JP2014066958A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイングパノラマにて合成されるべき各入力画像の露出を適正化する。
【解決手段】カメラをスイングさせながら複数の入力画像を順次撮影する。各入力画像に切り出し領域CRを設定し、各入力画像の切り出し領域CR内の画像をスイング方向に沿ってつなぎ合わせることでパノラマ合成画像を生成する。輝度評価部は、スイング方向が右方向であるときには各入力画像の切り出し領域CRの右側にAE評価領域(330R’)を設定する一方、スイング方向が左方向であるときには各入力画像の切り出し領域CRの左側にAE評価領域(330L’)を設定して、AE評価領域内の被写体輝度を評価する。AE評価領域には次フレーム以降の切り出し領域CRの対応領域が含まれる。露出制御部は、その評価結果に基づき各入力画像の露出制御を行う。
【選択図】図17
【解決手段】カメラをスイングさせながら複数の入力画像を順次撮影する。各入力画像に切り出し領域CRを設定し、各入力画像の切り出し領域CR内の画像をスイング方向に沿ってつなぎ合わせることでパノラマ合成画像を生成する。輝度評価部は、スイング方向が右方向であるときには各入力画像の切り出し領域CRの右側にAE評価領域(330R’)を設定する一方、スイング方向が左方向であるときには各入力画像の切り出し領域CRの左側にAE評価領域(330L’)を設定して、AE評価領域内の被写体輝度を評価する。AE評価領域には次フレーム以降の切り出し領域CRの対応領域が含まれる。露出制御部は、その評価結果に基づき各入力画像の露出制御を行う。
【選択図】図17
Description
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置に関する。
スイングパノラマとも呼ばれるパノラマ撮影機能がデジタルカメラに搭載されることも多い。スイングパノラマでは、カメラを水平や垂直方向に振りながら複数の入力画像の順次撮影を行い、複数の入力画像をイメージモザイキング法によって貼りあわせ合成することで各入力画像よりも画角の広いパノラマ合成画像を生成する。図26(a)及び(b)において、符号900はパノラマ合成画像として取得されるべき全景を表し、矩形領域901、902は、夫々、第i番目、第(i+1)番目の入力画像の撮影時における撮影領域を表し、符号905は、被写体の1つである太陽を表している(iは整数)。図26(a)及び(b)の例では、パノラマ撮影中、図面の右方向に向かってカメラがスイングされている。一般的には例えば、各入力画の中央に切り出し領域CRを設定して各入力画像から切り出し領域CR内の画像(画像信号)を切り出し、切り出した各画像をスイング方向に沿ってつなぎ合わせることでパノラマ合成画像910(図27参照)を得る。
一方、デジタルカメラには、通常、撮影画像の露出の適正化を図る露出制御機能が設けられている。尚、特許文献1において以下のような方法も提案されている。最初の静止画像(入力画像)の撮影時にISO感度を最大に設定して撮影を行い、以降の静止画像の撮影時には前記ISO感度を最大に設定したままで且つ撮影された前記最初の静止画像の露出に合うようにシャッタ速度を設定する(特許文献1の請求項10参照)。
パノラマ撮影中の露出制御方法として、パノラマ撮影中には、露出条件(絞り値、シャッタ速度、撮影感度など)を固定しておくという第1制御方法も検討される。但し、露出条件を固定した場合、撮影終了時近辺の露出が異常になることがある。例えば、露出条件を固定した状態において、撮影領域の明るさがカメラのスイング方向に沿って徐々に暗くなるようなシーンをパノラマ撮影すると、撮影開始時近辺の領域は適正露出で撮影されるが、撮影終了時近辺は露出アンダーで撮影され、結果、得られるパノラマ合成画像に適正露出の画像領域と露出アンダーの画像領域が混在することになる。
動画像撮影用の露出制御として一般的に利用されるコンティニアスAEを、パノラマ撮影中の露出制御に適用する方法(以下、第2制御方法という)も検討される。第2制御方法では、パノラマ撮影中に逐次測光処理を行い、各時刻の測光処理結果に基づき露出条件を更新してゆく(特許文献1の方法は、この第2制御方法に近い)。典型的なコンティニアスAEでは、現フレームの撮影領域の全体がAE評価領域として設定され、AE評価領域内の輝度(即ち撮影領域の全体輝度)に応じて次フレームの露出条件が決定される。
但し、第2制御方法を採用した場合、以下のような不都合が生じることがある。
図26(a)又は(b)に示すように、パノラマ撮影中の或る特定時刻において太陽905が切り出し領域CRの左側(即ちスイング方向の反対側)に位置している場合、当該特定時刻又は特定時刻後に得られる入力画像からは太陽を含まない画像信号(図26(a)又は(b)の切り出し領域CR内の画像信号)しか切り出されないのにかかわらず、特定時刻又は特定時刻後での測光処理の結果が高輝度の太陽905の影響を受けるため、当該特定時刻又は特定時刻後の露出が不必要に低露出とされる。即ち、パノラマ合成画像に含められる、図26(a)、(b)の切り出し領域CR内の画像が異常に暗くなる。従って例えば、切り出し領域CRの左側に位置する白飛び領域(太陽905の画像領域に相当)に引っ張られたような露出制御が特定時刻及び特定時刻以後にも行われる(白飛び領域の影響を受けて過度に露出が低くされる)。黒潰れ領域が存在する場合も同様である。
図26(a)又は(b)に示すように、パノラマ撮影中の或る特定時刻において太陽905が切り出し領域CRの左側(即ちスイング方向の反対側)に位置している場合、当該特定時刻又は特定時刻後に得られる入力画像からは太陽を含まない画像信号(図26(a)又は(b)の切り出し領域CR内の画像信号)しか切り出されないのにかかわらず、特定時刻又は特定時刻後での測光処理の結果が高輝度の太陽905の影響を受けるため、当該特定時刻又は特定時刻後の露出が不必要に低露出とされる。即ち、パノラマ合成画像に含められる、図26(a)、(b)の切り出し領域CR内の画像が異常に暗くなる。従って例えば、切り出し領域CRの左側に位置する白飛び領域(太陽905の画像領域に相当)に引っ張られたような露出制御が特定時刻及び特定時刻以後にも行われる(白飛び領域の影響を受けて過度に露出が低くされる)。黒潰れ領域が存在する場合も同様である。
露出の適正化が重要であることは言うまでもない。
そこで本発明は、合成されるべき複数の入力画像の露出適正化に寄与する撮像装置を提供することを目的とする。
本発明に係る撮像装置は、撮影によって被写体の画像を取得する撮像素子と、測光処理を用いて被写体輝度を評価する輝度評価部と、前記輝度評価部の評価結果に基づき撮影における露出制御を行う露出制御部と、を備えた撮像装置であって、当該撮像装置の動きを伴いながら前記撮像素子にて順次取得される複数の入力画像を合成することで各入力画像よりも画角の広い出力画像を生成する合成処理部と、当該撮像装置の動き方向を検出する動き検出部と、を更に備え、前記輝度評価部は、前記動き方向に応じて、各入力画像に対する前記被写体輝度の評価条件を変更することを特徴とする。
撮像装置の動き方向に応じて、各入力画像の露出制御の元となる被写体輝度の評価条件を適応的に変化させることにより、スイング方向に適した露出制御を行うことが可能となる。例えば、被写体輝度の評価領域の位置をスイング方向に適した位置に設定したり、評価時の重み付けをスイング方向に適したものにするといったことが可能となる。結果、スイング方向に適した各入力画像の露出制御が実現可能となる。
本発明に係る他の撮像装置は、撮影によって被写体の画像を取得する撮像素子と、撮影によって取得される画像内に評価領域を設定し、測光処理を用いて前記評価領域の被写体輝度を評価する輝度評価部と、前記輝度評価部の評価結果に基づき撮影における露出制御を行う露出制御部と、を備えた撮像装置であって、当該撮像装置の動きを伴いながら前記撮像素子にて順次取得される複数の入力画像の夫々に切り出し領域を設定し、各入力画像の切り出し領域内の画像信号を合成することで各入力画像よりも画角の広い出力画像を生成する合成処理部を更に備え、前記輝度評価部は、前記切り出し領域に応じて各入力画像に前記評価領域を設定することを特徴とする。
上述の第2制御方法の如く、単純に各入力画像の全体領域を評価領域に設定すると、第2制御方法の説明で述べたような不適切な露出制御(過度の低露出又は高露出等)が行われることがある。上記の如く、切り出し領域に応じて評価領域を設定することにより、切り出し領域の被写体輝度に適応した評価結果を得ることができ、切り出し領域の被写体輝度に適応した適切な露出制御を実現可能となる。
本発明によれば、合成されるべき複数の入力画像の露出適正化に寄与する撮像装置を提供することが可能である。
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、状態量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、状態量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
図1は、本発明の実施形態に係るカメラ1の概略全体ブロック図である。撮像装置であるカメラ1は、静止画像及び動画像を撮影及び記録可能なデジタルビデオカメラ、又は、静止画像のみを撮影及び記録可能なデジタルスチルカメラである。また、カメラ1は、携帯電話機などの携帯端末に搭載されるものであっても良い。カメラ1は、符号11〜16によって参照される各部位を備える。表示部13は、カメラ1の外部に設けられた表示装置であっても良い。
撮像部11は、撮像素子を用いて被写体の撮影を行う。図2は、撮像部11の内部構成図である。撮像部11は、光学系35と、絞り32と、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどから成る撮像素子(固体撮像素子)33と、ドライバ34と、を有している。光学系35は、撮像部11の光軸方向に移動可能な、撮像部11の画角調整用のズームレンズ30及び焦点合わせ用のフォーカスレンズ31を含む。ドライバ34は、主制御部12からの制御信号に基づき、レンズ30及び31の位置並びに絞り32の開度(即ち絞り値)を制御する。撮像素子33は、水平及び垂直方向に複数の受光画素が配列されることによって形成され、各受光画素は、光学系35及び絞り32を介して入射した被写体像(被写体の光学像)を光電変換することで、被写体像の信号を撮像部11の出力信号として出力する。
主制御部12は、信号処理回路、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等にて形成され、撮像部11の出力信号に対して所定の信号処理を施すことで、撮像部11による被写体の撮影画像の画像信号を生成する。表示部13は、液晶ディスプレイパネル等の表示画面を有する表示装置であり、主制御部12の制御の下、任意の映像を表示する。記録媒体14は、カード状半導体メモリや磁気ディスク等の不揮発性メモリであり、主制御部12による制御の下、撮影画像の画像信号等を記録する。操作部15は、ユーザからの各種操作を受け付ける。タッチパネルを用いて操作部15が形成されうる。カメラ動き検出部16は、カメラ1の動きを検出する。
図3は、カメラ1の概略的な外観を、カメラ1の被写体SUBと共に示した図である。図3では、被写体SUBの例として1人の人物を示しているが、被写体SUBは1以上の任意の被写体から成る。一点鎖線AXOPTは、撮像部11(光学系35)の光軸を表す。本実施形態では、説明の便宜上、被写体SUBを含む各被写体は実空間上で静止しているものとする。カメラ1の撮影画像は動画像として表示部13に表示され、撮影者は、表示部13の表示内容を確認しながら各種の撮影操作を行うことができる。以下では、撮影部11にて撮影された静止画像(即ち、撮像素子33の出力信号に基づく静止画像)を入力画像と呼ぶ。
カメラ動き検出部16の動きの検出対象には、カメラ1のヨー方向の回転運動、カメラ1のピッチ方向の回転運動及びカメラ1の並進運動が含まれる。ヨー方向、ピッチ方向の回転運動は、夫々、カメラ1の光学中心を固定した状態でカメラ1及び光軸AXOPTを水平方向、垂直方向に回転させる運動である。カメラ1の並進運動は、カメラ1及び光軸AXOPTを水平又は垂直方向に平行移動させる運動である。水平方向は左右方向に対応し、垂直方向は上下方向に対応する。
以下では、カメラ1の動き方向をスイング方向と呼び、スイング方向を以下のように定義する。図4(a)及び(b)に示す如く、被写体SUBに正対させたカメラ1を右方向に回転させるヨー方向の回転運動若しくは右方向に平行移動させる並進運動又はそれらの組み合わせ運動によるスイング方向は、右方向である。図4(c)及び(d)に示す如く、被写体SUBに正対させたカメラ1を左方向に回転させるヨー方向の回転運動若しくは左方向に平行移動させる並進運動又はそれらの組み合わせ運動によるスイング方向は、左方向である。上及び下方向についても同様である(図4(e)〜(h)参照)。以下では、スイング方向が右、左、上、下方向である状態でカメラ1が運動することを、夫々、カメラ1が右、左、上、下方向に動くなどと表現する。
カメラ動き検出部16は、少なくとも、スイング方向が右、左、上及び下方向の何れであるのかを分類して検出することができる(或いは、スイング方向が右及び左方向のどちらであるのかのみ、又は、スイング方向が上及び下方向のどちらであるのかのみを分類して検出する)。動き検出部16は、スイング方向を5段階以上に分類して検出できても良いし、カメラ1の動きの速度(大きさ)を検出できても良い。勿論、動き検出部16は、カメラ1が静止しているか否かを検出することもできる。動き検出部16は、カメラ1の動きに応じた信号を出力する動きセンサ(角加速度センサ、加速度センサなど)を用いて、スイング方向等の検出を行っても良い。或いは、動き検出部16は、撮像素子33の出力信号に基づき、スイング方向等の検出を行っても良い。撮像素子33の出力信号に基づく動き検出方法は公知であるので、詳細な説明を割愛する。例えば、代表点マッチング法を用いて導出したフレーム間(時間的に隣接する入力画像間)のオプティカルフローを用いて当該検出を行うことができる。
図5の画像300は、撮像素子33の有効画素領域内に結像される画像に基づく、任意の入力画像(静止画像)である。X軸及びY軸は、夫々、入力画像300の水平及び垂直方向に平行な軸であり、入力画像300の中心Oにて互いに直交する。入力画像300においても、右、左、上及び下方向が定義される。カメラ1から見て光軸AXOPTより右、左、上、下側に被写体SUBが位置するとき、その被写体SUBを撮影することで得た入力画像300上において、被写体SUBは中心Oよりも、夫々、右、左、上、下側に位置することになる。
カメラ1が右方向に動いている期間中に取得された入力画像列上では、図6(a)に示す如く、時間の経過と共に被写体SUBが左方向に向かって動き、カメラ1が左方向に動いている期間中に取得された入力画像列上では、図6(b)に示す如く、時間の経過と共に被写体SUBが右方向に向かって動く。上及び下についても同様である。入力画像列とは、時系列上に並ぶ複数の入力画像の集まりを指す。入力画像列上において被写体SUBが動く方向を画像流れ方向と呼ぶ。画像流れ方向はスイング方向の逆方向である。
図7は、カメラ1の一部ブロック図であり、符号21〜25によって参照される各部位が主制御部12に設けられる。信号処理部21は、入力画像を表す撮像素子33の出力信号に対して所定の信号処理(デジタル化、信号増幅、デモザイキング処理、ノイズ低減処理等)を施す。
入力画像の露出条件は露出制御値によって指定され、露出制御値は、絞り制御値、シャッタ速度制御値及び感度制御値から成る。入力画像の撮影時における絞り値(F値)、シャッタ速度、及び感度(以下、撮影感度ともいう)は、夫々、絞り制御値、シャッタ速度制御値、感度制御値に従う。即ち、絞り値、シャッタ速度及び撮影感度にて規定される露出値は露出制御値に従う。絞り値、シャッタ速度又は撮影感度を調整することで入力画像の明るさ(輝度)を調整することができる。シャッタ速度は、入力画像の画像信号を得るための撮像素子33の露光時間の逆数を指す。撮影感度は、ISO感度(International Organization for Standardization)によって規定された感度)又はISO感度に応じた感度であり、撮影感度の調整によって、入力画像における輝度信号を含む画像信号の増幅率が調整される。即ち、信号処理部21は、上記信号処理の中で、撮像素子33の出力信号そのもの又は撮像素子33の出力信号に基づく画像信号を増幅することができ、撮影感度が増大すれば、その増幅の大きさも増大して、上記信号処理後の入力画像の明るさが増大する。
露出情報取得部22は、現在の露出条件(即ち、現在の絞り値、シャッタ速度及び撮影感度)と所定の目標輝度を含む露出情報を取得する。輝度評価部23は、測光処理によって任意の領域における被写体輝度を評価して、評価結果を含んだ評価輝度情報を出力する。被写体輝度は、実空間における被写体の明るさを表す。
露出制御部24は、露出情報取得部22及び輝度評価部23から供給される露出情報及び評価輝度情報に基づき、上記露出制御値を設定することで、入力画像の撮影における露出制御(入力画像の露出を適正にするための制御)を実現する。上述の如く露出値(露出量)は露出制御値に従うため、或る入力画像に対する露出制御値の設定は、当該入力画像の露出値の設定又は制御と同義であると考えても良く、露出制御は露出値の制御に相当すると考えても良い。図8を参照し、露出制御部24は、入力画像I[i]に関する露出情報及び評価輝度情報に基づき、入力画像I[i+n]の撮影時の露出制御値を設定することができる(iは整数、nは自然数)。任意の整数iに関し、入力画像I[i]は時刻tiにて撮影及び取得された入力画像である。従って、入力画像I[i+n]は時刻ti+nにて撮影及び取得された入力画像である。時刻ti+1は時刻tiよりも後の時刻である。
図7のパノラマ合成部(合成処理部)25は、パノラマ撮影期間(合成対象期間)中に何れかの方向へのカメラ1の動きを伴いながら撮影された複数の入力画像を、公知のイメージモザイキング法を用いて合成することにより各入力画像の画角よりも広い画角を有するパノラマ合成画像(出力画像)を生成する。但し、合成部25は、信号処理部21による信号処理が施された後の入力画像の画像信号を用いてパノラマ合成画像を生成する。ユーザは、操作部15を介してパノラマ撮影期間の開始及び終了時点を指定できる。
輝度評価部23はカメラ動き検出部16に連動した輝度評価を行うことができるが、その説明の前に、輝度評価部23の基本的な機能の説明を行う。輝度評価部23は、撮像素子33の有効画素領域内に(従って入力画像内に)複数の単位ブロックを設定する。以下では、図9(a)に示す如く、入力画像内に複数の単位ブロックが設定されると考える。入力画像は撮像素子33上に結像される画像であるので、入力画像に対するブロック又は領域の設定は、撮像素子33に対するブロック又は領域の設定と同義である。
輝度評価部23は、単位ブロックごとに、測光処理によって単位ブロック内の被写体輝度を評価し、評価した被写体輝度の値を持つブロック評価値を生成する。輝度評価部23は、図9(b)及び図9(c)に示す如く、入力画像内にAE評価領域を設定し、AE評価領域内に属する1以上の単位ブロックについての1以上のブロック評価値に基づき、AE評価領域内の被写体輝度に応じたAE評価値を求めて評価輝度情報(図7も参照)に含める。輝度評価部23にて導出される任意の情報は評価輝度情報に含められうる。図9(b)では、AE評価領域が単一の矩形領域になっているが、AE評価領域は互いに分離した複数の領域を含みうるし、AE評価領域の形状は矩形に限定されない。
輝度評価部23は、AE評価領域に属する単位ブロックを採用単位ブロックとして取り扱う。或る入力画像に関し、AE評価領域に属する採用単位ブロックの個数がJであるとし、第j番目の採用単位ブロックについてのブロック評価値及び重みを夫々記号Vj及びwjにて表し、且つ、AE評価値を記号EVAEにて表す(J及びjは自然数)。そうすると、AE評価値EVAEは、下記式(1)に従って求められる。重みwjは0より大きな値を持つ(重みw1〜wJの一部はゼロでありうる)。このように、輝度評価部23は、AE評価領域に属する単位ブロックについてのブロック評価値の重み付け加算(式(1)の右辺の分子の演算)を介して、AE評価値を求める。但し、全ブロック評価値の重み付け平均によってAE評価値が求められると考えても構わない。この場合、AE評価領域に属さない単位ブロックに対する重みがゼロに設定される。
露出制御部24は、入力画像ごとに求められるAE評価値が所定の目標値と一致するように、露出制御値を順次設定(更新)してゆくことができる。
測光処理において、輝度評価部23は、単位ブロックごとの被写体輝度に応じた信号を出力する露出計を用いて各ブロック評価値を得る。輝度評価部23は、撮像素子33を露出計として用いて撮像素子33の出力信号からブロック評価値(従ってAE評価値)を求めても良いし、撮像素子33とは別にカメラ1に設けられた露出計(不図示)を用いてブロック評価値(従ってAE評価値)を求めても良い。
輝度評価部23は、順次取得される各入力画像にAE評価領域を設定して各入力画像のAE評価領域内の被写体輝度を評価し、露出制御部24は、各評価結果(各入力画像のAE評価値)に応じた露出制御を行うが、この際、輝度評価部23は、カメラ動き検出部16にて検出されたスイング方向に応じて、被写体輝度の評価条件を変更することができる。該評価条件の変更によって評価輝度情報が変化するため、該評価条件の変更は露出制御に影響を与える。スポット測光方式、中央重点測光方式又はマルチ分割測光方式の測光処理を行う場合を例に挙げて、スイング方向に応じた、被写体輝度の評価条件の変更方法を説明する。
[スポット測光方式]
輝度評価部23にてスポット測光方式が採用された場合における、輝度評価部23の動作について説明する。この場合、入力画像I[i]に、互いに分離されない単一の部分領域(スポット領域)がAE評価領域として入力画像I[i]に設定される。輝度評価部23は、時刻tiにおいてカメラ1が静止しているならば、図10(a)に示す如く、入力画像I[i]の所定位置に配置された部分領域330をAE評価領域として入力画像I[i]に設定するが、時刻tiにおいてスイング方向が右方向、左方向であるならば、夫々、図10(b)の部分領域330R、図10(c)の部分領域330LをAE評価領域として入力画像I[i]に設定することができる。輝度評価部23は、AE評価領域に属する各単位ブロックに対して“1”の重みwjを設定すれば良い(それ以外の単位ブロックにはゼロの重みwjが設定される)。
輝度評価部23にてスポット測光方式が採用された場合における、輝度評価部23の動作について説明する。この場合、入力画像I[i]に、互いに分離されない単一の部分領域(スポット領域)がAE評価領域として入力画像I[i]に設定される。輝度評価部23は、時刻tiにおいてカメラ1が静止しているならば、図10(a)に示す如く、入力画像I[i]の所定位置に配置された部分領域330をAE評価領域として入力画像I[i]に設定するが、時刻tiにおいてスイング方向が右方向、左方向であるならば、夫々、図10(b)の部分領域330R、図10(c)の部分領域330LをAE評価領域として入力画像I[i]に設定することができる。輝度評価部23は、AE評価領域に属する各単位ブロックに対して“1”の重みwjを設定すれば良い(それ以外の単位ブロックにはゼロの重みwjが設定される)。
図10(d)に、入力画像I[i]上に部分領域330、330R及び330Lを合わせて示す。入力画像I[i]上において、部分領域330Rの位置は部分領域330の位置よりも右にあり、部分領域330Lの位置は部分領域330の位置よりも左にある。つまり、スイング方向が右方向であるときに設定される部分領域330Rは、部分領域330及び330Lから見て右方向(即ちスイング方向)に位置しており、スイング方向が左方向であるときに設定される部分領域330Lは、部分領域330及び330Rから見て左方向(即ちスイング方向)に位置している。このように、輝度評価部23は、カメラ1の動きの有無及びスイング方向に応じてAE評価領域の位置を変化させることができる。
任意の領域である注目領域に関し、注目領域の位置とは、当該注目領域の中心位置又は重心位置を指す。注目領域は、例えば、単位ブロック、AE評価領域若しくは部分領域、又は、後述の切り出し領域である。
尚、部分領域330、330R及び330Lは上述の位置関係等を満たす限り、図11に示すような比較的大きな領域であっても良く、この場合の測光方式は部分測光方式とも呼ばれる。
[中央重点測光方式]
輝度評価部23にて中央重点測光方式が採用された場合における、輝度評価部23の動作について説明する。この場合、輝度評価部23は、図12(a)〜(c)に示す如く、入力画像I[i]の中心と中心が一致するAE評価領域340を設定する。AE評価領域340の位置及び大きさをカメラ1の動きの有無及びスイング方向に応じて変化させることも可能であるが、ここでは、そのような変化は無いとする。中央重点測光方式において、輝度評価部23は、入力画像の中心から離れるにつれて適応する重みwjを減衰させていくが、この際、入力画像の中心よりもスイング方向に位置する領域に対する重みwjの減衰率を、入力画像の中心よりもスイング方向の逆方向に位置する領域に対する重みwjの減衰率よりも低くする。
輝度評価部23にて中央重点測光方式が採用された場合における、輝度評価部23の動作について説明する。この場合、輝度評価部23は、図12(a)〜(c)に示す如く、入力画像I[i]の中心と中心が一致するAE評価領域340を設定する。AE評価領域340の位置及び大きさをカメラ1の動きの有無及びスイング方向に応じて変化させることも可能であるが、ここでは、そのような変化は無いとする。中央重点測光方式において、輝度評価部23は、入力画像の中心から離れるにつれて適応する重みwjを減衰させていくが、この際、入力画像の中心よりもスイング方向に位置する領域に対する重みwjの減衰率を、入力画像の中心よりもスイング方向の逆方向に位置する領域に対する重みwjの減衰率よりも低くする。
簡略化した具体例を説明する。AE評価領域340は、入力画像I[i]の中心に位置する単位ブロック350と、単位ブロック350から単位距離だけ右、左、上、下に離れた単位ブロック351、352、353、354を内包する。単位ブロック350〜354に対して設定される重みwjを夫々重みw350〜w354と呼ぶ。時刻tiにおいてカメラ1が静止している場合、輝度評価部23は、図12(a)に示す如く、重みw350を重みw351〜354よりも大きく設定し且つ重みw351〜354を互いに同じにする。
時刻tiにおいてスイング方向が右方向である場合、輝度評価部23は、図12(b)に示す如く、カメラ1が静止しているときの重みw351及びw352を基準として、重みw351を増大させ且つ重みw352を減少させる(従って、重みw351は重みw352よりも大きくなる)。逆に、時刻tiにおいてスイング方向が左方向である場合、輝度評価部23は、図12(c)に示す如く、カメラ1が静止しているときの重みw351及びw352を基準として、重みw351を減少させ且つ重みw352を増大させる(従って、重みw352は重みw351よりも大きくなる)。スイング方向が右又は左方向であるとき、カメラ1が静止しているときを基準として、重みw353及びw354は不変であって良い。重みw350は、常に不変であって良い。
[マルチ分割測光方式]
輝度評価部23にてマルチ分割測光方式が採用された場合における、輝度評価部23の動作について説明する。この場合、入力画像I[i]に、互いに分離した複数の部分領域が設定され、複数の部分領域の合成領域がAE評価領域として機能する。設定される複数の部分領域が入力画像全体に亘って隙間なく存在する場合、マルチ分割測光方式は全面測光方式とも言える。各部分領域は2以上の単位ブロックを包含しうるが、今、説明の具体化のため、図13(a)に示す如く、AE評価領域を形成する複数の部分領域が9つの単位ブロック371〜379であると考える。ここで、単位ブロック375は入力画像I[i]の中心に位置し、単位ブロック375の左上、左、左下、上、下、右上、右、右下に、夫々、単位ブロック371、372、373、374、376、377、378、379が位置しているものとする。また、単位ブロック371〜379に対して設定される重みwjを夫々重みw371〜w379と呼ぶ。
輝度評価部23にてマルチ分割測光方式が採用された場合における、輝度評価部23の動作について説明する。この場合、入力画像I[i]に、互いに分離した複数の部分領域が設定され、複数の部分領域の合成領域がAE評価領域として機能する。設定される複数の部分領域が入力画像全体に亘って隙間なく存在する場合、マルチ分割測光方式は全面測光方式とも言える。各部分領域は2以上の単位ブロックを包含しうるが、今、説明の具体化のため、図13(a)に示す如く、AE評価領域を形成する複数の部分領域が9つの単位ブロック371〜379であると考える。ここで、単位ブロック375は入力画像I[i]の中心に位置し、単位ブロック375の左上、左、左下、上、下、右上、右、右下に、夫々、単位ブロック371、372、373、374、376、377、378、379が位置しているものとする。また、単位ブロック371〜379に対して設定される重みwjを夫々重みw371〜w379と呼ぶ。
カメラ1が静止しているとき、重みw371〜w379の夫々は0より大きな所定値を持つ。そして、時刻tiにおいてスイング方向が右方向である場合、輝度評価部23は、カメラ1が静止しているときの重みw371〜w373及びw377〜w379を基準として、重みw371〜w373を減少させ(例えばゼロにまで減少させ)且つ重みw377〜w379を増大させ、重みw377〜w379を重みw371〜w373よりも大きくすると良い。逆に、時刻tiにおいてスイング方向が左方向である場合、輝度評価部23は、カメラ1が静止しているときの重みw371〜w373及びw377〜w379を基準として、重みw371〜w373を増大させ且つ重みw377〜w379を減少させ(例えばゼロにまで減少させ)、重みw371〜w373を重みw377〜w379よりも大きくすると良い。
上述のスイング方向に応じたAE評価領域の位置設定及び重み設定は、パノラマ合成画像の明るさの適正化に寄与する。その理由は、入力画像の合成方法の説明を含む以下の説明から明らかとなる。
[パノラマ合成]
図14(a)において、符号400が付された実線四角枠内は、パノラマ合成画像に含められるべき、実空間上の全景を表しており、符号SRが付された実線四角枠内の領域は、パノラマ撮影期間中の或る時刻における撮像部11の撮影領域を表している。上述したように、パノラマ撮影期間は、パノラマ合成画像の元になる複数の入力画像の撮影期間である。以下では、説明の簡略化上、特に記述無き限り、パノラマ撮影期間中において、スイング方向は右方向であって且つカメラ1は一定速度で運動するものとする。また、以下の説明における入力画像は、特に記述無き限り、パノラマ撮影期間中に撮影された入力画像であるとする。
図14(a)において、符号400が付された実線四角枠内は、パノラマ合成画像に含められるべき、実空間上の全景を表しており、符号SRが付された実線四角枠内の領域は、パノラマ撮影期間中の或る時刻における撮像部11の撮影領域を表している。上述したように、パノラマ撮影期間は、パノラマ合成画像の元になる複数の入力画像の撮影期間である。以下では、説明の簡略化上、特に記述無き限り、パノラマ撮影期間中において、スイング方向は右方向であって且つカメラ1は一定速度で運動するものとする。また、以下の説明における入力画像は、特に記述無き限り、パノラマ撮影期間中に撮影された入力画像であるとする。
時刻tiにおける撮影領域SRを特に記号SR[i]にて表す。図14(b)及び(c)に、時刻ti及びti+1における撮影領域SR[i]及びSR[i+1]を、全景400上に重畳して示す。撮影領域SR[i]及びSR[i+1]内の撮影画像が、夫々、入力画像I[i]及びI[i+1]として取得される。パノラマ合成部25は、パノラマ撮影期間中の各入力画像に切り出し領域(合成対象領域)CRを設定して、各入力画像の切り出し領域CR内の画像信号を合成及び記録することで、パノラマ合成画像を生成及び記録する。記録とは、特に記述無き限り、図1の記録媒体14への記録を指す。
パノラマ合成部25は、入力画像上の切り出し領域CRの位置及び大きさを複数の入力画像間で互いに異ならせることも可能であるし、また、各入力画像の画像信号に基づき各入力画像に設定される切り出し領域CRの位置及び大きさを動的に変更することも可能であるが、ここでは、説明の簡略化上、入力画像上に切り出し領域CRの位置及び大きさが常に一定であるとし、且つ、切り出し領域CRの垂直方向の大きさは入力画像のそれと同じであって且つ切り出し領域CRの水平方向の大きさは入力画像のそれよりも小さく且つ切り出し領域CRの中心と入力画像の中心は一致しているものとする。切り出し領域CRは矩形領域である。但し、切り出し領域CRの形状は矩形に限定されない。
更に、説明の具体化のため、パノラマ撮影期間中に撮影される複数の入力画像が入力画像I[1]〜I[13]であるとする。図15(a)において、領域H[1]〜H[13]は、夫々、入力画像I[1]〜I[13]の切り出し領域CRに収まる、全風景400内の領域である。上述の想定下では、時刻t1〜t13における撮影領域SRの中心は、夫々、領域H[1]〜H[13]の中心に位置する。各時刻の撮影領域SRには、領域H[1]〜H[13]の内の複数の領域が内包される。具体的には、入力画像I[i]の撮影時の撮影領域SRには領域H[i−4]〜H[i+4]が含まれる。図14(b)はi=5である状況に対応し、撮影領域SR[5]には領域H[1]〜H[9]が含まれる(図15(b)も参照)。尚、領域H[9]には被写体の1つである太陽が含まれている。
パノラマ合成部25は、入力画像I[1]〜I[13]の切り出し領域CR内の画像信号を水平方向につなぎ合わせて得た画像を、パノラマ合成画像として生成することができる。但し、パノラマ合成部25は、入力画像I[1]の切り出し領域CRの左側の領域の画像信号と、入力画像I[13]の切り出し領域CRの右側の領域の画像信号を、パノラマ合成画像の左端及び右端に含めるようにする。これにより、図16に示すパノラマ合成画像410を得ることができる。
パノラマ撮影期間中に上述のスポット測光方式(部分測光方式)を適用する場合、輝度評価部23は、各入力画像において、AE評価領域の位置が切り出し領域CRの位置から見てスイング方向に位置するように、スイング方向に応じて各入力画像におけるAE評価領域の位置を設定する。ここでは、パノラマ撮影期間中のスイング方向が右方向であることを想定しているため、図11の部分領域330RのようなAE評価領域330R’(図17(a)参照)が各入力画像に設定されることになる。図17(a)には、入力画像I[i]におけるAE評価領域330R’が全景400上に示されている。仮に、スイング方向が左方向であったならば、図11の部分領域330LのようなAE評価領域330L’ (図17(b)参照)が各入力画像に設定されることになる。
入力画像I[i]上において、AE評価領域330R’の位置は切り出し領域CRの位置よりも右にあり、AE評価領域330L'の位置は切り出し領域CRの位置よりも左にある。つまり、スイング方向が右方向であるときに設定されるAE評価領域330R’は、領域CR及び330L’から見て右方向(即ちスイング方向)に位置しており、スイング方向が左方向であるときに設定されるAE評価領域330L'は、領域CR及び330R’から見て左方向(即ちスイング方向)に位置している。尚、入力画像I[i]上において、AE評価領域330R'又は330L'は、切り出し領域CRの一部又は全部を包含していても良い。
パノラマ撮影期間中に上述の中央重点測光方式又はマルチ分割測光方式を適用する場合、輝度評価部23は、各入力画像に複数の単位ブロック(図12(a)の単位ブロック350〜354や図13の単位ブロック371〜379)から成るAE評価領域を設定して、単位ブロックごとにブロック評価値を取得し、複数の単位ブロックに対して求めた複数のブロック評価値の重み付け加算(上記式(1)の右辺の分子の演算)を介して入力画像ごとにAE評価値を求める。入力画像ごとの重み付け加算において(即ち、1つのAE評価値を求めるための重み付け加算において)、輝度評価部23は、複数のブロック評価値に適用する重みwjの値をスイング方向に応じて変化させる。
変化の方法は、図12(a)〜(c)及び図13を参照して上述した通りである。即ち例えば、切り出し領域CRの位置から見てスイング方向に位置する単位ブロックを第1ブロックと呼び、切り出し領域CRの位置から見てスイング方向の逆方向に位置する単位ブロックを第2ブロックと呼んだ場合、輝度評価部23は、第1ブロックについてのブロック評価値に適用する重みwjを、第2ブロックについてのブロック評価値に適用する重みwjよりも大きくする(但し、特に例えば中央重点測光方式では、第1ブロック及び切り出し領域CR間の距離と第2ブロック及び切り出し領域CR間の距離は同じであるとする)。スイング方向が右方向である場合、図12(b)の単位ブロック351及び352が夫々第1及び第2ブロックの例であり、また、図13の単位ブロック378及び372が夫々第1及び第2ブロックの例である。
何れの測光方式を用いた場合でも且つ後述の何れの実施例においても、露出制御部24は、各入力画像に対応するAE評価値に基づきパノラマ撮影期間中の露出制御を行うことができる(入力画像I[i]の取得時の測光処理にて得たAE評価値に基づき、入力画像I[i+n](典型的には例えば入力画像I[i+1])の撮影における露出制御を行うことができる(nは自然数))。
上述の如く、スイング方向に応じて被写体輝度の評価条件を適応的に変化させれば(AE評価領域及び/又は重みwjを変化させれば)、スイング方向に適した露出制御が可能となる。具体的には例えば、スイング方向が右方向である場合に、切り出し領域CRの右側にAE評価領域を設定することにより又は切り出し領域CRの右側に対する重みwjを左側に対する重みwjに比べて大きくすることにより、上述の第2制御方法で説明したような、スイング方向の逆側に位置する白飛び領域や黒潰れ領域(パノラマ合成画像の形成に寄与しない領域)に引っ張られたような露出制御が抑制され、また、未来の切り出し領域CR内の被写体輝度に適応した条件に向けて露出条件を変更してゆくことが可能となる。結果、適正な明るさを有するパノラマ合成画像を得ることが可能となる。
以下、上述の構成及び動作を基本とした幾つかの実施例を説明する。以下の任意の実施例において、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、上述の各説明事項が各実施例にも適用される。
<<第1実施例>>
第1実施例を説明する。第1実施例では、切り出し領域CRと切り出し領域CRの周辺領域を用いて露出制御を行う。具体的には、輝度評価部23は、スイング方向が右方向であるとき、図18(a)に示すAE評価領域430Rを各入力画像に設定し、スイング方向が左方向であるとき、図18(b)に示すAE評価領域430Lを各入力画像に設定する。AE評価領域430R及び430Lが持つ特徴は図17(a)及び(b)のAE評価領域330R’及び330L’と同様であるため、上述と同様の作用及び効果が奏される。
第1実施例を説明する。第1実施例では、切り出し領域CRと切り出し領域CRの周辺領域を用いて露出制御を行う。具体的には、輝度評価部23は、スイング方向が右方向であるとき、図18(a)に示すAE評価領域430Rを各入力画像に設定し、スイング方向が左方向であるとき、図18(b)に示すAE評価領域430Lを各入力画像に設定する。AE評価領域430R及び430Lが持つ特徴は図17(a)及び(b)のAE評価領域330R’及び330L’と同様であるため、上述と同様の作用及び効果が奏される。
即ち、スイング方向が右方向であるときに設定されるAE評価領域430Rは、切り出し領域CR及び430Lから見て右方向(即ちスイング方向)に位置しており、スイング方向が左方向であるときに設定されるAE評価領域430Lは、領域CR及び430Rから見て左方向(即ちスイング方向)に位置している。各入力画像において、AE評価領域430Rは、切り出し領域CRの一部又は全部と、切り出し領域CRの右側の所定領域を包含する。各入力画像において、AE評価領域430Lは、切り出し領域CRの一部又は全部と、切り出し領域CRの左側の所定領域を包含する。
<<第2実施例>>
第2実施例を説明する。第2実施例に係る輝度評価部23は、スイング方向が右方向であるとき、図19(a)に示すAE評価領域440Rを各入力画像に設定し、スイング方向が左方向であるとき、図19(b)に示すAE評価領域440Lを各入力画像に設定する。スイング方向が右方向であるときに設定されるAE評価領域440Rは、切り出し領域CR及び440Lから見て右方向(即ちスイング方向)に位置しており、スイング方向が左方向であるときに設定されるAE評価領域440Lは、領域CR及び440Rから見て左方向(即ちスイング方向)に位置している。
第2実施例を説明する。第2実施例に係る輝度評価部23は、スイング方向が右方向であるとき、図19(a)に示すAE評価領域440Rを各入力画像に設定し、スイング方向が左方向であるとき、図19(b)に示すAE評価領域440Lを各入力画像に設定する。スイング方向が右方向であるときに設定されるAE評価領域440Rは、切り出し領域CR及び440Lから見て右方向(即ちスイング方向)に位置しており、スイング方向が左方向であるときに設定されるAE評価領域440Lは、領域CR及び440Rから見て左方向(即ちスイング方向)に位置している。
スイング方向が右方向であると限定して考える。入力画像I[i]に設定されるAE評価領域440Rは、入力画像I[i+n]の切り出し領域CRに対応する領域(即ち領域H[i+n];図15(a)参照)と一致する、又は、入力画像I[i+n]の切り出し領域CRに対応する領域を内包する。上述したように、nは自然数である。
図19(a)は、i=5且つn=4である場合に対応する。i=5且つn=4である場合、入力画像I[5]に対し、入力画像I[9]の切り出し領域CRに対応する領域H[9]を含んだAE評価領域440Rが設定される(図15(a)及び(b)も参照)。上述したように、領域H[9]には太陽が存在している。露出制御部24は、入力画像I[5]のAE評価領域440Rについて求められたAE評価値(即ち、入力画像I[5]の取得時の測光処理により得られた、AE評価領域440R内の被写体輝度の評価結果)に基づき、入力画像I[9]に対する露出制御値の設定及び露出制御を行うことができる。
露出制御において、絞り値を変更する機械動作や、撮像素子33への入射光量を減少させるNDフィルタ(不図示)を撮像部11の光路上に挿入する又は光路上から除去する機械動作が行われうる。このような機械動作には、比較的大きな時間が必要になることもある。第2実施例によれば、nフレーム後の切り出し領域CRの輝度情報を利用して、nフレーム後に最適な露出設定を予め準備及び実行することが可能となり、上記のような機械動作を確実に入力画像I[i+n]の撮影に間に合わせることが可能となる。尚、入力画像I[i+n]に対する露出制御値を設定した後、実際に、入力画像I[i+n]に対する露出制御の実行を開始するタイミングは、入力画像I[i]の撮影後且つ入力画像I[i+n]の撮影前の任意のタイミングであって良い。
<<第3実施例>>
第3実施例を説明する。第3実施例に係る輝度評価部23は、スイング方向が右方向であるとき、図20(a)に示すAE評価領域460Rを各入力画像に設定し、スイング方向が左方向であるとき、図20(b)に示すAE評価領域460Lを各入力画像に設定する。スイング方向が右方向であるときに設定されるAE評価領域460Rは、切り出し領域CR及び460Lから見て右方向(即ちスイング方向)に位置しており、スイング方向が左方向であるときに設定されるAE評価領域460Lは、領域CR及び460Rから見て左方向(即ちスイング方向)に位置している。
第3実施例を説明する。第3実施例に係る輝度評価部23は、スイング方向が右方向であるとき、図20(a)に示すAE評価領域460Rを各入力画像に設定し、スイング方向が左方向であるとき、図20(b)に示すAE評価領域460Lを各入力画像に設定する。スイング方向が右方向であるときに設定されるAE評価領域460Rは、切り出し領域CR及び460Lから見て右方向(即ちスイング方向)に位置しており、スイング方向が左方向であるときに設定されるAE評価領域460Lは、領域CR及び460Rから見て左方向(即ちスイング方向)に位置している。
入力画像I[i]に設定されるAE評価領域460Rは、入力画像I[i+1]〜I[i+n]の切り出し領域CRに対応する領域(即ち領域H[i+1]〜H[i+n];図15(a)参照)の合成領域と一致する、又は、該合成領域を内包する。第3実施例における“n”は2以上の整数である。
図20(a)は、i=5且つn=4の場合に対応しており、上述したように、領域H[9]には太陽が存在している(図15(a)参照)。この場合において例えば、切り出し領域CRが領域H[9]に相当する入力画像I[9]への露出制御を、領域H[9]の被写体輝度のみに基づき行ったならば、入力画像I[9]から抽出される切り出し領域CRの明るさは入力画像I[9]の切り出し領域CRにとって適正なものとなる。しかし、領域H[9]の太陽の輝度が非常に高いために、入力画像I[9]から抽出される切り出し領域CRにおいて太陽以外の山や雲の画像上の明るさが随分と暗くなり、結果、図21に示すようなパノラマ合成画像410’が得られることもある。パノラマ合成画像410’では、入力画像I[9]用の露出値が他の入力画像よりも大幅に低く抑えられた結果、太陽の下の山や雲だけが、他の部分の山や雲よりも随分と暗くなっている。パノラマ合成画像における明るさの連続性をも考慮して各入力画像の露出制御を行った方が好ましい。
これを考慮して、第3実施例では、以下のような被写体輝度評価及び露出制御を行う。スイング方向が右方向であると限定して考える。また、説明の具体化のため、i=5且つn=4の場合を考え、入力画像I[5]が取得されたときに行われる露出制御値の設定方法を説明する。図22は、その設定動作のフローチャートである。i=5且つn=4であるため、入力画像I[5]に設定されるAE評価領域460Rは、入力画像I[6]〜I[9]の切り出し領域CRに対応する領域(即ち領域H[6]〜H[9];図15(a)及び(b)参照)を含む(図22のステップS31及びS32)。
輝度評価部23は、入力画像I[5]に設定されるAE評価領域460Rの内、入力画像I[6]〜I[9]の切り出し領域CRに対応する領域(即ち領域H[6]〜H[9])を、夫々、第1〜第4単位ブロックと捉え、第1〜第4単位ブロックのブロック評価値(被写体輝度に応じた輝度評価値)を求める。ここでは、第1、第2、第3、第4単位ブロックのブロック評価値を、夫々、輝度評価値VH[6]、VH[7]、VH[8]、VH[9]と呼ぶ(図22のステップS33)。ここにおける輝度評価値VH[6]〜VH[9]は、入力画像I[6]〜I[9]の取得時の測光処理によって得られる値ではなく、入力画像I[5]の取得時の測光処理によって得られる値である。
露出制御部24は、輝度評価値VH[6]〜VH[9]を用いて、入力画像I[6]〜I[9]の夫々に対する露出制御値を設定する。これにより例えば、輝度評価値VH[6]〜VH[9]を考慮して、入力画像I[6]〜I[9]から切り出される切り出し領域CR内の各画像輝度がパノラマ合成画像上で連続性を持つように、入力画像I[6]〜I[9]の露出制御値を決定することができる(図21のパノラマ合成画像410’のような不自然なパノラマ合成画像の生成が抑制される)。より具体的には例えば、“VH[6]=VH[7]=VH[8]<<VH[9]” であるならば、図23に示す如く、入力画像I[6]の撮影時から入力画像I[9]の撮影時にかけて、露出制御値を徐々に低露出側に変更していくと良い。露出制御値の低露出側への変更は、絞り値の増大、シャッタ速度の上昇(即ち露光時間の減少)又は撮影感度の減少により実現される。
上記のような露出制御を実現するために、以下のような処理を行うと良い。
第3実施例の第1、第2、第3、第4単位ブロックに適用される重みを、夫々、記号w6、w7、w8、w9にて表すと、輝度評価部23は、下記式(2)に従って、入力画像I[6]〜I[9]に対する制御用評価値EVFOR[6]〜EVFOR[9]を個別に求める(式(2)における“m”は、6、7、8又は9である)。露出制御部24は、対応する制御用評価値を用いて、入力画像I[6]〜I[9]の夫々の露出制御値を設定する(図22のステップS34)。即ち、露出制御部24は、制御用評価値EVFOR[6]を用いて入力画像I[6]に対する露出制御値の設定及び露出制御を行い、制御用評価値EVFOR[7]を用いて入力画像I[7]に対する露出制御値の設定及び露出制御を行う。入力画像I[8]及びI[9]についても同様である。
第3実施例の第1、第2、第3、第4単位ブロックに適用される重みを、夫々、記号w6、w7、w8、w9にて表すと、輝度評価部23は、下記式(2)に従って、入力画像I[6]〜I[9]に対する制御用評価値EVFOR[6]〜EVFOR[9]を個別に求める(式(2)における“m”は、6、7、8又は9である)。露出制御部24は、対応する制御用評価値を用いて、入力画像I[6]〜I[9]の夫々の露出制御値を設定する(図22のステップS34)。即ち、露出制御部24は、制御用評価値EVFOR[6]を用いて入力画像I[6]に対する露出制御値の設定及び露出制御を行い、制御用評価値EVFOR[7]を用いて入力画像I[7]に対する露出制御値の設定及び露出制御を行う。入力画像I[8]及びI[9]についても同様である。
式(2)における重みw6〜w9は、ゼロより大きな所定値を持つ。入力画像I[6]撮影時における露出制御値を、領域H[6]の被写体輝度に重きを置きつつも、領域H[7]〜H[9]の被写体輝度をも考慮して設定するために、制御用評価値EVFOR[6]の算出時における重みw6〜w9の内、重みw6を重みw7〜w9よりも大きく設定しておくと良い。同様に、制御用評価値EVFOR[7]の算出時における重みw6〜w9の内、重みw7を重みw6、w8及びw9よりも大きく設定しておくと良い。EVFOR[8]及びEVFOR[9]の算出時の重みも同様である。
<<第4実施例>>
第4実施例を説明する。入力画像I[i]の取得時の測光処理によって領域H[i+n]の被写体輝度を評価し、その評価結果のみに基づき入力画像I[i+n]の切り出し領域CR内の被写体輝度を予測して入力画像I[i+n]の露出制御を行うと、その露出制御が適切にならないこともある。特に、全景400中に明るさが変動する被写体(例えば、発光ダイオードやネオン照明)が含まれていると、このような不適切さが顕在化する。入力画像I[i]の取得時には暗かった領域H[i+n]の被写体が、入力画像I[i+n]の取得時には明るくなるかもしれないからである。第4実施例では、明るさが変動する被写体にも適応した露出制御を説明する。
第4実施例を説明する。入力画像I[i]の取得時の測光処理によって領域H[i+n]の被写体輝度を評価し、その評価結果のみに基づき入力画像I[i+n]の切り出し領域CR内の被写体輝度を予測して入力画像I[i+n]の露出制御を行うと、その露出制御が適切にならないこともある。特に、全景400中に明るさが変動する被写体(例えば、発光ダイオードやネオン照明)が含まれていると、このような不適切さが顕在化する。入力画像I[i]の取得時には暗かった領域H[i+n]の被写体が、入力画像I[i+n]の取得時には明るくなるかもしれないからである。第4実施例では、明るさが変動する被写体にも適応した露出制御を説明する。
第4実施例では、上述の第1、第2又は第3実施例で述べた方法に従い、スイング方向に応じて各入力画像のAE評価領域が設定される。説明の具体化のため、スイング方向を右方向に限定し、各入力画像に図20(a)のAE評価領域460Rが設定されることを想定する。そうすると、入力画像I[5]〜I[8]の夫々に設定されるAE評価領域460Rには、入力画像I[9]の切り出し領域CRに対応する領域H[9]が含まれる。更に、領域H[9]に明るさの変動する照明が存在すると仮定する(図15(a)の領域H[9]における太陽がネオン照明等であると考えれば良い)。
輝度評価部23は、入力画像I[5]、I[6]、I[7]、I[8]の取得時の測光処理により、入力画像I[5]、I[6]、I[7]、I[8]の取得時の領域H[9]の被写体輝度を評価する。この評価によって得られた、入力画像I[5]、I[6]、I[7]、I[8]の取得時の領域H[9]の被写体輝度(即ち、時刻t5、t6、t7、t8における領域H[9]の被写体輝度)を、夫々、記号VH[9]t5、VH[9]t6、VH[9]t7、VH[9]t8にて表す。露出制御部24は、被写体輝度VH[9]t5、VH[9]t6、VH[9]t7及びVH[9]t8に基づき、入力画像I[9]の取得時における領域H[9]の被写体輝度(即ち、時刻t9における領域H[9]の被写体輝度)を予測し、予測被写体輝度を用いて、入力画像I[9]に対する露出制御値の設定及び露出制御を行う(予測被写体輝度に適した露出制御を入力画像I[9]に対して行えば良い)。
例えば、図24(a)に示す如く、時刻t5〜t8間において領域H[9]の被写体輝度が周期的に変動する場合、その周期的な変動が時刻t8及びt9間にも継続すると仮定して、入力画像I[9]の取得時における領域H[9]の被写体輝度を予測すれば良い。或いは例えば、図24(b)に示す如く、時刻t5〜t8間において領域H[9]の被写体輝度が単調減少する場合、その単調減少が時刻t8及びt9間にも継続すると仮定して、入力画像I[9]の取得時における領域H[9]の被写体輝度を予測すれば良い。単調増加の場合も同様である。周期的な変動や単調な変動(減少又は増加)が観測されない場合には、被写体輝度VH[9]t5、VH[9]t6、VH[9]t7及びVH[9]t8の平均値又は加重平均値を、入力画像I[9]の取得時における領域H[9]の被写体輝度として予測しても良い。
上述の如く、第4実施例では、第1〜第(n−1)入力画像に設定される各AE評価領域に第n入力画像の切り出し領域CRに対応する領域を含め、第1〜第(n−1)入力画像の各AE評価領域内の被写体輝度の評価結果(上述の具体例ではVH[9]t5〜VH[9]t8)に基づき、第n入力画像に対する露出制御を行う。上述の具体例では、入力画像I[5]〜I[8]が第1〜第(n−1)入力画像に相当し、入力画像I[9]が第n入力画像に相当するが、第4実施例における“n”は3以上の任意の整数でよい。このような露出制御を行うことで、明るさが変動する被写体にも適応した、適正なパノラマ合成画像を生成することが可能となる。
<<第5実施例>>
第5実施例を説明する。スイング方向に応じて被写体輝度の評価条件を変更する幾つかの方法例を上述してきたが、第5実施例では、スイング方向に応じて該変更を行わない、或いは、該変更を行わなくても良い。
第5実施例を説明する。スイング方向に応じて被写体輝度の評価条件を変更する幾つかの方法例を上述してきたが、第5実施例では、スイング方向に応じて該変更を行わない、或いは、該変更を行わなくても良い。
第5実施例に係る輝度評価部23は、スイング方向に依存せず、図25に示すAE評価領域480を各入力画像に設定する。但し、輝度評価部23は、切り出し領域CRに応じて各入力画像にAE評価領域480を設定する。より詳細には、輝度評価部23は、各入力画像において、当該入力画像に設定される切り出し領域CRの位置及び大きさに応じた位置及び大きさを持ったAE評価領域480を設定する。例えば、各入力画像において、AE評価領域480は、当該入力画像に設定される切り出し領域CRと一致する又は当該切り出し領域CRの一部又は全部を包含し、且つ、当該入力画像の全体領域よりも小さい。スイング方向に関係なく、切り出し領域CRとAE評価領域480の位置関係は固定されていても良い。
第5実施例では、AE評価領域が切り出し領域CRのみ又は切り出し領域CRとその周辺領域に限定される。従って、第5実施例によっても、上述の第2制御方法で説明したような、スイング方向の逆側に位置する白飛び領域や黒潰れ領域(パノラマ合成画像の形成に寄与しない領域)に引っ張られたような露出制御が抑制され、結果、適正な明るさを有するパノラマ合成画像を得ることが可能となる。
<<変形等>>
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。上述の実施形態に適用可能な注釈事項として、以下に、注釈1〜注釈3を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。上述の実施形態に適用可能な注釈事項として、以下に、注釈1〜注釈3を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
[注釈1]
スイング方向が右又は左方向であるときを想定して幾つかの実施例を説明したが、スイング方向が上又は下方向であるときも、上述と同様の主旨に従って、切り出し領域CR、重みwj及び露出制御値の設定を含む上述の各処理が行われる。例えば、スイング方向が上方向ならば、スイング方向が右方向であることを想定した上述の各説明文の“右”、“左”を、夫々、“上”、“下”に読み替えればよい。
スイング方向が右又は左方向であるときを想定して幾つかの実施例を説明したが、スイング方向が上又は下方向であるときも、上述と同様の主旨に従って、切り出し領域CR、重みwj及び露出制御値の設定を含む上述の各処理が行われる。例えば、スイング方向が上方向ならば、スイング方向が右方向であることを想定した上述の各説明文の“右”、“左”を、夫々、“上”、“下”に読み替えればよい。
[注釈2]
各入力画像に設定される切り出し領域CRの位置及び大きさは、スイング方向に応じて変化しても良い。
各入力画像に設定される切り出し領域CRの位置及び大きさは、スイング方向に応じて変化しても良い。
[注釈3]
主制御部12又はカメラ1である対象装置を、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。対象装置にて実現される機能の全部又は一部である任意の特定の機能をプログラムとして記述して、該プログラムを対象装置に搭載可能なフラッシュメモリに保存しておき、該プログラムをプログラム実行装置(例えば、対象装置に搭載可能なマイクロコンピュータ)上で実行することによって、その特定の機能を実現するようにしてもよい。上記プログラムは任意の記録媒体(不図示)に記憶及び固定されうる。上記プログラムを記憶及び固定する記録媒体(不図示)は対象装置と異なる機器(サーバ機器等)に搭載又は接続されても良い。
主制御部12又はカメラ1である対象装置を、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。対象装置にて実現される機能の全部又は一部である任意の特定の機能をプログラムとして記述して、該プログラムを対象装置に搭載可能なフラッシュメモリに保存しておき、該プログラムをプログラム実行装置(例えば、対象装置に搭載可能なマイクロコンピュータ)上で実行することによって、その特定の機能を実現するようにしてもよい。上記プログラムは任意の記録媒体(不図示)に記憶及び固定されうる。上記プログラムを記憶及び固定する記録媒体(不図示)は対象装置と異なる機器(サーバ機器等)に搭載又は接続されても良い。
1 カメラ
11 撮像部
16 カメラ動き検出部
23 輝度評価部
24 露出制御部
25 パノラマ合成部
33 撮像素子
11 撮像部
16 カメラ動き検出部
23 輝度評価部
24 露出制御部
25 パノラマ合成部
33 撮像素子
Claims (11)
- 撮影によって被写体の画像を取得する撮像素子と、
測光処理を用いて被写体輝度を評価する輝度評価部と、
前記輝度評価部の評価結果に基づき撮影における露出制御を行う露出制御部と、を備えた撮像装置であって、
当該撮像装置の動きを伴いながら前記撮像素子にて順次取得される複数の入力画像を合成することで各入力画像よりも画角の広い出力画像を生成する合成処理部と、
当該撮像装置の動き方向を検出する動き検出部と、を更に備え、
前記輝度評価部は、前記動き方向に応じて、各入力画像に対する前記被写体輝度の評価条件を変更する
ことを特徴とする撮像装置。 - 前記輝度評価部は、各入力画像に評価領域を設定して、各入力画像の評価領域内の被写体輝度を評価し、前記露出制御部は、その評価結果に基づき各入力画像に対する露出制御を行い、
前記輝度評価部は、前記動き方向に応じて、各入力画像における前記評価領域を変化させる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記合成処理部は、前記複数の入力画像の夫々に切り出し領域を設定して、各入力画像の切り出し領域内の画像信号を合成することで前記出力画像を生成し、
前記輝度評価部は、各入力画像において、前記評価領域の中心又は重心位置が前記切り出し領域の中心又は重心位置から見て前記動き方向に位置するように、前記動き方向に応じて各入力画像における前記評価領域の位置を設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 前記複数の入力画像は、第1入力画像及び前記第1入力画像よりも後に撮影される第2入力画像を含み、
前記輝度評価部は、前記第1入力画像内に、前記第2入力画像の切り出し領域に対応する領域を含んだ評価領域を設定し、前記露出制御部は、前記輝度評価部による、前記第1入力画像の評価領域内の被写体輝度の評価結果に基づき、前記第2入力画像に対する露出制御を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 前記複数の入力画像は、基準入力画像及び前記基準入力画像よりも後に撮影される第1〜第n入力画像を含み(nは2以上の整数)、
前記輝度評価部は、前記基準入力画像に設定される評価領域に前記第1〜第n入力画像の切り出し領域に対応する第1〜第n領域を含めて、前記第1〜第n領域における夫々の被写体輝度に応じた第1〜第n輝度評価値を取得し、
前記露出制御部は、前記第1〜第n輝度評価値に応じて、前記第1〜第n入力画像に対する露出制御を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 前記輝度評価部は、前記第1〜第n輝度評価値の重み付け加算を介して、前記第1〜第n入力画像の夫々に対する制御用評価値を個別に求め、前記露出制御部は、前記第i入力画像に対する制御用評価値を用いて前記第i入力画像に対する露出制御を行う(iは自然数)
ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。 - 前記複数の入力画像は、第1〜第n入力画像を含み(nは3以上の整数)、第(i+1)入力画像は、第i入力画像よりも後に撮影され(iは自然数)、
前記輝度評価部は、第1〜第(n−1)入力画像に設定される各評価領域に前記第n入力画像の切り出し領域に対応する領域を含め、前記露出制御部は、前記輝度評価部による、前記第1〜第(n−1)入力画像の各評価領域内の被写体輝度の評価結果に基づき、前記第n入力画像に対する露出制御を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 前記輝度評価部は、各入力画像に複数のブロックから成る評価領域を設定して、前記ブロックごとに前記ブロック内の被写体輝度に応じたブロック評価値を取得し、前記複数のブロックに対して求めた複数のブロック評価値の重み付け加算を介して前記入力画像ごとに出力評価値を求め、前記露出制御部は、各入力画像に対する出力評価値を用いて前記露出制御を行い、
前記輝度評価部は、前記重み付け加算において前記複数のブロック評価値に適用する重みを、前記動き方向に応じて変化させる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記合成処理部は、前記複数の入力画像の夫々に切り出し領域を設定して、各入力画像の切り出し領域内の画像信号を合成することで前記出力画像を生成し、
前記複数のブロックは、前記切り出し領域から見て前記動き方向に位置する第1ブロックと、前記切り出し領域から見て前記動き方向の逆方向に位置する第2ブロックを含み、
前記輝度評価部は、前記重み付け加算において、前記第1ブロックについてのブロック評価値に適用する重みを、前記第2ブロックについてのブロック評価値に適用する重みよりも大きくする
ことを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。 - 撮影によって被写体の画像を取得する撮像素子と、
撮影によって取得される画像内に評価領域を設定し、測光処理を用いて前記評価領域の被写体輝度を評価する輝度評価部と、
前記輝度評価部の評価結果に基づき撮影における露出制御を行う露出制御部と、を備えた撮像装置であって、
当該撮像装置の動きを伴いながら前記撮像素子にて順次取得される複数の入力画像の夫々に切り出し領域を設定し、各入力画像の切り出し領域内の画像信号を合成することで各入力画像よりも画角の広い出力画像を生成する合成処理部を更に備え、
前記輝度評価部は、前記切り出し領域に応じて各入力画像に前記評価領域を設定する
ことを特徴とする撮像装置。 - 前記輝度評価部は、各入力画像において、前記切り出し領域の位置及び大きさに基づき、前記切り出し領域の一部又は全部を含み且つ前記入力画像の全体よりも小さな領域を前記評価領域に設定する
ことを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012213627A JP2014066958A (ja) | 2012-09-27 | 2012-09-27 | 撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012213627A JP2014066958A (ja) | 2012-09-27 | 2012-09-27 | 撮像装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014066958A true JP2014066958A (ja) | 2014-04-17 |
Family
ID=50743398
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012213627A Pending JP2014066958A (ja) | 2012-09-27 | 2012-09-27 | 撮像装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014066958A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017212698A (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | キヤノン株式会社 | 撮像装置、撮像装置の制御方法およびプログラム |
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CN110475061A (zh) * | 2018-05-09 | 2019-11-19 | 佳能株式会社 | 摄像控制设备及其控制方法和计算机可读记录介质 |
WO2022245148A1 (ko) * | 2021-05-20 | 2022-11-24 | 삼성전자 주식회사 | 이미지 처리 방법 및 그 전자 장치 |
-
2012
- 2012-09-27 JP JP2012213627A patent/JP2014066958A/ja active Pending
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