JP2014062027A - ガラス成形体の製造装置、及びガラス成形体の製造方法 - Google Patents

ガラス成形体の製造装置、及びガラス成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性の高いガラス成形装置及び方法を提供する。
【解決手段】レンズ成形装置1は、金型ユニット12A,12Bが載置され、回転軸を中心にそれぞれ独立して回動する第1及び第2の回転テーブル17、18と、金型ユニット12A,12B内のガラス材料を加熱及びプレス成形する第1及び第2の成形部6、8と、金型11A,11Bの冷却処理及び交換処理を行う交換・冷却部4と、第1及び第2の成形部6、8と第1及び第2の回転テーブル17、18との間で金型ユニット12A,12Bを移動させる第1及び第2の成形部移動機構と、交換・冷却部4と回転テーブル17、18との間で金型ユニット12A,12Bを移動させる交換・冷却部移動機構と、を備え、第1及び第2の成形部移動機構は、それぞれ回転軸16を中心として周方向に離間した位置に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス成形体の製造装置、及びガラス成形体の製造方法に関し、特に、金型ユニット内に配置されたガラス材料を加熱し、ガラス材料をプレス成形することによりガラス成形体を製造する装置及び方法に関する。
近年、ガラス材料を金型内に配置し、ガラス材料と金型を加熱し、軟化したガラス材料を金型によりプレス成形することにより、レンズなどのガラス成形体を形成する方法が用いられている。このようなプレス成形によりガラス成形体を製造するための装置として、例えば、特許文献1(特開昭63−170225号公報)には、成形部内にプレス機構が配置され、成形部の外周に加熱コイルが配置された成形装置が開示されている。
また、例えば、特許文献2(特開平1−157425号公報)には、ターンテーブル上に加熱室、プレス室、冷却室などの処理室を円周方向に連続して配置し、ターンテーブルによりガラス材料が入れられた成形型を、これらの各室を順次移送することにより、ガラス材料を加熱(予熱)、プレス成形、冷却してガラス成形体を製造する装置が開示されている。
特開昭63−170225号公報 特開平1−157425号公報
しかしながら、特許文献1(特開昭63−170225号公報)に記載された装置は、流れ作業により複数のレンズの製造を並行して行うことを想定しておらず、レンズの大量生産には適さない。
また、ガラス成形体の製造工程では、予熱工程、加熱工程、冷却工程及び成形型の取出・搬入工程に比べて、プレス成形工程に非常に時間を要する。このため、特許文献2に記載された装置において複数の金型を用いてガラス成形体を製造しようとする場合に、一の金型に対する予熱工程等が完了していても、他の金型に対するプレス成形工程が完了するまでターンテーブルを回転させることができない。このため、ある金型に対してプレス成形工程を行っている間は、他の金型は予熱等の工程が完了していても次の工程を行うことができない。このため、他の金型のプレス成形工程に要する時間の影響を受け、ガラス成形体の製造工程全体の時間が長時間となってしまい、生産性が低下してしまう。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、生産性の高いガラス成形装置及び方法を提供することである。
本発明のガラス成形体の製造装置は、金型ユニット内に配置されたガラス材料を加熱し、ガラス材料をプレス成形することによりガラス成形体を製造するガラス成形体の製造装置であって、金型ユニットが載置され、回転軸を中心にそれぞれ独立して回動する複数の回転テーブルと、金型ユニット内のガラス材料を少なくともプレス成形する複数のメイン処理部と、複数のメイン処理部とは異なる処理を行うサブ処理部と、複数のメイン処理部と回転テーブルとの間で金型ユニットを移動させる複数のメイン移動機構と、サブ処理部と回転テーブルとの間で金型ユニットを移動させるサブ処理機構と、を備え、複数のメイン処理部とサブ処理部は、それぞれ回転軸を中心として周方向に離間した位置に設けられている。
なお、本明細書において、複数の回転テーブルが独立して回転できるとは、複数の回転テーブルのうちの第1の回転テーブルが停止した状態であっても、第2の回転テーブルを回転することができることをいう。
本発明によれば、複数の回転テーブルが独立して回転できるため、第1のメイン処理部において第1の金型ユニットに対してプレス成形を行っている際に、第2の金型ユニットを第2のメイン処理部とサブ処理部との間で移動させることができる。これにより、第1の金型ユニットに対するプレス成形の処理時間に関係なく、第2の金型ユニットに対する交換、加熱、冷却ステップ等の各種処理を進行することができ、生産性を向上することができる。
また、本発明のガラス成形体の製造方法は、内部にガラス材料が配置された金型ユニットが載置され、回転軸を中心にそれぞれ独立して回動する複数の回転テーブルと、金型ユニット内のガラス材料を加熱、及び、プレス成形する複数のメイン処理部と、プレス成形が完了した金型ユニットと新たな金型ユニットの交換、又は、金型ユニットから成形されたガラス成形体とガラス材料との交換を少なくとも含む、複数のメイン処理部とは異なる処理を行うサブ処理部と、複数のメイン処理部と、回転テーブルとの間で金型ユニットを移動させる複数のメイン移動機構と、サブ処理部と回転テーブルとの間で金型ユニットを移動させるサブ処理機構と、を備え、複数のメイン処理部とサブ処理部は、それぞれ回転軸を中心として周方向に離間した位置に設けられているガラス成形体の製造装置を用いたガラス成形体の製造方法であって、サブ処理部により、プレス成形が完了した金型ユニットと新たな金型ユニットの交換、又は、金型ユニットから成形されたガラス成形体とガラス材料との交換を行う交換工程と、金型ユニットを、サブ移動機構によりサブ処理部から回転テーブルへ移動させ、回転テーブルにより回転軸を中心に回転移動させ、メイン移動機構により回転テーブルからメイン処理部へ移動させるサブ−メイン移動工程と、メイン処理部により金型ユニット内のガラス材料を加熱する加熱工程と、メイン処理部により金型ユニット内のガラス材料をプレス成形するプレス工程と、金型ユニットを、メイン移動機構によりメイン処理部から回転テーブルへ移動させ、回転テーブルにより回転軸を中心に回転移動させ、メイン移動機構により回転テーブルからサブ処理部へ移動させるメイン−サブ移動工程と、を備え、第1の金型ユニットに、加熱工程又はプレス工程を行っている間に、これと並行して、第2の金型ユニットにメイン−サブ移動工程又はサブ−メイン移動工程を行う。
本発明によれば、生産性の高いガラス成形装置及び方法を提供することができる。
本実施形態のレンズ成形装置の構成を示す斜視概略図である。 本実施形態のレンズ成形装置の搬送部の高さにおける水平断面図である。 本実施形態のレンズ成形装置の交換・冷却部、第1の成形部、及び第2の成形部の高さにおける水平断面図である。 図3におけるA−A断面図である。 図3におけるB−B断面図である。 第1及び第2の回転テーブルの駆動軸への接続部の構成を示す図である。 本実施形態のレンズ成形装置で用いられる金型ユニットを示す断面図である。 本実施形態のレンズ成形装置を用いたガラス成形体の製造方法における、二つの金型ユニットの移動及び、これら金型ユニットに対して行われる処理を示すタイムチャートである。 ガラス成形体の製造方法を説明するための搬送部内を示す水平断面図(その1)である。 図9におけるA−A断面図である。 ガラス成形体の製造方法を説明するための搬送部内を示す水平断面図(その2)である。 図11におけるA−A断面図である。 ガラス成形体の製造方法を説明するための搬送部内を示す水平断面図(その3)である。 図13におけるA−A断面図である。 ガラス成形体の製造方法を説明するための搬送部内を示す水平断面図(その4)である。 図15におけるA−A断面図である。 ガラス成形体の製造方法を説明するための搬送部内を示す水平断面図(その5)である。 図17におけるA−A断面図である。 ガラス成形体の製造方法を説明するための搬送部内を示す水平断面図(その6)である。 図19におけるA−A断面図である。 ガラス成形体の製造方法を説明するための搬送部内を示す水平断面図(その7)である。 図21におけるA−A断面図である。 ガラス成形体の製造方法を説明するための搬送部内を示す水平断面図(その8)である。 図23におけるA−A断面図である。 第1の金型ユニットの成形型のガラス材料の温度、及び、成形型に加えられる圧力の大きさを示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一又は相当部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
図1〜図5は本実施形態のレンズ成形装置の構成を示し、図1は斜視概略図、図2は搬送部の高さにおける水平断面図、図3は交換・冷却部、第1の成形部、及び第2の成形部の高さにおける水平断面図、図4は図3におけるA−A断面図、図5は図3におけるB−B断面図である。なお、図1では、説明のため、搬送部については破線で示している。
これらの図に示すように、本実施形態のレンズ成形装置1は、略円柱状の搬送部2と、搬送部2の上方に設けられた交換・冷却部4、と、第1の成形部6及び第2の成形部8と、を備える。本実施形態のレンズ成形方法では、型支持部材10A、10Bに金型(成形型)11A、11Bが載置されてなる一対の金型ユニット12A,12Bを、交換・冷却部4と、第1及び第2の成形部6、8のいずれかとの間を、搬送部2を介して移動させて各工程を行うことにより、ガラス材料の成形を行う。
交換・冷却部4、第1の成形部6及び第2の成形部8は、後述する搬送機構を構成する駆動軸を中心とした所定の半径を有する小円の円周に沿うように、すなわち、交換・冷却部4、第1の成形部6及び第2の成形部8の中心が小円上に位置するように、配列されている。また、本実施形態では、これら交換・冷却部4、第1の成形部6及び第2の成形部8は、搬送機構を構成する駆動軸を中心に等角度間隔で設けられている。なお、これら交換・冷却部、各成形部は必ずしも本実施形態のように等角度間隔で設けられていなくてもよい。各部の配置によっては等角度間隔の場合よりも、生産性が向上する場合があるからである。例えば、移動頻度の高い交換・冷却部と第1の成形部、または交換・冷却部と第2の成形部との間隔を第1の成形部と第2の成形部との間隔よりも低角度にすることにより、移動時間の短縮が図られ、全体としての生産性向上に寄与する、等である。
搬送部2は、搬送部ケーシング2Aにより円柱状の空間が形成され、この空間内に設置された回転移動機構14と、交換・冷却部4、第1の成形部6及び第2の成形部8の下方にそれぞれ設けられた交換・冷却部移動機構24、第1の成形部移動機構26及び第2の成形部移動機構28と、を備える。また、搬送部ケーシング2Aの上面の交換・冷却部4、第1の成形部6及び第2の成形部8に当たる箇所には、それぞれ開口4B、6B、8Bが形成されている。搬送部2内の空間は、これら開口4B、6B、8Bを介して、交換・冷却部4、第1の成形部6及び第2の成形部8内の空間とそれぞれ連通している。
なお、本実施形態では、搬送部2と、第1の成形部6及び第2の成形部8との間に形成された開口6B、8Bの径は、それぞれ型支持部材10A、10Bの径よりも大きい。また、搬送部2と交換・冷却部4との間に形成された開口4Bの径は、型支持部材10A、10Bの径よりも小さい。
本実施形態では、搬送部2内は、特にヒーター等により加熱していないが、これに限らず、搬送部2内を加熱してもよい。搬送部2、第1の成形部6及び第2の成形部8は、それぞれの内部が不活性ガス雰囲気とされている。不活性ガスとしては、窒素やアルゴンなどが使用され、酸素濃度が5ppm以下であることが好ましい。このように搬送部2、第1の成形部6及び第2の成形部8の内部を不活性ガス雰囲気とすることで、金型ユニット12の酸化やガラス材料の表面変質を防止できる。
回転移動機構14は、搬送部2の中心に下方から延びるように設けられた回転シャフト16と、基部が回転シャフト16に連結され、それぞれ独立して回転させられる第1及び第2の回転テーブル17、18とを備える。これら第1及び第2の回転テーブルは中心角が鋭角な扇形状を呈しており、その中央部には開口17A、18Aが形成されている。第1及び第2の回転テーブル17、18は、回転シャフト16の軸方向、すなわち高さ方向に異なる高さ位置で、回転シャフト16に接続されている。搬送部2の下方には、モーターなどの回転シャフト16を回転駆動させるための駆動装置(図示せず)が設けられている。
図6は、第1及び第2の回転テーブル17、18の回転シャフト16への接続部の構成を示す図である。同図に示すように、第1及び第2の回転テーブル17、18の駆動軸側の基部には、第1及び第2の電磁クラッチ17B、18Bがそれぞれ設けられており、第1及び第2の回転テーブル17、18は、第1及び第2の電磁クラッチ17B、18Bを介して回転シャフト16に着脱可能に連結されている。これら電磁クラッチ17B、18Bを駆動すると、電磁クラッチ17B、18Bが回転シャフト16を把持し、第1及び第2の回転テーブル17、18が回転シャフト16とともに回転する。すなわち、例えば、第2の電磁クラッチ18Bを停止させた状態で第1の電磁クラッチ17Bを駆動させることにより、第2の回転テーブル18が停止した状態で第1の回転テーブル17のみを回転させることができる。
各移動機構24、26、28は、上下方向に延びる駆動軸24B、26B、28Bと、駆動軸24B、26B、28Bの先端に取り付けられた保持部材24A、26A、28Aと、を備える。これら移動機構24、26、28は、交換・冷却部4、第1の成形部6、及び第2の成形部8の直下に、これらの各室4、6、8に対応して設けられている。各移動機構24、26、28の駆動軸24B、26B、28Bは、搬送部2の下方に設けられたアクチュエータなどの駆動装置(図示せず)により、保持部材24A、26A、28Aが回転テーブル17、18と干渉しないように下方に退行した位置と、回転テーブル17、18に形成された開口17A、18Aを挿通して、先端の保持部材24A、26A、28Aが交換・冷却部4、第1の成形部6、及び第2の成形部8の下端位置まで進出した位置との間で上下方向に進退可能である。これにより、移動機構24、26、28は、それぞれ、金型ユニット12A、12Bを、ターンテーブル14上の下方位置と、交換・冷却部4、第1の成形部6、及び第2の成形部8の各室内に収容された上方位置との間で移動させることができる。
第1及び第2の成形部6、8は、ともに第1及び第2の成形部ケーシング6A、8Aにより画成された略円筒状の空間からなり、内部に設けられた加熱機構としてのヒーター30、32と、第1及び第2の成形部ケーシング6A、8Aの上部に設けられたプレス機構34、36とを備える。ヒーター30、32としては、例えば、コイルヒーターなどの内側に配置された加熱対象(金型ユニット)を外周から均一に加熱することができるものが望ましい。これらヒーター30、32により、第1及び第2の成形部6、8内は、ともにガラス屈伏点温度よりも10〜30℃程度高い温度に保たれている。第1及び第2の成形部6、8の内部は不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。なお、本実施形態では、ヒーター30、32を第1及び第2の成形部6、8の内部に設けることとしているが、これに限らず、第1及び第2の成形部6、8の外部に設置してもよい。
プレス機構34、36は、プレスヘッド34A、36Aと、プレスヘッド駆動部34B、36Bと、を備える。プレスヘッド駆動部34B、36Bは、内部に油圧ピストンなどのアクチュエータを内蔵しており、このアクチュエータを駆動させることによりプレスヘッド34A、36Aを第1及び第2の成形部6、8内に下方に向けて下降させる。
交換・冷却部4は、交換・冷却部ケーシング4Aにより画成された略円筒状の空間からなる。また、交換・冷却部ケーシング4Aには開口(図示せず)が設けられており、この開口にはシャッターが取り付けられている。交換・冷却部4では、この開口を通して、装置外部から新たなガラス材料が収容された成形型を供給し、また、成形が完了したガラス成形体が収容された成形型を装置外部へと搬出することができる。なお、搬送部ケーシング2Aの上面の交換・冷却部4に対応する開口4Bの周囲にOリングを取り付けられておくことが好ましい。これにより、後述するように、交換・冷却部移動機構24を伸張させて、金型ユニット12を上昇させた際に、型支持部材10A,10BとOリングとが当接するため、交換・冷却部4内の空間と搬送部2内の空間とを密閉することができる。
なお、本実施形態では、第1及び第2の成形部6、8が金型ユニット内のガラス材料をプレス成形するメイン処理部を構成する。また、交換・冷却部4が、プレス成形が完了した金型ユニットと新たな金型ユニットの交換を行うサブ処理部を構成する。また、交換・冷却部移動機構24がサブ移動機構を構成し、第1及び第2の成形部移動機構26、28がメイン移動機構を構成する。
図7は、本実施形態のレンズ成形装置で用いられる金型ユニットを示す断面図である。図7に示すように、金型ユニット12(12A、12B)は、金型11(11A、11B)と型支持部材10(10A、10B)とを含み、金型11が型支持部材10に取り付けられている。金型(成形型)11は、製造すべきガラス成形体の形状に合わせて形成された成形面を有する上型13A、下型13Bと、これら上型13A及び下型13Bの径方向の相互位置を規制する胴型13Cとを有する。上型13A及び下型13Bの成形面には離型膜が成膜されている。ガラス材料15は、上型13Aと下型13Bの間に挟み込まれた状態で配置されている。ガラス材料15をガラス屈伏点温度以上に加熱した状態で、上下型13A、13Bを相対的に近接する方向に加圧することにより、ガラス材料に成形面形状が転写され、所望の形状のガラス成形体(光学素子)にプレス成形することができる。
以下、本実施形態のレンズ成形装置1を用いたガラス成形体の製造方法を説明する。本実施形態では、二つの金型ユニットに対してタイミングをずらして並行して各処理を行うことにより、連続的にガラス成形体を製造する。
図8は、本実施形態のレンズ成形装置を用いたガラス成形体の製造方法における、二つの金型ユニットの移動及び、これら金型ユニットに対して行われる処理を示すタイムチャートである。また、図9〜図24は、ガラス成形体の製造方法を説明するための図である。図9、図11、図13、図15、図17、図19、図21、及び図23は各ステップにおける搬送部内を示す水平断面図であり、図10、図12、図14、図16、図18、図20、図22、及び図24は、それぞれ図9、図11、図13、図15、図17、図19、図21、及び図23におけるA−A断面図である。また、図25は、第1の金型ユニットの成形型のガラス材料の温度、及び、成形型に加えられる圧力の大きさを示すグラフである。
以下の説明では、図9及び図10に示すように、第1の金型11A内のガラス材料の成形が完了し、第1の金型ユニット12Aが交換・冷却部4内に配置されるとともに、第2の金型ユニット12Bが第2の成形部8に位置し、加熱ステップが完了した状態から説明を開始する。なお、この状態では、第1の回転テーブル17は、交換・冷却部4の直下に位置し、第2の回転テーブル18は、第2の成形部8の直下に位置している。そして、交換・冷却部移動機構24の駆動軸24Bが第1の回転テーブル17の開口17Aを挿通して、保持部材24Aに支持された金型ユニット12Aが交換・冷却部4内に位置している。また、第2の成形部移動機構28の駆動軸28Bが第2の回転テーブル18の開口18Aを挿通して、保持部材28Aに支持された金型ユニット12Bが第2の成形部8内に位置している。
まず、この状態で、交換・冷却部4内において第1の金型ユニット12Aの金型11Aを交換する交換ステップS10を行う。すなわち、交換・冷却部4の開口を通して、成形が完了したガラス成形体及び金型11Aを第1の型支持部材10Aから取外し、新たなガラス材料が収容された金型11Cを第1の型支持部材10Aに取り付ける。この際、搬送部ケーシング2Aの交換・冷却部4に連通する開口の周囲にOリングが設けられているため、交換・冷却部移動機構24により支持された型支持部材10Aの上面と、このOリングとが当接する。これにより、交換・冷却部4の開口部のシャッターを開けても、搬送部2内を気密状態に保つことができ、酸素(O2)濃度の上昇を防止できる。
また、これと並行して第2の成形部8において、第2の金型ユニット12Bの金型11Bにプレスを行うプレスステップS16を行う。なお、プレスステップS16については、このプレスステップS16を行う際に詳細に説明する。
次に、第2の金型ユニット12Bの金型11BにプレスステップS16を実施した状態で、第1の金型ユニット12Aを交換・冷却部4から第1の成形部6へ移動する第1の成形部移動ステップS12を行う。すなわち、まず、交換・冷却部移動機構24により、第1の金型ユニット12Aを交換・冷却部4内から第1の回転テーブル17上まで移動させる。そして、第1の回転テーブル17を、第1の金型ユニット12Aが第1の成形部6の直下に位置するまで回転させる。なお、図11及び図12は第1の移動ステップS12において、第1の金型ユニット12Aが第1の成形部6の直下に位置するまで回転した状態を示している。次に、第1の成形部移動機構26より第1の金型ユニット12Aを第1の回転テーブル17上から第1の成形部6内まで移動させる。この第1の成形部移動ステップS12及び後述する第2の成形部移動ステップS22がサブ−メイン移動ステップに相当する。
次に、図13及び図14に示すように、第2の金型ユニット12Bの金型11BにプレスステップS16を実施した状態で、第1の金型ユニット12Aの金型11Cに加熱ステップS14を行う。すなわち、第1の成形部6内のヒーター32により金型11Cを第1の金型ユニット12Aを、金型11C内のガラス材料の温度がガラス粘度で106〜1011dPa・sに相当する温度まで加熱する。好ましくは、図25に示すように屈伏点温度Tsよりも10〜30℃程度高くなるまで加熱する。なお、図14では、プレス機構36のプレスヘッド36Aを金型11Cの上面に当接しているが、当接させなくてもよい。
次に、第2の金型ユニット12Bの金型11Bに対するプレスステップS16が完了した後、第2の金型ユニット12Bを、第2の成形部8から交換・冷却部4に移動させる第2の交換・冷却部移動ステップS24を行う。すなわち、まず、第2の成形部移動機構28により、第2の金型ユニット12Bを第2の成形部8内から第2の回転テーブル18上まで移動させる。そして、第2の回転テーブル18を、第2の金型ユニット12Bが交換・冷却部4の直下に位置するまで回転させる。なお、図15及び図16は、第2の回転テーブル18を、第2の金型ユニット12Bが交換・冷却部4の直下に位置するまで回転した状態を示している。次に、交換・冷却部移動機構24より第2の金型ユニット12Bを第2の回転テーブル18上から交換・冷却部4内まで移動させる。この第2の交換・冷却部移動ステップS24及び後述する第1の交換・冷却部移動ステップS18がメイン−サブ移動ステップに相当する。
次に、第2の金型ユニット12Bに対して第2の交換・冷却部移動ステップS18が完了した後、第2の金型ユニット12Bを、交換・冷却部4において冷却させる冷却ステップS20を行う。そして、図17及び図18に示すように、第2の金型ユニット12Bの金型11Bに対する冷却ステップS20が完了したら、第2の金型ユニット12Bに対して交換ステップS10を行い、成形が完了したガラス成形体が収容された金型11Bを、新たなガラス材料が収容された金型11Dと交換する。
また、第1の金型ユニット12Aに対する加熱ステップS14が完了したら、引き続き第1の成形部6内において第1の金型ユニット12Aの金型11Cに、プレスステップS16を行う。本実施形態では、プレスステップS16において、プレス処理を2回に分けて行う。まず、図25に示すように、第1の金型ユニット12Aをガラス屈伏点温度よりも10〜30℃高い温度(Ts+10〜30℃)に保つように加熱しながら、所定の時間(例えば、数十秒〜数十分)、プレスヘッド駆動部36Bによりプレスヘッド36Aを下降させ、金型11Cを上下方向に押圧する第1の加圧工程を行う。
次に、第1の金型ユニット12Aに対して、ガラス転移温度よりも10℃高い温度(Tg+10℃)まで冷却し、さらに均熱化する冷却工程を行う。
そして、第1の金型ユニット12Aをガラス転移温度よりも10℃高い温度(Tg+10℃)からガラス転移温度よりも50℃低い温度(Tg−50℃)以下まで冷却しながら、所定の時間(例えば、数十秒〜数十分)、プレスヘッド駆動部36Bによりプレスヘッド36Aを下降させ、金型11Cを上下方向に押圧する第2の加圧工程を行う。なお、第2の加圧工程におけるプレス圧力は、第1のプレス処理におけるプレス圧力よりも小さい。
また、第2の金型ユニット12Bに対する交換ステップS10が完了した後、第2の金型ユニット12Bに対して、交換・冷却部4から第2の成形部8に移動させる第2の成形部移動ステップS22を行う。すなわち、まず、交換・冷却部移動機構24により、第2の金型ユニット12Bを交換・冷却部4内から第2の回転テーブル18上まで移動させる。そして、第2の回転テーブル18を、第2の金型ユニット12Bが第2の成形部8の直下に位置するまで回転させる。なお、図19及び図20は、第2の回転テーブル18を、第2の金型ユニット12Bが第2の成形部8の直下に位置するまで回転した状態を示している。次に、第2の成形部移動機構28より第2の金型ユニット12Bを第2の回転テーブル18上から第2の成形部8内まで移動させる。
次に、第2の金型ユニット12Bの金型11Dに対する第2の成形部移動ステップS22が完了した後、図21及び図22に示すように、第2の成形部8において、第2の金型ユニット12Bに対して加熱ステップS14を行う。そして、第2の成形部8において、第2の金型ユニット12Bに対して加熱ステップS14が完了したら、プレスステップS16を行う。
また、第1の成形部6において、第1の金型ユニット12Aの金型11Cに対するプレスステップS16が完了した後、第1の金型ユニット12Aに対して、第1の成形部6から交換・冷却部4に移動させる第1の交換・冷却部移動ステップS18を行う。すなわち、まず、第1の成形部移動機構26により、第1の金型ユニット12Aを第1の成形部6内から第1の回転テーブル17上まで移動させる。そして、第1の回転テーブル17を、第1の金型ユニット12Aが交換・冷却部4の直下に位置するまで回転させる。なお、図23及び図24は、第1の回転テーブル17を、第1の金型ユニット12Aが交換・冷却部4の直下に位置するまで回転した状態を示している。次に、交換・冷却部移動機構24より第1の金型ユニット12Aを第1の回転テーブル17上から交換・冷却部4内まで移動させる。
次に、交換・冷却部4において、第1の金型ユニット12Aの金型11Cに対して冷却ステップS20を行う。その後、再び、交換・冷却部4において交換ステップS10を行う。
以上の工程を繰り返すことにより、一対の金型ユニット12A、12Bにより、タイミングをずらして並行してガラス成形体の製造を繰り返し行うことができる。なお、交換ステップにおいて、取り外した金型は、装置外部において十分に冷却するとよい。
本実施形態のレンズ成形装置によれば、第1及び第2の回転テーブル17、18が独立して回転できる、すなわち、一方の回転テーブルが停止した状態で他方の回転テーブルのみを回転させることができるため、第1の成形室6において第1の金型ユニット12Aに対してプレスステップを行っている際に、第2の金型ユニット12Bを冷却・交換部4と第2の成形室8との間で移動させることができる。これにより、第1の金型ユニット12Aに対するプレスステップの処理時間に関係なく、第2の金型ユニット12Bに対する交換、加熱、冷却ステップ等の各種処理を進行することができ、生産性を向上することができる。
さらに、本実施形態では、第1及び第2の回転テーブル17、18の基部に電磁クラッチ17B、18Bが設けられ、第1及び第2の回転テーブル17、18は、この電磁クラッチ17B、18Bにより着脱可能に回転シャフト16に連結されている。これにより、電磁クラッチ17B、18Bの駆動をそれぞれ制御することにより、第1及び第2の回転テーブル17、18を独立して、すなわち、一方の回転テーブルが停止した状態で第2の回転テーブルのみを回転させることができる。
また、これら第1及び第2の回転テーブル17、18が異なる高さ位置に設けられているため、第1及び第2の回転テーブル17、18が回転する際に、干渉することはない。
なお、本実施形態では、第1及び第2の回転テーブル17、18を、電磁クラッチ17B、18Bにより着脱可能に回転シャフト16に連結しているが、これに限らず、他のクラッチ機構を用いてもよい。
また、本実施形態では、回転移動機構14が2つの回転テーブルを備えた場合について説明したが、3つ以上の回転テーブルを備えてもよい。
また、本実施形態では、2つの成形部を設けることとしたが、これに限らず、3以上の成形部を設けてもよい。さらに、本実施形態では、成形部において、加熱ステップ及びプレスステップを連続して行うこととしたが、これに限らず、成形部に換えて加熱部及びプレス部を設け、加熱部において加熱ステップを行い、プレス部においてプレスステップを行ってもよい。
また、本実施形態では、第1及び第2の成形室6,8において同一のレンズを成形することを前提として、第1及び第2の成形室6,8において行われる同じ時間にわたりプレスステップが行われる場合について説明した。しかしながら、これに限らず、第1及び第2の成形室6、8においてプレスステップの時間が異なる二種類のレンズを製造する場合にも適用することができる。
最後に、本実施形態を図等を用いて総括する。
本実施形態のレンズ成形装置1は、図1に示すように、金型ユニット12内に配置されたガラス材料15を加熱し、ガラス材料15をプレス成形することによりガラス成形体を製造するレンズ成形装置1であって、金型ユニット12が載置され、回転軸を中心にそれぞれ独立して回動する第1及び第2の回転テーブル17、18と、金型ユニット12内のガラス材料15を加熱及びプレス成形する第1及び第2の成形部6、8と、金型11の冷却処理及び交換処理を行う交換・冷却部4と、第1及び第2の成形部6、8と第1及び第2の回転テーブル17、18との間で金型ユニット12を移動させる第1及び第2の成形部移動機構26、28と、交換・冷却部4と回転テーブル17、18との間で金型ユニット12を移動させる交換・冷却部移動機構24と、を備え、第1及び第2の成形部移動機構26、28は、それぞれ回転軸を中心として周方向に離間した位置に設けられている。
1 レンズ成形装置
2 搬送部
4 交換・冷却部
6 第1の成形部
8 第2の成形部
10 型支持部材
11、11A、11B、11C、11D 金型
12、12A、12B 金型ユニット
14 回転移動機構
15 ガラス材料
16 回転シャフト16
17、18 回転テーブル
17B、18B 電位クラッチ
24 交換・冷却部移動機構
26 第1の成形部移動機構
28 第2の成形部移動機構
28A 保持部材
28B 駆動軸
30、32 ヒーター
34、36 プレス機構

Claims (6)

  1. 金型ユニット内に配置されたガラス材料を加熱し、前記ガラス材料をプレス成形することによりガラス成形体を製造するガラス成形体の製造装置であって、
    前記金型ユニットが載置され、回転軸を中心にそれぞれ独立して回動する複数の回転テーブルと、
    前記金型ユニット内の前記ガラス材料を少なくともプレス成形する複数のメイン処理部と、
    前記複数のメイン処理部とは異なる処理を行うサブ処理部と、
    前記複数のメイン処理部と前記回転テーブルとの間で前記金型ユニットを移動させる複数のメイン移動機構と、
    前記サブ処理部と前記回転テーブルとの間で前記金型ユニットを移動させるサブ移動機構と、を備え、
    前記複数のメイン処理部と前記サブ処理部は、それぞれ前記回転軸を中心として周方向に離間した位置に設けられている、ガラス成形体の製造装置。
  2. 前記複数のメイン移動機構の各々は、前記金型ユニットを前記回転テーブルと前記メイン処理部との間を上下方向に移動させる第1の駆動軸を有し、
    前記サブ移動機構は、前記金型ユニットを前記回転テーブルと前記サブ処理部との間を上下方向に移動させる第2の駆動軸を有し、
    前記複数の回転テーブルには、それぞれ開口部が形成され、
    前記第1及び第2の駆動軸は前記開口部を挿通可能に設けられている、請求項1に記載のガラス成形装置。
  3. 前記複数の回転テーブルは、前記回転軸の延びる方向に互いに離間して設けられている、請求項1又は2に記載のガラス成形体の製造装置。
  4. さらに、前記回転軸を中心に回転する回転シャフトをさらに含み、
    前記複数の回転テーブルは、それぞれ、前記回転シャフトと着脱可能に連結するクラッチを基部に有する、
    請求項1から3の何れか1項に記載のガラス成形体の製造装置。
  5. 前記メイン処理部は、前記金型ユニット内に配置されたガラス材料を加熱する加熱機構と、前記ガラス材料をプレス成形するプレス機構とを含む、請求項1から4のうち何れか1項に記載のガラス成形体の製造装置。
  6. 内部にガラス材料が配置された金型ユニットが載置され、回転軸を中心にそれぞれ独立して回動する複数の回転テーブルと、
    金型ユニット内の前記ガラス材料を加熱、及び、プレス成形する複数のメイン処理部と、
    プレス成形が完了した金型ユニットと新たな金型ユニットの交換、又は、前記金型ユニットから成形されたガラス成形体とガラス材料との交換を少なくとも含む、複数のメイン処理部とは異なる処理を行うサブ処理部と、
    複数のメイン処理部と、前記回転テーブルとの間で前記金型ユニットを移動させる複数のメイン移動機構と、
    サブ処理部と前記回転テーブルとの間で前記金型ユニットを移動させるサブ処理機構と、を備え、複数のメイン処理部と前記サブ処理部は、それぞれ前記回転軸を中心として周方向に離間した位置に設けられているガラス成形体の製造装置を用いたガラス成形体の製造方法であって、
    前記サブ処理部により、前記プレス成形が完了した金型ユニットと新たな金型ユニットの交換、又は、前記金型ユニットから成形されたガラス成形体とガラス材料との交換を行う交換工程と、
    前記金型ユニットを、前記サブ移動機構により前記サブ処理部から前記回転テーブルへ移動させ、前記回転テーブルにより前記回転軸を中心に回転移動させ、前記メイン移動機構により前記回転テーブルから前記メイン処理部へ移動させるサブ−メイン移動工程と、
    前記メイン処理部により前記金型ユニット内の前記ガラス材料を加熱する加熱工程と、
    前記メイン処理部により前記金型ユニット内の前記ガラス材料をプレス成形するプレス工程と、
    前記金型ユニットを、前記メイン移動機構により前記メイン処理部から前記回転テーブルへ移動させ、前記回転テーブルにより前記回転軸を中心に回転移動させ、前記メイン移動機構により前記回転テーブルから前記サブ処理部へ移動させるメイン−サブ移動工程と、を備え、
    第1の金型ユニットに、加熱工程又はプレス工程を行っている間に、これと並行して、第2の金型ユニットにメイン−サブ移動工程又はサブ−メイン移動工程を行う、ガラス成形体の製造方法。
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