JP2014070811A - 空調室内機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この空調室内機10では、吹出口15から吹き出される調和空気を迎えるコアンダ羽根32の後端部に第1テーパ形状部326が形成されているので、テーパが形成されていない状態よりも調和空気をコアンダ羽根32の外側面32aへ導き易くなり、外側面32aに向わずに本体ケーシング11の前面に沿って吸込口12に向おうとするショートサーキット流れを抑制することができる。
【選択図】図6
Description
図1は、本発明の一実施形態に係る運転時の空調室内機10の斜視図である。また、図2は、図1における空調室内機10の断面図である。図1及び図2において、空調室内機10は壁掛けタイプであり、本体ケーシング11、室内熱交換器13、室内ファン14、底フレーム16、及び制御部40が搭載されている。
(2−1)前面パネル11b
図1に示すように、前面パネル11bは本体ケーシング11の上部前方からなだらかな円弧曲面を描きながら下部水平板11dの前方エッジに向かって延びている。前面パネル11bの下部に本体ケーシング11の内側に向かって窪んだ領域がある。この領域の窪み深さはコアンダ羽根32の厚み寸法に合うように設定されており、コアンダ羽根32が収容される収容部130を成している。収容部130の表面もなだらかな円弧曲面である。
図1に示すように、吹出口15は、本体ケーシング11の下部に形成されており、横方向(図2紙面と直交する方向)を長辺とする長方形の開口である。吹出口15の下端は下部水平板11dの前方エッジに接しており、吹出口15の下端と上端とを結ぶ仮想面は前方上向きに傾斜している。
スクロール17は、室内ファン14に対峙するように湾曲した隔壁であり、底フレーム16の一部である。スクロール17の終端Fは、吹出口15の周縁近傍まで到達している。吹出流路18を通る空気は、スクロール17に沿って進み、スクロール17の終端Fの接線方向に送られる。したがって、吹出口15に風向調整羽根31がなければ、吹出口15から吹き出される調和空気の風向は、スクロール17の終端Fの接線に概ね沿った方向である。
垂直風向調整板20は、図1に示すように、複数の羽根片201と、複数の羽根片201を連結する連結棒203を有している。また、垂直風向調整板20は、吹出流路18において、風向調整羽根31よりも室内ファン14近傍に配置されている。
風向調整羽根31は、2つの板状部材が隙間をあけて重ね合わされた中空構造である。また、風向調整羽根31は、吹出口15を塞ぐことができる程度の面積を有している。風向調整羽根31が吹出口15を閉じた状態において、その外側面31aは前面パネル11bの曲面の延長上にあるような外側に凸のなだらかな円弧曲面に仕上げられている。また、風向調整羽根31の内側面31b(図2参照)も、外面にほぼ平行な円弧曲面を成している。
コアンダ羽根32は、2つの板状部材が重ね合わされた2層構造である。また、コアンダ羽根32は、空調運転が停止している間や後述する通常吹出モードでの運転では収容部130に収納されている。コアンダ羽根32は回動することによって収容部130から離れる。コアンダ羽根32の回動軸321は、収容部130の下端近傍で且つ本体ケーシング11の内側の位置(吹出流路18上壁の上方の位置)に設けられており、コアンダ羽根32の下端部と回動軸321とは所定の間隔を保って連結されている。それゆえ、回動軸321が回動してコアンダ羽根32が収容部130から離れるほど、コアンダ羽根32の下端の高さ位置は低くなるように回転する。また、コアンダ羽根32が回転して開いたときの傾斜は収容部130の傾斜よりも緩やかである。
本実施形態の空調室内機10は、調和空気の吹き出し方向を制御する手段として、風向調整羽根31のみを回動させて調和空気の吹き出し方向を調整する通常吹出モードと、風向調整羽根31及びコアンダ羽根32を回動させてコアンダ効果によって調和空気をコアンダ羽根32の外側面32aに沿わせたコアンダ気流にするコアンダ効果利用モードとを有している。
通常吹出モードは、風向調整羽根31のみを回動させて調和空気の吹き出し方向を調整するモードであり、「通常前吹き」と「通常前方下吹き」とを含む。
図3Aは、通常前吹き時の風向調整羽根31及びコアンダ羽根32の側面図である。図3Aにおいて、例えばユーザーがリモコン(図示せず)を介して「通常前吹き」を選択したとき、制御部40は風向調整羽根31の内側面31bが略水平になる位置まで風向調整羽根31を回動させる。なお、本願実施形態のように風向調整羽根31の内側面31bが円弧曲面をなしている場合は、内側面31bの前方端E1における接線が略水平になるまで風向調整羽根31を回動させる。その結果、調和空気は、前吹き状態となる。
図3Bは、通常前方下吹き時の風向調整羽根31及びコアンダ羽根32の側面図である。図3Bにおいて、例えばユーザーが吹出方向を「通常前吹き」よりも下方に向けたいとき、リモコンを介して「通常前方下吹き」を選択すればよい。
コアンダ(効果)とは、気体や液体の流れのそばに壁があると、流れの方向と壁の方向とが異なっていても、壁面に沿った方向に流れようとする現象である(朝倉書店「法則の辞典」)。コアンダ利用モードは、このコアンダ効果を利用した「コアンダ気流前方吹き」および「コアンダ気流天井吹き」を含む。
図3Cは、コアンダ気流前方吹き時の風向調整羽根31及びコアンダ羽根32の側面図である。図3Cにおいて、「コアンダ気流前方吹き」が選択されたとき、制御部40は、風向調整羽根31の内側面31bの前方端E1における接線L1が水平よりも前下がりになるまで風向調整羽根31を回動させる。
図3Dは、コアンダ気流天井吹き時の風向調整羽根31及びコアンダ羽根32の側面図である。図3Dにおいて、「コアンダ気流天井吹き」が選択されたとき、制御部40は風向調整羽根31の内側面31bの前方端E1における接線L1が水平になるまで風向調整羽根31を回動させる。
図3Dに示すように、吹出口15とコアンダ羽根32の後端との間にはある程度の隙間Gが存在する。それゆえ、風向を上向き(天井吹き)にしたときには、吹出口15から出た調和空気の一部がその隙間Gから本体ケーシング11前面の収容部130に沿って上昇し、そのまま吸込口12に流入してショートサーキットを引き起こす可能性がある。ショートサーキットが発生すると、調和空気が室内を循環することなく吸込口12に吸い込まれるので、室内が空調されないという事態となる。
図4は、吹出口15の上壁の断面図である。図4において、吹出口15の上壁には、凸状部150が形成されている。吹出口15は、吹出流路18の最終端に相当し、吹出口15の上壁は吹出流路18の上壁18aの一部と言える。
図5は、上吹き姿勢をとるコアンダ羽根32の断面図である。図5において、コアンダ羽根32の後端部は、外側面32a側から後端に向って先細るように面取りされている。その面取りによって形成された傾斜部を第1テーパ形状部326とよぶ。
図6は、吹出口15の上壁、及び上向き姿勢のコアンダ羽根32の断面図である。図6において、点線および2点鎖線で描いた矢印は、調和空気の流れを表している。吹出流路18の上流側から吹出口15に向う調和空気は、吹出流路18の上壁18aの傾斜面18aaに沿って流れてくる。
(5−1)
この空調室内機10では、吹出口15から吹き出される調和空気を迎えるコアンダ羽根32の後端部に第1テーパ形状部326が形成されているので、テーパが形成されていない状態よりも調和空気をコアンダ羽根32の外側面32aへ導き易くなり、外側面32aに向わずに本体ケーシング11の前面に沿って吸込口12に向おうとするショートサーキット流れを抑制することができる。
また、コアンダ羽根32の前端部に第2テーパ形状部327が設けられている。第2テーパ形状部327のテーパ長さは、第1テーパ形状部326よりも小さい。コアンダ羽根32の外側面32aに沿った気流は、コアンダ羽根32の前端で離れるが、前端部のテーパ長さを小さくすることによって、前端の下流側での乱流発生を抑制しつつ下面からの剥離を誘導することができる。
11 本体ケーシング
12 吸込口
15 吹出口
32 コアンダ羽根
326 第1テーパ形状部
327 第2テーパ形状部
Claims (3)
- 吹出口(15)から吹き出される調和空気の風向調整を行う機能を有する壁掛け式の空調室内機であって、
前記吹出口(15)、及び前記吹出口(15)よりも上方に位置する吸込口(12)を有する本体ケーシング(11)と、
前記吹出口(15)の近傍に設けられ、コアンダ効果により前記調和空気を自己の下面に沿わせたコアンダ気流にして所定の方向へ誘導するコアンダ羽根(32)と、
を備え、
前記コアンダ羽根(32)の後端部に、前記吹出口(15)から出る前記調和空気を前記下面へ導く第1テーパ形状部(326)が設けられている、
空調室内機。 - 前記コアンダ羽根(32)の前端部に第2テーパ形状部(327)が設けられており、
前記第2テーパ形状部(327)のテーパ長さは、前記第1テーパ形状部(326)よりも小さい、
請求項1に記載の空調室内機。 - 前記コアンダ羽根(32)の前端に、前記調和空気を前記下面から剥離し易くする剥離誘導部が設けられている、
請求項1に記載の空調室内機。
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