JP2014053295A - 金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体およびそれを用いてなるリチウムイオン二次電池及びリチウムイオンキャパシタ、ならびに金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体の製造方法 - Google Patents

金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体およびそれを用いてなるリチウムイオン二次電池及びリチウムイオンキャパシタ、ならびに金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
リチウム2次電池もしくはリチウムイオンキャパシタの電極材の少なくとも一部に用いた際に高容量化と高出力化を共に達成しうる、リチウムイオンの電荷移動特性に適合した金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体と該複合体を少なくとも一部に用いた電極剤、およびリチウム二次電池及びリチウムイオンキャパシタを提供する。
【解決手段】
金属酸化物ナノ粒子の最小径の平均が15nm以上100nm以下であり、金属酸化物ナノ粒子が導電剤表面の60%以上の面積を占めて強接合してなることを特徴とする金属化合物−導電剤複合体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体とそれを用いてなるリチウムイオン二次電池及びリチウムイオンキャパシタ、ならびに金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体の製造方法に関するものである。より詳しくは、本発明は、リチウムイオン2次電池もしくはリチウムイオンキャパシタの電極の少なくとも一部に用いた際に高容量化と高出力化を共に達成しうる、リチウムイオンの電荷移動特性に適合した金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体と該複合体を用いたリチウムイオン二次電池及びリチウムイオンキャパシタに関するものである。
リチウムイオン二次電池は、従来のニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池に比べて、高電圧・高エネルギー密度が得られる電池として、携帯電話やラップトップパソコンなど情報関連のモバイル通信電子機器に広く用いられている。今後環境問題を解決する一つの手段として電気自動車・ハイブリッド電気自動車などに搭載する車載用途あるいは電動工具などの産業用途に利用拡大が進むと期待される一方、更なる高容量化と高出力化が切望されている。
リチウムイオン二次電池は少なくとも、リチウムイオンを可逆的に脱挿入可能な活物質を有する正極と負極、セパレータ、電池内を充填する非水電解液から構成される。その中でも正極及び負極は、リチウムイオンを蓄える活物質、導電性を向上させる導電剤、及び塗膜形態を維持させる結着剤を含んだペーストを集電体となる金属箔に塗布した後に乾燥して得られるものである。とりわけ活物質は正極、負極のどちらにおいても電池の容量を決める重要な部材である。
従来のリチウムイオン二次電池では正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO)、負極活物質としては炭素が用いられることが多かった。しかし、今後の用途拡大を見込み、さらなる高容量化に向けて次世代の活物質の探索が盛んに行われている。
正極活物質においてはオリビン系材料、すなわちリン酸鉄リチウム(LiFePO)やリン酸マンガンリチウム(LiMnPO)といった金属酸化物が次世代活物質として注目されている。リン酸鉄リチウムやリン酸マンガンリチウムの容量はコバルト酸リチウムに対して2割程度の増加にとどまるため高容量化への効果は限定的であるが、レアメタルであるコバルトを含有しないため、安定供給及び価格の面で大きなメリットを有する。さらに、オリビン系活物質では酸素がリンと共有結合しているため、酸素が放出されにくく、安全性が高いという特徴も併せ持つ。しかし、オリビン系材料、特にリン酸マンガンリチウムについては電気伝導性が低いため本来の性能を引き出すのが難しく、実用化には至っていない。
負極活物質においては金属酸化物系が次世代活物質として近年注目されるようになってきている。酸化マンガン(MnO、Mn)のような金属酸化物をナノ粒子化して負極活物質として用いると、リチウムイオンとコンバージョン反応を起こし、可逆的にリチウムを蓄えることが可能であることが知られている。従来のグラファイトなどの炭素材料を負極活物質として用いた場合と比較すると、金属酸化物は3倍程度の容量増加が見込めるが、酸化マンガンを用いた場合には活物質の導電性が低いため、実用化には導電性の確保が課題となっている。また、リチウムイオン2次電池の負極材料は、導電性を高めることで出力特性を向上させてリチウムイオンキャパシタの充放電速度に追従できるようにできれば、リチウムイオンキャパシタの負極材料としても用いることが可能であることが知られている。
以上のように、次世代と期待される活物質はその導電性の低さが問題となっている。導電性の低さを補いリチウムイオン二次電池もしくはリチウムイオンキャパシタの活物質として用いるためには、以下の2点について改善していく必要がある。
まず、活物質の大きさは粒径が100nm以下のナノ粒子であることが求められる。活物質のナノ粒子化によって活物質内部の抵抗の影響を低減させることで、導電性の低い化合物でも活物質として用いることが可能となる。ただし、活物質の粒径を10nm未満まで小さくするとリチウムイオンを粒子内部へ固定化しにくくなるため好ましくない。
次いで、ナノ粒子化した活物質の各々が導電剤と直接的に広い接触面積をもって接している必要がある。ただし、この条件を満たすために大量の導電剤を用いると、電極重量当たりの容量が低下し、次世代活物質のもつ高容量というメリットを損なってしまう。そこで限られた量での導電剤で活物質の導電性を効果的に補う必要があり、そのための様々な試みがなされてきている。
その試みの1つは、活物質合成時に糖などの炭素源を添加しておき、加熱時に炭素を得ることによって活物質をカーボンコーティングするという手法である(例えば特許文献1)。 また、活物質と炭素をボールミルなどを用いて物理混合することも検討されている(例えば特許文献2)。
さらに、炭素にナノ粒子化させた活物質を担持するという試みもなされている。結晶性の高いカーボンナノチューブやグラフェン上に活物質を担持させることで、理論的には高速充放電にも対応できる導電性を得ることができる。(例えば特許文献3及び非特許文献1、2、3)。一方で、ナノ粒子化した活物質と炭素と混合する手法によって担持体を得る方法も試みられている(例えば非特許文献4)。
特開2008−210701号公報 特開2007−173134号公報 特開2012−6821号公報
「Mn3O4−Graphene Hybrid as a High−Capacity Anode Material for Lithium Ion Batteries],Journal of American Chemical Society,2010年,第132号,pp.13978−13980 「Ternary Self−Assembly of Ordered Metal Oxide−Graphene Nanocomposites for Electrochemical Energy Storage」ACS Nano、2010年、第4巻3号、pp1587−1595 「Sol−gel synthesis of multiwalled carbon nanotube−LiMn2O4 nanocomposites as cathode materials for Li−ion batteries」、Journal of Power Sources、2011年、第195号、pp4290−4296 「Self−assembled lithium manganse oxide nanoparticles on carbon nanotube or graphene as high−performance cathode material for lithium−ion batteries」Journal of Materials Chemistry、2011年、第21号、pp17297−17303
本発明者らは鋭意検討を行い、以下の課題があることを見出した。
特許文献1の方法を用いれば活物質に導電性を付与することは可能であるが、得られるカーボン被膜は結晶性が低く、高速充放電に対応できるものではなかった。また、金属酸化物にカーボンコートをしようとすれば、炭素によって金属酸化物が還元されてしまう場合があるという問題もある。
特許文献2の方法では活物質と炭素の比率を制御しやすいというメリットがある一方で、物理混合であるために各々の活物質が確実にカーボンと接するためにはカーボンの必要量が多くなりやすく、さらにボールミルなどのメディア分散を用いた場合には異種金属混入などのコンタミネーションを引き起こしやすいという問題がある。
さらに、特許文献3及び非特許文献1の方法では、結晶性の高いカーボンナノチューブやグラフェン上に活物質を担持させることで、理論的には高速充放電にも対応できる導電性を得ることができるとされる。しかしながら、これまでに報告されている活物質と炭素の複合体は、合成に高圧条件やマイクロ波を必要としたりする場合が多く、その合成手法は煩雑であり、さらに得られる活物質の粒径が10nm以下と小さすぎる。
そして、非特許文献2の方法では、活物質の粒径を10nm以下と小さいだけでなく、ナノ粒子化した活物質を炭素上に均一に担持す炭素の表面積を効率よく活用して活物質を担持しなくては、活物質に対して過剰な炭素が必要となり、結果として電極化したときに電極重量当たりの容量が低下することになる。
また、非特許文献3の方法では、粒径を10nm以上にした例においては、ナノ粒子化した活物質を炭素上に均一に担持することが困難であるため、各々の活物質の導電性を確保することはできていない。
一方で、活物質と炭素の接着性が問題となることがある。導電剤にカーボンナノチューブやグラフェンといった炭素を用いた場合には、活物質と炭素が接合していても、接合の力が弱いと電極化した際に活物質が結着剤に絡め取られ、炭素から脱離する可能性がある。非特許文献4の手法では、ナノ粒子化した活物質と導電剤を単に混合しただけでは接着力が不十分であり、電極化時には活物質と導電剤が接しているとは限らない。
上述のように、次世代と期待される活物質は導電性が低く、リチウムイオン二次電池に用いた場合にその性能を十分に発揮させるには、導電性の向上が求められる。しかしながら、粒径が15nmから100nmの活物質ナノ粒子を導電剤上に均一に担持させ、かつ活物質ナノ粒子を導電剤と十分な接着力を持って接合させることは困難であった。
本発明の目的は、電極中に占める炭素の割合を過剰にすることなく、ナノ粒子化した活物質と導電剤を複合化させ、且つ電極化した際に活物質が導電剤からほとんど脱離することのない金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体、その複合体を用いてなる電極、更には該電極を用いてなるリチウムイオン二次電池及びリチウムイオンキャパシタを提供することである。
(1)金属酸化物ナノ粒子と導電剤の複合体であって、該金属酸化物ナノ粒子の最小径の平均が15nm以上100nm以下であり、該金属酸化物ナノ粒子が導電剤表面の60%以上の面積を占めて強接合してなることを特徴とする金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体。
(2)前記導電剤が繊維状またはシート状の炭素である(1)に記載の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体。
(3)前記金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体に占める前記金属酸化物ナノ粒子の重量割合が80%以上であることを特徴とする前記(2)に記載の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体を少なくとも一部に用いてなることを特徴とする電極。
(5)前記(4)に記載の電極を少なくとも一部に用いてなることを特徴とするリチウム二次電池。
(6)リチウムイオンがプレドープされた、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体。
(7)前記(6)に記載の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体を負極材料として用いたリチウムイオンキャパシタ。
(8)金属酸化物ナノ粒子原料及び導電剤をアミン系溶媒中にて加熱して金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体を得る製造方法であって、加熱温度が80℃〜240℃であり、加熱時の容器が開放系であり、容器内が常圧であることを特徴とする金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体の製造方法。
本発明によれば、次世代と期待されてはいるが導電性が低いために性能を引き出すことが困難だった活物質について、金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体とすることで活物質本来の性能を引き出し、リチウムイオン二次電池の高容量化及び高出力化に寄与できる。すなわち本発明の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体を用いることで高容量・高出力のリチウムイオン二次電池を提供することができる。
また、本発明の金属酸化物ナノ粒子−導電助剤複合体は導電性に優れるため、リチウムイオンキャパシタの負極材料として用いることで、高容量・高出力のリチウムイオンキャパシタを提供することができる。
本発明の金属酸化物とは構成元素として少なくとも1つの金属元素と必須の元素として酸素元素を含む化合物である。金属元素として選ばれる元素はリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y),チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、セレン(Se)、テルル(Te)等である。
また、具体的な金属酸化物としては、酸化マンガン(MnO,Mn,MnO)、酸化錫(SnO,SnO、SnO)、酸化鉄(FeO、Fe,Fe)、酸化コバルト(CoO,Co,Co)、酸化ニッケル(NiO,Ni)、酸化銅(CuO、CuO)の他、マンガン酸リチウム(LiMnO、LiMn)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、バナジウム酸リチウム(LiV、LiVO、LiV),ニオブ酸リチウム(LiNb、LiNbO)、鉄酸リチウム(LiFeO、LiFeO)、チタン酸リチウム(LiTi12、LiTiO)、クロム酸リチウム(LiCrO)、ルテニウム酸リチウム(LiRuO)、銅酸リチウム(LiCuO)、亜鉛酸リチウム(LiZnO)、モリブデン酸リチウム(LiMoO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、タングステン酸リチウム(LiWO)等の金属酸リチウム塩およびこれらリチウム塩のリチウムをナトリウムに置き換えたナトリウム塩あるいはリチウムとナトリウムの両方を含む複合塩といったアルカリ金属-金属酸化物複合化合物(以下同様にアルカリ金属はリチウムまたはナトリウムを指す)が挙げられる。これら金属酸化物は単独で用いても複数種を任意の割合で用いても良い。
また、金属元素と酸素以外の元素を含んでいても良く、具体的には、LiMnPO、LiFePO、LiCoPO、LiNiPO、LiTi(POなどのリン酸アルカリ金属複合化合物、LiFeSiO、LiMnSiO、LiCoSiO、LiNiSiOなどのケイ酸アルカリ金属複合化合物、LiMnPOF、LiFePOF、LiCoPOF、LiNiPOF、LiTi(PO)F、LiMn(PO)F、LiCo0.75Mg0.25(PO)F、LiVAl(PO)F、LiFeV(PO)F、LiTi(PO)F、Li(PO)、LiTi(PO)F、LiFe(PO)、LiTiFe(PO)F、LiTiCa(PO)F、LiTi0.75Fe1.5(PO)F、LiFeZn(PO)F、LiFeZn(PO)F、Li(PO)、LiMn0.5Al0.5(PO)F3.5や、Li1+y1x2 1−xPOやLi1x2 1−xPO(ここでMとMは同じでも異なってもよくFe,Co,Ni,Mn,Mg、Cu、Sbから選ばれてなる金属で0≦x≦1、0≦y≦2)、などの一般式で表されるハロゲン化リン酸アルカリ金属複合化合物(ここでハロゲンとしてはフッ素原子以外に置換可能なものとして塩素;Cl、臭素;Brも含む)、LiMnSOF、LiFeSiOF、LiCoSiOF、LiNiSiOF、LiMnCo(SiO)F、LiMnNi(SiO)F、LiVAl(SiO)F、LiFeMn(SiO)、LiMn(SiO)F、LiFeAl(SiO)Fなどのハロゲン化ケイ酸アルカリ金属複合化合物、が本発明でのより好ましい金属化合物として挙げられる。
さらにその他にもリン酸・ケイ酸アルカリ金属複合化合物として、例えばリチウム化合物を具体的に記すと、LiFeCo(PO)(SiO)F、LiMnCo(PO)(SiO)F、LiVAl(PO)(SiO)F、LiMnV(PO)(SiO)F、LiCoFe(PO)(SiO)F、LiTi(SiO)(PO)F、などが挙げられる。
本発明における金属酸化物ナノ粒子と導電剤の複合化とは、導電剤上に金属酸化物ナノ粒子が担持されている状態であり、活物質を糖などと混合・焼成して得られるカーボンコーティングされている状態は含まない。
本発明では活物質として金属酸化物ナノ粒子を用いる。金属酸化物ナノ粒子は多種多様な形状を取り得る。具体的には球状、多面体、ラグビーボール型、棒状、中心から複数本の棒が突出している星型などが挙げられるが、後述する導電剤との接触面積を広げやすく、電極化したときの電極の密度を上げやすいことから、球状、多面体、棒状のいずれかであることが好ましい。
本発明の金属酸化物ナノ粒子は最小径の平均が15nm以上100nm以下であることを特徴とする。本発明の金属酸化物ナノ粒子の最小径とは、金属酸化物ナノ粒子に内接する球の直径である。金属酸化物ナノ粒子の最小径の平均は、下記実施例A.項の方法にて測定して求める。本発明の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体をリチウムイオン2次電池の電極に用いた場合に、粒子の最小径の平均が15nm以上であるという特徴を有することにより、リチウムイオンの挿入・脱離過程において金属酸化物ナノ粒子の結晶相内にリチウムが固定され、電池を構成する場合の高容量化に寄与しうると考えられる。なぜなら、一般的にリチウムイオン二次電池の活物質の表面から5nmの厚さの領域は、リチウムイオンの挿入・脱離が頻繁に行われるもののリチウムイオンは固定されない領域である。すなわち粒子の最小径の平均が10nm以下の場合には、高容量化の観点で用をなさないことを本発明者らは突き止めた。すなわち、導電剤上に成長した金属酸化物ナノ粒子の大きさを10nm以下とすると、リチウムイオンが自由に出入りできる一方、リチウムイオンが固定化されるはずの結晶相が無いため、結果的に電池の活物質となした場合に容量が小さくなった。そのため、金属酸化物ナノ粒子の最小径の平均は15nm以上である必要があるが、ナノ粒子全体に占めるリチウムイオンが固定化できる領域の割合を大きくできるという点で、該最小径の平均は20nmより大きいのがより好適であり、30nmより大きいのが最も好適である。
本発明では金属酸化物ナノ粒子の最小径の平均が15nm以上であることにより、金属酸化物ナノ粒子中にリチウムイオンが固定される領域を設けることとなる。また一方で粒子の最小径の平均が100nm以下であることにより、金属酸化物ナノ粒子の結晶相に固定されたリチウムイオンの挿入・脱離がスムーズに行われ、さらに活物質内の電子導電距離が短くなるために金属酸化物ナノ粒子自身が持つ高い電気抵抗の影響は最小限に抑えられる。
前述のようにリチウムイオンは活物質の表面から5nmよりも奥の結晶相に取り込まれ固定化されるが、粒径が大きすぎると結晶相に取り込まれたリチウムイオンの出入りが容易ではなく、電池の出力特性が悪くなる場合がある。よって最小径の平均は100nm以下、リチウムイオンや電子の活物質内の移動距離を短くし、抵抗を低減できるという点で、より好適には80nm以下、最も好適には60nm以下とすることで電池を構成する場合に高出力化に寄与しうる。粒子径が小さいことはリチウムイオンの挿入・脱離に伴う体積変化が小さいため、充放電を繰り返した場合の劣化が少ない、すなわちサイクル特性にも優れることとなる。
本発明における導電剤は金属微粒子をはじめとして多種多様のものを必要とされる性能や用いられる金属化合物に応じて適宜採用できるが、化学的に安定性が高いという点で炭素微粒子からなる導電剤であることが好ましい。具体的な炭素微粒子として、導電性ファーネスブラック、導電性ケッチェンブラックあるいは導電性アセチレンブラック等のカーボンブラック、単層カーボンナノチューブ(以下カーボンナノチューブをCNTと略記することがある)や2層以上を有する複層CNT、気相成長炭素繊維(以下VGCFと略記することがある)、カップスタック型CNT、カーボンナノホーン等のカーボンチューブ、カーボン六員環が連続してシートを形成した単層グラフェンあるいは複数枚のグラフェンからなる複層グラフェンなどの他、ポリマー繊維を焼成して得られた後に破砕して得られるミルドカーボン繊維やポリマー繊維からなる不織布を焼成して得られるカーボン不織布シートおよび破砕して得られるミルドカーボン不織布、ポリマーシートを焼成して得られた後に破砕して得られるミルドカーボンシート、などが挙げられ好適に用いられるが、導電性発現に関して近隣の導電剤同士の接触頻度が高まり、安定した導電パスが形成され高効率での電子授受がなされることから、繊維状またはシート状の炭素がより好ましい。
また該繊維状またはシート状の構造であることは、特に本発明の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体を少なくとも一部に用いてリチウムイオン二次電池の電極となした場合に、繊維状あるいはシート状の導電剤が三次元的なネットワーク構造を形成しやすく、リチウムイオン二次電池中の集電体への電気伝導性がより高まることもあり、好ましい。
そして高い導電性を有するという点において、単層CNTや複層CNT、VGCF、カップスタック型CNT、カーボンナノホーン等のカーボンチューブや、単層グラフェンや複層グラフェン、ミルドカーボン繊維、ミルドカーボン不織布シート、ミルドカーボンシートが好ましい導電剤であり、更により高い導電性を有するという点で、単層CNTや複層CNT、VGCF、単層グラフェンや複層グラフェン、ミルドカーボン不織布シート、ミルドカーボンシートがより好ましく、比表面積が大きく金属化合物と密着性が高いという点で繊維状である複層CNTやVGCF、シート状である単層グラフェンや複層グラフェン、ミルドカーボン不織布シートが特に好ましい。ここでミルドカーボン不織布シートにおける不織布を形成するカーボン繊維の繊維径は2μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、500nm以下であることが特に好ましく、300nm以下であることが最も好ましい。該カーボン繊維は細いほど好ましいものの、高い導電性を有しつつも構造を維持しうる強度を保持するために繊維径は1nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがより好ましい。
なお比表面積が大きいという点では繊維状である複層CNTやVGCFの直径は2nm〜300nmであることが好ましく、5nm〜200nmであることがより好ましい。そしてこれら導電剤の導電性(体積抵抗率)は5000[Ω・cm]以下のものが好ましく用いられ、特に好ましい範囲としては、1.0×10−6[Ω・cm]〜500[Ω・cm]である。ここで該体積抵抗率は、下記実施例B.項の方法にて測定して求める。
本発明の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体は金属酸化物ナノ粒子が導電剤表面に60%以上強接合してなる。本発明における強接合とは金属酸化物ナノ粒子が強い力を受けても導電剤上の付いている場所から動くことも離れることもない態様を指す。該強接合していることの判断は下記実施例E.項の方法にてなされる。本発明における強接合が実現するには、ナノ粒子活物質と導電剤を単に混合するだけでは一般には困難であり、金属酸化物ナノ粒子を導電剤表面上で生成させる方法が有用である。そして本発明の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体は金属酸化物ナノ粒子が導電剤表面の60%以上、より好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上の面積を占めて導電剤と強接合し、金属酸化物ナノ粒子と導電剤との間の電荷の授受がスムーズに達成される。金属酸化物ナノ粒子が導電剤表面の面積に占める割合は下記実施例D.項の方法にて測定される。
本発明における金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体において金属酸化物ナノ粒子が占める重量割合は80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上、最も好ましくは90%以上である。金属酸化物ナノ粒子に対して導電剤が少なくなると、電極中に占める活物質重量が増加し、電極重量当たりの容量が向上するために好ましい。
以下、本発明の金属化合物−導電剤複合体の好ましい製造方法を例示する。
本発明の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体における金属酸化物ナノ粒子は、該金属を含有する金属化合物(以下、金属酸化物ナノ粒子原料と呼ぶ)の熱分解反応を伴って得ることができる。
該金属酸化物ナノ粒子原料としては、該金属の塩酸塩、弗酸塩(フッ化物)、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、さらにギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩などのカルボン酸塩、アセチルアセトン化合物、水酸化物が好ましく採用される。特に、熱分解温度が低く扱いやすいという点で、炭酸塩、カルボン酸塩、水酸化物がより好ましく用いられる。その中でもカルボン酸が特に好ましく用いられ、ギ酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩が好ましいものとして挙げられる。
具体的に好ましいとする金属酸化物ナノ粒子原料としては、2価の塩化マンガン、2価の臭化マンガン、2価の炭酸マンガン、2価の硝酸マンガン、2価の硫酸マンガン、2価または3価のリン酸マンガン、二ギ酸マンガン、2価または3価の酢酸マンガン、2価のステアリン酸マンガン、2価または3価のマンガンアセチルアセトナート、2価の乳酸マンガン、シュウ酸マンガン、2価の安息香酸マンガン、3価のトリフルオロ酢酸マンガン等のマンガン化合物およびその水和物、あるいは同様の鉄化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、亜鉛化合物、銅化合物およびそれらの水和物が挙げられ、アルカリ金属の金属酸化物ナノ粒子原料としては、塩化リチウム、臭化リチウム、フッ化リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、リン酸リチウム、リン酸二水素リチウム、ギ酸リチウム、酢酸リチウム、ステアリン酸リチウム、リチウムアセチルアセトナート、クエン酸リチウム、乳酸リチウム、シュウ酸リチウム、トリフルオロ酢酸リチウム、メタケイ酸リチウム等のリチウム化合物およびその水和物、あるいは同様のナトリウム化合物およびその水和物が挙げられる。
これら金属酸化物ナノ粒子原料のうち、アミン系溶媒中で加熱した際にアミンとの相互作用により熱分解温度が低下し、より低温で高効率にナノ粒子を生成できるという点で、2価の酢酸マンガンもしくは2価のギ酸マンガン、あるいは同様の鉄化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、亜鉛化合物、銅化合物、リチウム金属化合物が最も好ましい金属酸化物ナノ粒子原料である。
これら金属酸化物ナノ粒子原料は単独で用いても、また本発明の目的を損ねない範囲で複数種を同時に用いてもよい。
また、目的とする金属酸化物ナノ粒子の種類に応じて、リン酸やリン酸塩、具体的には、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモウムといった非金属原料をアミン系溶媒へ加熱の前後にて添加してもよい。
本発明の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体は、金属酸化物ナノ粒子原料及び導電剤をアミン系溶媒中にて加熱することで得られ、該加熱温度は80℃以上240℃以下であり、加熱時の容器内は常圧である。
反応のためのアミン系溶媒の種類としては、N−メチル−2-ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デカンアミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、ピペラジン等の直鎖状、分岐状あるいは環状の飽和脂肪族1級、2級または3級アミンの他、オレイルアミン、リノールアミン、リノレンアミンなどの直鎖状、分岐状あるいは環状の不飽和脂肪族1級、2級または3級アミンが挙げられ、金属酸化物ナノ粒子原料との反応効率を高めて金属酸化物の微粒子が生成するのに適している点で直鎖状の飽和脂肪族1級または2級アミン、あるいは不飽和脂肪族1級または2級アミンがより好ましい。これらの中でオレイルアミンとオクチルアミンは入手しやすく、金属酸化物ナノ粒子原料の中でもカルボン酸塩とは特に強く相互作用することでカルボン酸塩の熱分解温度を低下させ、より低温で高効率にナノ粒子を生成できるという点で最も好ましい。これらアミン系溶媒は1種類を単独で用いても、複数種を選んで混合して用いてもよいが、副反応が起こることもあり得ることから1種単独で用いることが好ましい。また、アミン系溶媒以外の溶媒も添加し併用してもよいが、アミン化合物による熱分解温度低下の効果を発現させるため、生成する金属酸化物ナノ粒子に対するアミン溶媒のモル比が1以上となることが好ましい。また、金属酸化物ナノ粒子原料を得るための酸化剤として水を添加しても良い。
混合する導電剤の粒子は一般的に相互作用が強いため凝集し易い傾向にあり、特に前述のように好ましいとする繊維状あるいはシート状の構造を有するカーボン系微粒子の導電剤の場合は微粒子同士が互いに絡み合っていて、より強い力で混合して分散させることが必要な場合がある。その場合は、アミン系溶媒への添加前後において導電剤へ分散処理を加えることが好ましく、その手法としては混練撹拌、メディア分散、超音波混合が好ましく、超音波分散が特に好ましい。超音波分散は、印可周波数と印可出力が高いほど混合する力が強くなり好ましいものの、印可周波数としては20kHz以上が好ましく、30kHz以上がより好ましい。また印可出力は50W以上が好ましく、100W以上がより好ましい。
本発明では、アミン系溶媒へ金属酸化物ナノ粒子原料と導電剤を添加した後に加熱し、該金属酸化物ナノ粒子原料を熱分解させることで金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体を得る。該加熱時の容器は開放系であり、容器内は常圧とする。本発明における容器内が常圧という状態は、瞬間的に容器内の圧力が上がっても容器が開放系であるために、直ちに常圧にもどるような状態を含む。加圧しないことは粒子の成長を促進し、過度に粒径を小さくしすぎないために好適である。
溶媒を加熱する際には反応を均一にするために撹拌することが好ましいが、過度に撹拌した場合には金属酸化物が導電剤上で粒子が成長しにくく、導電剤表面以外で生成した金属酸化物ナノ粒子は十分な接合力をもって導電剤と接合することが困難であるため、昇温後の撹拌はアミン系溶媒の最大線速が0.1cm/秒以上かつ60cm/秒以下となるような弱い撹拌が好ましい。加熱温度が低すぎると反応が十分には進行しないことがあるため、加熱温度は80℃以上が好ましく、また加熱温度は高すぎると粒子が粗大化しやすいため、240℃以下が好ましい。さらに加熱時の昇温速度が高いほど金属化合物ナノ粒子の大きさが均一化しやすいことから、5℃/分以上の昇温速度であることが好ましい。
得られた金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体は、一例として、n−ヘキサンなどの非極性溶媒で金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体の表面に存在する非水系溶媒を洗浄、分離除去して、エタノールなどの揮発性溶媒でn−ヘキサンを更に除去するなどの操作を繰り返すことによって洗浄でき、さらに乾燥処理することで金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体の粉末が得られる。得られた金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体は200℃〜1200℃の温度で10分〜30時間熱処理する熱処理工程を施し、金属酸化物ナノ粒子の結晶性を向上させてもよい。
上述のようにして得られた金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体を電極の活物質として用いたリチウムイオン二次電池は、例えば次のようにして製造される。なお本発明の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体は、電池のイオン源としてナトリウムやマグネシウム、カルシウム、アルミニウムを用いた二次電池にも好ましい材料として採用されうるが、リチウムをイオン源とするリチウム二次電池に最も高効率で適用しうる。
金属酸化物が酸化ニッケル(II)(構造式NiO)、導電剤がカーボンナノファイバーである金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体を負極の活物質として用いる場合、まず、該活物質とポリフッ化ビニリデンなどの結着剤とをN−メチル−2−ピロリドンなどの溶媒中に分散させて電極ペーストを調製する。次に該電極ペーストを銅箔などの集電体上に均一に塗布、乾燥して負極活物質層を形成して負極板が作製される。
非水電解液は、LiPFなどの電解質塩をエチレンカーボネートやジエチレンカーボネートなどの非水溶媒中に溶解することにより調製される。
そしてポリプロピレン製多孔質膜等からなるセパレータを用意し、水分が除去された(露点で−50℃以下)雰囲気下で、絶縁ガスケット中で負極、セパレータ、正極の順に配し、セパレータには前述の非水電解液を注入し、蓋でかしめて固定することによりリチウムイオン二次電池が完成する。
該リチウムイオン二次電池における正極あるいは負極中には、必要に応じて、金属酸化物ナノ粒子の性能を更に向上せしめ、あるいは集電体と金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体とを介在して電気的特性を向上せしめるような新たな導電剤を添加しても良い。
本発明の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体は、リチウムイオン2次電池の電極材用の素材として好適に用いられる。また、本発明の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体を少なくとも一部に用いてなる電極は、高容量化、高出力化およびサイクル特性の向上という優れた特性を有することから、リチウムイオン電池の少なくとも一部に用いることで高性能な電池を形成することが可能となる。
また、上述のようにして得られた金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体をリチウムイオンキャパシタの電極活物質として用いる場合には、リチウムイオンのプレドープを施す必要がある。プレドープの方法には既知の方法を用いることができるが、例えば金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体を正極、金属リチウムを負極としたリチウムイオン2次電池を構成し、放電させることでドープすることが可能である。得られたプレドープ済みの金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体はリチウムイオンキャパシタの負極材料として用いることが可能で、その場合の正極材料に特に制限はなく、例えばポリアセンや活性炭を用いることができる。同様に電解液、セパレータも既知のものを用いることができ、例えば電解液には1.0モル/リットルのLiPFを電解質とするプロピレンカーボネート、セパレータにはポリプロピレンなどを用いることができる。リチウムイオンキャパシタをコイン電池として構成するには、露点−50℃以下の水分が除去された雰囲気下で、セパレータを挟んで正極と負極が向き合うようになるようにコインケース内で重ねて配置し、電解液を添加後、絶縁ガスケットを介してコインをかしめれば良い。
以下、実施例により本発明を具体的かつより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに制限されるものではない。なお、実施例中のVGCFには昭和電工株式会社製のVGCF−Hを、ポリ弗化ビニリデンにはアルケマ株式会社 Kynar HSV900を、アセチレンブラックには電気化学工業株式会社製 デンカブラックを用いた。また、実施例中の物性値は、下記の方法によって測定し、実施例中の部は特に具体的な記載のない限り重量部を意味する。
A.金属酸化物ナノ粒子の最小径の平均の算出。
解析する試料は窒素雰囲気下80℃で1時間以上乾燥して測定に供した。株式会社日立ハイテクノロジー社製走査型電子顕微鏡S−5500(以下S−5500(SEM)と略記することがある)にて、加速電圧5kV、10万倍にて観察を行った。最小径は、金属酸化物ナノ粒子に内接する最大の大きさの球の直径であり、粒子50個の平均値を算出して最小径の平均とした。
B.導電剤の導電性(体積抵抗率)の測定方法
測定は、温度23℃、湿度55%の大気中で測定すべき試料を少なくとも該雰囲気中に1時間保持した後に行った。導電剤の試料1.0gを直径2cmの円筒管に入れた後、20kNの荷重で試料を圧縮したのち、電極間隔3.0mm、電極半径0.7mmの四探針プローブを用いて、三菱化学アナリテック社製ロレスタGP(MCP−T610)にて体積抵抗率を求めた。そして3つの異なる試料について各々1回ずつ測定して3回の平均値をその導電剤の導電性(体積抵抗率値)とした。
C.金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体の複合状態の確認
粉末状態の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体をS−5500(SEM)を用いて、倍率10万倍で観察し、金属化合物からなる微粒子が導電剤に複合化した状態を観察し、導電剤上にあることを確認した。
D.導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合の算出
金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体をエタノールに分散させて銅メッシュに滴下し、S−5500(SEM)にて金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体を10個を観察し、それぞれについて金属酸化物ナノ粒子が導電剤を被覆している面積を算出し、その平均値を導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合とした。
ただし、金属酸化物ナノ粒子とアセチレンブラックのボールミルによる混合においては、金属酸化物ナノ粒子の表面をアセチレンブラックが被覆している面積を、導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合とした。
E.金属酸化物ナノ粒子と導電剤との接合の確認
金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体300mgにポリ弗化ビニリデン30mg及びN−メチル−2−ピロリドン700mgを加えてメノウ製乳鉢で粗撹拌したのちに、自転公転ミキサー(株式会社シンキー製AR−100)を用いて2000rpm、10分間の条件で撹拌処理し、銅箔に乾燥後の平均膜厚が25μmとなるよう塗布し、大気(空気)雰囲気下120℃で20分間乾燥し電極化した。得られた電極を銅箔より剥がして、S−5500(SEM)を用いて金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体を観察し、導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合を算出した。金属酸化物ナノ粒子が導電剤から脱離することで該割合が、塗膜化前の粉体状態時の該割合と比較して80%未満まで低下していないことを確認したら強接合とし、80%未満まで低下していれば強接合でないとする。
[参考例1](グラフェンの製造方法)
氷冷した500部の98%硫酸を撹拌しながら、平均粒径3μmの天然黒鉛10部、純度99%以上の硝酸ナトリウム5部を加え、更に純度99.3%以上の過マンガン酸カリウム40部を少しずつ添加して加えたのち、20℃で4時間反応させた。反応物は460部の純水で氷冷しながら希釈した後15分間強撹拌し、更に680部の純水で希釈しながら30分間強撹拌したのち、濃度30%の過酸化水素水60部を添加して更に10分間強撹拌して反応を停止した。得られた混合物は実施例1で採用した遠心分離操作で5000×gの遠心力で20分間かけて分離して固体を得た後、pHが6以上となるまで純水での洗浄と20000×gでの遠心分離処理を繰り返して50℃で真空乾燥することで酸化グラフェンを得た。
該酸化グラフェンをアルゴンガス雰囲気下、600℃で5時間、加熱還元することで還元されたグラフェンの粉体を得た。
[実施例1](酸化マンガン(II)とVGCF−Hとの複合体の製造)
金属酸化物ナノ粒子原料として無水二酢酸マンガン(II)を150ミリモル、導電剤としてVGCFを1100mg、アミン系溶媒としてオクチルアミン300ミリモルを用いてフラスコ内にて混合し、ヤマト科学株式会社製超音波洗浄器(型式:2510J−DTH、発振周波数42kHz、出力125W)を用いて超音波によるフラスコ内の混合処理を15分間行った。次いでフラスコ内をアルゴンガスに置換し、フラスコの一部を大気開放しながら、アルゴンガスを100cm/分の流量で流しつつ、ポリテトラフルオロエチレン製の撹拌翼型撹拌棒でフラスコ内溶液の最大線速が1m/秒となるように10分間撹拌した。その後、フラスコ内溶液を5℃/分の昇温速度で160℃まで昇温し、160℃到達後はそのまま温度を保持すると同時にフラスコ内溶液の最大線速が25cm/秒となるように撹拌を維持した。該フラスコ内溶液を160℃のまま4時間維持した後、加熱を停止し、空冷にて25℃まで冷却した。
得られたフラスコ内容液は株式会社久保田製作所製高速冷却遠心機7780IIを用いて重力の2000倍(2000×g)に相当する遠心力で遠心分離を行い、上澄みを捨てて固形分を抽出した。その後ヘキサンもしくはエタノールを添加し、遠心分離を行って上澄みを捨てるという同様の作業をそれぞれ2回繰り返した後、真空乾燥により灰褐色の粉末を得た。得られた粉末試料を粉末X線回折により同定作業を行ったところ、該粉末試料に含まれるVGCFを除く結晶成分がMnOであることが分かった。また収量が11.0gであったことから、MnOナノ粒子とVGCFの重量比が90:10であることも分かった。
該試料をS−5500(SEM)にて観察したところ、該試料はVGCFに金属酸化物ナノ粒子であるMnOが担持している形態をしており、MnOナノ粒子の最小径の平均は51nm、導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合は88%であった。さらに上記.Eに従い接合状態を確認したところ、MnOナノ粒子がVGCFに強接合していることも分かった。
該金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体30部に結着剤としてポリ弗化ビニリデン3部、追加の導電剤としてアセチレンブラック3部、ペースト溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン60部を加えてメノウ製乳鉢で粗撹拌したのち、自転公転ミキサーにて撹拌処理を施すことで、電極ペーストを得た。そして厚さ10μmの銅箔に、乾燥後に平均25μmの厚さとなるように該電極ペーストを片面に塗布し、大気(空気)雰囲気下80℃で30分間乾燥し、直径1.6cmの円形に電極を打ち抜いた後に真空乾燥機内で1Paへ減圧後、120℃2時間乾燥させて、アルゴン雰囲気のグローブボックス内へと移した。
該グローブボックス内は水分露点−76℃以下、酸素濃度1ppm以下に調整されており、該グローブボックス内で、リチウム箔を負極としたコイン型リチウムイオン電池のハーフセルを組み立てた。このときの電解液にはLiPFを1M含有するエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=7:3の溶媒を用いた。
該コイン型リチウムイオン電池を用いて、レート0.1C、上限電圧1.5V、下限電圧0.1V、理論容量756mAh/g、測定温度25℃、の条件下で充放電測定を3回行ったところ、充電時に1回目に734mAh/g、2回目に722mAh/g、3回目に712mAh/gの値を得て、本発明の製造方法によって金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体が効率よく得られ、また該複合体がリチウムイオン電池活物質として適用可能であることが示され、更にアルカリ金属二次電池が製造可能であることも示された。結果一覧を表1に示す。
Figure 2014053295
[実施例2](酸化マンガン(II)とグラフェンとの複合体の製造)
実施例1において導電剤をグラフェンに変更した以外は実施例1と同様の方法で粉末を得て、粉末X線回折にて結晶成分がMnOであることを確認した。また収量が12.5gであったことから、MnOナノ粒子とVGCFの重量比が91:9であることも分かった。
該試料をS−5500(SEM)にて観察したところ、該試料はグラフェン上に金属酸化物ナノ粒子であるMnOが担持している形態をしており、MnOナノ粒子の最小径の平均は44nm、導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合は80%であった。さらに上記.Eに従い接合状態を確認したところ、MnOナノ粒子がグラフェンに強接合していることも分かった。
該複合体と追加の導電剤及び結着剤をペースト溶媒へ十分に混合した電極ペーストを実施例1と同様の方法、条件により得た。そして実施例1と同様の方法により電極を得てコイン型リチウムイオン二次電池を作製したのちに充放電測定を行った。充放電測定3回の結果は、充電時に1回目に678mAh/g、2回目に699mAh/g、3回目に672mAh/gの値を得て、本発明の製造方法によって金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体が効率よく得られ、また該複合体がリチウムイオン電池活物質として適用可能であることが示され、更にアルカリ金属二次電池が製造可能であることも示された。
[実施例3](酸化ニッケル(II)とVGCFとの複合体の製造)
酢酸ニッケル(II)四水和物を真空乾燥機内で1Paへ減圧後、100℃12時間乾燥させて、無水の酢酸ニッケル(II)を得た。実施例1において金属酸化物ナノ粒子原料を無水酢酸ニッケル(II)に変更した以外は実施例1と同様の方法で粉末を得て、粉末X線回折にて結晶成分がNiOであることを確認した。また収量が10.3gであったことから、NiOナノ粒子とVGCFの重量比が89:11であることも分かった。
該試料をS−5500(SEM)にて観察したところ、該試料はVGCF上に金属酸化物ナノ粒子であるNiOが担持している形態をしており、NiOナノ粒子の最小径の平均は48nm、導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合は71%であった。さらに上記.Eに従い接合状態を確認したところ、NiOナノ粒子がVGCFに強接合していることも分かった。
該複合体と追加の導電剤及び結着剤をペースト溶媒へ十分に混合した電極ペーストを実施例1と同様の方法、条件により得た。そして実施例1と同様の方法により電極を得てコイン型リチウムイオン二次電池を作製したのちに充放電測定を行った。充放電測定3回の結果は、充電時に1回目に638mAh/g、2回目に651mAh/g、3回目に649mAh/gの値を得て、本発明の製造方法によって金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体が効率よく得られ、また該複合体がリチウムイオン電池活物質として適用可能であることが示され、更にアルカリ金属二次電池が製造可能であることも示された。
[実施例4](酸化コバルト(II)とVGCFとの複合体の製造)
実施例1において金属酸化物ナノ粒子原料を無水酢酸コバルト(II)に変更した以外は実施例1と同様の方法で粉末を得て、粉末X線回折にて結晶成分がNiOであることを確認した。また収量が11.3gであったことから、CoOナノ粒子とVGCFの重量比が90:10であることも分かった。
該試料をS−5500(SEM)にて観察したところ、該試料はVGCF上に金属酸化物ナノ粒子であるCoOが担持している形態をしており、CoOナノ粒子の最小径の平均は33nm、導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合は80%であった。さらに上記.Eに従い接合状態を確認したところ、CoOナノ粒子がVGCFに強接合していることも分かった。
該複合体と追加の導電剤及び結着剤をペースト溶媒へ十分に混合した電極ペーストを実施例1と同様の方法、条件により得た。そして実施例1と同様の方法により電極を得てコイン型リチウムイオン二次電池を作製したのちに充放電測定を行った。充放電測定3回の結果は、充電時に1回目に698mAh/g、2回目に672mAh/g、3回目に670mAh/gの値を得て、本発明の製造方法によって金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体が効率よく得られ、また該複合体がリチウムイオン電池活物質として適用可能であることが示され、更にアルカリ金属二次電池が製造可能であることも示された。
[実施例5](酸化鉄(II)とVGCFとの複合体の製造)
実施例1において金属化合物原料を無水酢酸鉄(II)に変更した以外は実施例1と同様の方法で粉末を得て、粉末X線回折にて結晶成分がFeOであることを確認した。結果一覧を表1に示す。また収量が11.4gであったことから、FeOナノ粒子とVGCFの重量比が90:10であることも分かった。
該試料をS−5500(SEM)にて観察したところ、該試料はVGCF上に金属酸化物ナノ粒子であるFeOが担持している形態をしており、FeOナノ粒子の最小径の平均は68nm、導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合は77%であった。さらに上記.Eに従い接合状態を確認したところ、FeOナノ粒子がVGCFに強接合していることも分かった。
該複合体と追加の導電剤及び結着剤をペースト溶媒へ十分に混合した電極ペーストを実施例1と同様の方法、条件により得た。そして実施例1と同様の方法により電極を得てコイン型リチウムイオン二次電池を作製したのちに充放電測定を行った。充放電測定3回の結果は、充電時に1回目に741mAh/g、2回目に723mAh/g、3回目に722mAh/gの値を得て、本発明の製造方法によって金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体が効率よく得られ、また該複合体がリチウムイオン電池活物質として適用可能であることが示され、更にアルカリ金属二次電池が製造可能であることも示された。
[実施例6](4酸化3マンガン(Mn)とVGCFとの複合体の製造)
金属酸化物ナノ粒子原料として酢酸マンガン(II)の4水和物を100ミリモル、導電剤としてVGCFを600mg、アミン系溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン500ミリモルを用いてフラスコ内にて混合し、さらに蒸留水を3g添加し、ヤマト科学株式会社製超音波洗浄器(型式:2510J−DTH、発振周波数42kHz、出力125W)を用いて超音波によるフラスコ内の混合処理を15分間行った。その後非密閉状態で、フラスコ内溶液を5℃/分の昇温速度で90℃まで昇温し、90℃到達後はそのまま温度を保持すると同時にフラスコ内溶液の最大線速が25cm/秒となるように撹拌を維持した。該フラスコ内溶液を90℃のまま4時間維持した後、加熱を停止し、空冷にて25℃まで冷却した。
得られたフラスコ内容液は株式会社久保田製作所製高速冷却遠心機7780IIを用いて重力の2000倍(2000×g)に相当する遠心力で遠心分離を行い、上澄みを捨てて固形分を抽出した。その後蒸留水しくはエタノールを添加し、遠心分離を行って上澄みを捨てるという同様の作業をそれぞれ2回繰り返した後、真空乾燥により灰褐色の粉末を得た。得られた粉末試料を粉末X線回折により同定作業を行ったところ、該粉末試料に含まれるVGCFを除く結晶成分がMnであることが分かった。また収量が7.4gであったことから、Mnナノ粒子とVGCFの重量比が92:8であることも分かった。
該試料をS−5500(SEM)にて観察したところ、該試料はVGCFに金属酸化物ナノ粒子であるMnが担持している形態をしており、MnOナノ粒子の最小径の平均は33nm、導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合は83%であった。さらに上記.Eに従い接合状態を確認したところ、Mnナノ粒子がVGCFに強接合していることも分かった。
該複合体と追加の導電剤及び結着剤をペースト溶媒へ十分に混合した電極ペーストを実施例1と同様の方法、条件により得た。そして実施例1と同様の方法により電極を得てコイン型リチウムイオン二次電池を作製したのちに充放電測定を行った。
充放電測定3回の結果は、充電時に1回目に855mAh/g、2回目に840mAh/g、3回目に836mAh/gの値を得て、本発明の製造方法によって金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体が効率よく得られ、また該複合体がリチウムイオン電池活物質として適用可能であることが示され、更にアルカリ金属二次電池が製造可能であることも示された。
[比較例1]
実施例1において導電剤をアミン系溶媒へ添加しなかった以外は実施例1と同様の方法で粉末を得て、粉末X線回折にて結晶成分が酸化マンガン(II)であることを確認した。該試料をS−5500(SEM)にて観察したところ、得られた粉末はMnOのナノ粒子であり、その最小径の平均は40nmであった。
該試料とVGCFが重量比90:10となるようにしてエタノールに分散させ、超音波による撹拌処理を施した後、遠心分離にて固形分のみを抽出することでナノ粒子活物質−導電剤複合体を得た。該複合体をS−5500(SEM)にて観察したところ、該複合体はVGCFに金属酸化物ナノ粒子であるMnOが担持している形態をしており、導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合は83%であった。しかし、上記.Eに従い接合状態を確認したところ、MnOナノ粒子が結着剤に絡め取られ、導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合は11%に低下し、VGCFとは強接合していないことが分かった。
該複合体と追加の導電剤及び結着剤をペースト溶媒へ十分に混合した電極ペーストを実施例1と同様の方法、条件により得た。そして実施例1と同様の方法により電極を得てコイン型リチウムイオン二次電池を作製したのちに充放電測定を行った。充放電測定3回の結果は、充電時に1回目に251mAh/g、2回目に233mAh/g、3回目に202mAh/gの値をそれぞれ算出して得たが、実施例1よりも低い容量を示し、金属酸化物ナノ粒子と導電剤とをただ単に混合・存在させるだけでは、上記E.に従い電極化した際に導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合が電極化前の13%まで低下し、リチウムイオン二次電池活物質としての性能が劣り、適用できないことが示された。
[比較例2]
比較例1と同様にして得られたMnOナノ粒子を得た後、該MnOナノ粒子とアセチレンブラックを重量比が90:10となるように混合し、ボールミルにてさらに混合することで複合体を得た。該複合体をS−5500(SEM)にて観察したところ、該複合体はVGCFに金属酸化物ナノ粒子であるMnOが担持している形態をしており、導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合は57%であった。しかし、上記.Eに従い接合状態を確認したところ、MnOナノ粒子が結着剤に絡め取られ、導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合は42%に低下し、強接合していないことがわかった。
該複合体と追加の導電剤及び結着剤をペースト溶媒へ十分に混合した電極ペーストを実施例1と同様の方法、条件により得た。そして実施例1と同様の方法により電極を得てコイン型リチウムイオン二次電池を作製したのちに充放電測定を行った。充放電測定3回の結果は、充電時に1回目に488mAh/g、2回目に455mAh/g、3回目に456mAh/gの値をそれぞれ算出して得たが、実施例1よりも低い容量を示し、金属酸化物ナノ粒子と導電剤とをただ単に混合するだけでは、上記E.に従い電極化した際に導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合が電極化前の73%まで低下し、金属酸化物ナノ粒子が導電剤表面を占める割合を向上させることが難しく、結果としてリチウムイオン二次電池活物質としての性能が劣り、適用できないことが示された。
[比較例3]
金属酸化物ナノ粒子原料として125℃、0.1Paで3時間真空乾燥した純度95%以上の二ぎ酸マンガン(II)二水和物を20ミリモルを純度99%以上のオレイン酸120ミリモルへ室温にてフラスコ内で添加した。次いで、フラスコ内をアルゴンガスに置換し、フラスコの一部を大気開放しながら、アルゴンガスを100cm/分の流量で流しつつ、ポリテトラフルオロエチレン製の撹拌翼型撹拌棒でフラスコ内溶液の最大線速が1m/秒となるように10分間撹拌し、そのまま撹拌を続けながら12℃/分の昇温速度で240℃まで加熱して、240℃に到達後60分間その温度を保持して、極薄く黄色に着色した透明な溶液を得た。該溶液を50℃まで冷却したのち、導電剤としてVGCFを70mgを添加し、再びフラスコ内をアルゴン雰囲気としたのちに、フラスコの一部を大気開放しながら、アルゴンガスを100cm/分の流量で流しつつ、ヤマト科学株式会社製超音波洗浄器(型式:2510J−DTH、発振周波数42kHz、出力125W)で15分間、超音波混合を行った。続いて、該混合物溶液に、アミン系溶媒としてオレイルアミン60ミリモルを室温にて添加し、再びフラスコ内をアルゴン雰囲気としたのちに、フラスコの一部を大気開放しながら、アルゴンガスを100cm/分の流量で流しつつ、ポリテトラフルオロエチレン製の撹拌翼型撹拌棒で撹拌翼最速部が50cm/秒となるように撹拌して混合したのち、そのまま撹拌を続けながら15℃/分の昇温速度で260℃まで加熱した後260℃で5時間保持した。加熱終了後は放冷して濃褐色の不透明な液状の混合物を得た。
得られた該液状の混合物に対し、実施例1と同様の方法にて生成物を粉末状態で得た。そして該粉末試料を、アルゴン雰囲気下にて350℃まで昇温して加熱し、そのまま20分間保持する熱処理を行った。熱処理後に得られた粉末試料は粉末X線回折にて、酸化マンガン(II)(化学式:MnO)と炭素のみからなる複合体であることが判明し、S−5500(SEM)にて観察したところ、該試料はVGCFに金属酸化物ナノ粒子であるMnOが担持している形態をしており、MnOナノ粒子の最小径の平均は52nm、導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合は52%であった。また収量が777mgであったことから、MnOナノ粒子とVGCFの重量比が91:9であることが分かった。しかし、上記.Eに従い接合状態を確認したところ、MnOナノ粒子が結着剤に絡め取られ、導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合は31%に低下し、VGCFとは強接合していないことが分かった。
該複合体と追加の導電剤及び結着剤をペースト溶媒へ十分に混合した電極ペーストを実施例1と同様の方法、条件により得た。そして実施例1と同様の方法により電極を得てコイン型リチウムイオン二次電池を作製したのちに充放電測定を行った。充放電測定3回の結果は、充電時に1回目に522mAh/g、2回目に512mAh/g、3回目に501mAh/gの値を得て、実施例1よりも低い容量を示し、金属酸化物ナノ粒子と導電剤が強接合していない状態では、上記E.に従い電極化した際に導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合が電極化前の60%まで低下し、リチウムイオン二次電池活物質としての性能が劣り、適用できないことが示された。
[比較例4]
実施例6において酢酸マンガン(II)4水和物の添加量を10ミリモル、VGCFを60mgとし、90℃到達後の撹拌をフラスコ内溶液の最大線速が1m/秒となるようにした以外は同じ条件にて複合体を合成し、粉末状態で生成物を得た。該粉末飼料を粉末X線回折にて結晶成分がMnであることを確認した。また収量が710mgであったことから、MnとVGCFの重量比が92:8であることも分かった。
該試料をS−5500(SEM)にて観察したところ、該試料はVGCF上に金属酸化物ナノ粒子であるMnが担持している形態をしており、Mnナノ粒子の最小径の平均は12nm、導電剤表面上の金属酸化物ナノ粒子の占める割合は88%であった。さらに上記.Eに従い接合状態を確認したところ、Mnナノ粒子がVGCFが強接合していることも分かった。
該複合体と追加の導電剤及び結着剤をペースト溶媒へ十分に混合した電極ペーストを実施例1と同様の方法、条件により得た。そして実施例1と同様の方法により電極を得てコイン型リチウムイオン二次電池を作製したのちに充放電測定を行った。充放電測定3回の結果は、充電時に1回目に755mAh/g、2回目に734mAh/g、3回目に732mAh/gの値を得て、実施例6よりも低い容量を示し、金属酸化物ナノ粒子が小さすぎるとリチウムイオン二次電池活物質としての性能が劣り、適用できないことが示された。
本発明の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体はリチウム二次電池用電極に適用した際に高容量という非常に高い性能を示すことから、高性能のリチウムイオン二次電池製造に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 金属酸化物ナノ粒子と導電剤の複合体であって、該金属酸化物ナノ粒子の最小径の平均が15nm以上100nm以下であり、該金属酸化物ナノ粒子が導電剤表面の60%以上の面積を占めて強接合してなることを特徴とする金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体。
  2. 前記導電剤が繊維状またはシート状の炭素である請求項1記載の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体。
  3. 前記金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体に占める前記金属酸化物ナノ粒子の重量割合が80%以上であることを特徴とする請求項2記載の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体を少なくとも一部に用いてなることを特徴とする電極。
  5. 請求項4記載の電極を少なくとも一部に用いてなることを特徴とするリチウム二次電池。
  6. リチウムイオンがプレドープされた、請求項1〜3のいずれかに記載の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体。
  7. 請求項6記載の金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体を負極材料として用いたリチウムイオンキャパシタ。
  8. 金属酸化物ナノ粒子原料及び導電剤をアミン系溶媒中にて加熱して金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体を得る製造方法であって、加熱温度が80℃〜240℃であり、加熱時の容器が開放系であり、容器内が常圧であることを特徴とする金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体の製造方法。
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