JP2014061584A - 高温物把持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】粒状物を任意の形状を保持しつつ硬化させる当接部を備えた把持装置において、高温のワークの把持と復元を繰り返した場合でも、当接部の袋部材の温度上昇を抑制し、袋部材の破損を防止することが可能な把持装置を提供する。
【解決手段】粒状物を任意の形状を保持しつつ硬化させる当接部を備えた把持装置において、前記粒状物の硬化状態を、前記袋部材に、袋部材の耐熱温度よりも低い温度の液体を充填することにより解除し、前記ワークを非把持状態とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、高温で、且つ形状が異なる複数種類のワークを確実に把持することができる把持装置の技術に関する。
従来、ワークや製品等を把持する把持装置において、外形形状が異なる複数種類のワークを取り扱う場合には、把持装置のワーク等と直接接触する部位である当接部を、各ワークの形状に対応したものに交換する等の手間が生じていた。このため、外形形状が異なる複数種類のワークをフレキシブルに取り扱うことができる把持装置の開発が望まれていた。
そこで、外形形状が異なる複数種類のワークを良好に把持することができる把持装置の技術が種々検討されており、例えば、以下に示す特許文献1にその技術が開示され公知となっている。
特許文献1に開示されている従来技術では、把持部に、弾性を有する袋部材と、該袋部材に充填される粒状物とを備え、袋部材の内容積に対する粒状物の体積比率を増大させることにより、粒状物を任意の形状を保持しつつ硬化させる当接部を備えた把持装置が開示されている。
当該把持装置では、ロボットアーム等の支持装置の手先部に当接部を配設している。
そして、ロボットアーム等の把持動作によって、当接部をワーク等に当接させて、該当接部をワーク等の形状に倣わせておき、その後、当接部内を減圧することによって、袋内の多数の粒状物を緊密に係留させて、当接部の形状がワーク形状に倣った状態を保持するようにしている。
そして、このような従来の把持装置を用いることによって、当接部の形状を様々なワーク等の外形形状に対応させることができるため、外形形状が異なる複数種類のワークを取り扱う場合において、各ワークを安定して把持することができる。
特開2011−230260号公報
しかしながら、上記従来の把持装置は、袋部材の内容積に対する粒状物の体積比率を減少させる、具体的には例えば、袋部内の減圧状態を解除することによって、当接部を定常形状に復元させているが、例えば、射出成形品など、高温のワークの把持と復元を繰り返していると、当接部の温度が上昇し、袋部材の破損が起こる等の問題が発生する場合があった。
このため、特許文献1には、袋部材をアラミド繊維からなる外袋で覆うことも開示されているが、ワークの温度が高い場合や、把持と復元が長時間繰り返された場合など、袋部材自体の温度が上昇してしまうという問題が発生する。
本発明は、斯かる現状の課題を鑑みてなされたものであり、把持部に、弾性を有する袋部材と、該袋部材に充填される粒状物とを備え、袋部材の内容積に対する粒状物の体積比率を増大させることにより、粒状物を任意の形状を保持しつつ硬化させる当接部を備えた把持装置において、前記粒状物の硬化状態を、前記袋部材に液体を充填することにより解除し、前記ワークを非把持状態とすることにより、高温のワークの把持と復元を繰り返した場合でも、当接部の袋部材の温度上昇を抑制し、袋部材の破損を防止することが可能な把持装置を提供することを目的としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、ワークを挟圧する複数の挟持部を有する爪部と、
弾性を有する素材からなる袋部材と、該袋部材に充填される粒状物と、を備え、前記袋部材の内容積に対する前記粒状物の体積比率を増大させることにより、前記粒状物を任意の形状を保持しつつ硬化させる、前記挟持部の前記ワークと当接する部位に付設される当接部と、
を有する、前記ワークを把持するための把持部を備える把持装置であって、
前記爪部の前記当接部を付設する部位に、凹凸形状を有する係止部を形成し、前記爪部で前記ワークを挟持して、前記当接部を前記ワークに対して押圧し、前記当接部を前記ワーク及び前記係止部に倣って変形させた状態で、前記粒状物を硬化させることにより、前記当接部を前記ワーク及び前記係止部に倣った状態で硬化させて前記ワークを把持すると共に、
前記粒状物の硬化状態を、前記袋部材に液体を充填することにより解除し、前記ワークを非把持状態とする、
ことを特徴とする把持装置が提供される。
本発明の把持装置によれば、高温のワークの把持と復元を繰り返した場合でも、当接部の袋部材の温度上昇を抑制し、袋部材の破損を防止することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る把持装置の全体構成を示す模式図。 本発明の一実施形態に係る把持装置の把持部を示す模式図、(a)把持部を示す正面模式図、(b)A−A断面模式図、(c)B−B断面模式図。 本発明の一実施形態に係る把持装置によるワークの把持状態を示す模式図、(a)正面模式図、(b)平面模式図。 本発明の一実施形態に係る把持装置の挟持部を示す部分詳細模式図。 爪部の付設面に形成する第一の実施形態に係る係止部を示す側面部分模式図、(a)ボルトを取り外した状態を示す側面断面模式図、(b)ボルトを螺挿した状態を示すC−C断面模式図。 爪部の付設面に形成するその他の実施形態に係る係止部を示す部分模式図、(a)第二の実施形態に係る係止部を示す正面模式図およびD−D断面模式図、(b)第三の実施形態に係る係止部を示す正面模式図およびE−E断面模式図。 本発明の一実施形態に係る把持装置における当接部を示す模式図。 本発明の一実施形態に係る把持装置における当接部を構成する内袋11(袋部材11a)を示す模式図。 本発明の一実施形態に係る把持装置における当接部を構成する外袋を示す模式図。 挟持部に対する当接部の取付状態を示す部分正面模式図。 挟持部に対する当接部の取付状態を示す部分側面断面模式図。 粒状物の選定方法を示す図、(a)試験装置の全体構成を示す斜視模式図、(b)試験装置による測定結果を示す図。 本発明に係る把持装置を備える移送装置を示す模式図、(a)移送装置の全体構成を示す模式図、(b)移送装置における把持装置に対する装置接続状態を示す模式図。 把持装置によるワークの把持状況を示す模式図、(a)把持する前の状態を示す模式図、(b)把持状態(真空引き前)を示す模式図。 把持装置によるワークの把持状態における当接部の変形状態を示す側面断面模式図。 把持装置によるワークの把持状況を示す模式図、(a)把持状態(真空引き後)を示す模式図、(b)把持を解除した状態(真空破壊後)を示す模式図。 把持装置によるワークの把持状態における係止部による当接部の係止状態を示す側面断面模式図。 アラミド繊維製外袋、及びニトリルゴム(NBR)製袋部材の温度の変化を示すグラフ。 アラミド繊維製外袋とニトリルゴム(NBR)製袋部材の間に断熱材を設けた場合のアラミド繊維製外袋、及びニトリルゴム(NBR)製袋部材の温度の変化を示すグラフ。 アラミド繊維製外袋、及びニトリルゴム(NBR)製袋部材の温度の変化を示すグラフ。
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の一実施形態に係る把持装置の全体構成について、図1〜図3を用いて説明をする。
図1に示す如く、本発明の一実施形態に係る把持装置1は、ワーク等を把持して保持するための装置であり、把持部2、制御装置7、真空排気設備8等を備えている。
把持部2は、把持装置1におけるワークを直接把持するための部位であり、駆動部3、複数の爪部4・5、複数の当接部6・6・・・等を備えている。
図1および図2(a)(b)(c)に示す如く、駆動部3は、二系統のスライダ部3a・3bを備えており、各スライダ部3a・3bを同一の軸方向に対して、それぞれ独立して往復変位させることができる装置である。駆動部3としては、例えば、ボールネジ・ナットおよびモータ等からなる往復動機構を備える電動アクチュエータ等を採用することができる。
各爪部4・5は、ワークを挟持するために備えられる一対の部位である。即ち、各爪部4・5は、該各爪部4・5の中間位置に配置されるワークを、各爪部4・5によって挟圧して保持するための部位である。
尚、各爪部4・5の形状は、把持対象となるワークの形状および大きさや、各スライダ部3a・3bのストローク量等を考慮して設定する。
図2(b)に示す如く、爪部4は、支持部4aと、該支持部4aから突設する二つの挟圧部4b・4bを備えている。挟圧部4b・4bは、互いに所定の間隔を隔てて配置されている。また、爪部4は、当接部6が付設される側の面を、付設面4gとしている。
爪部4は、支持部4aがスライダ部3aに対して固定されている。そして、制御装置7により、駆動部3を作動させてスライダ部3aをスライドさせて、各挟圧部4b・4bを、スライド部3aのスライド方向に沿って往復動させる構成としている(図1参照)。
また、図2(c)に示す如く、爪部5は、支持部5aと、該支持部5aから突設する一つの挟圧部5bを備えている。また、爪部5は、当接部6が付設される側の面を、付設面5gとしている。
爪部5は、支持部5aがスライダ部3bに対して固定されている。そして、制御装置7により、駆動部3を作動させてスライダ部3bをスライドさせて、挟圧部5bを、スライド部3bのスライド方向に沿って往復動させる構成としている(図1参照)。
当接部6は、把持装置1においてワークと直接当接する部位であり、その形状を柔軟に変形できる態様と、その形状を堅固に保持する態様の、相反する二つの態様を一つの部材で実現することができるものである。
当接部6は、弾性を有する袋部材と、該袋部材に充填される粒状物を備える構成であり、定常時においては、柔軟に変形できる態様を呈している。
図1および図2(a)(b)(c)に示す如く、当接部6は、各爪部4・5の各挟圧部4b・4b・5bに付設されており、真空排気設備8と接続されている。
真空排気設備8は、把持装置1において当接部6を硬化および軟化させるための手段を構成するものであり、真空ポンプ8a、真空配管8b・8b、電磁弁8c等を備えている。そして、各当接部6・6の袋部材に、各真空配管8b・8bが接続されている。
尚、本実施形態では、真空排気設備8に真空ポンプ8aが備えられる場合を例示しているが、真空ポンプ8a以外の排気手段(例えば、エジェクター等)を備える構成とすることも可能である。
また、本発明に係る把持装置において、当接部の硬化および軟化を実現させるための手段は、袋部材の内容積に対する粒状物の体積比率を増大させることであり、その一手段が袋部材の内部の減圧であるので、必ずしも真空排気設備である必要はなく、当接部の硬化および軟化を実現することができる種々の態様のものを採用し得る。
当接部6は、真空ポンプ8aを作動させて袋部材の内部を減圧すると、該袋部材内に充填されている粒状物を構成する各粒子がより緊密に係留することによって硬化するため、このとき、その形状を堅固に保持する態様を呈する。
このような当接部6を、各爪部4・5の挟持圧によって、柔軟な状態でワークに押圧すると、該当接部6をワーク表面の凹凸部に入り込ませることができるため、当接部6をワークの外面形状に倣わせることができる。
また、当接部6は、ワークの外面形状に倣わせた状態で真空排気設備8を作動させることによって、ワークの外面形状に対応した形状で硬化させることができるため、ワークの外面形状に対応した堅固な態様の当接部6を形成できる。
そして、図3(a)(b)に示す如く、本実施形態に係る把持部2では、各挟圧部4b・4b・5bに付設した各当接部6・6・6によって、ワーク50を三点で堅固に把持することができ、部品点数の少ない簡易な構成で、ワーク50の振り回し動作等にも耐え得る安定した把持状態を実現することができる。
尚、本実施形態では、把持部2によって、ワーク50を三点支持する態様を例示しているが、本発明に係る把持装置における、ワークの支持点数をこれに限定するものではなく、例えば、二点支持する態様であってもよく、あるいは、四点以上で支持する態様であってもよい。
次に、各爪部4・5の構成について、図4〜図6を用いて、さらに詳細に説明をする。
図4および図5(a)に示す如く、爪部4は、当接部6が付設される側の面において付設面4gを形成している。そして、爪部4の挟圧部4bには、付設面4gに開口するボルト孔4c・4c・・・を形成している。
図4および図5(b)に示す如く、各ボルト孔4c・4c・・・には、ボルト9・9・・・を螺挿しており、各ボルト9・9・・・を、その頂部が各ボルト孔4c・4c・・・から付設面4gに対して所定の高さだけ突出するように調整して螺設することにより、各ボルト9・9・・・によって、係止部10を形成している。
また、挟圧部4bには、当接部6を吊設するための部位であるボルト4d・4dを付設面4gから突設している。
尚、ここでは、爪部4の挟圧部4bの構成について説明をしたが、爪部5の挟圧部5bにおいても、配設面を形成しており、該配設面において開口する複数のボルト孔を形成し、該ボルト孔に複数のボルトを螺挿することによって、同様の係止部10(図示せず)を形成している。
係止部10は、挟圧部4bにおける当接部6の配設部位である付設面4gに形成される凹凸形状を有する部位である。
尚、本実施形態では、付設面4gに複数の突起部(複数のボルト9・9・・・の各頂部)が点在する態様の係止部10を例示しているが、本発明に係る把持装置における係止部の態様をこれに限定するものではない。
係止部の態様は、例えば、図6(a)に示すような、付設面4gに略十字状の凹部4eを形成する態様の係止部20や、図6(b)に示すような、付設面4gに略十字状の凸部4fを形成する態様の係止部30等とすることも可能である。
即ち、本発明に係る把持装置における係止部は、付設面4gに平行で互いに直交する2方向に対して、当接部6の変位を規制し得る種々の態様を採用することができ、挟圧部4bの長さ方向および幅方向に対して、傾斜する方向に凸部や凹部を形成したり、あるいは、ランダムな配置で複数の突起部を配置したりする態様の係止部とすること等も可能である。
次に、当接部6の構成について、図7〜図11を用いて、さらに詳細に説明をする。
前述した各爪部4・5は、所定の挟持力を達成するために、剛性を確保する必要があるため、鋼等所定の硬さを有する素材により構成するのが一般的である。
このため、ワークと各爪部4・5を直接当接させると、該各爪部4・5によってワークを破損等する可能性がある。
また、ワークは種々の形状に構成されるため、安定的な把持状態を実現するためには、各爪部4・5においてワークと当接する部位の形状をワークの形状に対応させる必要がある。
このため、把持部2における挟持部である各挟圧部4b・4bおよび挟圧部5bのワークとの当接部位において、それぞれ各当接部6・6・6が付設される構成としている。
当接部6は、形状を柔軟に変形できる態様と、形状を堅固に保持する態様の、相反する二つの態様を一つの部材で実現できる部位であり、図7に示す如く、内袋11(袋部材11a)と、該内袋11(袋部材11a)を被装する外袋13等により構成している。
図8に示す如く、内袋11(袋部材11a)は、柔軟に変形できる態様と、形状を堅固に保持する態様の、相反する二つの態様を一つの部材で実現できる部材であり、袋部材11a、接続口11b等を備えている。
袋部材11aは、弾性および気密性を有するニトリルゴム(NBR)製の部材であり、NBR製の略長方形のシートを半分に折り返すとともに、折り返した辺以外の三方の各辺部の合わせ面を加硫溶着して、袋状に形成された部材である。
また、袋部材11aの折り返した辺の略中央部には孔部11fが形成されており、該孔部11fに、袋部材11aの内外を連通するための部材である接続口11bが配設されている。
接続口11bは、封止部材11d・11dを介挿して、ナット11cを螺合して締結することによって、孔部11fの気密性を確保しつつ該孔部11fに付設されている。
また、接続口11bには、真空配管8bが接続されており、接続口11bの袋部材11aに内包される端部において、フィルター11eが配設されている。
そして、袋部材11aの内部には、粒状物12が充填される。
また、内袋11(袋部材11a)は、粒状物12が、接続口11bから排出されることを、フィルター11eによって防止する構成としている。
尚、本実施形態では、内袋11(袋部材11a)の素材として、ニトリルゴム(NBR)を採用した場合を例示しているが、内袋11(袋部材11a)を構成する素材をこれに限定するものではなく、弾性および気密性を有する素材であれば、作業環境等の条件に合わせて種々の素材を採用し得る。
図9に示す如く、外袋13は、内袋11(袋部材11a)を被装し保護するための部材であり、袋体13a、係留部13b・13b等を備えている。
袋体13aは、耐磨耗性および耐切創性を有する素材であるアラミド繊維製の部材であり、アラミド繊維製の略長方形の二枚のシート状部材を重ね合わせるとともに、三方の各辺部を縫合して、袋状に形成した部材である。袋体13aの内部の大きさは、内袋11(袋部材11a)を変位可能に収容することができる大きさとしている。
また、袋体13aの縫合していない開放側の辺部近傍において、外袋13を吊設するための部位となる係留部13b・13b等が付設されている。本実施形態では、係留部13b・13bとして金属製のハトメを採用する簡易な構成としている。
本実施形態では、外袋13(袋体13a)の素材としてアラミド繊維を採用している。
アラミド繊維は、耐磨耗性および耐切創性に優れた素材であるため、内袋11(袋部材11a)が摩耗および切創しないように確実に保護することができる。
また、アラミド繊維は、ワークの形状に倣う十分な可撓性を備えているため、外袋13内に収容した内袋11(袋部材11a)を、外袋13を介して接したワークの形状に精度良く倣わせることができる。
このため、アラミド繊維は、外袋13(袋体13a)を形成する素材として好適である。
この際、アラミド繊維は、織物や編物、不職布等の任意の形態で使用することができるが、十分な可撓性と耐久性を両立するために、織物の形態で使用されることが好ましい。
尚、本実施形態では、外袋13の素材としてアラミド繊維を採用した場合を例示しているが、外袋13を構成する素材をこれに限定するものではなく、耐磨耗性および耐切創性に優れ、かつ、ワークの形状に倣う十分な可撓性を備えている素材であれば、種々の素材を採用し得る。
即ち、当接部6は、図7に示すように、外袋13に内袋11(袋部材11a)を収容して形成する構成としている。
このような構成により、内袋11(袋部材11a)が、繰返しの使用によって磨耗したり、あるいは、ワークに付着した切粉等によって切創したりすることを、簡易に、かつ、確実に防止することができる。そして、内袋11(袋部材11a)の製品寿命を延ばすことができる。
また、当接部6は、内袋11(袋部材11a)と外袋13を別体とする構成であり、内袋11(袋部材11a)と外袋13が互いに相対変位可能であるため、内袋11(袋部材11a)の変形が外袋13により引きつられて阻害されることがない。このため、内袋11(袋部材11a)は、外袋13を介して精度良くワーク形状に倣わせることができ、当接部6をワーク形状(凹凸部)に精度良く倣わせることができる。
即ち、当接部6は、あえて内袋11(袋部材11a)と外袋13を別体とする構成によって、内袋と外袋を一体化した二重構造の袋体を有する当接部に比して、より堅固な把持状態を実現するように改良がなされている。
さらに、当接部6は、内袋11(袋部材11a)が損傷した場合には、内袋11(袋部材11a)のみを交換することができ、また、外袋13が損傷した場合には、外袋13のみを交換することができるため、経済性にも優れている。
図10および図11に示す如く、当接部6は、挟圧部4bのボルト4d・4dに対して、外袋13の係留部13b・13bにより吊設されている。
そして、当接部6(外袋13)を係留部13b・13bに吊設した状態で、ボルト4d・4dにワッシャー15・15を介してナット14・14を締結して、挟圧部4bに対して簡易かつ確実に当接部6を付設する構成としている。
このような構成により、当接部6の交換を容易としている。これにより、当接部6の摩耗および切創が予測されるような実際の生産ラインへの導入を容易に実現することができる。
また、このような取付状態における当接部6は、付設面4gに接触する側の面において、係止部10と当接している。
尚、ここでは、爪部4の挟圧部4bに当接部6が付設される場合を例示して説明したが、爪部5の挟圧部5bにおいても、配設面にボルトが突設されており、該ボルトに当接部6が吊設され、ナットおよびワッシャー等を用いて固定されることによって、同様に当接部6(図示せず)が付設されている。
尚、本実施形態では、当接部6が、ボルト・ナット等を用いて各挟圧部4b・4b・5bに付設される態様を例示しているが、各挟圧部4b・4b・5bに対して当接部6が付設される態様によって、本発明を限定するものではなく、例えば、樹脂バンドを用いて固定される構成としたり、あるいは、ワンタッチ金具等を用いてより簡易に着脱可能に固定される構成等とすることも可能であり、当接部6が各挟圧部4b・4b・5bから脱落せず、当接部6の着脱が容易に可能であって、かつ、当接部6と係止部10を接触させることができる付設方法であれば、種々の態様の付設方法を採用することが可能である。
次に、当接部6を構成する粒状物12の選定方法について、図12を用いて説明をする。
粒状物12は、当接部6(より詳しくは、袋部材11a)内に充填され、該袋部材11a内を減圧し、粒状物12を構成する各粒子同士を互いに緊密に係留させることによって、袋部材11aおよび粒状物12が一体化した状態において、任意の形状で硬化するものである。
当接部6には、1)硬化時における硬さが良好であること、2)より軽量であること、等の性質を有することが望まれるが、当接部6の硬化時における硬さや重量は、粒状物12の仕様を種々変更することによって変化する。
そこで本実施形態では、図12(a)に示すような試験装置を用いて、種々の仕様の粒状物について、硬化時における硬さを測定し、測定結果に基づいて当接部6に充填する粒状物を選定した。
図12(a)に示す如く、試験装置40は、粒状物を充填するためのケース41と、該ケース41の開口部を封止する弾性を有する膜部材42と、硬化時の硬さを測定するプッシュプルゲージ43等により構成している。
尚、本実施形態では、ケース41として、20×20×15mm程度の容量を有するプラスチック製容器を使用し、膜部材42として、樹脂製シートを使用している。また、プッシュプルゲージ43としては、押圧部43aの直径が6mm(押圧面積が、約28.3mm)のものを使用している。
試験装置40による試験手順を説明する。
まず、ケース41内を粒状物で満たし、膜部材42でケース41の開口部41aを封止する。
次に、ケース41内を真空引きして、ケース41内の粒状物を硬化させる。
次に、膜部材42を介して、プッシュプルゲージ43を硬化した粒状物に押圧し、圧縮力を測定する。そして、このとき測定した圧縮力のピーク値を硬さの指標として記録する。
尚、本試験では、各粒状物について、当該ピーク値を3回測定し、各粒状物の硬さを評価している。
種々の粒状物について、試験装置40により硬さの測定を行った測定結果を、図12(b)の表に示している。
図12(b)には、選定対象とした粒状物の内、代表的な20種類のものについての測定結果を示している。尚、硬さの欄には、3回の測定結果における最小値〜最大値を表示している。
そして、図12(b)に示す試験結果から、3回の測定値全てにおいて硬さの測定値が10kgfを越えている、(3)の塩、(4)〜(7)の各メタルパウダー、(18)のセラミック破砕物(大)、(20)の砥石(G F24)、の合計7種類の粒状物について、硬さが良好であると判断した。
しかしながら、当接部6に充填する粒状物としては、より軽量であることが望ましいため、硬さの測定結果の上位7種類のうち、鉄製等であって比重の大きい各メタルパウダーおよび砥石は選定候補から除外した。
これにより、塩とセラミック破砕物(大)を選定候補として残した。
ここで、塩には、湿気を含んだ場合に固まること、また、万が一漏れ出た場合に錆の発生原因となり得ること、等の課題がある。
このため、形状や化学的性質の安定性を考慮して、最終的に、(18)のセラミック破砕物(大)が、当接部6に充填する粒状物として最適なものであると判断し、これを選定した。
セラミック破砕物(大)は、AlおよびSiO等からなる人工セラミック(所謂、合成ムライト)を、平均粒径が0.4〜0.5mm程度となるように破砕して生成した各粒子がエッジ部を有する形状である粒状物であり、硬さおよび化学的性質の安定性や軽量性(比重が小さい)の観点で、当接部6に充填する粒状物として適している。
尚、図12(b)の表に示す試験結果からは、以下のような考察ができる。
硬さの測定結果が低い粒状物に注目すると、いずれも粒状物を構成する各粒子の形状が略球状であることが判る。つまり、当接部6に充填する粒状物は、粒状物を構成する各粒子の形状が略球状であると、良好な硬さを得にくいことが考察できる。
これは、減圧時に当接部6が硬化するのは、隣接し接触する各粒子同士がより緊密に係留し合うためであり、略球状のエッジ部や平面部がない形状では、各粒子同士の係留が弱くなるためであると考察される。
尚、ここでいう「略球状」とは、エッジ部や平面部、あるいは他の粒子と係合可能な凹凸部等が外形上存在しない形状を意味しており、完全な球状でなくとも良く、例えば、楕円球状や俵型状等の形状をも含む概念である。
このことからも、当接部6に充填する粒状物としては、粒状物を構成する各粒子の形状が略球状以外であり、エッジ部や平面部を有する形状であるものを選定するのが望ましいと判断できる。
次に、本発明の一実施形態に係る把持装置1を用いたワークの移送状況について、図13〜図17を用いて、説明をする。
図13(a)に示す如く、本実施形態では、ロボットアーム16の手先部16aに把持装置1の把持部2を配設し、把持部2によって、ワーク50を把持するとともに、ロボットアーム16によって、ワーク50を移送する構成としている。
ワーク50は、例えば位置決めピン等からなる位置決め部16b・16bにより位置決めされた状態で、ワーク配置部16cの所定位置に配置されている。
図13(b)に示す如く、把持装置1の制御装置7は、ロボットアーム16と接続されており、ロボットアーム16の手先部16aの配置・角度等の情報が、制御装置7に入力される構成としている。
図13(a)(b)および図14(a)に示す如く、ロボットアーム16により、手先部16aの配置および角度等を調整し、ワーク50に対する所定の位置に把持部2を配置する。そして、制御装置7には、ロボットアーム16から、ワーク50に対する所定の位置に把持部2が配置された旨の信号が入力される。
このとき、把持部2は、制御装置7によって、ワーク50が各爪部4・5の間に配置されるとともに、ワーク50における把持に適した部位である各凹凸部50a・50b・50cが各当接部6・6・・・と対面する位置に配置されるように、その配置が設定される。
次に、図13(b)および図14(b)に示す如く、制御装置7によって、各スライダ部3a・3bのストロークを調整することにより、各爪部4・5の離間距離が、ワーク50の幅以下となるように調整する。そして、ワーク50を、各爪部4・5によって、所定の挟持圧により挟持する。
図15に示す如く、このとき当接部6は、ワーク50の各凹凸部50a・50bに対して押圧され、各凹凸部50a・50bの形状に倣って変形する。
また、このとき当接部6は、付設面4g側にも押圧されるため、付設面4gに形成される係止部10(即ち、ボルト9・9・・・の先端部)の形状に倣って変形する。
ここで、各当接部6・6・・・は、アラミド繊維からなる外袋13に内袋11(袋部材11a)を収容し、内袋11(袋部材11a)と外袋13が相対変位可能な構成としているため、内袋11(袋部材11a)の変形が外袋13によって阻害されることがない。
このため、把持部2では、各当接部6・6・・・を、確実にワーク50の各凹凸部50a・50b・50cや各係止部10・10・・・の形状に倣わせることができる。
次に、図13(b)および図16(a)に示す如く、各爪部4・5によって、所定の挟持圧でワーク50を挟持している状態で、制御装置7から真空ポンプ8aに指令信号を与えて、当接部6の内袋11(袋部材11a)内を真空引きする。
図17に示す如く、このとき当接部6は、ワーク50の各凹凸部50a・50bの形状に倣った状態で硬化する。
また、このとき当接部6は、係止部10の形状に倣った状態で硬化する。
尚、係止部10は、ボルト9・9・・・の付設面4gからの突出高さを調整することにより、当接部6に対する係止力(摩擦力)を調整することができる。
ここで、各当接部6・6・・・は、内袋11(袋部材11a)にセラミックの破砕物(即ち、図12(b)における(18)のセラミック破砕物(大))である粒状物12を充填しているため、ワーク50の各凹凸部50a・50b・50cや各係止部10・10・・・に倣った形状を、十分な硬さで確実に保持することができる。
このため、各当接部6・6・・・は、ワーク50に対して変位することがなく、また、各係止部10・10・・・によって係止され、挟圧部4bに対しても変位することがないため、把持部2によって堅固な把持状態を形成することができる。
これにより、ワーク50を移送するときに、ワーク50が各爪部4・5に対して変位することが確実に防止できるため、位置決め精度を確保しつつ、ワーク50を移送することができる。
各当接部6・6・・・が、ワーク50に対して変位したり、あるいは、挟圧部4bに対して変位したりすると、位置決めピン(即ち、位置決め部16b)で位置決めされたワーク50を把持し持ち上げるときに、位置決めピンによってワーク50を傷つけてしまう場合があるが、把持部2によれば、ワーク50と各爪部4・5の位置関係を精度良く保持しつつ把持することができるため、位置決めピンによってワーク50を傷つけることがなく、また、移送後における位置決め精度を精度良く確保できる。
即ち、本発明の一実施形態に係る把持装置1は、ワーク50を挟圧する複数の挟圧部4b・4b・5bを有する各爪部4・5と、弾性を有する素材からなる袋部材である内袋11(袋部材11a)と、該内袋11(袋部材11a)に充填される粒状物12と、を備え、内袋11(袋部材11a)内を減圧して、内袋11の内容積に対する粒状物12の体積比率を増大させることにより、粒状物12を任意の形状(例えば、ワーク50の各凹凸部50a・50b・50c)を保持しつつ硬化させる、各挟圧部4b・4b・5bのワーク50と当接する部位に付設される各当接部6・6・6と、を有する、ワーク50を把持するための把持部2を備えるものであって、各挟圧部4b・4b・5bの各当接部6・6・6を付設する部位である付設面4g・4g・・・に、凹凸形状を有する各係止部10・10・・・を形成するものである。
このような構成により、把持部2によってワーク50を把持しているときに、各当接部6・6・6が各挟圧部4b・4b・5bに対して変位することを防止できる。
また、本発明の一実施形態に係る把持装置1において、当接部6は、内袋11(袋部材11a)を覆う、アラミド繊維からなる外袋13を備えるものである。
このような構成により、当接部6の耐磨耗性および耐切創性を確保しつつ、各当接部6・6・6が各挟圧部4b・4b・5bに対して変位することを防止できる。
また、本発明の一実施形態に係る把持装置1において、内袋11(袋部材11a)を、外袋13の内部に、該外袋13に対して相対変位可能な状態で収容するものである。
このような構成により、内袋11(袋部材11a)を係止部10の形状に精度良く倣わせることができ、より確実に各当接部6・6・6が各挟圧部4b・4b・5bに対して変位することを防止できる。
また、本発明の一実施形態に係る把持装置1において、粒状物12は、該粒状物12を構成する各粒子の形状が略球状以外の形状であるセラミックの破砕物(即ち、図12(b)における(18)のセラミック破砕物(大))とするものである。
このような構成により、硬化時における当接部6の硬さをより増大させることができ、より確実に各当接部6・6・6が各挟圧部4b・4b・5bに対して変位することを防止できる。
そして、ロボットアーム16によって、ワーク50を所定位置に移送した後に、図16(b)に示す如く、制御装置7によって、各スライダ部3a・3bのストロークを調整することにより、各爪部4・5の離間距離が、ワーク50の幅より大きくなるように調整する。そして、ワーク50を、各爪部4・5によって、挟持する状態を解除するようにしている。
そして、ワーク50と異なる形状のワークを扱う場合には、制御装置7から電磁弁8cに指令信号を与えて、電磁弁8cを「開」として、当接部6内の真空状態を解除することによって、当接部6を定常時の形状に復元することができる。
これにより、種々の形状を有する複数種類のワークに対して、一つの把持部2を有する把持装置1でフレキシブルに対応することが可能になる。
ワークの種類を変更するときに、各当接部6・6・6を各ワークの形状に対応したものにその都度交換する手間等がなくなるため、生産性を向上させることができる。
また、ワーク50と同じ形状のワークを扱う場合には、袋部材11a内の真空引きが完了した後に、制御装置7から真空ポンプ8aおよび電磁弁8cに指令信号を与えて、真空ポンプ8aを停止するとともに電磁弁8cを「閉」として、袋部材11a内の減圧状態を保持することによって、当接部6の硬化状態を容易に保持することができる。
このため、当接部6は、各爪部4・5によるワーク50の挟持を解除した後であっても、袋部材11a内の減圧状態を保持する限り、ワーク50の把持に適した態様で当接部6の硬化状態を保持することができる。
これにより、ワーク50を複数連続して移送する場合には、ワーク50の把持に適した態様の当接部6で、各ワーク50・50・・・を確実に把持して、位置決め精度を確保しつつ、ワーク50を移送することができる。
尚、本実施形態では、把持装置1を移送装置に適用する場合を例示しているが、把持装置1の用途をこれに限定するものではなく、例えば、製品の組立時においてワークを仮固定するための治具として使用したり、あるいは、保管等のために不安定な形状のワークを安定的に把持しておくための治具として使用したりすることも可能である。
本発明においては、上記ワークが高温状態にある場合、その効果が顕著に発揮できる。即ち、上記ワークが例えば、射出成形により成形された成形物である場合、射出成形直後の成形物は200℃以上の温度に達する場合があり、前述のように、袋部材11aの素材として、ニトリルゴム(NBR)を用いた場合には、その耐熱安全温度が80〜100℃程度なので、袋部材の熱劣化が起こってしまうという問題が発生する。
またこのような熱劣化を防止するため、前述のように、袋部材を被装し保護するための、アラミド繊維製の外袋を使用した場合でも、長時間の使用により袋部材の温度が上昇し、やはり袋部材の熱劣化が起こってしまうという問題が発生する。
(先願において、外袋を使用した場合、内袋の破損が防止できる効果を主張していますが、この効果は、高温物の把持には及ばないことを明確にするための記載ですので、必要です。)
図18は、温度200℃のワークを把持した際のアラミド繊維製外袋、及びニトリルゴム(NBR)製袋部材の温度の変化を示したものであり、袋部材は外袋で被装し保護されているにも関わらず、短時間のうちに耐熱安全温度以上に昇温されていることがわかる。
このような温度上昇を防止する手段として、アラミド繊維製外袋とニトリルゴム(NBR)製袋部材の間に断熱材を設ける方法も考えられるが、断熱材を設けた場合、当接部をワークや係止部の形状に精度良く倣わせることができなくなる場合がある上、図19に示す如く、やはり時間の経過と共に耐熱安全温度以上に昇温されるので、充分な温度上昇防止手段とすることはできない。
尚、図19は、炭素繊維製の断熱材をアラミド繊維製外袋とニトリルゴム(NBR)製袋部材の間に設け、温度185℃のワークを把持した際のアラミド繊維製外袋、及びニトリルゴム(NBR)製袋部材の温度の変化を示したものである。
そこで、本発明においては、前述のように、制御装置7から電磁弁8cに指令信号を与えて、電磁弁8cを「開」とし、当接部6内の真空状態を解除することによって、当接部6を定常時の形状に復元する際、真空状態の解除を袋部材の耐熱温度よりも低い温度の液体を袋部材内に充填することにより解除して、袋部材を冷却して、温度上昇を防止する。
図1は、真空状態の解除と同時に袋部材に液体を充填する機構を示したものであり、当接部6内の真空状態を解除する際、液体(水)を供給する電磁弁8dを開放して、袋部材11aに液体(水)を充填し解除して、袋部材を冷却する。また、真空吸引時は電磁弁8Cを「開」として、真空排気設備8で袋部材11a内の液体を吸引排除する。真空排気設備8が液体の混入を嫌うなら、圧空を供給する電磁弁8eを「開」として、袋部材11aに圧空を供給し、袋部材に設けた液体排出電磁弁8fから袋内部の液体を排出してから真空吸引設備8で真空吸引する。
このような冷却方法を採用することにより、上記断熱材を設ける方法などに比べて、極めて顕著な冷却効果が発揮できるので、耐熱安全温度が80〜100℃程度の袋部材を使用した場合でも、袋部材の熱劣化が起こり難くなる。
図20は、温度200℃のワークを把持した後、1回ごとに上記方法で袋部材を冷却し、再度把持を繰り返した際のアラミド繊維製外袋、及びニトリルゴム(NBR)製袋部材の温度の変化を示したものであり、ニトリルゴム(NBR)製袋部材の温度上昇は耐熱安全温度以下に抑制されていることがわかる。
本発明の把持装置によれば、高温のワークの把持と復元を繰り返した場合でも、袋部材の温度上昇を抑制し、袋部材の破損を防止することが可能となるので、高温のワークを安定的に把持しておくための治具として使用したりすることが可能となり、その工業的価値は極めて大である。
1 把持装置
2 把持部
4 爪部
4b 挟圧部
4g 付設面
5 爪部
5b 挟圧部
6 当接部
8 真空排気設備
8c 電磁弁
8d 液体供給電磁弁
8e 圧空供給電磁弁
8f 液体排出電磁弁
10 係止部
11 内袋
12 粒状物
13 外袋
50 ワーク

Claims (5)

  1. ワークを挟圧する複数の挟持部を有する爪部と、
    弾性を有する素材からなる袋部材と、該袋部材に充填される粒状物と、を備え、前記袋部材の内容積に対する前記粒状物の体積比率を増大させることにより、前記粒状物を任意の形状を保持しつつ硬化させる、前記挟持部の前記ワークと当接する部位に付設される当接部と、
    を有する、前記ワークを把持するための把持部を備える把持装置であって、
    前記爪部の前記当接部を付設する部位に、凹凸形状を有する係止部を形成し、前記爪部で前記ワークを挟持して、前記当接部を前記ワークに対して押圧し、前記当接部を前記ワーク及び前記係止部に倣って変形させた状態で、前記粒状物を硬化させることにより、前記当接部を前記ワーク及び前記係止部に倣った状態で硬化させて前記ワークを把持すると共に、
    前記粒状物の硬化状態を、前記袋部材に、袋部材の耐熱温度よりも低い温度の液体を充填することにより解除し、前記ワークを非把持状態とする、
    ことを特徴とする把持装置。
  2. 前記当接部は、前記袋部材を覆う、アラミド繊維からなる外袋を備える、請求項1記載の把持装置。
  3. 前記袋部材を、前記外袋の内部に、該外袋に対して相対変位可能な状態で収容する、請求項2記載の把持装置。
  4. 前記粒状物が、該粒状物を構成する各粒子の形状が略球状以外の形状であるセラミックの破砕物である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の把持装置。
  5. 前記液体が、水である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の把持装置。
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