JP2014070593A - 内燃機関の冷暖装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】必要に応じて内燃機関の特定部位の温度を調節できるようにする。
【解決手段】内燃機関6の冷却水用ラジエータ3の後背に配置され、空気を前方から吸引し後方に吐出することでラジエータ3を空冷するラジエータファン4と、ラジエータファン4から吐出される空気の流れる方向を可変調整できる風向調整装置5とを具備し、内燃機関6の運転状態や外気温に応じて前記風向調整装置5を操作する冷暖装置を構成した。内燃機関6の負荷がある程度以上高い場合には、ラジエータファン4から吐出される空気を内燃機関6の排気マニホルド62に向けて吹き付ける。外気温がある程度以上低い場合には、ラジエータファン4から吐出される空気を内燃機関6のシリンダヘッドカバー61に向けて吹き付ける。
【選択図】図1
【解決手段】内燃機関6の冷却水用ラジエータ3の後背に配置され、空気を前方から吸引し後方に吐出することでラジエータ3を空冷するラジエータファン4と、ラジエータファン4から吐出される空気の流れる方向を可変調整できる風向調整装置5とを具備し、内燃機関6の運転状態や外気温に応じて前記風向調整装置5を操作する冷暖装置を構成した。内燃機関6の負荷がある程度以上高い場合には、ラジエータファン4から吐出される空気を内燃機関6の排気マニホルド62に向けて吹き付ける。外気温がある程度以上低い場合には、ラジエータファン4から吐出される空気を内燃機関6のシリンダヘッドカバー61に向けて吹き付ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両のエンジンルーム内に収容されている内燃機関の特定部位の温度調節を図る冷暖装置に関する。
前方にエンジンルームを設けて内燃機関を配設するフロントエンジン方式の車両では、走行中に発生する走行風をフロントグリル(または、ラジエータグリル)からエンジンルーム内に取り入れ、内燃機関の冷却に利用している(例えば、下記特許文献を参照)。
内燃機関の排気マニホルドは、気筒から排出される燃焼ガスが最初に通過する部位であり、顕著に昇温する。近時の排気マニホルドは、主としてダウンサイジングの意図で、各気筒に接続される複数の管部同士の間隔が狭められており、放熱しにくくなっている。しかも、軽量化及びコスト低減のために、排気マニホルドに用いられる金属材料の量が削減されていることから、熱容量も小さくなっている。それ故、排気マニホルド(特に、シリンダブロックに連接するフランジ部分等)の高熱による破損が起こりやすくなっている。
走行風による空冷は車速が低い状況では期待できないこともあり、走行風だけで排気マニホルドの破損を完全に防止することは難しい。排気マニホルドの破損を予防するための方策として、耐熱性の極めて高い材料を用いてマニホルドを作製したり、排気マニホルドが破損する前に空燃比をリッチに制御して排気温度を引き下げたりすることが考えられる。だが、前者はコストの騰貴につながり、後者は燃費の悪化につながる。
また、厳冬期、高地または寒冷地等、外気温が顕著に低い環境には、内燃機関のシリンダヘッドカバーやブローバイガスを還流させる流路(ブローバイ通路、PCV通路)等の樹脂製の部材が凍結して損傷する可能性がある。
本発明は、必要に応じて内燃機関の特定部位の温度を調節できるようにすることを所期の目的としている。
上述した課題を解決するべく、本発明では、内燃機関の冷却水用ラジエータの後背に配置され、空気を前方から吸引し後方に吐出することでラジエータを空冷するラジエータファンと、前記ラジエータファンから吐出される空気の流れる方向を可変調整できる風向調整装置とを具備し、内燃機関の運転状態や外気温に応じて前記風向調整装置を操作するものであって、内燃機関の負荷がある程度以上高い場合に、ラジエータファンから吐出される空気を内燃機関の排気マニホルドに向けて吹き付け、外気温がある程度以上低い場合に、ラジエータファンから吐出される空気を内燃機関のシリンダヘッドカバーに向けて吹き付けることを特徴とする内燃機関の冷暖装置を構成した。
排気マニホルドが高温により損傷するおそれがある場合には、ラジエータファンから吐出される、排気マニホルドよりも低温の空気を排気マニホルドを狙って吹き当て、排気マニホルドの温度を低下させる。また、シリンダヘッドカバー等が凍結して破損するおそれがある場合には、外気温よりも高温の空気をシリンダヘッドカバー等を狙って吹き当て、シリンダヘッドカバー等の温度を上昇させる。
本発明によれば、必要に応じて内燃機関の特定部位の温度を調節することが可能になる。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、フロントエンジン方式の車両(FF車またはFR車)のエンジンルーム内の構成を模式的に示す。エンジンルームに連通し、走行風をエンジンルーム内に導き入れる取入口として機能するフロントグリル1の後背には、エアコンディショナの冷媒用コンデンサ2、内燃機関6の冷却水用ラジエータ33及びラジエータファン4が、前方から順に配列される。
ラジエータファン4は、車載のバッテリまたは発電機から電力の供給を受けるファンモータによって回転駆動される。ラジエータファン4は、空気を前方より吸引し、後方に吐出する。そして、コンデンサ2及びラジエータ3を、走行風とともに、または走行風によらず、強制的に空冷する。このラジエータファン4は、コンデンサ2の後背に配置され、コンデンサ2を空冷するコンデンサファンでもある。
内燃機関6は、ラジエータファン4の後方に所在している。本実施形態において、内燃機関6は、シリンダブロックが包有する複数の気筒が車両の幅方向に沿って並ぶように配置される(いわゆる横置き)。加えて、この内燃機関6は、吸気を後方から吸引して気筒に充填するとともに、排気を気筒から前方に排出する、前方排気型となっている。各気筒に接続される排気マニホルド62は、シリンダブロック及びシリンダヘッドから前方に迫り出している。また、図3に示しているように、内燃機関6を正面視すると、最上部にシリンダヘッドカバー61があり、その下方に排気マニホルド62(排気マニホルド62の後背に、シリンダヘッド)があり、その下方に排気浄化用の三元触媒63(触媒63の後背に、シリンダブロック)がある。内燃機関6のクランクケース(オイルパン)の下方は、空隙となっている。
本実施形態のラジエータファン4には、風向調整装置5を付設してある。風向調整装置5は、ラジエータファン4が後方に吐出する空気の吹き出し方向を(主として上下方向に)可変調整できるものである。風向調整装置5は、風向を規定するルーバと、このルーバまたはノズルを駆動して風向を変化させるアクチュエータとを要素とする。
図2に示すように、ルーバは、細長い薄板状をなす複数枚の羽根51を間隔を空けて互いに平行に配列し、これら羽根51を枠体52に対して固定したものである。枠体52は、例えば前後方向に貫通した環状をなし、その内空に羽根51を収容して支持している。各羽根51の面の向く方向は、枠体52の軸心方向(ラジエータファン4の回転軸の方向でもある)即ち前後方向に対して非平行かつ非垂直な、当該軸心方向に対して傾斜した角度となっている。ルーバ即ち羽根51及び枠体52は、当該軸心を回転中心として、当該軸心回りに一体となって回転可能であるように、例えばラジエータファン4のシュラウドに支持させてある。
アクチュエータは、上記のルーバを軸心回りに回転駆動する、例えばサーボモータまたはステッピングモータを用いて構成される。
内燃機関6、ラジエータファン4、風向調整装置5等の制御を司るECU(Electronic Control Unit)は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブの開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号、車載バッテリの充電状態を示すバッテリ電圧、バッテリ電流及びバッテリ温度を検出するセンサから出力されるバッテリ信号、内燃機関6の吸気通路(特に、サージタンク)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号、内燃機関6の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号、外気温を検出する気温センサから出力される外気温信号、触媒63の温度を検出する温度センサから出力される触媒63温信号、気筒の燃焼室内での混合気の燃焼に伴って生じるイオン電流を検出する回路から出力される電流信号等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグのイグナイタに対して点火信号、インジェクタに対して燃料噴射信号、スロットルバルブに対して開度操作信号、オルタネータのICレギュレータに対して発電電圧指令信号、ラジエータファン4のモータに対してON/OFF制御信号、風向調整装置5のアクチュエータであるモータに対して風向指令信号等を出力する。
ECUのプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関6の運転を制御する。ECUは、内燃機関6の運転制御に必要な各種情報を入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射時期(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火時期といった各種運転パラメータを決定する。運転パラメータの決定手法自体は、既知のものを採用することが可能である。ECUは、運転パラメータに対応した各種制御信号を出力インタフェースを介して印加する。
さらに、ECUは、ラジエータファン4のON/OFF、並びにラジエータファン4から吐出される空気の流れる方向を制御する。
一般的に、ラジエータファン4は、内燃機関6の冷却水温が所定値以上に高く、ラジエータ3において積極的に冷却水から放熱させなければいけないときにファンモータに通電して回転駆動する。逆に言えば、内燃機関6の冷却水温が所定値未満である場合には、ファンモータに通電せず、ラジエータファン4を回転させない。但し、本実施形態においては、必ずしもその限りではない。
ラジエータファン4に付設された風向調整装置5の風向は、内燃機関6の運転状態及び/または外気温に応じて制御する。以降、図4を参照し、ECUが操作する風向調整装置5の風向、換言すればラジエータファン4から吐出される風の指向目標を列挙する。図4中、○は風の指向目標とする意、×は指向目標としない(寧ろ、風を当てないようにこれを回避する)意である。△は、状況により風の指向目標としてもしなくてもよい意である。
<冷間始動時>内燃機関6の冷却水温が所定値以下である始動直後の時期は、内燃機関6を暖機する必要があるため、ラジエータファン4から吐出される空気を内燃機関6の各部に吹き当てない方がよい。故に、ECUは、ルーバを駆動するアクチュエータ(であるサーボモータまたはステッピングモータ)を制御してルーバを所要の角度まで回転させ、風向調整装置5の(ルーバの羽根51によって規定される)風向を、内燃機関6の下方の空隙に向ける。尤も、ラジエータファン4の回転をOFFにしてもよい。ラジエータファン4をOFFにしている間も、風向調整装置5の風向は、内燃機関6の下方の空隙に向けておくことが望ましい。これは、ファン4が回転していなくとも、車両の走行に伴いエンジンルームに吹き込む走行風が風向調整装置5を介してラジエータファン4の後方に流出することによる。
<寒冷地>厳冬期、高地または寒冷地等、外気温が顕著に低い環境には、シリンダヘッドカバー61やブローバイガスを還流させる流路等が凍結して損傷する可能性がある。故に、ECUは、ルーバを駆動するアクチュエータを制御してルーバを所要の角度まで回転させ、風向調整装置5の風向を、シリンダヘッドカバー61に向ける。これにより、ラジエータファン4が吐出する、コンデンサ2(内の冷媒)やラジエータ3(内の冷却水)と熱交換して外気よりも温度の高まった空気を、シリンダヘッドカバー61に吹き当てることができる。ひいては、シリンダヘッドカバー61やブローバイガスを還流させる流路等が温められ、それらの凍結による損傷が抑止される。
なお、このとき、排気マニホルド62には、ラジエータファン4が吐出する風を吹き当ててもよいし、吹き当てなくてもよい。ルーバを揺動させるように操作することで、ラジエータファン4が吐出する風の方向を揺らがせ、その風が排気マニホルド62に当たったり当たらなかったりすることを繰り返してもよい。但し、ラジエータファン4が吐出する風は、(直接)触媒63には当たらないようにする。触媒63がその性能を発揮するためには、触媒63の温度が数百℃に維持されている必要があるからである。
<高負荷運転領域>内燃機関6の負荷(アクセル開度、サージタンク内の吸気圧、気筒に充填される吸気量、または燃料噴射量)が所定値よりも高い高負荷の運転領域では、排気温度が非常に高く、排気マニホルド62が顕著に昇温してその破損を招く懸念がある。故に、ECUは、ルーバを駆動するアクチュエータを制御してルーバを所要の角度まで回転させ、風向調整装置5の風向を、排気マニホルド62に向ける。これにより、ラジエータファン4が吐出する、排気マニホルド62よりも十分に温度の低い空気を、排気マニホルド62に吹き当てることができる。ひいては、排気マニホルド62が冷却され、排気マニホルド62の高温による損傷が抑止される。
なお、このとき、排気浄化用の触媒63には、ラジエータファン4が吐出する風を吹き当ててもよいし、吹き当てなくてもよい。ルーバを揺動させるように操作することで、ラジエータファン4が吐出する風の方向を揺らがせ、その風が触媒63に当たったり当たらなかったりすることを繰り返してもよい。触媒63の温度が所定値以上に高く、触媒63の損傷のおそれがある場合には、ラジエータファン4が吐出する風を触媒63にも当たるように風向を設定することが好ましい。さもなくば、風が(直接)触媒63には当たらないようにすることが好ましい。
<中負荷運転領域>内燃機関6の負荷が高負荷域よりも低い所定範囲内にあるような中負荷の運転領域でも、排気マニホルド62が顕著に昇温してその破損を招く懸念はある。故に、ECUは、ルーバを駆動するアクチュエータを制御してルーバを所要の角度まで回転させ、風向調整装置5の風向を、排気マニホルド62に向ける。これにより、ラジエータファン4が吐出する空気を、排気マニホルド62に吹き当てることができる。ひいては、排気マニホルド62が冷却され、排気マニホルド62の高温による損傷が抑止される。
このとき、ルーバを揺動させるように操作することで、ラジエータファン4が吐出する風の方向を揺らがせ、その風が排気マニホルド62に当たったり当たらなかったりすることを繰り返してもよい。
また、排気浄化用の触媒63には、ラジエータファン4が吐出する風を吹き当ててもよいし、吹き当てなくてもよい。ルーバを揺動させるように操作することで、ラジエータファン4が吐出する風の方向を揺らがせ、その風が触媒63に当たったり当たらなかったりすることを繰り返してもよい。触媒63の温度が所定値以上に高く、触媒63の損傷のおそれがある場合には、ラジエータファン4が吐出する風を触媒63にも当たるように風向を設定することが好ましい。さもなくば、風が(直接)触媒63には当たらないようにすることが好ましい。
<低負荷運転領域>内燃機関6の負荷が所定値よりも低い(機関のアイドリング中を含む)低負荷の運転領域では、排気温度が低く、排気マニホルド62が高温により破損するおそれは小さく、ラジエータファン4から吐出される空気を内燃機関6の各部に吹き当てる必要性に乏しい。故に、ECUは、ルーバを駆動するアクチュエータを制御してルーバを所要の角度まで回転させ、風向調整装置5の風向を、内燃機関6の下方の空隙に向ける。尤も、ラジエータファン4の回転をOFFにしてもよい。ラジエータファン4をOFFにしている間も、風向調整装置5の風向は、内燃機関6の下方の空隙に向けるようにする。
<燃料カット中>アクセル開度が0または0に近い所定値以下であり、エンジン回転数が閾値よりも高いときには、インジェクタからの燃料噴射(及び、点火プラグによる点火)を一時的に休止する燃料カットを実行することが通例である。この燃料カット中も、ECUは、ルーバを駆動するアクチュエータを制御してルーバを所要の角度まで回転させ、風向調整装置5の風向を、内燃機関6の下方の空隙に向ける。尤も、ラジエータファン4の回転をOFFにしてもよい。ラジエータファン4をOFFにしている間も、風向調整装置5の風向は、内燃機関6の下方の空隙に向けるようにする。
<その他>排気マニホルド62の高温による損傷のおそれは小さい一方で、触媒63が異常に昇温してしまうことがある。例えば、空燃比を燃料リッチに制御して機関を運転した直後に空燃比をリーンに制御した場合がそうである。燃料リッチにより排気マニホルド62の温度は低下するにもかかわらず、触媒63に燃料成分を含むガスが到達した直後に多量の酸素が触媒63に流入することでそれら燃料成分と酸素とが反応し、触媒63の温度は上昇する。この場合、ECUは、ルーバを駆動するアクチュエータを制御してルーバを所要の角度まで回転させ、風向調整装置5の風向を、触媒63に向ける。これにより、ラジエータファン4が吐出する、触媒63よりも十分に温度の低い空気を、触媒63に吹き当てることができる。ひいては、触媒63が冷却され、触媒63の高温による損傷が抑止される。
なお、このとき、排気マニホルド62には、ラジエータファン4が吐出する風を吹き当ててもよいし、吹き当てなくてもよい。ルーバを揺動させるように操作することで、ラジエータファン4が吐出する風の方向を揺らがせ、その風が排気マニホルド62に当たったり当たらなかったりすることを繰り返してもよい。内燃機関6の負荷が高くなく、排気マニホルド62から触媒63に向けて流通する排気の温度が高くない状況では、排気マニホルド62を空冷することで排気温度が低下しすぎ、触媒63を冷やしすぎて排気浄化能を低下させてしまうことになりかねないので、風が(直接)排気マニホルド62には当たらないようにすることが好ましい。
上に述べた各状況における風の指向方向の制御パターンは、さらに、そのときの外気温に応じて修正してもよい。
本実施形態では、内燃機関6の冷却水用ラジエータ3の後背に配置され、空気を前方から吸引し後方に吐出することでラジエータ3を空冷するラジエータファン4と、前記ラジエータファン4から吐出される空気の流れる方向を可変調整できる風向調整装置5とを具備し、内燃機関6の運転状態や外気温に応じて前記風向調整装置5を操作するものであって、内燃機関6の負荷がある程度以上高い場合に、ラジエータファン4から吐出される空気を内燃機関6の排気マニホルド62に向けて吹き付け、外気温がある程度以上低い場合に、ラジエータファン4から吐出される空気を内燃機関6のシリンダヘッドカバー61に向けて吹き付けることを特徴とする内燃機関6の冷暖装置を構成した。
本実施形態によれば、必要に応じて内燃機関6の特定部位の温度を調節することが可能になる。例えば、排気マニホルド62が高温により損傷するおそれがある場合には、ラジエータファン4から吐出される、排気マニホルド62よりも低温の空気を排気マニホルド62を狙って吹き当て、排気マニホルド62の温度を低下させることができる。シリンダヘッドカバー61等が凍結して破損するおそれがある場合には、外気温よりも高温の空気をシリンダヘッドカバー61等を狙って吹き当て、シリンダヘッドカバー61等の温度を上昇させることができる。
排気マニホルド62の損傷を未然に防ぐことができるため、排気マニホルド62の作製に使用する材料を安価な(著しく高い耐熱性を有さない)ものとすることができ、コストの低減に寄与し得る。並びに、排気マニホルド62の温度を低下させる目的で、気筒に充填するガスの空燃比を燃料リッチに制御する必要性が低下するため、燃費性能の向上にも資する。
また、本実施形態によれば、内燃機関6の排気マニホルド62と触媒63とを別個に空冷することが可能である。排気マニホルド62だけが損傷するおそれがある場合には、ラジエータファン4から吐出される空気を排気マニホルド62を狙って吹き当てる一方、触媒63には(直接)吹き当たらないように操作することができる。触媒63だけが損傷するおそれがある場合には、ラジエータファン4から吐出される空気を触媒63を狙って吹き当てる一方、排気マニホルド62には(直接)吹き当たらないように操作することができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、風向調整装置5の要素であるルーバの態様は、上記実施形態におけるものには限定されない。複数の羽根が互いに平行な状態を保ちながら枠体に対して相対的に回動する構造のルーバ(可変ルーバ)を採用し、その各羽根をアクチュエータによって駆動するものとしてもよい。
あるいは、指向性を有する吹出ノズルをラジエータファンの後背に設置し、そのノズルの指向方向をアクチュエータによって操作する態様の風向調整装置を構成してもよい。
上記実施形態では、ラジエータファンがコンデンサファンを兼ねていたが、両者が別個独立して並存する場合には、コンデンサファンから吐出される空気の流れる方向を可変調整できる風向調整装置を設け、内燃機関の運転状態や外気温に応じてその風向調整装置を操作するものとしてもよい。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両に搭載される内燃機関の特定部位の冷暖に利用できる。
3…ラジエータ
4…ラジエータファン
5…風向調整装置
6…内燃機関
61…シリンダヘッドカバー
62…排気マニホルド
63…触媒
4…ラジエータファン
5…風向調整装置
6…内燃機関
61…シリンダヘッドカバー
62…排気マニホルド
63…触媒
Claims (1)
- 内燃機関の冷却水用ラジエータの後背に配置され、空気を前方から吸引し後方に吐出することでラジエータを空冷するラジエータファンと、
前記ラジエータファンから吐出される空気の流れる方向を可変調整できる風向調整装置とを具備し、
内燃機関の運転状態や外気温に応じて前記風向調整装置を操作するものであって、
内燃機関の負荷がある程度以上高い場合に、ラジエータファンから吐出される空気を内燃機関の排気マニホルドに向けて吹き付け、
外気温がある程度以上低い場合に、ラジエータファンから吐出される空気を内燃機関のシリンダヘッドカバーに向けて吹き付ける
ことを特徴とする内燃機関の冷暖装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113613928A (zh) * | 2019-03-19 | 2021-11-05 | 五十铃自动车株式会社 | 送风机的风向调整方法以及搭载送风机的车辆 |
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2012
- 2012-09-28 JP JP2012218173A patent/JP2014070593A/ja active Pending
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