JP2014054002A - 駆動対象スイッチング素子の駆動装置 - Google Patents

駆動対象スイッチング素子の駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体集積回路(ドライブIC20)を小型化すること。
【解決手段】スイッチング素子S¥#のゲートは、高電圧側端子TH6を介してクランプ用スイッチング素子40に接続されており、クランプ用スイッチング素子40は、高電圧側端子TH4を介してスイッチング素子S¥#のエミッタに接続されている。クランプ用スイッチング素子40のゲート電圧は、オペアンプ42によって、ゲート電圧Vgeが電源46の端子電圧であるクランプ電圧以下となるように操作される。クランプ電圧Vcは、調整用抵抗体64の抵抗値によって指示される。抵抗値に応じた電流は、調整信号aiとして、フォトカプラ66を介して低電圧領域から高電圧領域へと伝達される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、駆動対象とするスイッチング素子である駆動対象スイッチング素子に接続される集積回路を備えた駆動対象スイッチング素子の駆動装置に関する。
たとえば下記特許文献1には、車載主機用インバータを構成するIGBTを駆動対象スイッチング素子とし、これを駆動する駆動回路に集積回路を備えるものも提案されている。この技術では、各IGBTの操作信号を生成する制御装置から、フォトカプラを介して集積回路に操作信号を入力している。
特開2012−16110号公報
ところで、フォトカプラ等を集積回路に対して外付けするよりも、これらをも集積回路に含めた方が、制御システム全体の小型化に寄与する可能性がある。ここで、フォトカプラのような絶縁通信手段をも集積回路に取り込むと、集積回路内でIGBTのゲートに接続される高電圧側領域と、操作信号が入力される低電圧側領域とを集積回路内において絶縁する必要が生じる。そして、この場合、駆動回路の様々な機能を満たす上で、高電圧側領域に接続される端子として要求される数が、低電圧側領域に接続される端子として要求される数よりも多くなる傾向がある。したがって、集積回路の冗長設計がなされることとなるなど、絶縁通信手段を集積回路に取り込むことで新たな不都合が生じることが見出された。
本発明は、上記課題を解決する過程でなされたものであり、その目的は、駆動対象とするスイッチング素子である駆動対象スイッチング素子に接続される集積回路を備えるものにあって、集積回路内に絶縁通信手段を備えた新たな駆動対象スイッチング素子の駆動装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、およびその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、駆動対象とするスイッチング素子である駆動対象スイッチング素子について、その電流の流通経路を開閉すべく電子操作されて且つ開閉制御端子に接続される高電圧側領域と、該高電圧側領域に対して絶縁されて且つ、外部の制御装置から出力された前記駆動対象スイッチング素子の操作信号が入力される低電圧側領域とを備える単一の集積回路を備え、前記集積回路は、前記高電圧側領域に接続される高電圧側端子と、前記低電圧側領域に接続される低電圧側端子と、前記低電圧側領域および前記高電圧側領域間を絶縁しつつ前記低電圧側領域から前記高電圧側領域に電気信号を伝達させる絶縁通信手段と、を備え、前記低電圧側端子に接続されて且つ、前記高電圧側領域内の回路の動作を定める動作パラメータの調整情報を出力する出力手段と、前記調整情報に基づき、前記高電圧側領域内における動作パラメータを調整する調整手段と、を備え、前記出力手段から前記低電圧側端子に出力される前記調整情報が前記絶縁通信手段を介して前記高電圧側領域内の前記調整手段に伝達されるようにしたことを特徴とする。
上記発明では、出力手段による調整情報の出力対象を低電圧側端子とすることで、高電圧側端子の数を低減することができ、ひいては高電圧側端子と低電圧側端子との数の不均衡を抑制することができる。
なお、本発明にかかる以下の代表的な実施形態に関する概念の拡張については、代表的な実施形態の後の「その他の実施形態」の欄に記載してある。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかるドライブユニットの回路構成を示す回路図。 同実施形態にかかるソフト遮断処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかるクランプ処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかるクランプ電圧の調整処理の手順を示す流れ図。 同実施形態の効果を示す図。 第2の実施形態にかかる調整指令信号の出力処理の手順を示す流れ図。 第3の実施形態にかかるドライブユニットの回路構成を示す回路図。 同実施形態にかかる調整情報の異常診断処理の手順を示す流れ図。 第4の実施形態にかかるドライブユニットの回路構成を示す回路図。 第5の実施形態にかかるソフト遮断用閾値電圧の調整処理の手順を示す流れ図。 第6の実施形態にかかるドライブユニットの回路構成を示す回路図。 同実施形態にかかるゲート抵抗体の抵抗値の調整処理の手順を示す流れ図。
<第1の実施形態>
以下、本発明にかかる駆動対象スイッチング素子の駆動回路を車載主機に接続される電力変換回路に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかる制御システムの全体構成を示す。モータジェネレータ10は、車載主機であり、図示しない駆動輪に機械的に連結されている。モータジェネレータ10は、インバータINVを介して高電圧バッテリ12に接続されている。インバータINVは、スイッチング素子Sup,Sunの直列接続体と、スイッチング素子Svp,Svnの直列接続体と、スイッチング素子Swp,Swnの直列接続体とを備えており、これら各直列接続体の接続点がモータジェネレータ10のU,V,W相にそれぞれ接続されている。これらスイッチング素子S¥#(¥=u,v,w;#=p,n)として、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられている。そして、これらにはそれぞれ、ダイオードD¥#が逆並列に接続されている。
制御装置14は、低電圧バッテリ16を電源とする制御装置である。制御装置14は、モータジェネレータ10を制御対象とし、その制御量を所望に制御すべく、インバータINVを操作する。詳しくは、インバータINVのスイッチング素子S¥#を操作すべく、操作信号g¥#をドライブユニットDUに出力する。ここで、高電位側の操作信号g¥pと、対応する低電位側の操作信号g¥nとは、互いに相補的な信号となっている。換言すれば、高電位側のスイッチング素子S¥pと、対応する低電位側のスイッチング素子S¥nとは、交互にオン状態とされる。なお、制御装置14は、本実施形態において、制御手段を構成する。
図2に、上記ドライブユニットDUの構成を示す。
図示されるように、ドライブユニットDUは、1チップ化された半導体集積回路であるドライブIC20を備えている。ドライブIC20は、端子電圧Vomを有する直流電圧源22を備え、直流電圧源22の端子は、高電圧側端子TH1、定電流源24、充電用スイッチング素子26、高電圧側端子TH2を介してスイッチング素子S¥#の開閉制御端子(ゲート)に接続されている。
一方、スイッチング素子S¥#のゲートは、ゲート抵抗体28、高電圧側端子TH3、放電用スイッチング素子30を介して高電圧側端子TH4に接続されている。そして、高電圧側端子TH4は、スイッチング素子S¥#の流通経路(エミッタおよびコレクタ間)の一方の端部である基準端部(エミッタ)に接続されている。
上記充電用スイッチング素子26および放電用スイッチング素子30は、ドライブIC20内の駆動制御部32によって操作される。すなわち、駆動制御部32では、上記操作信号g¥#に基づき、充電用スイッチング素子26と放電用スイッチング素子30とを交互にオン・オフすることでスイッチング素子S¥#を駆動する。詳しくは、操作信号g¥#がオン操作指令となることで、放電用スイッチング素子30をオフして且つ充電用スイッチング素子26をオンする。一方、操作信号g¥#がオフ操作指令となることで、充電用スイッチング素子26をオフして且つ放電用スイッチング素子30をオンする。
ここで、先の図1に示した制御装置14から出力された操作信号g¥#は、フォトカプラ34を介して駆動制御部32に入力される。これは、本実施形態において、高電圧バッテリ12を備える高電圧システムと、制御装置14を備える低電圧システムとが絶縁されているための設定である。このため、ドライブIC20は、低電圧システムを構成する低電圧側領域と高電圧システムを構成する高電圧領域とを備えている。これら2つの領域を絶縁しつつ、操作信号g¥#を低電圧側領域から高電圧側領域に伝達させるべく、絶縁通信手段としてのフォトカプラ34が用いられる。ここで、フォトカプラ34は、その1次側であるフォトダイオードのアノードおよびカソードのそれぞれに低電圧側端子TL1,TL2が接続されている。また、2次側であるフォトトランジスタのコレクタは、直流電圧源22に接続され、エミッタは、抵抗体36を介してスイッチング素子S¥#のエミッタと同電位とされる。こうした構成によれば、抵抗体36の電圧降下量を、操作信号g¥#に応じた論理信号として駆動制御部32に取り込むことができる。
上記高電圧側端子TH3は、ソフト遮断用抵抗体48およびソフト遮断用スイッチング素子50を介して高電圧側端子TH4に接続されている。
また、スイッチング素子S¥#のゲートは、高電圧側端子TH6に接続されており、高電圧側端子TH6は、NチャネルMOS電界効果トランジスタ(クランプ用スイッチング素子40)を介して高電圧側端子TH4に接続されている。クランプ用スイッチング素子40のゲートには、オペアンプ42の出力電圧が印加され、オペアンプ42の反転入力端子には、電源46のクランプ電圧Vcが印加され、非反転入力端子には、高電圧側端子TH6を介してスイッチング素子S¥#のゲート電圧Vgeが印加される。ここで、オペアンプ42に対する直流電圧源22による給電は、電源用スイッチング素子44によってオン・オフされる。なお、クランプ用スイッチング素子40、オペアンプ42、電源用スイッチング素子44、および電源46は、本実施形態において、制限手段を構成する。
一方、上記スイッチング素子S¥#は、その流通経路(エミッタおよびコレクタ間)に流れる電流(コレクタ電流)と相関を有する微少電流を出力するセンス端子Stを備えている。そして、センス端子Stは、センス抵抗体38を介してエミッタに電気的に接続されている。これにより、センス端子Stから出力される電流によってセンス抵抗体38に電圧降下が生じるため、センス抵抗体38による電圧降下量(センス電圧Vse)を、スイッチング素子S¥#の流通経路を流れる電流と相関を有する電気的な状態量とすることができる。
上記センス電圧Vseは、高電圧側端子TH5を介して、駆動制御部32に取り込まれる。駆動制御部32では、センス電圧Vseに基づき、電源用スイッチング素子44やソフト遮断用スイッチング素子50を操作する。以下、これについて説明する。
図3に、上記センス電圧Vseに基づき行われる処理のうち、特に、スイッチング素子S¥#に流れる電流を遮断する処理の手順を示す。
この一連の処理では、まずステップS10において、操作信号g¥#がオン操作指令であるか否かを判断する。そしてオン操作指令であると判断される場合、ステップS12において、センス電圧Vseがソフト遮断用閾値電圧Vsft以上であるか否かを判断する。この処理は、スイッチング素子S¥#に異常に大きい電流が流れているか否かを判断するためのものである。ソフト遮断用閾値電圧Vsftは、スイッチング素子S¥#の通常駆動時において流れる電流の最大値よりも大きい電流に対応する値に設定されている。なお、ステップS12の処理は、本実施形態において判断手段を構成する。
そして、ステップS12において肯定判断される場合、ステップS14において、ステップS12において肯定判断されている時間を計時するカウンタT1がソフト遮断用閾値時間Tsft以上であるか否かを判断する。この処理は、スイッチング素子S¥#を強制的にオフ操作する条件が成立したか否かを判断するためのものである。ここで、ソフト遮断用閾値時間Tsftは、ノイズによって上記条件が成立したと誤判断することを回避することができる値に設定される。
ステップS14において否定判断される場合、ステップS16において、カウンタT1をインクリメントする。また、上記ステップS12においてセンス電圧Vseがソフト遮断用閾値電圧Vsft未満であると判断される場合、ステップS20において、カウンタT1を初期化する。ステップS16,S20の処理が完了する場合、ステップS10に戻る。
これに対し、ステップS14において肯定判断される場合、ステップS18において、ソフト遮断用スイッチング素子50をオン操作し、充電用スイッチング素子26をオフ操作する。また、駆動制御部32から制御装置14にフェール信号FLを出力する。これは、先の図2に示すフォトカプラ52を介して行われる。
すなわち、フォトカプラ52の1次側(フォトダイオード)のアノードは、スイッチング素子54を介して直流電圧源22に接続されており、カソードは、抵抗体によってスイッチング素子S¥#のエミッタ電位にプルダウンされる。これにより、フェール信号FLを出力すべくスイッチング素子54がオン操作されることで、フォトカプラ52がオン状態となり、2次側(フォトトランジスタ)に接続される低電圧側端子TL3,TL4を介してフェール信号FLが制御装置14に出力される。
なお、ステップS18の処理が完了する場合や、ステップS10において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図4に、上記センス電圧Vseに基づき行われる処理のうち、特に、スイッチング素子S¥#に電流が流れることを許容しつつも、その電流量を制限すべく、ゲート電圧Vgeの大きさを制限する制限処理の手順を示す。
この一連の処理では、まずステップS30において、操作信号g¥#がオフ操作指令からオン操作指令に切り替った時点であるか否かを判断する。そして切り替った時点であると判断される場合、ステップS32において、切り替った時点からの時間を計時するカウンタT2がクランプ時間Tcmp以下であるか否かを判断する。この処理は、スイッチング素子S¥#のオン状態への切り替え初期において、スイッチング素子S¥#に急激に大きい電流が流れる事態を回避すべく、ゲート電圧Vgeをクランプ電圧Vcでガード処理する期間であるか否かを判断するためのものである。クランプ時間Tcmpは、正常時において、ゲート電圧Vgeが上記クランプ電圧Vcまで上昇するのに要する時間程度に設定される。
ステップS32において否定判断される場合、ステップS36において、センス電圧Vseがクランプ用閾値電圧Vcmp(>Vsft)以上であるか否かを判断する。この処理は、スイッチング素子S¥#に流れる電流が過度に大きくなったか否かを判断するためのものである。ここで、クランプ用閾値電圧Vcmpの値は、上側アームのスイッチング素子S¥pと下側アームのスイッチング素子S¥nとの双方がオン状態となることでそれらに流れる短絡電流を検出することを狙って設定される。
ステップS32において肯定判断される場合や、ステップS36において肯定判断される場合には、ステップS34において、電源用スイッチング素子44をオン操作する。これにより、スイッチング素子S¥#のゲート電圧Vgeは、クランプ電圧Vc以下に制限される。
そして、ステップS34の処理が完了する場合や、ステップS36において否定判断される場合には、ステップS38において、カウンタT2をインクリメントする。続くステップS40においては、操作信号g¥#がオン操作指令からオフ操作指令に切り替ったか否かを判断する。そしてステップS40において否定判断される場合、ステップS32の処理に戻る。これに対し、ステップS40において肯定判断される場合、ステップS42においてカウンタT2を初期化する。
なお、ステップS42の処理が完了する場合や、ステップS30において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
上記フェール信号FLは、スイッチング素子S¥#に過度に大きい電流が流れる場合に加えて、スイッチング素子S¥#の温度Tjが過度に高い場合にも出力される。すなわち、先の図2に示すように、スイッチング素子S¥#付近には、その温度を感知する感温ダイオードSDが設けられている。感温ダイオードSDのカソードは、高電圧側端子TH8を介してスイッチング素子S¥#のエミッタと同電位とされる。これに対し、感温ダイオードSDのアノードは、高電圧側端子TH7を介して定電流源56に接続されている。そして、駆動制御部32では、感温ダイオードSDの順方向の電圧降下量を、スイッチング素子S¥#の温度の検出信号として取り込む。これは、感温ダイオードSDに流す電流が一定である場合、電圧降下量と温度との間に1対1の対応関係があることに鑑みたものである。駆動制御部32では、電圧降下量から把握されるスイッチング素子S¥#の温度Tjが過度に高い場合、フォトカプラ52を介して制御装置14にフェール信号FLを出力する。
ところで、ドライブIC20の低電圧側領域と制御装置14等を結ぶ通信線は、操作信号g¥#の伝送経路や、フェール信号FLの伝送経路というように限られたものとなっている。これに対し、ドライブIC20の高電圧側領域と外部とを接続する電気経路は多くなりやすい。これは、ドライブユニットDUが、高電圧側システム内の電子部品を駆動するものであることが1つの理由であるが、高精度化したり汎用性を持たせたりすることを狙う場合には、こうした事情がより顕著に現れる。
すなわちたとえば、スイッチング素子S¥#がオン状態からオフ状態に切り替る速度を高精度に制御する上では、ゲート抵抗体28の抵抗値を高精度に定める必要が生じる。ここで、ドライブIC20内に抵抗体の抵抗値を高精度に設定することは、ドライブIC20の外部の抵抗体の抵抗値を高精度に設定することよりも困難となりやすい。また、スイッチング素子S¥#の仕様にかかわらず、同一のドライブIC20を用いる場合、放電速度を調整するうえでは、ゲート抵抗体28はドライブIC20に対して外付けすることが望ましくなる。一方、本実施形態のように、ゲート抵抗体28等を外部に設ける場合、充電用の高電圧側端子TH2と放電用の高電圧側端子TH3とを各別に備える必要が生じる。
スイッチング素子S¥#に汎用性を持たせる上では、さらに、クランプ電圧Vc自体も調整対象となり得る。これは、スイッチング素子S¥#の定格電流が仕様によって相違することや、スイッチング素子S¥#のゲート電圧Vgeとコレクタ電流Icの最大値との関係が仕様によって相違することなどのためである。ここで、クランプ電圧Vcの値を指示する情報(調整情報)は、高電圧側領域に伝達する必要がある。ただし、調整情報をドライブIC20の高電圧側端子THi(i=1,2,3,…)から入力したのでは、高電圧側端子THiの数が増大し、ひいては、ドライブIC20の設計が冗長となり、ひいてはドライブIC20が大型化するおそれがある。これは、高電圧側端子THiと低電圧側端子TLi(i=1,2,3,…)とは互いに絶縁する必要があるため、それらを同一の辺に設けることが困難なためである。このため、ドライブIC20の冗長さを抑制し、ドライブIC20を極力小型化するうえでは、高電圧側端子THiの数と低電圧側端子TLiの数との差を低減することが望ましい。
そこで本実施形態では、クランプ電圧Vcの調整情報を、低電圧側端子TL5,TL6を介して取り込み、フォトカプラ66を用いて高電圧側領域(駆動制御部32)に伝達させる。すなわち、低電圧側電源60は、調整用スイッチング素子62、調整用抵抗体64、および低電圧側端子TL5を介してフォトカプラ66のフォトダイオードのアノードに接続されている。また、フォトダイオードのカソードは、低電圧側端子TL6を介して低電圧側の基準電位(車体電位)とされている。一方、フォトカプラ66の2次側(フォトトランジスタ)のコレクタには、直流電圧源22が接続されており、エミッタは、抵抗体68を介してスイッチング素子S¥#のエミッタと同電位とされている。これにより、フォトトランジスタに流れる電流は、フォトダイオードに流れる電流に応じて変化するものとなる。このため、フォトダイオードに流れる電流を操作することで、フォトトランジスタに流れる電流を、クランプ電圧Vcの調整信号aiとして駆動制御部32に伝達することができる。このため、図に模式的に示すように、レーザによって調整用抵抗体64における電流の流路面積を調整することで、調整信号aiに重畳された調整情報を加工することが可能となる。
このため、制御装置14が調整用スイッチング素子62を調整指令信号asによってオン状態とする都度、クランプ電圧Vcを、調整用抵抗体64によって表現されたものとするための調整信号aiを高電圧側領域に伝達することができる。本実施形態では、インバータINVを起動する都度、調整信号aiを高電圧側領域に伝達すべく、調整指令信号asを制御装置14から出力する。なお、本実施形態において、クランプ電圧Vcは、高電圧側領域内の回路(クランプ用スイッチング素子40等を備える回路)の動作を定めて且つ、調整対象となる動作パラメータである。また、本実施形態において、調整用抵抗体64は、動作パラメータの調整情報を出力する出力手段を構成する。
図5に、本実施形態にかかるクランプ電圧の調整処理の手順を示す。この処理は、駆動制御部32によって実行される。なお、この処理は、本実施形態における調整手段の処理である。すなわち、本実施形態では、駆動制御部32が、調整手段を構成する。
この一連の処理では、まずステップS50において、ドライブIC20の電源がオン状態となったか否かを判断する。すなわち、ドライブIC20に直流電圧源22の電力が供給される状態に切り替ったか否かを判断する。この処理は、たとえば、直流電圧源22が低電圧バッテリ16等を電源とするフライバックコンバータを備えて構成されるものであるなら、フライバックコンバータが駆動されることで、ドライブIC20に電力の供給が開始されたか否かの判断となる。
そしてステップS50において肯定判断される場合、ステップS52において、調整信号aiが入力されたか否かを判断する。この処理は、制御装置14によって調整指令信号asが出力され、調整情報が正常に入力されたか否かを確認するためのものである。そして、入力されたと判断される場合、ステップS54において、調整信号aiに基づき、クランプ電圧Vcを調整する。詳しくは、たとえば、調整信号aiの電流量の大きさに応じてクランプ電圧Vcを調整する。これに対し、ステップS52において否定判断される場合、ステップS56において、クランプ電圧Vcをデフォルト値Vc0とする。デフォルト値Vc0は、先の図2に示した記憶手段(メモリ70)に記憶されたものである。メモリ70は、ROM等、不揮発性メモリである。
なお、ステップS54,S56の処理が完了する場合や、ステップS50において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図6(a)に、本実施形態の効果を示し、図6(b)に比較例を示す。
図示されるように、本実施形態では、調整用抵抗体64を低電圧側端子TL5,TL6に接続することで、高電圧側端子THiの数が増大することを極力抑制した。このため、ドライブIC20の高電圧側端子THiと低電圧側端子TLiとのそれぞれが形成される辺の長さを極力短くすることができ、ひいてはドライブIC20を極力小型化することができる。
これに対し、調整用抵抗体64を高電圧側領域に接続する図6(b)の場合、ドライブIC20が大型化し、また、半導体基板SSの高電圧側領域HVCAの面積が大きくなる。このため、低電圧側領域LVCAの面積が小さくなり、ひいてはレイアウト上の制約が大きくなる。なお、高電圧側領域HVCAと低電圧側領域LVCAとの間や、高電圧側領域HVCA同士の間には、絶縁領域IAを設ける必要があるため、高電圧側領域HVCAが拡大することで、絶縁領域IAの面積が大きくなり、ひいては低電圧側領域LVCAの面積が低減しやすい。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)ドライブIC20の高電圧側領域内の回路の動作パラメータの調整情報を、低電圧側端子TLiから入力するようにした。これにより、ドライブIC20において有効に利用されている高電圧側端子THiの数と有効に利用されている低電圧側端子TLiの数との差を低減することができ、ひいてはドライブIC20を小型化することができる。
(2)動作パラメータの調整情報を出力する出力手段(調整用抵抗体64)を、制御装置14とは別のハードウェア手段とした。これにより、動作パラメータの調整情報を、制御装置14が存在しない時点であっても、保持することができる。このため、調整情報の生成工程をどのタイミングにおいて設けるかについて自由度が向上する。
(3)高電圧側領域に電源が投入される都度、調整信号aiが高電圧側領域に伝達されるようにした。これにより、調整情報の信頼性を向上することができる。また、高電圧側領域に、給電の有無にかかわらずデータを保持する電気的書き換え可能な不揮発性メモリ等を備える必要も生じない。
(4)調整信号aiが入力されないと判断される場合、デフォルト値Vc0をクランプ電圧Vcとした。これにより、調整信号aiの入力の有無にかかわらず、クランプ電圧Vcによるガード処理を実行することができる。
(5)調整信号aiを伝達するための絶縁通信手段を、調整信号aiの伝達用の専用の手段(フォトカプラ66)とした。これにより、他の信号線に影響を与えることなく調整信号aiを伝達することができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、ドライブユニットDUに電力が供給されている期間において、所定周期で調整信号aiを伝達させる。
図7に、本実施形態にかかる調整信号aiの伝達処理の手順を示す。この処理は、制御装置14によって、たとえば所定周期でくり返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS60において、ドライブユニットDUの電源が投入されている状態か否かを判断する。そして投入されている状態であると判断される場合、ステップS62において、調整信号aiが駆動制御部32に伝達されてからの経過時間を計時するカウンタTaをインクリメントする。続くステップS64においては、カウンタTaが閾値時間Tath以上であるか否かを判断する。この処理は、調整信号aiを伝達するタイミングであるか否かを判断するものである。そして、ステップS64において肯定判断される場合、ステップS66において、調整指令信号asを用いてスイッチング素子62をオン操作し、カウンタTaを初期化する。
なお、ステップS66の処理が完了する場合や、ステップS60,S64において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
ちなみに、駆動制御部32では、先の図5に示した処理のうち、ステップS50の処理を変更した処理を実行することで、クランプ電圧Vcを調整すればよい。これはたとえば、クランプ電圧Vcを調整したタイミングからの経過時間を計時するカウンタを備え、ステップS50の処理を、カウンタの値が閾値時間Tath以上となるか否かを判断する処理に代えることで行うことができる。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、制御装置14において、ドライブIC20が正しい調整情報を取得したか否かを判断する。
図8に、本実施形態にかかるドライブユニットDUの構成を示す。なお、図8において、先の図2に示した部材に対応するものについては、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、調整用抵抗体64を流れる電流信号は、調整信号aiLとして、低電圧側端子TL5に入力される。そして、調整信号aiLは、フォトカプラ66を介して駆動制御部32に入力される。これに対し、駆動制御部32では、調整信号aiLの受信結果に応じた信号を調整信号aiHとして、フォトカプラ72を介して制御装置14に出力する。ここで、フォトカプラ72は、その1次側であるフォトダイオードに駆動制御部32からの調整信号aiHが入力可能であり、2次側が低電圧側端子TL7,TL8に接続されている。
図9に、調整信号aiHの受信に関し制御装置14が行う処理の手順を示す。この処理は、たとえば所定周期でくり返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS70において、調整指令信号asを出力した後、所定時間が経過したか否かを判断する。この処理は、調整信号aiLの伝達処理が正常になされているなら調整信号aiHの受信が完了すると想定される時間の経過の有無を判断するためのものである。ここで所定時間は、調整信号aiLの伝達処理が正常になされているなら調整信号aiHが受信されると想定される時間に設定される。ステップS70において肯定判断される場合、ステップS72において、調整信号aiHを受信したか否かを判断する。
そしてステップS72において肯定判断される場合、ステップS74において、調整信号aiLによって伝達されたクランプ電圧Vcの値f(aiL)と、調整信号aiHに重畳された情報であるクランプ電圧Vcの値f(aiH)との差の絶対値が規定値Δai以下であるか否かを判断する。この処理は、ドライブIC20の高電圧領域(駆動制御部32)に、クランプ電圧Vcについての正しい調整情報が伝達されたか否かを判断するためのものである。なお、値f(aiL)は、制御装置14に調整信号aiLを受信する機能を搭載することで制御装置14によって算出可能である。
ステップS74において肯定判断される場合、ステップS76において調整情報の伝達が正常である旨判断する。これに対し、ステップS72,S74において否定判断される場合、ステップS78において、調整情報の伝達に異常があると判断し、調整指令信号asを再度出力することで、調整信号aiLを再度出力する。
なお、ステップS76,S78の処理が完了する場合や、ステップS70において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(5)の効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。
(6)高電圧側領域において受信された調整情報の内容を調整信号aiHとして出力することで、制御装置14に調整情報の受信内容を通知ことを可能とした。これにより、制御装置14において、ドライブIC20が正しい調整情報を受信しているか否かを監視することができる。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について、先の第3の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、調整信号aiLを高電圧側領域に伝達させるための絶縁通信手段として、フォトカプラ34を流用し、調整信号aiHを低電圧側領域に伝達させるための絶縁通信手段として、フォトカプラ52を流用する。
図10に、本実施形態にかかるドライブユニットDUの構成を示す。なお、図10において、先の図2に示した部材に対応するものについては、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、フォトカプラ34のフォトダイオードのアノードは、切替回路80によって、操作信号g¥#が入力される低電圧側端子TL1と、調整用抵抗体64に接続される低電圧側端子TL5とのいずれか一方に接続される。切替回路80は、低電圧側端子TL7を介して入力される操作信号mに基づき操作される。これにより、切替回路80によって低電圧側端子TL1が選択される場合には、フォトカプラ34を介して操作信号g¥#が低電圧側領域から高電圧側領域に伝達される。これに対し、切替回路80によって低電圧側端子TL5が選択される場合には、フォトカプラ34を介して調整信号aiLが低電圧側領域から高電圧側領域に伝達される。
また、フォトカプラ52のフォトダイオードのアノードは、切替回路84によって、駆動制御部32が調整信号aiHを出力する端子と、直流電圧源22とのいずれか一方に接続される。これにより、切替回路84によって直流電圧源22が選択される場合には、フォトカプラ52によってフェール信号FLが高電圧側領域から低電圧側領域に伝達される。これに対し、切替回路82によって調整信号aiHを出力する端子が選択される場合、フォトカプラ52によって調整信号aiHが高電圧側領域から低電圧側領域に伝達される。なお、フェール信号FLを出力する状況にない正常時であって且つ調整信号aiHを出力するタイミング以外の場合、フォトカプラ52のフォトダイオードをいずれにも接続しない状態としてもよく、また、調整信号aiHを出力する端子をハイインピーダンスとして且つ、これにフォトダイオードを接続してもよい。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(4)の効果や、第2の実施形態の上記(6)の効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。
(7)調整信号aiLを低電圧側領域から高電圧側領域に伝達させるために用いる絶縁通信手段として、操作信号g¥#を伝達するためのフォトカプラ34を流用した。これにより部品点数の増加を抑制することができる。また、調整信号aiLの伝達タイミングを、スイッチング素子S¥#の駆動前とすることで、操作信号g¥#の伝達に制約を生じさせることもない。
(8)調整信号aiHを高電圧側領域から低電圧側領域に伝達させるための絶縁通信手段として、フェール信号FLを伝達させるためのフォトカプラ52を流用した。これにより部品点数の増加を抑制することができる。また、調整信号aiHの伝達タイミングを、スイッチング素子S¥#の駆動前とすることで、フェール信号FLの伝達に制約を生じさせることもない。
<第5の実施形態>
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、調整対象となる動作パラメータを、ソフト遮断用閾値電圧Vsftとする。
図11に、本実施形態にかかるソフト遮断用閾値電圧Vsftの調整処理の手順を示す。この処理は、駆動制御部32によって実行される。なお、図11において、先の図5に示した処理に対応するものについては、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS52において肯定判断される場合、ステップS54aにおいて、調整信号aiに基づき、ソフト遮断用閾値電圧Vsftを調整する。これに対し、ステップS52において否定判断される場合、ステップS56aにおいて、ソフト遮断用閾値電圧Vsftを、先の図2に示したメモリ70に記憶されたデフォルト値Vsft0とする。
<第6の実施形態>
以下、第6の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図12に、本実施形態にかかるドライブユニットDUの構成を示す。なお、図12において、先の図2に示した部材に対応するものについては、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、スイッチング素子S¥#のゲートは、高電圧側端子TH2、ゲート抵抗体27および充電用スイッチング素子26を介して高電圧側端子TH1に接続され、また、高電圧側端子TH2、ゲート抵抗体28aおよび放電用スイッチング素子30を介して端子TH4に接続される。このように、本実施形態では、スイッチング素子S¥#をオン状態とするための電荷の充電用のゲート抵抗体27と、放電用のゲート抵抗体28aとを、ドライブIC20に内蔵することで、これらのそれぞれを備える充電経路と放電経路とで単一の高電圧側端子TH2を共有する。
そして、これらゲート抵抗体27,28aを可変抵抗として且つ、それらの抵抗値を、調整信号ai1,ai2のそれぞれによって調整する。ここで、調整信号ai1は、調整用抵抗体64を流れる電流信号によって生成され、フォトカプラ66によって伝達される。一方、調整信号ai2は、調整用抵抗体94を流れる電流信号によって生成され、フォトカプラ90によって伝達される。すなわち、低電圧側電源60は、スイッチング素子92、調整用抵抗体94、低電圧側端子TL7,フォトカプラ90のフォトダイオード、および低電圧側端子TL8を介して車体電位とされる。また、フォトカプラ90のフォトトランジスタのコレクタは、直流電圧源22に接続され、エミッタは、抵抗体96を介してスイッチング素子S¥#のエミッタに接続される。そして、フォトトランジスタを流れる電流信号が調整信号ai2として駆動制御部32に取り込まれる。
ちなみに、本実施形態では、クランプ電圧Vcは、直流電圧源22の端子電圧が抵抗体100,102によって分圧されることで生成された高電圧側端子TH9の印加電圧とされる。
図13に、本実施形態にかかるゲート抵抗体27,28aの抵抗値Rc,Rdの調整処理の手順を示す。この処理は、駆動制御部32によって実行される。
この一連の処理では、まずステップS80において、ドライブIC20の電源がオン状態となったか否かを判断する。この処理は、先の図5のステップS50の処理と同趣旨のものである。
ステップS80において肯定判断される場合、ステップS82において、調整信号ai1が入力されたか否かを判断する。この処理は、制御装置14によって調整指令信号asが出力され、ゲート抵抗体27の抵抗値Rcに関する調整情報が正常に入力されたか否かを確認するためのものである。そして、入力されたと判断される場合、ステップS84において、調整信号ai1に基づき、抵抗値Rcを調整する。これに対し、ステップS82において否定判断される場合、ステップS86において、抵抗値Rcを、先の図2に示したメモリ70に記憶されたデフォルト値Rc0とする。
ステップS84,S86の処理が完了する場合、ステップS88に移行する。ステップS88においては、調整信号ai2が入力されたか否かを判断する。この処理は、制御装置14によって調整指令信号asが出力され、ゲート抵抗体28aの抵抗値Rdに関する調整情報が正常に入力されたか否かを確認するためのものである。そして、入力されたと判断される場合、ステップS90において、調整信号ai2に基づき、抵抗値Rdを調整する。これに対し、ステップS88において否定判断される場合、ステップS92において、抵抗値Rdを、先の図2に示したメモリ70に記憶されたデフォルト値Rd0とする。
なお、ステップS90,S92の処理が完了する場合や、ステップS80において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態に準じた効果に加えて、さらに以下の効果が得られるようになる。
(9)スイッチング素子S¥#をオン状態とするための電荷をゲートに充電するためのゲート抵抗体27、および放電するためのゲート抵抗体28aを、ドライブIC20内に搭載し、それらの抵抗値を調整可能な機能を搭載した。これにより、上記電荷の充電経路と放電経路とで、高電圧側端子TH2を共有することができ、ひいては高電圧側端子THiの数を低減することができる。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
「調整情報の伝達手法について」
調整信号ai,ai1,ai2を電流値に調整情報を重畳した信号とするものに限らない。たとえば、低電圧側電源60の端子電圧を2つの抵抗体によって分圧した分圧値がPWM処理された2値信号であってもよい。この場合、論理Hおよび論理Lの一周期に対する論理Hの時間の時比率が調整情報を表現する。
またたとえば、フォトカプラとして、発光ダイオードの発光量に応じて抵抗値を変化させるものを用い、調整情報を抵抗値として高電圧側領域に伝達させるものであってもよい。
「絶縁通信手段について」
フォトカプラとしては、2次側がフォトトランジスタのみから構成されるものに限らず、受光ダイオードを備えるものであってもよい。また、「調整情報の伝達手法について」の欄に記載したものであってもよい。
また、光絶縁素子に限らず、たとえば、フライングキャパシタであってもよい。この場合、調整手段をコンデンサを備えて構成するなら、フライングキャパシタの印加電圧をコンデンサの充電電圧とすることができ、ひいては、コンデンサの充電電圧の大きさを調整情報として利用することができる。
「出力手段について」
「調整情報の伝達手法について」の欄に記載したように、PWM信号をドライブIC20に出力するものであってもよい。
制御装置14に対して外付けされた部材とする代わりに、制御装置14によって構成してもよい。
「調整手段について」
たとえば、「調整情報の伝達手法について」の欄に記載したようにPWM信号によって調整情報を伝達する場合、周波数電圧変換回路等、時比率から調整情報を復調する手段を備えて調製手段を構成すればよい。
「動作パラメータについて」
a)数について
上記第1の実施形態において、たとえばクランプ電圧Vcおよびソフト遮断用閾値電圧Vsftの2つを動作パラメータとしてもよい。上記各実施形態では、低電圧側領域から高電圧側領域へと調整情報を伝達させる動作パラメータが1つまたは2つである例を示したが、これに限らない。数が多いほど、本発明を適用しないことで高電圧側端子THiの数が増加しやすいため、本発明の適用がいっそう有効である。
b)種類について
たとえばアクティブゲート制御を行うためのコレクタ電流Icやゲート電圧Vgeの閾値を動作パラメータとしてもよい。すなわちたとえば、放電用抵抗体および放電用スイッチング素子の直列接続体を2個備えて且つ、スイッチング素子S¥#をオフ操作するに際して、放電用スイッチング素子を2つオンするか、1つオンするかをセンス電圧Vseの値と閾値との大小比較に基づき定めるものにおいて、閾値を動作パラメータとしてもよい。
「制限手段について」
先の図2等に示したものに限らない。たとえば1または複数のダイオードとクランプ用スイッチング素子との直列接続体を複数備えるものであってもよい。この場合、ダイオードの順方向電圧降下に応じてクランプ電圧が定まる。このため、調整情報に基づき、いくつのダイオードに直列接続されたクランプ用スイッチング素子をオン操作するかを決定することで、クランプ電圧を調整することができる。
「駆動対象スイッチング素子について」
IGBTに限らない。たとえばMOS電界効果トランジスタであってもよい。ここで、Nチャネルのものを用いてもよいがPチャネルのものを用いてもよい。この場合であっても、電流の流通経路(ソースおよびドレイン間)の開閉は、流通経路の一方の端部である基準端部(ソース)に対する開閉制御端子(ゲート)の電位差の操作によってなされる。
「そのほか」
クランプ用閾値電圧Vcmpとソフト遮断用閾値電圧Vsftとを同一としてもよい。
20…ドライブIC(集積回路の一実施形態)、64…調整用抵抗体、66…フォトカプラ(絶縁通信手段の一実施形態)。

Claims (14)

  1. 駆動対象とするスイッチング素子である駆動対象スイッチング素子(S¥#)について、その電流の流通経路を開閉すべく電子操作されて且つ開閉制御端子に接続される高電圧側領域と、該高電圧側領域に対して絶縁されて且つ、外部の制御装置(14)から出力された前記駆動対象スイッチング素子の操作信号が入力される低電圧側領域とを備える単一の集積回路を備え、
    前記集積回路(20)は、
    前記高電圧側領域に接続される高電圧側端子(TH1〜TH8)と、
    前記低電圧側領域に接続される低電圧側端子(TL1〜TL8)と、
    前記低電圧側領域および前記高電圧側領域間を絶縁しつつ前記低電圧側領域から前記高電圧側領域に電気信号を伝達させる絶縁通信手段(34,66)と、
    を備え、
    前記低電圧側端子に接続されて且つ、前記高電圧側領域内の回路の動作を定める動作パラメータの調整情報を出力する出力手段(64)と、
    前記調整情報に基づき、前記高電圧側領域内における動作パラメータを調整する調整手段(32)と、
    を備え、
    前記出力手段から前記低電圧側端子に出力される前記調整情報が前記絶縁通信手段を介して前記高電圧側領域内の前記調整手段に伝達されるようにしたことを特徴とする駆動対象スイッチング素子の駆動装置。
  2. 前記出力手段は、前記制御装置とは別のハードウェア手段を備えて構成されることを特徴とする請求項1記載の駆動対象スイッチング素子の駆動装置。
  3. 前記高電圧側領域に電源が投入されている期間に少なくとも1度、前記調整情報が前記出力手段から出力されることを特徴とする請求項1または2記載の駆動対象スイッチング素子の駆動装置。
  4. 前記高電圧側領域の起動時に前記調整情報が前記出力手段から出力されることを特徴とする請求項3記載の駆動対象スイッチング素子の駆動装置。
  5. 前記高電圧側領域に電源が投入されている期間において定期的に前記調整情報が前記出力手段から出力されることを特徴とする請求項3記載の駆動対象スイッチング素子の駆動装置。
  6. 前記調整手段は、前記調整情報についてのデフォルト値に関する情報を記憶する記憶手段を備え、前記出力手段からの前記調整情報が受信できない場合、前記記憶されたデフォルト値に基づき前記動作パラメータを調整することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の駆動対象スイッチング素子の駆動装置。
  7. 前記調整情報を前記低電圧側領域から前記高電圧側領域に伝達する前記絶縁通信手段は、前記調整情報を伝達させる専用の手段であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の駆動対象スイッチング素子の駆動装置。
  8. 前記操作信号を前記低電圧側領域から前記高電圧側領域に伝達する絶縁通信手段(34)を備えて且つ、該絶縁通信手段を、前記調整情報を前記低電圧側領域から前記高電圧側領域に伝達する前記絶縁通信手段として流用したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の駆動対象スイッチング素子の駆動装置。
  9. 前記高電圧側領域および前記低電圧側領域間を絶縁しつつ前記調整手段が受信した前記調整情報を前記高電圧側領域から前記低電圧側領域へと伝送する絶縁通信手段(72,54)を備え、
    前記制御装置に、前記調整手段が受信した前記調整情報の内容を通知することを可能としたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の駆動対象スイッチング素子の駆動装置。
  10. 前記調整手段が受信した前記調整情報を前記高電圧側領域から前記低電圧側領域へと伝送する絶縁通信手段(72)は、該受信した前記調整情報を伝達させる専用の手段であることを特徴とする請求項9記載の駆動対象スイッチング素子の駆動装置。
  11. 前記高電圧側領域は、前記駆動対象スイッチング素子の駆動に関する異常の有無を判断する判断手段と、該判断手段の判断結果に応じてフェール信号を生成する手段とを備え、
    前記高電圧側領域および前記低電圧側領域間を絶縁しつつ前記フェール信号を前記高電圧側領域から前記低電圧側領域に伝達する絶縁通信手段(54)を備えて且つ、該絶縁通信手段を、前記受信した調整情報を前記高電圧側領域から前記低電圧側領域に伝達する前記絶縁通信手段として流用したことを特徴とする請求項9記載の駆動対象スイッチング素子の駆動装置。
  12. 前記高電圧側領域は、前記駆動対象スイッチング素子を流れる電流が閾値電流以上であるか否かを判断する判断手段を備え、
    前記調整手段は、前記閾値電流を調整する手段であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の駆動対象スイッチング素子の駆動装置。
  13. 前記駆動対象スイッチング素子は、前記流通経路の一方の端部である基準端部と開閉制御端子との間の電位差に応じて前記流通経路を開閉するものであり、
    前記電位差の絶対値を規定値に制限する制限手段(40〜46)を備え、
    前記調整手段は、前記規定値を調整する手段であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の駆動対象スイッチング素子の駆動装置。
  14. 前記駆動対象スイッチング素子は、前記流通経路の一方の端部である基準端部と開閉制御端子との間の電位差に応じて前記流通経路を開閉するものであり、
    前記駆動対象スイッチング素子をオン状態とするための電荷を前記開閉制御端子に充電する充電経路と、前記電荷を前記開閉制御端子から放電するための放電経路とを備え、
    前記充電経路は、抵抗値を調整可能な充電用抵抗体(27)を備え、
    前記放電経路は、抵抗値を調整可能な放電用抵抗体(28a)を備え、
    前記集積回路は、前記充電用抵抗体および前記放電用抵抗体を備え、
    前記調整手段は、前記充電用抵抗体および前記放電用抵抗体の抵抗値を調整する手段であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の駆動対象スイッチング素子の駆動装置。
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