JP6580502B2 - 制御装置及び複数の演算処理装置における異常通知方法 - Google Patents
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Description
ここで、他系統におけるインバータや巻線などの異常に対して補償制御を実施するとともに、演算処理装置に異常が発生し異常通知処理が正常に行えない場合にも、演算処理装置を含めて正常な系統においてトルク補償制御などのフェイルセーフ処理を適切に実施できれば、複数の演算処理装置を含む複数系統からなる制御装置の信頼性を向上させることができる。
自身の系統で異常が発生したときに前記出力端子をハイインピーダンスに設定し、
前記出力端子がハイインピーダンスに設定されたときに、前記出力端子と異常通知ラインで接続される前記入力端子の入力を中間電位とし、異常通知ラインが断線しているときは、前記出力端子と異常通知ラインで接続される前記入力端子の入力を前記出力端子の電位レベルを反転した電位レベルに切り替える処理回路を設け、
前記入力端子の入力電位レベルに応じて前記出力端子側の系統の異常、前記異常通知ラインの断線、前記出力端子側の系統及び前記異常通知ラインの正常を区別して検知し、検知結果それぞれに応じた処理を実施する。
自身の系統に異常が発生したときに前記出力端子をハイインピーダンスに設定し、
前記出力端子がハイインピーダンスに設定されたときに、前記出力端子と異常通知ラインで接続される前記入力端子の入力を中間電位とし、
異常通知ラインが断線しているときは、前記出力端子と異常通知ラインで接続される前記入力端子の入力を前記出力端子の電位レベルを反転した電位レベルに切り替え、
前記入力端子の入力電位レベルに応じて前記出力端子側の系統の異常、前記異常通知ラインの断線、前記出力端子側の系統及び前記異常通知ラインの正常を区別して検知し、
検知結果それぞれに応じた処理を実施する。
図1−図7は、本発明に係る制御装置及び複数の演算処理装置における異常通知方法の一態様として、車両用の電動パワーステアリング装置において操舵補助力(アシストトルク)を発生するモータの制御に適用した例を示す。
電動パワーステアリング装置100は、ステアリングホイール110、操舵トルクセンサ120、電動モータ130、制御装置(電子制御ユニット)150、電動モータ130の回転を減速してステアリングシャフト(ピニオンシャフト)170に伝達する減速機160などを含んで構成される。
ステアリングシャフト170の先端にはピニオンギア171が設けられていて、このピニオンギア171が回転すると、ラックギア172が車両200の進行方向左右に水平移動する。
操舵トルクセンサ120は、車両の運転者がステアリング操作を行うことでステアリングシャフト170に発生する操舵トルクを検出し、操舵トルク信号STを制御装置150に出力する。
制御装置150には、モータ制御(操舵補助力の決定)に用いる情報信号として、操舵トルクセンサ120が出力する操舵トルク信号STの他、車速センサ190が出力する車速信号VSPなどが入力される。
このように、制御装置150は、電動パワーステアリング装置100の電動モータ130を制御する機能を有している。
図2に示す電動モータ130は、スター結線される3相巻線UA、VA、WAからなる第1巻線群2Aと、同じくスター結線される3相巻線UB、VB、WBからなる第2巻線群2Bとを有する3相同期電動機であり、各巻線群2A,2Bにおいて3相巻線U、V、Wが互いに接続された点は中性点をなす。
そして、第1巻線群2Aの各巻線は第1インバータ1Aに接続され、第2巻線群2Bの各巻線は第2インバータ1Bに接続され、第1巻線群2Aには第1インバータ1Aから電力が供給され、第2巻線群2Bには第2インバータ1Bから電力が供給される。
また、第2インバータ1Bは、第2巻線群2Bの各相の上下アームを1組として3組の半導体スイッチを備えた3相ブリッジ回路からなり、上アームは、半導体スイッチUHB,VHB,WHBで構成され、下アームは、半導体スイッチULB,VLB,WLBで構成される。
第1インバータ1A及び第2インバータ1Bにおいて、半導体スイッチUH,ULは、バッテリ電源VBと接地点との間にドレイン−ソース間が直列接続され、半導体スイッチUHと半導体スイッチULとの接続点にU相巻線Uが接続される。
また、第1インバータ1A及び第2インバータ1Bにおいて、半導体スイッチWH,WLは、バッテリ電源VBと接地点との間にドレイン−ソース間が直列接続され、半導体スイッチWHと半導体スイッチWLとの接続点にW相巻線Wが接続される。
また、第2駆動回路303Bは、第2マイクロコンピュータ(第2演算処理装置)302Bからの指令信号(PWM制御信号)に応じて第2インバータ1Bを構成する各半導体スイッチを駆動し、これにより第2巻線群2Bへの通電が制御される。
本実施形態において、電源リレー304A,304BはNチャンネル型MOSFETなどの半導体スイッチで構成され、電源リレー304A、304Bを構成する半導体スイッチは駆動回路305A、305Bで駆動される。
駆動回路305Aは、第1マイクロコンピュータ302Aからの指令信号(制御信号)に応じて電源リレー304Aを構成する半導体スイッチを駆動し、動回路305Bは、第2マイクロコンピュータ302Bからの指令信号(制御信号)に応じて電源リレー304Bを構成する半導体スイッチを駆動する。つまり、2つの駆動制御系統はそれぞれに独立してインバータ1A,1Bへの電源供給を遮断できるよう構成されている。
角度センサ(角度検出手段)308はロータ201の角度を検出し、角度データの信号を各マイクロコンピュータ302A,302Bに出力する。なお、例えば、第1マイクロコンピュータ302Aが角度センサ308からの角度データ信号を入力し、第1マイクロコンピュータ302Aから第2マイクロコンピュータ302Bに向けて通信回路を介して角度データ信号を転送する構成とすることができる。
各マイクロコンピュータ302A,302Bは、CPU,ROM,RAMなどを含んで構成され、目標トルクに応じた指令電流から各相の指令電圧を決定し、インバータ1A,1Bを三角波比較方式などによってPWM制御する。
なお、制御装置150は、第1目標トルク及び第2目標トルクを演算し、この目標トルクの信号を各マイクロコンピュータ302A,302Bに送信する第3のマイクロコンピュータ(又はデジタルシグナルコントローラ)を備えることができる。
各マイクロコンピュータ302A,302Bは、一態様として、各相電流検出値をそのときのモータ角度に基づいて2軸の回転座標系(d−q座標系)の実電流Id,Iqに変換する3相−2軸変換部331A,331Bと、目標トルク(指令トルク)に応じたd軸指令電流,q軸指令電流とモータ角速度に基づいてd−q座標系におけるd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを算出し、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefと実電流Id,Iqとの比較に基づき指令電圧Vq,Vdを決定するベクトル制御部332A,332Bと、指令電圧Vq,Vdを3相指令電圧Vu,Vv,Vwに変換する2軸−3相変換部333A,333Bと、変調波としての3相指令電圧Vu,Vv,Vwを三角波キャリアと比較することで、インバータ1A,1Bのスイッチング素子を駆動するためのスイッチングゲート波形を生成するPWM変調部334A,334Bとしての機能をソフトウェア(software)として備える。
各マイクロコンピュータ302A,302Bは、相電流検出値などに基づきインバータ1A,1Bや巻線群2A,2Bが正常であるか異常(故障状態)であるかを検知する異常診断機能を備え、異常の発生を検知したときには電源リレー304A,304Bをオフしてインバータ1A,1Bへの電源供給を遮断する(換言すれば、通電制御を停止する)フェイルセーフ処理を実施する。
図3において、各系統には、マイクロコンピュータ302A,302Bに電源供給を行うとともにマイクロコンピュータ302A,302Bの監視を行うの電源回路351A,351Bを備える。例えば、電源回路351A,351Bは、ウォッチドックタイマ(watchdog timer)付の電源ICである。
更に、第1異常通知ライン360Aは、出力端子361A,362Aを論理レベルとしてロー(Low)レベル、つまり、第1マイクロコンピュータ302Aのグランド(ground)レベルにプルダウン処理するプルダウン抵抗R1Aと、入力端子363Bを論理レベルとしてハイ(High)レベル、つまり、第2マイクロコンピュータ302Bの電源電圧にプルアップ処理するプルアップ抵抗R2Bと、入力端子363Bの入力信号をローパス処理する抵抗R3BとコンデンサCBとからなるフィルタ回路365Bとを有している。
更に、第2異常通知ライン360Bは、出力端子361B,362B側を論理レベルとしてロー(Low)レベル、つまり、第2マイクロコンピュータ302Bのグランド(ground)レベルにプルダウン処理するプルダウン抵抗R1Bと、入力端子363A側を論理レベルとしてハイ(High)レベル、つまり、第1マイクロコンピュータ302Aの電源電圧にプルアップ処理するプルアップ抵抗R2Aと、入力端子363Aの入力信号をローパス処理する抵抗R3AとコンデンサCAとからなるフィルタ回路365Aとを有している。
同様に、第2マイクロコンピュータ302Bは、入力端子363Bの入力信号の電圧をA/D変換するA/D変換回路364Bを備え、このA/D変換回路364Bが出力する電圧データに基づき第1系統での異常の有無を検知する。
一方、第1マイクロコンピュータ302Aが出力端子361A,362Aをロー(Low)レベルに設定すると、抵抗R2Bと接地点との間の電圧レベルが第2マイクロコンピュータ302B側の入力端子363Bの電圧になり、入力端子363Bの電圧はグランドレベルとなって論理レベルとしてはロー(Low)レベルとなる。
また、第2マイクロコンピュータ302Bが出力端子361B,362Bをロー(Low)レベルに設定すると、抵抗R2Aと接地点との間の電圧レベルが第1マイクロコンピュータ302A側の入力端子363Aの電圧になり、入力端子363Aの電圧は論理レベルとしてロー(Low)レベルとなる。
これにより、マイクロコンピュータ302A,302Bは、入力端子363A,363Bの入力がハイ(High)レベルであるときに、信号線370A,370Bが断線していて、他方の系統の異常検知信号が入力されない状態であることを検知する。
そして、各マイクロコンピュータ302A,302Bは、入力端子363A,363Bがロー(Low)レベルであれば相手側系統が正常状態であることを検知し、入力端子363A,363Bがハイ(High)レベルであれば信号線が断線していることを検知し、入力端子363A,363Bが中間電圧であれば相手側系統に異常が発生していることを検知する。
相手側系統が正常であることを検知したマイクロコンピュータ302A,302Bは、通常に各系統に割り振られた目標トルクに従ってインバータ1A,1Bによる電動モータ130への電力供給を制御する通常時処理を実施する。
相手側系統が異常であることを検知したマイクロコンピュータ302A,302Bは、モータトルク補償制御に加えて車両の運転者に異常発生を警告するための警告灯371を点灯させる制御を行うことができる。
なお、警告手段は、警告灯371に限定されず、ブザーや警告文の文字表示などの警告手段を動作させる構成とすることができる。
更に、マイクロコンピュータ302A,302Bは、異常検知信号を授受するため信号線の断線を、各系統の異常と区別して検知できるので、モータトルク補償制御などのフェイルセーフ処理が無用に実施されることを抑制できる。
例えば、マイクロコンピュータ302A,302B間での通信によって異常検知情報の受け渡しを行わせる場合、通信ラインにフィルタ回路(ローパスフィルタ)を設定すると通信信号の鈍りが発生してしまうためフィルタ回路を設けることができず、モータ通電開始時などのグランド(GND)電位変動が発生する状態では異常検知情報を通信できない可能性がある。
これに対し、レベル信号としての異常検知信号を送信する構成であってフィルタ回路365A,365Bが設定される異常通知ライン360A,360Bでは、グランド(GND)電位変動による誤検知の発生を十分に抑制でき、また、コスト高になることも避けることができる。
また、入力端子363A,363Bの電圧レベルをA/D変換するA/D変換回路364A,364Bを、図4に示すように、基準電圧(例えば3.3V)が入力される状態と、入力端子363A,363Bの電圧レベルが入力される状態とに切り替えることができるよう構成することで、マイクロコンピュータ302A,302Bは、入力端子363A,363Bのオープン故障を検知することが可能となる。
基準電圧を内部コンデンサC3にチャージする機能を備えないA/D変換回路を用いる場合、入力端子363A,363Bがオープン故障してもA/D変換回路は既に内部コンデンサC3にチャージされている電圧をA/D変換することになり、マイクロコンピュータ302A,302Bは、入力端子363A,363Bがオープン故障していることを検知できない。
以下に、入力端子363A,363Bのオープン故障の検知を可能とするA/D変換処理を説明する。
マイクロコンピュータ302A,302Bは、入力端子363A,363Bの電圧をA/D変換する前(第1スイッチSW1をオンする前)に、第2スイッチSW2をオンして基準電圧を内部コンデンサC3にチャージし、その後、第2スイッチSW2をオフして第1スイッチSW1をオンする。
これにより、入力端子363A,363Bが正常であれば、第1スイッチSW1をオンすることで内部コンデンサC3には入力端子363A,363Bの電圧がチャージされ、A/D変換回路364A,364Bは入力端子363A,363Bの入力電圧をA/D変換することになる。
また、マイクロコンピュータ302A,302Bは、異常通知ライン360A,360Bの正常性チェック(初期診断)を行う機能をソフトウェアとして備えることができる。
各マイクロコンピュータ302A,302Bは、図5のフローチャートに示す処理プログラムをそれぞれメモリに格納し、係る処理プログラムに沿ってそれぞれ動作することで、異常通知信号用の出力端子の出力切り替えを並行して実施するが、以下では、第1マイクロコンピュータ302A側の処理として説明する。
第1マイクロコンピュータ302Aは、イニシャル処理が終了すると、ステップS103で異常通知信号用の出力端子361A,362Aを共に論理レベルとしてハイ(High)レベルに設定する。
第1マイクロコンピュータ302Aは、ステップS104で、出力端子361A,362Aを共にハイ(High)レベルに切り替えた後からの経過時間を、第2マイクロコンピュータ302B側でのイニシャル処理の終了を待っている時間として計測する処理を開始する。
ここで、イニシャル処理終了待ち時間が第1所定時間を下回っている場合、第1マイクロコンピュータ302Aは、ステップS106に進み、第2マイクロコンピュータ302B側で各種のイニシャル処理(初期化処理)が終了したか否かを、第1マイクロコンピュータ302Aの入力端子363Aの入力がハイになっているか否かに基づいて検出する。
したがって、第1マイクロコンピュータ302Aは、入力端子363Aの入力がハイになっていない場合は第2マイクロコンピュータ302B側でのイニシャル処理(初期化処理)が終了していないことを検知し、入力端子363Aの入力がハイに切り替わったときに第2マイクロコンピュータ302B側でのイニシャル処理(初期化処理)が終了していることを検知できる。
マイクロコンピュータ302A,302Bが、ステップS105においてイニシャル処理終了待ち時間と比較する第1所定時間は、相手側のマイクロコンピュータが正常であれば、イニシャル処理が終了すると見込まれる時間に設定される。
ここで、イニシャル処理終了待ち時間が第1所定時間以上になっても入力端子363Aの入力がハイに切り替わらない場合、第1マイクロコンピュータ302Aは、第2マイクロコンピュータ302Bの動作停止を検知してステップS117に進み、モータ通電制御を開始する。
一方、イニシャル処理終了待ち時間が第1所定時間を下回っている間に、入力端子363Aの入力がハイに切り替わると、第1マイクロコンピュータ302Aは、ステップS107へ進み、入力端子363Aの入力がハイに切り替わってから第2所定時間(例えば、10ms)が経過したか否かを検出する。
例えば、図6に示すように、第1マイクロコンピュータ302Aにおけるイニシャル処理の終了が、第2マイクロコンピュータ302Bにおけるイニシャル処理の終了よりも早かった場合には、第1マイクロコンピュータ302Aは、第2マイクロコンピュータ302Bにおけるイニシャル処理の終了を待ち、第2マイクロコンピュータ302Bのイニシャル処理が終了してから第2所定時間後に出力端子361A及び出力端子362Aの出力をハイレベルからローレベルに切り替える。
第1マイクロコンピュータ302Aは、ステップS108において出力端子361A,362Aの出力レベルをハイからローに切り替えた後、ステップS109へ進み、第3所定時間が経過したか否かを検出する。
第1マイクロコンピュータ302Aは、ステップS110において、出力端子361Aの出力をローレベルからハイレベルに切り替え、出力端子362Aをローレベルからハイインピーダンス(High-Z)に設定する。
その後、第1マイクロコンピュータ302Aは、ステップS111に進み、出力端子361Aをハイレベルとし、出力端子362Aをハイインピーダンスとしてからの経過時間が第4所定時間に達したか否かを検出し、第4所定時間が経過するまでステップS111の検出処理を繰り返す。
なお、第2マイクロコンピュータ302Bでも、第4所定時間が経過した時点で2つの異常検知信号がハイインピーダンス(High-Z)に切り替える処理が実施される。
出力端子361A及び出力端子362Aをハイインピーダンスに設定した後、第1マイクロコンピュータ302Aは、ステップS113に進み、出力端子361A及び出力端子362Aをハイインピーダンスに設定してから第5所定時間が経過したか否かを検出する。
なお、第2マイクロコンピュータ302Bでも、第5所定時間が経過した時点で出力端子361Bをハイインピーダンスに維持し、出力端子362Bをハイレベルに切り替える。
なお、第2所定時間〜第6所定時間を全て同じ時間(例えば10ms)とすることができ、また、第2所定時間〜第6所定時間を全て異なる時間に設定でき、更に、第2所定時間〜第6所定時間のうちの一部を同じに設定することもでき、第2所定時間〜第6所定時間は任意に設定できる時間である。但し、出力端子の切り替えを相手側が確認するのに要する時間を最小時間とする。
なお、第2マイクロコンピュータ302Bでも、第6所定時間が経過した時点で両出力端子361B,出力端子362Bをローレベルに切り替える。
つまり、図6に示したように、2つの出力端子を共にハイレベルに設定している場合、相手側の2つの出力端子もハイレベルに設定されるから、入力がハイレベルであれば異常通知ラインが正常であることになり、2つの出力端子を共にローレベルに設定している場合、相手側の2つの出力端子もローレベルに設定されるから、入力がローレベルであれば異常通知ラインが正常であることになる。
異常通知ライン360A,360Bに断線などの異常が発生している場合、相手側系統の故障検出は行わず、また、相手側の通電制御で発生させるモータトルクを補うトルク補償制御を行わず、各マイクロコンピュータ302A,302Bは、割り当てられた目標トルクに応じた通常の通電制御をそれぞれ実施する。また、異常通知ライン360A,360Bに異常が発生している場合、各マイクロコンピュータ302A,302Bは、異常発生を警告するための警告灯371を点灯させる制御を行う。
通電制御開始後に、第1マイクロコンピュータ302Aは、ステップS118に進み、自身の系統での異常発生(故障)の有無を検出し、異常(故障)が発生したときには、ステップS119に進んで、モータ通電制御を停止し、また、出力端子361A及び出力端子362Aを共にハイインピーダンスに設定して第2マイクロコンピュータ302Bに異常の発生を通知する。
なお、図5のフローチャートに示す初期診断において、マイクロコンピュータ302A,302Bの間でのシステムクロックの相対差が大きいと、クロックが異常である側のマイクロコンピュータが相手側のマイクロコンピュータの異常を誤診断する可能性がある。そこで、各系統内の監視機能により、自系統のクロック周波数が正常時の値を含む正常範囲内であるか否かを診断し、自系統のクロック周波数が正常範囲を逸脱している場合は自系統の動作を停止するよう構成することができる。
上記実施形態では、電動パワーステアリング装置100において電動モータ130を制御する制御装置に本発明を適用したが、本発明を適用するシステムを電動パワーステアリング装置に限定するものではなく、また、制御対象をモータに限定するものでもなく、例えば、車両の電子ブレーキ装置や変速制御装置などの種々の制御装置に適用することが可能である。
また、異常時処理には、異常検知履歴をメモリに格納すること、異常を警告すること、他系統の異常に基づき自系統の制御を停止させることなど、異常検知の結果に基づく種々の処理が含まれる。
また、図5のフローチャートに示した異常通知ラインの初期診断において、出力端子の状態を切り替える順番を任意に設定できることは明らかであり、また、2つの出力端子の出力の組み合わせパターンを、例えばハイインピーダンスとハイレベルとの組み合わせに限定することも可能である。
Claims (9)
- 複数の演算処理装置を含む複数系統からなる制御装置であって、
前記複数の演算処理装置は、
相互に異常通知信号を授受するための出力端子及び入力端子を備え、
自身の系統で異常が発生したときに前記出力端子をハイインピーダンスに設定し、
前記出力端子がハイインピーダンスに設定されたときに、前記出力端子と異常通知ラインで接続される前記入力端子の入力を中間電位とし、異常通知ラインが断線しているときは、前記出力端子と異常通知ラインで接続される前記入力端子の入力を前記出力端子の電位レベルを反転した電位レベルに切り替える処理回路を設け、
前記入力端子の入力電位レベルに応じて前記出力端子側の系統の異常、前記異常通知ラインの断線、前記出力端子側の系統及び前記異常通知ラインの正常を区別して検知し、検知結果それぞれに応じた処理を実施する、
制御装置。 - 前記処理回路は、前記出力端子、前記入力端子それぞれをプルダウン処理、プルアップ処理するプルダウン抵抗及びプルアップ抵抗からなる、
請求項1記載の制御装置。 - 前記入力端子の入力をローパス処理するフィルタ回路を備える、請求項2記載の制御装置。
- 前記出力端子は複数並列接続されて1つの異常通知ラインを形成する、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の制御装置。
- 前記複数の演算処理装置は、前記異常通知ラインの正常性診断のために前記出力端子の状態を所定パターンに従って切り替える処理を並行して実施し、前記入力端子の状態が前記所定パターンに対応しないときに異常通知ラインの異常に対処する処理を実施する、請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の制御装置。
- 前記複数の演算処理装置の間で通信するための通信回路を備え、
前記複数の演算処理装置は、前記出力端子の状態を前記所定パターンに従って切り替えるタイミングを前記通信回路を介して伝達する、請求項5記載の制御装置。 - 前記複数の演算処理装置は、A/D変換対象の電圧を内部のコンデンサにチャージし、前記コンデンサの電圧をA/D変換するA/D変換回路を備え、
前記A/D変換回路は、前記入力端子の電圧を前記コンデンサにチャージする第1スイッチと、基準電圧を前記コンデンサにチャージする第2スイッチとを有し、
前記複数の演算処理装置は、前記第2スイッチをオンして前記基準電圧を前記コンデンサにチャージした後に、前記第2スイッチをオフして前記第1スイッチをオンし、前記第1スイッチのオンで前記コンデンサにサンプリングされた電圧が前記基準電圧であるときに、前記入力端子のオープン故障を検出する、
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の制御装置。 - 前記制御装置は、複数の巻線群を有する電動機を駆動制御する装置であり、
前記複数の演算処理装置は、前記複数の巻線群それぞれに電力を供給する複数のインバータをそれぞれ制御し、
前記複数の演算処理装置は、前記出力端子側の系統の異常に応じた処理として、正常な系統による電力供給を増やす処理を実施する、請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の制御装置。 - 異常通知用の出力端子及び入力端子をそれぞれ備えた複数の演算処理装置からなる複数系統間で相互に異常通知を行う方法であって、
自身の系統に異常が発生したときに前記出力端子をハイインピーダンスに設定し、
前記出力端子がハイインピーダンスに設定されたときに、前記出力端子と異常通知ラインで接続される前記入力端子の入力を中間電位とし、
異常通知ラインが断線しているときは、前記出力端子と異常通知ラインで接続される前記入力端子の入力を前記出力端子の電位レベルを反転した電位レベルに切り替え、
前記入力端子の入力電位レベルに応じて前記出力端子側の系統の異常、前記異常通知ラインの断線、前記出力端子側の系統及び前記異常通知ラインの正常を区別して検知し、
検知結果それぞれに応じた処理を実施する、
複数の演算処理装置における異常通知方法。
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