JP2014059338A - 窓 - Google Patents

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Mitsuhiro Mukaidono
充浩 向殿
Shigeru Aomori
繁 青森
Koji Murata
浩二 村田
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Abstract

【課題】本発明は、入射光による照度や熱を効率よく利用して居住性を向上させることができる窓を提供することを目的とする。
【解決手段】窓100の調光装置1は、光透過性の第1基板11と、第1基板11の一方の面側に形成された光透過性の第1電極膜15と、第1基板11と所定の空隙を介して対向配置された光透過性の第2基板12と、第2基板12上に形成された光透過性の第2電極膜19と、前記空隙に配置された電解質を含む電解質媒体23とを有し、第1電極膜15と第2電極膜19とが同電位である場合は光透過状態となり、第1電極膜15の電位が第2電極膜19の電位より高い場合には、電解質媒体23中の電解質が第2電極膜19上に析出して鏡面状態となり、第1電極膜15の電位が第2電極膜19の電位より低い場合には、電解質媒体23中の電解質が第1電極膜15上に析出して黒色状態となる。
【選択図】図3

Description

本発明は窓に関し、特に、屋内と屋外とを隔てる位置に設置される窓に関する。
窓は、住居、オフィス、実験室などの居住環境、車、電車、馬車、飛行機、船、潜水艦、ロケットなどの乗り物、真空蒸着機、ドラフト、電子天秤などの実験機器などをはじめ、我々の日々の生活、活動の中で役に立っている。
古典的な窓としては壁に穴を開けて布を垂らしただけのものや木製の窓などがある。現代の窓の多くは透明なガラスがはめ込まれている。場合によってはガラスの代わりにアクリル樹脂などの透明プラスチックが用いられたりもする。
ガラスなどの透明な基板が取り付けられた窓の特徴は、雨風や外気の侵入を防いだり、外部からの不審者や動物などの侵入を防いだりする機能、向こう側が見える機能、太陽光などの外光を取り込むことができる機能などが同時に満たされている点にある。
一方、近年の省エネルギー対策への取り組みの一環として、透明状態とミラー状態を切換えられる調光ミラーガラスが開発されており、窓ガラスへの応用が提案されている。
非特許文献1には、調光ミラーデバイスを取り付けることによって、部屋の冷房負荷を34%低下できることが述べられている。
非特許文献1には、ガラスなどの透明基板の上に、透明導電膜、酸化タングステン薄膜、酸化タンタル薄膜、Al薄膜、Pd薄膜、Mg−Ni合金薄膜を積層した調光ミラーデバイスが開示されている。この調光ミラーデバイスは透明状態とミラー状態とを切り替え可能である。
特許文献1には、一対の透明基板の対向面の一方に紫外線吸収層と透明電極層とが積層配置され、もう一方の対向面には透明電極層が配置された構造を有し、これらの間にエレクトロクロミック層が設けられていることを特徴とする光制御多層膜構造体が開示されている。この構造体により、透明状態とミラー状態とを切換えることができる。さらに、特許文献1には、この構造体を窓に適用する例が開示されている。
特許文献2には、水素化されることで光透過状態となり、脱水素化されることで光反射状態となる光反射透過材料であって、水素化された光透過状態で価電子帯および伝導帯を有し、前記価電子帯と前記伝導帯とのバンドギャップが、所定の可視光線波長領域に属する可視光線の光子エネルギーよりも大きい物質からなることを特徴とする光反射透過材料が開示されている。さらに、特許文献2には、この材料が光反射透過窓に適用できることが開示されている。
特許文献3には、透明な基材の上に、多層薄膜を形成した反射型調光素子であって、該多層薄膜が、少なくとも基材の上に、透明導電膜層、イオン貯蔵層、固体電解質層、バッファ層、触媒層、およびマグネシウム系合金薄膜の反射調光層を形成した多層構造を有していることを特徴とする全固体型反射調光エレクトロクロミック素子が開示されている。さらに、特許文献3には、この全固体型反射調光エレクトロクロミック素子が窓ガラスに適用できることが開示されている。
特許文献4には、水素を含む雰囲気に晒すことにより透明化し、酸素を含む雰囲気に晒すことにより金属状態になる光反射型調光ミラーにおいて、透明な基材の上に形成された反射調光層と、その上に形成された触媒層とを有し、更にその上に形成された保護膜を有してなることを特徴とする調光ミラー薄膜材料が開示されている。さらに、特許文献4には、この調光ミラー薄膜材料が窓ガラスに適用できることが開示されている。
応用物理、79巻、7号、p.628−632(2010)
特開2009−42578号公報 特開2009−8705号公報 特開2009−25785号公報 特開2009−103936公報
このように、非特許文献1および特許文献1〜4に記載されている調光ミラーは、透明状態とミラー状態とを切換えることができる。しかしながら、部屋の窓にこの調光ミラーを設置した場合、外からの視線を遮断するために調光ミラーをミラー状態にすると、部屋の内部から見ても窓がミラー状態となる。そのときの居住者の気分によってはミラー状態でない窓を希望するときもあるはずであるが、そのような場合に、この調光ミラーだけで対応することはできない。
また、冬の昼間などにプライバシー保護などのために、窓の外から部屋の内部が見えないようにしたい場合、非特許文献1および特許文献1〜4に記載されている調光ミラーでは、ミラー状態にしなければならない。このとき、太陽光は窓で跳ね返されてしまうので部屋が暖まらないという問題が生じる。
本発明の目的は、入射光による照度や熱を効率よく利用して居住性を向上させることができる窓を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、入射光に対し、光透過状態、鏡面状態、または黒色状態のいずれかに切り替え可能な調光装置を含むことを特徴とする窓であってもよい。
上記本発明の窓であって、
前記調光装置は、
光透過性の第1基板と、
前記第1基板の一方の面側に形成された光透過性の第1電極膜と、
前記第1基板の前記一方の面側に所定の空隙を介して対向配置された光透過性の第2基板と、
前記第2基板の前記第1電極膜と対向する面側に形成された光透過性の第2電極膜と、
前記空隙に配置され、電解質を含む電解質媒体と
を有し、
前記第1電極膜と前記第2電極膜とが同電位である場合は前記光透過状態となり、
前記第1電極膜の電位が前記第2電極膜の電位より高い場合には、前記電解質媒体中の前記電解質が前記第2電極膜上に析出して前記鏡面状態となり、
前記第1電極膜の電位が前記第2電極膜の電位より低い場合には、前記電解質媒体中の前記電解質が前記第1電極膜上に析出して前記黒色状態となること
を特徴とする。
上記本発明の窓であって、
前記第1電極膜の表面は、前記第2電極膜の表面より凹凸になっていることを特徴とする。
上記本発明の窓であって、
前記電解質は前記電解質媒体中でカチオンになることを特徴とする。
上記本発明の窓であって、
前記電解質はAgを含むことを特徴とする。
上記本発明の窓であって、
前記第1基板が屋内側で前記第2基板が屋外側に配置されることを特徴とする。
上記本発明の窓であって、
前記第1基板が屋内側で前記第2基板が屋外側に配置される状態と、
前記第1基板が屋外側で前記第2基板が屋内側に配置される状態と
を切替え可能な切替え装置を有することを特徴とする。
上記本発明の窓であって、
前記第1電極膜または前記第2電極膜の少なくとも一方は、
それぞれ異なる電位を与えることができる複数の分割領域を有していることを特徴とする。
本発明によれば、入射光による照度や熱を効率よく利用して居住性を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態による窓を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態による窓の調光状態を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態による調光装置を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態による調光装置およびそれを備えた窓の実施例1を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による調光装置およびそれを備えた窓の実施例2を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による窓を説明する図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態による窓について、図1〜図5を用いて説明する。なお、以下の全ての図面においては、理解を容易にするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせて図示している。図1は、本実施形態による窓100の概略構成を示している。図1(a)は、窓100の斜視図である。図1(a)では、窓100を例えば家屋の壁に設置した場合に屋外の斜め左上方から窓100を見た状態を示している。図1(b)は窓100の平面図である。図1(b)では、窓100を屋外から窓面に向かって見た状態を示している。図1(c)は図1(b)のA−A線で切断した断面図である。なお、図1(c)では窓100を家屋の壁500の開口部に設置した状態を示している。図1(c)では、窓100の左側が屋内で右側が屋外である。
窓100は窓枠103と窓ガラス105とを有している。窓枠103は長方形の枠状に作製されている。窓枠103は円形状や三角形状、多角形状、あるいはそれらを組み合わせた形状であってもよい。
窓ガラス105は光透過性を備えた平板状のガラス部材で構成されている。窓ガラス105としてガラス部材に代えて光透過性を備えた樹脂部材等を用いることができる。窓ガラス105はガラス部材の板面法線方向に見て窓枠103の枠形状に倣う長方形状に形成されている。窓ガラス105は、不図示の保持機構により窓枠103の枠内に保持されて固定されている。
窓枠103に固定された窓ガラス105の一方の面(例えば、屋内側)の全面に、薄い面状の調光装置1が貼り付けられている。なお、窓100の用途等に応じて、調光装置1は窓ガラス105のガラス部材面の全面に配置されずに一部に配置されていてもよい。調光装置1は、入射光に対して光透過状態、鏡面(光反射)状態、または黒色(光吸収)状態のいずれかに切換えることができるようになっている。
窓枠103の枠体内の所定位置には調光装置1へ所定の電力を供給する電源装置3が格納されている。電源装置3は、調光装置1へ印加する電圧を切換える制御を行う電圧切替え制御部3cを有している。電圧切替え制御部3cから延出した少なくとも2本の電源配線3a、3bの端子が調光装置1に電気的に接続されている。また、電源装置3に電力を供給するための電源コード3dが電源切換え制御部3cから延出して屋内の壁500に設置された家庭用電源(アウトレット)に接続されるようになっている。なお、電源装置3は家庭用電源を介して電力供給されるだけでなく、蓄電池等を窓枠103の枠体内の所定位置に配して当該蓄電池で駆動されるようにしてもよい。
また、窓枠103の枠体の屋内側の所定位置には、調光装置1の調光状態を切換える切換えスイッチ部5が設けられている。切換えスイッチ部5には、屋内にいる操作者が操作可能な例えば押しボタン式の3つの切換えスイッチ5a、5b、5cが配置されている。例えば、切換えスイッチ5aは調光状態を光透過状態にする場合に押下し、切換えスイッチ5bは調光状態を鏡面状態にする場合に押下し、切換えスイッチ5cは調光状態を黒色状態にする場合に押下するようになっている。切換えスイッチ部5からは電源装置3の電圧切換え制御部3aに信号配線5dが接続されている。操作者が切換えスイッチ5a、5b、5cのいずれかを押下することにより信号配線5dを介して所定の切換え信号が電圧切替え制御部3aに出力される。
なお、図1(a)では、電源装置3および切換えスイッチ5の図示は省略している。
図2は、本実施形態の窓100による調光状態を示している。図2(a)は、屋内にいる操作者が切換えスイッチ5aを押下して調光装置1の調光状態を光透過状態にした場合を示している。この場合には、観察者は窓100の窓ガラス105を通して屋外から屋内側を視認可能になると共に、屋内からも屋外側が視認可能になる。
図2(b)は、屋内にいる操作者が切換えスイッチ5bを押下して調光装置1の調光状態を鏡面状態にした場合を示している。この場合において、屋外から窓100の窓ガラス105を観察する観察者は窓ガラス105全面が鏡面になっているのを視認し、屋内から窓100の窓ガラス105を観察する観察者も窓ガラス105全面が鏡面になっているのを視認する。
図2(c)は、屋内にいる操作者が切換えスイッチ5cを押下して調光装置1の調光状態を黒色状態にした場合を示している。この場合において、屋外から窓100の窓ガラス105を観察する観察者は窓ガラス105全面が黒色になっているのを視認し、屋内から窓100の窓ガラス105を観察する観察者も窓ガラス105全面が黒色になっているのを視認する。
このように本実施形態による窓100では、屋内にいる操作者が切換えスイッチ5を操作することにより、3種類の調光状態のいずれかを得ることができる。このため、外から屋内を見えないようにするためには、調光装置1の調光状態を鏡面(ミラー)状態または黒色状態とすればよい。また、太陽光の熱による室温上昇を抑制したい場合には調光装置1の調光状態を鏡面状態にすればよい。また、屋内または屋外で窓100をミラーのように利用したい場合には調光装置1の調光状態を鏡面状態にすればよい。また、屋内または屋外で窓100を黒色状態として利用したい場合には調光装置1の調光状態を黒色状態にすればよい。例えば、冬季の昼間のように、外から見えないようにしつつ、太陽光による熱を取り込みたい場合には、調光装置1の調光状態を黒色状態にすればよい。
図3は、本実施形態による窓100に使用されている調光装置1を説明する図である。同図を用いて調光装置1の構成および動作について説明する。図3(a)、(b)、(c)は、図1のA−A線で切断した調光装置1の断面を示している。図3(a)、(b)、(c)では、調光装置1の面状部の法線方向が図上下方向になるように配置して示している。
まず図3(a)を用いて調光装置1の構成について説明する。調光装置1は、光透過性の絶縁性基板である第1基板11を有している。光透過性の絶縁性基板としてガラスやプラスチックなどの素材を用いることができる。
第1基板11の一方の面側には光透過性を有する導電性材料で形成された第1電極膜15が配置されている。第1電極膜15の形成材料として、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)、SnO(二酸化錫)などを用いることができる。第1電極膜15の成膜には、蒸着、スパッタ、イオンプレーティングなどの真空法が用いられる。
第1電極膜15の、第1基板11と反対側の表面には凹凸を有する光透過性の凹凸状電極膜15aが形成されている。凹凸状電極膜15aは、ITOの粒子を含む分散液を第1電極膜15の表面に塗布し、その後、乾燥、焼成(例えば、250℃で1時間)することにより形成できる。ITO粒子の平均粒子サイズは、10nm以上100nm以下が好ましく、より好ましくは、20nm以上40nm以下程度である。ITOの粒子サイズが小さすぎると、分散液中へ均一に粒子を分散させるのが難しくなる。また、ITOの粒子サイズが小さすぎると、凹凸状電極膜15a上にAg(銀)を析出して堆積させる際に、Agの粒径が可視光波長より短くなりすぎて、Agの堆積により凹凸状電極膜15a表面を黒くする効果が得られなくなる。また、ITOの粒子サイズが大きすぎると、凹凸状電極膜15a上にAgを堆積させる際に、Agの粒径が可視光波長より長くなり、Agの堆積により凹凸状電極膜15a表面を黒くする効果が得られなくなる。なお、Agの堆積については後程詳述する。
第1電極膜15には、図3に示す電源装置3から延びた電源配線3aの端子が接続されている。電源配線3aの端子電圧は第1電極膜15および凹凸状電極膜15aに印加される。なお、これ以降の説明において、特に断りがない限り、第1電極膜15は凹凸状電極膜15aを含むものとする。
第1基板11の上記一方の面側(第1電極膜15が形成されている側)に所定の空隙を介して第2基板12が対向配置されている。第2基板12は、光透過性の絶縁性基板であり、ガラスやプラスチックなどの素材を用いることができる。
第2基板12の、第1電極膜15と対向する面側には光透過性を有する導電性材料で形成された第2電極膜19が配置されている。第2電極膜19の形成材料として、第1電極膜15と同様に、例えば、ITO、IZO、ZnO、SnOなどを用いることができる。第2電極膜19の成膜には、蒸着、スパッタ、イオンプレーティングなどの真空法が用いられる。第2電極膜19の膜面は平坦に形成されている。第2電極膜19には、図3に示す電源装置3から延びた電源配線3bの端子が接続されている。
このように、本実施形態による調光装置1では、第1基板11上の第1電極膜15上の凹凸状電極膜15aの表面は、第2電極膜19の表面より凹凸になっている。
第1基板11と第2基板12とは、電極形成面が対面するように所定の間隔(ギャップ)で対向配置されている。第1基板11と第2基板12の間隔は、第1基板11および第2基板12間にスペーサを配置して制御することができる。スペーサは、第1基板11と第2基板12の空隙内または基板周辺部位に所定分布で所定高さに配置する。第1基板11と第2基板12の間隔は、20μm以上2mm以下程度であり、好ましくは、100μm以上1mm以下、より好ましくは、300μm以上700μm以下である。第1基板11と第2基板12の間隔が狭すぎると、後述するようにAgを第1電極膜15に析出させる際に十分な黒色状態を作ることが困難になる。また、Agを第2電極膜19に析出させる際に、高反射率の鏡面状態を作ることが困難になる。逆に、第1基板11と第2基板12の間隔が広すぎると、Agを第1電極膜15や第2電極膜19上に析出させる際の応答時間が長くなってしまう欠点が生じる。また、Agを含む電解質媒体の使用量も第1基板11と第2基板12の間隔に比例して変化するので、第1基板11と第2基板12の間隔が広すぎると、コスト高になるという欠点が生じる。
第1電極膜15と第2電極膜19との間の空隙には、Ag電解質を含む電解質媒体23が充填されている。Ag電解質を含む電解質媒体23は、例えば、AgNO、TBABr(Tetra−n−butylammonium bromide)、CuClをDMSO(Dimethyl sulfoxide)に溶かし、更にPVB(Poly(vinylbutyral))を加えて作製する。
電解質媒体23中でAg電解質がほぼ均等に分散された状態で電解質媒体23は光透過性を示す。電解質媒体23が漏洩しないように第1電極膜15の周辺領域と第2電極膜19の周辺領域とは封止材21により封止されている。
次に、図3(a)、(b)、(c)を用いて調光装置1の動作について説明する。図3(a)は、屋内にいる操作者が図1に示す切換えスイッチ5aを押下して調光装置1の調光状態を光透過状態にした場合を示している。切換えスイッチ5aが押下されると切換えスイッチ部5から信号配線5dを介して調光装置1の調光状態を光透過状態に切替える切替え信号Aが電源切換え制御部3cに送出される。切替え信号Aを受け取ると電源切換え制御部3cは、調光装置1に接続された2本の電源配線3a、3bの双方に同電位の電圧を印加する。これにより、第1電極膜15と第2電極膜2との間に電位差が生じていない状態(電圧無印加状態に等しい)となる。この電圧無印加状態では調光装置1の電解質媒体23内のAg電解質の存在分布に偏りが生じないので電解質媒体23は光透過性状態を維持する。このため、調光装置1の調光状態は光透過状態となる。これにより、図2(a)に示すように窓100の窓ガラス105全体が透明状態に視認される。
図3(b)は、屋内にいる操作者が切換えスイッチ5bを押下して調光装置1の調光状態を鏡面状態にした場合を示している。切換えスイッチ5bが押下されると切換えスイッチ部5から信号配線5dを介して調光装置1の調光状態を鏡面状態に切替える切替え信号Bが電源切換え制御部3cに送出される。切替え信号Bを受け取ると電源切換え制御部3cは、電源配線3aの電位が電源配線3bの電位より高くなるように2本の電源配線3a、3bにそれぞれ所定の電圧を印加する。これにより、第1電極膜15の電位が第2電極膜12の電位より高くなる。このため、電解質媒体23内でカチオンとなっているAg電解質は第2電極膜12の膜表面に析出する。第2電極膜12の膜面は平坦に形成されているので、当該膜面に析出した複数のAg粒子で形成されるAg層25は平坦になるため高反射率が得られて鏡面状態となる。これにより、図2(b)に示すように窓100の窓ガラス105全体が鏡面状態に視認される。
なお、図3(b)およびそれ以降の図面において、第1電極膜15および第2電極膜19への印加電圧の極性を分かり易くするために電源装置3を電池記号で示す場合がある。
図3(c)は、屋内にいる操作者が切換えスイッチ5cを押下して調光装置1の調光状態を黒色状態にした場合を示している。切換えスイッチ5cが押下されると切換えスイッチ部5から信号配線5dを介して調光装置1の調光状態を黒色状態に切替える切替え信号Cが電源切換え制御部3cに送出される。切替え信号Cを受け取ると電源切換え制御部3cは、電源配線3aの電位が電源配線3bの電位より低くなるように2本の電源配線3a、3bにそれぞれ所定の電圧を印加する。これにより、第1電極膜15の電位が第2電極膜12の電位より低くなる。このため、電解質媒体23内でカチオンとなっている複数のAg電解質は第1電極膜15の膜表面に析出する。第1電極膜15上の凹凸状電極膜15aの膜面は所定の凹凸形状に形成されているので、当該膜面に析出した複数のAg粒子で形成されるAg層27は所定の凹凸形状になるため黒色状態となる。これにより、図2(c)に示すように窓100の窓ガラス105全体が黒色状態に視認される。
(実施例1)
図4は、本実施の形態による調光装置1およびそれを備えた窓100の実施例1を示している。まず、本実施例の調光装置1の製造方法について図4(a)を参照しつつ説明する。第1基板11としてガラス基板が用いられている。当該ガラス基板上にスパッタ法によりITO膜を形成し、所定の形状にパターニングして第1電極膜15を形成する。第2基板12もガラス基板が用いられている。当該ガラス基板上にスパッタ法によりITO膜を形成し、所定の形状にパターニングして第2電極膜19を形成する。次に、第1基板11の第1電極膜15上に平均粒径30nmのITO粒子を含む水分散液を塗布し、250℃で1時間焼成して凹凸状電極膜15aを形成する。次に、第1基板11に対して第2基板12を電極形成面が互いに対面するように対向させて、両基板周辺部の空隙に厚さ500μmのスペーサを介して両基板を貼り合わせる。また、第1基板11と第2基板12の間の間隙にはAg電解質を含む電解質媒体23を配置する。
Ag電解質を含む電解質媒体23は、例えば、0.5mmolのAgNO(85mg)と2.5mmolのTBABr(Tetra−n−butylammonium bromide)(806mg)と、0.1mmolのCuCl(13mg)を10mlのDMSOに溶かし、更に10wt%のPVB(Poly(vinylbutyral))を加えて作製する。
上記のようにして形成された調光装置1の調光状態は、第1電極膜15と第2電極膜19の印加電圧がそれぞれ0Vの場合は、いずれの電極膜にもAgが析出しないので光透過性となる。
第1電極膜15に+2.5VのDC電圧を印加し、第2電極膜19に0Vの電圧を印加すると、第2電極膜19上にAgが析出して調光装置1の調光状態は鏡面(ミラー)状態となる。析出するAg粒子の平均粒径は概略90nmである。
逆に第1電極膜15に−2.5VのDC電圧を印加し、第2電極膜19に0Vの電圧を印加すると、第1電極膜15上にAgが析出して調光装置1の調光状態は黒色状態となる。析出するAg粒子の粒径は概略300nm〜500nmである。
このようにして作製した調光装置1を一表面に貼り付けた窓ガラス105を窓枠103に固定して窓100が完成する。図4(a)、(b)、(c)は、図1に示すA−A線で切断した調光装置1の断面を示している。各図とも、調光装置1の左側が屋内側であり右側が屋外側である。図4(a)、(b)、(c)に示すように、調光装置1は、第1基板11が屋内側に位置し第2基板12が屋外側に位置するように窓ガラス105(図4では不図示)に貼り付けられている。
図4(a)は、調光装置1の調光状態を光透過状態にした場合を示している。この場合には屋外の太陽Sから窓100の窓ガラス105に入射した入射光ILは、調光装置1を透過して屋内に入射する。
図4(b)は、調光装置1の調光状態を鏡面状態にした場合を示している。この場合には屋外の太陽Sから窓ガラス105に入射した入射光ILは、調光装置1の第2電極膜19上に析出したAg粒子による平坦なAg層25表面で反射して屋外側に戻される。
図4(c)は、調光装置1の調光状態を黒色状態にした場合を示している。この場合には屋外の太陽Sから窓ガラス105に入射した入射光ILは、調光装置1の第2電極膜19および電解質媒体23を透過する。そして、入射光ILは、第1電極膜15上に析出したAg粒子による凹凸状のAg層27表面で吸収される。
本実施例によれば、窓100が、入射光に対し光透過または光反射、あるいは光吸収のいずれかの状態に切換えることができる調光装置1を備えているので、窓100に入射する入射光による照度や熱を効率よく利用して屋内の居住性を向上させることができる。
また本実施例によれば、調光装置1の第1基板11が屋内側で第2基板12が屋外側に配置されているので、第1基板11が屋外側で第2基板12が屋内側に配置されている場合に比して、黒色状態を得るための第1電極膜15が屋内側に位置する。このため、冬季の昼間などで、遮光をしつつ太陽光による熱を取り込みたい場合には、第1基板11が屋外側で第2基板12が屋内側に配置されている場合に比して、太陽光から吸収した熱をより容易に屋内に伝えることができる。このため、本実施例の調光装置1の配置によれば屋内を速やかに暖かくすることができる。
また本実施例によれば、調光装置1の第1基板11が屋内側で第2基板12が屋外側に配置されているので、第1基板11が屋外側で第2基板12が屋内側に配置されている場合に比して、鏡面状態を得るための第2電極膜19が屋外側に位置する。このため、遮光をしつつ太陽光の熱による屋内温度上昇を抑制したい場合には、第1基板11が屋外側で第2基板12が屋内側に配置されている場合に比して、僅かながらでも太陽光を吸収する領域(第1電極膜15や電解質媒体23等)を減少させると共に高効率で光反射を行うことができるので、屋内の温度上昇をより抑制することができる。
(実施例2)
図5は、本実施の形態による調光装置1およびそれを備えた窓100の実施例2を示している。本実施例による調光装置1は実施例1の調光装置1と同一の構成であるので、その構成および製造方法についての説明は省略する。図5(a)、(b)、(c)は、図1に示すA−A線で切断した調光装置1の断面を示している。各図とも、調光装置1の左側が屋内側であり右側が屋外側である。図5(a)、(b)、(c)に示すように、調光装置1は、第1基板11が屋外側に位置し第2基板12が屋内側に位置するように窓ガラス105(図5では不図示)に貼り付けられている。
図5(a)は、調光装置1の調光状態を光透過状態にした場合を示している。この場合には屋外の太陽Sから窓100の窓ガラス105に入射した入射光ILは、調光装置1を透過して屋内に入射する。
図5(b)は、調光装置1の調光状態を鏡面状態にした場合を示している。この場合には屋外の太陽Sから窓ガラス105に入射した入射光ILは、調光装置1の第1電極膜15および電解質媒体23を透過する。しかしながら、調光装置1の第2電極膜19上に析出したAg粒子による平坦なAg層25表面で反射して屋外側に戻される。
図5(c)は、調光装置1の調光状態を黒色状態にした場合を示している。この場合には屋外の太陽Sから窓ガラス105に入射した入射光ILは、第1電極膜15上に析出したAg粒子による凹凸状のAg層27表面で吸収される。
本実施例によれば、窓100が、入射光に対し光透過または光反射、あるいは光吸収のいずれかの状態に切換えることができる調光装置1を備えているので、窓100に入射する入射光による照度や熱を効率よく利用して屋内の居住性を向上させることができる。
また本実施例では、調光装置1の第1基板11が屋外側で第2基板12が屋内側に配置されているので、鏡面状態を得るための第2電極膜19が屋内側に位置する。第1基板11が屋内側で第2基板12が屋外側に配置されている場合には、鏡面状態となる第2電極膜19が屋外側にあるため、鏡面状態の窓100を屋内側から観察すると、光が反射する界面が多く、少なくとも第1基板11での光反射と第2電極膜19での光反射とが重なり、像が多重像に見える場合がある。これに対し本実施例では、第2電極膜19が屋内側に位置するので光が反射する界面が少なくなるため、屋内側でより鮮明な鏡面像が視認できる。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態による窓について図6を用いて説明する。図6は、本実施形態による窓200の概略構成を示す斜視図である。図6では、窓200を例えば家屋の壁に設置した場合に屋外の斜め左上方から窓200を見た状態を示している。
窓200は窓枠203と窓ガラス205とを有している。窓枠203は長方形の枠状に作製されている。窓ガラス205は光透過性を備えた平板状のガラス部材で構成されている。窓ガラス205としてガラス部材に代えて光透過性を備えた樹脂部材等を用いることができる。窓ガラス205はガラス部材の板面法線方向に見て窓枠203の枠形状に倣う長方形状に形成されている。窓ガラス205は、回転保持機構207により窓枠203の枠内で回転可能に保持されている。
回転保持機構207は、例えば長方形の窓枠203の対向する2つの長辺の中点にそれぞれ設けられた凹状の受け機構と、長方形の窓ガラス205の対向する2つの長辺の中点にそれぞれ設けられた凸状の突起機構とを有している。窓ガラス205の突起機構を窓枠203の受け機構に嵌め込むことにより、2つの長辺の中点を結ぶ直線を回転軸として窓枠203に対して窓ガラス205を例えば360度回転可能に保持することができる。また、図示は省略したが、窓ガラス205の回転を停止したり回転角度を調整したりできる機構を窓枠203および/または窓ガラス205に設けるようにしてもよい。窓枠203の枠面に対して窓ガラス205のガラス面がほぼ一致する状態を0度として、図6では、窓枠203に対して窓ガラス205を約60度(または300度)回転させた状態を例示している。
窓枠203に回転可能に保持された窓ガラス205の一方の面の全面に、薄い面状の調光装置1が貼り付けられている。本実施例の調光装置1は、第1電極膜15が4つの分割領域1a、1b、1c、1dに分割されている。分割領域1a、1b、1c、1dは、窓ガラス205の長辺に平行に帯状に形成されて、窓ガラス205の短辺に沿ってこの順に隙間なく配置されている。
図示は省略したが、分割領域1a、1b、1c、1dのそれぞれの第1電極膜15には電源装置3からそれぞれ別個の電源配線3aの端子が接続されており、分割領域1a、1b、1c、1dの各第1電極膜15にそれぞれ異なる電位を与えることができるようになっている。また、不図示の切換えスイッチ部5には分割領域1a、1b、1c、1dのそれぞれに対応して切換えスイッチ5a、5b、5cが設けられている。調光装置1の第2電極膜19は4つの分割領域1a、1b、1c、1dの全面に形成されて共通電極として機能するようになっている。
このため、第2電極膜19に所定の共通電位(例えば、0V)を印加し、切替えスイッチ部5の操作により分割領域1a、1b、1c、1dのそれぞれの第1電極膜15に例えば、0V、+2.5V、−2.5Vのいずれかの電圧を印加することにより、分割領域1a、1b、1c、1dのそれぞれの調光状態を、光透過状態、鏡面状態、または黒色状態のいずれかに切り替えることができる。このように、各分割領域1a、1b、1c、1dは、第1の実施の形態の調光装置1と同様の構成を備え、第1の実施の形態の調光装置1と同様の動作が可能である。
図6では、分割領域1aの調光状態が光透過状態、分割領域1bの調光状態が黒色状態、分割領域1cの調光状態が鏡面状態、分割領域1dの調光状態が光透過状態になっている場合を例示している。例えば、屋外からの視線が気になる高さに位置する分割領域の調光状態を鏡面状態にし、屋外からの視線が気にならない高さに位置する分割領域の調光状態を光透過状態にすれば、外が見えつつ、不要な光をはね返して屋内温度の上昇を防ぐことができる。また例えば、屋外からの視線が気になる高さに位置する分割領域の調光状態を黒色状態にし、屋外からの視線が気にならない高さに位置する分割領域の調光状態を光透過状態にすれば、外が見えつつ、太陽光を吸収して屋内温度を上昇させることができる。また、冬などで太陽光の熱をできるだけ利用したいが、同時に屋内からのミラー機能も欲しい場合などには、特定の分割領域の調光状態のみを鏡面状態にし、残余の分割領域の調光状態を黒色状態または光透過状態にすればよい。
窓ガラス205を0度の状態から180度回転させることにより、調光装置1の第1基板11が屋内側で第2基板12が屋外側に配置される状態と、第1基板11が屋外側で第2基板12が屋内側に配置される状態とを切替えることができる。つまり、本実施例の回転保持機構207は、調光装置1の第1基板11が屋内側で第2基板12が屋外側に配置される状態と、第1基板11が屋外側で第2基板12が屋内側に配置される状態とを切替え可能な切替え装置としても機能している。
本実施例によれば、窓200が、入射光に対し光透過または光反射、あるいは光吸収のいずれかの状態に切換えることができる調光装置1を備えているので、窓200に入射する入射光による照度や熱を効率よく利用して屋内の居住性を向上させることができる。
また本実施例によれば、回転保持機構(切替え装置)207により調光装置1の第1基板11が屋内側で第2基板12が屋外側に配置されるように窓ガラス205を位置決めした場合には、第1の実施の形態の実施例1と同様に、第1基板11が屋外側で第2基板12が屋内側に配置されている場合に比して、黒色状態を得るための第1電極膜15を屋内側に位置させることができる。このため、冬季の昼間などで、遮光をしつつ太陽光による熱を取り込みたい場合には、第1基板11が屋外側で第2基板12が屋内側に配置されている場合に比して、太陽光から吸収した熱をより容易に屋内に伝えることができる。このため、屋内を速やかに暖かくすることができる。
また、第1基板11が屋外側で第2基板12が屋内側に配置されている場合に比して、鏡面状態を得るための第2電極膜19が屋外側に位置する。このため、遮光をしつつ太陽光の熱による屋内温度上昇を抑制したい場合には、第1基板11が屋外側で第2基板12が屋内側に配置されている場合に比して、僅かながらでも太陽光を吸収する領域(第1電極膜15や電解質媒体23等)を減少させると共に高効率で光反射を行うことができるので、屋内の温度上昇をより抑制することができる。
また本実施例によれば、回転保持機構(切替え装置)207により調光装置1の第1基板11が屋外側で第2基板12が屋内側に配置されるように窓ガラス205を位置決めした場合には、鏡面状態を得るための第2電極膜19を屋内側に位置させることができる。第1基板11が屋内側で第2基板12が屋外側に配置されている場合には、鏡面状態となる第2電極膜19が屋外側にあるため、鏡面状態の窓100を屋内側から観察すると、光が反射する界面が多く、少なくとも第1基板11での光反射と第2電極膜19での光反射とが重なり、像が多重像に見える場合がある。これに対し、第1基板11が屋外側で第2基板12が屋内側に配置されるように窓ガラス205を位置決めした場合には、第2電極膜19が屋内側に位置するので光が反射する界面が少なくなるため、屋内側でより鮮明な鏡面像が視認できる。
このように、本実施形態によれば、回転保持機構(切替え装置)207により窓ガラス205を回転させることができるので、第1の実施の形態の実施例1および実施例2に示す調光装置1の使用形態のいずれも容易に実現できる。また、回転保持機構207により窓ガラス205を回転させて図6に示すように窓枠203に対して所定角度(例えば、数度から90度)だけ回転させて窓ガラス205を半開き状態で固定すれば、屋内の空気を屋外へ排出し、また屋外の空気を屋内へ導入する換気を行うこともできる。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態の調光装置1は、入射光に対し、光透過状態、鏡面状態、または黒色状態のいずれかに切り替え可能であるが、さらにより細かな調光制御も可能である。例えば、第1電極膜15および第2電極膜19間に印加する電圧を、例えば鏡面状態にする電圧値と同極性でそれより低い電圧値に制御して電解質媒体23に中間的な電位を与えることにより、調光装置1の調光状態をハーフミラー状態にすることができる。また、第1電極膜15および第2電極膜19間に印加する電圧を、例えば黒色状態にする電圧値と同極性でそれより低い電圧値に制御して電解質媒体23に中間的な電位を与えることにより、調光装置1の調光状態を灰色状態にすることができる。
また、上記実施の形態では、窓ガラス105、205に調光装置1を貼り付けているが、本発明はこれに限られない。窓ガラス105を用いずに、調光装置1だけを窓枠103に固定して窓100として用いてももちろんよい。また、窓ガラス205を用いずに、調光装置1だけを回転保持機構(切替え装置)207を用いて窓枠203に回転可能に保持して窓200として用いてももちろんよい。
また、第1の実施の形態では、窓ガラス105の屋内側に調光装置1を貼り付けたが、窓ガラス105の屋外側に調光装置1を貼り付けてもよい。また、窓ガラス105、205は、二重窓構造であってもよい。その際の調光装置1の貼り付け位置は、屋内側、二重窓の密閉空間の屋内側、二重窓の密閉空間の屋外側、屋外側のいずれであってもよい。
また、上記第2の実施の形態の調光装置1は、第1電極膜15が4つの分割領域1a、1b、1c、1dに分割され、第2電極膜19は4つの分割領域1a、1b、1c、1dの全面に形成されて共通電極となっているが、本発明はこれに限られない。例えば、第2電極膜19が4つの分割領域1a、1b、1c、1dに分割され、第1電極膜15が4つの分割領域1a、1b、1c、1dの全面に形成されて共通電極となっていてもよい。また、4つの分割領域1a、1b、1c、1dにそれぞれ第1電極膜15と第2電極膜19とが独立して設けられていてもよい。
また、窓枠103、203には、鍵や、窓を動かすための取っ手などをつけてもよい。さらに、本発明に係る窓は、図1に示す壁500の開口部に配置されるだけでなく、屋根の開口部に配置してもよい。さらに本発明は、掃き出し窓、引き戸、観音開きの扉、ドア、室内ドア、間仕切りユニット等にも適用可能である。
なお、上述の各実施例に記載されている技術的特徴(構成要件)は相互に組合せ可能であり、組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明の窓は、透明、ミラー、黒状態を切換えられ、かつ、光および熱の効率的な利用および/または制御が可能な構成であり、建物窓ガラスへの応用、さらに自動車、電車、馬車、飛行機、船、ロケット等の乗物窓ガラスへの応用、真空蒸着機、ドラフト、電子天秤などの実験機器への応用など、広範な応用展開が可能である。
また、本発明の窓は、冷暖房のエネルギー消費を減らすことができるため、建物や乗物内のエネルギー消費を削減することができる。
本発明の窓の多機能性は、従来技術に対して大きな優位性を有しており、既存のウインドウトリートメント製品(ブラインド、カーテン、ロールスクリーン等)に置き換わる省エネルギー機能性部材としての普及が大きく期待できる。したがって、本発明の産業上の利用価値は極めて高い。
1 調光装置
1a、1b、1c、1d 分割領域
3 電源装置
3a、3b 電源配線
3c 電源切換え制御部
3d 電源タップ
5 切換えスイッチ部
5a、5b、5c 切換えスイッチ
5d 信号配線
11 第1基板
12 第2基板
15 第1電極膜
15a 凹凸状電極膜
19 第2電極膜
21 封止材
23 電解質媒体
25、27 Ag層
100、200 窓
103、 203 窓枠
105、205 窓ガラス
207 回転保持機構(切替え装置)
500 壁
S 太陽
IL 入射光

Claims (8)

  1. 入射光に対し、光透過状態、鏡面状態、または黒色状態のいずれかに切替え可能な調光装置を含むこと
    を特徴とする窓。
  2. 請求項1に記載の窓であって、
    前記調光装置は、
    光透過性の第1基板と、
    前記第1基板の一方の面側に形成された光透過性の第1電極膜と、
    前記第1基板の前記一方の面側に所定の空隙を介して対向配置された光透過性の第2基板と、
    前記第2基板の前記第1電極膜と対向する面側に形成された光透過性の第2電極膜と、
    前記空隙に配置され、電解質を含む電解質媒体と
    を有し、
    前記第1電極膜と前記第2電極膜とが同電位である場合は前記光透過状態となり、
    前記第1電極膜の電位が前記第2電極膜の電位より高い場合には、前記電解質媒体中の前記電解質が前記第2電極膜上に析出して前記鏡面状態となり、
    前記第1電極膜の電位が前記第2電極膜の電位より低い場合には、前記電解質媒体中の前記電解質が前記第1電極膜上に析出して前記黒色状態となること
    を特徴とする窓。
  3. 請求項2に記載の窓であって、
    前記第1電極膜の表面は、前記第2電極膜の表面より凹凸になっていること
    を特徴とする窓。
  4. 請求項3に記載の窓であって、
    前記電解質は前記電解質媒体中でカチオンになること
    を特徴とする窓。
  5. 請求項4に記載の窓であって、
    前記電解質はAgを含むこと
    を特徴とする窓。
  6. 請求項2から5のいずれか一項に記載の窓であって、
    前記第1基板が屋内側で前記第2基板が屋外側に配置されること
    を特徴とする窓。
  7. 請求項2から5のいずれか一項に記載の窓であって、
    前記第1基板が屋内側で前記第2基板が屋外側に配置される状態と、
    前記第1基板が屋外側で前記第2基板が屋内側に配置される状態と
    を切替え可能な切替え装置を有すること
    を特徴とする窓。
  8. 請求項2から7までのいずれか一項に記載の窓であって、
    前記第1電極膜または前記第2電極膜の少なくとも一方は、
    それぞれ異なる電位を与えることができる複数の分割領域を有していること
    を特徴とする窓。
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