JP2014069656A - 音響装置、出力音管理装置、端末装置及び出力音制御方法 - Google Patents

音響装置、出力音管理装置、端末装置及び出力音制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
車外へ出力する警告音の適正化を図る。
【解決手段】
収音部930が車両CRの周辺の環境音を収音すると、環境音取得部730が、収音部930により収音された環境音の「第2スペクトル」の情報を取得する。生成部750は、音源データから直接的に得られる音の「第1スペクトル」における所定周波数未満の帯域に存在するピークのレベルを、「第2スペクトル」と「補正用スペクトル」とを加算したレベルと同等のレベルに調整するとともに、「第1スペクトル」における所定周波数以上の帯域に存在するピークのレベルを、「第2スペクトル」と同等のレベルに調整する。そして、生成部750は、「第1スペクトル」に対する調整の結果を、「第3スペクトル」の形状と決定し、音源データを「第3スペクトル」の形状にした外部出力音信号を生成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音響装置、出力音管理装置、端末装置、出力音制御方法、出力音制御プログラム、及び、当該出力音制御プログラムが記録された記録媒体に関する。
近年、電気エネルギを駆動エネルギとする電気自動車や、電気エネルギを駆動エネルギの一部とするハイブリッド車の普及が進んでいる。こうした車両が、電気エネルギを駆動エネルギとして走行する場合には、従来のガソリン車と比べて、車外における駆動音のレベルが飛躍的に低くなる。この結果、歩行者や自転車の操作者(以下、「歩行者等」と呼ぶ)が、後方等の視野外から接近する車両の存在に気付けない事態が起こり得る。かかる事態の発生は、交通安全上、深刻な問題である。
そこで、車両の走行状況に対応する擬似エンジン音等の警告音を、車外へ出力する技術が提案されている。こうした提案技術の中には、車両の周囲音(以下、「環境音」ともいう)のレベルを検出し、検出された環境音のレベルに対応した音量及び/又は種類の警告音を、車外へ出力する技術がある(特許文献1参照:以下、「従来例」と呼ぶ)。この従来例の技術では、検出された環境音のレベルが高くなるほど、警告音の出力音量を大きくするようになっている。
特開2002−196765号公報
上述した従来例の技術では、環境音のレベルが高くなるほど、単に、警告音の出力音量を大きくするため、歩行者等への警告に際して過剰な音出力を行っていることがある。かかる過剰な音出力については、電気エネルギを駆動エネルギとして走行する車両にとっての不必要なエネルギ消費であるとともに、騒音により周囲の音環境を不要に悪化させることにもなりかねない。
このため、警告音を出力するに際して、車両の接近を歩行者等に確実に知らせる機能を確保しつつ、騒音となるような警告音の出力の抑制、及び、装置の不必要なエネルギ消費の抑制を行うことができる技術が望まれている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、警告音の適正化を図ることができる新たな音響装置、出力音管理装置、端末装置及び出力音制御方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、音源データと、当該音源データから直接的に得られる音の第1スペクトルを取得する音源取得部と;収音された車両の外部の環境音の第2スペクトルを取得する環境音取得部と;取得された前記音源データ、前記第1スペクトル及び前記第2スペクトルに基づいて、所定周波数未満の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルより高いレベルとし、前記所定周波数以上の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルと同等以下のレベルとする第3スペクトルを有する外部出力音信号を生成する生成部と;を備えることを特徴とする音響装置である。
請求項5に記載の発明は、収音された車両の外部の環境音を示す環境音データを受信する受信部と;音源データと、当該音源データから直接的に得られる音の第1スペクトルとを記憶した音源記憶部と;前記受信部にて受信した環境音データで示される環境音の第2スペクトルを取得する環境音取得部と;前記音源データ、前記第1スペクトル及び前記第2スペクトルに基づいて、所定周波数未満の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルより高いレベルとし、前記所定周波数以上の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルと同等以下のレベルとする第3スペクトルを有する外部出力音信号を生成する生成部と;前記生成された外部出力音信号を前記車両に設置された端末装置に送信する送信部と;を備えることを特徴とする出力音管理装置である。
請求項6に記載の発明は、車両に設置される端末装置であって、収音された前記車両の外部の環境音を示す環境音データを取得する環境音データ取得部と;取得された環境音データを送信する送信部と;音源データ、当該音源データから直接的に得られる音の第1スペクトル、及び、前記環境音データで示される環境音の第2スペクトルに基づいて生成された、所定周波数未満の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルより高いレベルとし、前記所定周波数以上の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルと同等以下のレベルとする第3スペクトルを有する外部出力音信号を受信する受信部と;を備えることを特徴とする端末装置である。
請求項7に記載の発明は、音源データと、当該音源データから直接的に得られる音の第1スペクトルを取得する音源取得工程と;収音された車両の外部の環境音の第2スペクトルを取得する環境音取得工程と;取得された前記音源データ、前記第1スペクトル及び前記第2スペクトルに基づいて、所定周波数未満の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルより高いレベルとし、前記所定周波数以上の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルと同等以下のレベルとする第3スペクトルを有する外部出力音信号を生成する生成工程と;を備えることを特徴とする出力音制御方法である。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の出力音制御方法を演算部に実行させる、ことを特徴とする出力音制御プログラムである。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の出力音制御プログラムが、演算部により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
本発明の第1実施形態に係る音響装置の構成を説明するためのブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る端末装置及び出力音管理装置の構成を説明するためのブロック図である。 本発明の第1実施例に係る音響装置の構成を概略的に説明するためのブロック図である。 図3のスピーカ及び収音ユニットの配置位置を説明するための図である。 図3の記憶ユニット内に記憶される補正用スペクトル情報の内容を説明するための図である。 図3の音響装置における外部出力音の出力処理を説明するためのフローチャートである。 図6の外部出力音の出力制御処理を説明するためのフローチャートである。 第1〜第3スペクトルの形状の例を示す図である。 本発明の第2実施例に係る端末装置及びサーバ装置の位置付けを説明するためのブロック図である。 図9の端末装置の構成を説明するためのブロック図である。 図9のサーバ装置の構成を説明するためのブロック図である。
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を、図1を参照して説明する。
<構成>
図1には、第1実施形態に係る音響装置700の概略的な構成が示されている。この音響装置700は、電気エネルギを駆動エネルギの全部として利用する電気自動車CR(以下、「車両CR」と呼ぶ)内に配置される。
第1実施形態では、車両CRには、外部音出力部910と、音源部920と、補正用スペクトル記憶部925と、収音部930とが装備されている。
上記の外部音出力部910は、音響装置700から送られた外部出力音信号に従って、外部出力音を車両CRの外部へ向けて出力するスピーカSPを備えている。第1実施形態では、外部音出力部910を構成するスピーカSPは、車両CRの前方部分に配置されている。そして、スピーカSPからは、車両CRの前方に向けて外部出力音が出力されるようになっている。
上記の音源部920には、外部出力音の原音に対応する音源データが記憶される。当該音源データは、人の聴覚特性に基づいて作成され、歩行者等に対して外部出力音により注意喚起を行う観点から、当該音源データのスペクトルは、複数の所定の周波数帯域に、音量レベルが強くなるピークを有する形状をしている。また、この音源部920には、当該音源データから直接的に得られる音のスペクトルである「第1スペクトル」の情報が記憶される。この音源部920には、音響装置700がアクセス可能となっている。
上記の補正用スペクトル記憶部925には、「補正用スペクトル」の情報が記憶される。ここで、「補正用スペクトル」には、第2スペクトルを有する環境音に対して信号レベルを補正すべき割合が示されている。第1実施形態では、第2スペクトルを有する環境音に対して外部出力音の認知を確保するために、所定周波数未満の周波数帯域で、周波数ごとに、第2スペクトルの場合よりも信号レベルを高くすべき割合が示されている。この「補正用スペクトル」は、車両の接近を歩行者等に確実に知らせるとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて予め定められる。この補正用スペクトル記憶部925には、音響装置700がアクセス可能となっている。
上記の収音部930は、車両CRの外部の所定位置に配置され、マイクロフォンを備えている。この収音部930は、車両CRの周辺の環境音を収音する。そして、収音部930は、収音された車両CRの外部の環境音を示す環境音データを音響装置700へ送る。ここで、「環境音」の例としては、例えば、他車両の走行音が挙げられる。また、車両CRが道路工事現場付近を走行している場合には、「環境音」には、道路工事現場における掘削機による道路粉砕時に発生する音等の工事音が含まれることになる。また、車両CRが建設工事現場付近を走行している場合には、「環境音」には、建設工事現場における重機による建築物の解体時に発生する音等の工事音が含まれることになる。
なお、第1実施形態におけるマイクロフォンを配置する「所定位置」としては、他車両の走行音、道路工事現場や建設工事現場で発生する工事音等の環境音を、効果的に収音することができ、かつ、車両CRの前方部分に配置されたスピーカから車両CRの前方へ向けて出力された外部出力音を収音しない位置を想定している。第1実施形態では、「所定位置」としては、例えば、車両CRの外側の後方側となっている。
《音響装置700の構成》
次に、上記の音響装置700の構成について、説明する。音響装置700は、音源取得部720と、環境音取得部730とを備えている。また、音響装置700は、補正用スペクトル取得部740と、生成部750とを備えている。
上記の音源取得部720は、音源部920から、音源データを取得する。そして、音源取得部720は、当該音源データを生成部750へ送る。また、音源取得部720は、音源部920から、「第1スペクトル」の情報を取得する。そして、音源取得部720は、当該「第1スペクトル」の情報を生成部750へ送る。
上記の環境音取得部730は、収音部930から送られた車両CRの外部の環境音を示す環境音データを受ける。そして、環境音取得部730は、当該環境音データで示される環境音のスペクトルである「第2スペクトル」を取得する。こうして取得された「第2スペクトル」の情報は、生成部750へ送られる。
上記の補正用スペクトル取得部740は、補正用スペクトル記憶部925から、「補正用スペクトル」の情報を取得する。そして、補正用スペクトル取得部740は、当該「補正用スペクトル」の情報を生成部750へ送る。
上記の生成部750は、音源取得部720から送られた音源データ、及び、「第1スペクトル」の情報を受ける。また、生成部750は、環境音取得部730から送られた「第2スペクトル」の情報を受ける。さらに、生成部750は、補正用スペクトル取得部740から送られた「補正用スペクトル」の情報を受ける。
そして、生成部750は、取得された音源データ、「第1スペクトル」の情報、「第2スペクトル」の情報、並びに、「補正用スペクトル」の情報に基づいて、「第3スペクトル」を有する外部出力音信号を生成する。引き続き、生成部750は、生成された外部出力音信号を外部音出力部910へ供給する。生成部750による外部音出力信号の生成処理の詳細については、後述する。
<動作>
上記のように構成された音響装置700の動作について、「第3スペクトル」を有する外部出力音信号の生成処理について説明する。
この音響装置700では、音源取得部720が、音源部920から、音源データ及び当該音源データから直接的に得られる音のスペクトルである「第1スペクトル」の情報を取得しているものとする。そして、当該音源データ及び「第1スペクトル」の情報は、音源取得部720から生成部750へ送られているものとする。また、補正用スペクトル取得部740が、補正用スペクトル記憶部925から「補正用スペクトル」の情報を取得し、当該「補正用スペクトル」の情報を、生成部750へ送っているものとする。
こうした状態で、収音部930が車両CRの周辺の環境音を収音し、収音された環境音を示す環境音データが環境音取得部730へ送られる。この環境音データを受けた環境音取得部730は、当該環境音データで示される環境音の「第2スペクトル」の情報を取得する。そして、環境音取得部730は、当該「第2スペクトル」の情報を生成部750へ送る。
生成部750は、環境音取得部730から送られた「第2スペクトル」の情報を受けると、「第3スペクトル」を有する外部出力音信号を生成する。かかる外部出力音信号の生成に際して、生成部750は、まず、「第2スペクトル」と「補正用スペクトル」とを加算する。次に、生成部750は、「第1スペクトル」における所定周波数未満の帯域に存在するピークのピーク周波数のレベルを、「第2スペクトル」と「補正用スペクトル」とを加算したレベルと同等のレベルに調整し、「第1スペクトル」における所定周波数以上の帯域に存在するピークのピーク周波数のレベルを、「第2スペクトル」と同等のレベルに調整する。
次いで、生成部750は、「第1スペクトル」に対する調整の結果を、「第3スペクトル」の形状に決定する。そして、生成部750は、音源データを「第3スペクトル」の形状にした外部出力音信号を生成し、生成された外部出力音信号を外部音出力部910へ供給する。
外部出力音信号を受けた外部音出力部910は、外部出力音信号に従った外部出力音を、車両CRの外部に向けて出力する。この結果、環境音に対して外部出力音の認知度を確保しつつ、騒音レベルとならない外部出力音が、外部音出力部910から出力される。
以後、収音部930により収音された車両CRの外部の環境音を示す環境音データを、環境音取得部730が受けるごとに上述した処理が繰り返されて、各時点における環境音に適応した「第3スペクトル」を有する外部出力音信号が生成される。そして、生成された外部出力音信号が、外部音出力部910に供給される。
以上説明したように、第1実施形態では、収音部930が車両CRの周辺の環境音を収音すると、環境音取得部730が、収音部930により収音された環境音の「第2スペクトル」の情報を取得する。生成部750は、音源データから直接的に得られる音の「第1スペクトル」について、所定周波数未満の帯域に存在するピークのピーク周波数におけるレベルを、「第2スペクトル」と「補正用スペクトル」とを加算したレベルと同等のレベルに調整するとともに、所定周波数以上の帯域に存在するピークのピーク周波数におけるレベルを、「第2スペクトル」と同等のレベルに調整する。そして、生成部750は、「第1スペクトル」に対する調整の結果を、「第3スペクトル」の形状に決定し、音源データを「第3スペクトル」の形状にした外部出力音信号を生成する。外部音出力部910は、こうして生成された外部出力音信号に従った外部出力音を、車両CRの外部へ向けて出力する。
このため、警告音を出力するに際して、車両の接近を歩行者等に確実に知らせる機能を確保しつつ、騒音となるような警告音の出力の抑制、及び、装置の不必要なエネルギ消費の抑制を行うことができる。
したがって、本発明の第1実施形態によれば、警告音の適正化を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を、図2を参照して説明する。
<構成>
図2には、第2実施形態に係る端末装置810及び出力音管理装置820の概略的な構成が示されている。図2に示されるように、端末装置810は、車両CR内に設置され、車両CRに装備された外部音出力部910及び収音部930と接続されている。また、出力音管理装置820は、車両CRの外に配置され、補正用スペクトル記憶部925に接続されている。そして、端末装置810と出力音管理装置820とは、ネットワーク850を介して、通信可能となっている。
なお、出力音管理装置820は、端末装置810と同様に構成された他の端末装置とも通信可能となっているが、図2においては、端末装置810のみが代表的に示されている。
《端末装置810の構成》
図2に示されるように、端末装置810は、環境音データ取得部811と、送信部812と、受信部815とを備えている。
上記の環境音データ取得部811は、収音部930から送られた車両CRの外部の環境音を示す環境音データを取得する。そして、環境音データ取得部811は、当該環境音データを、端末送信データとして送信部812へ送る。
上記の送信部812は、環境音データ取得部811から送られた端末送信データを受ける。そして、送信部812は、当該端末送信データを、ネットワーク850を介して、出力音管理装置820へ送信する。
上記の受信部815は、出力音管理装置820から、ネットワーク850を介して送られた外部出力音信号を受信する。そして、受信部815は、当該外部出力音信号を外部音出力部910へ供給する。
《出力音管理装置820の構成》
図2に示されるように、出力音管理装置820は、環境音取得部730と、補正用スペクトル取得部740と、生成部750とを備えている。また、出力音管理装置820は、受信部821と、音源記憶部822と、送信部823とを備えている。
上記の受信部821は、端末装置810から、ネットワーク850を介して送られた端末送信データを受信する。そして、受信部821は、端末送信データに含まれる車両CRの外部の環境音を示す環境音データを環境音取得部730へ送る。
上記の音源記憶部822には、外部出力音の原音に対応する音源データが記憶される。また、この音源記憶部822には、当該音源データから直接的に得られる音のスペクトルである「第1スペクトル」の情報が記憶される。この音源記憶部822には、生成部750がアクセス可能となっている。
上記の送信部823は、生成部750から送られた「第3スペクトル」を有する外部出力音信号を受ける。そして、送信部823は、当該外部出力音信号を、ネットワーク850を介して、端末装置810へ送信する。
以上のような端末装置810の構成及び出力音管理装置820の構成では、端末装置810の環境音データ取得部811が取得した車両CRの外部の環境音を示す環境音データは、送信部812、ネットワーク850及び受信部821を介して、出力音管理装置820の環境音取得部730へ送られることになる。
さらに、出力音管理装置820の生成部750により生成された「第3スペクトル」を有する外部出力音信号は、送信部823、ネットワーク850を介して、端末装置810の受信部815へ送られることになる。
<動作>
上記のように構成された端末装置810と出力音管理装置820とが協働して実行する「第3スペクトル」を有する外部出力音信号の生成処理について説明する。
前提として、出力音管理装置820では、生成部750が、音源記憶部822から、音源データ及び当該音源データから直接的に得られる音のスペクトルである「第1スペクトル」の情報を取得しているものとする。また、補正用スペクトル取得部740が、補正用スペクトル記憶部925から「補正用スペクトル」の情報を取得し、当該「補正用スペクトル」の情報を、生成部750へ送っているものとする。
こうした状態で、収音部930が車両CRの周辺の環境音を収音し、収音された環境音を示す環境音データが環境音データ取得部811へ送られる。この環境音データを受けた環境音データ取得部811は、当該環境音データを、ネットワーク850を介して出力音管理装置820の環境音取得部730へ送る。
環境音データを受けた環境音取得部730は、上述した第1実施形態の場合と同様にして、当該環境音データで示される環境音の「第2スペクトル」の情報を取得する。そして、環境音取得部730は、当該「第2スペクトル」の情報を生成部750へ送る。
環境音取得部730から送られた「第2スペクトル」の情報を受けた生成部750は、上述した第1実施形態の場合と同様にして、音源データ、「第1スペクトル」及び「第2スペクトル」の情報、並びに、「補正用スペクトル」の情報に基づいて、「第3スペクトル」を有する外部出力音信号を生成する。そして、生成部750は、生成された外部出力音信号を、ネットワーク850を介して端末装置810の受信部815へ送る。
「第3スペクトル」を有する外部出力音信号を受けた受信部815は、当該外部出力音信号を外部音出力部910へ供給する。
外部出力音信号を受けた外部音出力部910は、上述した第1実施形態の場合と同様にして、外部出力音信号に従った外部出力音を、車両CRの外部に向けて出力する。この結果、環境音に対して外部出力音の認知度を確保しつつ、騒音レベルとならない外部出力音が、外部音出力部910から出力される。
以後、収音部930により収音された車両CRの外部の環境音を示す環境音データを、出力音管理装置820の環境音取得部730が受けるごとに上述した処理が繰り返されて、各時点における環境音に適応した「第3スペクトル」を有する外部出力音信号が生成される。そして、生成された外部出力音信号が、外部音出力部910に供給される。
以上説明したように、第2実施形態では、収音部930が車両CRの周辺の環境音を収音すると、端末装置810の環境音データ取得部811が、収音された環境音を示す環境音データを取得し、出力音管理装置820の環境音取得部730へ送信する。そして、環境音取得部730は、環境音データで示される環境音の「第2スペクトル」の情報を取得する。引き続き、出力音管理装置820の生成部750が、音源データから直接的に得られる音の「第1スペクトル」について、所定周波数未満の帯域に存在するピークのピーク周波数におけるレベルを、「第2スペクトル」と「補正用スペクトル」とを加算したレベルと同等のレベルに調整するとともに、所定周波数以上の帯域に存在するピークのピーク周波数におけるレベルを、「第2スペクトル」と同等のレベルに調整する。そして、生成部750は、「第1スペクトル」に対する調整の結果を、「第3スペクトル」の形状に決定し、音源データを「第3スペクトル」の形状にした外部出力音信号を生成する。引き続き、生成部750は、当該外部出力音信号を、端末装置810へ送る。
端末装置810は、外部出力音信号を受けると、当該外部出力音信号を外部音出力部910へ供給する。外部音出力部910は、こうして供給された外部出力音信号に従った外部出力音を、車両CRの外部へ向けて出力する。
このため、警告音を出力するに際して、車両の接近を歩行者等に確実に知らせる機能を確保しつつ、騒音となるような警告音の出力の抑制、及び、装置の不必要なエネルギ消費の抑制を行うことができる。
したがって、本発明の第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様に、警告音の適正化を図ることができる。
[実施形態の変形]
上記の第1及び第2実施形態は、様々な変形が可能である。
例えば、上記の第1及び第2実施形態では、音源データから直接的に得られる音の「第1スペクトル」の形状を、複数の所定の周波数帯域にピークを有する形状とし、生成部による「第3スペクトル」の形状の調整処理に際しては、ピークのレベルを調整することとした。これに対して、「第3スペクトル」の形状の調整処理に際して、ピーク以外の周波数帯域の出力音成分を調整するようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、「第1スペクトル」における所定周波数以上の帯域に存在するピークのレベルを、「第2スペクトル」と同等のレベルに調整することとしたが、「第2スペクトル」より小さいレベルに調整するようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、複数の所定の周波数帯域にピークを有する形状の音源データの第1スペクトルを調整して、外部出力音信号を生成することしたが、音源データとしては、ピークを有しない音信号データであってもよいことは勿論である。
また、上記の第2実施形態では、出力音管理装置が、「第3スペクトル」を有する外部出力音信号を生成し、当該外部出力信号を、端末装置へ送信するようにした。これに対して、出力音管理装置が、「第3スペクトル」の形状に関する情報を端末装置へ送信し、端末装置が、当該「第3スペクトル」の形状に基づいて、外部出力音信号を生成するようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、車両CRの速度を考慮することなく、「第3スペクトル」を有する外部出力音信号の生成を行うようにした。これに対して、第1実施形態の音響装置及び第2実施形態の端末装置が、車両CRの速度情報を取得する走行情報取得部を更に備え、車両CRが所定速度以下で走行しているときに、「第3スペクトル」を有する外部出力音信号を生成し、当該生成された外部出力音信号に基づく外部出力音を出力するようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、スピーカを車両の前方に配置するとともに、収音部のマイクロフォンを車両の外側の後方側に配置することで、収音部は、スピーカから出力された外部出力音の影響を受けずに、又は、殆ど影響を受けずに、車両の周辺の環境音を収音することができるようにした。これに対して、他車両の走行音、道路工事現場や建設工事現場で発生する工事音等の環境音を、効果的に収音することができ、かつ、スピーカから出力された外部出力音を収音しない位置であれば、収音部のマイクロフォンを、車両の外側の後方側に以外の位置に配置するようにしてもよい。
また、収音部による環境音の収音時には、スピーカからの外部出力音の出力を一時的に停止する構成としてもよい。また、スピーカからの外部出力音を遮断するフィルタを、収音部が備える構成としてもよい。
また、上記の第1実施形態の音響装置及び第2実施形態の端末装置は外部音出力部を備えないようにしたが、利用可能な既存の外部音出力部が無い場合には、音響装置、端末装置が外部音出力部を備える構成としてもよい。
また、上記の第1実施形態の音響装置及び第2実施形態の端末装置は収音部を備えないようにしたが、利用可能な既存の収音部が無い場合には、音響装置、端末装置が収音部を備える構成としてもよい。
また、上記の第1実施形態の音響装置は音源部を備えないようにしたが、利用可能な既存の音源部が無い場合には、音響装置が音源部を備える構成としてもよい。
また、上記の第1実施形態の音響装置及び第2実施形態の出力音管理装置は、補正用スペクトル記憶部を備えないようにしたが、利用可能な既存の補正用スペクトル記憶部が無い場合には、音響装置、出力音管理装置が補正用スペクトル記憶部を備える構成としてもよい。
また、第2実施形態では、出力音管理装置820が、環境音取得部と、補正用スペクトル取得部と、生成部と、音源記憶部とを備えるようにしたが、例えば、環境音取得部を端末装置の構成要素にすることができる。
また、上記の第1及び第2実施形態では、電気自動車内に配置される装置に本発明を適用したが、電気エネルギを駆動エネルギの一部として利用する車両(例えば、ハイブリッド車)に配置される装置に本発明を適用することができるのは、勿論である。
なお、上記の第1実施形態の音響装置の音源取得部、環境音取得部、補正用スペクトル取得部及び生成部を、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等を備えた演算部としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、これらの要素の処理の一部又は全部を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
また、上記の第2実施形態の端末装置の環境音データ取得部、並びに、出力音管理装置の環境音取得部、補正用スペクトル取得部及び生成部を、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等を備えた演算部としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、これらの要素の処理の一部又は全部を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
以下、本発明の実施例を、図3〜図11を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施例]
まず、本発明の第1実施例を、図3〜図8を主に参照して説明する。
<構成>
図3には、第1実施例に係る音響装置100の概略的な構成が示されている。この音響装置100は、上述した第1実施形態の音響装置700(図1参照)の一態様となっている。
音響装置100は、電気エネルギを駆動エネルギの全部として利用する電気自動車CR(以下、「車両CR」と呼ぶ)内に配置される。第1実施例では、車両CRには、外部音出力部910としての外部音出力ユニット210と、収音部930としての収音ユニット230とが配置されている。また、車両CRには、車速センサ280と、ECU(Electrical Control Unit)290とが装備されている。
上記の外部音出力ユニット210は、音響装置100から送られた外部出力音信号に従って、外部出力音を車外へ向けて出力するスピーカSPを備えている。
上記の収音ユニット230は、マイクロフォンを備えて構成される。収音ユニット230は、車両CRの周辺の環境音を収音する。そして、収音ユニット230は、車両CRの外部の環境音を示す環境音データを、音響装置100へ送る。
なお、上述したスピーカSP及び収音ユニット230の第1実施例における配設位置が、図4に示されている。図4に示されるように、スピーカSPは、車両CRの前方バンパに配設され、車両CRの前方へ向けて外部出力音を出力するようになっている。また、収音ユニット230は、車両CRの後方部分に配設されるようになっている。この収音ユニット230は、スピーカSPよりも車両CRの後方側に配設されているため、スピーカSPから出力された外部出力音の影響を受けずに、又は、殆ど影響を受けずに、車両CRの周辺の環境音を収音するようになっている。
上記の車速センサ280は、車両CRの車輪又は車軸が所定角度の回転を行うたびに、パルス信号を出力する。こうして車速センサ280から出力されたパルス信号は、車速検出結果としてECU290へ送られる。
上記のECU290は、車両CRの走行を制御するとともに、車両CRの状態を検出する各種のセンサによる検出結果を収集する。第1実施例では、ECU290が収集する検出結果には、車速センサ280による車速検出結果が含まれている。ECU290は、車速検出結果を、CAN(Controller Area Network)など通信プロトコルによって動作する車内通信ネットワークを通じて、音響装置100へ送る。
《音響装置100の構成》
次に、上記の音響装置100の構成について、説明する。音響装置100は、上述した図3に示されるように、制御ユニット110Aと、音源部920及び補正用スペクトル記憶部925としての記憶ユニット120Aと、走行情報取得ユニット130とを備えている。
上記の制御ユニット110Aは、音響装置100の全体を統括制御するとともに、様々な処理を実行する。この制御ユニット110Aは、演算部としての中央処理装置(CPU)、DSP(Digital Signal Processor)及びその周辺回路を備えて構成されている。制御ユニット110Aが様々なプログラムを実行することにより、音響装置100としての各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第1実施形態における音源取得部720、環境音取得部730、補正用スペクトル取得部740及び生成部750の機能も含まれている。かかる制御ユニット110Aが実行する処理の詳細については、後述する。
なお、制御ユニット110Aが実行するプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
上記の記憶ユニット120Aは、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置を備えて構成され、音響装置100において利用される様々な情報データが記憶される。こうした情報データには、音源データSSDと、第1スペクトル情報ST1と、補正用スペクトル情報STCとが含まれている。記憶ユニット120Aには、制御ユニット110Aがアクセスできるようになっている。
上記の音源データSSDは、外部出力音の原音に対応するデータとなっている。この音源データは、人の聴覚特性に基づいて作成されており、当該音源データSSDのスペクトルは、歩行者等に対して外部出力音により注意喚起を行う観点から、複数の所定の周波数帯域に、音量レベルが強くなるピークを有する形状をしている(後述する図8(A)参照)。
上記の第1スペクトル情報ST1は、音源データSSDから直接的に得られる音のスペクトルである「第1スペクトル」の情報である。
上記の補正用スペクトル情報STCには、周波数ごとに、第2スペクトルを有する環境音に対して信号レベルを補正すべき割合が示されている。この補正用スペクトル情報STCは、環境音に対して外部出力音の認知を確保するための情報であり、車両の接近を歩行者等に確実に知らせるとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて予め定められる。この補正用スペクトル情報STCの内容については、後述する。
上記の走行情報取得ユニット130は、ECU290から送られた車速検出結果を受ける。そして、走行情報取得ユニット130は、車速検出結果を制御ユニット110Aで取扱可能な形態の信号に変換し、車速情報として制御ユニット110Aへ送る。
次に、記憶ユニット120A内に記憶されている補正用スペクトル情報STCの内容について、説明する。補正用スペクトル情報STCには、図5に示されるように、例えば、1/3オクターブバンドで分割された周波数帯F1〜F2,F2〜F3,F3〜F4、及び、F4以上の周波数帯(F1<F2<F3<F4)ごとに、第2スペクトルの場合からの信号レベル補正すべき割合である補正量CORが登録されている。この図5に示されるように、周波数F4未満の周波数帯域では、補正量CORを「ゼロ」より大きな値とし、周波数F4以上の周波数帯域では、補正量CORを「ゼロ」としている。この補正用スペクトル情報STCの内容は、実験、シミュレーション、経験等に基づいて予め定められる。
<動作>
以上のようにして構成された音響装置100の動作について、制御ユニット110Aによる外部出力音の出力処理に、主に着目して説明する。
音響装置100では、走行情報取得ユニット130が、ECU290から送られた車速検出結果を受けて、制御ユニット110Aで取扱可能な形態に変換された車速情報を生成し、生成された車速情報を、逐次、制御ユニット110Aへ送っているものとする。また、収音ユニット230は、車両CRの周辺の環境音を収音し、環境音を示す環境音データを、逐次、制御ユニット110Aへ送っているものとする。
また、制御ユニット110Aは、記憶ユニット120Aにアクセスして、音源データSSD、第1スペクトル情報ST1の内容、及び、補正用スペクトル情報STCの内容を読み取っているものとする(図3参照)。
かかる動作環境のもとで、制御ユニット110Aにより「第3スペクトル」の形状の調整処理が実行される。この「第3スペクトル」の形状の調整処理に際して、図6に示されるように、まず、ステップS11において、制御ユニット110Aが、新たに受けた車速情報に基づいて、車両CRが、所定車速(例えば、時速20キロメートル)以下で走行しているか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS11:N)には、処理はステップS12へ進む。
ステップS12では、制御ユニット110Aが、現時点において、外部音出力ユニット210から、外部出力音が出力中か否かを判定する。ステップS12における判定の結果が否定的であった場合(ステップS12:N)には、処理はステップS11へ戻る。一方、ステップS12における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS12:Y)には、処理はステップS13へ進む。ステップS13では、制御ユニット110Aが、外部出力音の出力を中止する。この後、処理はステップS11へ戻る。
上述したステップS11における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS11:Y)には、処理はステップS14へ進む。このステップS14では、「外部出力音の出力制御処理」が行われる。この「外部出力音の出力制御処理」の詳細については、後述する。
《外部出力音の出力制御処理》
次に、上述したステップS14における「外部出力音の出力制御処理」について説明する。
この「外部出力音の出力制御処理」では、図7に示されるように、まず、ステップS21において、制御ユニット110Aが、収音ユニット230が収音した環境音の「第2スペクトル」を導出する。引き続き、ステップS22において、制御ユニット110Aは、導出した「第2スペクトル」と「補正用スペクトル」とを加算する。この後、処理はステップS23へ進む。
ステップS23では、制御ユニット110Aが、「第1スペクトル」におけるピークのレベルを、「第2スペクトル」と「補正用スペクトル」とを加算したレベルと同等のレベルに調整する。そして、制御ユニット110Aは、「第1スペクトル」に対する当該調整の結果を、「第3スペクトル」の形状に決定する。
ここで、「第1スペクトル」の形状の例が、図8(A)に示されている。また、「第2スペクトル」の形状、及び、「第2スペクトル」と「補正用スペクトル」とを加算したスペクトルの形状が、図8(A),(B)に示されている。さらに、「第3スペクトル」の形状の例が、図8(B)に示されている。
引き続き、ステップS24において、制御ユニット110Aが、音源データSSDを「第3スペクトル」の形状にした外部出力音信号を生成する。そして、制御ユニット110Aは、当該外部出力音信号を外部音出力ユニット210へ供給する。
この結果、外部音出力ユニット210から、環境音に適応した外部出力音が車外へ向けて出力される。こうして外部出力音が出力されると、ステップS14の処理が終了する。そして、処理は、上述した図6におけるステップS11へ戻る。
以後、上記のステップS11〜S14の処理が繰り返されて、外部出力音の出力処理が行われる。
以上説明したように、第1実施例では、収音ユニット230が車両CRの周辺の環境音を収音すると、制御ユニット110Aが、環境音の「第2スペクトル」の情報を取得する。そして、制御ユニット110Aは、音源データSSDから直接的に得られる音の「第1スペクトル」におけるそれぞれのピークのピーク周波数におけるレベルを、「第2スペクトル」と「補正用スペクトル」との加算したレベルと同等のレベルに調整する。次いで、制御ユニット110Aは、「第1スペクトル」に対する調整の結果を、「第3スペクトル」の形状に決定し、音源データSSDを「第3スペクトル」の形状にした外部出力音信号を生成する。外部音出力部210は、こうして生成された外部出力音信号に従った外部出力音を、車両CRの外部へ向けて出力する。
このため、警告音を出力するに際して、車両の接近を歩行者等に確実に知らせる機能を確保しつつ、騒音となるような警告音の出力の抑制、及び、装置の不必要なエネルギ消費の抑制を行うことができる。
したがって、第1実施例によれば、警告音の適正化を図ることができる。
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例を、図9〜図11を主に参照して説明する。この第2実施例は、上述した第2実施形態(図2参照)の一態様となっている。
<構成>
図9には、第2実施例に係る端末装置300、及び、サーバ装置400の配置関係が示されている。なお、端末装置300は、第2実施形態における端末装置810の一態様であり、サーバ装置400は、第2実施形態における出力音管理装置820の一態様である。
図9に示されるように、端末装置300は、車両CR内に配置されるようになっている。この車両CRには、上述した第1実施例の場合と同様に、外部音出力部910としての外部音出力ユニット210と、収音部930としての収音ユニット230とが配置されている。また、車両CRには、上述した第1実施例の場合と同様に、車速センサ280と、ECU290とが装備されている。
サーバ装置400は、車両CRの外に配置される。そして、端末装置300とサーバ装置400とは、ネットワーク500を介して、通信可能となっている。
なお、サーバ装置400は、端末装置300と同様に構成された他の端末装置とも通信可能となっているが、図9においては、端末装置300のみが代表的に示されている。
《端末装置300の構成》
図10には、端末装置300の概略的な構成が示されている。図10に示されるように、端末装置300は、上述した第1実施例の音響装置100と比べて、制御ユニット110Aに代えて制御ユニット110Bを備える点、記憶ユニット120Aに代えて記憶ユニット310を備える点、送信部811及び受信部815としての無線通信ユニット320を備える点が異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
上記の制御ユニット110Bは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成され、端末装置300の全体を統括制御する。この制御ユニット110Bが様々なプログラムを実行することにより、端末装置300としての各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第2実施形態における環境音データ取得部811としての機能も含まれている。
制御ユニット110Bは、収音ユニット230から送られた環境音を示す環境音データを受ける。また、制御ユニット110Bは、走行情報取得ユニット130から送られた車速情報を取得する。そして、制御ユニット110Bは、走行情報取得ユニット130から送られた車速情報に基づいて、車両CRが所定速度以下で走行しているときに、環境音を示す環境音データを、端末送信データとして無線通信ユニット320へ送る。
また、制御ユニット110Bは、無線通信ユニット320から送られた「第3スペクトル」を有する外部出力音信号を受ける。そして、制御ユニット110Bは、車両CRが所定速度以下で走行しているときに、外部出力音信号は、外部音出力ユニット210へ供給される。
なお、車両CRが所定速度よりも速く走行しており、かつ、外部音出力ユニット210から外部出力音が出力されているときには、制御ユニット110Bは、外部出力音の出力を中止するようになっている。
この制御ユニット110Bが実行するプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
なお、制御ユニット110Bが実行する処理の詳細については、後述する。
上記の記憶ユニット310は、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置を備えて構成され、端末装置300において利用される様々な情報データが記憶される。記憶ユニット310には、制御ユニット110Bがアクセスできるようになっている。
上記の無線通信ユニット320は、制御ユニット110Bから送られた端末送信データを受ける。そして、無線通信ユニット320は、当該端末送信データを、ネットワーク500を介してサーバ装置400へ送信する。
また、無線通信ユニット320は、サーバ装置400からネットワーク500を介して送信された「第3スペクトル」を有する外部出力音信号であるサーバ送信データを受信する。そして、無線通信ユニット320は、当該サーバ送信データを制御ユニット110Bへ送る。
《サーバ装置400の構成》
図11には、サーバ装置400の概略的な構成が示されている。図11に示されるように、サーバ装置400は、制御ユニット110Cと、音源記憶部822及び補正用スペクトル記憶部925としての記憶ユニット120Cと、受信部821及び送信部823としての外部通信ユニット420とを備えている。
上記の制御ユニット110Cは、中央処理装置(CPU)、DSP(Digital Signal Processor)及びその周辺回路を備えて構成され、サーバ装置400の全体を統括制御する。この制御ユニット110Cが様々なプログラムを実行することにより、サーバ装置400としての各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第2実施形態における環境音取得部730、補正用スペクトル取得部740及び生成部750としての機能も含まれている。
この制御ユニット110Cが実行するプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
なお、制御ユニット110Cが実行する処理の詳細については、後述する。
上記の記憶ユニット120Cは、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置を備えて構成されている。この記憶ユニット120Cには、サーバ装置400において利用される様々な情報データが記憶される。こうした情報データには、上述した音源データSSDと、第1スペクトル情報ST1と、補正用スペクトル情報STCとが含まれている。記憶ユニット120Cには、制御ユニット110Cがアクセスできるようになっている。
上記の外部通信ユニット420は、端末装置300からネットワーク500を介して送信された端末送信データを受信する。そして、外部通信ユニット420は、当該端末送信データを制御ユニット110Cへ送る。
また、外部通信ユニット420は、制御ユニット110Cから送られた「第3スペクトル」を有する外部出力音信号であるサーバ送信データを受ける。そして、外部通信ユニット420は、当該サーバ送信データを、ネットワーク500を介して端末装置300へ送信する。
以上のような端末装置300の構成及びサーバ装置400の構成では、制御ユニット110Bから出力された端末送信データは、無線通信ユニット320、ネットワーク500及び外部通信ユニット420を介して、制御ユニット110Cへ送られることになる。また、制御ユニット110Cから出力されたサーバ送信データは、外部通信ユニット420、ネットワーク500及び無線通信ユニット320を介して、制御ユニット110Bへ送られることになる。
<動作>
以上のようにして構成された端末装置300とサーバ装置400とが協働して実行する外部出力音の出力処理に、主に着目して説明する。
前提として、端末装置300では、走行情報取得ユニット130から、車速情報が、制御ユニット110Bへ逐次送られているものとする。
こうした動作環境のもとで、車両CRが所定速度以下で走行しているときに、制御ユニット110Bは、収音ユニット230が収音した環境音を示す環境音データを、逐次、サーバ装置400の制御ユニット110Cへ送信する。
制御ユニット110Bから送られた環境音データを受信した制御ユニット110Cは、上述した第1実施例における制御ユニット110Aの処理(図7におけるステップS21〜S24)と同様の処理を行って、「第3スペクトル」を有する外部出力音信号を生成する。そして、制御ユニット110Cは、当該外部出力音信号を、サーバ送信データとして、端末装置300の制御ユニット110Bへ送信する。
サーバ送信データとして外部出力音信号を受信した制御ユニット110Bは、車両CRが所定速度以下で走行しているときに、当該外部出力音信号を外部音出力ユニット210へ供給する。なお、制御ユニット110Bは、車両CRが所定速度よりも速く走行しており、かつ、外部音出力ユニット210から外部出力音が出力されているときには、外部出力音の出力を中止する。
この結果、外部音出力ユニット210から、環境音に適応した外部出力音が車外へ向けて出力される。
以上説明したように、第2実施例では、収音ユニット230が車両CRの周辺の環境音を収音すると、端末装置300の制御ユニット110Bが、環境音を示す環境音データを、サーバ装置300の制御ユニット110Cへ送信する。そして、制御ユニット110Cは、環境音の「第2スペクトル」の情報を取得する。引き続き、制御ユニット110Cは、音源データSSDから直接的に得られる音の「第1スペクトル」におけるそれぞれのピークのピーク周波数におけるレベルを、「第2スペクトル」と「補正用スペクトル」との加算したレベルと同等のレベルに調整する。次いで、制御ユニット110Cは、「第1スペクトル」に対する調整の結果を、「第3スペクトル」の形状に決定し、音源データSSDを「第3スペクトル」の形状にした外部出力音信号を生成する。引き続き、制御ユニット110Cは、当該外部出力音信号を、端末装置300の制御ユニット110Bへ送信する。
制御ユニット110Bは、外部出力音信号を受けると、当該外部出力音信号を外部音出力ユニット210へ供給する。外部音出力ユニット210は、こうして供給された外部出力音信号に従った外部出力音を、車両CRの外部へ向けて出力する。
このため、警告音を出力するに際して、車両の接近を歩行者等に確実に知らせる機能を確保しつつ、騒音となるような警告音の出力の抑制、及び、装置の不必要なエネルギ消費の抑制を行うことができる。
したがって、第2実施例によれば、上述した第1実施例と同様に、警告音の適正化を図ることができる。
[実施例の変形]
上記の第1及び第2実施例は、様々な変形が可能である。
例えば、上記の第1及び第2実施例では、複数の所定の周波数帯域にピークを有する形状の音源データの第1スペクトルを調整して、外部出力音信号を生成することしたが、音源データとしては、ピークを有しないスペクトル形状の音信号データであってもよい。
また、上記の第1実施例の音響装置及び第2実施例のサーバ装置が、音源データ及び第1スペクトル情報を記憶するようにしたが、当該音源データ及び第1スペクトル情報を、スマートフォン等の他の装置から取得するようにしてもよい。
また、上記の第1実施例の音響装置及び第2実施例のサーバ装置が、補正用スペクトル情報を記憶するようにしたが、当該補正用スペクトル情報を、スマートフォン情報を他の装置から取得するようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施例では、車速情報が、外部のECU290から音響装置、端末装置に報告されるものとした。これに対して、外部からの車速情報を受けることが困難な場合には、車速情報を検出するためのセンサ等を、音響装置、端末装置が備える構成としてもよい。
また、上記の第1及び第2実施例では、電気自動車内に配置される装置に本発明を適用したが、電気エネルギを駆動エネルギの一部として利用する車両(例えば、ハイブリッド車)に配置される装置に本発明を適用することができるのは、勿論である。
また、上記の第1及び第2実施例については、上述した第1及び第2実施形態に対する変形と同様の変形を適宜施すことができる。
100 … 音響装置
110A … 制御ユニット(音源取得部、環境音取得部、補正用スペクトル取得部、
生成部)
110B … 制御ユニット(環境音データ取得部)
110C … 制御ユニット(環境音取得部、補正用スペクトル取得部、生成部)
120C … 記憶ユニット(音源記憶部)
300 … 端末装置
320 … 無線通信ユニット(送信部、受信部)
400 … サーバ装置(出力音管理装置)
420 … 外部通信ユニット(送信部、受信部)
700 … 音響装置
720 … 音源取得部
730 … 環境音取得部
740 … 補正用スペクトル取得部
750 … 生成部
810 … 端末装置
811 … 環境音データ取得部
812 … 送信部
815 … 受信部
820 … 出力音管理装置
821 … 受信部
822 … 音源記憶部
823 … 送信部

Claims (9)

  1. 音源データと、当該音源データから直接的に得られる音の第1スペクトルを取得する音源取得部と;
    収音された車両の外部の環境音の第2スペクトルを取得する環境音取得部と;
    取得された前記音源データ、前記第1スペクトル及び前記第2スペクトルに基づいて、所定周波数未満の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルより高いレベルとし、前記所定周波数以上の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルと同等以下のレベルとする第3スペクトルを有する外部出力音信号を生成する生成部と;
    を備えることを特徴とする音響装置。
  2. 周波数ごとに、前記第2スペクトルを有する環境音に対して信号レベルを補正すべき割合を示す補正用スペクトルを取得する補正用スペクトル取得部を更に備え、
    前記生成部は、前記第2スペクトルと前記補正用スペクトルとの加算結果と、前記第1スペクトルと、に基づいて、前記外部出力音信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
  3. 前記第1スペクトルは、所定の帯域にピークを有する形状であり、
    前記生成部は、
    前記所定周波数未満の帯域に存在する前記ピークのレベルを、前記第2スペクトルよりも高いレベルとし、前記所定周波数以上の帯域に存在する前記ピークのレベルを、前記第2スペクトルと同等以下のレベルとする第3スペクトルを有する外部出力音信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の音響装置。
  4. 前記生成部は、
    前記所定周波数未満の帯域に存在する前記ピークのレベルを、ピーク周波数に対応して予め定められた割合で、前記第2スペクトルよりも高いレベルとする、
    ことを特徴とする請求項3に記載の音響装置。
  5. 収音された車両の外部の環境音を示す環境音データを受信する受信部と;
    音源データと、当該音源データから直接的に得られる音の第1スペクトルとを記憶した音源記憶部と;
    前記受信部にて受信した環境音データで示される環境音の第2スペクトルを取得する環境音取得部と;
    前記音源データ、前記第1スペクトル及び前記第2スペクトルに基づいて、所定周波数未満の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルより高いレベルとし、前記所定周波数以上の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルと同等以下のレベルとする第3スペクトルを有する外部出力音信号を生成する生成部と;
    前記生成された外部出力音信号を前記車両に設置された端末装置に送信する送信部と;
    を備えることを特徴とする出力音管理装置。
  6. 車両に設置される端末装置であって、
    収音された前記車両の外部の環境音を示す環境音データを取得する環境音データ取得部と;
    取得された環境音データを送信する送信部と;
    音源データ、当該音源データから直接的に得られる音の第1スペクトル、及び、前記環境音データで示される環境音の第2スペクトルに基づいて生成された、所定周波数未満の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルより高いレベルとし、前記所定周波数以上の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルと同等以下のレベルとする第3スペクトルを有する外部出力音信号を受信する受信部と;
    を備えることを特徴とする端末装置。
  7. 音源データと、当該音源データから直接的に得られる音の第1スペクトルを取得する音源取得工程と;
    収音された車両の外部の環境音の第2スペクトルを取得する環境音取得工程と;
    取得された前記音源データ、前記第1スペクトル及び前記第2スペクトルに基づいて、所定周波数未満の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルより高いレベルとし、前記所定周波数以上の帯域の少なくとも一部の帯域成分を、前記第2スペクトルと同等以下のレベルとする第3スペクトルを有する外部出力音信号を生成する生成工程と;
    を備えることを特徴とする出力音制御方法。
  8. 請求項7に記載の出力音制御方法を演算部に実行させる、ことを特徴とする出力音制御プログラム。
  9. 請求項8に記載の出力音制御プログラムが、演算部により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体。
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