JP2014054740A - 電線のマーキング装置および電線の製造方法 - Google Patents

電線のマーキング装置および電線の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 インク容器内にインクや溶媒を補充する際、インク容器内におけるインク濃度の急激な濃度変化を抑制する。
【解決手段】 インク容器内のインクを印刷ローラへ供給した後に電線の表面へ転写させて印刷を施すよう構成された電線のマーキング装置であって、インク容器の側面部には、インク又は溶媒が補充される補充口を備えた補充部が設けられ、補充部内とインク容器内とを隔離する隔壁の下部には、補充部内に補充されたインク又は溶媒をインク容器内へ供給する間隙が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電線のマーキング装置および電線の製造方法に関する。
電力ケーブルや通信ケーブル等の電線の製造工程の一工程として、インク容器内に貯留されているインクを印刷ローラへ供給した後、印刷ローラを回転させつつ搬送中の電線に対して押圧し、電線の表面に対して所定の文字やマークを連続的に印刷(マーキング)する工程が行われることがある。印刷途中でのインクの補充は、インク容器の上部或いは側面に設けられた補充口を介してインク容器内にインクや溶媒を供給することで行われていた(例えば特許文献1参照)。
特開2001−332820号公報
しかしながら、上述の手法によりインク容器内にインクや溶媒を補充すると、インク容器内におけるインクの濃度が急激に変化し、印字濃度等が大きく変化したり、滲みや欠け等が発生してしまうことがあった。
本発明の目的は、インク容器内にインクや溶媒を補充する際、インク容器内におけるインク濃度の急激な濃度変化を抑制することが可能な電線のマーキング装置および電線の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
インク容器内のインクを印刷ローラへ供給した後に電線の表面へ転写させて印刷を施すよう構成された電線のマーキング装置であって、
前記インク容器の側面部には、インク又は溶媒が補充される補充口を備えた補充部が設けられ、
前記補充部内と前記インク容器内とを隔離する隔壁の下部には、前記補充部内に補充されたインク又は溶媒を前記インク容器内へ供給する間隙が設けられている
電線のマーキング装置である。
本発明の第2の態様は、
前記間隙は、前記補充部内に補充されたインク又は溶媒の前記インク容器内への拡散速度を低下させるように構成されている
第1の態様に記載の電線のマーキング装置である。
本発明の第3の態様は、
インク容器内のインクを印刷ローラへ供給した後に電線の表面へ転写させて印刷を施す電線の製造方法であって、
前記印刷を施す工程は、
前記インク容器の側面部に設けられた補充部が備える補充口からインク又は溶媒を補充する工程と、
前記補充部内に補充されたインク又は溶媒を、前記補充部内と前記インク容器内とを隔離する隔壁の下部に設けられた間隙を介して前記インク容器内へ供給する工程と、を有する電線の製造方法である。
本発明に係る電線のマーキング装置および電線の製造方法によれば、インク容器内にインクや溶媒を補充する際、インク容器内におけるインク濃度の急激な濃度変化を抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る電線のマーキング装置の側面断面図である。 本発明の一実施形態に係る電線のマーキング装置の正面断面図である。 本発明の一実施形態に係る電線のマーキング装置が備える補充部周辺の部分拡大図である。 (a)は電線の断面構成図を、(b)はその側面図を示す。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
(1)マーキング装置の構成
まず、本実施形態に係るマーキング装置10の構成について、図1〜3を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る電線100のマーキング装置10の側面断面図である。図2は、本実施形態に係る電線100のマーキング装置10の正面断面図であり、図1のA方向から見た図である。図3は、本実施形態に係る電線100のマーキング装置10が備える補充部7周辺の部分拡大図である。
図1および図2に示すように、マーキング装置10は、箱形のインク容器3を備えている。インク容器3内には、所定濃度および所定粘度になるよう調製されたインク液9が貯留されるように構成されている。インク液9は、インクを溶媒によって希釈することで得られる。インクとしては、所定の塗料(有機樹脂)を例えばトルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチレンケトン等の有機溶媒によって溶解させた有機液体塗料を用いることができる。また、インクを希釈する溶媒としては、例えばシクロヘキサン等を主成分とする有機溶媒を用いることができる。
マーキング装置10は、回転自在に構成されたガイドローラ6a、印刷ローラ6b、インク巻き上げローラ6cを備えている。
これらのローラのうち、印刷ローラ6bとインク巻き上げローラ6cとは、互いに回胴部(円筒側部)で当接しており、回転方向が互いに逆方向になるように構成されている。インク巻き上げローラ6cの少なくとも下部は、インク容器3内に貯留されたインク液9中に浸漬されるように構成されている。インク巻き上げローラ6cを回転させてインク液9を巻き上げることで、印刷ローラ6bの回胴部に対してインク液9を供給することが出来るように構成されている。なお、印刷ローラ6bの周囲には当接部材6dが設けられており、印刷ローラ6bからのインク液9の飛散を防止したり、印刷ローラ6bに付着した過剰なインク液9を拭ったりするよう構成されている。
また、ガイドローラ6aと印刷ローラ6bとは、印刷対象の電線100を挟んで対向しており、回転方向が互いに逆方向になるように構成されている。ガイドローラ6aと印刷ローラ6bとによって電線100を挟持しつつ、ガイドローラ6a、印刷ローラ6b、インク巻き上げローラ6cを回転させながら電線100を搬送することによって、印刷ローラ6bに供給されたインク液9を電線100の表面に転写し、電線100の表面に、所定の文字やマーク等を連続的に印刷(マーキング)することが可能なように構成されている。なお、電線100は、図4に例示するように、銅等から構成された導電部100aと、導電部100aの外周を被覆する絶縁被覆層100bと、を備えている。印刷対象となる絶縁被覆層100bは、例えば架橋ポリエチレン等の可撓性を有する絶縁材料から構成されている。
インク容器3内に貯留されたインク液9は、印刷処理の進行に伴って消費される。そこで、インク容器3の側壁部には、インク容器3内にインクや溶媒を補充するための補充部7が設けられている。補充部7の上部は開口しており、補充口4として構成されている。補充口4には、インク供給管11の下流端や溶媒供給管12の下流端が挿入される。インク供給管11には、上流側から順に、インクタンク11t、ポンプ11pが設けられている。また、溶媒供給管12には、上流側から順に、溶媒タンク12t、ポンプ12pが設けられている。ポンプ11p,12pは、後述するコントローラ19に接続され、その動作が制御される。
インク容器3内には、貯留されているインク液9の液面9aの高さ(すなわちインク液9の残量)を検出する液面センサ19a、および、インク液9の濃度(或いは粘度)を検出する濃度センサ(或いは粘度センサ)19bが設けられている。液面センサ19a、濃度センサ19bは、それぞれコントローラ19に接続されている。コントローラ19は、液面センサ19aや濃度センサ19bから受信した検出信号に応じて、ポンプ11pやポンプ12pを作動させ、所定のタイミングで補充部7内にインクや溶媒を補充するように構成されている。係る動作については後述する。
図3に部分拡大図を示すように、補充部7内とインク容器3内とは隔壁5によって隔離されている。隔壁5の下部には、補充部7内に補充されたインク又は溶媒をインク容器3内へ供給するための間隙8が設けられている。間隙8の幅は、補充部7内に補充されたインク又は溶媒のインク容器3内への拡散速度を低下させるように、狭く構成されている。すなわち、補充部7内に補充されたインク又は溶媒のインク容器3内への拡散速度(単位時間当たりの移動流量)を低下させるように構成されている。その結果、インク容器3内におけるインク液9の濃度の上昇速度或いは下降速度を所定範囲内に維持することが出来るようになる。すなわち、インク容器3内にインクや溶媒を補充する際、インク容器3内におけるインク濃度の急激な濃度変化を抑制することが出来るようになる。間隙8を構成する隔壁5は、補充部7内からインク容器3内へのインク又は溶媒の拡散速度を制限するための流量制御板と考えることもできる。
なお、間隙8を隔壁5の下部に設けることで、補充部7内に補充したインクや溶媒を効率的に(残すことなく)インク容器3内に補充することができるようになる。間隙8の大きさや形状は、インク容器3の容積、補充部7の容積、インクの組成や消費速度等にもよるが、例えば高さ1mm〜5mm、好ましくは2mm程度のスリット形状とすることができる。
(2)電線表面への印刷工程
続いて、本実施形態に係る電線100表面への印刷工程(マーキング工程)について説明する。係る工程は、電線100の製造工程の一工程として、上述のマーキング装置10を用いて実施される。また、マーキング装置10の各部の動作は、上述のコントローラ19によって制御される。
まず、インク容器3内に、所定濃度(粘度)および所定量のインク液9を貯留する。この際、インク巻き上げローラ6cの少なくとも下部が、インク容器3内に貯留されたインク液9中に浸漬されるようにする。また、ガイドローラ6aと印刷ローラ6bとの間に、印刷対象の電線100を挟持させる。その後、インク巻き上げローラ6c、印刷ローラ6b、ガイドローラ6aをそれぞれ回転させ、電線100を搬送させる。その結果、印刷ローラ6bから電線100に対してインク液9が転写され、電線100の表面に、所定の文字やマーク等が連続的に印刷(マーキング)される。
印刷を継続すると、インク容器3内に貯留されていたインク液9が徐々に減少し、インク液9の液面9aが次第に低下する。コントローラ19は、所定のタイミングで液面センサ19aから検出信号を受信し、所定の閾値を下回ることで「補充の必要がある」と判定したら、ポンプ11pおよびポンプ12pを作動させ、補充部7内にインクおよび溶媒をそれぞれ所定量補充する。
補充部7内に補充されたインクおよび溶媒は、補充部7内とインク容器3内とを隔離する隔壁5の下部に設けられた間隙8を介してインク容器3内へ供給され、混合される。上述したように、間隙8は、補充部7内に補充されたインク又は溶媒のインク容器3内への拡散速度を低下させるよう構成されている。これにより、インク容器3内におけるインク濃度の急激な濃度変化が抑制される。その結果、電線100に印刷される文字やマーク等の印字濃度を均一に保つことができ、滲みや欠け等の発生を抑制できるようになる。
なお、補充を行うと、インク容器3内におけるインク液9の濃度が変化してしまうことがある。また、インク容器3内で溶媒が揮発すること等によっても、インク容器3内におけるインク液9の濃度が変化してしまうことがある。コントローラ19は、所定のタイミングで濃度センサ19bから検出信号を受信し、所定の閾値を下回ることで「濃度調整の必要がある」と判定したら、ポンプ11p或いはポンプ12pを作動させ、所定のタイミングで補充部7内にインク或いは溶媒を補充する。例えば、コントローラ19は、検出されたインク液9の濃度が低い場合にはインクの供給量を多くし、また、インク液9の濃度が高い場合には溶媒の供給量を多くするように、ポンプ11p、12pの動作をそれぞれ制御する。このとき、インクと溶媒とを両方補充してもよい。
補充部7内に補充されたインク或いは溶媒が、間隙8を介してインク容器3内へ供給されることで、インク容器3内におけるインク液9の濃度が適正濃度に調整される。その結果、電線100への印刷品質を一定範囲内に維持できるようになる。なお、このときも、インク容器3内におけるインク濃度の急激な濃度変化が抑制される。その結果、電線100に印刷される文字やマーク等の印字濃度の連続性を担保(急激な濃度変化を回避)できるようになる。
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
本実施形態によれば、インク容器3内のインク液9が減少したら、その補充を自動的に行うことができる。これにより、電線100への印刷を連続的かつ安定的に行うことができるようになり、電線100の生産性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、インク容器3内にインクや溶媒を補充する際、インク容器3内におけるインク液9のインク濃度の急激な濃度変化を抑制することができる。これにより、電線100への印刷品質を長時間にわたり維持できるようになり、電線100の生産性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、インク容器3内におけるインク液9の濃度が変化したら、その濃度を自動的に調整することができる。これにより、電線100への印刷品質を一定範囲内に維持できるようになる。また、濃度調整の際、インク濃度の急激な濃度変化を抑制できることから、印字濃度の連続性を担保する(急激な濃度変化を回避する)ことができる。
また、本実施形態によれば、間隙8を隔壁5の下部に設けることで、補充部7内に補充したインクや溶媒を効率的に(残すことなく)インク容器3内に供給する。これにより、インクや溶媒の無駄を防ぎ、印刷コストを低減させることが可能となる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上述の実施形態では、間隙8の形状をスリット状としていたが、本発明は係る形態に限定されない。すなわち、補充部7内からインク容器3内へのインクや溶媒の流通速度を所定範囲内に制御できるような形状であれば、どのような形状であってもよく、例えば格子状や多孔状等であってもよい。
また例えば、上述の実施形態では、印刷ローラ6bへのインク液9の供給を、インク巻き上げローラ6cを用いて行っていたが、本発明は係る形態に限定されない。例えば、インク巻き上げローラ6cを設けずに、印刷ローラ6bの下部をインク液9中に直接浸漬させるようにしてもよい。また、インク巻き上げローラ6cに代わる他のインク供給機構を新たに設けてもよい。
また例えば、上述の実施形態では、インク容器3内へのインク液9の補充、および、インク容器3内おけるインク液9の濃度調整を、コントローラ19の制御により自動的に行うように構成されていたが、本発明は係る形態に限定されない。すなわち、液面センサ19aや濃度センサ19bからの検出信号を受信した操作員が、所定の閾値を下回ることで「補充の必要あり」或いは「濃度調整の必要あり」と判断したら、インク液9の補充や濃度調整を手動で行うようにしてもよい。この場合であっても、インク容器3内におけるインク濃度の急激な濃度変化を抑制することができる。
また例えば、本発明は、導電部100aを備えた電線100に対して印刷を行う場合に限定されず、非導体コアを有する光ファイバケーブルや、その他長尺状の部材に対して連続的に印刷を行う場合にも好適に適用可能である。
3 インク容器
4 補充口
5 隔壁
6b 印刷ローラ
7 補充部
8 間隙
10 マーキング装置
100 電線

Claims (3)

  1. インク容器内のインクを印刷ローラへ供給した後に電線の表面へ転写させて印刷を施すよう構成された電線のマーキング装置であって、
    前記インク容器の側面部には、インク又は溶媒が補充される補充口を備えた補充部が設けられ、
    前記補充部内と前記インク容器内とを隔離する隔壁の下部には、前記補充部内に補充されたインク又は溶媒を前記インク容器内へ供給する間隙が設けられている
    ことを特徴とする電線のマーキング装置。
  2. 前記間隙は、前記補充部内に補充されたインク又は溶媒の前記インク容器内への拡散速度を低下させるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電線のマーキング装置。
  3. インク容器内のインクを印刷ローラへ供給した後に電線の表面へ転写させて印刷を施す電線の製造方法であって、
    前記インク容器の側面部に設けられた補充部が備える補充口からインク又は溶媒を補充する工程と、
    前記補充部内に補充されたインク又は溶媒を、前記補充部内と前記インク容器内とを隔離する隔壁の下部に設けられた間隙を介して前記インク容器内へ供給する工程と、を有する
    ことを特徴とする電線の製造方法。
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