以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各図内に「前方」「後方」「左方」「右方」「上方」「下方」の注記がある場合は、明細書中内の説明における、前方(前)、後方(後)、左方(左)、右方(右)、上方(上)、下方(下)とは、その注記された方向を指す。また、この定義において、後方側が、各請求項記載の一方側又は水平方向一方側に相当し、前方側が、各請求項記載の他方側又は水平方向他方側に相当する。
<粘着テープ印刷装置の概略構成>
まず、図1〜図6を参照しつつ、本実施形態の粘着テープ印刷装置の概略構成について説明する。
図1〜図6において、本実施形態の粘着テープ印刷装置1(テープ処理装置)は、装置外郭を構成する筐体2と、第1開閉カバー3と、第2開閉カバー4と、第1収納部5と、第2収納部7と、第3収納部6とを有している。第1開閉カバー3は、筐体2の上部後方側に備えられている。第2開閉カバー4は、筐体2の上部前方側に備えられている。第1収納部5は、筐体2の後方側に備えられている。第2収納部7及び第3収納部6は、筐体2の前方側に備えられている。
このとき、筐体2における(閉じ状態での)第1開閉カバー3の下方にある第1所定位置8には、粘着テープカートリッジTK(テープカートリッジ)が着脱可能に装着される。粘着テープカートリッジTKは、第1ロールR1(粘着テープロール。詳細は後述)を後方側に備えると共に、第2ロールR2(剥離材ロール。詳細は後述)を前方側に備えている。
第1収納部5には、粘着テープカートリッジTKの装着によって、第1ロールR1が上方から受け入れられ、略水平方向の軸心O1(略水平方向の軸線、又は、略水平方向の第1軸線に相当)が略水平方向(詳細には左右方向)となる状態で収納される。第1ロールR1は、所望の幅方向寸法を備えた被印字粘着テープ150(粘着テープ)を軸心O1まわりに巻回している。なお、図2中では、第1ロールR1の被印字粘着テープ150が未消費である状態を実線で表し、第1ロールR1の被印字粘着テープ150がある程度消費された状態を想像線で表している。このとき、図6に示すように、粘着テープカートリッジTKの後方側には、第1ロールR1を形成するための第1巻芯部材30が備えられている。そして、第1ロールR1は、この第1巻芯部材30が後述する左・右一対の第1ブラケット部22,22で支持されることによって、第1収納部5に収納された状態(粘着テープカートリッジTKが装着された状態)において当該第1収納部5内で回転自在(図2及び図3中のA方向に回転自在)に支持される。被印字粘着テープ150は、基材層153、粘着剤層152、剥離材層151が、厚さ方向一方側(この例では上方側)から他方側(この例では下方側)へ向かって、この順序で積層されている。すなわち、この例では、基材層153が最上層、剥離材層151が最下層に位置している。基材層153は、後述する印字ヘッド10によって所望の印字が形成される層である。粘着剤層152は、基材層153を適宜の被着体(図示省略)に貼り付けるための層である。剥離材層151は、粘着剤層152を覆う層である。
このとき、第1開閉カバー3が、筐体2の後方側端部に設けられた所定の回動軸心Kまわりに回動することで、第1収納部5の上方を開閉可能である。詳細には、第1開閉カバー3は、筐体2の後方側を覆う閉じ位置(図1、図2、図3、図5の状態)から当該筐体2の後方側を露出させる開き位置(図4、図6の状態)までの間で回動可能となっている。
また、第1収納部5と第2収納部7とを連通する筐体2内部の略中間上方側には、印字ヘッド10及び搬送ローラ11が互いに上下方向に対向して配置されている。
搬送ローラ11は、第1収納部5に収納された第1ロールR1から繰り出される被印字粘着テープ150を、テープ幅方向が略水平方向(詳細には左右方向)となるテープ姿勢(言い換えれば、テープ横断面を略水平方向(詳細には左右方向)としたテープ姿勢)で搬送する。また、この搬送ローラ11は、ギア機構を介して、搬送用モータM1によって駆動される。搬送用モータM1は、上記のように後方側と前方側とに振り分け配置された第1収納部5と第2収納部7及び第3収納部6との中間(第1収納部5よりも前方側でかつ第2収納部7及び第3収納部6よりも後方側)に、出力軸(図示省略)の軸心方向が略水平方向(詳細には左右方向)となるように配設されている。なお、搬送ローラ11は、この例では搬送用モータM1の略上方に配設されている。
印字ヘッド10は、搬送される被印字粘着テープ150を搬送ローラ11と協働して挟持するように、第1開閉カバー3のうち搬送ローラ11の略上方に対向する部位に配設されている。そして、印字ヘッド10は、搬送される被印字粘着テープ150の基材層153に対し、後述するリボンカートリッジRKのインクリボンIBを用いて所望の印字を形成し、印字済み粘着テープ150′(粘着テープ)とする。
すなわち、筐体2における(閉じ状態での)第1開閉カバー3の下方でかつ粘着テープカートリッジTKの上方となる第2所定位置9には、リボンカートリッジRKが着脱可能に装着される。リボンカートリッジRKは、リボン供給ロールR4を後方側に回転自在(図2中D方向に回転自在)に備えると共に、リボン巻き取りロールR5を前方側に回転自在(図2中E方向に回転自在)に備えている。リボン供給ロールR4は、印字ヘッド10による印字形成を行うためのインクリボンIBを繰り出す。リボン巻き取りロールR5は、印字形成後の使用済みのインクリボンIBを巻き取る。リボンカートリッジRKが第2所定位置9に装着されることにより、印字ヘッド10及び搬送ローラ11よりも後方側にリボン供給ロールR4が配置されると共に、印字ヘッド10及び搬送ローラ11よりも前方側にリボン巻き取りロールR5が配置される。なお、図2中では、リボン供給ロールR4のインクリボンIBが未消費であってリボン巻き取りロールR5に使用済みのインクリボンIBがまだ巻回されていない状態を実線で表し、リボン供給ロールR4のインクリボンIBがある程度消費されてリボン巻き取りロールR5に使用済みのインクリボンIBがある程度巻回された状態を想像線で表している。
そして、リボン供給ロールR4から繰り出されるインクリボンIBは、印字ヘッド10の下方に接触する。そして、印字ヘッド10からの加熱によりインクリボンIBのインクが、搬送される被印字粘着テープ150の基材層153に転写されて印字形成が実行された後、使用済みのインクリボンIBがリボン巻き取りロールR5に巻き取られる。なお、リボンカートリッジRKは、図4に示すように、第2開閉カバー4が閉じ状態のままで第1開閉カバー3を開き状態とすることで、第2所定位置9に対し着脱可能となっている。
第3収納部6には、第3ロールR3が上方から受け入れられ、略水平方向の軸心O3が略水平方向(詳細には左右方向)となる状態で収納される。第3ロールR3は、印字済み粘着テープ150′から剥離材層151が引き剥がされたテープ(すなわち、基材層153と粘着剤層152とが含まれるテープ(貼り付け用テープ)。以下適宜、単に「印字済み粘着テープ152,153」と称する)を、軸心O3まわりに巻回する。なお、図2中では、第3ロールR3に印字済み粘着テープ152,153がまだ巻回されていない状態を実線で表し、第3ロールR3に印字済み粘着テープ152,153がある適度巻回された状態を想像線で表している。このとき、図6に示すように、第2開閉カバー4側の筐体2内には、第3ロールR3を形成するための第3巻芯部材40(巻芯部材)が備えられている。そして、第3ロールR3は、この第3巻芯部材40が支持ブラケットRBで支持されることによって、第3収納部6内で回転自在(図2及び図3中B方向に回転自在)に支持される。すなわち、第3ロールR3は、ギア機構を介し巻き取り用モータM3に接続され、当該巻き取り用モータM3によって巻き取り駆動される。この巻き取り用モータM3は、第2収納部7と第3収納部6との略中間下方に配設されている。
またこのとき、第2開閉カバー4が、筐体2の前方側端部に設けられた所定の第1回動軸心K1まわりに回動することで、第3収納部6の上方を開閉可能である。詳細には、第2開閉カバー4は、筐体2の第3収納部6を覆う閉じ位置(図1、図2、図3、図4の状態)から第3収納部6を露出させる開き位置(図5、図6の状態)までの間で回動可能となっている。なお、第3ロールR3は、図5に示すように、第1開閉カバー3が閉じ状態のままで第2開閉カバー4を開き状態とすることで、第3収納部6に対し着脱可能となっている。
支持ブラケットRBは、第3ロールR3の軸心O3方向に沿った両側に当該第3ロールR3を挟むように対向して設けられた2つのブラケットを備えており、第3ロールR3(第3巻芯部材40)を、筐体2の前方側端部に設けられた所定の第2回動軸心K2まわりに回転可能に支持する。すなわち、支持ブラケットRBは、第2回動軸心K2まわりに、第2開閉カバー4の閉じ方向側に位置し第3ロールR3を着脱不能となる使用位置(図1、図2、図3、図4に示す位置)から、第2開閉カバー4の開き方向側に位置し第3ロールR3を着脱可能となる取り出し位置(図5、図6に示す位置)までの間で、回動可能に構成されている。なお、この例では、第2回動軸心K2は、上記第1回動軸心K1と同一位置(すなわち共通の軸心)となっている。
第2収納部7には、粘着テープカートリッジTKの装着によって、第2ロールR2が上方から受け入れられ、略水平方向の軸心O2(略水平方向の軸線、又は、略水平方向の第2軸線に相当)が略水平方向(詳細には左右方向)となる状態で収納される。第2ロールR2は、テープ印字済み粘着テープ152,153と分離する形で印字済み粘着テープ150′から引き剥がされた剥離材層151を、軸心O2まわりに巻回する。なお、図2中では、第2ロールR2に剥離材層151がまだ巻回されていない状態を実線で表し、第2ロールR2に剥離材層151がある程度巻回された状態を想像線で表している。このとき、図6に示すように、粘着テープカートリッジTKの前方側には、第2ロールR2を形成するための第2巻芯部材50が備えられている。そして、第2ロールR2は、この第2巻芯部材50が後述する左・右一対の第2ブラケット部24,24で支持されることによって、第2収納部7に収納された状態(粘着テープカートリッジTKが装着された状態)において当該第2収納部7内で回転自在(図2及び図3中のC方向に回転自在)に支持される。すなわち、第2ロールR2は、ギア機構を介し巻き取り用モータM2に接続され、当該巻き取り用モータM2によって巻き取り駆動される。この巻き取り用モータM2は、上記搬送用モータM1の下方に配設されている。
また、第2開閉カバー4が閉じ状態であるときの当該第2開閉カバー4の第3ロールR3よりも後方側の部位には、カッター機構14が配置されている。カッター機構14は、後述する引き剥がし部13において剥離材層151が引き剥がされた後の印字済み粘着テープ152,153を切断するための機構である。
<装置動作の概略>
次に、粘着テープ印刷装置1の動作の概略について説明する。
すなわち、第1所定位置8に粘着テープカートリッジTKが装着されると、第1収納部5に第1ロールR1が収納され、第2収納部7に第2ロールR2が収納される。そして、搬送ローラ11が駆動されると、第1ロールR1の回転により繰り出される被印字粘着テープ150が、前方側へ搬送される。そして、その搬送される被印字粘着テープ150の基材層153に対し、印字ヘッド10によって所望の印字が形成され、印字済み粘着テープ150′となる。その後、印字済み粘着テープ150′は、さらに前方側へ搬送され、後述する引き剥がし部13まで搬送されると、当該引き剥がし部13において剥離材層151が引き剥がされる。引き剥がされた剥離材層151は、下方側へ搬送されて第2収納部7へ導入され、第2収納部7内において巻回されて第2ロールR2が形成される。
一方、剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ152,153は、さらに前方側へ搬送されて第3収納部6へ導入され、第3収納部6内において巻回されて第3ロールR3が形成される。その際、第3ロールR3よりも後方側、すなわち搬送経路に沿った上流側に設けられたカッター機構14が、印字形成されかつ剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ152,153を切断する。これにより、ユーザの所望のタイミングで第3ロールR3に巻回されていく印字済み粘着テープ152,153を切断し、切断後は第3ロールR3を第3収納部6から取り出すことができる。
<各部詳細構造>
次に、粘着テープ印刷装置1の各部の詳細構造について順を追って説明する。
<粘着テープカートリッジの詳細構造>
図6及び図7において、粘着テープカートリッジTKは、第1ロールR1と第2ロールR2とを連結する断面略コの字型の連結アーム21を備えている。連結アーム21は、第1ロールR1を後方側において回転自在に支持すると共に、第2ロールR2を前方側において回転自在に支持する。また、連結アーム21は、左・右一対の第1ブラケット部22,22を後方側に備え、左・右一対の第2ブラケット部24,24を前方側に備えている(後述の図11も参照)。
第1ブラケット部22,22は、第1ロールR1を左・右両側(略水平方向の軸線に沿った一方側及び他方側、又は、第1軸線に沿った両側に相当)から挟み込むようにして軸心O1のまわりに回転可能に保持している。これら第1ブラケット部22,22は、上端部において略水平方向に延設された第1接続部23によって接続されている。また、第1ブラケット部22,22には、軸心O1方向に沿って第1貫通孔22a,22a(図7中では右方側の第1ブラケット部22の第1貫通孔22aのみ示す)が設けられている。
第2ブラケット部24,24は、第2ロールR2を左・右両側(略水平方向の軸線に沿った一方側及び他方側、又は、第2軸線に沿った両側に相当)から挟み込むようにして軸心O2のまわりに回転可能に保持している。これら第2ブラケット部24,24は、上端部において略水平方向に延設された第2接続部25によって接続されている。また、第2ブラケット部24,24には、軸心O2方向に沿って第2貫通孔24a,24a(図7中では右方側の第2ブラケット部24の第2貫通孔24aのみ示す)が設けられている(後述の図11も参照)。
そして、後方側の第1ブラケット部22,22及び第1接続部23と、前方側の第2ブラケット部24,24及び第2接続部25とは、左・右一対のロール連結ビーム部26,26によって連結されている。
また、連結アーム21は、被印字粘着テープ150(印字済み粘着テープ150′)の搬送経路(以下適宜、単に「テープ搬送経路」と称する)に沿った第2ロールR2の上方側の部位、詳細には上記カッター機構14よりもテープ搬送方向に沿った上流側に、例えば略水平なスリット形状を含む引き剥がし部13を備えている(図2、図3、及び図5も参照)。引き剥がし部13は、第1ロールR1から繰り出されて前方側へと搬送される印字済み粘着テープ150′から剥離材層151を引き剥がす部位である。
<ロック状態及びアンロック状態>
ところで、連結アーム21は、第1ロールR1及び第2ロールR2を回転自在に支持することから、第1所定位置8に装着される前の粘着テープカートリッジTK単独の状態時には、そのままでは自由に第1ロールR1及び第2ロールR2が回転してテープのばらけが生じる。その一方、粘着テープカートリッジTKが第1所定位置8に装着されたときは、上述のような搬送を行うために第1ロールR1及び第2ロールR2が自由に回転するようにしなければならない。
本実施形態では、粘着テープカートリッッジTKが、第1係合部材L1(第1ロック部材。詳細は後述)を第1ロールR1に対し着脱可能に備えると共に、第2係合部材L2(第2ロック部材。詳細は後述)を第2ロールR2に対し着脱可能に備えている。なお、図7中では、第1ロールR1及び第2ロールR2に対し第1係合部材L1及び第2係合部材L2が装着されていない状態を表している。そして、第1係合部材L1及び第2係合部材L2を用いて、粘着テープカートリッジTKが第1所定位置8に装着される前は、第1ロールR1及び第2ロールR2をそれぞれ回転不能なロック状態とする。また、粘着テープカートリッジTKが第1所定位置8に装着されたときには、第1ロールR1及び第2ロールR2をそれぞれ回転自在なアンロック状態に切り替える。これにより、上述のような搬送を円滑に行うことができるようにする。以下、図7〜図10を参照しつつ、その詳細について説明する。
図7及び図8に示すように、第1ロールR1は、上記第1巻芯部材30の外周側に対し被印字粘着テープ150が順次巻回されることによって形成されている。
第1巻芯部材30は、軸心O1を軸心とする円筒部31(第1被係合部)と、略円環状のフランジ32,32とを備えている。円筒部31の外周側には、被印字粘着テープ150が巻回されている。フランジ32,32は、円筒部31の軸心方向(すなわち軸心O1方向)両端側に設けられており、軸心O1方向外側から第1ブラケット部22,22によって挟まれるように支持されている。また、円筒部31は、軸心O1方向両端部に若干小径となる小径部31a,31a(図8中では円筒部31の右端側の小径部31aのみ示す)を備えており、これら小径部31a,31aが上記第1ブラケット22,22の第1貫通孔22a,22aに挿通されている。
また、円筒部31の内周側(中空部31b)の右端側には、当該中空部31bの周方向に沿って段差部33が形成されている。段差部33には、右方側に凹んだ係合凹部34が、中空部31bの周方向に沿って複数設けられている。また、中空部31bには、上記第1係合部材L1が、右方側の第1ブラケット部22の第1貫通孔22aを介し、当該第1ブラケット部22の外方(詳細には右方)から軸心O1方向に沿って挿入され固定される。
第1係合部材L1は、円環部35と、円環部35の周方向に沿って設けられ、左方側に向かって延出された断面略円弧状の複数の延出部36とを備えている。各延出部36の先端側における円環部35の径方向外側の面には、当該径方向外側に突出し、上記第1巻芯部材30の係合凹部34に係合可能な係合片部36aが設けられている。
この第1係合部材L1は、図8(a)に示すように、第1巻芯部材30の中空部31bに右方側の第1ブラケット部22の右方から挿入され、略水平方向(詳細には左方)に移動する(図8(b)に示す位置まで押し込まれる)ことで、図8(b)に示すように、係合片部36aが第1巻芯部材30の係合凹部34に噛み合って係合し、第1ロールR1を上記ロック状態とする。また、第1係合部材L1は、第1ロールR1をロック状態とした状態で、外部から左方に移動する力(第1操作力。以下適宜、単に「第1操作力」と称する)が与えられ、左方に移動する(図8(c)に示す位置まで押し込まれる)ことで、図8(c)に示すように、係合片部36aの、第1巻芯部材30の係合凹部34への係合を解除し、第1ロールR1を上記アンロック状態とする。すなわち、第1係合部材L1は、外部からの第1操作力の非入力時には、第1ロールR1をロック状態とし、外部からの第1操作力の入力時には、第1ロールR1をアンロック状態に切り替える。
また、図7及び図9に示すように、第2ロールR2は、上記第2巻芯部材50の外周側に対し、上記引き剥がし部13において印字済み粘着テープ150′から引き剥がされた剥離材層151が順次巻回されることによって形成される。
第2巻芯部材50は、軸心O2を軸心とする円筒部51(第2被係合部)と、略円環状のフランジ52,52とを備えている。円筒部51の外周側には、上記引き剥がし部13において印字済み粘着テープ150′から引き剥がされた剥離材層151が巻回される。フランジ52,52は、円筒部51の軸心方向(すなわち軸心O2方向)両端側に設けられており、軸心O2方向外側から第2ブラケット部24,24によって挟まれるように支持されている。また、円筒部51は、軸心O2方向両端部に若干小径となる小径部51a,51a(図9中では円筒部51の右端側の小径部51aのみ示す)を備えており、これら小径部51a,51aが上記第2ブラケット24,24の第2貫通孔24a,24aに挿通されている。
また、円筒部51の内周側(中空部51b)の右端側には、当該中空部51bの周方向に沿って段差部53が形成されている。段差部53には、右方側に凹んだ係合凹部54が、中空部51bの周方向に沿って複数設けられている。また、中空部31bには、上記第2係合部材L2が、右方側の第2ブラケット部24の第2貫通孔24aを介し、当該第2ブラケット部24の外方(詳細には右方)から軸心O2方向に沿って挿入され固定される。
第2係合部材L2は、円環部55と、円環部55の周方向に沿って設けられ、左方側に向かって延出された断面略円弧状の複数の延出部56とを備えている。各延出部56の先端側における円環部55の径方向外側の面には、当該径方向外側に突出し、上記第2巻芯部材50の係合凹部54に係合可能な係合片部56aが設けられている。
この第2係合部材L2は、図9(a)に示すように、第2巻芯部材50の中空部51bに右方側の第2ブラケット部24の右方から挿入され、略水平方向(詳細には左方)に移動する(図9(b)に示す位置まで押し込まれる)ことで、図9(b)に示すように、係合片部56aが第2巻芯部材50の係合凹部54に噛み合って係合し、第2ロールR2を上記ロック状態とする。また、第2係合部材L2は、第2ロールR2をロック状態とした状態で、外部から左方に移動する力(第2操作力。以下適宜、単に「第2操作力」と称する)が与えられ、左方に移動する(図9(c)に示す位置まで押し込まれる)ことで、図9(c)に示すように、係合片部56aの、第2巻芯部材50の係合凹部54への係合を解除し、第2ロールR2を上記アンロック状態とする。すなわち、第2係合部材L2は、外部からの第2操作力の非入力時には、第2ロールR2をロック状態とし、外部からの第2操作力の入力時には、第2ロールR2をアンロック状態に切り替える。
このとき、図10に示すように、第1収納部5には、上記第1所定位置8への粘着テープカートリッジTKの装着時に上方から受け入れられる第1ロールR1側、すなわち略上方側に突出するように、第1凸部5a(この例では筐体2の内壁の一部)が設けられている。第1凸部5aは、第1収納部5内への第1ロールR1の受け入れ時に、当該第1ロールR1に固定された上記第1係合部材L1の円環部35が接触され、当該円環部35を左方へ押し付けることで、第1係合部材L1に対し上記第1操作力を与える。
またこのとき、第2収納部7には、上記第1所定位置8への粘着テープカートリッジTKの装着時に上方から受け入れられる第2ロールR2側、すなわち略上方側に突出するように、第2凸部7a(この例では筐体2の内壁の一部)が設けられている。第2凸部7aは、第2収納部7内への第2ロールR2の受け入れ時に、当該第2ロールR2に固定された上記第2係合部材L2の円環部55が接触され、当該円環部55を左方へ押し付けることで、第2係合部材L2に対し上記第2操作力を与える。
ここで、粘着テープカートリッジTKの装着時には、アンロック状態となった第1ロールR1及び第2ロールR2がそれぞれ第1収納部5及び第2収納部7に収納されると共に、被印字粘着テープ150に搬送ローラ11が接触する等により粘着テープカートリッジTK内のテープ搬送経路に既に延設された状態にある被印字粘着テープ150に対し、若干の力が加わる。この結果、そのままでは、アンロック状態で回転自在である第1ロールR1及び第2ロールR2が、上記被印字粘着テープ150に加わった力により引きずられ、(実際に搬送ローラ11が回転駆動して搬送が開始されるより前に)若干回転する。
第1ロールR1が回転した場合は、実際に搬送ローラ11が回転駆動して搬送が開始されるときと同じ順方向(図2及び図3中A方向)への回転であることから、第1ロールR1からの繰り出し位置近傍において被印字粘着テープ150が若干たるむだけである。この結果、搬送ローラ11による回転駆動の開始と共に当該たるみが解消し、正常な搬送状態に移行するので問題はない。しかしながら、第2ロールR2が回転した場合は、実際に剥離材層151を引き剥がして巻き取るときの方向(図2及び図3中C方向)とは逆方向への回転であることから、第2ロールR2に巻き取った剥離材層151が、引き剥がし部13に向かって逆走し戻されることとなる。しかしながら、このようにして剥離材層151が戻されても、既に引き剥がし済みであることから、引き剥がし前の印字済み粘着テープ150′と元通り一体化することはない。すなわち、逆走前に生じていた引き剥がし分岐点(一体の印字済み粘着テープ150′が、剥離材層151と印字済み粘着テープ152,153とに二股分岐する点)が、テープ搬送方向上流側にさかのぼって移動するだけである。この場合、印字済み粘着テープ150′の上記引き剥がし分岐点が、連結アーム21において上記引き剥がしを行う部位として設定された引き剥がし部13の位置からずれる。この結果、その後搬送ローラ11が回転駆動され搬送が開始されたときに、正常な引き剥がし動作ができなくなるおそれがある。
そこで本実施形態では、図10に示すように、筐体2内での、第1凸部5aの上端部の高さ方向位置が、第2凸部7aの上端部の高さ方向位置よりも距離hだけ高くなっており、粘着テープカートリッジTKの装着時には、第1凸部5aが第1係合部材L1に対し第1操作力を与えた後のタイミングで、第2凸部7aが第2係合部材L2に対し第2操作力を与えるように構成することで、第1係合部材L1及び第2係合部材L2のアンロック状態への切り替えタイミングを制御する。すなわち、粘着テープカートリッジTKの装着時には、先に、第1凹部5aによる第1操作力によって、第1係合部材L1による第1ロールR1のアンロック状態への切り替えが行われ、その後、第2凹部7aによる第2係合部材L2への第2操作力によって、第2係合部材L2による第2ロールR2のアンロック状態への切り替えが行われる。これにより、先に第1ロールR1が回転可能となった後に、第2ロールR2が回転可能となり、上述のような搬送を円滑に行うことができる。なお、上記第1凸部5a及び第2凸部7aが、各請求項記載のアンロック切替手段を構成する。
<ガイド部材>
また、本実施形態では、上述したように第1ロールR1と第2ロールR2とを連結アーム21で一体化した構成において、上述のようなテープ搬送を円滑に行うために、図7及び図11に示すように、連結アーム21のうち、テープ搬送経路に沿った上記引き剥がし部13の近傍で、かつ上記ロール連結ビーム部26,26の間に、上向き開口の凹部27(ガイド着脱部)が形成されている。凹部27には、ガイド部材60が着脱可能に装着される。ガイド部材60は、凹部27に装着された状態において、第1ロールR1から繰り出された被印字粘着テープ150に対応した印字済み粘着テープ150′(図7中の想像線参照)を、テープ幅方向を左右方向としたテープ姿勢で通過させると共に、当該通過時におけるテープ幅方向両端部に略接触し当該テープ幅方向のガイドを行う。これにより、円滑なテープ搬送を確実に行うことができる。なお、図11中では、第1ロールR1及び第2ロールR2の図示を省略している。
ここで、ユーザの好みや用途により、互いにテープ幅方向寸法が異なる種々の被印字粘着テープ150が用いられる場合がある。それら複数種類の被印字粘着テープ150それぞれに対応して、第1ロールR1、第2ロールR2、連結アーム21、及びガイド部材60を、テープ幅方向寸法ごとに別々に用意し、各テープ幅方向寸法ごとに別個の粘着テープカートリッジTKを構築すると、製造すべき品数や製造工程が煩雑となり、製造コストの高騰を招く。
そこで本実施形態では、連結アーム21及びガイド部材60の着脱部(凹部27)は、互いにテープ幅方向寸法が異なる上記複数種類の被印字粘着テープ150で共通とする。そして、その共通の連結アーム21及びガイド部材60の着脱部(凹部27)に対し、各テープ幅方向寸法ごとに別個の第1ロールR1、第2ロールR2、及びガイド部材60を用意して組み立てる構成とする。またこのとき、本実施形態では、互いにテープ幅方向寸法が異なる予め定められた複数種類の被印字粘着テープ150に対し、それぞれのテープ幅方向寸法に対応したガイド部材60が個別に用意され、使用可能となっている。そして、各被印字粘着テープ150にそれぞれ対応した各ガイド部材60を適宜に選択し、連結アーム21に設けた凹部27に装着することで、印字済み粘着テープ150′の幅方向両端部のガイドを行う。これにより、印字済み粘着テープ150′を円滑に通過させることができるようにする。以下、図7及び図11〜図13を参照しつつ、その詳細について説明する。
なお、図7及び図11に示す例は、被印字粘着テープ150のテープ幅方向寸法が比較的大きい場合の例であり、当該被印字粘着テープ150に対応した印字済み粘着テープ150′、第1ロールR1、第2ロールR2、及びガイド部材6等が図示されている。一方、図12及び図13に示す例は、被印字粘着テープ150のテープ幅方向寸法が比較的小さい場合の例であり、当該被印字粘着テープ150に対応した印字済み粘着テープ150′、第1ロールR1、第2ロールR2、及びガイド部材60が図示されている。また、図7及び図12は対応する図であり、図11及び図13は対応する図である。
図7及び図11〜図13に示すように、ガイド部材60は、上記ロール連結ビーム部26,26の内側に固定される、左・右一対の基板部61,61を備えている。基板部61,61間の前端部及び後端部には、当該基板部61,61から下向きに突出し、上記凹部27に嵌合する凸部62,62が設けられている。また、ガイド部材60は、基板部61,61間の前端部において上向きに突出した左・右一対のガイド部63a,63aと、基板部61,61間の後端部において上向きに突出した左・右一対のガイド部63b,63bとを備えている。ガイド部63a,63aは、搬送されてくる印字済み粘着テープ150′のテープ幅方向寸法(所望の幅方向寸法)と略等しい離間距離dで互いに離間して配置されており、印字済み粘着テープ150′のテープ幅方向両端部にそれぞれ略接触する。ガイド部63b,63bも同様に、搬送されてくる印字済み粘着テープ150′のテープ幅方向寸法と略等しい離間距離dで互いに離間して配置されており、印字済み粘着テープ150′のテープ幅方向両端部にそれぞれ略接触する。
すなわち、連結アーム21のロール連結ビーム部26,26間の凹部27に対し、上方から凸部62,62を嵌め込むようにして、被印字粘着テープ150の種類(テープ幅方向寸法)に対応した1つのガイド部材60が装着される。これにより、搬送されてくる印字済み粘着テープ150′は、凹部27に保持された状態のガイド部材60のガイド部63a,63a間及びガイド部63b,63b間を、テープ幅方向を左右方向としたテープ姿勢で通過する。このとき、当該ガイド部63a,63aの内側及びガイド部63b,63bの内側に、印字済み粘着テープ150′のテープ幅方向両端部が略接触して、当該テープ幅方向のガイドがそれぞれ行われる。これにより、印字済み粘着テープ150′を円滑に通過させることができる。
<ガイドローラ機構>
また、図7に示すように、連結アーム21のうち、テープ搬送経路に沿ったガイド部材60よりも下流側には、ガイドローラ機構70が設けられている(図11〜図13も参照)。ガイドローラ機構70は、ガイド部材60によりテープ幅方向にガイドされつつ通過してきた印字済み粘着テープ150′に接触してガイドを行う機構である。このガイドローラ機構70によりガイドを行うことで、印字済み粘着テープ150′をさらに下流側へ搬送することができる。
ここで、印字済み粘着テープ150′は、上記粘着剤層152を備えていることから、テープ幅方向両端部においては、露出した粘着剤層152から粘着剤がはみ出している場合がある。そのような場合に、上記のようにガイドローラ機構70に備えられたガイドローラが接触すると、当該ガイドローラの表面に付着した粘着剤によってその後のテープ搬送・ガイドに悪影響が出るおそれがある。
そこで本実施形態では、図14及び図15に示すように、ガイドローラ機構70が、複数のガイドローラ71(分割ガイドローラ)と、複数の非接触部72とを備えている。複数のガイドローラ71は、回転軸(言い換えれば回転軸心AX)方向に沿って並んで配置されており、互いに独立して回転軸心AXまわりに回転しつつ、それぞれ印字済み粘着テープ150′(図14及び図15中の想像線参照)に接触可能となっている。なお、回転軸心AXは、略水平方向(詳細には左右方向)となっている。複数の非接触部72は、隣接する各ガイドローラ71間に位置しており、当該ガイドローラ71よりも小径のために、当該ガイドローラ71による印字済み粘着テープ150′の接触が行われない部分である。
なお、図14に示す例は、被印字粘着テープ150のテープ幅方向寸法が比較的大きい場合の例であり、当該被印字粘着テープ150に対応した印字済み粘着テープ150′が図示されている。一方、図15に示す例は、被印字粘着テープ150のテープ幅方向寸法が比較的小さい場合の例であり、当該被印字粘着テープ150に対応した印字済み粘着テープ150′が図示されている。また、図14及び図15は対応する図である。
このとき特に、上述のような複数種類の被印字粘着テープ150が選択的に使用されることに対応して、複数の非接触部72のそれぞれの位置は、複数種類の被印字粘着テープ150に対応した印字済み粘着テープ150′それぞれのテープ幅方向両端部の位置に合致している。言い換えれば、複数のガイドローラ71は、複数の非接触部72のそれぞれが、複数種類の被印字粘着テープ150に対応した印字済み粘着テープ150′それぞれのテープ幅方向両端部の位置となるように、設けられている。これにより、複数種類の被印字粘着テープ150のうち、いずれの種類の被印字粘着テープ150が用いられる場合でも、当該被印字粘着テープ150に対応した印字済み粘着テープ150′のテープ幅方向両端部には、いずれのガイドローラ71も接触しないようになっている。
<第3巻芯部材>
ここで、前述したように、上記第3収納部6には、上記第3ロールR3が収納される。第3ロールR3は、上記第3巻芯部材40の外周側に対し、上記引き剥がし部13において印字済み粘着テープ150′から剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ152,153が順次巻回されることによって形成される。
図16及び図17に示すように、第3巻芯部材40は、上記軸心O3を軸とする略円筒状の内筒41と、第1外筒42と、第2外筒43と、略円筒状の紙芯44(巻筒又は円筒部)とを備えている。
第1外筒42は、内筒41の軸方向(すなわち軸心O3方向)に沿って一方側端部(詳細には左端部)の外周側に装着される。この第1外筒42は、略円筒状の円筒部45と、円筒部45の左端部に一体的に形成された略円環状のフランジ46(第1位置決め部)とを備えている。
第2外筒43は、内筒41の軸方向(すなわち軸心O3方向)に沿って他方側端部(詳細には右端部)の外周側に装着される。この第2外筒43は、略円筒状の円筒部47と、円筒部47の右端部に一体的に形成された略円環状のフランジ48(第2位置決め部)とを備えている。
紙芯44は、上記印字済み粘着テープ152,153を、テープ幅方向が軸心O3方向となるように、外周側に巻き付けるための部材である。この紙芯44は、第1外筒42の円筒部45及び第2外筒43の円筒部47の外周側(言い換えれば、第1外筒42におけるフランジ46の右端面46a及び第2外筒43におけるフランジ48の左端面48a(後述の図23等参照)の間の空間)に装着される。なお、本明細書中では、フランジ46の右端面46aとフランジ48の左端面48aとの間の、軸心O3方向に沿った離間距離を「w」で表している。また、図16中では、第1外筒42の円筒部45及び第2外筒43の円筒部47の外周側に紙芯44が装着されていない状態を図示し、図17中では、紙芯44の外周側に印字済み粘着テープ152,153が巻き付けられていない状態を図示している。
そして、第3巻芯部材40が上記第3収納部6に上方から受け入れられ、上記支持ブラケットRBで支持されるように収納されると、紙芯44の外周側に印字済み粘着テープ152,153が順次巻き付けられつつ、第3巻芯部材40全体が軸心O3まわりに回転する。これにより、紙芯44の外周側に印字済み粘着テープ152,153が順次巻回されて、上記第3ロールR3が形成される。
ここで、前述したように、ユーザの好みや用途により、互いにテープ幅方向寸法が異なる種々の被印字粘着テープ150が用いられる場合がある。本実施形態では、それら種々の被印字粘着テープ150に対応した印字済み粘着テープ152,153を巻回できるように、互いにテープ幅方向寸法の異なる複数種類の紙芯44が個別に用意され、使用可能となっている。そして、各印字済み粘着テープ152,153にそれぞれ対応した各紙芯44を適宜に選択し、第1外筒42及び第2外筒43の外周側に装着するとき、当該紙芯44の軸心O3方向寸法に合わせて、上記離間距離wを変えることができるようにする。以下、図16〜図24を参照しつつ、その詳細について説明する。
なお、図16、図17、図21、及び図23に示す例は、被印字粘着テープ150のテープ幅方向寸法が比較的大きい場合の例であり、当該被印字粘着テープ150に対応した印字済み粘着テープ150′及び紙芯44が図示されている。一方、図22及び図24に示す例は、被印字粘着テープ150のテープ幅方向寸法が比較的小さい場合の例であり、当該被印字粘着テープ150に対応した印字済み粘着テープ150′及び紙芯44が図示されている。また、図21及び図22は対応する図であり、図23及び図24は対応する図である。
図16及び図17に示すように、上記内筒41の一方側(詳細には左方側)の外周部には、周方向に沿って等間隔で複数(この例では3つ)の周方向位置41a,41a,41a(図16及び図17中では2つの周方向位置41a,41aのみ示す)が設定されている。各周方向位置41a,41a,41aの軸心O3方向複数箇所には、係合溝41bがそれぞれ形成されている。なお、各周方向位置41a,41a,41aの軸心O3方向複数箇所にそれぞれ形成された複数の係合溝41bが、各請求項記載の被係合部を構成する。一方、上記内筒41の他方側(詳細には右方側)の外周部には、周方向に沿って等間隔で複数(この例では3つ)の凹部41c,41c,41cが形成されている。
また、上記第1外筒42の円筒部45には、内筒41側の周方向位置41a,41a,41aに対応して、周方向に等間隔で複数(この例では3つ)の内外筒係脱部49,49,49が形成されている。各内外筒係脱部49,49,49は、円筒部45の径方向(以下適宜、単に「径方向」と称する)に撓み変形可能な平板部49a(撓み部)と、平板部49aから径方向外側に突出した複数(この例では3つ)の凸部49b,49b,49b(以下適宜、凸部49b,49b,49bを総称して「凸部49b群」と称する)と、平板部49aから径方向内側に突出した突起部49cとを備えている。
また、上記第2外筒43の円筒部47には、内筒41側の凹部41c,41c,41cに対応して、周方向に等間隔で複数(この例では3つ)の周方向位置47a,47a,47aが設定されている。各周方向位置47a,47a,47aには、円筒部47の内周部から当該円筒部47の径方向内側に突出した複数(この例では2つ)の凸部471,471(以下適宜、凸部471,471を総称して「凸部471群」と称する)が形成されている。
ここで、上記のような構成を備えた第3巻芯部材40の組み上げ手順の一例について説明する。すなわち、第3巻芯部材40を組み上げる際には、まず、第1外筒42の円筒部45が、内筒41の左端部の外周側に外挿される。この時点では、円筒部45の外周側にまだ紙芯44が装着されておらず、図18〜図20に示すように、円筒部45の各内外筒係脱部49,49,49は、突起部49cが内筒41側の複数の係合溝41bそれぞれと順次係合・離脱可能な状態、つまり突起部49cの係合部41bへの係合を解除可能として第1外筒42の軸心O3方向への移動を許容する状態となっている。これにより、第1外筒42は、軸心O3方向に移動可能となっている。このように構成されていることにより、ユーザは、後述のように第2外筒43の円筒部47が内筒41の右端部に取り付けられるときの、上記離間距離wを、紙芯44の軸心O3方向寸法に合わせて、適宜に調整することができる。なお、図18には、突起部49cが最も左端側の係合溝41bに係合した状態、図19には、突起部49cの上記最も左端側の係合溝41bへの係合が解除され、第1外筒42が上記図18に示す位置から右方側へ移動した状態、図20には、第1外筒42が上記図19に示す位置から右方側へ移動し、突起部49cが次の係合溝41bに係合した状態を表している。
そして、第1外筒42が、各内外筒係脱部49,49,49の突起部49cが紙芯44の幅方向寸法に対応した係合溝41bに係合するように、軸心O3方向に移動される。その後、図21及び図22に示すように、紙芯44が、左端部が第1外筒42におけるフランジ46の右端面46aに接触するように、左端部が当該フランジ46によって位置決めされつつ、第1外筒42の円筒部45の外周側に装着される。第1円筒部45の外周側に紙芯44が装着されたときには、円筒部45の各内外筒係脱部49,49,49は、凸部49b群が当該紙芯44の内周部により径方向内側に押圧されることによって、平板部49aが径方向内側に撓んで、突起部49cが内筒41側の複数の係合溝41bのうち当該紙芯44の幅方向寸法に対応した係合溝41bに係合して当該係合溝41bから離脱しない状態、つまり第1外筒42の軸心O3方向への移動を許容しない状態となる。これにより、第1外筒42は、軸心O3方向に移動不能となる。
そして、図23及び図24に示すように、第2外筒43の円筒部47が、外周側に紙芯44が存在する内筒41の右端部の外周部に着脱可能に取り付けられる(詳細には、紙芯44の右端部と内筒41の右端部との間に挿入される)。このとき、円筒部47は、各周方向位置47a,47a,47aの凸部471群が、紙芯44の右端部の内周部と、内筒41側の凹部41c,41c,41cそれぞれとの間に対し圧入されるように、紙芯44の右端部と内筒41の右端部との間に挿入される。またこのとき、紙芯44は、右端部が第2外筒43におけるフランジ48の左端面48aに接触するように、右端部が当該フランジ48によって位置決めされる。以上により、第3巻芯部材40が組み上がる。
<紙芯>
ここで、前述したように、第3巻芯部材40は、上記引き剥がし部13において印字済み粘着テープ150′から剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ152,153を軸心O3まわりに順次巻回するために用いられる。すなわち、第3巻芯部材40が全体として軸心O3まわりに回転することにより、紙芯44の外周側に印字済み粘着テープ152,153が順次巻き付けられる。そして、このような巻き付け動作を開始するときの円滑化を図るために、図17及び図25に示すように、第3巻芯部材40には、リーダテープ80(テープ片)が備えられている。
リーダテープ80は、一方側端部80aが紙芯44の外方へ向かって延出されると共に、他方側端部80aが紙芯44の内方に向かって延出されている。紙芯44への巻き付け対象となる上記印字済み粘着テープ152,153の端部は、リーダテープ80の一方側端部80aに例えば粘着等により接続される。なお、図17及び図25中では、リーダテープ80の一方側端部80aに印字済み粘着テープ152,153の端部が接続されていない状態を図示している。これにより、第3巻芯部材40が軸心O3まわりに回転し紙芯44が軸心O3まわりに回転することで、リーダテープ80の他方側端部80bが紙芯44の周方向に沿って移動する。この結果、リーダテープ80の反対側である一方側端部80aに接続された印字済み粘着テープ152,153が、リーダテープ80の移動と共に引っ張り込まれ、順次、紙芯44の外周部に巻き付けられる。
ここで、仮に、リーダテープ80の他方側端部80bを単純に紙芯44の外周面に貼り付けた構造(以下適宜、「外周貼り付け構造」という)とした場合を考える。この構造では、リーダテープ80の一方側が、当該貼り付け部位に対し、回転方向と反対側となるように貼り付けられている場合には、第3巻芯部材40が軸心O3まわりに回転してリーダテープ80の一方側端部80aが上記のように引っ張られるときに当該貼り付け部位を引き剥がす向きに力は作用せず、問題はない。しかしながら、リーダテープ80の一方側が、当該貼り付け部位に対し、回転方向側となるように貼り付けられている場合には、第3巻芯部材40が軸心O3まわりに回転してリーダテープ80の一方側端部80aが上記のように引っ張られるときに当該貼り付け部位を引き剥がす向きに力が作用し、貼り付け部位の耐久性が低下する。すなわち、上記貼り付け構造とした場合には、第3巻芯部材40の回転方向によっては、リーダテープ80と紙芯44の一体性に難が生じるおそれがある。
そこで本実施形態においては、上記の弊害を回避するために、第3巻芯部材40には、リーダテープ80の他方側端部80bを当該第3巻芯部材40の回転方向に応じて切替可能に支持する構成が備えられている。以下、図17及び図25〜図27を参照しつつ、その詳細について説明する。
図17及び図25〜図27に示すように、紙芯44には、当該紙芯44の径方向内側と径方向外側とを貫通する貫通孔44aが設けられている。このとき、上記リーダテープ80の他方側端部80bは、紙芯44の径方向外側から貫通孔44aを貫通して紙芯44の径方向内側へ挿通され、例えばテープや接着剤等の適宜の固定手段(接続手段。図示省略)により紙芯44の内周面(内周部)に対し固定(接続)されている。なお、上記貫通孔44a及び適宜の固定手段が、各請求項記載のテープ片支持機構を構成する。このとき、上記固定手段を用いずに、紙芯44の径方向内側に挿通されたリーダテープ80の他方側端部80bを、紙芯44の内周部に対し拘束又は係合等により接続してもよい。なお、図25及び図26中では、リーダテープ80の他方側端部80bが紙芯44の内周面に対し固定されていない状態を図示している。
また、本実施形態では、リーダテープ80のテープ幅方向(すなわち軸心O3方向)における中心位置P1と、紙芯44の貫通孔44aの軸心O3方向における中心位置P2と、紙芯44の軸心O3方向における中心位置P3とは、互いに略一致している。言い換えれば、リーダテープ80、貫通孔44a、及び紙芯44が、軸心O3方向に線対称な構造となっている。
そして、上記のようにリーダテープ80の他方側端部80bが紙芯44の内周面に対し固定されることにより、他方側端部80bは、反対側の一方側端部80aが紙芯44の外周部の周方向一方側(詳細には時計回り側)に沿うような態様となる第1位置(図27(a)に示す状態)と、反対側の一方側端部80aが紙芯44の外周部の周方向他方側(詳細には反時計回り側)に沿うような態様となる第2位置(図27(b)に示す状態)との、いずれにも切り替え可能になっている。
すなわち、第3巻芯部材40が一方側(詳細には時計回り側)に回転する場合には、図27(a)に示すように、リーダテープ80の他方側端部80bが上記第1位置となり、リーダテープ80の一方側端部80aが、紙芯44の外周部の周方向一方側に沿うような態様となる。また、第3巻芯部材40が他方側(詳細には反時計回り側)に回転する場合には、図27(b)に示すように、リーダテープ80の他方側端部80bが上記第2位置となり、リーダテープ80の一方側端部80aが、紙芯44の外周部の周方向他方側に沿うような態様となる。
<本実施形態による効果>
以上説明したように、本実施形態においては、筐体2に設けた第1凸部5a及び第2凸部7aが、第1係合部材L1及び第2係合部材L2のアンロック状態への切り替えタイミングを制御する。すなわち、第1係合部材L1に対し第1操作力を与えてアンロック状態へ切り替えた後に、第2係合部材L2に対し第2操作力を与えてアンロック状態への切り替えるようにする。これにより、先に第1ロールR1が回転可能となった後に、第2ロールR2が回転可能となる。この結果、少なくとも、第2ロールR2のみが回転し引き剥がし分岐点がずれることによる、上述の引き剥がし動作不良の発生を回避することができる。
また、本実施形態では特に、第1凸部5aが第1操作力を与えた後のタイミングで第2凸部7aが第2操作力を与えるように、構成されている。これにより、粘着テープカートリッジTKを筐体2に装着すると、先に第1凸部5aが第1係合部材L1に対し第1操作力を与えてアンロック状態へ切り替え、その後、第2凸部7aが第2係合部材L2に対し第2操作力を与えてアンロック状態へ切り替える。これにより、先に第1ロールR1を回転可能とした後に第2ロールR2を回転可能とする構成を、確実に実現することができる。
また、本実施形態では特に、筐体2における、第1凸部5aの上端部の高さ方向位置は、第2凸部7aの上端部の高さ方向位置よりも高くなっている。これにより、第1収納部5及び第2収納部7に対し第1ロールR1及び第2ロールR2がそれぞれ上方から挿入される際、先に第1凸部5aの第1操作力によって第1ロールR1を回転可能とした後、第2凸部7aの第2操作力によって第2ロールR2を回転可能とする構成を確実に実現することができる。
また、本実施形態では特に、連結アーム21の後方側に固定された第1係合部材L1の係合片部36aが、第1操作力の非入力時には第1巻芯部材30の係合凹部34に係合すると共に、第1操作力の入力時には略水平方向に移動することで上記係合片部36aへの係合を解除し、連結アーム21の前方側に固定された第2係合部材L2の係合片部56aが、第2操作力の非入力時には第2巻芯部材50の係合凹部54に係合すると共に、第2操作力の入力時には略水平方向に移動することで上記係合片部56aへの係合を解除する。これにより、ロック状態では第1ロールR1及び第2ロールR2を第1係合部材L1及び第2係合部材L2でそれぞれ連結アーム21側に対し固定し、確実に回転不能とすることができる。また、アンロック状態では第1係合部材L1及び第2係合部材L2の略水平方向への移動によって上記固定を解除し、第1ロールR1及び第2ロールR2をそれぞれ確実に回転可能とすることができる。
また、本実施形態では特に、第1係合部材L1は、軸心O1を軸心とする第1ブラケット部22の第1貫通孔22aを介し、当該軸心O1に沿った当該第1ブラケット部22の外方から挿入され、係合片部36aが当該軸心O1を軸心とする第1巻芯部材30の係合凹部34に係合し、第2係合部材L2は、軸心O2を軸心とする第2ブラケット部24の第2貫通孔24aを介し、当該軸心O2に沿った当該第2ブラケット部24の外方から挿入され、係合片部56aが当該軸心O2を軸心とする第2巻芯部材50の係合凹部54に係合する。これにより、連結アーム21の後方側の軸心O1まわり及び前方側の軸心O2まわりにおいて、ロック状態での第1ロールR1及び第2ロールR2の固定とアンロック状態での第1ロールR1及び第2ロールR2の解放とを、容易に実現することができる。
また、本実施形態においては、連結アーム21及びガイド部材60の着脱部(凹部27)は、互いにテープ幅方向寸法が異なる上記複数種類の被印字粘着テープ150で共通とする。そして、その共通の連結アーム21及びガイド部材60の着脱部(凹部27)に対し、各テープ幅方向寸法ごとに別個の第1ロールR1、第2ロールR2、及びガイド部材60を用意して組み立てる構成とする。またこのとき、本実施形態では、互いに異なる複数種類の被印字粘着テープ150に対し、それぞれのテープ幅方向寸法に対応したガイド部材60が個別に用意され、使用可能となっている。そして、各被印字粘着テープ150にそれぞれ対応した各ガイド部材60を適宜に選択し、連結アーム21に設けた凹部27に装着することで、印字済み粘着テープ150′の幅方向両端部のガイドを行って、印字済み粘着テープ150′を円滑に通過させることができる。
以上のように、本実施形態によれば、ユーザのニーズに応じて複数種類の被印字粘着テープ150を使用可能としつつその搬送円滑化を図る構成において、連結アーム21及びガイド部材60の着脱部(凹部27)を当該複数種類の被印字粘着テープ150で共通化することができる。これにより、第1ロールR1、第2ロールR2、連結アーム21、及びガイド部材60のすべてを、テープ幅方向寸法ごとに別々に用意する場合に比べて、製造コストの低減を図ることができる。
また、本実施形態では特に、ガイド部材60は、ロール連結ビーム26,26の間に形成された上向き開口の凹部27に対し装着される。これにより、ロール連結ビーム26,26の間の凹部27に対し、各種類の被印字粘着テープ150に対応した1つのガイド部材60を上方から装着し、当該被印字粘着テープ150に対応した印字済み粘着テープ150′のテープ幅方向両端部を確実にガイドすることができる。
また、本実施形態では特に、ガイド部材60は、基板部61,61と、基板部61,61から下向きに突出して設けられ、凹部27に嵌合する凸部62,62とを備えている。そして、ロール連結ビーム26,26の間の凹部27に対し、上方から凸部62,62を嵌め込むことで、各種類の被印字粘着テープ150に対応した1つのガイド部材60を安定的に装着することができる。
また、本実施形態では特に、ガイド部材60は、上向きに突出しつつ、所望の幅方向寸法と略等しい離間距離dで互いに離間して配置され、印字済み粘着テープ150′のテープ幅方向両端部にそれぞれ略接触する、ガイド部63b,63bを備える。これにより、ロール連結ビーム26,26間の凹部27に下方の凸部62,62が嵌り込み安定的に保持された状態のガイド部材60において、上方に設けたガイド部63b,63bが印字済み粘着テープ150′の幅方向両端部をそれぞれガイドし、円滑かつ安定的に通過させることができる。
また、本実施形態では特に、ガイドローラ機構70において、印字済み粘着テープ150′への接触が行われない非接触部72を設けている。このとき特に、前述のような複数種類の被印字粘着テープ150が選択的に使用されることに対応して、回転軸心AX方向に沿って並んで配置される複数の分割ガイドローラ71間を上記非接触部72とし、各非接触部72の位置を、上記複数種類の粘着テープに対応した印字済み粘着テープ150′それぞれのテープ幅方向両端部の位置に合致させている。これにより、上記複数種類の被印字粘着テープ150のうちいずれの種類の被印字粘着テープ150が用いられる場合でも、当該被印字粘着テープ150に対応した印字済み粘着テープ150′のテープ幅方向両端部には分割ガイドローラ71は接触しない。この結果、全種類の被印字粘着テープ150に共通な構造のガイドローラ機構70により、円滑かつ確実に印字済み粘着テープ150′の搬送を行うことができる。
また、本実施形態においては、内外筒係脱部49,49,49による係合動作が、ユーザによる紙芯44の装着動作に連動している。すなわち、内外筒係脱部49,49,49は、紙芯44が第1外筒42に装着されないうちは内筒41の各係合溝41bへの第1外筒42の突起部49cの係合を解除可能とし、これによって第1外筒42は軸心O3方向移動が可能である。そして、紙芯44が第1外筒42に装着されると、内外筒係脱部49,49,49が、内筒41の各係合溝41bへ第1外筒42の突起部49cを係合させ、これによって第1外筒42は軸心O3方向移動できなくなる。このような連動を実現することで、本実施形態においては、紙芯44が装着されるまでテープ幅方向寸法を容易に調整できる状態と、紙芯44が装着された後における当該テープ幅方向寸法を不変にロックする状態との両立を図ることができる。これにより、ユーザの用途、好み等に応じて種々の被印字粘着テープ150に対応した印字済み粘着テープ152,153を巻回する際の、ユーザの操作負担を低減し、利便性を向上することができる。
また、本実施形態では特に、内外筒係脱部49,49,49は、紙芯44が第1外筒42に装着されないうちは内筒41の各係合溝41bへの第1外筒42の突起部49cの係合を解除可能とし、紙芯44が第1外筒42に装着されるといずれか1つの係合溝41bへ第1外筒42の突起部49cを係合させる。これにより、内外筒係脱部49,49,49による係合動作を、ユーザによる紙芯44の装着動作に確実に連動させることができる。
また、本実施形態では特に、紙芯44が第1外筒42に装着されると、内外筒係脱部49,49,49の凸部49bが紙芯44によって径方向内側に押圧される。これにより、凸部49bが設けられた平板部49aが径方向内側に撓み、突起部49cがいずれか1つの係合溝41bへ係合する。これにより、ユーザによる紙芯44の装着動作を、確実に係合溝41bへの係合動作に連動させることができる。
また、本実施形態では特に、紙芯44の左端部を位置決めする第1外筒42のフランジ46と、紙芯44の右端部を位置決めする第2外筒43のフランジ48との離間距離wが調整される。これにより、テープ幅方向寸法が互いに異なる種々の被印字粘着テープ150に対応した印字済み粘着テープ152,153に対応しつつ、確実に各印字済み粘着テープ152,153を紙芯44に巻き付けることができる。
また、本実施形態では特に、第2外筒43は、内筒41の右端部の外周部への装着時に、紙芯44の右端部の内周側に対し圧入により取り付けられる。これにより、紙芯44を先に左方側から第1外筒41の外周側へと外挿配置して上記内外筒係脱部49,49,49の係合を実行した後に、紙芯44の右端部に第2外筒43を堅固に取り付けることができる。
また、本実施形態においては、第3巻芯部材40に、リーダテープ80の他方側端部80bを当該第3巻芯部材40の回転方向に応じて切替可能に支持する構成を設けている。この構成は、前述のような外周貼り付け構造とは異なり、リーダテープ80の他方側端部80bを、第3巻芯部材40の回転方向に応じて切替可能に支持する。すなわち、第3巻芯部材40が一方側(時計回り側)に回転する場合にはリーダテープ80の他方側端部80bが上述の第1位置となり、リーダテープ80の一方側端部80aが、紙芯44の外周部の周方向一方側(時計回り側)に沿うような態様となる。また、第3巻芯部材40が他方側(反時計回り側)に回転する場合にはリーダテープ80の他方側端部80bが上述の第2位置となり、リーダテープ80の一方側端部80aが、紙芯44の外周部の周方向他方側(反時計回り側)に沿うような態様となる。このような切替可能な柔軟な支持構造とすることにより、前述のような外周貼り付け構造と異なり、第3巻芯部材40の回転方向を問わず、リーダテープ80と紙芯44との一体性を良好に確保することができる。
また、本実施形態では特に、紙芯44の径方向内側に設けた上述の適宜の固定手段によってリーダテープ80の他方側端部80bを紙芯44の内周部に対し接続しつつ、貫通孔44aを介して紙芯44の径方向外側にリーダテープ80の一方側を延出する。これにより、第3巻芯部材40の回転方向を問わずリーダテープ80と紙芯44との一体性を良好に確保できる構成を、確実に実現することができる。
また、本実施形態では特に、上述の適宜の固定手段によって、リーダテープ80の他方側端部80bを、紙芯44の内周面に対し固定する。これにより、第3巻芯部材40の回転方向を問わずリーダテープ80と紙芯44とを堅固に固定し、それらの一体性を確保することができる。
また、本実施形態では特に、リーダテープ80、貫通孔44a、紙芯44のテープ幅方向中心位置P1,P2,P3が略一致しており、言い換えればそれらが軸心O3方向に線対称な構造となる。ここで、第3巻芯部材40の使用態様として、本実施形態のように、粘着テープ印刷装置1における筐体2の第3収納部6に装着されて回転駆動され、印字済み粘着テープ152,153を導入して巻き付ける場合に、上記のように第3巻芯部材40が軸心O3方向に線対称な構造であると、上記第3収納部6への装着時において、本来想定されていた装着方向とは逆方向に誤って装着される場合もあり得る。このような場合、第3収納部6に正しく装着されたときに回転駆動される方向とは逆方向に第3巻芯部材40が回転駆動されることになる。上述したように、リーダテープ80の他方側端部80bを第3巻芯部材40の回転方向に応じて切替可能に支持する構成を用いることで、第3巻芯部材40の回転方向を問わずリーダテープ80と紙芯44との一体性を良好に確保できるので、上記のように第3巻芯部材40が軸心O3方向に線対称な構造である場合に、特に効果的である。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、図28に示すように、図11等に示すガイド部材60に代えて設けたガイド部材60′を、連結アーム21のロール連結ビーム部26,26の間の凹部27に着脱可能に装着してもよい。
ガイド部材60′は、左・右一対のガイド部63′,63′間の離間距離dを調整可能に構成されており、ガイド部63′,63′は、搬送されてくる印字済み粘着テープ150′(図28中では図示省略)のテープ幅方向寸法(所望の幅方向寸法)と略等しい離間距離dで互いに離間して配置される。これにより、搬送されてくる印字済み粘着テープ150′は、凹部27に保持された状態のガイド部材60′のガイド部63′,63′間を、テープ幅方向を左右方向としたテープ姿勢で通過する。このとき、当該ガイド部63′,63′の内側に、印字済み粘着テープ150′のテープ幅方向両端部が略接触して、当該テープ幅方向のガイドがそれぞれ行われる。これにより、印字済み粘着テープ150′を円滑に通過させることができる。
なお、以上においては、第1外筒42及び第2外筒43の外周側に紙芯44を装着し、当該紙芯44の外周側に印字済み粘着テープ152,153を巻き付けていたが、これに限られない。例えば、第1外筒42及び第2外筒43の外周側に専用の筒状部材(巻筒)を固定し、当該専用の筒状部材の外周側に印字済み粘着テープ152,153を巻き付けてもよい。なお、この場合、専用の筒状部材は、適宜の固定方法により固定される。
また、以上においては、本発明を、被印字粘着テープ150に対し印字を行う粘着テープ印刷装置1に適用した場合を例にとって説明したが、これに限られず、粘着テープに対し印字以外の処理を行うテープ処理装置に適用することも可能である。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。