JP2014069904A - デッキクレーン、デッキクレーンの制御方法及び船舶 - Google Patents

デッキクレーン、デッキクレーンの制御方法及び船舶 Download PDF

Info

Publication number
JP2014069904A
JP2014069904A JP2012215091A JP2012215091A JP2014069904A JP 2014069904 A JP2014069904 A JP 2014069904A JP 2012215091 A JP2012215091 A JP 2012215091A JP 2012215091 A JP2012215091 A JP 2012215091A JP 2014069904 A JP2014069904 A JP 2014069904A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
hydraulic
hydraulic oil
deck crane
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012215091A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuto Ogushi
泰斗 大串
Masaaki Yamamoto
雅章 山本
Tetsuo Kuroda
哲郎 黒田
Sachihiro Shiroyama
祥宏 城山
Kazuya Nishida
和哉 西田
Kenta Kinoshita
健太 木之下
Taisuke Sasano
泰祐 笹野
Tsutomu Tsubakihara
勉 椿原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2012215091A priority Critical patent/JP2014069904A/ja
Publication of JP2014069904A publication Critical patent/JP2014069904A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)
  • Jib Cranes (AREA)

Abstract

【課題】定格制限荷重以上の荷重で動作するオーバーロード領域を低減するデッキクレーン、デッキクレーンの制御方法及び船舶を提供する。
【解決手段】デッキクレーンは、圧力スイッチ21が油圧ポンプ32とリリーフ弁40との間のPポートに備えられ、作動油の圧力が所定のスイッチング圧力に達した場合に、油圧ポンプ32が吐出した作動油の全量をタンク61に戻すように作動油の流れる方向の切り換えを行う電磁弁22を動作させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、デッキクレーン、デッキクレーンの制御方法及び船舶に関する。
特許文献1には、作動油の供給を受けて回転駆動する油圧モータと、この油圧モータを用いた油圧ウインチと、この油圧ウインチを用いたデッキクレーン(起重機)が記載されている。
特開2002−220189号公報
特許文献1のデッキクレーンは、リリーフ弁を備え、このリリーフ弁が負荷の制限圧である定格制限荷重を超えた場合に油圧回路内の作動油をタンクに戻す。しかし、リリーフ弁には、作動油をタンクに戻し始める圧力であるクラッキング圧力と、弁が全開して油圧ポンプの吐出した作動油の全量をタンクに戻す圧力である全流量時圧力との間に生じる圧力差があり、この圧力差はオーバーライド圧力とよばれる。このためデッキクレーンは、定格制限荷重を定格速度で巻き上げた場合、定格制限荷重以上でも動作する可能性があり、この定格制限荷重以上の荷重で動作するオーバーロード領域を低減する要望がある。
本発明は、定格制限荷重以上の荷重で動作するオーバーロード領域を低減するデッキクレーン、デッキクレーンの制御方法及び船舶を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、デッキクレーンは、作動油を吐出する油圧ポンプと、前記作動油の供給を受けて回転駆動する油圧モータと、積荷を船舶に搭載または積降ろしを行なうために、前記油圧モータで駆動される巻上装置と、前記油圧ポンプと前記油圧モータとを接続する作動油供給路に備えられ、前記巻上装置の動作の切換えを行なうコントロール弁と、前記油圧ポンプと前記コントロール弁とを接続する作動油供給路に備えられ、前記油圧ポンプと前記コントロール弁とを接続する作動油供給路の作動油がクラッキング圧力に達してから前記油圧ポンプが吐出した作動油をタンクに戻し始め、全流量時圧力において全開して前記油圧ポンプの吐出した作動油の全量を前記タンクに戻すリリーフ弁と、前記作動油供給路の圧力が前記全流量時圧力より小さい所定のスイッチング圧力に達したときに、信号を送出する圧力スイッチと、前記圧力スイッチの前記信号に応じて、前記油圧ポンプが吐出した作動油の全量を前記タンクに戻すように作動油の流れる方向の切り換えを行う電磁弁と、を含むことを特徴とする。
これにより、デッキクレーンは、オーバーライド圧力特性を改善し、巻上速度を急速に低減することができ、オーバーロード領域を低減することができる。またデッキクレーンは、定格制限荷重において、定格速度で運転できることから作業性を高めることができる。
本発明の望ましい態様として、前記所定のスイッチング圧力は、デッキクレーンの定格制限荷重以上であり、かつ前記クラッキング圧力以下であることが好ましい。このデッキクレーンは、リリーフ弁が動作する前に、油圧ポンプの吐出した作動油の全量をタンクに戻すことができる。
本発明の望ましい態様として、前記圧力スイッチは、タイマーを備え、前記タイマーが設定する所定時間以上、前記スイッチング圧力が維持される場合に前記リリーフ弁を開くことを特徴とすることが好ましい。このようにすれば、一瞬のピーク圧で、圧力スイッチが反応せず、電磁弁が動作しないようにしている。その結果、デッキクレーンは、定格制限荷重を定格速度で巻き上げた場合、定格制限荷重以上でも動作する可能性を低減するとともに、圧力スイッチの誤動作を抑制することができ、作業性を向上することができる。
本発明の望ましい態様として、前記圧力スイッチは、デッキクレーンを操作するコントローラの中立信号を受けてリセットされ、前記圧力スイッチのリセットにより前記リリーフ弁を初期状態に戻すことが好ましい。このようにすれば、意図しない圧力スイッチの繰り返し動作を抑制することができ、作業性を向上することができる。
本発明の望ましい態様として、前記リリーフ弁は、スプールを備える平衡ピストン型リリーフ弁であって、前記電磁弁による作動油の流れる方向の切り換えにより前記スプールを作動させた場合、前記リリーフ弁の内部を通じて前記油圧ポンプが吐出した作動油の全量を前記タンクに戻すことが好ましい。このようにすれば、デッキクレーンは、電磁弁を使用しても機械的なスプールの動作が安全性を担保するので、冗長性を高めることができる。
本発明の望ましい態様として、前記デッキクレーンを備える船舶であることが好ましい。このようにすれば、船舶は、風または波の影響を受けても、デッキクレーンを安全に稼働することができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、デッキクレーンの制御方法は、デッキクレーンの油圧モータを駆動するための駆動ラインの作動油がクラッキング圧力に達した場合に、前記油圧ポンプが吐出した作動油をタンクに戻し始めるリリーフ弁が、全開して前記油圧ポンプの吐出した作動油の全量を前記タンクに戻す圧力である全流量時圧力に達する前に、前記作動油の圧力を検出した圧力スイッチが送出する信号を受けて、前記油圧ポンプが吐出した作動油の全量を前記タンクに電磁弁を介して戻し、前記油圧モータを一時停止することを特徴とする。
これにより、デッキクレーンは、オーバーライド圧力特性を改善し、巻上速度を急速に低減することができ、オーバーロード領域を低減することができる。またデッキクレーンの制御方法は、定格制限荷重において、定格速度で運転できることから作業性を高めることができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、船舶は、デッキクレーンの油圧モータを駆動するための駆動ラインの作動油がクラッキング圧力に達した場合に、前記油圧ポンプが吐出した作動油をタンクに戻し始めるリリーフ弁が、全開して前記油圧ポンプの吐出した作動油の全量を前記タンクに戻す圧力である全流量時圧力に達する前に、前記作動油の圧力を検出した圧力スイッチが送出する信号を受けて、前記油圧ポンプが吐出した作動油の全量を前記タンクに電磁弁を介して戻し、前記油圧モータを一時停止し、前記一時停止後の前記駆動ラインの作動油がクラッキング圧力以下であって、かつコントローラからの中立信号を受けてリセットされた前記電磁弁により、前記油圧ポンプの作動油が前記駆動ラインを通じて前記油圧モータに再供給されるデッキクレーンを備えたことを特徴とする。
これにより、デッキクレーンは、オーバーライド圧力特性を改善し、巻上速度を急速に低減することができ、オーバーロード領域を低減することができる。またデッキクレーンの制御方法は、定格制限荷重において、定格速度で運転できることから作業性を高めることができる。そして、意図しない圧力スイッチの繰り返し動作を抑制することができ、作業性を向上することができる。
本発明によれば、定格制限荷重以上の荷重で動作するオーバーロード領域を低減するデッキクレーン、デッキクレーンの制御方法及び船舶を提供することができる。
図1−1は、実施形態1に係るデッキクレーンを搭載した船舶の全体図である。 図1−2は、実施形態1に係るデッキクレーンの油圧装置を説明する説明図である。 図2は、実施形態1に係るデッキクレーンの構成を示す全体構成図である。 図3は、実施形態1に係るデッキクレーンの油圧装置を示す説明図である。 図4は、実施形態1に係るデッキクレーンの油圧装置において過度の負荷から保護する保護手順を示すフローチャートである。 図5−1は、実施形態1に係るデッキクレーンのオーバーライド圧力特性を示す説明図である。 図5−2は、実施形態1の変形例に係るデッキクレーンのオーバーライド圧力特性を示す説明図である。 図6は、実施形態2に係るデッキクレーンの油圧装置を示す説明図である。 図7は、実施形態2に係るデッキクレーンの油圧装置において過度の負荷から保護する保護手順を示すフローチャートである。 図8は、実施形態3に係る圧力スイッチの構成例を示す模式図である。 図9は、実施形態3に係るデッキクレーンの油圧装置において過度の負荷から保護する保護手順を示すフローチャートである。 図10は、実施形態4に係る圧力スイッチの構成例を示す模式図である。 図11は、実施形態4に係るデッキクレーンの油圧装置において過度の負荷から保護する保護手順を示すフローチャートである。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、デッキクレーンとは、貨物船の甲板上に設置され、海上輸送貨物の積み込み及び陸場作業に使用される荷役機械である。
(実施形態1)
図1−1は、実施形態1に係るデッキクレーンを搭載した船舶の全体図である図1−2は、実施形態1に係るデッキクレーンの油圧装置を説明する説明図である。デッキクレーン1は、船舶30の甲板31に搭載されて、船舶30から荷役対象Cを下ろしたり、船舶30に荷役対象Cを積み込んだりする際に用いられる。実施形態1において、船舶30は、貨物船であり、4機のデッキクレーン1を有する。船舶30が有するデッキクレーン1の数は、4機に限定されるものではない。
図1−2に示すように、船舶30は、各デッキクレーン1に油圧装置100を備えている。油圧装置100は、油圧ポンプ32と、油圧ポンプ32を駆動する原動機33とを有する。原動機33は、例えば、ディーゼルエンジンである。油圧ポンプ32は、デッキクレーン1を駆動するための油圧の作動油を吐出する。それぞれのデッキクレーン1は、油圧によって、荷役対象Cを吊り上げたり吊り下げたりする。すなわち、油圧ポンプ32が吐出する作動油は、それぞれのデッキクレーン1の油圧モータ3M、4M、5Mに供給される。
油圧装置100は、リリーフ弁40を備え、このリリーフ弁40が負荷の制限圧である定格制限荷重を超えた場合に油圧回路内の作動油をタンク61に戻す。しかし、リリーフ弁40には、作動油をタンク61に戻し始める圧力であるクラッキング圧力と、弁が全開して油圧ポンプ32の吐出した作動油の全量をタンク61に戻す圧力である全流量時圧力との間に生じる圧力差があり、この圧力差はオーバーライド圧力とよばれる。このためデッキクレーン1は、定格制限荷重を定格速度で巻き上げた場合、定格制限荷重以上でも動作する可能性があり、この定格制限荷重以上の荷重で動作するオーバーロード領域を低減する電磁弁22を備えている。次に、デッキクレーン1について説明する。
図2は、実施形態1に係るデッキクレーンの構成を示す全体構成図である。デッキクレーン1は、旋回体2と、巻上装置3と、俯仰装置4と、旋回装置5と、ジブ6とを含む。実施形態1において、巻上装置3と、俯仰装置4とは一体で構成されている。旋回体2は、巻上装置3と、俯仰装置4と、旋回装置5と、ジブ6とを備える。旋回体2は、船舶30に設けられた架台34上に据え付けられる。旋回体2は、架台34の支持面34Pと直交する軸Zrを中心として回転できるようになっている。
ジブ6は、棒状の部材であり、先端6Ttに滑車8を有している。ジブ6の先端6Ttとは反対側の端部は、取付端6Tlである。ジブ6は、取付端6Tlが旋回体2に取り付けられている。そして、ジブ6は、取付端6Tlの取付部を中心に揺動できるようになっている。ジブ6の揺動方向は、図2の矢印Uで示す方向である。滑車8には、荷役対象を吊るためのワイヤロープ9が通されている。ワイヤロープ9の一端部には、荷役対象を掛ける荷掛フック11が取り付けられる。ワイヤロープ9の他端は、巻上装置3の巻上用ドラム3Dに連結され、これに巻き付けられている。
巻上装置3は、動力発生源によって巻上用ドラム3Dを回転させ、ワイヤロープ9を巻き取る。また、巻上装置3は、巻き取ったワイヤロープ9を繰り出す。巻上装置3の巻上用ドラム3Dにワイヤロープ9を巻き取る運動を巻上げといい、繰り出す運動を巻下げという。実施形態1においては、両方の運動を総称して巻上げという。巻上装置3がワイヤロープ9を巻上げすることにより、荷掛フック11は、鉛直方向と平行な方向(図2の矢印Yで示す方向)に移動する。
俯仰装置4は、ジブ6を俯仰させる装置である。俯仰装置4は、俯仰用ワイヤロープ10が巻き付けられた俯仰用ドラム4Dを有している。俯仰用ワイヤロープ10は、ジブ6の先端6Ttと取付端6Tlとの間に連結されている。ジブ6は、俯仰装置4が俯仰用ワイヤロープ10を巻き取ることにより上(鉛直方向とは反対側)を向き、俯仰用ワイヤロープ10を繰り出すことにより下(鉛直方向側)を向く。
旋回装置5は、架台34の支持面34Pと直交する軸Zrを中心として、旋回体2を旋回させる装置である。旋回体2が旋回する方向は、図2の矢印Rで示す方向である。実施形態1において、旋回装置5は、旋回体2に取り付けられている。そして、例えば、架台34には内歯歯車を設けておき、旋回装置5が前記内歯歯車とかみ合う歯車5Gを回転させるようにする。このような構造により、旋回装置5が歯車5Gを回転させると、旋回体2が軸Zrを中心として旋回する。なお、旋回装置5は、架台34に設けられていてもよい。
巻上装置3、俯仰装置4及び旋回装置5は、それぞれ動力発生源が必要である。これらの動力発生源としては、上述した油圧装置100がある。油圧装置100は、作動油を加圧して吐出する作動油吐出手段である油圧ポンプ32と、当該油圧ポンプ32の動力発生源である油圧モータとを有する装置である。油圧装置から吐出された作動油は、油圧モータ3M、4M、5Mに供給されてこれを駆動する。
図3は、実施形態1に係るデッキクレーンの油圧装置を示す説明図である。図3に示す油圧装置は、デッキクレーン1が有する巻上装置3、俯仰装置4及び旋回装置5のすべての動力発生源に油圧ポンプ32を用いた場合の一例を示している。
図3に示す油圧装置は、油圧ポンプ32と、タンク61と、油圧モータ3M、4M、5Mと、コントロール弁3S、4S、5Sと、リリーフ弁40と、圧力スイッチ21と、電磁弁22とを含む。図3に示す油圧装置には、フィルタ62と、逆止弁63と、絞り弁64と、油圧の変動の変化を緩和する油圧緩衝のためのカウンタバランス弁65とを適宜含んでもよい。
油圧ポンプ32は、原動機33に駆動され、作動油供給路に作動油を吐出する。タンク61は、油圧モータ3M、4M、5Mで機械エネルギに変換され低い圧力の作動油を貯留する油タンクである。
油圧モータ3M、4M、5Mは、作動油の供給を受けて回転駆動し、巻上装置3、俯仰装置4、旋回装置5のそれぞれの動力発生手段となる。油圧モータ3M、4M、5Mは、油圧装置から供給された作動油によって回転力を発生する装置である。例えば、油圧モータ3Mは、図2に示す巻上用ドラム3Dを回転させる。また、油圧モータ4Mは、俯仰装置4の俯仰用ドラム4Dを回転させる。そして、油圧モータ5Mは、旋回装置5の歯車5Gを回転させる。
コントロール弁3S、4S、5Sは、油圧ポンプ32と油圧モータ3M、4M、5Mとの間の作動油供給路であるPポート(駆動ライン)にそれぞれ備えられている。コントロール弁3S、4S、5Sは、制御装置81の制御信号に基づいて、それぞれの油圧モータ3M、4M、5Mへの作動油供給量の制御と、それぞれの油圧モータ3M、4M、5Mの回転方向(正回転または逆回転)または停止の切り換え制御を行うことができる。制御装置81は、入力手段である操作レバー82の入力を受け付けて、制御信号を生成する。制御装置81と、操作レバー82とは、図3に示す油圧装置のコントローラとなっている。
リリーフ弁40は、油圧ポンプ32と、コントロール弁3S、4S、5Sとの間のPポートに備えられ、負荷の制限圧である定格制限荷重を超えた場合に油圧回路内の作動油をタンク61に戻す安全弁である。
圧力スイッチ21は、油圧ポンプ32とリリーフ弁40との間のPポートに備えられ、作動油の圧力が上述したクラッキング圧力以上の圧力である、所定のスイッチング圧力に達した場合に、油圧ポンプ32が吐出した作動油の全量をタンク61に戻すように電磁弁22を動作させる。スイッチング圧力は、全流量時圧力よりも小さい圧力とする。また、スイッチング圧力をデッキクレーンの定格制限荷重以上であり、かつクラッキング圧力以下である所定の圧力とすることで、リリーフ弁40が動作する前に、油圧ポンプ32の吐出した作動油の全量をタンク61に戻すことができる。圧力スイッチ21は、例えば半導体歪みゲージを備え、Pポートの圧力が所定の圧力となった場合に、電磁弁22のソレノイドを通電する。
通電したソレノイドにより内部のスプールが移動し、電磁弁22は、電磁弁22内部で油圧ポンプ32とタンク61とが閉鎖された状態から、電磁弁22内部で油圧ポンプ32とタンク61とが接続された状態となる。電磁弁22は、圧力スイッチ21の動作に応じて、作動油の流れる方向を制御する方向制御弁である。電磁弁22は、圧力スイッチ21が動作し、ON信号を送出する場合には、油圧ポンプ32とリリーフ弁40との間のPポートをタンク61に繋がる作動油路であるTポートに接続する。電磁弁22は、圧力スイッチ21が動作せず、ON信号を送出しない場合(またはOFF信号を送出する場合)には、油圧ポンプ32とリリーフ弁40との間のPポートとタンク61に繋がるTポートとを切り離している。
図4は、実施形態1に係るデッキクレーンの油圧装置において過度の負荷から保護する保護手順を示すフローチャートである。例えば、デッキクレーン1は、図1−1に示す荷役対象Cを図2に示す荷掛フック11で巻き上げる場合、巻上装置3を動作させる。
図4に示すように、圧力スイッチ21は、Pポートの圧力を検出し、所定のスイッチング圧力ではない場合(ステップS11、No)、Pポートの圧力の検出を続ける。圧力スイッチ21は、Pポートの圧力を検出し、スイッチング圧力以上である場合(ステップS11、Yes)、圧力スイッチ21は、電磁弁22にON信号を送出する。
電磁弁22の故障がない場合(ステップS12、Yes)、電磁弁22は、圧力スイッチ21の動作に応じて作動し、作動油の流れる方向を切り換える(ステップS13)。次に、電磁弁22の作動油の流れる方向の切り換えにより、PポートとTポートとが接続される(ステップS14)。デッキクレーン1は、図1−1に示す荷役対象Cをアンロードする。以上説明したように、デッキクレーン1の制御方法は、デッキクレーン1の油圧モータ32を駆動するためのPポート(駆動ライン)の作動油がクラッキング圧力に達した場合に、油圧ポンプ32が吐出した作動油をタンク61に戻し始めるリリーフ弁40が、全開して油圧ポンプ32の吐出した作動油の全量をタンク61に戻す圧力である全流量時圧力に達する前に、作動油の圧力を検出した圧力スイッチ21が送出する信号を受けて、油圧ポンプ32が吐出した作動油の全量をタンク61に電磁弁を介して戻し、油圧モータ32を一時停止する。
電磁弁22の故障がある場合(ステップS12、No)、電磁弁22は動作しないが、作動油の圧力が上述したクラッキング圧力以上の圧力であれば、リリーフ弁40のスプールが作動する(ステップS15)。次に、作動油の圧力が上述した全流量時圧力以上の圧力であれば、リリーフ弁40により、PポートとTポートとが接続される(ステップS16)。その結果、デッキクレーン1は、電磁弁22の故障に対しても冗長性を高めることができる。以上説明したように、デッキクレーン1は、圧力スイッチ21が油圧ポンプ32とリリーフ弁40との間のPポートに備えられ、作動油の圧力が所定のスイッチング圧力に達した場合に、油圧ポンプ32が吐出した作動油の全量をタンク61に戻すように作動油の流れる方向の切り換えを行う電磁弁22を動作させる。
図5−1は、実施形態1に係るデッキクレーンのオーバーライド圧力特性を示す説明図である。図5−2は、実施形態1の変形例に係るデッキクレーンのオーバーライド圧力特性を示す説明図である。デッキクレーン1は、図1−1に示す荷役対象Cを図2に示す荷掛フック11で巻き上げる場合、図3に示す巻上装置3を動作させる。図5−1及び図5−2に示すように、巻上装置3は、低負荷、中負荷、重負荷の3段階に切り換え可能となっている。そして、低負荷の巻上速度は、中負荷の巻上速度よりも大きくすることができる。同様に、中負荷の巻上速度は、重負荷の巻上速度よりも大きくすることができる。
図5−1に示すように、実施形態1に係るデッキクレーン1は、重負荷の定格制限荷重(負荷の制限圧)PRよりもスイッチング圧力PCFとなる荷重設定値を大きくしているので、巻上装置3が、重負荷の定格制限荷重PRにおいて重負荷の定格速度の回転をすることができる。なお、図5−1において、実施形態1のリリーフ弁40のクラッキング圧力PCKとなる荷重設定値は、圧力スイッチ21のスイッチング圧力PCFとなる荷重設定値より大きい。
圧力スイッチ21がない従来のデッキクレーンは、図5−1に示すスイッチング圧力PCFとなる荷重設定値と同じ値に、リリーフ弁40のクラッキング圧力PCKとなる荷重設定値を設定した場合、点線L1のようにリリーフ弁40のオーバーライド圧力特性の曲線に従い、オーバーロード領域OC2が、定格制限荷重PRから全流量時圧力POとなる荷重設定値まで延びてしまう。これに対して、実施形態1に係るデッキクレーン1は、圧力スイッチ21を備えており、スイッチング圧力PCFとなる荷重設定値において、油圧ポンプ32が吐出した作動油の全量をタンク61に戻すように作動油の流れる方向の切り換えを電磁弁22が行い、PポートとTポートとを接続する。このため、実施形態1に係るデッキクレーン1は、実線L2のように巻上速度を急速に低減することができ、図5−1に示すオーバーライド領域OC1のように、オーバーロード領域を低減することができる。その結果、実施形態1に係るデッキクレーン1は、点線L1のように、オーバーロード領域が、定格制限荷重PRから全流量時圧力POとなる荷重設定値まで延びてしまう可能性が低減され、油圧ポンプ32などの損傷の可能性を低減することができる。
また、実施形態1に係るデッキクレーン1は、電磁弁22の故障がある場合、電磁弁22は動作しないが、作動油の圧力が上述したクラッキング圧力PCK以上であれば、リリーフ弁40のスプールが作動する。リリーフ弁40は、オーバーライド圧力特性により点線L4のように巻上速度を低下させることができず、点線L3のように巻上速度を低下させ、全流量時圧力PO1となる荷重設定値で巻上速度を0にする。このように、電磁弁22の故障がある場合でも、実施形態1に係るデッキクレーン1は、巻上装置3が巻上速度を0でき、安全性を高めることができる。
なお、実施形態1に係るデッキクレーン1は、図5−1に示すリリーフ弁40のクラッキング圧力PCKとなる荷重設定値を、圧力スイッチ21のスイッチング圧力PCFとなる荷重設定値と同じ荷重設定値としてもよい。
実施形態1の変形例に係るデッキクレーン1は、図5−2に示すように、重負荷の定格制限荷重PRよりもスイッチング圧力PCFとなる荷重設定値を大きくしているので、巻上装置3が、重負荷の定格制限荷重PRにおいて重負荷の定格速度の回転をすることができる。図5−2に示す実施形態1に係るデッキクレーン1は、リリーフ弁40のクラッキング圧力PCKとなる荷重設定値が、圧力スイッチ21のスイッチング圧力PCFとなる荷重設定値より小さく設定されている。
実施形態1の変形例に係るデッキクレーン1は、作動油の圧力が上述したクラッキング圧力PCK以上であれば、リリーフ弁40のスプールが作動する。例えば、実施形態1の変形例に係るデッキクレーン1は、リリーフ弁40がオーバーライド圧力特性により点線L6のように巻上速度を低下させることができず、点線L5のように巻上速度を低下させ、全流量時圧力POとなる荷重設定値で巻上速度を0にする。このようにリリーフ弁40のオーバーライド圧力特性の曲線に従う。オーバーロード領域OC3が、定格制限荷重PRから全流量時圧力POとなる荷重設定値まで延びてしまう前に、実施形態1の変形例に係るデッキクレーン1は、スイッチング圧力PCFとなる荷重設定値において、油圧ポンプ32が吐出した作動油の全量をタンク61に戻すように作動油の流れる方向の切り換えを電磁弁22が行い、PポートとTポートとを接続する。このため、実施形態1の変形例に係るデッキクレーン1は、実線L7のように、巻上速度を急速に低減することができる。そして、実施形態1の変形例に係るデッキクレーン1は、図5−2に示すオーバーライド領域OC4のように、オーバーロード領域を低減することができる。その結果、実施形態1の変形例に係るデッキクレーン1は、点線L5のようにオーバーロード領域OC3が、定格制限荷重PRから全流量時圧力POとなる荷重設定値まで延びてしまう可能性が低減され、油圧ポンプ32などの損傷の可能性を低減することができる。
また、実施形態1の変形例に係るデッキクレーン1は、図5−1に示すスイッチング圧力PCFとなる荷重設定値における巻上速度の変化と比較して、図5−2に示すスイッチング圧力PCFとなる荷重設定値における巻上速度の変化の割合が小さい。これにより、実施形態1の変形例に係るデッキクレーン1は、スイッチング圧力PCFとなる荷重設定値における巻上速度の低減時に発生する衝撃または音を抑制することができる。
(実施形態2)
図6は、実施形態2に係るデッキクレーンの油圧装置を示す説明図である。上述した実施形態1と同じ構成要素には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
実施形態2のリリーフ弁40は、平衡ピストン型リリーフ弁といわれ、調整ねじ41と、パイロットスプリング42と、ポペット弁43と、スプール44と、スプールスプリング44sと、オリフィス45と、オリフィス46と、ポンプ側室40Aと、スプリング室40Bと、タンク側室40Cとを含む。
リリーフ弁40の本体内には、スプール44を紙面上下に動作できるピストンとしてスプールスプリング44sで一方向に押圧力を加えた状態で保持し、スプール44とリリーフ弁40の本体内のシート47とによりポンプ側室40Aとタンク側室40Cとが区画されている。
ポンプ側室40Aには、Pポートからの作動油が供給されており、Pポートの圧力がスプール44に作用している。また、チョーク絞りとなっているオリフィス45及びオリフィス46を経由して、Pポートの圧力がスプリング室40Bと、ポペット弁43の一端に作用している。そして、スプール44の内部は、中空となっており、スプール44の内部を通じてポンプ側室40Aとポペット弁43の他端とが繋がっている。オリフィス46は、流路の断面積がオリフィス45よりも小さく、流路抵抗がオリフィス45よりも大きくなっている。
調整ねじ41は、パイロットスプリング42の押圧力を調整し、パイロットスプリング42が所定のクラッキング圧力でポペット弁43を開くように、設定されている。スプリング室40Bは、スプール44の動作によって押し出される作動油を逃がすベントポート44pに接続されている。
実施形態2にかかるリリーフ弁40は、オリフィス45とポペット弁43との間の作動油路に、上述した電磁弁22を接続している。図7は、実施形態2に係るデッキクレーンの油圧装置において過度の負荷から保護する保護手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、圧力スイッチ21は、Pポートの圧力を検出し、Pポートの圧力が所定のスイッチング圧力ではない場合(ステップS21、No)、Pポートの圧力の検出を続ける。圧力スイッチ21は、Pポートの圧力を検出し、Pポートの圧力がスイッチング圧力以上である場合(ステップS21、Yes)、圧力スイッチ21は、電磁弁22にON信号を送出する。
電磁弁22の故障がない場合(ステップS22、Yes)、電磁弁22は、圧力スイッチ21の動作に応じて作動し、作動油の流れる方向を切り換える(ステップS23)。次に、電磁弁22による作動油の流れる方向の切り換えにより、オリフィス45とTポートとが接続される。そして、オリフィス45を通じて、スプリング室40Bの圧力が低下する。ここで、オリフィス46は、流路の断面積がオリフィス45よりも小さく、流路抵抗がオリフィス45よりも大きいので、ポンプ側室40Aの圧力がスプリング室40Bの圧力よりも相対的に高くなる。その結果、ポンプ側室40Aとスプリング室40Bとの圧力差及びスプールスプリング44sのバランスが崩れ、スプール44がリリーフ弁40の本体内で作動する(ステップS24)。すなわち、スプール44は、スプリング室40Bのスプールスプリング44sの押圧力(ばね力)に抗して移動する。その結果、リリーフ弁40内部を通じて油圧ポンプ32が吐出した作動油の全量をタンク61に戻すことになる。
電磁弁22の故障がある場合(ステップS22、No)、電磁弁22は動作しないが、作動油の圧力が上述したクラッキング圧力以上の圧力であれば、ポペット弁43を押圧しているパイロットスプリング42の押圧力を上回り、ポペット弁43が移動する。ポペット弁43の移動に伴い、スプール44の内部を通じてオリフィス45とTポートとが接続される。そして、オリフィス45を通じて、スプリング室40Bの圧力が低下する。ここで、オリフィス46は、流路の断面積がオリフィス45よりも小さく、流路抵抗がオリフィス45よりも大きいので、ポンプ側室40Aの圧力がスプリング室40Bの圧力よりも相対的に高くなる。その結果、ポンプ側室40Aとスプリング室40Bとの圧力差及びスプールスプリング44sのバランスが崩れ、スプール44がリリーフ弁40の本体内で作動する(ステップS24)。すなわち、スプール44は、スプリング室40Bのスプールスプリング44sの押圧力(ばね力)に抗してシート47から離れるように移動する。
次に、スプール44の作動(ステップS24)により、ポンプ側室40Aとタンク側室40Cとが繋がり、TポートとPポートとが接続する(ステップS25)。その結果、デッキクレーン1は、図1−1に示す荷役対象Cをアンロードする。
以上説明したように、実施形態2のデッキクレーン1は、スプール44を備える平衡ピストン型リリーフ弁であるリリーフ弁40を備えている。リリーフ弁40は、電磁弁22による作動油の流れる方向の切り換えによりスプール44を作動させた場合、リリーフ弁40の内部を通じて油圧ポンプ32が吐出した作動油の全量をタンク41に戻す。この構造により、電磁弁22の故障等により、動作しない場合であっても、スプール44が動作して、リリーフ弁40を開くことができる。このため、電磁弁22を使用しても機械的なスプール44の動作が安全性を担保するので、冗長性を高めることができる。
(実施形態3)
図8は、実施形態3に係る圧力スイッチの構成例を示す模式図である。実施形態3のリリーフ弁40は、実施形態2に係るリリーフ弁40と同じ平衡ピストン型リリーフ弁である。上述した実施形態1及び実施形態2と同じ構成要素には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図8に示すように、圧力スイッチ21は、Pポートの圧力を検出する圧力検出部23と、圧力検出部23の検出値がクラッキング圧力以上である、所定時間を定めるタイマー部24と、タイマー部24が設定する所定時間以上の間、上述したスイッチング圧力が維持される場合にON信号を電磁弁22に出力するスイッチ出力部25とを含む。実施形態3では、タイマー部24は、圧力スイッチ21に内包したが、圧力スイッチ21とは別に設けてもよい。図9は、実施形態3に係るデッキクレーンの油圧装置において過度の負荷から保護する保護手順を示すフローチャートである。
図9に示すように、圧力スイッチ21は、圧力検出部23がPポートの圧力を検出し、Pポートの圧力が所定のスイッチング圧力ではない場合(ステップS31、No)、Pポートの圧力の検出を続ける。圧力スイッチ21は、圧力検出部23がPポートの圧力を検出し、Pポートの圧力がスイッチング圧力以上である場合(ステップS31、Yes)、処理をステップS32に進める。
電磁弁22の故障がない場合(ステップS32、Yes)、圧力スイッチ21は、タイマー部24を作動させる(ステップS33)。タイマー部24は、設定された所定時間(例えば1秒)が経過するまで、処理を保留する。タイマー部24は、所定の設定時間経過後、スイッチ出力部25を動作させ、ON信号を電磁弁22に出力することで処理をステップS34に進める。
電磁弁22は、圧力スイッチ21の動作に応じて作動し、作動油の流れる方向を切り換える(ステップS34)。次に、電磁弁22による作動油の流れる方向の切り換えにより、オリフィス45とTポートとが接続される。そして、オリフィス45を通じて、スプリング室40Bの圧力が低下する。ここで、オリフィス46は、流路の断面積がオリフィス45よりも小さく、流路抵抗がオリフィス45よりも大きいので、ポンプ側室40Aの圧力がスプリング室40Bの圧力よりも相対的に高くなる。その結果、ポンプ側室40Aとスプリング室40Bとの圧力差及びスプールスプリング44sのバランスが崩れ、スプール44がリリーフ弁40の本体内で作動する(ステップS35)。すなわち、スプール44は、スプリング室40Bのスプールスプリング44sの押圧力(ばね力)に抗して移動する。
電磁弁22の故障がある場合(ステップS32、No)、電磁弁22は動作しないが、作動油の圧力が上述したクラッキング圧力以上の圧力であれば、ポペット弁43を押圧しているパイロットスプリング42の押圧力を上回り、ポペット弁43が移動する。ポペット弁43の移動に伴い、スプール44の内部を通じてオリフィス45とTポートとが接続される。そして、オリフィス45を通じて、スプリング室40Bの圧力が低下する。ここで、オリフィス46は、流路の断面積がオリフィス45よりも小さく、流路抵抗がオリフィス45よりも大きいので、ポンプ側室40Aの圧力がスプリング室40Bの圧力よりも相対的に高くなる。その結果、ポンプ側室40Aとスプリング室40Bとの圧力差及びスプールスプリング44sのバランスが崩れ、スプール44がリリーフ弁40の本体内で作動する(ステップS35)。すなわち、スプール44は、スプリング室40Bのスプールスプリング44sの押圧力(ばね力)に抗して移動する。
次に、スプール44の作動(ステップS35)により、ポンプ側室40Aとタンク側室40Cとが繋がり、TポートとPポートとが接続する(ステップS36)。その結果、デッキクレーン1は、図1−1に示す荷役対象Cをアンロードする。
デッキクレーン1は、例えば、風の影響をうけて、荷役対象Cに一瞬の負荷が加わることがある。または、デッキクレーン1は、船舶30が波の影響を受けて揺れ、荷役対象Cに一瞬の負荷が加わることがある。あるいは、巻上装置3と、俯仰装置4と、旋回装置5と、のいずれか1つ以上は、巻上げ等動作初期に荷役対象Cに一瞬の負荷が加わることがある。以上説明した実施形態3に係るデッキクレーン1は、圧力スイッチ21が、タイマー部24を備え、タイマー部24が設定する所定時間以上の間スイッチング圧力が維持される場合にリリーフ弁40を開くようにしている。これにより、デッキクレーン1は、荷役時に発生しうる、一瞬のピーク圧で、圧力スイッチ21が反応せず、電磁弁22が動作しないようにしている。その結果、デッキクレーン1は、定格制限荷重を定格速度で巻き上げた場合、定格制限荷重以上でも動作する可能性を低減するとともに、圧力スイッチ21の誤動作を抑制することができ、作業性を向上することができる。
(実施形態4)
図10は、実施形態4に係る圧力スイッチの構成例を示す模式図である。実施形態4のリリーフ弁40は、実施形態2に係るリリーフ弁40と同じ平衡ピストン型リリーフ弁である。上述した実施形態1から実施形態3の同じ構成要素には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図10に示すように、圧力スイッチ21は、Pポートの圧力を検出する圧力検出部23と、圧力検出部23の検出値がクラッキング圧力以上である、所定時間を定めるタイマー部24と、タイマー部24が設定する所定時間以上の間、上述したスイッチング圧力が維持される場合にON信号を電磁弁22に出力するスイッチ出力部25と、中立リセット制御部26を含む。実施形態4では、中立リセット制御部26は、圧力スイッチ21に内包したが、圧力スイッチ21とは別に設けてもよい。中立リセット制御部26は、制御装置81を介してコントローラである操作レバー82が中立にされた指令信号(中立信号)を取得し、スイッチ出力部25がON信号を電磁弁22に出力させるように制御する。
図11は、実施形態4に係るデッキクレーンの油圧装置において過度の負荷から保護する保護手順を示すフローチャートである。図11に示すように、圧力スイッチ21は、圧力検出部23がPポートの圧力を検出し、Pポートの圧力が所定のスイッチング圧力ではない場合(ステップS41、No)、Pポートの圧力の検出を続ける。圧力スイッチ21は、圧力検出部23がPポートの圧力を検出し、操作レバー82を傾けて制御装置81が送出する、巻上げの動作指令が中立リセット制御部26に入力されていて、かつPポートの圧力がスイッチング圧力以上である場合(ステップS41、Yes)、処理をステップS42に進める。
電磁弁22の故障がない場合(ステップS42、Yes)、圧力スイッチ21は、タイマー部24を作動させる(ステップS43)。タイマー部24は、設定された所定時間(例えば1秒)が経過するまで、処理を保留する。タイマー部24は、所定の設定時間経過後、スイッチ出力部25を動作させ、ON信号を電磁弁22に出力することで処理をステップS44に進める。
電磁弁22は、圧力スイッチ21の動作に応じて作動し、作動油の流れる方向を切り換える(ステップS44)。次に、電磁弁22による作動油の流れる方向の切り換えにより、オリフィス45とTポートとが接続される。そして、オリフィス45を通じて、スプリング室40Bの圧力が低下する。ここで、オリフィス46は、流路の断面積がオリフィス45よりも小さく、流路抵抗がオリフィス45よりも大きいので、ポンプ側室40Aの圧力がスプリング室40Bの圧力よりも相対的に高くなる。その結果、ポンプ側室40Aとスプリング室40Bとの圧力差及びスプールスプリング44sのバランスが崩れ、スプール44がリリーフ弁40の本体内で作動する(ステップS45)。すなわち、スプール44は、スプリング室40Bのスプールスプリング44sの押圧力(ばね力)に抗して移動する。
電磁弁22の故障がある場合(ステップS42、No)、電磁弁22は動作しないが、作動油の圧力が上述したクラッキング圧力以上の圧力であれば、ポペット弁43を押圧しているパイロットスプリング42の押圧力を上回り、ポペット弁43が移動する。ポペット弁43の移動に伴い、スプール44の内部を通じてオリフィス45とTポートとが接続される。そして、オリフィス45を通じて、スプリング室40Bの圧力が低下する。ここで、オリフィス46は、流路の断面積がオリフィス45よりも小さく、流路抵抗がオリフィス45よりも大きいので、ポンプ側室40Aの圧力がスプリング室40Bの圧力よりも相対的に高くなる。その結果、ポンプ側室40Aとスプリング室40Bとの圧力差及びスプールスプリング44sのバランスが崩れ、スプール44がリリーフ弁40の本体内で作動する(ステップS45)。すなわち、スプール44は、スプリング室40Bのスプールスプリング44sの押圧力(ばね力)に抗して移動する。
次に、スプール44の作動(ステップS45)により、ポンプ側室40Aとタンク側室40Cとが繋がり、TポートとPポートとが接続する(ステップS46)。その結果、デッキクレーン1は、図1に示す荷役対象Cをアンロードする。
ここで、ステップS44において、電磁弁22は、上述したように圧力スイッチ21のON信号によって動作するが、電磁弁22の切り換えにより、Pポートの圧力がクラッキング圧力以下となった場合、電磁弁22は圧力スイッチ21のOFF信号に応じて電磁弁22による作動油の流れる方向の切り換えにより、オリフィス45とTポートとが切断される。その結果、また、Pポートの圧力がクラッキング圧力以上となる可能性がある。このため、デッキクレーン1は、Pポートの圧力がクラッキング圧力以下の状態と、Pポートの圧力がクラッキング圧力以上の状態とを、意図せずに繰り返してしまう可能性がある。
そこで、実施形態4のデッキクレーン1において、操作レバー82を傾けて制御装置81が送出する、巻上げの動作指令が中立リセット制御部26に入力されていて、かつPポートの圧力がスイッチング圧力以上である場合にのみ、電磁弁22を動作させる。このように、操作レバー82が傾斜していて、制御装置81が停止の動作指令を送出していない場合(ステップS47、No)、TポートとPポートとが接続する(ステップS46)状態を継続する。
また、操作レバー82が中立となり制御装置81が停止の動作指令を送出している場合(ステップS47、Yes)、中立リセット制御部26は、制御装置81を介してコントローラである操作レバー82が中立にされた指令信号(中立信号)を取得し、スイッチ出力部25がON信号を電磁弁22に出力させるように制御する。そして、電磁弁22は圧力スイッチ21のOFF信号に応じて電磁弁22を戻し(ステップS48)、電磁弁22による作動油の流れる方向の切り換えにより、オリフィス45とTポートとが切断される。その結果、実施形態4のデッキクレーン1は、Pポートの圧力がクラッキング圧力以下の状態と、Pポートの圧力がクラッキング圧力以上の状態とを、意図せずに繰り返してしまう可能性を低減することができる。
以上説明したように、船舶30は、デッキクレーン1の油圧モータ32を駆動するためのPポート(駆動ライン)の作動油がクラッキング圧力に達した場合に、油圧ポンプ32が吐出した作動油をタンク61に戻し始めるリリーフ弁40が、全開して油圧ポンプ32の吐出した作動油の全量をタンク61に戻す圧力である全流量時圧力に達する前に、作動油の圧力を検出した圧力スイッチ21が送出する信号を受けて、油圧ポンプ32が吐出した作動油の全量をタンク61に電磁弁22を介して戻し、油圧モータ32を一時停止し、一時停止後のPポート(駆動ライン)の作動油がクラッキング圧力以下であって、かつコントローラからの中立信号を受けてリセットされた電磁弁22により、油圧ポンプ32の作動油がPポート(駆動ライン)を通じて油圧モータ32に再供給されるデッキクレーン1を備える。
1 デッキクレーン
2 旋回体
3 巻上装置
3D 巻上用ドラム
3M 油圧モータ
4 俯仰装置
4D 俯仰用ドラム
4M 油圧モータ
5 旋回装置
5G 歯車
5M 油圧モータ
6 ジブ
6Tl 取付端
6Tt 先端
8 滑車
9 ワイヤロープ
10 俯仰用ワイヤロープ
11 荷掛フック
21 圧力スイッチ
22 電磁弁
23 圧力検出部
24 タイマー部
25 スイッチ出力部
26 中立リセット制御部
30 船舶
31 甲板
32 油圧ポンプ
33 原動機
40 リリーフ弁
40A ポンプ側室
40B スプリング室
40C タンク側室
42 パイロットスプリング
43 ポペット弁
44 スプール
44s スプールスプリング
44p ベントポート
45、46 オリフィス
61 タンク
62 フィルタ
63 逆止弁カウンタバランス弁
64 絞り弁
65 カウンタバランス弁
81 制御装置
82 操作レバー
100 油圧装置

Claims (8)

  1. 作動油を吐出する油圧ポンプと、
    前記作動油の供給を受けて回転駆動する油圧モータと、
    積荷を船舶に搭載または積降ろしを行なうために、前記油圧モータで駆動される巻上装置と、
    前記油圧ポンプと前記油圧モータとを接続する作動油供給路に備えられ、前記巻上装置の動作の切換えを行なうコントロール弁と、
    前記油圧ポンプと前記コントロール弁とを接続する作動油供給路に備えられ、前記油圧ポンプと前記コントロール弁とを接続する作動油供給路の作動油がクラッキング圧力に達してから前記油圧ポンプが吐出した作動油をタンクに戻し始め、全流量時圧力において全開して前記油圧ポンプの吐出した作動油の全量を前記タンクに戻すリリーフ弁と、
    前記作動油供給路の圧力が前記全流量時圧力より小さい所定のスイッチング圧力に達したときに、信号を送出する圧力スイッチと、
    前記圧力スイッチの前記信号に応じて、前記油圧ポンプが吐出した作動油の全量を前記タンクに戻すように作動油の流れる方向の切り換えを行う電磁弁と、
    を含むことを特徴とするデッキクレーン。
  2. 前記所定のスイッチング圧力は、デッキクレーンの定格制限荷重以上であり、かつ前記クラッキング圧力以下である請求項1に記載のデッキクレーン。
  3. 前記圧力スイッチは、タイマーを備え、前記タイマーが設定する所定時間以上、前記スイッチング圧力が維持される場合に前記リリーフ弁を開くことを特徴とする請求項1または2に記載のデッキクレーン。
  4. 前記圧力スイッチは、デッキクレーンを操作するコントローラの中立信号を受けてリセットされ、前記圧力スイッチのリセットにより前記リリーフ弁を初期状態に戻す請求項1から3のいずれか1項に記載のデッキクレーン。
  5. 前記リリーフ弁は、スプールを備える平衡ピストン型リリーフ弁であって、前記電磁弁による作動油の流れる方向の切り換えにより前記スプールを作動させた場合、前記リリーフ弁の内部を通じて前記油圧ポンプが吐出した作動油の全量を前記タンクに戻す請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のデッキクレーン。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のデッキクレーンを備える船舶。
  7. デッキクレーンの油圧モータを駆動するための駆動ラインの作動油がクラッキング圧力に達した場合に、前記油圧ポンプが吐出した作動油をタンクに戻し始めるリリーフ弁が、全開して前記油圧ポンプの吐出した作動油の全量を前記タンクに戻す圧力である全流量時圧力に達する前に、
    前記作動油の圧力を検出した圧力スイッチが送出する信号を受けて、前記油圧ポンプが吐出した作動油の全量を前記タンクに電磁弁を介して戻し、前記油圧モータを一時停止することを特徴とするデッキクレーンの制御方法。
  8. デッキクレーンの油圧モータを駆動するための駆動ラインの作動油がクラッキング圧力に達した場合に、前記油圧ポンプが吐出した作動油をタンクに戻し始めるリリーフ弁が、全開して前記油圧ポンプの吐出した作動油の全量を前記タンクに戻す圧力である全流量時圧力に達する前に、
    前記作動油の圧力を検出した圧力スイッチが送出する信号を受けて、前記油圧ポンプが吐出した作動油の全量を前記タンクに電磁弁を介して戻し、前記油圧モータを一時停止し、
    前記一時停止後の前記駆動ラインの作動油がクラッキング圧力以下であって、かつコントローラからの中立信号を受けてリセットされた前記電磁弁により、前記油圧ポンプの作動油が前記駆動ラインを通じて前記油圧モータに再供給されるデッキクレーンを備えたことを特徴とする船舶。
JP2012215091A 2012-09-27 2012-09-27 デッキクレーン、デッキクレーンの制御方法及び船舶 Pending JP2014069904A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012215091A JP2014069904A (ja) 2012-09-27 2012-09-27 デッキクレーン、デッキクレーンの制御方法及び船舶

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012215091A JP2014069904A (ja) 2012-09-27 2012-09-27 デッキクレーン、デッキクレーンの制御方法及び船舶

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014069904A true JP2014069904A (ja) 2014-04-21

Family

ID=50745482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012215091A Pending JP2014069904A (ja) 2012-09-27 2012-09-27 デッキクレーン、デッキクレーンの制御方法及び船舶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014069904A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110147039A (zh) * 2019-05-17 2019-08-20 固高科技(深圳)有限公司 液压伺服系统及其控制装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110147039A (zh) * 2019-05-17 2019-08-20 固高科技(深圳)有限公司 液压伺服系统及其控制装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2708797A1 (en) Crane control for the control of a hoisting gear of a crane
WO2017171021A1 (ja) 油圧システム及び非常操作方法
JP2013193840A (ja) デッキクレーン用液圧制御装置
JP2014069904A (ja) デッキクレーン、デッキクレーンの制御方法及び船舶
CN216687247U (zh) 一种绞车限位保护液压系统
US7389889B2 (en) Hoisting mechanism
CN108779791B (zh) 液压系统
CN102963823B (zh) 恒张力压力补偿控制系统
KR101167593B1 (ko) 오프쇼어 크레인의 장력유지 시스템 및 그를 이용한 장력유지 방법
CN114215798A (zh) 一种保护绞车的液压系统
JP6533882B1 (ja) 揚錨機
JP4291110B2 (ja) 油圧ウインチの制御装置
KR101821028B1 (ko) 크레인의 제어장치
CN109292653B (zh) 一种起重机液压变幅稳索系统
JP2001247293A (ja) クレーンの油圧ウインチ回路
JP2003322103A (ja) 昇降制御装置
JP2012041161A (ja) 油圧タグライン装置
KR102324297B1 (ko) 소형 부하체의 지정 가능한 목표 위치를 유지하기 위한 보상 장치
JP2016223484A (ja) 油圧回路
JP5248011B2 (ja) 車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置
CN216691642U (zh) 一种绞车控制的液压系统
JP2018184299A (ja) 旋回駆動装置、およびこれを備えた作業機械
JP2004292102A (ja) ウインチの速度制御装置およびクレーン
JP6437907B2 (ja) 作業機械の信号線切換装置及び作業機械
JP6593571B1 (ja) クレーン