JP2014060867A - 同期電動機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】埋込型であるか否かを問わずに所望の出力を確実に得られるように同期電動機を駆動制御することを可能にする。
【解決手段】トルク指令値に基づきd軸電流指令値およびq軸電流指令値を演算する電流演算手段と、回転子の位置の検出値を示す回転子位置情報の示す位置を実際の回転子の位置に一致させるためのオフセットをトルクの検出値に基づいて定め、当該オフセット分の調整を回転子位置情報に施して出力する調整手段と、駆動対象の同期電動機へ交流電力を供給するインバータにおけるスイッチングを制御するためのゲート信号を、d軸電流指令値、q軸電流指令値、インバータから当該同期電動機へ供給される電流の検出値、および調整手段による調整を経た回転子位置情報に基づいて生成し、当該インバータへ供給する電流フィードバック手段とを有することを特徴とする制御装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、同期電動機の駆動制御技術に関し、特に所望の出力を確実に得られるように同期電動機を駆動制御するための技術に関する。
回転子に永久磁石を備える永久磁石同期電動機や、回転子に界磁巻線を備える巻線回転界磁型同期電動機、強磁性の鉄心により回転子が構成された同期式リラクタンスモータなど(以下、「同期電動機」と総称する場合がある)を可変速ドライブするためのベクトル制御は、以下の要領で実現される。まず、回転子の位置(より正確には、回転子における磁極の位置)をエンコーダなどのセンサを用いて検出する。そして、回転子におけるN極の向きにd軸(ベクトル制御における磁極の中心軸方向の座標軸)を定めるとともに、これよりπ/2進んだ方向にq軸を定め、所望のトルクに応じたd軸電流およびq軸電流が流れるように同期電動機に印加する電圧の大きさおよび位相を調整する。このようにしてベクトル制御が実現される。また、近年では、エンコーダなどのセンサを用いず、インバータから同期電動機へ供給する電圧および電流等に基づいて回転子の位置を推定するセンサレス方式の駆動制御システムも提案されている。
さて、ベクトル制御において同期電動機における実際の回転子の位置とセンサにより検出した回転子の位置(或いは、インバータから同期電動機へ供給する電圧および電流等に基づいて推定された回転子の位置)とに差があると、トルク指令値に応じた電流が同期電動機に流れても所望のトルクが得られないといった問題が生じる。このため、同期電動機の回転子の位置を正確に検出(或いは推定)するための技術が従来より種々提案されており、その一例として特許文献1に開示された技術が挙げられる。
特許文献1には、埋込磁石型同期電動機を駆動制御の対象とするセンサレス方式の駆動制御システムにおいて、回転子の初期位置を正確にかつ短時間で推定することを可能にする技術が開示されている。埋込磁石型同期電動機はd軸インダクタンスLdがq軸インダクタンスLqよりも小さい(すなわち、Ld<Lq)突極型の同期電動機であり、d軸方向のインダクタンスが最小になるといった性質を有している。特許文献1に開示の技術では、この性質を利用して回転子の初期位置を推定する。具体的には、特許文献1に開示の技術では、駆動制御の対象の同期電動機に電気角度0〜360度に亙り所定の電圧を与え、その結果、当該同期電動機に流れる電流からインダクタンスを算出し、インダクタンスが最小となる位置をd軸の位置(すなわち、回転子におけるN極の位置)に規定するのである。
特開2001−78486号公報
特許文献1に開示された技術は、回転子の位置の推定に突極型の同期電動機の性質を利用しているため、表面磁石型同期電動機など突極比が1(すなわち、Ld=Lq)の非突極型の同期電動機の駆動制御には適用できない。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、突極型であるか非突極型であるかを問わずに所望の出力を確実に得られるように同期電動機を駆動制御することを可能にする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、同期電動機を駆動制御する制御装置(より正確には、同期電動機に交流電力を供給するインバータを制御するための制御装置)を、各々以下のように機能する電流演算手段、調整手段および電流フィードバック手段により構成する。電流演算手段は、駆動制御の対象の同期電動機に出力させるトルクを指定するトルク指令値に基づきd軸電流の電流値を指定するd軸電流指令値およびq軸電流の電流値を指定するq軸電流指令値を演算する。調整手段は、同期電動機の回転子の位置の推定値または検出値を示す回転子位置情報の示す位置を同期電動機における実際の回転子の位置に一致させるためのオフセットを同期電動機のトルクの検出値に基づいて定め、回転位置情報に当該オフセット分の調整を施して電流フィードバック手段へ出力する。より詳細に説明すると、調整手段は、q軸電流指令値がゼロとなり、かつゼロ以外の所定の値のd軸電流指令値が出力されるように電流演算手段の制御を行いつつ、トルクの検出値がゼロとなるように上記オフセットを定める。そして、電流フィードバック手段は、スイッチングにより直流電力を交流電力に変換して同期電動機へ供給するインバータにおけるスイッチングを制御するためのゲート信号を、d軸電流指令値、q軸電流指令値、当該インバータから同期電動機へ供給される電流の検出値、および調整手段による調整を経た回転子位置情報に基づいて生成し、当該インバータへ供給する。
本発明の最大の技術的特徴は上記調整手段を設けたことにある。この調整手段によるオフセット分の調整を経た回転子位置情報の示す回転子の位置と駆動制御対象の同期電動機における実際の回転子の位置とは一致する。両者が一致する理由については、本発明の実施形態の説明において明らかにする。
ここで注目すべき点は、本発明においては回転子位置情報の調整の際に、突極型の同期電動機の性質(すなわち、d軸インダクタンスLdがq軸インダクタンスLqよりも小さいこと)は利用されておらず、非突極型の同期電動機の性質(すなわち、突極比が1であること)も利用されていない、という点である。このため、本発明によれば、突極型であるか非突極型であるかを問わずに、実際の回転子の位置と一致するように回転子位置情報を調整することができ、所望の出力を確実に得られるようにすることができる。
本発明の実施形態の制御装置20を含む電動機の駆動制御システム1の構成例を示す図である。 本実施形態における回転子位置情報調整手順の具体的な実行態様を説明するための図である。 電動機M1の実際の回転子の位置と回転子位置情報の示す位置の一例を示す図である。 電動機M1の実際の回転子の位置と回転子位置情報の示す位置の一例を示す図である。 正のd軸電流のみを流した場合の電圧ベクトル図の一例である。 負のd軸電流のみを流した場合の電圧ベクトル図の一例である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態の制御装置20を含む電動機の駆動制御システム1の構成例を示す図である。この駆動制御システム1は、永久磁石埋込型同期電動機の駆動制御を行うためのものである。図1では駆動制御システム1により駆動制御される永久磁石埋込型同期電動機である電動機M1も駆動制御システム1とともに図示されている。図1に示すように、駆動制御システム1は、インバータ10、制御装置20、回転子位置検出手段30、およびトルク検出手段40を含んでいる。
インバータ10は、例えばPWM(Pulse Width
Modulation)インバータであり、直流電源(図1では図示略)から供給される直流電力を三相交流電力に変換して電動機M1へ供給する。図1では詳細な図示を省略したが、インバータ10はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子を有している。インバータ10においては、制御装置20から与えられるゲート信号に応じてスイッチング素子をスイッチングさせることで、直流電力から交流電力への変換が実現される。制御装置20は、電動機M1の出力トルクを指定するトルク指令値T*に基づいて上記ゲート信号を生成する装置である。制御装置20の具体的な構成については後に明らかにする。回転子位置検出手段30は例えばリゾルバやエンコーダであり、電動機M1の回転子の位置(回転角度)を検出し、その検出値を示す回転子位置情報θを制御装置20に与える。トルク検出手段40は、電動機M1の出力トルクを検出し、トルク検出値Tdetを制御装置20に与える。駆動制御システム1の構成要素のうち、インバータ10、回転子位置検出手段30およびトルク検出手段40については、従来の駆動制御システムにおけるもとのと特段に変わるところはない。
このため、以下では、制御装置20を中心に説明する。
制御装置20は、図1では詳細な図示を省略したが、CPU(Central Processing Unit)と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable
Read-Only Memory)などの不揮発性記憶部と、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶部とを有するコンピュータ装置である。制御装置20の不揮発性記憶部には、CPUを図1の電流演算手段210、調整手段220、および電流フィードバック手段230として機能させるための制御プログラムが予め記憶されている。制御装置20のCPUは、不揮発性記憶部に記憶されている制御プログラムを揮発性記憶部に読み出して実行することで、図1の電流演算手段210、調整手段220、および電流フィードバック手段230として機能する。つまり、図1における電流演算手段210、調整手段220、および電流フィードバック手段230は何れもソフトウェアモジュールである。このように、本実施形態では、電流演算手段210、調整手段220、および電流フィードバック手段230の各手段をソフトウェアにより実現するが、これら各手段を電子回路で実現して制御装置20を構成しても勿論良い。
図1に示すように、電流演算手段210には、電動機M1の出力トルクを指定するトルク指令値Tが与えられる。電流演算手段210は、電動機M1に流れるd軸電流を制御するためのd軸電流指令値idおよび同電動機M1に流れるq軸電流を制御するためのq軸電流指令値iqをトルク指令値Tに基づいて演算し、電流フィードバック手段230に与える。周知のように、永久磁石埋込型同期電動機である電動機M1のトルクTは、(式1)に示すように、q軸電流の電流値iqおよびd軸電流の電流値idに応じて定まるからである。なお、式(1)において、Pn:極対数、Ψm:永久磁石による電機子鎖交磁束、Ld:d軸インダクタンス、Lq:q軸インダクタンス、である。(式1)の右辺第1項は永久磁石の作る磁束によるトルクであり、同第2項はリラクタンストルクである。
T=Pn・Ψm・iq+Pn・(Ld−Lq)・id・iq・・・(1)
調整手段220には、回転子位置情報θとトルク検出値Tdetとが与えられる。調整手段220は、電動機M1における実際の回転子の位置と一致するように回転子位置情報θを調整するためのオフセットθofをトルク検出値Tdetに基づいて定め、当該オフセットθof分の調整(本実施形態では、オフセットθofの減算、勿論、加算でも良い)を施すことで回転子位置情報θを調整する。以下では、調整手段220による調整を経た回転子位置情報を「回転子位置情報θ´」と表記する。このように、回転子位置情報θの調整を行うのは、電動機M1の実際の回転子の位置と回転子位置情報θの示す回転子の位置とに差があると、トルク指令値Tに応じた電流が電動機M1に流れても、そのトルク指令値Tの示すトルクが得られなくなるからである。本実施形態の特徴は調整手段220の実行する回転子位置情報調整処理にある。この回転子位置情報調整処理の詳細については後に明らかにする。
電流フィードバック手段230は、インバータ10に含まれるスイッチング素子のスイッチングを制御するためのゲート信号を、d軸電流指令値id、q軸電流指令値iq、インバータ10から電動機M1へ供給される電流の検出値(iu、iv)、および回転子位置情報θ´に基づいて生成し、インバータ10へ供給する。例えば、電流フィードバック手段230は、電動機M1の端子電圧に対してインバータ10の出力電圧に余裕がある場合には、電動機M1に流れる電流が最小になるようにスイッチング素子をスイッチングさせるゲート信号を出力し、逆に、前者に対して後者が不足する場合には、弱め界磁制御が実現されるようにスイッチング素子をスイッチングさせるゲート信号を出力する、といった具合である。
以上が制御装置20の構成である。
次いで、調整手段220における回転子位置情報調整処理について説明する。
前掲式(1)を参照すれば明らかように、q軸電流の電流値iqがゼロでd軸電流の電流値idがゼロ以外の値である状態(すなわち、d軸電流のみが電動機M1に流れる状態)では、LdとLqの大小関係に関わらずトルクTはゼロになる。本発明はこの点に着眼し、電動機M1における実際の回転子の位置と制御装置20内における回転子の位置(すなわち、回転子位置情報θ´の示す位置)とを一致させるのである。
図2は、例えば駆動制御システム1および電動機M1の工場出荷時点等に行われる回転子位置情報調整手順を説明するための図である。図2では、図1と同一の構成要素には同一の符号が付されている。図2では、駆動制御システム1および電動機M1の組み合わせが回転子位置(磁極位置)の調整対象であり、電動機M1の回転子は、軸連結手段60a、トルク検出手段40および軸連結手段60bを介して電動機M2の回転子に結合されている。電動機M2は電動機M1と同様に永久磁石埋込型同期電動機であり、インバータ50は、電動機M2の回転子を一定回転で駆動させるためのものである。電動機M1の回転子は、軸連結手段60a、トルク検出手段40および軸連結手段60bを介して電動機M2の回転子に結合されており、電動機M2の回転子はインバータ50によって一定回転で駆動されるため、電動機M1の回転子の回転も一定回転となる。
例えば、図3に示すように電動機M1の実際の回転子の位置と回転子位置情報θの示す位置との差がある場合、回転子位置情報θの調整は以下の要領で行われる。まず、インバータ50により電動機M2を一定回転で駆動させる。この状態において、調整手段220には、回転子位置検出手段30から与えられる回転子位置情報θから減算するオフセットθofに初期値(例えば、0)をセットし、q軸電流指令値iqがゼロとなりd軸電流指令値idがゼロ以外の所定の値となるように電流演算手段210を制御する。次いで、調整手段220は、トルク検出値Tdetがゼロになるまで、オフセットθofを所定量だけ増加させる処理および当該オフセットθofを減算した回転子位置情報θを電流フィードバック手段230に与える処理、を繰り返し実行する。このようにして定めたオフセットθofを回転子位置情報θから減算することで、図3に示すように、調整後の回転子位置情報(すなわち、回転子位置情報θ´)の示す位置と電動機M1の実際の回転子の位置との差θerを調整前に比較して小さくすることができるからである。そして、調整手段220は、トルク検出値Tdetがゼロになった時点のオフセットθofを回転子位置情報θの示す位置を電動機M1における実際の回転子の位置に一致させるためのオフセットとして不揮発性記憶部に書き込む。
次いで、調整手段220は、電動機M1におけるN極およびS極の位置と、上記オフセットθof分の調整(本実施形態では、減算)を施した後の回転子位置情報θの示すN極およびS極の位置とが入れ替わっているか否か(すなわち、両者の位置がπだけずれていないか)を判定する。これは、永久磁石型同期電動機や、巻線回転界磁型同期電動機においては、図4に示すように調整後のθerがπとなっている場合も、q軸電流指令値iqがゼロ、かつd軸電流指令値idがゼロ以外の所定の値の際にトルク検出値Tdetがゼロとなるからである。
同期電動機の誘起電圧をVme、端子電圧をVa、角速度をωとすれば、d軸電流のみを流した時の電圧ベクトル図は、図5および図6のようになる。より詳細に説明すると、図5は、電動機M1におけるN極およびS極の位置と、上記オフセットθofを減算した後の回転子位置情報θの示すN極およびS極の位置とが一致している状況下で負のd軸電流を流した場合の電圧ベクトル図であり、図6は同状況下で正のd軸電流を流した場合の電圧ベクトル図である。図5および図6を参照すれば明らかように、負のd軸電流指令値idを与えた場合に端子電圧が誘起電圧よりも低下するか否か(換言すれば、誘起電圧が端子電圧よりも増加するか否か)を調べることによって、極性が一致しているか否かを判定できることが判る。本実施形態では、これを利用する。具体的には、調整手段220は、前述した要領でトルク検出値Tdetがゼロになった時点のオフセットθofを不揮発性記憶部に記憶させた後に、当該オフセットθofを減算した回転子位置情報θを電流フィードバック手段230に与えるとともに、負のd軸電流指令値idを出力するように電流演算手段210を制御する。そして、調整手段220は、誘起電圧が端子電圧から増加すれば、極性反転と判定し、不揮発性記憶部に記憶されたオフセットθofをπだけ小さい値(πだけ大きい値でも良い)に書き換える。
以降、調整手段220は、上記の要領で不揮発性記憶部に記憶させたオフセットθofの減算により回転子位置情報θを調整し、調整後の回転子位置情報θ´を電流フィードバック手段230に与える。このため、駆動制御システム1および電動機M1の工場出荷後においては、電動機M1における実際の回転子の位置と一致するように回転子位置情報が調整手段220によって調整され、調整後の回転子位置情報を用いてインバータ10のスイッチング制御が実現されるので、電動機M1にトルク指令値に応じたトルクを確実に出力させることが可能になる。
ここで注目すべき点は、本実施形態においては、回転子位置情報の調整の際に、突極型の同期電動機の性質(すなわち、d軸インダクタンスLdがq軸インダクタンスLqよりも小さいこと)は利用されていないことは勿論、非突極型の電動機の性質(Lq=Ld)も利用されていない、という点である。このため、本実施形態の制御装置20は、突極型の同期電動機の駆動制御に適用できることは勿論、例えば表面磁石型同期電動機など非突極型の同期電動機の駆動制御にも適用可能である。つまり、本実施形態によれば、突極型であるか非突極型であるかを問わずに、実際の回転子の位置と一致するように回転子位置情報を調整しつつ同期電動機の駆動制御を行うことができ、所望のトルクを確実に出力させることが可能になる。
以上本発明の一実施形態について説明したが、この実施形態に以下の変形を加えても勿論良い。
(1)上記実施形態では、制御装置20により駆動制御される電動機M1が永久磁石埋込型同期電動機であったが、電動機M1は巻線回転界磁型同期電動機であっても良く、また同期型リラクタンスモータであっても良い。駆動制御の対象が巻線回転界磁型同期電動機や同期型リラクタンスモータであっても、本発明を適用することで回転子の位置を正確に推定し、所望のトルクを確実に得られるように駆動制御することが可能になるからである。
(2)上記実施形態では、電動機M1の回転速度を一定に制御するための電動機M2として永久磁石型同期電動機を用いたが、電動機M2として巻線回転界磁型同期電動機を用いても良く、また同期型リラクタンスモータを用いても良い。
(3)上記実施形態では、d軸電流のみが流れるようにした状態でトルク検出値Tdetがゼロとなるようにθofを調整した。しかし、q軸電流をゼロとした状態で複数種の電流値のd軸電流を電動機M1に流すことで得られた複数種のトルク検出値に基づいてオフセットθofを定めても良い。具体的には、複数種のd軸電流の各々についてトルク検出値をゼロとするオフセットを上記実施形態と同様の方法により求め、それらオフセットの平均値をオフセットθofとすることが考えられる。また、複数種のd軸電流の各々を流した場合に検出されたトルク検出値の平均値がゼロに最も近くなるようにθofを定めるようにしても良い。
(4)上記実施形態では、制御装置20とともに駆動制御システム1を構成するインバータ10、回転子位置検出手段30およびトルク検出手段40を制御装置20とは別個のハードウェアとした。しかし、インバータ10、回転子位置検出手段30およびトルク検出手段40のうちの少なくとも1つを制御装置20に内蔵させても勿論良い。
(5)上記実施形態では、電動機M1の回転子の位置をエンコーダなどの回転子位置検出手段30により検出し、その検出値を示す回転子位置情報を調整手段220によりさらに調整した。しかし、回転子位置検出手段30を有さないセンサレス制御システムに本発明を適用することも可能である。この種のセンサレス制御システムは、インバータから電動機へ供給される電流および電圧に基づいて回転子の位置を推定し、その推定値を回転子位置情報として出力する回転子位置推定手段を有していることが一般的であるから、この回転子位置推定手段の出力する回転子位置情報を調整手段220により調整するようにすれば良い。
(6)上記実施形態では、制御装置20のCPUを電流演算手段210、調整手段220および電流フィードバック手段230として機能させる制御プログラムが制御装置20の不揮発性記憶部に予め記憶されていた。しかし、上記制御プログラムをCD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に書き込んで配布しても良く、またインターネットなどの電気通信回線経由のダウンロードにより上記制御プログラムを配布しても良い。上記実施形態と同様にインバータの制御をソフトウェアにより実現する制御装置であれば、既存のソフトウェアを上記制御プログラムに置き換えることで、上記実施形態の制御装置として機能させることができるからである。また、図2において、電動機M2の磁極位置についての回転子位置情報の調整に本発明を適用した場合、インバータ50のトルク検出値に換え、インバータ50のトルク演算値を、磁極位置を調整する対象の電動機M1に接続されるインバータ10や制御装置20にフィードバックし、インバータ50のトルク演算値がゼロとなるように磁極位置を調整することにより、電動機M1のトルク検出器を利用することなく、電動機M1の回転子位置情報を調整することが可能になる。
1…駆動制御システム、10,50…インバータ、20…制御装置、30…回転子位置検出手段、40…トルク検出手段、210…電流演算手段、220…調整手段、230…電流フィードバック手段、M1,M2…電動機。

Claims (3)

  1. 駆動制御の対象の同期電動機に出力させるトルクを指定するトルク指令値に基づきd軸電流指令値およびq軸電流指令値を演算する電流演算手段と、
    前記同期電動機の回転子の位置の推定値または検出値を示す回転子位置情報の示す位置を前記同期電動機における実際の回転子の位置に一致させるためのオフセットを前記同期電動機のトルクの検出値に基づいて定め、当該オフセット分の調整を前記回転子位置情報に施して出力する調整手段と、
    スイッチングにより直流電力を交流電力に変換して前記同期電動機へ供給するインバータにおけるスイッチングを制御するためのゲート信号を、前記d軸電流指令値、前記q軸電流指令値、前記インバータから前記同期電動機へ供給される電流の検出値、および前記調整手段による調整を経た回転子位置情報に基づいて生成し、前記インバータへ供給する電流フィードバック手段と、を備え、
    前記調整手段は、
    前記q軸電流指令値としてゼロを出力するとともに前記d軸電流指令値としてゼロ以外を出力するように前記電流演算手段の制御を行いつつ、前記同期電動機のトルクの検出値がゼロとなるように前記オフセットを定める
    ことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  2. 前記調整手段は、互いに異なるd軸電流指令値を前記電流演算手段に出力させた場合の各々において検出される前記同期電動機のトルクの検出値に基づいて前記オフセットを定めることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記調整手段は、前記同期電動機のトルクの検出値に基づいてオフセットを定めた後、負のd軸電流指令値を前記電流演算手段に出力させた場合における前記同期電動機における端子電圧と誘起電圧との大小関係に応じて当該オフセットをさらに調整することを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
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