JP2014061584A - 高温物把持装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粒状物を任意の形状を保持しつつ硬化させる当接部を備えた把持装置において、前記粒状物の硬化状態を、前記袋部材に、袋部材の耐熱温度よりも低い温度の液体を充填することにより解除し、前記ワークを非把持状態とする。
【選択図】図1
Description
特許文献1に開示されている従来技術では、把持部に、弾性を有する袋部材と、該袋部材に充填される粒状物とを備え、袋部材の内容積に対する粒状物の体積比率を増大させることにより、粒状物を任意の形状を保持しつつ硬化させる当接部を備えた把持装置が開示されている。
そして、ロボットアーム等の把持動作によって、当接部をワーク等に当接させて、該当接部をワーク等の形状に倣わせておき、その後、当接部内を減圧することによって、袋内の多数の粒状物を緊密に係留させて、当接部の形状がワーク形状に倣った状態を保持するようにしている。
このため、特許文献1には、袋部材をアラミド繊維からなる外袋で覆うことも開示されているが、ワークの温度が高い場合や、把持と復元が長時間繰り返された場合など、袋部材自体の温度が上昇してしまうという問題が発生する。
即ち、請求項1においては、ワークを挟圧する複数の挟持部を有する爪部と、
弾性を有する素材からなる袋部材と、該袋部材に充填される粒状物と、を備え、前記袋部材の内容積に対する前記粒状物の体積比率を増大させることにより、前記粒状物を任意の形状を保持しつつ硬化させる、前記挟持部の前記ワークと当接する部位に付設される当接部と、
を有する、前記ワークを把持するための把持部を備える把持装置であって、
前記爪部の前記当接部を付設する部位に、凹凸形状を有する係止部を形成し、前記爪部で前記ワークを挟持して、前記当接部を前記ワークに対して押圧し、前記当接部を前記ワーク及び前記係止部に倣って変形させた状態で、前記粒状物を硬化させることにより、前記当接部を前記ワーク及び前記係止部に倣った状態で硬化させて前記ワークを把持すると共に、
前記粒状物の硬化状態を、前記袋部材に液体を充填することにより解除し、前記ワークを非把持状態とする、
ことを特徴とする把持装置が提供される。
まず始めに、本発明の一実施形態に係る把持装置の全体構成について、図1〜図3を用いて説明をする。
図1に示す如く、本発明の一実施形態に係る把持装置1は、ワーク等を把持して保持するための装置であり、把持部2、制御装置7、真空排気設備8等を備えている。
把持部2は、把持装置1におけるワークを直接把持するための部位であり、駆動部3、複数の爪部4・5、複数の当接部6・6・・・等を備えている。
尚、各爪部4・5の形状は、把持対象となるワークの形状および大きさや、各スライダ部3a・3bのストローク量等を考慮して設定する。
爪部4は、支持部4aがスライダ部3aに対して固定されている。そして、制御装置7により、駆動部3を作動させてスライダ部3aをスライドさせて、各挟圧部4b・4bを、スライド部3aのスライド方向に沿って往復動させる構成としている(図1参照)。
爪部5は、支持部5aがスライダ部3bに対して固定されている。そして、制御装置7により、駆動部3を作動させてスライダ部3bをスライドさせて、挟圧部5bを、スライド部3bのスライド方向に沿って往復動させる構成としている(図1参照)。
当接部6は、弾性を有する袋部材と、該袋部材に充填される粒状物を備える構成であり、定常時においては、柔軟に変形できる態様を呈している。
図1および図2(a)(b)(c)に示す如く、当接部6は、各爪部4・5の各挟圧部4b・4b・5bに付設されており、真空排気設備8と接続されている。
尚、本実施形態では、真空排気設備8に真空ポンプ8aが備えられる場合を例示しているが、真空ポンプ8a以外の排気手段(例えば、エジェクター等)を備える構成とすることも可能である。
当接部6は、真空ポンプ8aを作動させて袋部材の内部を減圧すると、該袋部材内に充填されている粒状物を構成する各粒子がより緊密に係留することによって硬化するため、このとき、その形状を堅固に保持する態様を呈する。
このような当接部6を、各爪部4・5の挟持圧によって、柔軟な状態でワークに押圧すると、該当接部6をワーク表面の凹凸部に入り込ませることができるため、当接部6をワークの外面形状に倣わせることができる。
そして、図3(a)(b)に示す如く、本実施形態に係る把持部2では、各挟圧部4b・4b・5bに付設した各当接部6・6・6によって、ワーク50を三点で堅固に把持することができ、部品点数の少ない簡易な構成で、ワーク50の振り回し動作等にも耐え得る安定した把持状態を実現することができる。
尚、本実施形態では、把持部2によって、ワーク50を三点支持する態様を例示しているが、本発明に係る把持装置における、ワークの支持点数をこれに限定するものではなく、例えば、二点支持する態様であってもよく、あるいは、四点以上で支持する態様であってもよい。
図4および図5(a)に示す如く、爪部4は、当接部6が付設される側の面において付設面4gを形成している。そして、爪部4の挟圧部4bには、付設面4gに開口するボルト孔4c・4c・・・を形成している。
図4および図5(b)に示す如く、各ボルト孔4c・4c・・・には、ボルト9・9・・・を螺挿しており、各ボルト9・9・・・を、その頂部が各ボルト孔4c・4c・・・から付設面4gに対して所定の高さだけ突出するように調整して螺設することにより、各ボルト9・9・・・によって、係止部10を形成している。
また、挟圧部4bには、当接部6を吊設するための部位であるボルト4d・4dを付設面4gから突設している。
係止部10は、挟圧部4bにおける当接部6の配設部位である付設面4gに形成される凹凸形状を有する部位である。
尚、本実施形態では、付設面4gに複数の突起部(複数のボルト9・9・・・の各頂部)が点在する態様の係止部10を例示しているが、本発明に係る把持装置における係止部の態様をこれに限定するものではない。
即ち、本発明に係る把持装置における係止部は、付設面4gに平行で互いに直交する2方向に対して、当接部6の変位を規制し得る種々の態様を採用することができ、挟圧部4bの長さ方向および幅方向に対して、傾斜する方向に凸部や凹部を形成したり、あるいは、ランダムな配置で複数の突起部を配置したりする態様の係止部とすること等も可能である。
前述した各爪部4・5は、所定の挟持力を達成するために、剛性を確保する必要があるため、鋼等所定の硬さを有する素材により構成するのが一般的である。
このため、ワークと各爪部4・5を直接当接させると、該各爪部4・5によってワークを破損等する可能性がある。
このため、把持部2における挟持部である各挟圧部4b・4bおよび挟圧部5bのワークとの当接部位において、それぞれ各当接部6・6・6が付設される構成としている。
当接部6は、形状を柔軟に変形できる態様と、形状を堅固に保持する態様の、相反する二つの態様を一つの部材で実現できる部位であり、図7に示す如く、内袋11(袋部材11a)と、該内袋11(袋部材11a)を被装する外袋13等により構成している。
袋部材11aは、弾性および気密性を有するニトリルゴム(NBR)製の部材であり、NBR製の略長方形のシートを半分に折り返すとともに、折り返した辺以外の三方の各辺部の合わせ面を加硫溶着して、袋状に形成された部材である。
接続口11bは、封止部材11d・11dを介挿して、ナット11cを螺合して締結することによって、孔部11fの気密性を確保しつつ該孔部11fに付設されている。
また、接続口11bには、真空配管8bが接続されており、接続口11bの袋部材11aに内包される端部において、フィルター11eが配設されている。
そして、袋部材11aの内部には、粒状物12が充填される。
尚、本実施形態では、内袋11(袋部材11a)の素材として、ニトリルゴム(NBR)を採用した場合を例示しているが、内袋11(袋部材11a)を構成する素材をこれに限定するものではなく、弾性および気密性を有する素材であれば、作業環境等の条件に合わせて種々の素材を採用し得る。
袋体13aは、耐磨耗性および耐切創性を有する素材であるアラミド繊維製の部材であり、アラミド繊維製の略長方形の二枚のシート状部材を重ね合わせるとともに、三方の各辺部を縫合して、袋状に形成した部材である。袋体13aの内部の大きさは、内袋11(袋部材11a)を変位可能に収容することができる大きさとしている。
また、袋体13aの縫合していない開放側の辺部近傍において、外袋13を吊設するための部位となる係留部13b・13b等が付設されている。本実施形態では、係留部13b・13bとして金属製のハトメを採用する簡易な構成としている。
アラミド繊維は、耐磨耗性および耐切創性に優れた素材であるため、内袋11(袋部材11a)が摩耗および切創しないように確実に保護することができる。
また、アラミド繊維は、ワークの形状に倣う十分な可撓性を備えているため、外袋13内に収容した内袋11(袋部材11a)を、外袋13を介して接したワークの形状に精度良く倣わせることができる。
このため、アラミド繊維は、外袋13(袋体13a)を形成する素材として好適である。
この際、アラミド繊維は、織物や編物、不職布等の任意の形態で使用することができるが、十分な可撓性と耐久性を両立するために、織物の形態で使用されることが好ましい。
即ち、当接部6は、図7に示すように、外袋13に内袋11(袋部材11a)を収容して形成する構成としている。
このような構成により、内袋11(袋部材11a)が、繰返しの使用によって磨耗したり、あるいは、ワークに付着した切粉等によって切創したりすることを、簡易に、かつ、確実に防止することができる。そして、内袋11(袋部材11a)の製品寿命を延ばすことができる。
即ち、当接部6は、あえて内袋11(袋部材11a)と外袋13を別体とする構成によって、内袋と外袋を一体化した二重構造の袋体を有する当接部に比して、より堅固な把持状態を実現するように改良がなされている。
さらに、当接部6は、内袋11(袋部材11a)が損傷した場合には、内袋11(袋部材11a)のみを交換することができ、また、外袋13が損傷した場合には、外袋13のみを交換することができるため、経済性にも優れている。
そして、当接部6(外袋13)を係留部13b・13bに吊設した状態で、ボルト4d・4dにワッシャー15・15を介してナット14・14を締結して、挟圧部4bに対して簡易かつ確実に当接部6を付設する構成としている。
このような構成により、当接部6の交換を容易としている。これにより、当接部6の摩耗および切創が予測されるような実際の生産ラインへの導入を容易に実現することができる。
尚、ここでは、爪部4の挟圧部4bに当接部6が付設される場合を例示して説明したが、爪部5の挟圧部5bにおいても、配設面にボルトが突設されており、該ボルトに当接部6が吊設され、ナットおよびワッシャー等を用いて固定されることによって、同様に当接部6(図示せず)が付設されている。
粒状物12は、当接部6(より詳しくは、袋部材11a)内に充填され、該袋部材11a内を減圧し、粒状物12を構成する各粒子同士を互いに緊密に係留させることによって、袋部材11aおよび粒状物12が一体化した状態において、任意の形状で硬化するものである。
当接部6には、1)硬化時における硬さが良好であること、2)より軽量であること、等の性質を有することが望まれるが、当接部6の硬化時における硬さや重量は、粒状物12の仕様を種々変更することによって変化する。
図12(a)に示す如く、試験装置40は、粒状物を充填するためのケース41と、該ケース41の開口部を封止する弾性を有する膜部材42と、硬化時の硬さを測定するプッシュプルゲージ43等により構成している。
尚、本実施形態では、ケース41として、20×20×15mm程度の容量を有するプラスチック製容器を使用し、膜部材42として、樹脂製シートを使用している。また、プッシュプルゲージ43としては、押圧部43aの直径が6mm(押圧面積が、約28.3mm2)のものを使用している。
まず、ケース41内を粒状物で満たし、膜部材42でケース41の開口部41aを封止する。
次に、ケース41内を真空引きして、ケース41内の粒状物を硬化させる。
次に、膜部材42を介して、プッシュプルゲージ43を硬化した粒状物に押圧し、圧縮力を測定する。そして、このとき測定した圧縮力のピーク値を硬さの指標として記録する。
種々の粒状物について、試験装置40により硬さの測定を行った測定結果を、図12(b)の表に示している。
図12(b)には、選定対象とした粒状物の内、代表的な20種類のものについての測定結果を示している。尚、硬さの欄には、3回の測定結果における最小値〜最大値を表示している。
しかしながら、当接部6に充填する粒状物としては、より軽量であることが望ましいため、硬さの測定結果の上位7種類のうち、鉄製等であって比重の大きい各メタルパウダーおよび砥石は選定候補から除外した。
これにより、塩とセラミック破砕物(大)を選定候補として残した。
このため、形状や化学的性質の安定性を考慮して、最終的に、(18)のセラミック破砕物(大)が、当接部6に充填する粒状物として最適なものであると判断し、これを選定した。
セラミック破砕物(大)は、Al2O3およびSiO2等からなる人工セラミック(所謂、合成ムライト)を、平均粒径が0.4〜0.5mm程度となるように破砕して生成した各粒子がエッジ部を有する形状である粒状物であり、硬さおよび化学的性質の安定性や軽量性(比重が小さい)の観点で、当接部6に充填する粒状物として適している。
硬さの測定結果が低い粒状物に注目すると、いずれも粒状物を構成する各粒子の形状が略球状であることが判る。つまり、当接部6に充填する粒状物は、粒状物を構成する各粒子の形状が略球状であると、良好な硬さを得にくいことが考察できる。
これは、減圧時に当接部6が硬化するのは、隣接し接触する各粒子同士がより緊密に係留し合うためであり、略球状のエッジ部や平面部がない形状では、各粒子同士の係留が弱くなるためであると考察される。
このことからも、当接部6に充填する粒状物としては、粒状物を構成する各粒子の形状が略球状以外であり、エッジ部や平面部を有する形状であるものを選定するのが望ましいと判断できる。
図13(a)に示す如く、本実施形態では、ロボットアーム16の手先部16aに把持装置1の把持部2を配設し、把持部2によって、ワーク50を把持するとともに、ロボットアーム16によって、ワーク50を移送する構成としている。
ワーク50は、例えば位置決めピン等からなる位置決め部16b・16bにより位置決めされた状態で、ワーク配置部16cの所定位置に配置されている。
図13(b)に示す如く、把持装置1の制御装置7は、ロボットアーム16と接続されており、ロボットアーム16の手先部16aの配置・角度等の情報が、制御装置7に入力される構成としている。
このとき、把持部2は、制御装置7によって、ワーク50が各爪部4・5の間に配置されるとともに、ワーク50における把持に適した部位である各凹凸部50a・50b・50cが各当接部6・6・・・と対面する位置に配置されるように、その配置が設定される。
図15に示す如く、このとき当接部6は、ワーク50の各凹凸部50a・50bに対して押圧され、各凹凸部50a・50bの形状に倣って変形する。
また、このとき当接部6は、付設面4g側にも押圧されるため、付設面4gに形成される係止部10(即ち、ボルト9・9・・・の先端部)の形状に倣って変形する。
このため、把持部2では、各当接部6・6・・・を、確実にワーク50の各凹凸部50a・50b・50cや各係止部10・10・・・の形状に倣わせることができる。
図17に示す如く、このとき当接部6は、ワーク50の各凹凸部50a・50bの形状に倣った状態で硬化する。
また、このとき当接部6は、係止部10の形状に倣った状態で硬化する。
ここで、各当接部6・6・・・は、内袋11(袋部材11a)にセラミックの破砕物(即ち、図12(b)における(18)のセラミック破砕物(大))である粒状物12を充填しているため、ワーク50の各凹凸部50a・50b・50cや各係止部10・10・・・に倣った形状を、十分な硬さで確実に保持することができる。
このため、各当接部6・6・・・は、ワーク50に対して変位することがなく、また、各係止部10・10・・・によって係止され、挟圧部4bに対しても変位することがないため、把持部2によって堅固な把持状態を形成することができる。
これにより、ワーク50を移送するときに、ワーク50が各爪部4・5に対して変位することが確実に防止できるため、位置決め精度を確保しつつ、ワーク50を移送することができる。
また、本発明の一実施形態に係る把持装置1において、当接部6は、内袋11(袋部材11a)を覆う、アラミド繊維からなる外袋13を備えるものである。
このような構成により、当接部6の耐磨耗性および耐切創性を確保しつつ、各当接部6・6・6が各挟圧部4b・4b・5bに対して変位することを防止できる。
また、本発明の一実施形態に係る把持装置1において、内袋11(袋部材11a)を、外袋13の内部に、該外袋13に対して相対変位可能な状態で収容するものである。
また、本発明の一実施形態に係る把持装置1において、粒状物12は、該粒状物12を構成する各粒子の形状が略球状以外の形状であるセラミックの破砕物(即ち、図12(b)における(18)のセラミック破砕物(大))とするものである。
このような構成により、硬化時における当接部6の硬さをより増大させることができ、より確実に各当接部6・6・6が各挟圧部4b・4b・5bに対して変位することを防止できる。
そして、ロボットアーム16によって、ワーク50を所定位置に移送した後に、図16(b)に示す如く、制御装置7によって、各スライダ部3a・3bのストロークを調整することにより、各爪部4・5の離間距離が、ワーク50の幅より大きくなるように調整する。そして、ワーク50を、各爪部4・5によって、挟持する状態を解除するようにしている。
これにより、種々の形状を有する複数種類のワークに対して、一つの把持部2を有する把持装置1でフレキシブルに対応することが可能になる。
ワークの種類を変更するときに、各当接部6・6・6を各ワークの形状に対応したものにその都度交換する手間等がなくなるため、生産性を向上させることができる。
このため、当接部6は、各爪部4・5によるワーク50の挟持を解除した後であっても、袋部材11a内の減圧状態を保持する限り、ワーク50の把持に適した態様で当接部6の硬化状態を保持することができる。
これにより、ワーク50を複数連続して移送する場合には、ワーク50の把持に適した態様の当接部6で、各ワーク50・50・・・を確実に把持して、位置決め精度を確保しつつ、ワーク50を移送することができる。
(先願において、外袋を使用した場合、内袋の破損が防止できる効果を主張していますが、この効果は、高温物の把持には及ばないことを明確にするための記載ですので、必要です。)
このような温度上昇を防止する手段として、アラミド繊維製外袋とニトリルゴム(NBR)製袋部材の間に断熱材を設ける方法も考えられるが、断熱材を設けた場合、当接部をワークや係止部の形状に精度良く倣わせることができなくなる場合がある上、図19に示す如く、やはり時間の経過と共に耐熱安全温度以上に昇温されるので、充分な温度上昇防止手段とすることはできない。
そこで、本発明においては、前述のように、制御装置7から電磁弁8cに指令信号を与えて、電磁弁8cを「開」とし、当接部6内の真空状態を解除することによって、当接部6を定常時の形状に復元する際、真空状態の解除を袋部材の耐熱温度よりも低い温度の液体を袋部材内に充填することにより解除して、袋部材を冷却して、温度上昇を防止する。
図20は、温度200℃のワークを把持した後、1回ごとに上記方法で袋部材を冷却し、再度把持を繰り返した際のアラミド繊維製外袋、及びニトリルゴム(NBR)製袋部材の温度の変化を示したものであり、ニトリルゴム(NBR)製袋部材の温度上昇は耐熱安全温度以下に抑制されていることがわかる。
2 把持部
4 爪部
4b 挟圧部
4g 付設面
5 爪部
5b 挟圧部
6 当接部
8 真空排気設備
8c 電磁弁
8d 液体供給電磁弁
8e 圧空供給電磁弁
8f 液体排出電磁弁
10 係止部
11 内袋
12 粒状物
13 外袋
50 ワーク
Claims (5)
- ワークを挟圧する複数の挟持部を有する爪部と、
弾性を有する素材からなる袋部材と、該袋部材に充填される粒状物と、を備え、前記袋部材の内容積に対する前記粒状物の体積比率を増大させることにより、前記粒状物を任意の形状を保持しつつ硬化させる、前記挟持部の前記ワークと当接する部位に付設される当接部と、
を有する、前記ワークを把持するための把持部を備える把持装置であって、
前記爪部の前記当接部を付設する部位に、凹凸形状を有する係止部を形成し、前記爪部で前記ワークを挟持して、前記当接部を前記ワークに対して押圧し、前記当接部を前記ワーク及び前記係止部に倣って変形させた状態で、前記粒状物を硬化させることにより、前記当接部を前記ワーク及び前記係止部に倣った状態で硬化させて前記ワークを把持すると共に、
前記粒状物の硬化状態を、前記袋部材に、袋部材の耐熱温度よりも低い温度の液体を充填することにより解除し、前記ワークを非把持状態とする、
ことを特徴とする把持装置。 - 前記当接部は、前記袋部材を覆う、アラミド繊維からなる外袋を備える、請求項1記載の把持装置。
- 前記袋部材を、前記外袋の内部に、該外袋に対して相対変位可能な状態で収容する、請求項2記載の把持装置。
- 前記粒状物が、該粒状物を構成する各粒子の形状が略球状以外の形状であるセラミックの破砕物である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の把持装置。
- 前記液体が、水である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の把持装置。
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