JP2014070735A - 液漏れ阻止ナット、液漏れ阻止構造体、及び液漏れ阻止方法 - Google Patents

液漏れ阻止ナット、液漏れ阻止構造体、及び液漏れ阻止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電力機器に用いられるフランジ部からの漏油、特にフランジを締結するボルトナットからの漏油を阻止する。
【解決手段】液漏れ阻止ナット16は、中心に雌ネジが切られた略円筒形のネジ孔18dを備える略正六角柱の阻止ナット本体18と、阻止ナット本体の側面18c、18c及び18cに、ネジ孔に至る貫通孔18e、18e及び18eを備える。
【選択図】図8

Description

この発明は、油入変圧器や油遮断器等の高圧絶縁油を用いる電力機器からの漏油阻止に好適な液漏れ阻止ナット、液漏れ阻止構造体及び液漏れ阻止方法に関する。
電力会社の変電所等では、油遮断器や油入変圧器等の高圧絶縁油(以下、絶縁油とも称する。)が充填された電力機器(以下、油入電力機器又は機器とも称する。)が用いられる。油入電力機器に充填される絶縁油は、機器の冷却と電気的絶縁のために、絶縁油用配管(以下、単に配管とも称する。)を用いて循環される。
2本の絶縁油用配管同士の接続には、一般に、ボルトナットで締め付けたフランジが用いられる。この際、フランジ部からの漏油を防ぐために、2個のフランジの当接面には、NBR(ニトリルゴム:Acrylonitrile Butadiene Rubber)等のガスケットを介在させる。しかし、ガスケットは、機器の発熱や、機器設置環境の−20℃〜+30℃に及ぶ温度変化等により劣化して、フランジ部から漏油が生じる場合がある。なお、ここで、フランジ部とは、フランジと、フランジを締結するボルトナットとを含めた概念である。以降、フランジ部を締結用構造体とも称する。
もちろん、劣化したガスケットを新品に交換すれば漏油を止めることができる。しかし、ガスケットの交換には、一旦配管を取り外す必要があるため、交換作業の間、電力機器を停止せざるを得ない。そこで、従来から、機器を運転した状態でフランジ部からの漏油を止める技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、漏油が生じているフランジ部全体を薄いフィルムで何重にも被覆し、このフィルムの上からコーキング剤を塗布して硬化させることで漏油を止める技術が開示されている。
特許文献2には、ボルト及びナットとフランジ座面との間に、雌ネジが形成されたゴム製ナットをそれぞれ介在させることで、ボルトナットのネジ溝を介する漏油を止める技術が開示されている。
特許文献3には、フランジ締結用のボルトナットからの漏油を止めるために、充填剤を満たした状態のフランジのボルト孔に、ボルトを挿通してナットで締め付ける技術が開示されている。
特開2011−163400号公報 特開2003−139290号公報 実用新案登録第3077863号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、フランジ部をボルトナットごとコーキング剤で覆ってしまうために、施工後にボルトナットを操作することができない。
また、特許文献2に開示の技術では、漏油を止めるために、フランジの締結に用いるボルトナットに、厚い弾性体(ゴム製ナット)を介在させる。そのため、配管の径方向(横方向)から外力が加わった場合に、配管がフランジ部で折れ曲がり易く、不所望な変形や、位置ズレ等が発生する虞がある。
また、特許文献3に開示の技術では、ボルト孔の内壁面と、充填剤との間の隙間を介した漏油を止めることができない。
この発明は、上述のような技術的背景の下でなされた。従って、この発明の目的は、電力機器に用いられる配管のフランジ部からの漏油、特にフランジを締結するボルトナットからの漏油を防ぐために用いて好適な液漏れ阻止ナット、液漏れ阻止構造体及び液漏れ阻止方法を提供することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、構造を工夫したナットである液漏れ阻止ナットを液状ガスケットとともに用いることで、上述の目的を達成できることに想到した。
従って、この発明の液漏れ阻止ナットは、中心に雌ネジが切られた略円筒形のネジ孔を備える略正六角柱の阻止ナット本体と、阻止ナット本体の側面に、ネジ孔に至る貫通孔とを備えている。また、液漏れ阻止ワッシャは、平面状の第1及び第2面を備える平行平板であるワッシャ本体と、ワッシャ本体を貫通するワッシャ孔とを備えている。そして、第1面側にはワッシャ孔を囲む環状の第1溝が設けられ、第2面側にはワッシャ孔を囲む環状の第2溝が設けられている。
また、この発明の液漏れ阻止構造体は、第1フランジと、第1フランジに締結される第2フランジとを備える。また、第1及び第2フランジのボルト孔の両者に第1フランジ側から挿通されるボルトと、このボルトの軸部に、第2フランジ側から螺合されるナットとを備える。さらに、ボルト及び第1フランジの間に、第1フランジ側に第1面を対向させて配置された、上述の液漏れ阻止ワッシャと、ナット及び第2フランジの間に、第2フランジ側に第1面を対向させて配置された別の液漏れ阻止ワッシャとを備える。
さらに、この発明の液漏れ阻止方法は、上述の液漏れ阻止ワッシャである第1及び第2液漏れ阻止ワッシャと、上述の液漏れ阻止ナットを用い、以下の順序で実施する。
まず、第1及び第2液漏れ阻止ワッシャの第1及び第2溝を隙間無く液状ガスケットで充填する。そして、第1及び第2フランジのボルト孔の両者に、第1面を第1フランジ側に向けた第1液漏れ阻止ワッシャを挿通したボルトを、第1フランジ側から挿通する。同様に、第2フランジから突出したボルトの軸部に、第2フランジ側に第1面を向けた第2液漏れ阻止ワッシャを介在させた状態で、ナットを螺合して、第1及び第2フランジを締結する。
続いて、ナットから突出したボルトの軸部に、液漏れ阻止ナットを締結し、さらに液漏れ阻止ナットの貫通孔に液状ガスケットを圧力注入した上で、貫通孔にキャップボルトをねじ込む。
本発明は、上述のように構成されている。従って、電力機器に用いられるフランジ部からの漏油、特にフランジを締結するボルトナットからの漏油を効果的に阻止することができる。
(A)は、従来技術を用いて締結された2個のフランジを、締結用部品とともに示す端面図であり、(B)は、(A)の点線で囲んだ領域付近を拡大して示す端面図である。 (A)は、本発明を用いて締結された2個のフランジを、液漏れ阻止部品とともに示す端面図であり、(B)は、(A)の点線で囲んだ領域付近を拡大して示す端面図である。 (A)は、液漏れ阻止ワッシャの構造を概略的に示す斜視図であり、(B)は、液漏れ阻止ワッシャの正面図であり、(C)は、液漏れ阻止ワッシャの側面図である。 (A)は、液漏れ阻止ワッシャに設ける第1溝の配置条件の説明に供する模式図であり、(B)は、液漏れ阻止ワッシャに設ける第2溝の配置条件の説明に供する模式図である。 変形例の液漏れ阻止ワッシャを直径に沿って切断した切断端面図である。 (A)は、特殊フランジ部における補助阻止ワッシャの配置の第1態様を示す模式図であり、(B)は、補助阻止ワッシャの配置の第2態様を示す模式図である。 補助阻止ワッシャの配置の第3態様を示す模式図である。 (A)は、液漏れ阻止ナットの構造を、キャップボルトとともに概略的に示す斜視図であり、(B)は、液漏れ阻止ナットの構造をキャップボルトとともに概略的に示す正面図であり、(C)は、液漏れ阻止ナット及び補強用ナットの構造をキャップボルトとともに概略的に示す側面図である。 止めネジが用いられた状態の液漏れ阻止構造体の構造を概略的に示す模式図である。 (A)〜(C)は、液漏れ阻止方法の各工程段階を示す液漏れ阻止構造体の模式図である。 (A)〜(C)は、図10(C)に示した工程の副工程の説明に供する切断端面図であり、図10(C)のP−P線に沿って取ったものである。 (A)〜(C)は、図11(C)に続く副工程の説明に供する切断端面図であり、図10(C)のP−P線に沿って取ったものである。 図12(C)に続く副工程の説明に供する切断端面図であり、図10(C)のQ−Q線に沿って取ったものである。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。なお、各図においては、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係を、この発明が理解できる程度に概略的に示してある。また、以下、この発明の好適な構成例について説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。また、各図において、共通する構成要素には同符号を付し、重複する説明を省略することもある。また、他の図面との対応関係が明らかな構成要素の符号を省略することもある。
(発明の概要)
まず、図1及び図2を参照して、液漏れ阻止ワッシャ、液漏れ阻止ナット、液漏れ阻止構造体及び液漏れ阻止方法を概略的に説明する。図1(A)は、従来技術を用いて締結された2個のフランジを、締結用部品とともに示す端面図である。図1(B)は、図1(A)の点線で囲んだ領域付近を拡大して示す端面図である。図2(A)は、本発明を用いて締結された2個のフランジを、液漏れ阻止部品とともに示す端面図である。図2(B)は、図2(A)の点線で囲んだ領域付近を拡大して示す端面図である。
<漏油>
まず、図1(A)及び(B)を参照して、従来型の締結用構造体と、締結用構造体を介しての漏油につき説明する。
始めに、図1(A)を参照して、以下の説明で用いる方向を定義する。方向は、図1(A)に示されたボルト12を基準に決定する。すなわち、右ネジであるボルト12の頭部12aを時計周り方向に回転させたときのボルト12の前進する方向を軸方向Ax1と称する。そして、軸方向Ax1に垂直な方向を径方向Ax2と称する。さらに、ボルト12を軸方向Ax1に前進させるときの頭部12aの回転方向(時計回り方向)を周方向Ax3と称する。
図1(A)に示すように、締結用構造体200は、締結用部品100と、2個のフランジ102FL及び102FRとを含む。以降、フランジ102FL及び102FRを「フランジ102F」と総称することもある。両フランジ102FL及び102FRが備えられた両配管102L及び102Rは、絶縁油Oilを流通させるための円筒形のパイプであり、締結用構造体200で互いに締結されている。以降、配管102L及び102Rを「配管102」と総称することもある。
フランジ102FLは、配管102Lの端部に一体的に形成された円環状の平行平板である。そして、フランジ102FLには、円環の周方向Ax3に沿って等角度間隔で、配管102Lの軸方向Ax1に延在する貫通孔であるボルト孔が形成されている。フランジ102FRは、フランジ102FLと同形であり、配管102Rの端部にフランジ102FLに臨んで設けられている。そして、フランジ102FRには、フランジ102FLと同様にボルト孔が形成されている。また、フランジ102FLと102FRの接合面には、漏油を防止するために、例えばNBRゴム製のガスケット108が設けられている。
両フランジ102FL及び102FRは、互いのボルト孔を揃えて配置されている。これらのボルト孔に設けられた締結用部品100により、両フランジ102FL及び102FRは締結されている。図1(A)には、そのうちの1個のボルト孔102hL及び102hRが示されている。以降、ボルト孔102hL及び102hRを「ボルト孔102h」と総称することもある。
ボルト孔102hは、ボルト12の軸部12bが挿通される円筒形の貫通孔である。ボルト孔102hの内壁面102hSは、滑らかな曲面に形成されている。また、ボルト孔102hは、ボルトの軸部12bの直径よりも大きな直径に形成されている。
締結用部品100は、ボルト12と、2個のワッシャ104L及び104Rと、ナット106とを備える。なお、ナット106とワッシャ104Rの間には、通常スプリングワッシャ(図示を省略する。)が設けられる。
ボルト12は、頭部12aと、頭部12aに一体に形成され、側面に雄ネジを有する軸部12bとを備える。頭部12aは、略正六角柱であり、この正六角柱の側面をレンチ等の工具で挟持して軸部12bを回転させる。
ナット106は、略正六角柱であり、上面及び下面を貫通して、雌ネジが形成されたネジ穴が設けられている。このネジ穴には、ボルト12の軸部12bの雄ネジが螺合する。このナット106及びボルト12を螺合して締め付けることにより、両フランジ102FL及び102FRは締結される。
ワッシャ104Lは、ボルト12の頭部12aとフランジ102FLとの間に配置されている。また、ワッシャ104Rは、ナット106とフランジ102FRとの間に配置されている。以降、ワッシャ104L及び104Rを「ワッシャ104」と総称することもある。
ワッシャ104Lは、ボルト12の頭部12aとフランジ102FLの座面との間に介在する円環状の平行平板である。ワッシャ104Lは、中央部の円形のワッシャ孔に軸部12bが挿通されており、頭部12aとフランジ102FLの座面との間で圧縮されることで、ボルト12及びナット106の緩みを防止する。
ワッシャ104Rは、ワッシャ104Lと同様に構成されており、ナット106とフランジ102FRの座面との間に介在する。ワッシャ104Rは、ナット106とフランジ102FRの座面との間で圧縮されることで、ボルト12及びナット106の緩みを防止する。
<漏油>
続いて、図1(A)及び(B)を参照して、フランジ102Fに用いられる締結用部品100からの漏油について説明する。図1(A)に示すように、ガスケット108が劣化すると、配管102を循環する絶縁油Oilが、フランジ102Fの接合面の僅かな隙間から漏れ始める(図1(A)中、矢印Aで示し、以下、単に、漏油Aとも称する。)。この漏油Aは、絶縁油Oilの自重により生じる圧力と、配管102を循環させるために絶縁油Oilに印加する圧力(以下、作動圧力とも称する。)と、フランジ102Fの接合面の隙間による毛細管現象とが原因で生じる。
漏油Aは、やがて、フランジ102Fのボルト孔102hに至り、ボルト孔102hで3方向に分岐する(図1(A)及び(B)中、矢印B,C及びKで示し、以下、単に漏油B,C及びKとも称する。)。
分岐した第1の漏油Cは、漏油経路2の中を、軸方向Ax1に沿ってナット106に向かう方向に進行する(図1(B))。ここで、漏油経路2とは、ボルト孔102hRの内壁面102hRSと軸部12bのネジ山との間の空間、及び、ワッシャ孔の内壁面104RSと軸部12bのネジ山との間の空間をそれぞれ示す。
漏油Cの一部は、上述の作動圧力と毛細管現象とにより、フランジ102FRとワッシャ104Rとの接合面を介して外部に漏れ出す(図1(A)及び(B)中、矢印E1で示し、以下、単に漏油E1とも称する。)。同様に、ワッシャ104Rとボルト106との接合面を介して外部に漏れ出す(図1(A)及び(B)中、矢印E2で示し、以下、単に漏油E2とも称する。)。
また、漏油Cの残りの部分は、漏油経路4の中を、軸部12bの先端に向かって進行する(図1(A)及び(B)中、矢印Fで示し、以下、単に漏油Fとも称する。)。ここで、漏油経路4とは、軸部12bのネジ山の表面と、ナット106のネジ溝の表面との間の隙間である。漏油経路4は軸部12bの先端に向かってらせん状に延在している。そして、この漏油Fは、ナット106の端面から外部に漏れ出す(図1(A)中、矢印Gで示し、以下、単に漏油Gとも称する。)。
ボルト孔102hでボルト12の頭部12a側に分岐した第2の漏油Bは、上述の漏油経路2を介して、ボルト12の頭部12aに向かう方向に進行する。そして、漏油Bの一部は、フランジ102FLとワッシャ104Lとの接合面を介して外部に漏れ出す(図1(A)中、矢印J1で示し、以下、単に漏油J1とも称する。)。同様に、ワッシャ104Lと頭部12aとの接合面を介して外部に漏れ出す(図1(A)中、矢印J2で示し、以下、単に漏油J2とも称する。)。
また、第3の漏油Kは、フランジ102Fの接合面から外部に漏れ出す。
<液漏れ阻止構造体>
次に、図2(A)及び(B)を参照して、この発明を概略的に説明する。この発明の液漏れ阻止構造体20は、上述の締結用部品100に代えて、液漏れ阻止部品10を用いる点が締結用構造体200と異なっている。以降、液漏れ阻止構造体20及び液漏れ阻止部品10をそれぞれ、「阻止構造体20」及び「阻止部品10」とも称する。
阻止部品10は、ワッシャ104L及び104Rの代わりに液漏れ阻止ワッシャ14L及び14Rを備える点、及び、液漏れ阻止ナット16を用いる点以外は締結用部品100と同様に構成されている。なお、液漏れ阻止ワッシャ14L及び14Rを単に阻止ワッシャ14L及び14Rとも称し、さらに、両者14L及び14Rを阻止ワッシャ14と総称することもある。また、液漏れ阻止ナット16を単に阻止ナット16と称することもある。
阻止ワッシャ14は、第1及び第2溝14及び14と、液状ガスケット22(図中斜線で示す。)を備える以外は、ワッシャ104と同様に構成されている。また、阻止ナット16は、貫通孔18eと、キャップボルト21と、液状ガスケット22とを備える以外は、ナット106と同様に構成されている。なお、これらの相違点については後述する。
阻止ワッシャ14及び阻止ナット16は、漏油を阻止するために好適に構成されている。その結果、本発明の阻止構造体20を用いることで、フランジ102Fからの漏油J1,J2,E1,E2,F及びGが阻止される(図中“×”印を付した矢印で示す。)。なお、フランジ102Fの接合面からの漏油Kは、従来公知の方法で阻止すれば良い。
また、本発明の阻止構造体20は、配管の接続部に限らず、フランジが利用された種々の接続部での漏油阻止に適用できる。例えば、絶縁油タンクに設けられたフランジと、このタンクに接続される配管のフランジとの接続部における漏油阻止等にも適用できる。また、本発明の阻止構造体20は、機器本体に溶接されたスタッドボルト付きのフランジや、立て込みボルトを備えたフランジ等にも適用できる。
(液状ガスケット)
まず、阻止ワッシャ14及び阻止ナット16に共通して用いられる液状ガスケット22について詳細に説明する。詳しくは後述するが、液状ガスケット22は、阻止ワッシャ14の第1及び第2溝14及び14に充填され、及び阻止ナット16の貫通孔18eに圧力注入されて、漏油を阻止するガスケットとして機能する。
液状ガスケット22は、硬化前には粘性と流動性を有する液体状であるが、硬化後は弾性を有する固体状に変化して、液体や気体等の流体のリークを防ぐガスケットとして機能する。このような性質を有する液状ガスケット22は、複雑な形状や、狭い隙間に追随して浸透できるので、通常の固体状ガスケット(例えば、O−リング等)が対応できない箇所からの流体のリークを阻止することができる。
液状ガスケット22には、上述の性質を持つ種々の材料を選択できるが、この例では、(商品名:「860 モールダブル・ポリマー・ガスケット」 A.W.CHESTERTON COMPANY(米国)製)(以下、単に860ガスケットとも称する。)を用いている。860ガスケットは、塗布後、3〜4時間で液体状からゲル状へと変化し、約24時間後に弾性を持つ固体状に完全に変化する。また、硬化後に形成されるガスケットの耐熱性は、−51℃〜+260℃であるので、機器設置環境の温度変化に十分に耐えることができる。
(阻止ワッシャ)
続いて、図3〜図5を参照して、阻止ワッシャ14につき詳細に説明する。図3(A)は、阻止ワッシャの構造を概略的に示す斜視図であり、図3(B)は、阻止ワッシャの正面図であり、図3(C)は、阻止ワッシャの側面図である。図4(A)は、阻止ワッシャに設ける第1溝の配置条件の説明に供する模式図であり、図4(B)は、阻止ワッシャに設ける第2溝の配置条件の説明に供する模式図である。図5は、変形例の阻止ワッシャを直径に沿って切断した切断端面図である。
<構造>
上述のように、阻止ワッシャ14は、液状ガスケット22が充填された第1溝14と第2溝14とを備える点を除いては、ワッシャ104と同様に構成されている。
図3(A)を参照すると、阻止ワッシャ14は、ワッシャ本体14Hとワッシャ孔14cとを備える。ワッシャ本体14Hは、円環状の平行平板であり、互いに対向する平面状の第1及び第2面14a及び14bを備える。ワッシャ孔14cは、ワッシャ本体14Hと共通の中心を有する円形の開口であり、ワッシャ本体14Hを軸方向Ax1に貫通している。この例では、阻止ワッシャ14は、防錆性に優れた金属を材料とすることが好ましく、この例では真鍮を材料としている。
そして、フランジ102Fに臨む第1面14a側には、ワッシャ本体14Hと共通の中心を持ち、ワッシャ孔14cを囲む円環状の第1溝14が設けられている。同様に、第1面14aに対向する第2面14b側には、ワッシャ本体14Hと共通の中心を持ち、ワッシャ孔14cを囲む円環状の第2溝14が設けられている。この例では、第1溝14の直径よりも第2溝14の直径の方が小さい。
阻止構造体10に組み付けられた状態で、第1及び第2溝14及び14には、硬化後に弾性を有する固体状となる液状ガスケット22が充填される。
なお、阻止ワッシャ14は、ボルト12の頭部12a側に位置するか(14L:図2(A))、ナット106側に位置するか(14R:図2(A))によらず、径が大きい第1溝14が設けられる第1面14aがフランジ102F側に臨んで配置される。従って、第2溝14が設けられる第2面14bは、ボルト12の頭部12a側、又はナット106側に臨んで配置される。
ここで、図3(B)及び(C)を参照して、阻止ワッシャ14の各部の寸法を定義する。まず阻止ワッシャ14の直径をDとし、ワッシャ孔14cの直径をDとする。そして、阻止ワッシャ14の、軸方向Ax1に沿って測った厚みをHとする。また、第1及び第2溝14及び14の径方向Ax2に沿って測った溝幅をWとし、軸方向Ax1に沿って測った溝深さをDとする。第1溝14の内径、すなわち、第1溝14の内側の輪郭線のなす円の直径をRとする。また、第2溝14の外径、すなわち、第2溝の14の外側の輪郭線のなす円の直径をRとする。また、第1溝14の外側輪郭線とワッシャ本体14Hの外縁との距離(幅)をLとする。同様に、第2溝14の内側輪郭線とワッシャ孔14cの輪郭線との距離(幅)をLとする。
この例では、第1及び第2溝14及び14が、ワッシャ本体14Hと共通の中心を持つ円環である場合について説明した。しかし、第1及び第2溝14及び14は、後述する寸法条件に従って、ワッシャ孔14cを切れ目なく囲む環状の溝であれば、円環状には限定されない。
また、この例では、第1溝14の直径が第2溝14よりも大きい場合について説明した。しかし、第1及び第2溝14及び14の直径は、ワッシャ孔14c、ボルト孔102h及び軸部12bの寸法により、それぞれに好適な値を独立に決定すれば良い。
また、この例では、第1及び第2溝14及び14の横断面形状を、製造が容易な矩形状としている。しかし、溝の横断面は、漏油阻止に十分量の液状ガスケット22が充填できれば、半円状等としてもよい。
<第1及び第2溝の寸法条件>
続いて、主に、図4(A)及び(B)を参照して、阻止ワッシャ14の第1及び第2溝14及び14が満たすべき寸法条件について説明する。図4(A)及び(B)は、それぞれ第1及び第2溝14及び14の配置条件の説明に供する模式図であり、ボルト12の頭部12a及び軸部12bと、阻止ワッシャ14と、フランジ102FLの係合部付近の要部拡大端面図である。
まず、図4(A)及び(B)を参照して、ボルト12及びボルト孔102hLの各部の寸法を定義する。ボルト12に関して、頭部12aの二面幅をDとする。ここで、二面幅Dとは、頭部12aの互いに平行な2側面間の距離である。また、軸部12bの直径をDとする。さらに、軸部12bが挿通されるボルト孔102hLの直径をDとする。
<第1溝の内径について:図4(A)>
まず、第1溝14の内径Rが満たすべき条件について説明する。図4(A)に示すように、ボルト12の軸部12bの直径Dとボルト孔102hLの直径Dの大小関係は、D>Dであるので、軸部12bをボルト孔102hLに挿通すると、最大で(D−D)の遊びが生じる。以降、この遊び(D−D)を第1最大遊びとも称する。
第1溝14は、阻止ワッシャ14とフランジ102Fとの間を経路とする漏油を生じさせないために、フランジ102Fのボルト孔102hLに露出しない配置とする必要がある。すなわち、下記式(1)に示すように、ワッシャ孔14cの縁から第1溝14Xの内側輪郭線までの距離((R−D)/2)を第1最大遊びよりも大きくする必要がある。
(R−D)/2>(D−D)・・・(1)
式(1)を変形すると下記式(2)が得られる。
>D+2(D−D)・・・(2)
式(2)は、第1溝14の内側輪郭線の直径Rを、ワッシャ孔14cの直径Dと、第1最大遊び(D−D)の2倍の和よりも大きくする必要があることを示している。
また、第1溝14の外径、すなわち第1溝14の外側輪郭線の直径(R+2W)は、阻止ワッシャ14の直径Dより小さい必要がある。この条件より、第1溝14の溝幅Wは、W<(D−R)/2を満たす長さとする必要がある。
<第2溝の外径について:図4(B)>
続いて、第2溝14の外径Rが満たすべき条件について説明する。図4(B)に示すように、軸部12bの直径Dと、ワッシャ孔14cの直径Dの大小関係は、D>Dであるので、軸部12bに阻止ワッシャ14を挿通すると、最大で(D−D)の遊びが生じる。以降、この遊び(D−D)を第2最大遊びとも称する。
第2溝14は、ボルト12と阻止ワッシャ14との間を経路とする漏油を生じさせないために、ボルト12の頭部12a(又はナット106)から露出しない配置とする必要がある。すなわち、下記式(3)のように、軸部12bと第2溝14Yの外側輪郭線との第2最大遊びを含む距離Dを、軸部12bとボルト12の側面との最短距離((D−D)/2)よりも小さくする必要がある。
<(D−D)/2・・・(3)
=(D−D)+(R−D)/2・・・(3’)
ここで、式(3’)のDの1項目(D−D)は第2最大遊びであり、2項目(R−D)/2は、阻止ワッシャ14のワッシャ孔14cの外縁から第2溝14Yの外側輪郭線までの距離である。
式(3)を、式(3’)を用いて変形すると下記式(4)が得られる。
<D−(D−D)・・・(4)
式(4)は、第2溝14の外側輪郭線の直径Rを、頭部12aの二面幅Dから、第2最大遊び(D−D)を差し引いた値よりも小さくする必要があることを示している。
また、第2溝14の内径、すなわち第2溝14の内側輪郭線の直径(R−2W)は、ワッシャ孔14cの直径Dより大きい必要がある。この条件より、第2溝14の溝幅Wは、W<(R−D)/2を満たす長さとする必要がある。
<その他の寸法>
ワッシャ本体14Hの厚みHは、ボルト12及びナット106の緩みを防止できるような厚みとすることが好ましく、この例では約3mmとする。また、第1及び第2溝14及び14等を考慮した、ワッシャ本体14Hの最薄部の厚みは0.5mm以上とすることが好ましい。阻止ワッシャ14の最薄部の寸法をこのように設定することにより、阻止ワッシャ14を誤って落としたり、ぶつけたりした場合でも、最薄部での折れ曲がりを防ぐだけの機械的強度が得られる。この例では、後述のように第1及び第2溝14及び14の溝深さDが約0.5mmであるので、最薄部でのワッシャ本体14Hの厚みは、約2.5mmである。
また、第1溝14とワッシャ本体の外縁との幅L、及び第2溝14とワッシャ孔14cの輪郭線との幅Lは、それぞれ約0.5mm以上とすることが好ましい。幅L及びLをこの範囲とすることにより、第1及び第2溝14及び14と阻止ワッシャ14の縁部との間に、十分な厚みHと幅L及びLとを有するワッシャ本体14Hを設けることができる。その結果、上述と同様に、落下やぶつけた場合に第1及び第2溝14及び14の変形を防止できる。
第1及び第2溝14及び14の溝幅W及び溝深さDは、主に、阻止ワッシャ14の機械的強度、及び、液状ガスケット22を塗布する際の施工性を勘案して決定される。特に、溝幅Wは、さらに、上述の2条件、W<(D−R)/2及びW<(R−D)/2を満足する必要がある。
溝深さD及び溝幅Wが小さすぎると、第1及び第2溝14及び14に液状ガスケット22を塗布する際に、溝の内部に気泡が混入し易くなるため好ましくない。また、逆に溝深さD及び溝幅Wが大きすぎると、阻止ワッシャ14の機械的強度、及び漏油阻止能力が低下するために好ましくない。以上を勘案して、この例では、第1及び第2溝14及び14に共通して、溝幅Wを約1.3mmとし、溝深さDを約0.5mmとした。
また、阻止ワッシャ14の外径D及びワッシャ孔14cの直径Dは、電力機器に用いられる、呼び径がM6〜M48のJIS規格に従うボルト12及びボルト孔102hLに適合するように決定すればよい。
このように設計された阻止ワッシャ14の外径D及びワッシャ孔14cの直径Dは、必ずしもJIS規格に従わない。これは、阻止ワッシャ14を漏油阻止に最適化した結果である。つまり、第1及び第2溝14及び14を式(1)及び(3)に従う、最適な位置に設けたためである。
フランジ102Fの締結時に阻止ワッシャ14を用いる場合、この阻止ワッシャ14と、JIS規格に従うボルト孔102hL及びボルト12の3者の呼び径を揃えることが好ましい。これにより、効果的に漏油を阻止することができる。
<効果>
本発明の阻止ワッシャ14を液状ガスケット22ととともに用いることで、阻止ワッシャ14と他部材との接合面を経路とする漏油J1,J2,E1及びE2(図2(A)及び(B)参照)を確実に止めることができる。なお、発明者は、液状ガスケット22を両面に塗布した通常型平ワッシャ(例えば、ワッシャ104)を用いて漏油阻止を試みた。しかし、たとえ液状ガスケット22を塗布したとしても、通常型平ワッシャでは漏油を止めることはできなかった。
<変形例1>
次に、図5を参照して、阻止ワッシャ14の変形例を説明する。図5は、変形例の阻止ワッシャ14’(以下、変形例14’とも称する。)を直径に沿って切断した端面図である。
変形例14’は、第1面14a側に、ワッシャ本体14’Hを挟んで第2溝14と対称的に形成された第2補助溝14’を備え、第2面14b側に、ワッシャ本体14’Hを挟んで第1溝14と対称的に形成された第1補助溝14’を備える点が、阻止ワッシャ14と異なっている。すなわち、変形例14’は、第1及び第2面14a及び14bの両面のそれぞれに、言わば、2本の溝14及び14を備える。
図2(A)に示すように、阻止ワッシャ14は、第1溝14を有する第1面14aをフランジ102F側に向け、第2溝14を有する第2面14bをボルト12又はナット106側に向けて組付ける必要があった。つまり、阻止ワッシャ14には、液漏れ阻止構造体20へ組付ける際に、正しい「向き」があった。
それに対し、変形例の阻止ワッシャ14’は、第1及び第2面14a及び14bの両面のそれぞれが、言わば第1及び第2溝14及び14を備える。その結果、変形例14’は、第1及び第2面14a及び14bの向きを気にすることなく、液漏れ阻止構造体20に組付けることができる。その結果、変形例の阻止ワッシャ14’を用いることで、液漏れ阻止構造体20の組み立て時の施工性が向上する。
なお、変形例14’では、第1及び第2面14a及び14bが、それぞれ2本の溝を備える場合について説明した。しかし、第1及び第2面14a及び14bに設ける溝の数は、漏油阻止に十分量の液状ガスケット22を保持でき、且つ、阻止ワッシャ14の機械的強度が十分に保たれることを条件として、3本以上であっても良い。
また、何らかの理由で、液漏れ阻止構造体20に、通常の平ワッシャ、例えばワッシャ104を追加して用いる場合には、ワッシャ104と他部材との接合面を経路とする漏油を阻止する必要がある。そのためには、更に2枚の阻止ワッシャ14を追加して、このワッシャ104を両側からサンドイッチすることが好ましい。これにより、追加したワッシャ104に由来する漏油を阻止できる。
<変形例2>
次に、図6及び図7を参照して、ボルト孔102hL’とボルト12の呼び径が等しくない特殊なフランジ部102F’(以下、「特殊フランジ部102F’」とも称する。)で、阻止ワッシャ14とともに用いられる補助阻止ワッシャ(以下、単に、「補助ワッシャ」とも称する。)15につき説明する。図6(A)は、特殊フランジ部102F’における補助ワッシャ15の配置の第1態様を示す模式図であり、図6(B)は、補助ワッシャ15の配置の第2態様を示す模式図であり、図7は、補助ワッシャ15の配置の第3態様を示す模式図である。
補助ワッシャ15は、ボルト孔102hL’の呼び径がボルト12よりも大きな場合に、阻止ワッシャ14とフランジ部102F’との間に配置され、阻止ワッシャ14と協働して漏油を阻止する。
このようなフランジ部102F’は、例えば、変電装置の変圧器切替え弁取付けフランジ等に用いられる。この変圧器切替え弁取付けフランジでは、呼び径がM20のJIS3級ボルト孔102hL’(D=24mm)に、呼び径がM16のボルト12(D=16mm)を挿通してフランジを締結する。以下、変圧器切替え弁取付けフランジに用いられるボルト孔102hL’を、「大口径ボルト孔102hL’」とも称する。
上述の特殊フランジ部102F’では、ボルトと同じ呼び径のM16の阻止ワッシャ14を単独では使用できない。M16の阻止ワッシャ14の寸法は、例えば、R=23.4mm、D=16.4mm及びD=27mmであり、直径D(24mm)の大口径ボルト孔102hL’に第1溝14が完全に露出するからである。
そこで、このような場合には、阻止ワッシャ14と特殊フランジ部102F’との間に、両者の寸法の差を吸収できるような補助ワッシャ15介在させる。補助ワッシャ15は、第1面15aに溝15のみが設けられている点を除いて、阻止ワッシャ14と略同様に構成されている。
以下、図6及び図7を参照して、補助ワッシャ15の設計条件について説明する。補助ワッシャ15は、以下の3つの条件を満たす必要がある。
(条件1)協働する阻止ワッシャ14の第1溝14が、補助ワッシャ15のワッシャ孔15cに露出しない。
(条件2)溝15が大口径ボルト孔102hL’に露出しない。
(条件3)溝15が、特殊フランジ部102F’の端面102F’aからはみ出さない。
これらの条件の説明の前に、まず、図6(A)を参照して、補助ワッシャ15及び特殊フランジ部102F’の寸法を定義する。補助ワッシャ15において、ワッシャ孔15cの直径をdとする。また、溝15の内側の輪郭線のなす円の直径を内径rinと称する。同様に、溝15の外側の輪郭線のなす円の直径を外径routと称する。
また、特殊フランジ部102F’に関して、大口径ボルト孔102hL’と、フランジの端面102F’aの外縁までの最短距離をDとする。
次に、上述の(条件1)〜(条件3)について説明する。なお、以下の説明では、補助ワッシャ15とともに、ボルト12の呼び径と等しいM16の阻止ワッシャ14を用いるとする。
図6(A)を参照すると、条件1を満たすようにワッシャ孔15cの直径dを決定するためには、上述の式(2)を用いれば良いことが分かる。すなわち、ボルト孔102hL(図4(A)参照)に第1溝14が露出しない条件を表す式(2)において、直径Dをワッシャ孔15cの直径dに置き換えた下記式(5)を成立させればよい。
<(R+2D−D)/2・・・(5)
式(5)に、呼び径がM16の阻止ワッシャ14の上述した寸法を代入すると、d<19.5mmとの結果が得られる。ここでは、補助ワッシャ15とボルト12との遊びを十分に確保する必要があるために、d=19mmとする。
同じく図6(A)を参照して、条件2を満足させる溝15の配置について説明する。図6(A)は、溝15Xが、大口径ボルト孔102hL’に最も接近した場合の第1態様を示している。条件2は、既に説明した、阻止ワッシャ14の第1溝14が満たす条件と同様である。よって、溝15の内径rinは、上述の式(2)に従って決定すればよい。すなわち、式(2)を変形した下記式(6)から求めることができる。
in>d+2(D−D)・・・(6)
=19mm、D=24mm、及びD=16mmを式(6)に代入すると、rin>35mmとの結果が得られる。
続いて、図6(B)を参照して、条件3について説明する。図6(B)は、溝15Xが、フランジ102F’の端面102F’aに最も接近した場合の第2態様を示している。第2態様において、条件3を満たすには、下記式(7)を満足する必要がある。
>(rout−d)/2+d−D・・・(7)
式(7)において、(rout−d)/2は、ワッシャ孔15cの外縁から溝15の外側輪郭線までの距離である。また、d−Dは軸部12bと、ワッシャ孔15cとの直径の違いに由来する「遊び」である。
式(7)を変形すると下記式(8)が得られる。
out<2D+2D−d・・・(8)
溝15の外径routは、この式(8)を満たすように決定すればよい。
=19mm及びD=16mmを式(8)に代入し、仮にD=15mmとすると、rout<43mmとの結果が得られる。
条件2及び3の結果をまとめると、フランジ端面102F’aまでの距離Dが15mmの場合、溝15は、rinが35mm以上、かつ、routが43mm以下の範囲に収まるように設けると良い。
図7は、大口径ボルト孔102hL’とフランジ端面102F’aとの距離D’がDよりも小さい場合の溝15の設計法を示している。図7では、仮に、D’を、D(15mm)よりも小さい8mmと考える。この場合、上述の式(8)からは、rout<29mmとの結果が得られる。ところが、この「rout<29mm」との結果は、式(6)から得られたrin>35mmと矛盾する。つまり、大口径ボルト孔102hL’とフランジ端面102F’aとの距離D’が小さい場合には、補助ワッシャ15に、式(6)及び(8)の両者を満足する溝15を設けることが困難となる場合がある。
より詳細には、径方向に沿って測った溝15の幅がWであるときに、下記式(9)又は(10)が成り立つ場合、上述の式(6)及び(8)とは異なる条件でrin及びroutを決定する必要がある。
−{(rin−d)/2+W+d−D}<0・・・(9)
−{(rin+d)/2+W−D}<0・・・(10)
式(9)の中括弧中の(rin−d)/2+Wは、(rin+2W−d)/2=(rout−d)/2と変形できる。つまり、図7を参照すると、中括弧中のこれらの項は、溝15の外側輪郭線とワッシャ孔15cの外縁との間の距離を示す。また、中括弧中のd−Dは、軸部12bとワッシャ孔15cとの径の違いに由来する遊びの最大値である(図6(B))。なお、式(10)は、単に式(9)を変形したものである。
つまり、式(9)は、式(6)及び(8)による設計の溝15をフランジ端面102F’aに最接近させた場合に、両者の距離の差が負になることを示している。これは、式(9)又は(10)が成り立つ場合には、溝15がフランジ端面102F’aから、露出することを意味する。
より具体的には、Dが十分に大きい場合の例として、式(10)に、上述のD=15mm、rin=35mm、d=19mm、W=1.3mm及びD=16mmを代入して計算する。このとき、式(10)は、「15−{(35+19)/2+1.3−16}=15−12.3=2.7(≧0)」となる。つまり、Dが15mmの場合には、溝15を式(6)及び(8)に基づいて設計できることが分かる。それに対し、D’=8mmの場合には、式(10)は、「8−{(35+19)/2+1.3−16}=8−12.3=−4.3(<0)」となり、式(6)及び(8)に基づく設計では、溝15がフランジ端面102F’aから露出することが分かる。
この場合には、図7に示すように、人為的に、補助ワッシャ15を、大口径ボルト孔102hL’側に寄せて配置する。補助ワッシャ15をこのように配置することにより、上述した条件2及び3を緩和することができる。つまり、rin及びroutが満たすべき寸法条件を緩和できる。以下、この点について詳述する。
まず、routの寸法条件(条件3)を求めるに当たっては、上述の式(7)の(d−D)を0(ゼロ)とした下記式(11)を満足するようにroutを決定すればよい。
>(rout−d)/2・・・(11)
式(11)を変形すると下記式(12)が得られる。
out<2D+d・・・(12)
式(12)に、D=8mm及びd=19mmを代入すると、rout<35mmとの結果が得られる。
続いて、rinの寸法条件(条件2)について説明する。図7と図6(A)とを比較すると、図7のようにボルト12と補助ワッシャ15とを配置すると、溝15Xよりも、溝15Yの方が、大口径ボルト孔102hL’に接近する。よって、この配置では、溝15Yが大口径ボルト孔102hL’に露出しないための寸法条件が上述の条件2を与える。図7を参照すると、この条件は、下記式(13)で与えられる。
(rin−d)/2>(D−d)・・・(13)
式(13)において、左辺の(rin−d)/2は、ワッシャ孔15cの外縁から溝15X及び15Yまでの距離を表す。右辺の(D−d)は、図7に示すように、大口径ボルト孔102hL’に露出する補助ワッシャ15の最大幅である。
式(13)を変形すると、下記式(14)が得られる。
in>2D−d・・・(14)
式(14)に、D=24mm及びd=19mmを代入すると、rin>29mmとの結果が得られる。
以上をまとめると、D’=8mmの場合、溝15は、rin>29mm、且つ、rout<35mmの範囲内に設ければ良いことが分かる。このように、距離D’が小さい場合、補助ワッシャ15を大口径ボルト孔102hL’側に寄せることで、寸法条件が緩和され溝15を設けることができる。
図6及び7に示すように、液状ガスケット22が充填された溝15をフランジ102Fの端面に当接させて補助阻止ワッシャ15を配置し、溝15が設けられていない第2面15bには、液状ガスケット22が充填された阻止ワッシャ14の第1溝14を当接させる。これにより、両ワッシャ14及び15が相俟って、補助ワッシャ15とフランジ102Fの当接面からの漏油、及び両ワッシャ14及び15の当接面からの漏油を阻止することができる。
(阻止ナット)
続いて、図8を参照して、阻止ナット16につき詳細に説明する。図8(A)は、阻止ナットの構造を、キャップボルトとともに概略的に示す斜視図であり、図8(B)は、阻止ナットの構造をキャップボルトとともに概略的に示す正面図であり、図8(C)は、阻止ナット及び補強用ナットの構造をキャップボルトとともに概略的に示す側面図である。
阻止ナット16は、中心に雌ネジが切られた略円筒形のネジ孔18dを備える略正六角柱の阻止ナット本体18と、阻止ナット本体18の側面18c,18c及び18cのそれぞれに形成された、ネジ孔18dに至る第1、第2及び第3貫通孔18e,18e及び18eと、キャップボルト21,21及び21とを備える。さらに阻止ナット16は、第1、第2及び第3貫通孔18e,18e及び18eに圧力注入される液状ガスケット22(図2(A))を備える。
第1、第2及び第3貫通孔18e,18e及び18eは、周方向Ax3に120°の角度間隔で設けられる。すなわち、第1、第2及び第3貫通孔18e,18e及び18eは、阻止ナット本体18の3個の側面18c,18c及び18cにそれぞれ設けられている。つまり、第1、第2及び第3貫通孔18e,18e及び18eは、阻止ナット本体18の6個の側面に、1個おきに設けられている。以下、3個の貫通孔18e,18e及び18eを貫通孔18eと総称することもある。また、3個の側面18c,18c及び18cを、側面18cと総称することもある。
貫通孔18eは、側面18cに対して垂直で、且つ、ネジ孔18dとの距離が最短となるように形成されている。貫通孔18eの内壁面には雌ネジが形成されている。図8(C)を参照すると、貫通孔18eは、阻止ナット本体18の軸方向Ax1の後方側の側面18cに形成されている。つまり、貫通孔18eは、軸方向Ax1に関して、側面18cのナット106側に形成されている。
キャップボルト21,21及び21には、それぞれ、第1、第2及び第3貫通孔18e,18e及び18eに螺合する雄ネジが形成されている。以下、3個のキャップボルト21,21及び21をキャップボルト21と総称することもある。キャップボルト21のネジ部の長さは、貫通孔18eの全長以上である。すなわち、完全にねじ込んだ状態でキャップボルト21の先端部は、ボルト12の軸部12bに至る。
詳しくは後述するが、阻止ナット16を液漏れ阻止構造体20に組付けるに当たっては、軸方向Ax1の反対側からナット106を押圧するように、阻止ナット本体18を軸部12bに螺合していく。この状態で、第1、第2及び第3貫通孔18e,18e及び18eに液状ガスケット22を圧力注入し、液状ガスケット22が満たされた状態の貫通孔18eにキャップボルト21をねじ込む。これにより、貫通孔18e内の液状ガスケット22にはさらに注入圧力が加えられ、阻止ナット本体18及びナット106の雌ネジと、ボルト12の雄ネジとの隙間に浸透していく。その結果、図2(B)で示したように、ナット106の雌ネジとボルト12の雄ネジとの漏油経路4は液状ガスケット22で塞がれる。これにより漏油F及びGが阻止される。
貫通孔18eの直径は、阻止ナット本体18の大きさ、及び漏油阻止に要する液状ガスケット22の量に応じて設定することが好ましい。貫通孔18eが3個の場合には、例えば、呼び径がM8及びM10の阻止ナット本体18には、呼び径がM4の貫通孔18eを用いることが好ましい。また、呼び径がM12,M16及びM20の阻止ナット本体18には、呼び径がM5の貫通孔18eを用いることが好ましい。
このように、阻止ナット16を用いることで、漏油経路4を流れる漏油F及びGを阻止することができる。また、阻止ナット16でナット106を外側から締め付けて、いわゆるダブルナットとすることで、上述したスプリングワッシャを用いなくても、ナット106の緩みを抑制することができる。
なお、この例では、貫通孔18eが3個の場合について説明したが、漏油経路4の遮断に必要な液状ガスケット22の量が確保できれば、貫通孔18eは3個には限定されない。例えば、2個でも、4個以上でもよい。ただ、貫通孔を2個とする場合には、漏油阻止に必要な量の液状ガスケット22を確保するために、貫通孔の直径を大きくするとか、貫通孔の内部をネジ孔18dに向かって円錐状に広くするなどの対策を講じることが好ましい。また、2個の貫通孔は、阻止ナット16に周方向に180°間隔で設けることが好ましい。すなわち、阻止ナット16の互いに平行に対向する2個の側面のそれぞれに貫通孔を設けることが好ましい。
<効果>
本発明の阻止ナット16を用いることで、軸部12bのネジ山と、ナット106及び阻止ナット16のネジ溝との隙間を漏油経路4とする漏油F及びGを確実に阻止することができる。なお、発明者は、ネジ溝全体に液状ガスケット22を塗布したナット106を用いて漏油阻止を試みた。しかし、たとえ液状ガスケット22を塗布したとしても、ナット106のみでは漏油を止めることはできなかった。
なお、ナット106を用いず、液状ガスケット22を圧力注入した阻止ナット16を単独で用いても、漏油を阻止することができる。ただ、貫通孔18eが形成された分だけ阻止ナット16の機械的強度はナット106よりも弱くなるので、阻止ナット16を単独で用いる場合、フランジ102F全体の強度を高めるための工夫が必要となる。
例えば、図8(C)に示した、厚みの薄い補強用ナット17を、阻止ナット16の外側から軸部12bに螺合し、言わば阻止ナット16と補強用ナット17とでダブルナットを構成しても良い。補強用ナット17は、貫通孔18eの形成で低下した阻止ナット16とボルト12との締結力を補えればよい。従って、補強用ナット17の軸方向Ax1に沿った長さである厚みは、貫通孔18eの直径以上、この例では5mm以上であれば良い。
阻止ナット16と補強用ナット17のダブルナットは、ボルト12との間で実用上十分な締結力を発揮する。また、補強用ナット17は厚みが薄いので、通常のナット106を設置できない狭い間隔にも用いることができる。
また、例えば、フランジ102Fに設けるボルト孔102hの個数を、ナット106の場合よりも増加させたり、フランジ102Fの締結に用いるボルトナットの径を、ナット106の場合よりも大きくしたりしても良い。
<止めネジ>
続いて、図9を参照して、阻止ナット16の任意的な要素である止めネジ24につき説明する。図9は、止めネジ24が用いられた状態の液漏れ阻止構造体20の構造を概略的に示す模式図である。図9に示すように、止めネジ24は、阻止ナット本体18のネジ孔18dに、軸方向Ax1の反対側から螺合される頭部の無いネジである。止めネジ24は、例えば、JIS規格の「六角穴付き止めネジ」であり、端部の六角柱状の孔に六角レンチを嵌めて回転させることで、締め付けを行う。
止めネジ24は、ボルト12の軸部12bが短すぎて、阻止ナット本体18を、軸部12bに十分に螺着できない場合に用いられる。この場合、軸部12bを、ネジ孔18dの十分奥にまで螺合できないので、阻止ナット本体18の貫通孔18eが、軸部12bで塞がれずに、ネジ孔18dに露出することがある。このような状態では、貫通孔18eに注入される液状ガスケット22は、殆ど、ネジ孔18dの開口部から外部に流れ出してしまう。そこで、図9に示すように、止めネジ24を、言わば「栓」として用い、阻止ナット本体18に螺合して、液状ガスケット22の流れ出しを防止する。その結果、貫通孔18eに注入された液状ガスケット22は外部に流れ出すことなく、漏油阻止のために有効に機能する。
なお、シール用四フッ化エチレン樹脂未焼成テープ(テフロン(登録商標)テープ)を止めネジ24のネジ山に巻きつけた上で、ネジ孔18dに螺合することが好ましい。これにより、雄ネジと雌ネジとの螺合部の隙間が塞がれて、ネジ孔18dからの液状ガスケット22の漏れ出しを一層効果的に防止できる。
(効果)
続いて、本発明の液漏れ阻止構造体20の奏する効果について説明する。
本発明の液漏れ阻止構造体20を用いることで、ボルトナットから間歇的に滴り落ちる油滴状の小量な漏油だけでなく、絶縁油が糸状に流れる多量な漏油をも阻止することができる。
また、本発明の液漏れ阻止構造体20を用いることにより、長期間に渡り漏油の再発を阻止できる。具体的には、液漏れ阻止構造体20は、年間の温度差が約50℃の環境に置かれた電力機器で発生した漏油を、現在に至るまで約5年間に渡り阻止し続けている。
(液漏れ阻止方法)
続いて、図10〜図13を参照して、本発明の液漏れ阻止方法について説明する。図10(A)〜(C)は、液漏れ阻止方法の各工程段階を示す液漏れ阻止構造体付近の模式図である。図11(A)〜(C)は、図10(C)に示した工程に含まれる副工程の説明に供する切断端面図であり、図10(C)のP−P線に沿って取ったものである。図12(A)〜(C)は、図11(C)に続く副工程の説明に供する切断端面図であり、図10(C)のP−P線に沿って取ったものである。図13は、図12(C)に続く副工程の説明に供する切断端面図であり、図10(C)のQ−Q線に沿って取ったものである。
本発明の液漏れ阻止方法は、締結用構造体200(図1(A))の既設ボルト12及びナット106からの漏油の阻止に用いられ、第1〜第5工程を備える。以下、各工程について説明する。なお、以下の説明では、配管102Lを「第1配管」と、配管102Rを「第2配管」とそれぞれ称する。同様に、フランジ102FLを「第1フランジ」と、フランジ102FRを「第2フランジ」とそれぞれ称する。また、液漏れ阻止ワッシャ14Lを「第1液漏れ阻止ワッシャ(「第1阻止ワッシャ」とも称する。)」と、液漏れ阻止ワッシャ14Rを「第2液漏れ阻止ワッシャ(「第2阻止ワッシャ」とも称する。)」とそれぞれ称する。
<準備工程>
最初に準備工程を行う。まず、漏油が生じている一組の既設ボルト12及び既設ナット106を常法に従い除去し、漏油発生箇所付近を清掃する。すなわち、グラインダや剥離剤を用いて、フランジ102Fの塗膜を除去し地金を露出させる。次に、アセトン等の溶剤を含ませた布等で漏油発生箇所付近を拭き上げ、金属面の油分を除去する脱脂を行う。脱脂により、後述する液状ガスケット22の付着性が向上する。
<第1〜第3工程:図10(A)及び(B)>
続いて、図10(A)及び(B)を参照して説明する第1及び第2工程を行う。まず、第1工程として、予め準備しておいた、第1及び第2阻止ワッシャ14L及び14Rの第1及び第2面14a及び14bの全面に液状ガスケット22を塗布して、第1及び第2溝14及び14を隙間無く充填する。なお、塗布に当たっては、十分な量の液状ガスケット22を使用し、溝14及び14に気泡が混入しないように注意する。
続いて、第2工程を行う。すなわち、第2面14bがボルト12の頭部12aに臨むように、第1阻止ワッシャ14Lを軸部12bに挿通する。そして、第1阻止ワッシャ14Lが挿通された状態の軸部12bを、第1フランジ102FL側から、ボルト孔102hに挿通する。これにより、第1阻止ワッシャ14Lは、第1面14aを第1フランジ102FL側に向け、第2面14bを頭部12a側に向け、頭部12aと第1フランジ102FLの間の軸部12bに配置される。
続いて、第3工程を行う。すなわち、第2フランジ102FRから突出したボルト12の軸部12bに、第2フランジ102FR側に第1面14aを向けた第2阻止ワッシャ14Rを挿通する。なお、上述のように、第2阻止ワッシャ14Rには液状ガスケット22が塗布されている。そして、図10(A)に示すように、第2阻止ワッシャ14Rが挿通された状態の軸部12bに、軸方向Ax1の反対側から、ナット106を螺合していく。その結果、図10(B)に示すように、第1及び第2フランジ102FL及び102FRが、ボルト12と、第1及び第2阻止ワッシャ14L及び14Rと、ナット106とで締結される。
このように第1及び第2溝14及び14に液状ガスケット22を充填した第1及び第2阻止ワッシャ14L及び14Rを用いれば、図1(A)に示すワッシャ104L及び104Rを介する漏油が阻止される。すなわち、ワッシャ104L及び104Rとフランジ102Fとの接合面を介した漏油J1及びE1、ワッシャ104Lとボルト12の頭部12aとの接合面を介した漏油J2、及びワッシャ104Rとナット106との接合面を介した漏油E2が阻止される。
<第4工程:図10(B)>
続いて、第4工程において、図10(B)に示すように、ナット106から突出したボルト12の軸部12bに、阻止ナット16の阻止ナット本体18を締結していく。
<第5工程:図10(C)>
続いて、第5工程において、図10(C)に示すように、阻止ナット本体18の貫通孔18eに液状ガスケット22を圧力注入し、貫通孔18eにキャップボルト21をねじ込む。ここで、「圧力注入」とは、粘性に抗する圧力を印加することで、液状ガスケット22を貫通孔18e内部と、漏油経路4(図1(B))にまで浸透させることである。
第5工程により、貫通孔18eに満たされた液状ガスケット22は、キャップボルト21をねじ込む際に生じる圧力により、ナット106及び阻止ナット16と、軸部12bとの間のネジの隙間にまで圧入され、漏油経路4を遮断する。その結果、図1(A)に示す漏油F及びGが阻止される。
なお、締結用構造体200の複数のボルト12及びナット106の組から漏油が生じている場合には、以上の工程を繰り返して、漏油を阻止する。
<第5工程の詳細説明>
次に、図11〜図13を参照して、上述の第5工程をさらに詳細に説明する。なお、この項では、液漏れ阻止ナットとして、120°間隔で設けられた、第1、第2及び第3貫通孔18e,18e及び18eを有する、上述の阻止ナット16を用いた場合を例示する。
また、図11〜図13で用いるハッチングを施した矢印22A〜22Lは、流動する液状ガスケット22を流動方向と共に示したものである。
第5工程は、第1〜第4副工程を備えている。以下、各副工程について説明する。
<第1副工程:図11(A)及び(B)>
図11(A)に示すように、第1副工程では、第1貫通孔18eに、矢印22Aに示すように液状ガスケット22を、圧力注入する。なお、この時点では、液状ガスケット22は硬化しておらず、粘性を有する液体である。
圧力注入することで、液状ガスケット22は、漏油経路4(図1(B))を流れる漏油Fの漏出圧力に抗して、矢印22B及び22Cに示すように、同経路4を流れ、第2及び第3貫通孔18e及び18eから、矢印22D及び22Eに示すようにそれぞれ流出する。
より詳細には、液状ガスケット22Bは、漏油経路4Bに沿って流れ、液状ガスケット22Cは、漏油経路4Cに沿って流れる。その結果、第1副工程により、液状ガスケット22が漏油経路4B及び4Cに注入される。
図11(B)に示すように、第2及び第3貫通孔18e及び18eから液状ガスケット22の流出が確認されたならば、第1貫通孔18eに液状ガスケット22を満たした上で、キャップボルト21を軽くねじ込む。これは、第1貫通孔18eに「栓」をすることに相当し、第1貫通孔18eからの液状ガスケット22の漏出を予防する。
なお、第1貫通孔18eに注入する液状ガスケット22に、漏油Fの漏出圧力を超える圧での圧力注入を行うために、例えば、注射器40が用いられる。注射器40は、2.5mLの容量が特に好適である。注射器40の内径が大き過ぎると、注入時に必要な圧力が得られなくなる。
<第2副工程:図11(C)及び図12(A)>
図11(C)に示すように、第2副工程では、第2貫通孔18eに、注射器40で、矢印22Hに示すように液状ガスケット22を圧力注入する。これにより、液状ガスケット22I及び22Fは、漏油経路4B、4C及び4Fを第3貫通孔18eに向けて流通する。
これにより、矢印22Fに示すように、液状ガスケット22は、漏油経路4Fを漏油Fの漏出圧力に抗して流通し、第3の貫通孔18eから流出する。その結果、全貫通孔18e,18e及び18eを結ぶ漏油経路4B,4F及び4Cに液状ガスケット22が注入される。
図12(A)に示すように、第3貫通孔18eから液状ガスケット22の流出が確認されたならば、第2貫通孔18eに液状ガスケット22を満たした上で、キャップボルト21を軽くねじ込む。これにより、第2貫通孔18eに「栓」をする。
<第3副工程:図12(A)及び(B)>
図12(A)に示すように、第3副工程では、注射器40で、第3貫通孔18eが満杯になるまで、矢印22Jに示すように液状ガスケット22を圧力注入する。
そして、図12(B)に示すように、第3貫通孔18eが液状ガスケット22Jで満杯になったならば、第3貫通孔18eにキャップボルト21を軽くねじ込む。
<第4副工程:図12(C)及び図13>
第4副工程では、3個のキャップボルト21,21及び21を均等に締め込み、第1、第2及び第3貫通孔18e,18e及び18eの内部を満す液状ガスケット22に注射器40を超える注入圧力を加える。
これにより、各貫通孔18e,18e及び18e内部の液状ガスケット22A,22H及び22Jは、ネジ溝に沿って、軸方向Ax1に沿って注入される。これにより、図13に示すように、ナット本体18を超えナット106と軸部12bとのネジ係合部の間隔の漏油経路4(図2(B)参照)が液状ガスケット22で塞がれる。その結果、漏油経路4は、液状ガスケット22A,22H及び22J(図12(B)参照)による液状ガスケット22K及び22Lで塞がれ、漏油F及びGが阻止される。
この液漏れ阻止方法では、漏油が生じている既設ボルト及び既設ナットに換えて各液漏れ阻止部品を設ける例について説明したが、これに限定されない。漏油が生じていない既設ボルト及び既設ナットに換えて、予め、各液漏れ阻止部品を設けてもよい。また、新しいフランジを取り付ける際に各液漏れ阻止部品を設けても良い。
この例では、3個の貫通孔18e,18e及び18eを有する液漏れ阻止ナット16を用いた場合について説明した。しかし、貫通孔が2個の阻止ナット16でも、上述と同様にして漏油の阻止が可能である。つまり、一方の貫通孔に液状ガスケット22を圧力注入して充填した後に、キャップボルトを軽くねじ込む。次いで、他方の貫通孔が満杯となるまで液状ガスケット22を圧力注入した後にキャップボルトをねじ込み、最後に両キャップボルトを締め付けることで、漏油経路4にまで液状ガスケット22を浸透させる。
なお、以上の全ての説明で、液漏れ阻止ワッシャ、液漏れ阻止ナット、液漏れ阻止構造体、及び液漏れ阻止方法を、流体としての「油」に適用する場合を例示した。しかし、この発明は漏油以外にも、有機溶剤や水溶液等の液体のフランジからの漏れ出しの阻止に好適に利用できる。
2,4 漏油経路
10 液漏れ阻止部品(阻止部品)
12 ボルト
12a 頭部
12b 軸部
14,14’ 液漏れ阻止ワッシャ(阻止ワッシャ)
14L 液漏れ阻止ワッシャ(第1液漏れ阻止ワッシャ)
14R 液漏れ阻止ワッシャ(第2液漏れ阻止ワッシャ)
14H,14’H ワッシャ本体
14a,15a 第1面
14b,15b 第2面
14c ワッシャ孔
14 第1溝
14’ 第1補助溝
14 第2溝
14’ 第2補助溝
15 補助阻止ワッシャ
15,15X,15Y 溝
16 液漏れ阻止ナット(阻止ナット)
17 補強用ナット
18 阻止ナット本体
18c,18c,18c,18c 側面
18d ネジ孔
18e,18e,18e,18e 貫通孔
20 液漏れ阻止構造体(阻止構造体)
21,21,21,21 キャップボルト
22 液状ガスケット
24 止めネジ
40 注射器
100 締結用部品
102 配管
102L 配管(第1配管)
102R 配管(第2配管)
102F フランジ
102FL フランジ(第1フランジ)
102FR フランジ(第2フランジ)
102h,102hL,102hR,102hL’ ボルト孔
102hRS,104RS 内壁面
104,104L,104R ワッシャ
106 ナット
108 ガスケット
200 締結用構造体

Claims (12)

  1. 中心に雌ネジが切られた略円筒形のネジ孔を備える略正六角柱の阻止ナット本体と、該阻止ナット本体の側面に、前記ネジ孔に至る貫通孔とを備えることを特徴とする液漏れ阻止ナット。
  2. 前記阻止ナット本体が、2個以上の前記貫通孔を備えることを特徴とする請求項1に記載の液漏れ阻止ナット。
  3. 前記貫通孔に雌ネジが形成されており、前記貫通孔に螺合するキャップボルトを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の液漏れ阻止ナット。
  4. 前記阻止ナット本体に螺合させる止めネジを更に備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液漏れ阻止ナット。
  5. 前記止めネジのネジ山と、前記阻止ナット本体のネジ孔との間の螺合部に介在する、シール用四フッ化エチレン樹脂未焼成テープを備えることを特徴とする請求項4に記載の液漏れ阻止ナット。
  6. 前記ネジ孔、及び該ネジ孔に設けられた雌ネジの規格が前記阻止ナット本体と等しく、前記貫通孔の直径以上の厚みを有するとともに、前記阻止ナット本体と共にボルトに螺合される補強用ナットを更に備え、
    該補強用ナットは、被締結用部品側の反対側から前記阻止ナット本体に締め付けられることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の液漏れ阻止ナット。
  7. 3個の前記貫通孔が、周方向に120°間隔で設けられており、それぞれを第1、第2及び第3貫通孔とすること特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の液漏れ阻止ナット。
  8. 前記貫通孔に圧力注入された液状ガスケットを更に備えることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の液漏れ阻止ナット。
  9. 第1フランジと、該第1フランジに締結される第2フランジと、
    前記第1及び第2フランジのボルト孔の両者に、前記第1フランジ側から挿通されるボルトと、
    該ボルトの軸部に、前記第2フランジ側から螺合されるナットと、
    前記第2フランジ側から前記ナットの外側から前記ボルトの軸部に螺合される請求項1〜8の何れか一項に記載の液漏れ阻止ナットと、
    前記ボルト及び前記第1フランジの間に設けられた第1液漏れ阻止ワッシャと、
    前記ナット及び前記第2フランジの間に設けられた第2液漏れ阻止ワッシャとを備え、
    前記第1及び第2液漏れ阻止ワッシャは、それぞれ、平面状の第1及び第2面を備える平行平板であるワッシャ本体と、該ワッシャ本体を貫通するワッシャ孔とを備え、前記第1面側には前記ワッシャ孔を囲む環状の第1溝が設けられ、前記第2面側には前記ワッシャ孔を囲む環状の第2溝が設けられている液漏れ阻止ワッシャであり、
    前記第1液漏れ阻止ワッシャは、前記第1フランジ側に前記第1面を対向させて配置されており、前記第2液漏れ阻止ワッシャは、前記第2フランジ側に前記第1面を対向させて配置されていることを特徴とする液漏れ阻止構造体。
  10. ボルト及びナットで締結される第1及び第2フランジにおいて、前記ボルト及びナットからの液漏れを阻止するに当たり、
    それぞれ、平面状の第1及び第2面を備える平行平板であるワッシャ本体と、該ワッシャ本体を貫通するワッシャ孔とを備え、前記第1面側には前記ワッシャ孔を囲む環状の第1溝が設けられ、前記第2面側には前記ワッシャ孔を囲む環状の第2溝が設けられている第1及び第2液漏れ阻止ワッシャと、請求項1〜6の何れか一項に記載の液漏れ阻止ナットを用い、
    前記第1及び第2液漏れ阻止ワッシャの前記第1及び第2溝を隙間無く前記液状ガスケットで充填する第1工程と、
    前記第1及び第2フランジのボルト孔の両者に、前記第1面を前記第1フランジ側に向けた前記第1液漏れ阻止ワッシャを挿通したボルトを、前記第1フランジ側から挿通する第2工程と、
    前記第2フランジから突出した前記ボルトの前記軸部に、前記第2フランジ側に前記第1面を向けた前記第2液漏れ阻止ワッシャを介在させた状態で、ナットを螺合して、前記第1及び第2フランジを締結する第3工程と、
    前記ナットから突出した前記ボルトの前記軸部に、前記液漏れ阻止ナットを締結する第4工程と、
    前記液漏れ防止ナットの前記貫通孔に前記液状ガスケットを圧力注入し、前記貫通孔に前記キャップボルトをねじ込む第5工程とを備えることを特徴とする液漏れ阻止方法。
  11. ボルト及びナットで締結される第1及び第2フランジにおいて、前記ボルト及びナットからの液漏れを阻止するに当たり、
    それぞれ、平面状の第1及び第2面を備える平行平板であるワッシャ本体と、該ワッシャ本体を貫通するワッシャ孔とを備え、前記第1面側には前記ワッシャ孔を囲む環状の第1溝が設けられ、前記第2面側には前記ワッシャ孔を囲む環状の第2溝が設けられている第1及び第2液漏れ阻止ワッシャと、請求項7に記載の液漏れ阻止ナットを用い、
    前記第1及び第2液漏れ阻止ワッシャの前記第1及び第2溝を隙間無く前記液状ガスケットで充填する第1工程と、
    前記第1及び第2フランジのボルト孔の両者に、前記第1面を前記第1フランジ側に向けた前記第1液漏れ阻止ワッシャを挿通したボルトを、前記第1フランジ側から挿通する第2工程と、
    前記第2フランジから突出した前記ボルトの前記軸部に、前記第2フランジ側に前記第1面を向けた前記第2液漏れ阻止ワッシャを介在させた状態で、ナットを螺合して、前記第1及び第2フランジを締結する第3工程と、
    前記ナットから突出した前記ボルトの前記軸部に、前記液漏れ阻止ナットを締結する第4工程と、
    前記液状ガスケットを圧力注入した前記液漏れ阻止ナットの前記第1、第2及び第3貫通孔に前記キャップボルトをねじ込む第5工程とを備え、
    前記第5工程が、前記第2及び第3貫通孔から流出するまで前記液状ガスケットを前記第1貫通孔に圧力注入した上で、該第1貫通孔に前記キャップボルトをねじ込む第1副工程と、
    前記第3貫通孔から流出するまで前記液状ガスケットを前記第2貫通孔に圧力注入した上で、該第2貫通孔に前記キャップボルトをねじ込む第2副工程と、
    前記第3貫通孔を前記液状ガスケットで満たした上で、該第3貫通孔に前記キャップボルトをねじ込む第3副工程と、
    前記第1,第2及び第3貫通孔にねじ込まれたキャップボルトを均等に締め込んで、前記液状ガスケットを、前記軸部の雄ネジと、前記ナット及び前記液漏れ阻止ナットの雌ネジとの隙間に注入させる第4副工程とを備えることを特徴とする液漏れ阻止方法。
  12. 前記第1及び第2フランジが、既設ボルト及び既設ナットで締結されていて、少なくとも一組の前記既設ボルト及び前記既設ナットから液漏れが生じているとき、前記第1工程の前に行われる、液漏れが生じている一組の前記既設ボルト及び前記既設ナットを取り外す準備工程を備え、
    前記準備工程から前記第5工程までの各工程を、液漏れが生じているすべての組の既設ボルト及び既設ナットに対して行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の液漏れ阻止方法。
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