JP2014065217A - ヘッドモジュールの検査方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッドモジュールのDCオフセット量を検出可能な検査方法及び装置を提供する。
【解決手段】記録紙13とヘッドモジュール12とを相対移動させながら、ヘッドモジュール12により記録紙13に複数の第1のラインパターン41からなる第1次ストライプパターン42を形成する。記録紙13及びヘッドモジュール12の一方を180°回転させる。記録紙13とヘッドモジュール12とを相対移動させながら、ヘッドモジュール12により記録紙13に複数の第2のラインパターン44からなる第2次ストライプパターン45を形成する。両ストライプパターン42,45のパターン間隔Sを検出した後、このパターン間隔Sに基づきDCオフセット量εを算出する。
【選択図】図8

Description

本発明は、ヘッドモジュールの検査を行うヘッドモジュールの検査方法及び装置に関する。
インクジェット記録装置の記録方式として、記録媒体の搬送方向と直交する記録媒体の幅方向に沿って長尺のラインヘッド(記録ヘッド)を設置して、記録媒体の搬送と共にラインヘッドによる1回の描画パスで画像を記録するライン方式が知られている。このライン方式で用いられるラインヘッドをシリコンウェハやガラス等で一体に形成することは、製造方法、歩留まり、発熱、コスト等の問題により現実的ではない。そのため、ライン方式では、ノズルが2次元配列されたヘッドモジュールを記録媒体の幅方向に並べて配置してなるラインヘッドを用いるのが通常である。
このような複数のヘッドモジュールで構成されるラインヘッドを用いて画像記録を行う際に、ヘッドモジュールの設計位置からの位置ずれが発生していると、記録画像の品質が低下するという問題が発生する。このため、ヘッドモジュールの位置ずれを検出するための様々な方法が提案されている。
特許文献1には、記録ヘッドアレイ(ラインヘッドに相当)の各ヘッドユニット(ヘッドモジュールに相当)に基準ノズル及び位置決めノズルを設け、これら両ノズルにより形成された印字パターンに基づきヘッドユニットのθずれを検出する方法が開示されている。
特許文献2には、アレイヘッド(ラインヘッドに相当)の各単位チップ(ヘッドモジュールに相当)の中の1つの基準チップと、他の単位チップとにより形成された印字パターンに基づき、各チップ間の水平方向・垂直方向(記録媒体の幅方向・搬送方向)の位置ずれを検出する方法が開示されている。
特許文献3には、ラインヘッドの複数のヘッドモジュールの中から選択された基準ヘッドモジュール及び調整ヘッドモジュールにより形成された傾き調整用パターンに基づき、基準ヘッドモジュールに対する調整ヘッドモジュールの位置ずれを検出する方法が開示されている。
特開2007−7882号公報 特開2002−178505号公報 特開2011−251480号公報
ところで、ヘッドモジュール上のノズルの位置と、このノズルにより記録される記録媒体上の記録位置とがノズル毎にランダムな方向及び量のオフセットをもつ場合に、このオフセットは印字パターンの間隔変動などを計測、統計処理することで容易に測定可能である。しかしながら、例えば1個のヘッドモジュール全体で一方向のオフセット(DCオフセット)を有する場合(図3参照)には、各ノズルの位置に対して各記録位置が一方向に平行移動した形で印字パターンが形成されるので、印字パターンの間隔からオフセットの値を推定することが難しい。
このような一方向のオフセットを有するヘッドモジュールをラインヘッドに取り付けた場合には、このヘッドモジュールと他のヘッドモジュールとの繋ぎ部分で色ムラ、すじムラが発生するおそれがある。また、ヘッドモジュールは、ラインヘッドへの取り付け後の位置ずれを防止するためにラインヘッドに接着固定するのが通常である。従って、一方向のオフセットを有するヘッドモジュールがラインヘッドに接着固定されている場合に、色ムラやすじムラの発生を防止するためのヘッドモジュールの位置調整が困難となる。このため、ヘッドモジュールをラインヘッドに接着固定する前に、ヘッドモジュール単体で一方向のオフセットが発生しているか否かを検出する必要がある。
上記特許文献1では、基準ノズル及び位置決めノズルにより印字パターンを形成しているが、ヘッドモジュール全体で一方向のオフセットを有する場合には、上述の通り各ノズルの位置に対して各記録位置が一方向に平行移動した形で印字パターンが形成される。このため、オフセットの値を推定することが難しい。
また、上記特許文献2及び3の位置ずれ検出方法では、ヘッドモジュール単体での検出を行うことができず、ヘッドモジュールをラインヘッドに接着固定してから一方向のオフセットを検出するため、上述の通りヘッドモジュールの位置調整が困難となる。
本発明の目的は、ヘッドモジュール単体で一方向のオフセットを検出可能なヘッドモジュールの検査方法及び装置を提供することにある。
本発明の目的を達成するためのヘッドモジュールの検査方法は、記録素子が複数配列されたヘッドモジュールと、記録媒体とを第1の方向に相対移動させながらヘッドモジュールにより記録媒体に第1のラインパターンを形成する第1のラインパターン形成ステップと、第1のラインパターン形成ステップ後に、ヘッドモジュール及び記録媒体のいずれか一方を、記録媒体の記録面に対して垂直な回転軸を中心として180°回転させる回転ステップと、回転ステップ後に、ヘッドモジュールと記録媒体とを第1の方向に相対移動させながらヘッドモジュールにより記録媒体に第2のラインパターンを形成する第2のラインパターン形成ステップと、記録媒体に形成された第1のラインパターンと第2のラインパターンとの間のパターン間隔を検出する検出ステップと、検出ステップの検出結果に基づき、ヘッドモジュールにおける複数の記録素子の位置に対する、複数の記録素子による記録媒体上の記録位置の第1の方向に対して垂直な第2の方向のずれ量を算出する算出ステップと、を有する。
本発明によれば、ヘッドモジュールをラインヘッドに取り付ける前の状態においてずれ量を算出することができる。
回転軸は、記録素子の中心を貫通する軸であることが好ましい。ずれ量を求める領域内の記録素子を貫通する回転軸を中心として記録媒体またはヘッドモジュールを回転させることにより、この領域におけるずれ量を高精度に求めることができる。
第2のラインパターン形成ステップでは、第1のラインパターンの形成に用いた記録素子と同じ記録素子を用いて第2のラインパターンを形成することが好ましい。これにより、パターン間隔からずれ量を求めることができる。
第1のラインパターン形成ステップでは、第2の方向に一定ピッチで配置された記録素子により第1のラインパターンを形成し、回転ステップでは、第1のラインパターンの形成に用いられた記録素子のいずれかの中心を貫通する軸を回転軸とし、算出ステップは、検出ステップで検出されたパターン間隔に1/2を乗算して得た値をずれ量とすることが好ましい。これにより、パターン間隔からずれ量を簡単に求めることができる。
第1のラインパターン形成ステップでは、第2の方向に一定ピッチで配置された第1の記録素子により第1のラインパターンを形成し、第2のラインパターン形成ステップでは、第1の記録素子とは異なる第2の記録素子であって、第2の方向に第1の記録素子と同一ピッチで配置されており、かつ第1の記録素子との間の第2の方向の素子間隔が既知である第2の記録素子により第2のラインパターンを形成し、算出ステップでは、検出ステップの検出結果と、素子間隔とに基づいてずれ量を算出することが好ましい。これにより、ずれ量が非常に小さい場合でもパターン間隔を求めることができる。
回転ステップでは、第1の記録素子のいずれかの中心を貫通する軸を回転軸とし、第1のラインパターンと第2のラインパターンとは第2の方向に交互に形成されており、ずれ量をεとし、素子間隔をWとし、第1及び第2のラインパターンの一方とその両隣に位置する他方との間のパターン間隔のうち間隔が広い方をSとしたときに、ε、W、Sは式S=2ε+Wを満たし、算出ステップでは、式にW、Sを代入してεを算出することが好ましい。これにより、ずれ量が非常に小さい場合でもパターン間隔を求めることができる。
回転ステップと第2のラインパターン形成ステップとの間に、ヘッドモジュール及び記録媒体のいずれか一方を第2の方向に移動させる移動ステップを有することが好ましい。これにより、パターン間隔を広げられるので、ずれ量が非常に小さい場合でもパターン間隔を求めることができる。
算出ステップ後に、ずれ量の算出結果を、ヘッドモジュールを識別可能な状態で記憶部に記憶させる記憶ステップを有することが好ましい。これにより、個々のヘッドモジュールのずれ量を確認することができる。
記録素子は、液滴の吐出を行うノズルであることが好ましい。
また、本発明のヘッドモジュールの検査装置は、記録素子が複数配列されたヘッドモジュールと、記録媒体とを第1の方向に相対移動させる相対移動手段と、相対移動手段を制御してヘッドモジュールと記録媒体とを第1の方向に相対移動させながら、ヘッドモジュールを制御して記録媒体に第1のラインパターンを形成させる第1の記録制御手段と、第1のラインパターンの形成後に、ヘッドモジュール及び記録媒体のいずれか一方を、記録媒体の記録面に対して垂直な回転軸を中心として180°回転させる回転手段と、一方が180°回転された後に、相対移動手段を制御してヘッドモジュールと記録媒体とを第1の方向に相対移動させながら、ヘッドモジュールを制御して記録媒体に第2のラインパターンを形成させる第2の記録制御手段と、記録媒体に形成された第1のラインパターンと第2のラインパターンとの間のパターン間隔を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づき、ヘッドモジュールにおける複数の記録素子の位置に対する、複数の記録素子による記録媒体上の記録位置の第1の方向に対して垂直な第2の方向のずれ量を算出する算出手段と、を備える。
本発明のヘッドモジュールの検査方法及び装置は、記録媒体を180°回転させる前後においてそれぞれ第1及び第2のラインパターンを形成して、両ラインパターンのパターン間隔を検出することにより、ヘッドモジュールの全体あるいは一部の領域で、複数の記録素子の位置に対する記録媒体上の記録位置が一方向に位置ずれ(オフセット)していた場合でもずれ量を求めることができる。
ヘッドモジュール検査装置の概略図である。 ヘッドモジュールの底面図及び側面図である。 DCオフセット量を説明するための説明図である。 ヘッドモジュール検査装置の電気構成を示すブロック図である。 テストパターン形成処理の流れを示すフローチャートである。 第1次ストライプパターン形成処理を説明するための説明図である。 記録紙の回転を説明するための説明図である。 第2次ストライプパターン形成処理を説明するための説明図である。 ヘッドモジュールの検査処理の流れを示すフローチャートである。 ヘッドモジュールアライメントを説明するための説明図である。 記録紙アライメントを説明するための説明図である。 第1次ストライプパターン形成処理を説明するための説明図である。 記録紙の回転を説明するための説明図である。 第2次ストライプパターン形成処理を説明するための説明図である。 テストパターンの読取処理を説明するための説明図である。 ヘッドモジュールの位置調整を説明するための説明図である。 第2実施形態における、記録紙のX方向の移動を説明するための説明図である。 第2実施形態のヘッドモジュールの検査処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態のA群選択ノズル及びB群選択ノズルを説明するための説明図である。 第3実施形態のヘッドモジュールの検査処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態の記録紙の回転を説明するための説明図である。 第3実施形態の第2次ストライプパターン形成処理を説明するための説明図である。 DCオフセットが発生しない場合のテストパターンを説明するための説明図である。 記録紙の代わりにヘッドモジュールを回転させる他実施形態を説明するための説明図である。
[第1実施形態のヘッドモジュール検査装置]
図1に示すように、本発明のヘッドモジュールの検査装置に相当するヘッドモジュール検査装置(以下、単に検査装置と略す)10は、ヘッドモジュール12における本発明の第2の方向にずれ量に相当するDCオフセット量ε(図3参照)を検査する。
図2に示すように、ヘッドモジュール12は、記録紙(記録媒体)13の幅方向に対して平行なX方向(主走査方向ともいう、本発明の第2の方向)に長く延びたラインヘッド(記録ヘッド)14に取り付けられる。ラインヘッド14は、X方向に並べて配置された複数のヘッドモジュール12と、各ヘッドモジュール12を保持する枠体14aとを備えている。なお、各ヘッドモジュール12は、X方向に沿って千鳥状に配置されていてもよい。
ヘッドモジュール12は、液滴(インク滴ともいう)を吐出する複数のノズル(記録素子)NをX方向に対して一定の角度を有する斜め方向に沿って配列してなるノズル列を有しており、このノズル列がX方向に複数配列されてなるマトリクス型のヘッドである。なお、図面の煩雑化を防止するために、図中では一部のノズルNを間引いて図示している(図3以降も同様)。
ヘッドモジュール12の各ノズルNは、各々のX方向位置が互いに異なるように配列されている。従って、各ノズルNは、X方向(主走査方向)について実質的に一定のピッチで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
また、ヘッドモジュール12のノズルNが設けられているノズル面上には、アライメントマーク15が形成されている。このアライメントマーク15は、ノズル面に各ノズルNを形成する際の基準位置として用いられるとともに、検査装置10にセットされたヘッドモジュール12の位置決めに用いられる。
図3(A),(B)に示すように、DCオフセット量εは、ヘッドモジュール12の各ノズルNの位置と、各ノズルNにより記録される記録紙13上の記録位置とがヘッドモジュール12の全体あるいは一部の領域で一方向のオフセット(以下、DCオフセットという)を有する場合のオフセット量である。なお、図中ではヘッドモジュール12の各ノズル位置を、DCオフセットが発生してない場合における記録紙13上の記録位置で図示している(二点鎖線で表示)。
このようなDCオフセットは、ヘッドモジュール12の全ノズルNあるいは一部の領域内のノズルNが斜め方向に液滴を吐出する不良ノズルとなる場合に発生する(図3(A)参照)。また、DCオフセットは、ヘッドモジュール12の全ノズルNあるいは一部の領域のノズルNのインク吐出口がX方向に位置ずれしている場合にも発生する(図3(B)参照)。
<ヘッドモジュール検査装置の構成>
図1に戻って検査装置10は、透明ステージ18と、ステージ駆動機構19と、ヘッドモジュール保持部20、位置合わせ用カメラ21と、パターン読取用カメラ22と、パーソナルコンピュータ(以下、単にPCと略す)23とを備える。この検査装置10は、記録紙13に後述するテストパターン(第1及び第2のラインパターン、図8参照)24を形成した後、このテストパターン24の読取結果に基づいてDCオフセット量εを算出する。
透明ステージ18は、ステージ駆動機構19と共に本発明の相対移動手段、及び回転手段を構成するものである。この透明ステージ18は、その上面に記録紙13を支持する。また、透明ステージ18は、ステージ駆動機構19によりX方向、Y方向に移動自在に支持されるとともに、記録紙13の記録面に対して垂直な回転軸Cを中心として回転自在に支持されている。
ステージ駆動機構19は、PC23からの指令に基づき、透明ステージ18をX方向、Y方向に移動または回転軸Cを中心として回転させる。これにより、ヘッドモジュール12と記録紙13とをY方向に相対移動させることができる。また、記録紙13のX方向位置及びY方向位置を調整し、さらに任意の回転軸Cを中心として記録紙13を180°回転させることができる。
ヘッドモジュール保持部20は、透明ステージ18の上面に対向する位置でヘッドモジュール12を保持する。また、ヘッドモジュール保持部20は、PC23からの指令に基づきX方向、Y方向に移動可能であるので、ヘッドモジュール12のX方向位置及びY方向位置を調整することができる。なお、ヘッドモジュール保持部20を任意の回転軸Cを中心して回転可能、すなわち、ヘッドモジュール12の位置を回転調整可能にしてもよい。
位置合わせ用カメラ21は、ヘッドモジュール12の下方でかつ透明ステージ18の下面に対向する位置に配置されている。位置合わせ用カメラ21は、透明ステージ18上に記録紙13がセットされる前には、この透明ステージ18を通してヘッドモジュール12のノズル面(特にアライメントマーク15)を撮像して、この撮像により得られたノズル面画像データ26をPC23へ出力する。
また、位置合わせ用カメラ21は、透明ステージ18上に記録紙13がセットされた後には、透明ステージ18を通して記録紙13の下面(記録面と反対側の面)、特にこの下面に記録された位置決め用のアライメントマーク27を撮像する。この撮像により得られた記録紙画像データ28をPC23へ出力される。
パターン読取用カメラ22は、後述のDCオフセット量算出部40とともに、本発明の検出手段を構成するものである。このパターン読取用カメラ22は、記録紙13の記録面に記録されたテストパターン24を撮像して、この撮像により得られたパターン画像データ29をPC23へ出力する。
<PCの構成>
図4に示すように、PC23は、CPU31と、ストレージ32と、メモリ33と、操作部34とを備えている。CPU31は、ストレージ32に格納されたプログラムをメモリ33へロードして、このプログラムに従った処理を実行することにより、PC23の各部を制御する。また、CPU31は、図示しない通信インタフェースを介して検査装置10の各部と接続しており、これら各部の動作を統括的に制御する。
ストレージ32は、例えばハードディスクや不揮発メモリであり、各種のプログラムやデータを格納している。メモリ33は、CPU31が処理を実行するためのワークメモリである。操作部34は、マウスやキーボードなどの周知の入力機器である。
CPU31は、DCオフセット量εの検査プログラムに従った処理を実行することにより、ヘッド制御部36、搬送制御部37、位置合わせ制御部38、テストパターン形成制御部(第1の記録制御手段、第2の記録制御手段)39、及びDCオフセット量算出部(検出手段、算出手段)40として機能する。
ヘッド制御部36は、ヘッドモジュール12の各ノズルNに対応するアクチュエータ(インクジェットヘッドの周知の圧電アクチュエータ)の駆動を制御することにより、各ノズルNからのインクの吐出を制御する。記録紙13のY方向の搬送に同期してヘッドモジュール12の各ノズルNからインクを吐出させることにより、記録紙13の記録面上にノズルN毎のラインパターンが形成される。
搬送制御部37は、ステージ駆動機構19の駆動を制御することにより、透明ステージ18をX方向やY方向に移動、または任意の回転軸Cを中心として回転させる。
位置合わせ制御部38は、位置合わせ用カメラ21から入力されたノズル面画像データ26を解析してアライメントマーク15の位置を検出することで、ヘッドモジュール12の予め定められた基準位置からの位置ずれ量を検出する。次いで、位置合わせ制御部38は、位置ずれ量検出結果からヘッドモジュール12の位置ずれを補正する位置補正量を求めた後、この位置補正量に基づきヘッドモジュール保持部20を駆動する。これにより、ヘッドモジュール12が基準位置にセットされる。
また、位置合わせ制御部38は、位置合わせ用カメラ21から入力された記録紙画像データ28を解析してアライメントマーク27の位置を検出することで、記録紙13の予め定められた基準位置からの位置ずれ量を検出する。次いで、位置合わせ制御部38は、ずれ量検出結果から記録紙13の位置ずれを補正する位置補正量を求めた後、この位置補正量を搬送制御部37に出力する。これにより、搬送制御部37が位置補正量に基づきステージ駆動機構19を駆動して透明ステージ18を移動させることで、記録紙13が基準位置にセットされる。
テストパターン形成制御部39は、ヘッド制御部36及び搬送制御部37を制御して、DCオフセット量εの検出に用いられるテストパターン24の形成処理を実行する。以下、テストパターン形成処理について説明する。
<テストパターン形成処理>
図5及び図6に示すように、テストパターン形成制御部39は、搬送制御部37に対してY方向搬送指令を発する。この指令を受けて搬送制御部37は、ステージ駆動機構19を駆動して透明ステージ18をY方向に移動させる。これにより、ヘッドモジュール12に対して記録紙13がY方向に相対的に移動される。
記録紙13の移動開始後、テストパターン形成制御部39は、ヘッド制御部36に対して第1次ストライプパターン形成指令を発する。この指令を受けてヘッド制御部36は、ヘッドモジュール12の全ノズルNのうちで予め選択されたノズルN(以下、選択ノズルNという)より液滴を吐出させる。この選択ノズルNの選択方法は特に限定されないが、本実施形態では、選択ノズルNがノズルNの複数ピッチ分の間隔で等間隔(すなわち、一定ピッチ)となるように選択されている(例えば図6中に図示されているノズル)。
記録紙13のY方向の搬送に同期して各選択ノズルNからインクを吐出させることで、記録紙13の記録面上に選択ノズルN毎の第1のラインパターン41がX方向に間隔をあけて複数記録される。これにより、複数の第1のラインパターン41により構成される第1次ストライプパターン42が記録面上に形成される(ステップS1、第1のラインパターン形成ステップ)。
図5及び図7において、テストパターン形成制御部39は、第1次ストライプパターン42の形成後に搬送制御部37に対して回転指令を発する。この回転指令を受けて搬送制御部37は、ステージ駆動機構19を駆動して、選択ノズルNの1つを貫通する回転軸Cを中心として透明ステージ18を180°回転させる。本実施形態では、ヘッドモジュール12が予め基準位置に位置決めされているので、個々の選択ノズルNの位置は既知であり、回転軸Cを任意の選択ノズルNを貫通する位置に設定することができる。また、ここでいう「180°」には、180°の近傍の角度、すなわち略180°も含まれる。これにより、記録紙13が180°回転される(ステップS2、回転ステップ)。
図5及び図8において、テストパターン形成制御部39は、記録紙13の回転後に、搬送制御部37に対してY方向搬送指令を発する。この指令を受けて搬送制御部37は、ステージ駆動機構19を駆動して透明ステージ18をY方向に移動させることより、記録紙13をY方向に移動させる。この際の透明ステージ18の移動方向(図8中の上・下方向)は特に限定はされないが、本実施形態では第1次ストライプパターン42がヘッドモジュール12に近づく方向側に移動させる。
次いで、テストパターン形成制御部39は、第1次ストライプパターン42がヘッドモジュール12の近傍まで移動したときに、ヘッド制御部36に対して第2次ストライプパターン形成指令を発する。この指令を受けてヘッド制御部36は、先の第1次ストライプパターン42の形成に用いた選択ノズルNより液滴を吐出させる。
記録紙13のY方向の搬送に同期して各選択ノズルNからインクを吐出させることで、記録紙13の記録面上に選択ノズルN毎の第2のラインパターン44がX方向に間隔をあけて複数記録される。これにより、複数の第2のラインパターン44により構成される第2次ストライプパターン45が記録面上に形成される(ステップS3、第2のラインパターン形成ステップ)。以上で、第1次ストライプパターン42及び第2次ストライプパターン45を含むテストパターン24が記録紙13の記録面上に形成される。
<DCオフセット量εの算出>
図4及び図8において、DCオフセット量算出部40は、本発明の検出手段及び算出手段に相当するものであり、パターン読取用カメラ22から入力されたパターン画像データ29を解析してDCオフセット量εを算出する。本実施形態では、回転軸Cを中心として記録紙13を180°回転させる前後でそれぞれ第1次及び第2次ストライプパターン42,45を形成しているので、DCオフセットが発生している場合の両ストライプパターン42,45のX方向のパターン間隔Sは「S=2ε」となる。このため、DCオフセット量算出部40は、パターン画像データ29を解析して両ストライプパターン42,45のパターン間隔Sを検出し、このパターン間隔Sに1/2を乗算することでDCオフセット量εを算出する。また、第1次ストライプパターン42に対する第2次ストライプパターン45のずれ方向からDCオフセット方向も判別することができる。
ここで、第1次及び第2ストライプパターン42,45のパターン間隔Sは、第1のラインパターン41と、これに対応する第2のラインパターン44とのパターン間隔Sとして求められる。例えば、X方向の一方から他方に向かって第1番目の第1及び第2のラインパターン41,44のパターン間隔S、第2番目の第1及び第2のラインパターン41,44のパターン間隔S、・・・第Q(Qは選択ノズルNの総数)番目の第1及び第2のラインパターン41,44のパターン間隔Sから求められる。なお、これら第1番目から第Q番目のパターン間隔S(あるいはこれらの中の複数個)の代表値、例えば各パターン間隔Sの平均値を両ストライプパターン42,45のパターン間隔Sとして検出し、このパターン間隔Sに基づき算出されたDCオフセット量εをヘッドモジュール12の全体のDCオフセット量εとして求めてもよい。さらに、第1番目から第Q番目のパターン間隔S(あるいはこれらの中の複数個)から算出された複数のDCオフセット量εの平均値をヘッドモジュール12の全体のDCオフセット量εとして求めてもよい。
図1に戻って、DCオフセット量εの算出結果(オフセット方向を含む)は、ヘッドモジュール12を識別可能な識別情報IDと関連付けた状態で、ストレージ32内のDCオフセット量記憶部(記憶部)47に記憶される。なお、識別情報IDとは、例えばヘッドモジュール12の品名、製造番号等である。DCオフセット量記憶部47に記憶されたデータを参照することで、個々のヘッドモジュール12のDCオフセット量εを確認することができる。
<第1実施形態のヘッドモジュール検査装置の作用>
次に、図9に示すフローチャートを用いて上記構成の検査装置10の作用について説明を行う。検査対象となるヘッドモジュール12をヘッドモジュール保持部20にセットした後、操作部34を操作してDCオフセット量εの検査プログラムを起動する。
図10に示すように、検査プログラムが起動すると、CPU31から位置合わせ用カメラ21に対して撮像指令が出力される。この指令を受けて位置合わせ用カメラ21は、透明ステージ18を通してヘッドモジュール12のノズル面を撮像してノズル面画像データ26を生成し、このノズル面画像データ26を位置合わせ制御部38へ出力する。
位置合わせ制御部38は、ノズル面画像データ26を解析して、アライメントマーク15の位置に基づきヘッドモジュール12の基準位置からのずれ量を算出した後、ヘッドモジュール12の位置補正量を求める。次いで、位置合わせ制御部38は、ヘッドモジュール12の位置補正量に基づきヘッドモジュール保持部20を駆動して、ヘッドモジュール12を基準位置にセットする。これにより、ヘッドモジュール12のアライメント調整が完了する(ステップS5)。
ヘッドモジュール12のアライメント調整後、CPU31はPC23のモニタ等に記録紙13のセットを促すメッセージを表示させる。
図11に示すように、記録紙13が透明ステージ18上にセットされた後、操作部34にてアライメント開始操作がなされると、CPU31から位置合わせ用カメラ21に対して撮像指令が出力される。この指令を受けて位置合わせ用カメラ21は、透明ステージ18を通して記録紙13の下面を撮像して記録紙画像データ28を生成し、この記録紙画像データ28を位置合わせ制御部38へ出力する。
位置合わせ制御部38は、記録紙画像データ28を解析して、アライメントマーク27の位置に基づき記録紙13の基準位置からのずれ量を算出した後、この記録紙13の位置補正量を求めて搬送制御部37へ出力する。この位置補正量に基づき、搬送制御部37はステージ駆動機構19を駆動して、記録紙13が基準位置にセットされるように透明ステージ18を移動させる。これにより、記録紙13のアライメント調整が完了する(ステップS6)。
記録紙13のアライメント調整の完了後、テストパターン形成制御部39は、前述の図5から図8に示したテストパターン形成処理を実行させる(ステップS7)。図12に示すように、テストパターン形成制御部39は、搬送制御部37を介してステージ駆動機構19を駆動して透明ステージ18をY方向に移動させるとともに、ヘッド制御部36を制御して選択ノズルNから液滴を吐出させる。これにより、記録紙13の記録面上に複数の第1のラインパターン41からなる第1次ストライプパターン42が形成される(図6参照)。
次いで、図13に示すように、テストパターン形成制御部39は、搬送制御部37を介してステージ駆動機構19を駆動することにより、選択ノズルNの1つを貫通する回転軸Cを中心として透明ステージ18を180°回転させる(図7参照)。
図14に示すように、透明ステージ18の回転後にテストパターン形成制御部39は、搬送制御部37を介してステージ駆動機構19を駆動して透明ステージ18をY方向に移動させるとともに、ヘッド制御部36を制御して選択ノズルNから液滴を吐出させる。これにより、記録紙13の記録面上でかつ第1次ストライプパターン42の近傍に、複数の第2のラインパターン44からなる第2次ストライプパターン45が形成される(図8参照)。以上で、記録紙13の記録面上にテストパターン24が形成される。
図15に示すように、搬送制御部37は、テストパターン24の形成後にステージ駆動機構19を駆動して、テストパターン24がパターン読取用カメラ22に対向する位置にセットされるように透明ステージ18をY方向に移動させる。この移動後に、CPU31からパターン読取用カメラ22に対して撮像指令が出力される。この指令を受けてパターン読取用カメラ22は、記録紙13の記録面に形成されたテストパターン24を撮像してパターン画像データ29を生成し、このパターン画像データ29をDCオフセット量算出部40へ出力する。
DCオフセット量算出部40は、パターン読取用カメラ22から入力されたパターン画像データ29を解析して、両ストライプパターン42,45のパターン間隔Sを検出する(ステップS8、検出ステップ)。次いで、DCオフセット量算出部40は、パターン間隔Sに1/2を乗算してDCオフセット量εを算出する(ステップS9、算出ステップ)。また、第1次ストライプパターン42に対する第2次ストライプパターン45のずれ方向からDCオフセット方向が判別される。DCオフセット方向の判別結果を含むDCオフセット量εは、ヘッドモジュール12の識別情報IDと関連付けた状態でDCオフセット量記憶部47に記憶される(ステップS10、記憶ステップ)。以上でヘッドモジュール12のDCオフセット量εの検査が全て完了する。なお、他のヘッドモジュール12の検査を行う場合には、上述の各処理が繰り返し実行される。
<作用効果>
このように本発明では、記録紙13にそれぞれ第1次及び第2次ストライプパターン42、45を形成した後、そのパターン間隔Sを検出することで、ラインヘッド14に取付前のヘッドモジュール12のDCオフセット量εを算出することができる。これにより、図16に示すように、ヘッドモジュール12をラインヘッド14に取り付ける(例えば接着固定)する際に、このヘッドモジュール12をDCオフセット量ε分だけずらしてラインヘッド14に取り付けることができる。その結果、図3に示したようにヘッドモジュール12の繋ぎ部分での色ムラやすじムラの発生が防止される。また、ラインヘッド14への取付後のヘッドモジュール12の位置調整を行う必要が無くなる。
[第2実施形態のヘッドモジュール検査装置]
次に、図17及び図18を用いて本発明の第2実施形態の検査装置50について説明を行う。上記第1実施形態では、記録紙13を180°回転させる前後でそれぞれ第1次及び第2次ストライプパターン42、45を形成している。この際に、ヘッドモジュール12のDCオフセット量εが非常に小さいと、両ストライプパターン42、45の干渉により、パターン間隔Sが小さくなり過ぎて計測不能になるおそれがある。
そこで、検査装置50では記録紙13を180°回転させた後(ステップS2)に、この記録紙13をX方向に移動させる(ステップS2−1、移動ステップ)。なお、検査装置50は、第1実施形態の検査装置10と基本的には同じ構成であるので、上記第1実施形態と機能・構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
第2実施形態のテストパターン形成制御部39は、記録紙13が180°回転された後、搬送制御部37を介してステージ駆動機構19を駆動して、透明ステージ18をX方向に距離dだけ移動させる。この距離dの大きさは特に限定はされず、実験やシミュレーション等で最適な値を決定すればよい。
透明ステージ18(記録紙13)の移動方向は、パターン間隔Sが広くなる方向、すなわち、DCオフセットの方向とは反対方向に設定される。このDCオフセットの方向を判別するためには、例えば、第1実施形態の同様の第1次及び第2次ストライプパターン42,45の形成と、テストパターン24の読み取りとを予め実行する。これにより、パターン間隔Sが計測不能であっても、第1次ストライプパターン42に対して第2次ストライプパターン45が±X方向のいずれの方向にずれているかを判別して、この判別結果に基づいてDCオフセットの方向を判別することができる。
記録紙13をX方向でかつDCオフセットの方向とは反対方向に距離dだけ移動させることにより、両ストライプパターン42,45のパターン間隔Sを2εから2ε+dに広げることができる。ここで距離dの大きさは既知であるので、DCオフセット量算出部40は、パターン間隔S(=2ε+d)からDCオフセット量εを算出することができる。
このように本発明の第2実施形態では、記録紙13を180°回転させた後に、記録紙13をX方向に移動させてパターン間隔Sを広げているので、DCオフセット量εが非常に小さい場合でもパターン間隔Sを求めることができる。その結果、DCオフセット量εを算出することができる。
なお、上記第2実施形態では、記録紙13をX方向に移動させる前に予めDCオフセットの方向を判別しているが、例えば、記録紙13を±X方向にそれぞれ移動させて第2次ストライプパターン45の形成を2回行ってもよい。この場合に、第1次ストライプパターン42と、2つの第2次ストライプパターン45との間のパターン間隔Sがそれぞれ求められるが、パターン間隔Sの広い方がS=2ε+dを満たす。従って、間隔が広い方のパターン間隔Sに基づきDCオフセット量εを算出することができる。
また、上記第2実施形態では、記録紙13をX方向に移動させているが、ヘッドモジュール12をX方向(DCオフセットの方向)に移動させることによりパターン間隔Sを広げてもよい。さらに、記録紙13とヘッドモジュール12とをそれぞれ±X方向に移動させてもよい。
[第3実施形態のヘッドモジュール検査装置]
次に、図19を用いて本発明の第3実施形態の検査装置55について説明を行う。上記各実施形態では、第1次及び第2次ストライプパターン42,45をそれぞれ同一の選択ノズルNを用いて形成するが、検査装置55では第1次及び第2次ストライプパターン42a,45a(図22参照)をそれぞれ異なるノズルNを用いて形成する。なお、検査装置55は、第1実施形態の検査装置10と基本的には同じ構成であるので、上記第1実施形態と機能・構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
検査装置55では、全ノズルNのうちでX方向の同一列内にピッチPで配置されたノズルNをA群選択ノズルN(A)として選択し、このA群選択ノズルN(A)により第1次ストライプパターン42aを形成する。また、検査装置55では、全ノズルNのうちでA群選択ノズルN(A)と異なるX方向の列内で同一のピッチPで配置されたノズルNをB群選択ノズルN(B)として選択し、このB群選択ノズルN(B)により第2次ストライプパターン45aを形成する。なお、A群選択ノズルN(A)は本発明の第1の記録素子に相当し、B群選択ノズルN(B)は本発明の第2の記録素子に相当する。
A群選択ノズルN(A)の各ノズルNと、B群選択ノズルN(B)の各ノズルNとの間のX方向のノズル間隔(素子間隔)Wは既知であり、本実施形態ではW=P/2となるようにB群選択ノズルN(B)が選択されている。なお、ノズル間隔Wは、W=P/2に限定されるものではなく適宜変更可能である。
<第3実施形態の検査装置の作用>
図20に示すフローチャートを用いて上記構成の検査装置55の作用について説明を行う。なお、ステップS5及びステップS6は上記第1実施形態と同じであるので、ここでは説明を省略する。ステップS6の終了後に、テストパターン形成制御部39はテストパターン形成処理を実行させる(ステップS7−1)。
図19に示したように、テストパターン形成制御部39は、搬送制御部37を介してステージ駆動機構19を駆動して透明ステージ18をY方向に移動させるとともに、ヘッド制御部36を制御してA群選択ノズルN(A)から液滴を吐出させる。これにより、記録紙13の記録面上に複数の第1のラインパターン41からなる第1次ストライプパターン42aが形成される(ステップS11、第1のラインパターン形成ステップ)。
次いで、図21に示すように、テストパターン形成制御部39は、搬送制御部37を介してステージ駆動機構19を駆動して、A群選択ノズルN(A)の1つを貫通する回転軸Cを中心として透明ステージ18を180°回転させる(ステップS12、回転ステップ)。これにより、記録紙13が180°回転される。
図22に示すように、記録紙13の回転後にテストパターン形成制御部39は、搬送制御部37を介してステージ駆動機構19を駆動して透明ステージ18をY方向に移動させるとともに、ヘッド制御部36を制御してB群選択ノズルN(B)から液滴を吐出させる。これにより、記録紙13の記録面上でかつ第1次ストライプパターン42aの近傍に、複数の第2のラインパターン44からなる第2次ストライプパターン45aが形成される(ステップS13、第2のラインパターン形成ステップ)。以上で、記録紙13の記録面上に第1次ストライプパターン42aと第2次ストライプパターン45aとを含むテストパターン24aが形成される。
以下、第1実施形態と同様に、パターン読取用カメラ22によるテストパターン24aの撮像が行われてパターン画像データ29が生成された後、DCオフセット量算出部40によるパターン画像データ29の解析が行われる。
DCオフセット量算出部40は、パターン読取用カメラ22から入力されたパターン画像データ29を解析してDCオフセット量εを算出する。ここで、A群選択ノズルN(A)とB群選択ノズルN(B)との位置関係は固定であり、A群選択ノズルN(A)による第1次ストライプパターン42aの形成後に記録紙13を180°回転させた状態でB群選択ノズルN(B)による第2次ストライプパターン45aの形成を行っている。このため、A群選択ノズルN(A)にDCオフセットが発生している場合には、例えば第1のラインパターン41と、その両隣に位置する第2のラインパターン44との間のパターン間隔Sのうちの一方がW(=P/2)よりも2ε分だけ広がる。また、逆にパターン間隔Sの他方がW(=P/2)よりも2ε分だけ狭くなる。
一方、図23に示すように、A群選択ノズルN(A)にDCオフセットが発生していない場合には、第1のラインパターン41と、その両隣に位置する第2のラインパターン44との間のパターン間隔Sが共に「S=W=P/2」となる。
図20及び図22に戻って、DCオフセット量算出部40は、パターン画像データ29を解析して、個々の第1のラインパターン41と、その両隣に位置する第2のラインパターン44との間のパターン間隔Sをそれぞれ検出する(ステップS8)。なお、個々の第2のラインパターン44と、その両隣に位置する第1のラインパターン41との間のパターン間隔Sをそれぞれ検出してもよい。
この際に、DCオフセット量算出部40が検出したパターン間隔Sのうち間隔が広い方のパターン間隔Sは、前述したように「S=2ε+W=2ε+P/2」(以下式(1)という)を満たす。このため、DCオフセット量算出部40は、先に検出した「S」(例えば複数のパターン間隔Sの代表値(平均値等))と、既知の「W=P/2」を式(1)に代入することにより、DCオフセット量εを算出する(ステップS9)。また、第1次ストライプパターン42aに対する第2次ストライプパターン45のずれ方向からDCオフセット方向が判別される。
なお、B群選択ノズルN(B)のDCオフセット量εについても同様にして求められるので、以下同様にして複数群の選択ノズルのDCオフセット量εを求めることにより、例えば各DCオフセット量εの代表値(平均値等)をヘッドモジュール12のDCオフセット量εとして算出してもよい。DCオフセット方向の判別結果を含むDCオフセット量εは、識別情報IDと関連付けた状態でDCオフセット量記憶部47に記憶される(ステップS10)。
このように第3実施形態では、A群選択ノズルN(A)と同一ピッチでかつノズル間隔Wが既知のB群選択ノズルN(B)により形成された第2次ストライプパターン45a(第2のラインパターン44)を用いることで、上記各実施形態と同様にDCオフセット量εを算出することができる。特に第1次及び第2次ストライプパターン42a,45aをそれぞれ異なるノズルNを用いて形成するので、DCオフセット量εが非常に小さい場合でもあっても第2実施形態のように記録紙13(またはヘッドモジュール12)をX方向に移動させることなく、DCオフセット量εを算出することができる。
[その他]
上記第1実施形態では、図7及び図8に示したように、第1次ストライプパターン42が形成された記録紙13を180°回転させた後に第2次ストライプパターン45の形成を行っている。これに対して図24に示すように、第1次ストライプパターン42の形成後に選択ノズルNの1つを貫通する回転軸Cを中心としてヘッドモジュール12を180°回転させた後、このヘッドモジュール12の選択ノズルNにより第2次ストライプパターン45を形成してもよい。この場合も第1実施形態と同様に、第1次及び第2次ストライプパターン42,45のパターン間隔SからDCオフセット量εを算出することができる。なお、上記第2及び第3実施形態についても同様に記録紙13の代わりにヘッドモジュール12を180°回転させてもよい。
上記各実施形態では、ヘッドモジュール12の全体のDCオフセット量を求めているが、ヘッドモジュール12の一部の領域(例えば、中央部、端部)のDCオフセット量εや、複数領域のそれぞれのDCオフセット量εについても同様にして求めることができる。この場合には、DCオフセット量εを求める領域内の選択ノズルNを貫通する回転軸Cを中心として記録紙13またはヘッドモジュール12を180°回転させた後に、第2次ストライプパターン45、45aを形成する。これにより、上記領域におけるDCオフセット量εを高精度に求めることができる。
なお、この際には、DCオフセット量εを求める領域のX方向の中心(ほぼ中心を含む)に位置する選択ノズルNを貫通する軸を、回転軸Cとして設定することが好ましい。また、ヘッドモジュール12の全体のDCオフセット量を求める際には、ヘッドモジュール12のX方向の中心(ほぼ中心を含む)に位置する選択ノズルNを貫通する軸を、回転軸Cとして設定することが好ましい。これにより、第1次及び第2次ストライプパターン42,45のパターン間隔Sが大きくなり過ぎることが防止される。
上記各実施形態では、本発明の第1の方向に相当するY方向、及び第2の方向に相当するX方向としてそれぞれ副走査方向、主走査方向を例に挙げて説明を行ったが、これらの方向は適宜設定してもよい。
上記各実施形態では、PC23を用いてDCオフセット量εの算出を行っているが、PC以外の各種演算装置を用いてDCオフセット量εの算出を行ってもよい。
上記各実施形態では、グラフィック印刷用のインクジェット装置のラインヘッド(記録ヘッド)に取り付けられるヘッドモジュールのDCオフセットの検査への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト印刷装置、カラーフィルター製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを描画するインクジェット装置のラインヘッドに取り付けられるヘッドモジュールのDCオフセットの検査にも本発明を適用することができる。
上記各実施形態では、本発明の記録素子としてノズルNを例に説明したが、サーマル素子、LED素子等の各種の記録素子を有するヘッドモジュールのDCオフセットの検査に本発明を適用することができる。
10…ヘッドモジュール検査装置,12…ヘッドモジュール,18…透明ステージ,19…ステージ駆動機構,22…パターン読取用カメラ,24…テストパターン,36…ヘッド制御部,37…搬送制御部,39…テストパターン形成制御部,40…DCオフセット量算出部,41…第1のラインパターン,42…第1次ストライプパターン,44…第2のラインパターン,45…第2次ストライプパターン

Claims (10)

  1. 記録素子が複数配列されたヘッドモジュールと、記録媒体とを第1の方向に相対移動させながら前記ヘッドモジュールにより前記記録媒体に第1のラインパターンを形成する第1のラインパターン形成ステップと、
    前記第1のラインパターン形成ステップ後に、前記ヘッドモジュール及び前記記録媒体のいずれか一方を、当該記録媒体の記録面に対して垂直な回転軸を中心として180°回転させる回転ステップと、
    前記回転ステップ後に、前記ヘッドモジュールと前記記録媒体とを前記第1の方向に相対移動させながら前記ヘッドモジュールにより前記記録媒体に第2のラインパターンを形成する第2のラインパターン形成ステップと、
    前記記録媒体に形成された前記第1のラインパターンと前記第2のラインパターンとの間のパターン間隔を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップの検出結果に基づき、前記ヘッドモジュールにおける複数の前記記録素子の位置に対する、複数の前記記録素子による前記記録媒体上の記録位置の前記第1の方向に対して垂直な第2の方向のずれ量を算出する算出ステップと、
    を有するヘッドモジュールの検査方法。
  2. 前記回転軸は、前記記録素子の中心を貫通する軸である請求項1記載のヘッドモジュールの検査方法。
  3. 前記第2のラインパターン形成ステップでは、前記第1のラインパターンの形成に用いた前記記録素子と同じ記録素子を用いて前記第2のラインパターンを形成する請求項1または2記載のヘッドモジュールの検査方法。
  4. 前記第1のラインパターン形成ステップでは、前記第2の方向に一定ピッチで配置された前記記録素子により前記第1のラインパターンを形成し、
    前記回転ステップでは、前記第1のラインパターンの形成に用いられた前記記録素子のいずれかの中心を貫通する軸を前記回転軸とし、
    前記算出ステップは、前記検出ステップで検出された前記パターン間隔に1/2を乗算して得た値を前記ずれ量とする請求項3記載のヘッドモジュールの検査方法。
  5. 前記第1のラインパターン形成ステップでは、前記第2の方向に一定ピッチで配置された第1の記録素子により前記第1のラインパターンを形成し、
    前記第2のラインパターン形成ステップでは、前記第1の記録素子とは異なる第2の記録素子であって、前記第2の方向に前記第1の記録素子と同一ピッチで配置されており、かつ前記第1の記録素子との間の前記第2の方向の素子間隔が既知である第2の記録素子により前記第2のラインパターンを形成し、
    前記算出ステップでは、前記検出ステップの検出結果と、前記素子間隔とに基づいて前記ずれ量を算出する請求項1または2記載のヘッドモジュールの検査方法。
  6. 前記回転ステップでは、前記第1の記録素子のいずれかの中心を貫通する軸を前記回転軸とし、
    前記第1のラインパターンと前記第2のラインパターンとは前記第2の方向に交互に形成されており、
    前記ずれ量をεとし、前記素子間隔をWとし、前記第1及び第2のラインパターンの一方とその両隣に位置する他方との間のパターン間隔のうち間隔が広い方をSとしたときに、前記ε、W、Sは式S=2ε+Wを満たし、
    前記算出ステップでは、前記式に前記W、Sを代入して前記εを算出する請求項5記載のヘッドモジュールの検査方法。
  7. 前記回転ステップと前記第2のラインパターン形成ステップとの間に、前記ヘッドモジュール及び前記記録媒体のいずれか一方を前記第2の方向に移動させる移動ステップを有する請求項1から6のいずれか1項記載のヘッドモジュールの検査方法。
  8. 前記算出ステップ後に、前記ずれ量の算出結果を、前記ヘッドモジュールを識別可能な状態で記憶部に記憶させる記憶ステップを有する請求項1から7のいずれか1項記載のヘッドモジュールの検査方法。
  9. 前記記録素子は、液滴の吐出を行うノズルである請求項1から8のいずれか1項記載のヘッドモジュールの検査方法。
  10. 記録素子が複数配列されたヘッドモジュールと、記録媒体とを第1の方向に相対移動させる相対移動手段と、
    前記相対移動手段を制御して前記ヘッドモジュールと前記記録媒体とを前記第1の方向に相対移動させながら、前記ヘッドモジュールを制御して前記記録媒体に第1のラインパターンを形成させる第1の記録制御手段と、
    前記第1のラインパターンの形成後に、前記ヘッドモジュール及び前記記録媒体のいずれか一方を、当該記録媒体の記録面に対して垂直な回転軸を中心として180°回転させる回転手段と、
    前記一方が180°回転された後に、前記相対移動手段を制御して前記ヘッドモジュールと前記記録媒体とを前記第1の方向に相対移動させながら、前記ヘッドモジュールを制御して前記記録媒体に第2のラインパターンを形成させる第2の記録制御手段と、
    前記記録媒体に形成された前記第1のラインパターンと前記第2のラインパターンとの間のパターン間隔を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に基づき、前記ヘッドモジュールにおける複数の前記記録素子の位置に対する、複数の前記記録素子による前記記録媒体上の記録位置の前記第1の方向に対して垂直な第2の方向のずれ量を算出する算出手段と、
    を備えるヘッドモジュールの検査装置。
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