以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
<ぱちんこ遊技機>
第1実施形態に係る遊技機として、封入循環方式のぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示すとともに、ぱちんこ遊技機PMのガラス枠を開放した状態の正面図を図3に示しており、まず、この図を参照してぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。
[ぱちんこ遊技機の全体構成]
はじめに、図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMには、これに隣接してカードユニットCUが併設されている。カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMと双方向通信可能に構成されており、プリペイドカードや会員カード(以下、単に「カード」とも称する)を受け付けて、該カードの記録情報により特定される遊技者保有の有価価値(カード残高)を遊技に使用可能な遊技球数(持球数)に変換して、ぱちんこ遊技機PMに所定個数だけ封入されている遊技球を循環使用して遊技を行い得るようになっている。カードユニットCUには、現金たる紙幣を投入するための紙幣投入口302、会員カードやプリペイドカードを投入するためのカード投入口303、投入されたカード情報や持球数情報を表示する表示器304、投入されたカードの読み取り・書き込み機能を有するカードリーダライタ305(図4を参照)、などが設けられている。
ここで、プリペイドカードとは、一般の遊技者(会員未登録)に対して発行されるICカードであり、購入金額に応じた有価価値(カード残高)が記録情報として記録されている。会員カードとは、貯球システムを利用可能な会員登録済の遊技者に対して発行されるICカードであり、購入金額に応じた有価価値(カード残高)とともに、遊技で獲得した持球数(景品と交換せずに蓄積した貯球数)が記録情報として累積的に記録されている。
ぱちんこ遊技機PMは、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。外枠1の最上部において前枠2と接触する部分には、外枠1に対して前枠2が開放されているか否かを検出するための前枠開放検出器18が設けられている。
前枠2の前面側には、前枠2の前面域に合わせた方形状のガラス枠5がヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2の最上部においてガラス枠5と接触する部分には、前枠2に対してガラス枠5が開放されているか否かを検出するためのガラス枠開放検出器19が設けられている。ガラス枠5の背後に位置する前枠2の上部には、遊技盤20を着脱可能に収容する方形枠状の収容枠が設けられており、この収容枠に遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5を通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを臨ませるようになっている。
ガラス枠5は、前枠2の前面に揺動開閉可能に取り付けられた窓枠5aに、この窓枠5aの窓口を閉止するようにして複層ガラス5bが取り付けられて構成されている。ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する演出ランプ6や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ7などが設けられる。ガラス枠の前面側下部には、複数の操作ボタンを有するとともに各種情報等を表示するための操作部ユニット10が設けられており、その正面右側に位置して遊技球の発射操作を行うための発射ハンドル8が前方に突出して設けられている。発射ハンドル8には、該ハンドルの回動操作量を検出するための操作量検出センサ8a、遊技者が該ハンドルに接触しているか否かを検出するためのタッチ検出センサ8b、などが設けられている。
操作部ユニット10には、投入されたカードに記録されているカード情報(球貸しに使用可能なカード残高、再プレイ可能な貯球数)や、現在遊技中に獲得した持球数の情報、ぱちんこ遊技機PMの遊技状況を示す遊技情報(始動口入賞回数、大当たり回数、確変大当り回数、非確変大当り回数、など)等の遊技に関するデータ表示とともに、開店時間、閉店時間、定休日、イベント開催のお知らせ等のガイダンス用の情報等を表示するための液晶表示部11が設けられるとともに、遊技過程における所定のタイミング(例えばリーチ状態)で演出の切り替え等を行うための演出ボタン12、カード残高を限度として球貸し動作を要求するための球貸しボタン13、カードに記録された貯球数(前回までの遊技で獲得した持球数)を使用して再遊技を実施するための再プレイボタン14、カードユニットCUにカードの返却動作を要求するための返却ボタン15、液晶表示部11に表示される情報を切り替える画面切替ボタン16、各種設定値を入力可能なテンキー17、等の押圧操作が可能な操作ボタンが配列されている。なお、これらの操作ボタンを液晶表示部11におけるタッチパネル式として構成してもよい。
遊技盤20は、ルータ加工等を施した矩形状の積層合板に、所定の図柄が印刷されたセルを貼り付けて成型される化粧板を基板として構成される。なお、遊技盤20を、例えばアクリル樹脂(PMMA)やポリカーボネート(PC)、ABS樹脂等の透明な(投光性を有する)樹脂材料によって平板状に形成し、遊技盤20の後方に配置した意匠パネルや演出装置を視認可能なように構成してもよい。遊技盤20の前面には、外レール及び内レールが円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成され、この遊技領域PAに風車や多数本の遊技釘とともに、一般入賞口21、第1特図始動口22、第2特図始動口23、普図作動口24、大入賞口25などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置26、第2特別図柄表示装置27、普通図柄表示装置28、演出表示装置29などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口30が設けられている。各入賞口21〜25あるいはアウト口30に落入した遊技球は、遊技盤20を前後貫通する貫通孔を通じて遊技盤20の背面側に排出され、詳細後述する循環ユニット41にて回収される。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
一般入賞口21には遊技球の入球を検出するための一般入賞検出センサ21aが設けられ、第1及び第2特図始動口22,23には遊技球の入球を検出するための始動入賞検出センサ22a,23aが備えられ、普図作動口24には遊技球の通過を検出するための通過検出センサ24aが設けられ、大入賞口25には遊技球の入球を検出するための大入賞検出センサ25aが設けられており、遊技球の入球時(通過時を含む)に該入球を示す入賞情報を生成する。一方、アウト口30には、遊技球の入球を検出するための非入賞検出センサ30aが設けられており、遊技球の入球時に該入球を示す非入賞情報を生成する。なお、各入賞検出センサ21a〜25a及び非入賞検出センサ30aは、遊技球を検出可能である限り、例えば、磁気センサや光センサ、近接スイッチ等の非接触動作型でも、マイクロスイッチのような接触動作型でもよい。
第1特図始動口22は第1特別図柄抽選の契機となる入賞口として設けられており、第2特図始動口23は第2特別図柄抽選の契機となる入賞口として設けられている。第2特図始動口23は普通電動役物として構成されており、第2特図始動口23へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と該状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とに可変する。ここで、第2特図始動口23の入口は第1特図始動口22によって覆われる位置(上下に重なる位置)に配されており、第2特図始動口23は普通電動役物が開放されなければ第1特図始動口22の存在により遊技球が入球し難い構造になっている。普図作動口24は、第2特図始動口23の普通電動役物を拡開させるための普通図柄抽選の契機となる入賞口として設けられている。大入賞口25は、第1特別図柄又は第2特別図柄が所定態様で変動停止した場合、「大当たり」として開放状態となる、横長方形状をなし遊技領域PAの下方に位置したアタッカーと称される入賞口である。
前枠2の前面側下部において遊技盤20と上下に整合し得る位置には、遊技領域PAに向けて遊技球を発射するための発射機構31が設けられている。この発射機構31には、発射ハンドル8の回動操作量に応じた発射強度で遊技球を打ち出すための発射ソレノイド31aなどが設けられている。また、遊技領域PAに到達できずに戻ってくる遊技球(ファール球)を回収するためのファール口32が設けられており、このファール口32にはファール球を検出するためのファール検出センサ32aが取り付けられている。
続いて、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、ほぼ中央に前後連通する窓口40aを有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された裏セット盤40が着脱自在に取り付けられている。裏セット盤40には、ぱちんこ遊技機PMに封入された所定個数(例えば30個)の遊技球を循環使用するための循環ユニット41が設けられている。この循環ユニット41は、入賞口に入球した遊技球、アウト口に落入した遊技球、ファール口に落入した遊技球、を一列の整列状態で揚送する揚送機構42、揚送機構42によって遊技球を揚送する過程で該遊技球の外表面を研磨する研磨機構43と、揚送機構42によって揚送された遊技球を1球ずつ発射機構31の打球位置へ送り出すための球送り機構44と、を備えてなる。
揚送機構42には、遊技球を揚送するための駆動源である揚送モータ42a(図4を参照)、揚送機構42の入口及び出口に遊技球が存在するか否かを検出するための揚送入口検出器42b及び揚送出口検出器42c(図4を参照)、などが設けられている。研磨機構43には、研磨布を押し付けて遊技球を研磨するため駆動源である研磨モータ43a(図4を参照)、などが設けられている。球送り機構44には、遊技球を発射機構の打球位置へ送り出すための駆動源である球送りソレノイド44a(図4を参照)、発射機構の打球位置へ送り出される遊技球を検出する発射検出センサ44b、などが設けられている。なお、発射検出センサ44bは、発射機構31から実際に発射された遊技球を検出するものではないが、この発射検出センサ44bによって検出された遊技球は、該検出直後に発射機構31の打球位置に送り出されて発射されるので、実質的に遊技球の発射を検出するものとみなせる。
また、循環ユニット41の循環経路中には、ぱちんこ遊技機PM内に封入された遊技球が所定個数になっているか否かを検出して、循環に必要な遊技球数を管理するための循環球数検出器45(図4を参照)が設けらている。なお、上記の循環経路は、ぱちんこ遊技機PM内で循環する遊技球全数を保持するのに必要十分な長さに設定されている。また、循環使用される遊技球の個数は、遊技球を順次発射(1分間に100発以上)した際に、遊技球の回収が間に合わず、遊技球の発射が不能な状態となることがない個数とされている。
また、遊技盤20の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御するメイン制御基板51、盤面の機種(バージョンを含む)や遊技の展開状況に応じた遊技演出の制御を行うサブ制御基板52、遊技の興趣性を高める演出画像を表示する演出表示装置29などが設けられている。一方、裏セット盤40の背面側には、遊技球数(持球数)の管理とともに遊技球の発射動作及び循環動作に関する制御を司る払出制御基板53、操作部ユニット10の動作に関する制御を司る操作部接続基板54、営業終了後の夜間における前枠2及びガラス枠5の開放を監視する夜間監視基板55、遊技施設側の島電源から受電して各制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板56などが設けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、不正防止構造(カシメ構造及び封印構造)を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤40背面の所定位置にそれぞれ配設されており、これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品がコネクタケーブルで接続されてぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
[ぱちんこ遊技機の基本動作]
以上のように構成されるぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島(遊技台)に設置され、前枠2及びガラス枠5が閉鎖施錠された状態で遊技に供される。遊技者の所有するカードがカードユニットCUのカード投入口302に投入されると、その記録情報がカードリーダライタ305によって読み取られて、操作部ユニット10の液晶表示部11にカード残高が表示され、この残高を限度として遊技者の要求する球貸し数が球貸しボタン13の操作回数に応じて設定される。こうして球貸しボタン13が操作されると、該要求された球貸し数が数値として液晶表示部11に表示され(これに応じた個数の遊技球が遊技者に対して貸し出され)、遊技球を発射し得る状態、すなわち遊技が開始可能な状態となる。発射ハンドル8が回動操作されると、循環ユニット41に停留された遊技球(機内に所定個数だけ封入された遊技球)が1球ずつ発射機構31の打球位置に送り出され、発射機構31によって遊技領域PAに打ち出されて、以降パチンコゲームが展開される。
このパチンコゲームでは、発射機構31により打ち出された遊技球は、入賞球、非入賞球、ファール球のいずれかとして検出されたのち循環ユニット41に回収され、揚送機構42によって発射機構31における打球位置へ再度送り出されて、以降循環使用されることとなる。操作部ユニット10の液晶表示部11においては、遊技者の持球数が遊技の展開状況(発射、入賞など)に応じて加減算されながら変動表示され、ぱちんこ遊技機PMの正面側から遊技者がいつでも現在の持球数を視覚的に確認できるようになっている。
遊技領域PAを転動流下する遊技球が、一般入賞口21、第1特図始動口22、第2特図始動口23、普図作動口24、大入賞口25の各入賞口に入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球数が持ち点として持球数に加算される。遊技球が第1特図始動口22に入球すると、第1特別図柄表示装置26において第1特別図柄が変動表示され、演出表示装置29において装飾図柄が変動表示される。遊技球が第2特図始動口23に入球すると、第2特別図柄表示装置27において第2特別図柄が変動表示され、演出表示装置29において装飾図柄が変動表示される。第1特別図柄、第2特別図柄、装飾図柄の変動表示は、先だって抽選によって決定された変動時間の経過後に停止される。
変動表示停止時の第1特別図柄(又は第2特別図柄)及び装飾図柄が大当たりを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口25の開閉動作が開始される。大当たりを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。特別遊技としては、例えば、単位遊技が2回(2ラウンド)に設定された2R特別遊技、単位遊技が15回(15ラウンド)に設定された15R特別遊技、などが例示される。なお、大入賞口25は、その開放が所定時間(30秒もしくは0.5秒)だけ続いた後、又は10球以上の遊技球が入球した後で一旦閉鎖される。この開放から閉鎖までの一過程を単位遊技と称するが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す態様であってもよい。ここで、「30秒」という開放時間はその入球を十分に狙うことができ、十分な出玉を獲得できる時間として設定されている。一方、「0.2秒」という開放時間は、事実上その入球を狙うことが困難であり、出玉の獲得が困難な時間として設定されている。
また、特別遊技の終了後には、確率変動遊技(以下、「確変」ともいう)と呼ばれる特定遊技に移行される場合がある。確変状態においては、通常の確率状態よりも当たり確率が高い抽選が行われるため、比較的早期に新たな特別遊技が発生するようになる。また、特別遊技が終了した後に、確変状態と連動又は独立して変動時間短縮遊技(以下、「時短」ともいう)と呼ばれる特定遊技に移行される場合がある。特別図柄の時短状態は、特別図柄及び装飾図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。このように時短状態では、特別図柄の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当たりが発生するまでの時間を短縮することができ、大当たりの獲得容易性を高めることができる。
これに対し、当否抽選が「小当たり」と呼ばれる結果に該当した場合は小当たり遊技が実行される。小当たりは、当否抽選の結果としてはハズレに含まれる結果である。小当たり遊技は、一部の種類の特別遊技(2R特別遊技)と類似の態様にて実行される単位遊技である。ただし、小当たり遊技として実行される単位遊技は1回だけであり、複数回の単位遊技が実行される特別遊技とは異なる。また、小当たり遊技は、大当たりにより発生する特別遊技ではないため、確変状態、時短状態に関する遊技状態の変更の契機とはならない。
特別図柄の時短中は、特定遊技の一つである電チューサポート状態が実施される。電チューサポート状態は、普通図柄の変動時間短縮(普通図柄の時短状)、普通図柄の当選確率向上(普通図柄の確変状態)、電チューの開放時間延長、が実施されることにより、第2特図始動口23への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が短縮される状態である。普通図柄の当選確率向上は、電チュー開放抽選の当たり確率を通常状態よりも高める状態である。電チューの開放時間延長は、電チューの開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように電チューサポート状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常よりも増加する可能性が高まる上、第2特図始動口23への入球容易性も高まるため、第2特図始動口23への入球数が増加する可能性も向上する。したがって、特別図柄の時短状態及び電チューサポート状態により、その期間中は第2特図始動口23への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち球をほとんど減らさずに遊技を継続することが可能となる。ここで、電チューサポート状態の作動契機は、特別図柄の時短状態の作動契機と同期し、その終了契機も特別図柄の時短状態の終了契機と同期している。
このようなパチンコゲームにおいて、遊技者の持球数は遊技の展開状況に応じて変動されるが、持球数が「0」に至るまで、あるいは遊技者によって操作部ユニット10の返却ボタン15が操作されるまでは、遊技を続行することが可能である。なお、返却ボタン15が操作されると、カードユニットCUのカード投入口302に投入されているカードに、遊技終了時(返却要求時)に確定した最終的な持球数が記憶され、このカード投入口302から排出される。
[電気的構成]
次に、図4を追加参照しながら、カードユニットCU及びぱちんこ遊技機PMの電気的な概要構成を説明する。ここで、図4は、ぱちんこ遊技機PM及びカードユニットCUの制御回路を示すブロック図である。
カードユニットCUには、制御中枢としてのCPU301a、このCPU301aの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM301b、CPU301aが取り扱うデータを一時的に記憶するRAM301c、等を有するメイン基板301が設けられている。このメイン基板301には、ホールコンピュータHC等と通信を行うとともに、ぱちんこ遊技機PMとの通信を行うための通信制御回路が設けられている。また、カードユニットCUには、前述の紙幣投入口302、カード投入口303、表示器304、カードリーダライタ305の他に、紙幣投入口302に挿入された紙幣の真贋や紙幣の券種を識別するための紙幣識別器306が設けられている。
一方、ぱちんこ遊技機PMには、前述したように、該ぱちんこ遊技機PMの作動を制御するための、主制御基板51、演出制御基板52、払出制御基板53、操作部接続基板54、夜間監視基板55、電源基板56などが搭載されている。なお、夜間監視基板55及び電源基板56については詳細後述することとする。
主制御基板51は、制御中枢としてのCPU51a、このCPU51aの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM51b、CPU51aが取り扱うデータ(例えば、遊技中に発生する各種データやROM51bから読み出されたコンピュータプログラム等)を一時的に記憶するRAM51c、等を備えている。主制御基板51は、各入賞口への遊技球の入球を判定するための入球判定回路、変動表示中における各始動口への入球を保留球として上限個数以内で一時記憶するための保留制御回路、第1特図始動口22又は第2特図始動口23への遊技球の入球を契機とした当否抽選を行うための当否抽選回路、各図柄の停止図柄及び変動パターン等を決定し、各図柄の変動及び停止表示する制御を行うための図柄表示制御回路、通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技に関する制御を司る特別遊技制御回路、確変状態、時短状態及び電チューサポート状態における通常遊技を実行するための特定遊技制御回路、主制御基板51側で実行される処理に関する各種遊技情報(フラグを含む)を一時記憶するための遊技関連情報一時記憶回路、演出制御基板52及び払出制御基板53等とのコマンド及び各種情報の送受信を実行するための通信制御回路、等を有している。
主制御基板51には、一般入賞口21、第1特図始動口22、第2特図始動口23、普図作動口24、大入賞口25、アウト口30、第1特別図柄表示装置26、第2特別図柄表示装置27、普通図柄表示装置28、等のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。
主制御基板51には、この主制御基板51から演出制御基板52へ一方向通信可能なように接続されており、演出制御基板52に対して、変動開始コマンド、変動終了コマンド、特別遊技開始信号、特別遊技終了信号、などを送信する。変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示を開始するタイミングで送信するコマンド(装飾図柄の変動開始の契機となるコマンド)であり、主制御基板51の当否抽選回路で判定された当否抽選結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値を同時に送信する。変動停止コマンドは、特別図柄の変動表示を停止するタイミングで送信するコマンド(装飾図柄の変動停止の契機となるコマンド)であり、あらためて停止図柄を示す値を同時に送信する。特別遊技開始信号及び特別遊技終了信号とは、大当り発生に基づき通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技の開始及び終了を通知するための信号である。なお、特別遊技開始信号には、確変状態を伴うか否かの情報なども含まれている。
主制御基板51は、払出制御基板53と双方向通信可能となるように接続されており、払出制御基板53に対して、接続確認信号、入賞検出情報、エラー情報、大当たり情報(メーカ共通、メーカ固有)、を送信する。ここで、接続確認信号は、主制御基板51と払出制御基板53とが正常に接続されていることを確認(例えば、断線やコネクタ抜けがないかを確認)するための信号である。この接続確認信号は、例えば接地信号や、VCCのような一定の信号であり、主制御基板51及び払出制御基板53で当該信号を検知することで、互いに相手方が接続されていることを確認する。入賞検出情報は、各入賞口の入賞検出器(一般入賞検出センサ21a、第1始動入賞検出センサ22a、第2始動入賞検出センサ23a、通過検出センサ24a、大入賞検出センサ25a)からの検出信号に基づく情報である。主制御基板51は、払出制御基板53に対して、入賞検出情報として、各入賞口へ入賞した遊技球の個数とともに、各入賞口毎に設定された賞球数(獲得遊技球数)を一定間隔毎にシリアル通信として出力する。エラー情報とは、異常入賞、外枠・ガラス枠開放、電波検出等のエラーが発生した場合に、その旨を払出制御基板53へ通知するための情報である。大当たり情報とは、特図抽選において大当たりが発生したことを示す情報であり、メーカ共通の大当り情報と、メーカ特有の大当り情報とを含む。メーカ共通の大当り情報とは、一般的に各遊技機メーカが共通して採用する大当たりであり、例えば、大入賞口の開放がなされる単位遊技が15回(15ラウンド)に設定された15R大当たり、特別遊技終了後に確率変動遊技(「確変」と称する)を伴う確変大当たり、特別遊技の終了後に変動時間短縮遊技(「時短」と称する)を伴う時短大当たり、などがある。メーカ特有の大当たり情報とは、特定の遊技機メーカのみが採用する大当たりであり、例えば、特殊なラウンド数が振り分けられた大当たり、大入賞口25の開放が数回に至るまで出玉が発生せず数回目以降からは出玉が発生するような大当たり、突然確変、潜伏確変、所定の条件が成立すると確変に昇格する大当たり、などがある。
演出制御基板52は、制御中枢としてのCPU52a、このCPU52aの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM52b、CPU52aが取り扱うデータを一時的に記憶するRAM52c、時間を計測するためのRTC(Real Time Clock)52d、等を備えている。演出制御基板52は、主制御基板51側からのコマンド等に基づき演出表示装置29上で演出表示制御を行うための演出表示制御回路、演出ランプ6による効果照明の制御を行うためのランプ制御回路、スピーカ7による効果音発生等の制御を行うためのスピーカ制御回路と、演出制御基板52側で実行される処理に関する演出一般の情報(フラグを含む)を一時記憶するための演出関連情報一時記憶回路と、主制御基板51及び払出制御基板53からのコマンドや各種情報を受信するための通信制御回路、等を有している。
払出制御基板53は、制御中枢としてのCPU53a、このCPU53aの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM53b、CPU53aが取り扱うデータを一時的に記憶するRAM53c、等を備えている。払出制御基板53は、遊技球の発射の制御を行うための発射制御回路、遊技球の循環を制御するための循環制御回路、カードユニットCUからの貸し球情報や遊技球の発射、ファール、入賞等の検出情報に基づき持球数を算出(更新)する演算処理として持球数管理処理を実行するための持球数制御手段、ぱちんこ遊技機PM内に封入された所定個数の遊技球が正常に循環使用されているかどうかの循環球管理処理を実行するための循環管理制御回路、払出制御基板53側で実行される処理に関する情報(フラグを含む)を一時記憶するための払出関連情報一時記憶回路と、カードユニットCUや各制御基板(主制御基板51、演出制御基板52、夜間監視基板55等)とのコマンドや各種情報を送受信するための通信制御回路、等を有している、
払出制御基板53は、発射ハンドル8(操作量検出センサ8a、タッチ検出センサ8b)、操作部ユニット10、前枠開放検出器18、ガラス枠開放検出器19、発射機構31(発射ソレノイド31a)、ファール検出センサ32a、発射検出センサ44b、循環ユニット41(揚送モータ42a、揚送入口検出センサ42b、揚送出口検出センサ42c、研磨モータ43a、球送りソレノイド44a)、等のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。
払出制御基板53は、上記の持球数管理処理として、発射検出センサ44bからの検出信号が入力されると持球数を1減算し、ファール検出センサ22aからの検出信号が入力されると持球数を1加算し、主制御基板51から入賞検出信号が入力されると該賞球数に応じた数値を持球数に加算して、持球数の変動を算出して現在の持球数を更新記憶する。なお、持球数は、実際の遊技球の個数ではなくデータ上の数値であり、上述したように、実際に使用される遊技球の個数は循環使用される限られた個数(例えば、30個)である。また、払出制御基板53は、上記の循環球管理処理として、各入賞検出センサ21a〜27a、非入賞検出センサ20a、発射検出センサ44b、ファール検出センサ22aからの検出情報に基づき、「発射球数=入賞球数+アウト球数+ファール球数」の関係が成立するか否かを管理して球詰まり等の異常の有無を監視し、ぱちんこ遊技機PMの内部で遊技球が正常に循環しているか否かを管理する。
払出制御基板53から主制御基板51へは、定期的にヘルスチェックコマンドが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板51が正常に動作していることをチェックするためのコマンドであり、このコマンドを受けて主制御基板51からの応答信号が途絶えると、主制御基板51に異常が発生したと判断されるものである。
払出制御基板53から演出制御基板52へは、操作コマンド及びテストコマンドが送信される。操作コマンドは、操作部ユニット10の各操作ボタンが操作されたことを通知するためのコマンドであり、テストコマンドは、演出表示装置29の演出表示動作をテストするためのコマンドである。
また、払出制御基板53の通信制御回路とカードユニットCUの通信制御回路とは電気的に接続されており、ぱちんこ遊技機PMとカードユニットCUとの間で、各種のコマンド/レスポンスの送受信が実行される。
操作部接続基板54は、制御中枢としてのCPU54a、このCPU54aの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM54b、CPU54aが取り扱うデータを一時的に記憶するRAM54c等を備え、払出制御基板53と双方向通信可能となるように接続されている。この操作部接続基板54は、操作部ユニット10と電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。操作部接続基板54は、操作部ユニット10における操作ボタンの入力信号を処理する操作信号処理回路、操作部ユニット10における液晶表示部11の画像表示を制御する画像表示制御回路、操作部接続基板54側で実行される処理に関する情報を一時記憶するための操作関連情報一時記憶回路と、払出制御基板53とのコマンドや各種情報を送受信するための通信制御回路、等を有している。
[カードユニット/ぱちんこ遊技機間の通信]
次に、カードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間で送受信されるコマンド/レスポンスの概要を説明する。本実施形態では、カードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間でコマンド/レスポンスの送受信を行い、カードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの双方において、各種情報(遊技球数関連情報、入賞関連情報、遊技機状態情報)を共有管理している。また、カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMからの各種情報をホールコンピュータHCに外部情報として送信可能であり、ホールコンピュータHC側でも、遊技球数関連情報、入賞関連情報、遊技機状態情報を管理可能としている。
まず、カードユニットCUからぱちんこ遊技機PMへコマンドが送信されると、そのコマンドに応答して、ぱちんこ遊技機PMからカードユニットCUへレスポンスが送信される。このレスポンスを受信して、カードユニットCUからぱちんこ遊技機PMへ次のコマンドが送信されると、そのコマンドに応答して、ぱちんこ遊技機PMからカードユニットCUへレスポンスが送信される。このようにカードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間ではコマンド/レスポンスの送受信が繰り返されることになるが、カードユニットCUからは例えば600msの間隔でコマンドが送信され、ぱちんこ遊技機PMからも例えば600msの間隔でレスポンスが返信される。
他方、発射ハンドル8が回動操作されると、1分間に100個を超える遊技球が発射されるため、遊技球の発射間隔は約600msとなり、遊技球が1球発射される間に1組のコマンド/レスポンスが送受信されることとなる。すなわち、コマンド/レスポンスの送信間隔と、遊技球の発射間隔とを一致させているため、遊技球の発射による持球数の変動を1球単位で、ぱちんこ遊技機PMからカードユニットCUへレスポンスとして通知して、ぱちんこ遊技機PM及びカードユニットCUの双方で持球数を逐次更新して管理することが可能である。
本実施形態において、カードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間で送受信されるコマンド/レスポンスの態様としては、(1)認証要求/認証応答、(2)遊技許可・禁止要求/遊技許可・禁止応答、(3)遊技情報要求/遊技情報応答、などがある。
(認証要求/認証応答)
まず、カードユニットCUからぱちんこ遊技機PMに対して認証要求のコマンドが送信される。認証要求のコマンドは、カードユニットCUからぱちんこ遊技機PMに対して、正規な遊技機の判定及び通信データの整合性を確認するための認証を要求するものである。
これに対して、ぱちんこ遊技機PMからカードユニットCUに対して認証応答のレスポンスが送信される。認証応答のレスポンスは、ぱちんこ遊技機PMからカードユニットCUに対して、主制御基板51のCPU51a及び払出制御基板53のCPU53aに記憶された固有のID情報を送信して、認証要求の受理を通知するものである。
(遊技許可・禁止要求/遊技許可・禁止応答)
まず、カードユニットCUからぱちんこ遊技機PMに対して遊技許可要求(遊技禁止要求)のコマンドが送信される。遊技許可要求のコマンドは、カードユニットCUからぱちんこ遊技機PMに対し、遊技の許可を要求する旨のコマンドである。他方、遊技禁止要求のコマンドは、カードユニットCUからぱちんこ遊技機PMに対し、遊技の禁止を要求する旨のコマンドである。これに対して、ぱちんこ遊技機PMからカードユニットCUに対して遊技許可応答(遊技禁止応答)のレスポンスが送信される。遊技許可応答のレスポンスは、ぱちんこ遊技機PMからカードユニットCUに対して、遊技許可要求の受理を通知するものである。他方、遊技禁止応答のレスポンスは、ぱちんこ遊技機PMからカードユニットCUに対して、遊技禁止要求の受理を通知するものである。
(遊技情報要求/遊技情報応答)
まず、カードユニットCUからぱちんこ遊技機PMに対して、動作要求のコマンドが送信される。動作要求のコマンドは、カードユニットCUからぱちんこ遊技機PMに対して、該遊技の状態を確認するための遊技情報の送信を要求するものである。これに対して、ぱちんこ遊技機PMからカードユニットCUに対して、動作応答のレスポンスが送信される。動作応答のレスポンスは、ぱちんこ遊技機PMからカードユニットCUに対して、該遊技機の遊技機情報を送信して動作要求の受理を通知するものである。
ここで、ぱちんこ遊技機PMから送信される遊技機情報としては、遊技球数情報、入賞関連情報、遊技機状態情報、夜間監視情報、に大別される。遊技球数情報としては、現在遊技中に獲得した持球数、球貸し及び賞球等に基づき加算される加算球数、遊技球の発射等に基づき減算される減算球数、アウト口30への通過球数、総賞球数、カード残高、貯球数、球貸し操作回数、再プレイ操作回数、などの情報がある。入賞関連情報としては、始動入賞回数、大当り発生、出玉の程度(出玉大、出玉中、出玉小)、小当り発生、確変中、時短中、などの情報がある。遊技機状態情報としては、セキュリティ(不正行為の検出)、前枠2及びガラス枠5の開放、遊技機の異常、などの情報がある。夜間監視情報としては、詳細後述するが、前枠2及びガラス枠5の夜間開放回数、夜間開放時刻、夜間開放時間、などの情報がある。
なお、カードユニットCU及びぱちんこ遊技機PMの払出制御基板53は、現時点での遊技者の保有する持球数(持球総数)を記録するための持球数カウンタ307,53dをそれぞれ有しており、カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMから遊技情報応答のレスポンスを受信する毎に、カードユニットCU側に記録される持球数カウンタ307の数値(持球数)と、ぱちんこ遊技機PM側に記録される持球数カウンタ53dの数値(持球数)と、を照合して、一致するか否かの判定を行う。カードユニットCUは、この判定の結果、一致する場合には通常通りに遊技情報要求のコマンドをぱちんこ遊技機PMに対して送信し、一致しない場合にはホールコンピュータHCに対してエラー信号を送信してエラー報知を実行する。
(電源起動時の処理)
次に、カードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間で送受信されるコマンド/レスポンスを用いた具体的な処理として、電源起動時の処理を説明する。ここで、図5はカードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間の電源起動時の処理を示す図である。この処理は、カードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間の通信が正常に終了して電源が立ち下げられた後、再び電源が立ち上げられてカードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間の通信が開始される場合に実行される(例えば営業開始時や遊技機の点検時)。
まず、電源起動時において、カードユニットCUからぱちんこ遊技機PMに対して、認証要求のコマンドが送信される。これを受けて、ぱちんこ遊技機PMからカードユニットCUに対して、認証応答のレスポンスが送信される。該レスポンスには、ぱちんこ遊技機PMにおける主制御基板のCPUと払出制御基板のCPUとに記憶された固有のID情報が含まれる。例えば、このID情報は、カードユニットCUの通信網を経由して、遊技施設の事務所室内に設置されたホールコンピュータHCに送られ、ホールコンピュータHCに登録されたID情報と照合されて正規な遊技機であるか否かの真偽が判定される。ID情報の認証が失敗した場合には、ぱちんこ遊技機PMは動作することなく、ホールコンピュータHCからその情報がカードユニットCUへ出力される。一方、ID情報の認証が成功した場合には、ぱちんこ遊技機PMの動作が許容される(以下、ID情報の認証が成功したものとして説明する)。
続いて、ID情報の認証成功に伴い、カードユニットCUからぱちんこ遊技機PMに対して、遊技許可要求のコマンドが送信される。これを受けて、ぱちんこ遊技機PMからカードユニットCUに対して、遊技許可応答のレスポンスを返信する。
続いて、カードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間で、遊技情報要求(コマンド)/遊技情報応答(レスポンス)の送受信がされる。ここで、カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMに対して、遊技情報要求のコマンドを送信する毎に、送信番号S(Sending)を1ずつインクリメントする。これに対して、ぱちんこ遊技機PMは、カードユニットCUに対して、遊技情報応答のレスポンスを返信する度に、受信番号R(Receiving)を1ずつインクリメントする。
カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMに対して、遊技情報要求のコマンド(送信番号S=1)を送信する。これを受けて、ぱちんこ遊技機PMは、球数関連情報として、持球数、加算球数、減算球数、始動入賞回数、の各カウント値に、初期値0をセットする。ぱちんこ遊技機PMは、カードユニットCUに対して、球数関連情報として持球数=0、加算球数=0、減算球数=0、入賞関連情報として始動入賞回数=0、大当たり回数=0、遊技機状態情報として遊技停止状態、夜間監視情報として夜間開放回数、夜間開放時刻、夜間開放時間、の情報を含む、遊技情報応答のレスポンス(受信番号R=1)を返信する。
カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMから送信されたレスポンス(受信番号R=1)に含まれる各種情報に基づき、現在の遊技球数情報、入賞関連情報、遊技状態情報、をバックアップする。これにより、カードユニットCU及びぱちんこ遊技機PMの起動処理が完了する。
(球貸しの処理)
次に、カードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間で送受信されるコマンド/レスポンスを用いた具体的な処理として、球貸しの処理を説明する。ここで、図6はカードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間の球貸しの処理を示す図である。本例では、カードに記録されているカード残高が「5000(円)」で、現時点における持球数が「0」とする。
まず、カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMに対して、遊技情報要求のコマンド(送信番号S=n)を送信する。ここで、ぱちんこ遊技機PM側で、球貸しボタン13が1回だけ押圧操作される。これを受けて、ぱちんこ遊技機PMは、カードユニットCUに対して、球数関連情報として、持球数=0、加算球数=0、減算球数=0、球貸操作回数=1、を含む、遊技情報応答のレスポンス(受信番号R=n)を返信する。
カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMに対して、貸球数の加算要求内容を含む、遊技情報要求のコマンド(送信番号S=n+1)を送信する。カードユニットCUからの加算要求を受けて、ぱちんこ遊技機PMは、現在の持球数=0に、1回の球貸操作に対応する500円分の貸球数=125を加算し、持球数を「125」に更新する。また、現在のカード残高の5000円から、1回の球貸操作に対応する500円分を減算して、カード残高を4500円に更新する。そして、ぱちんこ遊技機PMは、カードユニットCUに対して、持球数=125、加算数=125、減算数=0、カード残高=4500、球貸操作数=0、を含む、遊技情報応答のレスポンス(受信番号R=n+1)を返信する。カードユニットCUは、持球数=125、カード残高=4500、をバックアップする。
(再遊技の処理)
次に、カードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間で送受信されるコマンド/レスポンスを用いた具体的な処理として、再遊技の処理を説明する。ここで、図7はカードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間の再遊技の処理を示す図である。本例では、カードに記録されている貯球数が「500」で、現時点における持球数が「0」とする。まず、カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMに対して、遊技情報要求のコマンド(送信番号S=n)を送信する。ここで、ぱちんこ遊技機PM側で、再プレイボタン14が1回だけ押圧操作される。これを受けて、ぱちんこ遊技機PMは、カードユニットCUに対して、球数関連情報として、持球数=0、加算球数=0、減算球数=0、再プレイ操作回数=1、を含む、遊技情報応答のレスポンス(受信番号R=n)を返信する。
カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMに対して、貯球数の加算要求内容を含む、遊技情報要求のコマンド(送信番号S=n+1)を送信する。カードユニットCUからの加算要求を受けて、ぱちんこ遊技機PMは、現在の持球数=0に、1回の再プレイ操作に対応する「125」を加算し、持球数を「125」に更新する。また、現在の貯球数「500」から、1回の再プレイ操作に対応する「125」を減算して、貯球数を「375」に更新する。そして、ぱちんこ遊技機PMは、カードユニットCUに対して、持球数=125、加算数=125、減算数=0、貯球数=375、再プレイ操作回数=0、を含む、遊技情報応答のレスポンス(受信番号R=n+1)を返信する。カードユニットCUは、持球数=125、貯球数=375、をバックアップする。
(持球数の加減算の処理)
次に、カードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間で送受信されるコマンド/レスポンスを用いた具体的な処理として、遊技中における持球数の加減算の処理を説明する。ここで、図8はカードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間の持球数の加減算の処理を示す図である。本例では、遊技中において現時点で遊技者が保有する持球数を「200」とする。
まず、カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMに対して、動作要求のコマンド(送信番号S=n)を送信する。これを受けて、ぱちんこ遊技機PMは、カードユニットCUに対して、球数関連情報として、持球数=199、加算球数=0、減算球数=1、を含む、動作応答のレスポンス(受信番号R=n)を返信する。ここで、前述したように、コマンド/レスポンスの送信間隔と遊技球の発射間隔とは共に「600ms」と一致しているため、前回のコマンド(送信番号S=n−1)から今回のコマンド(送信番号S=n)までの間に、1球の遊技球が発射され、減算球数は「1」となる。なお、カードユニットCU側では、ぱちんこ遊技機PMからのレスポンスを受け取る度に、持球数、減算球数、加算球数、等の情報を更新してバックアップする。
続いて、カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMに対して、動作要求のコマンド(送信番号S=n+1)を送信する。ここで、ぱちんこ遊技機PM側で、遊技球が第1始動口22又は第2始動口23に入球すると、始動口22,23に入賞した場合の賞球により加算球数として「3」が加算されるとともに、遊技球の発射に基づき上記と同様に減算球数として「1」が減算される(そのため、持球数=199+3−1=201となる)。これにより、ぱちんこ遊技機PMは、カードユニットCUに対して、球数関連情報として、持球数=201、加算球数=3、減算球数=1、始動入賞回数=1を含む、動作応答のレスポンス(受信番号R=n+1)を返信する。
続いて、カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMに対して、動作要求のコマンド(送信番号S=n+N)を送信する。ぱちんこ遊技機PM側で、前述の始動口22,23への入賞に伴い、変動表示停止時の特別図柄及び装飾図柄が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行する。ぱちんこ遊技機PMは、カードユニットCUに対して、持球数=220、加算球数=0、減算球数=1、大当りON、出玉大、確変OFF、時短ON、を含む、動作応答のレスポンス(受信番号R=n+N)を返信する。このように大当りが発生した場合には、ぱちんこ遊技機PMからカードユニットCUに対して、大当り発生の情報のみではなく、大当りに基づく出玉の程度や、特別遊技終了後の遊技状態(確変状態、時短状態へ移行するか否か)の情報が出力される。
これを受けて、カードユニットCUは、持球数等の遊技球数情報を更新してバックアップするとともに、ぱちんこ遊技機PM側で特別遊技が開始すること、特別遊技終了後に時短状態に移行することを検知する。
(カード返却の処理)
次に、カードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間で送受信されるコマンド/レスポンスを用いた具体的な処理として、返却ボタン15の操作があった場合のカード返却の処理を説明する。ここで、図9はカードユニットCUとぱちんこ遊技機PMとの間のカード返却の処理を示す図である。
まず、カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMに対して、動作要求のコマンド(送信番号S=n)を送信する。ここで、ぱちんこ遊技機PM側で、返却ボタン15が押圧操作される。これを受けて、ぱちんこ遊技機PMは、カードユニットCUに対して、返却操作有りの情報を含む、動作応答のレスポンス(受信番号R=n)を返信する。
カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMに対して、遊技を禁止させるための遊技禁止要求のコマンドを送信する。これを受けて、ぱちんこ遊技機PM側では、発射ソレノイド31aの駆動を停止させて(遊技球を発射できない状態にして)、現時点で既に発射されて遊技領域PMを流下する遊技球の全数が入賞口21〜25又はアウト口30に落入して入賞又は非入賞が確定するまでの確定必要時間(例えば、10秒)だけ待機する。ここで、この確定時間が経過した時点での持球数は1000とする。そして、ぱちんこ遊技機PMは、カードユニットCUに対して、遊技禁止応答のコマンドを返信する。
続いて、カードユニットCUは、ぱちんこ遊技機PMに対して、動作要求のコマンド(送信番号S=n+1)を送信する。これを受けて、ぱちんこ遊技機PMは、カードユニットCUに対して、球数関連情報として、持球数=1000、を含む、動作応答のレスポンス(受信番号R=n+1)を返信する。このときぱちんこ遊技機PMからカードユニットCUへ送信される持球数=1000が、遊技終了時の最終的な持球数となる。カードユニットCU側では、カードリーダライタ305によって、カード投入口302に挿入されているカードに持球数=1000を記録して、遊技者に対して返却する。
[夜間監視装置(1)]
次に、ぱちんこ遊技機PMに搭載された夜間監視装置60について図4及び図10等を参照して説明する。ここで、図10は、ぱちんこ遊技機PMにおける電源を供給の流れを示すブロック図である。
夜間監視装置60は、ぱちんこ遊技機PMに電源が供給されていない時間帯(主として夜間、店休日等の営業時間外が該当するが、以下では「夜間」と総称する)にバックアップ電源を生成する電源基板56と、夜間における前枠2及びガラス枠5の開放/閉鎖を検出する夜間監視スイッチ70と、夜間監視スイッチ70からの検出情報に基づき前枠2及びガラス枠5の開放状態を監視する夜間監視基板55と、夜間監視基板55からの夜間監視情報を中継して演出制御基板52及びカードユニットCUに送信する払出制御基板53と、夜間監視基板55からの夜間監視情報を履歴情報として保持する演出制御基板52と、を主体として構成される。
電源基板56は、島電源400から供給される電源(例えば、AC100Vの電源)を基に、各制御基板で使用される各種電源を生成している。島電源400には、各ぱちんこ遊技機PMに一括して電源を供給/遮断する島電源スイッチ401が設けられている。電源基板56は、島電源400からの1次電源を基に、DC24V、DC12V、DC5Vの電源(「通常電源」とも称する)を生成するメイン系電源回路56aと、DC5Vのバックアップ電源(VBB)を生成するバックアップ電源回路56bと、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電気・電子部品に必要な電源を供給する。
電源基板56には、ぱちんこ遊技機PMを起動/停止させるための台電源スイッチ56cが接続されており、台電源スイッチ56cのオン操作により、メイン系電源回路56aから各制御基板等へ通常電源が供給される。通常電源は、電源基板56、払出制御基板53、主制御基板51、演出制御基板52の間に設けられている電源線を通じて、払出制御基板53、この払出制御基板53を介して主制御基板51及び演出制御基板52へ供給される。一方、台電源スイッチ56cがオフ操作されると、バックアップ電源回路56bから、払出制御基板53、主制御基板51、夜間監視基板55及び夜間監視スイッチ70へバックアップ電源が供給される。なお、バックアップ電源は、島電源400からぱちんこ遊技機PMに電源が供給されているときに充電される構成となっている。
夜間監視スイッチ70は、前述した前枠開放検出器18及びガラス枠開放検出器19から構成されており、電源基板56からのメイン系電源56aの供給が絶たれた夜間に、バックアップ電源の供給によって、前枠2及びガラス枠5の開放/閉鎖を検出する。夜間監視スイッチ70は、前枠2又はガラス枠5が開放されたときにHighレベルの枠開閉検出信号を出力し、前枠2及びガラス枠5が閉鎖されたときにLowレベルの枠開閉検出信号を出力する。ここで、夜間監視スイッチ70(前枠開放検出器18、ガラス枠開放検出器19)としては、例えば、マイクロスイッチ、近接スイッチ、光電スイッチ等が適用される。なお、本実施形態では、夜間監視スイッチ70として外枠開放検出器18及びガラス枠開放検出器19を利用しているが、別途新たに夜間監視用の検出器を設けて構成してもよい。
夜間監視基板55は、制御中枢としてのCPU55a、このCPU55aの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM55b、CPU55aが取り扱うデータを一時的に記憶するRAM55c、時間を計測するためのRTC(Real Time Clock)55d、等を備え、払出制御基板53と双方向通信が可能なように接続されている。夜間監視基板55は、夜間監視スイッチ70からの枠開閉検出信号(Highレベル又はLowレベルの信号)に基づいて前枠2及びガラス枠5の開放を監視するための夜間監視制御回路を有している。
夜間監視基板55は、夜間監視スイッチ70からの枠開閉検出信号に基づいて、夜間において前枠2あるいはガラス枠5が開放された回数(「夜間開放回数」と称する)をカウントするとともに、RTC55dによって前枠2又はガラス枠5が夜間に開放された時刻(「夜間開放時刻」と称する)と、前枠2又はガラス枠5が夜間に開放されてから閉鎖されるまでの経過時間(「夜間開放時間」と称する)とを取得し、これらの夜間監視情報をRAM55cの夜間監視情報記憶領域に一時的に記憶する。具体的には、夜間監視基板55は、夜間監視スイッチ70から枠開閉検出信号(Highレベルの信号)を受信した回数に基づいて夜間開放回数をカウントする。また、夜間監視基板55は、Highレベルの枠開閉検出信号を受信した時刻情報(LowレベルからHighレベルに変化した時刻)とLowレベルの枠開閉検出信号を受信した時刻情報(HighレベルからLowレベルに変化した時刻)と、をRTC55dから取得することにより、前枠2又はガラス枠5の夜間開放時刻と夜間開放時間とを算出する。
夜間監視基板55は、ぱちんこ遊技機PMの電源起動時(すなわち、遊技店の営業開始前)に、RAMの夜間監視情報記憶領域に一時記憶された一晩分の夜間監視情報(夜間開放回数、夜間開放時刻、夜間開放時間)を、払出制御基板53を中継して、演出制御基板52に一括して出力する。このように情報を出力した後は、詳細後述するRAMクリア手段によって、夜間監視基板55のRAM55cの夜間監視情報記憶領域に記憶された情報をクリア(初期化)することができるため、夜間監視基板55においては、夜間開放の状況を履歴情報として長期間保持する場合と比して、記憶容量の小さい記憶回路を用いることができる。
払出制御基板53は、前述したように、CPU53a、ROM53b、RAM53c、等を備えている。払出制御基板53は、ぱちんこ遊技機PMの電源起動時に、夜間監視基板55から送信された夜間監視情報(夜間開放回数、夜間開放時刻、夜間開放時間)を演出制御基板52及びカードユニットCUに中継する。そのため、夜間監視情報は、ぱちんこ遊技機PM内だけでなく、カードユニットCU及びホールコンピュータHCにおいても管理可能である。
演出制御基板52は、前述したように、CPU52a、ROM52b、RAM52c、RTC52d、等を備えている。この演出制御基板52のRAM52bには、夜間データ履歴記憶領域が設けられており、ぱちんこ遊技機PMの電源起動時に夜間監視基板55から一括送信された夜間監視情報を、RAM52cの夜間データ履歴記憶領域に履歴情報として保存する。なお、RAM52cの記憶情報は、演出制御基板52上に実装された1次電池やコンデンサ等の蓄電池、リチウム電池等の二次電池、などによりバックアップされている。演出制御基板52は、RAM52bの夜間履歴記憶領域に記憶された夜間監視情報、つまり、夜間開放回数、夜間開放時刻及び夜間開放時間を、時系列データとして演出表示装置29に表示する。これにより、前枠2又はガラス枠5の夜間開放時刻及び夜間開放時間が判明することで、この夜間監視情報に基づき遊技施設のホール内に設置された監視カメラ(暗視カメラ)の映像による解析(不正行為の発見、不法侵入者の特定など)が容易となる。
ここで、ぱちんこ遊技機PMには、夜間監視基板55のRAM55cに記憶された情報をクリアするためのRAMクリア手段が設けられている。RAMクリア手段としては、電源投入時にRAMクリアスイッチ56dのみを操作することでRAM55cに記憶された情報を初期化する技術が一般的であるが、このRAMクリアスイッチが容易に操作可能であると、夜間に前枠2あるいはガラス枠5を開放して不正改造等を行った不正行為者によって夜間監視基板55のRAM55cに記憶された夜間監視情報が容易に消去されてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、このようなRAMクリアの悪用を防止するために、RAMクリア手段として、(1)入力デバイスの組み合わせ、(2)パスワード入力、(3)電源スイッチの使い分け、などの方式が採用される。
入力デバイスの組み合わせとしては、ぱちんこ遊技機PMに電源が投入されている状態で、ぱちんこ遊技機PMに設けられた複数の操作ボタンのうち、二つ以上の操作ボタンを同時に又は所定の操作順番で押圧操作することが挙げられる。例えば、ぱちんこ遊技機PM内に設けられたRAMクリアスイッチ56dと、操作部ユニット10に配置された演出ボタン12と、を同時に押圧操作することにより、夜間監視基板55に初期化信号が出力され、夜間監視基板55のRAM55cに記憶されている情報(一晩分の夜間監視情報)がクリア(初期化)される。
パスワードの入力方式としては、予め設定された正規のパスワードの入力操作などが挙げられる。例えば、操作部ユニット10に設けられたテンキー17により入力したパスワードが正規のパスワードであると認証された場合に、夜間監視基板55に初期化信号が出力され、夜間監視基板55のRAM55cに記憶されている情報(一晩分の夜間監視情報)がクリア(初期化)される。なお、操作部ユニット10の液晶表示部11をタッチパネル式にして、入力キーによって、数字、英文字、平仮名、カタカナ等からなるパスワードを入力するようにしてもよい。
電源スイッチの使い分けとしては、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時にオン操作された電源スイッチが、ぱちんこ遊技機PMの台電源スイッチ56cであるか、島電源400の島電源スイッチ401であるか、に基づき、夜間監視基板55のRAM55cに記憶された情報をクリアするか否かを使い分ける。例えば、島電源400の島電源スイッチ401が操作されて電源が投入された場合には、夜間監視基板55に初期化信号が出力され、夜間監視基板55のRAM55cに記憶されている情報(一晩分の夜間監視情報)がクリア(初期化)される。一方、台電源スイッチ56cが操作されて電源が投入された場合には、クリアされない。これは、不正行為者にとって、島電源400によって島一括(複数のぱちんこ遊技機)で電源を投入するよりも、台電源によって単体のぱちんこ遊技機PMに対して電源を投入する方が容易であるからである。ここで、ぱちんこ遊技機PMの電源オンが、島電源400又は台電源のどちらによるものなのかを区別する仕組みとしては、ぱちんこ遊技機PM(電源基板56)に設けられた台電源スイッチ56cのスイッチ変化を検出する手段、遊技島のコンセント(交流100V)へのぱちんこ遊技機PMの電源プラグの抜き差しを検出する手段、などが例示される。
次に、図11のフローチャートを参照しながら、第1実施形態に係るぱちんこ遊技機PMの夜間監視装置60における夜間監視処理の流れを説明する。ここで、図11は、夜間監視装置60において実行される夜間監視処理のフローチャートである。本実施形態では、夜間監視装置60は、ぱちんこ遊技機PMに電源が供給されない夜間等に前枠2あるいはガラス枠5が不正に開放状態となったか否かを監視して、夜間開放回数N、夜間開放時刻T1、夜間開放時間T2を取得する。
まず、ステップS101で、夜間監視基板55は、ぱちんこ遊技機PMの電源供給が遮断されているか、換言すれば、バックアップ電源が供給されているか否かを判定する。ステップS101でYesの場合、すなわち、ぱちんこ遊技機PMの電源供給が遮断されている場合には、ステップS102で、夜間監視基板55は、RAM55cのフラグ領域を参照して、後述の枠開放中フラグがオフであるか否かを判定する。ここで、枠開放中フラグとは、前枠2又はガラス枠5の開放状態が検出されたときにオンとなるフラグである。
ステップS102でYesの場合、ステップS103で、夜間監視基板55は、夜間監視スイッチ70からの枠開閉検出信号がHighレベルであるか否か(LowレベルからHighレベルに変化したか否か)、すなわち、前枠2あるいはガラス枠5が開放状態にあるか否かを判定する。ステップS103でYesの場合、すなわち、前枠2又はガラス枠5の開放状態が検出された場合には、ステップS104で、夜間監視基板55は、RAM55cのフラグ領域にアクセスして、枠開放中フラグをオンにする。
続いて、ステップS105で、夜間監視基板55は、夜間開放回数Nを1インクリメント(N=N+1)する。ステップS106で、夜間監視基板55は、RTC55dによって、Highレベルの枠開閉検出信号を受信した夜間開放時刻T1をN回目の開放記録としてRAM55cの夜間監視情報記憶領域に記憶する。ステップS107で、夜間監視基板55は、夜間開放時間T2のタイムカウントを開始する。ステップS108で、夜間監視基板55は、夜間監視スイッチ70からの枠開閉検出信号がLowレベルであるか否か(HighレベルからLowレベルに変化したか否か)、すなわち、前枠2あるいはガラス枠5が閉鎖状態にあるか否かを判定する。ステップS108でYesの場合、すなわち、前枠2又はガラス枠5の閉鎖状態が検出された場合には、ステップS109で、夜間監視基板55は、夜間開放時間T2のタイムカウントを終了する。ステップS110で、夜間監視基板55は、夜間開放時間T2をN回目の開放記録として夜間開放時刻T1と紐付きにしてRAM55cの夜間監視情報記憶領域に記憶する。ステップS111で、夜間監視基板55は、RAM55cのフラグ領域にアクセスして、枠開放中フラグをオフにする。ステップS112で、夜間監視基板55は、夜間開放時刻T1及び夜間開放時間T2のカウンタをゼロクリアする。ステップS113で、夜間監視基板55は、ぱちんこ遊技機PMに電源が供給されたか否か(換言すれば、バックアップ電源の供給が終了したか否か)を判定する。ステップS113でYesの場合、すなわち、ぱちんこ遊技機PMに電源が供給された場合には、ステップS114で、夜間監視基板55は、最終的な夜間開放回数Nを確定し、RAM55cの夜間監視情報記憶領域に記憶する。
ステップS115で、夜間監視基板55は、RAM55cの夜間監視情報記憶領域に一時記憶された夜間監視情報(夜間開放回数N、夜間開放時刻T1、夜間開放時間T2)を、払出制御基板53を介して、演出制御基板52へ送信する。ステップS116で、夜間監視基板55は、夜間開放回数Nをゼロクリアする。
なお、ステップS102でNoの場合にはステップS108に移行する。また、ステップS101、ステップS103、ステップS108及びステップS113でNoの場合にはステップS101の処理に移行する。
なお、ぱちんこ遊技機PMに電源が供給された営業時間内では、前枠開放検出器18及びガラス枠開放検出器19の枠開閉検出信号は払出制御基板53及びカードユニットCUを中継してホールコンピュータHCに送信され、ホールコンピュータHCによって前枠2及びガラス枠5の開放が監視される。
次に、第1実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMに搭載された夜間監視装置60の作用について、図12を追加参照して説明する。ここで、図12は、夜間監視装置60の作用を説明するためのタイミングチャートである。
まず、遊技店の営業時間が終了し、ぱちんこ遊技機PMへの電源供給が遮断されると、電源基板56のメイン系電源回路56aで生成される通常電源は、遮断直後は急激に低下するものの、その後はリニアに低下していき所定時間の経過後に0Vとなる。このようにメイン系電源56aがリニアに変化していく途中で所定の基準電圧に達すると、NMI信号(電断信号)が出力される。このとき、電源基板56のバックアップ電源回路56bからはバックアップ電源が生成されて、主制御基板51、払出制御基板53、夜間監視基板55及び夜間監視スイッチ70に供給される。なお、この電断時の時刻をPM11:30として、以降の説明をする。
ぱちんこ遊技機PMにバックアップ電源が供給される夜間においては、ぱちんこ遊技機PMの前枠2及びガラス枠5は閉鎖状態にあり、夜間監視スイッチ70(前枠開放検出器18及びガラス枠開放検出器19)から夜間監視基板55へは、Lowレベルの枠開閉検出信号が出力され続ける。
このとき、遊技店の営業終了後であっても、前枠2やガラス枠5を開放して、ぱちんこ遊技機PMの保守点検やメンテナンス等が実施される場合がある。特に、制御基板や電気・電子部品の交換・修理などが含まれる場合には、故障や感電を回避するために、電源を落とした状態で実施される場合が一般的である。このとき、遊技店の店員や遊技機製造メーカのサービスマンによって、ぱちんこ遊技機PMの前枠2あるいはガラス枠5が正規に開放されると、夜間監視スイッチ70の枠開閉検出信号がLowレベルからHighレベルに変化し、Highレベルの枠開閉検出信号が夜間監視基板55に入力される。夜間監視基板55は、このHighレベルの枠開閉検出信号の受信を契機として、夜間開放回数N=1をカウントするとともに、今回の夜間開放時刻T1=AM0:00をRTC55dから取得し、これらの夜間開放に関する情報をRAM55cの夜間監視情報記憶領域に保存する。
また、これと同時に、夜間監視基板55は、夜間開放時間のタイムカウントを開始する。夜間監視基板55は、夜間監視スイッチ70からHighレベルの枠開閉検出信号を受信している間(前枠2あるいはガラス枠5の開放状態が続く限り)、夜間開放時間T2のタイムカウントを継続する。夜間監視基板55は、夜間監視スイッチ70からの枠開閉検出信号がHighレベルからLowレベルに変化したときに、タイムカントを終了して、この計時した実時間「20分」を1回目の夜間開放時間T2としてRAM55cの記憶領域に保存する。
続いて、遊技店の店員全員が帰宅した後、この遊技店内に不正行為者が侵入し、ぱちんこ遊技機PMの前枠2あるいはガラス枠5が不正に開放されると、夜間監視スイッチ70の枠開閉検出信号がLowレベルからHighレベルに変化し、Highレベルの枠開閉検出信号が夜間監視基板55に入力される。夜間監視基板55は、このHighレベルの枠開閉検出信号の受信を契機として、夜間開放回数N=2にカウントアップするとともに、今回の夜間開放時刻T1=AM3:00をRTC55dから取得し、これらの夜間開放に関する情報をRAM55cの夜間監視情報記憶領域に保存する。
また、これと同時に、夜間監視基板55は、夜間開放時間T2のタイムカウントを開始する。夜間監視基板55は、夜間監視スイッチ70からHighレベルの枠開閉検出信号を受信している間(前枠2あるいはガラス枠5の開放状態が続く限り)、夜間開放時間T2のタイムカウントを継続する。夜間監視基板55は、夜間監視スイッチ70からの枠開閉検出信号がHighレベルからLowレベルに変化したときに、タイムカントを終了して、この計時した実時間「90分」を2回目の夜間開放時間T2としてRAM55cの夜間監視情報記憶領域に保存する。
そして夜が明けて、遊技店の開店前に、ぱちんこ遊技機PMに電源が供給されると、夜間監視基板55から夜間監視情報(夜間開放回数N=2、夜間開放時刻AM0:00,AM3:00、夜間開放時間20分,90分)が、払出制御基板53を介して演出制御基板52に送信される。演出制御基板52は、今回の夜間監視情報とともに、前日までの履歴情報を演出表示装置29の画面上に表示する。
これにより遊技店側では、複数回の夜間開放の事実を知ることになるが、夜間監視基板55によって検知された夜間開放回数、夜間開放時刻、夜間開放時間に基づき、店員等による正当な開放行為と、侵入者による不正な開放行為とを明確に区別して、該不正行為を早期に発見することが可能である。特に、夜間開放回数の特定のみでは、店員が自己行為に起因した前枠2あるいはガラス枠5の開放を見落とす可能性や、それとは逆に不正行為を自己の行為と勘違いしたりするおそれもあるが、夜間開放回数の他に夜間開放時刻と夜間開放時間までもが特定されるため、遊技店内に店員等が存在しない時間帯をあてはめたり、夜間開放時間の長短を考慮したりすることで、不正行為を確実に発見することができる。また、前枠2又はガラス枠5の夜間開放時刻及び夜間開放時間が判明することで、この開放情報に基づき遊技施設のホール内に設置された監視カメラ(暗視カメラ)の映像による解析が容易となり、不正行為の発見及び不法侵入者の特定をより確実なものとすることができる。
以上、第1実施形態に係るぱちんこ遊技機PMでは、夜間監視スイッチ70からの枠開閉検出信号に基づき、電源遮断時に前枠2等又はガラス枠5が開放された回数情報と前枠2又はガラス枠5が開放状態となったときの時間情報を取得する構成であるため、前枠2又はガラス枠5が開放されたときの状況を回数情報と時間情報との両面から究明することで、夜間において前扉102又はガラス枠5の開放があった場合でも、この開放行為が店員等による正当なものであるか、侵入者による不正なものであるのかを明確に判別して、該不正行為を早期に発見することが可能である。
なお、上述の実施形態では、夜間監視基板55を、CPU55a及びRTC55d等を用いた論理演算回路として構成しているが、これに限定されるものではなく、時間をラッチするタイマー回路(例えば、パルスカウンターやCRタイマー)を用いて、CPUを持たない論理演算回路として構成することも可能である。このタイマー回路では、前枠2あるいはガラス枠5が開放されてからの経過時間を開放時間として計測保持することができるため、最終的には演出制御基板52によって現在時刻から判断して、夜間開放時刻、夜間開放時間を取得することができる。なお、このタイマー回路では、複数回の夜間開放があった場合に最後の開放時間を計測保持することになるが、遊技店に侵入して行われる不正行為は時間の遅い深夜帯に発生することが予測されるため、最後の開放行為さえ検知できれば、夜間監視装置としての機能を発揮し得る。
また、演出制御基板52のRAM52cに、営業終了後の夜間において前枠2及びガラス枠5の開放が禁止される禁止時間帯(例えばAM0時〜AM5時)を設定するための開放禁止時間設定領域を設けて構成してもよい。この構成によれば、例えば、予め設定された禁止時間帯に該当しなければ、営業時間外の夜間(例えば、PM11時頃)であっても、ぱちんこ遊技機PMの保守点検・修理等のために、遊技施設の店員が前枠2及びガラス枠5を開放したとしても、店員等による正当な開放行為とみなして、その夜間監視情報を履歴情報から削除したり、他の履歴情報と区別して表示したりすることもでき、店員による正当な開放行為と、不正行為者による不正な開放行為と、を明確に区別できるようになるという効果を奏することができる。
<スロットマシン>
次に、第2実施形態に係る遊技機として、スロットマシンSMの正面図を図13に示しており、まず、この図13を参照しながらスロットマシンSMの全体構成について概要説明する。
[スロットマシンの全体構成]
スロットマシンSMには、これに隣接してカードユニットCUが併設されている。カードユニットCUは、スロットマシンSMと双方向通信可能に構成されており、プリペイドカードや会員カード(以下、単に「カード」とも称する)を受け付けて、該カードの記録情報により特定される遊技者保有の有価価値(カード残高)を遊技に使用可能な持点に変換して、遊技を行い得るようになっている。カードユニットCUには、現金たる紙幣を投入するための紙幣投入口302、会員カードやプリペイドカードを投入するためのカード投入口303、投入されたカード情報や持球数情報を表示する表示器304、投入されたカードの読み取り・書き込み機能を有するカードリーダライタ305、などが設けられている。
ここで、プリペイドカードとは、一般の遊技者(会員未登録)に対して発行されるICカードであり、購入金額に応じた有価価値(カード残高)が記録情報として記録されている。会員カードとは、貯メダルシステムを利用可能な会員登録済の遊技者に対して発行されるICカードであり、購入金額に応じた有価価値(カード残高)とともに、遊技で獲得した持点が記録情報として累積的に記録されている。
スロットマシンSMは、前面側が矩形状に開口した略直方体箱状の本体筐体101と、本体筐体101の正面左側端部にスライドヒンジ(図示せず)を介して開閉揺動自在に取り付けられた前扉102と、を備えて構成される。
本体筐体101は、上部の天板、左右の側板、下部の底板、背面の背板によって構成されており、本体筐体101の前面側に形成される矩形状開口の内周縁において前扉102と接触する部分には、本体筐体101に対して前扉102が開放されているか否かを検出するための前扉開放検出器118が設けられている。
前扉102の上部には、その裏面側に取り付けられた演出表示装置129の表示画面が前方に臨むように配置されており、その周辺部には遊技の展開状況に応じて発光する演出ランプ106や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ107などが設けられる。
前扉102の前面中央には本体筐体101内に横並びに配設された3個のリール103a,103b,103cの表面が臨む表示窓Wが設けられている。この表示窓Wの下方には、遊技に供するメダル1枚分に相当する持点=1をゲームに賭ける際に操作される1−BETスイッチ121、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(持点=2又は持点=3)をゲームに賭ける際に操作されるMAX−BETスイッチ122、全リール103a,103b,103cを一斉に回転させてゲームを開始させるためのスタートレバー123、各リール103a,103b,103cの回転を個別に停止させるための横並び3個のストップスイッチ124a,124,124c、等の操作手段が設けられている。なお、1−BETスイッチ121及びMAX−BETスイッチ122には、スイッチを操作して賭数を設定可能な状態にある場合に点灯し、賭数を設定不能な状態にある場合に消灯するランプが内蔵されている。
表示窓Wは、3個のリール103a,103b,103cが全て停止した際に、リール毎に3個の図柄、合計9コの図柄が遊技者から視認可能に表示されるように構成されている。また、表示窓Wには、表示窓W内における左中段、中央中段及び右中段の各図柄表示領域を横一直線に結ぶ1本の入賞ライン104が表示可能に設けられている。この入賞ライン104は、規定枚数に相当する持点がベットされることにより有効化される。
各リール103a,103b,103cは、それぞれステッピングモータ131(図14を参照)の駆動によって回転するように構成されている。また、各リール103a,103b,103cは、透光性を有する部材により構成されており、その外周面には複数種類の図柄が表示された、透光性を有するリールテープが貼着されている。また、各リール103a,103b,103cの内面側には、バックランプ(図示せず)が配設されており、このバックランプを点灯させることにより、表示窓Wに臨む各リール103a,103b,103cの領域を内面側から全体的に照明したり、各リール103a,103b,103c上に停止表示された所定の図柄組合せ(例えば、入賞位置としての有効ライン104上や、有効ライン104上とは異なる位置に並んだ遊技役の対応図柄等)を目立たせるように、各リール103a,103b,103cの一部領域のみを照明したりするように構成されている。
前扉102の前面側下部には、3個のストップスイッチ124a,124,124cの下方に位置して、複数の操作ボタンを有するとともに各種情報等を表示するための操作部ユニット110が設けられている。操作部ユニット110には、投入されたカードに記録されているカード情報(遊技に供する持点に変換可能なカード残高、遊技の結果獲得し再プレイ可能な持点数)や、現在遊技中に獲得した持点の情報、スロットマシンSMの遊技状況を示す遊技情報、等の遊技に関するデータ表示とともに、開店時間、閉店時間、定休日、イベント開催のお知らせ等のガイダンス用の情報等を表示するための液晶表示部111が設けられるとともに、カード残高を限度として持点の貸出動作を要求するための貸出ボタン113、カードに記録された貯メダル(前回までの遊技で獲得した持点数)を使用して再遊技を実施するための再プレイボタン114、カードユニットCUにカードの返却動作を要求するための返却ボタン115、液晶表示部111に表示される情報を切り替える画面切替ボタン116、各種設定値を入力可能なテンキー117、等の押圧操作が可能な操作ボタンが配列されている。なお、これらの操作ボタンを液晶表示部111におけるタッチパネル式として構成してもよい。
なお、図13では図示省略しているが(代わりに図14を参照のこと)、本体筐体101内には、スロットマシンSMの作動を統括的に制御する主制御基板151、遊技の展開状況に応じた遊技演出の制御を行う副制御基板152、持点に関する情報の管理を司る払出制御基板153、操作部ユニット110の動作に関する制御を司る操作部接続基板154、夜間における前扉102の開放を監視する夜間監視基板155、遊技施設側の島電源から受電して各制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板156などが設けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、不正防止構造(カシメ構造及び封印構造)を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で本体筐体101の所定位置にそれぞれ配設されており、これらの制御基板とスロットマシンSM各部の電気・電子部品がコネクタケーブルで接続されてスロットマシンSMが作動可能に構成されている。
[スロットマシンの基本動作]
以上のように構成されるスロットマシンSMにおいて遊技を行うため、遊技者の所有するカードがカードユニットCUのカード投入口302に投入されると、その記録情報がカードリーダライタ305によって読み取られて、操作部ユニット110の液晶表示部111にカード残高が表示され、この残高を限度として遊技者の要求する持点数が貸出ボタン113の操作回数に応じて設定される。こうして貸出ボタン113が操作されると、該要求された持点が数値として液晶表示部111に表示される(これに応じた持点が遊技者に対して貸し出される)。そして、1−BETスイッチ121又はMAX−BETスイッチ122の何れかを操作して遊技者の所有する総持点の範囲内でメダル規定枚数に相当する持点を賭数として設定することで、入賞ライン104を有効化する。
ここで、1−BETスイッチ121を操作した場合には賭数として持点=1が設定され、MAX−BETスイッチ122を操作した場合には遊技状態に応じて賭数が変更される。例えば、通常の遊技状態(例えば、非RT遊技状態)や、再遊技(リプレイ)の確率が高まる遊技状態(例えば、RT遊技状態)では賭数として持点=3が設定され、遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば、BB遊技状態)中は賭数として持点=1が設定される。
続いて、遊技者がスタートレバー123を操作すると、後述する役決定処理が行われ、その後、各リール103a,103b,103cが回転を開始し、リール103a,103b,103cの外周表面に表示された複数種類の図柄が表示窓W内を上下に(通常、上から下へ)移動表示される。そして、リール103a,103b,103cの回転が所定の速度に達すると各ストップスイッチ124a,124b,124cが有効化され、遊技者がストップスイッチ124a,124b,124cを操作すると、対応するリール103a,103b,103cの回転がそれぞれ停止する。
ここで、有効ライン104上に停止表示された図柄組合せが予め設定された入賞態様(持点を獲得することができる遊技役の対応図柄)となっている場合には、各入賞態様に応じて定められた持点がクレジットとして加算される。ここで、役としては、例えば、特別役、小役、及びリプレイが挙げられる。特別役とは、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。特別役に入賞すると、持点の加算はないが、次遊技から特別遊技(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、シングルボーナス)に移行する。特別遊技は、特定の役(例えば、特定の小役)が高確率で当選・入賞する遊技状態であり、出玉率が1を超えるように設定されていることで、遊技者にとって有利な遊技状態である。また、小役とは、予め設定されたメダル枚数に相当する持点が加算される役であり、例えば、小役1、小役2及び小役3を備えており、各小役ごとに図柄の組合わが異なるよう設定されている。さらに、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で設定した賭数を維持した再遊技が行えるようにした役である。このように、リール103a,103b,103cの停止時に有効ライン104上に停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組み合わせと一致して当該役の入賞となった場合、その入賞役に応じた点数が持点総数に加算される。一方、リプレイの入賞時には、持点が加算されることなく、当該遊技で設定された賭数を維持したまま再遊技が行われる。
ここで、操作部ユニット110の液晶表示部111においては、遊技者の持点が遊技の展開状況に応じて加減算されながら変動表示され、スロットマシンSMの正面側から遊技者がいつでも現在の持点を視覚的に確認できるようになっている。このようなスロットゲームにおいて、持点は遊技の展開状況に応じて変動されるが、持点が「0」に至るまで、あるいは遊技者によって操作部ユニット110上の返却ボタン115が操作されるまでは、遊技を続行することが可能である。なお、返却ボタン115が操作されると、カード投入口302に投入されているカードに、遊技終了時(返却要求時)に確定した最終的な持点が記憶され、このカード投入口302から排出される。
[電気的構成]
次に、カードユニットCU及びスロットマシンSMの電気的な概要構成を説明する。
カードユニットCUには、制御中枢としてのCPU301a、このCPU301aの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM301b、CPU301aが取り扱うデータを一時的に記憶するRAM301c、等を有するメイン基板301が設けられている。このメイン基板301には、ホールコンピュータHC等と通信を行うとともに、スロットマシンSMとの通信を行うための通信制御回路が設けられている。また、カードユニットCUには、前述の紙幣投入口302、カード投入口303、表示器304、カードリーダライタ405の他に、紙幣投入口302に挿入された紙幣の真贋や紙幣の券種を識別するための紙幣識別器306が設けられている。
一方、スロットマシンSMには、前述したように、該スロットマシンSMの作動を制御するための、主制御基板151、副制御基板152、払出制御基板153、操作部接続基板154、夜間監視基板155、電源基板156、などが搭載されている。なお、夜間監視基板155及び電源基板156については詳細後述することとする。
主制御基板151は、制御中枢としてのCPU151a、このCPU151aの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM151b、CPU151aが取り扱うデータ(例えば、遊技中に発生する各種データやROMから読み出されたコンピュータプログラム等)を一時的に記憶するRAM151c等を備えており、ROM151bに記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシンSMにおける遊技に関する主たる制御が行われるように構成されている。
主制御基板151は、スタートレバー123が傾動操作されたことを契機として予め設定された役決定確率に基づき複数の役決定結果の中から少なくとも1つの役決定結果を選出する役決定処理を行うための役決定回路、上記役決定処理により役決定結果が選出された後にリール103a,103b,103cを一斉に回転させるとともにストップスイッチ124a,124b,124cからの操作入力があった際に対応する各リール103a,103b,103cを順次回転停止させるためのリール制御回路、所定の条件を満足することを契機として再遊技(リプレイ)の当選確率が異なる、非RT遊技状態、RT状態、BB遊技状態の間で遊技状態を移行させるための遊技状態制御回路、遊技者によるBET操作により設定された賭数が規定数に達したか否かを判定するためのBET管理回路、リール103a,103b,103cにより停止表示された図柄がどの図柄であるかを判定するととも有効ライン104上に停止表示された図柄の組合せから遊技役が成立しているかどうかを判定するための停止表示図柄判定手段、主制御基板151側で実行される処理に関する各種遊技情報(フラグを含む)を一時記憶するための遊技関連情報一時記憶回路、副制御基板152及び払出制御基板153等とのコマンド及び各種情報の送受信を実行するための通信制御回路、等を有している。
主制御基板151には、1−BETスイッチ121、MAX−BETスイッチ122、スタートレバー123、ストップスイッチ124a,124b,124c等の操作手段の他に、各リール103a,103b,103cを回転駆動するためのステッピングモータ125、リール103a,103b,103cの回転位置(現在どの図柄を表示しているのか)を検出するためのリールセンサ126、役決定確率等の設定を行うための設定変更スイッチ127、等のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。
主制御基板151は、主制御基板151から副制御基板152へ一方向通信可能なように接続されており、副制御基板152に対して、遊技に関する各種のコマンドを送信する。例えば、役決定処理において選出された役決定結果(小役、再遊技役、特別役等の選出に係る役決定結果)を通知する役決定結果コマンド、各リール103a,103b,103cが回転を開始したことを通知するリール回転開始コマンド、各々のリール103a,103b,103cの回転が停止したことを通知するリール停止コマンド、入賞の発生に基づき加算すべき持点数を通知する(持点の加算がない場合は0であることを通知する)クレジットコマンド、停止表示された図柄組合せ(出目)の種類や入賞役を通知する停止表示図柄コマンド、等がある。
主制御基板151は、払出制御基板153と双方向通信可能となるように接続されており、払出制御基板153に対して、接続確認信号、入賞検出情報、賭数設定情報、エラー情報、を送信する。ここで、接続確認信号は、主制御基板151と払出制御基板153とが正常に接続されていることを確認(例えば、断線やコネクタ抜けがないかを確認)するための信号である。この接続確認信号は、例えば接地信号や、VCCのような一定の信号であり、主制御基板151及び払出制御基板153で当該信号を検知することで、互いに相手方が接続されていることを確認する。入賞検出情報とは、入賞役が成立した入賞検出時に送信される情報である。この入賞検出情報には、該入賞の発生に基づき加算すべき持点数を示す情報が含まれる。賭数設定情報とは、リール103a,103b,103cの回転開始が検出されたときに送信される情報である。この賭数設定情報には、遊技者による賭数設定(BET操作)に応じた減算すべき持点数を示す情報が含まれる。エラー情報とは、異常入賞、前扉開放、等のエラーが発生した場合に、その旨を払出制御基板153へ通知するための情報である。
副制御基板152は、制御中枢としてのCPU152a、このCPU152aの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM152b、CPU152aが取り扱うデータを一時的に記憶するRAM152c、時間を計測するためのRTC(Real Time Clock)152d、等を備えており、ROM152bに記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシンSMにおける演出に関する制御が行われるように構成されている。
副制御基板152は、主制御基板151側からのコマンド等に基づき演出表示装置129上で演出表示制御を行うための演出表示制御回路、演出ランプ106による効果照明の制御を行うためのランプ制御回路、スピーカ107による効果音発生等の制御を行うためのスピーカ制御回路と、副制御基板152側で実行される処理に関する演出一般の情報(フラグを含む)を一時記憶するための演出関連情報一時記憶回路と、主制御基板151及び払出制御基板153からのコマンドや各種情報を受信するための通信制御回路、等を有している。
払出制御基板153は、制御中枢としてのCPU153a、このCPU153aの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM153b、CPU153aが取り扱うデータを一時的に記憶するRAM153c、等を備えており、ROM153bに記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシンSMにおける持点管理に関する制御が行われるように構成されている。
払出制御基板153は、カードユニットCUからの貸出情報や主制御基板151からの入賞検出情報及び賭数設定情報等に基づき持点数を算出する演算処理として持点管理処理を実行するための持点制御回路、払出制御基板153側で実行される処理に関する情報(フラグを含む)を一時記憶するための払出関連情報一時記憶回路と、カードユニットCUや各制御基板(主制御基板151、副制御基板152、夜間監視基板155等)とのコマンドや各種情報を送受信するための通信制御回路、等を有している。
払出制御基板153は、持点数管理処理として、主制御基板151からの上記入賞検出情報が入力されると入賞役に対応した点数を持点数に加算し、主制御基板151からの上記賭数設定情報が入力されると賭数(BET数)に応じた点数を持点数から減算し、持点数の変動を算出して現在の持点数を更新記憶している。
払出制御基板153は、前扉開放検出器118(後述する夜間監視スイッチ170としても機能する)と電気的に接続されており、前扉開放検出器118からの扉開閉検出信号を受信する。なお、この前扉開放検出器118からの検出情報は、カードユニットCUを介してホールコンピュータHCに送信される。
払出制御基板153から主制御基板151へは、定期的にヘルスチェックコマンドが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板151が正常に動作していることをチェックするためのコマンドであり、このコマンドを受けて主制御基板151からの応答信号が途絶えると、主制御基板151に異常が発生したと判断されるものである。
払出制御基板153から副制御基板152へは、操作コマンド及びテストコマンドが送信される。操作コマンドは、操作部ユニット110の各操作ボタンが操作されたことを通知するためのコマンドであり、テストコマンドは、演出表示装置129の演出表示動作をテストするためのコマンドである。
また、払出制御基板153の通信制御回路とカードユニットCUの通信制御回路とは電気的に接続されており、ぱちんこ遊技機PMとカードユニットCUとの間で、各種のコマンド/レスポンスの送受信が実行される。
操作部接続基板154は、制御中枢としてのCPU154a、このCPU154aの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM154b、CPU154aが取り扱うデータを一時的に記憶するRAM154c、等を備え、払出制御基板153と双方向通信可能となるように接続されている。この操作部接続基板154は、操作部ユニット110と電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。操作部接続基板154は、操作部ユニット110における操作ボタンの入力信号を処理する操作信号処理回路、操作部ユニット110における液晶表示部111の画像表示を制御する画像表示制御回路、操作部接続基板154側で実行される処理に関する情報を一時記憶するための操作関連情報一時記憶回路と、払出制御基板153とのコマンドや各種情報を送受信するための通信制御回路、等を有している。
[カードユニット/スロットマシン間の通信]
次に、カードユニットCUとスロットマシンSMとの間で送受信されるコマンド/レスポンスの概要を説明する。本実施形態では、カードユニットCUとスロットマシンSMとの間でコマンド/レスポンスの送受信を行い、カードユニットCUとスロットマシンSMとの双方において、各種情報(持点関連情報、入賞関連情報、遊技機状態情報)を共有管理している。また、カードユニットCUは、スロットマシンSMからの各種情報をホールコンピュータHCに外部情報として送信可能であり、ホールコンピュータHC側でも、持点数関連情報、入賞関連情報、遊技機状態情報を管理可能としている。
まず、カードユニットCUからスロットマシンSMへコマンドが送信されると、そのコマンドに応答して、スロットマシンSMからカードユニットCUへレスポンスが送信される。このレスポンスを受信して、カードユニットCUからスロットマシンSMへ次のコマンドが送信されると、そのコマンドに応答して、スロットマシンSMからカードユニットCUへレスポンスが送信される。このようにカードユニットCUとスロットマシンSMとの間ではコマンド/レスポンスの送受信が繰り返されることになるが、カードユニットCUからは例えば200msの間隔でコマンドが送信され、スロットマシンSMからも例えば200msの間隔でレスポンスが返信される。
他方、スロットマシンSM側においては、前の遊技と次の遊技との間隔が最小遊技時間(例えば4.1秒)以上となるようにリールの作動が制御されている。そのため、本実施形態では、1ゲームの間に複数のコマンド/レスポンスの送受信が実行されることとなる。ここで、詳細後述するが、スロットマシンSMからカードユニットCUへ送信されるレスポンスには、持点数関連情報として持点数、加算数、減算数などの情報が含まれているため、スロットマシンSM側での持点の変動を細やかにカードユニットCU側へ通知して、スロットマシンSM及びカードユニットCUの双方で持点数を逐次更新して管理することが可能である。
本実施形態において、カードユニットCUとスロットマシンSMとの間で送受信されるコマンド/レスポンスの態様としては、(1)認証要求/認証応答、(2)遊技許可・禁止要求/遊技許可・禁止応答、(3)遊技情報要求/遊技情報応答、などがある。
(認証要求/認証応答)
まず、カードユニットCUからスロットマシンSMに対して認証要求のコマンドが送信される。認証要求のコマンドは、カードユニットCUからスロットマシンSMに対して、正規な遊技機の判定及び通信データの整合性を確認するための認証を要求するものである。
これに対して、スロットマシンSMからカードユニットCUに対して認証応答のレスポンスが送信される。認証応答のレスポンスは、スロットマシンSMからカードユニットCUに対して、主制御基板151のCPU151a及び払出制御基板153のCPU153aに記憶された固有のID情報を送信して、認証要求の受理を通知するものである。
(遊技許可・禁止要求/遊技許可・禁止応答)
まず、カードユニットCUからスロットマシンSMに対して遊技許可要求(遊技禁止要求)のコマンドが送信される。遊技許可要求のコマンドは、カードユニットCUからスロットマシンSMに対し、遊技の許可を要求する旨のコマンドである。他方、遊技禁止要求のコマンドは、カードユニットCUからスロットマシンSMに対し、遊技の禁止を要求する旨のコマンドである。これに対して、スロットマシンSMからカードユニットCUに対して遊技許可応答(遊技禁止応答)のレスポンスが送信される。遊技許可応答のレスポンスは、スロットマシンSMからカードユニットCUに対して、遊技許可要求の受理を通知するものである。他方、遊技禁止応答のレスポンスは、スロットマシンSMからカードユニットCUに対して、遊技禁止要求の受理を通知するものである。
(遊技情報要求/遊技情報応答)
まず、カードユニットCUからスロットマシンSMに対して、動作要求のコマンドが送信される。動作要求のコマンドは、カードユニットCUからスロットマシンSMに対して、該遊技の状態を確認するための遊技情報の送信を要求するものである。これに対して、スロットマシンSMからカードユニットCUに対して、動作応答のレスポンスが送信される。動作応答のレスポンスは、スロットマシンSMからカードユニットCUに対して、該遊技機の遊技機情報を送信して動作要求の受理を通知するものである。
ここで、スロットマシンSMから送信される遊技機情報としては、持点情報、入賞関連情報、遊技機状態情報、夜間監視情報、に大別される。持点関連情報としては、現在遊技中に獲得した持点数、球貸し及び入賞役の成立に基づき加算される加算数、BET操作による賭数の設定に基づき減算される減算数、BET操作回数、スタート操作回数、カード残高、などの情報がある。入賞関連情報としては、ビッグボーナス発生、レギュラーボーナス発生、シングルボーナス発生、RT(リプレイタイム)状態、ART(アシストリプレイタイム)状態への移行、などの情報がある。遊技機状態情報としては、セキュリティ(不正行為の検出)、前扉の開放、遊技機の異常、などの情報がある。夜間監視情報としては、詳細後述するが、前扉の夜間開放回数、夜間開放時刻、夜間開放時間、などの情報がある。
なお、カードユニットCU及びスロットマシンSMは、現時点での遊技者の保有する持点数(持点総数)を記録するための持点数カウンタ307,153dをそれぞれ有しており、カードユニットCUは、スロットマシンSMから遊技情報応答のレスポンスを受信する毎に、カードユニットCU側に記録される持点数カウンタ307の数値(持点数)と、スロットマシンSM側に記録される持点数カウンタ153dの数値(持点数)と、を照合して、一致するか否かの判定を行う。カードユニットCUは、この判定の結果、一致する場合には通常通りに遊技情報要求のコマンドをスロットマシンSMに対して送信し、一致しない場合にはホールコンピュータに対してエラー信号を送信してエラー報知を実行する。
(電源起動時の処理)
次に、カードユニットCUとスロットマシンSMとの間で送受信されるコマンド/レスポンスを用いた具体的な処理として、電源起動時の処理を説明する。ここで、図15はカードユニットCUとスロットマシンSMとの間の電源起動時の処理を示す図である。この処理は、カードユニットCUとスロットマシンSMとの間の通信が正常に終了して電源が立ち下げられた後、再び電源が立ち上げられてカードユニットCUとスロットマシンSMとの間の通信が開始される場合に実行される(例えば営業開始時や遊技機の点検時)。
まず、電源起動時において、カードユニットCUからスロットマシンSMに対して、認証要求のコマンドが送信される。これを受けて、スロットマシンSMからカードユニットCUに対して、認証応答のレスポンスが送信される。該レスポンスには、スロットマシンSMにおける主制御基板151のCPU151aと払出制御基板153のCPU153aとに記憶された固有のID情報が含まれる。例えば、このID情報は、カードユニットCUの通信網を経由して、遊技店の事務所室内に設置されたホールコンピュータHCに送られ、ホールコンピュータHCに登録されたID情報と照合されて正規な遊技機であるか否かの真偽が判定される。ID情報の認証が失敗した場合には、スロットマシンSMは動作することなく、ホールコンピュータHCからその情報がカードユニットCUへ出力される。一方、ID情報の認証が成功した場合には、スロットマシンSMの動作が許容される(以下、ID情報の認証が成功したものとして説明する)。
続いて、ID情報の認証成功に伴い、カードユニットCUからスロットマシンSMに対して、遊技許可要求のコマンドが送信される。これを受けて、スロットマシンSMからカードユニットCUに対して、遊技許可応答のレスポンスを返信する。
続いて、カードユニットCUとスロットマシンSMとの間で、遊技情報要求(コマンド)/遊技情報応答(レスポンス)の送受信がされる。ここで、カードユニットCUは、スロットマシンSMに対して、遊技情報要求のコマンドを送信する毎に、送信番号S(Sending)を1ずつインクリメントする。これに対して、スロットマシンSMは、カードユニットCUに対して、遊技情報応答のレスポンスを返信する度に、受信番号R(Receiving)を1ずつインクリメントする。
カードユニットCUは、スロットマシンSMに対して、遊技情報要求のコマンド(送信番号S=1)を送信する。これを受けて、スロットマシンSMは、持点数関連情報として、持球数、加算数、減算数、の各カウント値に、初期値0をセットする。スロットマシンSMは、カードユニットCUに対して、持点数関連情報として持点数=0、加算数=0、減算数=0、遊技機状態情報として遊技停止状態、夜間監視情報として夜間開放回数、夜間開放時刻、夜間開放時間、の情報を含む、遊技情報応答のレスポンス(受信番号R=1)を返信する。
カードユニットCUは、スロットマシンSMから送信されたレスポンス(受信番号R=1)に含まれる各種情報に基づき、現在の遊技球数情報、入賞関連情報、遊技状態情報、をバックアップする。これにより、カードユニットCU及びスロットマシンSMの起動処理が完了する。
(持点の貸出しの処理)
次に、カードユニットCUとスロットマシンSMとの間で送受信されるコマンド/レスポンスを用いた具体的な処理として、持点の貸出しの処理を説明する。ここで、図16はカードユニットCUとスロットマシンSMとの間の貸出しの処理を示す図である。本例では、カードに記録されているカード残高が「5000(円)」で、現時点における持点数が「0」とする。
まず、カードユニットCUは、スロットマシンSMに対して、遊技情報要求のコマンド(送信番号S=n)を送信する。ここで、スロットマシンSM側で、貸出ボタン113が1回だけ押圧操作される。これを受けて、スロットマシンSMは、カードユニットCUに対して、持点数関連情報として、持点数=0、加算数=0、減算数=0、貸出操作回数=1、を含む、遊技情報応答のレスポンス(受信番号R=n)を返信する。
カードユニットCUは、スロットマシンSMに対して、持点の加算要求内容を含む、遊技情報要求のコマンド(送信番号S=n+1)を送信する。カードユニットCUからの加算要求を受けて、スロットマシンSMは、現在の持球数=0に、1回の貸出操作に対応する500円分の25点を加算し、持点数を「25」に更新する。現在のカード残高の5000円から、1回の貸出操作に対応する500円分を減算して、カード残高を4500円に更新する。
そして、スロットマシンSMは、カードユニットCUに対して、持点数=25、加算数=25、減算数=0、カード残高=4500、貸出操作数=0、を含む、遊技情報応答のレスポンス(受信番号S=n+1)を返信する。カードユニットCUは、持点数=25、カード残高=4500、をバックアップする。
(再遊技の処理)
次に、カードユニットCUとスロットマシンSMとの間で送受信されるコマンド/レスポンスを用いた具体的な処理として、再遊技の処理を説明する。ここで、図17はカードユニットCUとスロットマシンSMとの間の再遊技の処理を示す図である。本例では、カードに記録されている貯メダル数(持点数)が「500」で、現時点における持点数が「0」とする。
まず、カードユニットCUは、スロットマシンSMに対して、遊技情報要求のコマンド(送信番号S=n)を送信する。ここで、スロットマシンSM側で、再プレイボタン114が1回だけ押圧操作される。これを受けて、スロットマシンSMは、カードユニットCUに対して、持点数関連情報として、持点数=0、加算球数=0、減算球数=0、再プレイ操作回数=1、を含む、遊技情報応答のレスポンス(受信番号R=n)を返信する。
カードユニットCUは、スロットマシンSMに対して、貯メダル数の加算要求内容を含む、遊技情報要求のコマンド(送信番号S=n+1)を送信する。カードユニットCUからの加算要求を受けて、スロットマシンSMは、現在の持点数=0に、1回の再プレイ操作に対応する「25」を加算し、持点数を「25」に更新する。また、現在の貯メダル数「500」から、1回の再プレイ操作に対応する「25」を減算して、持点数を「475」に更新する。そして、スロットマシンSMは、カードユニットCUに対して、持点数=25、加算数=25、減算数=0、貯球数=475、再プレイ操作回数=0、を含む、遊技情報応答のレスポンス(受信番号R=n+1)を返信する。カードユニットCUは、持点数=25、貯メダル数=475、をバックアップする。
(持点数の加減算の処理)
次に、カードユニットCUとスロットマシンSMとの間で送受信されるコマンド/レスポンスを用いた具体的な処理として、遊技中における持点数の加減算の処理を説明する。ここで、図18はカードユニットCUとスロットマシンSMとの間の持点数の加減算の処理を示す図である。本例では、遊技中において現時点で遊技者が保有する持点数を「100」とする。
まず、カードユニットCUは、スロットマシンSMに対して、動作要求のコマンド(送信番号S=n)を送信する。これを受けて、スロットマシンSMは、カードユニットCUに対して、持点数関連情報として、持点数=100、加算数=0、減算数=0、を含む、動作応答のレスポンス(受信番号R=n)を返信する。なお、カードユニットCU側では、スロットマシンSMからのレスポンスを受け取る度に、持点数、減算数、加算数、等の情報を更新してバックアップする。
続いて、カードユニットCUは、スロットマシンSMに対して、動作要求のコマンド(送信番号S=n+1)を送信する。ここで、スロットマシンSM側で、MAX−BETスイッチ122が操作されて賭数=3が設定されると、減算数として「3」が持点から減算される(そのため、持点数=100−3=97となる)。これにより、スロットマシンSMは、カードユニットCUに対して、持点数関連情報として、持点数=97、加算数=0、減算数=3を含む、動作応答のレスポンス(受信番号R=n+1)を返信する。これを受けて、カードユニットCUは、持点数等の持点数関連情報を更新してバックアップする。
続いて、カードユニットCUは、スロットマシンSMに対して、動作要求のコマンド(送信番号S=n+N)を送信する。ここで、スロットマシンSM側で、前述の賭数3が設定されたゲームが開始されて、小役が成立した(例えば、有効ライン104上に「スイカ」の図柄が揃った)場合、加算数として「15」が持点に加算される(そのため、持点数=97+15=113となる)。スロットマシンSMは、カードユニットCUに対して、持点数=113、加算数=15、減算数=0、を含む、動作応答のレスポンス(受信番号R=n+N)を返信する。これを受けて、カードユニットCUは、持点数等の持点数関連情報を更新してバックアップする。
(カード返却の処理)
次に、カードユニットCUとスロットマシンSMとの間で送受信されるコマンド/レスポンスを用いた具体的な処理として、返却ボタン115の操作があった場合のカード返却の処理を説明する。ここで、図19はカードユニットCUとスロットマシンSMとの間のカード返却の処理を示す図である。
まず、カードユニットCUは、スロットマシンSMに対して、動作要求のコマンド(送信番号S=n)を送信する。ここで、スロットマシンSM側で、返却ボタン115が押圧操作される。これを受けて、スロットマシンSMは、カードユニットCUに対して、返却操作有りの情報を含む、動作応答のレスポンス(受信番号R=n)を返信する。
カードユニットCUは、スロットマシンSMに対して、遊技を禁止させるための遊技禁止要求のコマンドを送信する。これを受けて、スロットマシンSM側では、遊技禁止要求のコマンドを受信した段階で既にゲームを開始していたときに、持点数が確定する前にカードの返却動作が実行されないように、確定必要時間(例えば10秒)だけ待機する。ここで、この確定必要時間が経過した時点での持点数は200とする。そして、スロットマシンSMは、カードユニットCUに対して、遊技禁止応答のコマンドを返信する。
続いて、カードユニットCUは、スロットマシンSMに対して、動作要求のコマンド(送信番号S=n+N)を送信する。これを受けて、スロットマシンSMは、カードユニットCUに対して、持点数関連情報として持点数=200、遊技機状態情報として遊技機停止状態、を含む、動作応答のレスポンス(受信番号R=n+N)を返信する。このときスロットマシンSMからカードユニットCUへ送信される持点数=200が、遊技終了時の最終的な持点数となる。カードユニットCU側では、カードリーダライタ305によって、カード投入口302に挿入されているカードに持点数=200を記録して、遊技者に対して返却する。
[夜間監視装置(2)]
次に、図20を追加参照して、スロットマシンSMに搭載された夜間監視装置160について図14及び図20等を参照して説明する。ここで、図20は、スロットマシンSMにおける電源を供給の流れを示すブロック図である。
夜間監視装置160は、スロットマシンSMに電源が供給されていない時間帯(主として夜間、店休日等の営業時間外が該当するが、以下では「夜間」と総称する)にバックアップ電源を生成する電源基板156と、夜間における前扉の開放/閉鎖を検出する夜間監視スイッチ170と、夜間監視スイッチ170からの検出情報に基づき前扉の開放状態を監視する夜間監視基板155と、夜間監視基板155からの夜間監視情報を中継して副制御基板152及びカードユニットCUに送信する払出制御基板153と、夜間監視基板155からの夜間監視情報を履歴情報として保持する副制御基板152と、を主体として構成される。
電源基板156は、島電源400から供給される電源(例えば、AC100Vの電源)を基に、各制御基板で使用される各種電源を生成している。島電源400には、各スロットマシンSMに一括して電源を供給/遮断する島電源スイッチ401が設けられている。電源基板156は、島電源400からの1次電源を基に、DC24V、DC12V、DC5Vの電源(「通常電源」とも称する)を生成するメイン系電源回路156aと、DC5Vのバックアップ電源(VBB)を生成するバックアップ電源回路156bと、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電気・電子部品に必要な電源を供給する。
電源基板156には、スロットマシンSMを起動/停止させるための台電源スイッチ156cが接続されており、台電源スイッチ156cのオン操作により、メイン系電源回路156aから各制御基板等へ通常電源が供給される。通常電源は、電源基板156、払出制御基板153、主制御基板151、副制御基板152の間に設けられている電源線を通じて、払出制御基板153、この払出制御基板153を介して主制御基板151及び副制御基板152へ供給される。一方、台電源スイッチ156cがオフ操作されると、バックアップ電源回路156bから、払出制御基板153、主制御基板151、夜間監視基板155及び夜間監視スイッチ170へバックアップ電源が供給される。なお、バックアップ電源は、島電源400からスロットマシンSMに電源が供給されているときに充電される構成となっている。
また、電源基板156には、スロットマシンSMにおいてエラーが発生した際に主制御基板151に搭載された各回路等をリセットするためのリセットスイッチ156d、役決定確率(遊技役の当選確率)等の設定変更を行う際に電源基板156からの電源が供給されていない状態(電源断の状態)で操作される設定鍵型スイッチ156e、などが設けられている。ここで、主制御基板51の設定変更スイッチ127は、設定鍵型スイッチ156eがオンとされ、電源基板156からスロットマシンSMに電源が投入された後に操作されるようになっている。
夜間監視スイッチ170は、前述した前扉開放検出器118から構成されており、電源基板156からのメイン系電源156aの供給が絶たれた夜間に、バックアップ電源の供給によって、前扉102の開放/閉鎖を検出する。夜間監視スイッチ170は、前扉102が開放されたときにHighレベルの枠開閉検出信号を出力し、前扉102が閉鎖されたときにLowレベルの枠開閉検出信号を出力する。ここで、夜間監視スイッチ170(前扉開放検出器118)としては、例えば、マイクロスイッチ、近接スイッチ、光電スイッチ等が適用される。なお、本実施形態では、夜間監視スイッチ170として前扉開放検出器118を利用しているが、別途新たに夜間監視用の検出器を設けて構成してもよい。
夜間監視基板155は、制御中枢としてのCPU155a、このCPU155aの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM155b、CPU155aが取り扱うデータを一時的に記憶するRAM155c、時間を計測するためのRTC(Real Time Clock)155d、等を備え、払出制御基板153と双方向通信が可能なように接続されている。夜間監視基板155は、夜間監視スイッチ170からの扉開閉検出信号(Highレベル又はLowレベルの信号)に基づいて前扉102の開放を監視するための夜間監視制御回路を有している。
夜間監視基板155は、夜間監視スイッチ170からの扉開閉検出信号に基づいて、夜間において前扉102が開放された回数(「夜間開放回数」と称する)をカウントするとともに、RTC155dによって前扉102が夜間に開放された時刻(「夜間開放時刻」と称する)と、前扉102が夜間に開放されてから閉鎖されるまでの経過時間(「夜間開放時間」と称する)とを取得し、これらの夜間監視情報をRAM155cの夜間監視情報記憶領域に一時的に記憶する。具体的には、夜間監視基板155は、夜間監視スイッチ170から扉開閉検出信号(Highレベルの信号)を受信した回数に基づいて夜間開放回数をカウントする。また、夜間監視基板155は、Highレベルの扉開閉検出信号を受信した時刻情報(LowレベルからHighレベルに変化した時刻)とLowレベルの扉開閉検出信号を受信した時刻情報(HighレベルからLowレベルに変化した時刻)と、をRTC155dから取得することにより、前扉102の夜間開放時刻と夜間開放時間とを算出する。
夜間監視基板155は、スロットマシンSMの電源起動時(すなわち、遊技店の営業開始前)に、RAM155cの夜間監視情報記憶領域に一時記憶された一晩分の夜間監視情報(夜間開放回数、夜間開放時刻、夜間開放時間)を、払出制御基板153を中継して、副制御基板152に一括して出力する。このように情報を出力した後は、所定のRAMクリア手段(例えば、第1実施形態で説明したRAMクリア手段)によって、夜間監視基板155のRAM155cの夜間監視情報記憶領域に記憶された情報をクリア(初期化)することができるため、夜間監視基板155においては、夜間開放の状況を履歴情報として長期間保持する場合と比して、記憶容量の小さい記憶回路を用いることができる。
払出制御基板153は、前述したように、CPU153a、ROM153b、RAM153c、等を備えている。払出制御基板153は、スロットマシンSMの電源起動時に、夜間監視基板155から送信された夜間監視情報(夜間開放回数、夜間開放時刻、夜間開放時間)を副制御基板152及びカードユニットCUに中継する。そのため、夜間監視情報は、スロットマシンSM内だけでなく、カードユニットCU及びホールコンピュータHCにおいても管理可能である。
副制御基板152は、前述したように、CPU152a、ROM152b、RAM152c、RTC152d、等を備えている。この副制御基板152のRAM152bには、夜間データ履歴記憶領域、開放禁止時間設定領域が設けられており、スロットマシンSMの電源起動時に夜間監視基板155から一括送信された夜間監視情報を、RAM152cの夜間データ履歴記憶領域に履歴情報として保存する。なお、RAM152cの記憶情報は、副制御基板152上に実装された1次電池やコンデンサ等の蓄電池、リチウム電池等の二次電池、などによりバックアップされている。副制御基板152は、RAM152bの夜間履歴記憶領域に記憶された夜間監視情報、つまり、夜間開放回数、夜間開放時刻及び夜間開放時間を、時系列データとして演出表示装置129に表示する。これにより、前扉102の夜間開放時刻及び夜間開放時間が判明することで、この夜間監視情報に基づき遊技施設のホール内に設置された監視カメラ(暗視カメラ)の映像による解析(不正行為の発見、不法侵入者の特定など)が容易となる。
次に、図21のフローチャートを参照しながら、第2実施形態に係るスロットマシンSMの夜間監視装置160における夜間監視処理の流れを説明する。ここで、図21は、夜間監視装置160において実行される夜間監視処理のフローチャートである。本実施形態では、夜間監視装置160は、スロットマシンSMに電源が供給されない夜間等に前扉102が不正に開放状態となったか否かを監視して、夜間開放回数N、夜間開放時刻T1、夜間開放時間T2を取得する。
まず、ステップS201で、夜間監視基板155は、スロットマシンSMの電源供給が遮断されているか、換言すれば、バックアップ電源が供給されているか否かを判定する。ステップS201でYesの場合、すなわち、スロットマシンSMの電源供給が遮断されている場合には、ステップS202で、夜間監視基板155は、RAM155cのフラグ領域を参照して、後述の扉開放中フラグがオフであるか否かを判定する。ここで、扉開放中フラグとは、前扉102の開放状態が検出されたときにオンとなるフラグである。
ステップS202でYesの場合、ステップS203で、夜間監視基板155は、夜間監視スイッチ170からの扉開閉検出信号がHighレベルであるか否か(LowレベルからHighレベルに変化したか否か)、すなわち、前扉102が開放状態にあるか否かを判定する。ステップS203でYesの場合、すなわち、前扉102の開放状態が検出された場合には、ステップS204で、夜間監視基板155は、1RAM55cのフラグ領域にアクセスして、扉開放中フラグをオンにする。
続いて、ステップS205で、夜間監視基板155は、夜間開放回数Nを1インクリメント(N=N+1)する。ステップS206で、夜間監視基板155は、RTC155dによって、Highレベルの扉開閉検出信号を受信した夜間開放時刻T1をN回目の開放記録としてRAM155cの夜間監視情報記憶領域に記憶する。ステップS207で、夜間監視基板155は、夜間開放時間T2のタイムカウントを開始する。ステップS208で、夜間監視基板155は、夜間監視スイッチ170からの扉開閉検出信号がLowレベルであるか否か(HighレベルからLowレベルに変化したか否か)、すなわち、前扉102が閉鎖状態にあるか否かを判定する。ステップS208でYesの場合、すなわち、前扉102の閉鎖状態が検出された場合には、ステップS209で、夜間監視基板155は、夜間開放時間T2のタイムカウントを終了する。ステップS210で、夜間監視基板155は、夜間開放時間T2をN回目の開放記録として夜間開放時刻T1と紐付きにしてRAM155cの夜間監視情報記憶領域に記憶する。ステップS211で、夜間監視基板155は、RAM155cのフラグ領域にアクセスして、扉開放中フラグをオフにする。ステップS212で、夜間監視基板155は、夜間開放時刻T1及び夜間開放時間T2のカウンタをゼロクリアする。ステップS213で、夜間監視基板155は、スロットマシンSMに電源が供給されたか否か(換言すれば、バックアップ電源の供給が終了したか否か)を判定する。ステップS213でYesの場合、すなわち、スロットマシンSMに電源が供給された場合には、ステップS214で、夜間監視基板155は、最終的な夜間開放回数Nを確定し、RAM155cの夜間監視情報記憶領域に記憶する。
ステップS215で、夜間監視基板155は、RAM155cの夜間監視情報記憶領域に一時記憶された夜間監視情報(夜間開放回数N、夜間開放時刻T1、夜間開放時間T2)を、払出制御基板153を介して、副制御基板152へ送信する。ステップS216で、夜間監視基板155は、夜間開放回数Nをゼロクリアする。
なお、ステップS202でNoの場合にはステップS208に移行する。また、ステップS201、ステップS203、ステップS208及びステップS213でNoの場合にはステップS201の処理に移行する。
なお、スロットマシンSMに電源が供給された営業時間内では、前扉開放検出器118の扉開閉検出信号は払出制御基板153及びカードユニットCUを中継してホールコンピュータHCに送信され、ホールコンピュータHCによって前扉102の開放が監視される。
次に、第2実施形態に係る、スロットマシンSMに搭載された夜間監視装置160の作用について、図22を追加参照して説明する。ここで、図22は、夜間監視装置160の作用を説明するためのタイミングチャートである。
まず、遊技店の営業時間が終了し、スロットマシンSMへの電源供給が遮断されると、電源基板156のメイン系電源回路156aで生成される通常電源は、遮断直後は急激に低下するものの、その後はリニアに低下していき所定時間の経過後に0Vとなる。このようにメイン系電源156aがリニアに変化していく途中で所定の基準電圧に達すると、NMI信号(電断信号)が出力される。このとき、電源基板156のバックアップ電源回路156bからはバックアップ電源が生成されて、主制御基板151、払出制御基板153、夜間監視基板155及び夜間監視スイッチ170に供給される。なお、この電断時の時刻をPM11:30として、以降の説明をする。
スロットマシンSMにバックアップ電源が供給される夜間においては、スロットマシンSMの前扉102は閉鎖状態にあり、夜間監視スイッチ170(前扉開放検出器118)から夜間監視基板155へは、Lowレベルの扉開閉検出信号が出力され続ける。
このとき、遊技店の営業終了後であっても、前扉102を開放して、スロットマシンSMの保守点検やメンテナンス等が実施される場合がある。特に、制御基板や電気・電子部品の交換・修理などが含まれる場合には、故障や感電を回避するために、電源を落とした状態で実施される場合が一般的である。このとき、遊技店の店員や遊技機製造メーカのサービスマンによって、スロットマシンSMの前扉102が正規に開放されると、夜間監視スイッチ170の扉開閉検出信号がLowレベルからHighレベルに変化し、Highレベルの扉開閉検出信号が夜間監視基板155に入力される。夜間監視基板155は、このHighレベルの扉開閉検出信号の受信を契機として、夜間開放回数N=1をカウントするとともに、今回の夜間開放時刻T1=AM0:00をRTC55dから取得し、これらの夜間開放に関する情報をRAM155cの夜間監視情報記憶領域に保存する。
また、これと同時に、夜間監視基板155は、夜間開放時間T2のタイムカウントを開始する。夜間監視基板155は、夜間監視スイッチ170からHighレベルの扉開閉検出信号を受信している間(前扉102の開放状態が続く限り)、夜間開放時間T2のタイムカウントを継続する。夜間監視基板155は、夜間監視スイッチ170からの扉開閉検出信号がHighレベルからLowレベルに変化したときに、タイムカントを終了して、この計時した実時間「20分」を1回目の夜間開放時間T2としてRAM155cの記憶領域に保存する。
続いて、遊技店の店員全員が帰宅した後、この遊技店内に不正行為者が侵入し、スロットマシンSMの前扉102が不正に開放されると、夜間監視スイッチ170の扉開閉検出信号がLowレベルからHighレベルに変化し、Highレベルの扉開閉検出信号が夜間監視基板155に入力される。夜間監視基板155は、このHighレベルの扉開閉検出信号の受信を契機として、夜間開放回数N=2にカウントアップするとともに、今回の夜間開放時刻T1=AM2:00をRTC55dから取得し、これらの夜間開放に関する情報をRAM155cの夜間監視情報記憶領域に保存する。
また、これと同時に、夜間監視基板155は、夜間開放時間T2のタイムカウントを開始する。夜間監視基板155は、夜間監視スイッチ170からHighレベルの扉開閉検出信号を受信している間(前扉102の開放状態が続く限り)、夜間開放時間T2のタイムカウントを継続する。夜間監視基板155は、夜間監視スイッチ170からの扉開閉検出信号がHighレベルからLowレベルに変化したときに、タイムカントを終了して、この計時した実時間「30分」を2回目の夜間開放時間T2としてRAM155cの夜間監視情報記憶領域に保存する。
同様に、スロットマシンSMの前扉102が継続して何回も不正に開放されると、その都度、夜間開放回数N、夜間開放時刻T1、夜間開放時間T2、がカウントされ、RAM155cの夜間監視情報記憶領域に保存される。本例では、3回目の開放としてAM3:00に40分、4回目の開放としてAM4:00に20分、の不正開放が検知されている。
そして夜が明けて、遊技店の開店前に、スロットマシンSMに電源が供給されると、夜間監視基板55から夜間監視情報(夜間開放回数N=4、夜間開放時刻T1=AM0:00,AM2:00,AM3:00,AM4:00、夜間開放時間T2=20分,30分,40分,20分)が、払出制御基板153を介して副制御基板152に送信される。副制御基板152は、今回の夜間監視情報とともに、前日までの履歴情報を演出表示装置129の画面上に表示する。
これにより遊技店側では、複数回の夜間開放の事実を知ることになるが、夜間監視基板55によって検知された夜間開放回数、夜間開放時刻、夜間開放時間に基づき、店員等による正当な開放行為と、侵入者による不正な開放行為とを明確に区別して、該不正行為を早期に発見することが可能である。特に、夜間開放回数の特定のみでは、店員が自己行為に起因した前扉102の開放を見落とす可能性や、それとは逆に不正行為を自己の行為と勘違いしたりするおそれもあるが、夜間開放回数の他に夜間開放時刻と夜間開放時間までもが特定されるため、遊技店内に店員等が存在しない時間帯をあてはめたり、夜間開放時間の長短を考慮したりすることで、不正行為を確実に発見することができる。また、前扉102の夜間開放時刻及び夜間開放時間が判明することで、この開放情報に基づき遊技施設のホール内に設置された監視カメラ(暗視カメラ)の映像による解析が容易となり、不正行為の発見及び不法侵入者の特定をより確実なものとすることができる。
以上、第2実施形態に係るスロットマシンSMでは、夜間監視スイッチ170からの扉開閉検出信号に基づき、電源遮断時に前扉102が開放された回数情報と前扉102が開放状態となったときの時間情報を取得する構成であるため、前扉102が開放されたときの状況を回数情報と時間情報との両面から究明することで、夜間において前扉102の開放があった場合でも、この開放行為が店員等による正当なものであるか、侵入者による不正なものであるのかを明確に判別して、該不正行為を早期に発見することが可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
上述の実施形態では、夜間監視装置70において、前枠2及びガラス枠5の双方を監視しているが、この構成に限定されるものではなく、前枠2及びガラス枠5の一方のみを監視する構成であってもよい。
上述の実施形態では、夜間監視基板55,155を独立した一つの制御基板をして設置した場合を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、夜間監視基板55,156に備わる機能を他の制御基板(例えば払出制御基板)に搭載して、払出制御基板において夜間監視を実行させてもよい。
上述の実施形態では、遊技球を遊技領域PAへ打ち出すための発射機構31を遊技領域の下方に設置した場合を例示して説明したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、図23に示すように、発射機構31′を遊技領域PAの上方に設置して遊技球を遊技領域PAへ向けて打ち下ろすように構成してもよい。このような構成を採用した場合には、1)ファール球の発生がなくなり持球数の管理が容易になるという効果、2)発射された遊技球の球飛びが安定するという効果、3)発射後ただちに遊技球が遊技領域PA内に放出されるため遊技をスピーディに進行させることができるという効果、4)発射された遊技球を遊技領域PAへ到達させるための発射レールや、遊技領域PA内に放出された遊技球が再び発射レールに逆戻りするのを防止するための戻り球防止部材などを設置する必要がなくなるため、部品点数の削減によりコストの低減や省スペース化が図れるという効果、が得られる。
なお、上述の実施形態では、本発明をぱちんこ遊技機、スロットマシンに適用した事例について説明したが、アレンジボール機や雀球遊技機などの他の遊技機に適用することができ、同様の効果を得ることができる。