JP2014062568A - 自在継手用ヨークの製造方法 - Google Patents

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Yuichiro Taguchi
雄一郎 田口
Atsushi Kawamura
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Abstract

【課題】1対のフランジ部を造る為に金属板を折り返す際に、この金属板に亀裂等の損傷が発生しにくくして、従来に比べて高強度な鋼板の採用を可能にする。そして、強度及び剛性の高いヨークを得る為の設計の自由度の向上を図る。
【解決手段】中間素材の基端側板部20aの長さ方向両端寄り2個所位置で、それぞれが上記両フランジ部を構成する為の折り返し方向に関して内側に位置する部分に1対の凹溝27、27を、上記基端側板部20aの全幅に亙って形成する。その後、この基端側板部20aの長さ方向両端寄り部分を上記両凹溝27、27部分で折り返して、上記両フランジ部とする。
【選択図】図3

Description

この発明は、例えば自動車のステアリング装置に組み込み、ハンドル軸の動きをステアリングギヤに伝達する為の自在継手を構成するヨークの製造方法の改良に関する。具体的には、金属板を曲げ加工する事により造るヨークの製造方法に関して、フランジ部を造る為にこの金属板をほぼ180度折り返す際に、この金属板に亀裂等の損傷が発生しにくくして、高強度な鋼板の採用により、強度及び剛性の高いヨークの加工を可能にする事を意図している。
自動車のステアリング装置は、例えば図11に示す様に構成している。ステアリングホイール1の動きは、ステアリングコラム2内に回転自在に設けたステアリングシャフト3及び中間シャフト4を介してステアリングギヤユニット5の入力軸6に伝達する。そして、このステアリングギヤユニット5に内蔵したラックとピニオンとの噛合に基づいて左右1対のタイロッド7、7を押し引きし、左右の操舵輪に、上記ステアリングホイール1の操舵量に応じた所定の舵角を付与する。この様に構成され作用するステアリング装置で、上記ステアリングシャフト3と上記ステアリングギヤユニット5の入力軸6とは、互いに同一直線上に設ける事ができないのが通常である。この為従来から、上記中間シャフト4を設け、この中間シャフト4の両端部と上記ステアリングシャフト3及び入力軸6の端部とを、自在継手8、8を介して結合する事により、同一直線上に存在しない上記ステアリングシャフト3と上記入力軸6との間での、動力伝達を行える様にしている。金属板は、一般には伸び限界が大きくプレス加工性の良い、軟鋼板が用いられる。
この様な場合に使用する自在継手は、所謂カルダン継手と呼ばれるもので、それぞれ二股状に形成された1対のヨークと、これら両ヨーク同士を変位自在に結合する為の十字軸とから構成している。そして、上記ステアリング装置の組立を可能にすべく、上記両ヨークのうちの少なくとも一方のヨークは、シャフトの端部に対し、ボルトにより着脱可能な構造としている。ところで、この様な自在継手のヨークとして、金属板(一般的に鋼板)をプレス加工により曲げ形成する事により造ったものが、例えば特許文献1〜4に記載される等により、従来から各種知られており、且つ、低コストで造れる事から、広く使用されている。
図12〜13は、このうちの特許文献1に記載された自在継手8aを示している。この自在継手8aは、それぞれが鋼板にプレス加工を施す事により二股状に形成された第一、第二のヨーク9、10と、これら両ヨーク9、10同士を変位自在に結合する為の十字軸11とから構成している。即ち、この十字軸11に設けた4個所の端部のうち、反対側2個所位置ずつの端部を、それぞれ上記両ヨーク9、10毎に1対ずつの腕部12a、12bの先端部に設けた円孔16、16の内側に、ラジアルニードル軸受等により回転自在に支持している。又、上記両ヨーク9、10のうちの第一のヨーク9は、シャフトの端部に溶接等により接合固定する様に、このシャフトの端部に外嵌する為の円筒部13を設けている。これに対して、第二のヨーク10は、図示しないボルトにより、別のシャフトの端部に着脱可能としている。
この為に上記第二のヨーク10は、基半部(図12の右半部)に欠円筒状の結合筒部14及び1対のフランジ部15a、15bを、先半部(図12の左半部)に1対の腕部12b、12bを、それぞれ形成している。上記両フランジ部15a、15bの互いに整合する位置には、上記ボルトを挿通する為の通孔17とこのボルトを螺合させる為のねじ孔18とを、互いに同心に形成している。又、上記両フランジ部15a、15bは、上記鋼板をほぼ180度折り返して互いに重ね合わせ、それぞれこの鋼板2枚分の厚さとする事で、強度及び剛性の確保を図っている。この様な第二のヨーク10と上記別のシャフトの端部とを結合するには、このシャフトの端部を上記結合筒部14の内側に挿入した状態で、上記通孔17を挿通した上記ボルトを、上記ねじ孔18に螺合し更に緊締する。尚、一般的には、上記結合筒部14の内周面に雌セレーションを形成し、上記シャフトの端部に雄セレーションを形成して、このシャフトと上記第二のヨーク10との相対回転を防止する。
この様な第二のヨーク10を造るには、先ず、プレスにより、素材となる鋼板を打ち抜き加工して、図14に示す様な中間素材19を造る。この中間素材19は、長矩形状の基端側板部20と、この基端側板部20の幅方向片端縁(図14の上端縁)の中間部2個所位置から突出した1対の舌片部21、21とを備える。この様な中間素材19は、図14に鎖線イ、イで示した上記基端側板部20の長さ方向両端寄り部分を、図15に示す様に、この基端側板部20の厚さ方向に関し同方向に折り返してこの基端側板部20の中央寄り部分と重ね合わせる事により、1対のフランジ部15a、15bを構成する。又、上記基端側板部20のうちでこれら両フランジ部15a、15b同士の間部分に存在する中間部を、この基端側板部20の長さ方向両端部を折り返した側が凹面となる方向に湾曲させて、図12〜13に示した様に、上記中間部を欠円筒状の結合筒部14とする。更に、上記両舌片部21、21をそれぞれ、図12〜13に示した様に、この結合筒部14の軸方向に突出した1対の腕部12b、12bとする。
この様にして上記第二のヨーク10を造る場合に、上記鎖線イ、イ部分での折り返しの容易化を図る為に、特許文献2には、基端側板部の幅方向両端縁でこの折り返し位置に対応する部分の切り欠きを設け(この部分をくびれさせ)る事が記載されている。但し、この部分に於ける鋼板の厚さに関しては、素材のままとして、特に折り返しの容易化を意図してはいない。この為、折り返し部に亀裂等の損傷が発生するのを防止する事を考慮した場合、上記鋼板の厚さ寸法を大きくする事が難しく、この厚さ寸法を大きくする事により、上記第二のヨーク10の強度及び剛性の向上を図る事が難しい。この理由に就いて、以下に説明する。
図16に示す様に、鋼板22を曲げ形成した場合、折り曲げ部23のうちで曲げ方向内側では矢印α、αで示す様に圧縮方向の力が発生し、外側では矢印β、βで示す様に引っ張り方向の力が発生する。そして、このうちの圧縮方向の力に基づいて上記折り曲げ部23の内側に、図16に斜格子で示す様に余肉24が集まり、この余肉24が、上記鋼板22を更に折り曲げる事に対する抵抗になる(この余肉24が突っ張る)。従って、この鋼板22の曲げ加工の進行に伴って、上記矢印β、βで示した、引っ張り方向の力が増大する。この為、上記折り曲げ部の曲げ方向外側部分で、上記鋼板22の延び量が、延び限界を上回り、この外側部分に、亀裂等の損傷が発生する可能性が高くなる。この結果、上記第二のヨーク10を造る為の鋼板として、伸び限界が小さな鋼板を採用することができず、この第二のヨーク10の強度及び剛性を向上させる為の設計の自由度が損なわれる。一般には、高強度な鋼板は伸び限界が小さいからである。
特許文献3には、フランジ部の強度及び剛性を確保する為に、金属板を折り返すのではなく、この金属板の一部に補強リブを形成する構造が記載されている。この様な従来構造の場合、折り返しに伴う金属板の亀裂損傷は防止できるが、得られる強度及び剛性は、折り返し構造のフランジ部に比べれば劣る。又、特許文献4には、十字形の金属板の一部を90度折り立てる曲げ加工に伴って応力が集中する隅角部を、曲げ加工に先立って押し潰す事で、この隅角部の肉厚を小さくし、この隅角部に亀裂が発生するのを防止する、自在継手用ヨークの製造方法に関する発明が記載されている。但し、この様な特許文献4に記載された発明は、肉厚を減少させる部位が折り返し部ではなく、この折り返し部の損傷防止を図る事はできない。
一方、図11に示す様な、ステアリングコラム2部分に電動モータを組み込んだ、所謂コラムタイプの電動パワーステアリング装置の場合、自在継手により伝達されるトルクが増大している。そして、これに伴って、ヨークに就いても、高強度な鋼板を用いて強度及び剛性を向上させる事に就いての要求が増している。
特開昭55−142111号公報 特開2000−320564号公報 特開2003−28187号公報 特開2004−130322号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、フランジ部を造る為に金属板を折り返す際に、この金属板に亀裂等の損傷が発生しにくくして、従来に比べて高強度な鋼板の採用を可能にする事により、強度及び剛性の高いヨークを得る為の設計の自由度の向上を図れる製造方法を実現すべく発明したものである。特に本発明は、高強度な鋼板として440MPa級以上の高張力鋼板を用いると、効果が大きい。
本発明による自在継手用ヨークの製造方法は、前述した特許文献1に記載される等により従来から知られている自在継手用ヨークの製造方法と同様に、先ず、素材となる金属板を打ち抜き加工する事により、長矩形状の基端側板部と、この基端側板部の幅方向片端縁の中間部2個所位置から突出した1対の舌片部とを備えた中間素材を造る。
次いで、この中間素材のうちの基端側板部の長さ方向両端寄り部分を、この基端側板部の厚さ方向に関し同方向に折り返してこの基端側板部の中央寄り部分と重ね合わせる事により、1対のフランジ部を構成する。
又、この基端側板部のうちでこれら両フランジ部同士の間部分に存在する中間部を、この基端側板部の長さ方向両端部を折り返した側が凹面となる方向に湾曲させる事により、上記中間部を欠円筒状の結合筒部とする。
更に、上記両舌片部をそれぞれ、この結合筒部の軸方向に突出した1対の結合腕とする。
特に、本発明の自在継手用ヨークの製造方法に於いては、上記中間素材の基端側板部の長さ方向両端寄り2個所位置で、それぞれが上記両フランジ部を構成する為の折り返し方向に関して内側に位置する部分に1対の凹溝を、上記基端側板部の全幅に亙って形成する。その後、この基端側板部の長さ方向両端寄り部分を上記両凹溝部分で折り返して、上記両フランジ部とする。
上記2個所位置に上記両凹溝を形成する加工は、例えば請求項2に記載した発明の様に、金型により上記中間素材の基端側板部の長さ方向両端寄り2個所位置を押し潰す、据え込み加工により行う。
或は、請求項3に記載した発明の様に、刃物により上記中間素材の基端側板部の長さ方向両端寄り2個所位置を削り取る、切削加工により行う。
上述の様に構成する本発明の自在継手用ヨークの製造方法によれば、フランジ部を造る為に金属板を折り返す際に、この金属板に亀裂等の損傷が発生しにくくできる。即ち、中間素材の基端側板部の長さ方向両端寄り2個所位置に全幅に亙って形成した1対の凹溝の存在に基づき、この基端側板部を折り返す際に、折り返し方向内側に作用する圧縮方向の力を小さく抑えられる。この為、この折り返し方向内側に発生する余肉が少なく抑えられ、しかも、発生した余肉に関しても上記両凹溝内に入り込んで、上記金属板を更に折り曲げる事に対する抵抗になりにくい(あまり突っ張らない)。
この為、折り返し方向外側に亀裂が発生するのを防止する事を考慮したとしても、従来に比べて高強度な鋼板の採用が可能になり、強度及び剛性の高いヨークを得る為の設計の自由度の向上を図れる
本発明の実施の形態の第1例の第一工程で造る第一中間素材の正面図(A)及び端面図(B)。 同第二工程で造る第二中間素材の正面図(A)及び端面図(B)。 同第三工程で造る第三中間素材の正面図(A)及び端面図(B)。 この第三工程時に曲げ起こし部に、各方向に加わる力の状態を説明する為の断面図。 本発明の製造方法の第四工程で造る第四中間素材の正面図(A)及び端面図(B)。 同第五工程で造る第五中間素材の正面図(A)及び端面図(B)。 同第六工程で造る第六中間素材の正面図(A)、端面図(B)及び側面図(C)。 同第七工程で造る第七中間素材の端面図。 同第八工程で造る第八中間素材の正面図(A)、端面図(B)及び側面図(C)。 本発明の実施の形態の第3例の第一工程で造る第一中間素材の正面図(A)及び端面図(B)。 自在継手を組み込んだステアリング装置の1例を示す部分切断側面図。 従来から知られている自在継手の1例を示す斜視図。 図12のX−X断面図。 従来の製造方法の第一工程で造る第一中間素材の正面図。 同第二工程で造る中間素材の断面図。 この第二工程時に曲げ起こし部に、各方向に加わる力の状態を説明する為の断面図。 SPHCと高張力鋼板(440MPa級、590MPa級)の機械的強度比較表
[実施の形態の第1例]
図1〜9は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の自在継手用ヨークの製造方法を実施する場合には、先ず、プレス加工機により、素材となる鋼板を打ち抜き加工して、図1に示す様な第一中間素材25を造る。この第一中間素材25は、長矩形状の基端側板部20aと、この基端側板部20aの幅方向片端縁(図1の上端縁)の中間部2個所位置から突出した1対の舌片部21a、21aとを備える。又、本例の場合には、上記基端側板部20aの幅方向両端縁でこの基端側板部20aの中間部両端寄り部分に、それぞれV字形の切り欠き26、26を形成して、この部分をくびれさせている(この部分の幅寸法を小さくしている)。
上記第一中間素材25には、本例の特徴である面押し加工を施し、上記基端側板部20aの中間部両端寄り部分の片面で、それぞれ上記各切り欠き26、26の間部分に、それぞれ凹溝27、27を形成し、図2に示す様な第二中間素材28とする。この様な凹溝27、27を形成する、上記面押し加工は、上記基端側板部20aを平坦な受型の上面に載置した状態で、押型の下面に設けた1対の突条を、上記各切り欠き26、26の間部分に強く押し付ける事により行う。この押し付けの結果、上記基端側板部20aの中間部両端寄り部分の片面に、上記両突条の形状が転写され、図2の(B)に示す様な、断面円弧形の凹溝27、27が、互いに対向する切り欠き26、26同士の間部分に、この間部分の全幅に亙って形成される。又、本例の場合には、上記両舌片部21a、21aの両側縁部と、上記基端側板部20aの中間部側縁でこれら両舌片部21a、21aの間部分とに、それぞれ面取り状の傾斜面29a、29bを形成する。これら各傾斜面29a、29bは、自在継手を構成した場合に、相手ヨークとの干渉を防止しつつ、必要とするジョイント角を確保する為に設ける。
上述の様な第二中間素材28は、上記両凹溝27、27を形成した基端側板部20aの長さ方向両端寄り部分で、図2に鎖線イ、イで示した、上記両凹溝27、27の中央部分を、上記基端側板部20aの厚さ方向に関し同方向に折り立てて、図3に示す様な第三中間素材30とする。本例の場合には、上記両凹溝27、27の存在に基づき、上述の様に上記基端側板部20aの長さ方向両端寄り部分を折り立てる作業を容易に(軽い力で)行う事ができ、折り立て方向外側に作用する引っ張り力を抑えられる。この点に関して、図4を参照しつつ説明する。
この図4に示す様に、上記基端側板部20aの長さ方向両端寄り部分を折り立てる場合、折り曲げ部23aのうちで折り曲げ方向内側では矢印α、αで示す様に圧縮方向の力が発生し、外側では矢印β、βで示す様に引っ張り方向の力が発生する。そして、このうちの圧縮方向の力に基づいて上記折り曲げ部23aの内側に、図4に斜格子で示す様に余肉24aが集まる。この点に関しては、前述の図16に示した従来方法の場合と同様である。但し、本例の場合には、上記折り曲げ部23aの内側で上記余肉24aが集まる部分に上記両凹溝27、27が存在する為、この折り曲げ部23aの折り曲げ方向外側部分に、亀裂等の損傷が発生しにくい。
即ち、上記基端側板部20aの長さ方向両端寄り部分を折り立てて上記折り曲げ部23aを形成する際に、この折り曲げ部23aの折り曲げ方向内側で生じる、矢印α、α方向の圧縮応力に基づき、上記余肉24aが、上記凹溝27を埋める様な状態で形成される。上記折り曲げ部23aの折り曲げ方向内側部分は、この凹溝27の存在に基づき、上記矢印α、α方向の圧縮応力に対する剛性が低い。又、この凹溝27の大きさ(深さ及び幅)を適切に規制(十分に確保)すれば、上記折り曲げ部23aの形成過程で、更にはこの折り曲げ部23aを上記基端側板部20aの中間部に重ね合わせる迄折り返す過程で、上記凹溝27が上記余肉24aにより埋め尽くされる事はない。従って、上記余肉24aを含む、上記折り曲げ部23aの折り曲げ方向内側部分が、上記基端側板部20aの長さ方向両端寄り部分を折り立て、更に折り返す力に対して突っ張る程度を低く抑えられる。この為、上記折り曲げ部23aの折り曲げ方向外側部分での、前記第二中間素材28乃至前記第三中間素材30を構成する鋼板の延び量を、延び限界内に収める事ができる。この結果、上記外側部分に、亀裂等の損傷が発生する事を有効に防止できる。
上述の様な、1対の折り曲げ部23a、23aを形成した上記第三中間素材30は、次いで、これら両折り曲げ部23a、23aの折り曲げ量を更に大きくする事で、図5に示す様な第四中間素材31とする。次いで、この第四中間素材31の状態から1対の折り曲げ部23a、23aを更に折り曲げて(加工初めから合計で180度折り返して)、これら両折り曲げ部23a、23aを、基端側板部20aの中間部に重ね合わせ、図6に示す様な第五中間素材32とする。この様な折り曲げの過程でも、上記両凹溝27、27の存在に基づいて、曲げ方向外側部分での鋼板の延び量を延び限界内に収め、この外側部分に、亀裂等の損傷が発生する事を有効に防止できる。更に、上記両折り曲げ部23a、23aを上記基端側板部20aの中間部に、隙間なく重ね合わせる事ができる。即ち、前述の図12〜15に示した、従来方法により造られたフランジ部の様に、重ね合わされた鋼板同士の間に隙間33、33が生じる事はない。
上述の様な第五中間素材32は、次の工程で、1対の舌片部21a、21aを曲げ成形して1対の腕部12、12とするプレス加工を施し、図7に示した第六中間素材34とする。尚、図6の(A)と図7の(A)とは、表裏逆転している。
この様な第六中間素材34は、上記両折り曲げ部23a、23aを重ね合わせた面を凹面として基端側板部20aの中間部を湾曲させる予備成形により、図8に示す様な第七中間素材35を経て、図9に示した第八中間素材36とする。
この第八中間素材36は、基半部{図9の(A)(C)の下半部}に欠円筒状の結合筒部14a及び1対のフランジ部15c、15dを、先半部{図9の(A)(C)の上半部}に1対の腕部12、12を、それぞれ設けたものである。
この様な第八中間素材36には、続いて行う打ち抜き加工、或いはボール盤加工により、上記両腕部12、12の先端部に、互いに同心の円孔16(図12参照)を形成する。又、ボール盤加工及びタップ加工により、上記両フランジ部15c、15dの互いに整合する位置に、ボルトを挿通する為の通孔17とこのボルトを螺合させる為のねじ孔18(図13参照)とを、互いに同心に形成する。更に、各部のバリ取り等の仕上加工を施して、自在継手用ヨークとして完成する。
本例の自在継手用ヨークの製造方法の場合には、前記第二中間素材28を前記第五中間素材32に加工する過程で、前記両凹溝27、27の存在に基づき、鋼板を軽い力で折り曲げ、更に折り返せる。この為、この鋼板の曲げ加工を、常温のまま、冷間加工により行っても、上記両フランジ部15c、15dを容易且つ安定して成形できる。又、従来に比べて高強度な鋼板の使用が可能になり(例えば、440MPa級以上の高張力鋼板)、コストが嵩む鍛造可能によらずに、十分な強度及び剛性を有する自在継手用ヨークを得られる。しかも、加工性向上の為に、上記鋼板を加熱したり、冷却したりする工程は不要である為、精度の良い自在継手用ヨークを、低コストで、しかも短いリードタイムで造れる。図17にSPHCと高張力鋼板(440MPa級、590MPa級)の機械的強度比較表を示す。これから判るように、高張力鋼板(440MPa級、590MPa級)の強度は現行材SPHCよりも高い。
又、上記両凹溝27、27を形成し、曲げ加工に伴って発生する余肉24a(図4参照)をこれら両凹溝27、27内に収容するが、この余肉24aの容積自体も少なく抑えられる。この余肉24aは、自在継手用ヨークの機能上役に立たないものである為、上記両凹溝27、27を形成し更に上記余肉24aの量を少なく抑える事で、必要とする機能を損なう事なく、得られる自在継手用ヨークの軽量化を図れる。
更に、上記両フランジ部15c、15dを構成する、上記両折り曲げ部23a、23aと上記基端側板部20aとを隙間なく重ね合わせる為、上記通孔17や上記ねじ孔18の加工時に、加工に伴って生じる削り滓やバリが、上記両折り曲げ部23a、23aと上記基端側板部20aとの間に入り込む事がない。この為、上記通孔17や上記ねじ孔18の加工を安定して行える他、上記削り滓やバリの除去を容易に行えて、この面からの加工コストの低減も図れる。
[実施の形態の第2例]
上述の第1例の場合、押型の下面に設けた1対の突条を基板側板部20aに強く押し付ける事により1対の凹溝27、27を形成している。加工時間を短縮化し、削り滓の発生を防止し、材料の歩留りを確保して、上記両凹溝27、27の加工コストを抑える面からは、上述の様な据え込み加工によりこれら両凹溝27、27を形成する事が好ましい。但し、据え込み加工によりこれら両凹溝27、27を形成すると、上記基板側板部20aを曲げ加工すべき、これら両凹溝27、27の底部に対応する部分が加工硬化し、曲げ加工に要する力の低減を図る面からは不利になる。そして、鋼板の強度、種類等によっては、折り曲げ部に亀裂等の損傷が発生する可能性がある。
そこで、鋼板の強度等により、据え込み加工の採用が難しい場合には、請求項3に記載した発明の様に上記両突条27、27を、刃物により中間素材の基端側板部の長さ方向両端寄り2個所位置を削り取る、切削加工により形成する。この場合に使用する刃物としては、例えばエンドミルを採用できる。
[実施の形態の第3例]
又、基端側板部20aの片面に凹溝を、プレス加工により形成する場合に就いても、図10に示す様に、上記基端側板部20aを構成する鋼板自体を曲げ形成する事で、この基端側板部20aの片面両端寄り部分に凹溝27a、27aを形成する事もできる。この様な凹溝27a、27aは、前述した実施の形態の第1例の据え込み加工に比べて成形荷重を低く抑えられる。但し、上記基端側板部20aの他面両端寄り部分で上記両凹溝27a、27aと反対側部分が膨出する為、得られるフランジ部の形状に制約を受ける。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングコラム
3 ステアリングシャフト
4 中間シャフト
5 ステアリングギヤユニット
6 入力軸
7 タイロッド
8、8a 自在継手
9 第一のヨーク
10 第二のヨーク
11 十字軸
12、12a、12b 腕部
13 円筒部
14、14a 結合筒部
15a、15b、15c、15d フランジ部
16 円孔
17 通孔
18 ねじ孔
19 中間素材
20、20a 基端側板部
21、21a 舌片部
22 鋼板
23、23a 折り曲げ部
24、24a 余肉
25 第一中間素材
26 切り欠き
27、27a 凹溝
28 第二中間素材
29a、29b 傾斜面
30 第三中間素材
31 第四中間素材
32 第五中間素材
33 隙間
34 第六中間素材
35 第七中間素材
36 第八中間素材

Claims (4)

  1. 素材となる金属板を打ち抜き加工する事により、長矩形状の基端側板部と、この基端側板部の幅方向片端縁の中間部2個所位置から突出した1対の舌片部とを備えた中間素材を造り、この中間素材のうちの基端側板部の長さ方向両端寄り部分を、この基端側板部の厚さ方向に関し同方向に折り返してこの基端側板部の中央寄り部分と重ね合わせる事により、1対のフランジ部を構成すると共に、この基端側板部のうちでこれら両フランジ部同士の間部分に存在する中間部を、この基端側板部の長さ方向両端部を折り返した側が凹面となる方向に湾曲させる事により、上記中間部を欠円筒状の結合筒部とし、更に、上記両舌片部をそれぞれ、この結合筒部の軸方向に突出した1対の結合腕とする自在継手用ヨークの製造方法に於いて、上記中間素材の基端側板部の長さ方向両端寄り2個所位置で、それぞれが上記両フランジ部を構成する為の折り返し方向に関して内側に位置する部分に1対の凹溝を、上記基端側板部の全幅に亙って形成した後、この基端側板部の長さ方向両端寄り部分を上記両凹溝部分で折り返して上記両フランジ部とする事を特徴とする自在継手用ヨークの製造方法。
  2. 金型により中間素材の基端側板部の長さ方向両端寄り2個所位置を押し潰す、据え込み加工により、この2個所位置にそれぞれ凹溝を形成する、請求項1に記載した自在継手用ヨークの製造方法。
  3. 刃物により中間素材の基端側板部の長さ方向両端寄り2個所位置を削り取る、切削加工により、この2個所位置にそれぞれ凹溝を形成する、請求項1に記載した自在継手用ヨークの製造方法。
  4. 素材となる金属板が、440MPa級以上の高張力鋼板である、請求項1に記載した自在継手用ヨークの製造方法。
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