(実施形態1)
(遊技システムの概要)
本実施形態1に係る遊技システムは、図1に示すように、遊技機1に対して遊技媒体管理装置2をデータ通信可能に接続し、遊技に用いられる遊技媒体の消費や付与に関係する全ての処理をデータ通信により遊技媒体管理装置2において実行するシステムである。
具体的に説明すると、遊技システムは、図2に示すように、遊技機1と、遊技機1に対して各種のデータ及び信号を送受信可能に接続された遊技媒体管理装置2とを有している。遊技機1は、主制御回路71を搭載した主基板とサブ制御回路72を搭載したサブ基板とリールユニット74と外部集中端子板14と遊技機側接続端子板15と、遊技者が操作可能な操作スイッチであるベットボタン56a・56b・56cと精算ボタン57とスタートレバー58とストップボタン59a・59b・59cと、操作スイッチが操作されたことを検出し遊技に反映させる入力スイッチユニット73とを有している。これらの各部71・72・74・14・15・73は、遊技者等が外部から器具等を用いても触れることができないように、密封状態のキャビネット51内に収容されている。即ち、遊技機1は、封入式の構造にされている。尚、遊技機1は、封入式の構造でなくてもよいが、封入式の構造であることが不正行為を行い難くする点で好ましい。
主基板は、サブ基板に対して光ファイバ44を介してデータ通信可能に接続されている。データ通信は、主基板からベット処理部に対して光信号を一方向にだけ出力するように設定されている。また、主基板は、外部集中端子板14及び遊技機側接続端子板15に対してそれぞれ双方向にデータ通信可能にされている。各部11・12・74・14・15・73の詳細については後述する。
主基板は、図6のマイクロコンピュータ711を主要な構成部品として有している。マイクロコンピュータ711は、メインROM7112やメインRAM7113に格納された処理プログラムをメインCPU7111に実行させることによって、各種の処理部(処理機能)を遊技機1に備えさせている。
具体的に説明すると、遊技機1は、遊技者によるベット数の指定を受け付けるベット数指定部を有していると共に、主基板(のマイクロコンピュータ711)に備えられたベット処理部、遊技処理部、払出処理部を有している。ベット処理部は、ベット数指定部において指定されたベット数による遊技媒体データのベットの受け付けを遊技媒体管理装置2において可能にする。遊技処理部は、遊技媒体データのベットの受け付けを前提条件として遊技を実行する。払出処理部は、遊技の結果に基づいて遊技媒体データの払出数を決定する。尚、ベット数指定部は、遊技者により押圧操作されるベットボタン56a・56b・56cから機械的に隔離された入力スイッチユニット73とメインCPU7111の処理動作とで実現されている。尚、ベットボタン56a・56b・56cをベット数指定部とする場合もある。
一方、遊技媒体管理装置2は、マイクロコンピュータからなる図8の制御部250を筐体201内に有している。制御部250は、RAM272やROM273に格納された処理プログラムをCPU271に実行させることによって、各種の処理部(処理機能)を遊技媒体管理装置2に備えさせている。
具体的に説明すると、遊技媒体管理装置2は、遊技機1のベット処理部における遊技媒体データのベット数と、遊技機1の払出処理部における遊技媒体データの払出数とに基づいて、遊技媒体データの貸出数を管理する貸出処理部23と、ベット数指定部において指定されたベット数が貸出数以下である場合に、ベット処理部における遊技媒体データのベットを受け付けるメダル情報処理部22と、遊技者の入金を遊技媒体データの貸出数に加算可能に受け付ける入金処理部24とを有している。さらに、遊技媒体管理装置2は、図3に示すように、異常処理部27や各種の情報記憶部281〜284、自動貸出補充機能のオンオフ状態を切替え可能にする自動貸出選択部291、自動クレジット補充機能のオンオフ状態を切替え可能にする自動クレジット補充選択部292、自動貯メダル再プレイ機能のオンオフ状態を切替え可能にする自動貯メダル再プレイ選択部293を有している。これらの各部27・281〜284・291・292・293の詳細については後述する。
ここで、『遊技』とは、遊技媒体のベットを前提条件とした全ての遊技が該当する。例えば、パチスロゲームやパチンコゲームである。『遊技媒体』は、メダルや遊技球、トークン、電子マネー、チケット等の遊技価値を有するものである。遊技機1と遊技媒体管理装置2との『通信可能』は、有線及び無線の何れであってもよく、好ましくは、光ファイバからなる有線による光信号のデータ通信である。光ファイバによるデータ通信の詳細については後述する。『遊技媒体データ』は、遊技媒体を電子データ化したものであり、現実世界の事象に対する客観的な事実を表現し、潜在的な価値のみを持っている。例えば、遊技媒体としてのメダルが1枚、2枚等である。遊技媒体データは、遊技関連データに含まれている。『遊技関連データ』は、遊技媒体データを含む他、一般遊技状態やBB遊技状態等の遊技状態データを含み、さらに、遊技に関連する全てのデータを意味する。
封入式の遊技機1としては、外部から閉鎖された空間内に各種の処理部を備えた構成であれば、遊技者が実際に遊技媒体に触れることなく遊技できる構成、即ち、遊技機1の内部に封入された遊技媒体を用いて遊技を行う構成であってもよい。遊技機1の内部に封入された遊技媒体を用いて遊技を行う構成としては、遊技球を用いて遊技するパチンコ装置が例示される。
上記の構成によれば、遊技機1における遊技のベットや遊技の結果に基づく払出しが実体を伴わない遊技媒体データにより行われると共に、遊技媒体データのベット数及び払出数に伴って増減する貸出数の管理及びベットの受け付けが、遊技機1から隔離された遊技媒体管理装置2において行われる。これにより、従来のように貸出数の管理及びベットの受け付けを遊技機1において行う遊技システムよりも、遊技機1に対する不正行為を防止することができる。
また、上記の構成によれば、主基板やサブ基板、リールユニット74等が封入式の遊技機1に備えられることによって、ベット数指定部とベット処理部と遊技処理部と払出処理部とが外部から閉鎖されたキャビネット51内(空間内)に備えられている。これにより、遊技システムは、ベット数指定部とベット処理部と遊技処理部と払出処理部に対して外部から不正に操作する不正行為を行い難いものにしている。
また、遊技システムは、遊技機1及び遊技媒体管理装置2間におけるデータ通信が光ファイバ41により実現されている。具体的に説明すると、遊技機1は、主基板におけるベット処理部及び払出処理部に接続され、データを光信号として送受信する遊技機側接続端子板15を有している。また、遊技媒体管理装置2は、貸出処理部に接続され、データを光信号として送受信する管理装置側接続端子板21を有している。遊技機側接続端子板15と管理装置側接続端子板21とは、光ファイバ41により各種のデータからなる遊技関連データ及び信号を送受信可能に接続されている。
これにより、遊技システムは、遊技機側接続端子板15や管理装置側接続端子板21に対する光ファイバ41の接続作業が半田による接続作業よりも困難であるため、接続状態を変更することによる不正行為を困難にすることができる。
詳細に説明すると、銅線等の信号線の接続は、電気信号の伝送を可能にすればよいものであるため、いずれの位置及び接続方向で半田付けを行っても、導通状態になった時点で接続作業を完了することができる。これに対し、光ファイバ41の接続作業は、光信号の伝送であるため、光ファイバの接合面同士を正確に位置決めするように所定の冶具で固定して接合しないと、光強度の減衰量が過大となって伝送することができないものとなる。この結果、光ファイバ41の接続作業は、半田による信号線の接続作業よりも正確な位置決め精度や冶具の設置等の作業を伴うことになる。これにより、光ファイバ41を信号線として使用すると、接続状態を変更することによる不正行為を困難にすることができる。
さらに、遊技システムは、遊技機1とホールコンピュータ3との間に中継接続端子板25を配置し、各通信経路を光ファイバ43・42で構成している。即ち、遊技機1の外部集中端子板14は、光ファイバ42を介して遊技媒体管理装置2の中継接続端子板25に対して一方向にデータ通信可能に接続されている。中継接続端子板25は、光ファイバ43を介してホールコンピュータ3に接続されており、外部集中端子板14からのデータを外部のホールコンピュータ3に対して一方向に送信可能にしている。これにより、遊技機1は、外部集中端子板14から遊技媒体管理装置2の中継接続端子板25を介してホールコンピュータ3にデータ送信するようになっている。
上記の構成によれば、遊技システムは、遊技機1における主基板の遊技処理部から外部集中端子板14を介して送信される各種のデータを遊技媒体管理装置2におけるベットの管理に用いることができるようになっている。また、遊技システムは、遊技媒体管理装置2の中継接続端子板25を介して外部のホールコンピュータ3に一方向にデータや情報、信号を送信するため、遊技機1においてベット管理を行ったり、遊技機1から直接的にホールコンピュータ3に対してデータ送信を行う場合よりも不正行為が困難になっている。
尚、外部集中端子板14及び遊技機側接続端子板15が主基板に対してデータを送受信可能にされている理由は、遊技機1が封入式であるため、外部から不正に操作される可能性が非常に低いからである。また、遊技機1の遊技機側接続端子板15が遊技媒体管理装置2の管理装置側接続端子板21に対してデータを送受信可能にされている理由は、これらのデータ通信が不正の困難な光ファイバ41により行われていると共に、遊技機1のキャビネット51と遊技媒体管理装置2の筐体201とが接合されることによって、外部からの光ファイバ41・42に対する不正行為が困難になっているからである。従って、外部集中端子板14と中継接続端子板25とが光ファイバ42を介して双方向にデータ通信可能に接続されていてもよい。
(遊技の実行環境の判定)
また、本実施形態1に係る遊技システムは、上述の構成に加えて、遊技状態と払出数とに基づいて遊技の実行環境が正常及び異常の何れであるかを遊技媒体管理装置2において判定する構成を備えている。
具体的に説明すると、遊技機1は、遊技媒体データのベットの受け付けを前提条件として各種の遊技状態の下で遊技を実行する遊技処理部を有しており、遊技媒体管理装置2は、遊技状態データの遊技状態と払出数とに基づいて、遊技の実行環境が正常及び異常の何れであるかを判定する遊技監視部26を有している。ここで、『各種の遊技状態』とは、例えば、ボーナスゲーム状態(BB状態、RB状態等)や通常ゲーム状態である。
上記の構成によれば、遊技の異常の発生を即座に発見することが可能になる。即ち、遊技状態と払出数との関係は、遊技状態の種類毎に遊技数や最大の払出数等が決まっている。従って、例えば、各遊技状態毎に払出数の最大総数やベース値等が理論的に計算され得る。これにより、遊技状態と払出数とに基づいて遊技の実行環境が正常及び異常の何れであるかを判定することができることから、遊技の異常の発生を即座に発見することが可能になる。
また、遊技媒体管理装置2は、遊技監視部26において遊技の実行環境が異常であると判定された場合、遊技の実行を制限する異常処理部27を有している。異常処理部27は、遊技の異常が発生したときに、人手を介さずに遊技の実行を制限する処置を採ることができるため、異常環境下における遊技の継続による損害の拡大を容易に防止することを可能にしている。ここで、遊技の実行を制限する処置としては、異常処理部27からホールコンピュータ3への異常報知処置、遊技機1や遊技媒体管理装置2の光や音声、映像による警報発生処置、遊技機1や遊技媒体管理装置2の動作停止処置、ホール内の音声呼び出し処置等を例示することができる。
遊技の実行を制限する処置を具体例に説明すると、例えば、メダル投入要求受付状態信号として3枚投入可能信号が遊技媒体管理装置2から遊技機1に送信されている場合において、MAXベット操作しても、3枚投入要求信号を遊技媒体管理装置2に送信しない処理を行う。或いは、3枚投入可能信号の代わりに0枚投入可能信号を遊技媒体管理装置2から遊技機1に送信する処理を行う。
上記の異常処理部27は、遊技監視部26において遊技の実行環境が異常であると判定された場合、貸出処理部23における遊技媒体データの貸出数の管理を停止するようになっている。これにより、遊技の異常が発生したときに、貸出処理部23における遊技媒体データの貸出数の管理を停止することによって、異常環境下における遊技の継続による損害の拡大を容易に防止することができる。
また、遊技監視部26は、各遊技状態における払出数の最大総数を有し、現在の遊技状態における遊技で払い出された払出数の総数が最大総数を超えた場合に、遊技の実行環境が異常であると判定するようになっている。これにより、各遊技状態における遊技の実行環境が異常であることを容易に判定することができる。
尚、遊技監視部26は、各遊技状態における払出数の最大総数に基づいて異常の有無を判定しているが、これに限定されるものではない。例えば、遊技監視部26は、当籤確率に基づく理論値に基づいて異常の有無を判定してもよいし、BB遊技やRB遊技等の役が所定時間内に成立する回数に基づいて異常の有無を判定してもよい。さらに、遊技監視部26は、BB遊技等の役やリプレイの繰り返し回数に基づいて異常の有無を判定してもよいし、ベット操作に対応した上限の払出数に基づいて異常の有無を判定してもよい。また、異常処理部27は、遊技の実行環境の異常レベルとして複数段階の異常レベルを判定可能であり、異常レベルのうち相対的に低レベルである低レベル異常であると判定したときには外部集中端子板14に接続されたホールコンピュータ3に対して実行環境が異常である旨のデータを送信し、異常レベルのうち相対的に高レベルである高レベル異常であると判定したときには遊技の実行制限として、ベット処理部への遊技媒体データの送信を停止するようになっていてもよい。この場合には、不正であるか否かが微妙なレベルの低レベル異常であれば、遊技機1を停止させずにホールコンピュータ3を操作する遊技場側のみで監視し、動向を監視することが可能であり、不正が明らかな高レベル異常であれば、直ちに遊技の実行を不可能とするため、精度の高い不正防止が可能となる。即ち、上記の構成によれば、遊技の異常レベルを複数段階で備えていることから、例えば不正行為であるか遊技機1のエラーに起因する異常状態かを判別困難な1回又は数回の異常である低レベル異常であれば遊技媒体データの送信を停止することなくホールコンピュータ3側にのみ異常データである旨のデータを送信し、遊技者に秘密裏に遊技場側で監視することが可能となる。これにより、不正行為を行っていない遊技者に不信感を与えることなく異常状態を察知することが可能となる。一方、例えば異常回数が10回を超えるような異常である場合のように、不正行為であることが明らかな高レベル異常のときには遊技媒体データの送信を停止し、遊技自体を実行不可能とすることが可能となる。この結果、精度の高い不正防止が可能となる。
(データ通信及び記憶部を用いた情報処理)
上記の遊技システムにおける各種のデータ及び信号の送受信の処理内容について説明する。
図3に示すように、遊技機1は、図6のマイクロコンピュータ711におけるメインROM7112やメインRAM7113に格納された処理プログラムをメインCPU7111が実行することによって、遊技者によるベット数の指定を受け付けるベット数指定部と、ベット数指定部で指定されたベット数が遊技媒体管理装置2からのメダル投入要求受付状態信号が示す投入可能数以下である場合に、指定されたベット数を示すメダル投入要求信号を遊技媒体管理装置2に送信することによって、指定されたベット数で遊技媒体データのベットを可能にするベット処理部と、遊技媒体管理装置2からのメダル投入信号による遊技媒体データのベットの受け付けを前提条件として遊技を実行する遊技処理部と、遊技の結果に基づいて遊技媒体データの払出数を決定し、当該払出数を示すメダル払出信号を送信する払出処理部とを備えている。
一方、遊技媒体管理装置2は、図8の制御部250におけるRAM272やROM273に格納された処理プログラムをCPU271が実行することによって、遊技機1からのメダル投入要求信号が示す遊技媒体データのベット数と、遊技機1からのメダル払出信号が示す遊技媒体データの払出数とに基づいて、遊技媒体データの貸出数を管理する貸出処理部23と、遊技者の入金を遊技媒体データの貸出数に加算可能に受け付ける入金処理部24と、下記の処理を実行するメダル情報処理部22とを有している。
即ち、メダル情報処理部22は、投入設定数及び貸出数の中から何れか少ない方を投入可能数として選択し、選択した投入可能数を示すメダル投入要求受付状態信号を遊技機1に送信するメダル投入要求受付処理と、遊技機1からのメダル投入要求信号により遊技媒体データのベットを受け付け、当該ベットの受け付けを示すメダル投入信号を遊技機1に送信するメダル投入処理とを実行する。
ここで、『メダル投入要求受付状態信号』は、遊技媒体管理装置2から遊技機1に送信されるものであり、投入設定数及び貸出数の中から何れか少ない方を選択したものを投入可能数として示すものである。ベットボタン56a・56b・56cは、メダル投入要求受付状態信号を遊技機1が受信したときであって非遊技中に応じて点灯する。また、後述するように遊技中であっても所定条件を満たした場合にも点灯する。
具体的には、図9の『3枚投入可能信号』や『2枚投入可能信号』、『1枚投入可能信号』、『0枚投入可能信号』が該当する。図9においては、投入設定数が“3”に設定され、持ちメダルとクレジットの貸出数が“5”である場合において『3枚投入可能信号』が送信される。この後、貸出数が“2”に減少すると、『2枚投入可能信号』が送信され、さらに、貸出数が“0”に減少すると、『0枚投入可能信号』が送信される場合を例示している。尚、本実施形態では遊技状態に応じて投入設定数“3”及び“2”を備えており、投入設定数と貸出数に応じて投入可能信号を決定して送信しているが、投入設定数を考慮せず、貸出数のみに基づいて投入可能信号を決定して送信するようにしてもよい。その場合は遊技状態にかかわらず貸出数が3以上の場合は『3枚投入可能信号』を送信するようにし、遊技機1側で自身の状態を判断して後述する投入要求信号を送信するようにしてもよい。例えば遊技状態が投入設定数“2”の後述するRB遊技状態であって、貸出数が“3”以上の“10”の場合であっても遊技媒体管理装置2は、常時遊技機1に対して『3枚投入可能信号』を送信し、遊技機1側でMAXベットボタン56cが操作されたときには、遊技機1側が自身の状態(遊技状態)を判断して『2枚投入要求信号』を送信する。また、例えば遊技中であっても貸出数が“3”以上の“10”であるときには遊技媒体管理装置2は、常時遊技機1に対して『3枚投入可能信号』を送信し続け、遊技機1は遊技中にベットボタン56a・56b・56cが操作されたとしても、自身の状態(遊技中か否か)を判断して投入要求信号を送信しない。このようにすることで遊技媒体管理装置2は、遊技機1の状態を考慮せず自身の貸出数のみに基づいて遊技機1に対して投入可能信号を送信するため、遊技媒体管理装置2側の制御負担が軽減される。
尚、図9における『0枚投入可能信号』は、投入不可信号と称することもできるものであり、貸出数が0のときに送信される。また、MAXベットボタン56cは遊技中に所定条件を満たした場合には点灯し、遊技者に操作を促す報知を行う。所定条件を満たした際には後述する液晶表示装置54が点灯に合わせて所定の演出を行い、MAXベットボタン56cが操作されたことを条件に演出を変化させる。所定条件としては遊技機1側での所定の抽籤、所定遊技回数消化等が含まれる。また、メダル投入要求受付状態信号は、遊技媒体管理装置2から遊技機1に所定時間間隔で常時送信されていてもよいし、遊技機1から応答要求信号が送信されたときの応答信号として送信されてもよい。尚、点灯させるボタンはMAXベットボタン56cに限られず、その他遊技者が操作可能な各種ボタンの何れであっても、複数のボタンの組合せであってもよい。
また、『メダル投入要求信号』は、ベット数指定部で指定されたベット数がメダル投入要求受付状態信号の投入可能数以下である場合に遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信されるものであり、指定されたベット数を示すものである。例えば、図9の『3枚投入要求信号』や『2枚投入要求信号』が該当する。『メダル投入信号』は、遊技媒体管理装置2から遊技機1に送信されるものであり、遊技機1からのメダル投入要求信号により遊技媒体データのベットを受け付けた旨を示すものである。図9においては、『3枚投入信号』や『2枚投入信号』が該当する。『メダル払出信号』は、遊技の結果に基づいて決定された遊技媒体データの払出数を示すものである。尚、メダル払出信号は、ハズレの遊技結果による払出無しが含まれる。即ち、払出数は“0”を含む。図9における一連の動作の詳細については後述する。
上記の構成によれば、遊技媒体管理装置2から遊技機1に対して、投入設定数及び貸出数の何れか少ない方がメダル投入要求受付状態信号として送信されるようになっているめ、遊技媒体データの貸出数の管理が遊技機1から隔離された遊技媒体管理装置2で行われていても、遊技機1において、ベットが受け付けられるベット数を把握することができる。これにより、遊技機1は、指定されたベット数が遊技媒体管理装置2の貸出数より少ないか否かを即座に判断でき、指定されたベット数が貸出数より少ない場合には、そのベット数の指定を即座に無効にすることができる。その結果、遊技機1と遊技媒体管理装置2とが分離されていても、通信によるタイムラグなどに起因する遊技者へのストレスを軽減することができる。
また、図3に示すように、遊技媒体管理装置2は、図2の構成に加えて、遊技媒体データのベットに用いられるクレジット数を遊技準備状態メダル情報として記憶する遊技準備状態メダル情報記憶部281を有している。そして、貸出処理部23は、遊技機1からのメダル投入要求信号が示す遊技媒体データのベット数をクレジット数から減算するクレジット減算処理と、遊技機1からのメダル払出信号が示す遊技媒体データの払出数をクレジット数に加算するクレジット加算処理とを実行することによって、遊技媒体データの貸出数を管理している。上記の構成によれば、遊技媒体データの貸出数の管理が遊技準備状態メダル情報記憶部281におけるクレジット数により行われるため、電子データの形態で貸出数を管理することが容易になっている。
さらに、遊技媒体管理装置2は、遊技準備状態メダル情報記憶部281に記憶されるクレジット数の上限値を超えた超過数が合算された持ちメダル数を持ちメダル情報として記憶する持ちメダル情報記憶部282を有している。貸出処理部23は、上記のクレジット減算処理とクレジット加算処理とに加えて、クレジット数の上限値を超えた超過数を持ちメダル情報記憶部282の持ちメダル数に加算する持ちメダル加算処理とを実行することによって、遊技媒体データの貸出数を管理する。上記の構成によれば、遊技媒体データの貸出数の管理が遊技準備状態メダル情報記憶部281におけるクレジット数及び持ちメダル情報記憶部282における持ちメダル数により行われるため、実際のメダルを用いた構成に近似した動作を実現できると共に、電子データの形態で貸出数を管理することが容易になる。
さらに、遊技媒体管理装置2は、遊技準備状態メダル情報記憶部281及び持ちメダル情報記憶部282に加えて、入金処理部24で入金された入金額の残高数を残高情報として記憶する残高情報記憶部284を有している。貸出処理部23は、ベット減算処理及び払出加算処理に加えて、クレジット数の上限値を超えた超過数を持ちメダル情報記憶部282の持ちメダル数に加算する持ちメダル加算処理を実行する。上記の構成によれば、遊技媒体データの貸出数の管理が遊技準備状態メダル情報記憶部281におけるクレジット数、持ちメダル情報記憶部282における持ちメダル数、及び残高情報記憶部284における残高数により行われるため、電子データの形態で貸出数を管理することがより一層容易になる。
さらに、遊技媒体管理装置2は、遊技準備状態メダル情報記憶部281、持ちメダル情報記憶部282、及び残高情報記憶部284に加えて、景品交換せずにホールに預けたメダル数である貯メダル数を貯メダル情報として記憶する貯メダル情報記憶部283を有している。貸出処理部23は、ベット減算処理と払出加算処理と持ちメダル加算処理とに加えて、残高情報における残高数の一部又は全部を所定の換算値で遊技媒体データに換算し、換算数を遊技準備状態メダル情報記憶部281におけるクレジット数に加算する残高貸出処理と、貯メダル情報記憶部283における貯メダル数の一部又は全部をクレジット数に加算する貯メダル再プレイ処理とを実行することによって、遊技媒体データの貸出数を管理する。尚、貯メダルとは、前日以前に遊技者が獲得した持ちメダル又は当日獲得した持ちメダルを変換したものであり、図示しない貯メダルサーバが管理する。貯メダルサーバは、会員カードIDごとに持ちメダル、貯メダル、残高を記憶し、日付を跨ぐことにより持ちメダルを自動的に貯メダルに変換する機能を有する。また、持ちメダルが記憶されている会員カードを遊技者又は遊技場管理者がPOS上又は遊技媒体管理装置2にて操作を行い持ちメダルを貯メダルに変換することも可能である。
上記の構成によれば、遊技媒体データの貸出数の管理が遊技準備状態メダル情報記憶部281におけるクレジット数、持ちメダル情報記憶部282における持ちメダル数、残高情報記憶部284における残高数、及び貯メダル情報記憶部283における貯メダル数により行われるため、電子データの形態で貸出数を管理することが容易になると共に、貯メダルもクレジットにすることができるため、貸出数が無くなることによる遊技の停止を可能な限り防止することができる。
(メダル自動補充処理:自動貸出処理、自動クレジット補充処理、自動貯メダル再プレイ処理)
さらに、上記の構成を備えた遊技システムは、遊技準備状態メダル補充情報をクレジット数に加算する遊技準備状態メダル補充処理である各種のメダル自動補充処理を実行可能に構成されている。これにより、遊技者の選択により遊技準備状態メダル補充処理を自動で行うことが可能になるため、遊技者の負担を軽減することが可能になる。
即ち、遊技媒体管理装置2は、遊技媒体データのベットに用いられるクレジット数を遊技準備状態メダル情報として記憶する遊技準備状態メダル情報記憶部と、遊技準備状態メダル情報となり得る遊技準備状態メダル補充情報を記憶する遊技準備状態メダル補充情報記憶部と、遊技機1からのメダル投入要求信号が示す遊技媒体データのベット数をクレジット数から減算するベット減算処理と、遊技機1からのメダル払出信号が示す遊技媒体データの払出数をクレジット数に加算する払出加算処理と、遊技準備状態メダル補充情報記憶部における遊技準備状態メダル補充情報を遊技準備状態メダル情報記憶部におけるクレジット数に加算する遊技準備状態メダル補充処理とを実行することによって、遊技媒体データの貸出数を管理する貸出処理部と、所定の貸出条件が成立したときに、遊技準備状態メダル補充処理を自動で実行させるか否かを遊技者の操作により選択可能にする自動貸出選択部と、投入設定数及び貸出数の中から何れか少ない方を投入可能数として選択し、当該投入可能数を示すメダル投入要求受付状態信号を遊技機に送信するメダル投入要求受付処理と、遊技機1からのメダル投入要求信号により遊技媒体データのベットを受け付け、当該ベットの受け付けを示すメダル投入信号を遊技機1に送信するメダル投入処理とを実行するメダル情報処理部とを有している。
ここで、『遊技準備状態メダル補充情報』は、クレジットに補充可能な持ちメダル情報、残高情報及び貯メダル情報を含む。また、遊技準備状態メダル補充情報記憶部は、持ちメダル情報記憶部282、残高情報記憶部284、及び貯メダル情報記憶部283を含む。
具体的には、遊技媒体管理装置2は、遊技媒体データのベットに用いられるクレジット数を遊技準備状態メダル情報として記憶する遊技準備状態メダル情報記憶部281と、遊技者の入金を受け付ける入金処理部24と、入金処理部24で入金された入金額の残高数を残高情報として記憶する残高情報記憶部284と、遊技準備状態メダル情報記憶部281に記憶されるクレジット数の上限値を超えた超過数である持ちメダル数を持ちメダル情報として記憶する持ちメダル情報記憶部282と、クレジット数及び持ちメダル数の清算前の貯メダル数を貯メダル情報として記憶する貯メダル情報記憶部283とを有している。
また、遊技媒体管理装置2における貸出処理部23は、遊技機1からのメダル投入要求信号が示す遊技媒体データのベット数をクレジット数から減算するベット減算処理と、遊技機1からのメダル払出信号が示す遊技媒体データの払出数をクレジット数に加算する払出加算処理と、残高情報における残高数の一部又は全部を所定の換算値で遊技媒体データに換算し、換算数を遊技準備状態メダル情報記憶部281におけるクレジット数に加算する残高貸出処理と、持ちメダル情報記憶部282における持ちメダル数の一部又は全部を、遊技準備状態メダル情報記憶部281におけるクレジット数に加算するクレジット補充処理と、貯メダル情報記憶部283における貯メダル数の一部又は全部を、遊技準備状態メダル情報記憶部281におけるクレジット数に加算する貯メダル再プレイ処理とを実行することによって、遊技媒体データの貸出数を管理するようになっている。
さらに、遊技媒体管理装置2は、所定の貸出条件が成立したときに、残高貸出処理を自動で実行させるか否かを遊技者の操作により選択可能にする自動貸出選択部291と、所定のクレジット補充条件が成立したときに、クレジット補充処理を自動で実行させるか否かを遊技者の操作により選択可能にする自動クレジット補充選択部292と、所定の貯メダル再プレイ条件が成立したときに、貯メダル再プレイ処理を自動で実行させるか否かを遊技者の操作により選択可能にする自動貯メダル再プレイ選択部293とを有している。自動貸出選択部291は、残高貸出処理を自動で実行する機能である自動貸出補充機能のオンオフ状態を切替え可能にする。自動クレジット補充選択部292は、クレジット補充処理を自動で実行する機能である自動クレジット補充機能のオンオフ状態を切替え可能にする。自動貯メダル再プレイ選択部293は、貯メダル再プレイ処理を自動で実行する機能である自動貯メダル再プレイ機能のオンオフ状態を切替え可能にする。オンオフ状態の切替えは、スイッチやタッチパネル等により設定可能である。
また、メダル情報処理部22は、投入設定数及び貸出数の中から何れか少ない方を投入可能数として選択し、当該投入可能数を示すメダル投入要求受付状態信号を遊技機1に送信するメダル投入要求受付処理と、遊技機1からのメダル投入要求信号により遊技媒体データのベットを受け付け、当該ベットの受け付けを示すメダル投入信号を遊技機1に送信するメダル投入処理とを実行するようになっている。
上記の構成によれば、遊技システムは、オンオフ状態を切替え可能な自動貸出補充機能を有することから、残高情報の残高数の一部又は全部を所定の換算値で遊技媒体データに換算し、換算数をクレジット数に加算する残高貸出処理を、遊技者の選択により自動で行うことが可能になる。これにより、残高情報の残高貸出処理に要する遊技者の負担を軽減することが可能になる。
さらに、遊技システムは、オンオフ状態を切替え可能な自動クレジット補充機能を有することから、持ちメダル情報記憶部における持ちメダル数の一部又は全部を、遊技準備状態メダル情報記憶部281におけるクレジット数に加算するクレジット補充処理を、遊技者の選択により自動で行うことが可能になる。これにより、クレジット補充処理に要する遊技者の負担を軽減することが可能になる。
さらに、遊技システムは、オンオフ状態を切替え可能な自動貯メダル再プレイ機能を有することから、貯メダル情報記憶部283における貯メダル数の一部又は全部を、遊技準備状態メダル情報記憶部281におけるクレジット数に加算する貯メダル再プレイ処理を、遊技者の選択により自動で行うことが可能になる。これにより、貯メダル再プレイ処理に要する遊技者の負担を軽減することが可能になる。
さらに、遊技システムは、換算数をクレジット数に加算したときに、クレジット数の上限値を超えて超過数が発生した場合には、この超過数である持ちメダル数が持ちメダル情報として持ちメダル情報記憶部282に記憶されることによって、クレジット数の上限値を超える残高貸出処理が行われた場合でも、電子データの遊技媒体データとして貸出数を管理することが可能になる。
尚、遊技システムは、自動貸出選択部291と自動クレジット補充選択部292と自動貯メダル再プレイ選択部293との少なくとも一つを有していてもよい。換言すれば、遊技システムは、オンオフ状態を切替え可能な自動貸出補充機能、オンオフ状態を切替え可能な自動貯メダル再プレイ機能、及びオンオフ状態を切替え可能な自動貯メダル再プレイ機能の中から選択した1以上の機能を有していてもよい。また、遊技システムは、自動貸出選択部291と自動クレジット補充選択部292と自動貯メダル再プレイ選択部293とに代えて、遊技者の手動により補充を行うようになっていてもよい。この場合には、遊技者の好みのタイミングで補充を行うことができる。自動及び手動の切替えは、スイッチやタッチパネル等により設定可能である。さらに、遊技システムは、自動補充と手動補充との両方が可能にされていてもよい。
(遊技機1のベット表示)
上記の遊技システムは、各種のベット表示が可能に構成されている。具体的には、遊技システムにおける遊技機1は、ベットボタン56a・56b・56c(ベット数指定部)に対応付けられており、複数の表示態様で表示可能な投入可能数表示部と、遊技の実行開始後に成立した所定条件と、遊技の実行開始後に受信したメダル投入要求受付状態信号が示す投入可能数とに応じた表示態様の表示を遊技の実行終了まで前記投入可能数表示部に行わせる投入可能数表示制御部とを有している。尚、MAXベットボタン56cだけがベット数指定部とされてもよい。また、投入可能数表示部は、各種ベットボタン56a・56b・56c内部に内蔵された1ベット用ボタンランプ75a、2ベット用ボタンランプ75b、3ベット用ボタンランプ75cである。尚、各種ベット用ボタンランプ75a・75b・75cは、フルカラーLEDで構成されており、メイン制御回路からコマンドを受信するサブ制御回路により制御され、状態に応じて点灯色を変化させる。例えば、非遊技中であってベット可能な場合は赤で点灯され、遊技中であって前述の所定条件を満たして演出用に用いる場合には青で点灯される。また、点灯色はこれらに限定されず、色種別に応じてボーナス当籤となる期待度を変化させてもよい。また、点灯と点滅とで期待度を変化させてもよい。また、当然のことながら、単色のランプとして、非遊技中であってベット可能な場合と遊技中であって前述の所定条件を満たして演出用に用いる場合とで同様の点灯を行うようにしてもよい。
また、遊技媒体管理装置2は、上述のように、遊技機1からのメダル投入要求信号が示す前記遊技媒体データのベット数と、遊技機1からのメダル払出信号が示す遊技媒体データの払出数とに基づいて、遊技媒体データの貸出数を管理する貸出処理部23と、遊技者の入金を遊技媒体データの貸出数に加算可能に受け付ける入金処理部24と、投入設定数及び貸出数の中から何れか少ない方を投入可能数として選択し、当該投入可能数を示すメダル投入要求受付状態信号を遊技機1に送信するメダル投入要求受付処理と、遊技機1からのメダル投入要求信号により遊技媒体データのベットを受け付け、当該ベットの受け付けを示すメダル投入信号を遊技機1に送信するメダル投入処理とを実行するメダル情報処理部22とを有している。
上記の構成によれば、ベットボタン56a・56b・56cに対して遊技者の操作がなされることによって、ベット数が指定され、スタートレバー58が操作されることにより遊技が開始されると、この遊技の実行開始後に成立した所定条件に応じた表示態様の表示が投入可能数表示部において行われる。そして、投入可能数表示部がベット数指定部に対応付けられていることから、投入可能数表示部の表示を見た遊技者に対してベット数指定部に対して注意を喚起することができる。この結果、遊技期間中において、通常はベット操作としては受け付けられないが、それ以外の何らかの演出があることを連想させ、遊技者に対してベットボタン56a・56b・56cの操作を促すことが可能になる。加えて、遊技機1では、液晶表示装置54において遊技者に対してベットボタン56a・56b・56cの押圧操作を促すような演出表示が行われる。例えば液晶表示装置54上においてMAXベットボタン56cを模した画像を表示し、さらに『押せ!!』の表示を行うものが考えられる。その際、上述した期待度により色種別、点灯態様が異なる遊技機1の構成である場合にはMAXベットボタン56c画像や文字表示の態様を合わせて変更する。
また、遊技システムにおける遊技機1において、ベット処理部は、遊技処理部が所定のベット数に限定される特別な遊技状態(RB等)で遊技を実行する場合、ベット数指定部において最大ベット数(MAXベット数)の指定が行われたときに、所定のベット数を示すメダル投入要求信号を送信してもよい。この構成によれば、特別な遊技状態となってベット数が所定ベット数に限定された場合において、具体的なベット数を示さない最大ベット数が指定されたときに、ベット数を自動的に所定ベット数に変更することによりベットの受け付けを有効にすることができる。
また、遊技システムにおける遊技機1において、ベット処理部は、投入可能数が投入設定数未満である場合、ベット数指定部において最大ベット数の指定が行われたときに、投入可能数とされたベット数を示すメダル投入要求信号を送信してもよい。この構成によれば、貸出数が投入可能数未満にまで減少した結果、投入可能数が投入設定数未満になった場合において、具体的なベット数を示さない最大ベット数が指定されたときに、ベット数を自動的に投入可能数に変更することによりベットの受け付けを有効にすることができる。尚、ベット数を自動的に投入可能数に変更する自動ベット数変更機能を作動(オン状態)させるか否かを切り替える切替えスイッチが設けられていることが好ましい。
例えば、図9において、『2枚投入可能信号』が遊技媒体管理装置2から遊技機1に送信されている場合において、自動ベット数変更機能がオン状態であると、MAXベット操作が行われたときに、『2枚投入要求信号』が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信されることになる。
(遊技機1の構造)
次に、パチスロ装置が適用された遊技機1の構造について説明する。図4は、遊技機1の外部構造を示す。
(リール53a・53b・53cと表示窓55a・55b・55c)
遊技機1は、リールや回路基板等を収容するキャビネット51と、キャビネット51に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア52とを備える。キャビネット51の内部には、3つのリール53a・53b・53cが横並びに設けられている。各リール53a・53b・53cは、円筒状のフレームの周面に帯状のシートを貼り付けた構成にされている。、帯状のシートは、複数の図柄(例えば21個)を有している。これらの図柄は、リール53a・53b・53cの回転方向に沿って連続的に配置されている。
フロントドア52の中央には、液晶表示装置54が配置されている。液晶表示装置54は、図柄表示領域54a・54b・54cを含む表示画面を備えている。液晶表示装置54は、正面から見て3つのリール53a・53b・53cに重畳する手前側に位置するように配置されている。図柄表示領域54a・54b・54cは、3つのリール53a・53b・53cのそれぞれに対応して配置されている。図柄表示領域54a・54b・54cは、その背後に設けられたリール53a・53b・53cを透過することが可能になっている。
つまり、図柄表示領域54a・54b・54cは、表示窓55a・55b・55cとしての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール53a・53b・53cの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施形態1では、図柄表示領域54a・54b・54cを含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域54a・54b・54c(以下、表示窓55a・55b・55c)は、その背後に設けられたリール53a・53b・53cの回転が停止されたとき、リール53a・53b・53cの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓55a・55b・55cが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
本実施の形態では、各表示窓55a・55b・55cの上段を組合せてなるトップライン、各表示窓55a・55b・55cの中段を組合せてなるセンターライン、各表示窓55a・55b・55cの下段を組合せてなるボトムライン、左表示窓55aの上段、中表示窓55bの中段及び右表示窓55cの下段を組合せてなるクロスダウンライン、左表示窓55aの下段、中表示窓55bの中段及び右表示窓55cの上段を組合せてなるクロスアップラインの5つを入賞判定ラインとして設けている。
(操作装置)
フロントドア52には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。ベットボタン56a・56b・56cは、1回の遊技にベットする枚数を指定するためのものである。1ベットボタン56aは1ベットを指定し、2ベットボタン56bは2ベットを指定し、MAXベットボタン56cは3ベット等の最大ベット数をMAXベットとして指定する。これらのベットボタン56a・56b・56cは、図6のベット用ボタンランプ76a〜76cを内蔵している。精算ボタン57は、遊技媒体管理装置2に預けられている電子データ化されたメダル(遊技媒体データ)を外部に引き出すためのものである。尚、メダルの引き出しは、遊技カード等により行われる。また、精算ボタン57は、遊技媒体管理装置2に設けられていてもよい。スタートレバー58は、全てのリール53a・53b・53cの回転を開始するために設けられる。ストップボタン59a・59b・59cは、3つのリール53a・53b・53cのそれぞれに対応付けられ、対応するリール53a・53b・53cの回転を停止するためのものである。
(その他装置)
7セグ表示器60は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技においてベットされたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、電子データ化されたメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。尚、クレジット枚数は、例えば、50枚、100枚、200枚、クレジット無しである。表示ランプ61(LED等)は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ62・62は、フロントドア52の下部両側に配置されており、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。スピーカ62・62の上方には、光を透過する材質で形成されたパネル板63が設けられている。パネル板63には、遊技に登場するキャラクター等の絵柄が形成されている。
(内部構造)
次に、遊技機1の内部構造を説明する。図5は、本実施形態1における遊技機1の内部構造を示す。フロントドア52が開放され、フロントドア52の裏面側の構造及びキャビネット51内の構造が現れた状態が示されている。
キャビネット51内の上部には、主制御回路を構成する基板(以下、主基板が配置されている。主制御回路は、内部当籤役の決定、リール53a・53b・53cの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロにおける遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路の具体的な構成は後述する。キャビネット51内の中央部には、3つのリール53a・53b・53cが配置されている。各リール53a・53b・53cのそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
3つのリール53a・53b・53cの左側には、サブ制御回路を構成する基板(以下、サブ基板)が設けられている。サブ制御回路は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。サブ制御回路の具体的な構成は後述する。キャビネット51内の下部には、各装置に対して必要な電力を供給する電源装置67が設けられている。
このように、遊技機1は、従来のメダルを使用する遊技機1において必須の構成となっていたメダルセレクターやメダルホッパー、オーバーフローバケット、自動補給穴、下皿トレイをはじめとしたメダル払出機構が不要になると共に、メダル払出に関わる機構(クレジット機構、メダル投入検出、メダル払出検出等)が不要になっている。この結果、部品点数の減少により遊技機1の大幅なコストダウンが可能になっている。さらに、主基板の側方であってリール53a・53b・53cの下方において、大きなスペース511を確保することが可能になっている。
これにより、遊技機1は、スペース511を削減して小型化することができる。或いは、サブ系装置の新たな発想が可能になる。例えば、遊技結果の履歴を示すデータ表示装置等の表示装置をスペース511に配置することができる。この場合には、表示装置の表示内容がパネル板63を介して外部に露光するため、表示内容を遊技者に目視させることが可能になる。また、表示装置は、キャビネット51内に封入され、外部から操作不能にされているため、主基板に対して信号線を直結することが可能になる。この結果、表示装置と主基板との接続において、外部集中端子板14が不要であるため、配線の作業性が良好であると共に、外部集中端子板14の端子数に余裕を持たせることができ、さらには、データの齟齬を無くすことができる。
また、遊技機1は、主基板の機能がスリム化されるので、ROM容量に余裕を持たせることが可能になる。さらに、メダルセレクター自体が削減されるため、遊技機1に対する所謂クレマンゴトを撲滅できる。また、遊技機1と遊技媒体管理装置2とが光通信の形態で接続されることによって、遊技媒体管理装置2の接続部を狙ったゴトに対しても高いセキュリティ性を確保できる。さらに、遊技機1におけるホッパーの消滅によりホッパーゴトも撲滅できる。
(遊技機1の回路構成)
次に、遊技機1の回路構成について説明する。図6に示すように、遊技機1は、主制御回路71、サブ制御回路72及びこれらと電気的に接続された周辺装置(アクチュエータ等)を備える。(主制御回路71)
主制御回路71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ711を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ711は、CPU(以下、メインCPU7111)、ROM(以下、メインROM7112)及びRAM(以下、メインRAM7113)により構成される。
メインROM7112には、メインCPU7111により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、サブ制御回路72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM7113には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU7111には、クロックパルス発生回路712、分周器713、乱数発生器714及びサンプリング回路715が接続されている。クロックパルス発生回路712及び分周器713は、クロックパルスを発生する。メインCPU7111は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器714は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路715は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ711のI/Oポート716には、入力スイッチユニット73のスイッチ等が接続されている。メインCPU7111は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ731L・731C・731Rは、3つのストップボタン59a・59b・59cのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。これらのストップスイッチ731L・731C・731Rは、リール停止信号回路735を介してI/Oポート716に接続されている。
また、スタートスイッチ732は、スタートレバー58が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。1ベットスイッチ733aは、1ベットボタン56aが遊技者により押圧操作されたことを検出する。2ベットスイッチ733bは、2ベットボタン56bが遊技者により押圧操作されたことを検出する。MAXベットスイッチ733cは、MAXベットボタン56cが遊技者により押圧操作されたことを検出する。また、精算スイッチ734は、精算ボタン57が遊技者により押圧操作されたことを検出する。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ711により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータや7セグ表示器等がある。また、マイクロコンピュータ711のI/Oポート716の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路741は、各リール53a・53b・53cに対応して設けられたステッピングモータ742a・742b・742cの駆動を制御する。リール位置検出回路743は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール53a・53b・53cが一回転したことを示すリールインデックスを各リール53a・53b・53cに応じて検出する。
ステッピングモータ742a・742b・742cは、運動量がパルスの出力数に比例し、指定された角度で回転軸を停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ742a・742b・742cの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール53a・53b・53cに伝達される。ステッピングモータ742a・742b・742cに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール53a・53b・53cは一定の角度で回転する。
メインCPU7111は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ742a・742b・742cに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール53a・53b・53cの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール53a・53b・53cの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
I/Oポート716は、ランプ駆動回路717に接続されている。ランプ駆動回路717は、各種ランプや7セグ表示器の動作を制御する。ランプ駆動回路717は、1ベット用ボタンランプ76a、2ベット用ボタンランプ76b、3ベット用ボタンランプ76cを点灯及び消灯させる。尚、これらのランプ76a〜76c(投入可能表示部)は、遊技開始のために必要な数をベットしてスタートレバー58を操作する前である遊技開始前において遊技媒体管理装置2から投入可能信号が送信されているときには投入可能状態として赤色の点灯を行い、遊技開始のために必要な数のベットが行われスタートレバー58が操作された後から全てのリール53a・53b・53cが停止して払出信号が送信されるまでの間である遊技中には基本的に投入不可能状態として消灯し、遊技中であっても上述した所定条件充足時には例外的に対応する点灯色(例えば青、緑等)で点灯を行う。
さらに、上記のように構成された主制御回路71は、外部集中端子板14及び遊技機側接続端子板15に対してデータ及び信号を送受信可能に接続されている。外部集中端子板14は、遊技媒体管理装置2内の中継接続端子板25に対してデータ及び信号を送受信可能に接続されている。中継接続端子板25は、ホールコンピュータ3に対してデータ及び信号を一方向に送信可能に接続されている。即ち、外部集中端子板14は、中継接続端子板25を介してホールコンピュータ3に接続されている。尚、外部集中端子板14は、ホールコンピュータ3に対してデータ及び信号を一方向に送信可能に接続されていてもよい。
一方、遊技機側接続端子板15は、遊技媒体管理装置2内の遊技媒体管理装置21にデータ及び信号を送受信可能に接続されている。遊技媒体管理装置2の詳細については後述する。また、主制御回路71は、サブ制御回路72に接続されている。サブ制御回路72は、スピーカ62及び液晶表示装置54に接続されている。
サブ制御回路72は、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。サブ制御回路72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)、ROM(以下、サブROM)、RAM(以下、サブRAM)、レンダリングプロセッサ、描画用RAM、ドライバ、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM及びA/D変換器及びアンプを含んで構成されている。
(メインROM7112におけるデータテーブル)
次に、メインROM7112に記憶されているデータテーブルについて説明する。メインROM7112は、図柄配置テーブルや図柄組合せテーブル、ボーナス作動時テーブル、内部抽籤テーブル、内部当籤役決定テーブル等の各種のデータテーブルを記憶している。
図柄配置テーブルは、図7に示すように、各リールの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リールの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓の中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
また、図柄組合せテーブルは、入賞判定ラインに沿って各リールにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、払出枚数とを規定している。表示役は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。
表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。例えば、各リールの図柄「ベル」が入賞判定ラインに沿って表示されたとき、表示役として「ベル(00000010)」が決定される。
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役としてチェリー、ベル又はスイカが決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、基本的に投入枚数が少ないときの方がより多くの払出枚数が決定される。
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBBが決定されたとき、ボーナスの作動が行われる。尚、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
ボーナス作動時テーブルは、ボーナスの作動が行われるときに、メインRAM7113に設けられた各種格納領域に格納するデータを規定している。作動中フラグは、作動が行われるボーナスの種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナスの種類としてBB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)及びRB(第1種特別役物)を設けている。RBの作動は、BBの作動が行われている間、連続的に行われる。尚、本実施形態1では、RB中の最大ベット枚数は2枚、その他の遊技は3枚とするが、これに限定されるものではない。
BBの作動は、規定枚数に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。RBの作動は、規定回数に達する遊技が行われた場合、規定回数に達する入賞が有った場合、又は、BBの作動が終了した場合の何れかによって終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスの終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナスの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナスの作動が終了する。
内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。内部当籤役は、入賞判定ラインに沿って表示を許可する各リールの図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。尚、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
(メインRAM7113における格納領域の構成)
次に、メインRAM7113に設けられている各種格納領域の構成について説明する。メインRAM7113は、内部当籤役格納領域や持越役格納領域、作動中フラグ格納領域等を有している。内部当籤役格納領域は、前述の1バイトのデータにより表される内部当籤役を格納する。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せの表示が許可される。尚、全ビットが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。メインRAM7113には、前述の表示役が格納される表示役格納領域が設けられている。表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様となっている。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されたことになる。
持越役格納領域は、前述の抽籤の結果、ボーナスの作動に係る内部当籤役が決定されたときに格納される。持越役格納領域に格納されたボーナスの作動に係る内部当籤役(以下、持越役)は、対応する図柄の組合せが入賞判定ラインに表示されるまで、その内容がクリアされずに保持される構成となっている。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、前述の抽籤の結果にかかわらず、これが内部当籤役格納領域に格納される。
作動中フラグ格納領域は、1バイトからなる作動中フラグを格納する。作動中フラグは、各ビットに対して固有のボーナスが割り当てられている。ビットに「1」が立っているとき、該当するボーナスの作動が行われている。尚、全ビットが「0」であるときの状態を一般遊技状態と定義する。
(遊技機1の機能)
上記のように構成された遊技機1の回路構成、即ち、主制御回路71、サブ制御回路72及び周辺装置は、以下の機能を遊技機1に備えさせている。
具体的に説明すると、遊技機1は、遊技媒体データのベットを前提条件として遊技を実行する遊技処理部を有している。遊技処理部は、スタート部と演出用乱数値抽出部と内部抽籤部と乱数値抽出部とストップ部と演出内容決定部と演出実行部と入賞判定部とリール部とリール停止制御部とを有している。
スタート部は、ベット処理部で所定のベット数が設定されることを条件として遊技者により操作可能にされ、単位ゲームを開始させる機能を有している。ここで、『単位ゲーム』とは、ベットの受付開始から賞成立となり得る状態までの一連の動作である。スタート部は、演出用乱数値抽出部と乱数値抽出部とリール停止制御部とにゲーム開始指令を出力する。
演出用乱数値抽出部は、ゲーム開始指令をトリガーとして、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)を抽出する機能を有している。乱数値抽出部は、ゲーム開始指令をトリガーとして、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、内部抽籤用乱数値)を抽出する機能を有している。乱数値抽出部は、内部抽籤用乱数値を内部抽籤部に出力する。
内部抽籤部は、内部抽籤用乱数値に基づいて抽籤を行うことにより内部当籤役を決定する機能を有している。内部当籤役が決定されると、入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、遊技媒体管理装置2におけるメダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが存在する。
内部抽籤部は、内部当籤役を演出内容決定部に出力する。演出内容決定部には、演出用乱数値抽出部から演出用乱数値が入力されている。演出内容決定部は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回の単位ゲームで実行するものを演出用乱数値に基づいて抽籤により決定する機能を有している。演出内容決定部は、演出内容のデータを演出実行部に出力する。演出実行部は、液晶表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出を行う機能を有している。
また、内部抽籤部は、内部当籤役をリール停止制御部に出力する。リール停止制御部には、内部抽籤部からの内部当籤役と共に、ストップ部からのストップ指令が入力される。ストップ部は、複数のリールの回転が行われた後に遊技者により操作されると、リール停止指令をリール停止制御部に出力する機能を有している。リール停止制御部は、内部当籤役とリール停止指令とに基づいて、リール部におけるリールの回転を停止する制御を行う機能を有している。
詳細に説明すると、リール停止制御部は、ストップ部が操作されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御を行う。ここで、本実施形態1においては、規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定めている。また、リール停止制御部は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されている場合、規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止する。また、リール停止制御部は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可しない内部当籤役が決定されている場合、規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリールの回転を停止する。
入賞判定部は、複数のリールの回転が全て停止されたときに、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う機能を有している。入賞に係るものであると判定された場合は、遊技媒体データの付与等の特典が遊技者に与えられる。
上記のように各部を備えた遊技処理部は、遊技可能となるベット処理が行われたことを条件として、遊技者の操作により遊技がスタートされ、遊技終了後に遊技の結果に応じた払出処理が行われる遊技処理が実行される。
上記の遊技処理部は、ベット処理部及び払出処理部に接続されている。ベット処理部は、遊技媒体データを外部の操作により指定されたベット数でベット可能にする機能を有している。ここで、『外部の操作』とは、一般に遊技者がボタンを押圧したり、レバーを所定角度回動させたりする操作を言うが、これに限定されるものではなく、遊技者以外の者や自動化装置が操作することを含む。払出処理部は、遊技の結果に基づいて遊技媒体データの払出数を決定する機能を有している。ベット処理部及び払出処理部は、外部集中端子板14に接続されていると共に、遊技機側接続端子板15に接続されている。外部集中端子板14は、遊技処理部にも接続されており、データを光信号として送受信する機能を有している。また、遊技機側接続端子板15は、データを光信号として送受信する機能を有している。
(遊技媒体管理装置2の構造)
次に、遊技機1に光ファイバ41・42を介して接続された遊技媒体管理装置2について説明する。遊技媒体管理装置2は、図1及び図4に示すように、筐体201を外壁として有している。筐体201は、略直方体状で遊技機1の幅よりも狭い幅に設定されている。筐体201は、遊技機1の側面に当接状態で設置可能及び固定可能にされている。
遊技媒体管理装置2の筐体201の前面には、紙幣投入口202と硬貨投入口203とカード挿入口204とが配置されている。紙幣投入口202の上方には、貸出ボタン206と計数ボタン207と貯メダル再プレイボタン208と持メダル再プレイボタン209とが配置されている。また、筐体201内部には、図8に示すように、制御部250と入金処理装置268とカード装置267と管理装置側接続端子板21と中継接続端子板25とが設けられている。入金処理装置268は、紙幣投入口202及び硬貨投入口203に連絡されており、紙幣や貨幣が搬入されるようになっている。また、カード装置267は、カード挿入口204に連絡されており、カード(貯メダルカードやビジターカード)が搬入されるようになっている。ここで、貯メダルカード及びビジターカードは、メダル数と金額とを記録可能になっている。
(遊技媒体管理装置2の電気的構成)
遊技媒体管理装置2の制御部250は、サンドCPU271、RAM272、ROM273等を有するマイクロコンピュータからなっている。制御部250は、管理装置側接続端子板21、入金処理装置268及びカード装置267に接続されている。ROM273は、プログラム領域等を有している。RAM272は、プログラムのデータ処理等に使用されるデータや遊技機1から送信されるデータ等を一時的に格納する。
RAM272は、図3の残高情報記憶部284や遊技準備状態メダル情報記憶部281、持ちメダル情報記憶部282、貯メダル情報記憶部283等の各種の記憶部を記憶領域の一部を用いてそれぞれ形成している。これにより、RAM272は、残高情報や遊技準備状態メダル情報、持ちメダル情報、貯メダル情報、払出メダル情報等を記憶可能になっている。
ここで、残高情報は、貸出された度数の残高を示す情報である。度数は、現金をメダル数に置き換えたものである。例えば、換算値が20円/枚の条件下においては、“50”の度数、即ち、50枚のメダル数であると、“1000円”分の現金を残高情報として有することと同じことになる。遊技準備状態メダル情報(以下、クレジットと記載)は、遊技のための投入に使われるメダル数の情報であり、所謂、メダルクレジットと同等である。持ちメダル情報は、遊技準備状態メダルの数量上限(例えば“50”)から溢れた分のメダルとして記録される情報である。メダル払出方式の遊技機1において、クレジット超過時に下皿に払い出されたメダルに相当する。貯メダル情報は、前日以前に遊技者が獲得した持ちメダル又は当日獲得した持ちメダルを変換したものである。尚、遊技準備状態のメダル数に上限を持たせているが、上限を持たなくてもよい。その場合には持ちメダル情報を別途記載する必要がなく、記憶領域の削減となる。
CPU271は、ROM273に格納されたプログラムを実行することで、図2のメダル情報処理部22や貸出処理部23、入金処理部24、異常処理部27等の各処理機能を遊技媒体管理装置2に備えさせている。
(遊技システムの信号動作1)
以上のように構成された遊技システムにおいて、遊技機1及び遊技媒体管理装置2間の信号(メダル投入要求受付状態信号、メダル投入要求信号、メダル投入信号、メダル払出信号)の送受信を図9を用いて具体的に説明する。
尚、上述のように、『メダル投入要求受付状態信号』は、投入設定数及び貸出数の中から何れか少ない方が選択された投入可能数を示すものである。『メダル投入要求信号』は、指定されたベット数がメダル投入要求受付状態信号の投入可能数以下である場合に出力されるものであり、指定されたベット数を示すものである。『メダル投入信号』は、遊技媒体データのベットを受け付けた旨を示すものである。『メダル払出信号』は、遊技の結果に基づいて決定された遊技媒体データの払出数を示すものである。
図9は、図中左側に遊技機1を配置する一方、図中右側に遊技媒体管理装置2を配置し、遊技機1及び遊技媒体管理装置2間において信号が送受信される状態を示している。また、遊技機1の図中左側において、遊技機1で消費されるベット数を配置し、遊技媒体管理装置2の図中右側において、貸出数を示す持ちメダル(クレジット)を配置する。そして、図中上側の初期状態から下側に向けて時間が経過していく場合において、信号とベット数と持ちメダルとの関係の推移が示されている。
投入設定数が“3”、MAXベット操作による最大ベット数が“3”、初期設定時の貸出数である持ちメダル(クレジット)が“5”であるとすると、先ず、クレジットが投入設定数の“3”以上であるため、メダル投入要求受付状態信号としての3枚投入可能信号が遊技媒体管理装置2から遊技機1に一定時間間隔で常時送信される。これにより、遊技機1からのメダル投入要求を遊技媒体管理装置2が受け付け可能な状態であるか否かを遊技機1に報知することが可能になっている。
3枚投入可能信号が一定時間間隔で常時送信されている状態において、遊技機1において、MAXベットボタン56cの押圧操作によりMAXベット操作が行われると、MAXベットによる最大ベット数の“3”が3枚投入可能信号で示される投入可能数の“3”以下であるため、メダル投入要求信号が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信される。この際、3枚投入要求信号が遊技媒体管理装置2に受信されたが、まだクレジットは減算されずに3以上存在するため、3枚投入可能信号が一定時間間隔で常時送信される状態が継続される。
この後、メダル投入信号である3枚投入信号が遊技媒体管理装置2から遊技機1に送信され、ベットが完了される。この際、クレジットが初期値の“5”から3枚投入可能信号の“3”を減算されることにより“2”にされる。即ち、MAXベット操作による3枚投入によって、クレジットが“2”となる。この結果、クレジットの“2”が投入設定数の“3”未満であるため、貸出数であるクレジットの“2”を示す2枚投入可能信号がメダル投入要求受付状態信号として遊技媒体管理装置2から遊技機1に一定時間間隔で常時送信される。尚、ベットされた遊技媒体データの使用が確定するのは遊技者のレバー操作であるため、ここでは減算されたクレジットを仮クレジットデータとして一旦記憶し、遊技者のレバー操作により実クレジットデータが減算されるようにしてもよい。仮クレジットデータとした理由としては、ベット完了後レバー操作実行前であれば、精算ボタン57が操作されることによりベットがキャンセルされるからである。1ベットボタン56a、2ベットボタン56bが操作されたときには3ベットを一旦キャンセルして1ベット又は2ベットを行うためである。このように構成したときにはレバー操作が実行されるまで実クレジットデータは、“5”のままであるため、レバー操作までの間は投入可能信号として“3”を送信し続けることとなる。
この後、MAXベット操作を行った場合には、投入可能信号が“3”であるが、既に、“3”のベット数でベット完了済みであるため、投入要求信号が送信されない。尚、例えば、MAXベット操作の代わりに、1ベット操作や2ベット操作が行われたときは、1枚投入要求信号や2枚投入要求信号が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信されることによって、3ベットのベット完了がキャンセルされる。この後、1枚投入信号や2枚投入信号が遊技媒体管理装置2から遊技機1に送信されることによって、1ベットや2ベットの完了とされる。
遊技者がレバー操作を行うと、全リール53a・53b・53cが回動した後、遊技者によるストップボタン59a・59b・59cの停止操作が行われることにより停止する。そして、リール53a・53b・53cの停止シンボルの配置態様と有効ラインとの関係から遊技の結果が得られると、この遊技結果に基づいて決定された遊技媒体データの払出数を示すメダル払出信号が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信される。尚、メダル払出信号は、遊技結果が『はずれ』や『ボーナス入賞』であるときのように、遊技媒体データの払出数が“0”である場合を含む。この際、遊技の結果が払出し無しのハズレであると、クレジットが“2”の状態を維持する。従って、次ゲームにおいて、2枚投入可能信号がメダル投入要求受付状態信号として遊技媒体管理装置2から遊技機1に一定時間間隔で常時送信される。
以上の一連の動作によって、単位ゲームにおける信号の送受信が完了し、次ゲームにおける初期状態となる。そして、クレジットが“2”であれば、2枚投入可能信号が送信されることになる。尚、遊技の結果が“5”等の払出しとなる賞成立であれば、クレジットが“2”から“7”に増加するため、3枚投入可能信号が送信される。また、自動貸出選択部291は、自動貸出補充機能や自動クレジット補充機能、自動貯メダル再プレイ機能がオン状態であれば、クレジットが“3”未満となったときに、クレジットが“3”以上となるように自動的に補給される。尚、自動補給のタイミングとしては、クレジットが“0”になったタイミング等、任意のタイミングに設定することが可能である。
尚、自動ベット数変更機能がオン状態に設定されていると、2枚投入可能信号が送信されている場合において、MAXベット操作が行われたときに、2枚投入要求信号が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信されることになる。この後、2枚投入信号が遊技媒体管理装置2から遊技機1に送信され、ベットが完了される。また、クレジットが“2”から“0”に減少される。そして、0枚投入可能信号が投入不可能信号として遊技媒体管理装置2から遊技機1に送信され、メダルの新たな貸出が行われるまで待機状態となる。
(遊技システムの動作の具体例)
次に、遊技媒体データの貸出数の管理が遊技準備状態メダル情報記憶部281におけるクレジット数(クレジット)、持ちメダル情報記憶部282における持ちメダル数(持ちメダル)、残高情報記憶部284における残高数(度数(現金))、及び貯メダル情報記憶部283における貯メダル数(貯メダル)により行われる動作内容について、具体的に説明する。尚、『度数(現金)』は、度数を換算値で換算した現金の金額を示すものである。例えば、度数が“20”で換算値が20円/枚であれば、現金が“400円”となる。
(遊技システムの動作の具体例:貸出処理)
図10は、現金を投入し、貸出操作を行った場合の貸出処理の一例である。即ち、クレジット上限が50枚、貸出単位が50枚、換算値が20円/枚の条件下において、クレジットが0枚であると、現金(1000円)を投入した後に貸出ボタン206の操作により貸出操作を行った場合は、1000円分の度数(現金)が0円となり、1000円に換算値を乗算した1000円分の50枚がクレジットに加算されることによって、クレジットが0枚から50枚となる。
尚、クレジットが20枚であると、貸出ボタン206の操作によりクレジットが70枚となるが、クレジット上限値が50枚であるため、上限値を超えた超過数の20枚が持ちメダルに加算されると共に、クレジットが上限値の50枚とされる。また、自動貸出選択部291により自動貸出補充機能がオン状態にされている場合は、貸出ボタン206の操作に代えて自動的にクレジットへの補充が行われる。
(遊技システムの動作の具体例:ベット処理)
ベット処理は、以下のステップ(1)〜(4)を有した処理である。ステップ(1)において、メダル投入要求受付状態信号が遊技媒体管理装置2から遊技機1に常時送信される。尚、メダル投入要求受付状態信号は、投入可能なメダル情報に応じて変化する。具体的には、投入可能なメダル情報は、遊技状態(例えば、RB作動時は最大2枚、未作動時は3枚)、遊技者の任意設定、若しくはホールでの設定により、自動クレジット補充機能のオンオフ状態、及び自動貯メダル再プレイ機能のオンオフ状態により変化する。
自動クレジット補充機能は、クレジットが0になったとき、自動的に持ちメダルをクレジットに変換するクレジット補充機能である。自動貯メダル再プレイ機能は、持ちメダルが0になったとき、自動的に貯メダルを手持ちコイン若しくはクレジットに変換する貯メダル再プレイ機能である。
例えば、自動クレジット補充機能がオン状態、自動貯メダル再プレイ機能がオフ状態の場合は、投入可能メダル数=クレジット数+持ちメダル数となる。また、自動クレジット補充機能がオン状態、自動貯メダル再プレイ機能がオン状態の場合は、投入可能メダル数=クレジット数+持ちメダル数+貯メダル数となる。また、自動クレジット補充機能がオフ状態、自動貯メダル再プレイ機能がオフ状態の場合は、投入可能メダル数=クレジット数となる。
ステップ(2)において、メダル投入要求受付状態信号の情報に基づいて、遊技機1は要求可能な投入要求操作のみを受け付ける。ステップ(3)において、投入要求操作が行われると、メダル投入要求信号が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信される。メダル投入要求信号を受信した遊技媒体管理装置2は、要求に応じたメダル投入信号を遊技機1に送信すると同時に、要求に応じたメダル投入信号分のメダル枚数をクレジット数から減算する。ステップ(4)において、メダル投入信号を受信した遊技機1は、メダル枚数分の投入処理を行い、遊技可能枚数の投入が行われたら遊技始動待機状態へと移行する。
尚、貯メダル再プレイ処理は、貯メダル再プレイボタン208の操作をトリガーとして、貯メダルがある場合、貯メダルをクレジット若しくは持ちメダルに変換する処理である。変換される単位枚数は、遊技媒体管理装置2において設定される。遊技システムを管理するホールは、貯メダル再プレイの1日当たりの上限枚数を任意の枚数に設定できる。
図11〜図15は、MAXベット操作を行った場合のベット処理の一例である。図11は、自動ベット数変更機能がオフ状態の条件下で、最大ベット数が3枚のMAXベット操作を行った場合において、遊技媒体管理装置2のクレジットが50枚であるときの動作である。この場合は、クレジット数が3枚以上であるため、メダル投入要求受付状態信号としての3枚投入可能信号が遊技媒体管理装置2から遊技機1に一定時間間隔で常時送信される。MAXベット操作による最大ベット数の“3”が3枚投入可能信号で示される投入可能数の“3”以下であるため、3枚のメダル投入要求信号が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信される。この後、メダル投入信号である3枚投入信号が遊技媒体管理装置2から遊技機1に送信され、ベットが完了される。
これにより、自動クレジット補充機能及び自動貯メダル再プレイ機能のオン状態・オフ状態に拘わらず、クレジットが50枚から47枚に減少されると共に、減少分のクレジットの3枚が遊技機1における0ベット状態から3ベット状態への変更に使用される。即ち、この場合は、MAXベット操作が3ベット操作として受け付けられることになる。
図12は、自動ベット数変更機能がオフ状態の条件下で、最大ベット数が3枚のMAXベット操作を行った場合において、遊技媒体管理装置2のクレジットが2枚であるときの動作である。この場合は、クレジットが3枚未満であるため、自動クレジット補充機能及び自動貯メダル再プレイ機能がオフ状態の場合は、遊技媒体管理装置2においてクレジットが変更されないと共に、遊技機1における0ベット状態が維持される。即ち、この場合は、MAXベット操作が受け付けられないことになる。
図13は、自動ベット数変更機能がオン状態の条件下で、MAXベット操作を行った場合において、遊技媒体管理装置2のクレジットが2枚であるときの動作である。この場合は、メダル投入要求受付状態信号としての2枚投入可能信号に合わせて、2枚のメダル投入要求信号が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信される。従って、この場合は、自動クレジット補充機能及び自動貯メダル再プレイ機能がオン状態及びオフ状態の何れの場合においても、遊技媒体管理装置2においてクレジットが2枚から0枚に変更されると共に、遊技機1における0ベット状態が2ベット状態に変更される。即ち、この場合は、MAXベット操作が2ベット操作として受け付けられることになる。
図14は、自動ベット数変更機能がオフ状態、自動クレジット補充機能がオン状態、クレジットが2枚、及び持ちメダルが100枚の場合において、最大ベット数が3枚のMAXベット操作を行ったときの動作である。この場合は、クレジットが3枚未満であるため、持ちメダルからクレジットに補充された後に、遊技機1が0ベット状態から3ベット状態に変更される。即ち、持ちメダルが100枚から99枚に減少されると共に、クレジットが2枚から3枚に増加される。そして、遊技機1が3ベット状態にされると共に、クレジットが3枚から0枚に減少される。尚、クレジットの上限(50)まで補充される場合は、持ちメダルが100枚から52枚に減少されると共に、クレジットが2枚から50枚に増加される。そして、遊技機1が3ベット状態にされると共に、クレジットが50枚から47枚に減少される。尚、クレジットの2枚を先にベットに使用し(2→0)、その後、0枚のクレジットを補充し(0→50)、補充されたクレジットから残りの1枚をベット(50→49)するようになっていても良い。
図15は、自動ベット数変更機能がオフ状態、自動クレジット補充機能がオン状態、クレジットが2枚、持ちメダルが0枚、貯メダルが0枚、度数(現金)が1000円の場合において、最大ベット数が3枚のMAXベット操作を行ったときの動作である。この場合は、度数が1000円から0円に減少され、クレジットが2枚から50枚に増加されると共に、50枚を超える余剰分が発生するため、持ちメダルが0枚から2枚に増加される。この後、クレジットが50枚から47枚に減少されると共に、遊技機1が0ベット状態から3ベット状態に変更される。尚、クレジットが2枚から52枚に増加された状態で、3ベット分が減少されてもよい。また、クレジットの2枚を先にベットに使用し(2→0)、その後、度数を1000円から0円に減少させ、0枚のクレジットを1000円分の50枚で補充し(0→50)、補充されたクレジットから残りの1枚をベット(50→49)するようになっていても良い。
(遊技システムの動作の具体例:払出処理)
払出処理は、入賞に応じたメダル払出信号が遊技機1から遊技媒体管理装置2へ送信されたときに、メダル払出信号を受信した遊技媒体管理装置2において払出メダル分をクレジット数に加算する処理である。クレジット数の上限を超えた場合は、超えた枚数分が持ちメダル数に加算される。
払出処理を具体的に説明すると、図16に示すように、10枚を払い出す場合において、クレジットが41枚未満の20枚である場合、クレジットが20枚から30枚に増加される。また、図17に示すように、10枚を払い出す場合において、クレジットが45枚及び持ちメダルが100枚である場合、クレジットが45枚から50枚に増加されると共に、余剰分が持ちメダルに加算され、持ちメダルが100枚から105枚に増加される。
(遊技システムの動作の具体例:精算処理)
清算処理は、貯メダル情報(未精算メダル情報)をカードに記憶する処理であり、精算ボタン57の操作をトリガーとして実行される。
清算処理を具体的に説明すると、図18に示すように、貯メダルカードのカード挿入時であって、クレジットが0枚、持ちメダルが500枚、貯メダルが100枚の場合において、先ず、持ちメダルが500枚から0枚に減少される。そして、貯メダルが100枚から600枚に増加された後、600枚がカードに書き込まれると共に、貯メダルが600枚から0枚に減少される。この後、カードに記憶された600枚が景品カウンターにおいて処理される。
尚、図19に示すように、持ちメダルの500枚が直接的にカードに書き込まれてもよい。具体的には、貯メダルカードのカード挿入時であって、クレジットが0枚、持ちメダルが500枚、貯メダルが100枚の場合において、持ちメダルの500枚が貯メダルカードの第1記憶領域に書き込まれると共に、貯メダルの100枚が貯メダルカードの第2記憶領域に書き込まれる。即ち、持ちメダルの500枚と貯メダルの100枚とが貯メダルカードにそれぞれ個別に書き込まれる。そして、持ちメダル及び貯メダルがそれぞれ0枚にされる。尚、遊技媒体管理装置2上で遊技者の操作により500枚の持ちメダルを持ちメダルの情報とするか、500枚を貯メダルデータにするか選択させるようにしてもよい。
この後、カードに記憶された500枚と100枚が景品カウンターにおいて処理される。この際、持ちメダルの500枚と貯メダルの100枚とが合算されて景品と交換可能にされてもよい。また、貯メダル分の一部が合算されてもよい。例えば、持ちメダルの500枚と貯メダルの20枚とが合算されて景品と交換可能にされてもよい。また、持ちメダルの500枚と貯メダルの100枚との何れかを遊技者が選択して景品と交換可能にされてもよい。また、遊技者又は景品カウンターの遊技場管理者の操作により持ちメダル情報を貯メダル情報に変換するようにしてもよい。
図20は、カード挿入時であって、クレジットが50枚、持ちメダルが500枚、貯メダルが100枚の場合における精算処理である。先ず、クレジットの50枚が持ちメダルに加算されることによって、クレジットが0枚にされると共に、持ちメダルが550枚にされる。そして、持ちメダルの550枚が貯メダルに加算されることによって、持ちメダルが0枚にされると共に、貯メダルが650枚にされる。この後、貯メダルの650枚がカードに書き込まれることによって、貯メダルが0枚にされると共に、カードに650枚が書き込まれる。カードに記憶された650枚が景品カウンターにおいて処理される。
尚、図21に示すように、持ちメダルの550枚が直接的にカードに書き込まれてもよい。この場合の動作は、図19と同様に、持ちメダルの550枚と貯メダルの100枚が貯メダルカードにそれぞれ個別に書き込まれる。
一般的に持ちメダルは無償で再プレイすることができるのに対し、貯メダルは再プレイ時に手数料が必要となったり、手数料が無い場合は、再プレイ使用上限数が設定されているものであり、持ちメダルの方が遊技者にとっては有利な情報となる。しかしながら、日を跨いで持ちメダルを記憶するためにはホールコンピュータ3や図示しないメダルサーバ等の管理手段の負担が大きくなるため、望ましくない。このため、本実施例では、持ちメダル情報は日付が変更されたときには自動的に貯メダル情報へと変換されるようにしている。よって、持ちメダル情報を記憶させたまま景品交換を行わずに帰宅してしまった遊技者がいた場合でも、持ちメダル情報はクリアされ貯メダル情報に変換されるため、日付が変わった場合に管理されるメダルデータは貯メダルデータのみとなり、管理手段の負荷軽減となる。尚、貯メダルデータに変換するタイミングは、遊技場が閉店している時間帯であればいつでもよく、日付が変更されたタイミングに限定されるものではない。
図22は、貯メダルカードの代わりビジターカードが挿入されている条件下で、クレジットが0枚、持ちメダルが500枚、度数が1000円の場合である。この場合は、持ちメダルの500枚と度数の1000円とがビジターカードにそれぞれ書き込まれる。そして、ビジターカードの500枚は景品カウンターで処理可能にされ、ビジターカードの1000円は清算機で処理可能にされる。この際、度数は、POS(Point of sale system)上でメダルにして交換可能にされてもよい。
尚、本実施形態1においては、遊技媒体管理装置2においてクレジットと持ちメダルとがある場合について説明するが、これに限定されるものではなく、クレジットと持ちメダルとを合算してもよい。
(遊技システムの処理動作の詳細)
次に、遊技システムの動作をフローチャートを用いて説明する。
電源が投入されると、遊技機1及び遊技媒体管理装置2が各種のプログラムを実行する。遊技機1においては、主制御回路71においてメインルーチン等のプログラムをメインCPU7111が実行することにより遊技を行うと共に、サブ制御回路72においてミニゲームルーチン等のプログラムを実行することにより液晶表示装置54の演出画像の表示等を実施可能な状態になる。
(遊技機1:メインルーチン)
具体的には、主制御回路71においてメインルーチン等が実行されると、図23に示すように、ゲーム開始時の初期化が行われた後(S1)、ゲーム終了時のメインRAM7113の所定の記憶内容が消去される(S2)。
次に、メダル投入処理が実行され、遊技媒体管理装置2との連携によりベットボタン56A・56B・56Cからの入力を受け付ける状態となる(S3)。この後、スタートレバー58の操作によりスタートスイッチ732がオンされたか否かが判定される(S4)。スタートスイッチ732がオンされなければ(S4:NO)、S4が再実行され、スタートレバー58が操作されるまで待機される。一方、スタートスイッチ732がオンされると(S4:YES)、リール回転処理に実行が移行され(S5)、続いて抽籤用の乱数が抽出される(S6)。そして、遊技状態監視処理が実行されることによって、今回のゲームにおけるBB遊技状態・RB遊技状態等のボーナス遊技状態や、一般遊技状態等の遊技状態が確認及びセットされる(S7)。即ち、今回のゲームの遊技状態がBB遊技状態・RB遊技状態等のボーナス遊技状態、一般遊技状態等の何れかにセットされる。
今回のゲームの遊技状態が確認されると(S7)、確率抽籤テーブルに基づく確率抽籤処理において遊技状態に対応した内部当籤役が抽籤され(S8)、選択された内部当籤役の情報がサブ制御回路72に格納される。内部当籤役が決定されると、停止テーブル群選択処理が実行される(S9)。そして、このときに内部当籤役や遊技状態等を含むコマンドをサブ制御回路72に送信する。そして、リール回転処理を行い、リール回転停止処理が実行され、何れかのストップボタン59a・59b・59cが操作されたタイミングで滑りコマ数が決定された後、滑りコマ数分、リールが回転されてから停止される(S10)。
この後、入賞判定(入賞検索)によりリール53a・53b・53cの図柄の停止態様に基づいて入賞役(入賞が成立した役)が識別される(S11)。尚、本実施形態1においては、ボーナスフラグの繰り越しはあるが、小役フラグの繰り越し及びボーナスフラグのストックは無いものとする。そして、遊技媒体管理装置2との連携により、遊技状態に応じて払出しが行われる(S12)。
次に、現在の遊技状態がBB遊技状態又はRB遊技状態等のボーナス遊技状態であるか否かが判定される(S13)。遊技状態がBB遊技状態又はRB遊技状態等のボーナス遊技状態でない場合には(S13:NO)、『赤7−赤7−赤7』、『青7−青7−青7』等のボーナスに入賞したか否かが判定される(S14)。ボーナスに入賞していれば(S14:YES)、ボーナス開始信号が出力され(S15)、S2が再実行される。また、ボーナスに入賞していない場合には(S14:NO)、信号が出力されることなくS2が再実行される。
S13において、遊技状態がBB遊技状態又はRB遊技状態等のボーナス遊技状態であると判定された場合には(S13:YES)、所定の払出枚数に基づいてボーナスの終了時であるか否かが判定される(S16)。ボーナスの終了時でないと判定された場合は(S16:NO)、S2が再実行される。一方、ボーナスの終了時であると判定された場合は(S16:YES)、ボーナス終了信号が出力され(S17)、S2が再実行される。
(遊技機1:メダル投入処理ルーチン)
メインルーチンにおけるS3において、メダル投入処理が実行されると、図24のメダル投入処理ルーチンが実行される。
先ず、リプレイの遊技状態であるか否かが判定される(S20)。リプレイの遊技状態であれば(S20:YES)、前回の遊技と同じベット数でベットされるため、本ルーチンが終了される。一方、リプレイの遊技状態でなければ(S20:NO)、何れかのベットボタン56a・56b・56cが遊技者に押圧操作されることによって、押圧操作されたベットボタン56a・56b・56cに対応付けられたベットスイッチ733a・733b・733cがオン状態になったか否かが判定される(S21)。オン状態でなければ(S21:NO)、S21が再実行される。一方、オン状態であれば(S21:YES)、何れのベットスイッチ733a・733b・733cがオン状態になったかがチェックされる。即ち、ベット数が“1”、“2”及び“MAX”の何れであるかがチェックされる(S22)。
次に、遊技状態が取得される(S23)。取得した遊技状態に基づいて規定ベット数が設定される。RBの遊技状態であれば、規定ベット数が“2”に設定される。また、RB以外の遊技状態であれば、規定ベット数が“3”に設定される(S24)。
次に、遊技媒体管理装置2から送信されたメダル投入要求受付状態信号が取得される(S25)。尚、メダル投入要求受付状態信号は、投入可能数を含む。
この後、投入可能数が0であるか否かが判定される(S26)。投入可能数が0であれば(S26:YES)、S21から再実行される。一方、投入可能数が0でなければ(S27:NO)、続いて、ベット数が“MAX”であるか否かが判定される(S27)。ベット数が“MAX”である場合は(S27:YES)、RB遊技状態であればベット数が“2”に設定される一方、RB以外の遊技状態であればベット数が“3”に設定された後に(S28)、この“2”又は“3”のベット数が投入可能数以下であるか否かが判定される(S29)。一方、ベット数が“MAX”でない場合は(S27:NO)、“1”又は“2”のベット数が投入可能数以下であるか否かが判定される(S29)。
ベット数が投入可能数以下でない場合は(S29:NO)、S21から再実行される。一方、ベット数が投入可能数以下である場合は(S29:YES)、ベット数のメダル投入要求信号を遊技媒体管理装置2に送信する(S30)。この後、遊技媒体管理装置2からのメダル投入信号を受信したか否かが判定される(S31)。メダル投入信号を受信しなければ(S31:NO)、S21から再実行される。一方、メダル投入信号を受信した場合は(S31:YES)、メダル投入信号に含まれるベット数に対応するベット用ボタンランプ75a〜75cが点灯され、ベットの受け付け完了が遊技者に報知される(S32)。
尚、以上のメダル投入処理ルーチンにおいては、S28において、ベット数が“MAX”である場合にベット数を“3”又は“2”に設定しているが、これに限定されるものではない。即ち、ベット数が“MAX”である場合にベット数を投入可能数に設定してもよい。具体的には、図25に示すように、ベット数が“MAX”である場合は(S27:YES)、続いてMAXベット操作済みであるか否かが判定され(S33)、MAXベット操作済みであれば(S33:YES)、メダル投入要求信号を出力することなく本ルーチンが終了される。一方、MAXベット操作済みでなければ(S33:NO)、投入可能数のメダル投入要求信号が送信された後に(S34)、S31が実行されてもよい。その他の処理は、図24のメダル投入処理ルーチンと同一である。
(遊技機1:ベット演出表示処理ルーチン)
図26のベット演出表示処理ルーチンはサブ制御回路72で実行される処理ルーチンである。実行タイミングとしては前述したスタートコマンド受信時に実行する。メインルーチンとは独立して実行されている。
先ず、スタートコマンドが受信されたか否かが判定される(S181)。スタートコマンドを受信していない場合は(S181:NO)、本ルーチンが終了される。スタートコマンドを受信した場合は(S181:YES)、続いて、所定条件が成立したか否かが判定される(S182)。所定条件が成立していなければ(S182:NO)、本ルーチンが終了される。所定条件の成立はサブ制御回路72側でスタートコマンドで受信した内部当籤役及び遊技状態に基づいて所定の抽籤が実行されることにより決定する。このときに内部当籤役の種別に応じて異なる確率で所定条件を成立させることで期待度を変化させることができる。
所定条件が成立した場合は(S182:YES)、当籤確率に応じた演出表示がベット用ボタンランプ75a・75b・75c及び液晶表示装置54において行われる(S183)。本実施形態では、内部当籤役が当籤確率1/100のRBのときには赤点灯が50%、緑点灯が30%、青点灯が10%、点灯無しが10%とし、当籤確率1/50のスイカのときには赤点灯が10%、緑点灯が20%、青点灯が40%、点灯無しが30%とし、点灯色に応じてボーナス当籤の期待度を変化させるようにしている。他の役でも所定条件の成立抽籤は行っているが、ここでは省略する。また、ボタン点灯色に対応する画像演出を液晶表示装置54上にて行う。これにより、遊技者はボタン点灯色及び液晶表示装置54での表示により当籤役の期待度を知ることができる。
そして、遊技者によりベットボタン56a・56b・56cが操作されたか否かが判定される(S184)。操作されていない場合(S184:NO)には、全てのリール53a・53b・53cが停止したか否かが判定される(S185)。操作された場合(S184:YES)にはS187へ進む。S185において、全てのリール53a・53b・53cが停止していない場合(S185:NO)には、S184へ戻り、全てのリール53a・53b・53cが停止されるか又はベットボタン56a・56b・56cが操作されるまで繰り返しループする。S185において、全てのリール53a・53b・53cが停止したと判定された場合(S185:YES)には、演出表示を終了させる(S186)。この場合、ベット用ボタンランプ75a・75b・75c及び液晶表示装置54の表示を変更させずに終了させることとなる。S187はS184においてベットボタン56a・56b・56cが操作されたときに行う処理であって、表示している演出表示を変更させて表示する処理を行う(S187)。この処理は、例えばS183で液晶表示装置54において、MAXベットボタン56cを模した赤色の画像を表示し、さらに赤文字で『押せ!!』の表示を実行しつつベット用ボタンランプ75a・75b・75cでは赤色点灯を行っていた状態から、金色文字で『期待度80%!!』に変更させる処理を行う。ベット用ボタンランプ75a・75b・75cについては、これ以上操作しても何も起こらないため、点灯を終了させる。このようにベットボタン56a・56b・56cの操作を促し、操作後にさらに演出が変化する場合、特にボーナス当籤期待度をより明確にするような演出に変化させる場合には遊技者のボタン操作への意欲が向上し、より効果的な演出を実行可能となる。ボタン演出は一例であり、例えば所定時間の間は何回でもボタン操作を受付け、操作回数により演出が次第に変化していくボタン連打演出などでもよい。S187が終了した場合、全てのリール53a・53b・53cが停止したか否かが判定される(S188)。全てのリール53a・53b・53cが停止していない場合(S188:NO)には、全てのリール53a・53b・53cが停止されるまで繰り返しループする。全てのリール53a・53b・53cが停止したと判定された場合(S188:YES)には、演出表示を終了させる(S189)。S189又はS186が終了した場合、本ルーチンが終了される。
(遊技媒体管理装置2:メダル管理ルーチン)
電源が投入された遊技媒体管理装置2においては、図27のメダル管理ルーチンを実行している。即ち、遊技媒体管理装置2のCPU271は、貸出処理(S61)と貯メダル再プレイ処理(S62)と持ちメダル再プレイ処理(S63)とベット処理(S64)と払出処理(S65)と計数処理(S66)と清算処理(S67)と遊技監視処理(S68)とを時分割的に処理し、見かけ上同時並行処理している。
(遊技媒体管理装置2:貸出処理ルーチン)
図28に示すように、先ず、自動クレジット補充機能がオン状態であるか否かが判定される(S71)。自動クレジット補充機能がオン状態である場合は(S71:YES)、続いて、クレジット数が“2”等の所定数以下であるか否かが判定される(S72)。クレジット数が所定数よりも大きければ(S72:NO)、クレジット数を増加させなくてもベット操作が可能であるため、本ルーチンが終了される。
また、自動クレジット補充機能がオフ状態である場合は(S71:NO)、続いて、貸出ボタン206が押圧操作されたか否かが判定される(S73)。押圧操作されなければ(S73:NO)、本ルーチンが終了される。
一方、貸出ボタン206が押圧操作された場合(S73:YES)やクレジット数が所定数以下の場合(S72:NO)は、続いて、貸出単位以上のカード残高(メダル数)があるか否かが判定される(S74)。貸出単位以上のカード残高(メダル数)がある場合は(S74:YES)、貸出単位のメダル数をクレジットに加算し、加算メダル数とする(S77)。
一方、貸出単位以上のカード残高(メダル数)がない場合は(S74:NO)、続いて、貸出単位以上の度数(現金)があるか否かが判定される(S75)。貸出単位以上の度数(現金)がない場合は(S75:NO)、貸出できる程度にまでカード残高及び度数がないため、本ルーチンが終了される。一方、貸出単位以上の度数(現金)がある場合は(S75:YES)、度数(現金)をメダル数に換算し(S76)、貸出単位のメダル数をクレジットに加算し、加算メダル数とする(S77)。
次に、加算メダル数がクレジットの上限メダル数であるか否かが判定される(S78)。加算メダル数がクレジットの上限メダル数でない場合は(S78:NO)、本ルーチンが終了される。加算メダル数がクレジットの上限メダル数である場合は(S78:YES)、過剰メダル数=加算メダル数−上限メダル数の関係式により、過剰メダル数が算出される(S79)。この後、持ちメダル数に過剰メダル数が加算され(S80)、本ルーチンが終了される。
(遊技媒体管理装置2:貯メダル再プレイ処理ルーチン)
図29に示すように、先ず、自動貯メダル再プレイ機能がオン状態であるか否かが判定される(S81)。自動貯メダル再プレイ機能がオン状態である場合は(S81:YES)、続いて、クレジット数が“2”等の所定数以下であるか否かが判定される(S82)。クレジット数が所定数よりも大きければ(S82:NO)、クレジット数を増加させなくてもベット操作が可能であるため、本ルーチンが終了される。
また、自動クレジット補充機能がオフ状態である場合は(S81:NO)、続いて、貯メダル再プレイボタン208が押圧操作されたか否かが判定される(S83)。押圧操作されなければ(S83:NO)、本ルーチンが終了される。
一方、貯メダル再プレイボタン208が押圧操作された場合(S83:YES)やクレジット数が所定数以下の場合(S82:NO)は、続いて、1日分のメダル変換数が上限変換数以上であるか否かが判定される(S84)。1日分のメダル変換数が上限変換数以上であれば(S84:YES)、本ルーチンが終了される。尚、上限変換数はホール側において任意に設定されるものである。一方、メダル変換数が上限変換数未満である場合は(S84:YES)、貯メダル数が0であるか否かが判定される(S85)。貯メダル数が0であれば(S85:YES)、本ルーチンが終了される。
一方、貯メダル数が0でない場合は(S85:NO)、続いて、貯メダル数が単位変換数以上であるか否かが判定される(S86)。貯メダル数が単位変換数以上であれば(S86:YES)、単位変換数分の貯メダルがクレジット又はメダルに変換された後(S87)、本ルーチンが終了される。一方、貯メダル数が単位変換数以上でない場合は(S88:NO)、貯メダル数分の貯メダルがクレジット又は持ちメダルに変換された後(S88)、本ルーチンが終了される。
(遊技媒体管理装置2:持ちメダル再プレイ処理ルーチン)
図30に示すように、先ず、自動持ちメダル再プレイ機能がオン状態であるか否かが判定される(S91)。自動持ちメダル再プレイ機能がオン状態である場合は(S91:YES)、クレジット数が所定数以下であるか否かが判定される(S92)。クレジット数が所定数以下でない場合は(S92:NO)、本ルーチンが終了される。一方、クレジット数が所定数以下である場合は(S92:YES)。持ちメダル数がクレジットに加算された後(S94)、本ルーチンが終了される。
また、自動持ちメダル再プレイ機能がオフ状態である場合は(S91:NO)、続いて、持メダル再プレイボタン209が押圧操作されたか否かが判定される(S93)。持メダル再プレイボタン209が押圧操作されなければ(S93:NO)、本ルーチンが終了される。持メダル再プレイボタン209が押圧操作された場合は(S93:YES)、持ちメダル数がクレジットに加算された後(S94)、本ルーチンが終了される。
(遊技媒体管理装置2:ベット処理ルーチン)
図31に示すように、先ず、遊技中であるか否かが判定される(S100)。遊技中である場合は(S100:YES)、投入可能メダル数のメダル投入受付状態信号を一定時間間隔で送信する(S114)。一方、遊技中でない場合は(S100:NO)、自動クレジット補充機能がオン状態であるか否かが判定される(S101)。自動クレジット補充機能がオン状態である場合は(S101:YES)、続いて、自動貯メダル再プレイ機能がオン状態であるか否かが判定される(S102)。自動貯メダル再プレイ機能がオン状態でない場合は(S102:NO)、クレジット数に持ちメダル数が加算されることによって、投入可能メダル数が求められる(S103)。一方、自動貯メダル再プレイ機能がオン状態である場合は(S102:YES)、クレジット数に持ちメダル数と貯メダル数とが加算されることによって、投入可能メダル数が求められる(S104)。
また、S101において、自動クレジット補充機能がオン状態でない場合は(S101:NO)、続いて、自動貯メダル再プレイ機能がオン状態であるか否かが判定される(S105)。自動貯メダル再プレイ機能がオン状態でない場合は(S105:NO)、クレジット数が投入可能メダル数とされる(S106)。一方、自動貯メダル再プレイ機能がオン状態である場合は(S105:YES)、クレジット数に貯メダル数が加算されることによって、投入可能メダル数が求められる(S107)。
上記のようにして投入可能メダル数が求められると、次に、投入可能メダル数が3以上であるか否かが判定される(S108)。投入可能メダル数が3以上であれば(S108:YES)、RB遊技状態であれば“2”のメダル投入要求受付状態信号が一定時間間隔で送信される一方、RB以外の遊技状態であれば“3”のメダル投入要求受付状態信号が一定時間間隔で遊技機1に送信される(S109)。一方、投入可能メダル数が3以上でない場合は(S108:NO)、投入可能メダル数のメダル投入要求受付状態信号が一定時間間隔で遊技機1に送信される(S110)。
S109又はS110において、メダル投入要求受付状態信号が送信されると、遊技機1からメダル投入要求信号を受信したか否かが判定される(S111)。受信しなければ(S111:NO)、S108が再実行される。一方、受信した場合は(S111:YES)、メダル投入信号が遊技機1に送信される(S112)。そして、メダル投入信号のメダル数分がクレジット数から減算された後(S113)、本ルーチンが終了される。
(遊技媒体管理装置2:払出処理ルーチン)
図32に示すように、先ず、遊技機1からのメダル払出信号を受信したか否かが判定される(S121)。受信しなければ(S121:NO)、本ルーチンが終了される。一方、受信した場合は(S121:YES)、払出メダル数がクレジット数に加算される(S122)。この後、クレジット数が上限メダル数以上であるか否かが判定される(S123)。クレジット数が上限メダル数以上でない場合は(S123:NO)、本ルーチンが終了される。一方、クレジット数が上限メダル数以上である場合は(S123:YES)、クレジット数から上限メダル数が減算されることによって、過剰メダル数が算出される(S124)。そして、持ちメダル数に可能メダル数が加算された後(S125)、本ルーチンが終了される。
(遊技媒体管理装置2:計数処理ルーチン)
図33に示すように、計数ボタン207が押圧操作されたか否かが判定される(S131)。計数ボタン207が押圧操作されなれけば(S131:NO)、本ルーチンが終了される。一方、計数ボタン207が押圧操作された場合は(S132:YES)、クレジット数と持ちメダル数とが貯メダル数に加算される(S132)。そして、クレジット数と持ちメダル数とが“0”に設定された後(S133)、本ルーチンが終了される。
(遊技媒体管理装置2:精算処理ルーチン)
図34に示すように、精算ボタン57が押圧操作されたか否かが判定される(S141)。精算ボタン57が押圧操作されなれけば(S141:NO)、本ルーチンが終了される。一方、精算ボタン57が押圧操作された場合は(S141:YES)、クレジット数が持ちメダル数に加算される(S142)。そして、持ちメダル数がカード(貯メダルカードやビジターカード)に記録される(S143)。
次に、カードが貯メダルカードであるか否かが判定される(S144)。貯メダルカードでない場合、即ち、ビジターカードである場合は(S144:NO)、度数(現金)が記憶された後(S146)、本ルーチンが終了される。一方、貯メダルカードである場合は(S144:YES)、貯メダル数が記憶された後(S145)、本ルーチンが終了される。
(遊技媒体管理装置2:遊技監視処理ルーチン)
図35に示すように、外部集中端子板14からの外部端子板情報が取得される(S151)。外部端子板情報から現在の遊技状態が判別される(S152)。現在の遊技状態における払出状況数の理論上限値が設定される(S153)。現在の払出状況数が算出される(S154)。
この後、理論上限値が払出状況数未満であるか否かが判定される(S150)。理論上限値が払出状況数未満でなければ(S155:NO)、正常な遊技環境であると判断され、本ルーチンが終了される。一方、理論上限値が払出状況数未満である場合は(S155:YES)、不正な操作等による異常な遊技環境であると判断され、異常状態信号がホールコンピュータ3に送信される(S156)。
尚、異常な遊技環境の判定は、以下のように行われてもよい。例えば、当籤確率に基づく理論値と著しく掛け離れた値であるか否かを判定する。BB遊技でないのに、役の成立が連続して5回以上等の所定回数以上繰り返されるか否かを判定する。2ベット操作と3ベット操作とで異なる上限の払出数である場合において、3ベット操作で2ベット操作の上限の払出数となっているか否かを判定する。リプレイの繰り返し回数が10回等のあり得ない回数以上であるか否かを判定する。
具体的には、図36に示すように、外部端子板情報が取得され(S161)、この外部端子板情報に基づいて当籤確率が算出される(S162)。そして、当籤確率の理論上限値が、算出された当籤確率以上であるか否かが判定される(S163)。理論上限値が当籤確率以上でなければ(S163:NO)、異常状態信号がホールコンピュータ3に送信された後(S170)、本ルーチンが終了される。
一方、理論上限値が当籤確率以上であれば(S163:YES)、続いて、外部端子板情報に基づいてBB遊技の繰り返し回数が計数される(S164)。そして、BB遊技の繰り返し回数が所定回数以下であるか否かが判定される(S165)。BB遊技の繰り返し回数が所定回数以下でなければ(S165:NO)、異常状態信号がホールコンピュータ3に送信された後(S170)、本ルーチンが終了される。尚、RT(リプレイタイム)遊技の場合、高確率でリプレイ役が成立することを利用して異常の有無を判定するようになっていてもよい。即ち、遊技機1において、RT遊技が開始される図柄が停止表示されたときに、RT開始信号を遊技媒体管理装置2に送信する。そして、遊技媒体管理装置2において、RT開始信号により現在の遊技状態がRT遊技であるか否かを判定し、RT遊技におけるリプレイ役の成立回数と、RT遊技以外の遊技におけるリプレイ役の成立回数とに基づいて異常の有無を判定するようになっていてもよい。即ち、遊技媒体管理装置2は、RT開始信号を受信した場合、単位遊技回数あたりのリプレイ役の成立回数が所定数以上のときでも異常と判断せず、RT開始信号を受信していない場合、単位遊技回数あたりのリプレイ役の成立回数が所定数以上のときに異常と判断するので、RT遊技とRT遊技でないときの異常判断を区別化することが可能となる。
一方、BB遊技の繰り返し回数が所定回数以下であれば(S165:YES)、続いて、外部端子板情報に基づいてリプレイの繰り返し回数が計数される(S166)。そして、リプレイの繰り返し回数が所定回数以下であるか否かが判定される(S167)。リプレイの繰り返し回数が所定回数以下でなければ(S167:NO)、異常状態信号がホールコンピュータ3に送信された後(S170)、本ルーチンが終了される。
一方、リプレイの繰り返し回数が所定回数以下であれば(S167:YES)、続いて、外部端子板情報に基づいて払出数が算出される(S168)。そして、払出数がベット操作に対応した最大払出数以下であるか否かが判定される(S169)。払出数がベット操作に対応した最大払出数以下でなければ(S169:NO)、異常状態信号がホールコンピュータ3に送信された後(S170)、本ルーチンが終了される。一方、払出数がベット操作に対応した最大払出数以下であれば(S169:YES)、遊技機1及び遊技媒体管理装置2が正常に作動しているとして遊技が継続される。
また、遊技監視処理において、異常判定のレベルを2等の複数段階に設定し、それぞれの段階に応じて各種の異常対応措置を採ってもよい。例えば、第1段階の低レベルの異常である場合は、異常状態信号のホールコンピュータ3への送信を行う措置を行い、第2段階の高レベルの異常である場合は、異常状態信号のホールコンピュータ3への送信と共に遊技機1を停止する措置を行ってもよい。
具体的には、図37に示すように、外部端子板情報が取得され(S171)、この外部端子板情報に基づいて当籤確率が算出される(S172)。そして、算出された当籤確率が第1上限値以上であるか否かが判定される(S173)。当籤確率が第1上限値以上であれば(S173:YES)、第1異常レベルであるとして異常状態信号がホールコンピュータ3に送信された後(S174)、S175が実行される。
一方、当籤確率が第1上限値以上でなければ(S173:NO)、続いて、当籤確率が第2上限値以上であるか否かが判定される(S175)。当籤確率が第2上限値以上であれば(S175:YES)、第1異常レベルよりも重大な異常である第2異常レベルであるとして警報や警告の処理が遊技機1及び遊技媒体管理装置2において行われる(S176)。即ち、この場合は、異常状態信号がホールコンピュータ3に送信されると共に、異常・警告処理が行われることになる。この後、S177が実行される。
当籤確率が第2上限値以上でなければ(S175:NO)、続いて、当籤確率が第3上限値以上であるか否かが判定される(S177)。当籤確率が第3上限値以上であれば(S177:YES)、第2異常レベルよりも重大な異常である第3異常レベルであるとして遊技機1及び遊技媒体管理装置2の作動が停止される(S178)。即ち、この場合は、異常状態信号がホールコンピュータ3に送信されると共に、異常・警告処理が行われ、さらに、遊技機1及び遊技媒体管理装置2の作動が停止されることになる。そして、本ルーチンが終了される。
一方、当籤確率が第3上限値以上でなければ(S177:NO)、本ルーチンが終了される。即ち、本ルーチンによれば、当籤確率と第1上限値と第2上限値と第3上限値とに基づいて、異常の有無が判定され、異常があれば、3段階レベルで異常処理が行われることになる。
上記例では、当籤確率について3段階のレベルにより異常判定を行っているが、これに限られるものではない。例えば10分等の所定時間内のエラー回数などで異常レベルを判定してもよい。具体的には10分間のうち、1回の異常が発生した際にはレベル1の異常とし、2〜5回であればレベル2、6回以上であればレベル3として処理を行うようにする。このようにすることで不正行為であるか遊技機1のエラーに起因する異常状態か判別困難な低レベル異常であれば、遊技媒体データの送信を停止することなくホールコンピュータ3側にのみデータを送信して遊技者に秘密裏に遊技場側で監視することが可能となり、不正行為を行っていない遊技者に不信感を与えることなく異常状態を察知可能となる。さらに、例えば5回を超えるような異常であり、不正行為であることが明らかな高レベル異常のときには遊技媒体データの送信を停止し、遊技自体を実行不可能とすることが可能となり、精度の高い不正防止が可能となる。
(実施形態2)
以上の実施形態1においては、遊技システムが図9の信号動作1で動作する場合について説明したが、これに限定されるものではない。即ち、図9の信号動作1に加えて、或いは、図9の信号動作1の代わりに、図38及び図39の信号動作2で動作してもよい。ここで、信号動作2を示す図38及び図39は、投入設定数が“3”に設定され、持ちメダルとクレジットの貸出数が“15”である場合において、遊技前後及び遊技中の一例を示している。即ち、『3枚投入可能信号』が所定時間間隔で常時送信されている。この後、MAXベット操作が完了した後、レバー操作により遊技が開始されるまで、2ベット操作及び1ベット操作を除いて、MAXベット操作が禁止される。そして、レバー操作により遊技が開始され、内部抽籤に当籤するなどの所定条件を満たすと、ボタン演出が開始され、全リール停止により遊技が終了するまで継続される。この後、遊技結果がRB入賞であれば、2枚投入可能信号が送信され、2ベット操作によるRB遊技が実行される。
(遊技システムの信号動作2)
遊技機1及び遊技媒体管理装置2間の信号の送受信を図38及び図39を用いて具体的に説明する。図38及び図39は、図中左側に遊技機1を配置する一方、図中右側に遊技媒体管理装置2を配置し、遊技機1及び遊技媒体管理装置2間において信号が送受信される状態を示している。また、遊技機1の図中左側において、遊技機1で消費されるベット数を配置し、遊技媒体管理装置2の図中右側において、動作状態の説明を記載する。そして、図中上側の初期状態から下側に向けて時間が経過していく場合において、信号とベット数と持ちメダルとの関係の推移が示されている。
図38に示すように、投入設定数が“3”、MAXベット操作による最大ベット数が“3”、初期設定時の貸出数である持ちメダル(クレジット)が“15”であるとすると、先ず、クレジットが投入設定数の“3”以上であるため、メダル投入要求受付状態信号としての3枚投入可能信号が遊技媒体管理装置2から遊技機1に一定時間間隔で常時送信される。これにより、遊技機1からのメダル投入要求を遊技媒体管理装置2が受け付け可能な状態であるか否かを遊技機1に報知することが可能になっている。
3枚投入可能信号が一定時間間隔で常時送信されている状態において、遊技機1において、MAXベットボタン56cの押圧操作によりMAXベット操作が行われると、MAXベットによる最大ベット数の“3”が3枚投入可能信号で示される投入可能数の“3”以下であるため、メダル投入要求信号(3枚投入要求信号)が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信される。この際、3枚投入要求信号が遊技媒体管理装置2に受信されたが、クレジットは3以上存在するため、3枚投入可能信号が一定時間間隔で常時送信される状態が継続される。
この後、メダル投入信号である3枚投入信号が遊技媒体管理装置2から遊技機1に送信され、ベットが完了される。この際、クレジットが初期値の“15”から3枚投入可能信号の“3”を減算されることにより“12”にされる。即ち、MAXベット操作による3枚投入によって、クレジットが“12”となる。この結果、クレジットの“12”が投入設定数の“3”以上であるため、3枚投入可能信号がメダル投入要求受付状態信号として遊技媒体管理装置2から遊技機1に一定時間間隔で常時送信される。
この後、MAXベット操作を行った場合には、投入可能信号が“3”であるが、既に、“3”のベット数でベット完了済みであるため、投入要求信号が送信されない。尚、例えば、MAXベット操作の代わりに、1ベット操作や2ベット操作が行われたときは、1枚投入信号や2枚投入信号が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信されることによって、3ベットのベット完了がキャンセルされた後に、1枚投入信号や2枚投入信号が遊技媒体管理装置2から遊技機1に送信されることによって、1ベットや2ベットの完了とされる。
この後、レバー操作が行われると、全リール53a・53b・53cの回転が開始され、遊技機1における遊技が開始されると共に、遊技開始を示す遊技開始信号が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信される。遊技媒体管理装置2においては、遊技開始信号を受信した場合でも、クレジットが3以上存在するため、遊技中においても3枚投入可能信号が一定時間間隔で常時送信される状態が継続される。尚、遊技媒体管理装置2は、クレジットが0等の所定条件を満たせば、遊技中において0枚投入可能信号を一定時間間隔で常時送信する。
遊技中においては、ベット操作が禁止されるため、MAXベット操作が行われても、3枚投入要求信号は送信されない。一方、遊技開始から所定時間が経過した等の所定条件が成立したときに、ボタン操作演出が行われる。例えば、内部抽籤で当籤役に当籤し、MAXベットボタン56cが色変化や点滅等することによって、遊技者による操作が促される。そして、MAXベットボタン56cが遊技者により操作されると、ボタン操作演出が終了された後、ベット操作とは別に、サブ制御回路72により遊技者に対してベット操作を促すような液晶演出が開始される。
そして、遊技結果が賞成立であると、その賞に応じた払出数のメダル払出信号が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信される。また、BBの賞成立であると、BB作動図柄表示が行われると共に、BB開始信号が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信される。また、RBの賞成立であると、RB作動図柄表示が行われると共に、RB開始信号が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信される。また、賞が成立しないときは、遊技媒体データの払出数が“0”のメダル払出信号が送信された後、遊技が終了される。
図39に示すように、RB開始信号が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信されると、遊技媒体管理装置2は、RB遊技中であるため、クレジットが3以上であっても、2枚投入可能信号を遊技機1に所定時間間隔で常時送信することになる。尚、この2枚投入可能信号の送信は、遊技機1からのRB終了信号を受信するまで、又はクレジット2枚未満となるまで継続されることになる。
2枚投入可能信号を受信する遊技機1において、MAXベット操作を行った場合は、2枚投入要求信号を遊技媒体管理装置2に送信することになる。そして、遊技媒体管理装置2から2枚投入信号によりベット完了となる。
また、1ベット操作を行った場合は、1枚投入要求信号が遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信された後、1枚投入信号が遊技媒体管理装置2から遊技機1に送信される。但し、この場合は、レバー操作が受け付けられない。即ち、RB遊技中においては、規定数(遊技するためのベット数)は2枚なので、1枚ベットではRB遊技が行えないため、遊技開始信号が送信されないようにレバー操作が受け付けられない状態となる。従って、MAXベット操作により1ベット操作がキャンセルされた後、レバー操作が受け付けられ、RB遊技が開始されることになる。
(遊技機1:ベットボタン点灯処理ルーチン)
本実施形態2の信号動作2は、図40のベットボタン点灯処理ルーチンを実行することにより実現される。尚、ベットボタン点灯処理ルーチンは、サブ制御回路72で実行される処理ルーチンである。実行タイミングとしては前述したスタートコマンド受信時に実行する。メインルーチンとは独立して実行されている。
先ず、スタートコマンドが受信されたか否かが判定される(S41)。スタートコマンドを受信していない場合(S41:NO)は、本ルーチンが終了される。スタートコマンドを受信した場合(S41:YES)は、続いて、所定条件が成立したか否かが判定される(S42)。所定条件が成立していなければ(S42:NO)、本ルーチンが終了される。所定条件の成立はサブ制御回路72側でスタートコマンドで受信した内部当籤役及び遊技状態に基づいて所定の抽籤が実行されることにより決定する。このときに内部当籤役の種別に応じて異なる確率で所定条件を成立させることで期待度を変化させることができる。
所定条件が成立した場合(S42:YES)は、MAXベットボタン演出処理が実行される(S43)。即ち、当籤確率に応じたボタン操作演出としてMAXベットボタン56cの点灯態様(色変化や点滅等)の変更と画像演出が行われる(S43)。これにより、MAXベットボタン56cの操作が遊技者に対して促されることになる。本実施形態では、内部当籤役が当籤確率1/100のRBのときには赤点灯が50%、緑点灯が30%、青点灯が10%、点灯無しが10%とし、当籤確率1/50のスイカのときには赤点灯が10%、緑点灯が20%、青点灯が40%、点灯無しが30%とし、点灯色に応じてボーナス当籤の期待度を変化させるようにしている。他の役でも所定条件の成立抽籤は行っているが、ここでは省略する。また、ボタン点灯色に対応する画像演出を液晶表示装置54上にて行う。これにより、遊技者はボタン点灯色及び液晶表示装置54での表示により当籤役の期待度を知ることができる。
そして、遊技者によりMAXベットボタン56cが操作されたか否かが判定される(S44)。操作されていない場合(S44:NO)には、全てのリール53a・53b・53cが停止したか否かが判定される(S45)。操作された場合(S44:YES)にはS47へ進む。S45において、全てのリール53a・53b・53cが停止していない場合(S45:NO)には、S44へ戻り、全てのリール53a・53b・53cが停止されるか又はMAXベットボタン56cが操作されるまで繰り返しループする。S45において、全てのリール53a・53b・53cが停止したと判定された場合(S45:YES)には、演出表示を終了させる(S46)。この場合、ベット用ボタンランプ75a・75b・75c及び液晶表示装置54の表示を変更させずに終了させることとなる。S47はS44においてベットボタン56a・56b・56cが操作されたときに行う処理であって、表示している演出表示を変更させて表示する処理を行う(S47)。この処理は、例えばS43で液晶表示装置54において、MAXベットボタン56cを模した赤色の画像を表示し、さらに赤文字で『押せ!!』の表示を実行しつつベット用ボタンランプ75a・75b・75cでは赤色点灯を行っていた状態から、金色文字で『期待度80%!!』に変更させる処理を行う。ベット用ボタンランプ75a・75b・75cについては、これ以上操作しても何も起こらないため、点灯を終了させる。このようにMAXベットボタン56cの操作を促し、操作後にさらに演出が変化する場合、特にボーナス当籤期待度をより明確にするような演出に変化させる場合には遊技者のボタン操作への意欲が向上し、より効果的な演出を実行可能となる。ボタン演出は一例であり、例えば所定時間の間は何回でもボタン操作を受付け、操作回数により演出が次第に変化していくボタン連打演出などでもよい。S47が終了した場合、全てのリール53a・53b・53cが停止したか否かが判定される(S48)。全てのリール53a・53b・53cが停止していない場合(S48:NO)には、全てのリール53a・53b・53cが停止されるまで繰り返しループする。全てのリール53a・53b・53cが停止したと判定された場合(S48:YES)には、演出表示を終了させる(S49)。S49又はS46が終了した場合、本ルーチンが終了される。
以上、本発明の実施形態1・2を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各ステップは、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各ステップでは、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各ステップにおける処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各ステップにおける処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各ステップを行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。