JP2014055146A - 非アルコール性脂肪性肝炎に有効な経口摂取用組成物 - Google Patents

非アルコール性脂肪性肝炎に有効な経口摂取用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の予防及び/又は治療に有用な経口摂取用組成物及びその製造方法の提供。
【解決手段】ヒドロキシルラジカル消去活性が80μg/ml乃至2,000μg/ml(IC50),又はTrolox換算で0.2μmol equivalent/mg乃至5.0μmol equivalent/mgであることを特徴とする官能的に優れた品質を有する未成熟パパイア果実発酵物をNASHの予防・治療用経口摂取用組成物として利用する。該組成物を少なくとも1重量以上含む経口摂取用組成物は有効な効果を奏する。
【選択図】なし

Description

本発明は,非アルコール性脂肪性肝炎(non−alcoholic steatohepatitis, 以降「NASH」と呼称する)の予防及び/又は治療に用いる経口摂取用組成物に関する。
脂肪肝に炎症が加わり,それが持続すると肝硬変まで進行することがある。この病態は非飲酒歴者においてもアルコール性脂肪性肝炎に類似した病状を示すことから,NASHの診断名を与えられ,高血圧,糖尿病,高脂血症と並び新しい生活習慣病として近年俄に注目されているところである。
食生活の欧米化すなわち高脂肪含量の食生活や運動不足による肥満人口の増加と生活習慣病患者の増加に伴い,脂肪肝患者,NASH患者も増加することが想定される。ゆえに,新たに開発されるNASH治療薬や重症化抑制薬及び/又はNASH発症リスク低減機能食品や重症化リスク低減機能食品の開発及び/又はNASH治療方法や重症化予防法の確立が望まれる。
ヒトにおけるNASHは血液生化学的特徴及び/又は病理組織学的特徴により診断できる。未知の機能性素材評価のためのNASH病態モデル実験動物の作出は,例えばラットを用いた時,該実験動物の血中酸素分圧を低水準に維持することにより達成できる。
NASH病態モデル実験動物と酸化ストレスの関連解明の詳細は下記非特許文献1に準拠している。即ち,上記NASH病態モデル実験動物としてラットを用いた時,該実験動物肝臓ミトコンドリアにおけるヒドロキシルラジカル産生は亢進している。このことは,例えば,肝臓ミトコンドリアにおけるヒドロキシルラジカル消去活性を亢進することによるNASHの予防,改善・治療への可能性を示唆している。
一般に,活性酸素種(ROS)と疾病との関係は広く認知されており,ガン,白内障,神経疾患,腎疾患の他,アレルギー,糖尿病などのいわゆる生活習慣病にも係っている。ROSが関係するこれらの疾病に対しては抗酸化物質の有効性が認められている。
また,ヒトNASH病態に即した該病態モデル実験動物としてラットを用いた時,肝臓ミトコンドリアからの活性酸素ラジカル産生の亢進が認められることから,NASHと酸化ストレスの関係が強く示唆されている(非特許文献1参照)。
一方,パパイア(学名:Carica Papaya Linn)はトロピカルフルーツとして食用に供されるだけでなく,パパインとして知られるタンパク質加水分解酵素を含むことから,食品,化粧品,及び医薬品への配合成分として様々な分野で広く利用されてきた。
その保健機能性は該製品のROS消去活性,特に,ヒドロキシルラジカル消去活性に基づく可能性が示唆されている(非特許文献2参照)。
未成熟パパイア果実発酵物製品は一般に抗酸化作用を有し,各種疾病に有効であることが知られている。例えば,てんかん,健忘症,アルツハイマー病などの疾病への有効性,皮膚,大腸粘膜の免疫性を高め,アレルギー性炎症を抑制する可能性が示唆されている(非特許文献3参照)。
また,パパイアの発酵処理加工物の食品(特許文献1〜4)及び洗剤・クリーニング分野(特許文献5)での利用が考えられるようになり,一部実用化されている。
しかしながら,高い保健機能性を有する未成熟パパイア果実発酵物が機能性発揮に必要とするラジカル消去活性のレベルは知られておらず,また,活性酸素種の関係する生活習慣病に対する該発酵物の具体的な用途は確立されていない現状である。
かかる背景下,高いヒドロキシルラジカル消去活性を有する未成熟パパイア果実発酵物の生活習慣病への利用方法の確立,特に,NASHへの利用方法確立が期待されていた。
特開2001−120224号公報
特開2003−024009号公報
特開2004−267026号公報
特開2006−075086号公報
特開2001−152188号公報
TAKAYAMA F. et al: J. Pharmacological Sci.,100(1),pp.164(2006).
IMAO K.et al: KISO TO RINSHO,31(8),pp.2833−2839(1997).
IMAO K.et al: Biochemistry and Molecular Biology International,45(1),pp.11−23(1998).
本発明は,上記事情に鑑みてなされたもので,その目的はNASHの予防及び/又は治療に有用な経口摂取用組成物及びその用途を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究を重ね,〔1〕高いヒドロキシルラジカル消去活性を有する未成熟パパイア果実発酵物及びその製造技術の確立,〔2〕未成熟パパイア果実発酵物を含むパパイア加工食品の開発,〔3〕未成熟パパイア果実発酵物のヒドロキシルラジカル消去活性とNASHの関連解明,に基づき本発明に至った。
第1に,本発明はNASHの予防及び/又は治療に用いる経口摂取用組成物であって,未成熟パパイア果実発酵物からなる経口摂取用組成物を提供することを特徴とする。
第2に,本発明はNASHの予防及び/又は治療のため,未成熟パパイア果実発酵物を少なくとも1.0重量%含有する経口摂取用組成物を提供することを特徴とする。
第3に,前記未成熟パパイア果実発酵物は,ヒドロキシルラジカル消去活性が80μg/ml乃至2,000μg/ml(IC50),又はTrolox換算で0.2μmol equivalent/mg乃至5.0μmol equivalent/mgであるとともに,官能的に優れた品質を有することを特徴とする。
また,本発明において,ヒドロキシルラジカル消去活性は以下の様に定義される。
未成熟パパイア果実発酵物のヒドロキシルラジカル消去能の評価は電子スピン共鳴分光(ESR)−スピントラッピング法にて実施する。ESR装置はX−Band ESR装置(日本電子株式会社製RX型)にデジタル高速掃引ユニット(ラジカルリサーチ社)を組み込み改良したラジカル検出装置にESR装置用WIN−RADシステムRDA−03W ESRデータアナライザー(ラジカルリサーチ社)を接続したシステムから構成される。スピントラップ剤として,5,5−dimethyl−1−pyrroline−N−oxide(DMPO,ラボテック社)又は2−(5,5−Dimethyl−2−oxo−2λ5−[1,3,2]dioxaphosphinan−2−yl)−2−methyl−3,4−dihydro−2H−pyrrole 1−oxide (CYPMPO,ラジカルリサーチ社)を用いる。
ESR測定条件は,掃引磁場領域;DMPOの場合,336.5±5mT(CYPMPOの場合,331.5±10mT),磁場変調Field Mod ; 0.079,Time Constant; 0.10秒,掃引時間; DMPOの場合,1分(CYPMPOの場合,4分),出力;8.0mWで行い,結果はDMPO又はCYPMPOによりトラップされたスピンアダクトの相対強度として示される。
本発明においては,ヒドロキシルラジカル消去活性は試料(未成熟パパイア果実発酵物)を含まない対照ESR測定時の信号相対強度を50%減弱させる未成熟パパイア果実発酵物製品の濃度をIC50値(μg/ml,最終濃度)として定義してある。
または,上記ヒドロキシルラジカル消去活性に相当する,即ち,同一のラジカル消去活性を発揮するTrolox((±)−Hydroxy−2,5,7,8−tetramethylchromane−2−carboxylic acid,アルドリッチ社)の濃度を求め,未成熟パパイア果実発酵物製品のIC50値(μg/ml,最終濃度)に相当する単位(μmol Trolox equivalent/mg)として示してある。換言すると,Troloxをヒドロキシルラジカル消去活性評価のための標品として用い,試料(未成熟パパイア果実発酵物)のヒドロキシルラジカル消去活性に相当するTroloxの化学当量を求めることにより評価を行う。
このことにより,ESR機種の違い,手法の違い,試薬類純度の違いなどによるデータのバラツキを最小限に留め,データに客観性,定量性を与えることが可能となる。
本発明によれば,NASHの予防及び/又は治療に未成熟パパイア果実発酵物からなる経口摂取用組成物を用いることにより,NASHの予防及び/又は治療に有用な経口摂取組成物の提供が可能となる。
本発明の経口摂取組成物に使用する未成熟パパイア果実発酵物の製造方法は,野生の未成熟パパイアのスライス品とブドウ糖とを混合してなる第1の混合物を静置し,次いでこの第1の混合物を濾過することにより第1の濾液と第1の残渣に分画し,この第1の残渣にブドウ糖を混合し第2の混合物とした後静置し,この第2の混合物を濾過することにより第2の濾液を取得するとともに,第1の濾液と第2の濾液とを混合してなる第3の混合液を製造し,次いでこの第3の混合液中のブドウ糖濃度を40乃至60%に調製することにより製造される第1の中間原料に対し,乳酸菌とアミラーゼと味噌用酵素とを混合した後発酵せしめて発酵物を製造する工程と,この発酵物にブドウ糖を添加した後乾燥させ,その後粉砕してなる第2の中間原料を製造する工程と,この第2の中間原料を,6ヶ月以上静置熟成させる工程とからなる。
また,本発明に基づく製品はヒドロキシルラジカル消去活性が80μg/ml乃至2,000μg/ml(IC50),又はTrolox換算で0.2μmol equivalent/mg乃至5.0μmol equivalent/mgであるとともに官能的に優れた品質を有する未成熟パパイア果実発酵物を使用することを特徴とする。
ここで,「野生の未成熟パパイア」とは,原種に近い野生種のパパイアであって,かつ未だ熟していない外皮が青色のパパイア果実を意味し,店舗,スーパーなどで目にする品種改良されたパパイアとは異なり,大きさは人の拳ほどであり,種がぎっしりと詰まっているものである。
野生の未成熟パパイア果実は白色の種子を有する特徴を有しており,黒色の種子を有する成熟パパイア果実とは異なるものである。
また,一般に,栽培された未成熟パパイア果実よりも野生の未成熟パパイア果実の方がヒドロキシルラジカル消去活性が高く,かつ,保健機能性が高いため,本発明においては野生の未成熟パパイア果実を用いることを特徴としている。
即ち,野性の未成熟パパイアを採取し,へたの部分と底部の花落ちをカットし,皮付きのまま種ごと輪切りにした後,容器内にてつぶして練り上げる(マッシュする)。このものにブドウ糖を添加し,4乃至10日間熟成させ,該熟成物を濾過し,第1の濾液と第1の残渣を得る。
第1の残渣とブドウ糖の混合物を静置後,濾過により第2の濾液を取得し,第1の濾液と第2の濾液の混合物にブドウ糖を添加し,該混合液中の最終的なブドウ糖濃度を40乃至60重量%に調製し,この物を未成熟パパイア果実発酵物の中間原料とする。
上記中間原料に乳酸菌,味噌用酵素及びアミラーゼを添加し,混合し,発酵せしめ,該発酵物にブドウ糖を添加した後乾燥させ,該乾燥物を粉砕して粉末状となし,6ヶ月以上静置熟成させることにより,製品であるヒドロキシルラジカル消去活性が80μg/ml乃至2,000μg/ml(IC50),又はTrolox換算で0.2μmol equivalent/mg乃至5.0μmol equivalent/mgであることを特徴とする官能的に優れた品質を有する粉末状の未成熟パパイア果実発酵物を得ることが出来る。本製品は官能評価的に優れた品質を有し,保健機能性素材として有用な生理活性を保持している。
本発明においては原料として野生の未成熟パパイア果実を用いることが重要である。仮に,パパイアの成熟果実を原料として用いた時は,製造工程中に品質劣化を生じやすく,また,最終的に得られた発酵物の品質は官能評価的に未成熟パパイア果実を用いた時よりも劣り,更に,保健機能性素材として期待される生理活性を充分には保持していない。
本発明において用いる乳酸菌には特に制限はないが,ストレプトコッカス属,ペディオコッカス属,ラクトバチルス属などが好ましく,ストレプトコッカス属の乳酸菌が特に好ましい。このものは,例えば,食品グレードの市販品として入手可能な原料である。
本発明において用いるアミラーゼはデンプンの加水分解酵素の総称であり,食品製造に利用可能な品質条件を有している限り,特には制限はない。このものは,例えば,食品グレードの市販品として入手して利用可能な原料であり,該酵素の特性,活性単位等の品質と,目的とする製品の品質条件,製造条件に応じて,使用方法を適宜調整できる。
本発明において,味噌用酵素とは,酒,味噌,醤油などの製造に用いられるコウジカビ属コウジカビ,アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)の菌体,分泌物などを意味する。上述の「中間原料に対し,乳酸菌とアミラーゼと味噌用酵素とを混合した後発酵せしめて発酵物を製造する工程」において,該味噌用酵素を適量,添加混合することが出来る。このものは,例えば,食品グレードの市販品として入手可能な原料であり,該酵素の特性,活性単位等の品質と,目的とする製品の品質条件,製造条件に応じて,使用方法を適宜調整できる。
本発明において用いる乳酸菌,アミラーゼ,味噌用酵素の使用量に,特に制限はないが,それぞれの品質,コスト上の要求に応じて都度適量を定めることが出来る。また,目的とする製品の品質によって,これらの原料の使用量,使用方法は調整可能である。
上記条件下における有効摂取量,摂取方法,摂取期間に係らず,本発明に使用する未成熟パパイア果実発酵物は食品なので,本発明においては摂取量,摂取方法,摂取期間には特段の上限及び下限,又はその他の条件などは設定していない。従って,大量に短期間摂取する場合,少量に長期間摂取する場合,他の保健機能性素材と共に摂取する場合など各種のケースが想定されるが,このこと自体によっては本発明は制限されない。
本発明に使用する未成熟パパイア果実発酵物は乳白色粉末状であるが,摂取を容易とするため造粒による顆粒化,粉砕による微粉末化,打錠による錠剤化など剤形の変更,また,着色料,フレーバー添加など別途に任意の混合物を添加することは妨げられない。
本発明に使用する未成熟パパイア果実発酵物はそのままでも摂取可能であるが,他の食品と混合して摂取することが出来る。該未成熟パパイア果実発酵物の他の食品への添加量は,食品に対して1.0重量%以上,望ましくは3.0重量%以上,更に望ましくは5.0重量%以上の時,官能評価上,食品として好ましい状態となり,NASHに対する実質的な予防改善効果を発揮することが出来る。食品への添加量には上限はなく,100重量%未成熟パパイア果実発酵物を含む食品を用いても差し支えない。混合する食品は粉末状,液状,ペースト状など様々な状態が可能であるが,本発明においてはこれらの状態の制限は受けない。
従って,未成熟パパイア果実発酵物製品の他の食品への混合量,摂取方法はコスト,官能評価を含む品質的要件,NASHの予防及び/又は治療のために要求される機能,例えば,病態の種類,程度,摂取開始時期,摂取予定期間,併用素材その他の内容によって異なるため,一律には制限されない。
未成熟パパイア果実発酵物のラジカル消去活性に基づくNASH病態の予防及び/又は改善・治療用組成物として利用するに当たり,ヒドロキシルラジカル消去能はESRで測定した時,80μg/ml乃至2,000μg/ml(IC50),又はTrolox換算で0.2μmol equivalent/mg乃至5.0μmol equivalent/mgとすることにより有効に目的を達成できる。
なお,未成熟パパイア果実発酵物のラジカル消去活性に基づくNASH病態の予防及び/又は改善・治療用組成物として利用するに当たり,ヒドロキシルラジカル消去能の大きさは,ESRで測定した時,IC50値としてTroloxを超えない範囲であることが望ましい。これはTrolox以上のヒドロキシルラジカル消去能を有する食品を無制限に摂取した場合の生体への影響を予測できないことによる。本発明においては,ヒドロキシルラジカル消去能の上限は天然物として安全性が担保されている緑茶抽出物粉末と同等レベルに設計されている。
以上説明したように,本発明においては高いラジカル消去能を有する未成熟パパイア果実発酵物を使用し,経口摂取用組成物として用いることによりNASHの有効な予防方法及び/又は治療方法を提供する。
以下,実施例によって本発明をさらに説明する。但し,下記の実施例は発明を例示するためのものであり,本発明をいかなる意味においても限定するものではない。
<実施例1>
1)未成熟パパイア果実発酵物中間原料の製造例
野生の未成熟パパイア果実100Kgを採取し,異物除去のため水洗後,ヘタ部分及び果実の底部を除き,スライス品85Kgを得た。
スライス品にブドウ糖20Kgを添加し,良く混和し,4日間静置熟成させ,該混合物を濾過し,果汁液である濾液1と残渣1を得た。
残渣60Kgに対し,ブドウ糖10Kgを添加し,混和し,4日間静置熟成させ,該混合物を濾過し,果汁液である濾液2を得た。
濾液1と濾液2を混合し,ブドウ糖2Kgを添加し,良く混和し,目的とする中間原料を40Kg得た。
2)未成熟パパイア果実発酵物最終製品の製造例
上記1)で製造された中間原料20Kgに味噌用酵素0.5Kgを添加し,良く混和し,40℃にて48時間発酵せしめた後,ブドウ糖60Kgを添加し,良く混和した後,18℃,1ヶ月間乾燥させ,粉砕し,組成物1を得た。
上記1)で製造された中間原料15Kgに乳酸菌5Kg及び味噌用酵素0.1Kgを添加し,良く混和し,40℃にて48時間発酵せしめた後,ブドウ糖30Kgを添加し,良く混和した後,18℃,1ヶ月間乾燥させ,粉砕し,組成物2を得た。
上記2)で製造された中間原料5Kgにアミラーゼ0.1Kgを添加し,良く混和し,40℃にて48時間発酵せしめた後,ブドウ糖10Kgを添加し,良く混和した後,18℃,1ヶ月間乾燥させ,粉砕し,組成物3を得た。
組成物1,2,3を合わせて混合均質化し,ガスバリヤー製の高いアルミ包材内で6ヶ月以上熟成し,最終製品100Kgを得た。
本品は水分含量5重量%以下の流動性の高い乳白色粉末で,官能的に優れた味質を有していた。本品のヒドロキシルラジカル消去活性は下記実施例2に記載してある通りである。
<実施例2>未成熟パパイア果実発酵物製品及びTroloxのヒドロキシルラジカル消去活性の測定
上記のようにして製造された未成熟パパイア果実発酵物によるフリーラジカルおよび活性酸素種消去能は,電子スピン共鳴分光(ESR)−スピントラッピング法にて評価した。ESR装置はX−Band ESR装置(日本電子株式会社製RX型)にデジタル高速掃引ユニット(ラジカルリサーチ社)を組込み高感度高速化の改良を施したフリーラジカル検出装置にESR装置用WIN−RADシステムRDA−03W ESRデータアナライザ(ラジカルリサーチ社)を接続したシステムにて構成されている。スピントラップ剤として,CYPMPOを用いた。
ESR分析に際して,ESR装置は,掃引磁場領域: DMPOの場合,336.5±5mT(CYPMPOの場合,331.5±10mT),磁場変調Field Mod:0.079mT,Time Constant: 0.10秒,掃引時間: DMPOの場合,1分(CYPMPOの場合,4分),出力:8.0mWに設定し,測定試料中の活性酸素・フリーラジカル種をDMPO又はCYPMPOにより捕捉し形成するスピンアダクトに固有のESRスペクトルをESR分析で検出した。測定試料における活性酸素・フリーラジカル種の量はスピンアダクトによるESRスペクトルの信号強度により計測できる。遷移金属のマンガン(Mn)はESRスペクトルを生じることを利用し,この信号を基準信号とし,活性酸素・フリーラジカル種とDMPO又はCYPMPOとのスピンアダクトによるESRスペクトルのMnのESRスペクトルに対する信号強度の比,すなわちMn信号に対する相対強度で定量的な精度を向上させた。以下に,更に具体的に示す。
ESR測定試料溶液は,充分に窒素置換された200 mMリン酸緩衝液(pH7.8)中に100μM硫酸第一鉄,100μM diethylenetriaminepenta−acetic acid(DETAPAC),5mM CYPMPO,各濃度の試料(未成熟パパイア果実発酵物製品)又は Trolox,100μM過酸化水素から成る。予め過酸化水素以外を混和し,最後に過酸化水素を添加し,過酸化水素と鉄イオンとのフェントン反応でヒドロキシルラジカルを発生させる。過酸化水素添加1分後に掃引を開始することで反応時間を一定にし,ヒドロキシルラジカルを一定量発生させ,試料混液中のCYPMPOにより捕捉し,形成するCYPMPO−ヒドロキシルラジカルのスピンアダクト(CYPMPO−OH)のESRスペクトルは全8本の信号ピークを持つ。
低磁場から4番目のESR信号ピークと,Mnによる6本のESR信号中,低磁場側から2番目のMn信号ピークを比較し,CYPMPO−OH/MnのESR信号相対強度によりのESR試料中のヒドロキシルラジカル量を定量化した。被験素材又はTroloxを添加せず実施した対照ESR測定で観察されたCYPMPO−OH/MnのESR信号の相対強度を100%とした。試料(未成熟パパイア果実発酵物製品)をESR測定溶液に添加し,CYPMPO−OH/MnのESR信号の相対強度の変化(減弱)で,試料(未成熟パパイア果実発酵物製品)のヒドロキシルラジカルに対する消去活性を検討した。その結果,対照ESR測定時の相対信号強度を50%減弱させる未成熟パパイア果実発酵物製品の濃度をIC50値 (μg/ml)として求めたところ,704μg/ml(ESR測定試料中濃度)であった。
同様にして,上記のヒドロキシルラジカル消去活性に相当するTroloxの相当当量を測定したところ,0.6μmol Trolox equivalent/mgであった。すなわち,保健機能性を発揮するに足る充分な活性が確認された。
<実施例3>未成熟パパイア果実発酵物含有の経口摂取用組成物の製造例
上記2)で得られた製品を0.1重量%,1.0重量%,10.0重量%添加したクッキー及びオレンジジュースを試作し,10名の官能評価者により試食,試飲を行った。
その結果,製品1.0重量%,10.0重量%添加したクッキー及びオレンジジュースに関しては全員が食品又は飲料として摂取可能と評価し,本製品が官能評価的に優れた品質を有することが確認された。しかし,0.1重量%添加品は官能評価的に品質が劣っていると評価された。また,保健機能性を向上させるため,製品そのものの絶対的摂取量を上げる必要性に対し,0.1重量%添加品の利用は現実的ではないと評価された。
<比較例1>パパイアの成熟果実を原料として用いた場合の製品品質
成熟したパパイア果実を原料として,上記1)及び上記2)と同様の工程で製造したところ,工程中で雑菌の混入が認められ,最終製品は異味異臭を呈し,官能的に食品として利用することの出来ない品質となった。
<比較例2>パパイアの成熟果実を原料として用いた場合の製品品質
成熟したパパイア果実を熱処理(100℃,1時間)により殺菌処理したものを原料とし,上記1)及び上記2)と同様の工程で製造したところ,上記2)と同様の官能的性質を有する製品が得られた。
本品のヒドロキシルラジカル消去活性は実施例2で得られた未成熟パパイア果実発酵物から得られた製品と比較すると,2分の1以下であり,要求品質を満足させることは出来なかった。
以上,本発明の実施例と比較例1及び2とを比較した結果,未成熟パパイア果実を出発原料として用いることの必然性及び優位性が示された。
<実施例4>未成熟パパイア果実発酵物の肝臓ミトコンドリアからのフリーラジカル産生抑制効果
未成熟パパイア果実発酵物によるNASH病態モデル動物の肝臓ミトコンドリアのエネルギー代謝からの活性酸素・フリーラジカルの派生増大に対する是正効果をみるため,下記試験を実施した。
Wistar系雄性ラットを,正常対照群(未処理),NASH病態群2群に分けた。NASH病態モデルは高山らの方法(非特許文献1参照)に準拠して作成した。
各群のラットから,肝臓ミトコンドリアを分画(非特許文献4参照)し,下記測定系(非特許文献5参照)にて各群ミトコンドリアから派生する活性酸素・フリーラジカル種をスピントラップ剤DMPOで捕捉し,形成するDMPOスピンアダクトをESR−分光法にて検出した。各群のミトコンドリア画分は0.03Mトリス塩酸緩衝液(pH7.4,0.25Mシュクロース,0.1M塩化カリウムを含む)で縣濁後,直ちに冷凍保存(−80℃)したものをESR分析に供した。
Egashira T. et al:Toxicology Letter, 117, 115−119(2000).
Yudong Wang et al:Free Radical Biology and Medicine, 36(11),1434−1443(2004).
未成熟パパイア果実発酵物をミトコンドリアESR測定試料に添加し,DMPO−活性酸素・フリーラジカルのアダクトによるESRスペクトルの信号強度の減弱効果により,ミトコンドリア機能障害による活性酸素・フリーラジカル(ROS)派生増大に対する改善効果を検討した(非特許文献6参照)。
Takayama F. et al:Japanese Journal of Pharmacology, 85, 227−233(2001).
DMPO,ミトコンドリア及びNADHは氷冷,これら以外は予め37℃に温めておいたものを用いた。アッセイ系は,5mMトリスアミノメタン, 0.25mMシュクロース, 0.1mM塩化カリウムを含む緩衝液中(pH7.4)に,35μlミトコンドリア懸濁液(0.5mgタンパクを含む),920mM DMPO,0.1%ドデシルマルトシド, 10mM L−グルタミン酸カリウム, 10mM L(−)-リンゴ酸ナトリウム, 200mM コハク酸二ナトリウム, 100μM NADHから構成されるよう,試料および試薬溶液を調製し,37℃, 5分間インキュベーション後,ESR分析を行った。
その結果,検出されたDMPOとヒドロキシルラジカルとのアダクト(DMPO−OH)に特徴的なg値と微細定数を持つESRスペクトル(DMPO−OH)の信号強度でミトコンドリアから派生する活性酸素・フリーラジカル種(ROS)を計測した。未成熟パパイア果実発酵物をNASH病態ミトコンドリアによるアッセイ系に添加し,DMPO−OH/MnのESR信号の相対強度の変化で,NASH病態エネルギー代謝から派生する活性酸素・フリーラジカル種の発生増大への制御能を検討した。その結果,相対信号強度を50%減弱させる抽出物の濃度をIC50値(μg/ml)として示してある。
すなわち,正常対象群(未処理)を1.0とした時,NASH病態群は2.6,NASH病態群に未成熟パパイア果実発酵物を添加した群は1.2となった。これにより,未成熟パパイア果実発酵物はNASH病態モデル動物の肝臓ミトコンドリアにおけるエネルギー代謝からのラジカル派生を抑制・制御することが実証された。従って,未成熟パパイア果実発酵物は,経口的に摂取することによりNASHの予防及び/又は改善・治療に有効であることが示唆された。本結果は,抗酸化作用を有する未成熟パパイア果実発酵物の如き食品成分が,一般に酸化ストレスに起因するとされるNASHを含む生活習慣病に有効である、とする理解に根拠を与えるものである。
<実施例5>未成熟パパイア果実発酵物のNASHへの効果
実験的に調整された脂肪肝担持ラットに対し,酸化ストレス(OS)を負荷し,生体内低酸素状態を形成させることによりNASHの生化学的・病理組織学的特徴を有する病態モデルラットを作出し,このものに対し本発明に使用する実施例1で製造された未成熟パパイア果実発酵物を投与し,該ラットの血液の生化学的特徴変化,肝臓ミトコンドリアにおけるROS派生の変化,肝臓組織の病理組織学的変化を観察することにより,NASHに対する本発明に使用する実施例1で製造された未成熟パパイア果実発酵物の有効性評価を行った。
実験動物として,6週齢Wistar系雄性ラット(180−200g/匹)を用いた。脂肪肝作成のため,4週間,自由摂取にてコリン欠乏高脂肪食(CDHF,オリエンタル酵母)を与えた。その後も,病態維持のため実験終了までCDHFを与えた。
動物はポリプロピレン不透明ケージ(W220×L320×H135,夏目製作所)内で2〜3匹ずつ飼育した。飼育室は,湿度40〜50%,室温20〜25℃に維持し,12時間の明暗サイクル(点灯;AM8:00,消灯;PM8:00)に設定した。
酸化ストレス(OS)を付加し生体内低酸素状態を形成させ,NASH病態を作出するため,上記脂肪肝担持ラットに対し,生理食塩水に溶解させた亜硝酸ナトリウムを30mg/Kg(体重)/日,6週間にわたり腹腔内投与した。投与期間中は2週間ごとに尾静脈から採血し,病態の確認を行い,病態の進行状況に問題がないことを確認した。
NASHに対する未成熟パパイア果実発酵物の有効性評価のため,上記亜硝酸ナトリウム投与群に対し,同時に未成熟パパイア果実発酵物を2g/Kg(体重)/日,又は6g/Kg(体重)/日,6週間にわたりゾンデにて強制経口投与した。
投与期間終了後,犠牲死させ,該ラットの血液の生化学的特徴変化,肝臓ミトコンドリアにおける活性酸素・フリーラジカル種(ROS)派生の変化,肝臓組織の病理組織学的変化を観察した。
本実施例においては,[1]群(CDHF+OS),[2]群(CDHF+OS+未成熟パパイア果実発酵物2g/Kg),[3]群(CDHF+OS+未成熟パパイア果実発酵物6g/Kg)に関し詳述する。なお,各群6匹(n=6)とした。
血漿中AST,ALT値はトランスアミナーゼCII−テストワコー(和光純薬工業株式会社)にて測定した。血漿中ヒアルロン酸値はヒアルロン酸測定キット(生化学工業株式会社)にて測定した。
肝臓ミトコンドリア由来活性酸素・フリーラジカル種(ROS)派生の検出は以下の手順で行った。
肝臓試料は,下大静脈より1.15%塩化カリウム溶液(5mMベンズアミジン含む)にて灌流後採取した。肝臓組織1gに対しトリス塩酸緩衝液(pH7.4,0.25Mシュクロース,0.1M塩化カリウム含む)と共にホモジェナイズし,このものの3,000×g(10分間,4℃)上清を9,000×g(20分間,4℃)にて遠心分離し,沈殿物をトリス塩酸緩衝液(pH7.4,0.25Mシュクロース,0.1M塩化カリウム含む)にて2回遠心洗浄しミトコンドリア画分とした。該画分14.28mgに対し,1mlトリス塩酸緩衝液(pH7.4,0.25Mシュクロース,0.1M塩化カリウム含む)で希釈し試料溶液とした。この濃度はミトコンドリアのタンパク量に換算すると,500μg/mlに相当する。
活性酸素・フリーラジカル種(ROS)派生量計測のため,上記肝臓ミトコンドリア溶液35μl,0.1%dodecyl maltoside,5mM glutamate,5mM malate,200mM succinateを含む溶液25μl,4.6M DMPO溶液20μl,2mM NADH溶液20μl,合計100μlを37℃,5分間インキュベーションした。インキュベーション後,直ちにESR装置(JES−REIX/HR,日本電子株式会社)にて常温で測定した。
測定に当たり,予めcavity内に挿入したMnOのMn2+によるESRスペクトル信号強度に対するDMPOスピンアダクト(DMPO−OH)によるESRスペクトル信号の強度すなわち相対強度を算出し定量化した。即ち,ESR信号強度(DMPO−OH/Mn)で算定した。
統計学的処理として,全ての結果は平均値±標準誤差で示した。得られたデータは一元配置分散分析(Analysis of variance,ANOVA)後,Turkeyの多重比較検定法を用いて統計学的処理を行った。2群間の比較にはStudent’s t−testを用い,危険率5%以下を有意差有りと判定した。
投与期間終了後,犠牲死させ,該ラットの血液の生化学的特徴変化,肝臓ミトコンドリアにおけるROS産生変化,肝臓組織の病理組織学的変化を観察した結果を以下に示す。
未成熟パパイア果実発酵物を投与しなかった[1]群(CDHF+OS)における投与前と投与期間終了後における生化学的測定結果は以下の通りであった。
1)血漿中AST値(units/ml)は23±2 IU/L から127±14 IU/Lに上昇,
2)血漿中ALT値(units/ml)は11±2 IU/L から23±3 IU/Lに上昇,
3)血漿中ヒアルロン酸値(mg/ml)は92±12mg/mlから 210±19mg/mlに上昇,
上記結果から,酸化ストレスに伴うNASH症状が発現していることが認められた。
上記[1]群(CDHF+OS)に対し,実施例1にて調整した本発明に使用する未成熟パパイア果実発酵物2g/Kg(体重)を投与した[2]群(CDHF+OS+未成熟パパイア果実発酵物2g/Kg)における投与前と投与期間終了後における生化学的測定結果は以下の通りであった。
1)血漿中AST値(units/ml)は22±2 IU/L から102±21 U/Lに上昇,
2)血漿中ALT値(units/ml)は12±2 IU/L から20±3 IU/Lに上昇,
3)血漿中ヒアルロン酸値(mg/ml)は105±16mg/mlから170±11mg/mlに上昇,
上記結果から,酸化ストレスに伴うNASH症状が未成熟パパイア果実発酵物2g/Kg(体重)投与により改善される傾向が認められた。
上記[1]群(CDHF+OS)に対し,実施例1にて調整した本発明に使用する未成熟パパイア果実発酵物6g/Kg(体重)を投与した[3]群(CDHF+OS+未成熟パパイア果実発酵物6g/Kg)における投与前と投与期間終了後における生化学的測定結果は以下の通りであった。
1)血漿中AST値(units/ml)は21±3 IU/Lから80±10 IU/Lに上昇,
2)血漿中ALT値(units/ml)は22±3 IU/L から16±2 IU/Lに低下,
3)血漿中ヒアルロン酸値(mg/ml)は111±15mg/mlから160±9mg/mlに上昇,
上記結果から,酸化ストレスに伴うNASH症状が未成熟パパイア果実発酵200mg/Kg(体重)投与により改善される傾向が認められた。
肝臓ミトコンドリア由来ROS産生値(シグナル相対強度)に関し下記結果が得られた。
酸化ストレス(OS)付加前のシグナル相対強度0.6±0.1に対し,[1]群(CDHF+OS)は1.0±0.1,[2]群(CDHF+OS+未成熟パパイア果実発酵物2g/Kg)は0.8±0.1,[3]群(CDHF+OS+未成熟パパイア果実発酵物6g/Kg)は0.5±0.1であった。本結果から,NASHの進行に伴って増大する肝臓ミトコンドリア由来ROS産生が実施例1にて調整した本発明に使用する未成熟パパイア果実発酵物投与により濃度依存的に抑制される傾向が認められた。
肝臓組織の病理組織学的変化を確認するため,公知の手法に基づきヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)を行い,大滴脂肪の沈着状態を観察し下記結果を得た。
1)[1]群(CDHF+OS)は多くの大滴性の脂肪滴および大きな肝細胞配列の乱れ有り。
2)[2]群(CDHF+OS+未成熟パパイア果実発酵物2g/Kg)は中程度の大滴性の脂肪滴および中程度の肝細胞配列の乱れ有り。
3)[3]群(CDHF+OS+未成熟パパイア果実発酵物6g/Kg)は小程度大滴性の脂肪滴および小程度の肝細胞配列の乱れ有り。
本結果から,NASHの進行に伴って増大する肝臓組織における大滴性の脂肪滴増大および肝細胞配列の乱れ増大が実施例1にて調整した本発明に使用する未成熟パパイア果実発酵物投与により濃度依存的に抑制される傾向が認められた。
肝臓組織の病理組織学的変化を確認するため,公知の手法に基づきマッソン・トリクローム染色により膠原線維を染色し,線維化状態を観察し下記結果を得た。
1)[1]群(CDHF+OS)は門脈域から中心静脈域の架橋形成が生じ偽小葉形成が認められた(F3〜F4)。
2)[2]群(CDHF+OS+未成熟パパイア果実発酵物2g/Kg)は軽度の門脈域から中心静脈域の架橋形成が認められた(F2〜F3)。
3)[3]群(CDHF+OS+未成熟パパイア果実発酵物6g/Kg)は門脈域と中心静脈周囲に繊維化が認められるが,架橋形成は認められない(F2)。
本結果から,NASHの進行に伴って増大する肝臓組織における架橋形成および繊維化増大が実施例1にて調整した本発明に使用する未成熟パパイア果実発酵物投与により濃度依存的に抑制される傾向が認められた。
肝臓組織の病理組織学的変化を確認するため,公知の手法に基づきベルリン・ブルー染色により鉄イオンを染色し,鉄イオン沈着状態を観察し下記結果を得た。
1)[1]群(CDHF+OS)は門脈域から中心静脈域に大きな鉄の沈着が認められた。
2)[2]群(CDHF+OS+未成熟パパイア果実発酵物2g/Kg)は門脈域から中心静脈域に軽度の鉄の沈着が認められた。
3)[3]群(CDHF+OS+未成熟パパイア果実発酵物6g/Kg)は鉄の沈着は殆んど認められなかった。
本結果から,NASHの進行に伴って増大する肝臓組織における鉄の沈着増大が実施例1にて調整した本発明に使用する未成熟パパイア果実発酵物投与により濃度依存的に抑制される傾向が認められた。
以上の結果から,抗酸化治療の有効な代表的生活習慣病の一つであるNASHモデル実験動物に対する本発明に使用する未成熟パパイア果実発酵物の有効性が確認された。

Claims (3)

  1. 非アルコール性脂肪性肝炎の予防及び/又は治療に用いる経口摂取用組成物であって,未成熟パパイア果実発酵物からなることを特徴とする経口摂取用組成物。
  2. 前記未成熟パパイア果実発酵物は,少なくとも1.0重量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載の経口摂取用組成物。
  3. 前記未成熟パパイア果実発酵物は,ヒドロキシルラジカル消去活性が80μg/ml乃至2,000μg/ml(IC50),又はTrolox換算で0.2μmol equivalent/mg乃至5.0μmol equivalent/mgであるとともに,官能的に優れた品質を有することを特徴とする請求項1記載の経口摂取用組成物。
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