JP2014065252A - 加飾成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強化繊維を練り込んだ樹脂を使用して、射出成形同時転写法を行うと、成形品の光沢性が損なわれ、また、インキ流れが生じる点である。
【解決手段】成形用A型板11、成形用B型板13、加飾用A型板12と加飾用B型板13を備える金型装置を用いて、以下の製造工程を行う。成形用A型板11と成形用B型板13により形成される成形キャビティー内に材料樹脂を射出し、材料樹脂のガラス転移点付近温度で裸樹脂成形品5を取出す。転写シート10を配置した加飾用A型板12と加飾用B型板13の内部に裸樹脂成形品を配置して型締めし、裸樹脂成形品5の余熱を使って転写を行い、加飾成形品6を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、射出成形および熱プレス成形による加飾成形品の製造方法に関するものである。
加飾樹脂成形品の製造方法としては、転写シートまたはインサートシートである加飾シートを使用する射出成形同時加飾方法が多用されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、近年、パーソナルコンピュータ等電子部品の筐体などで薄肉成形の需要が高まっている。薄肉成形の射出成形品に強度を付与するために材料樹脂としてガラスファイバーやカーボンファイバー等の強化繊維を練り込んだ樹脂の使用が好ましい。
ところが、射出成形同時転写方法に強化繊維を練り込んだ樹脂を使用すると、(1)樹脂射出時に強化繊維によって加飾シートが傷つき、加飾成形品の表面の光沢性が損なわれる、(2)射出ゲートから転写シートまでの距離を短くせざるを得ないので溶融樹脂に起因する高温により転写シートのインキ流れが生じる、などの問題点が生じる。
また、熱プレス成形にかかる加飾成形品の製造に、強化繊維を練り込んだ樹脂からなる材料を使用すると、柄流れ、発泡などの問題が生じる。
特開2006−69132号公報
本発明が解決しようとする問題点は、薄肉成形で生じる射出成形の困難性と薄肉成形で生じる加飾シートを使用する加飾の困難性である。また、本発明が解決しようとする問題点は熱プレス成形を用いる型内加飾にかかる加飾成形品の製造方法において高温下の熱プレス成形により生じる加飾の困難性である。
本発明のその他の課題は、本発明の説明により明らかになる。
本発明の一の態様にかかる加飾成形品の製造方法は、
単一金型装置に成形用A型板、成形用B型板、加飾用A型板と加飾用B型板を具備する射出成形用の金型装置と、基体シート上に加飾層が形成され前記加飾層の上に接着層が形成された加飾シートを用いて行い、以下のイからホの工程からなる。
イ 前記加飾用A型板の内部に前記加飾シートを配置するシート配置工程
ロ 前記金型装置を型締めし、前記成形用A型板と前記成形用B型板により形成される成形キャビティー内に溶融状態の材料樹脂を射出し、裸樹脂成形品を成形する工程
ハ 前記材料樹脂のガラス転移点温度をTg(1)℃とし、前記成形用A型板を冷却してその温度がTg(1)℃以下(Tg(1)−10)℃以上の取出し温度(Tm℃)に至った時に前記金型装置を型開きして前記成形用A型板から裸樹脂成形品を取出す工程
ニ シート配置工程の後の前記加飾用A型板の内部に前記裸樹脂成形品を配置し、前記金型装置を型締めし、前記裸樹脂成形品上に前記加飾シートの加飾層を移転して加飾成形品を製造する工程
ホ 前記金型装置を型開きして前記加飾用A型板の内部から前記加飾成形品を取出す工程
本発明の好ましい実施態様にあって、前記材料樹脂は、熱可塑性樹脂に強化繊維を練り込んだ材料樹脂であってもよい。また、前記金型装置は可動板と固定板を有し、
前記成形用A型板は成形用入れ子であり、前記加飾用A型板は加飾用入れ子であり、前記成形用B型板と前記加飾用B型板は単一の共用B型板であり、
前記可動板又は前記固定板の一方である一方可動/固定板に前記共用B型板を配置し、可動板又は固定板の他方である他方可動/固定板にダイ移動機構を設け、
前記成形用A型板と前記加飾用A型板が前記ダイ移動機構によりそれぞれ前記共用B型板との嵌合位置に移動する金型装置であってもよい。
本発明の他の態様にかかる加飾成形品の製造方法は、成形用A型板と成形用B型板を具備する成形用熱プレス装置、加飾用A型板と加飾用B型板を具備する成形用熱プレス装置と、基体シート上に加飾層が形成され前記加飾層の上に接着層が形成された加飾シートを用いて行い、以下のへからヌの工程からなる。
へ 前記加飾用A型板の内部に前記加飾シートを配置するシート配置工程
ト 前記成形用A型板と前記成形用B型板の間に板状の材料樹脂を配置し、前記成形用熱プレス装置をプレスして、裸樹脂成形品を成形する工程
チ 前記材料樹脂のガラス転移点温度をTg℃とし、前記成形用A型板を冷却してその温度がTg℃以下(Tg−10)℃以上の取出し温度に至った時に前記成形用熱プレス装置を型開きして前記成形用A型板から裸樹脂成形品を取出す工程
リ シート配置工程の後の前記加飾用A型板の内部に前記裸樹脂成形品を配置し、前記加飾用熱プレス装置をプレスして、前記裸樹脂成形品上に加飾シートの加飾層を移転して加飾成形品を製造する工程
ヌ 前記加飾用熱プレス装置を型開きして前記加飾用A型板の内部から前記加飾成形品を取出す工程
本発明の好ましい実施態様にあって、前記材料樹脂は、熱可塑性樹脂に強化繊維を練り込んだ材料樹脂であってもよい。
以上説明した本発明、本発明の好ましい実施態様、これらに含まれる構成要素は可能な限り組み合わせて実施することができる。
本発明の一の態様にかかる射出成形による加飾成形品の製造方法にあっては、射出成形の過程と加飾の過程を分割すると共に、型内で加飾を行っている。このため射出成形時点では成形用金型内に加飾シートが存在しないので、薄肉成形の成形条件に最適な条件を設定できる。すなわち金型を高温に保つことによりキャビティー内で溶融樹脂の流動性を高めることも任意である。一方、加飾は射出成形直後の裸樹脂成形品の余熱を利用し、加飾用の金型内で型締めをし、圧熱で転写等の加飾を行う。裸樹脂成形品の温度は特定の温度範囲である取出し温度に近いから加飾成形品の表面は良好な光沢性が付与され、インキ流れが生じることもない。
そして、成形用A型板は射出成形時の高温(射出成形温度)と取出し温度間で温度調節を繰り返し、加飾用A型板は取出し温度と接着実行後に冷却して達する温度(接着取出し温度)内で温度調整を繰り返すので成形用A型板と加飾用A型板の両者共に温度範囲が小さくなり、短時間かつ省エネルギー消費で成形、加飾サイクルを繰り返すことができる利点を有する。
本発明の他の態様にかかる熱プレス成形による加飾成形品の製造方法にあっては、熱プレス成形の過程と加飾の過程を分割すると共に、型内で加飾を行っている。このため、加飾の過程を低温で行うこととなり、柄流れ、発泡などが生じない。さらに上記射出成形にかかる製造方法と同様に成形用A型板と加飾用A型板の両者共に温度範囲が小さくなるので、短時間かつ省エネルギー消費で成形、加飾サイクルを繰り返すことができる利点を有する。
図1は射出成形による加飾成形品の製造方法を示す工程図である。図1(a)はシート配置工程、図1(b)は裸樹脂成形品成形の工程、図1(c)は裸樹脂成形品取出しの工程、図1(d)は加飾の工程、図1(e)は加飾成形品取出しの工程をそれぞれ示している。 図2は転写シートの断面説明図である。 図3は熱プレス成形による加飾成形品の製造方法を示す工程図である。図3(a)は板状の材料樹脂の配置工程、図3(b)は裸樹脂成形品の成形工程、図3(c)は裸樹脂成形品の取出し工程、図3(d)は加飾シート配置工程及び裸樹脂成形品の配置工程、図3(e)は加飾工程、図3(f)は加飾成形品取出しの工程をそれぞれ示している。
以下、図面を参照して本発明の実施例にかかる加飾成形品の製造方法をさらに説明する。本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするため、一部の構成要素を誇張して表すなど模式的に表しているものがある。このため、構成要素間の寸法や比率などは実物と異なっている場合がある。また、本発明の実施例に記載した部材や部分の寸法、材質、形状、その相対位置などは、とくに特定的な記載のない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は射出成形による加飾成形品の製造方法を示す工程図である。図1(a)はシート配置工程、図1(b)は裸樹脂成形品成形の工程、図1(c)は裸樹脂成形品取出しの工程、図1(d)は加飾の工程、図1(e)は加飾成形品取出しの工程をそれぞれ示している。
図1(a)を参照して、本発明にかかる加飾成形品の製造方法に使用する射出成形用金型装置を説明する。射出成形用の金型装置1は単一の金型装置内に成形用A型板である成形用入れ子11と成形用B型板である共用B型板13を有し、また、加飾用A型板である加飾用入れ子12と加飾用B型板である共用B型板13を有する。共用B型板13は成形用B型板であると共に加飾用B型板である。
金型装置1は可動板17と固定板16を有する。可動板17と固定板16は図示しないタイバーで結ばれていてタイバーの移動によって型締めと型開きが行われる。
可動板17に共用B型板13が固定されている。固定板16にダイ移動機構21が取付けられている。ダイ移動機構21にロッド22が取付けられ、ロッド22の他方端に成形用入れ子11と加飾用入れ子12が取付けられている。
図1(a)に図示した状態で成形用入れ子11と共用B型板13が嵌合する。ダイ移動機構21が動作してロッド22が下方に移動すると、加飾用入れ子12と共用B型板13が嵌合する位置に移動する。金型装置1はダイスライド方式の2色成形機である。金型装置はダイロータリー式の2色成形機であってもよい。
本発明を実施するために使用する金型装置は、B型板が共用でなく、成形用B型板と加飾用B型板を有していてもよい。またB型板が固定板に固定されていてもよい。この場合、ダイ移動機構、成形用入れ子、加飾用入れ子等は可動板に取り付けられる。
共用B型板13はスプルー24を有する。成形用入れ子11の近傍に温度調節機構26があり、加飾用入れ子12の近傍に温度調節機構27がある。温度調節機構26、27は、例えば温度調節された水又は油を循環させる方式である。
続いて、加飾成形品の製造方法を説明する。図1(a)を参照して、加飾シートである転写シート10を加飾用入れ子12に配置する。転写シート10はその基体シート側が加飾用入れ子の内表面と対面する向きに配置される。転写シート10は枚葉のシートをロボット機構により配置すると全体装置の構成が簡略になる。もっともロール状の長尺シートを転写単位分毎に巻きもどして配置してもよい。
図1(b)は裸樹脂成形品の成形工程を示している。ダイ移動機構21により成形用入れ子11は共用B型板13との嵌合位置に在る。成形用入れ子11に転写シートは無い。金型装置1の型締め機構を動作して、可動板17を固定板16方向に移動させ、成形用入れ子11と共用B型板13を密着させる。
図1(c)は裸樹脂成形品の取出し工程を示している。スプルー24からキャビティーに向けて射出される溶融状態樹脂の材料樹脂はポリカーボネート、PMMA、ABS、PC/ABS、PAなどであり、好ましくは熱可塑性樹脂に強化繊維を練り込んだ樹脂である。
本発明は薄肉かつ一定強度を有する樹脂成形品に型内加飾を行うにあたり生ずる困難を打開する発明であり、従来より射出成形同時加飾法で困難なく製造される材料樹脂はわざわざ本発明にかかる製造方法を実施する必要性に乏しいからである。もっとも、強化繊維を含まない材料樹脂を使用して本発明を実施してもよい。
強化繊維が練りこまれる樹脂は例えばポリカーボネート、ポリアミドである。練り込まれる繊維はガラス繊維、カーボンファイバーなどである。樹脂中の繊維は10%〜50%(重量/重量)である。
樹脂射出時の成形用入れ子11の温度、射出時温度(Th℃)は100℃〜150℃である。Thをこのような比較的高温にすることにより、薄肉のキャビティー内であっても射出した溶融樹脂が良好に流動する。またキャビティー(成形用入れ子11)内に転写シートが無いので、Thを比較的高温に保つことができる。
溶融樹脂を射出した後、温度調節機構26により成形用入れ子11の温度が成形取出し温度(Tm℃)に至ると型開きして成形用入れ子11から裸樹脂成形品を取出す。材料樹脂のガラス転移点をTg(1)℃として、Tm℃は(Tg(1)−10)℃以上Tg(1)以下である。次の工程で転写シートを裸樹脂成形品に移転・接着するにあたり、加飾用入れ子の温度では接着に不十分なので、裸樹脂成形品を熱い温度で取出し、当該高温の熱を転写シートの接着に用いるものである。
図1(d)は加飾工程の説明図である。ダイ移動機構21を動作して、加飾用入れ子12を共用B型板13との嵌合位置に移動させる。上述したシート配置工程を終了しているので、加飾用入れ子12のキャビティー内表面に転写シートが配置されている。
一方、共用B型板13には裸樹脂成形品5が付着している。もし、共用B型板13と裸樹脂成形品5が離間し脱落するのであれば、ロボットアーム等で保持・移動すればよい。金型装置1の型締め機構を動作して固定板16に可動板17を接近させ、型締めを行う。加飾用入れ子12のキャビティーに裸樹脂成形品が入り、転写シート10と密着する。転写シートに含まれる接着組成物(接着層として形成する場合が有り、また加飾層が接着剤として働くので、格別の接着層を形成しない場合もある)のガラス転移点をTg(2)とした場合、加飾時の加飾用入れ子12の温度はTg(2)未満に保たれる。Tg(2)の具体例は60℃〜90℃である。転写シート10の悪変を避けるためである。
加飾過程である転写シートの移転・接着はTg(2)よりも高温で生じる。このため上記加飾用入れ子温度だけでは転写シートの移転・接着に熱エネルギーが不足する。本発明にあっては上述した熱エネルギーの不足は裸樹脂成形品5が有する熱により補う。
加飾過程は、必要に応じて圧縮空気により転写シート10を裸樹脂成形品10に押し付けて行ってもよい。このような圧空成形は(裸)樹脂成形品の表面形状が凹凸に富む場合などに有効である。
図1(e)は加飾成形品取出しの工程を示している。加飾過程の終了後に加飾用入れ子12は温度調節機構27により冷却され、加飾用入れ子12が接着取出し温度Tl℃になると金型装置1の型締め機構の動作で型開きされる。Tl℃は転写シート10の接着組成物のガラス転移点Tg(2)以下の一定温度である。型開きは固定板16と可動板17の間隔を広げ、加飾用入れ子12と共用B型板を圧着状態から離間状態にすることである。
加飾成形品6を取出す。続いてダイ移動機構21が動作して成形用入れ子11が共用B型板13との嵌合位置に移動して、次の加飾成形品の製造サイクルに続く。
以上の製造方法で使用した加飾シートである転写シート10を説明する。図2を参照して、転写シート10は、離型層39を形成した基体シート30上に、剥離層31、加飾層33及び接着層35を順次積層したものである。転写シート10が、成形樹脂層に接着した後は基体シート30と離型層39が剥離除去され、剥離層31、加飾層33及び接着層35の積層物が成形樹脂層上に形成された加飾成形品6が得られる。接着層35は必要に応じて形成される。すなわち、加飾層33が接着性を有する場合は接着層35を省略してもよい。また、基体シート30が離型性を有する場合は離型層39を省略してもよい。
基体シート30は、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アセテート系樹脂、ポリアミド系樹脂などの樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセルロース系シート、およびこれらが複合されたシートなどが好ましい。
離型層39の材質は、メラミン系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、アルキッド系樹脂、フェノール系樹脂等を挙げることができ、剥離層からの離型性に応じて、適宜、好ましい材料を選択する。剥離層31の材質は、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ビニロン系樹脂、アセテート系樹脂、ポリアミド系樹脂等を挙げることができ、離型層39からの剥離性に応じて、適宜、好ましい材料を選択する。
加飾層33の材質は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、硝化綿系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ゴム系樹脂などの樹脂バインダーに通常の顔料、染料などの着色剤を少量含ませたものを挙げることができるが、特に限定されない。また、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛、錫、酸化珪素などの金属、これらの合金または化合物などの金属膜で形成したものでもよい。
接着層35の材質としては、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ビニロン系樹脂、アセテート系樹脂、ポリアミド系樹脂を挙げることができ、成形樹脂との接着性に応じて、適宜、好ましい材料を選択する。
転写シートは、従来より、射出成形同時転写方法による加飾樹脂成形品の製造に使用されている転写シートと同じである。以上説明した基体シートの厚さ、剥離層31、加飾層33、接着層35と離型層39の形成方法、層の厚さなどは公知の転写シートと同一であり、説明を省略する。
以上、転写シートの例を示したが、転写シートの代わりに、加飾成形品に接着した後も、基体シート30が加飾成形品6上に残存されるインサートシートを加飾シートとして用いて加飾成形品6を製造してもよい。インサートシートは前記転写シート10の離型層39、剥離層31を省略する以外は、転写シート10と同様にして形成する。インサートシートは、従来より、射出成形同時転写方法による加飾樹脂成形品の製造に使用されているインサートシートと同じである。
図3は熱プレス成形による加飾成形品の製造方法を示す工程図である。図3(a)は板状の材料樹脂の配置工程、図3(b)は裸樹脂成形品の成形工程、図3(c)は裸樹脂成形品の取出し工程、図3(d)は加飾シート配置工程及び裸樹脂成形品の配置工程、図3(e)は加飾工程、図3(f)は加飾成形品取出しの工程をそれぞれ示している。
図3(a)を参照して、成形用熱プレス装置51は成形用A型板52と成形用B型板53を有する。成形用A型板52と成形用B型板53を開いた状態で成形用A型板52と成形用B型板53の間に板状の材料樹脂71を配置する。通常用いる材料樹脂、好ましい材料樹脂等は図1を参照して説明した射出成形にかかる加飾樹脂成形品の製造方法と同一である。
熱プレス成形にかかる加飾樹脂成形品の製造方法にあっても、強化繊維を練り込んだ材料樹脂の成形には高温を必要とし、熱プレス成形と加飾シートを用いる加飾を同時に同一型板内で行うと成形に必要な高温が柄流れ・発泡など加飾に悪影響を与える。そこで本発明においては、熱プレス成形過程と加飾過程を分離すると共に、加飾過程は型内で行い、かつ、熱プレス成形過程の余熱を利用するものである。
図3(b)は裸樹脂成形品の成形過程を示していて、熱プレス装置51の型締め機構を用いて板状の材料樹脂をキャビティーの形状に成形する。成形時の成形用A型板52の温度を例示すると200℃である。
図3(c)を参照して説明する。整形用熱プレス装置51の型締め機構を動作して型開きを行う。当該型開きは成形用A型板の温度が成形取出し温度(Tm℃)に至った時に行う。成形取出し温度(Tm℃)は射出成形にかかる加飾成形品の製造方法における成形取出し温度(Tm℃)と同一である。
図3(d)を参照して加飾シートを配置するシート配置工程と裸樹脂成形品の配置工程を説明する。加飾用熱プレス装置61は加飾用A型板62と加飾用B型板63を有する。加飾用A型板62と加飾用B型板63を開いた状態で、加飾用A型板62に加飾シートである転写シート10を配置する。転写シート10は枚葉シートでもよく、1ショット分を連続的に形成した長尺シートを巻き戻していく態様であってもよい。転写シート10を配置した加飾用A型板62の温度は、Tg(2)未満に保たれる。射出成形にかかる加飾成形品の製造方法における加飾用入れ子の温度と同一である。
また、加飾用A型板62と加飾用B型板63を開いた状態で、加飾用A型板62と加飾用B型板63の間に裸樹脂成形品75を配置する。成形用熱プレス装置51の型開き動作完了を時間計測開始点、裸樹脂成形品75を入れての加飾用A型板62と加飾用B型板63の型締め動作完了を時間計測終了点としたときの当該時間、その理由は、射出成形にかかる加飾成形品の製造方法における同様の時間、理由と同一である。
図3(e)を参照して説明する。加飾用熱プレス装置61の型締め機構を動作して型締めを行い、圧熱により転写シートの加飾層を移転・接着する。次に図3(f)に図示するように、加飾用熱プレス装置61の型締め機構を動作して型開きを行い、次に、加飾成形品76を取り出す。以上で、加飾樹脂成形品の製造過程が終了する。
以上本発明にかかる一実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成例はこの一実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても本発明に含まれる。
1 射出成形用の金型装置
5 裸樹脂成形品
6 加飾成形品
10 加飾シートである転写シート
11 成形用A型板である成形用入れ子
12 加飾用A型板である加飾用入れ子
13 成形用B型板であり加飾用B型板である共用B型板
16 固定板
17 可動板
21 ダイ移動機構
22 ロッド
23 スプルー
26 温度調節機構
27 温度調節機構
30 基体シート
31 剥離層
33 加飾層
35 接着層
39 離型層
51 成形用熱プレス装置
52 成形用A型板
53 成形用B型板
61 加飾用熱プレス装置
62 加飾用A型板
63 加飾用B型板
71 板状の材料樹脂
75 裸樹脂成形品
76 加飾成形品

Claims (5)

  1. 単一金型装置に成形用A型板、成形用B型板、加飾用A型板と加飾用B型板を具備する射出成形用の金型装置と、基体シート上に加飾層が形成され前記加飾層の上に接着層が形成された加飾シートを用いて行い、以下の工程からなる加飾成形品の製造方法。
    イ 前記加飾用A型板の内部に前記加飾シートを配置するシート配置工程
    ロ 前記金型装置を型締めし、前記成形用A型板と前記成形用B型板により形成される成形キャビティー内に溶融状態の材料樹脂を射出し、裸樹脂成形品を成形する工程
    ハ 前記材料樹脂のガラス転移点温度をTg℃とし、前記成形用A型板を冷却してその温度がTg℃以下(Tg−10)℃以上の取出し温度に至った時に前記金型装置を型開きして前記成形用A型板から裸樹脂成形品を取出す工程
    ニ シート配置工程の後の前記加飾用A型板の内部に前記裸樹脂成形品を配置し、前記金型装置を型締めし、前記裸樹脂成形品上に前記加飾シートの加飾層を移転して加飾成形品を製造する工程
    ホ 前記金型装置を型開きして前記加飾用A型板の内部から前記加飾成形品を取出す工程
  2. 前記材料樹脂は、熱可塑性樹脂に強化繊維を練り込んだ材料樹脂である請求項1に記載した加飾成形品の製造方法。
  3. 前記金型装置は可動板と固定板を有し、
    前記成形用A型板は成形用入れ子であり、前記加飾用A型板は加飾用入れ子であり、前記成形用B型板と前記加飾用B型板は単一の共用B型板であり、
    前記可動板又は前記固定板の一方である一方可動/固定板に前記共用B型板を配置し、可動板又は固定板の他方である他方可動/固定板にダイ移動機構を設け、
    前記成形用A型板と前記加飾用A型板が前記ダイ移動機構によりそれぞれ前記共用B型板との嵌合位置に移動する金型装置である請求項1に記載した加飾成形品の製造方法。
  4. 成形用A型板と成形用B型板を具備する成形用熱プレス装置、加飾用A型板と加飾用B型板を具備する成形用熱プレス装置と、基体シート上に加飾層が形成され前記加飾層の上に接着層が形成された加飾シートを用いて行い、以下の工程からなる加飾成形品の製造方法。
    へ 前記加飾用A型板の内部に前記加飾シートを配置するシート配置工程
    ト 前記成形用A型板と前記成形用B型板の間に板状の材料樹脂を配置し、前記成形用熱プレス装置をプレスして、裸樹脂成形品を成形する工程
    チ 前記材料樹脂のガラス転移点温度をTg℃とし、前記成形用A型板を冷却してその温度がTg℃以下(Tg−10)℃以上の取出し温度に至った時に前記成形用熱プレス装置を型開きして前記成形用A型板から裸樹脂成形品を取出す工程
    リ シート配置工程の後の前記加飾用A型板の内部に前記裸樹脂成形品を配置し、前記加飾用熱プレス装置をプレスして、前記裸樹脂成形品上に加飾シートの加飾層を移転して加飾成形品を製造する工程
    ヌ 前記加飾用熱プレス装置を型開きして前記加飾用A型板の内部から前記加飾成形品を取出す工程
  5. 前記材料樹脂は、熱可塑性樹脂に強化繊維を練り込んだ材料樹脂である請求項4に記載した加飾成形品の製造方法
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