JP2014057191A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザにとって確実かつ容易に適正露光でバルブ撮影等の長秒時撮影が可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】第1の手動操作に応答して長秒時撮影を開始し(#101)、長秒時撮影の実行中に、設定された周期で被写体像を繰り返し撮像し(#133、#135)、画像データが出力されるたびに、該画像データと過去の画像データとの加算演算を行い(#137)、加算演算された画像の輝度レベルに基づいて、現在の輝度レベルを予測し(#143)、予測された予測輝度と所定値を比較判定し(#149)、輝度レベル判定の結果に応答して長秒時撮影を終了し(#149Y)、また第1の手動操作続く第2の手動操作に応答して、長秒時撮影を停止する(#161Y)。
【選択図】 図7

Description

本発明は、撮像装置に関し、詳しくは、バルブ撮影等の長時間撮影において露光の進展度に応じた被写体画像を表示可能な撮像装置に関する。
デジタルカメラ等の撮影装置におけるバルブ撮影では、ユーザがレリーズ釦の押下げ操作を行っている間、シャッタを開放状態に保ち、レリーズ釦の押下げ操作が解放される(解放操作と称す)と、シャッタを閉じ、これによって数秒から数分の長時間露光を行うことができる。バルブ撮影は、風景等を月光で露光撮影した月光写真、夜間走行する車両のヘッドライトの軌跡写真、夜空の星の軌跡を長時間撮影した天体写真等、種々の撮影対象がある。これらの例が示すように、幻想的な映像が得られるバルブ撮影は広い需要がある。
しかしながら、バルブ撮影は、レリーズ釦の押下げ操作によりシャッタの開放時間(露光時間)をユーザが自ら、勘と経験に頼って調整しなければならず、失敗する可能が高い撮影方法である。例えば、月光写真では、露光時間が長すぎると画素が飽和し、いわゆる白とびした被写体像となってしまい、逆に、露光時間が短すぎると全体に暗い被写体像になってしまうという問題があった。
そこで、バルブ撮影等の長時間撮影を確実かつ容易に行うために、撮影中の被写体像の画像データを加算処理し、液晶パネルや電子ファインダ等の表示デバイスに、被写体像の露光状態を表示するようにした撮像装置が提案されている(特許文献1−3参照)。これらの撮像装置によれば、バルブ撮影等の長時間撮影中に露光状態を確認しながら、シャッタの開放時間の調整を行うことができる。
特開2003−069897号公報 特開2008−066978号公報 特開2005−117395号公報
前述した撮像装置では、バルブ撮影等の長時間撮影中に露光状態を確認することが可能となる。しかし、液晶パネルや電子ファインダ等の表示デバイスでは、被写体像の細部の微妙な露光状態を再現・確認することが困難であり、例えば、狭い領域の画素が飽和して白とびが発生しても、バルブ撮影中にはそのことに気付かないおそれがある。また、バルブ撮影中に白とびが発生しそうだと仮に気付いても、経過表示の更新時間間隔が長いことから、白とび発生前に長秒時露出を停止するようにコントロールすることは非常に困難である。白とびが発生してしまってからでは手遅れであり、画像データそのものが失われた状態では画像処理によって救済することもできない。このため、ユーザは撮影のやり直しをする必要がある。しかし、タイミングを逃してしまった場合には、撮影のやり直しもできない。
また、特許文献3の撮像装置によれば、表示用画像レベルが適正値に達すると、シャッタ釦の操作に関係なく、最新の加算画像を記録し、露光動作を表示することが開示されている(段落[0058]参照)。しかしながら、バルブ撮影(長秒時撮影)のような撮影においては、通常の撮影とは異なり、そもそも補正値とか適正露出という露出制御概念が全く通用しない。具体的な例を示すと、花火や星・月等のように局所的に高輝度の輝点が真っ暗な空等の背景にある場合には、広い背景部分がグレーレベルの適正露出画像になり、主要被写体である花火や星・月などの高輝度輝点部分は白とびしてしまうという問題がある。また、逆に明るい部分が広い面積を占め、暗く狭い部分が主要被写体である場合には、主被写体が相対的に露出不足になってしまう。さらに、経過表示の更新時間間隔が長い場合には、露出アンダ画像からいきなり露出オーバ画像になってしまい、適正画像のタイミングを捕まえることができない。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、ユーザにとって好ましい露出で確実かつメモリの無駄なく容易にバルブ撮影等の長秒時撮影が可能な撮像装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の発明に係わる撮像装置は、第1の手動操作に応答して長秒時撮影を開始する長秒時撮影開始手段と、上記第1の手動操作に続く第2の手動操作または所定時間経過に応答して、上記長秒時撮影を停止する長秒時撮影停止手段と、上記長秒時撮影の実行中に、設定された周期で被写体像を繰り返し撮像し、画像データを出力する撮像手段と、上記撮像手段から上記画像データが出力されるたびに、該画像データと過去の画像データとの加算演算を行う加算演算手段とを備える撮像装置において、上記加算演算手段で加算演算された画像の輝度レベルと所定値を比較判定する輝度レベル判定手段と、上記輝度レベル判定手段の判定出力に応答して、上記長秒時撮影の停止に至るまで、画像を記録する長秒時撮影記録手段と、を具備する。
第2の発明に係わる撮像装置は、上記第1の発明において、さらに上記加算演算された画像の輝度レベルに基づいて、現在の輝度レベルを予測する輝度レベル予測手段を備え、上記輝度レベル判定手段は、上記輝度レベル予測手段によって予測された予測輝度と所定値を比較判定する。
第3の発明に係わる撮像装置は、上記第1または第2の発明において、上記輝度レベル判定手段は、上記撮像手段によって撮像される画像の局所的な輝度レベルと、上記所定値と比較判定する。
第4の発明に係わる撮像装置は、上記第1または第2の発明において、上記撮像手段によって撮像される画像の局所的な輝度レベルと、上記所定値と比較判定する。
第5の発明に係わる撮像装置は、上記第3の発明において、上記輝度レベル判定手段は、上記撮像手段によって撮像される画像の内で指定された局所部の輝度レベルと、上記所定値と比較判定する。
第6の発明に係わる撮像装置は、上記第1ないし第5の発明において、さらに、上記所定値を設定するための所定値設定手段を有する。
本発明によれば、適正露出が好ましくないようなバルブ撮影などの長秒時撮影において、ユーザにとって好ましい露出で確実かつメモリの無駄なく容易にバルブ撮影等の長秒時撮影が可能な撮像装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係わるデジタルカメラを背面から見た外観斜視図である。 本発明の一実施形態に係わるデジタルカメラの電気系の全体構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係わるデジタルカメラにおいて、バルブモード等の長秒時撮影における撮像および表示に関連する構成を抽出して示したブロック図である。 本発明の一実施形態におけるパワーオンリセットの動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における更新時間入力の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における撮影動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における露光動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における輝度変化係数演算の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係わるデジタルカメラの撮影情報表示を示す図である。 本発明の一実施形態に係わるデジタルカメラの更新表示を示す図であり、(a)から(e)はそれぞれ異なる更新時間の表示を示す。 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラにおいて、被写体輝度に対する加算係数の変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態におけるバルブモード撮影時におけるシミュレーションによる予測画像を示す図であり、(a)はスタート時の画像であり、(b)は基準となる加算画像であり、(c)〜(h)は将来のタイミングにおけるシミュレーション画像である。 本発明の一実施形態におけるバルブモード撮影時におけるシミュレーションによる予測画像を示す図であり、元画像に撮影画像を重畳させた場合のシミュレーション画像である。図12の場合と同様に、(a)はスタート時の画像であり、(b)は基準となる加算画像であり、(c)〜(h)は将来のタイミングにおけるシミュレーション画像である。 本発明の一実施形態における輝度判断の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における露光動作の変形例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における露光動作の変形例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるデジタルカメラにおいて、露光動作の変形例における表示更新のタイミングの変化を示す図である。
以下、図面に従って本発明を適用したデジタルカメラを用いて好ましい一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るデジタルカメラについて背面からみた外観斜視図である。
このデジタルカメラは、カメラ本体200と交換レンズ100とから構成されている。カメラ本体200の上面にはレリーズ釦21、撮影モードダイヤル22、情報設定ダイヤル24、ストロボ50等が配置されている。レリーズ釦21は、撮影者が半押しするとオンする第1レリーズスイッチと、全押しするとオンする第2レリーズスイッチを有している。この第1レリーズスイッチ(以下、1Rと称する)のオンによりカメラは焦点検出、撮影レンズのピント合わせ、被写体輝度の測光等の撮影準備動作を行い、第2レリーズスイッチ(以下、2Rと称する)のオンによりカメラは撮像素子221(図2参照)の出力に基づいて被写体像の画像データの取り込みを行う撮影動作を実行する。
撮影モードダイヤル22は回転可能に構成された操作部材であり、撮影モードダイヤル22上に設けられた撮影モードを表す絵表示または記号を指標に合致させることにより、プログラム撮影モード(P)、絞り優先撮影モード(A)、シャッタ速度優先撮影モード(S)、マニュアル撮影モード(M)、バルブモード(B)等の各撮影モードを選択することができる。
情報設定ダイヤル24は回転可能に構成された操作部材であり、情報表示画面等において、情報設定ダイヤル24の回転操作により所望の設定値やモード等を選択することができる。バルブモード等の長秒時撮影が設定されたときには、露光中の画像表示の更新時間の設定を行うことができる。また、長秒時撮影が設定された際に、情報設定ダイヤル24を回転操作することにより、輝度判定レベル(所定値)の設定を行うことができる。情報設定ダイヤル24の回転操作により、更新時間の設定を行うか、輝度判定レベルの設定を行うかは、メニュー画面等において設定する。
ストロボ50は、ポップアップ式の補助照明装置であり、図示しない操作釦を操作することにより、ストロボ50がポップアップし被写体に対して照射可能となる。
カメラ本体200の背面には、液晶モニタ26、連写/単写釦27、AFロック釦28、アップ用十字釦30U、ダウン用十字釦30D、右側釦30R、左側釦30L(これらの各十字釦30U、30D、30R、30Lを総称する際には、十字釦30と称する)、OK釦31、ライブビュー表示釦33、拡大釦34、メニュー釦37、再生釦38が配置されている。
液晶モニタ26は、ライブビュー表示を行い、また、撮影済みの被写体像を再生表示し、撮影情報やメニューを表示するための表示装置である。また、バルブ撮影時には、露光動作中に撮像素子221によって取得した画像信号に基づいて画像を表示する。これらの表示を行うことができるものであれば、液晶に限らない。さらに、液晶モニタ26には、タッチパネル26a(図2参照)が設けてあり、このタッチパネル26aはユーザのタッチ操作に応じてタッチ位置等を検知する。
連写/単写釦27は、レリーズ釦21が全押しされている間は連続して撮影する連写モードと、レリーズ釦21が全押しされると、1駒、撮影する単写モードのモード切り換え用の操作部材である。AEロック釦28は、測光値を固定するための操作部材である。これによって、撮影対象の輝度を測定した後、このAEロック釦28を操作すると、構図を変更しても測光値が保持され、露光レベルが変化しないで撮影を行うことができる。
十字釦30は液晶モニタ26上で、X方向とY方向の2次元方向にカーソルの移動を指示するための操作部材であり、また、記録媒体277に記録された被写体像を再生表示するにあたって、被写体像の選択指示にも使用する。なお、アップ、ダウン、左、右用の4つの釦を設ける以外にも、2次元方向に操作できる操作部材に置き換えることも可能である。
ライブビュー表示釦33は、情報表示等の表示画面とライブビュー表示に切り換え、または背面ライブビュー表示とファインダを切り換えるための操作釦である。なお、ライブビュー表示は、被写体像記録用の撮像素子221の出力に基づいて液晶モニタ26に被写体像を観察用に表示するモードであり、情報表示はデジタルカメラの撮影情報を表示設定するために液晶モニタ26に表示されるモードである。
拡大釦34は、液晶モニタ26に被写体像の一部分を拡大表示するための操作部材であり、前述の十字釦30を操作することによって拡大位置を変更することができる。
メニュー釦37は、このデジタルカメラの各種モードを設定するためのメニューモードに切り換えるための操作部材であり、このメニュー釦37の操作によってメニューモードを選択すると、液晶モニタ26にメニュー画面が表示される。メニュー画面は複数の階層構造となっており、十字釦30で各種項目を選択し、OK釦31の操作により選択を決定する。
再生釦38は、撮影後に記録した被写体画像を液晶モニタ26に表示させることを指示するための操作釦である。後述するSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)267、記録媒体277にJPEG等の圧縮モードで記憶されている被写体の画像データを伸張して表示する。
カメラ本体200の側面には、記録媒体収納蓋40が開閉自在に取り付けられている。この記録媒体収納蓋40を開放すると、この内部に記録媒体277用の装填スロットが設けられており、記録媒体277はカメラ本体200に対して、着脱自在に装填可能となっている。
次に、図2を用いて、デジタルカメラの電気系を主とする全体構成を説明する。本実施形態では、交換レンズ100とカメラ本体200は別体で構成され、通信接点300にて電気的に接続されているが、交換レンズ100とカメラ本体200を一体に構成することも可能である。なお、内蔵式のストロボ50の回路ブロックは図2において、省略してある。
交換レンズ100の内部には、焦点調節および焦点距離調節用の撮影光学系101と、開口量を調節するための絞り103が配置されている。撮影光学系101はレンズ駆動機構107によって駆動され、絞り103は絞り駆動機構109によって駆動されるよう接続されている。
レンズ駆動機構107および絞り駆動機構109は、それぞれレンズCPU111に接続されており、このレンズCPU111は通信接点300を介してカメラ本体200の通信回路273に接続されている。レンズCPU111は交換レンズ100内の制御を行うものであり、レンズ駆動機構107を制御してピント合わせや、ズーム駆動を行うとともに、絞り駆動機構109を制御して絞り値制御を行う。また、レンズCPU111は、交換レンズ100の開放絞り値や焦点距離情報等のレンズ固有情報や、光学系位置検出機構(不図示)によって検出された焦点距離や焦点位置情報を、カメラ本体200に送信する。
カメラ本体200内には、被写体像を観察光学系に反射するためにレンズ光軸に対して45度傾いた位置(下降位置、被写体像観察位置)と、被写体像を撮像素子221に導くために跳ね上がった位置(上昇位置、退避位置)との間で、回動可能な可動ミラー201が設けられている。この可動ミラー201の上方には、被写体像を結像するためのフォーカシングスクリーン205が配置され、このフォーカシングスクリーン205の上方には、被写体像を左右反転させるためのペンタプリズム207が配置されている。
このペンタプリズム207の出射側(図2で右側)には被写体像観察用の接眼レンズ(不図示)が配置され、この脇であって被写体像の観察に邪魔にならない位置に測光センサ211が配置されている。この測光センサ211は、測光処理回路241に接続され、測光センサ211の出力は、この測光処理回路241によって増幅処理やアナログ−デジタル変換等の処理がなされる。
上述の可動ミラー201の中央付近はハーフミラーで構成されており、この可動ミラー201の背面には、ハーフミラー部で透過した被写体光をカメラ本体200の下部に反射するためのサブミラー203が設けられている。このサブミラー203は、可動ミラー201に対して回動可能であり、可動ミラー201が跳ね上がっているときには(図2において破線位置)、ハーフミラー部を覆う位置に回動し、可動ミラー201が被写体像観察位置(下降位置)にあるときには、図示する如く可動ミラー201に対して開いた位置にある。
この可動ミラー201は可動ミラー駆動機構239によって駆動されている。また、サブミラー203の下方には焦点検出センサ243が配置されており、この焦点検出センサ243の出力は焦点検出処理回路245に接続されている。焦点検出センサ243は、撮影光学系101によって結像される被写体像の焦点ズレ量(デフォーカス量)を測定するために、撮影光学系101の周辺光束を2光束に分離する公知の位相差AF光学系と1対のセンサとから構成されている。
可動ミラー201の後方には、露光時間制御用のフォーカルプレーンタイプのシャッタ213が配置されており、このシャッタ213はシャッタ駆動機構237によって駆動制御される。シャッタ213の後方には撮像素子221が配置されており、撮影光学系101によって結像される被写体像を電気信号に光電変換する。なお、撮像素子211としては、CCD(Charge Coupled Devices)またはCMOS(Complementary
Metal Oxide Semiconductor)等の二次元撮像素子を使用できることは言うまでもない。
前述のシャッタ213と撮像素子221の間には、被写体光束から赤外光成分と、高周波成分を除去するための光学フィルタである赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217が配置されている。
撮像素子221は撮像素子駆動回路223に接続され、この撮像素子駆動回路223によって、撮像素子221から画像信号の読出し等が行われる。撮像素子駆動回路223は、画像信号のアナログデジタル変換を行うADC(Analogue Digital Converter)225に接続されている。ADC225の出力は、暗電流除去回路227に接続されている。暗電流除去回路227は、撮像素子221で発生する暗電流を除去するための回路であり、撮像素子221の周辺部の遮光領域で発生した暗電流を用いて、被写体像を表す画像データを補正する。
暗電流除去回路227は、ASIC(Application Specific
Integrated Circuit 特定用途向け集積回路)250内のデータバス252に接続されている。このデータバス252には、シーケンスコントローラ(以下、「ボディCPU」と称す)251、タッチパネル26a、画像処理回路257、圧縮伸張回路259、ビデオ信号出力回路261、SDRAM制御回路265、入出力回路271、通信回路273、記録媒体制御回路275、フラッシュメモリ制御回路279、スイッチ検知回路283が接続されている。
データバス252に接続されているボディCPU251は、フラッシュメモリ281に記憶されているプログラムに従って、このデジタルカメラの動作を制御するものである。
ボディCPU251は、レリーズ釦の手動操作に応答して長秒時撮影を開始させる長秒時撮影開始手段として機能する(後述する図6の#69、#75、図7および図15の#101等参照)。また、ボディCPU251は、第1の手動操作続く第2の手動操作長秒時撮影を停止する第1の長秒時撮影停止手段(または長秒時停止手段)として機能する(後述する図7および図15の#161→Y等参照)。なお、第2の手動操作に限らず、所定時間が経過すると、長秒時撮影を停止するようにしてもよい。
ボディCPU251は、後述する加算演算手段(加算演算部292参照)で加算演算された画像の輝度レベルに基づいて、現在の輝度レベルを予測する輝度レベル予測手段として機能する(後述する図7の#143、図15の#209等参照)。また、ボディCPU251は、加算演算手段で加算演算された画像の輝度レベルと所定値を比較判定、または輝度レベル予測手段によって予測された予測輝度と所定値を比較判定する輝度レベル判定手段として機能する(後述する図7の#149、図16の#225等参照)。
ボディCPU251は、輝度レベル判定手段の判定出力に応答して長秒時撮影を終了する第2の長秒時撮影停止手段として機能する(後述する図7の149Y→#151→#153→図6等参照)。なお、第2の長秒時撮影停止手段を無効にするための設定手段を設けても勿論かまわない。また、ボディCPU251は、輝度レベル判定手段の判定出力に応答して、長秒時撮影の停止に至るまで、画像を記録する長秒時撮影記録手段として機能する(後述する図15の#211Y→#213、図16等参照)。
データバス252に接続された画像処理回路257は、デジタル画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、ライブビュー表示用画像生成等の各種の画像処理を行なう。また圧縮伸張回路259はSDRAM267に記憶された画像データをJPEGやTIFF等の圧縮方式で圧縮し、また、圧縮画像データを伸張するための回路である。なお、画像圧縮はJPEGやTIFFに限らず、他の圧縮方式も適用できる。
ビデオ信号出力回路261は液晶モニタ駆動回路263を介して液晶モニタ26に接続される。ビデオ信号出力回路261は、SDRAM267、記録媒体277に記憶された画像データを、液晶モニタ26に表示するためのビデオ信号に変換するための回路である。
液晶モニタ26は、図1に示すように、カメラ本体200の背面に配置されるが、撮影者が観察できる位置であれば、背面に限らないし、また液晶に限らず他の表示装置でも構わない。タッチパネル26aは、液晶モニタ26の前面に配置され、または液晶モニタ26と一体化されており、ユーザのタッチ位置に応じた検知信号をデータバス252を介してボディCPU251に出力する。
SDRAM267は、SDRAM制御回路265を介してデータバス252に接続されており、このSDRAM267は、画像処理回路257によって画像処理された画像データまたは圧縮伸張回路259によって圧縮された画像データを一時的に記憶するためのバッファメモリである。
上述の撮像素子駆動回路223、シャッタ駆動機構237、可動ミラー駆動機構239、測光処理回路241、焦点検出処理回路245に接続される入出力回路271は、データバス252を介してボディCPU251等の各回路とデータの入出力を制御する。
レンズCPU111と通信接点300を介して接続された通信回路273は、データバス252に接続され、ボディCPU251等とのデータのやりとりや制御命令の通信を行う。データバス252に接続された記録媒体制御回路275は、記録媒体277に接続され、この記録媒体277への画像データ等の記録及び画像データ等の読み出しの制御を行う。
記録媒体277は、xDピクチャーカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)またはメモリスティック(登録商標)等の書換え可能な記録媒体のいずれかが装填可能となるように構成され、カメラ本体200に対して着脱自在となっている。その他、通信接点を介してハードディスクを接続可能に構成してもよい。
フラッシュメモリ制御回路279は、フラッシュメモリ(Flash Memory)281に接続され、このフラッシュメモリ281は、電気的書き換え可能な不揮発性メモリであり、デジタルカメラの動作を制御するためのプログラムが記憶されている。前述したように、ボディCPU251はこのフラッシュメモリ281に記憶されたプログラムに従ってデジタルカメラの制御を行う。なお、フラッシュメモリ281は、電気的に書換え可能な不揮発性メモリである。
レリーズ釦21の第1ストローク(半押し)を検出する1Rスイッチや、第2ストローク(全押し)を検出する2Rスイッチ、パワースイッチ、メニュー釦37に連動するメニュースイッチ、撮影モードダイヤル22に連動するダイヤルスイッチ、情報設定ダイヤル24に連動するダイヤルスイッチ、十字釦30の各釦30U、30D、30R、30Lに連動するスイッチ、その他の操作部材に連動する各種スイッチを含む各種スイッチ285は、スイッチ検知回路283を介してデータバス252に接続されている。
次に、バルブ撮影における露光中の画像表示に関連する構成について、図3を用いて説明する。制御部297は、デジタルカメラ全体を制御するボディCPU251によって構成される。撮像部291は、撮像素子221、撮像素子駆動回路223、ADC回路225、暗電流除去回路227等を含み、画像信号に基づく画像データを出力する。撮像部291の出力は加算演算部292に接続されている。なお、撮像部297は、長秒時撮影の実行中に、設定された周期で被写体像を繰り返し撮像し、画像データを出力する撮像手段として機能する。
加算演算部292は、ボディCPU251と画像処理回路257によって構成されており、撮像部291から画像データを入力すると共に、加算画像記憶部293の記憶領域に記憶された前回の加算画像データを入力し、両者を加算演算して新たな加算画像を生成し、加算画像記憶部293に出力する。加算演算部292は、撮像手段から画像データが出力されるたびに、該画像データと過去の画像データとの加算演算を行う加算演算手段として機能する。
加算画像記憶部293は、SDRAM267等の一時記憶装置によって構成され、記憶領域Aから記憶領域nnに区分けされた多数の記憶領域を有し、各記憶領域には、撮像部291から画像データが出力され加算演算部292によって新たに加算画像が演算されるたびに、加算画像データが順次、記憶される。
すなわち、最初の画像データを記憶領域Aに記憶し、次に、撮像部291から画像データが出力されると、その画像データと記憶領域Aに記憶されている直前の加算画像データとの加算演算値が行われ、新たな加算画像データが記憶領域Bに記憶される。このように、制御部297の制御に従って加算画像記憶部293には、撮像部291から画像データが出力されるたびに、それまでの画像データが加算演算され、記憶領域に順次、記憶される。
画像表示部296は、液晶モニタ26、液晶モニタ駆動回路263等によって構成され、加算画像記憶部293から読み出された画像を表示する。設定部298は、情報設定ダイヤル24、十字釦30の右側釦30R、左側釦30L等によって構成され、バルブ撮影等の長秒時撮影時おける輝度判定レベルの際の所定値の設定に使用する。画像記録部295は、記憶媒体277によって構成され、バルブ撮影等の長秒時撮影の終了時に加算画像を記録する。
このように構成されているので、制御部297は、設定された更新時間間隔で、撮像部291から画像データを出力させ、加算演算部292は、この画像データと加算画像記憶部293に記憶されている直前の加算値とを加算演算する。そして、加算画像記憶部293の各記憶領域には、各画像データ出力時までの画像データの加算値が順次、記憶される。
加算画像記憶部293に記憶されている画像データに基づく画像が、画像表示部296に表示される。記憶領域Aに記憶されている画像データは、一番最初の露光であることから、図12(a)のように露出不足の画像であり、次に記憶される記憶領域Bの画像は最初の露光の画像データが加算されることから、図12(b)のように少し明るくなる。順次、画像データが累積されるたびに少しずつ明るい画像となり、記憶領域Fの画像は図12(f)のように適正露光に近くなり、さらに画像データの累積が続くと、記憶領域Gに記憶された図12(h)のように露出過多の画像となる。
また、本実施形態においては、バルブ撮影時のシミュレーション画像の表示を行う。一般に、バルブ撮影等の長時間撮影時においては、撮像部291から画像データが出力され加算演算を行うタイミングは更新時間間隔である。しかし、画像データの出力時にはノイズ等が重畳することから頻繁な更新は望ましくないことから、ある程度の時間間隔で画像更新を行っている。このため、加算演算が行われ加算画像の更新が行われると、次の更新時間まで、暫くの間、露光状態の進行状況が表示されない。
そこで、本実施形態においては、加算画像の更新時と更新時の間は、所定の時間間隔で、最新の加算画像を用い、加算前の画像と加算後の画像の時間的な輝度の変化率を演算し、時間経過に対する輝度予測画像(シミュレーション画像)を生成し、この生成したシミュレーション画像の表示を行っている(図7の#143参照)。
また、本実施形態においては、通常のライブバルブ撮影等の長秒時撮影に加えて、元画像を予め設定しておくと、この元画像に、撮像部291にから実際に出力されている画像データに基づく画像を重畳して加算画像を生成し、画像表示部296に表示する。図13に元画像が有る場合の加算画像のシミュレーション表示を示す。図13(a)は、スタート時の元画像であり、(b)〜(h)は加算画像を基に生成したシミュレーション画像である。
次に、本発明の一実施形態におけるデジタルカメラの動作の詳細について図4乃至図8に示すフローチャートを用いて説明する。図4、および後述する図5ないし図8、図14、図16、図17に示すフローチャートは、いずれもフラッシュメモリ281に記憶されたプログラムに従ってボディCPU251によって実行される。
図4は、カメラ本体200側のボディCPU251によるパワーオンリセットの動作である。カメラ本体200に電池が装填されると、このフローがスタートし、カメラ本体200のパワースイッチがオンであるか否かを判定する(#1)。
判定の結果、パワースイッチがオフの場合には、低消費電力の状態であるスリープ状態となる(#3)。このスリープ状態ではパワースイッチがオンとなった場合のみに割り込み処理を行い、ステップ#5以下においてパワースイッチオンのための処理を行う。パワースイッチがオンとなるまでは、パワースイッチ割り込み処理以外の動作を停止し、電源電池の消耗を防止する。ステップ#1において、パワースイッチがオンであった場合、またはステップ#3におけるスリープ状態を脱した場合には、電源供給を開始する(#5)。
次に、撮影モードダイヤル22によって設定された撮影モードや、情報設定ダイヤル24によって設定されたISO感度、マニュアル設定されたシャッタ速度や絞り値等の情報があればそれらの撮影条件、およびレンズ情報の読み込みを行う(#7)。レンズ情報の読み込みは、レンズCPU111から通信回路273を介して交換レンズ100の開放絞り値や焦点距離情報等のレンズ固有情報の読み込みを行う。このステップで、バルブモードが設定されている場合には、この情報が読み込まれる。
続いて、バルブモードが設定されたか否かの判定を行う(#9)。ステップ#7において撮影モードを読み込んでいることから、読み込まれた撮影モードとしてバルブモードが設定されたか否かの判定を行う。判定の結果、バルブモードが設定されていなかった場合には、測光・露光量演算を行なう(#11)。このステップでは、測光センサ211によって被写体輝度を測光し、露光量を演算し、この露光量を用いて撮影モード・撮影条件に従ってシャッタ速度や絞り値等の露光制御値の演算を行う。
ステップ#9における判定の結果、バルブモードが設定されていた場合には、更新時間(画像データを繰り返し出力する周期)と輝度判定用の所定値の入力を行う(#31)。ここでは、更新時間や輝度判定用の所定値を入力する。更新時間や輝度判定用の所定値の入力については、図5を用いて後述する。更新時間と輝度判定用の所定値の入力が終わると、ステップ#13に進む。バルブモードの場合には、測光に係りなくユーザ操作によってシャッタ213の開閉が行われることから、ステップ#11の測光・露光量演算は実行されない。
次に、撮影情報を液晶モニタ26に表示する(#13)。撮影情報としては、ステップ#7において読み込んだ撮影モード・撮影条件等と、ステップ#11において演算したシャッタ速度や絞り値の露出制御値等である。撮影モードとして、バルブモードが設定された場合には、図9に示すように、バルブモード表示301や更新時間表示302が、他の撮影情報と共に、液晶モニタ26上に表示される。
撮影情報の表示を行うと、次に、再生釦38に連動する再生スイッチがオンか否かの判定を行う(#17)。再生モードは、再生釦38が操作された際に、記録媒体277に記録された画像データを読み出して液晶モニタ26に表示するモードである。判定の結果、再生スイッチがオンの場合には、再生動作を実行する(#33)。
ステップ#17における判定の結果、再生スイッチがオンではなかった場合には、メニュー釦37に連動するメニュースイッチがオンか否かの判定を行なう(#19)。このステップでは、メニュー釦37が操作され、メニューモードが設定されたか否かを判定する。判定の結果、メニュースイッチがオンであった場合には、液晶モニタ26にメニュー画面を表示し、メニュー設定動作を行う(#35)。メニュー設定動作によって、AFモード、ホワイトバランス、ISO感度設定、ドライブモードの設定等、各種の設定動作を行うことができる。
また、ステップ#35のメニュー設定動作にあたって、バルブ撮影等の長秒時撮影が設定されている場合には、このメニュー画面において、情報設定ダイヤル24の回転操作により、更新時間または輝度判定レベルのいずれを設定するかを決定できる。また、バルブ撮影モードを選択している場合には、メニュー画面で元画像を重畳させるモード(元画像重畳モード)の設定も可能である。元画像重畳モードを選択すると、サムネイル画像が表示され、選択できる(図7の#125、#127参照)。また、後述するように、長秒時撮影が設定されている場合には、更新時間毎の加算画像の表示に加えて、更新時間と更新時間の間に加算画像を基にして作成したシミュレーション画像を表示可能であるが、このメニュー画面においてシミュレーション画像の表示を行わないようにすることもできる(図8の#171参照)
ステップ#19における判定の結果、メニュースイッチがオンでなかった場合には、レリーズ釦21が半押しされたか、すなわち、1Rスイッチがオンか否かの判定を行う(#21)。判定の結果、1Rスイッチがオンであった場合には、撮影準備と撮影を行う撮影動作のサブルーチンを実行する(#37)。このサブルーチンの詳細は図6を用いて後述する。
ステップ#21における判定の結果、1Rスイッチがオンでなかった場合には、ステップ#1と同様に、パワースイッチがオンか否かの判定を行なう(#23)。判定の結果、パワースイッチがオンであった場合には、ステップ#7に戻り、前述の動作を繰り返す。一方、パワースイッチがオンではなかった場合には、電源供給を停止し(#25)、ステップ#3に戻り、前述のスリープ状態となる。
次に、ステップ#31の更新時間の入力動作について、図5を用いて説明する。このサブルーチンに入ると、まず、更新時間を入力するために、情報設定ダイヤル24が操作されたか否かの判定を行う(#45)。判定の結果、情報設定ダイヤル24が操作されていなかった場合には、元のルーチンに戻る。一方、情報設定ダイヤル24が操作されていた場合には、スイッチ検知回路283はその回転方向を検出する(#47)。
続いて、検出された回転方向が更新時間を減少させる方向か否かの判定を行う(#49)。判定の結果、更新時間を減少させる回転方向の場合には、前回の更新時間が下限値に達しているか否かの判定を行う(#51)。下限値は、適宜設定すればよいが、例えば0.1秒程度であればよい。判定の結果、下限値に達していなかった場合には、現在の設定状態から順に所定のステップで更新時間を短くする(#53)。
更新時間は、図9に示したように、液晶モニタ26上の撮影情報中に更新表示302として表示されるが、情報設定ダイヤル24によって更新時間を短くする方向に回転操作させるたびに、例えば、現在の設定状態が初期値の30秒であれば、図10の(c)から(a)の下限値の方向に向け、所定のステップで徐々に減少する。このステップは、使い勝手を考慮して適宜決定すれば良い。更新時間短縮が終わると、元のルーチンに戻る。
ステップ#49における判定の結果、減少方向でなかった場合には、前回の更新時間が上限値に達しているか否かの判定を行う(#55)。上限値は適宜設定すればよいが、例えば、暗電流の影響を受けない時間程度として、9分としてもよい。判定の結果、上限値に達していなかった場合には、所定のステップで更新時間を延ばす(#57)。情報設定ダイヤル24によって更新時間を長くする方向に回転操作させるたびに、現在の状態から図10の(e)の上限値の方向に向け、所定のステップで徐々に増加する。更新時間伸長が終わると、元のルーチンに戻る。なお、この更新時間間隔は一例であり、適宜変更できる。
また、本実施形態においては、設定部298においてバルブ撮影等の長秒時撮影時おける輝度判定レベルの際の所定値の設定を行う。この設定は、図5に示すフローチャートと同様のフローにおいて行う。この場合、#51〜#57における「更新時間」を「輝度判定レベル」に置き換えればよい。輝度判定レベルとしては、例えば、画像データが8ビットで表わされる場合には、例えば、255が最大値となり、14ビットの画像データの場合には、最大値は16383としてもよい。また、ステップ#31において、輝度判定用の所定値が未設定の場合には、予め設定してあるデフォルト値(例えば、8ビットの場合には、255)を、輝度判定用の所定値とする。
また、設定部298によって設定された輝度判定レベルは、図9に示すように、液晶モニタ26上に、輝度判定レベル表示303として表示される。従って、ユーザは、輝度判定レベル表示303を見ながら、情報設定ダイヤル24を操作すればよい。
なお、本実施形態においては、更新時間や輝度判定レベルを、情報設定ダイヤル24を操作することによって設定したが、これに限らず、十字釦とOK釦の操作によって設定してもよく、またタッチパネル26aのタッチ操作によって設定する等、他の操作部材によって設定するようにしても勿論かまわない。このように、本実施形態においては、輝度レベル判定用の所定値を設定するための所定値設定手段を有している。
次に、ステップ#37における撮影動作について、図6を用いて説明する。このサブルーチンは、1Rスイッチがオンになるとスタートし、まず、液晶モニタ26に表示されている撮影情報をオフする(#61)。続いて、AF制御のサブルーチンを実行する(#63)。このサブルーチンでは、公知の位相差AFにより撮影光学系101の焦点ズレ方向および焦点ズレ量を検出し、この焦点ズレ方向・焦点ズレ量に基づいて光学系駆動機構107の駆動制御を行い、撮影光学系101のピント合わせを行う。
位相差AFが終わると、ステップ#9と同様に、バルブモードが設定されているか否かを判定する(#65)。判定の結果、バルブモードが設定されていなかった場合には、測光・露光量演算を行い、シャッタ速度や絞り値等の露出制御値を求める(#67)。一方、判定の結果バルブモードが設定されていた場合には、ステップ#67をスキップし、ステップ#69に進む。バルブモードの場合には、前述したように、シャッタ213の開閉時間は撮影者によって決められ、測光および露光量演算は不要のためである。
続いて、シャッタ釦21が全押しされたか、すなわち、2Rスイッチがオンか否かを判定する(#69)。判定の結果、2Rスイッチがオンとはなっていなかった場合には、1Rスイッチがオンか否かを判定する(#87)。判定の結果、1Rスイッチがオンではなかった場合には、撮影動作を終了して、元のルーチンに戻る。一方、判定の結果、1Rスイッチがオンの場合には、ステップ#69に戻り、1Rスイッチと2Rスイッチの状態を検出する待機状態となる。
ステップ#69における判定の結果、2Rスイッチがオンとなると、撮影を行なうためのステップに移る。まず、可動ミラー201の退避動作(上昇位置へ移動)を行う(#71)。これによって、撮影光学系101による被写体光束が撮像素子221の方向に導かれる。続いて、レンズCPU111に絞込み動作を指示し、絞り103の絞り込み動作を実行させる(#73)。
これで、通常の撮影動作もしくはバルブ撮影動作に入る準備ができたので、露光動作を開始する(#75)。露光は、シャッタ213の先幕の走行を開始させると共に、撮像素子221の電荷蓄積を開始する。ステップ#67で求められたシャッタ速度もしくは撮影者によって手動設定されたシャッタ速度に対応する時間が経過すると、シャッタ213の後幕の走行を開始させると共に、撮像素子221の電荷蓄積を終了する。
ここで、バルブモードが設定されていた場合には、レリーズ釦21が全押しされている間、シャッタ213を開放状態とし、この間、撮像素子221によって更新時間間隔で繰り返し画像データを取得し、この画像データに基づく加算画像を液晶モニタ26に更新しながら表示する。この露光動作の詳細は図7を用いて後述する。
露光動作が終了すると、絞り103の開放指示をレンズCPU111に出力し、絞り103を開放し(#77)、可動ミラー201を下降位置へと復帰動作を行う(#79)。続いて、撮像素子221から読み出されて、一時的にSDRAM267に記憶されている通常の画像もしくは加算画像のデータの画像処理を行う(#81)。画像処理された画像データを記録媒体277に記録し(#83)、液晶モニタ26に表示していた画像の表示を停止する(#85)。画像表示を停止させると、元のルーチンに戻る。
なお、本実施形態においては、撮影光学系101のピント合わせを公知の位相差法によって行っていたが、これに限らず、コントラストAFによってピント合わせを行うようにしてもよい。また、本実施形態のカメラは、可動ミラー201やペンタプリズム207を有する一眼レフカメラであるが、これらを有さない所謂ミラーレスカメラであれば、ステップ#71の可動ミラー退避やステップ#79の可動ミラー復帰の処理を省略することができる。
次に、ステップ#75における露光動作について、図7を用いて説明する。このサブルーチンに入ると、まず、ステップ#9と同様に、バルブモードが設定されているか否かを判定する(#101)。判定の結果、バルブモードが設定されていなかった場合には、プログラム撮影モード等の通常の撮影モードを実行する。
通常の撮影モードとして、まず、露光時間計時用のタイマーをスタートさせ(#103)、シャッタ213の開放と共に撮像素子221に撮像を開始させる(#105)。すなわち、撮像素子221上に結像している被写体像の光電変換を行い、信号電荷の蓄積を開始させる。ステップ#67で演算された、もしくは手動設定されたシャッタ速度に対応する露光時間(設定秒時)が経過したか否かを判定する(#107)。判定の結果、露光時間が経過すると、シャッタ213を閉じると共に撮像素子221における撮像を停止する(#109)。
続いて、撮像素子221から画像信号の読み出しを行い(#111)、この読み出された画像信号をSDRAM267に一時蓄積する(#113)。この一時蓄積された画像信号に基づいて、液晶モニタ26に撮影画像の表示を行う(#115)。
ステップ#101における判定の結果、バルブモードが設定されていた場合には、はじめに、加算画像記憶部293内に用意された加算画像記憶領域のすべてをクリアし(#121)、ステップ#31において手動入力された更新時間を設定する(#123)。
次に、ベース画像があるか否かを判定する(#125)。ベース画像は、図13に示したように、スタート時の元画像である。このベース画像は、バルブ撮影モード選択時に、メニュー画面で元画像を重畳させるモード(元画像重畳モード)を選択すると、サムネイル画像が表示され、選択できる。このステップでは、この元画像重畳モードを選択し、かつ元画像を選択しているか否かを判定する。
ステップ#125における判定の結果、ベース画像(元画像)があった場合には、ベース画像の設定を行う(#127)。このステップでは、予め選択されている元画像を、加算画像記憶部293(図3参照)の記憶領域Aに格納する。以後、後述するステップ#137において加算演算が行われるたびに、加算画像が記憶領域B、C、D・・・に格納される。なお、元画像は、RAW画像データが望ましいが、JPEG画像データ等、他の形式の画像データでもよい。ステップ#127において、元画像が設定されると、図13に示したように、元画像から表示が開始され、一方、元画像が未設定の場合には、図12に示すように、真っ暗な画像からスタートする。
ステップ#127において元画像を設定すると、またはステップ#125における判定の結果、元画像がない場合には、次に、表示の更新時間計時用のタイマーをスタートさせ(#129)、ステップ#105と同様に、シャッタ213を開放すると共に撮像を開始する(#131)。
続いて、更新時間計時用のタイマーが、ステップ#120において設定された更新時間を経過した否かの判定を行う(#126)。判定の結果、更新時間が経過していなかった場合には、レリーズ釦21の押下げ操作が解除されたか、すなわち、1Rスイッチがオフとなったか否かを判定する(#161)。2Rスイッチがオンで更新時間が経過していない場合には、後述するステップ#143に進み、シミュレーション画像を生成し、表示する。
ステップ#133における判定の結果、更新時間が経過すると、シャッタ213は開のまま撮像素子221の撮像を停止し、画像信号の読み出しを行う(#135)。
次に、前回の加算画像に加算蓄積を行う(#137)。このステップでは、加算画像記憶部293で直前に記憶された記憶領域から加算画像データを読み出し、この画像データとステップ#135において読み出された画像データの加算演算を行う。そして、ここで得られた加算画像の画像データを、加算画像記憶部293で直前に読み出された記憶領域に隣接する記憶領域に記憶する。
ステップ#137において加算蓄積を行うと、次に、輝度変化係数の演算を行う(#139)。この輝度変化係数演算は、シミュレーション画像の生成を行うために、今回の輝度変化係数k(x、y)を求める。この輝度変化係数k(x、y)は、画像の各ピクセルごとに生成するものであり、今回読み込んだ画像データの内の輝度データ I(x、y)をその露出時間である更新時間ΔTで除算したものである。この輝度変化係数演算の詳しい動作については、図8を用いて後述する。
輝度変化係数を演算すると、次に、表示更新タイマーをスタートさせ、撮像素子121に撮像を開始させる(#141)。
ステップ#141において表示タイマーを再スタートさせると、またはステップ#161における判定の結果、1Rスイッチがオンであった場合には、次に、シミュレーション画像を生成し表示する(#143)。前述したように、表示更新タイマーによって計時された時間が、ステップ#133において更新時間を経過するまでは、最新の加算画像が表示されず、露光の進行状況が把握できない。そこで、本実施形態においては、タイマー再スタート後の予測画像を、最新の加算画像を処理することによってシミュレーション画像を生成し、表示するようにしている。
シミュレーション画像Sym(x、y)は、ステップ#139において算出した輝度変化係数k(x、y)、加算画像G(n)(x、y)、および加算後からの経過時間 Tkeika を用いて、下記(1)より演算する。
Sym(x、y)=k(x、y)×Tkeika+G(n)(x、y) (1)
このように、シミュレーションSym(x、y)は、予測画像であり、直近の画像とその変化率から予測するため、予測精度が極めて良い。
なお、本実施形態においては、ステップ#137における画像加算は下記(2)式のように単純にリニア(線形)に行っており、その予測がやり易いという利点がある。
G(n)(x、y)=I(x、y)+G(n−1)(x、y) (2)
ここで、G(n−1)(x、y)は、前回のピクセル毎の加算画像の輝度値であり、G(n)(x、y)は今回のピクセル毎の加算画像の輝度値であり、I(x、y)は今回読み出された撮像素子221からのピクセル毎の輝度値である。
しかし、シミュレーション画像の生成にあたっては、リニアによる予測に限らず、例えば、画像加算を下記(3)式に示すようなノンリニア(非線形)で行ってもよい。
G(n)(x、y)=I(x、y)×a(G(n−1)(x、y))+G(n−1)(x、y) (3)
ここで、aは加算係数であり、この加算係数は、図11に示すように、前回の加算画像の明るさに応じて加算量を変化させることができる。図11に示す例では、前回の輝度が暗い程、加算係数aが大きく、明るい場合には加算係数aが小さくしている。このような加算係数を使用すると、月夜のススキ原のような、画像の中に強い光源の月がある場合であっても、月が飽和せずに、暗いススキ原を浮き上がらせる効果がある。
なお、このような加算係数aを用いて、ノンリニアの演算を行う場合の輝度変化係数は、下記(4)式ようにしなければならない。
k(x、y)=I(x,y)×a(G(n−1)(x、y))/ΔT (4)
ステップ#143において、シミュレーション画像を生成し、背面液晶モニタ26に表示すると、次に、動画作成か否かを判定する(#145)。本実施形態では、生成したシミュレーション画像をMotionJPEG動画ファイルとして記録することができ、露出が加算され、被写体が徐々に浮かび上がる動画を提供できるようにしている。バルブ撮影中に、背面液晶モニタ26には、動画作成のためのアイコンが表示されるので、ユーザは十字釦とOK釦により選択するか、またはタッチ操作により、動画作成の指示を行うことができる。このステップでは、この動画作成の指示がなされたか否かを判定する。
ステップ#145における判定の結果、動画作成の指示がなされた場合には、動画を作成する(#147)。ここでは、ステップ#143において生成されたシミュレーション画像を1フレームの画像として、動画ファイル化して、記録媒体277に記録する。動画ファイル形式はMPEGでもよい。
ステップ#147において動画を作成すると、またはステップ#145における判定の結果、動画作成を行わない場合には、次に、輝度が所定値を超えたか否かを判定する(#149)。ここでは、ステップ#143においてシミュレーションされた画像の全画面内(領域が指定された場合にはその領域)の輝度の中で最大値を検出し、この最大輝度値と、ステップ#31において入力された輝度判定用の所定値を比較し判定する。なお、ステップ#31において輝度判定用の所定値が入力されていない場合には、デフォルト値と比較する。この輝度判定の詳細な動作については、図14を用いて後述する。
ステップ#149における判定の結果、輝度が所定値を超えていない場合には、ステップ#133に戻り、加算画像の更新や、またシミュレーション画像の生成を続行する。
一方、ステップ#143における判定の結果、輝度が所定値を超えると、ステップ#135と同様に、画像読み出しを行い(#151)、ステップ#137と同様に、前回の加算画像に加算蓄積を行う(#153)。加算蓄積を行うと、元のフローに戻り、ステップ#81(図6参照)において画像処理を行った後に、ステップ#83において画像記録を行う。
ステップ#161に戻り、ユーザがレリーズ釦の押下げ操作を解除すると、1Rスイッチがオフとなる。1Rスイッチがオフとなると、次に、ステップ#109と同様に、シャッタを閉じ、撮像を停止する(#163)。そして、撮像素子221から画像を読み出し(#165)、ステップ#137と同様に、前回の加算画像に加算蓄積を行う(#163)。加算蓄積を行うと、元のフローに戻り、ステップ#81(図6参照)において画像処理を行った後に、ステップ#83において画像記録を行う。
このように、露光動作のフローにおいては、ステップ#31(図4参照)において設定された更新時間(ステップ#123参照)が、ステップ#133における判定の結果、更新されるたびに、画像読み出しされ(#135)、この読み出された画像と、加算画像記憶部293の記憶領域に記憶されている直前の加算画像との加算演算がなされ、順次記憶されていく。この加算画像は、最初に更新時間が経過時点では、露光時間が短いために、全体に暗い画像であるが、更新時間が経過するたびに、画像データが累積加算されていくことから、次第に明るい画像となる(図12、図13参照)。
また、露光動作のフローにおいては、繰り返し撮像動作を実行して生成された加算画像に基づいて、更新時間経過後の現時点でのタイミングにおける加算画像をシミュレートしたが画像を生成し、このシミュレーション画像を背面液晶モニタ26に表示している。このため、シミュレーション画像を観察することにより、バルブ撮影等の長時間露出において、露光時間の予測を立てることが容易となる。
また、露光動作のフローにおいては、シミュレーションした画像内の最大輝度値が輝度判定用の所定値を超えると、バルブ撮影を終了し、画像の記録を行うようにしている(#149Yes→#151→#153→・・・→図6の#81→#83参照)。このため、花火や月等の輝度の高い部分が白とびとなることがない。特に、シミュレーション画像は、更新時に生成される加算画像と比較し、生成される時間間隔が短いことから、白とびとなることをかなりの確度で防止することができる。
なお、本実施形態においては、シミュレーション画像の輝度値を所定値と比較していたが(#149)、これに限らず、更新時間の際に生成される加算画像の輝度値を用いて判定してもよい。この場合、前述したように、更新時間間隔によっては、白とびが発生しやすくなるが、更新時間を短時間にしたり、また画面全体の平均値ではなく、領域指定等を行うことにより、白とびの発生を減少させることが可能である。
また、本実施形態においては、ステップ#149における輝度レベル判定の結果、輝度が所定値を超えると長秒時撮影を終了するようにしていたが、メニュー画面等により、この長秒時撮影の終了を無効にするようにしても勿論かまわない。ユーザによっては、輝度が所定値を超えても、長秒時撮影を自動的に停止せずに、続行したい場合もあるからである。
次に、ステップ#139の輝度変化係数演算の動作について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。輝度変化係数演算のフローに入ると、まず、シミュレーションを行うか否かの判定を行う(#171)。一般の被写体においても急峻な発光をするものがあり、このような場合には、シミュレーション画像が不正確になってしまう。このような撮影対象のためにシミュレーションを行わない場合には、メニュー画面で設定することができる(図4の#35参照)。
ステップ#171における判定の結果、シミュレーションを行う場合には、次に、フラッシュ発光したか否かを判定する(#173)。フラッシュ発光は、急峻は発光であり、このような発光があるとシミュレーション画像が不正確になることから、フラッシュ発光中は、シミュレーション画像の生成を禁止するようにしている。なお、バルブ撮影等の長時間撮影の場合には、フラッシュ発光は一瞬であり、長時間露光中であってフラッシュが発光していない間は、シミュレーション画像は生成される。
ステップ#173における判定の結果、フラッシュ発光した場合、またはステップ#171における判定の結果、シミュレーションしない場合には、輝度変化係数k(x、y)を0にする(#177)。前述したように、シミュレーション画像は、(1)式に基づいてシミュレートしており、輝度変化係数k(x、y)が0の場合には、更新時の加算画像そのものとなり、シミュレーションされない。
一方、ステップ#173における判定の結果、フラッシュ発光がない場合には、輝度変化係数k(x、y)は、下記(5)式より算出する。
k(x、y)=I(x、y)/ΔT (5)
ここで、I(x、y)は今回読み出された撮像素子221からのピクセル毎の輝度値であり、ΔTは更新時間である。
このように、輝度変化係数演算のフローにおいては、今回読み込んだ画像データの内の輝度データ(x、y)をその露出時間である更新時間ΔTで除算することによって、輝度変化係数k(x、y)を求めている。この変化係数kを用いて、前述したように、シミュレーション画像を線形近似により生成する。
次に、ステップ#145における輝度判断について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。輝度判断のフローに入ると、まず、画像の領域指定があるか否かを判定する(#181)。本実施形態においては、画像領域の指定は、デフォルト値では画面全体であるが、画面内の月の部分や花火の部分等、ユーザが主要被写体と意図する領域を指定することも可能としている。領域指定は、バルブ撮影等の長時間撮影開始前に設定しても良いが、長時間撮影の開始後に、背面液晶モニタ26の画面をタッチ操作する等によって領域を指定する。
ステップ#181における判定の結果、領域指定があった場合には、指定領域内でシミュレーション画像Sym(x,y)の最大値(Max[Sym(x,y)])を抽出する(#183)。ここでは、ステップ#143において生成されたシミュレーション画像Symの中で、指定領域内の画像の輝度値の最大値を抽出する。
一方、ステップ#181における判定の結果、領域指定がなかった場合には、全画面内で、シミュレーション画像Sym(x,y)の最大値を抽出する(#185)。ここでは、ステップ#143において生成されたシミュレーション画像Symの全画面の中の輝度値の最大値を抽出する。
ステップ#183または#185において、シミュレーション画像Symの最大輝度値を抽出すると、次に、シミュレーション画像Sym(x,y)の最大値が所定値より大きいか(Max[Sym(x,y)]>所定値)否かを判定する(#187)。ここでは、抽出された最大輝度値が、ステップ#31(図4)において設定した輝度判定用の所定値より大きいか否かを判定する。なお、ステップ#183および#185において、図13(a)のような元画像の影響を受けないようにするために、Max[Sym(x,y)]はMax[Sym(x,y)−Moto(x,y)]に置き換えて抽出する必要がある。Moto(x,y)は元画像の輝度値である。これを#187で所定値と比較する。この処理を行わないと、元画像の高輝度値によって意図せずバルブ撮影が終了してしまう。
ステップ#187における判定の結果、シミュレーション画像Symの最大輝度値が所定値よりも大きかった場合には、返し値をYesとし(#189)、元のフロー(図7)に戻り、ステップ#151に進み、バルブ撮影等の長時間撮影の終了処理を行う。
一方、ステップ#187における判定の結果、シミュレーション画像Symの最大輝度値が所定値よりも大きかった場合には、返し値をNoとし(#191)、元のフロー(図7)に戻り、ステップ#133に進み、バルブ撮影等の長時間撮影を続行する。
このように、輝度判断のフローにおいては、撮像手段(撮像部291)によって撮像される画像の局所的な輝度レベルと、所定値と比較判定しており(#181Y→#183→#187参照)、また、撮像手段によって撮像される画像の局所的な輝度レベルと、所定値と比較判定している(#181N→#185→#187参照)。なお、局所的な輝度レベルとしては、ユーザがタッチ操作等により指定してもよく、また画面中央部や輝度変化部や顔検出等、自動的に局所を指定するようにしてもよい。このため、ユーザの意図にしたがって、画面全体または画面の局所のいずれかの輝度が適切になるように制御することができる。
次に、本発明の一実施形態における露光動作の変形例を図15ないし図17を用いて説明する。本発明の一実施形態における露光動作においては、シミュレーション画像Symの最大輝度値、または加算画像の最大輝度値が所定値に達すると、バルブ撮影等の長時間露光を終了し、撮像素子221から画像を読み出し、加算処理を行った後に、記録媒体277に記録していた。この露光動作の変形例では、シミュレーション画像Symの最大輝度値、または加算画像の最大輝度値が所定値に達すると、更新時間を短時間に設定し直し、長時間撮影を続行するようにしている。
図15および図16に示す本変形例に係る露光動作のフローチャートは、図7に示したフローチャートにおいて、ステップ#101〜#137、#161〜#167は同じであり、図7のフローチャートのステップ#137〜#153を、ステップ#201〜#227に置き換えている。そこで、この相違点を中心に説明する。
図15に示す露光動作のフローに入り、ステップ#131において、シャッタを開いて撮像を開始し、ステップ#133における判定の結果、更新時間が経過していない場合には、#161における判定の結果1Rスイッチがオンの場合には、ステップ#143(図7参照)と同様に、シミュレーション画像を生成し、背面液晶モニタ26に表示する(図16の#221)。
ステップ#221において、シミュレーション画像を生成し表示すると、次に、第2の更新時間設定後か否かの判定を行う(#223)。後述するように、シミュレーション画像の最大輝度値が所定値を超えると、ステップ#123において設定した更新時間を第2の更新時間に設定し直す(#225参照)。このステップでは、ステップ#225において、第2の更新時間を設定したか否かを判定する。
ステップ#223における判定の結果、第2の更新時間に設定される前であった場合には、次に、ステップ#149(図7参照)と同様に、輝度が所定値を超えたか否かを判定する(#225)。ここでは、ステップ#221においてシミュレーションされた画像の全画面内(領域が指定された場合にはその領域)の輝度の中で最大値を検出し、この最大輝度値と、ステップ#31において入力された輝度判定用の所定値を比較し判定する。この輝度判定の詳細な動作は、図14を用いて説明した通りである。
ステップ#225における判定の結果、輝度が判定値を超えていない場合、またはステップ#213における判定の結果、第2の更新時間を設定していない場合には、ステップ#133に戻り、バルブ撮影等の長時間撮影を続行する。
ステップ#133における判定の結果、更新時間が経過すると、図7を用いて説明したように、画像読み出しを行い(#135)、前回の加算画像に加算蓄積を行う(#137)。
次に、ステップ#145(図7参照)と同様に、動画の作成を行うか否かの判定を行う(#201)。前述したように、ユーザは十字釦とOK釦、またはタッチ操作により、動画作成の指示を行うので、このステップでは、この動画作成の指示がなされたか否かを判定する。この判定の結果、動画作成の場合には、ステップ#147と同様に、動画を作成する(#203)。ここでは、ステップ#221(図16参照)において生成されたシミュレーション画像を1フレームの画像として、動画ファイル化して、記録媒体277に記録する。
ステップ#203において動画を作成すると、またはステップ#201における判定の結果、動画の作成を行わない場合には、次に、ステップ#139と同様に、輝度変化係数演算を行う(#205)。ここでは、ステップ#139と同様にして、シミュレーション画像の生成を行うために、今回の輝度変化係数k(x、y)を求める。輝度変化係数演算の詳しい動作は、図8を用いて説明した通りである。
ステップ#205において輝度変化係数を演算すると、次に、ステップ#141と同様に、表示更新タイマスタートを行う(#207)。ここでは、ステップ#123で設定された更新時間に基づく表示更新タイマーをスタートさせる。なお、ステップ#235において第2の更新時間が設定された場合には、この第2の更新時間に基づく表示更新タイマーをスタートさせる。
ステップ#207において表示タイマーをスタートさせると、次に、ステップ#143と同様に、ステップ#137において生成した加算画像に基づいて、シミュレーション画像を生成し、表示する(#209)。
ステップ#209におけるシミュレーション画像の生成と表示を行うと、次に、ステップ#223と同様に、第2の更新時間設定後であるか否かを判定する(#211)。この判定の結果、第2の更新時間設定後でなければ、前述のステップ#221に進み、バルブ撮影等の長時間露光を続行する。
このように、ステップ#123において設定された更新時間間隔で、撮像素子221から画像信号を読み出し(#135)、加算画像の加算蓄積(#137)を行い、また更新時間と次の更新時間の間は、シミュレーション画像の生成と表示を行っている(#209、#211)。
上述の加算蓄積の画像またはシミュレーション画像の生成と表示を行うループ中に、ステップ#225における判定の結果、輝度が所定値を超えると、ステップ#135と同様に、画像の読み出しを行い(#227)、ステップ#137と同様に、前回の加算画像に加算蓄積を行う(#229)。
ステップ#229において加算蓄積を行うと、次に、画像記録を行う(#231)。ここでは、ステップ#229において生成した加算蓄積の画像の画像データを記録媒体277に記録する。
ステップ#231において画像記録を行うと、次に第2の更新時間を設定する(#235)。前述したように、ステップ#215における判定の結果、シミュレーション画像の最大輝度値が所定値を超えると、ステップ#123において設定した更新時間を第2の更新時間に設定し直している。この第2の更新時間は、ステップ#123において設定した更新時間も短時間である。本変形例においては、シミュレーション画像の最大輝度値が所定値を超えた場合に、更新時間を短時間に変更しているが、この動作については、図17を用いて後述する。
ステップ#235において、第2の更新時間を設定すると、次に、表示更新タイマーをスタートさせる(#237)。ここでは、ステップ#235において設定した第2の更新時間で表示更新タイマーをスタートさせる。表示更新タイマーをスタートさせると、ステップ#133に戻り、バルブ撮影等の長時間露光を行う。すなわち、第2の更新時間が経過するたびに、画像信号を読み出し加算蓄積を行い(#135、#137)、また、シミュレーション画像の生成と表示を行う(#209)。
ステップ#209におけるシミュレーション画像の生成と表示を行うと、次に、前述したように、第2の更新時間設定後であるか否かを判定する(#211)。この判定の結果、第2の更新時間設定後であれば、画像記録を行う(#213)。ここでは、ステップ#137において生成した加算蓄積の加算画像の画像データを記録媒体277に記録する。画像記録を行うと、ステップ#213に戻り、長時間露光の動作を繰り返す。そして、ステップ#161における判定の結果、1Rスイッチがオフ、すなわち、ユーザがレリーズ釦から指を離すと、シャッタを閉じ、撮像を停止し(#163)、画像を読み出し(#165)、前回の加算画像に加算蓄積を行い(#167)、元のフローに戻る。なお、この加算蓄積の画像データは、画像処理された後(図6の#81)、記録媒体277に記録される(#83)。
次に、図17を用いて、本発明の一実施形態における露光動作の変形例における表示更新と加算画像の画像データの記録について説明する。図17において、横軸は時間の経過を示し、縦軸は、露光量(本変形例では最大輝度値)を示す。時刻T1において、加算画像の表示を行い、時刻T2、T3、・・・T5において、加算画像の更新を行い、背面液晶モニタ26(図17ではTFTと記載)に更新された加算画像が表示される。なお、この間の更新時間は、ステップ#123において設定された更新時間である。
時刻T10において、露光量が所定値(記録開始スレッシュ)P1を超えると、更新時間がステップ#235において設定された第2の更新時間に変更される。このため、時刻T11、T12,・・・と、更新時間が短時間になり、表示更新の間隔が短くなる。さらに、更新時間が#123で設定された時間の場合には、時刻T1〜T5において累積加算がなされ、加算画像が生成されても、記録媒体277に記録されることはないが、更新時間が第2の更新時間に変更されると、加算画像が生成されるたびに、加算画像が記録媒体277に記録される(ステップ#213参照)。
なお、図15、図16に示した、本変形例のフローチャートにおいては、加算画像の最終記録は、ステップ#161における判定の結果、1Rスイッチがオフになった後に行っている。しかし、図17に示すように、露光量が所定値(記録終了スレッシュ)P2を超えた時点まで加算画像の記録を行うようにしてもよい。すなわち、メニュー画面等において、1Rスイッチがオフになっても、露光量が所定値P2を超えるまで繰り返し加算画像を記録するようにしてもよい。また、メニュー画面等において、1Rスイッチがオフになっても、複数回だけ加算画像を記録するようにしてもよい。さらに所定回数のメディア記録回数制限を設け、1R、2Rスイッチに関わらず、撮影を終了するように構成してもよい。
以上説明したように、本発明の一実施形態における露光動作の変形例では、輝度レベル判定手段の判定出力に応答して、長秒時撮影の停止に至るまで、画像を記録するようにしている。すなわち、ステップ#223において、輝度値が所定値P1を超えた判定されるまでは、ステップ#123において設定された更新時間間隔で、累積加算を行い、加算画像を生成・表示を行っている。しかし、ステップ#223において、最大輝度値が所定値P1を超えたと判定されると、ステップ#235において設定された第2の更新時間間隔で累積加算を行い、加算画像を生成・表示を行うと共に、さらに画像データの記録を行うようにしている。
このため、本実施形態においては、最大輝度値が所定値P1を超えた後の、時刻T10,T11、・・・における個々の加算画像の画像データが、記録されることから、長時間撮影の終了後に、ユーザが意図に従った露光の画像を選択することが可能となる。
なお、本実施形態においては、ステップ#223における輝度の判定にあたっては、ステップ#221におけるシミュレーション画像の輝度値を用いていた。しかし、これに限らず、ステップ#137において生成された加算画像の輝度値を用いるようにしても勿論かまわない。特に、本変形例においては、第2の更新時間はステップ#123において設定された更新時間よりも短いので、長時間露光の進捗状況に応じて、正確な制御が可能となる。
以上、説明したように本発明の一実施形態においては、輝度レベル判定手段の判定出力に応答して長秒時撮影を終了するようにしている(図7の#149→Y)。このため、適正露出制御の概念の通じないバルブ撮影等の長秒時撮影においても、ユーザにとって確実かつ無駄なく容易に好ましい露出のバルブ撮影等の長秒時撮影が可能となる。すなわち、ステップ#143におけるシミュレーション画像、またはステップ#137における加算画像の輝度が所定値を超えた際から、長秒時撮影の記録を開始するようにしている。このため、背面液晶モニタ26等における表示部での経過表示が見難い状態であっても、確実かつ容易に好ましい露出の撮影が可能となる。
この場合、ステップ#149における輝度の判定の際に、輝度として画面全体、またはユーザに指定された領域の輝度の最大輝度値を判定していることから、花火や月等、局所的に輝度が高くなる被写体に対して、適正露光とすることができる。
なお、最大輝度値としては、各画素の中で最大輝度を抽出するようにしてもよいが、複数画素をブロック化し、このブロックした画素群の最大輝度値を抽出する等、適宜、最大値の抽出にあたっては工夫してもよい。各画素の中の最大輝度値を抽出するとノイズ等の影響を受けやすいが、ブロック平均化することにより、ノイズ等の影響を除去できる。
また、本発明の一実施形態の変形例においては、輝度レベル判定手段の判定出力に応答して、長秒時撮影の停止に至るまで、画像を記録するようにしている(図15の#211→Y)。このため、輝度値が所定値を超えると、加算画像の画像データが自動的に記録されることから、長時間撮影の終了後に、ユーザが意図に従った露光の画像を選択することが可能となる。
なお、本発明の一実施形態や変形例においては、撮像装置として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタルカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話、スマートフォーンや携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。いずれにしても、バルブ撮影等、長秒時撮影が可能な撮影機器であれば、本発明を適用することができる。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」等の順番を表現する言葉を用いて説明したとしても、特に説明していない箇所では、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
21・・・レリーズ釦、22・・・撮影モードダイヤル、24・・・情報設定ダイヤル、26・・・背面液晶モニタ、26a・・・タッチパネル、27・・・連写/単写釦、28・・・AFロック釦、30・・・十字釦、30U・・・アップ用十字釦、30D・・・ダウン用十字釦、30R・・・右側釦、30L・・・左側釦、31・・・OK釦、33・・・ライブビュー表示釦、34・・・拡大釦、37・・・メニュー釦、38・・・再生釦、40・・・メディア装填蓋、50・・・ストロボ、100・・・交換レンズ、101・・・撮影光学系、103・・・絞り、107・・・光学系駆動機構、109・・・絞り駆動機構、111・・・レンズCPU、200・・・カメラ本体、201・・・可動ミラー、203・・・サブミラー、205・・・フォーカシングスクリーン、207・・・ペンタプリズム、211・・・測光センサ、213・・・フォーカルプレーンシャッタ、217・・・赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ、221・・・撮像素子、223・・・撮像素子駆動回路、225・・・ADC回路、227・・・暗電流除去回路、231・・・温度測定回路、237・・・シャッタ駆動機構、239・・・可動ミラー駆動機構、241・・・測光処理回路、243・・・焦点検出センサ、245・・・焦点検出処理回路、250・・・ASIC、251・・・シーケンスコントローラ(ボディCPU)、252・・・データバス、257・・・画像処理回路、259・・・圧縮伸張回路、261・・・ビデオ信号出力回路、263・・・液晶モニタ駆動回路、265・・・SDRAM検知回路、267・・・SDRAM、271・・・入出力回路、273・・・通信回路、275・・・記録媒体制御回路、277・・・記録媒体、279・・・フラッシュメモリ制御回路、281・・・フラッシュメモリ、283・・・スイッチ検知回路、285・・・各種スイッチ、291・・・撮像部、292・・・加算演算部、293・・・加算画像記憶部、295・・・画像記録部、296・・・画像表示部、297・・・制御部、298・・・設定部、300・・・通信接点、301・・・バルブモード表示、302・・・更新時間表示、303・・・輝度判定レベル

Claims (6)

  1. 第1の手動操作に応答して長秒時撮影を開始する長秒時撮影開始手段と、上記第1の手動操作に続く第2の手動操作または所定時間経過に応答して、上記長秒時撮影を停止する長秒時撮影停止手段と、上記長秒時撮影の実行中に、設定された周期で被写体像を繰り返し撮像し、画像データを出力する撮像手段と、上記撮像手段から上記画像データが出力されるたびに、該画像データと過去の画像データとの加算演算を行う加算演算手段と、を備える撮像装置において、
    上記加算演算手段で加算演算された画像の輝度レベルと所定値を比較判定する輝度レベル判定手段と、
    上記輝度レベル判定手段の判定出力に応答して、上記長秒時撮影の停止に至るまで、画像を記録する長秒時撮影記録手段と、
    を具備したことを特徴とする撮像装置。
  2. さらに、上記加算演算された画像の輝度レベルに基づいて、現在の輝度レベルを予測する輝度レベル予測手段を備え、
    上記輝度レベル判定手段は、上記輝度レベル予測手段によって予測された予測輝度と所定値を比較判定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 上記輝度レベル判定手段は、上記撮像手段によって撮像される画像の局所的な輝度レベルと、上記所定値と比較判定することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 上記輝度レベル判定手段は、上記撮像手段によって撮像される画像の平均的な輝度レベルと、上記所定値と比較判定することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  5. 上記輝度レベル判定手段は、上記撮像手段によって撮像される画像の内で指定された局所部の輝度レベルと、上記所定値と比較判定することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  6. さらに、上記所定値を設定するための所定値設定手段を有することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の撮像装置。
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