JP2014054599A - 光触媒機能材料の製造方法及び光触媒性基材 - Google Patents

光触媒機能材料の製造方法及び光触媒性基材 Download PDF

Info

Publication number
JP2014054599A
JP2014054599A JP2012200702A JP2012200702A JP2014054599A JP 2014054599 A JP2014054599 A JP 2014054599A JP 2012200702 A JP2012200702 A JP 2012200702A JP 2012200702 A JP2012200702 A JP 2012200702A JP 2014054599 A JP2014054599 A JP 2014054599A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
photocatalytic
inorganic
substrate
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012200702A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Komada
実 駒田
Masahiko Shibata
晶彦 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2012200702A priority Critical patent/JP2014054599A/ja
Publication of JP2014054599A publication Critical patent/JP2014054599A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】良好な耐久性を持つ光触媒機能材料を効率良く製造できる光触媒機能材料の製造方法及び光触媒性基材を提供する。
【解決手段】繊維状基材1又は3次元構造を持つフィルム基材1を準備する工程と、その基材1の表面に蒸着により無機層2を形成する工程と、無機層2の表面の全て又は一部に光触媒層3を形成する工程と、を有する光触媒機能材料の製造方法により、上記課題を解決する。このとき、蒸着をプラズマ化学気相成長法で行うことが好ましく、無機層2が、炭素を含有する無機化合物、酸素欠損を含有する無機化合物、及び窒素を含有する無機化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含む層であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、光触媒機能材料の製造方法及び光触媒性基材に関し、さらに詳しくは、良好な耐久性を持つ光触媒機能材料の製造方法、その製造方法で製造された光触媒性基材、及びその光触媒性基材を用いた空気清浄機等の物品に関する。
光触媒は、光を照射することにより強い酸化力を有するラジカルを発生させ、有機物を酸化して分解できることが知られている。こうした光触媒を種々の基材に担持した光触媒材料が提案されている。例えば特許文献1,2には、不織布を基材とし、その基材上に無機化合物等が設けられ、その無機化合物等の上に光触媒が担時した光触媒材料が提案されている。
特許文献1には、不織布の繊維表面にシリカ薄膜又は無機系酸化物膜を形成し、その上に光触媒を設ける技術が提案されている。この技術は、不織布の繊維材料の表面に設けられたシリカ薄膜又は無機系酸化物膜を、光触媒反応による分解が起こり難い材料として設けた点に特徴があり、その結果、不織布の剛性、靱性、多孔性といった基材としての好ましい特性を損なうことなく、光触媒反応が原因となる強度劣化や有臭のガス成分の放出を防止することができるとしている。
また、特許文献2には、繊維の表面にその繊維中の金属酸化物成分の含有率が連続的に変化する成分傾斜構造を有した無機/有機成分傾斜性繊維の製造技術について提案されている。そして、その無機/有機成分傾斜性繊維を加工して不織布とし、その不織布の表面に、光触媒活性材料などの機能性無機材料の薄膜を設けた機能性繊維製品が提案されている。その無機/有機成分傾斜性繊維は、光触媒活性材料などの機能性無機材料などの担持が可能であると共に、実用的な強度を有し、軽量で安価であるとされている。
特開2000−107610号公報 特開2003−155622号公報
しかしながら、特許文献1で提案された技術は、シリカ薄膜や無機酸化物膜の形成工程が複雑且つ煩雑であり、基材上に均一で密着性のよい膜を形成することは必ずしも容易ではなかった。また、特許文献2で提案された技術も、製造工程が極めて煩雑で、コストが嵩むという難点があった。また、特許文献1,2を含む光触媒機能材料の分野では、光触媒機能を高めることが要請されている。
本発明は、上記課題を解決したものであって、その目的は、良好な耐久性を持つ光触媒機能材料を効率良く製造できる光触媒機能材料の製造方法、及びその製造方法で製造された光触媒性基材、及びその光触媒性基材を用いた空気清浄機等の物品を提供することにある。
(1)上記課題を解決するための本発明に係る光触媒機能材料の製造方法は、繊維状基材又は3次元構造を持つフィルム基材を準備する工程と、前記基材の表面に蒸着により無機層を形成する工程と、前記無機層の表面の全て又は一部に光触媒層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る光触媒機能材料の製造方法において、前記蒸着を、プラズマ化学気相成長法で行うことが好ましい。
本発明に係る光触媒機能材料の製造方法において、前記無機層が、炭素を含有する無機化合物、酸素欠損を含有する無機化合物、及び窒素を含有する無機化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含む層であることが好ましい。
(2)上記課題を解決するための本発明に係る光触媒性基材は、繊維状基材又は3次元構造を持つフィルム基材と、該基材の表面に蒸着により形成された無機層と、該無機層の表面の全て又は一部に形成された光触媒層とを有することを特徴とする。
本発明に係る光触媒性基材において、前記無機層が、炭素を含有する無機化合物、酸素欠損を含有する無機化合物、及び窒素を含有する無機化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含む層であることが好ましい。
(3)上記課題を解決するための本発明に係る物品は、上記した本発明に係る光触媒性基材を備えたことを特徴とする。
本発明に係る光触媒機能材料の製造方法によれば、良好な耐久性を持つ光触媒機能材料を効率良く製造することができる。
本発明に係る光触媒性基材によれば、空気清浄機用等のエアーフィルター;イオン交換膜等の液体フィルター;ガス分離膜、吸音材、外装材、内装材等の構成基材;等に用いることができる。
本発明に係る物品によれば、良好な耐久性を持つ光触媒性基材を備えるので、例えば、空気清浄機、イオン交換膜、外装材、内装材等の物品を提供できる。
本発明に係る製造方法で製造された光触媒機能材料の一例を示す模式的な平面図である。 図1に示す光触媒機能材料の断面図である。 本発明に係る光触媒機能材料の製造工程を示す模式的な断面図である。
以下、本発明に係る光触媒機能材料の製造方法及び光触媒性基材について説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[光触媒機能材料の製造方法]
本発明に係る光触媒機能材料11の製造方法は、図1及び図2に示す光触媒機能材料を製造する方法である。すなわち、その製造方法は、図3に示すように、繊維状基材1又は3次元構造を持つフィルム基材1を準備する工程(準備工程)と、その基材1の表面に蒸着により無機層2を形成する工程(無機層形成工程)と、無機層2の表面の全て又は一部に光触媒層3を形成する工程(光触媒層形成工程)と、を有する。
こうした光触媒機能材料11の製造方法によれば、繊維状基材1又は3次元構造を持つフィルム基材1の表面に蒸着により無機層2を形成する工程を有するので、その蒸着手段によって基材1上に均一な無機層2を形成できるとともに効率良く無機層2を形成することができる。また、基材1が繊維材料で構成された繊維状基材である場合や3次元構造を持つフィルム状基材である場合も、その繊維状基材が持つ微細な網目やフィルム状基材が持つ易3次元構造の凹凸を埋めることなく、基材1の表面に均一に無機層2を形成することができる。その結果、繊維状基材1又は3次元構造を持つフィルム基材1が光触媒層3の光触媒活性により酸化されて劣化されるのを防ぐことができるので、高い密着性を維持することが可能となり、良好な耐久性を持つ光触媒機能材料11を効率良く製造できる。
以下、光触媒機能材料の製造方法について詳細に説明する。
(準備工程)
準備工程は、図3(A)に示すように、繊維状基材1又は3次元構造を持つフィルム基材1を準備する工程である。基材1は、図1に示すように3次元立体構造の不織布基材又は織布基材等のように繊維材料で構成された基材や、表面に3次元構造を持つフィルム状基材等を挙げることができる。「3次元構造を持つ基材」は、意図的に基材表面に3次元の賦形構造を設けた基材のことであり、意図的に処理していない単純な表面粗さを持つ基材等は、一般的な平面基材又は曲面基材に含まれ、3次元構造を持つ基材には含まれない。なお、本発明の製造方法を、3次元構造を持たない平面基材や曲面基材に対しても適用しても構わない。
特に本発明では、不織布や織物等を構成する繊維状基材である場合に、後述するようにその繊維状基材の表面に無機層2を均一に形成することができる。基材1としては、例えば、繊維材料で構成された不織布や織布等の繊維状基材や、表面に3次元構造を持つフィルム状基材を挙げることができる。中でも不織布や織布等の繊維状基材は、繊維材料で構成された3次元網目構造であり、後述する光触媒層3の比表面積を向上させることができるので好ましく適用できる。中でも不織布等の繊維状基材は、低コストで入手が容易であり、基材1を形成する繊維材料の選択の幅が広いことから、特に好ましく適用できる。なお、図3は、繊維材料で構成された繊維状基材を用いた例を示している。
繊維状基材は、有機質を含む繊維材料で構成されていれば、有機繊維であっても無機繊維であってもよく特に限定されない。繊維材料としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド樹脂、ビニロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ビニリデン樹脂、ポリウレタン樹脂、アラミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリパラフェニレンオキサゾール(PBO)樹脂、エチレンビニルグリコール樹脂、及びポリ乳酸樹脂等で形成される合成繊維;レーヨン、ポリノジック、キュブラ、及びリヨセル等の再生繊維;アセテート、トリアセテート、及びプロミックス等の半合成繊維;ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、パラ系アラミド繊維、ポリパラフェニレンオキサゾール(PBO)繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、高強度ポリビニルアルコール(PVA)繊維、及び高強度ポリプロピレン(PP)繊維等の高強度、高弾性繊維;ポリイミド(PI)繊維、ポリフェニルサルファイド(PPS)繊維、メタ型アラミド繊維、PAN系炭素繊維、及びポリエーテルエーテルケトン繊維等の高耐熱性、難燃性繊維;ポリ乳酸繊維、ポリカプトラクトン繊維、及びポリブチレンサクシネート繊維等の生分解性繊維;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)繊維、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)繊維等のフッ素系繊維;ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維;セルロース繊維;ガラス、金属、炭素等の無機繊維;等を挙げることができる。これらの繊維材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、無機繊維を用いる場合は、上記した無機繊維以外の有機繊維と組み合わせた繊維状基材を形成してもよいし、無機繊維の表面を有機質でコーティングした繊維状基材を形成してもよいし、ガラス、金属、炭素等の無機繊維中に炭素成分や炭化水素成分等の有機質を混合させた繊維状基材を形成してもよい。
基材1が不織布である場合、その不織布の製造方法としては、従来公知の製造方法が適用できる。具体的には、精紡工程で繊維を形成した後、フリース形成工程で繊維の集積層を形成し、その後、繊維間結合工程で繊維同士を結合させて製造できる。精紡工程における精紡方法としては、例えば、エレクトロスピニング法、溶剤湿式冷却ゲル紡糸、エレクトレット法、フラッシュ紡糸等の従来公知の方法を適用でき、フリース形成工程におけるフリース形成法としては、例えば、湿式フリース形成法、乾式フリース形成法、スパンボンド法、エアレイド法等の従来公知の方法を適用でき、繊維間結合工程における繊維同士を結合させる方法としては、例えば、サーマルボンド法、スパンレース法、ニードルパンチ法、ケミカルボンド法等の従来公知の方法を適用できる。また、こうした方法以外にも、一工程で不織布を製造する方法として、例えば、積層延伸法、メルトブローン法等を適用できる。また、繊維状基材が織布である場合は、従来公知の織機を用いて織布を製造できる。
繊維状基材の空隙率は、光触媒機能材料11の用途によって任意に設計される。例えば、光触媒機能材料11を空気浄化用のフィルターとして用いる場合、繊維状基材の空隙率は、40%以上、90%以下の範囲内であることが好ましい。また、例えば、光触媒機能材料11を水浄化用のフィルターとして用いる場合、繊維状基材の空隙率は、30%以上、70%以下の範囲内であることが好ましい。なお、空隙率は、繊維状基材を構成する繊維材料の総体積と繊維状基材の嵩体積とを測定し、(1−繊維状基材を構成する繊維材料の総体積/繊維状基材の嵩体積)×100、によって計算された値で評価することができる。繊維材料の総体積は、例えば所定量の水中に繊維材料を沈めたときの水面の増量で算出でき、繊維状基材の嵩高さは、例えば繊維状基材の縦×横×高さで算出できる。
繊維状基材を構成する繊維材料の繊維径は、光触媒機能材料11の用途によって任意に設計されるが、例えば0.01μm以上、100μm以下の範囲内であり、より好ましくは0.05μm以上、30μm以下の範囲内である。
表面に3次元構造を持つフィルム状基材としては、表面の3次元構造が凹凸形状等であるものを挙げることができ、例えば、角型、山型、台形型、曲面型、半円型、円筒型等の構造形態を表面に持つフィルム状の基材を含む。その他の形態例としては、プリズムのような三角形、又は、四角形、五角形、六角形又は八角形等の多角形状;半円筒形状(かまぼこ形状)、多面筒形状、半球レンズ形状(蠅の目形状又はモスアイ形状)、多面体レンズ形状、フレネルレンズ形状等の各種レンズ形状;等であってもよい。3次元構造を持つこれらのフィルム状基材は、光学特性を向上させたり、濡れ性を制御したり、接触性やすべり性を改善させたりするために利用されている。
こうしたフィルム状基材は、樹脂材料又はガラス材料で形成されたフィルム状の基材であり、その表面に凹凸形状等の3次元構造を有している。フィルム状基材の構成材料は特に限定されず、従来公知の各種の樹脂材料やガラス材料を挙げることができる。樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、これらの共重合体、及びポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)等のポリエステル系樹脂を挙げることができる。これらのうちでも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及びこれらの共重合体が好ましく、ポリエチレンナフタレート及びポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。また、ノルボルネン系ポリマー、シクロペンテン系ポリマー、シクロブテン系ポリマー等のシクロオレフィン系ポリマーであってもよい。ガラス基材としては、石英ガラス、ソーダガラス、無アルカリガラス等の各種のガラス材料を挙げることができる。
3次元構造の構成材料は、ベースとなるフィルム状基材の構成材料と同じであってもよいし、異なる材料であってもよい。例えば、ガラス板の上に上記した樹脂材料で3次元構造を設けたものであってもよい。
こうしたフィルム状基材は、購入も容易であるし、従来公知の方法で得ることもできる。例えば、3次元構造を持つフィルム状基材を一度に成形したり、3次元構造を持たないフィルム状基材を準備した後にその表面に3次元構造を賦形したりして得ることができる。その厚さや3次元構造の高さや構造形態等も特に限定されず、用途に応じて任意に設計できる。
繊維状基材1又は3次元構造を持つフィルム基材1は、任意の前処理が施されていてもよい。前処理としては、例えば、洗浄処理、表面改質等を挙げることができる。洗浄処理としては、繊維状基材に洗浄液を噴霧する処理や、繊維状基材を洗浄液中に浸漬する処理を挙げることができる。洗浄液としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ハイドロフルオロエーテル等の親水性エーテル類、水、弱酸性水溶液、弱アルカリ性水溶液、炭素数1〜4のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチルや酢酸エチル等を挙げることができる。表面改質としては、基材1上に形成する無機層2等との密着性を向上させる目的で行われる処理であり、基材を構成する繊維材料の表面をあらす物理的処理や、繊維材料の表面に密着性に寄与する官能基を形成させる化学的処理を適宜行うことができる。例えば、プラズマ処理、グラフト重合処理、コーティング処理等を挙げることができる。
(無機層形成工程)
無機層形成工程は、図3(B)に示すように、上記した基材1の表面に蒸着により無機層2を形成する工程である。この工程により、基材1を覆うように無機層2を均一に形成できる。無機層2は、後述する光触媒層3の下地として機能する層であり、光触媒層3の光触媒活性により、基材1に含まれる有機質が酸化されて劣化するのを防ぐように作用するものであり、保護層と言い換えてもよい。さらに、無機層2は、光触媒層3と基材1とを高い密着性で密着させるように作用するものである。なお、図3(B)では、無機層2は基材1の表面の全体を均一に覆うように設けられているが、必ずしも無機層2は基材1の表面の全体を覆う必要はなく、上記した酸化劣化を防止する作用と密着性の向上作用とが必要十分である場合にはその程度に応じて、基材1の表面の一部分に設けられていてもよい。
無機層2の形成材料は、上記した目的が達成できるものであれば特に限定されないが、例えば、炭化ケイ素(SiC)、酸化炭化ケイ素(SiO)、酸化炭化窒化ケイ素(SiO)、酸化ケイ素(SiO,x=0〜2)、窒化ケイ素(SiN,x=0〜1.3)、酸化窒化ケイ素(SiO)等のケイ素化合物;酸化亜鉛(ZnO)、アルミドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、ボロンドープ酸化亜鉛(ZnO:B)、酸化炭化亜鉛(ZnO)、酸化窒化亜鉛(ZnO)、窒化亜鉛(ZnN)、酸化炭化窒化亜鉛(ZnO)、IZO等の亜鉛化合物;酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化炭化ジルコニウム(ZrO)、酸化窒化ジルコニウム(ZrO)、窒化ジルコニウム(ZrN)、酸化炭化窒化ジルコニウム(ZrO)等のジルコニウム化合物;ITO、酸化インジウム等のインジウム化合物;酸化錫(SnO)、酸化炭化錫(SnO)、酸化炭化窒化錫(SnO)等の錫化合物;酸化クロム(CrO)、酸化炭化クロム(CrO)、酸化窒化クロム(CrO)、窒化クロム(CrN)、酸化炭化窒化クロム(CrO)等のクロム化合物;酸化アルミニウム(AlO,x=0〜1.5)、炭化アルミニウム(AlC)、酸化炭化アルミニウム(AlO)、酸化窒化アルミニウム(AlO)、酸化炭化窒化アルミニウム(AlO)等のアルムニウム化合物;酸化チタン(TiO,x=0〜2)、炭化チタン(TiC)、酸化炭化チタン(TiO)、窒化チタン(TiN)、酸化炭化窒化チタン(TiO)等のチタン化合物等を挙げることができる。
無機層2の形成材料の中でも、絶縁性化合物は光触媒層3の光触媒性能低下を招くことがないので、好ましく用いられる。こうした絶縁性化合物としては、例えば、炭化ケイ素(SiC)、酸化炭化ケイ素(SiO)、酸化炭化窒化ケイ素(SiO)、酸化ケイ素(SiO,x=0〜2)、窒化ケイ素(SiN,x=0〜1.3)、酸化窒化ケイ素(SiO)等のケイ素化合物;酸化炭化亜鉛(ZnO)、酸化窒化亜鉛(ZnO)、窒化亜鉛(ZnN)、酸化炭化窒化亜鉛(ZnO)等の亜鉛化合物;酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化炭化ジルコニウム(ZrO)、酸化窒化ジルコニウム(ZrO)、窒化ジルコニウム(ZrN)、酸化炭化窒化ジルコニウム(ZrO)等のジルコニウム化合物;ITO、酸化インジウム等のインジウム化合物;酸化錫(SnO)、酸化炭化錫(SnO)、酸化炭化窒化錫(SnO)等の錫化合物;酸化クロム(CrO)、酸化炭化クロム(CrO)、酸化窒化クロム(CrO)、窒化クロム(CrN)、酸化炭化窒化クロム(CrO)等のクロム化合物;酸化アルミニウム(AlO,x=0〜1.5)、炭化アルミニウム(AlC)、酸化炭化アルミニウム(AlO)、酸化窒化アルミニウム(AlO)、酸化炭化窒化アルミニウム(AlO)等のアルムニウム化合物;酸化チタン(TiO,x=0〜2)、炭化チタン(TiC)、酸化炭化チタン(TiO)、窒化チタン(TiN)、酸化炭化窒化チタン(TiO)等のチタン化合物等を挙げることができる。
無機層2の形成材料の中でも、炭化ケイ素(SiC)、酸化炭化ケイ素(SiO)、酸化炭化窒化ケイ素(SiO)、酸化ケイ素(SiO,x=0〜2)、窒化ケイ素(SiN,x=0〜1.3)、酸化窒化ケイ素(SiO)等のケイ素化合物は、低コストで入手が容易であり、安全性、安定性、耐久性、及び、基材1と光触媒層3との密着性の観点から好ましく挙げることができる。さらにこの中でも、炭化ケイ素(SiC)、酸化炭化ケイ素(SiO)、酸化炭化窒化ケイ素(SiO)等の炭素元素を含有するケイ素化合物は、基材1と光触媒層3との密着性をより向上できるため、特に好ましい。
さらにこの中でも、無機層2が、炭素を含有する無機化合物、酸素欠損を含有する無機化合物、及び窒素を含有する無機化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。(1)無機層2が炭素を含有する無機化合物である場合には、無機層2は基材1に含まれる有機質と同種の元素を有するので、その炭素成分同士の相互作用によって無機層2と基材1との密着性を高めることができる。また、無機層2の上には光触媒層3が設けられるが、その光触媒層3も無機層2と同じ無機化合物層であるので、無機層2と光触媒層3との密着性を高めることができる。(2)また、無機層2が酸素欠損を含有する酸化物等の無機化合物である場合は、酸素欠損の存在に基づいて、無機層2と光触媒層3との間に強固な結合を形成でき、密着性を高めることができる。(3)また、無機層2が窒素を含有する無機化合物である場合には、その窒素の存在に基づいて、無機層2と光触媒層3との間の強固な結合を形成でき、密着性を高めることができる。(4)こうした無機層2を基材表面に設けることにより、無機層2と基材1との密着性や、無機層2と光触媒層3との密着性を高めることができ、結果として基材1と光触媒層3との密着性を高めることができる。また、無機層2は、湿度と熱の負荷に対する寸法変動(伸び、縮み)の緩和層としても機能し、特に窒素を含有する無機層2は湿度負荷下での耐久性が極めて優れた光触媒材料を製造できる。
炭素を含有する無機化合物としては、上記した各無機化合物のうち、炭化ケイ素、酸化炭化ケイ素、酸化炭化窒化ケイ素等のような炭素を構成成分として含む無機化合物を挙げることができる。炭素を含有する無機化合物は、炭化物や酸化炭化物の構成成分として炭素が含まれている無機化合物、炭化物等の構成成分としては含まれていないが、炭素原子、炭化水素基等として無機化合物中に微量又は任意量含まれる無機化合物であってもよい。なお、微量又は任意量の炭素は、例えばプラズマCVDで無機化合物を成膜する場合のように、炭素や炭素基を含有する成膜原料に含まれているものを挙げることができる。炭素を含有する無機化合物は、基材1と炭素成分が共通し、基材1との密着性をより向上できるため好ましい。また、例えば炭素を含有するケイ素化合物の無機層2は、基材1と光触媒層3との密着性をより向上できるが、その理由としては、炭素を含有するケイ素化合物が有機物と無機物との中間的な性質を有するためであると考えられる。そのため、基材1に含まれる有機質と無機物である光触媒層3との中間層として機能し、両者の密着性を高めることができる。
酸素欠損を含有する無機化合物としては、上記した酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛等の各種の酸化物のうち、酸化物を構成する酸素が化学量論数に満たない酸化物を意味している。酸素が化学量論数に満たない酸素欠損酸化物としては、例えばxが2に満たないSiO等を挙げることができる。また、酸化窒化物や酸化炭化物のように、酸素を含む他の化合物であっても、酸素欠損状態を構成できるので、酸素欠損を含有する酸化炭化物でも酸化窒化物等でもよい。その酸素欠損は、無機層2と光触媒層3との間に強固な結合を形成でき、密着性を高めることができる。
窒素を含有する無機化合物としては、上記した各無機化合物のうち、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化炭化窒化ケイ素等のような窒素を構成成分として含む無機化合物を挙げることができる。窒素を含有する無機化合物は、窒化物や酸化窒化物の構成成分として窒素が含まれている無機化合物、窒化物等の構成成分としては含まれていないが、窒素原子等として無機化合物中に微量又は任意量含まれる無機化合物であってもよい。窒素を含有する無機化合物は、その窒素の存在によって無機層2と光触媒層3との間の強固な結合を形成でき、密着性を高めることができる。特に窒素を含有する無機層2は湿度負荷下での耐久性が極めて優れた光触媒材料を製造できる。
無機層2は、基材1の全て又は一部に蒸着により形成される。無機層2を蒸着で形成することにより、気相中で無機層2を形成できるので、例えば水溶媒等の液相中で無機層2を形成する場合に比べて、容易に無機層2を形成することができる。また、気相中で無機層2を形成することにより、無機層2を基材1の全て又は一部に、好ましくは全てに均一に形成することができる。さらに、例えば、基材1が微細な網目構造を有する繊維状基材である場合、奥の方の繊維材料にまで無機層2を均一に形成できるとともに、微細な網目を閉塞させることなく基材表面に無機層2を形成できるので、微細な網目を有し、良好な耐久性を持つ光触媒機能材料を効率的に製造することができる。
蒸着方法としては、上記した無機層2を、基材1上に形成できれば、特に限定されない。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法又はプラズマ化学気相成長法(プラズマCVD法)、原子層堆積法(ALD法)等の化学気相成長法を好ましく挙げることができる。こうした各種の形成方法での成膜条件は、得ようとする無機層2の物性及び厚さ等を考慮し、従来公知の成膜条件を適宜調整して行えばよい。
より具体的には、(1)無機酸化物、無機窒化物、無機酸化窒化物、又は金属等の原料を基材上に加熱蒸着させる真空蒸着法、(2)原料に酸素ガスを導入して酸化させ、基材に蒸着させる反応性蒸着法、(3)ターゲット原料にアルゴンガス、酸素ガスを導入してスパッタリングすることにより、基材に堆積させる反応性スパッタリング法、(4)原料をホロカソードプラズマガンで発生させたプラズマビームで加熱させ、基材に堆積させるイオンプレーティング法、(5)有機珪素化合物等を原料とし、酸化珪素膜を基材に堆積させるプラズマ化学気相成長法、(6)成膜チャンバー内で原料ガスの導入と排気を繰り返して、原料ガスの吸着により1原子層ずつ成膜を進める原子層堆積法等を利用することができる。また、上記した真空蒸着法、反応性蒸着法、スパッタリング法等には、成膜反応を促進し、無機層2の密着性、緻密性を向上するためにプラズマアシストを用いてもよい。
上記した蒸着方法の中でも、有機物と無機物との中間的な性質を有する無機層2を任意に形成でき、成膜速度が速い点で、プラズマ化学気相成長法を好ましく挙げることができる。
無機層2の厚さは、特に限定されないが、上記した各蒸着手段で形成されるので、例えば5nm以上、300nm以下の範囲内の薄膜状に形成でき、より好ましくは5nm以上、100nm以下の範囲内、更に好ましくは5nm以上、50nm以下の範囲内である。本発明では、こうした薄い無機層2を蒸着手段によって基材1の全面に好ましく設けることができる。特に繊維材料で構成される繊維状基材の場合には、繊維状基材の奥の方にも薄い無機層2を均一に形成できるので好ましい。無機層2の厚さが5nm未満では、基材の繊維全面を均一に被覆することができないことがある。一方、無機層の厚さが厚くなって例えば300nmを超える場合は、膜応力が強くなり、無機層にクラックが入りやすくなり、結果として無機層が剥離しやすくなるという難点がある。そのため、無機層2の上限の厚さは、基材1の材料特性も考慮して任意に設定される。
無機膜2を形成した後においては、次工程である光触媒層形成工程での光触媒層3のコーティング適性や、光触媒層3の密着性を高めるため、無機層2の形成後に後処理をしてもよい。後処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン照射、光照射、電子線照射等、従来公知の方法を適用できる。プラズマ処理としては、減圧プラズマ処理、大気圧プラズマ処理等を挙げることができる。また、光照射としては、可視光、紫外光等の任意の波長の光を照射できる光源を用いることができる。また、これらの処理は、化学的に表面物性を変化させたり官能基を導入させたりすることで濡れ性を向上させたり、物理的に表面形状に変化を与え、表面積を増加させることで密着性を高めることが可能となる。こうした各種の後処理は、組みあわて用いてもよい。また、無機層2を減圧下で形成することから、そのまま大気開放することなく、連続して後処理してもよい。
(光触媒層形成工程)
光触媒層形成工程は、図3(C)に示すように、上記した無機層2の表面の全部又は一部に光触媒層3を形成する工程である。すなわち、無機層2の上に光触媒能を有する層(光触媒層3)を設ける工程であり、無機層2が設けられていない基材1には光触媒層3が直接設けられていないことが望ましい。その理由は、基材1が光触媒層3の光触媒活性により酸化されて劣化されるのを防ぐことができるためであるとともに、基材1と光触媒層3との間に高い密着性を維持することが可能となるからであり、その結果、良好な耐久性を持つ光触媒機能材料を効率良く製造できるからである。
本願でいう光触媒能を有する光触媒層3とは、後述する実施例のアセトアルデヒド消臭性能評価で示すように、光触媒機能材料に白色蛍光灯6000ルクスの照度で6時間光照射を行い、ガスバック法によりアセトアルデヒド濃度を測定したときに、光を照射していない場合と比べて、後述するアセトアルデヒド除去率が10%以上の低下が確認されたときに「光触媒能を有する光触媒層」であるといえる。
光触媒層3の構成材料としては、光触媒活性を有する光触媒材料であれば特に限定されない。例えば、酸化チタン(TiO)系、酸化タングステン(WO)系、酸化亜鉛(ZnO)系、酸化鉄(Fe)系、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)系、硫化カドミウム(CdS)系、ガリウム砒素(GaAs)系、ガリウムリン(GaP)系等を挙げることができる。これらの光触媒材料は、さらに活性効率や可視光応答性を付与するために、白金(Pt)、鉛(Pd)、銅(Cu)等の金属、及び酸化銅(CuO)等の金属酸化物に担持されていてもよい。なお、酸化チタン(TiO)及び酸化タングステン(WO)は、可視光応答型の光触媒としての活性を示す。
光触媒層3は、上記した光触媒材料をそのまま成膜して光触媒層としてもよいし、後述する紫外線照射処理やプラズマ処理等の活性化処理をして光触媒層を形成してもよい。なお、図3(C)は光触媒材料で形成した層(光触媒材料層3’)を設けた後の断面図であり、図3(D)はその光触媒材料層3’を活性化処理して光触媒層3を形成した例であるが、必ずしもこうした手段に限定されず、必要に応じて図3(C)を省略し、光触媒材料をそのまま成膜して光触媒層3(図3(D))としてもよい。
光触媒層3の形成方法は、気相中で光触媒層3を形成する方法と、液相中で光触媒層3を形成する方法とを挙げることができる。気相中で光触媒層を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、プラズマCVD法、蒸着法等を挙げることができる。液相中で光触媒層3を形成する方法としては、無機層2を形成した基材1に、光触媒層形成用塗布液を塗布する方法を挙げることができる。こうした塗布方法としては、例えば、無機層2を形成した基材1に光触媒層形成用塗布液を塗工する方法や、無機層2を形成した基材1を光触媒層形成用塗布液中に浸漬する方法を挙げることができる。上記した塗工方法としては、従来公知の塗工方法を適用することができ、例えば、例えば、ロールコート法、グラビアロールコート法、キスロールコート法、リバースロールコート法、ミヤバーコート法、グラビアコート法、スピンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ミスト塗布法、エアロゾルデポジション法等を挙げることができる。
光触媒層形成用塗布液は、液体媒体中に光触媒粒子を分散させたものである。液状媒体としては、例えば、水、メチルアルコール及びエチルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族類、酢酸エチル等のエステル類、アセトン等のケトン類等が挙げられ、これらを単独で用いてもよいし、2種以上を混合させて用いてもよい。中でも、環境調和の観点から、水を用いることがより好ましい。
光触媒層形成用塗布液には、光触媒粒子の分散性を向上させるために、分散安定剤を配合してもよい。分散安定剤としては、例えば、イオン性界面活性剤、湿潤剤、増粘剤、酸、及び塩基等を挙げることができる。これらの分散安定剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。界面活性剤としては、分散性の観点から、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、アルキルアミン塩及び4級アンモニウム塩等のイオン性界面活性剤であることがより好ましい。
光触媒層形成用塗布液に含まれる光触媒の濃度は特に限定されないが、例えば、5質量%以上、40質量%以下の範囲内である。また、光触媒層形成用塗布液に含まれる分散安定剤の量としては、特に限定されないが、例えば、10質量%以上、50質量%以下の範囲内である。
光触媒粒子の粒子径としては、特に限定されないが、例えば、5nm以上、500nm以下の範囲内である。光触媒粒子の平均粒子径をこの範囲にすることで、光触媒粒子の安定的な生産性を維持しつつ、光触媒粒子の比表面積を大きくすることができるので、光触媒活性の効率性及び経済性の点で有利になる。また、光線透過率やヘイズ等、透明性が必要とされる用途で用いる場合には、平均粒子径をより細かい5nm以上、100nm以下の範囲内とすることが好ましい。また、光触媒粒子の粒子形状は、特に限定されないが、例えば、球状、回転楕円体状、多角形状、又は鱗片状等が挙げられる。また、光触媒粒子は、光触媒の多孔質体粒子であってもよいし、多孔質体に光触媒を担持させたものであってもよい。なお、この平均粒子径は、例えば、透過型電子顕微鏡による測長や散乱式粒子計分布測定装置によって測定された値で評価することができる。
光触媒層3の厚さは、特に限定されないが、光触媒層3の形成を気相中で行う場合は、例えば50nm以上、300nm以下の範囲内である。また、光触媒層3の形成を液相中で行う場合は、例えば200nm以上、3μm以下の範囲内である。
(その他の工程)
光触媒層3を活性化処理する場合は、図3(C)(D)の工程を経て行う。図3(C)では活性化処理前の光触媒材料層3’を形成し、活性化処理して図3(D)に示す光触媒層3形成する。この活性化処理は、必須の工程ではないが、塗膜中の不必要なバインダー成分や界面活性剤等の添加成分を除去し、光触媒を活性化させるために好ましく設けられる。光触媒層3を活性化するための活性化処理方法としては、例えば、紫外線照射処理やプラズマ処理等を挙げることができる。中でも、プラズマ処理は処理の度合いを制御しやすいのでを好ましく適用でき、光触媒層3の光触媒活性を高めることができる。
紫外線照射処理の条件としては、例えば、有機物の除去に効果的な高いエネルギーを有する光を好ましく用いることができる。例えば、400nm以下の波長の光を発生できる太陽光、高圧水銀灯、キセノンランプ、ブラックライト、発光ダイオード(LED)ランプ等を挙げることができる。照射条件の一例としては、例えば、15W/cm以上の照度で16時間以上照射することにより行われる。
プラズマ処理の条件としては、例えば、酸素プラズマ処理により、放電圧力30Pa、放電電力1kW/m以上で、10分以上処理することにより行われる。また、酸素ガス以外の、アルゴンガス、二酸化炭素ガス、一酸化炭素、窒素ガス、アンモニアガス、四フッ化炭素、六フッ化硫黄、又はそれらを含む混合ガス、又は酸素と混合した混合ガスを用いて発生させたプラズマを用いたプラズマ処理であってもよい。
プラズマ処理方法としては、イオン打ち込み効果が得られる電力印加方式が用いられる。そうした電力印加方式としては、プラズマ処理時のイオン衝撃(打ち込み効果)を利用する電力印加方式Aと、少なくとも2つの電極を不織布基材に対して同じ側に設置し、その電極間に電力を投入してプラズマ放電を形成する電力印加方式Aとを好ましく挙げることができる。前者の方式Aは、繊維状基材の細部にまで効率よく、均一にプラズマ処理を施すことができ、活性化処理の効果が高くなる。また、後者の方式Bは、プラズマ処理条件によって起こる可能性のある異常放電を防ぐことができ、プラズマ放電が安定するので、例えば繊維状基材の細部にまで効率よく均一にプラズマ処理を施すことができる。その理由は、繊維状基材は網目の空間があるため、繊維状基材の両側に電極を設置して処理する場合は、処理圧力等の条件によっては、電極間をある程度さえぎるものがない状態となり、インピーダンス(電圧と電流とのバランス)が一定とならず、異常放電を引き起こし、安定して処理できなくなるためである。こうした各種の電力印加方式により、効率的なプラズマ処理を行って、光触媒材料層3’から光触媒層3に変化させることができる。なお、電極の配置構造は、平板型電極、筒形のホロカソード型電極、ホロアノード型電極、又はそれらの組み合わせのいずれを用いることもできる。
[光触媒性基材]
上記した各工程により光触媒性基材を製造することができる。製造された光触媒性基材は、図1及び図2に示すように、繊維状基材1又は表面に3次元構造を持つフィルム状基材1と、その基材1の表面に蒸着により形成された無機層2と、無機層2の表面の全て又は一部に形成された光触媒層3とを有している。
この光触媒性基材は、基材1の表面に無機層2が蒸着により形成され、その無機層2の表面の全て又は一部に光触媒層3が形成されているので、その無機層2の存在により、有機質を含む繊維状基材1又は表面に3次元構造を持つフィルム状基材1が光触媒層3の光触媒活性により酸化されて劣化されるのを防ぐことができる。特に無機層2が蒸着で形成されているので、基材として例えば3次元の網目構造で入り組んでいる繊維状基材を適用した場合、その奥の方の繊維材料に至るまで、無機層2が均一な厚さで形成されている。そして、その無機層2の表面の全部又は一部に光触媒層3が設けられているので、光触媒層3を高い密着性で維持することができ、光触媒性基材の耐久性を高めることができる。
この光触媒性基材を構成する基材1、無機層2、光触媒層3等の各構成要素は、既述した「光触媒機能材料の製造方法」の説明欄で詳しく説明したとおりであるので、ここでは同じ符号を用いてその説明を省略する。
特に、無機層2が、炭素を含有する無機化合物、酸素欠損を含有する無機化合物、及び窒素を含有する無機化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含む層であることが好ましい。こうした無機層2を基材1の表面に設けることにより、無機層2と基材1との密着性や、無機層2と光触媒層3との密着性を高めることができ、結果として基材1と光触媒層3との密着性を高めることができる。
こうした光触媒性基材は、各種の用途に利用でき、例えば光触媒機能を有するフィルター(光触媒フィルター)等に好ましく適用できる。光触媒フィルターの用途としては、例えば、空気中の悪臭物質であるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アンモニア、酢酸等を分解するための消臭用フィルター、空気中からアレルゲンであるダニや花粉を除去するための消臭用フィルター、ウィルスや菌を除去したり殺傷したりするためのフィルター等に用いることができる。また、空気清浄機用等のエアーフィルター、イオン交換膜等の液体フィルター、ガス分離膜、吸音材、外装材、内装材等の構成基材等としても用いることができる。
[物品]
本発明に係る物品は、上記した本発明に係る光触媒性基材を備えている。この物品は、良好な耐久性を持つ光触媒性基材を備えるので、各種の物品に適用できる。物品の種類としては、フィルターとしての機能を利用した物品、例えば空気清浄機、エアコン、換気扇、脱臭フィルター、浮遊菌除去装置(空気中の細菌汚染除去装置)、細菌フィルター、ガスフィルター、排ガスフィルター、等の物品の構成部材として利用できる。また、液体フィルターとしての機能を利用した物品、例えばイオン交換膜、脱塩機、ろ過機、透析膜、浄水機、逆浸透膜、ガス分離膜、吸音材、床材、カーペット、家具等の表面材、自動車、電車、航空機等の内装材、壁材、窓材(窓貼フィルム)等の物品の構成部材として利用できる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
[実施例1]
基材として、ポリエチレン樹脂の合成繊維で形成された不織布(ユニチカ株式会社製、商品名:エルベス T0403WDO、空隙率60%)を準備した。この基材上に、プラズマ化学気相成長法(プラズマCVD法)により、厚さ100nmの酸化炭化ケイ素(SiO)の無機層を形成した。プラズマ化学気相成長法は、平行平板型プラズマCVD装置を用い、電極板の間の距離を25mmとした。上記した基材を下部電極上にセットし、チャンバー内を真空ポンプで真空度を1×10−2Pa以下まで排気した。その後、成膜用のモノマーガスのとしてヘキサメチルジシロキサン2sccm、酸素ガス30sccm、アルゴンガス10sccmを上部電極ガス導入穴から電極間に導入し、チャンバーのコンダクタンスバルブの開度調整により、チャンバー内圧力を7Paに設定した。その後、周波数が13.56MHzのRf放電を実施し、上記した無機層を形成した。
無機層を形成した基材上に、酸化チタン系光触媒材料塗布液(石原産業株式会社製 LPC−572)を、乾燥後の光触媒量が0.7g/m量になるようにバーコートで塗布し、70℃で5分間保持して硬化を行い、光触媒層を形成した。その後、この光触媒層を活性化させるため、383nm付近にピーク強度を有するブラックライトを15W/mの照度で16時間照射した。
[実施例2]
実施例1において、プラズマ放電のための電力を、40kHzとした以外は、実施例1と同様にして実施例2の光触媒機能材料を製造した。
[実施例3]
実施例2において、光触媒層を酸化チタン系材料から、酸化タングステン系材料に変更し、それ以外は実施例2と同様にして実施例3の光触媒機能材料を製造した。
[実施例4]
実施例3において、不織布の構成繊維をポリプロピレン樹脂(東レ株式会社社製、商品名:トレミクロン)の合成繊維とした以外は実施例3と同様にして実施例4の光触媒機能材料を製造した。
[実施例5]
実施例3において、不織布の構成繊維をセルロール繊維とした以外は、実施例3と同様にして実施例5の光触媒機能材料を製造した。
[実施例6]
実施例4において、モノマーガスにテトラエトキシシラン(TEOS)を用いて、酸化ケイ素(SiO,x=1.8)の無機層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして実施例6の光触媒機能材料を製造した。
[実施例7]
実施例4において、モノマーガスにテトラメチルシシラン(TMS)を用いて、酸素ガスを用いないで、炭化ケイ素(SiC)の無機層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして実施例7の光触媒機能材料を製造した。
[実施例8]
実施例4において、モノマーガスにヘキサメチルジシラザン(HMDSN)を用いて、酸化炭化窒化ケイ素(SiO)の無機層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして実施例8の光触媒機能材料を製造した。
[実施例9]
実施例4において、モノマーガスにオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)を用いて酸化炭化ケイ素(SiO)の無機層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして実施例9の光触媒機能材料を製造した。
[実施例10]
実施例4において、モノマーガスにジエチル亜鉛(DEZ)を用いて酸化炭化亜鉛(ZnO)の無機層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして実施例10の光触媒機能材料を製造した。
[実施例11]
実施例4において、反応性蒸着により酸化アルミニウム(AlO)の無機層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして実施例11の光触媒機能材料を製造した。
[実施例12]
実施例4において、プラズマアシストを用いた反応性蒸着により酸化窒化ケイ素(SiO)の無機層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして実施例12の光触媒機能材料を製造した。
[実施例13]
実施例4において、ホロカソードプラズマガンを用いたイオンプレーティング蒸着により酸化化ケイ素(SiO、x=1.9)の無機層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして実施例13の光触媒機能材料を製造した。
[実施例14]
実施例4において、プラズマCVD装置の電極を平行平板型電極からホロカソードガン電極に変更したこと以外は、実施例4と同様にして実施例14の光触媒機能材料を製造した。
[実施例15]
実施例4において、ケイ素をターゲットとし、アルゴンガス、窒素ガスを用いた反応性スパッタリングにより窒化ケイ素の無機層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして実施例15の光触媒機能材料を製造した。
[実施例16]
実施例4において、原料にトリメチルアルミニウム(TMA)を用いた原子堆積法(ALD法)により、厚さ10mmの酸化アルミニウム(AlO、x=1.4)の無機層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして実施例16の光触媒機能材料を製造した。
[比較例1]
実施例1において、無機層を形成しないこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の光触媒機能材料を製造した。
[比較例2]
実施例2において、無機層を形成しないこと以外は、実施例2と同様にして比較例2の光触媒機能材料を製造した。
[比較例3]
実施例3において、無機層を形成しないこと以外は、実施例3と同様にして比較例3の光触媒機能材料を製造した。
[比較例4]
実施例4において、無機層を形成しないこと以外は、実施例4と同様にして比較例4の光触媒機能材料を製造した。
[比較例5]
実施例5において、無機層を形成しないこと以外は、実施例5と同様にして比較例5の光触媒機能材料を製造した。
[評価と結果]
実施例1〜16及び比較例1〜5の光触媒機能材料をアセトアルデヒドガスの分解性能にて評価した。具体的には、光触媒機能材料に白色蛍光灯で6000ルクスの照度で光照射した後、ガスバック法により、ガス検知管を用いて、初期濃度50ppmのアセトアルデヒド分解性試験を行った。また、耐久性評価として、実施例1〜16及び比較例1〜5の光触媒機能材料を、温度85℃で湿度85%の環境試験機内に1000時間保存し湿熱負荷をかけ、その後、前記同様にアセトアルデヒド分解性試験、及び顕微鏡により、形成した光触媒層の密着性を評価した。アセトアルデヒド分解性試験結果を表1に示す。
Figure 2014054599
表1の結果から、実施例1〜16の光触媒機能材料は、初期濃度50ppmのアセトアルデヒドを6時間以内に全て分解することができた。また、耐久性試験後も、無機層が設けられた光触媒機能材料は、初期濃度が50ppmのアセトアルデヒドを6時間以内に全て分解することができた。また、顕微鏡観察の結果、光触媒層の剥離がなく、密着性にも優れることが確認できた。
1 基材(繊維状基材又は3次元構造を持つフィルム基材)
2 無機層
3 光触媒層
3’ 光触媒材料層
10 光触媒機能繊維
11 光触媒機能材料(光触媒性基材)

Claims (6)

  1. 繊維状基材又は3次元構造を持つフィルム基材を準備する工程と、前記基材の表面に蒸着により無機層を形成する工程と、前記無機層の表面の全て又は一部に光触媒層を形成する工程と、を有することを特徴とする光触媒機能材料の製造方法。
  2. 前記蒸着を、プラズマ化学気相成長法で行う、請求項1に記載の光触媒機能材料の製造方法。
  3. 前記無機層が、炭素を含有する無機化合物、酸素欠損を含有する無機化合物、及び窒素を含有する無機化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含む層である、請求項1又は2に記載の光触媒機能材料の製造方法。
  4. 繊維状基材又は3次元構造を持つフィルム基材と、該基材の表面に蒸着により形成された無機層と、該無機層の表面の全て又は一部に形成された光触媒層とを有することを特徴とする光触媒性基材
  5. 前記無機層が、炭素を含有する無機化合物、酸素欠損を含有する無機化合物、及び窒素を含有する無機化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含む層である、請求項4に記載の光触媒性基材。
  6. 請求項5に記載の光触媒性基材を備えたことを特徴とする物品。
JP2012200702A 2012-09-12 2012-09-12 光触媒機能材料の製造方法及び光触媒性基材 Pending JP2014054599A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012200702A JP2014054599A (ja) 2012-09-12 2012-09-12 光触媒機能材料の製造方法及び光触媒性基材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012200702A JP2014054599A (ja) 2012-09-12 2012-09-12 光触媒機能材料の製造方法及び光触媒性基材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014054599A true JP2014054599A (ja) 2014-03-27

Family

ID=50612412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012200702A Pending JP2014054599A (ja) 2012-09-12 2012-09-12 光触媒機能材料の製造方法及び光触媒性基材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014054599A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017029923A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 株式会社 シリコンプラス ウイルス除去用フィルター
KR102300126B1 (ko) * 2020-12-09 2021-09-09 주식회사 에스아이디허브 고순도, 고강도의 초박막 공기정화용 광촉매 필터 및 이의 제조방법

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1066878A (ja) * 1996-08-29 1998-03-10 Bridgestone Corp 光触媒体
JPH1072664A (ja) * 1996-08-29 1998-03-17 Bridgestone Corp 光触媒被覆体
JP2004188886A (ja) * 2002-12-13 2004-07-08 Dainippon Printing Co Ltd 親水性を有する光触媒積層体
US20050130529A1 (en) * 2003-11-11 2005-06-16 Jung-Shen Lien Photocatalytic fabric product and a manufacturing method thereof
JP2005528313A (ja) * 2002-04-17 2005-09-22 サン−ゴバン グラス フランス 自己浄化性コーティングを有する基材

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1066878A (ja) * 1996-08-29 1998-03-10 Bridgestone Corp 光触媒体
JPH1072664A (ja) * 1996-08-29 1998-03-17 Bridgestone Corp 光触媒被覆体
JP2005528313A (ja) * 2002-04-17 2005-09-22 サン−ゴバン グラス フランス 自己浄化性コーティングを有する基材
JP2004188886A (ja) * 2002-12-13 2004-07-08 Dainippon Printing Co Ltd 親水性を有する光触媒積層体
US20050130529A1 (en) * 2003-11-11 2005-06-16 Jung-Shen Lien Photocatalytic fabric product and a manufacturing method thereof

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017029923A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 株式会社 シリコンプラス ウイルス除去用フィルター
KR102300126B1 (ko) * 2020-12-09 2021-09-09 주식회사 에스아이디허브 고순도, 고강도의 초박막 공기정화용 광촉매 필터 및 이의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014054600A (ja) 光触媒機能材料の製造方法
US6790528B2 (en) Production of polymer fibres having nanoscale morphologies
US20100080841A1 (en) Fibrous articles with one or more polyelectrolyte layers thereon and methods for making the same
US9095636B2 (en) Catalytic substrates and methods for creating catalytic coatings for indoor air quality applications
US20140287230A1 (en) Nanostructured polymer-inorganic fiber media
Buyle Nanoscale finishing of textiles via plasma treatment
Yalcinkaya et al. Surface modification of electrospun PVDF/PAN nanofibrous layers by low vacuum plasma treatment
AU2002351473A1 (en) Plasma treatment of porous materials
JP6857173B2 (ja) 光触媒機能性不織布およびこの製造方法
US11746462B2 (en) Method for making antimicrobial article
JP2014054599A (ja) 光触媒機能材料の製造方法及び光触媒性基材
KR101111226B1 (ko) 키토산막이 형성된 나노섬유 부직포 및 그의 제조방법
Zhao et al. Adhesion and protective properties of polyvinyl alcohol nanofibrous composite fabrics
JP2014028355A (ja) 光触媒機能材料の製造方法
Kayaoğlu Plasma surface treatments of nonwovens
KR102308519B1 (ko) 항균 또는 항바이러스 기능성 원단의 제조 방법 및 이에 의해 제조된 원단
Park et al. Fabrication and deodorizing efficiency of nanostructured core‐sheath TiO2 nanofibers
CN112981931A (zh) 一种有机无机复合材料性能提高的方法
Wang Application of low-temperature plasma surface modification technology in functionalized nanofibers
Hegemann et al. Nano-scale treatment of textiles using plasma technology
JP6291823B2 (ja) 光触媒機能材料の製造方法
US20240175200A1 (en) Method of producing an object having a fluorinated polymer coating
Karbownik et al. Antibacterial Properties of Polyester Fibres' Materials with Titanium Dioxide Deposited on Their Surface
CN217662022U (zh) 一种空气净化器的滤芯
KR102026232B1 (ko) 광촉매 기능성 부직포 및 이의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160510

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161108