JP2010137199A - 塗布装置 - Google Patents

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Masao Kanda
征夫 神田
Toshiharu Horikoshi
敏晴 堀越
Noboru Mogi
昇 茂木
Tatsuhisa Ishii
樹央 石井
Yoshimasa Kondo
芳正 近藤
Shigeo Ozawa
重夫 小沢
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Abstract

【課題】 被塗工材と塗布ロールとが接する部分に存在するメニスカスが被塗工材の端部へ拡散することを防止し、余剰な塗布液を滞留することなく、安定して排出し、且つ被塗工材の端部に非塗工部を安定して得ることのできる塗布装置を得る。
【解決手段】 塗布ロール1と堰2で挟むようにして液溜まり3が構成され、塗布ロール1を回転させて液溜まり3に供給された塗布液4を被塗工材5に塗布する塗布装置において、塗布ロール1の表面に沿って接触する一部を開放した内壁曲面部16を有する塗布液導出体17を、塗布ロール1に内壁曲面部16の開放側を塗布ロール1と被塗工材5とが接触する方向に向けて塗布ロール1に配置し、塗布液導出体17の内壁曲面部16の開放先端16aを塗布ロール1で塗布される被塗工材5との間で形成されるメニスカス部18に近接し接触する位置に設定した。
【選択図】 図1

Description

本発明は塗布装置に係り、回転する塗布ロールで各種の塗布液をプラスチックフィルム、金属薄板、紙、繊維、ゴム等の帯状で走行する被塗工材に塗布する塗布装置に関する。
特に感光材料や液晶材料などの光学系材料の製造、磁気テープ、感圧記録材料や熱転写材料などの記録材料の製造、太陽電池や燃料電池などの電池材料、インクジェットプリンターや電子機器部材などに使用される複合材料の製造等に係わる塗布装置に関する。
従来、連続走行している各種の被塗工材に塗布液を塗布する装置として、様々な方式が開発されている。これらの塗布装置の中で塗布ロールを使用した塗布装置、特にバーコーターやワイヤーバーコーターなどと呼称される比較的直径の小さな各種のロールを使用した塗布装置が開発され使用されている。
上述の塗布装置では、被塗工材が塗布ロールと接する部分にメニスカスが存在し、被塗工材の端部へメニスカスが拡散し被塗工材の端縁部まで塗工されるといった問題があった。
上述した問題を解決し所望する非塗工部を確保する試みとしては、例えば、回転する塗布バーにブレードを接触させ塗布液を掻き落す塗布方法、塗布装置(例えば、特許文献1および2参照。)、フィルムで塗布バーを覆い非塗工材の一部分に塗布液を塗らない塗布方法(例えば、特許文献1、図2参照。)、液溜りを構成する堰の両端から塗布液をオーバーフローさせる方法(例えば、特許文献3参照。)、非塗工部に予め溶媒を塗布しておく塗布方法(例えば、特許文献4参照。)、被塗工材の非塗工部に対応して塗布バーに接触しない未塗工溝を設けた塗布装置(例えば、特許文献5参照。)などがよく知られている。
特開昭60−225669号公報 特開平8−84953号公報 特開平6−269715号公報 特開平7−155680号公報 特開2005−254050号公報
上述の塗布装置は、前記メニスカスの拡散を防ぎ非塗工部の端部で塗布液が裏周りするなど、部分的な現象を改善し、非塗工部を被塗工材の端縁部に確保しようとする試みであるが十分満足するものではない。
例えば、特許文献1,2に示す塗布方法では、バーコーターなどの塗布ロールにブレード(ドクター)を押し当てると、前記ブレードに掻き落された余剰な塗布液は、塗布ロールに接触したブレードの裏側に滞留して前記塗布ロールの回転により内部に引き寄せられ、前記塗布ロールが新たに汲み上げている塗布液と合流し増大して、メニスカス部に供給され被塗工材に転移し局部的な厚塗りが発生する。
また、特許文献1、図2に示す塗布方法では、前記塗布ロールをフイルムなどで覆うと、前記フイルムの端部で厚みによる隙間が発生し、塗布液が隙間に入り部分的な筋状の厚塗りが発生したり、上述したドクターと同様にフイルムの裏に塗布液が滞留し厚塗りの原因となる。
さらにはまた、塗布ロールにブレードやフイルムを押し当てると、掻き落された余剰な塗布液が液溜りに戻り、塗布液が滞留して塗布液の流れを阻害したり濃度むらを発生させたりするので塗布故障の原因となる。これらの原因によって、局部的な厚塗りが継続的に発生すると乾燥むらが生じ、さらには塗工材の巻取り時に厚塗り部に対応し局部的な盛り上がりが発生して、前記塗工材に部分的なしわや伸びが生じる。
さらには被塗工材の端縁部に塗布液の裏周りが生じると巻きずれが発生し正常な巻き取り作業ができず、短尺で切り替える必要が生じ材料および稼動の損失が発生する。
これらを防止するために、左右に巻取り装置を常にオシレートし、厚塗り部分が重ならないようにする必要があり複雑な装置と多大なコストが必要となる。
また、特許文献3に示す塗布方法では、液溜りを構成する堰の両端から塗布液をオーバーフローさせると、被塗工材の端縁部に塗布液が広まり裏まわりし易くなり、またロールの端面に塗布液が集まり厚塗りとなる。
また、特許文献4に示す塗布方法では、非塗工部に予め溶媒を塗布しておくと、溶剤が液溜まり部で塗布液と混合し、経時とともに塗布液濃度の変化を引き起こして塗布量を一定に維持することが困難になる。
更には近来、産業上の発展により各種の高度な製品が開発されるに至り、塗布層や支持体に要求される塗布品質が一段と厳しくなり、相応した高度な塗布技術が要求され、特に、塗布液の組成は複雑で高価となり、一層の薄膜化や均一な塗布膜が要求され、生産効率や製品のロス減少の観点から巻きの長尺化が強く期待されている。
本発明の目的は被塗工材と塗布ロールとが接する部分に存在するメニスカスが被塗工材の端部へ拡散することを防止し、余剰な塗布液を滞留することなく、安定して排出し、且つ被塗工材の端部に非塗工部を安定して得ることのできる塗布装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明は、塗布ロールと堰で挟むようにして液溜まりが構成され、前記塗布ロールを回転させて液溜まりに供給された塗布液を被塗工材に塗布する塗布装置において、前記塗布ロールの表面に沿って接触する一部を開放した内壁曲面部を有する塗布液導出体を、前記塗布ロールに前記内壁曲面部の開放側を塗布ロールと被塗工材とが接触する方向に向けて前記塗布ロールに配置し、前記塗布液導出体の前記内壁曲面部の開放先端を前記塗布ロールで塗布される被塗工材との間で形成されるメニスカス部に近接し接触する位置に設定したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記塗布ロールの表面に沿って接する塗布液導出体を、前記塗布ロールの軸方向および円周方向へ移動可能とし、前記塗布ロールの軸方向および円周方向に任意に位置を設定することができるようにしたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載する塗布装置を構成する固体部分に、前記液溜まりを構成する個体部分と前記塗布液の界面に振動運動を発現させる超音波振動子を連結したことを特徴とする。
請求項1に記載の塗布装置によれば、前記塗布ロールの表面に沿って接触する一部を開放した内壁曲面部を有する塗布液導出体を、前記塗布ロールに前記内壁曲面部の開放側を塗布ロールと被塗工材とが接触する方向に向けて前記塗布ロールに配置し、前記塗布液導出体の前記内壁曲面部の開放先端を前記塗布ロールで塗布される被塗工材との間で形成されるメニスカス部に近接し接触する位置に設定したので、塗布ロールを回転させて塗布液を被塗工材に塗布するときに発生し、軸方向に拡散するメニスカス部が前記塗布液導出体の前記内壁曲面部の開放先端と接触し、この接触により塗布液がその表面張力で前記内壁曲面部に引っ張られて誘導され、前記塗布ロールと前記内壁曲面部との接面から導出し、余剰な塗布液を滞留することなく系外へと排出することができ、これにより、メニスカス部の軸方向への拡散が止まり、塗布液が端縁部に達することなく、走行する被塗工材の端部に非塗工部を安定して形成することができる。
そして、前記のように軸方向に拡散するメニスカス部を前記塗布液導出体の前記内壁曲面部の開放先端に接触させ、塗布液を誘導して導出するので、メニスカス部が前記塗布液導出体よりさらに拡散することはなく、また、前記塗布液導出体の前記内壁曲面部は塗布ロールの表面に沿って接触しているので、メニスカス部から誘導した余剰な塗布液は、前記内壁曲面部に溜まることなく排出され、液溜りの流れを阻害せず、また濃度変動を発生させることはなく、液溜りの条件を塗布運転中、絶えず一定条件に維持することができることになり、安定した良好な塗布品質を得ることができる。
請求項2に記載の塗布装置によれば、請求項1に記載の、前記塗布ロールの表面に沿って接する塗布液導出体を、前記塗布ロールの軸方向および円周方向へ移動可能とし、前記塗布ロールの軸方向および円周方向に任意に位置を設定することができるようにしたので、塗布液導出体の位置や塗布液導出体とメニスカス部との距離を、メニスカス部の大きさや拡散状況によって、確保すべき非塗工部の巾に配慮して調節することにより、メニスカス部の軸方向への必要以上の拡散をより確実に防止することができると共にメニスカス部の終端の位置を調節することができ、被塗工材に任意の非塗工巾を得ることができる。そして、前記塗布液導出体の位置を余剰塗布液の排出量に応じ調節することにより、余剰塗布液をより確実に排出することができる。
請求項3に記載の塗布装置によれば、請求項1または2に記載する塗布装置を構成する固体部分に、前記液溜まりを構成する個体部分と前記塗布液の界面に振動運動を発現させる超音波振動子を連結したので、超音波振動子の振動運動により前記個体部分との界面で塗布液に微細な乱流が起こり、塗布液が前記個体部分の壁面へ付着することや滞留することが防止され円滑な流動が得られ、前記塗布液導出体の前記内壁曲面部の開放先端が、前記波流動しているメニスカス部と接合しやすくなり、そして、塗布ロールの表面と接している前記内壁曲面部との隙間から導出される塗布液が、その界面で流動し易く容易に排出されるので、被塗工材の端縁部へのメニスカス部の拡散を効果的に防ぐことができ、所望の非塗工部を確実に得ることができる。
また、超音波振動子の振動運動により塗布液が前記個体部分の壁面へ付着することや滞留することが防止されることから、メニスカス部から誘導される余剰な塗布液の導路が塞がることがなくなり、余剰塗布液を効果的に確実に排出することができる。
また、回転している塗布ロールの表面と接触する静止している前記塗布液導出体の前記内壁曲面部の間にメニスカス部から誘導された塗布液との界面で、超音波振動によって潤滑効果をもたらし、塗布ロールの表面の擦り傷の発生を防止することができる
以下、本発明に係る塗布装置を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例により詳細に説明する。
図1乃至図3は本発明に係る塗布装置の実施の形態の第1例を示したもので、図1は本例の塗布装置の要部概略側面図、図2は本例の塗布装置の要部概略平面図、図3は本例の塗布装置の要部概略正面図である。
本実施例の塗布装置は、塗布ロール1と堰2が対向して配置され、塗布ロール1と堰2で挟むようにして液溜まり3が形成されており、液溜まり3に供給された塗布液4を塗布ロール1により被塗工材5に塗布するようになっている。
被塗工材5としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンのようなプラスチックフィルム、各種の強化フィルム、蒸着フィルム、ステンレスやアルミのような金属箔、紙類、さらには繊維、合成皮革などの可撓性支持体のものがある。
塗布ロール1は、支持部6により回転可能に支持されており、そして、塗布ロール1は、その中心に渡された回転軸7に連結される回転駆動手段(図示省略)により、被塗工材5の走行方向と同方向、或いは塗布条件により被塗工材5の走行方向と反対方向に回転するようになっている。本例の塗布ロール1は、小径ロールにワイヤーを巻装したワイヤーバーが用いられているが、塗布条件に応じてフラットロール、刻印ロール、溝付きバーなど適宜選択可能となっている。
塗布ロール1を支持する支持部6は、その上部に塗布ロール1を受ける受け溝8が形成されており、受け溝8に塗布ロール1の下側が嵌合した状態で受けられている。この支持部6の下端は基台9に固定され、そして、この基台9には前記した堰2が支持部6と対向するように固定されており、基台9に固定された堰2と支持部6との間には、前記した塗布ロール1と堰2で挟むようにして形成される液溜まり3に連通するスリット10が形成されており、そして、堰2の両側にはスリット10の両側を塞ぐ側板11が設けられている。
液溜まり3に供給される塗布液4は塗布液収容タンク12に収容されており、定量ポンプ13により逐次一定量の塗布液4が配管14を経由して供給口15に入り、スリット10を通って液溜まり3に送液されるようになっている。
前記のように支持部6に支持された塗布ロール1には軸方向左右に、塗布ロール1の表面に沿って接触する内壁曲面部16を有する塗布液導出体17が、塗布ロール1の両側にそれぞれ配置されている。
塗布液導出体17の内壁曲面部16にあっては一部が開放されており、この内壁曲面部16の開放側は、塗布ロール1と被塗工材5とが接触する方向に向けられており、被塗工材5と塗布ロール1の接触を妨げず且つ走行する被塗工材5の進路を妨げないようになっている。
また、塗布液導出体17の塗布ロール1と接する内壁曲面部16は、塗布ロール1の円周に沿うように形成されているが、溝や凹凸などの加工を施してもよい。内壁曲面部16に溝や凹凸などの加工を施すと塗布液4と接する表面積が大きくなり、余剰な塗布液4の導出方向を誘導し、余剰な塗布液4の排出を容易にすることができるものとなる。
塗布液導出体17の内壁曲面部16の開放先端16aにあっては、塗布ロール1で塗布される被塗工材5との間で形成されるメニスカス部18に近接し接触する位置に存在するように位置設定されている。この内壁曲面部16の開放先端16aの先端は、鋭角であるのが好ましく、メニスカス部18に近接し、且つその先端にメニスカス部18から誘導する塗布液4が滞留せず、容易に排出される形状が好ましい。
塗布液導出体17の材質は、例えば、ステンレス、銅、アルミや鉄などの金属類、さらには鍍金などの表面処理を施した金属など、また、プラスチック樹脂類、例えばポリエチレン、塩化ビニール、ポリアミド、ポリオキシメチレンや、ポリサルホンなどのエンジニアリング樹脂や強化プラスチックなど、また木材やゴム類なども適用することができるが、塗布ロール1の表面を傷つけないように、塗布ロール1の材質より軟らかい物を選択するのが好ましい。さらに好ましくは、塗布液4の物性に適応して、濡れ性のよい材質を選定し組み合わせることができる。
本例では、塗布ロール1の表面に沿って接する塗布液導出体17が、塗布ロール1の軸方向および円周方向へ、図示しない適宜の移動手段により移動可能となっており、塗布ロール1の軸方向および円周方向に任意に位置を設定することができるようになっている。塗布液導出体17を塗布ロール1の軸方向および円周方向への移動手段にあっては、塗布液導出体17の内壁曲面部16の開放先端16aをメニスカス部18に近接させる位置や、塗布液導出体17と堰2の側板11との間の巾を調整でき、塗布液導出体17の位置を任意に固定できるセットねじなどを設備するのが好ましいが、特に限定されない。
上記のように構成された第1例の塗布装置によれば、塗布工程で塗布ロール1の回転により塗布ロール1が液溜まり3から塗布液4を汲み上げる。そして、塗布液4のメニスカスは被塗工材5が塗布ロール1に接する過程で被塗工材5が塗布ロール1に接する前にメニスカス部先端18a(図2参照)から始まり、被塗工材5と塗布ロール1との間にメニスカス部18が発生する。
このメニスカス部18は塗布ロール1の軸方向に拡散するが、拡散したメニスカス部18は、塗布ロール1の軸方向左右に配置されている塗布液導出体17の内壁曲面部16の開放先端16aと接触し(図2参照)、この接触により塗布液4が、その表面張力で内壁曲面部16に引っ張られて誘導され、塗布ロール1と内壁曲面部16との接面から導出し、余剰な塗布液4が滞留することなく系外へと排出される(図3参照)。
このとき、塗布液導出体17の塗布ロール1と接する内壁曲面部16に溝や凹凸などの加工が施され加工に方向性を持たせると、塗布液4と接する表面積が大きくなり余剰な塗布液4の導出方向が誘導され、余剰な塗布液4の排出が容易となる。
これにより、メニスカス部18の軸方向への拡散が止まり、塗布液4が被塗工材5の端縁部5b(図2参照)に達することなく、走行する被塗工材5の端部に非塗工部5a(図2参照)が安定して形成される。
本例では、塗布ロール1の表面に沿って接する塗布液導出体17が、塗布ロール1の軸方向および円周方向へ移動可能となっており、塗布ロール1の軸方向および円周方向に任意に位置を設定することができるようになっているので、塗布ロール1の軸方向の左右に配置する塗布液導出体17の位置や塗布液導出体17とメニスカス部18との距離を、メニスカス部18の大きさや拡散状況によって、確保すべき非塗工部5aの巾に配慮して調節することにより、メニスカス部18の軸方向への必要以上の拡散をより確実に防止することができると共にメニスカス部18の終端の位置を調節することができ、被塗工材5に任意の巾の非塗工部5aを得ることができる。
図4は本発明に係る塗布装置の実施の形態の第2例を示した要部概略正面図である。
本実施例の塗布装置は、前記した第1例の塗布装置を構成するいずれかの固体部分に、液溜まり3を構成する個体部分と塗布液4の界面に振動運動を発現させる超音波振動子19を連結している。
本例では、前記の超音波振動子19は塗布ロール1に連結されており、塗布ロール1の軸方向に超音波振動を与える構造となっている。塗布ロール1は、その中心に渡された回転軸7の両端が軸受20で回転自在に支持されている。塗布ロール1の回転軸7は、モータ21の出力軸22の回転力が与えられて回転駆動されるようになっている。モータ21の出力軸22は軸受23で回転自在に支持されている。
塗布ロール1の回転軸7の一端には、該塗布ロール1に超音波振動を与えるホーン形の超音波振動子19が接続されている。このため超音波振動子19は、塗布ロール1の回転軸7と一緒に回転し、連続して該塗布ロール1の軸方向に超音波振動を与える構造となっている。超音波振動子19は、回転軸7に支持されたスリップリング24を介して固定側の超音波発信器25に電気ケーブル26で電気的に接続されている。
塗布ロール1の回転軸7の他端には、超音波振動を遮断または減衰させる連結機構としてのカップリング27を介してモータ21の出力軸22が接続されている。
上記のように構成された第2例の塗布装置によれば、塗布ロール1の回転中、超音波振動子19により塗布ロール1の軸方向に,連続して超音波振動を与えると、塗布ロール1の超音波振動により塗布ロール1の軸方向左右に配置されている塗布液導出体17に超音波振動が伝播する。
これにより、特に塗布ロール1や塗布液導出体17の内壁曲面部16と接している塗布液4との界面では、微細な振動運動が発生し、乱流状態となって見かけ粘度が下がり、液が流動しやすくなる。
また、回転している塗布ロール1の表面と接触する静止している塗布液導出体17の内壁曲面部16の間にメニスカス部18から誘導された塗布液4との界面で、超音波振動によって潤滑効果をもたらし、塗布ロール1や塗布液導出体17の内壁曲面部16の表面の摩耗の減少が図れ、また擦り傷の発生を防止することができる。
本例では、超音波振動子19を連結する塗布装置の個体部分として、塗布ロール1を示したが、本例にこだわることなく、例えば、支持部6や堰2や塗布液導出体17などに連結することもできる。
[実施例1]
本発明に基づき図1,2,3において、塗布ロール1として直径8mmのSUS304ステンレスバーに、0.1mm径のSUS細線を巻きつけた有効長300mmのワイヤーバーを使用した。支持部6および堰2や側板11にポリオキシメチレン樹脂を使用した。
塗布液導出体17として、ワイヤーバーの外周に内接するよう加工し、45度の開口部を設け、先端を鋭角にし、巾が25mmの塗布液導出体17をポリオキシメチレン樹脂で製作して、被塗工材5の走行を妨げないようワイヤーバーに挿入した。
透明な東レ製PETフイルム25μmを被塗工材5に使用し、塗布液4として市販のアサヒペン製シリコンアクリル樹脂黒色塗料を水で希釈し、粘度を調整して40mpa.sとし、塗布液収容タンク12に入れ、定量ポンプ13で送液し液溜まり3を充たし、堰2から塗布液4がオーバーフローしないように送液量を調節して塗布速度1m毎分で塗布した。
ワイヤーバーを順転方向に速度0.1m毎分で運転し、透明なPETフイルムからなる被塗工材5を透してワイヤーバーと被塗工材5との接点に発生するメニスカス部18の様子を詳しく観察した。
被塗工材5と塗布ロール1との間に発生したメニスカス部18は、堰2の側板11に対応した位置から、時間と共に徐々に塗布ロール1の軸方向に拡散し、拡散したメニスカス部18が塗布ロール1の軸方向左右に配置されている塗布液導出体17の内壁曲面部16の開放先端16aと接触したとき、メニスカス部18は、内壁曲面部16の開放先端16aに引っ張られ、くびれてメニスカス部18の軸方向への拡散は縮小し止まり、被塗工材5の端部に非塗工部5aが出現した。
内壁曲面部16の開放先端16aと接したメニスカス部18の余剰な塗布液4は、内壁曲面部16とワイヤーバーの接面を経て系外へと排出された。
[比較例]
本発明に係る塗布装置から塗布液導出体17を外し、その他は実施例1と同じ条件で運転し、ワイヤーバーと被塗工材5との接点に発生するメニスカス部18の様子を詳しく観察した。
被塗工材5と塗布ロール1との間に発生したメニスカス部18は、堰2の側板11に対応した位置から、時間と共に徐々に塗布ロール1の軸方向に拡散し、ついには被塗工材5の端縁部5bまで到達し、さらには端縁部5bの裏に回りパスロールを汚し、さらには、耳部が厚巻となり、巻き取りロールで盛り上りが目視と指先による触感で確認された。特に、SUS細線の巻き方向とワイヤーバーの回転が、同じ方向にある被塗工材5にあっては、メニスカス部18の拡散も早く、端縁部5bに到達して裏周りが発生した(図5参照)。
[実施例2]
本発明の他の実施例として図1,2,3に示す塗布装置の塗布ロール1に超音波振動子19を連結した図4に示す塗布装置を使用した。
塗布ロール1にワイヤーバーを用いて、回転軸7に超音波振動子19を連結して超音波振動を与える方法を適用した。
直径8mmのSUS304ステンレスバーに、0.1mm径のSUS細線を巻きつけた有効長300mmのワイヤーバーを使用した。支持部6および堰2や側板11にポリオキシメチレン樹脂を使用した。
塗布液導出体17に高密度ポリエチレン樹脂を使用し、巾25mmとしワイヤーバーの外周に接するよう内面を円形として、60度の開口部を設け、先端を鋭角に加工し、塗布液が滞留することなく誘導されるようにした。
塗布液導出体17を被塗工材5の走行を妨げないよう配慮し、ワイヤーバーに挿入し、ワイヤーバーの円周方向および左右方向に移動できるようにした。
ワイヤーバーの回転軸7を軸受20で位置決めし、ワイヤーバーの回転軸7、鍋屋バイテック会社製のカップリング27(商品名:カプリコンXGS使用)を介してモーター21の出力軸22を連結し回転させた。
別置の超音波発振器25(多賀電気製PS−250型出力28KHZ)から電気ケーブル26とスリップリング24を介して電気信号を送り、ワイヤーバーの回転軸7に直結した超音波振動子19を励振し、ワイヤーバーに超音波振動を発現させた。そして、ワイヤーバーの表面に長さ200mmのピンセットをあて、共振音の発生でワイヤーバーに現出した超音波振動を確認した。
透明な東レ製PETフイルム、厚さ25μm幅300mmを被塗工材5に使用し、塗布液4として市販のアサヒペン製シリコンアクリル樹脂黒色塗料を水で希釈し、粘度を調整して40mpa.sとし、塗布液収容タンク12に入れ、定量ポンプ13で送液し液溜まり3を充たし、堰2から塗布液4がオーバーフローしないように送液量を調節して塗布速度1m毎分で塗布した。
ワイヤーバーを順転方向に速度0.1m毎分で運転し、透明なPETフイルムからなる被塗工材5を透してワイヤーバーと被塗工材5との接点に発生するメニスカス部18の様子を実施例1と同様に詳しく観察した。
ワイヤーバーに接する被塗工材5との接点に、メニスカス部18が発生し、塗布開始と同時にメニスカス部18が時間と共に徐々に塗布ロール1の軸方向に拡散するのが見られた。
メニスカス部18の端部に塗布液導出体17の内壁曲面部16の開放先端16aを近づけて接触させ、拡散している余剰な塗布液4を誘導し、超音波振動子19の超音波発信器25の電源を入り切りして比較した。
超音波振動子19の起動電源を入りとし、超音波振動が発生している状態では、塗布液導出体17の内壁曲面部16の開放先端16aにメニスカス部18が接触しやすく、塗布液4はすばやく内壁曲面部16の開放先端16aに捉えられる現象が観察された。
さらに、超音波振動子19を起動していない状態に比べて、メニスカス部18の端部が巾方向に広がり塗布端部の塗布量が減少している様子が観察され、巻き取りにおいて塗布端部を目視と指先による触診で確かめ、盛り上がることなく、塗布端部は、むしろ徐々にゆるく巻かれているのが認められた。
さらに、内壁曲面部16の開放先端16aに誘導された余剰な塗布液4は、滞留することなく円滑に排出される様子が確認された。さらには、塗布液導出体17や側板11の汚れも認められず、超音波振動による効果が確認された。
本発明に係る塗布装置の実施の形態の第1例を示す要部概略側面図である。 本例の塗布装置の要部概略平面図である。 本例の塗布装置の要部概略正面図である。 本発明に係る塗布装置の実施の形態の第2例を示す要部概略正面部図である。 比較例を示す要部概略平面図である。
符号の説明
1 塗布ロール
2 堰
3 液溜まり
4 塗布液
5 被塗工材
5a 非塗工部
5b 端縁部
6 支持部
7 回転軸
8 受け溝
9 基台
10 スリット
11 側板
12 塗布液収容タンク
13 定量ポンプ
14 配管
15 供給口
16 内壁曲面部
16a 開放先端
17 塗布液導出体
18 メニスカス部
18a メニスカス部先端
19 超音波振動子
20 軸受
21 モータ
22 出力軸
23 軸受
24 スリップリング
25 超音波発信器
26 電気ケーブル
27 カップリング

Claims (3)

  1. 塗布ロールと堰で挟むようにして液溜まりが構成され、前記塗布ロールを回転させて液溜まりに供給された塗布液を被塗工材に塗布する塗布装置において、前記塗布ロールの表面に沿って接触する一部を開放した内壁曲面部を有する塗布液導出体を、前記塗布ロールに前記内壁曲面部の開放側を塗布ロールと被塗工材とが接触する方向に向けて前記塗布ロールに配置し、前記塗布液導出体の前記内壁曲面部の開放先端を前記塗布ロールで塗布される被塗工材との間で形成されるメニスカス部に近接し接触する位置に設定したことを特徴とする塗布装置。
  2. 前記塗布ロールの表面に沿って接する塗布液導出体を、前記塗布ロールの軸方向および円周方向へ移動可能とし、前記塗布ロールの軸方向および円周方向に任意に位置を設定することができるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
  3. 請求項1または2に記載する塗布装置を構成する固体部分に、前記液溜まりを構成する個体部分と前記塗布液の界面に振動運動を発現させる超音波振動子を連結したことを特徴とする塗布装置。
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