本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
本発明の表示装置は、平面画像(二次元画像)を表示する機能に加えて、画面に表示される画像を立体的な画像(以下、立体画像という)として観察者に知覚させることが可能な機能を有している。
図1は、本実施の形態に係る液晶表示装置(表示装置)1の概略構成を示す斜視図である。液晶表示装置1は、液晶表示装置1の背面側(観察者側とは反対側)から順に、バックライト11、液晶パネル(表示パネル)12、バリアシート13を備えている。
バックライト11は、液晶パネル12の背面側に配され、液晶パネル12に対して光を照射する。バックライト11は、例えば、光源としてのLEDと、LEDから発せられた光を液晶パネル12に導くための導光板とを備えている。バックライト11の構成はこれに限定されず、周知の構成を適用することができる。
液晶パネル12は、ガラス等からなる絶縁性を有するアクティブマトリクス基板と、アクティブマトリクス基板に対して所定の間隔をあけて対向配置される、ガラス等からなる光透過性を有する対向基板(カラーフィルタ基板)と、アクティブマトリクス基板と対向基板との間に挟持された液晶層とで構成される。液晶層としては、種々のタイプの液晶層を用いることができる。
液晶パネル12には、列方向(走査方向)に延伸するデータ信号線、行方向に延伸する走査信号線および保持容量配線、行および列方向に並べられた画素が設けられている。各種信号線はアクティブマトリクス基板に設けられている。
液晶パネル12は、各画素は同一の構成であり、1つの画素は、少なくとも2つの副画素を含んでいる。1つの副画素には、少なくとも1つの画素電極が設けられている。各画素に対応して、データ信号線と走査信号線と保持容量配線とがそれぞれ1本ずつ設けられている。なお、各画素に対応して、データ信号線が2本ずつ設けられていても良い。
1つの画素に含まれる2つの副画素は、相対的に輝度が高い明副画素と、相対的に輝度が低い暗副画素とで構成されている。1つの画素は、これら明副画素と暗副画素との面積階調によって、中間調を表示する。すなわち、液晶表示装置1は、マルチ画素構造(画素分割構造)を有し、マルチ駆動方式(画素分割方式ともいう)により、画像を表示する。液晶表示装置1におけるマルチ駆動方式の駆動方法としては、周知の方法を適用することができる。液晶表示装置1の具体的な構成、および駆動方法は後述する。
図2は、液晶パネル12の画素配列の一例を示す平面図である。図2に示すように、明副画素および暗副画素(図2の網掛けで示す画素)は、行方向および列方向に交互に並べられており、液晶パネル12全体で市松模様を構成する。
バリアシート13は、液晶パネル12の前面側(観察者側)に設けられており、バリアシート13の表面と液晶パネル12の表示面とが互いに平行になるように、樹脂材料により貼り合わされている。バリアシート13は、液晶パネル12から出力される表示画像(例えば、左眼用画像、右眼用画像)を通過させる開口部14と、表示画像の通過を遮る遮光部15とを備えている。開口部14および遮光部15は、液晶パネル12の画素配列に対応して形成されている。
ここで、本実施の形態では、液晶表示装置1は、互いに異なる3つの画像それぞれを、それぞれの画像に対応する互いに異なる3つの視点から視認可能な、いわゆる3視点方式の液晶表示装置とする。なお、液晶表示装置1は、3視点方式に限定されず、2視点方式、あるいは、4視点方式などの多視点方式であっても良い。
図3は、3視点方式の液晶表示装置1における液晶パネル12の画素配列の一例を示す平面図である。図3に示すように、液晶パネル12では、画素1〜3が、この順に行方向および列方向に繰り返し並べられており、それぞれ異なる3つの画像を表示する。また、画素1〜3は、それぞれ、明副画素および暗副画素を含んでいる。すなわち、図3に示すように、液晶パネル12の行方向には、左側から右側へ、明副画素1、暗副画素2、明副画素3、暗副画素1、明副画素2、および暗副画素3がこの順に繰り返し並べられている。また、液晶パネル12において、隣り合う2列の一方には、上側から下側(垂直方向、列方向)へ、明副画素1、暗副画素1、明副画素2、暗副画素2、明副画素3、および暗副画素3がこの順に繰り返し並べられており、他方には、暗副画素1、明副画素1、暗副画素2、明副画素2、暗副画素3、および明副画素3がこの順に繰り返し並べられている。このように、液晶パネル12では、全体として、明副画素と暗副画素とが市松模様に配置されている。
図4は、図3に示す液晶パネル12に対応するバリアシート13の構成を示す平面図である。開口部14および遮光部15は、図3に示す液晶パネル12の画素配列に対応して形成されている。
(立体画像(3D画像)の表示について)
液晶表示装置1の立体画像の表示原理について説明する。
図5は、液晶表示装置1における表示の原理を示す模式図であり、(a)は、図3に示す液晶パネル12の第a行の断面を示し、(b)は、図3に示す液晶パネル12の第b行の断面を示している。図6の(a)は、観察者の左眼により観察される画像を示す模式図であり、(b)は、観察者の右眼により観察される画像を示す模式図である。
液晶パネル12の表示画像は、図4に示すバリアシート13により、画素1に表示される画像1と、画素2に表示される画像2と、画素3に表示される画像3とに分離される。そして、図5に示すように、画素1に表示される画像1が視点Aから視認され、画素2に表示される画像2が視点Bから視認され、画素3に表示される画像3が視点Cから視認される。
例えば、視点Aが特定の観察者の左眼に相当し、視点Bが特定の観察者の右眼に相当する場合、図6の(a)に示す画像1が観察者の左眼に観察され、図6の(b)に示す画像2が観察者の右眼に観察される。これにより、観察者は、画像1,2からなる立体画像を認識することができる。なお、視点Bが特定の観察者の左眼に相当し、視点Cが特定の観察者の右眼に相当する場合は、画像1,2からなる立体画像を視認できる位置とは異なる位置から、画像2,3からなる立体画像を認識することができる。
液晶表示装置1では、図5の(a)および(b)に示すように、バリアシート13は、視点Aと画素1(明副画素1、暗副画素1)とを結ぶ直線上に位置する部分と、視点Aと暗副画素2とを結ぶ直線上に位置する部分と、視点Aと暗副画素3とを結ぶ直線上に位置する部分に、開口部14を備えている。すなわち、バリアシート13には、視点Aから、画素1、暗副画素2および暗副画素3を観察できるように開口部14が形成されている。なお、視点Aと明副画素2とを結ぶ直線上(図5の(a)および(b)の点線上)に位置する部分と、視点Aと明副画素3とを結ぶ直線上(図5の(a)および(b)の点線上)に位置する部分には、遮光部15が形成されている。
ここで、暗副画素2および暗副画素3には、画像2および画像3が表示されるため、視点Aから、画像2および画像3を観察することが可能となっている。しかし、本液晶表示装置1では、マルチ画素構造を備え、暗副画素は明副画素に対して相対的に輝度が低くなっている。そのため、特に低階調の中間調では、暗副画素は、表示に寄与せず、バリアシート13の遮光部15として機能することができる。このため、図5の(a)および(b)において、視点A(左眼)では、画素1(明副画素1、暗副画素1)だけを観察する状態と同じことになる。これにより、図6の(a)に示すように、観察者の左眼は、画素1に表示される画像1を観察する。なお、図6の(a)では、便宜上、バリアシート13の遮光部15を黒色で示し、暗副画素1〜3をグレー色で示している。
同様に、図5の(a)および(b)の視点Bでは、観察可能な暗副画素1および暗副画素3がバリアシート13の遮光部15として機能する。このため、視点B(右眼)では、画素2(明副画素2、暗副画素2)だけを観察する状態と同じことになる。これにより、図6の(b)に示すように、観察者の右眼は、画素2に表示される画像2を観察する。なお、図6の(b)では、便宜上、バリアシート13の遮光部15を黒色で示し、暗副画素1〜3をグレー色で示している。
以上より、観察者は、画像1および画像2からなる良好な立体画像を認識することができる。このように、液晶表示装置1では、液晶パネル12の暗副画素が、バリアシート13の遮光部15として機能するため、バリアシート13の開口部14の領域を、従来の構成(図30参照)と比較して拡大することができる。これによる利点について以下に説明する。
(平面画像(2D画像)の表示について)
液晶表示装置1の平面画像の表示原理について説明する。
液晶表示装置1において、平面画像を表示する場合は、通常のマルチ画素駆動により、全ての画素1〜3で1つの画像を表示する。
ここで、液晶パネル12の前面に設けられているバリアシート13は、図4に示すように、液晶パネル12の表示領域の約2/3が開口部14となっている。すなわち、バリアシート13は、従来のバリアシート(図30のバリアシート113)と比較して、開口率が約2倍となっている。そのため、本実施の形態に係る液晶パネル12では、従来の表示パネル(図29の表示パネル112)と比較して、表示に寄与する画素数を約2倍に増やすことができる。よって、本実施の形態に係る液晶表示装置1では、従来の液晶表示装置と比較して、平面画像の表示品位を高めることができる。
図7の(a)は、従来の表示装置における2D画像の表示状態を模式的に示す平面図であり、(b)は、本液晶表示装置1における2D画像の表示状態を模式的に示す平面図である。ここでは、2D画像の一例として、文字列「ABC」を示している。図7の(a)、(b)を比較して分かるように、本液晶表示装置1によれば、従来の表示装置よりも、2D画像の文字列「ABC」を明確に認識することができ、視認性が向上することが分かる。
なお、バリアシート13は、各視点A〜Cと各暗副画素1〜3とを結ぶ直線上に位置する部分すべてに開口部14が設けられている構成に限定されない。すなわち、バリアシート13は、各視点A〜Cと各暗副画素1〜3とを結ぶ直線上に位置する少なくとも一部に、開口部14が設けられていれば良い。以下の各構成においても同様である。
(変形例1)
液晶表示装置1の変形例について説明する。
図3の液晶パネル12では、各画素において、明副画素および暗副画素が列方向に並べられているが、画素配列はこれに限定されない。
図8は、3視点方式の液晶表示装置1aにおける液晶パネル12aの画素配列の一例を示す平面図である。図8に示すように、液晶パネル12aでは、画素1〜3が、この順に行方向に繰り返し並べられており、それぞれ異なる3つの画像を表示する。また、画素1〜3は、それぞれ、行方向に並べられた明副画素および暗副画素を含んでいる。
具体的には、図8に示すように、液晶パネル12aにおいて、隣り合う2行の一方(第a行)には、右側から左側(水平方向、行方向)へ、画素1を構成する明副画素1および暗副画素1、画素2を構成する明副画素2および暗副画素2、画素3を構成する明副画素3および暗副画素3がこの順に並べられている。隣り合う2行の他方(第b行)には、右側から左側(水平方向、行方向)へ、画素1を構成する暗副画素1および明副画素1、画素2を構成する暗副画素2および明副画素2、画素3を構成する暗副画素3および明副画素3がこの順に並べられている。
また、液晶パネル12aにおいて、隣り合う2列の一方には、上側から下側(垂直方向、列方向)へ、明副画素1、暗副画素1、明副画素3、暗副画素3、明副画素2、および暗副画素2がこの順に繰り返し並べられており、他方には、暗副画素1、明副画素1、暗副画素3、明副画素3、暗副画素2、および明副画素2がこの順に繰り返し並べられている。このように、液晶パネル12では、全体として、明副画素と暗副画素とが市松模様に配置されている。
図9は、図8に示す液晶パネル12aに対応するバリアシート13aの構成を示す平面図である。開口部14および遮光部15は、図8に示す液晶パネル12aの画素配列に対応して形成されている。
(立体画像(3D画像)の表示について)
変形例1に係る液晶表示装置1aの立体画像の表示原理について説明する。
図10は、液晶表示装置1aにおける表示の原理を示す模式図であり、(a)は、図8に示す液晶パネル12aの第a行の断面を示し、(b)は、図8に示す液晶パネル12aの第b行の断面を示している。図11の(a)は、観察者の左眼により観察される画像を示す模式図であり、(b)は、観察者の右眼により観察される画像を示す模式図である。
液晶パネル12aの表示画像は、図9に示すバリアシート13aにより、画素1に表示される画像1と、画素2に表示される画像2と、画素3に表示される画像3に分離される。そして、図10の(a)に示すように、第a行では、画素1に表示される画像1が視点Aから視認され、画素2に表示される画像2が視点Bから視認され、画素3に表示される画像3が視点Cから視認される。
例えば、視点Aが特定の観察者の左眼に相当し、視点Bが特定の観察者の右眼に相当する場合、図11の(a)に示す画像1が観察者の左眼に観察され、図11の(b)に示す画像2が観察者の右眼に観察される。これにより、観察者は、画像1,2からなる立体画像を認識することができる。なお、視点Cが特定の観察者の右眼に相当し、視点Bが特定の観察者の左眼に相当する場合は、画像1,2からなる立体画像を視認できる位置とは異なる位置から、画像2,3からなる立体画像を認識することができる。
液晶表示装置1aでは、図10の(a)および(b)に示すように、バリアシート13aは、視点Aと画素1(明副画素1、暗副画素1)とを結ぶ直線上に位置する部分と、視点Aと暗副画素2とを結ぶ直線上に位置する部分と、視点Aと暗副画素3とを結ぶ直線上に位置する部分に、開口部14を備えている。すなわち、バリアシート13aには、視点Aから、画素1、暗副画素2、および暗副画素3を観察できるように開口部14が形成されている。なお、視点Aと明副画素2とを結ぶ直線上(図10の(a)の点線上)に位置する部分と、視点Aと明副画素3とを結ぶ直線上(図10の(a)の点線上)に位置する部分には、遮光部15が形成されている。
ここで、本液晶表示装置1aでは、マルチ画素構造であり、暗副画素は明副画素に対して相対的に輝度が低くなっている。そのため、特に低階調の中間調では、暗副画素は、バリアシート13aの遮光部15として機能することができる。このため、図10の(a)および(b)において、視点A(左眼)では、画素1(明副画素1、暗副画素1)だけが観察される状態と同じことになる。これにより、図11の(a)に示すように、観察者の左眼は、画素1に表示される画像1を観察する。なお、図11の(a)では、便宜上、バリアシート13aの遮光部15を黒色で示し、暗副画素1〜3をグレー色で示している。
同様に、図10の(a)および(b)の視点Bでは、観察可能な暗副画素1および暗副画素3がバリアシート13aの遮光部15として機能する。このため、視点B(右眼)では、画素2(明副画素2、暗副画素2)だけが観察される状態と同じことになる。これにより、図11の(b)に示すように、観察者の右眼は、画素2に表示される画像2を観察する。なお、図11の(b)では、便宜上、バリアシート13aの遮光部15を黒色で示し、暗副画素1〜3をグレー色で示している。
以上より、観察者は、画像1および画像2からなる良好な立体画像を認識することができる。
(平面画像(2D画像)の表示について)
変形例1に係る液晶表示装置1aの平面画像の表示原理について説明する。
液晶表示装置1aにおいて、平面画像を表示する場合は、通常のマルチ画素駆動により、全ての画素1〜3で1つの画像を表示する。
ここで、液晶パネル12aの前面に設けられているバリアシート13aは、図9に示すように、液晶パネル12aの表示領域の約2/3が開口部14となっている。すなわち、バリアシート13aは、従来のバリアシート(図30のバリアシート113)と比較して、開口率が約2倍となっている。そのため、本変形例1に係る液晶パネル12aでは、従来の表示パネルと比較して、表示に寄与する画素数を約2倍に増やすことができる。よって、本変形例1に係る液晶表示装置1aでは、非表示領域を除いた有効表示領域を、従来の構成よりも大きくすることができるため、平面画像の表示品位を高めることができる。
図12の(a)は、従来の表示装置における2D画像の表示状態を模式的に示す平面図であり、(b)は、本液晶表示装置1aにおける2D画像の表示状態を模式的に示す平面図である。2D画像は、図7と同様、文字列「ABC」を示している。図12の(a)、(b)を比較して分かるように、本液晶表示装置1aによれば、従来の表示装置よりも、2D画像の文字列「ABC」を明確に認識することができ、視認性が向上することが分かる。
(変形例2)
液晶表示装置1の他の変形例について説明する。
上記の説明では、液晶パネル12の画素配列が市松模様(図2および図8参照)の場合を例に挙げたが、液晶パネル12の画素配列はこれに限定されない。
図13は、変形例2に係る液晶パネル12bの画素配列の一例を示す平面図である。図13に示すように、明副画素および暗副画素はそれぞれ行方向に並べられ、列方向には明副画素および暗副画素が交互に並べられている。すなわち、液晶パネル12bでは、明副画素および暗副画素が、横ストライプ状に配列している。
また、上記の説明では、3視点方式の液晶表示装置1を例に挙げたが、液晶表示装置1はこれに限定されない。ここでは、4視点方式の液晶表示装置1bを例に挙げる。
図14は、4視点方式の液晶表示装置1bにおける液晶パネル12bの画素配列の一例を示す平面図である。図14に示すように、液晶パネル12bでは、画素1〜4が、この順に行方向に繰り返し並べられており、それぞれ異なる4つの画像を表示する。また、画素1〜4は、それぞれ、明副画素および暗副画素を含んでいる。すなわち、図14に示すように、液晶パネル12bにおいて、隣り合う2行の一方(第a行)には、左側から右側(水平方向、行方向)へ、明副画素1、明副画素2、明副画素3、および明副画素4がこの順に繰り返し並べられており、他方(第b行)には、暗副画素1、暗副画素2、暗副画素3、および暗副画素4がこの順に繰り返し並べられている。また、液晶パネル12bには、上側から下側(垂直方向、列方向)へ、明副画素1、暗副画素1、明副画素2、暗副画素2、明副画素3、暗副画素3、明副画素4、および暗副画素4がこの順に繰り返し並べられている。
図15は、図13に示す液晶パネル12bに対応するバリアシート13bの構成を示す平面図である。開口部14および遮光部15は、図13に示す液晶パネル12bの画素配列に対応して形成されている。
(立体画像(3D画像)の表示について)
変形例2に係る液晶表示装置1bの立体画像の表示原理について説明する。
図16は、液晶表示装置1bにおける表示の原理を示す模式図であり、(a)は、図14に示す液晶パネル12bの第a行の断面を示し、(b)は、図14に示す液晶パネル12bの第b行の断面を示している。図17の(a)は、観察者の左眼により観察される画像を示す模式図であり、(b)は、観察者の右眼により観察される画像を示す模式図である。
液晶パネル12bの表示画像は、図15に示すバリアシート13bにより、画素1に表示される画像1と、画素2に表示される画像2と、画素3に表示される画像3と、画素4に表示される画像4に分離される。そして、図16の(a)に示すように、第a行では、画素1に表示される画像1が視点Aから視認され、画素2に表示される画像2が視点Bから視認され、画素3に表示される画像3が視点Cから視認され、画素4に表示される画像4が視点Dから視認される。
例えば、視点Aが特定の観察者の右眼に相当し、視点Bが特定の観察者の左眼に相当する場合、図17の(a)に示す画像1が観察者の右眼に観察され、図17の(b)に示す画像2が観察者の左眼に観察される。これにより、観察者は、画像1,2からなる立体画像を認識することができる。なお、視点Cが特定の観察者の右眼に相当し、視点Dが特定の観察者の左眼に相当する場合は、画像1,2からなる立体画像を視認できる位置とは異なる位置から、画像3,4からなる立体画像を認識することができる。
液晶表示装置1bでは、図16の(a)および(b)に示すように、バリアシート13bは、視点Aと画素1(明副画素1、暗副画素1)とを結ぶ直線上に位置する部分と、視点Aと暗副画素2とを結ぶ直線上に位置する部分と、視点Aと暗副画素3とを結ぶ直線上に位置する部分と、視点Aと暗副画素4とを結ぶ直線上に位置する部分に、開口部14を備えている。すなわち、バリアシート13bには、視点Aから、画素1、暗副画素2、暗副画素3、および暗副画素4を観察できるように開口部14が形成されている。なお、視点Aと明副画素2とを結ぶ直線上(図16の(a)の点線上)に位置する部分と、視点Aと明副画素3とを結ぶ直線上(図16の(a)の点線上)に位置する部分と、視点Aと明副画素4とを結ぶ直線上(図16の(a)の点線上)に位置する部分には、遮光部15が形成されている。
ここで、本液晶表示装置1bでは、マルチ画素構造であり、暗副画素は明副画素に対して相対的に輝度が低くなっている。そのため、特に低階調の中間調では、暗副画素は、バリアシート13bの遮光部15として機能することができる。このため、図16の(a)および(b)において、視点A(右眼)では、画素1(明副画素1、暗副画素1)だけが観察される状態と同じことになる。これにより、図17の(a)に示すように、観察者の右眼は、画素1に表示される画像1を観察する。なお、図17の(a)では、便宜上、バリアシート13bの遮光部15を黒色で示し、暗副画素1〜4をグレー色で示している。
同様に、図16の(a)および(b)の視点Bでは、観察可能な暗副画素1、暗副画素2および暗副画素4がバリアシート13bの遮光部15として機能する。このため、視点B(左眼)では、画素2(明副画素2、暗副画素2)だけが観察される状態と同じことになる。これにより、図17の(b)に示すように、観察者の左眼は、画素2に表示される画像2を観察する。なお、図17の(b)では、便宜上、バリアシート13bの遮光部15を黒色で示し、暗副画素1〜4をグレー色で示している。
以上より、観察者は、画像1および画像2からなる良好な立体画像を認識することができる。
(平面画像(2D画像)の表示について)
変形例2に係る液晶表示装置1bの平面画像の表示原理について説明する。
液晶表示装置1bにおいて、平面画像を表示する場合は、通常のマルチ画素駆動により、全ての画素1〜4で1つの画像を表示する。
ここで、液晶パネル12bの前面に設けられているバリアシート13bは、図15に示すように、液晶パネル12bの表示領域の約5/8が開口部となっている。すなわち、バリアシート13bは、従来のバリアシート(図30の構成を4視点にした場合)と比較して、開口率が約2.5倍となっている。そのため、本変形例2に係る液晶パネル12bでは、従来の表示パネルと比較して、表示に寄与する画素数を約2.5倍に増やすことができる。よって、本変形例2に係る液晶表示装置1bでは、非表示領域を除いた有効表示領域を、従来の構成よりも大きくすることができるため、平面画像の表示品位を高めることができる。
図18の(a)は、従来の表示装置における2D画像の表示状態を模式的に示す平面図であり、(b)は、本液晶表示装置1bにおける2D画像の表示状態を模式的に示す平面図である。2D画像は、図7と同様、文字列「ABC」を示している。図18の(a)、(b)を比較して分かるように、本液晶表示装置1bによれば、従来の表示装置よりも、2D画像の文字列「ABC」を明確に認識することができ、視認性が向上することが分かる。
なお、上記変形例2の構成では、明副画素および暗副画素がそれぞれ行方向に並べられ、列方向には明副画素および暗副画素が交互に並べられている構成(図14参照)を示したが、画素配列はこれに限定されず、以下の構成としても良い。すなわち、図19に示すように、各画素が、1つの明副画素と2つの暗副画素とを含み、各画素において、列方向に暗副画素、明副画素、暗副画素がこの順に並べられている構成とすることもできる。このように、明副画素および暗副画素が横ストライプ状に配列する構成では、明副画素および暗副画素のそれぞれが走査信号線の延伸方向に並べられているとともに、明副画素により表される高輝度領域と、1つの暗副画素により表される低輝度領域(図14参照)、または、列方向に隣り合う複数の暗副画素により表される低輝度領域(図19参照)とが、列方向に交互に並べられている構成とすることができる。
次に、本実施の形態に係るマルチ画素構造(画素分割構造)を有する液晶表示装置の実施例について以下に説明する。以下では、上記液晶表示装置1、1a、1bを総称して液晶表示装置LCDと表し、上記液晶パネル12、12a、12bを総称して液晶パネルLCPと表す。
〔実施例1〕
図20は、液晶表示装置LCDの概略構成を示す平面図であり、図21は、列方向に隣接する2つの画素の概略構成を平面図であり、図22は、各画素の回路構成を示す図である。
液晶表示装置LCDは、液晶パネルLCPと、データ信号線(ソースバスライン)S1・・・(以下、Siと表記する)にソース信号電圧を供給するソースドライバ120(データ信号線駆動回路)と、走査信号線(ゲートバスライン)G1・・・(以下、Gjと表記する)にゲート信号電圧を供給するゲートドライバ130(走査信号線駆動回路)と、保持容量配線(CSバスライン)CS1・・・にCS電圧(保持容量配線信号)を供給するCSコントロール回路140(保持容量配線駆動回路)と、ソースドライバ120およびゲートドライバ130並びにCSコントロール回路140を制御する表示制御回路150とを備えている。
図22に示すように、画素Pには、第1副画素電極17aおよび第2副画素電極17bが含まれている。第1副画素電極17aは、第1トランジスタTFT1を介して走査信号線Gjおよびデータ信号線Siに接続されている。第2副画素電極17bは、第2トランジスタTFT2を介して走査信号線Gjおよびデータ信号線Siに接続されている。対向電極comは2つの副画素電極に共通に設けられており、一般に、表示領域内の全ての画素に共通に設けられている。第1副画素電極17aと対向電極comとの間には第1液晶容量Clc1が形成され、第2副画素電極17bと対向電極comとの間には第2液晶容量Clc2が形成されている。第1副画素電極17aと第1保持容量配線CS−Aとの間には第1保持容量CS1が形成され、第2副画素電極17bと第2保持容量配線CS−Bとの間には第2保持容量CS2が形成されている。
表示制御回路150は、外部の信号源(例えばチューナ)から、表示すべき画像を表すデジタルビデオ信号Dvと、当該デジタルビデオ信号Dvに対応する水平同期信号HSYおよび垂直同期信号VSYと、表示動作を制御するための制御信号Dcとを受け取り、それらの信号Dv、HSY、VSYおよびDcに基づき、そのデジタルビデオ信号Dvの表す画像を液晶パネルLCPに表示させるための信号として、データスタートパルス信号SSPと、データクロック信号SCKと、ラッチストローブ信号LSとデータ信号の極性を制御する信号POL、表示すべき画像を表すデジタル画像信号DAと、ゲートスタートパルス信号GSPと、ゲートクロック信号GCKと、ゲートドライバ出力制御信号GOEとを生成し出力する。
より詳しくは、ビデオ信号Dvを内部メモリで必要に応じてタイミング調整等を行った後に、デジタル画像信号DAとして表示制御回路150から出力し、そのデジタル画像信号DAの表す画像の各画素に対応するパルスからなる信号としてデータクロック信号SCKを生成し、水平同期信号HSYに基づき1水平走査期間毎に所定期間だけハイレベル(Hレベル)となる信号としてデータスタートパルス信号SSPを生成し、垂直同期信号VSYに基づき1フレーム期間(1垂直走査期間)毎に所定期間だけハイレベルとなる信号としてゲートスタートパルス信号GSPを生成し、水平同期信号HSYに基づきゲートクロック信号GCKを生成し、水平同期信号HSYおよび制御信号Dcに基づきラッチストローブ信号LSおよびゲートドライバ出力制御信号GOEを生成する。
上記のようにして表示制御回路150において生成された信号のうち、デジタル画像信号DA、ラッチストローブ信号LS、データ信号の極性を制御する信号POL、データスタートパルス信号SSPおよびデータクロック信号SCKは、ソースドライバ120に入力され、ゲートスタートパルス信号GSP、ゲートクロック信号GCKおよびゲートドライバ出力制御信号GOEは、ゲートドライバ130に入力される。
ソースドライバ120は、デジタル画像信号DA、データスタートパルス信号SSP、データクロック信号SCK、ラッチストローブ信号LSおよびデータ信号の極性を制御する信号POLに基づき、デジタル画像信号DAの表す画像の各水平走査線における画素値に相当するアナログ電圧としてデータ信号を1水平走査期間毎に順次生成し、これらのデータ信号(表示信号電圧)をデータ信号線Siにそれぞれ印加する。
また、CSコントロール回路140には、ゲートクロック信号GCKおよびゲートスタートパルス信号GSPが入力される。CS用コントロール回路140は、CS電圧の波形を制御する。CS電圧として、1:1のデューティ比で振動する波形を有する振動電圧を用いる場合、振動の位や幅(または周期)を制御する。
液晶表示装置LCDは、上述したようにマルチ画素駆動により表示動作を行う。すなわち、図22に示すように、第1副画素電極17aと、第2副画素電極17bとに、共通のデータ信号線Siからソース信号電圧(表示信号電圧)を供給しておき、その後、各トランジスタTFT1、TFT2をオフ状態にした後に第1保持容量配線CS−Aおよび第2保持容量配線CS−Bの電圧を相互に異なるように変化させる。これにより、第1液晶容量Clc1と第2液晶容量Clc2に印加される電圧が異なり、1つの画素内に明副画素と暗副画素とを形成する。この構成では、2つの副画素電極に1本のデータ信号線からソース信号電圧を供給するため、データ信号線の数やこれらを駆動するソースドライバの数を増加させる必要がないという利点がある。
以下に、図23〜図26を参照して、液晶表示装置LCDにソースライン反転駆動方法を適用した例を説明する。
液晶表示装置LCDにおいては、例えば、マルチ画素駆動にソースライン反転駆動法を適用するとともに、ゲートバスライン飛び越し走査駆動(インターレース駆動)を行う。これにより、ソースドライバの消費電力、すなわち発熱を抑え、また、動画性能向上のため画像書き込み周波数を上げる際にも充電率の低下を抑制することができる。なお、液晶表示装置LCDの駆動方法は、これに限定されない。
なお、飛び越し走査駆動の説明において、最初に奇数行を走査し(偶数行を飛び越し)、次に偶数行を走査する例を説明するが、本発明の実施形態における飛び越し走査の順序はこれに限られず、最初に偶数行を走査し(奇数行を飛び越し)、次に、奇数行を走査してもよいことは言うまでもない。
図23は、液晶表示装置LCDの画素と保持容量配線との接続関係を模式的に示すとともに、ソース信号電圧の書き込み極性(図中の+−)ならび明暗2つの副画素(図中のハッチングが暗副画素)の配置を模式的に示す図であり、ソースライン反転駆動を行った状態を示している。Gj〜Gj+3は走査信号線、CS−A〜CS−Eは保持容量配線、Si〜Si+3はデータ信号線を示している。図23に示すように、液晶表示装置LCDにおいては、列ごとの書き込み極性が一定でありながら、明副画素と暗副画素とが市松模様に配置されている。
図24は、液晶表示装置LCDにおける各信号電圧の波形を示しており、上から順に、保持容量配線CS−Bから供給されるCS電圧Vcs−B、i番目のデータ信号線Siに供給されるソース信号電圧Vsi、j番目の走査信号線Gjに供給されるゲート信号電圧Vgj、i番目のデータ信号線Siとj番目の走査信号線Gjとに接続された画素が有する2つの副画素の内の保持容量配線CS−Bに接続された保持容量を有する副画素P−B(i,j)に印加される電圧Vp−B(i,j)、j番目の走査信号線Gjに供給されるゲート信号電圧Vgj、i番目のデータ信号線とj+1番目の走査信号線Gj+1とに接続された画素が有する2つの副画素の内の保持容量配線CS−Bに接続された保持容量を有する副画素P−B(i,j+1)に印加される電圧Vp−B(i,j+1)を示している。また、図中のVcomは対向電圧を示しており、Vpix1およびVpix2は各副画素の実効電圧を示している。
図25は、連続する2つのフレーム(NフレームおよびN+1フレーム)における各画素のソース信号電圧の書き込み極性を示している。液晶表示装置LCDにおいては、ソースライン反転駆動とともに、ゲートバスライン飛び越し走査駆動(インターレース駆動)を行うので、図25においては、各フレームを2つの期間(前半2分の1フレームと後半2分の1フレーム)に分割している。2分の1フレームを「1/2フレーム」あるいは「F/2」と表記することがある。
図26は、連続する2つのフレームにおいて画素がどのように走査されるかを示すための図であり、i列目のデータ信号線Siに供給されるソース信号電圧と、1行目からn行目までの走査信号線G1〜Gnに供給されるゲート信号電圧の波形を模式的に示している。この図においても、各フレームが2つの期間(前半1/2フレームと後半1/2フレーム)に分割されている。本明細書においては、フレーム内に含まれる2つの期間をサブフレームと呼ぶことにする。一般には、1フレーム期間が1垂直走査期間に対応するので、サブフレームの期間に対応する期間をサブ垂直走査期間と呼ぶことにする。なお、第1サブフレームと第2サブフレームとの長さは完全に一致するとは限らない。
図25および図26を参照して、画素の走査方法の一例を説明する。
Nフレーム目の前半1/2フレーム(第1サブ垂直走査期間)において、例えば、奇数行の走査信号線Gjにゲート信号電圧VgjがVgl(ローレベル)から一定期間Vgh(ハイレベル)となる画素データ書込パルスPwが、順次印加される。すなわち、1行目からn−1行目までの全ての奇数行の画素にソース信号電圧が書き込まれる。
後半の1/2フレーム(第2サブ垂直走査期間)においては、前半1/2フレームにおいて飛び越された複数の偶数行の画素を順次走査する。例えば、偶数行の走査信号線Gj+1に、VgjがVglから一定期間Vghとなる画素データ書込パルスPwが順次印加される。すなわち、2行目からn行目までの全ての偶数行の画素にソース信号電圧が書き込まれる。
データ信号線Siに供給されるソース信号電圧の極性は前半1/2フレームでソース信号電圧の中央値Vsc(一般に、Vcomとほぼ等しい。)に対して正極性のソース信号電圧(Vsp)を与え、次の後半の1/2フレームでも正極性のソース信号電圧を与える。そして、(N+1)フレーム目の前半1/2フレームではVscに対して負極性のソース信号電圧(Vsn)を与え、次の後半の1/2フレームでも負極性のソース信号電圧を与える。データ信号線Siに隣接するSi+1に供給されるソース信号電圧はデータ信号線Siに供給されるソース信号電圧と逆の極性となる。同様にデータ信号線Si+2に供給されるソース信号電圧はSi+1に供給されるソース信号電圧と逆の極性となる。
保持容量配線CS−Bに供給されるCS電圧Vcs−Bは、一定の周期で対向電極の電圧Vcomに対して極性が反転する振動波形(例えば図示したような、デューティ比が1:1の矩形波)を有している。
走査信号線Gjのゲート信号電圧がハイの時のデータ信号線Siに供給されるソース信号電圧は正極性なので、副画素P−B(i,j)の電圧は正極性で書き込まれる。保持容量配線CS−Bに供給されるCS電圧Vcs−Bは、一定の周期で対向電極の電圧Vcomに対して極性が反転する振動波形(例えば図示したような、デューティ比が1:1の矩形波)を有しており、走査信号線Gjのゲート信号電圧がローになってからの保持容量配線CS−Bの振動電圧Vcs−Bの最初の変化は降下(例えばこの場合、正極性から負極性への変化)なので、副画素P−B(i,j)の電圧は突き下げ作用を受けて降下し、副画素P−B(i,j)に印加される実効電圧Vpix1は、Pwにより書き込まれたソース信号電圧以下となり(絶対値が小さくなり)、副画素P−B(i,j)は暗副画素となる。
一方、走査信号線Gj+1のゲート信号電圧がハイの時のデータ信号線Siの信号電圧も正極性なので、副画素P−B(i,j+1)の電圧も正極性で書き込まれる。走査信号線Gj+1のゲート信号電圧がローになってからの保持容量配線CS−Bの振動電圧の最初の変化は上昇(例えばこの場合、負極性から正極性への変化)なので、副画素P−B(i,j+1)の電圧は突き上げ作用を受けて上昇し、副画素P−B(i,j+1)に印加される実効電圧Vpix2は、Pwにより書き込まれたソース信号電圧以上となり(絶対値が大きくなり)、副画素P−B(i,j+1)は明副画素となる。
すなわち、CS電圧は、第1サブ垂直走査期間に選択される走査信号線Gjに接続された画素が有する2つの副画素の内で当該CS電圧が供給される保持容量配線と関連付けられている副画素の実効電圧を上昇させるまたは降下させる作用と、第2サブ垂直走査期間に選択される走査信号線Gj+1に接続された画素が有する2つの副画素の内で当該CS電圧が供給される保持容量配線と関連付けられている副画素の実効電圧を上昇させるまたは降下させる作用とが互いに逆になる波形を有している。
ここで例示したように、ソース信号電圧の極性が互いに異なる連続する2つの垂直走査期間を含み、同じ垂直走査期間に属する第1サブ垂直走査期間および第2サブ垂直走査期間におけるソース信号電圧の極性は同じである場合には、CS電圧は、第1サブ垂直走査期間において走査信号線Gjに供給されるゲート信号電圧がハイからローに変化した時点から、第2サブ垂直走査期間において走査信号線Gj+1に供給されるゲート信号電圧がハイからローに変化する時点までの間に、極性が奇数回変化すればよい。なお、CS電圧の振動波形の鈍りを考慮して、極性反転する間隔(振動の周期の2分の1)が5H以上であることがより好ましい。またCS電圧が極性反転してから、なるべく遅いタイミングでゲートオンパルスPwを発生することが好ましく、ゲート信号電圧がオフになった後、なるべく早くCS電圧を極性反転する方が望ましい。
ここではCS電圧として、1:1のデューティ比で振動する波形を有する振動電圧を用いているがこれに限られず、極性が奇数回変化すれば良く、従って、少なくとも1回極性が変化すればよい。
〔実施例2〕
実施例2に係る液晶表示装置LCDについて説明する。図27は、実施例2に係る液晶表示装置LCDを構成する液晶LCPの構成を示す平面図であり、図28はその等価回路図である。実施例2に係る液晶パネルLCPのアクティブマトリクス基板は、走査信号線Gjに接続されたトランジスタTFT1、TFT2と、走査信号線Gjの次段となる走査信号線Gj+1に接続されたトランジスタTFT3とを備え、1つの画素に、画素電極17a、17bと、3つの容量電極18〜20とを備える。容量電極18〜20は、ゲート絶縁膜を介して保持容量配線CSLjと重なるようにこの順に並べられ、容量電極18〜20それぞれがチャネル保護膜を介して画素電極17bと重なり、トランジスタTFT3のドレイン電極31が引き出し配線32を介して容量電極19に接続され、トランジスタTFT3のソース電極33がコンタクトホールを介して画素電極17aに接続され、容量電極18がコンタクトホール34を介して画素電極17bに電気的に接続されている。容量電極20が引き出し配線21およびコンタクトホール22を介して画素電極17aに接続されている。また、トランジスタTFT1、TFT2の共通ソース電極23はデータ信号線Siに接続され、トランジスタTFT1のドレイン電極24は引き出し配線25を介して容量電極20に接続され、トランジスタTFT2のドレイン電極26はコンタクトホールを介して画素電極17bに接続されている。ここでは、容量電極20と保持容量配線CSLjとの重なり部分に画素電極17aおよび保持容量配線CSLj間の保持容量が形成され、容量電極18と保持容量配線CSLjとの重なり部分に画素電極17bおよび保持容量配線CSLj間の保持容量が形成され、容量電極19と画素電極17bとの重なり部分に画素電極17aおよび画素電極17bの結合容量が形成される。
実施例2に係る液晶表示装置LCDでは、トランジスタTFT1、TFT2のON期間に、画素電極17aおよび画素電極17bに、同一の信号電位Vs(データ信号)が書き込まれる。そして例えばVsがプラス極性であれば、トランジスタTFT1、TFT2がOFFした後にトランジスタTFT3がONすると、画素電極17aと容量電極19とが電気的に接続されて画素電極17aのプラス電荷が容量電極19に移動する(正電荷放電)。これによって、画素電極17aの電位がVsから低下する一方、容量電極19の電位が上昇するのに伴って容量電極19と容量Cx(図28参照)を形成する画素電極17bの電位はVsから上昇する。なお、Vsがマイナス極性であれば、トランジスタTFT1、TFT2がOFFした後にトランジスタTFT3がONすると、画素電極17aと容量電極19とが電気的に接続されて画素電極17aのマイナス電荷が容量電極19に移動する(負電荷放電)。これによって、画素電極17aの電位がVsから上昇する一方、容量電極19の電位が低下するのに伴って容量電極19と容量Cx(図28参照)を形成する画素電極17bの電位はVsから低下する。
したがって、トランジスタTFT3がOFFした後の画素電極17aの電位をVa、トランジスタTFT3がOFFした後の画素電極17bの電位をVbとすれば、|Vb|≧|Va|(なお、例えば|Vb|は、Vbとcom電位=Vcomとの電位差を意味する)となるため、画素電極17aを含む副画素を暗副画素、画素電極17bを含む副画素を明副画素とすることができる。
以上のように、本実施の形態に係る液晶表示装置LCDは、例えば実施例1,2に示した構成および駆動方法により、マルチ画素駆動を実現することができる。
(他の構成例)
本実施の形態に係る液晶表示装置は、表示パネルに表示された複数の表示画像を分離して、それぞれに対応する複数の方向に出力することが可能なバリアシートとを備えているため、マルチビュー表示の表示装置を実現することもできる。例えば、表示パネルに対して左方向から見た場合と右方向から見た場合とで、異なる表示を観察可能とする場合は、デュアルビュー表示の表示装置を実現することができる。すなわち、本液晶表示装置は、2D画像および3D画像の切り替え可能な表示装置や、2D画像およびマルチビュー画像の切り替え可能な表示装置に適用することができる。
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。