JP2009142016A - 車載電力変換回路の駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車載電力変換回路のスイッチング素子SWを流れる電流を閾値と比較することで過度の電流が流れる異常の有無を診断する機能を有する場合、車載電力変換回路の駆動装置に汎用性を持たせることが困難なこと。
【解決手段】フォトカプラ38は、時分割で、上記閾値の設定のための信号とスイッチング素子SWの駆動信号とを出力する。一方、起動検出回路70では、制御システムの起動から規定時間の間論理「H」となる出力信号sg2を出力する。これにより、規定時間内には、AND回路64の出力信号sg3がフォトカプラ38の出力信号sg1と一致し、シリアル/アナログ変換器60では、これに基づき上記閾値を設定することができる。また、規定時間の経過後には、AND回路50の出力信号sg5がフォトカプラ38の出力信号sg1と一致し、スイッチング素子SWを駆動することができる。
【選択図】 図6
【解決手段】フォトカプラ38は、時分割で、上記閾値の設定のための信号とスイッチング素子SWの駆動信号とを出力する。一方、起動検出回路70では、制御システムの起動から規定時間の間論理「H」となる出力信号sg2を出力する。これにより、規定時間内には、AND回路64の出力信号sg3がフォトカプラ38の出力信号sg1と一致し、シリアル/アナログ変換器60では、これに基づき上記閾値を設定することができる。また、規定時間の経過後には、AND回路50の出力信号sg5がフォトカプラ38の出力信号sg1と一致し、スイッチング素子SWを駆動することができる。
【選択図】 図6
Description
本発明は、車載電力変換回路のスイッチング素子及び該スイッチング素子を駆動する駆動回路の少なくとも一方に関する物理量を閾値と比較することで前記少なくとも一方の異常の有無を診断する機能を有する車載電力変換回路の駆動装置に関する。
この種の駆動装置としては、図11に示すものがある。ここで、スイッチング素子SWの駆動信号は、マイコンによるスイッチング素子100のオン・オフ操作によって生成される。スイッチング素子100は、抵抗体102,104を介して電源106に接続されており、抵抗体104の両端の電圧が、フォトカプラ108のフォトダイオードに印加される。これにより、スイッチング素子100のオン・オフ操作に伴ってフォトカプラ108がオン・オフ操作される。フォトカプラ108のフォトトランジスタのコレクタは、抵抗体112を介して電源114に接続されるとともに、駆動IC116に接続されている。駆動IC116は、フォトトランジスタのコレクタ電位をスイッチング素子SWの駆動信号として受信し、これに基づき、スイッチング素子SWをオン・オフ操作する(スイッチング素子SWを駆動する)。
一方、スイッチング素子SWは、そのコレクタ及びエミッタ間に流れる電流と相関を有する微少電流を出力するセンス端子STを備えており、センス端子STを流れる電流による抵抗体120の電圧降下による電圧が、コンパレータ122の非反転入力端子に印加される。一方、コンパレータ122の反転入力端子には、抵抗体126及び抵抗体128による電源124の電圧の分圧値が印加されている。これにより、抵抗体120における電圧降下量が上記分圧値よりも大きくなる場合に、スイッチング素子SWに過度の電流が流れたとして、コンパレータ122の出力が反転し、駆動IC116によるスイッチング素子SWの操作を停止させることができる。
なお、車載電力変換回路の駆動装置としては、他にも例えば下記特許文献1に記載のものがある。
特開2006−54933号公報
ところで、近年、車載電力変換回路が普及してきており、このため、様々な仕様の車載電力変換回路が製造、販売されるようになってきている。こうした状況下、上記駆動IC116やコンパレータ122等を備える駆動装置を、電力変換回路の仕様に応じて設計、製造したのでは、開発や製造の効率が悪い。一方、上記スイッチング素子SWを過度の電流が流れたか否かを判断するための閾値は、上記抵抗体126,128の抵抗値に応じて定まるものであるが、この閾値として適切な値は、スイッチング素子SWの仕様等に応じて変化する。このため、駆動装置を様々な仕様の電力変換回路に共通して使用しようとする場合には、電力変換回路の仕様によっては、スイッチング素子SWを流れる電流の異常の有無を適切に診断することができないおそれがある。
なお、上記スイッチング素子SWを流れる電流の異常の有無を診断する機能を有するものに限らず、スイッチング素子やスイッチング素子を駆動する駆動回路の異常の有無を診断する機能を有するものにあっては、駆動装置に汎用性を持たせることが困難なこうした実情も概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車載電力変換回路のスイッチング素子及び該スイッチング素子を駆動する駆動回路の少なくとも一方に関する物理量を閾値と比較することで上記少なくとも一方の異常の有無を診断する機能を有する場合であれ、汎用性を有する車載電力変換回路の駆動装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、車載電力変換回路のスイッチング素子及び該スイッチング素子を駆動する駆動回路の少なくとも一方に関する物理量を閾値と比較することで前記少なくとも一方の異常の有無を診断する機能を有する車載電力変換回路の駆動装置において、シリアルラインを介して入力される入力信号から、前記スイッチング素子を駆動する駆動信号と前記閾値に関する情報信号とを抽出する抽出手段と、前記抽出される情報信号に基づき前記異常診断のための閾値を設定する設定手段と、前記抽出される駆動信号に基づき前記スイッチング素子を駆動する手段とを備えることを特徴とする。
上記発明では、設定手段を備えるために、情報信号によって閾値を可変設定することができる。このため、駆動装置に汎用性を持たせることができる。しかも、情報信号と駆動信号とがシリアルラインを介して入力されるために、汎用性を持たせることに起因して駆動装置への信号の伝達経路が増加することもない。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記抽出手段は、前記スイッチング素子の駆動開始に先立つ所定期間に限って前記入力信号からの前記情報信号の抽出にかかる処理を行うことを特徴とする。
スイッチング素子の駆動時には、駆動していない期間と比較してノイズが生じやすい。そして、ノイズは、閾値の設定の信頼性を低下させる要因となり得る。この点、上記発明では、駆動開始に先立つ所定期間に限って入力信号から情報信号の抽出にかかる処理を行うために、閾値の設定に際してノイズの影響を受けにくい。このため、閾値の設定の信頼性を高めることができる。更に、スイッチング素子の駆動時に情報信号を抽出する構成の場合、シリアルラインにこれら駆動信号及び情報信号を出力する側には、これら2つの信号を合成する手段を備える必要が生じる。これに対し、上記発明では、こうした手段を備えることなく駆動信号及び情報信号の双方を伝達させることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記抽出手段は、その動作電圧の上昇から所定期間が経過するまでの期間である旨を示す信号と前記入力信号との論理合成信号を生成することで前記情報信号を抽出する手段と、前記経過するまでの期間である旨を示す信号の論理反転信号と前記入力信号との論理合成信号を生成することで前記駆動信号を抽出する手段とを備えることを特徴とする。
所定期間が経過するまでの期間である旨を示す信号と入力信号との論理合成信号は、論理合成手法を調節することで、所定期間の間入力信号と一致して且つ所定期間経過後には入力信号を遮断する信号となる。一方、上記論理反転信号と入力信号との論理合成信号は、論理合成手法を調節することで、所定期間の間入力信号を遮断して且つ所定期間経過後には入力信号と一致する信号となる。このため、上記発明では、所定期間内に限って情報信号を抽出することができる。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の発明において、前記抽出手段は、その動作電圧の上昇に基づき前記所定期間の始点を定めて且つ、前記入力信号からの前記情報信号の抽出の完了に基づき前記所定期間の終点を定めることを特徴とする。
上記発明では、情報信号の抽出の完了に基づき所定期間の終点を定めるために、閾値の設定に用いる情報信号の抽出にかかる処理を適切に行うことができる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記抽出手段は、予め定められた規定時間の経過及び前記情報信号の抽出の完了のいずれか早い方に基づき前記所定期間の終点を定めることを特徴とする。
上記発明では、情報信号の抽出の完了前であっても規定時間が経過するなら情報信号の抽出にかかる処理をしないことで、情報信号の抽出にかかる処理を長期間にわたって続けることに起因する不都合を回避することができる。
請求項6記載の発明は、請求項2又は3記載の発明において、前記抽出手段は、その動作電圧の上昇に基づき前記所定期間の始点を定めて且つ、予め定められた規定時間の経過に基づき前記所定期間の終点を定めることを特徴とする。
上記発明では、規定時間が経過することで情報信号の抽出にかかる処理を停止するために、上記所定期間としてノイズの影響の小さい期間を適切に設定することができる。
請求項7記載の発明は、請求項2又は3又は5又は6記載の発明において、前記設定手段は、前記所定期間内に前記抽出手段が前記情報信号を抽出できない場合、前記閾値としてデフォルト値を設定することを特徴とする。
上記発明では、所定期間内に情報信号を抽出できない場合でも、異常診断処理機能を、情報信号が抽出できる場合と同様に起動させることができる。
なお、請求項7記載の発明は、前記デフォルト値は、前記抽出される情報信号に基づき設定される値のうちの異常検出基準がゆるい側の境界値に基づき設定されてなることを特徴としてもよい。
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記入力信号は、前記駆動信号に該駆動信号とは異なる周波数を有する前記情報信号が所定のタイミングで重畳された信号であり、前記抽出手段は、前記入力信号のうちの周波数帯域の互いに異なる成分を抽出することで前記駆動信号及び前記情報信号を抽出することを特徴とする。
上記発明では、駆動信号と情報信号との周波数帯域を互いに相違させることで、これら2つの信号をシリアルラインを介して同時に受信することができる。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記入力信号は、前記駆動信号に該駆動信号よりも高い周波数を有する前記情報信号が所定のタイミングで重畳された信号であることを特徴とする。
駆動信号のパルス幅は、通常、その下限について規定がある。上記発明では、この点に着目し、情報信号を駆動信号よりも高周波の信号とすることで、駆動信号の伝達に干渉することなく、情報信号を適切に伝達させることができる。また、情報信号の方が高周波とすることで、閾値の設定に関する情報を迅速に取得することもできる。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、前記抽出手段は、前記入力信号のエッジをトリガとしてパルス信号を出力する手段と、前記パルス信号と前記入力信号との論理積信号を生成することで前記情報信号を抽出する手段と、前記入力信号と前記パルス信号との論理和信号を生成することで前記駆動信号を抽出する手段とを備えることを特徴とする。
入力信号のエッジをトリガとするパルス信号と入力信号との論理積信号は、パルス信号と入力信号とのオーバーラップ期間であって且つ入力信号が論理「H」の期間に限って論理「H」となる。これに対し、入力信号のエッジをトリガとするパルス信号と入力信号との論理和信号は、パルス信号と入力信号とのいずれか一方が論理「H」の期間に渡って論理「H」となる。このため、論理積信号のみが高周波の情報信号を透過して且つ、論理和信号が情報信号を透過しないようにする設定が可能となる。
請求項11記載の発明は、前記物理量は、前記スイッチング素子を流れる電流量及び前記駆動回路の温度の少なくとも一方であることを特徴とする。
上記発明では、異常の有無の診断処理が特に要求されるものについて、閾値を可変設定することで、駆動装置の汎用性をいっそう向上させることができる。
請求項12記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の発明において、前記車載電力変換回路の駆動装置は、車載高圧システムを構成するものであり、前記入力信号は、絶縁素子を介して車載低圧システムから前記シリアルラインに出力される信号であることを特徴とする。
低圧システムから高圧システムへと情報信号と駆動信号とを各別の信号伝達経路によって伝達させる場合、絶縁素子の数が増加する。この点、上記発明では、こうした問題を生じることなく、これら2つの信号を伝達させることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる車載電力変換回路の駆動装置をハイブリッド車の高圧システムに適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
以下、本発明にかかる車載電力変換回路の駆動装置をハイブリッド車の高圧システムに適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるモータジェネレータの制御システムの全体構成を示す。
図示されるように、モータジェネレータ10の3つの相(U相、V相、W相)には、インバータ12が接続されている。このインバータ12は、3相インバータであり、高圧バッテリ14の電圧をモータジェネレータ10の3つの相に適宜印加する。詳しくは、インバータ12は、3つの相のそれぞれと高圧バッテリ14の正極側又は負極側とを導通させるべく、スイッチング素子SW1、SW2とスイッチング素子SW3,SW4とスイッチング素子SW5,SW6との並列接続体を備えて構成されている。そして、スイッチング素子SW1及びスイッチング素子SW2を直列接続する接続点がモータジェネレータ10のU相と接続されている。また、スイッチング素子SW3及びスイッチング素子SW4を直列接続する接続点がモータジェネレータ10のV相と接続されている。更に、スイッチング素子SW5及びスイッチング素子SW6を直列接続する接続点がモータジェネレータ10のW相と接続されている。ちなみに、これらスイッチング素子SW1〜SW6は、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)によって構成されている。また、インバータ12は、各スイッチング素子SW1〜SW6に逆並列に接続されたフライホイールダイオードD1〜D6を備えている。
上記スイッチング素子SW1〜SW6は、ドライバユニット16を介して、低圧バッテリ18を電力源とするマイクロコンピュータ(マイコン20)により操作される。図2に、ドライバユニット16のうち、スイッチング素子SW1〜SW6のいずれか1つ(以下、スイッチング素子SW)の駆動に関する構成部分を示す。
図示されるように、マイコン20から出力される信号は、トランジスタ30のゲートに印加される。トランジスタ30のソースは、接地されており、ドレインは、抵抗体32、34を介して電源36に接続されている。そして、抵抗体34の電圧降下による電圧が、フォトカプラ38の1次側を構成するフォトダイオードに印加される。一方、フォトカプラ38の2次側を構成するフォトトランジスタのエミッタは接地されており、コレクタは、抵抗体42を介して電源44に接続されるとともに、シリアルラインSLに接続されている。
シリアルラインSLは、フォトカプラ38の出力信号sg1を、ドライバユニット16内の駆動回路に伝達させる。シリアルラインSLは、駆動回路内における分岐点SPで2つの信号線に分岐しており、これにより、出力信号sg1が2つの信号線のそれぞれを伝播する。出力信号sg1は、その一方の伝達経路を介してAND回路50の一方の入力端子に取り込まれる。そして、AND回路50の出力信号sg6は、スイッチング素子SWの駆動信号として、駆動IC52に取り込まれる。駆動IC52は、出力信号sg6の電圧を適宜調節するなどした後、その電圧をスイッチング素子SWの導通制御端子(ゲート)に印加する。
スイッチング素子SWは、その入出力端子(コレクタ及びエミッタ端子)間を流れる電流と相関を有する微少電流を出力するセンス端子STを備えている。センス端子STは、抵抗体54,56を介して接地されている(スイッチング素子SWのエミッタ端子に短絡されている)。そして、抵抗体56における上記微少電流による電圧降下量は、スイッチング素子SWを流れる電流と相関を有するパラメータとして、コンパレータ58の非反転入力端子に取り込まれる。コンパレータ58の反転入力端子には、シリアル/アナログ変換器60の出力電圧が印加されている。この出力電圧は、上記スイッチング素子SWに過度の電流が流れるか否かを判断するための閾値電流に応じて設定されるものである。
シリアル/アナログ変換器60は、ドライバユニット16の起動を検出する起動検出回路62の出力信号sg2を取り込むことで、AND回路64からの出力信号sg5を監視する。そして、出力信号sg5に基づき出力電圧を設定する。詳しくは、出力信号sg1のエッジ間の間隔を検出することで、閾値に関する情報を抽出し、これに基づき出力電圧を設定する。そして、出力信号sg5に基づき、上記閾値の設定に関する情報の取得が完了する場合、もう1つの出力信号sg3を出力する。この出力信号sg3は、閾値に関する情報信号を受信した旨の受信フラグである。この出力信号sg3は、上記AND回路50の他方の入力端子に印加されるとともに、反転回路66を介して上記AND回路64の一方の入力端子に印加される。AND回路64の他方の入力端子には、上記出力信号sg1が入力される。
上記構成により、シリアルラインSLを介して、スイッチング素子SWの駆動信号と、上記閾値の設定に関する情報信号との2つの信号を伝達させることが可能となる。以下、これについて、図3に基づき詳述する。図3は、本実施形態にかかる信号伝達態様を示すタイムチャートである。詳しくは、図3(a)に、フォトカプラ38の出力信号sg1の推移を示し、図3(b)に、ドライバユニット16の内部電圧の推移を示し、図3(c)に、起動検出回路62の出力信号sg2の推移を示し、図3(d)に、シリアル/アナログ変換器60の出力信号sg3の推移を示す。また、図3(e)に、反転回路66の出力信号sg4の推移を示し、図3(f)に、AND回路64の出力信号sg5の推移を示し、図3(g)に、AND回路50の出力信号sg6の推移を示す。
図示されるように、制御システムが起動されることで、ドライバユニット16の内部電圧が上昇すると、起動検出回路62が起動時である旨検出し、出力信号sg2として短いパルス信号を出力する。これにより、シリアル/アナログ変換器60の出力信号sg3が論理「L」とされる。換言すれば、受信フラグがオフとされる。これにより、反転回路66の出力信号sg4が論理「H」となり、AND回路64では、フォトカプラ38の出力信号sg1と同一の信号を出力する。シリアル/アナログ変換器60では、AND回路64の出力信号sg5を、閾値の設定に関する情報信号として受信し、その受信が完了することで、受信フラグをオフとする。換言すれば、出力信号sg3を論理「H」とする。これにより、AND回路64の出力信号sg5は、常時論理「L」となり、AND回路64がフォトカプラ38の出力信号sg1を透過させなくなるために、閾値の設定期間(動作設定期間)が終了する。そしてこれ以降、AND回路50の出力信号sg6がフォトカプラ38の出力信号sg1となることで、スイッチング素子SWの駆動信号有効期間となる。
このように、本実施形態では、制御システムの起動時、スイッチング素子SWの駆動に先立ち、シリアル/アナログ変換器60にて閾値設定に関する情報信号を受信し、これに基づき閾値を設定する。このため、インバータ12等の仕様に応じた適切な閾値を設定することができる。特に、起動の都度、情報信号を受信する構成とすることで、ドライバユニット16の内部電圧が低下してもデータを保持する不揮発性メモリ等を必要とすることもなく、閾値設定のための手段の構成を簡素化することができる。そしてその後、情報信号の伝達と同一のシリアルラインSL、及びフォトカプラ38を介して駆動信号が伝達されるため、閾値を可変設定する機能を付与するに際して信号伝達のための手段の増加を極力抑制することもできる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)シリアルラインSLを介して入力される入力信号(フォトカプラ38の出力信号sg1)から、スイッチング素子SWを駆動する駆動信号と閾値に関する情報信号とを抽出した。これにより、情報信号によって閾値を可変設定することができるため、駆動装置に汎用性を持たせることができる。しかも、情報信号と駆動信号とをシリアルラインSLを介して入力するために、汎用性を持たせることに起因して駆動装置への信号の伝達経路が増加することもない。
(2)スイッチング素子SWの駆動開始に先立つ所定期間に限って入力信号からの情報信号の抽出にかかる処理を行った。このようにノイズの影響を受けにくい期間において情報信号を受信することで、閾値の設定の信頼性を高く維持することができる。また、駆動信号と情報信号との伝達期間を時分割することで、駆動信号及び情報信号の双方を単一のシリアルラインSLにて伝達させることができる。
(3)ドライバユニット16の動作電圧の上昇から所定期間が経過するまでの期間である旨を示す信号(出力信号sg4)と入力信号(フォトカプラ38の出力信号sg1)との論理積信号を生成することで情報信号を抽出するとともに、所定期間が経過するまでの期間である旨を示す信号の論理反転信号(出力信号sg3)と入力信号との論理積信号を生成することで駆動信号を抽出した。これにより、所定期間内に限って情報信号を抽出することができる。
(4)ドライバユニット16の動作電圧の上昇に基づき閾値設定のための所定期間の始点を定めて且つ、入力信号からの情報信号の抽出の完了に基づき所定期間の終点を定めた。これにより、閾値の設定に用いる情報信号の抽出にかかる処理を適切に行うことができる。
(5)スイッチング素子SWを流れる電流が過度に大きいか否かを診断する閾値の設定に本発明を適用した。このように、異常の有無の診断処理が特に要求されるものについて、閾値を可変設定することで、駆動装置の汎用性をいっそう向上させることができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図4に、本実施形態にかかるスイッチング素子SWの駆動に関する構成部分を示す。なお、図4において、先の図2に示した部材と対応する部材については便宜上同一の符号を付している。
本実施形態では、制御システムの起動を検出した後、規定時間経過後に論理「H」となる出力信号sg7を出力する起動検出回路70を備えている。そして、起動検出回路70の出力信号sg7と、シリアル/アナログ変換器60の出力信号sg3とが、OR回路72に取り込まれる。そして、OR回路72では、これらの論理和信号を生成し、これが出力信号sg8とされて、反転回路66及びAND回路50に取り込まれる。こうした構成によれば、出力信号sg7にて規定される期間内に情報信号が受信されない場合であっても、スイッチング素子SWを適切に駆動することができる。
図5に、本実施形態にかかる信号伝達態様を示す。詳しくは、図5(a)に、フォトカプラ38の出力信号sg1の推移を示し、図5(b)に、ドライバユニット16の内部電圧の推移を示し、図5(c)に、起動検出回路62の出力信号sg2の推移を示し、図5(d)に、シリアル/アナログ変換器60の出力信号sg3の推移を示す。また、図5(e)に、起動検出回路70の出力信号sg7の推移を示し、図5(f)に、OR回路72の出力信号sg8の推移を示し、図5(g)に、反転回路66の出力信号sg4の推移を示し、図5(h)に、AND回路64の出力信号sg5の推移を示し、図5(i)に、AND回路50の出力信号sg6の推移を示し、図5(j)に、シリアル/アナログ変換器60がコンパレータ58の反転入力端子に印加する電圧の推移を示す。
図示されるように、ドライバユニット16の内部電圧が上昇することで起動検出回路70によって起動が検出された後、規定時間が経過するとその出力信号sg7が論理「H」に反転する。このため、規定時間内に情報信号が受信されない場合であっても、規定時間の経過によって、AND回路50がフォトカプラ38の出力信号sg1を透過させるようになり、スイッチング素子SWの駆動が可能となる。そして、規定時間内に情報信号が受信されない場合、シリアル/アナログ変換器60からコンパレータ58の反転入力端子にデフォルト値に対応した電圧を印加する。これにより、スイッチング素子SWを確実に駆動することができる。なお、スイッチング素子SWの駆動を妨げないとの観点からは、デフォルト値を異常検出基準がゆるい側の境界値程度に設定することが望ましい。換言すれば、コンパレータ58の反転入力端子に印加する電圧を極力高い値とすることが望ましい。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記各効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(6)予め定められた規定時間の経過及び情報信号の抽出の完了のいずれか早い方に基づき、閾値設定のための所定期間(動作設定期間)の終点を定めた。これにより、情報信号の抽出の完了前であっても規定時間が経過するなら情報信号の抽出にかかる処理をしないことで、情報信号の抽出にかかる処理を長期間にわたって続けることに起因する不都合を好適に回避することができる。
(7)規定時間内に情報信号を抽出できない場合、閾値としてデフォルト値を設定した。これにより、規定時間内に情報信号を抽出できない場合でも、デフォルト値を用いることで、異常の有無の診断の誤動作によってスイッチング素子SWの駆動が妨げられることを回避することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図6に、本実施形態にかかるスイッチング素子SWの駆動に関する構成部分を示す。なお、図6において、先の図2に示した部材と対応する部材については便宜上同一の符号を付している。
本実施形態では、制御システムが起動されたことを検出して、規定時間論理「H」となるパルス信号を出力する起動検出回路70を備えている。そして、起動検出回路70の出力信号sg2は、フォトカプラ38の出力信号sg1とともにAND回路64に取り込まれる一方、反転回路80に取り込まれる。そして、反転回路80の出力信号sg4は、フォトカプラ38の出力信号sg1とともにAND回路50に取り込まれる。こうした構成によれば、起動検出回路70の出力信号sg2によって、閾値を設定するための期間と、スイッチング素子SWを駆動するための期間とを規定することができる。
図7に、本実施形態にかかる信号伝達態様を示す。詳しくは、図7(a)に、フォトカプラ38の出力信号sg1の推移を示し、図7(b)に、ドライバユニット16の内部電圧の推移を示し、図7(c)に、起動検出回路70の出力信号sg2の推移を示す。また、図7(d)に、AND回路64の出力信号sg3の推移を示し、図7(e)に、反転回路80の出力信号sg4の推移を示し、図7(f)に、AND回路50の出力信号sg5の推移を示す。
図示されるように、ドライバユニット16の内部電圧の上昇に基づき、起動検出回路70の出力信号sg2は、規定時間論理「H」となる。このため、規定時間内においては、AND回路64の出力信号sg3がフォトカプラ38の出力信号sg1に一致する。このため、シリアル/アナログ変換器60では、AND回路64の出力信号sg3に基づき、閾値を設定することができる。そして規定時間が経過すると、出力信号sg2が論理「L」となるため、反転回路80の出力信号sg4が論理「H」となる。このため、規定時間の経過後には、AND回路50の出力信号sg5がフォトカプラ38の出力信号sg1に一致する。
なお、規定時間内に情報信号を抽出できない場合には、先の第2の実施形態と同様、シリアル/アナログ変換器60にてデフォルト値を設定するようにすることが望ましい。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)、(5)の各効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(8)ドライバユニット16の動作電圧の上昇に基づき起動を検出して且つ、予め定められた規定時間の経過に基づき情報信号に基づく閾値の設定期間を終了した。これにより、情報信号の抽出にかかる処理を行う期間をノイズの影響の小さい期間に適切に設定することができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図8に、本実施形態にかかるスイッチング素子SWの駆動に関する構成部分を示す。なお、図8において、先の図2に示した部材と対応する部材については便宜上同一の符号を付している。
本実施形態では、フォトカプラ38の出力信号sg1を遅延させる回路であるディレイ90及びディレイ96を備えている。また、出力信号sg1の立ち上がりエッジをトリガとして所定期間論理「H」となるパルス信号を出力する立ち上がり検出回路92を備えている。なお、この論理「H」となるパルス幅は、スイッチング素子SWの駆動信号のパルス幅の最小値よりも小さくなるように設定する。そして、立ち上がり検出回路92の出力信号sg9とディレイ90の出力信号sg11とは、OR回路94に取り込まれる。OR回路94では、これらの論理和信号を出力信号sg12として駆動IC52に出力する。一方、立ち上がり検出回路92の出力信号sg9とディレイ96の出力信号sg10とは、AND回路64に取り込まれる。こうした構成において、マイコン20から、駆動信号に、これよりも高周波の情報信号を重畳させた信号を出力することで、情報信号と駆動信号とを同時に伝達させまたこれらを分離することができる。
図9に、本実施形態にかかる信号伝達態様を示す。詳しくは、図9(a)に、フォトカプラ38の出力信号sg1の推移を示し、図9(b)に、立ち上がり検出回路92の出力信号sg9の推移を示し、図9(c)に、ディレイ96の出力信号sg10の推移を示し、図9(d)に、AND回路64の出力信号sg3の推移を示す。また、図9(e)に、シリアル/アナログ変換器60の出力信号の推移を示し、図9(f)に、ディレイ90の出力信号sg11の推移を示し、図9(g)に、OR回路94の出力信号sg12の推移を示す。
図示されるように、フォトカプラ38の出力信号sg1の立ち上がりエッジを検出すると、立ち上がり検出回路92では、所定期間に渡って論理「H」となるパルス信号を出力する。ただし、立ち上がり検出回路92では、一旦立ち上がりエッジを検出すると、パルス信号の出力期間の経過までの間は、新たに立ち上がりエッジを検出しないものとする。ここで、ディレイ96の出力信号sg10は、立ち上がり検出回路92の出力信号sg9によるパルス信号の出力の出力信号sg1に対する遅延量以上とされている。更に、立ち上がり検出回路92のパルス幅は、情報信号の重畳期間以上とされている。そして、図示されるように、ディレイ96の出力信号sg10のうちの情報信号の重畳期間は、立ち上がり検出回路92の出力信号sg9に包含されるように設定されている。したがって、これら立ち上がり検出回路92の出力信号sg9とディレイ96の出力信号sg10との論理積信号であるAND回路64の出力信号sg3は、出力信号sg10から情報信号が抽出されたものとなる。そしてこれにより、シリアル/アナログ変換器60では、閾値を設定することができる。
一方、ディレイ90の出力信号sg11の出力信号sg1に対する遅延量は、立ち上がり検出回路92の出力信号sg9の出力信号sg1に対する遅延量と一致するように設定されている。これにより、立ち上がり検出回路92の出力信号sg9は、ディレイ90の出力信号sg11のうちの情報信号の重畳期間を包含する。このため、立ち上がり検出回路92の出力信号sg9とディレイ90の出力信号sg11との論理和信号であるOR回路94の出力信号sg12は、フォトカプラ38の出力信号sg1に対して、ディレイ90の遅延量だけ遅延するものの、そのパルス幅は、マイコン20が規定した駆動時間に一致するようになる。このため、マイコン20による駆動信号の出力タイミングを、この遅延量を補償するように制御の要求よりも早期に設定することで、スイッチング素子SWを制御の要求に応じて適切に駆動することができる。
このように、本実施形態では、駆動信号と情報信号とを同時に伝達することができるため、スイッチング素子SWの駆動中に閾値を変更する要求が生じた場合であっても、これに迅速に対処することができる。
なお、シリアル/アナログ変換器60では、入力信号のエッジ間の間隔が所定以上となる場合、入力信号が情報信号ではないと判断するように設定されている。これにより、図示されるように、フォトカプラ38の出力信号sg1に情報信号が重畳されない期間にあっては、閾値の変更を回避することができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(5)の各効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(9)駆動信号と情報信号との周波数帯域を互いに相違させることで、これら2つの信号をシリアルラインを介して同時に受信することができる。
(10)駆動信号に該駆動信号よりも高い周波数を有する情報信号が所定のタイミング(駆動信号の論理「H」期間)で重畳した。これにより、駆動信号の伝達に干渉することなく、情報信号を適切に伝達させることができる。また、情報信号の方が高周波とすることで、閾値の設定に関する情報を迅速に取得することもできる。
(11)立ち上がり検出回路92の出力信号sg9とフォトカプラ38の出力信号sg1(詳しくは、出力信号sg10)との論理積信号を生成することで情報信号を抽出するとともに、出力信号sg9と出力信号sg1(詳しくは、出力信号sg11)との論理和信号を生成することで駆動信号を抽出した。これにより、論理積信号のみが高周波の情報信号を透過して且つ、論理和信号が情報信号を透過しないようにする設定が可能となる。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図10に、本実施形態にかかるスイッチング素子SWの駆動に関する構成部分を示す。なお、図10において、先の図2に示した部材と対応する部材については便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、駆動IC52には、その温度を感知する感温ダイオード52aが内蔵されている。そして、感温ダイオード52aの出力は、差動増幅回路98にて調節された後、コンパレータ58の非反転入力端子に印加される。これにより、駆動IC52の温度が過度に高くなる異常の有無を診断するための閾値を設定するための情報信号を、駆動信号を伝達するためのシリアルラインSLを介して伝達することができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記各効果に準じた効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・第1の実施形態に対する第2〜第4の実施形態の変更点にて、第5の実施形態を変更してもよい。
・上記第4の実施形態では、AND回路64の出力信号sg3を、シリアル/アナログ変換器60に取り込み、ここでエッジ間の間隔の検出等に基づきアナログ電圧を生成したがこれに限らない。例えば、AND回路64の出力信号sg3を、周波数電圧変換器(FV変換器)に取り込むことで、コンパレータ58の反転入力端子に、FV変換器の出力信号を印加するようにしてもよい。ただしこの場合、フォトカプラ38の出力信号sg1に閾値を設定するための信号が重畳されていない場合のAND回路64の出力信号sg3のFV変換値を所定値として且つ、FV変換器の出力が上記所定値以上となる場合には、コンパレータ58の非反転入力端子に印加される電圧を変更しない設定とすることが望ましい。
・上記第4の実施形態において、ディレイ96を備えなくてもよい。また、フォトカプラ38の出力信号sg1に対する立ち上がり検出回路92の出力信号sg9の遅延を無視し得る場合には、ディレイ90を有しなくても、駆動信号のパルス幅をマイコン20の指令どおりとしてスイッチング素子SWを駆動することができる。更に、立ち上がり検出回路92による遅延量にかかわらず、ディレイ90を備えないようにしてもよい。この場合、スイッチング素子SWのオン操作の開始タイミングをマイコン20の指令どおりとすることができる。ただし、OR回路94の出力信号から情報信号の重畳の影響を除去すべく、適宜、OR回路94に入力されるフォトカプラ38の出力信号sg1やOR回路94の出力信号sg12に波形整形処理を施すことが望ましい。
・上記第4の実施形態では、駆動信号の周波数よりも情報信号の周波数を高周波としたがこれに限らない。すなわち、駆動信号のパルス幅は、通常、モータジェネレータ10の回転速度がゼロに近い場合、極めて長くなる可能性があるものの、特定のスイッチング素子のオン操作期間が過度に長い場合にはスイッチング素子の信頼性の低下を招くことから、こうした事態を回避するような処理がなされることがある。この場合、情報信号を駆動信号よりも低周波とすることによっても、これら2つの信号を互いに干渉することなく伝達させることができる。
・上記各実施形態では、異常診断のための単一の閾値を設定するための信号と駆動信号とを合成したがこれに限らない。例えばスイッチング素子SWに過度の電流が流れるか否かの診断用の閾値と、駆動IC52の温度の異常の有無の診断用の閾値との2つの閾値をそれぞれ設定する2つの信号と駆動信号とを合成してもよい。この場合例えば、第3の実施形態において、起動検出回路70にて設定される動作設定期間内における出力信号sg1を時分割することで、上記2つの閾値を設定するための2つの信号を抽出すればよい。すなわち、初めの所定数のパルスが一方の閾値を定める信号であって且つ残りのパルスが他方の閾値を定める信号である等、シリアル/アナログ変換器60に入力される信号の時系列データのどこまでをどの閾値の設定のための信号とするかを予め規定することで、閾値を設定するための複数の信号を適切に抽出することができる。
・上記各実施形態では、原則、インバータ12の操作開始から操作停止までの期間(トリップ)毎に閾値を設定することを想定したが、これに限らない。例えばドライバユニット16に適用するインバータ12の仕様が決定しこれらによって制御システムが構築される際に一度閾値を設定した後はこれを変更しない構成としてもよい。これは、ドライバユニット16内に閾値を記憶するためのEEPROM等の不揮発性メモリを備えることで実現することができる。
・スイッチング素子SWに関する物理量に基づく異常の有無の診断としては、スイッチング素子SWを過度の電流が流れるか否かを診断するものに限らず、スイッチング素子SWの温度が過度に高いか否かを診断するものであってもよい。
・温度検出手段としては、上記第5の実施形態で例示した感温ダイオード52aに限らず、例えば熱電対等であってもよい。
・スイッチング素子SWとしては、IGBTに限らず、例えばMOSトランジスタであってもよい。
・スイッチング素子SWの入出力端子間を流れる電流と相関を有する電気的な状態量としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、コレクタ及びエミッタ間の電圧であってもよい。
・スイッチング素子SWとしては、車載回転機と電気的に接続されるインバータを構成するものに限らない。例えば、車載高圧バッテリの電力を低圧バッテリに供給すべく、高圧バッテリの電圧を降圧するDCDCコンバータを構成するスイッチング素子であってもよい。
20…マイコン、38…フォトカプラ、60…シリアル/アナログ変換器(設定手段の一実施形態)、SL…シリアルライン、SW…スイッチング素子。
Claims (12)
- 車載電力変換回路のスイッチング素子及び該スイッチング素子を駆動する駆動回路の少なくとも一方に関する物理量を閾値と比較することで前記少なくとも一方の異常の有無を診断する機能を有する車載電力変換回路の駆動装置において、
シリアルラインを介して入力される入力信号から、前記スイッチング素子を駆動する駆動信号と前記閾値に関する情報信号とを抽出する抽出手段と、
前記抽出される情報信号に基づき前記異常診断のための閾値を設定する設定手段と、
前記抽出される駆動信号に基づき前記スイッチング素子を駆動する手段とを備えることを特徴とする車載電力変換回路の駆動装置。 - 前記抽出手段は、前記スイッチング素子の駆動開始に先立つ所定期間に限って前記入力信号からの前記情報信号の抽出にかかる処理を行うことを特徴とする請求項1記載の車載電力変換回路の駆動装置。
- 前記抽出手段は、その動作電圧の上昇から所定期間が経過するまでの期間である旨を示す信号と前記入力信号との論理合成信号を生成することで前記情報信号を抽出する手段と、前記経過するまでの期間である旨を示す信号の論理反転信号と前記入力信号との論理合成信号を生成することで前記駆動信号を抽出する手段とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の車載電力変換回路の駆動装置。
- 前記抽出手段は、その動作電圧の上昇に基づき前記所定期間の始点を定めて且つ、前記入力信号からの前記情報信号の抽出の完了に基づき前記所定期間の終点を定めることを特徴とする請求項2又は3記載の車載電力変換回路の駆動装置。
- 前記抽出手段は、予め定められた規定時間の経過及び前記情報信号の抽出の完了のいずれか早い方に基づき前記所定期間の終点を定めることを特徴とする請求項4記載の車載電力変換回路の駆動装置。
- 前記抽出手段は、その動作電圧の上昇に基づき前記所定期間の始点を定めて且つ、予め定められた規定時間の経過に基づき前記所定期間の終点を定めることを特徴とする請求項2又は3記載の車載電力変換回路の駆動装置。
- 前記設定手段は、前記所定期間内に前記抽出手段が前記情報信号を抽出できない場合、前記閾値としてデフォルト値を設定することを特徴とする請求項2又は3又は5又は6記載の車載電力変換回路の駆動装置。
- 前記入力信号は、前記駆動信号に該駆動信号とは異なる周波数を有する前記情報信号が所定のタイミングで重畳された信号であり、
前記抽出手段は、前記入力信号のうちの周波数帯域の互いに異なる成分を抽出することで前記駆動信号及び前記情報信号を抽出することを特徴とする請求項1記載の車載電力変換回路の駆動装置。 - 前記入力信号は、前記駆動信号に該駆動信号よりも高い周波数を有する前記情報信号が所定のタイミングで重畳された信号であることを特徴とする請求項8記載の車載電力変換回路の駆動装置。
- 前記抽出手段は、前記入力信号のエッジをトリガとしてパルス信号を出力する手段と、前記パルス信号と前記入力信号との論理積信号を生成することで前記情報信号を抽出する手段と、前記入力信号と前記パルス信号との論理和信号を生成することで前記駆動信号を抽出する手段とを備えることを特徴とする請求項9記載の車載電力変換回路の駆動装置。
- 前記物理量は、前記スイッチング素子を流れる電流量及び前記駆動回路の温度の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の車載電力変換回路の駆動装置。
- 前記車載電力変換回路の駆動装置は、車載高圧システムを構成するものであり、
前記入力信号は、絶縁素子を介して車載低圧システムから前記シリアルラインに出力される信号であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の車載電力変換回路の駆動装置。
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-
2007
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