有している。この場合は、各被走査面における主走査方向に関する位置毎のビーム特性の偏差(ばらつき)を抑制することができる。
また、上記実施形態では、各画像形成ステーションにおける走査光学系が1つの走査レンズを有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、該走査光学系が複数の走査レンズを有していても良い。この場合は、最も肉厚の大きい走査レンズに対して複屈折膜152を設けるのが好ましい。
また、上記実施形態では、各光源が1つの発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、各光源が複数の半導体レーザを有しても良い。また、各光源が複数の発光部を持つ半導体レーザアレイを有しても良い。
また、上記実施形態では、トナー像が感光体ドラムから転写ベルトを介して記録紙に転写される画像形成装置について説明したが、これに限定されるものではなく、トナー像が記録紙に直接転写される画像形成装置であっても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置として4つの感光体ドラムを有するカラープリンタ2000について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、2つの感光体ドラムを有するプリンタであっても良い。また、更に補助色を用いる多色カラープリンタであっても良い。
また、像担持体としてビームスポットの熱エネルギにより発色する発色媒体(ポジの印画紙)を用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により可視画像を直接、像担持体に形成することができる。
また、上記実施形態では、光走査装置がプリンタに用いられる場合について説明したが、上記光走査装置は、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機にも好適である。
14…ポリゴンミラー(光偏向器)、15A,15B…走査レンズ、16A,16B…偏光分離素子、17A,17B…反射ミラー、18a,18b,18c,18d…折り返しミラー、19a〜19d…防塵ガラス、22A,22B…シリンドリカルレンズ、100A,100B…光源ユニット(光源装置)、110a〜110d…光源、151…樹脂成型部材、152…複屈折膜(複屈折部材)、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2030a〜2030d…感光体ドラム(像担持体)、2010…光走査装置。
Claims (7)
- 被走査面を光によって主走査方向に走査する光走査装置であって、
光源装置と、
前記光源装置からの光を偏向する光偏向器と、
複屈折部材及び前記光偏向器で偏向された光を集光する樹脂成型部材を含み、前記光偏向器で偏向された光を前記被走査面に導光する走査光学系と、を備え、
前記主走査方向に関する複数位置において、前記複屈折部材の主軸方位と前記樹脂成型部材の主軸方位とが同一であり、
前記複屈折部材及び前記樹脂成型部材での位相差δ0(−180°≦δ0≦+180°)、及び前記樹脂成型部材での位相差δ1(−180°≦δ1≦+180°)を用い、|δ0|<|δ1|である光走査装置。 - 前記複屈折部材は、前記樹脂成型部材の表面上に設けられている複屈折膜であることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
- 前記複屈折膜は、複数の針状誘電体を有し、
該複数の針状誘電体は、前記主走査方向に関する複数位置において、主光線に直交する面に正射影したときの方向が前記樹脂成型部材の主軸方位と同一であることを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。 - 前記複屈折膜は、前記主走査方向に関する複数位置において、該複屈折膜での位相差が前記樹脂成型部材での位相差と逆位相となるように、該複屈折膜の厚さ又は前記複数の針状誘電体のチルト角が設定されていることを特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
- 前記複屈折膜は、配向膜と液晶層を有し、
前記配向膜の配向規制方向は、前記樹脂成型部材の主軸方位に対し平行あるいは垂直であることを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。 - 前記光源装置は、互いに偏光方向が直交する2つの光を射出し、
前記走査光学系は、前記複屈折部材及び前記樹脂成型部材を通過した前記2つの光の光路上に配置された偏光分離素子を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光走査装置。 - 複数の像担持体と、
前記複数の像担持体を光により走査する請求項1〜6のいずれか一項に記載の光走査装置とを備える画像形成装置。
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-
2012
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