JP2014063103A - 画像形成装置、画像形成システムおよび画像処理プログラム - Google Patents

画像形成装置、画像形成システムおよび画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画像の濃度の階調補正の精度を向上させる。
【解決手段】中間転写ベルト50に転写された階調補正用の複数のパッチパターンを検出するADCセンサ80と、中間転写ベルト50から用紙P等に転写され定着された階調補正用の複数のパッチパターンを検出するILS90とを備える画像形成装置10において、ILS90の検出結果により、階調補正用の複数のパッチパターンのうち、ADCセンサ80による検出値が飽和しているパッチパターンがあると判断された場合、ADCセンサ80の検出値のうち、飽和しているパッチパターンの検出値は使用せず、その飽和しているパッチパターンよりも低濃度のパッチパターンの検出値を用いて変換LUTのデータを作成する手段を備えた。
【選択図】図9

Description

本発明は、画像形成装置、画像形成システムおよび画像処理プログラムに関するものである。
近年、カラープリンタやカラー複写機等のような電子写真方式の画像形成装置においては、出力画像の画質に大きな影響を与える画像の濃度の階調性とその安定性の向上が求められている。
しかし、画像形成装置は、環境の変化や装置の経時変化あるいは装置自身の持つ特性のばらつき等により、得られる画像の濃度が変動してしまう。特に、電子写真方式の画像形成装置では、僅かな濃度の変動でもカラーバランスが崩れてしまう虞があるので、濃度特性の安定性を確保することが重要となっている。
そこで、画像形成装置の各部で変動が起こっても安定した濃度の階調特性が得られるように、各色のトナーで階調補正用のパッチパターンを中間転写体や感光体ドラムに形成し、その未定着のトナーによるパッチパターンの濃度を光学センサにより光学的に検出し、その検出結果により、露光量や現像バイアス等のような画像形成条件にフィードバックをかけて出力画像の濃度を制御することが行われている。
また、用紙等のような記録媒体に転写され定着されたパッチパターンの濃度を光学センサにより光学的に検出し、その検出結果により画像形成条件を制御する場合もある。さらに、中間転写体や感光体ドラムに形成された未定着のパッチパターンの濃度を光学センサ等により検出するとともに、記録媒体に転写され定着されたパッチパターンの濃度を光学センサにより検出し、その両方の光学センサからの検出結果により画像形成条件を制御する場合もある(例えば特許文献1参照)。
特開2003−149883号公報
本発明は、画像の濃度の階調補正の精度を向上させることのできる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の画像形成装置は、像保持体に形成された階調補正用の複数の画像を検出する第1の検出手段と、記録媒体に定着された前記階調補正用の複数の画像を検出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段の検出結果に基づいて、前記階調補正用の複数の画像のうち、前記第1の検出手段での検出値が飽和している画像があると判断された場合、前記第1の検出手段の検出結果のうち、前記飽和している画像の検出値は使用せず、前記飽和している画像より低濃度の画像の検出値を用いて階調補正用のデータを作成する階調補正データ作成手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の本発明の画像形成装置は、請求項1に記載の発明において、前記階調補正データ作成手段は、次回の階調補正用のデータの作成において、前記飽和している画像に代えて、前記飽和していると判断された画像よりも濃度が低く、かつ、飽和していないと判断された画像よりも濃度が高い階調補正用の1または複数の画像を前記像保持体に形成することを特徴とする。
また、請求項3に記載の本発明の画像形成システムは、請求項1または2記載の画像形成装置と、該画像形成装置に向けて画像データを出力する画像処理装置とが通信回線を介して接続され、前記画像形成装置は取得した画像データに対する画像形成処理を実施することを特徴とする。
また、請求項4に記載の本発明の画像処理プログラムは、像保持体に形成された階調補正用の複数の画像を検出する第1の検出過程と、記録媒体に定着された前記階調補正用の複数の画像を検出する第2の検出過程と、前記第2の検出手段の検出結果に基づいて、前記階調補正用の複数の画像のうち、前記第1の検出手段での検出値が飽和している画像があると判断された場合、前記第1の検出手段の検出結果のうち、前記飽和している画像の検出値は使用せず、前記飽和している画像より低濃度の画像の検出値を用いて階調補正用のデータを作成する過程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、請求項5に記載の本発明の画像形成装置は、像保持体に形成された階調補正用の複数の画像を検出する第1の検出手段と、記録媒体に定着された前記階調補正用の複数の画像を検出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段の検出結果に基づいて、前記階調補正用の複数の画像のうち、前記第1の検出手段での検出値が飽和している画像があると判断された場合、前記飽和している画像の濃度の領域においては、前記第2の検出手段の検出結果に基づいて現像剤の供給に関する制御を行う現像剤供給制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項6に記載の本発明の画像形成システムは、請求項5記載の画像形成装置と、該画像形成装置に向けて画像データを出力する画像処理装置とが通信回線を介して接続され、前記画像形成装置は取得した画像データに対する画像形成処理を実施することを特徴とする。
また、請求項7に記載の本発明の画像処理プログラムは、像保持体に形成された階調補正用の複数の画像を検出する第1の検出過程と、記録媒体に定着された前記階調補正用の複数の画像を検出する第2の検出過程と、前記第2の検出手段の検出結果に基づいて、前記階調補正用の複数の画像のうち、前記第1の検出手段での検出値が飽和している画像があると判断された場合、前記飽和している画像の濃度の領域においては、前記第2の検出手段の検出結果に基づいて現像剤の供給に関する制御を行う過程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、画像の濃度の階調補正の精度を向上させることが可能になる。
請求項2記載の発明によれば、画像の濃度の階調補正の精度をさらに向上させることが可能になる。
請求項3記載の発明によれば、画像の濃度の階調補正の精度を向上させることが可能になる。
請求項4記載の発明によれば、画像の濃度に関して高精度な階調補正を実現する画像処理プログラムを提供することが可能になる。
請求項5記載の発明によれば、画像形成装置に対する現像剤の供給に関する制御の精度を向上させることが可能になる。
請求項6記載の発明によれば、画像形成装置に対する現像剤の供給に関する制御の精度を向上させることが可能になる。
請求項7記載の発明によれば、画像形成装置に対する現像剤の供給に関して高精度な制御を実現する画像処理プログラムを提供することが可能になる。
本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの概略構成図である。 図1の画像形成システムの機能レベルの概略構成図である。 図1の画像形成システムの画像形成装置における画像形成部の機構系の概略構成図である。 図1の画像形成システムの画像形成装置における画像形成部の正反射方式の適用時のトナー量センサの概略構成図である。 図1の画像形成システムの画像形成装置における画像形成部の拡散反射方式の適用時のトナー量センサの概略構成図である。 図1の画像形成システムの画像形成装置における画像形成部のインラインセンサの概略構成図である。 基準となる階調補正用の複数のパッチパターンの一例の平面図である。 トナー量センサの検出感度とインラインセンサの検出感度との相対関係をグラフに示した図である。 図1の画像形成システムにおける階調補正に関する概略構成と画像形成処理の流れを示す図である。 図1の画像形成システムにおける階調補正用の変換ルックアップテーブルのデータの作成フロー図である。 階調補正用の変換ルックアップテーブルのデータの作成例を説明するための図である。 階調補正用の変換ルックアップテーブルのデータの作成例を説明するための図である。 代替のパッチパターンの配置例を示したパッチパターンの平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る画像形成システムの画像形成処理におけるフロー図である。
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システム1の概略構成を示している。画像形成システム1は、画像形成装置10とコンピュータ20とを有している。
画像形成装置10は、画像処理装置100と画像出力装置200とを備え、コンピュータ20からの印刷データを受け付けた場合に、この印刷データを基に画像処理および画像形成処理を実施する。
画像処理装置100は、データ受付部110、記憶部120,150、PDL(Page Description Language:以下、PDLという)解釈部130、描画部140、画像データ解析部160および画像処理部170を有している。
データ受付部110は、コンピュータ20から受け付けた(取得した)印刷データを記憶部120に保存する。この印刷データは、例えばページ記述言語(PDL)で記述されている。
なお、コンピュータ20からの印刷データは、例えば、RGB色空間、L*a*b*色空間、CMY色空間、およびCMYK色空間の何れかの色空間で表現される画像データである。
RGB色空間は、赤、緑、青の各色で構成される色空間を意味する。
L*a*b*色空間は、画像出力装置などデバイスに依存しない色空間(均等色空間)であって、例えばCIE(国際照明印委員会)L*a*b*表色系の色空間を意味する。
CMY色空間は、シアン、マゼンタおよびイエローの各色で構成される色空間を意味する。
CMYK色空間は、シアン、マゼンタ、イエローおよび黒の各色で構成される色空間を意味する。
上記したPDL解釈部130は、記憶部120に記憶されたPDLデータを解釈し、この解釈した結果を描画部140へ出力する。
描画部140は、受け付けたPDLデータの解釈結果を基に描画にかかわる処理単位(例えばページ)ごとに描画処理を実施し、この描画処理の結果を記憶部150に保存する。また、描画部140は、処理単位の描画処理を終了した旨を画像データ解析部160および画像処理部170へ通知する。なお、描画部140による描画処理の結果の描画データは、ビットマップ形式(ラスタ形式)の画像データである。
画像処理装置100の画像処理部170は、色変換部171、階調補正部172および網点生成部173を有しており、受け付けた画像データ(描画データ)に対する色変換処理、階調補正処理および網点生成処理を実施する。
また、画像処理部170は、画像処理が終了した画像データを、画像出力装置200に向けて出力する。
画像出力装置200は、画像出力装置制御部210および画像形成部220を有している。
画像出力装置制御部210は、画像処理部170からの画像データを画像形成部220へ出力するとともに、画像形成処理を開始すべき旨の命令(画像形成処理開始命令)を画像形成部220へ出力する。
また、画像出力装置制御部210は、画像形成処理を実施する画像形成手段の機能を果たす画像形成部220の少なくとも周囲の環境に関する情報(環境情報と定義する)、画像形成部220による画像形成処理の結果が印刷される用紙(記録媒体の一例)の紙質に関する情報(用紙情報と定義する)、および画像出力装置200の経時特性に関する情報(詳しくは画像形成部220の経時特性に関する情報:経時特性情報と定義する)のうち少なくとも1つの情報を、画像処理装置100の画像データ解析部160に向けて出力する。
画像形成部220は、画像形成手段の機能を有しており、上記画像形成処理開始命令に従って、受け付けた画像データに基づいて画像形成処理を実行し、この画像形成処理の結果としての印刷出力結果(画像が印刷された用紙)を出力する。
次に、図2は、図1の画像形成システム1の機能レベルの概略構成を示している。
画像形成システム1は、画像形成装置10と、コンピュータ20とが通信回線30を介して接続されることで構成されている。
コンピュータ20は、処理装置(クライアント装置)として機能するものであり、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)20C、ハードディスクなどの記憶装置20M1、RAM(Random Access Memory:随時書き込み読み出しメモリ)などのメモリ20M2および通信インタフェース(以下、通信I/Fという)20IFを備えている。
記憶装置20M1は、文書の生成や印刷要求を発行するアプリケーションソフトウェア、プリンタドライバ、印刷データ(PDLデータ)など各種のデータを記憶する。
メモリ20M2は、記憶装置20M1から読み出されたプログラムやデータを記憶する。
通信I/F20IFは、通信回線30を介して、画像形成装置10との間でデータの送受信を行うインタフェースである。
CPU20Cは、コンピュータ20全体を制御するものであり、例えば、記憶装置20M1からメモリ20M2へプリンタドライバを読み込んで実行する。これにより、印刷データ(PDLデータ)が画像形成装置10に向けて送信される。
一方、画像形成装置の画像処理装置100は、CPU100C、ハードディスクなどの記憶装置100M1、RAM100M2,ROM100M3および通信I/F100IFを備えている。
記憶装置100M1は、ソフトウェアである画像処理プログラム(画像処理プログラムの一例)PDなど、印刷処理を実施するのに必要な各種のプログラムやデータを記憶している。
画像処理プログラムPDは、図1に示したPDL解釈部130、描画部140、画像データ解析部160および画像処理部170(色変換部171、階調補正部172および網点生成部173)のそれぞれの機能を実現させるためのプログラム(ソフトウェア)を含んでいる。
ROM100M3は、色パラメータ、階調パラメータ、および網点パラメータの各デフォルト値、色範囲情報CGなど、画像処理に必要なデータを記憶している。
RAM100M2は、記憶装置100M1から読み出された画像処理プログラムPDや通信I/F100IFを介して受信された印刷データなどを記憶する。
また、RAM100M2には、少なくとも以下の(a)〜(d)の各記憶領域が割り当てられる。
(a)図1の記憶部120として機能する記憶領域(印刷データを記憶する領域)である。
(b)図1の記憶部150として機能する記憶領域(描画データを記憶する領域)である。
(c)図1の色変換部171の色パラメータ記憶部、階調補正部172の階調パラメータ記憶部および網点生成部173の網点パラメータ記憶部として機能する記憶領域(デフォルト値としての各パラメータを記憶する領域)である。すなわち、ROM100M3から読み込まれたデフォルト値としてのパラメータを記憶する記憶領域である。
(d)図1の画像処理部170が画像処理を実施する際に必要となる記憶領域(色変換処理、階調補正処理、スクリーン処理の各処理過程や処理結果などを記憶する記憶領域など)である。
CPU100Cは、画像形成装置10全体を制御するものであり、例えば、記憶装置100M1からRAM100M2へ画像処理プログラムPDを読み込んで実行することにより、高画質の画像データを生成して、画像出力装置200に向けて出力する。
通信I/F100IFは、通信回線30を介して、コンピュータ20との間でデータの送受信を行うインタフェースであり、例えば、コンピュータ20から送信された印刷データを受信する。
通信回線30としては、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network:以下、LANと略す)や電話回線などの有線通信回線、無線LANなどの無線通信回線、さらには、これらの通信回線を組み合わせたもの、などが挙げられる。
ここでは、画像処理装置100の各機能を実現し、上記画像処理の処理手順を示すプログラムを含む画像処理プログラムを、記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する場合について説明したが、当該画像処理プログラムを次のようにして提供しても良い。
すなわち、上記画像処理プログラムをROMに格納しておき、CPUが、このプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしても良い。
また、上記画像処理プログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータで読み取り自在な記録媒体に格納して配布するようにしても良い。この場合、その記録媒体に記録されたプログラムを画像処理装置100がインストールした後、このプログラムをCPUが実行するようにする。このプログラムのインストール先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置がある。そして、画像処理装置100は、必要に応じてこの記憶装置に記憶したプログラムを主記憶装置にローディングして実行する。
さらには、通信回線(例えばインターネット)を介して画像処理装置100をサーバ装置あるいはホストコンピュータ等のコンピュータと接続するようにし、当該画像処理装置100が、サーバ装置あるいはコンピュータから上記画像処理プログラムをダウンロードした後、このプログラムを実行するようにしても良い。この場合、このプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)がある。そして、当該画像処理装置100が、必要に応じてこの記憶装置に記憶された上記プログラムを主記憶装置にローディングして実行するようにする。
次に、図3は、画像出力装置200の画像形成部220の主に機構系の構成を示している。
画像形成部220は、タンデム方式の中間転写方式により画像形成するようになっており、電子写真方式(電子写真プロセス)により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kと、各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kにより形成された各色成分のトナー像を図中矢印B方向に循環駆動(回動)される中間転写ベルト(像保持体の一例)50に順次転写(一次転写)させる一次転写部41Y,41M,41C,41Kと、を備えている。
また、画像形成部220は、中間転写ベルト50上に転写されたトナー像(重畳トナー画像)を用紙(記録媒体の一例)Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部60と、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置70と、中間転写ベルト50上に転写された階調補正用の未定着の複数のパッチパターンを光学的に検出するトナー量センサ(Auto Developability Control:以下、ADCと略す)80と、用紙Pに定着された上記階調補正用の複数のパッチパターンを光学的に検出するインラインセンサ(In Line Sensor:以下、ILSと略す)90と、を備えている。
画像形成ユニット40Yは、図中矢印A方向に回転する感光体ドラム(像保持体の一例)42Yを有する。この感光体ドラム42Yの周囲には、回転方向に沿って、感光体ドラム42Yを帯電する帯電装置43Y、感光体ドラム42Y上に静電潜像を書込むレーザ露光装置44Y(図中露光ビームを符号Bmで示す)、該当する色成分のトナーが収容されて感光体ドラム42Y上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置45Y、感光体ドラム42Y上に形成された色成分のトナー像を中間転写ベルト50に転写する一次転写ロール46Y、感光体ドラム42上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ47Y、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。また、画像形成ユニット40Yには、現像装置45Yに現像剤を供給するためのトナーカートリッジ(図示せず)が備えられている。
画像形成ユニット40M,40C,40Kのそれぞれも上記感光体ドラム42Yと同様の感光体ドラム42M,42C,42Kを有しており、これらの感光体ドラム42M,42C,42Kの周囲には、上記感光体ドラム42Yに対応する電子写真用デバイス(帯電装置、レーザ露光装置、現像装置、一次転写ロール、ドラムクリーナ)と同様の電子写真用デバイスが順次配設されている。また、画像形成ユニット40M,40C,40Kには、それぞれの現像装置45M,45C,45Kに現像剤を供給するためのトナーカートリッジ(図示せず)が備えられている。
上述した各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kは、中間転写ベルト50の回転方向(図中矢印B方向)の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に配置されている。そして、感光体ドラム42Y,42M,42C,42Kの各々は、中間転写ベルト50に対して接離自在に構成されている。
一次転写ロール46Yは、中間転写ベルト50を挟んで感光体ドラム42Yと対峙する位置に配置されている。一次転写ロール46Yには、一次転写電圧(一次転写電位)を与える一次転写電圧源48Yが接続されている。一次転写ロール46Yおよび一次転写電圧源48Yは、一次転写部41Yを構成する構成要素である。
上記同様に、感光体ドラム42M,42C,42Kのそれぞれに対応する一次転写ロール46M,46C,46Kも、中間転写ベルト50を挟んで該当する感光体ドラム42M,42C,42Kと対峙する位置に配置されている。一次転写ロール46M,46C,46Kには、それぞれ一次転写電圧(一次転写電位)を与える一次転写電圧源48M,48C,48Kが接続されている。各感光体ドラム42M,42C,42Kに対応する一次転写ロールおよび一次転写電圧源は、それぞれ一次転写部41M,41C,41Kを構成する構成要素である。
一次転写ロール46Y,46M,46C,46Kには、一次転写電圧源48Y,48M,48C,48Kからの一次転写電圧(一次転写電位)が印加され、一次転写電流が供給される。そして、一次転写ロール46Y,46M,46C,46Kは、一次転写電流が供給されることによって一次転写バイアスを発生し、感光体ドラム42Y,42M,42C,42Kの各感光体ドラム42Y,42M,42C,42K上のトナー像を中間転写ベルト50に転写させる。
上記した中間転写ベルト50は、各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kにより形成された各色成分のトナー像が順次転写(一次転写)され保持される部材である。この中間転写ベルト50は、複数の支持ロールおよびバックアップロール60aに掛け渡された状態で無端状に形成されており、反時計回りの方向(矢印Bに示す方向)に回転しながら各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kのトナー像の一次転写を受けるようになっている。
上記した二次転写部60は、中間転写ベルト50上に多重に転写されたトナー像を用紙P等に一括転写(二次転写)してフルカラー画像を形成するための機構部であり、中間転写ベルト50を挟んで互いに対向した状態で配置されたバックアップロール60aと二次転写ロール60bとを備えている。一括転写においては、バックアップロール60aにトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加するか、または、二次転写ロール60bにトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加する。これにより、バックアップロール60aと二次転写ロール60bとの間に転写電界が形成され、中間転写ベルト50上に保持された未定着のトナー像が用紙P等の上に転写される。
定着装置70は、トナー像が転写された用紙P等に対して熱および圧力を与えてトナー像を用紙P等に定着させる機能を備えており、例えば、加熱ロール70aと、加熱ロール70aに用紙Pを押し付ける加圧ロール70bとを備えている。
なお、電子写真プロセスの帯電プロセス、露光プロセスおよび現像プロセスは画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kで実現され(実際には帯電プロセスは帯電装置43Y,43M,43C,43Kで、露光プロセスはレーザ露光装置44Y,44M,44C,44Kで、現像プロセスは現像装置45Y,45M,45C,45Kで、それぞれ実現される。)、転写プロセスは一次転写部41Y,41M,41C,41Kおよび二次転写部60で実現され、定着プロセスは定着装置70で実現される。
上記したADCセンサ(第1の検出手段の一例)80は、中間転写ベルト50に転写された基準となる階調補正用の複数のパッチパターンを光学的に読み取るセンサである。この段階の基準となる階調補正用の複数のパッチパターンは未定着である。基準となる階調補正用の複数のパッチパターンについては後述する。
ADCセンサ80は、最後段の一次転写の位置(一次転写ロール46K)から中間転写ベルト50の回転方向に沿って二次転写の位置(二次転写ロール60b)に到るまでの間において中間転写ベルト50に転写された基準となる階調補正用の複数のパッチパターンを光学的に安定して読み取れる位置に配置されている。
このADCセンサ80で検出された信号は電気信号に変換されて図1に示した画像処理部170に伝送され階調補正部172での階調補正用のデータとして使用されるようになっている。
ここで、図4および図5は、正反反射方式(図4参照)と拡散反射方式(図5参照)とを併用したADCセンサ80の一例の概略構成を示している。なお、図4および図5の矢印は光の方向を示している。
ADCセンサ80は、正反射用の発光素子80LAと、拡散反射用の発光素子80LBと、正反射および拡散反射の共用の受光素子80LCと、反射基準板80RSと、シャッタ80Sとを備えている。
発光素子80LA,LBは、例えば近赤外LED(Light Emitting Diode)により構成され、受光素子80LCは、例えばフォトダイオードにより構成されている。
このADCセンサ80は、図4に示すように、ほとんど拡散反射しない黒色のトナーに対しては正反射方式を使用し、図5に示すように、カラートナーに対しては高濃度まで読み取れる拡散反射方式を使用するようになっている。
なお、ここでは、中間転写ベルト50上に転写された基準となる階調補正用の複数のパッチパターンをADCセンサ80により検出する場合について説明したが、これに代えて感光体ドラム42Y,42M,42C,42Kに現像された上記基準となる階調補正用の複数のパッチパターンをADCセンサ80により検出するようにしても良い。
一方、図3に示すILS(第2の検出手段の一例)90は、中間転写ベルト50から用紙P等に転写され定着装置70により定着された上記基準となる階調補正用の複数のパッチパターンを光学的に読み取るセンサである。
ILS90は、定着装置70の後段(用紙Pの搬送下流)において、用紙Pに定着された上記基準となる階調補正用の複数のパッチパターンを光学的に安定して読み取れるように用紙Pの排出部の近傍に配置されている。用紙Pの排出部の近傍は、用紙Pのカールが除去され用紙Pの姿勢が安定するので、用紙Pに定着された画像の濃度や位置を高い精度で読み取れる。
このILS90で検出された信号は電気信号に変換されて図1に示した画像処理部170に伝送され階調補正部172での階調補正用のデータとして使用されるようになっている。
ここで、図6は、ILS90の一例を示している。ILS90は、搬送中の用紙Pに定着された画像を読み込み、その画像情報を抽出するためのセンサであり、照射部90Aと、CCD(Charge Coupled Device)センサ90Bと、結像部90Cと、センサ校正部90Dとを備えている。
照射部90Aは、画像が記録された用紙Pに向けて光を照射する手段であり、一対のランプ90A1,90A2を備えている。一対のランプ90A1,90A2は、例えばリニア型のキセノンランプにより構成されており、用紙Pの画像形成面に対向する位置に配置されている。また、この一対のランプ90A1,90A2は、その照射範囲の長さが、搬送される最大の用紙Pの幅よりも大きくなるように設定されているとともに、用紙Pの走行時に安定した読み取り精度を得るために充分な照明深度が確保されている。
CCDセンサ90Bは、照射部90Aから照射されて用紙Pで反射された光を受光するとともに、受光した光の強度に基づいて画像または用紙P自体を検出する手段である。CCDセンサ90Bに結像された光は、画像の濃度に応じた電気信号に変換されて図1に示した画像処理部170に伝送され階調補正部172での階調補正用のデータとして使用される。
結像部90Cは、照射部90Aから照射されて用紙Pで反射された光をCCDセンサ90Bに結像する手段である。結像部90Cは、例えば機械的な操作の無い縮小投影光学系により構成されており、複数の反射鏡90C1,90C2,90C3とレンズ90C4とを備えている。
センサ校正部90Dは、ILS90の使用時やキャリブレーション時の各種基準等を設定する手段であり、例えば周方向に8面以上の面が形成された多角形筒状の基準ロール90D1を備えている。これにより、各種検査ターゲットを画像読み取り位置に搭載し、ILS90の読み取り精度の自動校正を行うことで計測装置としての性能を確保している。
次に、図7は、上記した基準となる階調補正用の複数のパッチパターンPP(PP1,PP2,PP3,PP4,PP5,PP6,PP7,PP8,PP9,PP10)の一例の平面図を示している。なお、図7には、説明を分かり易くするために、各パッチパターンPPの右側に画像(網点)の面積率(Coverage in:以下、Cinという)をパーセンテージで示しているが、これが実際に転写または定着されるわけではない。
ここでは、基準となる階調補正用の複数のパッチパターンPPとして、例えば、10個の長方形状のパッチパターンPP1,PP2,PP3,PP4,PP5,PP6,PP7,PP8,PP9,PP10が一方向に沿って予め決められた間隔で配置されている。
各パッチパターンPP1,PP2,PP3,PP4,PP5,PP6,PP7,PP8,PP9,PP10の濃度が異なっており、一方向に沿って次第に濃く(または薄く)なるように設定されている。ここでは、特に限定されるものではないが、Cinが、例えば、10%,20%,30%,40%,50%,60%,70%,80%,90%,100%のパッチパターンPP1,PP2,PP3,PP4,PP5,PP6,PP7,PP8,PP9,PP10が示されている。
ここでは、Cinの値を10%ずつ変えた場合を例示したが、これに限定されるものではなく、種々変更してもよく、例えばCinの値を25%毎ずつ変えても良い。
このような基準となる階調補正用の複数のパッチパターンPPは、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの色毎に感光体ドラム42Y,42M,42C,42Kに現像され、それが中間転写ベルト50に転写され、さらにそれが用紙P等に定着されるようになっている。
ところで、このようなパッチパターンPPを上記したADCセンサ80により検出する場合、トナー量が多くなると検出値が飽和する現象が生じ、検出精度が低下してしまう。特に、トナーの粒径が小さくなるとトナーによる画像の埋まりが良好となるため、粒径が大きい場合よりも少ないトナー量で検出値の飽和が始まる。このような飽和現象の結果、形成される画像の濃度が所期の濃度よりも濃くなるだけでなく、トナー量が多いことに起因して種々の画質欠陥が生じる虞がある。一方、上記したILS90では、ADCセンサ80の検出値が飽和する段階で飽和しないので、画像濃度等が高い精度で検出される。
そこで、本実施の形態においては、ADCセンサ80の検出値が飽和を開始する時のILS90の検出値を求め、それをILS90の閾値として定め記憶する。図8は、ADCセンサ80の検出感度とILS90の検出感度との相対関係をグラフにして示している。画像の濃度が濃くなるにつれADCセンサ80の検出値が減衰し、やがて飽和を開始する。そこで、ADCセンサ80の検出値が飽和を開始した時のILS90の検出値を閾値THとして定める。そして、ある濃度に関してILS90の検出値が閾値TH以上となったら、その濃度のADCセンサ80の検出値が飽和していると判断するようになっている。なお、閾値THは、画像処理装置100の記憶装置100M1やRAM100M2に記憶される。
次に、本実施の形態の画像形成方法における階調補正について図9、図10、図11および図12を参照して説明する。なお、図9は図1の画像形成システム1の階調補正に関する概略構成と画像形成処理の流れを示し、図10は図1の画像形成システム1における階調補正用の変換ルックアップテーブル(Look Up Table:以下、LUTと略す)のデータの作成フロー図を示している。
本実施の形態においては、画像形成システム1の画像形成部220のセットアップにおいて、以下のようにして階調制御用の変換LUTのデータを作成する。
すなわち、図9および図10に示すように、画像処理部170に送られた基準となる階調補正用の複数のパッチパターンPPの画像データDE1に基づいて当該パッチパターンPPを画像形成部220での電子写真プロセスSP1により感光体ドラム42Y,42M,42C,42K(図3参照)に現像し、中間転写ベルト50(図3参照)に転写する(図10のステップ500)。なお、図9の電子写真プロセスは、上記した帯電プロセス、露光プロセス、現像プロセスおよび転写プロセスを指すものである。
次いで、中間転写ベルト50に転写された基準となる階調補正用の複数のパッチパターンPPをADCセンサ80により検出し(図10のステップ501)、その検出値を画像処理装置100に送る。
次いで、中間転写ベルト50に転写された基準となる階調補正用のパッチパターンPPを用紙P等に転写し、定着プロセスSP2により用紙P等に定着する(図10のステップ502)。
次いで、用紙P等に定着されたパッチパターンPPをILS90により検出し(図10のステップ503)、その検出値を画像処理装置100に送る。または画像処理装置100の記憶装置100M1(図2参照)に予め記憶されたILSチャートの中からILS90の検出値と同じ階調値のILSチャートを選出しても良い。
次いで、画像処理装置(階調補正データ作成手段の一例)100では、画像処理装置100に送られた基準となる階調補正用の複数のパッチパターンPPのILS90による検出値が、ILS90の閾値TH以上か否かを判断する(図10のステップ504)。
ここで、基準となる階調補正用の全てのCinのパッチパターンPPに対するILS90による検出値が、上記した閾値TH未満の場合は、各CinのパッチパターンPPに対するADCセンサ80による検出値が飽和していないと判断する。
その場合は、画像処理部170では、画像処理部170に送られたADCセンサ80の検出値から画像形成装置10の階調特性のデータを作成し(図10のステップ505A)、その階調特性のデータと、画像データにおける目標の階調特性TL(図11参照)のデータとに基づいて階調制御用の変換LUTを作成する(すなわち、トーン再現曲線(Tone Reproduction Curve)を作成する(図10のステップ506)。そして、用紙Pに画像を形成(印刷)する段階において、その変換LUTにより画像形成条件(例えば感光体ドラムに対する帯電電位、露光量、現像装置の現像バイアスおよび一次転写ロールの転写電位等)を制御することにより階調制御を実施する。
ここで、変換LUT(階調補正用のデータの一例)について図11および図12を参照して説明する。図11および図12は階調補正用の変換LUTのデータの作成例を説明するための図である。
図11において、横軸はCin(%)、縦軸は出力画像濃度を示している。また、斜線は目標の階調特性TLを示し、曲線は上記した基準となる階調補正用の複数のパッチパターンPPをADCセンサ80により検出することで作成された画像形成装置10の階調特性MLを示している。
この場合、同じ出力画像濃度D1を得るのにも目標の階調特性TLと実際に検出された階調特性MLとでCinの値が異なる。そこで、図12に示すように、目標の階調特性TLと実際に検出された階調特性MLとの差が解消されるようにデータを変換するための変換LUTのデータLLを作成する。
図12において、横軸はCin(%)、縦軸は補正後のCin(%)を示している。図11および図12に示すように、変換LUTのデータLLは、目標の階調特性TLを中心線として、実際に検出された階調特性MLの対称ポイントを求めることで作成される。
なお、変換LUTの作成は、上記画像処理装置100のCPU100C(図2参照)で実行され、メモリ100M2や記憶装置100M1等に記憶される。また、画像の形成(印刷)においては、画像データを変換LUTで補正することにより、目標の階調特性を得る。
一方、図10のステップ504において、画像処理装置100では、画像処理装置100に送られた基準となる階調補正用の複数のパッチパターンPPに対するILS90による検出値のうち、あるCinのパッチパターンPPの検出値が上記した閾値TH以上である場合は、そのCin以上のパッチパターンPPについてADCセンサ80の検出値が飽和していると判断する。すなわち、トナー量を正確に検出していないと判断する。
その場合は、以下のようにする。第1の方法は、画像形成装置10の階調特性MLのデータ(図11参照)の作成において、飽和していると判断されたCin以上のパッチパターンPPのADCセンサ80による検出値は使用せず、飽和していると判断されたCinのパッチパターンPPよりも1つ下の飽和していないと判断されたCinのパッチパターンPPのADCセンサ80による検出値に基づいて算出したものを使用する。
すなわち、飽和していると判断されたCinのパッチパターンPPよりも1つ下の飽和していないと判断されたCinのパッチパターンPPのADCセンサ80による検出値から算出されたΔLUTに対して予め決められた係数を乗じることで得られた値を、飽和していると判断されたCinのパッチパターンPPの出力濃度値とする。
そして、飽和していないと判断されたCinのパッチパターンPPのADCセンサ80による検出値と、上記出力画像濃度の算出値とを用いて画像形成装置10の階調特性のデータ(図11参照)を作成する。これにより、画像形成装置10の階調特性のデータの精度が向上する。
例えばCinが80%以上のパッチパターンPP8,PP9,PP10についてはADCセンサ80による検出値が飽和していると判断された場合、Cinが80%以上のパッチパターンPP8,PP9,PP10についてはCinが70%のパッチパターンPP7のADCセンサ80による検出値に予め決められた係数を乗じることで出力濃度値を算出する。そして、Cinが70%以下のパッチパターンPP1,PP2,PP3,PP4,PP5,PP6,PP7のADCセンサ80による検出値と、Cinが80%以上のパッチパターンPP8,PP9,PP10の上記算出値とから画像形成装置10の階調特性のデータ(図11参照)を作成する(図10のステップ505B)。
このようにして作成された画像形成装置10の階調特性のデータと、画像データにおける目標の階調特性TL(図11参照)とに基づいて階調補正用の変換LUTを作成する(図10のステップ506)。そして、用紙Pに画像を形成(印刷)する段階において、その変換LUTにより上記画像形成条件を制御することにより階調制御を実施する。これにより、ADCセンサ80が飽和している濃度において、画像形成装置10の階調特性のデータの精度が向上するので、階調補正の精度が向上する。したがって、用紙P等に形成される画像の質が向上する。
次に、第2の方法は、次回のセットアップにおいて、ADCセンサ80の検出値が飽和していると判断されたCinのパッチパターンPPを削除し、その空き領域に削除した個数分の他のCinのパッチパターンPP(代替のパッチパターン)を形成して階調制御を実施する。
代替のパッチパターンPPとしては、例えば、設計上高い精度を得たいCinのパッチパターンPPを配置しても良いし、ADCセンサ80の検出値が飽和していると判断されたCinと飽和していないと判断されたCinとの間のCinのパッチパターンPPを配置しても良い。これにより、基準となる階調補正用の複数のパッチパターンの総数を同じくしたまま、他のCinのパッチパターンの検出値が得られる。
ここで、図13は、代替のパッチパターンPP72,PP75,PP77の配置例を示したパッチパターンPPの一例の平面図を示している。図13の左側は図7と同じで画像データに基づいて作成された最初のパッチパターンPPの平面図を示し、図13の右側は代替のパッチパターンPP72,PP75,PP77を付加したパッチパターンPPの平面図を示している。
例えばCinが80%以上のパッチパターンPPにおけるADCセンサ80の検出値が飽和していると判断された場合、次回のセットアップにおいては、図13の左側のパッチパターンPPのうち、Cinが80%以上の3つのパッチパターンPP8,PP9,PP10は作成せず、代わりに図13の右側に示すように、その空き領域にCinが72%、75%、77%のパッチパターンPP72,PP75,PP77を上記と同様に形成(現像、転写および定着)する。
そして、図9および図10等で説明したのと同様に、図13の右側のパッチパターンPPをADCセンサ80およびILS90で検出する。その結果、例えばCinが75%のパッチパターンPP75のILS90による検出値は閾値TH未満であるが、Cinが77%のパッチパターンPP77のILS90による検出値が閾値TH以上と判断されたとする。
その場合、Cinが77%以上のパッチパターンPP77,PP8,PP9,PP10については、Cinが75%のパッチパターンPP75のADCセンサ80による検出値に予め決められた係数を乗じることで出力濃度値を算出する。第1の方法では、Cinが70%のパッチパターンPP7のADCセンサ80による検出値で、Cin80%以上のパッチパターンPPの出力濃度値を算出していた。これに対して第2の方法によれば、Cinが75%のパッチパターンPP75でCinが77%以上のパッチパターンPPの出力濃度値を算出するので、画像形成装置10の階調特性のデータの精度が第1の方法よりも向上する。
そして、第1の方法と同様に、飽和していないと判断されたCinのパッチパターンPPのADCセンサ80による検出値と、上記出力画像濃度の算出値とを用いて画像形成装置10の階調特性のデータ(図11参照)を作成し、その画像形成装置10の階調特性のデータと、画像データにおける目標の階調特性TL(図11参照)とに基づいて階調補正用の変換LUTを作成する。そして、用紙Pに画像を形成(印刷)する段階において、その変換LUTにより上記画像形成条件を制御することにより階調制御を実施する。これにより、ADCセンサ80が飽和している画像の濃度において、画像形成装置10の階調特性のデータの精度が第1の方法よりも向上するので、階調補正の精度が第1の方法よりも向上する。したがって、用紙P等に形成される画像の質が第1の方法よりも向上する。このため、上記した第1の方法だけでも良いが、第1の方法と第2の方法とを組み合わせることが好ましい。
(第2の実施の形態)
ADCセンサ80(図3、図4および図5参照)による検出値が飽和している場合、その飽和している画像濃度に対する制御量が不足するので、実際に形成される画像の濃度が所期の濃度よりも高くなるとともに、トナーの消費量が多くなる。そのため、ICDC(Image Count Dispense Control)カウントに基づいてトナーの供給量を要求する場合、また、ICDCカウント値/トナー供給量に基づいて上記トナーカートリッジの残量を予測する場合など、トナーの供給に関する制御の精度が低下してしまう。なお、ICDC方式とは、印刷する画像の画素数を計数し、計数値に応じた量のトナーを現像装置に補給する方式をいう。
そこで、第2の実施の形態においては、例えば以下のようにする。図14は、第2の実施の形態の画像形成システム1の画像形成処理のフロー図である。
本実施の形態においては、用紙P等に画像を形成(印刷)する処理において、前記第1の実施の形態の図9および図10を用いて説明したのと同様に、電子写真プロセス、ADCセンサ80での検出工程、定着プロセスおよびILS90での検出工程を経た後(図14のステップ500,501,502,503)、画像処理装置(現像剤供給制御手段の一例)100では、画像処理装置100に送られた定着後の基準となる階調補正用の複数のパッチパターンPPに対するILS90による検出値が閾値TH以上か否かを判断する(図14のステップ504)。
ここで、基準となる階調補正用の全てのCinのパッチパターンPPに対するILS90による検出値が、上記した閾値TH未満の場合は、各CinのパッチパターンPPに対するADCセンサ80による検出値が飽和していないと判断する。その場合は、トナーカートリッジから現像装置45Y,45M,45C,45K(図3参照)に供給するトナーの供給量やトナーカートリッジのトナーの残量予測等、トナーの供給に関する制御を通常に実施する(図14のステップ507)。
一方、パッチパターンPPのあるCinのILS90による検出値が閾値TH以上の場合は、そのCinについてADCセンサ80の検出値が飽和していると判断する。その場合は、ILS90の検出値が閾値TH以上の濃度の領域においては、トナーの供給に関してILS90の検出値に基づいて制御を実施する(図14のステップ508)。
すなわち、例えば、ILS90の検出値が閾値TH以上の濃度の領域においては、ILS90の検出値が大きくなるにつれて、ICDCのトナー要求時間の算出係数を大きくする(すなわち、現像装置45Y,45M,45C,45Kに対するトナーの供給量を多くする)方向へ補正を強化する。これにより、現像装置45Y,45M,45C,45Kに対するトナーの供給量の制御精度が向上する。
また、例えば、ILS90の検出値が閾値TH以上の濃度の領域においては、ILS90の検出値が大きくなるにつれて、トナーカートリッジにおける残量予測用ICDC値への補正量をより消費が多い方向へ補正を強化する。これにより、トナーカートリッジのトナーの消費量の予測精度が向上する。
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
例えば前記実施の形態においては、中間転写ベルトに転写されたトナー像を用紙に転写する中間転写方式の画像形成装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、感光体ドラム(像保持体の一例)のトナー像を用紙等の記録媒体に直接転写する直接転写方式の画像形成装置に適用しても良い。この場合、上記のように感光体ドラムに階調補正用の複数のパッチパターンを現像し、そのパッチパターンをADCセンサにより検出する。
また、前記実施の形態においては、記録媒体として用紙に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、フィルム、はがき等、画像が形成される様々なものに適用しても良い。
以上の説明では、本発明をプリンタに適用した場合について説明したが、例えば、複写機、ファクシミリまたはこれらの機能を合わせ持つ画像形成装置等、他の画像形成装置にも適用しても良い。
1 画像形成システム
10 画像形成装置
20 コンピュータ
30 通信回線
42Y,42M,42C,42K 感光体ドラム
50 中間転写ベルト
60 二次転写部
70 定着装置
80 ADCセンサ
90 ILS
100 画像処理装置
100C CPU
100M1 記憶装置
100M2 RAM
100M3 ROM
170 画像処理部
172 階調補正部
200 画像出力装置
220 画像形成部
P 用紙
PD 画像処理プログラム
PP パッチパターン

Claims (7)

  1. 像保持体に形成された階調補正用の複数の画像を検出する第1の検出手段と、
    記録媒体に定着された前記階調補正用の複数の画像を検出する第2の検出手段と、
    前記第2の検出手段の検出結果に基づいて、前記階調補正用の複数の画像のうち、前記第1の検出手段での検出値が飽和している画像があると判断された場合、前記第1の検出手段の検出結果のうち、前記飽和している画像の検出値は使用せず、前記飽和している画像より低濃度の画像の検出値を用いて階調補正用のデータを作成する階調補正データ作成手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記階調補正データ作成手段は、次回の階調補正用のデータの作成において、前記飽和している画像に代えて、前記飽和していると判断された画像よりも濃度が低く、かつ、飽和していないと判断された画像よりも濃度が高い階調補正用の1または複数の画像を前記像保持体に形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 請求項1または2記載の画像形成装置と、該画像形成装置に向けて画像データを出力する画像処理装置とが通信回線を介して接続され、前記画像形成装置は取得した画像データに対する画像形成処理を実施することを特徴とする画像形成システム。
  4. 像保持体に形成された階調補正用の複数の画像を検出する第1の検出過程と、
    記録媒体に定着された前記階調補正用の複数の画像を検出する第2の検出過程と、
    前記第2の検出手段の検出結果に基づいて、前記階調補正用の複数の画像のうち、前記第1の検出手段での検出値が飽和している画像があると判断された場合、前記第1の検出手段の検出結果のうち、前記飽和している画像の検出値は使用せず、前記飽和している画像より低濃度の画像の検出値を用いて階調補正用のデータを作成する過程と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
  5. 像保持体に形成された階調補正用の複数の画像を検出する第1の検出手段と、
    記録媒体に定着された前記階調補正用の複数の画像を検出する第2の検出手段と、
    前記第2の検出手段の検出結果に基づいて、前記階調補正用の複数の画像のうち、前記第1の検出手段での検出値が飽和している画像があると判断された場合、前記飽和している画像の濃度の領域においては、前記第2の検出手段の検出結果に基づいて現像剤の供給に関する制御を行う現像剤供給制御手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5記載の画像形成装置と、該画像形成装置に向けて画像データを出力する画像処理装置とが通信回線を介して接続され、前記画像形成装置は取得した画像データに対する画像形成処理を実施することを特徴とする画像形成システム。
  7. 像保持体に形成された階調補正用の複数の画像を検出する第1の検出過程と、
    記録媒体に定着された前記階調補正用の複数の画像を検出する第2の検出過程と、
    前記第2の検出手段の検出結果に基づいて、前記階調補正用の複数の画像のうち、前記第1の検出手段での検出値が飽和している画像があると判断された場合、前記飽和している画像の濃度の領域においては、前記第2の検出手段の検出結果に基づいて現像剤の供給に関する制御を行う過程と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
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