JP2014071192A - プロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】破損防止機能を有するレンズシフト機構を備えたプロジェクターを提供する。
【解決手段】レンズシフト機構は、可動部、駆動部、切替機構7、および伝達部を備える。切替機構7は、駆動部に噛合する第1歯車71と、伝達部に噛合する第2歯車72と、切替部材73と、切替部材73を第2歯車72側に付勢するコイルバネ74と、を備える。第2歯車72は、第1歯部72Gを有し、切替部材73は、コイルバネ74の付勢力により第1歯部72Gに噛合する第2歯部73Gを有している。切替機構は、可動部の移動可能範囲において、駆動力を第1歯車71から第2歯車72に伝達させ、可動部が移動可能範囲の限界に達して駆動力が発生されたときに、切替部材73がコイルバネ74の付勢力に抗して第2歯車72から離間する方向に移動し、駆動力を第1歯車71から第2歯車72に伝達させないように構成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、プロジェクターに関する。
従来、光源から射出された光束を変調する光変調装置、および変調した光束を投写する投写レンズを備えたプロジェクターが知られている。そして、ユーザーがプロジェクターを移動させずに投写された画像を移動できるように、投写レンズを移動させるレンズシフト機構を備えたプロジェクターが提案されている。
また、投写レンズが移動可能な限界の位置に達した際に、投写レンズを移動させる駆動力によって、レンズシフト機構等が破損しないように構成された技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のレンズシフト機構は、投写レンズを支持すると共に投写レンズの光軸に対して直交する方向に移動可能な可動ユニットと、可動ユニットを移動させる駆動力を発生する駆動手段と、可動ユニットに当接して移動範囲を規制するストッパーと、可動ユニットがストッパーに当接した状態で駆動手段の駆動力が可動ユニットに伝達されないようにするためのスリップ機構とを備える。
スリップ機構は、回転軸と、回転軸に相対回転できるように取り付けられた伝達ギアと、回転軸と一体回転するように取り付けられた回転プレートと、回転プレートを伝達ギアに対して押圧する付勢手段とを備える。伝達ギアおよび回転プレートは、互いに当接する当接面を有し、この当接面は、回転軸の中心軸線を中心とする円錐面をなしている。
そして、駆動手段からの駆動力は、回転プレートに伝達される。そして、可動ユニットの移動範囲内においては、回転プレートに伝達された駆動力は、伝達ギアから駆動ギアに伝達されて可動ユニットを移動させる。一方、可動ユニットがストッパーに当接して移動範囲の限界に達すると、駆動ギアが回転しなくなるため、回転プレートに所定以上の駆動力が伝達される場合には、回転プレートと伝達ギアとの間にスリップが生じる。このように、スリップ機構は、可動ユニットがストッパーに当接して移動範囲の限界に達して駆動力が発せられた場合に、回転プレートを回転させるが、伝達ギアが回転しない状態とし、レンズシフト機構に過大な負荷がかかることを防止している。
特開2008−268627号公報
しかしながら、特許文献1に記載のスリップ機構は、可動ユニットの移動範囲内においては、回転プレートの回転が伝達ギアに確実に伝達され、可動ユニットの移動範囲の限界においては、回転プレートと伝達ギアとの間に確実にスリップが生じるように構成する必要がある。つまり、特許文献1に記載のスリップ機構は、付勢手段の付勢力や、回転プレートと伝達ギアとの接触面積の設定、および両部材の材料の選定等が難しいという課題がある。また、ユーザーにとって、スリップ機構が動作しているか否かが認識しづらいことが考えられ、投写レンズが移動可能な状態なのか、移動範囲の限界の位置に達したのか不安感をユーザーに与える恐れがある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、投写レンズ、および前記投写レンズを移動させるレンズシフト機構を備えたプロジェクターであって、前記レンズシフト機構は、前記投写レンズを支持し、前記投写レンズの光軸に直交する方向に移動可能な可動部と、前記可動部を移動させる駆動力を発生する駆動部と、前記駆動力を前記可動部に伝達可能とする状態と、前記駆動力を前記可動部に伝達させない状態とを切り替え可能な切替機構と、前記切替機構にて伝達された前記駆動力を前記可動部に伝達する伝達部と、を備え、前記切替機構は、前記駆動部および前記伝達部の一方に噛合する第1歯車と、前記第1歯車と同じ回転中心軸を有し、前記駆動部および前記伝達部の他方に噛合する第2歯車と、前記第1歯車と同じ回転中心軸を有し、前記第1歯車と前記第2歯車との間に前記回転中心軸方向に移動可能に配置され、前記第1歯車によって回転方向において係止される切替部材と、前記切替部材を前記第2歯車側に付勢する付勢部と、を備え、前記第2歯車は、前記切替部材に対向する側に、前記回転中心軸を中心とする円周上に配設される第1歯部を有し、前記切替部材は、前記付勢部の付勢力により前記第1歯部に噛合する第2歯部を有し、前記切替機構は、前記可動部の移動可能範囲において、前記第1歯部と前記第2歯部とが噛合する状態で前記第1歯車と前記第2歯車とがともに回転し、前記駆動力が前記第1歯車および前記第2歯車の一方から他方に伝達される伝達状態と、前記移動可能範囲の限界に達して前記駆動力が発生されたときに、前記切替部材が前記駆動力により前記付勢部の付勢力に抗して前記第2歯車に対し離間する方向に移動することによって、前記駆動部に噛合する前記第1歯車および前記第2歯車の一方が回転し、前記伝達部に噛合する他方の回転が規制され、前記駆動力を前記第1歯車および前記第2歯車の一方から他方に伝達させない非伝達状態と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、レンズシフト機構は、切替機構を備え、切替機構は、可動部の移動可能な範囲(移動可能範囲)において、駆動部の駆動力を伝達部に伝達可能とする伝達状態と、可動部が移動可能範囲の限界に達して移動が規制される(移動規制状態)において、駆動部の駆動力を伝達部に伝達させない非伝達状態とを切り替え可能に構成されている。
すなわち、切替機構における切替部材は、回転方向において第1歯車に係合しているので、第1歯車と共に回転する。そして、付勢部に付勢されている切替部材は、可動部の移動可能範囲内において、第2歯部が第1歯部に噛合する状態を維持して、駆動部からの駆動力を第1歯車から第2歯車、あるいは第2歯車から第1歯車に伝達させる。つまり、切替機構は、伝達状態となり、レンズシフト機構は、駆動部に駆動力が発せられると、その駆動力を切替機構から伝達部に順次伝達させて可動部、すなわち投写レンズを移動させる。
一方、可動部が移動規制状態になると、伝達部および伝達部に噛合している第1歯車および第2歯車のいずれか一方は、可動部の移動が規制されている方向(規制方向)に対応する方向の回転が規制されることとなる。この移動規制状態で、駆動部に規制方向に対応する方向の駆動力が加えられると、その駆動力は、第1歯車および第2歯車のいずれか他方から切替部材に伝達される。そして、駆動力が伝達された切替部材(第2歯部)は、付勢部の付勢力に抗して第2歯車(第1歯部)に対し離間する方向に移動し、第1歯車あるいは第2歯車は空回りすることとなる。つまり、切替機構は、駆動部の駆動力を伝達部に伝達させない非伝達状態となる。
このように、レンズシフト機構は、伝達状態と非伝達状態とを切り替え可能とする切替機構を備えているので、可動部の移動可能範囲内において駆動部の駆動力を確実に可動部に伝達させ、可動部の移動規制状態で駆動部からの駆動力を可動部に伝達させないようにすることができる。これによって、可動部の移動規制状態で、駆動部に規制方向に対応する方向の駆動力が発生された場合であっても、可動部にはその駆動力が伝達されないので、レンズシフト機構を構成する部材等の破損を防止することができる。
切替機構は、第2歯車に設けられた第1歯部と、切替部材に設けられた第2歯部とが噛合する構成なので、スリップ機構による摩擦力を利用した構成に比べ、双方の部材間の駆動力の伝達を確実なものとすることが可能となり、切替機構を構成する部材の設定が容易となる。
また、切替機構は、スリップ機構による構成に比べ、付勢部の付勢力が小さくとも可動部の移動可能範囲内において、駆動部の駆動力を確実に可動部に伝達させることが可能となる。
よって、小型化、軽量化を図ると共に製造が容易な切替機構を備えるレンズシフト機構が可能となる。したがって、大型化や重量化を抑制し、製造の簡素化を図ってこのレンズシフト機構を備えるプロジェクターの提供が可能となる。
可動部の移動規制状態において、駆動部によって規制方向に対応する方向の駆動力が発生されると、第1歯部および第2歯部のいずれか一方が他方を乗り越えて回転するため、動作音が発生することとなり、ユーザーに投写レンズが移動可能範囲の限界に達したことを容易に認識させることが可能となる。
また、切替機構は、第1歯車および第2歯車を備える構成なので、1つの歯車を備えたスリップ機構に比べて駆動部や伝達部に対する減速比やトルクの設定自由度の向上が図れる。
[適用例2]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記駆動部は、手動操作されることによって駆動力を発生することが好ましい。
この構成によれば、駆動部は手動式で構成されているので、可動部が移動可能範囲の限界に達した際に、駆動部を操作するユーザーに、第1歯部および第2歯部のいずれか一方が他方を乗り越える際のクリック感等の感触を与えることが可能となり、可動部が移動可能範囲の限界に達したことを容易にユーザーに認識させることが可能となる。
[適用例3]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記駆動部は、回転操作されるダイアル、および前記ダイアルの回転中心軸を同軸とする駆動歯車を有し、前記第1歯車は、前記駆動歯車および前記伝達部のいずれか一方に噛合する歯型が形成された歯型形成部、および前記歯型形成部から突出し、前記付勢部を収納する収納部が設けられた突出部を有し、前記第1歯車は、前記歯型形成部に対して前記ダイアルが配置されている側と反対側に、前記突出部が位置するように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、第1歯車は、付勢部を収納する収納部を備えているので、部品点数の増加を抑制して簡素な構成で、切替機構を構成することが可能となる。
また、第1歯車は、突出部がダイアルと反対側に位置するように配置されているので、プロジェクターの外装筐体からダイアルを露出させ、突出部を外装筐体内に収納させることが容易に可能となる。よって、レンズシフト機構の操作性を向上させると共に、切替機構を効率よく外装筐体に収納し、デザイン性の向上を図ったプロジェクターの提供が可能となる。
[適用例4]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記第1歯部および前記第2歯部は、互いが噛合する面が平面で形成されていることが好ましい。
この構成によれば、第1歯部および第2歯部は、互いが噛合する面が平面で形成されているので、第1歯部と第2歯部とは面接触することとなり、噛合する面が曲面で形成される構成に比べ、摩擦力が大きくなる。これによって、第1歯部と第2歯部との噛み合い量を小さく設定しても、また付勢部の付勢力を小さく設定しても確実な伝達状態が可能となり、切替機構のさらなる小型化や軽量化が図れる。
[適用例5]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記第1歯部および前記第2歯部は、前記回転中心軸方向において互いに噛合する傾斜部を有することが好ましい。
この構成によれば、第1歯部および第2歯部は、上述したように形成されているので、切替機構の伝達状態と非伝達状態との滑らかな切り替えが可能となる。
本実施形態のプロジェクターの概略構成を示す模式図。 本実施形態のプロジェクターの外観の一部を示す斜視図。 本実施形態の投写レンズ、レンズシフト機構およびヘッド体の斜視図。 本実施形態の第1輪列機構、および第2輪列機構を示す斜視図。 本実施形態の切替機構の分解斜視図。 本実施形態の切替機構の断面図。 本実施形態の第1歯部および第2歯部を模式的に示す断面図。
以下、本実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のプロジェクターは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調してスクリーン等に拡大投写する。
〔プロジェクターの主な構成〕
図1は、本実施形態のプロジェクター1の概略構成を示す模式図である。
プロジェクター1は、図1に示すように、外装を構成する外装筐体2、制御部(図示省略)、光源装置31および投写レンズ36を有する光学ユニット3を備えている。なお、図示は省略するが、外装筐体2の内部には、さらに、光源装置31や制御部に電力を供給する電源装置、光学ユニット3等を冷却する冷却装置等が配置されている。
本実施形態のプロジェクター1は、投写レンズ36を移動させるレンズシフト機構5を備え、スクリーン等に投写された画像を移動できるように構成されている。なお、以下では、説明の便宜上、投写レンズ36から光束が射出される方向を前側、プロジェクター1が机上等に据え置かれた据置姿勢における上方を上側として記載する。
図2は、プロジェクター1の外観の一部を示す斜視図であり、投写レンズ36近傍を示す図である。
外装筐体2は、合成樹脂製であり、図2に示すように、外装筐体2の上部を形成するアッパーケース21、下部を形成するロアーケース(図示省略)、および前部を形成するフロントケース22等を備えており、これらは、ネジ等により固定されている。
図2に示すように、フロントケース22は、中央部から投写レンズ36の先端部が露出するように形成されている。そして、アッパーケース21およびフロントケース22は、双方の部材の境界部にレンズシフト機構5を操作するためのダイアル61,161が露出するように形成されている。
また、図示は省略するが、外装筐体2には、外気を取り込むための吸気口、および外装筐体2内部の温まった空気を外部に排気する排気口等が設けられている。
制御部は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、コンピューターとして機能するものであり、プロジェクター1の動作の制御、例えば、画像の投写に関わる制御等を行う。
〔光学ユニットの構成〕
光学ユニット3は、制御部による制御の下、光源装置31から射出された光束を光学的に処理して投写する。
光学ユニット3は、図1に示すように、光源装置31に加え、インテグレーター照明光学系32、色分離光学系33、リレー光学系34、光学装置4、ヘッド体37、投写レンズ36、レンズシフト機構5、およびこれらの部材を光路上の所定位置に配置する光学部品用筐体38を備えている。
光学ユニット3は、図1に示すように平面視略L字状に形成され、一方の端部に光源装置31が着脱可能に配置され、他方の端部に投写レンズ36が配置される。なお、以下では、説明の便宜上、光源装置31から光束が射出される方向を+X方向、プロジェクター1から投写される光が射出される方向を+Y方向(前方向)、上方向を+Z方向として記載する。また、±X方向を左右方向とする。
光源装置31は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源311およびリフレクター312等を備え、光源311から射出された光束をリフレクター312にて反射し、インテグレーター照明光学系32に向けて射出する。
インテグレーター照明光学系32は、第1レンズアレイ321、第2レンズアレイ322、偏光変換素子323、および重畳レンズ324を備え、光源装置31から射出された光束が後述する液晶ライトバルブ43の表面に略均一に照射されるように、また有効利用されるように構成されている。
色分離光学系33は、2枚のダイクロイックミラー331,332、および反射ミラー333を備え、インテグレーター照明光学系32から射出された光束を赤色光(以下「R光」という)、緑色光(以下「G光」という)、青色光(以下「B光」という)の3色の色光に分離する機能を有する。
リレー光学系34は、入射側レンズ341、リレーレンズ343、および反射ミラー342,344を備え、色分離光学系33で分離されたR光をR光用の液晶ライトバルブ43まで導く機能を有する。なお、光学ユニット3は、リレー光学系34がR光を導く構成としているが、これに限らず、例えば、B光を導く構成としてもよい。
光学装置4は、各色光用に設けられた電気光学装置40(R光用の電気光学装置を40R、G光用の電気光学装置を40G、B光用の電気光学装置を40Bとする)、および色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム41を備えている。
各電気光学装置40は、入射側偏光板42、光変調装置としての液晶ライトバルブ43、および射出側偏光板44を備え、各色光を画像情報に応じて変調する。
クロスダイクロイックプリズム41は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。クロスダイクロイックプリズム41は、誘電体多層膜が電気光学装置40R,40Bにて変調された色光を反射し、電気光学装置40Gにて変調された色光を透過して、各色光を合成する。
投写レンズ36は、光軸36jに沿って配置される複数のレンズ(図示省略)を有し、クロスダイクロイックプリズム41にて合成された光をスクリーン上に拡大投写する。
図3は、投写レンズ36、レンズシフト機構5およびヘッド体37の斜視図である。
レンズシフト機構5は、詳細な構成は後で説明するが、ダイアル61,161が手動操作によって回転されることにより、投写レンズ36を光軸36jに直交する面内で移動させる。
ヘッド体37は、レンズシフト機構5を支持し、光学部品用筐体38に取り付けられる。ヘッド体37には、図3に示すように、上端部から前方に突出する上側規制部371、および下端部から前方に突出する下側規制部372が設けられている。上側規制部371は、投写レンズ36の上方への移動を規制するために設けられ、下側規制部372は、投写レンズ36の下方への移動を規制するために設けられている。なお、図示は省略するが、ヘッド体37には、投写レンズ36の左右方向の移動を規制するための規制部も設けられている。
〔レンズシフト機構の構成〕
ここで、レンズシフト機構5について詳細に説明する。
レンズシフト機構5は、図3に示すように、第1可動部51、第2可動部(図示省略)、第1輪列機構53、および第2輪列機構54を備えている。
第1可動部51は、ヘッド体37の前方に配置され、投写レンズ36を支持する部材である。投写レンズ36は、板バネ等を利用したバヨネット構造、あるいはネジ等によって第1可動部51に固定されている。
第1可動部51は、ダイアル61が回転操作されることにより、ヘッド体37に対し、投写レンズ36と共に光軸36jに直交する上下方向(±Z方向)に移動可能に構成されている。第1可動部51は、上方へ移動されると所定の位置でヘッド体37の上側規制部371に当接し、それ以上の上方への移動が規制され、下方へ移動されると所定の位置でヘッド体37の下側規制部372に当接し、それ以上の下方への移動が規制される。そして、第1可動部51は、上側規制部371と下側規制部372との間(上下移動可能範囲)で自在に移動可能に構成されている。
第2可動部は、ヘッド体37と第1可動部51との間に配置されている。第2可動部は、第1可動部51の上下方向(±Z方向)への移動を案内し、ダイアル161が回転操作されることにより、第1可動部51と共に光軸36jに直交する左右方向(±X方向)に移動可能に構成されている。つまり、第1可動部51に支持される投写レンズ36は、第2可動部に対して上下方向に移動可能に構成され、第2可動部と共に左右方向に移動可能に構成されることとなる。また、第2可動部は、ヘッド体37に設けられた左右方向における規制部(図示省略)に規制される間(左右移動可能範囲)で自在に移動可能に構成されている。
図4は、第1輪列機構53、および第2輪列機構54を示す斜視図であり、後述する支持部55,56を省略した図である。
第1輪列機構53は、第1可動部51を上下方向に移動させる機構であり、図4に示すように、駆動部6、切替機構7、伝達部8、および支持部55(図3参照)を備えている。
駆動部6は、ユーザーの手動操作によって、第1可動部51を上下方向に移動させるための駆動力を発生する。駆動部6は、図3に示すように、レンズシフト機構5の+X側端部近傍の上側に配置される。
駆動部6は、図4に示すように、ユーザーによって回転操作されるダイアル61、およびダイアル61と一体的に形成された駆動歯車62を有している。
ダイアル61は、図4に示すように、円錐形の上部が切断されたような形状を有し、上下方向に沿う回転中心軸を中心に回転可能に配置される。ダイアル61の上面には、凹部が設けられており、この凹部の中央部には、ユーザーが抓むことが可能なリブ611が形成されている。そして、ダイアル61の側面612には、ユーザーが操作する際の滑り止めのための凹凸が設けられている。
ダイアル61は、図2に示すように、リブ611が外装筐体2の上側から露出し、側面612の一部が外装筐体2の前側から露出するように配置される。そして、ダイアル61は、リブ611が抓まれての回転操作(リブ操作)や、側面612への接線方向への押圧による回転操作(側面操作)が可能に形成されている。
このように、ダイアル61がリブ操作および側面操作が可能に構成されていることにより、プロジェクター1が机上等に据え置かれる据え置き設置、および据え置き設置に対してプロジェクター1が上下反転されて天井等に設置される天吊り設置の双方において、いずれか操作し易い方を選択することができ、投写レンズ36を移動する際の操作性の向上が図られている。
駆動歯車62は、図4に示すように、ダイアル61の回転中心軸を同軸として、ダイアル61の下側に形成されており、ダイアル61の回転によってダイアル61と共に回転し、その回転を切替機構7に伝達する。
切替機構7および伝達部8は、駆動部6の駆動力を第1可動部51に順次伝達する。
切替機構7は、図4に示すように、駆動部6の後方(−Y側)に配置されている。
切替機構7の構成については、後で詳細に説明するが、駆動部6の駆動歯車62に噛合する第1歯車71、および伝達部8に噛合する第2歯車72を備えている。そして、切替機構7は、第1可動部51が移動できる範囲において、駆動部6の駆動力を伝達部8に伝達させる状態(伝達状態)となり、第1可動部51が上側規制部371、下側規制部372に当接して移動が規制された際に、駆動部6の駆動力を伝達部8に伝達させない状態(非伝達状態)となるように構成されている。
伝達部8は、図4に示すように、切替機構7の第2歯車72に噛合する歯車81およびリードスクリュー82を有している。
リードスクリュー82は、外周にネジ溝が形成されており、一方の端部が歯車81の中央部に設けられた挿通孔に挿通され、歯車81とネジ溝との間、および他方の端部がヘッド体37に支持される。そして、歯車81およびリードスクリュー82は、上下方向に沿う回転中心軸を同軸として一体的に回転可能に配置される。
支持部55は、駆動部6、切替機構7および歯車81を支持し、ヘッド体37に取り付けられる。支持部55は、図3に示すように、上側支持部材55U、および上側支持部材55Uの下方に位置する下側支持部材55Dを備えている。上側支持部材55Uおよび下側支持部材55Dは、板金からプレス加工等によって形成されており、ダイアル61は、上側支持部材55Uの上方に位置し、駆動歯車62、切替機構7および歯車81は、上側支持部材55Uと下側支持部材55Dとの間に位置するように支持される。
リードスクリュー82には、第1可動部51を牽引する牽引部材(図示省略)が噛合されており、この牽引部材には、上下方向において第1可動部51に係止される突出部が設けられている。
ダイアル61が回転されると、駆動歯車62、切替機構7および歯車81を介してリードスクリュー82が回転し、リードスクリュー82に噛合されている牽引部材がダイアル61の回転方向に応じて移動する。その結果、第1可動部51、つまり、第1可動部51に支持されている投写レンズ36は、上下方向に移動することとなる。本実施形態のレンズシフト機構5は、上方から見てダイアル61が時計回りに回転されると投写レンズ36が上方に移動し、ダイアル61が反時計回りに回転されると、投写レンズ36が下方に移動するように構成されている。
第2輪列機構54は、第2可動部を左右方向に移動させることにより第1可動部51、つまり、投写レンズ36を左右方向に移動させる機構であり、図4に示すように、駆動部16、切替機構17、伝達部9、および支持部56(図3参照)を備えている。
駆動部16は、駆動部6と共通の部材で構成され、ダイアル61および駆動歯車62と同形状のダイアル161および駆動歯車162を有している。
駆動部16は、ユーザーの手動操作によって、第2可動部を左右方向に移動させるための駆動力を発生する。駆動部16は、図3に示すように、レンズシフト機構5の−X側端部近傍の上側に配置される。
ダイアル161は、図2に示すように、ダイアル61と同様に、リブ1611が外装筐体2の上側から露出し、側面1612の一部が外装筐体2の前側から露出するように配置される。そして、ダイアル161は、ダイアル61と同様に、リブ操作や側面操作によって回転するように構成されている。
駆動歯車162は、駆動部6の駆動歯車62と同様に、ダイアル161の回転によってダイアル161と共に回転し、その回転を切替機構17に伝達する。
切替機構17および伝達部9は、駆動部16の駆動力を第2可動部に順次伝達する。
切替機構17は、図4に示すように、駆動部16の後方(−Y側)に配置されている。
切替機構17は、切替機構7と共通の部材で構成され、駆動部16の駆動歯車162に噛合する第1歯車171、および伝達部9に噛合する第2歯車172を備えている。そして、切替機構17は、第2可動部が移動できる範囲において、駆動部16の駆動力を伝達部9に伝達させる状態(伝達状態)となり、第2可動部が規制部(図示省略)に当接して移動が規制された際に、駆動部16の駆動力を伝達部9に伝達させない状態(非伝達状態)となるように構成されている。
伝達部9は、図4に示すように、歯車91、積層歯車92、カサ歯車93、およびリードスクリュー94を有している。
歯車91は、切替機構17の第2歯車172に噛合するように構成されている。
積層歯車92は、歯車91に噛合する歯車921、および歯車921の回転中心軸を同軸とし、歯車921の下方に設けられたカサ歯車922を有している。
カサ歯車93は、カサ歯車922に噛合するように形成され、回転中心軸が左右方向に沿うように配置される。
カサ歯車93の中央部には、挿通孔が設けられており、この挿通孔にリードスクリュー94の一方の端部が挿入され、カサ歯車93およびリードスクリュー94は、左右方向に沿う中心軸を同軸として一体的に回転可能に構成されている。
リードスクリュー94は、外周にネジ溝が形成されており、カサ歯車93とネジ溝との間、およびカサ歯車93が配置されている側とは反対側の端部がヘッド体37に支持される。
支持部56は、駆動部16、切替機構17、歯車91、および積層歯車92を支持し、ヘッド体37に取り付けられる。支持部56は、図3に示すように、上側支持部材56U、および上側支持部材56Uの下方に位置する下側支持部材56Dを備えている。
上側支持部材56Uおよび下側支持部材56Dは、板金からプレス加工等によって形成されており、ダイアル161は、上側支持部材56Uの上方に位置し、駆動歯車162、切替機構17、歯車91、および積層歯車92は、上側支持部材56Uと下側支持部材56Dとの間に位置するように支持される。
リードスクリュー94には、第2可動部を牽引する牽引部材(図示省略)が噛合されており、この牽引部材には、左右方向において第2可動部に係止される突出部が設けられている。
ダイアル161が回転されると、駆動歯車162、切替機構17、歯車91、積層歯車92、およびカサ歯車93を介してリードスクリュー94が回転し、リードスクリュー94に噛合されている牽引部材がダイアル161の回転方向に応じて移動する。その結果、第2可動部、つまり、第1可動部51を介して第2可動部に支持されている投写レンズ36は、左右方向に移動することとなる。本実施形態のレンズシフト機構5は、上方からみてダイアル161が時計回りに回転されると投写レンズ36が+X方向に移動し、ダイアル161が反時計回りに回転されると、投写レンズ36が−X方向に移動するように構成されている。
〔切替機構の構成〕
ここで、切替機構7,17について詳細に説明する。なお、ここでは、切替機構7に注目して説明する。
図5は、切替機構7の分解斜視図であり、(a)は、上方斜めから見た図、(b)は、下方斜めから見た図である。図6は、切替機構7の断面図である。
切替機構7は、図5に示すように、第1歯車71および第2歯車72に加え、切替部材73および付勢部としてのコイルバネ74を備えている。
第1歯車71は、図5(a)に示すように、回転中心軸7Jを有し、駆動部6の駆動歯車62(図4参照)に噛合する歯型が形成された歯型形成部711、および歯型形成部711の下側(−Z側)から突出する突出部712を有している。
突出部712は、回転中心軸7Jを中心とし、歯型形成部711の外径より小さな外径の円柱状に形成されている。
突出部712の中央部には、図6に示すように、コイルバネ74の圧縮方向における一部を露出させて収納する収納部713が設けられている。
収納部713の底面には、図6に示すように、回転中心軸7Jを中心とする丸孔713Hが形成されており、この丸孔713Hの縁部には、回転中心軸7Jを中心とし、歯型形成部711側に延出する円筒状の案内部714が設けられている。案内部714は、図6に示すように、収納部713の深さの略半分となる高さに形成されている。
第1歯車71は、図4に示すように、歯型形成部711に対してダイアル61が配置されている側と反対側に、突出部712が位置するように配置される。
第2歯車72は、図5(b)に示すように、回転中心軸7Jを同軸とし、歯車81(図4参照)に噛合する歯型が形成された歯型形成部721、および歯型形成部721の下方(−Z方向)から突出する突出部722を有し、中央には、回転中心軸7Jを中心とする丸孔72Hが形成されている。
歯型形成部721は、第1歯車71の歯型形成部711と同等の外径に形成されている。
突出部722は、図6に示すように、第1歯車71の案内部714と同等サイズの円筒状に形成されており、第2歯車72は、突出部722が案内部714と対向するように配置される。
また、歯型形成部721の突出部722側(切替部材73に対向する側)の面には、図5(b)に示すように、突出部722の外側に第1歯部72Gが設けられている。
第1歯部72Gは、回転中心軸7Jを中心とする円周上に等間隔で複数配設されている。
図7は、第2歯車72および切替部材73を模式的に示す部分断面図である。
第1歯部72Gは、回転中心軸7Jを中心として放射状に形成されており、回転中心軸7Jの方向において傾斜部を有する。より具体的には、第1歯部72Gは、円周方向に沿う断面は、図7に示すように、台形状に形成されている。
切替部材73は、回転中心軸7Jを同軸として第1歯車71と第2歯車72との間に配置される。
切替部材73は、図5(a)に示すように、円柱状のフランジ部731、およびフランジ部731の下側(−Z側)から突出する円筒部732を有している。
フランジ部731は、外径が歯型形成部721の外径より小さく、第2歯車72側の面には、第1歯部72Gと噛合可能な第2歯部73Gが形成されている。
第2歯部73Gは、第1歯部72Gと同様に、回転中心軸7Jを中心として放射状に形成されており、回転中心軸7Jの方向において第1歯部72Gが有する傾斜部に対応する傾斜部を有する。より具体的には、第2歯部73Gは、図7に示すように、円周方向に沿う断面は、台形状に形成されている。第1歯部72Gおよび第2歯部73Gは、互いが噛合する面が平面で形成されており、第1歯部72Gと第2歯部73Gは、面接触により噛合することとなる。
円筒部732は、図6に示すように、外径がコイルバネの内径より小さく、内径が案内部714および突出部722の外径より大きく形成されている。そして、切替部材73は、円筒部732に案内部714および突出部722が挿通されて、第1歯車71と第2歯車72との間に配置される。
また、円筒部732には、図5(a)に示すように、回転中心軸7Jに沿って切り欠かれたスリット733が設けられている。スリット733は、第1歯車71に設けられた図示しない突起部に係合するように形成されており、切替部材73は、第1歯車71に回転方向において係止されている。つまり、切替部材73は、第1歯車71の回転に伴って第1歯車71と共に回転する。
コイルバネ74は、第1歯車71と切替部材73との間に配置される。具体的に、コイルバネ74は、図6に示すように、第1歯車71の収納部713に収納され、一端が第1歯車71の底部に当接し、他端がフランジ部731の第2歯部73Gとは反対側の面に当接し、切替部材73を第2歯車72側に付勢する。
切替機構7は、図6に示すように、上側支持部材55Uに設けられた支持ピン55Upが丸孔713H,72Hに挿通されてこの支持ピン55Upに軸支され、支持ピン55Upの先端に座金Wを介してネジScが締められることによって上側支持部材55Uに取り付けられる。そして、切替部材73は、コイルバネ74に付勢されているので、第2歯部73Gが第2歯車72の第1歯部72Gと噛合した状態となる。
〔切替機構の動作〕
ここで、切替機構7の動作について説明する。
切替機構7は、第1可動部51の上下移動可能範囲において、第1歯部72Gと第2歯部73Gとが噛合する状態を維持し、駆動部6の駆動力を第1歯車71から第2歯車72に伝達させる。つまり、切替機構7は、第1可動部51の上下移動可能範囲において、駆動部6の駆動力を伝達部8に伝達させる伝達状態となる。
具体的に、ダイアル61が一方向(上方から見て時計回り)に回転されると、その駆動力は、駆動歯車62を介して第1歯車71に伝達される。この駆動力は、回転方向において第1歯車71に係止されている切替部材73にも伝達される。
第2歯部73Gは、第1歯部72Gに噛合しているので、図7に示すように、切替部材73に伝達された駆動力Fによって、第1歯部72Gを押圧して第2歯車72を回転させる。このように、切替機構7は、第1可動部51の上下移動可能範囲において、第1歯部72Gと第2歯部73Gとが噛合する状態を維持し、駆動力Fを第1歯車71から第2歯車72に伝達させる。
そして、第2歯車72の回転は、歯車81(図4参照)を介してリードスクリュー82に伝達され、その結果、第1可動部51および投写レンズ36は、牽引部材を介して上方に移動する。
ダイアル61が他方向(上方から見て反時計回り)に回転されると、その駆動力は、同様に、第1可動部51に伝達され、第1可動部51および投写レンズ36は、下方に移動する。
一方、第1可動部51は、ヘッド体37の上側規制部371や下側規制部372に当接すると、移動可能範囲の限界に達して移動が規制された状態(移動規制状態)となり、切替機構7は、駆動部6の駆動力を伝達部8に伝達させない非伝達状態となる。
具体的に、移動規制状態においては、リードスクリュー82および歯車81は、第1可動部51が規制されている方向(規制方向)に対応する方向の回転ができない状態となり、歯車81に噛合している第2歯車72も規制方向に対応する方向の回転ができない状態となる。
第2歯車72が規制方向に対応する方向の回転ができない状態で、ダイアル61が規制方向に対応する方向に回転されると、駆動歯車62および第1歯車71を介して切替部材73に伝達された駆動力Fによって、第2歯部73Gは、第2歯車72の第1歯部72Gを押圧する。しかしながら、第2歯車72の回転が規制されているので、切替部材73は、コイルバネ74の付勢力に抗して第2歯部73Gが第1歯部72Gの表面を摺動し、第2歯車72から離間する方向に移動する(図6、図7において、二点鎖線で示す)。
さらにダイアル61が回転されると、切替部材73は、第2歯部73Gが第1歯部72Gを乗り越え、コイルバネ74に付勢されて隣の第1歯部72Gに噛み合うように移動し、再び隣の第1歯部72Gを乗り越える動作が繰り返される。したがって、切替部材73は、第1歯車71と共に空回りすることとなり、切替機構7は、駆動部6の駆動力を第1歯車71から第2歯車72に、つまり伝達部8に伝達させない。そのため、回転が規制されている第2歯車72、歯車81、リードスクリュー82、および移動が規制されている第1可動部51への過大な負荷が抑制される。
より具体的には、非伝達状態のときに、第1歯部72Gと第2歯部73Gの間で発生する摩擦力より、伝達部8に噛合する第2歯車72の回転を規制する力の方が大きくなり、切替部材73は、第2歯部73Gが第2歯車の第1歯部72Gとの噛合を維持できず、コイルバネ74の付勢力に抗して第2歯車72から離間する方向に移動する。これにより、第2歯車72の回転は規制される。
この移動規制状態において、ダイアル61が他方向(規制方向に対応する方向とは反対方向)に回転されると、第2歯車72は、この方向に対応する方向の回転が規制されていないので、ダイアル61からの駆動力によって、第2歯部73Gは、第1歯部72Gを押圧して第2歯車72を回転させる。そして、第1可動部51は、規制されている方向とは反対方向に移動する。
このように、切替機構7は、上下方向における第1可動部51の移動可能範囲において、駆動部6の駆動力を伝達部8に伝達させる伝達状態と、上下方向における第1可動部51の移動規制状態において、この駆動力を伝達部8に伝達させない非伝達状態とが切り替え可能に構成されている。
切替機構17は、切替機構7と同様に動作し、左右方向における第2可動部の移動可能範囲において、駆動部16の駆動力を伝達部9に伝達させる伝達状態と、左右方向における第2可動部の移動規制状態において、この駆動力を伝達部9に伝達させない非伝達状態とが切り替え可能に構成されている。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)レンズシフト機構5は、伝達状態と非伝達状態とを切り替え可能とする切替機構7,17を備えているので、第1可動部51、第2可動部の移動可能範囲内において駆動部6,16の駆動力を確実に第1可動部51、第2可動部に伝達させ、第1可動部51、第2可動部の移動可能範囲の限界で駆動部6,16からの駆動力を第1可動部51、第2可動部に伝達させないようにすることができる。これによって、第1可動部51、第2可動部が移動可能範囲の限界に移動された状態で、ダイアル61,161が規制方向に対応する方向に回転されても(駆動部6,16に駆動力が発生されても)、第1可動部51、第2可動部にはその駆動力が伝達されないので、第1可動部51、第2可動部や第1可動部51、第2可動部の移動を規制する部材、第1輪列機構53、第2輪列機構54を構成する部材等の破損を防止することができる。
(2)切替機構7,17は、第2歯車72に設けられた第1歯部72Gと、切替部材73に設けられた第2歯部73Gとが噛合する構成なので、スリップ機構による摩擦力を利用した構成に比べ、双方の部材間の駆動力の伝達を確実なものとすることが可能となり、切替機構7,17を構成する部材の設定が容易となる。
また、切替機構7,17は、スリップ機構による構成に比べ、コイルバネ74の付勢力が小さくとも第1可動部51、第2可動部の移動可能範囲内において、駆動部6,16の駆動力を確実に第1可動部51、第2可動部に伝達させることが可能となる。
よって、小型化、軽量化を図ると共に製造が容易な切替機構7,17を備えるレンズシフト機構5が可能となる。したがって、大型化や重量化を抑制し、製造の簡素化を図ってこのレンズシフト機構5を備えるプロジェクター1の提供が可能となる。
(3)第1可動部51、第2可動部が移動可能範囲の限界に達した際に、ダイアル61,161が規制方向に対応する方向に回転されると、切替部材73は、第2歯部73Gが第1歯部72Gを順次乗り越えて回転するため、動作音が発生することとなり、ユーザーに投写レンズ36が移動可能範囲の限界に達したことを容易に認識させることが可能となる。
また、ダイアル61,161を操作するユーザーに、第2歯部73Gが第1歯部72Gを越える際のクリック感等の感触を与えることが可能となり、第1可動部51、第2可動部が移動可能範囲の限界に達したことを容易にユーザーに認識させることが可能となる。
(4)切替機構7,17は、第1歯車71,171および第2歯車72,172を備える構成なので、1つの歯車を備えたスリップ機構に比べて駆動部6,16や伝達部8,9に対する減速比やトルクの設定自由度の向上が図れる。
(5)第1歯車71,171は、コイルバネ74を収納する収納部713を備えているので、部品点数の増加を抑制して簡素な構成で、切替機構7,17を構成することが可能となる。
また、第1歯車71,171は、突出部712がダイアル61,161と反対側に位置するように配置されているので、外装筐体2からダイアル61,161を露出させ、突出部712を外装筐体2内に収納させることが容易に可能となる。よって、レンズシフト機構5の操作性を向上させると共に、切替機構7,17を効率よく外装筐体2に収納し、デザイン性の向上を図ったプロジェクター1の提供が可能となる。
(6)第1歯部72Gおよび第2歯部73Gは、互いに噛合する面が平面で形成されているので、第1歯部72Gと第2歯部73Gとは面接触することとなり、噛合する面が曲面で形成される構成に比べ、摩擦力が大きくなる。これによって、第1歯部72Gと第2歯部73Gとの噛み合い量を小さく設定しても、また、コイルバネ74の付勢力を小さく設定しても確実な伝達状態が可能となり、切替機構7,17のさらなる小型化や軽量化が図れる。
(7)第1歯部72Gおよび第2歯部73Gは、回転中心軸7J方向において互いに噛合する傾斜部を有しているので、切替機構7,17の伝達状態と非伝達状態との滑らかな切り替えが可能となる。
(変形例)
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記実施形態では、第1歯車71,171が駆動部6,16に噛合し、第2歯車72,172が伝達部8,9に噛合するように構成されているが、第1歯車71,171が伝達部8,9に噛合し、第2歯車72,172が駆動部6,16に噛合するように構成してもよい。
前記実施形態の駆動部6,16は、ダイアル61,161がユーザーによって操作されることにより駆動力を発生する手動式で構成されているが、モーター等を備える電動式で駆動部を構成し、この駆動部が電力によって駆動力を発生するように構成してもよい。
前記実施形態では、付勢部としてコイルバネ74を用いているが、板バネ等を付勢部として構成してもよい。
前記実施形態のプロジェクター1は、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブ43を用いているが、反射型の液晶ライトバルブを利用したものであってもよい。また、光変調装置としてマイクロミラーアレイを用いたデバイス等を利用したものであってもよい。
光源311は放電型のランプに限らず、その他の方式のランプや発光ダイオード等の固体光源で構成してもよい。
1…プロジェクター、2…外装筐体、3…光学ユニット、5…レンズシフト機構、6,16…駆動部、7,17…切替機構、7J…回転中心軸、8,9…伝達部、36…投写レンズ、36j…光軸、51…第1可動部、61,161…ダイアル、62,162…駆動歯車、71,171…第1歯車、72,172…第2歯車、72G…第1歯部、73…切替部材、73G…第2歯部、74…コイルバネ、711…歯型形成部、712…突出部、713…収納部。

Claims (5)

  1. 投写レンズ、および前記投写レンズを移動させるレンズシフト機構を備えたプロジェクターであって、
    前記レンズシフト機構は、
    前記投写レンズを支持し、前記投写レンズの光軸に直交する方向に移動可能な可動部と、
    前記可動部を移動させる駆動力を発生する駆動部と、
    前記駆動力を前記可動部に伝達可能とする状態と、前記駆動力を前記可動部に伝達させない状態とを切り替え可能な切替機構と、
    前記切替機構にて伝達された前記駆動力を前記可動部に伝達する伝達部と、
    を備え、
    前記切替機構は、
    前記駆動部および前記伝達部の一方に噛合する第1歯車と、
    前記第1歯車と同じ回転中心軸を有し、前記駆動部および前記伝達部の他方に噛合する第2歯車と、
    前記第1歯車と同じ回転中心軸を有し、前記第1歯車と前記第2歯車との間に前記回転中心軸方向に移動可能に配置され、前記第1歯車によって回転方向において係止される切替部材と、
    前記切替部材を前記第2歯車側に付勢する付勢部と、
    を備え、
    前記第2歯車は、前記切替部材に対向する側に、前記回転中心軸を中心とする円周上に配設される第1歯部を有し、
    前記切替部材は、前記付勢部の付勢力により前記第1歯部に噛合する第2歯部を有し、
    前記切替機構は、
    前記可動部の移動可能範囲において、前記第1歯部と前記第2歯部とが噛合する状態で前記第1歯車と前記第2歯車とがともに回転し、前記駆動力が前記第1歯車および前記第2歯車の一方から他方に伝達される伝達状態と、
    前記移動可能範囲の限界に達して前記駆動力が発生されたときに、前記切替部材が前記駆動力により前記付勢部の付勢力に抗して前記第2歯車に対し離間する方向に移動することによって、前記駆動部に噛合する前記第1歯車および前記第2歯車の一方が回転し、前記伝達部に噛合する他方の回転が規制され、前記駆動力を前記第1歯車および前記第2歯車の一方から他方に伝達させない非伝達状態と、を有することを特徴とするプロジェクター。
  2. 請求項1に記載のプロジェクターであって、
    前記駆動部は、手動操作されることによって駆動力を発生することを特徴とするプロジェクター。
  3. 請求項2に記載のプロジェクターであって、
    前記駆動部は、回転操作されるダイアル、および前記ダイアルの回転中心軸を同軸とする駆動歯車を有し、
    前記第1歯車は、前記駆動歯車および前記伝達部のいずれか一方に噛合する歯型が形成された歯型形成部、および前記歯型形成部から突出し、前記付勢部を収納する収納部が設けられた突出部を有し、
    前記第1歯車は、前記歯型形成部に対して前記ダイアルが配置されている側と反対側に、前記突出部が位置するように配置されていることを特徴とするプロジェクター。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
    前記第1歯部および前記第2歯部は、互いが噛合する面が平面で形成されていることを特徴とするプロジェクター。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
    前記第1歯部および前記第2歯部は、前記回転中心軸方向において互いに噛合する傾斜部を有することを特徴とするプロジェクター。
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